説明

体積イメージデータ処理

方法、装置、コンピュータ可読命令を格納するコンピュータ可読媒体が、体積イメージデータを処理するために開示される。この方法によれば、3次元データ点が収集される。複数の2次元イメージマップが3次元データ点から得られる。複数の2Dイメージマップのうちの少なくとも1つが抽出され、少なくとも1つのイメージフレームが形成される。フレームギャラリは少なくとも1つのイメージフレー

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照により本明細書に組み込まれる2009年9月29日出願の「Volumetric Image Data Processing」という名称の米国出願第12/569480号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
球面などの3D空間内に及ぶ測定点から3次元(「3D」)データセットを生成することができる。これらのデータセットを処理し、3次元空間に関する有用な情報をもたらす。例えば、認知神経科学での時間変動イベント関連ポテンシャル(Event-Related Potential)(「ERP」)データが、人の頭皮の様々な場所に配置された電極から測定される。収集されるERPデータにより、科学者が特定の時間の特定の認知プロセスを反映する人間の脳活動を観測することが可能となる。時間変動ERPの複雑な時間−空間相関の包括的理解は、経時的に生成された3D空間からの多数のデータセットがあるときは特に、視覚化のためにどのようにデータセットを機能的に解釈し、処理するかに依拠する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一実施形態は、体積イメージデータ(volumetric image data)を処理する方法を説明する。この方法は、3次元データ点から複数の2次元イメージマップを得ること、複数の2次元イメージマップのうちの少なくとも1つを抽出し、少なくとも1つのイメージフレームを形成すること、および少なくとも1つのイメージフレームからフレームギャラリを作成することを含む。
【0004】
さらに、コンピュータ可読媒体上に具体化されたコンピュータプログラムの指示の下で、前述の方法、またはそのいずれかの部分をコンピューティングデバイスによって実施することができる。
【0005】
さらに、複合イメージデータを得るように前述の方法、またはそのいずれかの部分を実施することができる。
【0006】
本開示の代替実施形態は、3次元データ点から複数の2次元イメージマップを得る取得ユニットと、複数の2次元イメージマップのうちの少なくとも1つを抽出し、少なくとも1つのイメージフレームを形成する抽出ユニットと、少なくとも1つのイメージフレームからフレームギャラリを作成する作成ユニットとを備える、体積イメージデータを処理する装置を説明する。
【0007】
本開示の別の代替実施形態は、体積イメージデータを処理する方法を説明する。この方法は、3次元データ点から複数の2次元イメージマップを得るステップと、複数の2次元イメージマップのうちの少なくとも1つを抽出し、少なくとも1つのイメージフレームを形成するステップと、根本的に異なるフレーム(radically different frame)および代表的フレームのうちの少なくとも1つを求めるステップとを含む。
【0008】
さらに、コンピュータ可読媒体上に具体化されたコンピュータプログラムの指示の下で、上述の方法、またはそのいずれかの部分をコンピューティングデバイスによって実施することができる。
【0009】
本開示の別の代替実施形態は、3次元データ点から複数の2次元イメージマップを得る取得ユニットと、複数の2次元イメージマップのうちの少なくとも1つを抽出し、少なくとも1つのイメージフレームを形成する抽出ユニットと、根本的に異なるフレームおよび代表的フレームのうちの少なくとも1つを求める決定ユニットとを備える、体積イメージデータを処理する装置を説明する。
【0010】
本開示の別の代替実施形態は、体積イメージデータを処理する方法を説明する。この方法は、3次元データ点から複数の2次元イメージマップを得るステップと、複数の2次元イメージマップおよび複数の2次元イメージマップのそれぞれに関連する時間データに基づいて体積イメージデータを構築するステップと、体積イメージデータに特異点グラフ(critical point graph)を適用するステップとを含む。
【0011】
さらに、コンピュータ可読媒体上に具体化されたコンピュータプログラムの指示の下で、前述の方法、またはそのいずれかの部分をコンピューティングデバイスによって実施することができる。
【0012】
さらに、複合イメージデータを得るように前述の方法、またはそのいずれかの部分を実施することができる。
【0013】
本開示の別の代替実施形態は、3次元データ点から複数の2次元イメージマップを得る取得ユニットと、複数の2次元イメージマップおよび複数の2次元イメージマップのそれぞれに関連する時間データに基づいて体積イメージデータを構築する構築ユニットと、体積イメージデータに特異点グラフを適用する適用ユニットとを備える、体積イメージデータを処理する装置を説明する。
【0014】
上記は概要であり、したがって必然的に、単純化、一般化、および細部の省略を含み、したがって、この概要は例に過ぎず、いかなる形でも限定を意図するものではないことを当業者は理解されよう。本明細書に記載のデバイスおよび/またはプロセスおよび/または他の主題の他の態様、特徴、および利点が、本明細書に記載の教示で明らかとなるであろう。この概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明する概念の抜粋を単純化した形で紹介するために与えるものである。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴または不可欠な特徴を特定するためのものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとして使用するためのものである。
【0015】
添付の図面と共に以下の説明および添付の特許請求の範囲から、本開示の上記および他の特徴がより完全に明らかとなるであろう。こうした図面は本開示によるいくつかの実施形態だけを示し、したがってその範囲の限定とみなされるべきではないことを理解して、添付の図面を使用することによってさらに具体的かつ詳細に本開示を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】例示的例ネットワーク環境を示すブロック図である。
【図2】本開示のいくつかの実施形態による、体積イメージデータを処理するように構成された例示的コンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【図3】本開示のいくつかの実施形態による、例示的体積イメージデータ処理方法を示す流れ図である。
【図4】本開示のいくつかの実施形態による、2Dイメージマップを抽出してイメージフレームを形成する例示的方法を示す流れ図である。
【図5】本開示のいくつかの実施形態による、2Dイメージマップを抽出してイメージフレームを形成する例示的方法を示す流れ図である。
【図6】本開示のいくつかの実施形態による、フレームギャラリのイメージデータの例示的な図である。
【図7】本開示のいくつかの実施形態による、フレームギャラリを伴う体積イメージデータの複合イメージデータの例示的な図である。
【図8】本開示のいくつかの実施形態による、体積イメージデータ処理方法を示す例示的流れ図である。
【図9】本開示のいくつかの実施形態による、アイソサーフェスプロセスアプリケーションを用いた体積イメージデータの例示的な図である。
【図10】本開示のいくつかの実施形態による、特異点グラフアプリケーションを用いた体積イメージデータの例示的な図である。
【図11】本開示のいくつかの実施形態による、アイソサーフェスプロセスと特異点グラフアプリケーションを共に用いた体積イメージデータの例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面では、別段の文脈の指示がない限り、同様の記号は一般に類似の構成要素を特定する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲で説明する例示的実施形態は、限定を意味するわけではない。ここで提示する主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書で一般的に説明し、図に示す本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置し、組み合わせ、設計することができ、そのすべてが明示的に企図され、本開示の一部となる。
【0018】
導入
本開示は、とりわけ、視覚化のために体積イメージデータを処理することに関する方法、装置、およびコンピュータプログラムを格納するコンピュータ可読媒体を対象とする。具体的には、本開示は、ERPデータなどの球面からのデータセットの視覚化のためのフレームワークを説明する。本開示は、3Dデータセットから得られる2Dイメージマップから体積イメージデータを構築できることを説明する。体積イメージデータから2Dイメージマップを抽出することによって特異イメージフレーム(critical image frames)が形成される。イメージフレームに基づいてフレームギャラリを作成することができる。イメージデータおよび複合イメージデータが、レンダリング用の体積イメージデータおよびフレームギャラリから生成される。
【0019】
体積イメージデータの視覚化は、体積イメージデータの特異点グラフおよびアイソサーフェス(iso-surfaces)の解析をさらに含むように実装することができる。したがって、フレームギャラリ、特異点グラフ、アイソサーフェス、および体積イメージデータを対話式レンダリングおよび視覚化機能で検討することにより、時間変動データセットの複雑な時間−空間相関の包括的理解を実現することができる。さらに、特異イメージフレームだけが送信されるとき、ネットワーク内の体積イメージデータの視覚化のためのデータを通信するのに必要な帯域幅は、体積イメージデータ全体を送信する場合と比べたときに著しく少ない。
【0020】
ネットワーク環境の概要
図1は、体積イメージデータを処理することに関する方法、コンピュータプログラム、および装置を実装することのできるネットワーク環境100を示すブロック図である。ネットワーク環境100はネットワーク102を含み、ネットワーク102は、様々なデバイス間の通信リンクを提供し、それによってネットワーク環境内のデバイスを互いに接続する。ネットワーク100は、例えば広域ネットワーク、ローカルエリアネットワークなどとして実装することができ、ワイヤード接続またはワイヤレス接続である接続を含むことができる。図1はまた、ネットワーク102に接続されたコンピューティングデバイス104も示す。さらに、ストレージ106、出力デバイス108、および他のコンピューティングデバイス110もネットワーク102に接続することができる。ネットワーク環境100は、ネットワーク102に接続された、図示していない追加のデバイスを含むことができる。コンピューティングデバイス104、110の一例を図2でコンピューティングデバイス200として示す。あるいは、システム環境が、構成要素のすべてをコンピューティングデバイスに含み、ネットワークが不要であるコンピューティングデバイスを含むことができることを理解されたい。
【0021】
装置実装の例
図2は、本開示による、体積イメージデータ処理のために構成することのできる例示的コンピューティングデバイス200を示すブロック図である。非常に基本的な構成201では、コンピューティングデバイス200は通常、1つまたは複数のプロセッサ210およびシステムメモリ220を含む。プロセッサ210、システムメモリ220、および処理装置290の間で通信するためにメモリバス230を使用することができる。
【0022】
所望の構成に応じて、プロセッサ210は、限定はしないがマイクロプロセッサ(μP)マイクロコントローラ(μC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそれらの任意の組合せを含む任意のタイプでよい。プロセッサ210は、レベル1キャッシュ211、レベル2キャッシュ212などのもう1つのレベルのキャッシング、プロセッサコア213、およびレジスタ214を含むことができる。プロセッサコア213は、演算論理ユニット(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。メモリコントローラ215をプロセッサ210と共に使用することもでき、またはある実装では、メモリコントローラ215はプロセッサ210の内部部分でよい。
【0023】
所望の構成に応じて、システムメモリ220は、限定はしないが揮発性メモリ(RAM)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリなど)、またはそれらの任意の組合せを含む任意のタイプでよい。システムメモリ220は通常、オペレーティングシステム221、1つまたは複数のアプリケーション222、およびプログラムデータ224を含む。アプリケーション222は、3Dデータ点を処理して体積イメージデータを生成するように構成することのできるイメージ処理アルゴリズム223を含む。以下でさらに説明するように、プログラムデータ224は、体積イメージデータを処理するのに使用することのできるイメージ処理データ225を含む。ある実施形態では、アプリケーション222は、体積イメージデータを生成することができるようにオペレーティングシステム221上でプログラムデータ224と共に動作するように構成することができる。説明したこの基本的構成を、図2で破線201内の構成要素によって示す。
【0024】
所望の構成に応じて、処理装置290は、3Dデータ点を収集する収集ユニット291と、3Dデータ点から複数の2Dイメージマップを得る取得ユニット292と、複数の2次元イメージマップおよび複数の2次元イメージマップのそれぞれに関連する時間データに基づいて体積イメージデータを構築する構築ユニット293と、複数の2次元イメージマップのうちの少なくとも1つを抽出し、少なくとも1つのイメージフレームを形成する抽出ユニット294と、根本的に異なるフレームおよび代表的フレームのうちの少なくとも1つを求める決定ユニット295と、少なくとも1つのイメージフレームからフレームギャラリを作成する作成ユニット296と、イメージデータまたは複合イメージデータを生成する生成ユニット297と、体積データに特異点グラフを適用する適用ユニット298とを含むことができる。
【0025】
コンピューティングデバイス200は、基本的構成201と必要な任意のデバイスおよびインターフェースとの間の通信を容易にするために、追加の特徴または機能、および追加のインターフェースを有することができる。例えば、バス/インターフェースコントローラ240を使用して、ストレージインターフェースバス241を介する基本的構成201と1つまたは複数のデータ記憶デバイス250との間の通信を容易にすることができる。データ記憶デバイス250は、取外し式記憶デバイス251、非取外し式記憶デバイス252、またはそれらの組合せでよい。取外し式ストレージおよび非取外し式記憶デバイスの例は、ほんの数例を挙げれば、フレキシブルディスクドライブやハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブやデジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、固体ドライブ(SSD)、およびテープドライブを含む。例示的コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性の取外し式および非取外し式媒体を含むことができる。
【0026】
システムメモリ220、取外し式ストレージ251、および非取外し式ストレージ252は、すべてコンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体は、限定はしないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または他のメモリ技術、CD−ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、または他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気記憶デバイス、あるいは所望の情報を格納するのに使用することができ、コンピューティングデバイス200によってアクセスすることのできる任意の他の媒体を含む。任意のそのようなコンピュータ記憶媒体は、デバイス200の一部でよい。
【0027】
コンピューティングデバイス200はまた、バス/インターフェースコントローラ240を介する様々なインターフェースデバイス(例えば、出力インターフェース、周辺インターフェース、および通信インターフェース)から基本的構成201への通信を容易にするインターフェースバス242をも含むことができる。例示的出力デバイス260はグラフィックス処理ユニット261およびオーディオ処理ユニット262を含み、グラフィックス処理ユニット261およびオーディオ処理ユニット262は、1つまたは複数のA/Vポート263を介してディスプレイやスピーカなどの様々な外部デバイスに通信するように構成することができる。例示的周辺インターフェース270はシリアルインターフェースコントローラ271またはパラレルインターフェースコントローラ272を含み、シリアルインターフェースコントローラ271またはパラレルインターフェースコントローラ272は、1つまたは複数のI/Oポート273を介して入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイスなど)や他の周辺デバイス(例えば、プリンタ、スキャナなど)などの外部デバイスと通信するように構成することができる。例示的通信デバイス280はネットワークコントローラ281を含み、ネットワークコントローラ281は、1つまたは複数の通信ポート282を介する図1のネットワーク102との通信を容易にするように構成することができる。通信接続は通信媒体の一例である。通信媒体は通常、搬送波や他の移送機構などの被変調データ信号中のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータによって実施することができ、任意の情報配信媒体を含む。「被変調データ信号」は、信号中に情報を符号化するようにその特性の1つまたは複数が設定または変更された信号でよい。限定ではなく例として、通信媒体は、ワイヤードネットワークやダイレクトワイヤード接続などのワイヤード媒体と、音響媒体、無線周波数(RF)媒体、赤外線(IR)媒体、他のワイヤレス媒体などのワイヤレス媒体とを含むことができる。本明細書で使用するコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体と通信媒体のどちらも含むことができる。
【0028】
コンピューティングデバイス200は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレーヤデバイス、ワイヤレスウェブ視聴デバイス、パーソナルヘッドセットデバイス、アプリケーション特有のデバイス、上記の機能のいずれかを含むハイブリッドデバイスなどの小型形状因子ポータブル(モバイル)電子デバイスの一部として実装することができる。コンピューティングデバイス200はまた、ラップトップコンピュータ構成と非ラップトップコンピュータ構成のどちらも含むパーソナルコンピュータとして実装することもできる。
【0029】
フロープロセス実装の例−フレームギャラリ
図3は、一実施形態による体積イメージデータプロセスを示す流れ図である。プロセスフロー300を参照すると、ステップ302で、3Dデータ点のデータセットを収集し、ステップ304で2次元(「2D」)イメージマップを得る。ステップ302では、3D空間内に及ぶ測定点で実施した測定から3Dデータ点302を収集することができる。3Dデータセットは、イベント関連ポテンシャル(ERP)データ、グラウンド測定データ、大気温度データなどの球面から生成される。議論のために、経時的に生成されたERPデータセットを特定の例として使用する。しかし、本明細書に記載の方法、コンピュータプログラム、および装置を球面からの他のデータセットに適用できることを理解されたい。ERPデータは、3つの空間次元および時間からなる4次元データセットとみなすことができる。ERPデータは、人の頭皮にわたって異なるセンサで測定されたポテンシャルのグループである。
【0030】
ステップ304では、表面パラメータ化方法(surface parameterization method)を使用することによって3D空間内の元の地点を2D平面に投影することにより特定の時刻のERPデータの測定点の位置を2D平面にマッピングすることができる。有利には、ひずみを最小限に抑えことができ、または計算効果を最小限に抑えることのできる表面パラメータ化方法を選ぶことができる。2D平面上の矩形を、すべての投影点をちょうど覆うことのできるものとして定義することができる。すべての投影点を覆うことのできる他の形状も使用することができる。矩形は一定の解像度を有し、解像度は、例えばユーザからの入力を取得して2Dイメージマップを形成することによって定義することができる。イメージマップは白黒でよい。典型的な解像度はN×NまたはM×Nでよく、例えばいくつかの例として512×512、512×256、および256×256でよい。各投影点は、2Dイメージマップ上の位置、すなわち座標を有する。2Dイメージマップ内にプロットされないピクセルのデータ値を、割り当てられた値を有する隣接ピクセルに基づいて補間することができる。1つのオプションは、まずデローネイ三角測量を使用することによってすべてのプロットされる点を三角測量し、次いで重心補間(Barycentric interpolation)を使用することによって2Dイメージマップで補間を実施することのできるプロセスでよい。処理時間を節約するようにチップレベルで提供されるOpenGL APIを使用することによってプロセス全体を実施することができる。ERPポテンシャルを2Dイメージマップ上の異なる点の輝度/グレースケールとしてプロットすることができ、すべてのポテンシャル値は、0%から100%までのグレースケール範囲に入るようにスケーリングプロセスを受ける。
【0031】
異なる時刻に取られたERPデータに対してステップ302および304を実施する。ステップ306では、ステップ304で生成した2Dイメージマップから体積イメージデータを構築する。各ERPボリュームスライス、すなわち生成した各イメージを用いて、すべてのデータスライスを時間次元に沿って共にスタックすることによってERPボリュームを構築することができる。ERPボリュームデータは、全時間範囲のERPデータの情報を含む。ERP技法の高い時間解像度のために、ERPデータセットは通常、数千のサンプリング時点を含む。データセットに関する切捨て、および時間座標でデータを一様にサンプリングすることを実施して、データセットのサイズを削減することができる。データボリュームに対して3Dガウスフィルタリングを実施してノイズを削減することもできる。
【0032】
ERPパラダイムは、少なくとも2つの実験条件をさらに含むことができ、各実験条件についてERPボリュームを生成することができる。異なる実験条件のERPボリューム間の差分を計算することによって差分ボリュームを生成することができる。さらに、体積イメージデータを構築する際に、アイソサーフェス抽出プロセスを適用して、一定の値でアイソサーフェスを生成することができる。単一のERPデータセットおよび差分ボリュームから生成した両方のボリュームに対してアイソサーフェス抽出を実施することができる。古典的マーチングキューブアルゴリズム(marching cubes algorithm)を実装することができる。
【0033】
さらに、特異点グラフ(CPG)を体積イメージデータに適用することもできる。元のデータボリュームの勾配フィールドを計算することができる。ヤコビアン行列の固有値および固有ベクトルに基づいて特異点を計算する。計算した特異点およびその間の流線(streamlines)で特異点グラフ(CPG)を生成することができる。流線は、所与の各点で定義したベクトル場方向に接する。ERPの場合、計算したCPGの構造は、下にある脳活動の徴候であることがある。
【0034】
一実施形態では、プロセスフローはステップ314に進むことができ、ステップ306で得た体積イメージデータに基づいてイメージデータを生成する。ボリュームレイキャスティング、スプラッティング(splatting)、シェアラップ(shear wrap)、テクスチャマッピングなどの適用可能なレンダリング方法によってイメージデータをレンダリングすることができる。処理速度および計算の複雑さを考慮してボリュームレンダリング方法を選択することができる。ボリュームレンダリングを実施するとき、伝達関数を使用することができる。例えば、伝達関数は、ピクセルの値をカラーまたは透明度にマッピングするルックアップテーブルでよい。伝達関数では、例えばほとんどの人の知覚で「中性の」カラーであろう緑により、ゼロに近い値を表現することができる。黄や赤などの「暖かい」カラーで正の値を表現することができ、青やシアンなどの「冷たい」カラーで負の値が表現される。ゼロに近い大量のデータがより透明にされ、2つの極値に近いデータにより高い不透明度が割り当てられるように伝達関数を設計することもできる。伝達関数をユーザによって定義および入力することができる。体積イメージデータのレンダリングをリアルタイムで実施することができ、ユーザは、レンダリングした体積イメージデータを対話式に検査および解析することができる。
【0035】
フロープロセス300において、ステップ308では、体積イメージデータから2Dイメージマップを抽出することによってイメージフレームを形成する。具体的には、2つの種類のフレーム(すなわち特異フレーム)を形成する。第1の種類の特異フレームは、その前および後のフレームとは根本的に異なることのある根本的に異なるフレームでよい。違いは、ノイズ、重要な特徴などに基づくことができる。別の種類の特異フレームは代表的フレームでよい。2つの種類の特異フレームのそれぞれを抽出するプロセスを図4および5に示す。
【0036】
図4に、根本的に異なるフレームを抽出するフロープロセス400を示す。ステップ402では、2つのフレームの対応する2つごとのピクセル間の差分の平方の和によって2つのフレーム間の差分和を計算することができる。ステップ404では、時刻tでのフレームの重要度の値を、検査下のフレームの前のフレームとのフレーム差分と、検査下のフレームの後のフレームとのフレーム差分の両方のガウス重みつき和として計算することができる。ステップ406では、ステップ404で計算したフレームに関する重要度の値に基づいて、重要度値曲線を生成する。ステップ408では、所定のしきい値よりも高い重要度の値を有するフレームを、根本的に異なるフレームとして抽出する。所定のしきい値をユーザによって設定することができる。
【0037】
図5に、代表的フレームを抽出するフロープロセス500を示す。ステップ502では、2つのフレームの対応する2つごとのピクセル間の差分の平方の和によって2つのフレーム間の差分和を計算することができる。ステップ504では、時刻tでのフレームの重要度の値を、検査下のフレームの前のフレームとのフレーム差分と、検査下のフレームの後のフレームとのフレーム差分の両方のガウス重みつき和として計算することができる。ステップ506では、ステップ504で計算したフレームに関する重要度の値に基づいて、重要度値曲線を生成する。ステップ508では、経時的な全データシーケンスを重要度値曲線の積分の等しい値で割ることにより、体積イメージデータをビンに分割することができる。分割すべきビンの数をユーザによって入力することができる。ステップ510では、各ビンから代表的フレームを第2の種類の特異フレームとして抽出する。各ビンについて抽出する代表的フレームの数をユーザによって入力することができる。複数の代表的フレームが抽出される場合、各ビンを細分し、次いでそれぞれの細分したビンから代表的フレームを抽出する。したがって、代表的フレームが、ビンの重要度値の積分に基づいて抽出され、各代表的フレームは一定量の重要度を表す。
【0038】
フロープロセス300のステップ310では、求めた2つの種類の特異フレームからフレームギャラリを作成することができる。別の実施形態では、プロセスフローはステップ312に進むことができ、ステップ310で得たフレームギャラリに基づいてイメージデータを生成する。図6(a)に、ERP体積イメージデータの代表的フレームを示すフレームギャラリの一例を示す。図6(b)に、両方の種類の特異フレームの組合せを示すフレームギャラリの一例を示す。
【0039】
別の実施形態では、プロセスフローはステップ316に進むことができ、体積イメージデータおよびフレームギャラリから複合イメージを生成する。具体的には、複合イメージをレンダリングすることができるとき、図7(a)で一例として示すように体積イメージデータ内でフレームギャラリをレンダリングすることができるように、複合イメージを生成することができる。図7(b)に、図7(a)のフレームギャラリに適用されているズームインプロセスを示す。さらに、図7(c)に一例として示すように、体積イメージデータを取り囲んでフレームギャラリをレンダリングすることができる。さらに、フレームギャラリの底部に沿って重要度曲線の値をレンダリングすることができる。したがって、ユーザは、抽出したフレームを比較することによって全ERP時間シーケンスデータを調査することができる。この方法はまた、入力デバイスによってレンダリングされる複合イメージのフォーカスまたはコンテキスト領域のサンプリングレートをユーザが動的に変更することも可能にする。デフォルトでは、すべてのフレームは同一サイズである。ユーザは、入力デバイスを介してレンダリングされるフレームまたは複合イメージの一部に対してズームインまたはズームアウトプロセスを実施することができる。さらに、図7(a)、(b)、および(c)に示されるように、全ERPボリュームを3Dで変形し、フレーム間のオクルージョンに対して馬蹄形状を形成することができる。
【0040】
フロープロセス実装の例−特異点グラフ
図8は、別の実施形態による体積イメージデータプロセスを示す流れ図である。プロセスフロー800を参照すると、ステップ802では、3Dデータ点のデータセットを収集して、ステップ804で2Dイメージマップを得る。ステップ802では、3D空間内に及ぶ測定点で実施した測定から3Dデータ点を収集することができる。3Dデータセットは、イベント関連ポテンシャル(ERP)データ、グラウンド測定データ、大気温度データなどの球面から生成される。議論のために、経時的に生成されたERPデータセットを特定の例として使用する。しかし、本明細書に記載の方法、コンピュータプログラム、および装置を球面からの他のデータセットに適用できることを理解されたい。ERPデータは、3つの空間次元および時間からなる4次元データセットとみなすことができる。ERPデータは、人の頭皮にわたって異なるセンサで測定されたポテンシャルのグループである。
【0041】
ステップ804では、表面パラメータ化方法を使用することによって3D空間内の元の地点を2D平面に投影することにより特定の時刻のERPデータの測定点の位置を2D平面にマッピングすることができる。有利には、ひずみを最小限に抑えことができ、または計算効果を最小限に抑えることのできる表面パラメータ化方法を選ぶことができる。2D平面上の矩形を、すべての投影点をちょうど覆うことのできるものとして定義することができる。すべての投影点を覆うことのできる他の形状も使用することができる。矩形は一定の解像度を有し、解像度は、例えばユーザからの入力を取得して2Dイメージマップを形成することによって定義することができる。イメージマップは白黒でよい。典型的な解像度はN×NまたはM×Nでよく、例えばいくつかの例として512×512、512×256、および256×256でよい。各投影点は、2Dイメージマップ上の位置、すなわち座標を有する。2Dイメージマップ内にプロットされないピクセルのデータ値を、割り当てられた値を有する隣接ピクセルに基づいて補間することができる。1つのオプションは、まずデローネイ三角測量を使用することによってすべてのプロットされる点を三角測量し、次いで重心補間を使用することによって2Dイメージマップで補間を実施することのできるプロセスでよい。処理時間を節約するようにチップレベルで提供されるOpenGL APIを使用することによってプロセス全体を実施することができる。ERPポテンシャルを2Dイメージマップ上の異なる点の輝度/グレースケールとしてプロットすることができ、すべてのポテンシャル値は、0%から100%までのグレースケール範囲に入るようにスケーリングプロセスを受ける。
【0042】
異なる時刻に取られたERPデータに対してステップ802および804を実施する。ステップ806では、ステップ804で生成した2Dイメージマップから体積イメージデータを構築する。各ERPボリュームスライス、すなわち生成した各イメージを用いて、すべてのデータスライスを時間次元に沿って共にスタックすることによってERPボリュームを構築することができる。ERPボリュームデータは、全時間範囲のERPデータの情報を含む。ERP技法の高い時間解像度のために、ERPデータセットは通常、数千のサンプリング時点を含む。データセットに関する切捨て、および時間座標でデータを一様にサンプリングすることを実施して、データセットのサイズを削減することができる。データボリュームに対して3Dガウスフィルタリングを実施してノイズを削減することもできる。
【0043】
ステップ808では、体積イメージデータに特異点グラフ(CPG)を適用する。ステップ810では、元のデータボリュームの勾配フィールドを計算し、ヤコビアン行列の固有値および固有ベクトルに基づいて特異点を計算する。ステップ812では、計算した特異点およびその間の流線に基づいて特異点グラフ(CPG)を生成する。
【0044】
流線は、所与の各点で定義したベクトル場方向に接する。ERPの場合、計算したCPGの構造は、下にある脳活動の徴候であることがある。
【0045】
ERPパラダイムは、少なくとも2つの実験条件をさらに含むことができ、各実験条件についてERPボリュームを生成することができる。異なる実験条件のERPボリューム間の差分を計算することによって差分ボリュームを生成することができる。さらに、体積イメージデータを構築する際に、アイソサーフェス抽出プロセスを適用して、一定の値でアイソサーフェスを生成することができる。図9に、アイソサーフェスプロセスアプリケーションを用いた体積イメージデータの一例を示す。単一のERPデータセットおよび差分ボリュームから生成した両方のボリュームに対してアイソサーフェス抽出を実施することができる。古典的マーチングキューブアルゴリズムを実装することができる。
【0046】
図10に、CPGを用いた体積イメージデータの一例を示す。さらに、図11に、アイソサーフェスプロセスとCPGアプリケーションを共に用いた体積イメージデータの一例を示す。
【0047】
追加の実装
システムの側面でのハードウェアの実装形態とソフトウェアの実装形態との間には、ほとんど相違が残されていない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般に(いつもそうではないが、ある状況ではハードウェアとソフトウェアの間の選択が重要になり得るという点で)コスト対効果のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書に記載された、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術をもたらすことができる様々な達成手段があり(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)、好ましい達成手段は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が導入される状況によって異なる。例えば、実装者が速度と正確性が最も重要であると決定すると、実装者は主にハードウェアおよび/またはファームウェアの達成手段を選択することができる。フレキシビリティが最も重要なら、実装者は主にソフトウェアの実装形態を選択することができる。または、さらに別の代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのなんらかの組合せを選択することができる。
【0048】
前述の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート、および/または例の使用によって、装置および/またはプロセスの様々な実施形態を説明してきた。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのようなブロック図、フローチャート、または例の中のそれぞれの機能および/または動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または実質上それらのすべての組合せにより、個別におよび/または集合的に実装可能であることが、当業者には理解されるであろう。ある実施形態では、本明細書に記載された主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他の集積化方式によって実装することができる。しかし、本明細書で開示された実施形態のいくつかの態様が、全体においてまたは一部において、1つまたは複数のコンピュータ上で動作する1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして(例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは実質上それらの任意の組合せとして、等価に集積回路に実装することができることを、当業者は認識するであろうし、電気回路の設計ならびに/またはソフトウェアおよび/もしくはファームウェアのコーディングが、本開示に照らして十分当業者の技能の範囲内であることを、当業者は認識するであろう。さらに、本明細書に記載された主題のメカニズムを様々な形式のプログラム製品として配布することができることを、当業者は理解するであろうし、本明細書に記載された主題の例示的な実施形態が、実際に配布を実行するために使用される信号伝達媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを、当業者は理解するであろう。信号伝達媒体の例には、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ、などの記録可能なタイプの媒体、ならびに、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)の通信タイプの媒体が含まれるが、それらには限定されない。
【0049】
本明細書で説明したやり方で装置および/またはプロセスを記載し、その後そのように記載された装置および/またはプロセスを、データ処理システムに統合するためにエンジニアリング方式を使用することは、当技術分野で一般的であることを当業者は認識するであろう。すなわち、本明細書に記載された装置および/またはプロセスの少なくとも一部を、妥当な数の実験によってデータ処理システムに統合することができる。通常のデータ処理システムは、一般に、システムユニットハウジング、ビデオディスプレイ装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステムなどの計算実体、ドライバ、グラフィカルユーザインターフェース、およびアプリケーションプログラムのうちの1つもしくは複数、タッチパッドもしくはスクリーンなどの1つもしくは複数の相互作用装置、ならびに/またはフィードバックループおよびコントロールモータを含むコントロールシステム(例えば、位置検知用および/もしくは速度検知用フィードバック、コンポーネントの移動用および/もしくは数量の調整用コントロールモータ)を含むことを、当業者は理解するであろう。通常のデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/通信システムの中に通常見られるコンポーネントなどの、市販の適切なコンポーネントを利用して実装することができる。
【0050】
本明細書に記載された主題は、様々なコンポーネントをしばしば例示しており、これらのコンポーネントは、他の様々なコンポーネントに包含されるか、または他の様々なコンポーネントに接続される。そのように図示されたアーキテクチャは、単に例示に過ぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることが理解されよう。概念的な意味で、同じ機能を実現するコンポーネントの任意の構成は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付け」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、本明細書における任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントにかかわらず、所望の機能が実現されるように、お互いに「関連付け」されていると見ることができる。同様に、そのように関連付けされた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されているとみなすこともでき、そのように関連付け可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に結合できる」とみなすこともできる。動作可能に結合できる場合の具体例には、物理的にかみ合わせ可能な、および/もしくは物理的に相互作用するコンポーネント、ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用するコンポーネント、ならびに/または論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、それらに限定されない。
【0051】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0052】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む開示に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、通常、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、通常、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0053】
本明細書で様々な態様および実施形態を開示したが、他の態様および実施形態が当業者には明らかとなるであろう。本明細書で開示した様々な態様および実施形態は例示のためのものであり、限定のためのものではなく、真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体積イメージデータを処理する方法であって、
3次元データ点から複数の2次元イメージマップを得ること、
前記複数の2次元イメージマップのうちの少なくとも1つを抽出し、少なくとも1つのイメージフレームを形成すること、および
前記少なくとも1つのイメージフレームからフレームギャラリを作成すること
を含む方法。
【請求項2】
前記複数の2次元イメージマップおよび前記複数の2次元イメージマップのそれぞれに関連する時間データに基づいて体積イメージデータを構築することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
体積イメージデータと共にフレームギャラリをレンダリングするために複合イメージデータを生成することをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのイメージフレームが、根本的に異なるフレームまたは代表的フレームのうちの1つである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記根本的に異なるフレームが、
2つのイメージフレームのすべての対応するピクセル間の差分の平方の和によって前記2つのイメージフレーム間の差分和を計算すること、および
計算した差分和に基づいて各イメージフレームについて重要度の値を計算することであって、前記根本的に異なるフレームが、各イメージフレームについての重要度の計算値に基づいて求められること
によって求められる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記代表的フレームが、
2つのイメージフレームのすべての対応するピクセル間の差分の平方の和によって前記2つのイメージフレーム間の差分和を計算すること、
計算した差分和に基づいて各イメージフレームについて重要度の値を計算すること、
各イメージフレームについての重要度の計算値に基づいて、前記体積イメージデータをビンに分割することであって、前記ビンのそれぞれからの1つのフレームが、前記代表的フレームとして抽出されること
によって求められる請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記体積イメージデータを構築することが、前記体積イメージデータにアイソサーフェス視覚化プロセスを適用することを含む請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記フレームギャラリが前記体積イメージデータ内でレンダリングされる請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記フレームギャラリが前記体積イメージデータを取り囲んでレンダリングされる請求項3に記載の方法。
【請求項10】
体積イメージデータを処理する装置であって、
3次元データ点から複数の2次元イメージマップを得る取得ユニットと、
前記複数の2次元イメージマップのうちの少なくとも1つを抽出し、少なくとも1つのイメージフレームを形成する抽出ユニットと、
前記少なくとも1つのイメージフレームからフレームギャラリを作成する作成ユニットと
を備える装置。
【請求項11】
複数の2次元イメージマップおよび前記複数の2次元イメージマップのそれぞれに関連する時間データに基づいて体積イメージデータを構築する構築ユニットをさらに備える請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記体積イメージデータと共に前記フレームギャラリをレンダリングするために複合イメージデータを生成する生成ユニットをさらに備える請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのイメージフレームが、根本的に異なるフレームまたは代表的フレームのうちの1つである請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記抽出ユニットが決定ユニットをさらに備え、前記決定ユニットが、
2つのイメージフレームのすべての対応するピクセル間の差分の平方の和によって前記2つのイメージフレーム間の差分和を計算すること、および
計算した差分和に基づいて各イメージフレームについて重要度の値を計算することであって、前記根本的に異なるフレームが、各イメージフレームについての重要度の計算値に基づいて求められること
によって前記根本的に異なるフレームを求める請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記決定ユニットが、
2つのイメージフレームのすべての対応するピクセル間の差分の平方の和によって前記2つのイメージフレーム間の差分和を計算すること、
計算した差分和に基づいて各イメージフレームについて重要度の値を計算すること、および
各イメージフレームについての重要度の計算値に基づいて、前記体積イメージデータをビンに分割することであって、前記ビンのそれぞれからの1つのフレームが、前記代表的フレームとして抽出されること
によって前記代表的フレームを求める請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記構築ユニットが、前記体積イメージデータにアイソサーフェス視覚化プロセスを適用する請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記フレームギャラリが前記体積イメージデータ内でレンダリングされる請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記フレームギャラリが前記体積イメージデータを取り囲んでレンダリングされる請求項12に記載の装置。
【請求項19】
体積イメージデータを処理する方法であって、
3次元データ点から複数の2次元イメージマップを得ること、
前記複数の2次元イメージマップおよび前記複数の2次元イメージマップのそれぞれに関連する時間データに基づいて体積イメージデータを構築すること、および
前記体積イメージデータに特異点グラフを適用すること
を含む方法。
【請求項20】
特異点グラフを適用するステップが、
ヤコビアン行列の固有値および固有ベクトルに基づいて体積イメージデータの勾配フィールドおよび特異点を計算すること、および
計算した特異点およびその間の流線に基づいて前記特異点グラフを生成すること
をさらに含む請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−506212(P2013−506212A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531217(P2012−531217)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/CN2010/073001
【国際公開番号】WO2011/038592
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(510117919)ペキン ユニバーシティ (4)
【Fターム(参考)】