説明

低減された酸味のエマルション

本発明は、微生物学的に安定で且つ明確な酸味のないw/o/wエマルションを目的とする。このw/o/wエマルションは、エマルション中に使用される酸味料の合計量の少なくとも約50質量%を一次相内に有する。本発明のw/o/wエマルションは、様々な最終用途製品のためのベースとして用いられることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、明確な酸味を有しない、微生物学的に安定なエマルションを目的とする。さらに具体的には、本発明は水中油中水型(w/o/w)エマルション(ウォーター・イン・オイル・イン・ウォーター・エマルション)であって、このエマルション中に用いられる酸味料の合計量の少なくとも約50質量%が一次相内に存在する。本発明のw/o/wエマルションは、予期せぬことに、軽く、低脂肪、又は無脂肪であり、しかも消費者に酸味をもたらすことなしに、許容可能なドレッシング粘度をもつように配合できる。
【背景技術】
【0002】
外部水相及び油中水型を有する分散相を含む、食用に適した水中油中水型エマルション(w/o/w)が製造されている。そのようなw/o/wエマルションは、しばしば好まれれが、それは実質的に高い脂質配合物のレオロジー及びその他の脂質関連特性を模倣するレオロジーをもつように、低い又は低減された脂質配合が作られうるからである。
【0003】
任意のエマルション、特に食用に適したエマルションに、より少ない脂質を用いた場合は、水及び水溶性増粘剤が典型的には脂質に代えて用いられ、そして、高い水含有量をもつ組成物に通常結びついた微生物学的安全性の不安を最小限にするために、より多くの酸味料が必要とされる。残念ながら、低減した脂質、高い水含有量、及び高レベルの酸味料でエマルションを作る場合、得られるエマルションは消費者に好まれない、酸性の又は酸っぱい味をもつ傾向にある。この観点から、味が良く且つ脂質が少ない、食用に適したエマルションを配合するためになされた多くの試みは成功していない。
【0004】
微生物学的に安定で、軽く、低脂質又は無脂質で、許容可能な粘度、及び好まれる(酸っぱくない)味覚を消費者に届けるために適する、食用に適したエマルションを開発することにますます興味がある。本発明は、したがって、エマルション中に用いられた酸味料の全体量の少なくとも約50質量%が一次相内に存在する、低減された酸味のw/o/wエマルションを目的とする。
【0005】
(追加情報)
エマルション調製のための試みが開示されている。米国特許第4,933,192号明細書には、w/o/wエマルションを形成する水和性粉体が記載されている。
【0006】
エマルションを調製するためのその他の試みが開示されている。米国特許第5,683,737号明細書中には、グルコノ−デルタ−ラクトン保存料システムを有するマヨネーズ及びドレッシング組成物が開示されている。
【0007】
エマルションを調製するためのさらに他の試みが開示されている。欧州特許出願公開EP0997074A1公報及び同EP0997075A1公報には、食用に適したエマルションが記載されている。
【0008】
上のいかなる情報も、w/o/wエマルション中に用いられた酸味料全体の少なくとも約50質量%が一次相内に存在するw/o/wエマルションを記述していない。
【特許文献1】米国特許第4,933,192号明細書
【特許文献2】米国特許第5,683,737号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開EP0997074A1公報
【特許文献4】欧州特許出願公開EP0997075A1公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
第一の局面においては、本発明は、以下の:
(a) 油中水型エマルションを含む一次相;及び、
(b) 外部水相、
を含むw/o/wエマルションを目的とし、ここで、前記w/o/wエマルションは、前記一次相中に特定量の水(W1)及び前記外部水相中に特定量の水(W2)を有し、かつ、前記一次相中に特定量の酸味料(A1)及び前記外部水相中に特定量の酸味料(A2)を有し、ここでW1>W2、且つA1>A2である。
【0010】
第二の局面においては、本発明は、本発明の上記第一の局面のw/o/wエマルションを含み、油中に上記w/o/wエマルションを包含する、複合エマルションを目的とする。
【0011】
第三の局面においては、本発明は、本発明の上記w/o/wエマルション又は上記複合エマルションを含む食品を目的とする。
【0012】
第四の局面においては、本発明は、本発明の上記第一の局面のw/o/wエマルションの製造方法を目的とする。
【0013】
本明細書で用いるように、w/o/wエマルションとは、油中水型エマルションが内部に存在するか、又は上記一次相及び外部連続相である上記外部水相を有する、水中油中水型(ウォーター・イン・オイル・イン・ウォーター)エマルションを意味するものとして定義される。
【0014】
本明細書で用いるように、一次相とは、説明した油中水型エマルションを含むか、油中水型エマルションから本質的になるか、又は油中水型エマルションからなることができる、w/o/wエマルションの内部相を意味する。
【0015】
安定とは、少なくとも約9ヶ月、そして好ましくは少なくとも約10ヶ月の間、覆いをした(すなわち密封した)包装中でほぼ室温に保った場合に、微生物学的に安定(いかなるカビの出現もない)且ついかなる風味の喪失もないことを意味する。
【0016】
低減された酸味とは、従来の低脂肪(<65%)の食用に適した水中油型エマルションよりも少ない酸味しか感じないことを意味する。
【0017】
酸味料の量とは、100%酸味料の実際の質量を意味し、酸味料溶液を意味しない。
【0018】
軽く且つ低脂質であるエマルションとは、すなわち、エマルションの全質量を基準にして、約10.0質量%〜約35.0質量%の油、と同じことを意味することが意図されている。脂質なし(ファット・フリー)のエマルションとは、約6.0質量%未満のオイルを含むエマルションを意味するように定義される。油(オイル)とは、トリグリセリド、そして特に、常温で液体であるものを含むことを意味する。
【0019】
ここで用いるように、粘度とは、ハーケ・レオメーター(Haake Rheometer)で得られた変形特性を意味し、レオメーターは同軸の、カップ内のおもり、シリンダー(3mmギャップ)のセットを備え付けられ、用いられるおもりは30.4mmの直径を有し、カップは42mmの直径を有し、そして、常温で0〜135s−1までの速度でシリンダーの振動に傾斜をつけることによって剪断が生じる。報告される粘度は10s−1の剪断速度で得た。
【0020】
(好ましい態様の詳細な説明)
油が人の消費のために適している限り、本発明のw/o/wエマルションの一次相中に用いられる油に関してはいかなる制限もない。本発明に用いられうる油の説明に役立つ実例は、アボカド油、ココナツ油、コーン油、綿実油、魚油、亜麻仁油、グレープ油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、菜種油、サフラワー油、ごま油、大豆油、ヒマワリ油、それらの混合物、及び同様のものを含む。好ましい態様においては、本発明に用いられる油は大豆油である。
【0021】
本発明のw/o/wエマルションの一次相の油中水型エマルションを調製する場合、一次相の全質量を基準にし、そしてそこに包含される全ての範囲を含んで、約0.01〜約12.0質量%、そして好ましくは約0.1〜約10.0質量%、そして最も好ましくは約1.0〜約5.0質量%の一次乳化剤が用いられる。典型的には、一次乳化剤(すなわち、一次相に使用するために選択される乳化剤)が油に(おそらく撹拌及び加熱しながら)添加され、そして、油と一次乳化剤の混合物が得られる。一次乳化剤が油中に完全に溶解した後にほぼ常温で、水が油に通常加えられて一次相の一次エマルションが製造される。一次相に添加される水の量(W1)は、所望するw/o/wエマルションの外部水相中の水の量(W2)より添加される量が多くなるような量である。そして好ましくは、w/o/wエマルション中の水の合計質量の約55.0〜約90.0%、そして最も好ましくは約60.0〜約75.0%が一次相中にある。
【0022】
本発明のw/o/wエマルション中に用いられる上記一次乳化剤は典型的には、そこに包含される全ての範囲を含んで、約9.0未満、そして好ましくは、約6.5未満、そして最も好ましくは約1.0〜4.0の親水性−親油性値(HLB)を有する。本発明の一次相中で用いられうる一次乳化剤の説明に役立つ例は、セチル及びステアリルトリオレエート、トリステアレート、セスキオレエート、モノオレエート、モノステアレート、モノパルミテート、及びモノラウレートソルビタン(及びそれらの誘導体)などのノニオン性界面活性剤を含み、その全てはICIサーファクタンツ社によってBrij(商品名)、Span(商品名)及び/又はTween(商品名)の名称で利用可能にされている。
【0023】
本発明で用いられるその他の一次乳化剤は、BASF AG社によってPluronic(商品名)の名称で入手可能にされている、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのノニオン性コポリマーを含む。本発明で用いられるさらにその他の一次乳化剤は、レシチン及びモノ−及ジグリセリド、並びにポリグリセロールポリリシノレート(PGPR)を含む。本発明に用いられる好ましい一次乳化剤は、PGPRである。
【0024】
本発明で用いられる外部相乳化剤(すなわち、外部の相に用いる乳化剤)は、ここに包含される全ての範囲を含んで、しばしば約9.0より大きなHLB、そして好ましくは約11.0より大きな、そして最も好ましくは約12.0〜約18.0のHLBを有する。そのような乳化剤は、水に添加され且つ溶解されて、外部相混合物をうみだす。本発明において用いるために適した外部相乳化剤の例は、PEG20トリステアレート、PEG20トリオレエート、PEG20モノステアレート、PEG20モノオレエート、PEG20モノパルミテート、及びPEG20モノラウレートソルビタン、それらの誘導体、それらの混合物、及び、その他同様のものを含み、ICIサーファクタンツ社によってTween又はSpanの名称で入手可能にされている。本発明に使用可能な好ましい外部相乳化剤は、しかしながら、ホスホリポプロテイン、及び特に、ホスホリパーゼAで変性された卵黄誘導ホスホリポプロテインであり、これは米国特許第5,028,447号明細書に開示されているとおりであり、この開示を本願に援用する。
【0025】
本発明のw/o/wエマルションに用いられる外部相乳化剤の量は、典型的には、w/o/wエマルションの合計量を基準にして、ここに包含される全ての範囲を含んで、約1.0〜約7.0質量%、そして好ましくは約1.5〜約6.0質量%、そして最も好ましくは約3.0〜約5.5質量%の外部相乳化剤である。
【0026】
上記一次エマルション及び外部相混合物の調製に続いて、好ましくは撹拌しながら、一次エマルションは外部相混合物に添加される。得られる粗w/o/wエマルションは、次に粒径を小さくし且つ混合する装置、例えば、従来のホモジナイザー、コロイド・ミル、高周波処理機(ソニケーター)、クロス・フロー・メンブラン乳化機、スタティック・ミキサー、又はミクロ流動装置、に供給される。好ましい態様においては、上記粗w/o/wエマルションはコロイド・ミルを通して供給され、そして調製されたw/o/wエマルションは、そこに包含される全ての範囲を含んで、約5.0〜約35.0、そして好ましくは約6.0〜約25.0、そして最も好ましくは約7.0〜約15.0ミクロンの直径をもつ油滴を有する。調製された一次相の油中水型エマルションの水滴は、そこに包含される全ての範囲を含んで、約0.5〜約6.0、そして好ましくは約1.0〜約5.0、そして最も好ましくは約1.0〜約4.0ミクロンの直径を有する。特に好ましい態様においては、一次エマルションは、外部相混合物と混合される前に、粒径を小さくする装置にかけられる(そして一次相液滴は約1.0〜約4.0ミクロンの直径である)。得られる所望の、低下した酸味のw/o/wエマルションは、典型的には、約10000〜約150000、そして好ましくは約30000〜約130000、そして最も好ましくは約60000〜約100000cpsの粘度を有する。
【0027】
特に好ましい態様においては、酸味料は、w/o/wエマルションの形成前に、一次相及び外部水相の両方の水に添加される。典型的には、本発明の酸味の低下したw/o/wエマルション中に用いられる酸味料の合計質量を基準にして、少なくとも約50.0質量%、そして好ましくは少なくとも約55.0〜65.0質量%の酸味料が一次相に添加される。本発明のw/o/wエマルションに用いられる酸味料の量は、典型的には、w/o/wエマルションの合計質量を基準にして、約0.1〜約0.8質量%、そして好ましくは約0.2〜約0.6質量%、そして最も好ましくは約0.25〜約0.45質量%の酸味料であり、ここに包含される全ての範囲を含む。さらに、別の好ましい態様においては、用いられた酸に対するフリー水素の濃度が、外部水相において、より大きい。酸味料が食用に適した組成物における使用に適していること以外には、本発明のw/o/wエマルションに用いられる酸味料の種類に関しては本質的にいかなる制限もない。本発明に用いられることができる実例となる酸味料は、酢酸(すなわち酢)、乳酸、酒石酸、塩酸、リンゴ酸、リン酸、それらの混合物、及びその他同様のものを含む。
【0028】
本発明のエマルションに用いられうる任意の添加剤は、人工及び天然食品グレード香料及び着色料;ホエイ蛋白などのタンパク質粉末;微結晶性セルロース、ペクチン、キサンタンガム、グアガム、(即席の及び冷水デンプンを含む)デンプン、などの増粘剤;及び、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、及びグルコノ・デルタ・ラクトンなどの保存剤、を含む。なお、本発明の酸味の低減されたw/o/wエマルションに用いられ得る他の任意添加剤は、塩、砂糖、ショウガ、ナツメグ、バジル、シナモン、オニオン、ガーリック、及びコショウなどのスパイス;(ハム、ベーコン、ポーク、魚、家禽などの)肉類の切れ端又は粒子、(にんじん、セロリ、キャベツ、キュウリなどの)野菜類、ポテト、マカロニ、又はそれらの組み合わせ物、を含む。
【0029】
好ましい態様においては、任意添加剤が用いられる場合、水溶性のものは上記一次相の水、外部相の水、又は両者に添加される;そして水に水溶性でない任意添加剤は、好ましくは外部相にだけ添加される。特に好ましい態様においては、水滴の直径の大きさにいかなる感知できる程度の変化も観測されないように、塩及び糖の一次相及び外部相の濃度比が保たれる。
【0030】
任意添加剤が用いられる場合、それらは典型的には、w/o/wエマルションの合計質量の約12.0質量%未満、そして好ましくはw/o/wエマルションの合計質量の約0.1質量%〜約10.0質量%を構成する。
【0031】
本発明の酸味の低減されたw/o/wエマルションを用いることができる食品組成物の種類には実質的にいかなる制限もない。従って、そのようなw/o/wエマルションは、ホットソース、オランデーズソース、アルフレードソース、及びベルネーズソースのためのベースとして用いられることができる。本発明の酸味の低減されたw/o/wエマルションはまた、サラダのためのドレッシング、並びに、軽く、低脂質及び脂質フリーのマヨネーズ及びディップのためのベースとしても用いられうる。
【0032】
以下の例は本発明の理解を容易にするために提供される。この例は請求項の範囲を制限することを目的とするものではない。
【0033】
(例1)
一次エマルションを以下の成分を中庸の剪断で混合することによって調製した。油及び乳化剤を最初に混合し、次に残りの成分の添加を行った。
【0034】
【表1】

【0035】
(例2)
以下の成分を中程度の剪断で混合することによって、外部相混合物を調製した。
【0036】
【表2】

【0037】
(例3)
本発明のw/o/wエマルションを、例1の一次エマルションを例2の外部相混合物にゆっくり添加し且つ混合することによって調製し、粗w/o/wエマルションを製造した。この粗w/o/wエマルションを、市販されているシャーロット(登録商標)・コロイド・ミルに供給し、約1〜約4ミクロンの直径をもつ液滴及び約7〜約30ミクロンの直径をもつ油滴を有する分散された一次水相をもつ、酸味の低減されたエマルションを製造した。
【0038】
(例4)
例3で作ったものと同様のw/o/wエマルションを含む約24の密封された16オンスのビンを、常温で貯蔵した。約10ヶ月後、カビの発生及び風味の喪失は観測されなかった。
【0039】
(例5)
例3で作ったものと同様の酸味の低減されたw/o/wエマルションを、従来の低脂質マヨネーズ製品に使用されている低脂質の単一水相の水中油型エマルションと比較する。本発明のw/o/wエマルション、及び購入可能な低脂質マヨネーズ製品に使用されている単一水相の水中油型エマルションを試食した回答者は、本発明のw/o/wエマルションが、従来の低脂質単一水相の水中油型エマルションよりも酸っぱくないと結論する。
【0040】
上で得られる結論は、本発明の優れたw/o/wエマルションは、高い水レベルでさえ、微生物学的に安定であり、かつ、従来のエマルションよりも優れた風味があることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
(a) 油中水型エマルションを含む一次相;及び、
(b) 外部水相、
を含むw/o/wエマルションであって、前記一次相中に特定量の水(W1)及び前記外部水相中に特定量の水(W2)を有し、かつ、前記一次相中に特定量の酸味料(A1)及び前記外部水相中に特定量の酸味料(A2)を有し、ここでW1>W2、かつ、A1>A2であるw/o/wエマルション。
【請求項2】
前記w/o/wエマルションが水の特定合計質量を有し、そして前記一次相が水の前記合計質量の約55.0%〜約90.0%を含有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項3】
前記一次相が、約9未満のHLBをもつ乳化剤を含有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項4】
前記外部水相が約9より大きなHLBをもつ乳化剤を含有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項5】
前記乳化剤が、ポリグリセロールポリリシノレートである、請求項3に記載のw/o/wエマルション。
【請求項6】
前記乳化剤が、ホスホリピダーゼAで変性されたホスホリピドプロテインである、請求項4に記載のw/o/wエマルション。
【請求項7】
前記w/o/wエマルションが、約10000〜約150000cpsの粘度を有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項8】
前記w/o/wエマルションが酸味料の特定合計量を有し、かつ、前記一次相が前記w/o/wエマルション中の酸味料の前記合計量の約55.0%〜約60.0%を含む、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項9】
前記w/o/wエマルションが少なくとも約9ヶ月の間安定である、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項10】
前記w/o/wエマルションが明らかな酸味を含まない、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項11】
前記w/o/wエマルションが、油及び乳化剤に添加された場合に複合エマルションをつくるために適している、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項12】
前記外部水相が、前記一次相のフリー水素濃度よりも高いフリー水素濃度を有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項13】
以下の:
(a) 油中水型エマルションを含む一次相;及び、
(b) 外部水相、
を含むw/o/wエマルションであって、前記一次相中に特定量の水(W1)及び前記外部水相中に特定量の水(W2)を有し、かつ、前記一次相中に特定量の酸味料(A1)、及び前記外部水相中に特定量の酸味料(A2)を有し、ここでW1>W2、かつ、A1>A2であるw/o/wエマルション、を含む食品組成物。
【請求項14】
前記食品組成物が、ホットソース、オランデーズソース、アルフレードソース、及びベルネーズソースである、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項15】
前記食品組成物がサラダドレッシング又はマヨネーズである、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項16】
特定の順序なく、以下のステップ:
(a) 特定量の酸味料を有する油中水型エマルションを調製し;
(b) 特定量の酸味料を有する、水及び乳化剤の外部相混合物を調製する、
を含み、ここで前記油中水型エマルション中の前記酸味料の量が、前記外部相混合物中の前記酸味料の量よりも多く、さらに前記油中水型エマルションが前記外部相混合物に混合される、w/o/wエマルションの製造方法。
【請求項17】
前記外部相混合物が、前記油中水型エマルションよりも少ない水しか有しない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記w/o/wエマルションが約0.1〜約0.8質量%の酸味料を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
以下の:
(a) 油中水型エマルションを含む一次相;及び、
(b) 外部水相、
を含み、前記外部水相が前記一次相のフリー水素濃度よりも高いフリー水素濃度を有するw/o/wエマルション。
【請求項20】
前記w/o/wエマルションが複合エマルション中に乳化されている、請求項19に記載のw/o/wエマルション。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
(a) 油中水型エマルションを含む一次相;及び、
(b) 外部水相、
を含むw/o/wエマルションであって、前記一次相中に特定量の水(W1)及び前記外部水相中に特定量の水(W2)を有し、かつ、前記一次相中に特定量の酸味料(A1)及び前記外部水相中に特定量の酸味料(A2)を有し、ここでW1>W2、かつ、A1>A2であるw/o/wエマルション。
【請求項2】
前記w/o/wエマルションが水の特定合計質量を有し、そして前記一次相が水の前記合計質量の約55.0%〜約90.0%を含有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項3】
前記一次相が、約9未満のHLBをもつ乳化剤を含有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項4】
前記外部水相が約9より大きなHLBをもつ乳化剤を含有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項5】
前記乳化剤が、ポリグリセロールポリリシノレートである、請求項3に記載のw/o/wエマルション。
【請求項6】
前記乳化剤が、ホスホリピダーゼAで変性されたホスホリピドプロテインである、請求項4に記載のw/o/wエマルション。
【請求項7】
前記w/o/wエマルションが、約10000〜約150000cpsの粘度を有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項8】
前記w/o/wエマルションが酸味料の特定合計量を有し、かつ、前記一次相が前記w/o/wエマルション中の酸味料の前記合計量の約55.0%〜約60.0%を含む、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項9】
前記w/o/wエマルションが少なくとも約9ヶ月の間安定である、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項10】
前記w/o/wエマルションが明らかな酸味を含まない、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項11】
前記w/o/wエマルションが、油及び乳化剤に添加された場合に複合エマルションをつくるために適している、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項12】
前記外部水相が、前記一次相のフリー水素濃度よりも高いフリー水素濃度を有する、請求項1記載のw/o/wエマルション。
【請求項13】
以下の:
(a) 油中水型エマルションを含む一次相;及び、
(b) 外部水相、
を含むw/o/wエマルションであって、前記一次相中に特定量の水(W1)及び前記外部水相中に特定量の水(W2)を有し、かつ、前記一次相中に特定量の酸味料(A1)、及び前記外部水相中に特定量の酸味料(A2)を有し、ここでW1>W2、かつ、A1>A2であるw/o/wエマルション、を含む食品組成物。
【請求項14】
前記食品組成物が、ホットソース、オランデーズソース、アルフレードソース、及びベルネーズソースである、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項15】
前記食品組成物がサラダドレッシング又はマヨネーズである、請求項13に記載の食品組成物。
【請求項16】
特定の順序なく、以下のステップ:
(a) 特定量の酸味料を有する油中水型エマルションを調製し;
(b) 特定量の酸味料を有する、水及び乳化剤の外部相混合物を調製する、
を含み、ここで前記油中水型エマルション中の前記酸味料の量が、前記外部相混合物中の前記酸味料の量よりも多く、さらに前記油中水型エマルションが前記外部相混合物に混合される、w/o/wエマルションの製造方法。
【請求項17】
前記外部相混合物が、前記油中水型エマルションよりも少ない水しか有しない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記w/o/wエマルションが約0.1〜約0.8質量%の酸味料を含む、請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2006−507822(P2006−507822A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554273(P2004−554273)
【出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010943
【国際公開番号】WO2004/047562
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】