説明

低燃費低排出ガス燃焼方法及び燃焼装置

【課題】 石油燃料やガス燃料からなる燃焼源を、燃焼性を保持しつつ燃料費の低減と排気ガスの大幅な削減を可能とする燃焼方法及び燃焼装置の提供。
【解決手段】 石油燃料若しくはガス燃料からなる燃焼源に水を10乃至40容量%割合で混合のうえ所要の圧力で加圧移送させつつ複数連接された衝突撹乱破砕具を流通せしめて、微細分散混合させたうえバーナーで燃焼させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は石油やLPG若しくはLNG等液状或いはガス状燃料を、その燃焼性を保持しつつ燃料費の著しい低減と排出ガスの大幅な削減を可能とする、新規な燃焼方法及び燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業活動を初めとする熱エネルギーのための燃焼エネルギー源としては古くから石油が用いられてきており、既に今日に至るまで膨大量の消費がなされ、且今後の途上国の産業拡大とも相俟って更なる消費量の増大が予想されることから資源の枯渇化が危惧されており、その対策としてLPGやLNGも積極的に燃焼エネルギー源として利用されつつあるも、天然資源によるものであるから早晩に石油と共に枯渇の問題に直面する。
【0003】
これがため、かかる問題への対処策の一つとしては燃焼エネルギー源としての石油やLPG若しくはLNG自体の燃焼性を保持させつつ、その消費量を大幅に低減化させる燃焼方法や燃焼装置の開発にあり、他の一つはエネルギーの獲得を燃焼エネルギーから原子力や太陽光、風力等を以って電気エネルギーに転換させることにある。
しかしながら産業活動におけるエネルギー獲得手段としては石油やLPG或いはLNG等の燃焼エネルギー源を用いることが広範囲に亘って実用使用されている実情にあるため、有効な方策としては燃焼エネルギー源としての石油やLPG若しくはLNGの燃焼性を損なうことなく消費量の著しい低減化と、且近年における環境保全のうえから排気ガスの大幅な削減が実現できる燃焼方法及び燃焼装置の開発が不可欠とされている。
【0004】
かかる問題に対する解決の端緒として、古くから油に水を混ぜた燃料を燃焼させてエネルギーを取り出すエマルジョン燃料が提案されていた。このエマルジョン燃料のメカニズムは石油+水+熱→水素+一酸化炭素と考えられ、この反応は水蒸気改質反応とも呼ばれ、化学式ではCnHm+HO→H+COと表される。
更に十分な熱源が有り発火点を下げない程度の水が添加された場合、例えば赤熱した木炭に少しの水を掛ける場合では一酸化炭素と水素が発生するもので、化学式で表せばC+HO→CO+Hとなり、これを水性ガス反応という。
即ち上記化学式からも水があたかも燃料のCOやHに変化したように見えるもので、これら反応を起こすには外部からのエネルギー供給が必要であり、水が外部からのエネルギー無しには燃料とはならない。
そしてエマルジョン燃料においては水が燃焼するのではなく、水の微爆により噴霧された油を瞬時に気化状態によることにより、燃焼効率を上げることにある。
【0005】
これがためにはエマルジョン形成に係る水の液滴径を可能な限り微細に且均質に分散混合形成することであり、且簡便安価に多量に形成しえることであるものの、今日に至るまで燃焼効率を高めることの可能なエマルジョン燃料については開発されていない。
即ちエマルジョン燃料については、界面活性剤を用いて化学的結合による分散溶液とする方法を初め、油と水とを高速回転ミキサーにより撹拌し乳化を促進する方法、多数の細孔を流通させた流体を相互に衝突撹拌させて細粒径のエマルジョン燃料とする多孔式ミキサーによる方法、或いは液体の流れの中に分割、反転、衝突が起るような整流板を数段重ねてなるスティックミキサーによる方法、若しくは流体の壁への衝突と流体同士の衝突を合せて利用することで1MPa程度の中圧でエマルジョン燃料となす方法、及び油と水との混合物に超音波を放射しキャピラリー作用により微細な気泡を生成させ、且つこの気泡を次の正圧の作用で圧壊させて大きな撹拌の創出によりエマルジョンを形成する方法等が公知されている。
【0006】
然るにかかる如き手段によって、仮令油と水とがエマルジョン様に分散混合されたとしても、本発明は石油やLPG若しくはLNGガス等天然資源からなる燃料の著しい消費低減化と環境汚染の防止のための大幅な排気ガスの削減化を図りつつ高い燃焼エネルギーを発揮しえる燃焼方法及び燃焼装置に提供にある。これがためには燃焼源としての石油やLPG若しくはLNGと、水とを均質に分散混合させるとともに極微粒状となして燃焼させることにある。
加えて前記エマルジョン化方法により形成されたエマルジョン燃料は、その僅かな比重差や温度による膨張係数の差異等により時間経過とともに均質分散の崩壊や分離の発生危険も潜在し、更にはLPGやLNGとの分散混合気の保管も極めて至難となる。
【0007】
そこでかかるエマルジョン燃料の問題への対処として、エマルジョン燃料の技術思想を変えて、ボイラー等での燃焼に際しては石油やLPG若しくはLNG等の燃焼源に対して所要の割合で水を燃焼直前において噴霧し燃焼させるものであって、かかる技術思想では燃焼源と水との均質な分散混合がなされぬばかりか、噴霧される水滴もせいぜい数十μm乃至数百μm程度であって、かかる状態では多量の気化熱の剥奪と且燃焼性を高める微爆作用も発揮されにくく安定した燃焼もおぼつかない。
【0008】
これの解決のための先願として石油化学燃料と電離水とが混在して懸濁液化させた液体燃料と、及び該石油化学燃料及び電離水の混合物を、微細な隙間を加圧して通過させる工程を含むことを特徴とする液体燃料の製造方法が公知されている。しかしながら電離水の技術的開示はもとより、該電離水との混合による作用効果も全く記載が無く、而も液体燃料を微細な隙間を加圧通過させることによる液体燃料への作用効果はもとより微細隙間を加圧通過させる技術的開示も全く無い。
そしてかかる構成の液体燃料の検証では、水の混合がせいぜい10乃至15%割合以下で且燃焼具の内部が高温度に保持されぬと燃焼もおぼつかず、特段の燃焼性も発揮されない。そして発明者等の検証の結果からも当該発明は、電離水では無く、後述の別途先願に用いられてなる水の電気分解ガス、所謂ブラウンガス状物たる水電解ガスを用いることにより燃焼が可能となることである。
【0009】
そして別途の発明とは、その発明の名称を水電解ガス混合燃料の生成装置及び生成方法とするもので、該発明はアルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の液体有機化合物を収容し供給される気泡状の水電解ガスと気体化石燃料との混合を繰返し実行する混合槽と、この混合槽に対して塩基性電解液を用いた水電解により生成された水電解ガスを気泡状で供給する水電解ガス供給手段と、混合槽に対し気体化石燃料を気泡状で供給する化石供給手段と、水電解ガス混合燃料を燃料使用装置へ排出する水電解ガス混合燃料排出手段とにより水電解ガス混合燃料の生成装置が構成され、且水電解ガスと気体化石燃料の包泡が容易に通過できない程度の複数の細孔が形成された仕切板が昇降可能な可動構造の昇降可動部が設けられた構成からなるものである。
即ち該発明では排気ガスの大幅削減のため燃焼源としてアルカン系、アルコール系、エーテル系物質の有機化合物から選ばれた液体と、燃焼性を保持させるうえから水電解ガスとを用いるものであるが、該水電解ガスは通称ブラウンガスとも称されて、その扱い性に著しく危険を伴うこと等により、設備上の制約や設備コストの高額化等の問題により現在まで実用化されるに至っていない。
【0010】
そこで発明者等は、かかる実情に鑑み鋭意研究と実験を重ねた結果、燃焼源としての石油やLPG若しくはLNGと水とを、該燃焼源に対して10乃至40容量%割合で混合して混合し混合液若しくは混合気となしたうえ閉鎖系内において所要の圧力を以って移送させたうえ、該移送される混合物や混合気を、多数の衝撃破砕区画若しくは衝撃破砕体に衝突せしめて破砕させ、且更に数次に亘る衝撃破砕区画若しくは衝撃破砕体に流通衝突せしめて、混合物の極微細粒化と均質分散化がなしえることを究明するとともに、十分な燃焼性を以って燃焼しえることを確認し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は石油やLPG若しくはLNG等液状或いはガス状燃料を燃焼源として、その燃焼性を保持しつつ燃料費の著しい低減と排気ガスの大幅な削減を可能とする新規な燃焼方法及び燃焼装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は、ガソリン灯油、軽油、重油或いはこれらの廃油からなる石油燃料若しくはLPGやLNG等のガス燃料からなる燃焼源に水を10乃至40容量%割合で混合して、混合液若しくは混合気となす混合工程と、この混合された混合液若しくは混合気を所要の加圧を付加させて移送させる移送工程と、この移送される混合液若しくは混合気を膨大数に亘って衝突撹乱させながら拡散と集中をなさしめ所望の微細化と均質な分散混合させる破砕分散混合工程と、かかる如くして形成される液化気化燃料をバーナーで燃焼させる燃焼工程とからなる低燃費低排気ガス燃焼方法に存するものであり、更にはバーナーに代えてディスク型にアトマイザーにより回転噴霧燃焼させる、低燃費低排気ガス燃焼方法に存する。
【0013】
加えて本発明では、加圧ポンプと連結された移送管に燃焼源タンクからの燃焼源供給パイプ並びに、水タンクからの水供給パイプが接続されてなり、且この移送管には両側端にフランジ部を有し、所要の内径でその内部には平面円形状でその中央には連結孔と且その周縁には適宜の口径と数の供給口が形成された衝突撹乱破砕具表板と、この衝突撹乱破砕具表板と対称的に連結される平面円形状で、その中央には連結孔と且その周縁には適宜の口径と数の供出口が形成された衝突撹乱破砕具裏板と、これらの内側面にはそれぞれその供給口若しくは供出口より外周縁に向って放射状に流通しえるよう等間隔で適宜形状の破砕撹乱壁部が形成されてなるとともに、この対称的に連結される衝突撹乱破砕具表板及び衝突撹乱破砕具裏板との間に挟持連結され、且平面円形状の表裏面には衝突撹乱破砕具表板及び衝突撹乱破砕具裏板の内側面に、それぞれ形成された破砕撹乱壁部と係合して適宜形状で且破砕撹乱された混合液若しくは混合気がその一側を外周縁に向って拡散しえ、而も外周縁内を経由し他側を中央の供出口に向って集中流通できる係合間隙を有した係合区画を形成する係合区画形成板とからなる衝突撹乱破砕具が適宜数で連接された破砕細分化部が連結されたうえ、この破砕細分化部にバーナーが連接された構成からなる低燃費低排出ガス燃焼装置に存するものであり、更には破砕細分化部にディスク型のアトマイザーが連接されて回転噴霧燃焼させる構成の低燃費低排出ガス燃焼装置に存する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述の如き構成からなるもので、加圧ポンプと連絡された移送管には、ガソリンや灯油、軽油若しくは重油からなる石油燃料或いはLPG若しくはLNG等のガス燃料等の燃焼源タンクからの燃焼源供給パイプと、水タンクからの水供給パイプとが連結されてなるため、所要の容量割合で供給されることにより相互が所要の容量割合の混合液若しくは混合気となされたうえ加圧移送されるとともに、衝突撹乱破砕具が複数連接された破砕細分化部を流通せしめられることにより、混合液若しくは混合気は衝突撹乱破砕具表材中央周縁の供給口より、その内側一側面に係合区画形成板とにより形成され、外周縁に向って放射状に流通しえるよう適宜形状で且係合間隙を有する多数の係合区画内を衝突撹乱と破砕を繰返して、外周縁まで拡散されたうえ外周縁内を他側面に流通し、而も外周縁に向って放射状に適宜形状で且係合間隙を有する多数の係合区画内を衝突撹乱破砕を繰返してその中央供出口に排出させるものであるから、加圧移送される石油燃料若しくはLPGやLNG等のガス燃料からなる燃焼源と水とが微細に破砕され、且均質に混合分散されるとともに、燃焼源に対して10乃至40容量%の水が混合されるため、燃焼源の著しい低減化と排出ガスの大幅な削減はもとより混合された水の微細化により燃焼時の微爆作用が十分に発揮されて、燃焼性が著しく向上する。
【0015】
そして本発明では燃焼源に使用する石油類の比重や粘度或いはガス燃料の特性と水との混合割合とによる微細且均質分散等は、衝突撹乱破砕具の連接と付加する加圧力次第で自在に調整できる。更に本発明方法においてはバーナー等の燃焼具の前に加圧ポンプと衝突撹乱破砕具を連接させるのみであるから、設備費用が極めて安価で而も僅かなスペースで設置できる。
加えて本発明装置では、平面円形状でその中央に連結孔と且その周縁には適宜の口径と数の供給口若しくは供出口が形成された衝突撹乱破砕具表板或いは衝突撹乱破砕具裏板と、これらの内側面にはそれぞれの供給口若しくは供出口より外周縁に向って放射状に流通しえるよう等間隔で適宜形状の破砕撹乱壁部が形成されるとともに、衝突撹乱破砕具表板と衝突撹乱破砕具裏板とが対称的に連結される場合に、その中間に挟持連結され、且平面円形状でその表裏面には衝突撹乱破砕具表板及び衝突撹乱破砕具裏板の内側面に形成された破砕撹乱壁部と係合して適宜形状で、流通により破砕撹乱された混合液若しくは混合気が、その一側を外周縁に向って拡散しえ、而も外周縁内を経由し他側を中央の供出口に向って集中流通できる係合間隙を有した係合区画を形成する係合区画形成板とで構成されるため、極めて狭少なスペース内で膨大数の衝突と撹乱がなされるもので、衝突撹乱破砕具表板と衝突撹乱破砕裏板とは同一の物を対称使用でき、従って係合区画形成板と連結するだけで微細化と均質な分散混合もなしえるとともに、装置全体が極めて安価に且簡便に形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
その加圧力が10乃至100kg/cmの加圧ポンプに連結された加圧移送管に、その直径が60mm、厚さが8mmでその中央に連結孔が形成され、且その周縁に幅2mm長さ10mmの弧形供給口若しくは供出口が設けられ、その内側には係合区画形成板との係合により係合間隙が略0.3mmで且その縦、横、深さが略3mm程度の係合区画で形成される衝突撹乱破砕具を適宜数連接させたうえバーナーに微細分散混合された液化気化燃料を移送し燃焼させる。
【実施例1】
【0017】
以下に本発明実施例を図とともに詳細に説明すれば、図1は本発明燃焼方法の工程図、図2は燃焼方法の説明図であって、混合工程1はガソリンを初め灯油、軽油、重油若しくは廃油からなる石油燃料若しくはLPG或いはLNG等のガス燃料からなる燃焼源2Aと該燃焼源2Aに対し容量割合で10乃至40容量%の水2Bが混合された混合液若しくは混合気2Cとなすところで、該混合はその一側端に加圧ポンプ1Aが連結されてなる移送管1Bにおいてなされるもので、該移送管1Bに燃焼源タンク20Aより供給ポンプ20Dを介して燃焼源供給パイプ21A及び水タンク20Bより供給ポンプ20Dを介して水供給パイプ21Bが連結されてなり、使用目的に合せて燃焼源2Aに対する水2Bの混合割合は供給ポンプ20Dの操作でなされる。
かくして所要の割合で混合された混合液若しくは混合気2Cは、移送工程2において所要の加圧を以って移送させるもので、かかる所以は混合液や混合気2Cを衝突撹乱破砕具3Aに対して膨大数に亘って衝突と撹乱させ且拡散並びに集中をなさしめて微細化と均質分散化を図るもので、当然に短時間に多量の微細化や均質分散をなしうるうえからは、加圧ポンプ1Aとしては通常コンプレッサーが挙げられ、一般的なボイラー燃焼等では加圧力として5kg/cmから100kg/cm程度で且移送容量としては10l/min及至100l/min程度が望まれる。
【0018】
そしてかかる加圧ポンプ1Aに連結される移送管1Bは、実用使用においては石油燃料やガス燃料からなる燃焼源2Aに水2Bが略10乃至40容量%割合で混合された混合液若しくは混合気2が使用されることから防錆面の対処のうえからも、使用素材としてはステンレス管材が好適である。
移送工程2において所要の加圧力と移送容量で移送される混合液若しくは混合気2Cは、複数連接される衝突撹乱破砕具3Aからなる破砕分散混合工程3において、衝突撹乱破砕具3Aの一側内面に形成される多数の係合区画内を衝突と撹乱を繰返しつつ係合間隙を流通して外周縁にまで拡散させ、更に外周縁より他側内面に形成される多数の係合区画内を衝突と撹乱を繰返しつつ係合間隙を流通させて中央の供出口にまで集約せしめて、微細化と均質分散された液化気化燃料4となし、而して燃焼工程5においてバーナー5Aで燃焼させるものである。
【0019】
かかる場合において、本発明は低燃費と低排出ガスとともに燃焼効果を損うことの無い燃焼方法を提供するものであって、当然に石油燃料やガス燃料からなる燃焼源2Aに対して水2Bの混合割合が増加すれば、低燃費化や低排出ガス化は容易に実現可能であるものの、燃焼に際しての多量の気化熱の剥奪による燃焼効果が阻害される危険が内在する。
加えて混合される水2Bは、燃焼に際して微爆作用により熱焼源2Aとガス化して燃焼効果が発揮されるものであるから、可能な限り微細化させ且分散性を高めた液化気化燃料4となすことが望まれるもので、従来からの高速ミキサー等においてはその微細化粒径も、せいぜい30乃至100μmとされている。
而して微細化と分散混合に優れた液化気化燃料4の形成には衝突撹乱破砕具3Aにおける膨大数の係合区画と微細な係合間隙の形成、及び該衝突撹乱破砕具3A内を高加圧短時間に衝突撹乱させながら拡散且集中しえるよう流通させることであって、これにより形成される微細化粒径は略0.1乃至30μm程度にまで微細化が可能となる。
【0020】
かくして微細且均質分散混合された液化気化燃料4は燃焼工程5を形成するバーナー5Aより噴散せしめて燃焼させるもので、該バーナー5Aは一般的ボイラー等に使用している物を使用できる。
更に燃焼工程5におけるバーナー5Aに代えて図3に示すようなディスク型アトマイザー5Bにより高速回転噴霧をさせつつ燃焼させることも提案される。
【0021】
次いで本発明燃焼装置について述べれば、図4は混合工程1の移送管1Bの部分拡大説明図であって、移送管1Bに燃焼源2A並びに水2Bを供給するために、燃焼源供給タンク20A及び水タンク20Bからは、それぞれ燃焼源供給パイプ21A及び水供給パイプ21Bが移送管1Bと連結されてなるものであるが、該移送管1B内には加圧ポンプ1Aによる所要の内部移送圧力が付加されてなるから、かかる内部移送圧力に対抗して燃焼源2Aや水2Bを移送管1B内に、且所要の容量割合で供給しえる供給力を持つ供給ポンプ20D、20Dが設けられている。
【0022】
かくして移送管1B内に所要の容量割合を以って燃焼源2A及び水2Bが供給され混合された混合液若しくは混合気2Cは、破砕分散混合工程3を形成する複数で連接する衝突撹乱破砕具3A内で膨大数に亘って衝突撹乱を繰返すことにより、所要の微細化と相互の均質分散混合が簡便に短時に能率良く形成しえるものであって、該衝突撹乱破砕具3Aは図5に示す如く通常はその両側端に連結用フランジ3Bを有する所要口径の連結装着管3C内に適宜数連接させて使用するもので、連結用フランジ3Bの一方側は適宜の連結ビス3Dにより移送管1Bと連絡される。
【0023】
ところで、衝突撹乱破砕具3Aをより詳しく説明すれば、図6のAに示すように衝突撹乱破砕具表板30Aは平面が円形状でその直径は連結装着管3C内に連接装着できる直径に形成されるとともに、その中央には衝突撹乱破砕具表板30Aと共に裏面にも連結される衝突撹乱破砕具裏板30Bと、且これら衝突撹乱破砕具表板30Aと、衝突撹乱破砕具裏板30Bの内面には、その外周縁30D、30Dに向って放射状に等間隔で且適宜形状の膨大数の破砕撹乱壁部30Cが形成されてなり、更に衝突撹乱破砕具表板30Aと、衝突撹乱破砕具裏板30Bとの間に挟持保持され、且平面が円形状の表裏面には衝突撹乱破砕具表板30A及び衝突撹乱破砕具裏板30Bの内面に形成された破砕撹乱壁部30C、30Cと係合して適宜形状に且破砕撹乱された混合液若しくは混合気2Cが、その一側を外周縁30D、30Dに向って放射状に流通拡散し、而も外周縁30D、30D近傍内を他側に流入孔30Gより流通させて中央に集中しえる係合間隙30Eを有する適宜形状の係合区画30Fを膨大数形成しえる係合区画形成板30とが、衝突撹乱破砕具表板30Aや衝突撹乱破砕具裏板30Bの中央に穿孔されてなる連結孔31Aより連結ネジ32Aを以って一体的に連結される。
【0024】
そして衝突撹乱破砕具表板30Aの中央に設けられた連結孔31Aの周縁には、適宜の形状で移送される混合液若しくは混合気2Cをその内部に供給させる供給口33Aが設けられてなるもので、該衝突撹乱破砕具3Aの衝突撹乱作用を図6のBをもとに更に詳細に説明すれば、該衝突撹乱破砕具3Aは図示する如く衝突撹乱破砕具表板30Aと衝突撹乱破砕具裏板30Bの内面にはそれぞれ破砕撹乱壁部30Cが形成されてなり、且この中間には平面円形状でその表裏面には前記破砕撹乱壁部30Cと係合して適宜形状で外周縁30D、30Dに放射状に、且衝突撹乱される混合液若しくは混合気2Cが流通しえる係合間隙30Eを有する係合区画30Fを表裏面に形成されるため、加圧移送された混合液若しくは混合気2Cは、その中央周縁の供給口33Aより該衝突撹乱破砕具3Aの一側面の係合間隙30E及び係合区画30Fを流通し且衝突と撹乱を繰返して外周縁30D、30D方向へ拡散され、而して外周縁30D、30D周縁に形成された流入孔30Gより他方側の係合間隙30E、及び係合区画30Fを流通し衝突撹乱を繰返して、衝突撹乱破砕具裏板30Bの中央周縁に形成された供出口33Bから排出されるもので、衝突撹乱破砕具3Aを連接使用する場合には、供給口33Aから供出口33Bを順次連接使用させることとなる。
【0025】
図7のAには衝突撹乱破砕具表板30A内面に形成される破砕撹乱壁部30Cと係合区画形成板30とにより形成される係合間隙30E及び係合区画30Fの平面見取図が示されてなり、同図7のBは係合間隙30E及び係合区画30Fの係合状態を示す説明図である。
本発明に使用する衝突撹乱破砕具3Aに形成される係合区画30Fの形状には特段の制約は無く、混合液若しくは混合気2Cを膨大数の係合区画30F内で衝突と撹乱を繰返させるとともに係合間隙30Eも1.0mm以下望ましくは0.3mm以下の狭少に形成させることが、微細化と均等な分散混合のうえから望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
石油燃料若しくはガス燃料を燃焼源として、該燃焼源に10乃至40容量%割合の水を混合させたうえ、衝突撹乱破砕具により微細化と均質分散混合させることにより、ボイラーで容易に燃焼できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 本発明燃焼方法の工程図である。
【図2】 本発明燃焼方法の説明図である。
【図3】 ディスク型アトマイザーの説明図である。
【図4】 移送管の部分拡大説明図である。
【図5】 衝突撹乱破砕具の使用説明図である。
【図6】 衝突撹乱破砕具の構造説明図である。
【図7】 係合間隙及び係合区画の説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 混合工程
1A 加圧ポンプ
1B 移送管
2 移送工程
2A 燃料源
2B 水
20A 燃焼源供給タンク
20B 水タンク
2C 混合液若しくは混合気
20D 供給ポンプ
21A 燃焼源供給パイプ
21B 水供給パイプ
2C 混合液若しくは混合気
3 破砕分散混合工程
3A 衝突撹乱破砕具
3B フランジ
3C 連結装着管
3D 連結ビス
30 係合区画形成板
30A 衝突撹乱破砕具表板
30B 衝突撹乱破砕具裏板
30C 破砕撹乱壁部
30D 外縁部
30E 係合間隙
30F 係合区画
30G 流入孔
31A 連結孔
32A 連結具
33A 供給口
33B 供出口
4 液化気化燃料
5 燃焼工程
5A バーナー
5B ディスク型アトマイザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガソリン、灯油、軽油、重油或いはこれらの廃油からなる石油燃料、若しくはLPGやLNG等のガス燃料からなる燃焼源に水を10乃至40容量%割合で混合させて混合液若しくは混合気となす混合工程と、混合された混合液若しくは混合気を所要の加圧を以って移送させる移送工程と、この移送される混合液若しくは混合気を膨大数に亘って衝突撹乱させ且拡散と集中をなさしめて微細化と均質な分散混合させる破砕分散混合工程と、この破砕分散混合により形成された液化気化燃料をバーナー等で燃焼させる、燃焼工程とからなる低燃費低排気ガス燃焼方法。
【請求項2】
燃焼工程における燃焼が、ディスク型アトマイザーにより燃焼される請求項1記載の低燃費低排気ガス燃焼方法。
【請求項3】
移送管の一側には加圧ポンプが設けられてなり、この移送管には燃焼源タンクより供給ポンプを介して燃焼源供給パイプと、水タンクより供給ポンプを介して水供給パイプが連結されてなるとともに、移送管内で混合された混合液若しくは混合気を加圧移送させて、膨大数に亘り衝突撹乱せしめて微細化と均質な分散混合を図るため、平面が円形状でその中央に連結孔と且その周縁には供給口若しくは供出口を有し、而もこれらの内側には外周縁に向って流通拡散しえるよう放射状で等間隔に適宜の形状の破砕撹乱壁部が形成されており、而も衝突撹乱破砕具表板及び衝突撹乱破砕具裏板とにより挟持連結され、且その表裏面には衝突撹乱破砕具表板及び衝突撹乱破砕具裏板の内側に形成された破砕撹乱壁部と係合して、破砕撹乱される混合液若しくは混合気が、その内側一側面を外周縁に向って拡散流通し、更には外周縁内を他側面に流通のうえ衝突撹乱を繰返して供出口へと集中し、該供出口より排出されるような係合間隙と係合区画を形成する、衝突撹乱破砕具が連接されたうえ、燃焼用バーナーが配設されてなる低燃費低排気ガス燃焼装置。
【請求項4】
燃焼用のバーナーがディスク型アトマイザーである、請求項3記載の低燃費低排気ガス燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−102991(P2012−102991A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264312(P2010−264312)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(501489786)
【Fターム(参考)】