説明

低温での改善された物理的安定性を有する洗剤組成物

【課題】食器類を洗浄するのに有用であり、低温での改善された物理的安定性を有する洗剤組成物を提供する。
【解決手段】全組成物の30〜70重量%の水、および(a)アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤と(b)アミンオキシド界面活性剤とを含み、前記アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤が分枝アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤30〜50重量%を含み、かつ全組成物の0.1〜2重量%のマグネシウムイオンをさらに含む、水性液体洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性液体洗剤組成物に関する。この組成物は、食器類を洗浄するのに特に有用であり、低温での改善された物理的安定性を有する。
【背景技術】
【0002】
良好なグリース除去上の利益を有する液体食器洗い組成物は、消費者によって大いに望まれており、それゆえこれらの組成物は有効な界面活性剤系を含むことが必要である。このような有効な界面活性剤系は、しばしば、異なる界面活性剤を組み合わせそして、特に有効な界面活性剤系は、アミンオキシドをアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤と有意量で組み合わせる。
【0003】
しかしながら、有意量のその界面活性剤系の使用は、低温不安定性の問題を提示する。事実、本発明者等は、有効量のその界面活性剤系を含む製品の場合には、製品を低温に付す時に、白色の固体が沈殿することを見出した。低温が維持されるならば、そのプロセスは全製品全体にわたって進行し且つこの現象は、消費者が製品を分与し且つ使用することをできなくさせる。問題は、組成物が一般に陽イオン、および特にマグネシウム塩(性能に特に望ましい)を更に含む特に一層重大であるらしい。
【0004】
この低温不安定性現象は、消費者許容の見地から特に望ましい透明な液体として処方する製品の場合に一層大きい問題である。事実、前記現象は、組成物の斬新的な曇りを生じ、結局、完全な不透明を生じ、このことは消費者の観点から許容できない。
【0005】
このように、本発明の目的は、アミンオキシドとアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤とを含み且つ低温で安定である有効量の界面活性剤系を含む洗剤組成物を提供することにある。
【0006】
これへの応答として、本発明者等は、この問題が或る量の分枝アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤を有する組成物を提供することによって解決できることを今や見出した。事実、この分枝物質の使用は、陽イオンを含む組成物においてさえ低温不安定性の問題を扱い、低温で透明なままである透明な製品の処方も可能にする。
【発明の概要】
【0007】
本発明の組成物は、全組成物の30〜70重量%の水、および
(a)アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤と
(b)アミンオキシド界面活性剤とからなる界面活性剤混合物(前記アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤は分枝アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤20〜60重量%を含む)を含むことを特徴とする液体洗剤組成物である。
【0008】
更に、本発明は、食器類をこれらの組成物で洗浄する方法、および低温での組成物の物理的安定性を改善するために分枝アルキルアルコキシサルフェートのその中での用途を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の組成物は、水性液体組成物である。それらは、典型的には、全組成物の30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の水を含む。70重量%より多い水量においては、低温不安定性の問題は、一般に観察されないが、30%未満においては、安定性は大幅に損なわれそして透明な安定な製品の処方性がますます困難になる。
【0010】
本組成物は、液体でありそしてそれゆえ典型的には20℃でNo.18スピンドルを有するブルッック・フィールド粘度計で測定して粘度50cps〜2000cps、好ましくは100cps〜350cpsを有する。
【0011】
本発明の組成物は、必須成分として、アミンオキシドとアルキルアルコキシ化サルフェート界面活性剤とからなる界面活性剤系を含む。
【0012】
ここで使用するのに好適なアミンオキシドは、式


−N−O−


(式中、Rは炭素数10〜16の直鎖または分枝アルキルまたはアルケニル基を表わし、RおよびRはC〜C炭化水素鎖、好ましくはメチル基またはエチル基を表わす)
に係るものである。一般に、R中の炭素原子の数が10未満である時には、組成物の洗浄力は低下され、一方16を超えるならば、低温での組成物の安定性は低下する。
【0013】
本組成物は、典型的には、全組成物の0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の前記アミンオキシドを含む。
【0014】
ここで使用するのに好適なアルキルアルコキシ化サルフェートは、式
O(A)SOM(式中、Rは炭素数9〜15のアルキルまたはアルケニル基であり、Aはアルコキシ基、好ましくはエトキシまたはプロポキシ、最も好ましくはエトキシであり、nは平均で実数0.5〜7を表わし、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウム基である)
を有する。
【0015】
典型的にはnが1.0未満である時には、等重量基準でnがより低い値を有するアルキルアルコキシ化サルフェートの使用は、陰イオンのモルの対応増大のためグリース除去および起泡に関する組成物の性能を改善するが、非アルコキシ化アルキルサルフェートの合計量の増大を生じそして、このことは低温不安定性問題をより重大にさせるらしい。異なるn値を有する異なるアルキルアルコキシ化サルフェートを使用するならば、組成物中のアルキルアルコキシ化サルフェートの得られる平均n値は、組成物で使用する異なるアルキルアルコキシ化サルフェートの個々のn値の重量モル平均n値であろう。
【0016】
平均nが0.5未満であるならば、皮膚への刺激は増大しそしてこのことは望ましくない。一方、平均n値が3より大きいならば、洗浄力は低下する。
【0017】
に関しては、R中の炭素原子の平均数が9未満であるならば、洗浄力は不十分である一方、16より大きいならば、低温での安定性は低下する。
【0018】
本組成物は、全組成物の15〜45重量%、好ましくは15〜35重量%の前記アルキルアルコキシ化サルフェート物質を含む。
【0019】
本発明によれば、低温不安定性の問題は、分枝アルキルアルコキシ化サルフェート界面活性剤の提供によって解決される。換言すれば、本発明によれば、前記アルキルアルコキシ化サルフェート界面活性剤の実質的部分は、分枝物質として与えなければならない。分枝物質とは、Rが分枝である一方、分枝の位置および分枝基の長さは親アルコール中のCH−OH官能基の位置によって決定されるようなものを意味する。
【0020】
分枝アルキルアルコキシ化サルフェート物質は、全アルキルアルコキシ化サルフェート(分枝プラス線状)の60重量%より多くを表わすべきではないことが重要である。さもなければ、製品の起泡性能は許容できない程低下する。範囲の他端においては、所望の低温安定性を達成するのに十分な分枝アルキルアルコキシ化サルフェートがあるべきである。この最小値は、特定のニーズに依存し且つ分枝物質の割合の関数として所望の温度での所定のマトリックスの安定性をプロットすることによって評価できる。一般に、分枝アルキルアルコキシ化サルフェートは、存在する全アルキルアルコキシ化サルフェートの少なくとも20重量%から60重量%まで、好ましくは20〜55重量%、最も好ましくは30〜50重量%の量で存在すべきである。
【0021】
アルキルアルコキシ化サルフェートは、各種の鎖長、アルコキシ化度および分枝度でアルブライト・エンド・ウィルソンにより商品名エンピコール(Empicol(R))ESA70(AE1S)またはエンピコール(R)ESB70(AE2S)(天然アルコールから誘導され且つ100%線状であるC12/14炭素鎖長分布を有する)、アルブライト・エンド・ウィルソンにより商品名エンピミン(Empimin(R))KSL68/A−AE1Sおよびエンピミン(R)KSN70/LA−AE3S)(C12/13鎖長分布および分枝約60%を有する)、シェルから商品名ドバノール(Dobanol(R))23エトキシ化サルフェート(C12/13鎖長分布および分枝約 18%を有する)、コンデア・アウグスタから商品名硫酸化リアール(Lial(R))123エトキシレート(C12/13鎖長分布および分枝約60%を有する)および商品名硫酸化イサルケム(Isalchem(R))123アルコキシレート(C12/13鎖長分布および分枝約95%を有する)で市販されている。
【0022】
また、好適なアルキルアルコキシ化サルフェートは、J.ファルベ編の「消費製品中の界面活性剤」およびコンデア・アウグスタによりバルセロナでの3−7VI1996年会議第4回世界界面活性剤に提出された「脂肪オキソアルコール:誘導AE、AS、AESのアルキル鎖構造と性能との関係」に記載のような適当なアルコールをアルコキシ化し、硫酸化することによって製造できる。市販のオキソアルコールは、数種の異性体および同族体を含有する第一級アルコールの混合物である。工業的方法は、これらの異性体を分離することを可能とし、従って、線状異性体含量5〜10%から95%までを有するアルコールを生ずる。アルコキシ化および硫酸化に利用できるアルコールの例は、コンデア・アウグスタによるリアール(R)アルコール(60%分枝)、コンデア・アウグスタによるイサルケム(R)アルコール(95%分枝)、シェルによるドバノール(R)アルコール(18%線状)である。
【0023】
本組成物は、各種の任意成分を更に含むことができる。
【0024】
マグネシウムイオン
本組成物は、好ましくは、組成物の0〜2.0重量%、好ましくは0.1〜2重量%、最も好ましくは0.3〜2重量%のマグネシウムイオン(改善された製品安定性並びに改善された起泡性および皮膚マイルドさのために本発明の液体洗剤組成物に添加してもよい)を含む。
【0025】
マグネシウムイオンは、水中の酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムスラリーでの酸形のアルキルエトキシ界面活性剤の中和によって導入することが好ましい。通常、この方法は、組成物中の陰イオン界面活性剤の量によって限定される。別法は、MgCl、MgSOまたは他の無機Mg塩を使用する方法である。これらの物質は、腐食問題を生じ(塩化物塩)、処方物の溶解度を減少し、または組成物中の処方性/安定性問題を生ずることがあるので、それ程望ましくない。これらの理由で、無機塩の添加を陰イオン無機対イオンの2重量%未満、好ましくは1重量%未満に限定することが望ましい。
【0026】
溶媒
別の本質的成分として、本発明の組成物は、所望の粘度を達成するために有効量の溶媒を含むことができる。
【0027】
ここで使用するのに好適な溶媒としては、低分子量アルコール、例えば、C〜C10、好ましくはC〜C一価アルコールおよび二価アルコール、好ましくはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールおよびヘキシレングリコールが挙げられる。
【0028】
本組成物は、典型的には、全組成物の3〜20重量%、好ましくは3〜15重量%、最も好ましくは5〜10重量%のアルコールまたはそれらの混合物を含む。
【0029】
ハイドロトロープ
別の本質的成分として、本発明の組成物は、組成物が水に適当に可溶性であるように有効量のハイドロトロープを含む。「水に適当に可溶性」とは、製品が洗浄習慣と使用の条件との両方によって指令されるように水に十分に迅速に溶解することを意味する。水に迅速に溶解しない製品は、グリースクリーニング、起泡性、食器類/ガラスなどからの製品のすすぎやすさ、または洗浄後に食器類/ガラス上の製品残存に関して性能の否定をもたらすことがある。ハイドロトロープの配合は、文献および従来技術で公知であるように製品安定性および処方性を改善するのにも役立つ。
【0030】
ここで使用するのに好適なハイドロトロープとしては、陰イオン型ハイドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウムおよびキシレンスルホン酸アンモニウム(好ましい)、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウムおよびトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウムおよびクメンスルホン酸アンモニウム(最も好ましい)、およびそれらの混合物、および関連化合物(米国特許第3,915,903号明細書に開示)が挙げられる。
【0031】
本発明の組成物は、典型的には、全組成物の1.0〜15重量%、好ましくは3〜10重量%、最も好ましくは3〜6重量%のハイドロトロープまたはそれらの混合物を含む。
【0032】
好ましくは、本組成物は、透明な液体組成物として処方する。「透明」とは、安定であり且つ透光性であることを意味する。透明な組成物を達成するために、溶媒およびハイドロトロープの使用は、食器洗い処方物の技術に精通したものに周知である。透明な組成物は、好ましくは、透明な容器(典型的にはプラスチックまたはガラスから作ることができる)にパッケージ化する。
【0033】
任意成分
本組成物は、後述の多数の他の任意成分を更に含むことができる。
【0034】
本発明の組成物は、好ましくは、起泡性、洗浄力、および/またはマイルドさを助長するための特定の補助界面活性剤を含有する。このカテゴリーには液体またはゲル食器洗い洗剤で常用されている数種の陰イオン界面活性剤が包含される。本発明で有用である陰イオン補助界面活性剤の例は、下記のクラスである:
【0035】
(1)アルキル基が直鎖または分枝鎖配置に9〜15個の炭素原子、好ましくは11〜14個の炭素原子を有するアルキルベンゼンスルホネート。特に好ましい線状アルキルベンゼンスルホネートは、約12個の炭素原子を有する。米国特許第2,220,099号明細書および第2,477,383号明細書は、これらの界面活性剤を詳細に記載している。
【0036】
(2)炭素数8〜22、好ましくは炭素数12〜16のアルコールを硫酸化することによって得られるアルキルサルフェート。アルキルサルフェートは、式 ROSO(式中、RはC8〜22アルキル基であり、Mは一価陽イオンおよび/または二価陽イオンである)を有する。
【0037】
(3)アルキル部分中に8〜22個の炭素原子、好ましくは12〜16個の炭素原子を有するパラフィンスルホネート。これらの界面活性剤は、ヘキスト・セラニーズからホスタプール(Hostapur)SASとして市販されている。
【0038】
(4)炭素数8〜22、好ましくは炭素数12〜16のオレフィンスルホネート。米国特許第3,332,880号明細書は、好適なオレフィンスルホネートの説明を含む。
【0039】
(5)アルキル部分中に8〜22個の炭素原子、好ましくは12〜16個の炭素原子を有するアルキルグリセリルエーテルスルホネート。
【0040】
(6)式
−CH(SO)CO
(式中、Rは約C〜C18、好ましくはC12〜C16の直鎖または分枝アルキルであり、Rは約C〜Cの直鎖または分枝アルキル、好ましくは主としてCであり、Mは一価陽イオンまたは二価陽イオンを表わす)
の脂肪酸エステルスルホネート。
【0041】
(7)炭素数6〜18、好ましくは8〜16の第二級アルコールサルフェート。
【0042】
他の好適な補助界面活性剤は、下記のものである:
(8)式


− C − N(R
〔式中、Rは炭素数7〜21、好ましくは9〜17のアルキル基であり、各Rは水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、および−(CO)H(式中、xは1〜約3で変化する)からなる群から選ばれる〕
を有する脂肪酸アミド界面活性剤。
【0043】
(9)構造式
O R
‖ |
(I) R − C − N − Z
〔式中、RはH、C〜Cヒドロカルビル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、またはそれらの混合物、好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはCまたはCアルキル、最も好ましくはCアルキル(即ち、メチル)であり;RはC〜C31ヒドロカルビル、好ましくは直鎖C〜C19アルキルまたはアルケニル、より好ましくは直鎖C〜C17アルキルまたはアルケニル、最も好ましくは直鎖C11〜C17アルキルまたはアルケニル、またはそれらの混合物であり;Zは鎖に直結された少なくとも3個のヒドロキシルを有する線状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビルまたはそのアルコキシ化誘導体(好ましくはエトキシ化またはプロポキシ化)である〕
のポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤。Zは、好ましくは還元アミノ化反応において還元糖から誘導されるであろうし;より好ましくはZはグリシチルである。好適な還元糖としては、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、およびキシロースが挙げられる。Zは、好ましくは−CH−(CHOH)−CHOH、−CH(CHOH)−(CHOH)n-1 −CHOH、−CH−(CHOH)(CHOR′)(CHOH)−CHOH(式中、nは3〜5の整数であり、R′はHまたは環式または脂肪族単糖である)、およびそれらのアルコキシ化誘導体からなる群から選ばれるであろう。nが4であるグリシチル、特に−CH−(CHOH)−CHOHが、最も好ましい。
【0044】
式(I)中、Rは、例えば、N−メチル、N−エチル、N−プロピル、N−イソプロピル、N−ブチル、N−2−ヒドロキシエチル、またはN−2−ヒドロキシプロピルであることができる。
【0045】
−CO−N<は、例えば、ココアミド、ステアロアミド、オレオアミド、ラウリンアミド、ミリストアミド、カプリンアミド、パルミトアミド、タローアミドなどであることができる。
【0046】
Zは、1−デオキシグルシチル、2−デオキシフルクチチル、1−デオキシマルチチル、1−デオキシラクチチル、1−デオキシガラクチチル、1−デオキシマンニチル、1−デオキシマルトトリオチチルなどであることができる。
【0047】
(10)一般式
R−N(+) (R−RCOO(-)
〔式中、Rは炭素数10〜22、好ましくは炭素数12〜18のアルキル基、同様の炭素原子の数を有するアルキルアリールおよびアリールアルキル基(ベンゼン環は約2個の炭素原子に等価であるとみなす)、およびアミドまたはエーテル結合によって中断された同様の構造からなる群から選ばれる疎水基であり;各Rは炭素数1〜約3のアルキル基であり;Rは炭素数1〜約6のアルキレン基である〕
を有するベタイン洗剤界面活性剤。
【0048】
(11)エチレンオキシド基(性状が親水性)と性状が脂肪族またはアルキル芳香族であることができる有機疎水性化合物との縮合によって製造される化合物として広く定義できるエチレンオキシド縮合物。特定の疎水基と縮合する親水基またはポリオキシアルキレン基の長さは、親水性エレメントと疎水性エレメントとの間の所望のバランスを有する水溶性化合物を生成するように容易に調整できる。
【0049】
泡安定剤として好適なこのようなエチレンオキシド縮合物の例は、脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合物である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖または分枝のいずれかであることができ、一般に、約8〜約18個、好ましくは約8〜約14個の炭素原子を有し(泡安定剤としての最良の性能のために)、エチレンオキシドは、アルコール1モル当たり約8モル〜約30モル、好ましくは約8〜約14モルのエチレンオキシドの量で存在する。
【0050】
(12)式
〔R(OR〕〔R(OR
の陽イオン第四級アンモニウム界面活性剤または式
〔R(OR〕〔R(OR〕R
のアミン界面活性剤
〔式中、Rは、アルキル鎖中に約6〜約16個の炭素原子を有するアルキルまたはアルキルベンジル基であり;各Rは−CHCH−、
−CHCH(CH)−、−CHCH(CHOH)−、
−CHCHCH−およびそれらの混合物からなる群から選ばれ;各RはC〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、および水素(yが0ではない時)からなる群から選ばれ;RはRと同じであるかアルキル鎖であり、R+Rの炭素原子の合計数は約8〜約16であり、各yは約0〜約10であり、y値の和は約0〜約15であり;Xは相容性陰イオンである〕。
【0051】
前記の任意の補助界面活性剤に加えて、組成物は、液体食器洗い組成物で使用するのに好適な他の任意成分、例えば、香料、染料、乳濁剤、酵素、ビルダーおよびキレート化剤およびpH緩衝手段(本組成物が一般にpH5〜11、好ましくは6.5〜8.5、最も好ましくは7〜8を有するように)を含有できる。
【0052】
方法
本発明の方法の態様においては、汚れた食器類は、有効量、典型的には約0.5ml〜約20ml(25個の被処理食器類当たり)、好ましくは約3ml〜約10mlの本発明の組成物と接触させる。使用する液体洗剤組成物の実際の量は、使用者の判定に基づくであろうし且つ典型的には因子、例えば、組成物の特定の製品処方、例えば、組成物中の活性成分の濃度、クリーニングすべき汚れた食器類の数、食器類の汚れの程度などに依存するであろう。
【0053】
特定の製品処方は、多数の因子、例えば、組成物製品の所期の市場(即ち、米国、欧州、日本など)に依存するであろう。
【0054】
一般に、本発明の液体洗剤組成物約0.01ml〜約150ml、好ましくは約3ml〜約40mlは、容積容量約1000ml〜約20000ml、より典型的には約5000ml〜約15000mlを有するシンク中で水約2000ml〜約20000ml、より典型的には約5000ml〜約15000mlと合わせる。汚れた食器類は、次いで得られる希釈組成物を含有するシンクに浸漬し、そこで食器の汚れた表面を布、スポンジまたは同様の物品と接触することによってクリーニングする。布、スポンジまたは同様の物品は、食器表面との接触前に洗剤組成物/水混合物に浸漬してもよくそして実際の時間は各適用および使用者に応じて変化するであろうが、典型的には食器表面と約1〜約10秒の時間接触する。布、スポンジまたは同様の物品を食器表面に接触することは、好ましくは、食器表面の同時スクラッビングによって達成される。
【0055】
別の使用法は、汚れた食器類を液体食器洗い洗剤なしの水浴に浸漬することからなるであろう。液体食器洗い洗剤を吸収するためのデバイス、例えば、スポンジは、別個の量の未希釈液体食器洗い組成物に典型的には約1〜約5秒の時間直接入れる。次いで、吸収性デバイス、従って未希釈液体食器洗い組成物は、汚れた食器類の各々の表面に個々に接触して前記汚れを除去する。実際の適用時間は食器の汚れの程度などの因子に依存するであろうが、吸収性デバイスは、典型的には、各食器表面と約1〜約10秒の時間接触する。吸収性デバイスを食器表面に接触することは、好ましくは、同時スクラッビングによって達成される。
【0056】
用途
更に、本発明は、全組成物の50〜75重量%の水、およびアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤との界面活性剤混合物を含む組成物において、低温での前記組成物の物理的安定性を改善するために前記組成物中のアルキルアルコキシサルフェートの全量の60%までを構成する分枝アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤の用途を包含する。
【0057】
本発明を例示する下記の組成物は、表示の割合の表示の成分を一緒に混合することによって調製する。
【実施例】
【0058】
明記の分枝度は、正確な比率の明記のエトキシ化度の市販の分枝物質を組み合わせることによって与える。
【0059】
成分 〔A〕 〔B〕 〔C〕
ココナツアルキル 30(x=1.5) 30(x=1.5) 20(x=2)
エトキシ(x) サ 硫酸化シェル(R) 硫酸化シェル(R) シェルドバノー
ルフェート AE1.5S 36%+ AE1.5 60%+A&WKSL ル(R)AE2S
A&WKSL68(R)/A 45% 68(R)/A 28% +A&W 合計分枝18%
+A&Wエンピミン(R) エンピミン(R)
KSN70/LA 19% KSN70/LA 12%
合計分枝45% 合計分枝35%
グルコースアミド 3.5 3.5 5
アミンオキシド 2.5 2.5 2.5
ベタイン 2.5 2.5 2.5
C10E8エトキシ 5 5 5
化アルコール
Mg 0.5 0.5 0.5
ハイドロトロープ 5 5 5
溶媒(EtOH+ プロ 7 7 7
ピレングリコール)
雑多な成分(染料、 0.5% 0.5% 0.5%
香料、乳濁剤など)
水 残部(100%とする) 残部(100%とする) 残部(100%とする)
粘度(cps) 150cps 150cps 150cps
pH(10%溶液) 8 8 8
−5℃/3週間 合格 合格 合格
での安定性
合格は製品が透明な製品からの可視変化を示さないことを示す。
【0060】
成分 〔D〕 〔E〕
ココナツアルキル 30(x=2) 30(x=0.5)
エトキシ(x) サ 硫酸化コンデア(R)リアー 硫酸化コンデア(R)リアー
ルフェート ル(R)AE2 とシェル(R)AE2S ル(R)AE0.5
との比率3:1 合計分枝60%
合計分枝50%
グルコースアミド 5.5 1.5
アミンオキシド 2.8 1.5
ベタイン 2.8 1.5
C10E8エトキシ 5.5 5.0
化アルコール
Mg 0.5 0.5
ハイドロトロープ 5
溶媒(EtOH+ プロ 7 5
ピレングリコール)
雑多な成分(染料、 0.5% 0.5%
香料、乳濁剤など)
水 残部(100%とする) 残部(100%とする)
粘度(cps) 150 300
pH(10%溶液) 8 8
−5℃/3週間 合格
での安定性
0℃/3週間で 合格
の安定性
合格は製品が透明な製品からの可視変化を示さないことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全組成物の30〜70重量%の水、および
(a)アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤と
(b)アミンオキシド界面活性剤とを含んでなる界面活性剤混合物を含んでなる水性液体洗剤組成物であって、
前記アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤が分枝アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤30〜50重量%を含み、かつ
全組成物の0.1〜2重量%の量のマグネシウムイオンをさらに含むことを特徴とする、水性液体洗剤組成物。
【請求項2】
水40〜60重量%を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤が、式
O(A)SOM(式中、Rは炭素数9〜15のアルキルまたはアルケニル基であり、Aはアルコキシ基であり、nは平均で実数0.5〜7を表わし、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、またはアルカノールアンモニウム基である)を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記式において、Aがエトキシまたはプロポキシである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記式において、Aがエトキシである、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記アミンオキシド界面活性剤が、式


-- N -- O−


(式中、Rは炭素数10〜16の直鎖または分枝アルキルまたはアルケニル基を表わし、RおよびRはC〜C炭化水素鎖を表わす)
を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記式において、RおよびRがメチル基またはエチル基である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
透明な液体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
透明な容器にパッケージ化する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
食器類の洗浄法であって、食器類を水浴に浸漬し、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有効量の組成物をデバイス上に吸収し、吸収された組成物を有するデバイスを汚れた食器類の各々の表面に個々に接触させることを特徴とする、食器類の洗浄法。

【公開番号】特開2010−47763(P2010−47763A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210880(P2009−210880)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【分割の表示】特願平10−532097の分割
【原出願日】平成10年1月20日(1998.1.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】