説明

低粘度農薬組成物

【課題】 粘度が低く保存安定性に優れる農薬液状組成物を提供すること。
【解決手段】 農薬活性成分、ノニオン性界面活性剤および有機溶剤を含む液状組成物において、該有機溶剤がブタンジオールであることを特徴とする液状組成物。農薬活性成分としてはアミノ酸系除草剤、特にグリホサートまたはその塩が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドリング性と保存安定性が良好な農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
農薬活性成分、特に除草剤は、一般に高い農薬活性を得るために適切な界面活性剤の存在を必要とする。界面活性剤は、高濃度配合物において提供され得るか、あるいは稀釈された噴霧溶液に最終使用者によって添加され得る。例えば、下記非特許文献1に報告されている広範囲な研究において、WyrillおよびBurnsideは、アミノ酸系除草剤の除草活性を高める能力が界面活性剤の中で広く変化していることを見出した。
【0003】
また、特許文献1にはアルキルポリグリコシドを含む組成物が開示されている。
【0004】
さらに、特許文献2にはアセチレン系ジオールを用いてアミノ酸系除草剤の耐雨性を向上させる方法が開示されている。
【0005】
しかし、これらノニオン性界面活性剤は農薬活性成分の効果を向上させるが、組成物中にノニオン性界面活性剤を含有させると、組成物の粘度が上昇したり、場合によっては組成物の曇点が低下する。特に農薬活性成分濃度が高い場合にはこれらの現象が顕著になり、組成物のハンドリング性や保存安定性が問題となることがある。
【特許文献1】特開昭62−099313号公報
【特許文献2】特開平06−024918号公報
【非特許文献1】ウィード サイエンス(Weed Science)、1977年、第25巻、p.275−287
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、有害生物の防除効果に優れ、粘度が低くかつ曇点が高く、ハンドリング性と保存安定性に優れる液状組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究した結果,農薬活性成分、ノニオン性界面活性剤および有機溶剤を含む組成物において、有機溶剤としてジプロピレングリコール、N−メチルピロリドン、2−メトキシエタノール、エタノール、ブタンジオール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1,5−ペンタンジオールおよびトリエチレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる1種以上を用いると、液状組成物の粘度が低くなりハンドリング性に優れることを見出した。
【0008】
また、本発明者らは、更に研究した結果,アミノ酸系除草剤、ノニオン性界面活性剤および有機溶剤を含む組成物において、有機溶剤としてブタンジオールとプロピレングリコールを併用すると、液状組成物はその曇点が高くなり、高温での保存安定性に優れることを見出した。なお、本明細書において「曇点」とは、液状組成物を昇温していくと濁ってくる温度を意味する。
【0009】
すなわち、本発明は、下記〔1〕〜〔13〕に関するものである。
【0010】
〔1〕 農薬活性成分、ノニオン性界面活性剤および有機溶剤を含む液状組成物において、該有機溶剤がジプロピレングリコール、N−メチルピロリドン、2−メトキシエタノール、エタノール、ブタンジオール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1,5−ペンタンジオールおよびトリエチレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる1種以上であることを特徴とする液状組成物。
【0011】
〔2〕 農薬活性成分がアミノ酸系除草剤である上記〔1〕記載の液状組成物。
【0012】
〔3〕 有機溶剤がブタンジオールであり、更に他の有機溶剤としてプロピレングリコールを含む上記〔2〕記載の液状組成物。
【0013】
〔4〕 ブタンジオール1重量部に対してプロピレングリコールが0.25重量部以上である上記〔3〕記載の液状組成物。
【0014】
〔5〕 液状組成物100重量部に対してプロピレングリコールが0.8重量部以上である上記〔3〕記載の液状組成物。
【0015】
〔6〕 ブタンジオールが1,4−ブタンジオールである上記〔3〕ないし〔5〕から選ばれる何れかに記載の液状組成物。
【0016】
〔7〕 アミノ酸系除草剤がグリホサート、ビアラホスおよびグルホシネート並びにそれらの塩から選ばれる1種以上である上記〔2〕ないし〔6〕から選ばれる何れかに記載の液状組成物。
【0017】
〔8〕 アミノ酸系除草剤がグリホサートおよびその塩から選ばれる1種以上である上記〔2〕ないし〔6〕から選ばれる何れかに記載の組成物。
【0018】
〔9〕 グリホサートおよびその塩から選ばれる1種以上の濃度が、グリホサート酸等量で440g/L以上である上記〔8〕記載の組成物。
【0019】
〔10〕 ノニオン性界面活性剤がアルキルグリコシド、アルキルポリグリコシドおよびアセチレン系界面活性剤から選ばれる1種以上である上記〔1〕ないし〔9〕から選ばれる何れかに記載の液状組成物。
【0020】
〔11〕 更に液体担体を含む上記〔1〕ないし〔10〕から選ばれる何れかに記載の液状組成物。
【0021】
〔12〕 液体担体が水である上記〔11〕記載の液状組成物。
【0022】
〔13〕 農薬活性成分、ノニオン性界面活性剤および有機溶剤を含む液状組成物において、有機溶剤としてプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、N−メチルピロリドン、2−メトキシエタノール、エタノール、ブタンジオール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1,5−ペンタンジオールおよびトリエチレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる1種以上を用いることにより液状組成物の粘度を低減する方法。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、液状組成物の粘度が低減されハンドリング性が改善される。また、農薬活性成分としてアミノ酸系除草剤を含有する場合には、液状組成物の曇点が上昇し、高温での保存安定性が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の農薬活性成分は、有害生物を防除する効果を有するものであればよく、例えば、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤および殺バクテリア剤等が挙げられる。以下に本発明の農薬活性成分を具体的に例示するが、本発明の農薬組成物はこれらの1種または2種以上を含有することができる。
【0025】
除草剤:ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron ethyl)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron methyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、ピラクロニル(pyraclonil)、テフリルトリオン(tefuryltirone)、メソトリオン(mesotrione)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ペノキススラム(penoxsulam)、アミノピラリド(aminopyralid)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、モノスルフロン(monosulfuron)、モノスルフロンメチル(monosulfuron-methyl)、ピノキサデン(pinoxaden)、プロポキシカルバゾンナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、テンボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)、トプラメゾン(topramezon)、メタミトロン(metamitron)、エスプロカルブ(esprocarb)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、メフェナセット(mefenacet)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ブロモブチド(bromobutide)エトベンザニド(etobenzanid)、ダイムロン(dymron)、クミルロン(cumyluron)、ベンタゾン(bentazone)、ベンタゾンの塩、2,4−D、2,4−Dの塩、2,4−Dのエステル、MCP、MCPの塩、MCPのエステル、MCPB、MCPBの塩、MCPBのエステル、フェノチオール(MCPA-thioethyl)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、ジメタメトリン(dimethametryn)、シメトリン(simetryn)、ピペロホス(piperophos)、アニロホス(anilofos)、ブタミホス(butamifos)、ベンスリド(bensulide)、ジチオピル(dithiopyr)、ピリミノバックメチル(pyriminobac methyl)、CNP、クロメトキシニル(chlormethoxynil)、シハロホップブチル(cyhalofop butyl)、ビフェノックス(bifenox)、カフェンストロール(cafenstrole)、ペントキサゾン(pentoxazone)、インダノファン(indanofan)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、フェントラザミド(fentrazamide)、ブテナクロール(butenachlor)、ACN、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンフレセート(benfuresate)、シンメチリン(cimmethylin)、シマジン(simazine)、ジクロベニル(dichlobenil)、ジウロン(diuron)、クロロIPC(chlorpropham)、アトラジン(atrazine)、アラクロール(alachlor)、イソウロン(isouron)、クロルフタリム(chlorphtalim)、シアナジン(cyanazin)、トリフルラリン(trifluralin)、ブタミホス(butamifos)、プロピザミド(propyzamide)、プロメトリン(prometryn)、ペンディメタリン(pendimethalin)、メトラクロール(metolachlor)、メトリブジン(metribuzin)、リニュロン(linuron)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、MCPA、アイオキシニル(ioxynil octanoate)、アシュラム(asulam)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップテフリル(quizalofop-tefuryl)、セトキシジム(sethoxydim)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェンメディファム(phenmedipham)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ベンタゾン(bentazone)、SAP(bensulide)、TCTP(chlorthal-dimethyl,tetorachlorothiophene)、アミプロホスメチル(amiprophosmethyl)、アメトリン(ametryn)、イソキサベン(isoxaben)、オルベンカーブ(orbencarb)、カルブチレート(karbutilate)、ジチオピル(dithiopyr)、シデュロン(siduron)、チアザフルロン(thiazafluron)、ナプロパミド(napropamide)、プロジアミン(prodiamine)、ベスロジン(benefin)、メチルダイムロン(methyl dymron)、2,4−PA、MCPPA、フラザスルフロン(flazasulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、イマザキン(imazaquin)、イマザピル(imazapyr)、テトラピオン(flupropanate)、テブティウロン(tebuthiuron)、ブロマシル(bromacil)、ヘキサジノン(hexazinone)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-iso-propylammonium)、グリホサートトリメシウム塩(glyphosate-trimesium)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、ビアラホス(bialaphos)、グルホシネート(glufosinate-ammonium)およびMCC等。
【0026】
殺菌剤:アシベンゾラール(acibenzolar/一般名)、アムプロピルホス(ampropyfos/一般名)、アニラジン(anilazine/一般名)、アザコナゾール(azaconazole/一般名)、アゾキシストロビン(azoxystrobin/一般名)、ベナラキシル(benalaxyl/一般名)、ベノダニル(benodanil/一般名)、ベノミル(benomyl/一般名)、ベンザマクリル(benzamacril/一般名)、ビナパクリル(binapacryl/一般名)、ビフェニル(biphenyl/一般名)、ビテルタノール(bitertanol/一般名)、ベトキサジン(bethoxazine/一般名)、ボルドー液(bordeaux mixture/一般名)、ブラストサイジン−S(blasticidin-S/一般名)、ブロモコナゾール(bromoconazole/一般名)、ブピリメート(bupirimate/一般名)、ブチオベート(buthiobate/一般名)、カルシウムポリスルフィド(calcium polysulfide/一般名)、キャプタフォール(captafol/一般名)、キャプタン(captan/一般名)、カッパーオキシクロリド(copper oxychloride/一般名)、カルプロパミド(carpropamid/一般名)、カルベンダジン(carbendazim/一般名)、カルボキシン(carboxin/一般名)、キノメチオネート(chinomethionat/一般名)、クロベンチアゾン(chlobenthiazone/一般名)、クロルフェナゾール(chlorfenazol/一般名)、クロロネブ(chloroneb/一般名)、クロロタロニル(chlorothalonil/一般名)、クロゾリネート(chlozolinate/一般名)、クフラネブ(cufraneb/一般名)、シモキサニル(cymoxanil/一般名)、シプロコナゾール(cyproconazol/一般名)、シプロジニル(cyprodinil/一般名)、シプロフラム(cyprofuram/一般名)、デバカルブ(debacarb/一般名)、ジクロロフェン(dichlorophen/一般名)、ジクロブトラゾール(diclobutrazol/一般名)、ジクロフラニド(diclhlofluanid/一般名)、ジクロメジン(diclomedine/一般名)、ジクロラン(dicloran/一般名)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb/一般名)、ジクロシメット(diclocymet/一般名)、ジフェノコナゾール(difenoconazole/一般名)、ジフルメトリン(diflumetorim/一般名)、ジメチリモール(dimethirimol/一般名)、ジメトモルフ(dimethomorph/一般名)、ジニコナゾール(diniconazole/一般名)、ジニコナゾール−M(diniconazole-M/一般名)、ジノカップ(dinocap/一般名)、ジフェニルアミン(diphenylamine/一般名)、ジピリチオン(dipyrithione/一般名)、ジタリムホス(ditalimfos/一般名)、ジチアノン(dithianon/一般名)、ドデモルフ(dodemorph/一般名)、ドジン(dodine/一般名)、ドラゾクソロン(drazoxolon/一般名)、エデフェノホス(edifenphos/一般名)、エポキシコナゾール(epoxiconazole/一般名)、エタコナゾール(etaconazole/一般名)、エチリモル(ethirimol/一般名)、エトリジアノール(etridiazole/一般名)、ファモキサゾン(famoxadone/一般名)、フェナリモル(fenarimol/一般名)、フェブコナゾール(febuconazole/一般名)、フェンフラム(fenfuram/一般名)、フェンピクロニル(fenpiclonil/一般名)、フェンプロピジン(fenpropidin/一般名)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph/一般名)、フェンチン(fentin/一般名)、フェルバン(ferbam/一般名)、フェリムゾン(ferimzone/一般名)、フルアジナム(fluazinam/一般名)、フルジオキソニル(fludioxonil/一般名)、フルオロイミド(fluoroimide/一般名)、フルキンコナゾール(fluquinconazole/一般名)、フルシラゾール(flusilazole/一般名)、フルスルファミド(flusulfamide/一般名)、フルトラニル(flutolanil/一般名)、フルトリアフォール(flutriafol/一般名)、フォルペット(folpet/一般名)、フォセチル−アルミニウム(fosetyl-aluminium/一般名)、フベリダゾール(fuberidazole/一般名)、フララキシル(furalaxyl/一般名)、フェナミドン(fenamidone/一般名)、フェンヘキサミド(fenhexamid/一般名)、グアザチン(guazatine/一般名)、ヘキサクロロベンゼン(hexachlorobenzene/一般名)、ヘキサコナゾール(hexaconazole/一般名)、ヒメキサゾール(hymexazol/一般名)、イマザリル(imazalil/一般名)、イミベンコナゾール(imibenconazole/一般名)、イミノクタジン(iminoctadine/一般名)、イプコナゾール(ipconazole/一般名)、イプロベンホス(iprobenfos/一般名)、イプロジオン(iprodione/一般名)、イソプロチオラン(isoprothiolane/一般名)、イプロバリカルブ(iprovalicarb/一般名)、カスガマイシン(kasugamycin/一般名)、クレソキシム−メチル(kresoxim-methyl/一般名)、マンカッパー(mancopper/一般名)、マンゼブ(mancozeb/一般名)、マンネブ(maneb/一般名)、メパニピリム(mepanipyrim/一般名)、メプロニル(mepronil/一般名)、メタラキシル(metalaxyl/一般名)、メトコナゾール(metconazole/一般名)、メチラム(metiram/一般名)、メトミノストロビン(metominostrobin/一般名)、ミクロブタニル(myclobutanil/一般名)、ナバム(nabam/一般名)、ニッケルビス(ジメチルジチオカーバメート)(nickel bis(dimethyldithiocarbamate)/一般名)、ニトロタール−イソプロピル(nitrothal-isopropyl/一般名)、ヌアリモル(nuarimol/一般名)、オクチリノン(octhilinone/一般名)、オフレース(ofurace/一般名)、オキサジキシル(oxadixyl/一般名)、オキシカルボキシン(oxycarboxin/一般名)、オキポコナゾールフマール酸塩(oxpoconazole fumarate/一般名)、ペフラゾエート(pefurzoate/一般名)、ペンコナゾール(penconazole/一般名)、ペンシクロン(pencycuron/一般名)、フタライド(phthalide/一般名)、ピペラリン(piperalin/一般名)、ポリオキシン(polyoxins/一般名)、プロベナゾール(probenazole/一般名)、プロクロラズ(prochloraz/一般名)、プロシミドン(procymidone/一般名)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride/一般名)、プロピコナゾール(propiconazole/一般名)、プロピネブ(propineb/一般名)、ピラゾホス(pyrazophos/一般名)、ピリフェノックス(pyrifenox/一般名)、ピリメタニル(pyrimethanil/一般名)、ピロキロン(pyroquilon/一般名)、キノキシフェン(quinoxyfen/一般名)、キントゼン(quintozene/一般名)、硫黄(sulfur)、スピロキサミン(spiroxamine/一般名)、テブコナゾール(tebuconazole/一般名)、テクナゼン(tecnazene/一般名)、テトラコナゾール(tetraconazole/一般名)、チアベンダゾール(thiabendazole/一般名)、チフルザミド(thifluzamide/一般名)、チオファネート−メチル(thiophanate-methyl/一般名)、チラム(thiram/一般名)、トルクロホス−メチル(tolclofos-methyl/一般名)、トリルフラニド(tolylfluanid/一般名)、トリアジメホン(triadimefon/一般名)、トリアジメノール(toriadimenol/一般名)、トリアゾキシド(triazoxide/一般名)、トリシクラゾール(tricyclazole/一般名)、トリデモルフ(tridemorph/一般名)、トリフルミゾール(triflumizole/一般名)、トリホリン(triforine/一般名)、トリチコナゾール(triticonazole/一般名)、バリダマイシン(validamycin/一般名)、ビンクロゾリン(vinclozolin/一般名)、ジネブ(zineb/一般名)、ジラム(ziram/一般名)及びオキシン銅(oxine-copper/一般名)等。
【0027】
殺バクテリア剤:ストレプトマイシン(streptomycin/一般名)、オキシテトラサイクリン(oxyterracycline/一般名)及びオキソリニックアシド(oxolinic acid/一般名)等。
【0028】
殺線虫剤:アルドキシカルブ(aldoxycarb/一般名)、フォスチアゼート(fosthiazate/一般名)、フォスチエタン(fosthietan/一般名)、オキサミル(oxamyl/一般名)及びフェナミホス(fenamiphos/一般名)等。
【0029】
殺ダニ剤:アミトラズ(amitraz/一般名)、ブロモプロピレート(bromopropylate/一般名)、チノメチオネート(chinomethionat/一般名)、クロロベンジラート(chlorobezilate/一般名)、クロフェンテジン(clofentezine/一般名)、サイヘキサチン(cyhexatine/一般名)、ジコフォール(dicofol/一般名)、ジエノクロール(dienochlor/一般名)、エトキサゾール(etoxazole/一般名)、フェナザキン(fenazaquin/一般名)、フェンブタチンオキシド(fenbutatin oxide/一般名)、フェンプロパトリン(fenpropathrin/一般名)、フェンプロキシメート(fenproximate/一般名)、ハルフェンプロックス(halfenprox/一般名)、ヘキシチアゾックス(hexythiazox/一般名)、ミルベメクチン(milbemectin/一般名)、プロパルギット(propargite/一般名)、ピリダベン(pyridaben/一般名)、ピリミジフェン(pyrimidifen/一般名)及びテブフェンピラド(tebufenpyrad/一般名)等。
【0030】
殺虫剤:アバメクチン(abamectin/一般名)、アセフェート(acephate/一般名)、アセタミピリド(acetamipirid/一般名)、アジンホス−メチル(azinphos-methyl/一般名)、ベンジオカルブ(bendiocarb/一般名)、ベンフラカルブ(benfuracarb/一般名)、ベンスルタップ(bensultap/一般名)、ビフェントリン(bifenthrin/一般名)、ブプロフェジン(buprofezin/一般名)、ブトカルボキシン(butocarboxim/一般名)、カルバリル(carbaryl/一般名)、カルボフラン(carbofuran/一般名)、カルボスルファン(carbosulfan/一般名)、カルタップ(cartap/一般名)、クロルフェナピル(chlorfenapyr/一般名)、クロルピリホス(chlorpyrifos/一般名)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos/一般名)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron/一般名)、クロチアニジン(clothianidin/一般名)、クロマフェノジド(chromafenozide/一般名)、クロピリホス−メチル(chlorpyrifos-methyl/一般名)、シフルトリン(cyfluthrin/一般名)、ベータ−シフルトリン(beta-cyfluthrin/一般名)、シペルメトリン(cypermethrin/一般名)、シロマジン(cyromazine/一般名)、シハロトリン(cyhalothrin/一般名)、ラムダ−シハロトリン(lambda-cyhalothrin/一般名)、デルタメトリン(deltamethrin/一般名)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron/一般名)、ダイアジノン(diazinon/一般名)、ジアクロデン(diacloden/一般名)、ジフルベンズロン(diflubenzuron/一般名)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos/一般名)、ジオフェノラン(diofenolan/一般名)、ジスルフォトン(disulfoton/一般名)、ジメトエート(dimethoate/一般名)、EPN、エスフェンバレレート(esfenvalerate/一般名)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb/一般名)、エチプロール(ethiprole/一般名)、エトフェンプロックス(etofenprox/一般名)、エトリムホス(etrimfos/一般名)、フェニトロチオン(fenitrothion/一般名)、フェノブカルブ(fenobucarb/一般名)、フェノキシカーブ(fenoxycarb/一般名)、フェンプロパトリン(fenpropathrin/一般名)、フェンバレレート(fenvalerate/一般名)、フィプロニル(fipronil/一般名)、フルシトリネート(flucythrinate/一般名)、フルフェノクスウロン(flufenoxuron/一般名)、フルフェンプロックス(flufenprox/一般名)、タウ−フルバリネート(tau-fluvalinate/一般名)、ホノホス(fonophos/一般名)、フォルメタネート(formetanate/一般名)、フォルモチオン(formothion/一般名)、フラチオカルブ(furathiocarb/一般名)、ハロフェノジド(halofenozide/一般名)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron/一般名)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon/一般名)、イミダクロプリド(imidacloprid/一般名)、イソフェンホス(isofenphos/一般名)、インドキサカルブ(indoxacarb/一般名)、イソプロカルブ(isoprocarb/一般名)、イソキサチオン(isoxathion/一般名)、ルフェヌウロン(lufenuron/一般名)、マラチオン(malathion/一般名)、メタルデヒド(metaldehyde/一般名)、メタミドホス(methamidophos/一般名)、メチダチオン(methidathion/一般名)、メタクリホス(methacrifos/一般名)、メタルカルブ(metalcarb/一般名)、メソミル(methomyl/一般名)、メソプレン(methoprene/一般名)、メトキシクロール(methoxychlor/一般名)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide/一般名)、モノクロトホス(monocrotophos/一般名)、ムスカルーレ(muscalure/一般名)、ニテンピラム(nitenpyram/一般名)、オメトエート(omethoate/一般名)、オキシデメトン−メチル(oxydemeton-methyl/一般名)、オキサミル(oxamyl/一般名)、パラチオン(parathion/一般名)、パラチオン−メチル(parathion-methyl/一般名)、ペルメトリン(permethrin/一般名)、フェントエート(phenthoate/一般名)、フォキシム(phoxim/一般名)、ホレート(phorate/一般名)、ホサロン(phosalone/一般名)、ホスメット(phosmet/一般名)、ホスファミドン(phosphamidon/一般名)、ピリミカルブ(pirimicarb/一般名)、ピリミホス−メチル(pirimiphos-methyl/一般名)、プロフェノホス(profenofos/一般名)、ピメトロジン(pymetrozine/一般名)、ピラクロホス(pyraclofos/一般名)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen/一般名)、ロテノン(rotenone/一般名)、スルプロホス(sulprofos/一般名)、シラフルオフェン(silafluofen/一般名)、スピノサド(spinosad/一般名)、スルホテップ(sulfotep/一般名)、テブフェノジド(tebfenozide/一般名)、テフルベンズロン(teflubenzuron/一般名)、テフルトリン(tefluthorin/一般名)、テルブホス(terbufos/一般名)、テトラクロロビンホス(tetrachlorvinphos/一般名)、チオジカルブ(thiodicarb/一般名)、チアメトキサム(thiamethoxam/一般名)、チオファノックス(thiofanox/一般名)、チオメトン(thiometon/一般名)、トルフェンピラド(tolfenpyrad/一般名)、トラロメスリン(tralomethrin/一般名)、トリクロルホン(trichlorfon/一般名)、トリアズロン(triazuron/一般名)、トリフルムロン(triflumuron/一般名)及びバミドチオン(vamidothion/一般名)等。
【0031】
上記農薬活性成分の中でも、特にアミノ酸系除草剤を用いた場合に、本発明の効果が良好である。アミノ酸系除草剤は、非選択性の除草剤であり、例えばグリホサート、ビアラホスおよびグルホシネート並びにそれらの塩が挙げられる。好ましいアミノ酸系除草剤は、グリホサートおよびその塩である。
【0032】
グリホサート、ビアラホスおよびグルホシネートは、公知の非選択性除草剤であり、一般には、それらの塩の形で用いられる。当該塩は、有機または無機の塩であって農薬として使用できるものであれば特に限定はないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アンモニウム、イソプロピルアミン塩、トリメチルスルホニウム塩等があげられる。好ましい塩としては、イソプロピルアミン塩、アンモニウム塩、カリウム塩である。
【0033】
グリホサートおよびその塩の濃度は、生物効果の点から、好ましくはグリホサート酸換算で400g/L以上、より好ましくは440g/L以上、さらに好ましくは480g/L以上である。
【0034】
本発明のノニオン性界面活性剤は、以下のものが例示としてあげられる。
【0035】
ポリエチレングリコール型界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレンアルキル(C8〜18)エーテル、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキル(C8〜18)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキル(C8〜12)フェニルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンビスフェニルエーテル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C8〜18)モノエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C8〜18)ジエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C8〜18)エステル、グリセロール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、アルキル(C8〜18)アミンエチレンオキサイド付加物および脂肪酸(C8〜18)アミドエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0036】
多価アルコール型界面活性剤:例えば、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸(C8〜18)エステル、ソルビタン脂肪酸(C8〜18)エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシドおよびアルキルポリグリコシド等が挙げられる。
【0037】
その他、アセチレン系界面活性剤、アルカンジオール界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の含有量は適宜選択でき、本発明の液状組成物100重量部に対して通常0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
【0038】
好ましいノニオン性界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C8〜18)エーテル、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、アセチレン系界面活性剤およびアルカンジオール界面活性剤である。より好ましくはアルキルグリコシド、アルキルポリグリコシドおよびアセチレン系界面活性剤である。
【0039】
本発明に使用するアルキルポリグリコシドは、式(2):
R20O(R21O)b(G11)a (2)
〔式中、
R20はC6〜30アルキル基、C6〜30アルケニル基、C6〜30アルキニル基またはC6〜30アルキルフェニル基を表し、
R21はC2〜4アルキレン鎖を表し、
G11は5単糖残基または6単糖残基を表し、
bは0ないし12の数値を表し、
aは1ないし10の数値を表す。〕で表される。
【0040】
好ましいアルキルポリグリコシドとしては、
式(2)において、G11がグルコース残基でありbが0であるアルキルポリグリコシド、
式(2)において、R20がC6〜30アルキル基またはC6〜30アルケニル基であるアルキルポリグリコシド、
式(2)において、R20がC6、C8、C10、C12、C14、C16もしくはC18の鎖長を有するアルキル基、またはC6、C8、C10、C12、C14、C16もしくはC18の鎖長を有するアルケニル基であるアルキルポリグリコシド、およびそれらの混合物からなるアルキルポリグリコシド、
式(2)において、(G11)aがグリコシド結合により互いに結合している平均1ないし10個の糖残基であるアルキルポリグリコシド、
式(2)において、(G11)aは異なった種類の還元糖の糖残基で構成されていてもよく、その糖残基がグルコースまたはマルトースであるアルキルポリグリコシド、および
式(2)において、糖残基の数を表しているaは典型的な分布に基づく統計的平均値であり、特に適切なものはアルキル基当たり平均1ないし5個の糖分子を含み、より好ましくは、1ないし5個のグルコース残基を含み、特に好ましくは、少なくとも1アルキルポリグリコシドの平均グリコシド残基重合度が約1ないし約1.8であり、これらの界面活性剤のうち、特にさらに好ましくはC6〜14の鎖長のアルキル基を有するアルキルポリグリコシドが挙げられる。
【0041】
本発明のアセチレン系界面活性剤としては、アセチレンアルコール、アセチレンジオールおよびこれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤等があげられる。
【0042】
アセチレンアルコールの例としては、HOCR12−C≡CH〔R1、R2はそれぞれ炭素数が1ないし8個のアルキル基を示す。〕で表される化合物等があげられる。好ましくはR1がメチル基、R2がイソブチル基のもの、またはR1およびR2がメチル基のもの、R1がメチル基、R2がエチル基のものである。
【0043】
アセチレンジオールの例としては、HOCR12−C≡C−CR12OH〔R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数が1ないし8個のアルキル基を示す。〕で表される化合物等があげられる。好ましくは、R1がメチル基、R2がエチル基のもの、R1がメチル基、R2がイソブチル基のもの、R1およびR2がメチル基のもの、R1がメチル基、R2がイソペンチル基のものである。
【0044】
また、これらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤は、例えば、上記アセチレンアルコール、アセチレンジオールにエチレンオキサイドまたは/およびプロピレンオキサイド等を付加した化合物等があげられる。
【0045】
アセチレン系界面活性剤のHLBの上限は、12以下が好ましいが、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下、更に好ましくは6以下、最も好ましくは4以下である。アセチレン系界面活性剤のHLBの下限は限定されないが、好ましくは2以上、より好ましくは4以上である。
【0046】
本発明のアルカンジオール界面活性剤は、上記アセチレンジオールのアセチレン部分に水素付加された構造のもの、およびこれらにアルキレンオキサイドを付加した化合物が挙げられる。
【0047】
本発明の液状組成物は、さらに他の補助剤として、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、キレート剤等の補助剤を含有することもできる。
【0048】
好ましい補助剤の1つは、カチオン性界面活性剤である。本明細書において「カチオン性界面活性剤」とは、正に帯電した基またはプロトン化により正の電荷を獲得し得る基を有する任意の界面活性剤を意味し、両性界面活性剤および双性イオン性界面活性剤を包含する。
【0049】
適切なカチオン性界面活性剤の種類には、一級、二級および三級のアルキルアミン、一級、二級および三級のアルキルアミニウム塩(ただし、アミン基は配合物中で実質的にプロトン化される)、四級アルキルアンモニウム塩などのオニウム塩、ならびにそれらの混合物が含まれる。広範囲の一級、二級、三級および双性イオン性のアルキルアミンおよび四級のアルキルアンモニウム塩の界面活性剤を、本発明の実施において利用することができる。本発明のカチオン性界面活性剤と組み合わせるのに適切なアニオンには、塩化物アニオン、水酸化物アニオン、グリホサートアニオン、硫酸塩アニオン、およびリン酸塩アニオンが含まれる。
【0050】
本発明における使用に好ましい一級、二級および三級のアルキルアミン界面活性剤は、三級のポリオキシアルキレンアルキルアミンおよび三級のポリオキシアルキレンアルキルエーテルアミンである。
【0051】
本発明における使用に好ましい双性イオン性または両性のアルキルアンモニウム界面活性剤は、アルキル、ジアルキルまたはアルキル低級アルキルを有するグリシン、β−アラニンおよびアスパラギン酸などのアミノ酸誘導体である。
【0052】
好ましいアルキルアンモニウム塩は、四級アルキルアンモニウム塩である。本発明において有用な四級アルキルアンモニウム塩には、四級化(例えば、N−メチル)アルキルアミン、四級化ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ピリジン類の四級塩、カルボキシル化イミダゾリン類の四級塩(開鎖および閉鎖)、およびトリアルキルベタインが含まれる。トリアルキルアミンオキシドは、水に加えたときに四級アンモニウム水酸化物塩を形成し、本発明の実施においてもまた有用な種類の化合物である。
【0053】
本発明における使用に好ましい四級アルキルアンモニウム塩は、アルキル低級アルキルジ(ヒドロキシ低級アルキル)アンモニウム塩化物、ジアルキルジ(低級アルキル)アンモニウム塩化物、アルキルトリ(低級アルキル)アンモニウム塩化物、カルボキシメチル化イミダゾリン類およびアルキルジ(低級アルキル)ベタインである。特に好ましいものは、ジアルキルジメチルアンモニウム塩化物およびアルキルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0054】
本発明における使用に適切な四級アンモニウム塩を下記に例示するが、これらに限定されない。
1.四級化長鎖アミン:
a)アルキルトリ(低級アルキル)アンモニウム塩化物
i)トリメチルココアンモニウム塩化物(ココ:C12〜15アルキル)
ii)トリメチルオクタデシルアンモニウム塩化物
b)ジアルキルジ(低級アルキル)アンモニウム塩化物
i)ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩化物
2.四級化ポリオキシアルキレン長鎖アミン:
a)ジアルキルジ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩化物
i)メチルビス(2−ヒドロキシエチル)ココアンモニウム塩化物
ii)メチルビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアンモニウム塩化物
iii)メチルビス(2−ヒドロキシエチル)オレイルアンモニウム塩化物
b)アルキルジ(ポリオキシエチレン)低級アルキルアンモニウム塩化物
i)メチルビス(ω−ヒドロキシポリオキシエチレン)ココアンモニウム塩化物(ただし、ポリオキシエチレンは3モル〜20モルのエチレンオキシドから誘導される)
ii)メチルビス(ω−ヒドロキシポリオキシエチレン)オレイルアンモニウム塩化物(ただし、ポリオキシエチレンは3モル〜20モルのエチレンオキシドから誘導される)
c)ヒドロキシアルキルポリオキシエチレンジ(低級アルキル)アンモニウム塩化物
i)ヒドロキシエチルジメチルポリオキシエチレン(2モル)アンモニウム塩化物
d)アルキルトリ(ポリオキシエチレン)アンモニウムホスフェート
i)ラウリルトリポリオキシエチレンアンモニウムホスフェート
3.四級化ピリジン類:
i)N−オクチルピリジン塩化物
ii)N−ドデシルピリジン塩化物
4.四級化されたカルボキシル化イミダゾリン類(閉鎖および開鎖):
i)N−カルボキシメチル−N−アミノエチルウンデシルイミダゾリン
ii)N−カルボキシ−N−ヒドロキシエチルウンデシルイミダゾリン
iii)N−カルボキシメチル−N−アミノエチル−(N’,N’−ジカルボキシメチル)ウンデシルイミダゾリン
iv)N−カルボキシメチル−N−(カルボキシメトキシ)エチルウンデシルイミダゾリン
v)N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルヘプタデシルイミダゾリン
vi)N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルウンデシルイミダゾリン
5.トリアルキルベタイン:
a)アルキルジ(低級アルキル)ベタイン
i)ラウリルジメチルベタイン
ii)ステアリルジメチルベタイン
iii)ココジメチルベタイン
iv)デシルジメチルベタイン
6.アミンオキシド:
a)アルキルジ(低級アルキル)アミンオキシド
i)ラウリルジメチルアミンオキシド
ii)ステアリルジメチルアミンオキシド
b)ジ(ヒドロキシエチル)アルキルアミンオキシド
i)ジ(ヒドロキシエチル)オクチルアミンオキシド
ii)ジ(ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド
iii)ジ(ヒドロキシエチル)タロウアミンオキシド
c)ジ(ポリヒドロキシエチレン)アルキルアミンオキシド
i)ビス(ω−ヒドロキシポリオキシエチレン)タロウアミンオキシド
d)低級アルキルポリオキシエチレンアルキルアミンオキシド
i)メチルポリオキシエチレン(2モル)ココアミンオキシド。
【0055】
本発明で用いることができるキレート剤は、キレート効果を有するものなら特に限定されないが、例えばEDTA、NTA、HEDTA、DTPA、TTHA、PDTA、DPTA-OH、HIDA、DHEG、GEDTA、HEDP、NTMP、PBTC、シュウ酸、コハク酸、グリシン、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、ヘプトン酸、酒石酸、およびこれらの塩類(ナトリウム塩、カリウム塩など)である。
【0056】
本発明の液状組成物に含有できるキレート剤の総量は、特に限定されないが、農薬活性成分1重量部に対して通常0.005〜0.5重量部であり、好ましくは0.05〜0.2重量部である。
【0057】
本発明で用いる有機溶剤は、ジプロピレングリコール、N−メチルピロリドン、2−メトキシエタノール、エタノール、ブタンジオール(例えば、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよび2,3−ブタンジオール)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1,5−ペンタンジオールおよびトリエチレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる1種以上である。好ましい有機溶剤は、N−メチルピロリドン、2−メトキシエタノール、エタノール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1,5−ペンタンジオールおよびトリエチレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる1種以上である。これらの有機溶剤を液状組成物に含有させることにより、液状組成物の粘度が低下し、ハンドリング性が改善される。本発明では、これらの有機溶剤以外に、更にもう1種以上の他の有機溶剤を含有することができる。
【0058】
有機溶剤の含有量は、液状組成物100重量部に対し、好ましくは1重量部以上、より好ましく2重量部以上、さらに好ましくは2.5重量部以上である。
【0059】
また、アミノ酸系除草剤、ノニオン性界面活性剤および有機溶剤を含有する液状組成物は、アミノ酸系除草剤の含有量が増えると、ノニオン性界面活性剤の溶解性が低下するために曇点が低下する。曇点以上に昇温すると、ノニオン性界面活性剤が溶解できなくなって濁り、しばらくすると分離し、温度を下がっても攪拌しなければ均一にならない。従って、高温での保存安定性の面から該液状組成物の曇点は、好ましくは55℃以上、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは100℃以上であることが望まれる。
【0060】
アミノ酸系除草剤を含有する液状組成物の曇点を上昇させるためには、有機溶剤としてブタンジオールとプロピレングリコールを併用するとよい。プロピレングリコールの含有量は、通常ブタンジオール1重量部に対し0.25重量部以上、好ましくは0.5重量部以上である。また、プロピレングリコールの含有量は、好ましくは液状組成物100重量部に対して0.8重量部以上、より好ましくは1重量部以上である。ブタンジオールとしては、1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0061】
本発明の液状組成物は、様々な有害生物を防除するために用いることができる。以下に農薬活性成分がアミノ酸系除草剤である場合について述べる。
【0062】
本発明のアミノ酸系除草剤を含有する液状組成物は、除草有効量にて植物に適用でき、制限なくして1以上の以下の属:Abutilon、Amaranthus、Artemisia、Asclepias、Avena、Axonopus、Borreria、Brachiaria、Brassica、Bromus、Chenopodium、Cirsium、Commelina、Convolvulus、Cynodon、Cyperus、Digitaria、Echinochloa、Eleusine、Elymus、Equisetum、Erodium、Helianthus、Imperata、Ipomoea、Kochia、Lolium、Malva、Oryza、Ottochloa、Panicum、Paspalum、Phalaris、Phragmites、Polygonum、Portulaca、Pteridium、Pueraria、Rubus、Salsola、Setaria,Sida、Sinapis、Sorghum、Triticum、Typha、Ulex、XanthiumおよびZeaの1種以上の植物種を有効に制御できる。
【0063】
本発明のアミノ酸系除草剤を含有する液状組成物が用いられる特に重要な一年生双子葉類は、限定なくして下記に例示される:イチビ(Abutilon theophrasti)、ヒユ(Amaranthus種)、アメリカスズカケノキ(Borreria種)、ナタネ等(Brassica種)、オランダフウロ(Erodium種)、ヒマワリ(Helianthus種)、アサガオ(Ipomoea種)、ホウキギ(kochia)、ゼニアオイ(Malva種)、タデ等(Polygonum種)、スベリヒユ(Portulaca種)、ロシアンアザミ(russian thistle)(Salsola種)、キンゴジカ(Sida種)、ノハラガラシ(Sinapis種)、オナモミ(Xanthium種)、アメリカセンダングサ(Bidens種)およびシロザ(Chenopodium種)。
【0064】
本発明のアミノ酸系除草剤を含有する液状組成物が用いられる特に重要な一年生単子葉類は限定なくして下記に例示される:カラスムギ(Avena fatua)、カーペットグラス(carpetgrass)(Axonopus種)、ウマノチャヒキ(downy brome)(Bromus tectorum)、メヒシバ(Digitaria種)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、オヒシバ(Eleusine indica)、ライグラス(Lolium種)、イネ(Oryza sativa)、オットコーラ(ottochloa)(Ottochloa nodosa)、アメリカスズメノヒエ(bahiagrass)(Paspalum種)、エノコログサ(foxtail)(Setaria種)、ブラキアリア(brachiaria)(Brachiaria種)、スズメノカタビラ(Poa 種)、ツユクサ(Commelina種)小麦(Triticum aestivum)およびトウモロコシ(Zea mays)。
【0065】
本発明のアミノ酸系除草剤を含有する液状組成物が用いられる特に重要な多年生双子葉類は、限定なくして下記に例示される:ヨモギ (Artemisia種)、ミルクウィード(milkweed)(Asclepias種)、エゾキツネアザミ(Cirsium arvense)、セイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis)、クズ(Pueraria種)、セイタカアワダチソウ(Solidago種)、シロツメクサ(Trifolium種)、およびヨウシュヤマゴボウ(Phytolacca種)。
【0066】
本発明のアミノ酸系除草剤を含有する液状組成物が用いられる特に重要な多年生単子葉類は、限定なくして下記に例示される:ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、キハマスゲ(yellow nutsedge)(Cyperus esculentus)、ハマスゲ(purple nutsedge)(C. rotundus)、シバムギ(quackgrass)(Elymus repens)、チガヤ(lalang)(Imperata cylindrica)、ペレニアルライグラス(Lolium perenne)、ギニアグラス(Panicum maximum)、ダリスグラス(Paspalum dilatatum)、アシ(reed)(Phragmites種)、ジョンソングラス(Sorghum halepense)、リードカナリーグラス(Phalalis種)およびガマ(Typha種)。
【0067】
本発明のアミノ酸系除草剤を含有する液状組成物が用いられる他の特に重要な多年生種は、限定なくして下記に例示される:スギナ(horsetail)(Equisetum種)、ワラビ(Pteridium aquilinum)、ブラックベリー(blackberry)(Rubus種)およびビャクシン(gorse)(Ulex europaeus)。
【0068】
本発明のアミノ酸系除草剤を含有する液状組成物は、特に、スギナ、シロツメクサ、ツユクサ、セイタカアワダチソウなどのグリホサートの難防除雑草の制御に優れた効果を発揮する。
【0069】
本発明の液状組成物は、農薬活性剤成分、ノニオン性界面活性剤、有機溶剤、更に所望によりさらに、適当な液体担体、他の界面活性剤、増粘剤、凍結防止剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、キレート剤、安定剤および分解防止剤等の補助剤を添加して、乳剤(emulsifiable concentrate)、液剤(soluble concentrate)、水性懸濁剤(aqueous suspension concentrate)、サスポエマルジョン(suspoemulsion)等の液状製剤として製造される。好ましい液状製剤は液剤である。
【0070】
本発明で用いることができる液体担体としては、好ましくは水である。
【0071】
本発明の液状組成物は、好ましくは液剤であり、農薬活性成分、ノニオン性界面活性剤、有機溶剤およびその他の補助剤等を水などと混合し均一に溶解させ製造することができる。
【0072】
本発明で用いることができる増粘剤としては、特に制限はなく、有機、無機の天然物、合成品および半合成品を用いることができ、例えば、ザンサンガム(キサンタンガム)、ウェランガムおよびラムザンガム等のヘテロ多糖類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリルアミド等の合成水溶性高分子化合物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト、ペンデライト、ノントロナイト、サウコライト、ステペンサイド、ラポナイトおよび合成スメクタイト等のスメクタイト系粘土鉱物を挙げることができる。これらの増粘剤は一種または二種以上混合してもよく,混合する場合の比も自由に選択できる。これらの増粘剤はそのまま添加してもよく,またあらかじめ水に分散させたものを添加しても良い。また,本発明の組成物に添加する際の添加量も自由に選択することができる。
【0073】
本発明で用いることができる消泡剤としては、シリコーン系エマルジョン型消泡剤が挙げられる。
【0074】
本発明で用いることができる安定剤としては、酸化防止剤が好適であり、例えば、エチレンジアミン四酢酸カルシウムニナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、クエン酸イソプロピル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、dl-α-トコフェロール、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、次亜硫酸カリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸カリウムおよびピロ亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0075】
使用に際しては上記液状組成物を水で1〜10000倍に希釈して、または希釈せずに散布する。
【実施例】
【0076】
〔試験例1〕粘度の測定
第1表、第2表、第3表に示した成分を室温で混合し澄明均一な組成物を得た。組成物40mlを50mlのガラス製容器に入れ、5℃および25℃の恒温水槽に入れ1時間放置した。温度が一定になったところで、ブルックフィールド粘度計(ブルックフィール社製 DV−III)を用いて粘度を測定した。測定ではスピンドル LV2を用い、回転数は30rpmで行った。結果を 第1表、第2表、第3表に示す。
【0077】
〔試験例2〕曇点の測定
第1表、第2表、第3表に示した成分を室温で混合し均一な組成物を得た。組成物5mlを8mlのガラス製容器に入れ、蓋をし密閉し25℃の恒温水槽、50℃、55℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃のオーブンにそれぞれ入れ1時間放置した。温度が一定になったところで、濁りまたは分離の有無を目視で評価した。濁りまたは分離が見られた最低温度を曇点とした。結果を 第1表、第2表、第3表に示す。
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】

【0080】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の液状組成物は有害生物の防除に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬活性成分、ノニオン性界面活性剤および有機溶剤を含む液状組成物において、該有機溶剤がブタンジオールであることを特徴とする液状組成物。
【請求項2】
農薬活性成分がアミノ酸系除草剤である請求項1記載の液状組成物。
【請求項3】
有機溶剤がブタンジオールであり、更に他の有機溶剤としてプロピレングリコールを含む請求項2記載の液状組成物。
【請求項4】
ブタンジオール1重量部に対してプロピレングリコールが0.25重量部以上である請求項3記載の液状組成物。
【請求項5】
液状組成物100重量部に対してプロピレングリコールが0.8重量部以上である請求項3記載の液状組成物。
【請求項6】
ブタンジオールが1,4−ブタンジオールである請求項3ないし5から選ばれる何れか1項記載の液状組成物。
【請求項7】
アミノ酸系除草剤がグリホサート、ビアラホスおよびグルホシネート並びにそれらの塩から選ばれる1種以上である請求項2ないし6から選ばれる何れか1項記載の液状組成物。
【請求項8】
アミノ酸系除草剤がグリホサートおよびその塩から選ばれる1種以上である請求項2ないし6から選ばれる何れか1項記載の組成物。
【請求項9】
グリホサートおよびその塩から選ばれる1種以上の濃度が、グリホサート酸等量で440g/L以上である請求項8記載の組成物。
【請求項10】
ノニオン性界面活性剤がアルキルグリコシド、アルキルポリグリコシドおよびアセチレン系界面活性剤から選ばれる1種以上である請求項1ないし9から選ばれる何れか1項記載の液状組成物。
【請求項11】
更に液体担体を含む請求項1ないし10から選ばれる何れか1項記載の液状組成物。
【請求項12】
液体担体が水である請求項11記載の液状組成物。
【請求項13】
農薬活性成分、ノニオン性界面活性剤および有機溶剤を含む液状組成物において、有機溶剤としてブタンジオールを用いることにより液状組成物の粘度を低減する方法。

【公開番号】特開2013−35876(P2013−35876A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−231516(P2012−231516)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2007−285198(P2007−285198)の分割
【原出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】