説明

体表面モニタ

【課題】被検者の首部分、のど部分、顎部分の少なくとも一箇所の放射線汚染を確実に測定できる体表面モニタを提供する。
【解決手段】被検者200の頭上部の放射線汚染を測定する頭部用放射線検出器11と、左右の側頭部の放射線汚染をそれぞれ測定する側頭用放射線検出器12、13を備えると共に、前記被検者200の首部分、のど部分、顎部分の少なくとも一箇所に近接して配置され、これらの箇所の放射線汚染を測定する首用放射線検出器16を更に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線取扱施設において使用される被検者の体表面の放射線汚染を計測するための体表面モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に従来の体表面モニタは、被検者の前背面、側面側、頭部、側頭部の放射線汚染を測定するための放射線検出器をモニタ本体にそれぞれ固定設置し、これらの放射線検出器を用いて被検者の体表面に付着した放射性物質から放射される放射線を検出することにより、被検者の体表面の放射線汚染を測定する。特許文献1に、体表面モニタの従来例が示されている。特許文献1では、被検者の前面、背面、頭部上面の放射線汚染をそれぞれ測定する前面検出器、背面検出器、頭上検出器に加え、被検者の側頭部の放射性汚染を測定する側頭検出器を設けた構成の体表面モニタが提案されている。
【特許文献1】特許第3100677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の従来技術には、以下のような課題がある。
【0004】
被検者の首部分、のど部分、顎部分などは、顔面や肩や胸面に対して凹型を形成しており、即ち、首部分、のど部分、顎部分などは、被検者の前面(正面)から見た場合、顔面や胸面の位置よりもさらに奥(背面側)に引込んだ位置に存在している。このため、首部分、のど部分、顎部分などは、前面検出器からの距離が顔面や胸面よりも遠くなり、これらの部分の放射線汚染を前面検出器で測定することが難しい。また、被検者の側面(側頭部側)から見た場合、首部分、のど部分、顎部分などは、側頭部よりも奥に引込んだ位置に存在している。このため、首部分、のど部分、顎部分などは、側頭検出器からの距離が側頭部よりも遠くなり、これらの部分の放射線汚染を側頭検出器で測定することが難しい。
【0005】
また、首部分、のど部分、顎部分に付着した放射性物質から放射される放射線には、その放射方向が前面検出器の放射線測定面や側頭検出器の放射線測定面に向う方向でないものが含まれており、そのような方向の放射線は前面検出器や側頭検出器で測定することが難しい。例えば、下顎に付着した放射性物質から放射される放射線の放射方向は、下顎から地面へ向かう下方向となるため、前面検出器の放射線測定面や側頭検出器の放射線測定面には放射線が全く届かないか、もしも届いたとしても非常に微量であり、測定が難しい。
【0006】
このように、従来の体表面モニタでは、被検者の首部分、のど部分、顎部分の放射線汚染を測定することが困難という課題があった。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題を解決するために提案するものであり、その目的は、被検者の首部分、のど部分、顎部分の放射線汚染を確実に測定できる体表面モニタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の体表面モニタは、前面フレームと、前記前面フレームに設置された前面用放射線検出器と、前記前面フレームに開閉可能に設置された扉と、前記扉に設置された側面用放射線検出器と、後面フレームと、前記後面フレームに設置された後面用放射線検出器と、頭部用放射線検出器と、側頭用放射線検出器と、前記頭部用放射線検出器及び前記側頭用放射線検出器を上下方向に昇降可能に前記後面フレームに設置する昇降駆動機構とを備え、被検者の放射線汚染を測定する体表面モニタにおいて、前記被検者の首部分、のど部分、顎部分の少なくとも一箇所に近接して配置され、前記首部分、のど部分、顎部分の少なくとも一箇所の放射線汚染を測定する放射線検出器を更に備えること を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被検者の首部分、のど部分、顎部分の少なくとも一箇所の放射線汚染を確実に測定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
先ず、図1〜図4を用いて本発明の体表面モニタの第1の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、体表面モニタ100を正面から見たときの概観図である。図2は体表面モニタ100の測定室の内部の様子を示す図である。図2では、図1に示す前面フレーム1を透過して体表面モニタ100を正面から見た時の様子を示している。図3、4は、体表面モニタ100の駆動機構部25を示す図である。図3は、被検者200の放射線汚染の測定を行っていないときの駆動機構部25の状態(駆動機構部25が初期位置にある状態)を示している。図4は、被検者200の放射線汚染の測定を行っているときの駆動機構部25の状態(駆動機構部25が測定位置にある状態)を示している。
【0013】
本発明の体表面モニタ100は、被検者200の放射線汚染を測定する検出器として、図1、2に示す各検出器、即ち、前面用放射線検出器2、右側面用放射線検出器3、左側面用放射線検出器4、右手用放射線検出器5、左手用放射線検出器6、右足用放射線検出器7、左足用放射線検出器8、後面用放射線検出器9、頭部用放射線検出器11、右側頭用放射線検出器12、左側頭用放射線検出器13を備えると共に、図3、4に示す首用放射線検出器16をさらに備えている。
【0014】
前面用放射線検出器2は、図1のように前面フレーム1に固定設置され、被検者200の体前面の放射線汚染を測定する。右側面用放射線検出器3は、前面フレーム1に開閉可能に設けられた一方の扉3aに設置され、当該扉3aが閉じられた状態で被検者200の右側面の放射線汚染を測定する。左側面用放射線検出器4は、前面フレーム1に開閉可能に設けられたもう一方の扉4aに設置され、当該扉4aが閉じられた状態で被検者200の左側面の放射線汚染を測定する。右手用放射線検出器5及び左手用放射線検出器6は、前面フレーム1に固定設置され、被検者200の右手及び左手の放射線汚染をそれぞれ測定する。右足用放射線検出器7及び左足用放射線検出器8は、体表面モニタ100の台座に固定設置されており、被検者200の右足及び左足の放射線汚染をそれぞれ測定する。
【0015】
また、図2のように、後面用放射線検出器9は、後面フレーム10に固定設置され、被検者200の体後面の放射線汚染を測定する。頭部用放射線検出器11は、図示せぬ昇降駆動機構を介して後面フレーム10に対し上下方向に移動可能(昇降可能)に設置されており、被検者200の頭部位置に応じて昇降し、頭部の上面の放射線汚染を測定する。右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13は、頭部用放射線検出器11の左右両側に各々設置されており、被検者200の右側頭及び左側頭の放射線汚染をそれぞれ測定する。
【0016】
なお、図1、2に示すように、前面フレーム1、後面フレーム2、2つの扉3a、4aにより体表面モニタ100の本体を構成しており、この本体内に被検者200を収容し放射線汚染を測定する測定室を形成する。
【0017】
次に、右側頭用放射線検出器12、左側頭用放射線検出器13及び首用放射線検出器16を移動させる駆動機構部25について、図3、図4を参照しながら説明する。
【0018】
駆動機構部25は、右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13を移動するための頭部検出器駆動用電動機14、この頭部検出器駆動用電動機14の駆動力をギヤを介して右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13に伝え、これら右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13を互いに同期させた状態で移動させるための側頭検出器連結用シャフト15、頭部用放射線検出器11に対して首用放射線検出器16を被検者200側に移動可能に保持する固定フレーム17と、この固定フレーム17にギヤを介して駆動力を伝え首用放射線検出器16を移動させる首用検出器駆動用電動機18を備えている。
【0019】
右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13は、頭部用放射線検出器11の被検者200の右側頭及び左側頭に近い位置にそれぞれ設置されている。
【0020】
首用放射線検出器16は、固定フレーム17を介して、頭部用放射線検出器11の被検者200の顔面に近い部分(頭部用放射線検出器11の前面フレーム1に近い位置)に設置されている。また、首用放射線検出器16は、被検者200の首部分、のど部分、顎部分と対向する面である16aや16bに放射線測定面を有している。固定フレーム17は、被検者200の顔面の放射線汚染の測定を妨げないように、被検者200の顔面から前面用放射線検出器2への方向に放射される放射線を遮らない形状としている。
【0021】
次に体表面モニタ100の放射線汚染測定時の動作を説明する。
【0022】
放射線汚染を測定していないとき、右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13、首用放射線検出器16は、側頭検出器駆動用電動機14、首用検出器駆動用電動機18によって、それぞれ図3に示す初期位置に設置されている。右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13は平板形状をしており、その初期位置は、それぞれの放射線測定面が地面に対向する位置(被検者200の側頭部に対してはそれぞれの放射線測定面がほぼ垂直となる位置)である。頭部用放射線検出器11の初期位置は、固定フレーム7が地面に対してほぼ垂直なっている状態のときの位置である。
【0023】
一方、放射線汚染の測定を行う場合、右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13、首用放射線検出器16は、側頭検出器駆動用電動機14、首用検出器駆動用電動機18によって測定位置(図4に示される位置)に移動される。
【0024】
ここで、被検者200が体表面モニタ100の測定室に入り、放射線汚染の測定を行うとき、図示しない昇降駆動機構により頭部用放射線検出器11を降下させて(図2のA方向)、被検者200の頭部の近接位置に移動させる。この頭部用放射線検出器11の下方向への移動と連動して、側頭検出器駆動用電動機14が、側頭検出器連結用シャフト15を介して右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13を初期位置からC方向に同時に移動させ、測定位置に位置させる。これより、右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13のそれぞれの放射線測定面が、被検者200の右側頭及び左側頭と対向し且つ近接した位置にそれぞれ配置されることとなる。この右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13の移動と同時に、首用検出器駆動用電動機18が、固定フレーム17を介して首用放射線検出器16を初期位置からE方向に移動させ、測定位置に位置させる。これにより、首用放射線検出器16の放射線測定面16a、16bが被検者200の首部分、のど部分、顎部分に対向し且つ近接した位置にそれぞれ配置されることとなる。
【0025】
放射線汚染の測定を終えると、図示しない昇降駆動機構は、頭部用放射線検出器11を上方向(図2のB方向)に移動させる。この頭部用放射線検出器11の上方向への移動と連動して、側頭検出器駆動用電動機14は、側頭検出器連結用シャフト15を介して右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13を測定位置からD方向に同時に移動し、初期位置に戻す。また、同時に首用検出器駆動用電動機18は、固定フレーム17を介して首用放射線検出器16を測定位置からF方向に移動させ、初期位置に戻す。
【0026】
このように第1の実施形態によれば、被検者200の首部分、のど部分、顎部分に首用放射線検出器16を接近させて放射線汚染を測定するようにしたので、これらの部分の放射線汚染を確実に測定することができ、より厳密な放射線汚染の検査および出入り管理を行うことが可能となる。
【0027】
(第2の実施形態)
次に、図5、6を用いて本発明の体表面モニタの第2の実施形態を説明する。第2の実施形態の体表面モニタ100は、図3、4に示される第1の実施形態の首用放射線検出器16に換えて、図5、6に示される右側首用放射線検出器19、左側首用放射線検出器20を備えている。第2の実施形態の体表面モニタ100の駆動機構部26には、この右側首用放射線検出器19、左側首用放射線検出器20と、さらに右側首用放射線検出器駆動用電動機21、左側首用放射線検出器駆動用電動機22、右側首用放射線検出器連結用シャフト23、左側首用放射線検出器連結用シャフト24を設けている。その他の構成は上述した第1の実施形態の体表面モニタ100と同様であり、同一の構成については同一の符号を付している。
【0028】
図5は、被検者200の放射線汚染の測定を行っていないときの駆動機構部26の状態(駆動機構部26の各検出器が初期位置にある状態)を示している。図6は、被検者200の放射線汚染の測定を行っているときの駆動機構部26の状態(駆動機構部26の各検出器が測定位置にある状態)を示している。
【0029】
右側首用放射線検出器19は、被検者200の首部分、のど部分、顎部分から放射される放射線のうち被検者200の右方向に放射される放射線を測定する放射性測定面19aを有する。左側首用放射線検出器20は、被検者200の首部分、のど部分、顎部分から放射される放射線のうち被検者200の左方向に放射される放射線を測定する放射性測定面20aを有する。
【0030】
右側首用放射線検出器駆動用電動機21は右側頭用放射線検出器12に設置されると共に、右側首用放射線検出器連結用シャフト23を介して右側首用放射線検出器19と直結し、この右側首用放射線検出器19を右側頭用放射線検出器12に対して回転可能に保持する。左側首用放射線検出器駆動用電動機22は左側頭用放射線検出器13に設置されると共に、左側首用放射線検出器連結用シャフト24を介して左側首用放射線検出器20と直結し、この左側首用放射線検出器20を左側頭用放射線検出器13に対して回転可能に保持する。
【0031】
第1の実施形態と同様に、放射線汚染の測定を行う際には、図示しない昇降駆動機構により頭部用放射線検出器11を降下させ、被検者200の頭部の近接位置に移動させる。この頭部用放射線検出器11の下方向への移動と連動して、側頭検出器駆動用電動機14が、側頭検出器連結用シャフト15を介して右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13を初期位置からC方向に同時に移動し、測定位置に位置させる。この右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13の移動と同時に、右側首用放射線検出器駆動用電動機21及び左側首用放射線検出器駆動用電動機22が回転駆動し、右側首用放射線検出器連結用シャフト23、左側首用放射線検出器連結用24を介して右側首用放射線検出器19及び左側首用放射線検出器20を初期位置からG方向に移動し、測定位置に位置させる。これにより、右側首用放射線検出器19及び左側首用放射線検出器20の放射線測定面19a、20aが、図5に示すように、被検者200の首部分、のど部分、顎部分の左右の側面に対向し且つ近接した位置にそれぞれ配置されることとなる。
【0032】
放射線汚染の測定を終えると、図示しない昇降駆動機構が頭部用放射線検出器11を上方向に移動させる。この頭部用放射線検出器11の上方向への移動と連動して、側頭検出器駆動用電動機14は、側頭検出器連結用シャフト15を介して右側頭用放射線検出器12及び左側頭用放射線検出器13をD方向に移動させ、測定位置から初期位置に戻す。これと同時に右側首用放射線検出器駆動用電動機21及び左側首用放射線検出器駆動用電動機22が回転駆動し、右側首用放射線検出器連結用シャフト23、左側首用放射線検出器連結用シャフト24を介して右側首用放射線検出器19及び左側首用放射線検出器20をH方向に移動させ、測定位置から初期位置に戻す。
【0033】
このように第2の実施形態によれば、被検者200の首部分、のど部分、顎部分の左右の側面に右側首用放射線検出器19及び左側首用放射線検出器20を接近させて放射線汚染を測定するようにしたので、これらの部分の放射線汚染を確実に測定することができ、より厳密な放射線汚染の検査および出入り管理を行うことが可能となる。
【0034】
(第3の実施形態)
次に、図7を用いて本発明の体表面モニタの第3の実施形態を説明する。図7は、体表面モニタ100の測定室内から体表面モニタの前面側(前面用放射線検出器2側)を見た斜視図である。
【0035】
第3の実施形態の体表面モニタ100は、図3、4に示される第1の実施形態の首用放射線検出器16に換えて、図7に示される首用放射線検出器27を備えている。さらに駆動機構部28、台座29を備える。その他の構成は上述した第1の実施形態の体表面モニタ100と同様であり、同一の構成については同一の符号を付している。
【0036】
首用放射線検出器27は、放射線測定面27a、27bを有している。放射線測定面27aは、被検者200の顎部分を載せることができるようほぼ中央に凹形の顎載せ部27cが設けられている。首用放射線検出器27は、駆動機構部28により上下方向に移動可能に保持されている。首用放射線検出器27は、測定を行っていないときには被検者200の平均的な顎部分の位置として予め定められた初期位置に、駆動機構部28により保持されている。駆動機構部28は、前面フレーム1に固定設置されている。また、前面フレーム1に設置されている前面用放射線検出器2のうち顔面測定用の前面用放射線検出器2aは、首用放射線検出器27の顎載せ部27cに被検者200の顔を置くスペースをとるため、そのスペース分、その他の前面用放射線検出器2b、2cよりも前面フレーム1側に移動させた位置に設置されている。また、被検者200が載る台座29には、右足用放射線検出器7、左足用放射線検出器8が設置されている。
【0037】
なお、台座29を上下方向に昇降移動させる駆動機構部をさらに設けることもできる。また、上述した首用放射線検出器27の駆動機構部28による駆動制御方法、或いは、台座29の図示しない駆動機構部による駆動制御方法として、被検者200の顎位置(或いは頭位置、顔面位置など)を検知するセンサを設け、このセンサにて検知された顎位置(或いは頭位置、顔面位置など)に基づいて首用放射線検出器27、或いは、台座29の移動先の位置を定め、この移動先の位置へ移動させることも可能である。
【0038】
また、上述した説明では、駆動機構部28は、自動的に首用放射線検出器27を上下方向に昇降移動させるものとして説明したが、被検者200が手動で首用放射線検出器27を上下方向に昇降移動させてその位置を調整できるような構成としても良い。
【0039】
このように第3の実施形態によれば、首用放射線検出器27に被検者200の顎部分を載せて、首部分、のど部分、顎部分を首用放射線検出器27に接近させて放射線汚染を測定できるようにしたので、これらの部分の放射線汚染を確実に測定することができ、より厳密な放射線汚染の検査および出入り管理を行うことが可能となる。
【0040】
また、首用放射線検出器27、或いは、台座29を、上下方向に昇降移動させて被検者200の首部分、のど部分、顎部分に対する相対的な位置を調整できるようにすることで、被検者200が無理な体勢を取らずに測定することが可能になる。
【0041】
なお、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の体表面モニタを正面から見たときの概観図。
【図2】体表面モニタの測定室の内部の様子を示す図。
【図3】第1の実施形態に係る体表面モニタの駆動機構部の各検出器が初期位置にある状態を示した図。
【図4】第1の実施形態に係る体表面モニタの駆動機構部の各検出器が測定位置にある状態を示す図。
【図5】第2の実施形態に係る体表面モニタの駆動機構部の各検出器が初期位置にある状態を示す図。
【図6】第2の実施形態に係る体表面モニタの駆動機構部の各検出器が測定位置にある状態を示す図。
【図7】第3の実施形態に係る体表面モニタの測定室の内部から装置前面側を見た斜視図。
【符号の説明】
【0043】
1…前面フレーム、2,2a,2b,2c…前面用放射線検出器、3…右側面用放射線検出器、3a…扉、4…左側面用放射線検出器、4a…扉、5…右手用放射線検出器、6…左手用放射線検出器、7…右足用放射線検出器、8…左足用放射線検出器、9…後面用放射線検出器、10…後面フレーム、11…頭部用放射線検出器、12…右側頭用放射線検出器、13…左側頭用放射線検出器、14…頭部検出器駆動用電動機、15…側頭検出器連結用シャフト、16…首用放射線検出器、16a,16b…放射線測定面、17…固定フレーム、18…首用検出器駆動用電動機、19…右側首用放射線検出器、19a…放射線測定面、20…左側首用放射線検出器、20a…放射線測定面、21…右側首用放射線検出器駆動用電動機、22…左側首用放射線検出器駆動用電動機、23…右側首用放射線検出器連結用シャフト、24…左側首用放射線検出器連結用シャフト、25,26…駆動機構部、27…首用放射線検出器、27a,27b…放射線測定面、27c…顎載せ部、28…駆動機構部、29…台座、100…体表面モニタ、200…被検者。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面フレームと、前記前面フレームに設置された前面用放射線検出器と、前記前面フレームに開閉可能に設置された扉と、前記扉に設置された側面用放射線検出器と、後面フレームと、前記後面フレームに設置された後面用放射線検出器と、頭部用放射線検出器と、側頭用放射線検出器と、前記頭部用放射線検出器及び前記側頭用放射線検出器を上下方向に昇降可能に前記後面フレームに設置する昇降駆動機構とを備え、被検者の放射線汚染を測定する体表面モニタにおいて、
前記被検者の首部分、のど部分、顎部分の少なくとも一箇所に近接して配置され、前記首部分、のど部分、顎部分の少なくとも一箇所の放射線汚染を測定する放射線検出器を更に備えること
を特徴とする体表面モニタ。
【請求項2】
前記放射線検出器は、前記頭部用放射線検出器の前記被検者の顔面に近い位置に移動可能に設置され、
前記昇降駆動機構による前記頭部用放射線検出器の下方向への移動に連動して、前記放射線検出器を初期位置から前記被検者の前記首部分、のど部分、顎部分の少なくとも一箇所に近接する測定位置に移動させる放射線検出器駆動用電動機とを更に備えること
を特徴とする請求項1記載の体表面モニタ。
【請求項3】
前記側頭用放射線検出器は、前記頭部用放射線検出器の前記被検者の側頭に近い位置に移動可能に設置され、
前記放射線検出器は、前記側頭用放射線検出器に移動可能に設置され、
前記側頭用放射線検出器を初期位置から前記被検者の側頭に近接する測定位置に移動させる側頭放射線検出器駆動用電動機と、
前記側頭放射線検出器駆動用電動機の前記側頭用放射線検出器の移動に連動して、前記放射線検出器を初期位置から前記被検者の前記首部分、のど部分、顎部分の少なくとも一箇所に近接する測定位置に移動させる放射線検出器駆動用電動機とを更に備えること
を特徴とする請求項1又は2記載の体表面モニタ。
【請求項4】
前記側頭用放射線検出器は、前記頭部用放射線検出器の前記被検者の右側頭に近い位置に移動可能に設置された右側頭用放射線検出器、及び、前記頭部用放射線検出器の前記被検者の左側頭に近い位置に移動可能に設置された左側頭用放射線検出器であり、
前記放射線検出器は、前記右側頭用放射線検出器に移動可能に設置された右側放射線検出器、及び、前記左側頭用放射線検出器に移動可能に設置された左側放射線検出器であり、
前記右側頭用放射線検出器及び前記左側頭用放射線検出器をそれぞれ初期位置から前記被検者の右側頭及び左側頭に近接する測定位置に移動させる側頭放射線検出器駆動用電動機と、
前記側頭放射線検出器駆動用電動機による前記右側頭用放射線検出器の移動に連動して、前記右側放射線検出器を初期位置から前記被検者の前記首部分の右側面、のど部分の右側面、顎部分の右側面の少なくとも一箇所に近接する測定位置に移動させる右側放射線検出器駆動用電動機と、
前記側頭放射線検出器駆動用電動機による前記左側頭用放射線検出器の移動に連動して、前記左側放射線検出器を初期位置から前記被検者の前記首部分の左側面、のど部分の左側面、顎部分の左側面の少なくとも一箇所に近接する測定位置に移動させる左側放射線検出器駆動用電動機とを更に備えること
を特徴とする請求項1又は2記載の体表面モニタ
【請求項5】
前記放射線検出器は、前記前面フレームの前記被検者の顎に近い位置に配置され、且つ、前記被検者の顎を載せるための顎載せ部を有すること
を特徴とする請求項1記載の体表面モニタ。
【請求項6】
前記放射線検出器を、前記被検者の顎位置に応じて上下方向に移動する駆動機構部を更に備えること
を特徴とする請求項5記載の体表面モニタ。
【請求項7】
前記駆動機構部は、前記放射線検出器の位置を手動にて調整可能とすること
を特徴とする請求項6記載の体表面モニタ。
【請求項8】
前記被検者の顎位置を検知するセンサをさらに備え、
前記駆動機構部は、前記センサにより検知された前記被検者の顎位置に基づいて前記放射線検出器の位置を調整すること
を特徴とする請求項6記載の体表面モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−275376(P2008−275376A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−117112(P2007−117112)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】