体腔へ物質を送出するカテーテルを操作するためのシステムと方法
【解決手段】 カテーテルを調整して器官又は体腔内に薬剤を含む雰囲気を作り出すためのシステム及び方法が開示されている。本システムは、使用中に操作することのできるエアロゾル化カテーテルのようなカテーテルと、エアロゾル化カテーテルの回転方向及び/又は軸方向の位置決めによりカテーテルを導入及び操作する導入装置と、を備えている。本方法は、導入装置を介してカテーテルを体腔内に挿入する段階と、カテーテルの出口端の角度又は向きを調整して、カテーテルに提供された物質が体腔の望ましい位置に制御可能に塗布されるようにする段階と、を含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質を体腔に送出するために使用されるカテーテル又は管を操作するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年10月31日出願の米国仮特許出願第60/516,258号の利益を主張し、同特許出願を参考文献としてここに援用する。
【0003】
最近の医学研究では、開放性の又は侵襲性を最小限にした外科処置を受けている患者の手術野内の解剖学的構造面に対して、治療用のエアロゾル類、又は液体流又は気体流を送出することが有益であると提言されている。侵襲性を最小限にした外科処置(MIS)の場合、手術野は天然の又は人工的に作成された体腔又はルーメンである。開放された解剖学的構造面に対しても、治療用のエアロゾル類の送出は、同じく望ましい。エアロゾル調合物の送出は、外科処置の前に、外科処置の後に、又は外科処置を伴わない場合にも行われる場合がある。
【0004】
「開放的」手技及び侵襲性を最小限にした外科処置手技(例えば、腹腔鏡手術手技)の何れを用いる場合にも、診断又は外科処置中に医師が遭遇する問題の中に、数々の術後合併症の問題がある。これら合併症には、限定するわけではないが、術後の痛み、感染症、組織の癒着、腫瘍形成などが含まれる。外科的又は侵襲的体験と患者側の成果を改善するために、上記の問題を解決することを目指した、医薬品及びそれらに関わる送出システムのような、数多くの製品が市場に出回っている。それらの製品の中に、滅菌水又は食塩水で組織部位を洗い流して血液を除去するために使用される吸引洗浄ワンドがある。医薬品としては、露出した器官全体に撒布するもの、癒着を防ぐために組織と器官の間にバリアを被覆又は形成するものがある。それらの物質は、ゲル形態、シート形態、噴霧(液体)形態、又はエアロゾル形態として、手術部位の器官又は組織を被覆し又は器官に対して薄い膜を付着させる。それら物質の中には、開放的外科処置手技及び侵襲性を最小限にした外科処置手技の双方に利用できるものもある。
【0005】
物質を体腔内の解剖学的構造面に送出することに伴う問題は、手術野全体又はその一部への送出を容易且つ効果的に制御できないことである。液体を噴霧する場合に伴う困難として、洗浄吸引ワンドで使用される流体が貯留すること及び封じ込めができていないことが挙げられる。広い範囲(数平方センチメートルより広い)を対象とすること、並びに必要以上の薬剤を用いずに処置を行うことも困難である。これは、余計な医療費がかかる原因となり、外科処置の費用と時間が追加されることになる。
【0006】
状況によっては、腔内の或る一定の領域、具体的には外科処置器具を挿入するために患者の腹部に作られた入口を取り囲む組織に、エアロゾルを向けることが望ましい場合もある。現在使用されている多くの装置では、ノズルは、器具のシャフトに対する向きが固定されている。その結果、介護者は、エアロゾルを方向決めする場合にシャフトを操作せねばならない。これは、エアロゾルをシャフトの挿入位置に対して後向きに向ける必要がある場合には、シャフトの端部が患者の身体の外に在り、入口の内部に向けてエアロゾルを方向決めするにはシャフトの端部を腔内に配置する必要が生じることになるので、問題がある。また、開放的外科処置の際には、手術開口部から遠ざかる方向に向いているか、又は解剖学的構造又は器具類によって塞がれている目標部位に向けて噴霧を方向決めする必要がある状況では、やはり問題がある。装置の中には放射状のエアロゾルパターンを発生させることのできるものもあるが、外科処置対象の腔内への装置挿入位置に対して全く後向きにエアロゾルを方向決めすることのできる装置は皆無である。
【0007】
使用者がエアロゾルの照準を合わせることができるようにした可撓性の先端を有する装置もあるが、それらはヒンジ式先端を曲げるために機構的リンクを必要とする設計に依存している。それらは機構上の複雑性が関わってくるために製造が高価になりやすい。
【0008】
現在使用されている送出装置によって作られる噴霧粒子は、かなり大きく、ノズルから出て行く速度の速いものが多い。その結果、噴霧粒子は、比較的大きな質量とエアロゾル発生ノズルから出る際の速度により、慣性が大きくなる。そのような粒子は、直線的に移動し、粒子の前にある面に直ぐに衝突して、慣性的付着パターンを作り出す。また、空気力学的要因により、これら大きい粒子は小さい粒子よりも急速に落下する。これは重力依存性の付着パターンを作り出し、腔部の下側面が優先的に被覆されることになる。このような事態は、手術腔部の上部、底部、側部にエアロゾルを均質的且つ一様に付着させる必要のある場合には問題である。最後に、大きくて動きの速い粒子は、ノズルを傷つき易い組織に近づけ過ぎて配置した場合には、外傷を発生させてしまうこともある。
【0009】
体腔又はルーメン内での侵襲を最小限にした外科処置の際には、エアロゾル発生ノズルの位置と方向を目視で判定することが不可能又は不都合なことになる。その結果、エアロゾルが腔部のどの部分に向いているのかを判定することが難しくなる。また、腔部全面に均一的な付着が形成されるようなパターンにエアロゾルノズルを系統的に操作することも困難である。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/516,258号
【特許文献2】米国特許第5,964、223号
【特許文献3】米国特許第5,642,730号
【特許文献4】米国特許第6,079,413号
【特許文献5】米国特許第6,729,334号
【特許文献6】米国特許第6,719,960号
【特許文献7】米国特許第6,079,413号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来技術の欠陥に対処するため、組織及び/又は器官を治療し又は被覆することを目的とし且つ侵襲性を最小限にした外科処置に使用することを目的として、制御されたやり方で体腔に物質を塗布するシステムと方法を説明している。本明細書で使用する「物質」という用語には、限定するわけではないが、液体、粉末、気体、レーザー光又は紫外線(UV)光のような光、又はそれらの組み合わせが含まれる。本明細書で使用する「体腔」という用語には、限定するわけではないが、身体内へ気体を導入することにより作り出された体腔、並びに身体内又は身体内の器官に生まれながらに発現している腔部が含まれる。本発明の第1の態様によれば、患者の体腔に物質を送出するためのカテーテルを操作するためのシステムが開示されているが、少なくとも1つのルーメンを有するカテーテルを備えており、このカテーテルの近位端は体腔へ送出したい物質を受け入れることができるように構成されている。このカテーテルの遠位端は、事前に成形された向きに付勢された可撓性を有する先端を含んでいる。カテーテルを案内するための導入装置は、カテーテルを入れることのできる大きさに作られた内径を画定している本体と、カテーテルに対して取り外し可能に接続することのできるカテーテル調整機構とを含んでいる。カテーテル調整機構は、導入装置の本体に対して移動可能であり、導入装置の本体に対するカテーテルの回転方向及び軸方向の移動のうち少なくとも一方を制御するために手動で調整することができるようになっている。
【0011】
本発明の別の態様によれば、体腔へ物質を送出するためのカテーテルを操作するための方法が開示されている。この方法は、体腔の境界を通して体腔内に導入装置を挿入する段階と、導入装置に通してカテーテルを体腔内に導入する段階を含んでおり、カテーテルは、所定の形状に付勢された可撓性を有する先端にノズルを配した遠位部を備えている。カテーテルを導入装置に対して軸方向に移動させて、可撓性を有する先端の事前に定められた形状を変え、ノズルの角度を元の角度から変えることができるようになっている。カテーテルのシャフトに作動的に接続されている導入装置の第2部分を回転させることによってカテーテルのシャフトを導入装置の第1部分に対して回転させ、体腔内でのノズルの回転方向の位置を変える。更に、このカテーテルを通して物質が体腔に提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1、2に示すように、体腔12に物質を送出するためのシステム10の或る実施形態は、腹壁20を穿刺している導入針18を介して体腔に配置されたカテーテル16の成形された遠位端14を備えている。導入装置22は、一方の端部に導入針18、それと反対側の端部に弁24が取り外し可能に接続されている。導入装置22は、回転調整リング28が回転可能に接続された第1本体部26を備えている。回転調整リング28は、多くの既知の摩擦嵌め、支承式、又はその他の調整可能な回転連結装置の何れかに依って、第1本体部26に回転可能に接続されている。或る実施形態では、流体の漏れを防止するために、第1本体部26と回転調整リング28の間にはOリング30が配置されている。回転調整リング28は、回転調整リング28と弁24とが相対回転しないように、弁24に取り外し可能に取り付けられている。弁24は、カテーテル16のシャフトの一部に沿って連結されたアダプタ32と取り外し可能に接続されるようになっている。
【0013】
導入針18は、挿入シャフト36内に後退するばね仕掛けの後退可能部34を有するVerres針のような針、又はその他の導入装置など、どの様な既知の種類のものであってもよい。弁24は、カテーテル16を取り外す際に導入装置22の端部を密閉するのに適したボール弁又はその他の何らかの弁で、アダプタ32に取り外し可能に接続することができる。アダプタは、Touhy-Borstアダプタなど、カテーテルの管の別々の部分を一体に接続するのに適した数多くのアダプタの何れでもよい。アダプタ32は、導入装置22によって正確且つ反復的にカテーテルを回転方向に位置決めできるようにすると同時に、一方で導入器を通してカテーテルを長手方向に動かせるようにするだけの十分な摩擦力がカテーテルの外側に対して維持されるように構成された、任意の数の調整可能な固定式シール装置を含んでいてもよい。更に、アダプタ32は、導入器から流体が漏れ出てカテーテルの近位端に向けて戻るのを防止できるだけのシール性をカテーテルの外側周りに維持している。弁24、導入装置22、及び導入針18は、全て、協働して、カテーテル又は他の管アッセンブリが入る寸法に作られた中央内径部を形成することができる大きさであるのが望ましい。
【0014】
図25に示す他の実施形態では、導入針18は、カテーテルを入れることのできる寸法に作られた中空の管で構成された、任意の種類の鈍端単ルーメンスリーブ290に置き換えられている。スリーブ290は、上記Verres針の実施形態に関して論じたような、同軸に配置された外側部分と後退可能な内側部分は有していない。スリーブ290は、湾曲部分を備えて事前に成形されたカテーテルの剛性よりも高い剛性を有しており、カテーテルは、スリーブの先端から所望の長さだけ突き出た後にしか曲がらない(即ち、カテーテルの事前に成形された湾曲がどのようなものであれ、その湾曲によってスリーブが曲がり又は湾曲することはない)のが望ましい。鈍端スリーブ290は、例えば、腔部への入り口が既に存在している場合に使用される。更に、カテーテルが長手方向の移動をスムーズに行える能力を維持し且つ体腔への挿入時にスリーブ内で曲がることのないように、スリーブ290の内径はカテーテルの外径より僅かに大きくなっている。
【0015】
カテーテル16は、遠位端に向かって先細になっている部分38と、カテーテルを軸方向に調整するためアクセス可能な近位部40とで構成されている。近位部40は、カテーテル気体ポート44とカテーテル液体ポート46に通じるように配置されたカテーテルハブ42に接続されている。カテーテル16の近位部40は、1つ又は複数のカテーテルマーキング48を含んでいる。或る実施形態では、カテーテルマーキングは、等間隔で配置されている。他の実施形態では、カテーテルマーキング48は、不均等な間隔で配置されていてもよい。カテーテルマーキングは、同一色又はそれぞれ異なる色の帯で構成されていてもよいし、カテーテル遠位端の挿入深さ又は向きを示す標識を含んでもよいし、又は1つ又は複数の異なる表面模様領域で構成されていてもよい。表面模様領域は、均一でもよいし、異なる形状又は構造(例えば、隆起又は窪んだ領域)で構成してもよい。標識の形態は、この他どの様なものでもよい。
【0016】
或る実施形態では、カテーテル16の事前に成形された先端14は、湾曲し又は角度が付いていて、近位部40を引いてカテーテル16を針18の中へ後退させると、事前に成形された先端14の角度方向が変わるようになっている。図3A−3Cは、アダプタ32に対してカテーテル16の近位部40を引き抜くことによって、カテーテル先端の角度を調整する方法を示している。図3Aは、カテーテルの事前に成形された先端14が一杯に後退した位置にあって、湾曲又は曲がりが完全に取り除かれ、エアロゾルは全てシステム10から実質的に長手方向に噴出する状態にあることを示している。この位置では、カテーテルの近位部40は最大に伸びた状態にあり、カテーテルマーキング48の個数がもっとも多く現れている。
【0017】
図3Bは、カテーテルが部分的に後退した位置にあって、カテーテルの近位部40はアダプタ32の中にもう少し挿入されており、遠位端の事前に設定された湾曲が部分的に現れ、エアロゾルは、図3Aの一杯に後退した位置と図3Cの一杯に挿入されたカテーテル位置との間の或る角度でシステムから噴出する状態にあることを示している。図3Cは、事前に成形された先端が元の静止状態に復帰し、エアロゾルをシステムの近位端に向けて後向きに方向決めして、導入針18の挿入位置を取り囲む組織もエアロゾルによって送出された物質で被覆されるようになる状態にあることを示している。様々な挿入レベルそれぞれにおいて、導入装置の回転調整ホイール28を使用してカテーテルの先端14を回転方向に位置決めすることによって、カテーテルノズル50を、カテーテル16の様々な挿入深度で、360度に亘る経路に沿うどの様な位置にでも調整することができる。カテーテル後退の途中の位置、従ってノズル50のそれぞれに異なる角度、を利用して、図3Aに示す一杯に後退した位置での全体が前向きの配置と、図3Cの一杯に挿入した形態に示すカテーテルノズルの完全な後向き又は近位方向向きの配置の間で、エアロゾルを導入器のポートに対して方向決めすることができる。制御可能な先端角度と調整可能な回転方向の位置を組み合わせて利用すれば、体腔に対して物質を球状に塗布することさえでき、又は制御されたやり方で体腔の一部に対して物質を塗布することもできる。
【0018】
カテーテル16は、単ルーメン又は複数ルーメンを備えて形成することができる。複数ルーメン装置では、1つ又は複数のルーメンを噴霧用気体専用とし、その他のルーメンを液体又は他の物質の搬送専用としてもよい。図1−3ではカテーテルを示しているが、テーパの有無を問わず単純な管アッセンブリに置き換えてもよい。カテーテル又は管アッセンブリは、どんなものでも、角度が付いているか湾曲しているかを問わず、事前に成形された先端を含んでおり、この先端は、導入針の端部を通して先端の全体又は一部を後退させることにより向きが調整可能になっているのが望ましい。図1−3の実施形態では、カテーテルの長手方向位置は、カテーテルハブ32を通してカテーテルの近位端を手で押すか引くかして独立して調節することができ、従って事前に成形された先端14の角度の調整は、導入装置22上の回転可能な調整リング28を第1本体部26に対して回転させることにより得られるカテーテルの回転調整位置とは切り離して行うことができる。
【0019】
カテーテルは、例えばナイロンのような、どの様な可撓性を備えた材料で形成してもよい。意図した形状を作り出すために、成形されたばねワイヤ又は他の種類の弾性補強シャフトをカテーテルのシャフトの全長に亘って及び/又は先端区域に挿入し又は埋め込んでもよい。代わりに、ポリマー又はカテーテル材料は、補強部材を必要とせずに弾性を有する形状又は湾曲を付与するように選択し製造してもよい。米国特許第5,964、223号には、システム10に使用するのに適した1つの適当なカテーテルの種類が記載されており、同特許を参考文献としてここに援用する。
【0020】
図1−3のシステムの代わりの実施形態を図4−7に示す。カテーテルの長手方向の運動と回転方向の運動をそれぞれ別々に行えるようにしているのではなく、図4−7の実施形態では、ねじ付きアダプタ66と協働するように作られたカテーテル64上のねじ装置62を組み込んだシステム60を示している。ねじ付きアダプタ66は、弁70を介して導入装置68に接続されている。図1−3の実施形態と同様に、導入針72は、カテーテル64の事前に成形された先端74に、腹壁20又は他の体腔境界を通って体腔12内へ到る入り口を提供する。カテーテルは、カテーテル液体ポート76とカテーテル気体ポート78がハブ80で合流する噴霧カテーテルでもよい。
【0021】
図1−3の実施形態とは異なり、図4−7のシステム60では、ねじ装置のねじ82と導入器68に取り付けられたねじ付きアダプタ66の相補噛み合いねじとの協働により、カテーテル従ってカテーテルの事前に成形された先端74の長手方向運動と回転方向運動が組み合わせられて渦巻き又は螺旋パターンになる。使用者は、ノブ84を回すことによりねじ82を回転させて、カテーテルを体腔12内で長手方向及び回転方向に動かす。ねじ装置62のねじ82とノブ84はカテーテルシャフト64に固定的に取り付けられており、カテーテルが、ねじ装置62によって回転し長手方向に動くようになっているのが望ましい。ノブとねじを使ってカテーテルシャフトの近位端を回転させると、導入器外鞘内でカテーテルが前進又は後退し、ねじ内での螺旋運動に従って湾曲した先端の撓みが変化する。これにより、目で確認する必要無しに、カテーテルが螺旋運動を描いて体腔を出入りするにつれて、体腔内でエアロゾルの均一な球形パターンを作り出すことができるようになり、体腔内部の正確な被覆の反復可能性を改善することができる。他の実施形態では、ねじ装置62とねじ付きアダプタ66の機能的要素は、挿入装置68の一部として形成してもよいし、挿入装置68内に嵌め込んでもよい。導入装置とカテーテル調整手段の上記各実施形態は、金属要素、プラスチック要素、又は金属とプラスチック要素の組み合わせ、又はその他適した材料で製作することができる。
【0022】
図7は、カテーテル側の事前に成形された先端74のノズル86の液体及び気体オリフィスの、多くの構成例のうちの1つを示している。この実施形態では、中央の液体オリフィス88が複数の気体オリフィス90で取り囲まれている。気体オリフィスと液体オリフィスは、気体ポートと液体ポートからカテーテル内に導入された気体と液体が、気体オリフィスと液体オリフィスを通って出て行く際に相互作用し合ってエアロゾルとなるように整列している。他の実施形態では、個数及び配置の異なるオリフィスが使用されている。また、1つのオリフィスを備えた単ルーメンを使用してもよい。
【0023】
物質を体腔まで届けるためのカテーテル又は他の管を操作するためのシステム100の別の実施形態を、図8−9に示している。この実施形態では、カテーテルの先端110でノズル109を出たエアロゾルは、図1−3の実施例でのようにカテーテルのノズルの長手方向及び水平方向位置を別々に操作する必要無しに、また図4−7の実施例に示したような長手方向及び回転方向に移動可能なノブを使用すること無く、体腔内で螺旋パターンに向けられる。図8−9のシステム100では、カテーテル102の近位端近くに設けられた1つの長手方向に固定されたノブ118を使用者が回転させると、これに応じて、操作装置114のギヤ機構が、ノズルの長手方向及び水平方向の位置取りを同期させて、球状に広がったエアロゾル噴霧パターンを作り出す。
【0024】
システム100は、液体ポート106と気体ポート108を有する「Y字型」ポートアッセンブリ104を備えたカテーテル102を含んでいる。液体ポートと気体ポートは、カテーテルの事前に成形された先端110のノズル109まで伸びているルーメンに接続されている。カテーテルを体腔又はルーメン内に導入するために、導入針112又は他の外鞘が用意されている。導入針112の近位端は、操作装置114に接続されている。カテーテルシャフトの近位端は、入り口116を通って操作装置114に入り、操作装置114の遠位端を通って伸張し、そこで導入針112に繋がっている。操作装置114は、使用者が回転させることになるノブ118を含んでいる。ノブ118を回転させると、ボス120とギヤ122が回転する。ボス120が回転すると、ギヤラック128のスロット126と共に配置されているオフセットピン124が円運動する。オフセットピン124がスロット126内で動くと、ギヤラック130が長手方向に往復運動する。ギヤラック130の歯は、カテーテルシャフトに永久的に取り付けられているか又はこれと一体成形されている回転方向位置決めギヤ132と係合し、これを回転させる。このギヤが回転運動すると、カテーテルシャフトとノズルが、時計回りと反時計回りに交互に360度回転して、先端110を出て行くエアロゾルを渦巻き又は螺旋パターンに方向決めする。ギヤラック130に設けられている位置表示器タブ134は、カテーテル先端の回転方向の位置に対応している。このタブ134は、ハウジング135の透明部分を通して見ることができるか、又は、他の実施形態では、ハウジングのスロットを通って突き出ており、都合よく視認できるようになっている。便宜上且つ説明の都合上、ギヤ機構をはっきりと図示するためにハウジングの上側部分は取り除いている。完全に組み立てると、ノブ118を除いて、ギヤアッセンブリ全体は完全に密閉された状態になる。代わりに、上記のように、位置表示器タブ134とタブ146は、ハウジングの透明部分を通して見えるようにしてもよいし、ハウジングの開口部から突き出していてもよい。
【0025】
ノブ118を回転させると、入力ノブシャフト136に取り付けられているピニオンギヤ122も回転する。ピニオンギヤ122は、シャフト140又はウォームギヤ142アッセンブリに取り付けられているか又はこれと一体成形されているスペアギヤ138と係合しており、これを回転させる。ウォームギヤ142が回転すると、ウォームフォロワ144と表示器146が長手方向に移動する。表示器146は、位置表示器134と同じように、ハウジングの透明部分を通して目で確認できるものでもよいし、ハウジングのスロットから突き出して都合よく見えるようになっていてもよい。滑動シール付の出力接続部148は、出力接続部スリーブを通って同軸に伸張するカテーテル位置決め装置150を感知する。
【0026】
カテーテルと導入器針又は他の導入装置の間には、固定式又はばね仕掛けの後退可能な外鞘が同軸に設けられている。この外鞘は、導入装置に対して回転方向及び/又は軸方向に移動可能である。図4−6に示す螺旋ねじ装置は、この外鞘と導入装置の間に組み込まれている。これにより、外鞘の端に対する先端の撓みの程度を一定に維持しながら、体腔内でカテーテルを前進又は後退させることができるようになる。これにより、先端の撓みをどの程度にでも実現できる能力が得られるようになると同時に、カテーテルの先端を入口からの距離が異なる様々な位置に配置できるようになる。これにより、エアロゾルの噴霧煙を体腔内の何れの面、例えば限定するわけではないが、腔部の入口側などに向けることもできる柔軟性が得られると同時に、エアロゾルノズルの当該面からの距離を変化させることもできるようになる。これは、ノズル近くでは、エアロゾルの力が大きくなり、集中性が増し、幅の狭いパターンで放出されるので、有用である。エアロゾルがノズルから遠ざかるにつれて、パターンは拡散し、力は穏やかになる。この調整方法は、或る特定の領域に強力なエアロゾルを選択的に適用しようとする場合、例えば、カスを洗い流す場合や器具入口側を重点的に被覆しようとする場合に有益である。代わりに、この調整方法で図4−6の要素と図8−9の要素を組み合わせて調整なしに使用して、傷つきやすい組織を狙う場合に、より穏やかで更に拡散させたエアロゾルを塗布することができる。
【0027】
図10−11に示す更に別の実施形態では、位置決めストリング又はワイヤ172を使用したシステム170は、カテーテル176の先端174のノズルの方向を調整する能力を更に高めている。可動テンションワイヤ又は部材172は、カテーテル又は器具シャフト内に収納されていて、近位端から入り遠位端に向かって或る位置で出るようになっていてもよいし、カテーテル又は器具シャフトの外に配置されていて、カテーテルシャフトと平行に導入装置を通って伸張していてもよい。カテーテルシャフト又はカテーテル先端は、やはり湾曲形状又は真っ直ぐな形状に事前に成形されていて、直線状の又は弾性を有するワイヤ又は部材172を内部で前進又は後退させることにより撓ませられる。このように、本実施形態では、導入針178又は他の型式の外鞘をてことして活用するためにカテーテル全体の長手方向の位置を調整する必要無しに、カテーテルの先端を撓ませることができる。図10に示すように、可動テンションワイヤ又は部材172は、カテーテルの遠位端でノズルに隣接して取り付けられている。導入装置180、弁182、及びカテーテルアダプタ184は、図1−3の実施形態で説明したものと同じである。
【0028】
上記実施形態は、全て、様々な型式のカテーテルスプレイノズルと共に使用することができ、それらカテーテルスプレイノズルとしては、限定するわけではないが、非空圧式スプレイノズル、及び米国特許第5,642,730号、同第6,079,413号、及び同第5,964,223号に開示されているような他の空圧式又は加圧式推進補助設計が挙げられ、前記各特許の記載内容全体を参考文献としてここに援用する。非円錐形の噴霧パターンを作り出すことのできるノズル設計、並びに上に述べた操作特性は、制御され成形された噴霧付着パターンを生成し容易に実現できるようにするために各種スプレイノズルと相助的に組み合わせることができ、これにより様々な医用表示、処置、又は解剖学的使用法に対して噴霧付着パターンを最適化することができる。
【0029】
代わりのノズル装置の一例を図12−13に示す。本例では、カテーテルシャフトの先端188の端部に設けられたカテーテルノズル186は、カテーテルシャフトに対して垂直な2つの半径方向噴霧缶を生成する。この特定の新規な半径方向缶パターンは、中央の気体オリフィス190を横断するように気体デフレクター194を配置し、気体オリフィス190と気体デフレクター194の互いに反対側に1つ又は複数の液体オリフィス192を配置することにより実現される。
【0030】
図14−19では、図1、4、8のシステムに使用することを想定した、代わりのカテーテル構造を幾つか示している。図14に示すように、カテーテル196は、内側管198及び外側管200と同軸に配置されており、液体は内側管の内部を運ばれ、気体は内側管と外側管の間を運ばれる。この変形例を図15に示しているが、この場合、カテーテル202は、1つの外側管206の内側に略平行に整列した2つの別々の管204を有している。同軸様式から外れて、図16では、互いに結合又は固定された2つ又はそれ以上の管210、212を備えたカテーテル208を示している。
【0031】
図14−16の個別管設計とは異なり、図17−19は、複数ルーメン押出成形で作られた代わりのカテーテルを示している。図17に示すように、非円形ルーメン216と円形ルーメン218を備えたカテーテル214が使用されている。図18は、複数の非円形気体ルーメン222と1つの円形液体ルーメン224を備えたカテーテル220の或るバージョンを示している。図18の変形例が図19のカテーテル226で、このカテーテルでは、複数の非円形気体ルーメン228が円形(又は非円形)の液体ルーメン230に隣接して配置されている。図19の配置では、液体ルーメンを通して2成分溶液を送り出すことができるので、各液体ルーメンを通して別々の成分が送出されることになる。
【0032】
複数液体ルーメン又は管によるカテーテル構成は、同時又は連続送出計画に使用することができる。例えば、或る使用例では、複数の液体ルーメンを備えたカテーテルを使用して、第1の物質を体内の或る領域に送出し、次いでそのカテーテルを操作して、別のカテーテルを使用する必要無しに、次には異なる物質を体内の第2の領域に送出することができる。代わりに、複数液体ルーメンカテーテルは、体内の同一領域に複数の物質を連続的に送出する場合にも使用できる。一例として、医師が治療前に患部域を洗浄したいと考えているとする。この場合、食塩水溶液のような洗浄用物質が第1ルーメンを通して送出され目標領域を洗浄し、所望の治療を行うために第2の物質が第2液体ルーメンを通して送出される。先に述べたように、複数ルーメンを使って、複数の物質、例えば2成分溶液を同時に送出することができるので、混合物を、所望の回数、所望の量だけエアロゾル化して送出することができる。代わりに、ルーメンの1つを使用して、カテーテルの近位端に負圧をかけることにより、物質を体腔から取り除くこともできる。
【0033】
事前に成形されたカテーテルは、真っ直ぐでも、可撓接合されていても、或いは湾曲していてもよい。直線形状292を備えた事前に成形されたカテーテルのバージョンを図26に示す。代わりの湾曲バージョンの構成を図20に示す。図20に示すように、カテーテル232の遠位端は、螺旋状の端部234を備えている。螺旋は1巻きでも、複数巻きでもよい。螺旋状端部付カテーテルの用途は、カテーテルの端部を体腔又は体管腔に挿入するという行為により、カテーテル先端が出現する際に物質が円形状/螺旋状に散布されることになるというものである。上記各種カテーテルの実施形態については、多くの異なる寸法が考えられるが、或る実施形態では、外径は0.5mmから200mmの範囲にある。図1に示したカテーテル実施形態での1つの好適な直径は、約1mmである。特定のカテーテルと共に使用される導入器は、その特定のカテーテルに合わせた適切な大きさに作られる。カテーテルシャフトは、重合体材料のような可撓性を有する弾性材料、又は弾性補強部材を伴う可撓性を有する材料で構成することができる。カテーテルの液体ルーメンには、製造工程の間に事前充填してもよいし、リザーバから供給してもよい。
【0034】
カテーテルのノズルは先細であってもなくともよい。症例によっては、ノズル構成、気体及び/又は液体供給圧及び流量を選択して、局部的な衝撃押し付けを最大化する粒子寸法及び慣性が形成されるようにするのが望ましい場合もある。また、局部的な押し付けを最小化し、その代わりに「雲霧」効果を発生させるのが望ましい症例もある。
【0035】
図21−23に示す他の実施形態では、カテーテルに位置制限機構が組み込まれている。カテーテル位置決め機構の例は、米国特許第6,729,334号にもあり、同特許の内容全体を参考文献としてここに援用する。図21の実施形態は、体管腔238内に伸張している噴霧カテーテル236を示している。噴霧カテーテル236は、上記カテーテル実施形態の何れに類似していてもよい。噴霧カテーテル236の遠位部の周囲には、ばね位置制限装置240が設けられている。ばね位置制限装置240は、噴霧カテーテル236のシャフトに固定された保持リング242と、リング242に接続された複数のアーム244とを含んでいる。或る実施形態では、アーム244は3本である。これらアームには可撓性と弾性がある。アームはばね焼き戻し金属又は適したプラスチックで作られている。各アーム244のリング242接続部とは反対側の端には、ボール246が設けられている。ばね位置制限装置240は、カテーテルの端部が組織に接触するのを防止するのに役立っている。噴霧カテーテル236を取り出す必要がある場合、カテーテルを近位方向に引き出戻して導入装置に収める。或る実施形態では、アームは薄い弾性ワイヤ又は重合体で形成され、直径が約0.015インチよりも細いことが望ましい。アーム及び/又はボールは、放射線不透過性材料で作られるか又は被覆されている。
【0036】
図22は、噴霧カテーテルの代わりの実施形態を示している。噴霧カテーテル248は、位置制限装置250を含んでいる。制限装置250は、カテーテルシャフトの軸から外向きに弾性的に張り出して、噴霧カテーテルの遠位端の所望の位置次第で腔部又は体管腔壁に係合するように形成された複数のアーム252を含んでいる。各アーム252の端部は、ボール254となっている。アーム252の近位端は、カテーテル248のシャフトのルーメン258を通って伸張するワイヤ256で形成されている。各ルーメン258には遠位開口部260があり、そこからアームが伸びている。遠位開口部は、カテーテルシャフトの遠位端から約0.10〜1cmの位置に設けられている。ワイヤ256の近位端は、カテーテルの近位端近くの、普通は使用中には患者の体外に出ている部分に設けられている開口部262を介して、噴霧カテーテルのルーメン258から外に出ている。この様に、ワイヤ256の近位端は、使用中に医師がアクセスできるようになっている。ワイヤ256の近位端を引くか又は押すことにより、開口部260から伸張しているアーム252の部分を調整することができる。こうして、アーム252は、ワイヤ256の近位端を引くか又は押すことにより、一杯に後退した位置から一杯に前進した位置まで調整することができる。また、ワイヤ256の近位端は、一杯に後退した位置から一杯に前進した位置までの間の中間位置何処にでも調整することができるので、医師は、位置制限装置の寸法を調整して、カテーテルを、必要に応じて、適切な最短距離何処にでも維持することができる。ワイヤ256は、位置決め時に収納されているルーメンから前進して出て行く際には、所望の形状にならなければならないので、製造時に所望の拡張形状を付与することができるように、形状記憶特性を有する材料で形成されることが好ましい。或る実施形態では、ワイヤはニチノールで形成されている。
【0037】
或る好適な実施形態では、第2位置制限装置264も設けられている。第2位置制限装置264は、噴霧カテーテル248のシャフトの、第1制限装置250よりも近位側の位置に設けられている。第2位置制限装置264は、シャフトとから半径方向外向きに張り出したプラスチック又は金属のような材料で形成された弾性ウイングで形成されている。第2(又は近位側)位置制限装置264は、カテーテルの遠位部248を、体腔又は体管腔を取り囲む組織に接触しないように保つのに役立っている。
【0038】
図23は、位置制限装置の更に別の実施形態を示している。噴霧カテーテル266が示されている。噴霧カテーテル266は、位置制限装置268を含んでいる。センタリング装置268は、カテーテルの遠位端に設けられたワイヤループ270を含んでいる。ループ270の一端272は、噴霧カテーテルシャフトの遠位端に接続されている。ワイヤループ270の他端274は、カテーテル266の近位端まで伸張するルーメン278と連通しているシャフトの開口部276に入っている。ワイヤの近位端280は、噴霧カテーテルの、普通は使用中には患者の体外に出ている近位部の開口部282を介してルーメン266から外に出ている。ワイヤループ270の大きさは、ワイヤの近位端280を前進させるか又は引き戻すことにより調整することができる。
【0039】
上記各実施形態で使用するものとして、様々な種類の物質の供給源が考えられる。複数ルーメンの実施形態では、乾燥した又は液体状の物質を供給するために、どの様な既知のポンプシステムをカテーテルの近位端に接続してもよい。乾燥した物質の投与量分を供給するための装置の一例が、米国特許第6,719,960号に記載してあり、その内容全体を参考文献としてここに援用する。図24に示すように、単ルーメン実施形態では、溶液又は物質の入った加圧キャニスタ284が、カテーテル286の近位端に取り付けられており、送出するエアロゾル化物質を、補助装置には頼らずに又は補助装置を使って、生成できるようになっている。キャニスタの他の装置を使用してもよく、この装置には、限定するわけではないが、計量投与吸入器に組み込まれたもの、又は計量弁を内蔵したものが含まれる。この種のキャニスタカテーテル装置の一例が、米国特許第6,079,413号に記載されており、その内容全体を参考文献としてここに援用する。
【0040】
上記各種の実施形態では、カテーテルシャフトの近位部の段階的マーキング又は他の標識から、配置を判定する。先に論じたように、カテーテルの挿入深さを示す段階的マーキングを含んでいてもよい。また、カテーテルシャフトには、カテーテル先端の回転方向の位置を表示するためのマークを設けてもよい。このようなマーキングは、カテーテルシャフトの近位部に沿って長手方向に向けて配置されたマークの形態であってもよい。これらマークは、上記の長手方向挿入深さマークの場合と同様、色は同色又は異色のもの、間隔は均一又は非均一のもの、各種の表面模様又は幾何学形状を備えたもの、又はその他多くの視覚的、触覚的、電子的、又は他の形式のものなど、どの様なものでもよい。追加的に又は独立して、カテーテルの遠位部は体腔内に配置するように意図されており、超音波、X線、又は他の形式の画像化装置で見ることができるように設計された材料又はマーキングを組み込んでもよい。これには、放射線不透過性の重合体配合物、インク、金属マーカー、又は超音波エネルギーを反射するように設計された表面模様の使用などが含まれる。実施形態の中には、カテーテルに組み込まれるか又はカテーテルと平行に走る光ファイバーケーブルを使って、体腔の外側から、特定の目標部位が治療を受けている様子を目で確認するものもある。
【0041】
上記各実施形態では、主として薬剤を含むエアロゾル化した物質について説明してきたが、本発明のシステムは、器具又はカテーテル先端を操作して、光又は他の電磁治療要素を送出するのに、又は治療用の気体、粉末、泡、ゲル又はその他の形態の物質の方向を決められた流れを送出するのに使用することもできる。また、上に述べた例では、腹壁を貫通させて体腔内に挿入することを論じているが、本システムは、生まれつきの又は人工的に作られた解剖学的構造上の腔部、管腔、又は中空器官の何れに対しても物質を塗布するために使用することができる。
【0042】
エアロゾル発生ノズルの遠隔的方向決め及び位置決め制御に属する本発明の要素は、指向性ノズル、オリフィス、ルーメン、レンズ、アパーチャ、又は出力の遠隔的方向決め制御が求められる指向性発生源を通して、気体、プラズマ、泡、ゲル、粉末、又は液体などの焦点を絞った流れ、又はエネルギービームを送出する、他のプローブ又はカテーテル型の外科処置装置にも適用することができる。物質エネルギーの流れ又は円錐体の方向位置制御に属する本発明の要素は、エアロゾル送出と、限定するわけではないが、切断、切除、焼灼、生検、凍結、縫合、又は切開縫合を含む他の外科処置性能と、を組み合わせた多機能外科処置器具として利用することが考えられる。導入器針以外にも、他の装置を使用して、カテーテル又は他の管、例えば内視鏡、外科処置ポートなど、を体腔へと案内することが考えられる。これら他の形式のプローブ又はカテーテル型の装置は、限定するわけではないが、振動法、超音波法、空圧法、及び電気油圧法を含む他のエアロゾル発生方法を利用してもよい。
【0043】
以上、器官又は体腔内に薬物を含む雰囲気を作り出すための方法と装置を開示した。本方法を使えば、例えばエアロゾル雲霧の生成を介して、物質を制御された方法で塗布することができ、薬剤を含んだ物質を全内壁面又は選択された数の内壁面部分に付着させることができる。本システムは、使用中に操作することのできる管又はエアロゾル化カテーテルと、この管又はエアロゾル化カテーテルの導入及び操作、回転及び/又は長手方向位置決めのための導入装置とを備えている。本方法は、管とカテーテルを体腔内に挿入する段階と、管又はカテーテルに提供される物質が体腔に制御可能に塗布されるように管又はカテーテルの出口端の角度又は向きを調整する段階と、を含んでいる。
【0044】
以上の詳細な説明は、分かり易くするためのものであって本発明に限定を加えるものではなく、従って、本発明の範囲を定義するのは、全ての等価物を含め、特許請求の範囲に述べる内容である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の或る実施形態による、体腔に挿入されたカテーテルを操作するためのシステムの側面図である。
【図2】図1のシステムの分解図である。
【図3】図3Aは、カテーテルの先端が導入装置内に一杯に後退した位置まで後退した状態の図1のシステムの側面図である。 図3Bは、カテーテルの先端が部分的に後退した位置まで後退した状態の図1のシステムの側面図である。 図3Cは、カテーテルの先端が一杯に挿入された位置に置かれた状態の図1のシステムの側面図である。
【図4】図1のシステムの代わりの実施形態の側面図である。
【図5】図1のシステムの代わりの実施形態の分解図である。
【図6】図4の1−1線に沿う部分断面図である。
【図7】図4−5のシステムのカテーテルの先端の端面図である。
【図8】図1のシステムの第2の代わりの実施形態の斜視断面図である。
【図9】図8の実施形態の代わりの斜視図である。
【図10】図1のシステムの第3の代わりの実施形態の側面図である。
【図11】図10の実施形態の分解図である。
【図12】図1、4、8の実施形態に使用するのに適したカテーテルの遠位端の或る実施形態である。
【図13】図12のカテーテルのノズルの拡大断面図である。
【図14】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第1の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図15】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第2の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図16】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第3の代わりのカテーテル構造の斜視断面図である。
【図17】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第4の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図18】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第5の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図19】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第6の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図20】渦巻状又は螺旋状に事前成形された端部を示す、カテーテルの断面図である。
【図21】カテーテルにカテーテル位置制限装置を取り付けた或る実施形態の断面図である。
【図22】図21のカテーテル位置制限装置の代わりの実施形態の断面図である。
【図23】図21のカテーテル位置制限装置の第2の代わりの実施形態の断面図である。
【図24】カテーテルに接続され、物質又は溶液が加圧された状態で中に入っている加圧されたキャニスタを示している。
【図25】図1−3の導入器及びカテーテル調整機構と共に使用するための、後退可能要素を設けない鈍端単ルーメンを備えたスリーブを示している。
【図26】事前成形された真っ直ぐな遠位部を有する代わりのカテーテルを示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質を体腔に送出するために使用されるカテーテル又は管を操作するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年10月31日出願の米国仮特許出願第60/516,258号の利益を主張し、同特許出願を参考文献としてここに援用する。
【0003】
最近の医学研究では、開放性の又は侵襲性を最小限にした外科処置を受けている患者の手術野内の解剖学的構造面に対して、治療用のエアロゾル類、又は液体流又は気体流を送出することが有益であると提言されている。侵襲性を最小限にした外科処置(MIS)の場合、手術野は天然の又は人工的に作成された体腔又はルーメンである。開放された解剖学的構造面に対しても、治療用のエアロゾル類の送出は、同じく望ましい。エアロゾル調合物の送出は、外科処置の前に、外科処置の後に、又は外科処置を伴わない場合にも行われる場合がある。
【0004】
「開放的」手技及び侵襲性を最小限にした外科処置手技(例えば、腹腔鏡手術手技)の何れを用いる場合にも、診断又は外科処置中に医師が遭遇する問題の中に、数々の術後合併症の問題がある。これら合併症には、限定するわけではないが、術後の痛み、感染症、組織の癒着、腫瘍形成などが含まれる。外科的又は侵襲的体験と患者側の成果を改善するために、上記の問題を解決することを目指した、医薬品及びそれらに関わる送出システムのような、数多くの製品が市場に出回っている。それらの製品の中に、滅菌水又は食塩水で組織部位を洗い流して血液を除去するために使用される吸引洗浄ワンドがある。医薬品としては、露出した器官全体に撒布するもの、癒着を防ぐために組織と器官の間にバリアを被覆又は形成するものがある。それらの物質は、ゲル形態、シート形態、噴霧(液体)形態、又はエアロゾル形態として、手術部位の器官又は組織を被覆し又は器官に対して薄い膜を付着させる。それら物質の中には、開放的外科処置手技及び侵襲性を最小限にした外科処置手技の双方に利用できるものもある。
【0005】
物質を体腔内の解剖学的構造面に送出することに伴う問題は、手術野全体又はその一部への送出を容易且つ効果的に制御できないことである。液体を噴霧する場合に伴う困難として、洗浄吸引ワンドで使用される流体が貯留すること及び封じ込めができていないことが挙げられる。広い範囲(数平方センチメートルより広い)を対象とすること、並びに必要以上の薬剤を用いずに処置を行うことも困難である。これは、余計な医療費がかかる原因となり、外科処置の費用と時間が追加されることになる。
【0006】
状況によっては、腔内の或る一定の領域、具体的には外科処置器具を挿入するために患者の腹部に作られた入口を取り囲む組織に、エアロゾルを向けることが望ましい場合もある。現在使用されている多くの装置では、ノズルは、器具のシャフトに対する向きが固定されている。その結果、介護者は、エアロゾルを方向決めする場合にシャフトを操作せねばならない。これは、エアロゾルをシャフトの挿入位置に対して後向きに向ける必要がある場合には、シャフトの端部が患者の身体の外に在り、入口の内部に向けてエアロゾルを方向決めするにはシャフトの端部を腔内に配置する必要が生じることになるので、問題がある。また、開放的外科処置の際には、手術開口部から遠ざかる方向に向いているか、又は解剖学的構造又は器具類によって塞がれている目標部位に向けて噴霧を方向決めする必要がある状況では、やはり問題がある。装置の中には放射状のエアロゾルパターンを発生させることのできるものもあるが、外科処置対象の腔内への装置挿入位置に対して全く後向きにエアロゾルを方向決めすることのできる装置は皆無である。
【0007】
使用者がエアロゾルの照準を合わせることができるようにした可撓性の先端を有する装置もあるが、それらはヒンジ式先端を曲げるために機構的リンクを必要とする設計に依存している。それらは機構上の複雑性が関わってくるために製造が高価になりやすい。
【0008】
現在使用されている送出装置によって作られる噴霧粒子は、かなり大きく、ノズルから出て行く速度の速いものが多い。その結果、噴霧粒子は、比較的大きな質量とエアロゾル発生ノズルから出る際の速度により、慣性が大きくなる。そのような粒子は、直線的に移動し、粒子の前にある面に直ぐに衝突して、慣性的付着パターンを作り出す。また、空気力学的要因により、これら大きい粒子は小さい粒子よりも急速に落下する。これは重力依存性の付着パターンを作り出し、腔部の下側面が優先的に被覆されることになる。このような事態は、手術腔部の上部、底部、側部にエアロゾルを均質的且つ一様に付着させる必要のある場合には問題である。最後に、大きくて動きの速い粒子は、ノズルを傷つき易い組織に近づけ過ぎて配置した場合には、外傷を発生させてしまうこともある。
【0009】
体腔又はルーメン内での侵襲を最小限にした外科処置の際には、エアロゾル発生ノズルの位置と方向を目視で判定することが不可能又は不都合なことになる。その結果、エアロゾルが腔部のどの部分に向いているのかを判定することが難しくなる。また、腔部全面に均一的な付着が形成されるようなパターンにエアロゾルノズルを系統的に操作することも困難である。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/516,258号
【特許文献2】米国特許第5,964、223号
【特許文献3】米国特許第5,642,730号
【特許文献4】米国特許第6,079,413号
【特許文献5】米国特許第6,729,334号
【特許文献6】米国特許第6,719,960号
【特許文献7】米国特許第6,079,413号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来技術の欠陥に対処するため、組織及び/又は器官を治療し又は被覆することを目的とし且つ侵襲性を最小限にした外科処置に使用することを目的として、制御されたやり方で体腔に物質を塗布するシステムと方法を説明している。本明細書で使用する「物質」という用語には、限定するわけではないが、液体、粉末、気体、レーザー光又は紫外線(UV)光のような光、又はそれらの組み合わせが含まれる。本明細書で使用する「体腔」という用語には、限定するわけではないが、身体内へ気体を導入することにより作り出された体腔、並びに身体内又は身体内の器官に生まれながらに発現している腔部が含まれる。本発明の第1の態様によれば、患者の体腔に物質を送出するためのカテーテルを操作するためのシステムが開示されているが、少なくとも1つのルーメンを有するカテーテルを備えており、このカテーテルの近位端は体腔へ送出したい物質を受け入れることができるように構成されている。このカテーテルの遠位端は、事前に成形された向きに付勢された可撓性を有する先端を含んでいる。カテーテルを案内するための導入装置は、カテーテルを入れることのできる大きさに作られた内径を画定している本体と、カテーテルに対して取り外し可能に接続することのできるカテーテル調整機構とを含んでいる。カテーテル調整機構は、導入装置の本体に対して移動可能であり、導入装置の本体に対するカテーテルの回転方向及び軸方向の移動のうち少なくとも一方を制御するために手動で調整することができるようになっている。
【0011】
本発明の別の態様によれば、体腔へ物質を送出するためのカテーテルを操作するための方法が開示されている。この方法は、体腔の境界を通して体腔内に導入装置を挿入する段階と、導入装置に通してカテーテルを体腔内に導入する段階を含んでおり、カテーテルは、所定の形状に付勢された可撓性を有する先端にノズルを配した遠位部を備えている。カテーテルを導入装置に対して軸方向に移動させて、可撓性を有する先端の事前に定められた形状を変え、ノズルの角度を元の角度から変えることができるようになっている。カテーテルのシャフトに作動的に接続されている導入装置の第2部分を回転させることによってカテーテルのシャフトを導入装置の第1部分に対して回転させ、体腔内でのノズルの回転方向の位置を変える。更に、このカテーテルを通して物質が体腔に提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1、2に示すように、体腔12に物質を送出するためのシステム10の或る実施形態は、腹壁20を穿刺している導入針18を介して体腔に配置されたカテーテル16の成形された遠位端14を備えている。導入装置22は、一方の端部に導入針18、それと反対側の端部に弁24が取り外し可能に接続されている。導入装置22は、回転調整リング28が回転可能に接続された第1本体部26を備えている。回転調整リング28は、多くの既知の摩擦嵌め、支承式、又はその他の調整可能な回転連結装置の何れかに依って、第1本体部26に回転可能に接続されている。或る実施形態では、流体の漏れを防止するために、第1本体部26と回転調整リング28の間にはOリング30が配置されている。回転調整リング28は、回転調整リング28と弁24とが相対回転しないように、弁24に取り外し可能に取り付けられている。弁24は、カテーテル16のシャフトの一部に沿って連結されたアダプタ32と取り外し可能に接続されるようになっている。
【0013】
導入針18は、挿入シャフト36内に後退するばね仕掛けの後退可能部34を有するVerres針のような針、又はその他の導入装置など、どの様な既知の種類のものであってもよい。弁24は、カテーテル16を取り外す際に導入装置22の端部を密閉するのに適したボール弁又はその他の何らかの弁で、アダプタ32に取り外し可能に接続することができる。アダプタは、Touhy-Borstアダプタなど、カテーテルの管の別々の部分を一体に接続するのに適した数多くのアダプタの何れでもよい。アダプタ32は、導入装置22によって正確且つ反復的にカテーテルを回転方向に位置決めできるようにすると同時に、一方で導入器を通してカテーテルを長手方向に動かせるようにするだけの十分な摩擦力がカテーテルの外側に対して維持されるように構成された、任意の数の調整可能な固定式シール装置を含んでいてもよい。更に、アダプタ32は、導入器から流体が漏れ出てカテーテルの近位端に向けて戻るのを防止できるだけのシール性をカテーテルの外側周りに維持している。弁24、導入装置22、及び導入針18は、全て、協働して、カテーテル又は他の管アッセンブリが入る寸法に作られた中央内径部を形成することができる大きさであるのが望ましい。
【0014】
図25に示す他の実施形態では、導入針18は、カテーテルを入れることのできる寸法に作られた中空の管で構成された、任意の種類の鈍端単ルーメンスリーブ290に置き換えられている。スリーブ290は、上記Verres針の実施形態に関して論じたような、同軸に配置された外側部分と後退可能な内側部分は有していない。スリーブ290は、湾曲部分を備えて事前に成形されたカテーテルの剛性よりも高い剛性を有しており、カテーテルは、スリーブの先端から所望の長さだけ突き出た後にしか曲がらない(即ち、カテーテルの事前に成形された湾曲がどのようなものであれ、その湾曲によってスリーブが曲がり又は湾曲することはない)のが望ましい。鈍端スリーブ290は、例えば、腔部への入り口が既に存在している場合に使用される。更に、カテーテルが長手方向の移動をスムーズに行える能力を維持し且つ体腔への挿入時にスリーブ内で曲がることのないように、スリーブ290の内径はカテーテルの外径より僅かに大きくなっている。
【0015】
カテーテル16は、遠位端に向かって先細になっている部分38と、カテーテルを軸方向に調整するためアクセス可能な近位部40とで構成されている。近位部40は、カテーテル気体ポート44とカテーテル液体ポート46に通じるように配置されたカテーテルハブ42に接続されている。カテーテル16の近位部40は、1つ又は複数のカテーテルマーキング48を含んでいる。或る実施形態では、カテーテルマーキングは、等間隔で配置されている。他の実施形態では、カテーテルマーキング48は、不均等な間隔で配置されていてもよい。カテーテルマーキングは、同一色又はそれぞれ異なる色の帯で構成されていてもよいし、カテーテル遠位端の挿入深さ又は向きを示す標識を含んでもよいし、又は1つ又は複数の異なる表面模様領域で構成されていてもよい。表面模様領域は、均一でもよいし、異なる形状又は構造(例えば、隆起又は窪んだ領域)で構成してもよい。標識の形態は、この他どの様なものでもよい。
【0016】
或る実施形態では、カテーテル16の事前に成形された先端14は、湾曲し又は角度が付いていて、近位部40を引いてカテーテル16を針18の中へ後退させると、事前に成形された先端14の角度方向が変わるようになっている。図3A−3Cは、アダプタ32に対してカテーテル16の近位部40を引き抜くことによって、カテーテル先端の角度を調整する方法を示している。図3Aは、カテーテルの事前に成形された先端14が一杯に後退した位置にあって、湾曲又は曲がりが完全に取り除かれ、エアロゾルは全てシステム10から実質的に長手方向に噴出する状態にあることを示している。この位置では、カテーテルの近位部40は最大に伸びた状態にあり、カテーテルマーキング48の個数がもっとも多く現れている。
【0017】
図3Bは、カテーテルが部分的に後退した位置にあって、カテーテルの近位部40はアダプタ32の中にもう少し挿入されており、遠位端の事前に設定された湾曲が部分的に現れ、エアロゾルは、図3Aの一杯に後退した位置と図3Cの一杯に挿入されたカテーテル位置との間の或る角度でシステムから噴出する状態にあることを示している。図3Cは、事前に成形された先端が元の静止状態に復帰し、エアロゾルをシステムの近位端に向けて後向きに方向決めして、導入針18の挿入位置を取り囲む組織もエアロゾルによって送出された物質で被覆されるようになる状態にあることを示している。様々な挿入レベルそれぞれにおいて、導入装置の回転調整ホイール28を使用してカテーテルの先端14を回転方向に位置決めすることによって、カテーテルノズル50を、カテーテル16の様々な挿入深度で、360度に亘る経路に沿うどの様な位置にでも調整することができる。カテーテル後退の途中の位置、従ってノズル50のそれぞれに異なる角度、を利用して、図3Aに示す一杯に後退した位置での全体が前向きの配置と、図3Cの一杯に挿入した形態に示すカテーテルノズルの完全な後向き又は近位方向向きの配置の間で、エアロゾルを導入器のポートに対して方向決めすることができる。制御可能な先端角度と調整可能な回転方向の位置を組み合わせて利用すれば、体腔に対して物質を球状に塗布することさえでき、又は制御されたやり方で体腔の一部に対して物質を塗布することもできる。
【0018】
カテーテル16は、単ルーメン又は複数ルーメンを備えて形成することができる。複数ルーメン装置では、1つ又は複数のルーメンを噴霧用気体専用とし、その他のルーメンを液体又は他の物質の搬送専用としてもよい。図1−3ではカテーテルを示しているが、テーパの有無を問わず単純な管アッセンブリに置き換えてもよい。カテーテル又は管アッセンブリは、どんなものでも、角度が付いているか湾曲しているかを問わず、事前に成形された先端を含んでおり、この先端は、導入針の端部を通して先端の全体又は一部を後退させることにより向きが調整可能になっているのが望ましい。図1−3の実施形態では、カテーテルの長手方向位置は、カテーテルハブ32を通してカテーテルの近位端を手で押すか引くかして独立して調節することができ、従って事前に成形された先端14の角度の調整は、導入装置22上の回転可能な調整リング28を第1本体部26に対して回転させることにより得られるカテーテルの回転調整位置とは切り離して行うことができる。
【0019】
カテーテルは、例えばナイロンのような、どの様な可撓性を備えた材料で形成してもよい。意図した形状を作り出すために、成形されたばねワイヤ又は他の種類の弾性補強シャフトをカテーテルのシャフトの全長に亘って及び/又は先端区域に挿入し又は埋め込んでもよい。代わりに、ポリマー又はカテーテル材料は、補強部材を必要とせずに弾性を有する形状又は湾曲を付与するように選択し製造してもよい。米国特許第5,964、223号には、システム10に使用するのに適した1つの適当なカテーテルの種類が記載されており、同特許を参考文献としてここに援用する。
【0020】
図1−3のシステムの代わりの実施形態を図4−7に示す。カテーテルの長手方向の運動と回転方向の運動をそれぞれ別々に行えるようにしているのではなく、図4−7の実施形態では、ねじ付きアダプタ66と協働するように作られたカテーテル64上のねじ装置62を組み込んだシステム60を示している。ねじ付きアダプタ66は、弁70を介して導入装置68に接続されている。図1−3の実施形態と同様に、導入針72は、カテーテル64の事前に成形された先端74に、腹壁20又は他の体腔境界を通って体腔12内へ到る入り口を提供する。カテーテルは、カテーテル液体ポート76とカテーテル気体ポート78がハブ80で合流する噴霧カテーテルでもよい。
【0021】
図1−3の実施形態とは異なり、図4−7のシステム60では、ねじ装置のねじ82と導入器68に取り付けられたねじ付きアダプタ66の相補噛み合いねじとの協働により、カテーテル従ってカテーテルの事前に成形された先端74の長手方向運動と回転方向運動が組み合わせられて渦巻き又は螺旋パターンになる。使用者は、ノブ84を回すことによりねじ82を回転させて、カテーテルを体腔12内で長手方向及び回転方向に動かす。ねじ装置62のねじ82とノブ84はカテーテルシャフト64に固定的に取り付けられており、カテーテルが、ねじ装置62によって回転し長手方向に動くようになっているのが望ましい。ノブとねじを使ってカテーテルシャフトの近位端を回転させると、導入器外鞘内でカテーテルが前進又は後退し、ねじ内での螺旋運動に従って湾曲した先端の撓みが変化する。これにより、目で確認する必要無しに、カテーテルが螺旋運動を描いて体腔を出入りするにつれて、体腔内でエアロゾルの均一な球形パターンを作り出すことができるようになり、体腔内部の正確な被覆の反復可能性を改善することができる。他の実施形態では、ねじ装置62とねじ付きアダプタ66の機能的要素は、挿入装置68の一部として形成してもよいし、挿入装置68内に嵌め込んでもよい。導入装置とカテーテル調整手段の上記各実施形態は、金属要素、プラスチック要素、又は金属とプラスチック要素の組み合わせ、又はその他適した材料で製作することができる。
【0022】
図7は、カテーテル側の事前に成形された先端74のノズル86の液体及び気体オリフィスの、多くの構成例のうちの1つを示している。この実施形態では、中央の液体オリフィス88が複数の気体オリフィス90で取り囲まれている。気体オリフィスと液体オリフィスは、気体ポートと液体ポートからカテーテル内に導入された気体と液体が、気体オリフィスと液体オリフィスを通って出て行く際に相互作用し合ってエアロゾルとなるように整列している。他の実施形態では、個数及び配置の異なるオリフィスが使用されている。また、1つのオリフィスを備えた単ルーメンを使用してもよい。
【0023】
物質を体腔まで届けるためのカテーテル又は他の管を操作するためのシステム100の別の実施形態を、図8−9に示している。この実施形態では、カテーテルの先端110でノズル109を出たエアロゾルは、図1−3の実施例でのようにカテーテルのノズルの長手方向及び水平方向位置を別々に操作する必要無しに、また図4−7の実施例に示したような長手方向及び回転方向に移動可能なノブを使用すること無く、体腔内で螺旋パターンに向けられる。図8−9のシステム100では、カテーテル102の近位端近くに設けられた1つの長手方向に固定されたノブ118を使用者が回転させると、これに応じて、操作装置114のギヤ機構が、ノズルの長手方向及び水平方向の位置取りを同期させて、球状に広がったエアロゾル噴霧パターンを作り出す。
【0024】
システム100は、液体ポート106と気体ポート108を有する「Y字型」ポートアッセンブリ104を備えたカテーテル102を含んでいる。液体ポートと気体ポートは、カテーテルの事前に成形された先端110のノズル109まで伸びているルーメンに接続されている。カテーテルを体腔又はルーメン内に導入するために、導入針112又は他の外鞘が用意されている。導入針112の近位端は、操作装置114に接続されている。カテーテルシャフトの近位端は、入り口116を通って操作装置114に入り、操作装置114の遠位端を通って伸張し、そこで導入針112に繋がっている。操作装置114は、使用者が回転させることになるノブ118を含んでいる。ノブ118を回転させると、ボス120とギヤ122が回転する。ボス120が回転すると、ギヤラック128のスロット126と共に配置されているオフセットピン124が円運動する。オフセットピン124がスロット126内で動くと、ギヤラック130が長手方向に往復運動する。ギヤラック130の歯は、カテーテルシャフトに永久的に取り付けられているか又はこれと一体成形されている回転方向位置決めギヤ132と係合し、これを回転させる。このギヤが回転運動すると、カテーテルシャフトとノズルが、時計回りと反時計回りに交互に360度回転して、先端110を出て行くエアロゾルを渦巻き又は螺旋パターンに方向決めする。ギヤラック130に設けられている位置表示器タブ134は、カテーテル先端の回転方向の位置に対応している。このタブ134は、ハウジング135の透明部分を通して見ることができるか、又は、他の実施形態では、ハウジングのスロットを通って突き出ており、都合よく視認できるようになっている。便宜上且つ説明の都合上、ギヤ機構をはっきりと図示するためにハウジングの上側部分は取り除いている。完全に組み立てると、ノブ118を除いて、ギヤアッセンブリ全体は完全に密閉された状態になる。代わりに、上記のように、位置表示器タブ134とタブ146は、ハウジングの透明部分を通して見えるようにしてもよいし、ハウジングの開口部から突き出していてもよい。
【0025】
ノブ118を回転させると、入力ノブシャフト136に取り付けられているピニオンギヤ122も回転する。ピニオンギヤ122は、シャフト140又はウォームギヤ142アッセンブリに取り付けられているか又はこれと一体成形されているスペアギヤ138と係合しており、これを回転させる。ウォームギヤ142が回転すると、ウォームフォロワ144と表示器146が長手方向に移動する。表示器146は、位置表示器134と同じように、ハウジングの透明部分を通して目で確認できるものでもよいし、ハウジングのスロットから突き出して都合よく見えるようになっていてもよい。滑動シール付の出力接続部148は、出力接続部スリーブを通って同軸に伸張するカテーテル位置決め装置150を感知する。
【0026】
カテーテルと導入器針又は他の導入装置の間には、固定式又はばね仕掛けの後退可能な外鞘が同軸に設けられている。この外鞘は、導入装置に対して回転方向及び/又は軸方向に移動可能である。図4−6に示す螺旋ねじ装置は、この外鞘と導入装置の間に組み込まれている。これにより、外鞘の端に対する先端の撓みの程度を一定に維持しながら、体腔内でカテーテルを前進又は後退させることができるようになる。これにより、先端の撓みをどの程度にでも実現できる能力が得られるようになると同時に、カテーテルの先端を入口からの距離が異なる様々な位置に配置できるようになる。これにより、エアロゾルの噴霧煙を体腔内の何れの面、例えば限定するわけではないが、腔部の入口側などに向けることもできる柔軟性が得られると同時に、エアロゾルノズルの当該面からの距離を変化させることもできるようになる。これは、ノズル近くでは、エアロゾルの力が大きくなり、集中性が増し、幅の狭いパターンで放出されるので、有用である。エアロゾルがノズルから遠ざかるにつれて、パターンは拡散し、力は穏やかになる。この調整方法は、或る特定の領域に強力なエアロゾルを選択的に適用しようとする場合、例えば、カスを洗い流す場合や器具入口側を重点的に被覆しようとする場合に有益である。代わりに、この調整方法で図4−6の要素と図8−9の要素を組み合わせて調整なしに使用して、傷つきやすい組織を狙う場合に、より穏やかで更に拡散させたエアロゾルを塗布することができる。
【0027】
図10−11に示す更に別の実施形態では、位置決めストリング又はワイヤ172を使用したシステム170は、カテーテル176の先端174のノズルの方向を調整する能力を更に高めている。可動テンションワイヤ又は部材172は、カテーテル又は器具シャフト内に収納されていて、近位端から入り遠位端に向かって或る位置で出るようになっていてもよいし、カテーテル又は器具シャフトの外に配置されていて、カテーテルシャフトと平行に導入装置を通って伸張していてもよい。カテーテルシャフト又はカテーテル先端は、やはり湾曲形状又は真っ直ぐな形状に事前に成形されていて、直線状の又は弾性を有するワイヤ又は部材172を内部で前進又は後退させることにより撓ませられる。このように、本実施形態では、導入針178又は他の型式の外鞘をてことして活用するためにカテーテル全体の長手方向の位置を調整する必要無しに、カテーテルの先端を撓ませることができる。図10に示すように、可動テンションワイヤ又は部材172は、カテーテルの遠位端でノズルに隣接して取り付けられている。導入装置180、弁182、及びカテーテルアダプタ184は、図1−3の実施形態で説明したものと同じである。
【0028】
上記実施形態は、全て、様々な型式のカテーテルスプレイノズルと共に使用することができ、それらカテーテルスプレイノズルとしては、限定するわけではないが、非空圧式スプレイノズル、及び米国特許第5,642,730号、同第6,079,413号、及び同第5,964,223号に開示されているような他の空圧式又は加圧式推進補助設計が挙げられ、前記各特許の記載内容全体を参考文献としてここに援用する。非円錐形の噴霧パターンを作り出すことのできるノズル設計、並びに上に述べた操作特性は、制御され成形された噴霧付着パターンを生成し容易に実現できるようにするために各種スプレイノズルと相助的に組み合わせることができ、これにより様々な医用表示、処置、又は解剖学的使用法に対して噴霧付着パターンを最適化することができる。
【0029】
代わりのノズル装置の一例を図12−13に示す。本例では、カテーテルシャフトの先端188の端部に設けられたカテーテルノズル186は、カテーテルシャフトに対して垂直な2つの半径方向噴霧缶を生成する。この特定の新規な半径方向缶パターンは、中央の気体オリフィス190を横断するように気体デフレクター194を配置し、気体オリフィス190と気体デフレクター194の互いに反対側に1つ又は複数の液体オリフィス192を配置することにより実現される。
【0030】
図14−19では、図1、4、8のシステムに使用することを想定した、代わりのカテーテル構造を幾つか示している。図14に示すように、カテーテル196は、内側管198及び外側管200と同軸に配置されており、液体は内側管の内部を運ばれ、気体は内側管と外側管の間を運ばれる。この変形例を図15に示しているが、この場合、カテーテル202は、1つの外側管206の内側に略平行に整列した2つの別々の管204を有している。同軸様式から外れて、図16では、互いに結合又は固定された2つ又はそれ以上の管210、212を備えたカテーテル208を示している。
【0031】
図14−16の個別管設計とは異なり、図17−19は、複数ルーメン押出成形で作られた代わりのカテーテルを示している。図17に示すように、非円形ルーメン216と円形ルーメン218を備えたカテーテル214が使用されている。図18は、複数の非円形気体ルーメン222と1つの円形液体ルーメン224を備えたカテーテル220の或るバージョンを示している。図18の変形例が図19のカテーテル226で、このカテーテルでは、複数の非円形気体ルーメン228が円形(又は非円形)の液体ルーメン230に隣接して配置されている。図19の配置では、液体ルーメンを通して2成分溶液を送り出すことができるので、各液体ルーメンを通して別々の成分が送出されることになる。
【0032】
複数液体ルーメン又は管によるカテーテル構成は、同時又は連続送出計画に使用することができる。例えば、或る使用例では、複数の液体ルーメンを備えたカテーテルを使用して、第1の物質を体内の或る領域に送出し、次いでそのカテーテルを操作して、別のカテーテルを使用する必要無しに、次には異なる物質を体内の第2の領域に送出することができる。代わりに、複数液体ルーメンカテーテルは、体内の同一領域に複数の物質を連続的に送出する場合にも使用できる。一例として、医師が治療前に患部域を洗浄したいと考えているとする。この場合、食塩水溶液のような洗浄用物質が第1ルーメンを通して送出され目標領域を洗浄し、所望の治療を行うために第2の物質が第2液体ルーメンを通して送出される。先に述べたように、複数ルーメンを使って、複数の物質、例えば2成分溶液を同時に送出することができるので、混合物を、所望の回数、所望の量だけエアロゾル化して送出することができる。代わりに、ルーメンの1つを使用して、カテーテルの近位端に負圧をかけることにより、物質を体腔から取り除くこともできる。
【0033】
事前に成形されたカテーテルは、真っ直ぐでも、可撓接合されていても、或いは湾曲していてもよい。直線形状292を備えた事前に成形されたカテーテルのバージョンを図26に示す。代わりの湾曲バージョンの構成を図20に示す。図20に示すように、カテーテル232の遠位端は、螺旋状の端部234を備えている。螺旋は1巻きでも、複数巻きでもよい。螺旋状端部付カテーテルの用途は、カテーテルの端部を体腔又は体管腔に挿入するという行為により、カテーテル先端が出現する際に物質が円形状/螺旋状に散布されることになるというものである。上記各種カテーテルの実施形態については、多くの異なる寸法が考えられるが、或る実施形態では、外径は0.5mmから200mmの範囲にある。図1に示したカテーテル実施形態での1つの好適な直径は、約1mmである。特定のカテーテルと共に使用される導入器は、その特定のカテーテルに合わせた適切な大きさに作られる。カテーテルシャフトは、重合体材料のような可撓性を有する弾性材料、又は弾性補強部材を伴う可撓性を有する材料で構成することができる。カテーテルの液体ルーメンには、製造工程の間に事前充填してもよいし、リザーバから供給してもよい。
【0034】
カテーテルのノズルは先細であってもなくともよい。症例によっては、ノズル構成、気体及び/又は液体供給圧及び流量を選択して、局部的な衝撃押し付けを最大化する粒子寸法及び慣性が形成されるようにするのが望ましい場合もある。また、局部的な押し付けを最小化し、その代わりに「雲霧」効果を発生させるのが望ましい症例もある。
【0035】
図21−23に示す他の実施形態では、カテーテルに位置制限機構が組み込まれている。カテーテル位置決め機構の例は、米国特許第6,729,334号にもあり、同特許の内容全体を参考文献としてここに援用する。図21の実施形態は、体管腔238内に伸張している噴霧カテーテル236を示している。噴霧カテーテル236は、上記カテーテル実施形態の何れに類似していてもよい。噴霧カテーテル236の遠位部の周囲には、ばね位置制限装置240が設けられている。ばね位置制限装置240は、噴霧カテーテル236のシャフトに固定された保持リング242と、リング242に接続された複数のアーム244とを含んでいる。或る実施形態では、アーム244は3本である。これらアームには可撓性と弾性がある。アームはばね焼き戻し金属又は適したプラスチックで作られている。各アーム244のリング242接続部とは反対側の端には、ボール246が設けられている。ばね位置制限装置240は、カテーテルの端部が組織に接触するのを防止するのに役立っている。噴霧カテーテル236を取り出す必要がある場合、カテーテルを近位方向に引き出戻して導入装置に収める。或る実施形態では、アームは薄い弾性ワイヤ又は重合体で形成され、直径が約0.015インチよりも細いことが望ましい。アーム及び/又はボールは、放射線不透過性材料で作られるか又は被覆されている。
【0036】
図22は、噴霧カテーテルの代わりの実施形態を示している。噴霧カテーテル248は、位置制限装置250を含んでいる。制限装置250は、カテーテルシャフトの軸から外向きに弾性的に張り出して、噴霧カテーテルの遠位端の所望の位置次第で腔部又は体管腔壁に係合するように形成された複数のアーム252を含んでいる。各アーム252の端部は、ボール254となっている。アーム252の近位端は、カテーテル248のシャフトのルーメン258を通って伸張するワイヤ256で形成されている。各ルーメン258には遠位開口部260があり、そこからアームが伸びている。遠位開口部は、カテーテルシャフトの遠位端から約0.10〜1cmの位置に設けられている。ワイヤ256の近位端は、カテーテルの近位端近くの、普通は使用中には患者の体外に出ている部分に設けられている開口部262を介して、噴霧カテーテルのルーメン258から外に出ている。この様に、ワイヤ256の近位端は、使用中に医師がアクセスできるようになっている。ワイヤ256の近位端を引くか又は押すことにより、開口部260から伸張しているアーム252の部分を調整することができる。こうして、アーム252は、ワイヤ256の近位端を引くか又は押すことにより、一杯に後退した位置から一杯に前進した位置まで調整することができる。また、ワイヤ256の近位端は、一杯に後退した位置から一杯に前進した位置までの間の中間位置何処にでも調整することができるので、医師は、位置制限装置の寸法を調整して、カテーテルを、必要に応じて、適切な最短距離何処にでも維持することができる。ワイヤ256は、位置決め時に収納されているルーメンから前進して出て行く際には、所望の形状にならなければならないので、製造時に所望の拡張形状を付与することができるように、形状記憶特性を有する材料で形成されることが好ましい。或る実施形態では、ワイヤはニチノールで形成されている。
【0037】
或る好適な実施形態では、第2位置制限装置264も設けられている。第2位置制限装置264は、噴霧カテーテル248のシャフトの、第1制限装置250よりも近位側の位置に設けられている。第2位置制限装置264は、シャフトとから半径方向外向きに張り出したプラスチック又は金属のような材料で形成された弾性ウイングで形成されている。第2(又は近位側)位置制限装置264は、カテーテルの遠位部248を、体腔又は体管腔を取り囲む組織に接触しないように保つのに役立っている。
【0038】
図23は、位置制限装置の更に別の実施形態を示している。噴霧カテーテル266が示されている。噴霧カテーテル266は、位置制限装置268を含んでいる。センタリング装置268は、カテーテルの遠位端に設けられたワイヤループ270を含んでいる。ループ270の一端272は、噴霧カテーテルシャフトの遠位端に接続されている。ワイヤループ270の他端274は、カテーテル266の近位端まで伸張するルーメン278と連通しているシャフトの開口部276に入っている。ワイヤの近位端280は、噴霧カテーテルの、普通は使用中には患者の体外に出ている近位部の開口部282を介してルーメン266から外に出ている。ワイヤループ270の大きさは、ワイヤの近位端280を前進させるか又は引き戻すことにより調整することができる。
【0039】
上記各実施形態で使用するものとして、様々な種類の物質の供給源が考えられる。複数ルーメンの実施形態では、乾燥した又は液体状の物質を供給するために、どの様な既知のポンプシステムをカテーテルの近位端に接続してもよい。乾燥した物質の投与量分を供給するための装置の一例が、米国特許第6,719,960号に記載してあり、その内容全体を参考文献としてここに援用する。図24に示すように、単ルーメン実施形態では、溶液又は物質の入った加圧キャニスタ284が、カテーテル286の近位端に取り付けられており、送出するエアロゾル化物質を、補助装置には頼らずに又は補助装置を使って、生成できるようになっている。キャニスタの他の装置を使用してもよく、この装置には、限定するわけではないが、計量投与吸入器に組み込まれたもの、又は計量弁を内蔵したものが含まれる。この種のキャニスタカテーテル装置の一例が、米国特許第6,079,413号に記載されており、その内容全体を参考文献としてここに援用する。
【0040】
上記各種の実施形態では、カテーテルシャフトの近位部の段階的マーキング又は他の標識から、配置を判定する。先に論じたように、カテーテルの挿入深さを示す段階的マーキングを含んでいてもよい。また、カテーテルシャフトには、カテーテル先端の回転方向の位置を表示するためのマークを設けてもよい。このようなマーキングは、カテーテルシャフトの近位部に沿って長手方向に向けて配置されたマークの形態であってもよい。これらマークは、上記の長手方向挿入深さマークの場合と同様、色は同色又は異色のもの、間隔は均一又は非均一のもの、各種の表面模様又は幾何学形状を備えたもの、又はその他多くの視覚的、触覚的、電子的、又は他の形式のものなど、どの様なものでもよい。追加的に又は独立して、カテーテルの遠位部は体腔内に配置するように意図されており、超音波、X線、又は他の形式の画像化装置で見ることができるように設計された材料又はマーキングを組み込んでもよい。これには、放射線不透過性の重合体配合物、インク、金属マーカー、又は超音波エネルギーを反射するように設計された表面模様の使用などが含まれる。実施形態の中には、カテーテルに組み込まれるか又はカテーテルと平行に走る光ファイバーケーブルを使って、体腔の外側から、特定の目標部位が治療を受けている様子を目で確認するものもある。
【0041】
上記各実施形態では、主として薬剤を含むエアロゾル化した物質について説明してきたが、本発明のシステムは、器具又はカテーテル先端を操作して、光又は他の電磁治療要素を送出するのに、又は治療用の気体、粉末、泡、ゲル又はその他の形態の物質の方向を決められた流れを送出するのに使用することもできる。また、上に述べた例では、腹壁を貫通させて体腔内に挿入することを論じているが、本システムは、生まれつきの又は人工的に作られた解剖学的構造上の腔部、管腔、又は中空器官の何れに対しても物質を塗布するために使用することができる。
【0042】
エアロゾル発生ノズルの遠隔的方向決め及び位置決め制御に属する本発明の要素は、指向性ノズル、オリフィス、ルーメン、レンズ、アパーチャ、又は出力の遠隔的方向決め制御が求められる指向性発生源を通して、気体、プラズマ、泡、ゲル、粉末、又は液体などの焦点を絞った流れ、又はエネルギービームを送出する、他のプローブ又はカテーテル型の外科処置装置にも適用することができる。物質エネルギーの流れ又は円錐体の方向位置制御に属する本発明の要素は、エアロゾル送出と、限定するわけではないが、切断、切除、焼灼、生検、凍結、縫合、又は切開縫合を含む他の外科処置性能と、を組み合わせた多機能外科処置器具として利用することが考えられる。導入器針以外にも、他の装置を使用して、カテーテル又は他の管、例えば内視鏡、外科処置ポートなど、を体腔へと案内することが考えられる。これら他の形式のプローブ又はカテーテル型の装置は、限定するわけではないが、振動法、超音波法、空圧法、及び電気油圧法を含む他のエアロゾル発生方法を利用してもよい。
【0043】
以上、器官又は体腔内に薬物を含む雰囲気を作り出すための方法と装置を開示した。本方法を使えば、例えばエアロゾル雲霧の生成を介して、物質を制御された方法で塗布することができ、薬剤を含んだ物質を全内壁面又は選択された数の内壁面部分に付着させることができる。本システムは、使用中に操作することのできる管又はエアロゾル化カテーテルと、この管又はエアロゾル化カテーテルの導入及び操作、回転及び/又は長手方向位置決めのための導入装置とを備えている。本方法は、管とカテーテルを体腔内に挿入する段階と、管又はカテーテルに提供される物質が体腔に制御可能に塗布されるように管又はカテーテルの出口端の角度又は向きを調整する段階と、を含んでいる。
【0044】
以上の詳細な説明は、分かり易くするためのものであって本発明に限定を加えるものではなく、従って、本発明の範囲を定義するのは、全ての等価物を含め、特許請求の範囲に述べる内容である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の或る実施形態による、体腔に挿入されたカテーテルを操作するためのシステムの側面図である。
【図2】図1のシステムの分解図である。
【図3】図3Aは、カテーテルの先端が導入装置内に一杯に後退した位置まで後退した状態の図1のシステムの側面図である。 図3Bは、カテーテルの先端が部分的に後退した位置まで後退した状態の図1のシステムの側面図である。 図3Cは、カテーテルの先端が一杯に挿入された位置に置かれた状態の図1のシステムの側面図である。
【図4】図1のシステムの代わりの実施形態の側面図である。
【図5】図1のシステムの代わりの実施形態の分解図である。
【図6】図4の1−1線に沿う部分断面図である。
【図7】図4−5のシステムのカテーテルの先端の端面図である。
【図8】図1のシステムの第2の代わりの実施形態の斜視断面図である。
【図9】図8の実施形態の代わりの斜視図である。
【図10】図1のシステムの第3の代わりの実施形態の側面図である。
【図11】図10の実施形態の分解図である。
【図12】図1、4、8の実施形態に使用するのに適したカテーテルの遠位端の或る実施形態である。
【図13】図12のカテーテルのノズルの拡大断面図である。
【図14】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第1の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図15】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第2の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図16】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第3の代わりのカテーテル構造の斜視断面図である。
【図17】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第4の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図18】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第5の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図19】図1、4、8の実施形態に使用するのに適した第6の代わりのカテーテル構造の断面図である。
【図20】渦巻状又は螺旋状に事前成形された端部を示す、カテーテルの断面図である。
【図21】カテーテルにカテーテル位置制限装置を取り付けた或る実施形態の断面図である。
【図22】図21のカテーテル位置制限装置の代わりの実施形態の断面図である。
【図23】図21のカテーテル位置制限装置の第2の代わりの実施形態の断面図である。
【図24】カテーテルに接続され、物質又は溶液が加圧された状態で中に入っている加圧されたキャニスタを示している。
【図25】図1−3の導入器及びカテーテル調整機構と共に使用するための、後退可能要素を設けない鈍端単ルーメンを備えたスリーブを示している。
【図26】事前成形された真っ直ぐな遠位部を有する代わりのカテーテルを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体腔に物質を送出するために使用されるカテーテルを操作するためのシステムにおいて、
少なくとも1つのルーメン又は管を備えたカテーテルであって、体腔へ送出したい物質を受け入れることができるように構成された近位端と、事前に成形された向きに付勢された可撓性を有する先端を備えた遠位端と、を備えているカテーテルと、
導入装置であって、
前記カテーテルを入れることのできる大きさに作られた内径を画定している本体と、
前記カテーテルに取り外し可能に接続することのできるカテーテル調整機構と、を備えており、前記カテーテル調整機構は前記導入装置の前記本体に対して移動可能であり、且つ前記カテーテル調整機構は前記導入装置の本体に対する前記カテーテルの回転方向の移動及び軸方向の移動の内の少なくとも一方を手動操作で調整可能である、導入装置と、を備えているシステム。
【請求項2】
前記カテーテル調整機構は、前記本体に回転可能に接続され前記カテーテルに作動的に接続されている回転可能ノブを備えており、前記回転可能ノブの回転方向位置は、前記カテーテルの回転方向位置に対応している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記カテーテルは前記回転可能ノブに対して軸方向に移動可能であり、前記カテーテルの軸方向位置は前記カテーテルの回転方向位置とは独立して調整可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記カテーテルは噴霧カテーテルを備えている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記カテーテル調整機構は、前記導入装置の前記本体に対する前記カテーテルの軸方向及び回転方向の両方向の位置を同時に制御するために、前記カテーテルに作動的に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
先端角度調整部材を更に備えており、前記先端角度調整部材には、前記カテーテルの可撓性を有する先端が取り付けられ、且つ前記カテーテルの近位端に、アクセス可能な制御端部を有しており、前記先端角度調整部材の前記制御端部を動かすと、先端角度が変化するようになっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記先端角度調整部材はワイヤを備えている、請求項7に記載のシステム。
【請求項8】
前記事前に成形された向きは、湾曲を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記事前に成形された向きは、螺旋を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記カテーテルは、複数の管を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記カテーテルは、複数のルーメンを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記カテーテルは、前記カテーテルの遠位端が体腔壁と接触するのを防ぐために配置された位置制限装置を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
体腔に物質を送出するためのカテーテルを操作するための方法において、
体腔の境界を通して体腔内に導入装置を挿入する段階と、
所定の形状に付勢された可撓性を有する先端に配置されたノズルを有する遠位部分を備えているカテーテルを、前記導入器に通して前記体腔内に導入する段階と、
前記カテーテルを前記導入装置に対して軸方向に移動させて、前記可撓性を有する先端の前記所定の形状を変え、前記ノズルの角度を元の角度から変える段階と、
カテーテルシャフトに作動的に接続されている前記導入装置の第2部分を回転させることによって、前記カテーテルシャフトを前記導入装置の第1部分に対して回転させ、前記体腔内で前記ノズルの回転方向位置を変える段階と、
前記カテーテルを通して前記体腔に物質を提供する段階と、から成る方法。
【請求項14】
前記物質を提供する段階は、前記カテーテルの第1ルーメンを通して前記体腔の第1部分に第1の物質を塗布する段階と、前記カテーテルの第2ルーメンを通して前記体腔の第2部分に第2の物質を塗布する段階と、を含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項15】
前記物質を提供する段階は、前記カテーテルの第1ルーメンを通して前記体腔に第1の物質を提供する段階と、前記カテーテルの第2ルーメンを通して前記体腔に第2の物質を提供する段階と、を含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1及び第2の物質は、前記体腔に対して同時に提供される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1及び第2の物質は、2成分溶液を含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
物質を患者の体腔に送出するために使用されるカテーテルを操作するためのシステムにおいて、
少なくとも1つのルーメン又は管を備えたカテーテルであって、体腔へ送出したい物質を受け入れることができるように構成された近位端と、事前に成形された向きに付勢された可撓性を有する先端を備えた遠位端と、を備えているカテーテルと、
導入装置であって、
前記カテーテルを入れることのできる大きさに作られた内径を画定している本体と、
前記導入装置の本体に対する前記カテーテルの回転方向の移動及び軸方向の移動の内の少なくとも一方を制御するための手段と、を備えている導入装置と、を備えているシステム。
【請求項19】
前記導入装置に取り外し可能に接続されている針を更に備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記導入装置に取り外し可能に接続されている鈍端単ルーメンを更に備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項1】
患者の体腔に物質を送出するために使用されるカテーテルを操作するためのシステムにおいて、
少なくとも1つのルーメン又は管を備えたカテーテルであって、体腔へ送出したい物質を受け入れることができるように構成された近位端と、事前に成形された向きに付勢された可撓性を有する先端を備えた遠位端と、を備えているカテーテルと、
導入装置であって、
前記カテーテルを入れることのできる大きさに作られた内径を画定している本体と、
前記カテーテルに取り外し可能に接続することのできるカテーテル調整機構と、を備えており、前記カテーテル調整機構は前記導入装置の前記本体に対して移動可能であり、且つ前記カテーテル調整機構は前記導入装置の本体に対する前記カテーテルの回転方向の移動及び軸方向の移動の内の少なくとも一方を手動操作で調整可能である、導入装置と、を備えているシステム。
【請求項2】
前記カテーテル調整機構は、前記本体に回転可能に接続され前記カテーテルに作動的に接続されている回転可能ノブを備えており、前記回転可能ノブの回転方向位置は、前記カテーテルの回転方向位置に対応している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記カテーテルは前記回転可能ノブに対して軸方向に移動可能であり、前記カテーテルの軸方向位置は前記カテーテルの回転方向位置とは独立して調整可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記カテーテルは噴霧カテーテルを備えている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記カテーテル調整機構は、前記導入装置の前記本体に対する前記カテーテルの軸方向及び回転方向の両方向の位置を同時に制御するために、前記カテーテルに作動的に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
先端角度調整部材を更に備えており、前記先端角度調整部材には、前記カテーテルの可撓性を有する先端が取り付けられ、且つ前記カテーテルの近位端に、アクセス可能な制御端部を有しており、前記先端角度調整部材の前記制御端部を動かすと、先端角度が変化するようになっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記先端角度調整部材はワイヤを備えている、請求項7に記載のシステム。
【請求項8】
前記事前に成形された向きは、湾曲を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記事前に成形された向きは、螺旋を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記カテーテルは、複数の管を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記カテーテルは、複数のルーメンを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記カテーテルは、前記カテーテルの遠位端が体腔壁と接触するのを防ぐために配置された位置制限装置を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
体腔に物質を送出するためのカテーテルを操作するための方法において、
体腔の境界を通して体腔内に導入装置を挿入する段階と、
所定の形状に付勢された可撓性を有する先端に配置されたノズルを有する遠位部分を備えているカテーテルを、前記導入器に通して前記体腔内に導入する段階と、
前記カテーテルを前記導入装置に対して軸方向に移動させて、前記可撓性を有する先端の前記所定の形状を変え、前記ノズルの角度を元の角度から変える段階と、
カテーテルシャフトに作動的に接続されている前記導入装置の第2部分を回転させることによって、前記カテーテルシャフトを前記導入装置の第1部分に対して回転させ、前記体腔内で前記ノズルの回転方向位置を変える段階と、
前記カテーテルを通して前記体腔に物質を提供する段階と、から成る方法。
【請求項14】
前記物質を提供する段階は、前記カテーテルの第1ルーメンを通して前記体腔の第1部分に第1の物質を塗布する段階と、前記カテーテルの第2ルーメンを通して前記体腔の第2部分に第2の物質を塗布する段階と、を含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項15】
前記物質を提供する段階は、前記カテーテルの第1ルーメンを通して前記体腔に第1の物質を提供する段階と、前記カテーテルの第2ルーメンを通して前記体腔に第2の物質を提供する段階と、を含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1及び第2の物質は、前記体腔に対して同時に提供される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1及び第2の物質は、2成分溶液を含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
物質を患者の体腔に送出するために使用されるカテーテルを操作するためのシステムにおいて、
少なくとも1つのルーメン又は管を備えたカテーテルであって、体腔へ送出したい物質を受け入れることができるように構成された近位端と、事前に成形された向きに付勢された可撓性を有する先端を備えた遠位端と、を備えているカテーテルと、
導入装置であって、
前記カテーテルを入れることのできる大きさに作られた内径を画定している本体と、
前記導入装置の本体に対する前記カテーテルの回転方向の移動及び軸方向の移動の内の少なくとも一方を制御するための手段と、を備えている導入装置と、を備えているシステム。
【請求項19】
前記導入装置に取り外し可能に接続されている針を更に備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記導入装置に取り外し可能に接続されている鈍端単ルーメンを更に備えている、請求項18に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2007−509684(P2007−509684A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537474(P2006−537474)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003566
【国際公開番号】WO2005/042079
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(501393922)トルーデル メディカル インターナショナル (14)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003566
【国際公開番号】WO2005/042079
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(501393922)トルーデル メディカル インターナショナル (14)
【Fターム(参考)】
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