説明

体動検出装置

【課題】使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下が防止された小型で廉価の歩数計を提供する。
【解決手段】歩数計100Aは、所定の検出軸方向の体動を検出するように固定配置されたセンサユニット150と、センサユニット150が収容された本体ケーシングとを備える。センサユニット150の検出軸は、本体ケーシングの身体への装着面122に対して傾斜角をもって傾斜配置され、その傾斜角は、センサユニット150の検出可能角度範囲内に含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に装着されることによって身体の体動を検出する体動検出装置に関し、より特定的には、身体の体動を検出することによって歩数をカウントすることが可能な歩数計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身体に装着することによって身体の体動を検出し、検出した体動情報に基づいて歩数を計測する歩数計が知られている。この歩数計においては、本体ケーシングの内部に身体の体動を検出する体動検出手段が設けられる。体動検出手段としては様々なものが利用されているが、その一つに、片持ちの梁構造とした板状部材と、この板状部材に取付けられた圧電素子とからなるセンサユニットを体動検出手段として利用したものが知られている。このような構成の体動検出手段においては、体動に伴って板状部材が撓むことにより圧電素子に歪みが生じ、この歪みに起因した電圧変動を捉えることによって体動が検出されることになる。上記構成の体動検出手段を備えた歩数計が開示された文献として、たとえば特開2002−191580号公報(特許文献1)がある。
【0003】
上記構成の体動検出手段には、最大感度が得られる検出軸が存在する。この検出軸は一方向に向かって延び、検出軸が延びる方向(以下、検出軸方向という)は、圧電素子が取付けられる板状部材の梁部(すなわち体動に伴って撓む部分)の主面の法線方向に合致する。上記構成の体動検出手段においては、検出軸からの傾斜角が所定角度範囲内であれば、その方向における体動をも検出することが可能であるが、体動方向が上記検出軸方向から大きく外れた場合には、上記板状部材の梁部が十分に撓まなくなるため圧電素子に歪みが十分に生じず、その結果、体動を捉えることができない場合が存在する。一般に、上記構成の実用的な体動検出手段によって検出が可能な検出可能範囲は、検出軸方向からの傾斜角が30°程度の範囲内である。したがって、精度よく歩数をカウントするためには、使用者が携行する際の歩数計の装着状態が非常に重要となる。
【0004】
通常、身体に装着することを前提にした歩数計においては、使用者の腰部に歩数計が装着されることが想定されている。具体的には、歩数計の本体ケーシングにクリップ部を設け、このクリップ部を用いてズボンやスカート等の衣服の上端部に本体ケーシングが取付けられたり、あるいは腰部に巻き回したベルトの上端部に本体ケーシングが取付けられたりすることが想定される。したがって、上記のような態様で歩数計が身体に取付けられた場合に上記体動検出手段の検出軸方向が鉛直方向に重なることとなるように、体動検出手段が本体ケーシングに対して位置決めして固定されることになる。
【0005】
しかしながら、使用者が成人男性に多い下腹部が突出した人である場合や妊婦である場合等には、正しい装着状態とした場合にも本体ケーシング自体が大きく傾くことにより、体動検出手段の検出軸方向が鉛直方向に対して大きく傾いた状態となることがある。その場合には、正しい装着状態としているにも関わらず、体動が精度よく検出されず、歩数が精度よくカウントされないおそれがある。
【0006】
このような使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下が防止可能な技術が開示された文献として、たとえば特開2001−255169号公報(特許文献2)や特開2003−156362号公報(特許文献3)、特開2003−157423号公報(特許文献4)等がある。上記特許文献2および3に開示の技術は、いずれも体動検出手段の支持部に回転機構を設け、回転部分の重心位置を調節することにより、体動検出手段の検出軸方向が常に鉛直方向を向くように構成したものである。また、上記特許文献4に開示の技術は、板状部材の梁部の形状を2次元的に特殊な形状(たとえば環状やS字状、C字状、渦巻状、十字状等)にすることにより、検出軸方向を一方向のみとせず、複数の方向に拡大した構成のものである。
【0007】
また、任意の方向の体動を検出可能にする技術が開示された文献として、特開昭61−162935号公報(特許文献5)がある。上記特許文献5に開示の技術は、圧電素子が取付けられた片持ち梁構造の細板を水平面から予め45°傾けた状態で取付けておくことにより、鉛直方向の運動のみならず任意の方向の運動をも検出可能に構成したものである。
【特許文献1】特開2002−191580号公報
【特許文献2】特開2001−255169号公報
【特許文献3】特開2003−156362号公報
【特許文献4】特開2003−157423号公報
【特許文献5】特開昭61−162935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2ないし4に開示の技術を用いた場合には、体動検出手段が非常に大きくなり、これに伴って歩数計が著しく大型化してしまうという問題が生じる。歩数計においては、歩数のカウントを精度よく行なうことも重要ではあるが、身体に装着して使用する装置であるため、携行に適するように小型化することも重要であり、体動検出手段の大型化は避ける必要がある。また、上記特許文献2ないし4に開示の技術を用いた場合には、装置構成が複雑化するため、製造が困難となって製造コストが増大する問題も生じる。
【0009】
また、上記特許文献5に開示の技術を用いて実際に任意の方向の体動を検出可能にするためには、検出軸方向から大きく傾いた方向の体動をも検出できるように体動検出手段のダイナミックレンジを大きくすることが必要である。しかしながら、ダイナミックレンジの大きい体動検出手段を実現するためには、センサから出力される信号に含まれるノイズ成分の効果的な除去や信号の増幅率の大幅な拡大等が必要になり、製造コストが極端に増大する問題が生じる。
【0010】
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下が防止された小型で廉価の体動検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の局面に基づく体動検出装置は、所定の検出軸方向の体動を検出するように固定配置された第1体動検出手段と、上記第1体動検出手段が収容された本体ケーシングとを備えたものである。上記第1体動検出手段の上記検出軸は、上記本体ケーシングの身体への装着面に対して第1傾斜角をもって傾斜配置され、上記第1傾斜角は、上記第1体動検出手段の検出可能角度範囲内に含まれるように設定される。
【0012】
ここで、「体動検出手段の検出軸」とは、体動検出手段によって最大感度で検出が可能な方向に合致する軸を意味し、また「体動検出手段の検出可能角度範囲」とは、体動検出手段による振動の検出が可能な検出軸からの傾斜角の範囲を示すものである。このため、通常は、検出可能角度範囲が検出軸を挟んで両側に同じだけ存在することになる。
【0013】
このように、予め体動検出手段の検出軸を装着面に対して傾斜させておくことにより、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきが生じた場合にも、多くの場合にその体動が検出できるようになる。なお、上記のように検出軸の装着面に対する傾斜角を検出可能角度範囲内とすれば、装着面が鉛直方向に沿うように配置された場合にも確実に体動の検出が行なわれることになる。
【0014】
上記本発明の第1の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第1体動検出手段の上記検出軸が、上記本体ケーシングの上部側に向かうに連れ、上記装着面に近付くように配置されていることが好ましい。
【0015】
本体ケーシングが腰部に取付けられることが想定された体動検出装置において、上記のように構成すれば、体動検出手段の検出軸が装着状態において上部側に向かうに連れ使用者の腹部側に近付くように傾斜配置されることになる。したがって、下腹部が突出した人や妊婦等においても精度よく体動を検出することができる。
【0016】
上記本発明の第1の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第1体動検出手段が、体動に伴って撓む梁部を有する板状部材と上記板状部材の上記梁部の主面に取付けられた圧電素子とを含んでいることが好ましい。
【0017】
このように、梁部を有する板状部材と梁部に取付けられた圧電素子とによって体動検出手段を構成することにより、簡素な構成の小型の体動検出手段とすることができ、装置の小型化に寄与することになる。
【0018】
上記本発明の第1の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第1体動検出手段が、上記本体ケーシングの内部に収容固定された配線基板に取付けられていることが好ましい。その場合に、上記梁部の主面が上記配線基板の主面に対して垂直に交わるように配置されるとともに、上記配線基板の主面が上記本体ケーシングの装着面に対して上記第1傾斜角をもって傾斜配置されることが好ましい。また、上記梁部の主面が上記配線基板の主面に対して上記第1傾斜角をもって傾斜配置されるとともに、上記配線基板の主面が上記本体ケーシングの装着面と平行に配置されるように構成してもよい。
【0019】
このように構成することにより、装着面に対して体動検出手段の検出軸が傾斜配置された体動検出装置を非常に簡便にかつ小型に構成することが可能になる。
【0020】
上記本発明の第1の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記梁部が上記配線基板側の端部から立設された錘部を有していてもよく、その場合に、上記錘部がその先端側に向かうに連れて上記配線基板から遠ざかる方向に延びていることが好ましい。
【0021】
このように構成することにより、梁部の撓みを助長する錘部を梁部に設けた場合にも、錘部が配線基板に接触することを回避しつつ体動検出装置を小型に構成することができる。
【0022】
上記本発明の第1の局面に基づく体動検出装置にあっては、所定の検出軸方向の体動を検出するように固定配置された第2体動検出手段をさらに備えていることが好ましく、その場合に、上記第2体動検出手段の上記検出軸が、上記本体ケーシングの上記装着面に対して上記第1傾斜角よりも大きい第2傾斜角をもって傾斜配置されることが好ましい。その場合、上記第2傾斜角は、上記第2体動検出手段の検出可能範囲内に含まれないように設定されることが好ましく、また、上記第1体動検出手段の検出可能範囲と上記第2体動検出手段の検出可能範囲とが少なくとも一部において重複するように設定されることが好ましい。
【0023】
このように、第1体動検出手段に加えて第2体動検出手段を設け、第2体動検出手段の検出可能範囲が第1体動検出手段の検出可能範囲と一部重複するように構成することにより、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきが生じた場合にも、さらに多くの場合にその体動が検出できるようになる。
【0024】
上記本発明の第1の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第2体動検出手段の上記検出軸が、上記本体ケーシングの上部側に向かうに連れ、上記装着面に近付くように配置されていることが好ましい。
【0025】
上記本発明の第1の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第2体動検出手段が、体動に伴って撓む梁部を有する板状部材と上記板状部材の上記梁部の主面に取付けられた圧電素子とを含んでいることが好ましい。
【0026】
上記本発明の第1の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第1体動検出手段および上記第2体動検出手段のうち、いずれの体動検出手段から出力される出力信号を体動検出の対象とするかを選択する選択手段をさらに備えていることが好ましい。
【0027】
このように構成することにより、同じ体動が第1体動検出手段と第2体動検出手段の両方によって同時に検出された場合にも、選択された一方の体動検出手段から出力される出力信号に特化して体動検出が行なわれることになるため、第1体動検出手段の検出可能範囲と第2体動検出手段の検出可能範囲とを一部重複させることによって生じるおそれのある不具合が未然に防止され、精度のよい確実な体動検出が可能になる。
【0028】
本発明の第2の局面に基づく体動検出装置は、所定の検出軸方向の体動を検出するように固定配置された第1体動検出手段および第2体動検出手段と、上記第1体動検出手段および上記第2体動手段が収容された本体ケーシングとを備えたものである。上記第1体動検出手段の上記検出軸は、上記本体ケーシングの身体への装着面と平行に配置され、上記第2体動検出手段の上記検出軸は、上記本体ケーシングの上記装着面に対して傾斜角をもって傾斜配置される。上記傾斜角は、上記第2体動検出手段の検出可能角度範囲内に含まれないように設定され、上記第1体動検出手段の検出可能範囲と上記第2体動検出手段の検出可能範囲とが少なくとも一部において重複している。
【0029】
このように、第1体動検出手段に加えて第2体動検出手段を設け、第1体動検出手段の検出軸を装着面と平行に配置し、第2体動検出手段の検出軸を装着面に対して傾斜配置するとともに、第2体動検出手段の検出可能範囲が第1体動検出手段の検出可能範囲と一部重複するように構成することにより、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきが生じた場合にも、多くの場合にその体動が検出できるようになる。なお、第1体動検出手段の検出軸が装着面に平行となるように配置されているため、装着面が鉛直方向に沿うように配置された場合にも確実に体動の検出が行なわれることになる。
【0030】
上記本発明の第2の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第2体動検出手段の上記検出軸が、上記本体ケーシングの上部側に向かうに連れ、上記装着面に近付くように配置されていることが好ましい。
【0031】
また、上記本発明の第2の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第1体動検出手段および上記第2体動検出手段が、体動に伴って撓む梁部を有する板状部材と上記板状部材の上記梁部の主面に取付けられた圧電素子とをそれぞれ含んでいることが好ましい。
【0032】
上記本発明の第2の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第1体動検出手段および上記第2体動検出手段が、上記本体ケーシングの内部に収容固定された配線基板に取付けられていることが好ましい。その場合に、上記第2体動検出手段の上記梁部の主面が上記配線基板の主面に対して上記傾斜角をもって傾斜配置されるとともに、上記配線基板の主面が上記本体ケーシングの装着面と平行に配置されるように構成することが好ましい。
【0033】
このように構成することにより、装着面に対して体動検出手段の検出軸が傾斜配置された体動検出装置を非常に簡便にかつ小型に構成することが可能になる。
【0034】
上記本発明の第2の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第2体動検出手段の上記梁部が上記配線基板側の端部から立設された錘部を有していてもよく、その場合に、上記錘部がその先端側に向かうに連れて上記配線基板から遠ざかる方向に延びていることが好ましい。
【0035】
このように構成することにより、梁部の撓みを助長する錘部を第2体動手段の梁部に設けた場合にも、錘部が配線基板に接触することを回避しつつ体動検出装置を小型に構成することができる。
【0036】
上記本発明の第2の局面に基づく体動検出装置にあっては、上記第1体動検出手段および上記第2体動検出手段のうち、いずれの体動検出手段から出力される出力信号を体動検出の対象とするかを選択する選択手段をさらに備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下が防止された小型で廉価の体動検出装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、体動検出装置として、使用者の腰部に装着されることが企図された携帯型の歩数計を例示して説明を行なう。また、以下に示す実施の形態1ないし3は、上述の本発明の第1の局面に基づいた実施の形態であり、以下に示す実施の形態4は、上述の本発明の第2の局面に基づいた実施の形態である。
【0039】
(実施の形態1)
図1および図2は、本発明の実施の形態1における歩数計の外観構造を示す図であり、図1は、歩数計を開状態とした場合の概略斜視図、図2は、歩数計を開状態とした場合の側面図である。また、図3は、本実施の形態における歩数計の内部構造を示す図であり、歩数計を閉状態とした場合の模式側面図である。まず、これらの図を参照して、本実施の形態における歩数計の外観構造および内部構造について説明する。
【0040】
図1および図2に示すように、本実施の形態における歩数計100Aは、携行が可能な小型の本体ケーシングを有しており、本体ケーシングは、ケース本体110とカバー体120とクリップ体130とに分割されている。
【0041】
ケース本体110は、カウントされた歩数やカロリー消費量等の各種情報が表示可能な表示部116および使用者による操作を受け付ける操作部117が設けられた表示面111を有する。カバー体120は、閉状態において上述のケース本体110の表示面111を覆うカバー面121を有する。
【0042】
ケース本体110の下端には、軸支部113が設けられており、カバー体120の下端には、軸支部123が設けられている。これら軸支部113,123の内部には、直線状に延びる軸が挿入されており、これによりケース本体110とカバー体120とが、図2に示す矢印A方向に回転可能に連結されている。
【0043】
また、ケース本体110の上端には、爪部114が設けられており、カバー体120の上端には、上述の爪部114を受け入れ可能な受け部124が設けられている。受け部124によって爪部114が受け入れられて係止された状態においては、ケース本体110の表示面111がカバー体120のカバー面121によって覆われることになる。したがって、表示部116を確認したり、あるいは操作部117を操作したりする必要がない場合には、上記爪部114を上記受け部124に係止させておくことにより、閉状態が維持されるようになる。
【0044】
カバー体120のカバー面121とは反対側の主面は、身体に本体ケーシング装着する際の装着面122となる。この装着面122には、クリップ体130が取付けられている。カバー体120の装着面122には軸支部125が設けられており、クリップ体130のカバー体120に対向する面には軸支部131が設けられている。これら軸支部131,125には、直線状に延びる軸が貫通配置されており、これによりクリップ体130がカバー体120に対して図2に示す矢印B方向に回転可能に連結されている。なお、この軸にはバネ132が取付けられており、このバネ132の作用により、クリップ体130が常時カバー体120に対して付勢されることになる。したがって、クリップ体130による歩数計100Aの腰部への装着が可能となる。
【0045】
図3に示すように、歩数計100Aのケース本体110の内部には、配線基板としてのプリント配線基板140が収容固定されている。プリント配線基板140は、本体ケーシングに移動不能に固定されており、このプリント配線基板140の一方の主面である実装面141にセンサユニット150が取付けられている。センサユニット150は、上述の本発明の第1の局面における第1体動検出手段に相当する。プリント配線基板140は、その実装面141が本体ケーシングの装着面122に所定の傾斜角をもって傾斜配置されている。なお、図示する歩数計100Aにおいては、センサユニット150が本体ケーシングの装着面122に面しない側のプリント配線基板140の主面に取付けられた場合を示しているが、本体ケーシングの装着面122に面する側のプリント配線基板140の主面に取付けられる構成としてもよい。
【0046】
図4は、本実施の形態における歩数計のセンサユニットのプリント配線基板への組付構造を示す図である。ここで、図4(A)は、組付け後におけるプリント配線基板の概略斜視図であり、図4(B)および図4(C)は、それぞれ組付け後におけるプリント配線基板の正面図および側面図である。以下においては、これらの図を参照して、本実施の形態における歩数計のセンサユニットの組付構造について説明する。
【0047】
図4(A)ないし図4(C)に示すように、プリント配線基板140は、たとえば平面視略矩形の板状の部材からなり、その主面に回路パターンが形成されている。プリント配線基板140の実装面141および必要に応じて実装面141とは反対側の主面には、各種の回路構成部品が実装され、これにより後述する各種機能ブロックが構成されている。プリント配線基板140の所定位置にはビス穴142が設けられており、このビス穴142にビスを挿し込んでビスをケース本体110に固定することにより、プリント配線基板140がケース本体110に移動不能に固定される。
【0048】
プリント配線基板140の実装面141の所定位置には、センサユニット150が取付けられている。センサユニット150は、片持ち梁構造を有する板状部材151と、この板状部材151に取付けられた圧電素子156とを含んでいる。
【0049】
板状部材151は、平面視略L字状の外形を有しており、その一端である固定部152がプリント配線基板140に移動不能に固定されるとともに、他端はプリント配線基板140に固定されることなくプリント配線基板140の実装面141に沿って平行に配置されている。この板状部材151のプリント配線基板140の実装面141と平行に延びる部分は、体動に伴って弾性変形する梁部153を構成している。梁部153の主面は、プリント配線基板140の実装面141と垂直に交わるように配置されている。したがって、梁部153の主面は、本体ケーシングの装着面122と所定の傾斜角をもって傾斜配置されることになる(図3参照)。
【0050】
また、梁部153の先端部分には、板状部材151を折り曲げることによって形成された錘部154,155が設けられている。この錘部154,155は、梁部153の体動に伴う変形を増幅するために設けられた部位である。なお、板状部材151としては、体動に伴って梁部153が適度に撓む程度の弾性を有する部材にて構成されていればよく、たとえばプレス加工等によって成形された金属板等が用いられる。
【0051】
圧電素子156は、平面視略矩形状の板状形状を有しており、上述の板状部材151の梁部153の主面に固着されている。圧電素子156としては、たとえば板状のセラミックス部材等が利用される。なお、図示するセンサユニット150においては、圧電素子156が梁部153の下面側に固着されているが、上面側に固着することとしてもよい。
【0052】
センサユニット150が固定されたプリント配線基板140は、上述のようにケース本体110の内部に収容固定される。したがって、使用者がこのケース本体110を身体に装着することにより、体動が生じた場合に板状部材151の梁部153に図4(B)および図4(C)中において矢印C1方向に示す撓みが発生する。この梁部153の撓みに伴って圧電素子156に歪みが生じ、この歪みに応じた電気信号が圧電素子156から出力されることになる。出力された電気信号は、後述する各種回路へと入力され、歩数のカウントに供される。
【0053】
ここで、センサユニット150には、最大感度が得られる検出軸が存在する。この検出軸の延びる方向(検出軸方向)は、上記構成とした場合(すなわち片持ち梁構造の板状部材151とその主面に取付けられた板状形状を有する圧電素子156とでセンサユニット150を構成した場合)には、圧電素子156が取付けられる板状部材151の梁部153の主面の法線方向に合致することになる。また、上記構成のセンサユニット150においては、検出軸からの傾斜角が所定角度範囲内であれば、その方向における体動をも検出することが可能である。
【0054】
図5は、本実施の形態における歩数計の機能ブロックを示すブロック図である。以下においては、この図を参照して、本実施の形態における歩数計の機能ブロックについて説明する。
【0055】
図5に示すように、本実施の形態における歩数計100Aは、上述の表示部116、操作部117およびセンサユニット150の他に、アンプ部160、フィルタ部161、CPU(Central Processing Unit)162、メモリ部163、電池164および定電圧回路165を有している。
【0056】
アンプ部160は、センサユニット150から出力される電気信号を増幅するための回路からなる。フィルタ部161は、アンプ部160から出力された増幅後の電気信号に含まれるノイズを除去するための回路からなる。CPU162は、フィルタ部161から出力された電気信号を用いて各種演算を行なうことによって歩数を計数する演算回路162aを含む。また、CPU162は、表示部116に測定結果等の各種情報を表示する指令を出したり、操作部117から入力された指令を実行する。
【0057】
メモリ部163には、各種演算処理を行なうためのプログラムが格納されている。電池164は、CPU162に電力を供給するための電源である。定電圧回路165は、電池164から供給される電源電圧を安定化させるための回路である。
【0058】
上述のように、本実施の形態における歩数計100Aにおいては、本体ケーシングの装着面122に対してセンサユニット150を構成する板状部材151の梁部153の撓み方向が非平行となるように構成されている。このように構成することにより、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下が防止可能となり、より多くの場合にその体動が検出できるようになる。以下においては、その仕組みについて詳説する。
【0059】
図6は、下腹部が突出していない人が本実施の形態における歩数計を装着した場合の装着状態を示す図であり、図7は、その場合におけるセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。また、図8は、下腹部が突出している人が本実施の形態における歩数計を装着した場合の装着状態を示す図であり、図9は、その場合におけるセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【0060】
まず、図6および図7を参照して、下腹部が突出していない人が本実施の形態における歩数計を装着した場合について説明する。本実施の形態における歩数計100Aは、上述のクリップ体130を用いてズボンやスカート等の衣服の上端部に本体ケーシングが取付けられたり、あるいは腰部に巻き回したベルトの上端部に本体ケーシングが取付けられたりすることが企図されたものであり、図6では、クリップ体130を用いて本体ケーシングがベルトの上端部に取り付けられた場合を示している。この場合には、使用者200の下腹部201は突出していないため、歩数計100Aの本体ケーシングは、その上下方向がほぼ鉛直方向と合致するように配置されることになる。
【0061】
上記の場合、センサユニット150の検出軸が配置される方向は図7に示す如くとなる。すなわち、図7を参照して、本体ケーシングの装着面122は鉛直線PLと平行に配置されることになり、この装着面122と所定の傾斜角βをもって傾斜配置されたプリント配線基板140の実装面141と垂直に交わるようにその梁部153の主面が配置されたセンサユニット150の検出軸SAは、上記の傾斜角βをもって鉛直線PLと交差することになる。なお、ここで傾斜角βは上述の本発明の第1の局面における第1傾斜角に相当する。
【0062】
そして、本実施の形態における歩数計100Aにおいては、センサユニット150の検出軸SAが、図示するように本体ケーシングの上部側に向うに連れ装着面122に近付くように傾斜配置されるとともに、上記傾斜角βが、センサユニット150の検出可能角度αの範囲内に含まれるように構成されているため、図6に示すように下腹部201が突出していない使用者200が歩数計100Aを装着した場合にも、センサユニット150の検出可能範囲内に鉛直方向が存在することとなる。したがって、使用者200の体動がセンサユニット150によって確実に検出されることになる。
【0063】
次に、図8および図9を参照して、下腹部が突出した人が本実施の形態における歩数計を装着した場合について説明する。図8に示すように、下腹部201が突出した人が本実施の形態における歩数計100Aを腰部に巻き回したベルトの上端部に取付けた場合には、歩数計100Aの本体ケーシングは、その上部が使用者200の前方に、その下部が使用者200の下腹部201側に傾斜した状態で配置されることになる。そのため、本体ケーシングの上下方向は鉛直方向と合致せず、大きく傾いた状態となる。
【0064】
上記の場合、センサユニット150の検出軸が配置される方向は図9に示す如くとなる。すなわち、図9を参照して、本体ケーシングの装着面122は鉛直線PLと所定の角度δをもって傾斜配置されることになり、この装着面122と所定の傾斜角βをもって傾斜配置されたプリント配線基板140の実装面141と垂直に交わるようにその梁部153の主面が配置されたセンサユニット150の検出軸SAは、角度(β−δ)をもって鉛直線PLと交差することになる。
【0065】
ここで、所定の角度δが、(β−α)≦δ≦(β+α)の条件を満たす場合には、センサユニット150の検出可能範囲内に鉛直方向が存在することになる。そのため、本体ケーシングの装着面122とセンサユニット150の検出軸とが成す傾斜角βを適宜調節しておくことにより、図8に示すように、下腹部201が突出した使用者200が歩数計100Aを装着した場合にも、使用者200の体動がセンサユニット150によって確実に検出されることになる。したがって、より多くの場合にその体動が検出可能になる。
【0066】
以上において説明したように、本実施の形態の如くの歩数計100Aとすることにより、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下が防止可能となり、下腹部が突出していない人は勿論、下腹部が突出した人が使用した場合にもより多くの場合にその体動が検出できるようになる。
【0067】
なお、実際に上記構成の歩数計100Aを製作する場合にセンサユニット150としてたとえば検出可能角度αが30°の実用的な加速度センサを利用することを想定すれば、一例として、本体ケーシングの装着面122に対するプリント配線基板140の実装面141の傾斜角βを20°とすることが考えられる。このように構成した場合には、装着状態において角度δが−10°から50°の範囲内であれば、問題なく体動が検出できることになる。
【0068】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における歩数計の内部構造を示す図であり、歩数計を閉状態とした場合の模式側面図である。また、図11は、本実施の形態における歩数計のセンサユニットのプリント配線基板への組付構造を示す図である。ここで、図11(A)は、組付け後におけるプリント配線基板の概略斜視図であり、図11(B)および図11(C)は、それぞれ組付け後におけるプリント配線基板の正面図および側面図である。なお、上述の実施の形態1における歩数計100Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
【0069】
図10に示すように、本実施の形態における歩数計100Bは、上述の実施の形態1における歩数計100Aと同様に、本体ケーシングがケース本体110とカバー体120とクリップ体130とに分割されており、このうちケース本体110の内部には、配線基板としてのプリント配線基板140が収容固定されている。プリント配線基板140は、本体ケーシングに移動不能に固定されており、このプリント配線基板140の一方の主面である実装面141にセンサユニット150が取付けられている。センサユニット150は、上述の本発明の第1の局面における第1体動検出手段に相当する。本実施の形態における歩数計100Bにおいては、上述の実施の形態1における歩数計100Aと異なり、プリント配線基板140の実装面141が本体ケーシングの装着面122と平行に配置されている。
【0070】
図11(A)ないし図11(C)に示すように、プリント配線基板140は、たとえば平面視略矩形の板状の部材からなり、その主面に回路パターンが形成されている。センサユニット150は、平面視略L字状の片持ち梁構造を有する板状部材151と、この板状部材151に取付けられた平面視略矩形状の板状形状を有する圧電素子156とを含んでいる。
【0071】
本実施の形態における歩数計100Bにおいては、上述の実施の形態1における歩数計100Aと異なり、板状部材151の梁部153の主面がプリント配線基板140の実装面141と直交することなく所定の傾斜角をもって交差するように配置されている。したがって、梁部153の主面は、本体ケーシングの装着面122と所定の傾斜角をもって傾斜配置されることになる(図10参照)。
【0072】
使用者がこのケース本体110を身体に装着した場合には、体動に伴って板状部材151の梁部153に図11(B)および図11(C)中において矢印C2方向に示す撓みが発生する。この梁部153の撓みに伴って圧電素子156に歪みが生じ、この歪みに応じた電気信号が圧電素子156から出力されることになる。
【0073】
ここで、本実施の形態における歩数計100Bにあっては、梁部153のプリント配線基板140側の端部から立設された錘部155が、その根元部から先端部に向かうに連れてプリント配線基板140から遠ざかるように構成されている。また、錘部155と対となる、梁部153のプリント配線側140とは反対側の端部から立設された錘部154は、その根元部から先端部に向かうに連れてプリント配線基板140に近付くように構成されている。このように構成することにより、梁部153に撓みが生じた場合にも錘部155がプリント配線基板140に接触するおそれがないため、精度よく体動が検出可能になるとともに、歩数計100Bを小型化(薄型化)することができる。
【0074】
上述のように、本実施の形態における歩数計100Bにおいては、本体ケーシングの装着面122に対してセンサユニット150を構成する板状部材151の梁部153の撓み方向が非平行となるように構成されている。このように構成することにより、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下が防止可能となり、より多くの場合にその体動が検出できるようになる。以下においては、その仕組みについて詳説する。
【0075】
図12は、下腹部が突出していない人が本実施の形態における歩数計を装着した場合におけるセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。また、図13は、下腹部が突出している人が本実施の形態における歩数計を装着した場合におけるセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【0076】
下腹部が突出していない人が本実施の形態における歩数計100Bを装着した場合における装着状態は上述の実施の形態1における図6と同様であり、その場合のセンサユニット150の検出軸が配置される方向は図12に示す如くとなる。すなわち、図12を参照して、本体ケーシングの装着面122は鉛直線PLと平行に配置されることになり、この装着面122と平行に配置されたプリント配線基板140の実装面141も鉛直線PLと平行に配置されることになる。上述のように、梁部153の主面は、プリント配線基板140の実装面141と所定の傾斜角βをもって傾斜配置されているため、センサユニット150の検出軸SAは、上記の傾斜角βをもって鉛直線PLと交差することになる。なお、ここで傾斜角βは上述の本発明の第1の局面における第1傾斜角に相当する。
【0077】
そして、本実施の形態における歩数計100Bにおいては、センサユニット150の検出軸SAが、図示するように本体ケーシングの上部側に向うに連れ装着面122に近付くように傾斜配置されるとともに、上記傾斜角βが、センサユニット150の検出可能角度αの範囲内に含まれるように構成されているため、下腹部が突出していない使用者が歩数計100Bを装着した場合にも、センサユニット150の検出可能範囲内に鉛直方向が存在することとなる。したがって、使用者の体動がセンサユニット150によって確実に検出されることになる。
【0078】
また、下腹部が突出した人が本実施の形態における歩数計100Bを装着した場合における装着状態は上述の実施の形態1における図8と同様であり、その場合のセンサユニット150の検出軸が配置される方向は図13に示す如くとなる。すなわち、図13を参照して、本体ケーシングの装着面122は鉛直線PLと所定の角度δをもって傾斜配置されることになり、この装着面122と平行に配置されたプリント配線基板140の実装面141も鉛直線PLと所定の角度δをもって傾斜配置されることになる。上述のように、梁部153の主面は、プリント配線基板140の実装面141と所定の傾斜角βをもって傾斜配置されているため、センサユニット150の検出軸SAは、角度(β−δ)をもって鉛直線PLと交差することになる。
【0079】
ここで、所定の角度δが、(β−α)≦δ≦(β+α)の条件を満たす場合には、センサユニット150の検出可能範囲内に鉛直方向が存在することになる。したがって、下腹部が突出した使用者が歩数計100Bを装着した場合にも、使用者の体動がセンサユニット150によって確実に検出されることになる。そのため、本体ケーシングの装着面122とセンサユニット150の検出軸とが成す傾斜角βを適宜調節しておくことにより、多くの場合にその体動が検出可能になる。
【0080】
以上において説明したように、本実施の形態の如くの歩数計100Bとすることにより、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下が防止可能となり、下腹部が突出していない人は勿論、下腹部が突出した人が使用した場合にもより多くの場合にその体動が検出できるようになる。
【0081】
なお、実際に上記構成の歩数計100Bを製作する場合にセンサユニット150としてたとえば検出可能角度αが30°の実用的な加速度センサを利用することを想定すれば、一例として、本体ケーシングの装着面122に対するセンサユニット150の検出軸SAの傾斜角βを20°とすることが考えられる。このとき、梁部153とプリント配線基板140との間の距離は0.8mm以上とし、好ましくは1.0mm程度とする。このように構成した場合には、装着状態において角度δが−10°から50°の範囲内であれば、問題なく体動が検出できることになる。
【0082】
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態3における歩数計の内部構造を示す図であり、歩数計を閉状態とした場合の模式側面図である。また、図15は、本実施の形態における歩数計のセンサユニットのプリント配線基板への組付構造を示す図である。ここで、図15(A)は、組付け後におけるプリント配線基板の概略斜視図であり、図15(B)および図15(C)は、それぞれ組付け後におけるプリント配線基板の正面図および側面図である。なお、上述の実施の形態2における歩数計100Bと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
【0083】
図14に示すように、本実施の形態における歩数計100Cは、上述の実施の形態2における歩数計100Bと同様に、本体ケーシングがケース本体110とカバー体120とクリップ体130とに分割されており、このうちケース本体110の内部には、配線基板としてのプリント配線基板140が収容固定されている。プリント配線基板140は、本体ケーシングに移動不能に固定されており、このプリント配線基板140の一方の主面である実装面141に第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bからなる2つのセンサユニットが取付けられている。第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bは、それぞれ上述の本発明の第1の局面における第1体動検出手段および第2体動検出手段に相当する。本実施の形態における歩数計100Cにおいては、上述の実施の形態2における歩数計100Bと同様に、プリント配線基板140の実装面141が本体ケーシングの装着面122と平行に配置されている。
【0084】
図15(A)ないし図15(C)に示すように、プリント配線基板140は、たとえば平面視略矩形の板状の部材からなり、その主面に回路パターンが形成されている。第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bのそれぞれは、平面視略L字状の片持ち梁構造を有する板状部材151a,151bと、この板状部材151a,151bに取付けられた平面視略矩形状の板状形状を有する圧電素子156a,156bとを含んでいる。
【0085】
本実施の形態における歩数計100Cにおいては、第1センサユニット150Aの板状部材151aの梁部153aの主面がプリント配線基板140の実装面141と直交することなく所定の第1傾斜角をもって交差するように配置されている。また、第2センサユニット150Bの板状部材151bの梁部153bの主面は、プリント配線基板140の実装面141と直交することなく、上記の第1センサユニット150Aにおける第1傾斜角よりも大きい所定の第2傾斜角をもって交差するように配置されている。したがって、センサユニット150A,150Bのそれぞれの梁部153a,153bの主面は、本体ケーシングの装着面122と所定の第1傾斜角および第2傾斜角をもって傾斜配置されることになる(図14参照)。
【0086】
使用者がこのケース本体110を身体に装着した場合には、体動に伴って第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bのそれぞれの板状部材151a,151bの梁部153a,153bに図15(B)および図15(C)中において矢印C3およびC4方向に示す撓みが発生する。この梁部153a,153bのそれぞれの撓みに伴って圧電素子156a,156bのそれぞれに歪みが生じ、この歪みに応じた電気信号がそれぞれの圧電素子156a,156bから出力されることになる。
【0087】
ここで、本実施の形態における歩数計100Cにあっては、第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bの梁部153a,153bのプリント配線基板140側の端部から立設された錘部155a,155bのそれぞれが、その根元部から先端部に向かうに連れてプリント配線基板140から遠ざかるように構成されている。また、錘部155a,155bとそれぞれ対となる、梁部153a,153bのプリント配線側140とは反対側の端部から立設された錘部154a,154bのそれぞれは、その根元部から先端部に向かうに連れてプリント配線基板140に近付くように構成されている。このように構成することにより、梁部153a,153bに撓みが生じた場合にも錘部155a,155bがプリント配線基板140に接触するおそれがないため、精度よく体動が検出可能になるとともに、歩数計100Cを小型化(薄型化)することができる。
【0088】
図16は、本実施の形態における歩数計の機能ブロックを示すブロック図である。以下においては、この図を参照して、本実施の形態における歩数計の機能ブロックについて説明する。
【0089】
図16に示すように、本実施の形態における歩数計100Cは、体動検出手段として2つのセンサユニット150A,150Bを有している。これに伴い、本実施の形態における歩数計100Cにおいては、第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bのそれぞれに対応して、アンプ部160,166およびフィルタ部161,167が設けられている。また、CPU162は、上記本発明の第1の局面における選択手段としての機能も備えており、第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bのうち、いずれのセンサユニットから出力される出力信号を体動検出の対象とするかを選択し、選択した出力信号を用いて演算回路162aにて各種演算を行なうことにより、歩数を計数する。なお、上記以外の構成は、上述の実施の形態1における歩数計100Aと同様である。
【0090】
上述のように、本実施の形態における歩数計100Cにおいては、本体ケーシングの装着面122に対して第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bを構成するそれぞれの板状部材151a,151bの梁部153a,153bの撓み方向が非平行となるように構成されている。このように構成することにより、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下がさらに防止可能となり、さらにより多くの場合にその体動が検出できるようになる。以下においては、その仕組みについて詳説する。
【0091】
図17は、下腹部が突出していない人が本実施の形態における歩数計を装着した場合におけるセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。また、図18は、下腹部が突出している人が本実施の形態における歩数計を装着した場合における第1センサユニットおよび第2センサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。また、図19は、図18に示す場合よりもさらに下腹部が突出している人が本実施の形態における歩数計を装着した場合における第1センサユニットおよび第2センサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【0092】
下腹部が突出していない人が本実施の形態における歩数計100Cを装着した場合の第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bの検出軸が配置される方向は図17に示す如くとなる。すなわち、図17を参照して、本体ケーシングの装着面122は鉛直線PLと平行に配置されることになり、この装着面122と平行に配置されたプリント配線基板140の実装面141も鉛直線PLと平行に配置されることになる。上述のように、第1センサユニット150Aの板状部材151aの梁部153aの主面は、プリント配線基板140の実装面141と所定の第1傾斜角β1をもって傾斜配置されているため、第1センサユニット150Aの検出軸SA1は、上記の傾斜角β1をもって鉛直線PLと交差することになる。なお、ここで第1傾斜角β1は上述の本発明の第1の局面における第1傾斜角に相当する。
【0093】
そして、本実施の形態における歩数計100Cにおいては、第1センサユニット150Aの検出軸SA1が、図示するように本体ケーシングの上部側に向うに連れ装着面122に近付くように傾斜配置されるとともに、上記第傾斜角β1が、第1センサユニット150の検出可能角度α1の範囲内に含まれるように構成されているため、下腹部が突出していない使用者が歩数計100Cを装着した場合にも、第1センサユニット150Aの検出可能範囲内に鉛直方向が存在することとなる。したがって、使用者の体動が第1センサユニット150Aによって確実に検出されることになる。
【0094】
また、下腹部が突出した人が本実施の形態における歩数計100Cを装着した場合の第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bのそれぞれの検出軸が配置される方向は図18に示す如くとなる。すなわち、図18を参照して、本体ケーシングの装着面122は鉛直線PLと所定の角度δ1をもって傾斜配置されることになり、この装着面122と平行に配置されたプリント配線基板140の実装面141も鉛直線PLと所定の角度δ1をもって傾斜配置されることになる。上述のように、第1センサユニット150Aの板状部材151aの梁部153aの主面は、プリント配線基板140の実装面141と所定の第1傾斜角β1をもって傾斜配置されているため、第1センサユニット150Aの検出軸SA1は、角度(β1−δ1)をもって鉛直線PLと交差することになる。
【0095】
ここで、所定の角度δ1が、(β1−α1)≦δ1≦(β1+α1)の条件を満たす場合には、第1センサユニット150Aの検出可能範囲内に鉛直方向が存在することになる。したがって、下腹部が突出した使用者が歩数計100Cを装着した場合にも、使用者の体動が第1センサユニット150Aによって確実に検出されることになる。そのため、本体ケーシングの装着面122と第1センサユニット150Aの検出軸SA1とが成す第1傾斜角βを適宜調節しておくことにより、多くの場合にその体動が検出可能になる。
【0096】
また、上記よりもさらに下腹部が突出した人が本実施の形態における歩数計100Cを装着した場合の第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bのそれぞれの検出軸が配置される方向は図19に示す如くとなる。すなわち、図19を参照して、本体ケーシングの装着面122は鉛直線PLと所定の角度δ2(>δ1)をもって傾斜配置されることになり、この装着面122と平行に配置されたプリント配線基板140の実装面141も鉛直線PLと所定の角度δ2をもって傾斜配置されることになる。上述のように、第2センサユニット150Bの板状部材151bの梁部153bの主面は、プリント配線基板140の実装面141と所定の第2傾斜角β2をもって傾斜配置されているため、第2センサユニット150Bの検出軸SA2は、角度(β2−δ2)をもって鉛直線PLと交差することになる。なお、ここで第2傾斜角β2は上述の本発明の第1の局面における第2傾斜角に相当する。
【0097】
ここで、所定の角度δ2が、(β2−α2)≦δ2≦(β2+α2)の条件を満たす場合には、第2センサユニット150Bの検出可能範囲内に鉛直方向が存在することになる。したがって、下腹部201がさらに突出した使用者200が歩数計100Cを装着した場合にも、使用者200の体動が第2センサユニット150Bによって確実に検出されることになる。そのため、本体ケーシングの装着面122と第2センサユニット150Bの検出軸SA2とが成す第2傾斜角β2を適宜調節しておくことにより、多くの場合にその体動が検出可能になる。
【0098】
以上において説明したように、本実施の形態の如くの歩数計100Cとすることにより、センサユニットを1つとした上記実施の形態1および2における歩数計100A,100Bよりも、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下がさらに防止可能となり、下腹部が突出していない人は勿論、下腹部が突出した人が使用した場合にもさらにより多くの場合にその体動が検出できるようになる。
【0099】
なお、本実施の形態における歩数計100Cにおいては、検出可能範囲に連続性をもたせるために、第1センサユニット150Aの検出可能範囲と第2センサユニット150Bの検出可能範囲とが一部重複するように構成されている。したがって、本体ケーシングの鉛直線に対する傾斜が所定の角度範囲となった場合には、第1センサユニット150Aと第2センサユニット150Bの両者で体動が検出されることになる。しかしながら、上述のように、本実施の形態における歩数計100Cにおいては、CPU162がこれら信号を択一的に選択する選択手段として機能するため、歩数の重複カウントが防止される。
【0100】
また、実際に上記構成の歩数計100Cを製作する場合にセンサユニット150A,150Bとしてたとえば検出可能角度αが30°の実用的な加速度センサをそれぞれ利用することを想定すれば、一例として、本体ケーシングの装着面122に対する第1センサユニット150Aの検出軸SA1の傾斜角β1を20°とし、本体ケーシングの装着面122に対する第2センサユニット150Bの検出軸SA2の傾斜角β2を70°とすることが考えられる。このとき、梁部153a,153bとプリント配線基板140との間の距離は0.8mm以上とし、好ましくは1.0mm程度とする。このように構成した場合には、装着状態において角度δが−10°から100°の範囲内であれば、問題なく体動が検出できることになる。
【0101】
(実施の形態4)
図20は、本発明の実施の形態4における歩数計の内部構造を示す図であり、歩数計を閉状態とした場合の模式側面図である。また、図21は、本実施の形態における歩数計のセンサユニットのプリント配線基板への組付構造を示す図である。ここで、図21(A)は、組付け後におけるプリント配線基板の概略斜視図であり、図21(B)および図21(C)は、それぞれ組付け後におけるプリント配線基板の正面図および側面図である。なお、上述の実施の形態3における歩数計100Cと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
【0102】
図20に示すように、本実施の形態における歩数計100Dは、上述の実施の形態3における歩数計100Cと同様に、本体ケーシングがケース本体110とカバー体120とクリップ体130とに分割されており、このうちケース本体110の内部には、配線基板としてのプリント配線基板140が収容固定されている。プリント配線基板140は、本体ケーシングに移動不能に固定されており、このプリント配線基板140の一方の主面である実装面141に第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bからなる2つのセンサユニットが取付けられている。第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bは、それぞれ上述の本発明の第2の局面における第1体動検出手段および第2体動検出手段に相当する。本実施の形態における歩数計100Dにおいては、上述の実施の形態3における歩数計100Cと同様に、プリント配線基板140の実装面141が本体ケーシングの装着面122と平行に配置されている。
【0103】
図21(A)ないし図21(C)に示すように、プリント配線基板140は、たとえば平面視略矩形の板状の部材からなり、その主面に回路パターンが形成されている。第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bのそれぞれは、平面視略L字状の片持ち梁構造を有する板状部材151a,151bと、この板状部材151a,151bに取付けられた平面視略矩形状の板状形状を有する圧電素子156a,156bとを含んでいる。
【0104】
本実施の形態における歩数計100Dにおいては、第1センサユニット150Aの板状部材151aの梁部153aの主面がプリント配線基板140の実装面141と直交するように配置されている。また、第2センサユニット150Bの板状部材151bの梁部153bの主面は、プリント配線基板140の実装面141と直交することなく所定の傾斜角をもって交差するように配置されている。したがって、センサユニット150Aの梁部153aの主面は、本体ケーシングの装着面122と直交配置され、センサユニット150Bの梁部153bの主面は、本体ケーシングの装着面122と所定の傾斜角をもって傾斜配置されることになる(図20参照)。
【0105】
使用者がこのケース本体110を身体に装着した場合には、体動に伴って第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bのそれぞれの板状部材151a,151bの梁部153a,153bに図21(B)および図21(C)中において矢印C5およびC6方向に示す撓みが発生する。この梁部153a,153bのそれぞれの撓みに伴って圧電素子156a,156bのそれぞれに歪みが生じ、この歪みに応じた電気信号がそれぞれの圧電素子156a,156bから出力されることになる。
【0106】
ここで、本実施の形態における歩数計100Dにあっては、第2センサユニット150Bの梁部153bのプリント配線基板140側の端部から立設された錘部155bが、その根元部から先端部に向かうに連れてプリント配線基板140から遠ざかるように構成されている。また、錘部155bと対となる、梁部153bのプリント配線側140とは反対側の端部から立設された錘部154bは、その根元部から先端部に向かうに連れてプリント配線基板140に近付くように構成されている。このように構成することにより、梁部153に撓みが生じた場合にも錘部155bがプリント配線基板140に接触するおそれがないため、精度よく体動が検出可能になるとともに、歩数計100Dを小型化(薄型化)することができる。
【0107】
上述のように、本実施の形態における歩数計100Dにおいては、第1センサユニット150Aを構成する板状部材151aの梁部153aの撓み方向が本体ケーシングの装着面122に対して平行となるように構成されるとともに、第2センサユニット150Bを構成する板状部材151bの梁部153bの撓み方向が本体ケーシングの装着面122に対して非平行となるように構成されている。このように構成した場合にも、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下が防止可能となり、より多くの場合にその体動が検出できるようになる。以下においては、その仕組みについて詳説する。
【0108】
図22は、下腹部が突出していない人が本実施の形態における歩数計を装着した場合におけるセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。また、図23は、下腹部が突出している人が本実施の形態における歩数計を装着した場合における第1センサユニットおよび第2センサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【0109】
下腹部が突出していない人が本実施の形態における歩数計100Dを装着した場合の第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bの検出軸が配置される方向は図22に示す如くとなる。すなわち、図22を参照して、本体ケーシングの装着面122は鉛直線PLと平行に配置されることになり、この装着面122と平行に配置されたプリント配線基板140の実装面141も鉛直線PLと平行に配置されることになる。この状態においては、第1センサユニット150Aの検出軸SA1は、鉛直線PLと直交することになるため、第1センサユニット150Aの最大感度が得られる検出軸方向において体動を確実に検出することが可能になる。
【0110】
また、下腹部が突出した人が本実施の形態における歩数計100Dを装着した場合の第1センサユニット150Aおよび第2センサユニット150Bのそれぞれの検出軸が配置される方向は図23に示す如くとなる。すなわち、図23を参照して、本体ケーシングの装着面122は鉛直線PLと所定の角度δをもって傾斜配置されることになり、この装着面122と平行に配置されたプリント配線基板140の実装面141も鉛直線PLと所定の角度δをもって傾斜配置されることになる。上述のように、第2センサユニット150Bの板状部材151bの梁部153bの主面は、プリント配線基板140の実装面141と所定の傾斜角βをもって傾斜配置されているため、第2センサユニット150Bの検出軸SA2は、角度(β−δ)をもって鉛直線PLと交差することになる。なお、ここで傾斜角βは上述の本発明の第2の局面における傾斜角に相当する。
【0111】
ここで、所定の角度δが、(β−α2)≦δ≦(β+α2)の条件を満たす場合には、第2センサユニット150Bの検出可能範囲内に鉛直方向が存在することになる。したがって、下腹部が突出した使用者が歩数計100Dを装着した場合にも、使用者の体動が第2センサユニット150Bによって確実に検出されることになる。そのため、本体ケーシングの装着面122と第2センサユニット150Bの検出軸SA2とが成す傾斜角βを適宜調節しておくことにより、多くの場合にその体動が検出可能になる。
【0112】
以上において説明したように、本実施の形態の如くの歩数計100Dとすることにより、センサユニットを1つとした上記実施の形態1および2における歩数計100A,100Bよりも、使用者の体型に起因する装着状態のばらつきによる測定精度の低下がさらに防止可能となり、下腹部が突出していない人は勿論、下腹部が突出した人が使用した場合にもさらにより多くの場合にその体動が検出できるようになる。
【0113】
なお、本実施の形態における歩数計100Dにおいても、上述の実施の形態3における歩数計100Cと同様に、検出可能範囲に連続性をもたせるために第1センサユニット150Aの検出可能範囲と第2センサユニット150Bの検出可能範囲とが一部重複するように構成されている。したがって、本体ケーシングの鉛直線に対する傾斜が所定の角度範囲となった場合には、第1センサユニット150Aと第2センサユニット150Bの両者で体動が検出されることになる。しかしながら、上述の実施の形態3における歩数計100Cと同様に、本実施の形態における歩数計100DにおいてもCPU162にこれら信号を択一的に選択する選択手段としての機能を持たせることにより、歩数の重複カウントの防止が可能になる。
【0114】
また、実際に上記構成の歩数計100Dを製作する場合にセンサユニット150A,150Bとしてたとえば検出可能角度αが30°の実用的な加速度センサをそれぞれ利用することを想定すれば、一例として、本体ケーシングの装着面122に対する第2センサユニット150Bの検出軸SA2の傾斜角βを55°とすることが考えられる。このとき、梁部153bとプリント配線基板140との間の距離は0.8mm以上とし、好ましくは1.0mm程度とする。このように構成した場合には、装着状態において角度δが−30°から85°の範囲内であれば、問題なく体動が検出できることになる。
【0115】
上述の実施の形態1ないし4においては、体動検出手段としてのセンサユニットを片持ち梁構造を有する板状部材と圧電素子にて構成した場合を例示して説明を行なったが、このような構成に限定されるものではない。たとえば体動検出手段として振り子式のセンサユニットを利用することも可能である。
【0116】
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施の形態1における歩数計を開状態とした場合の概略斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1における歩数計を開状態とした場合の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における歩数計を閉状態とした場合の模式側面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における歩数計のセンサユニットのプリント配線基板への組付構造を示す図であり、(A)は、組付け後におけるプリント配線基板の概略斜視図であり、(B)および(C)は、それぞれ組付け後におけるプリント配線基板の正面図および側面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における歩数計の機能ブロックを示すブロック図である。
【図6】下腹部が突出していない人が本発明の実施の形態1における歩数計を装着した場合の装着状態を示す図である。
【図7】図6に示す装着状態におけるセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【図8】下腹部が突出している人が本発明の実施の形態1における歩数計を装着した場合の装着状態を示す図である。
【図9】図8に示す装着状態におけるセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2における歩数計を閉状態とした場合の模式側面図である。
【図11】本発明の実施の形態2における歩数計のセンサユニットのプリント配線基板への組付構造を示す図であり、(A)は、組付け後におけるプリント配線基板の概略斜視図であり、(B)および(C)は、それぞれ組付け後におけるプリント配線基板の正面図および側面図である。
【図12】下腹部が突出していない人が本発明の実施の形態2における歩数計を装着した場合のセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【図13】下腹部が突出している人が本発明の実施の形態2における歩数計を装着した場合のセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【図14】本発明の実施の形態3における歩数計を閉状態とした場合の模式側面図である。
【図15】本発明の実施の形態3における歩数計のセンサユニットのプリント配線基板への組付構造を示す図であり、(A)は、組付け後におけるプリント配線基板の概略斜視図であり、(B)および(C)は、それぞれ組付け後におけるプリント配線基板の正面図および側面図である。
【図16】本発明の実施の形態3における歩数計の機能ブロックを示すブロック図である。
【図17】下腹部が突出していない人が本発明の実施の形態3における歩数計を装着した場合のセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【図18】下腹部が突出している人が本発明の実施の形態3における歩数計を装着した場合のセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【図19】図18に示す場合よりもさらに下腹部が突出している人が本発明の実施の形態3における歩数計を装着した場合のセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【図20】本発明の実施の形態4における歩数計を閉状態とした場合の模式側面図である。
【図21】本発明の実施の形態4における歩数計のセンサユニットのプリント配線基板への組付構造を示す図であり、(A)は、組付け後におけるプリント配線基板の概略斜視図であり、(B)および(C)は、それぞれ組付け後におけるプリント配線基板の正面図および側面図である。
【図22】下腹部が突出していない人が本発明の実施の形態4における歩数計を装着した場合のセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【図23】下腹部が突出している人が本発明の実施の形態4における歩数計を装着した場合のセンサユニットの傾きの状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0118】
100A〜100D 歩数計、110 ケース本体、111 表示面、113 軸支部、114 爪部、116 表示部、117 操作部、120 カバー体、121 カバー面、122 装着面、123 軸支部、124 受け部、125 軸支部、130 クリップ体、131 軸支部、132 バネ、140 プリント配線基板、141 実装面、142 ビス穴、150 センサユニット、150A 第1センサユニット、150B 第2センサユニット、151,151a,151b 板状部材、152,152a,152b 固定部、153,153a,153b 梁部、154,154a,154b,155,155a,155b 錘部、156,156a,156b 圧電素子、160,166 アンプ部、161,167 フィルタ部、162 CPU、162a 演算回路、163 メモリ部、164 電池、165 定電圧回路、200 使用者、201 下腹部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検出軸方向の体動を検出するように固定配置された第1体動検出手段と、前記第1体動検出手段が収容された本体ケーシングとを備えた体動検出装置であって、
前記第1体動検出手段の前記検出軸は、前記本体ケーシングの身体への装着面に対して第1傾斜角をもって傾斜配置され、
前記第1傾斜角は、前記第1体動検出手段の検出可能角度範囲内に含まれる、体動検出装置。
【請求項2】
前記第1体動検出手段の前記検出軸は、前記本体ケーシングの上部側に向かうに連れ、前記装着面に近付くように配置されている、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項3】
前記第1体動検出手段は、体動に伴って撓む梁部を有する板状部材と、前記板状部材の前記梁部の主面に取付けられた圧電素子とを含む、請求項1または2に記載の体動検出装置。
【請求項4】
前記第1体動検出手段は、前記本体ケーシングの内部に収容固定された配線基板に取付けられ、
前記梁部の前記主面は、前記配線基板の主面に対して垂直に交わるように配置され、
前記配線基板の前記主面は、前記本体ケーシングの前記装着面に対して前記第1傾斜角をもって傾斜配置されている、請求項3に記載の体動検出装置。
【請求項5】
前記第1体動検出手段は、前記本体ケーシングの内部に収容固定された配線基板に取付けられ、
前記梁部の前記主面は、前記配線基板の主面に対して前記第1傾斜角をもって傾斜配置され、
前記配線基板の前記主面は、前記本体ケーシングの前記装着面と平行に配置されている、請求項3に記載の体動検出装置。
【請求項6】
前記梁部は、前記梁部の前記配線基板側の端部から立設された錘部を有し、
前記錘部は、その先端側に向かうに連れて前記配線基板から遠ざかる方向に延びている、請求項5に記載の体動検出装置。
【請求項7】
所定の検出軸方向の体動を検出するように固定配置された第2体動検出手段をさらに備え、
前記第2体動検出手段の前記検出軸は、前記本体ケーシングの前記装着面に対して前記第1傾斜角よりも大きい第2傾斜角をもって傾斜配置され、
前記第2傾斜角は、前記第2体動検出手段の検出可能範囲内に含まれず、
前記第1体動検出手段の検出可能範囲と前記第2体動検出手段の検出可能範囲とが、少なくとも一部において重複している、請求項1から6のいずれかに記載の体動検出装置。
【請求項8】
前記第2体動検出手段の前記検出軸は、前記本体ケーシングの上部側に向かうに連れ、前記装着面に近付くように配置されている、請求項7に記載の体動検出装置。
【請求項9】
前記第2体動検出手段は、体動に伴って撓む梁部を有する板状部材と、前記板状部材の前記梁部の主面に取付けられた圧電素子とを含む、請求項7または8に記載の体動検出装置。
【請求項10】
前記第1体動検出手段および前記第2体動検出手段のうち、いずれの体動検出手段から出力される出力信号を体動検出の対象とするかを選択する選択手段をさらに備えた、請求項7から9のいずれかに記載の体動検出装置。
【請求項11】
所定の検出軸方向の体動を検出するように固定配置された第1体動検出手段および第2体動検出手段と、前記第1体動検出手段および前記第2体動手段が収容された本体ケーシングとを備えた体動検出装置であって、
前記第1体動検出手段の前記検出軸は、前記本体ケーシングの身体への装着面と平行に配置され、
前記第2体動検出手段の前記検出軸は、前記本体ケーシングの前記装着面に対して傾斜角をもって傾斜配置され、
前記傾斜角は、前記第2体動検出手段の検出可能角度範囲内に含まれず、
前記第1体動検出手段の検出可能範囲と前記第2体動検出手段の検出可能範囲とが、少なくとも一部において重複している、体動検出装置。
【請求項12】
前記第2体動検出手段の前記検出軸は、前記本体ケーシングの上部側に向かうに連れ、前記装着面に近付くように配置されている、請求項11に記載の体動検出装置。
【請求項13】
前記第1体動検出手段および前記第2体動検出手段は、体動に伴って撓む梁部を有する板状部材と、前記板状部材の前記梁部の主面に取付けられた圧電素子とをそれぞれ含む、請求項11または12に記載の体動検出装置。
【請求項14】
前記第1体動検出手段および前記第2体動検出手段は、前記本体ケーシングの内部に収容固定された配線基板に取付けられ、
前記第2体動検出手段の前記梁部の前記主面は、前記配線基板の主面に対して前記傾斜角をもって傾斜配置され、
前記配線基板の前記主面は、前記本体ケーシングの前記装着面と平行に配置されている、請求項13に記載の体動検出装置。
【請求項15】
前記第2体動検出手段の前記梁部は、前記梁部の前記配線基板側の端部から立設された錘部を有し、
前記錘部は、その先端側に向かうに連れて前記配線基板から遠ざかる方向に延びている、請求項14に記載の体動検出装置。
【請求項16】
前記第1体動検出手段および前記第2体動検出手段のうち、いずれの体動検出手段から出力される出力信号を体動検出の対象とするかを選択する選択手段をさらに備えた、請求項11から15のいずれかに記載の体動検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−218674(P2007−218674A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38002(P2006−38002)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】