説明

作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置(AbsoluteAnglePositioningDeviceforPlaything)

【課題】本発明は、作動玩具の回転部材の回転角度の絶対位置制御装置において、モーター、エンコーダー及び減速ギアを用いなくても小型であり電力消耗が少なくて耐久性が高く、360°回転が可能な回転角度の絶対位置制御装置を提供する。
【解決手段】以上のような本発明の課題を達成するために、本発明の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置は、回転部材の両端に相互の所定距離に離隔するように配置され、それぞれの下部が相互対向する極性を有する磁石と;それぞれにコイルが巻き取られて、前記磁石の下部のベースに等角度で相互の所定距離に離隔するように固定設置され、電流が認可されれば前記磁石の極性部分を引き寄せる極性が発生されて3個以上の奇数個のコイル部とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置に関するものであって、より詳しくは作動玩具の各種部材を特定の角度に回転させるためのモーター、エンコーダーと減速ギアを用いなくても、作動玩具の各種部材を望みの角度に回転させることを可能にし、作動玩具の価格を低めて回転角度の制御装置の体積を極小化させることができる作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、人とか動物の動作を真似る各種作動玩具は頭をうなずく動作、口を開閉する動作、瞳を回す動作、腕を上げるとか回転させる動作などのためには、関連の回転部材(首骨にあたる回転部材、下顎にあたる回転部材、瞳を回すための回転部材、腕関節にあたる回転部材など)を駆動させて望みの角度で回転するように制御すべきである。
【0003】
ところが、従来技術ではこのような回転部材を望みの角度で回転させるためにモーターとともにモーターで発生された回転を減速させる減速機を用い、モーターでの回転動力を減速機により減速し回転部材を回転させて、望みの角度で回転されたかどうかをエンコーダーを通して感知し望みの角度で回転するようにモーターを制御するようになる。
【0004】
しかし、前記のとおり、作動玩具の回転部材用駆動力を発生させる部品でモーター、エンコーダー及び減速ギアを用いるようになると、このようなモーター、エンコーダー及び減速ギアの体積により作動玩具の体積が非常に大きくなってモーター、エンコーダーと減速ギアが、作動時間が経過しすぎると故障が発生し易くなるから、小型であり耐久性が高い回転部材用角度制御装置を提供するものが困るようになる。
【0005】
このような大きい体積の問題点を解決するために、体積が非常に小さいモーター(超小型モーター)及び減速ギアを用いることができるが、該方法を用いると部品の単価が高すぎるから作動玩具の製造費用が増加するようになる問題点がある。
【0006】
特に、モーターを用いる場合に電力消耗が高く減速機によるトルク減少がひどくて、バッテリで作動する作動玩具の回転部材をよく動作させれば電力消耗が大きくなってバッテリーをよく入れ替ってくれなければならない。
【0007】
このような問題点を解決するために、本出願人の 先行出願である韓国特許出願第2006−84127号(2006年9月1日付出願)では図1のように配置されたコイル(1)による回転力とスプリング(3)による反撥力が均衡となる位置で回転部材(2)が回転を停止する原理を用いて両方向(時計方向と半時計方向)に一定角度で回転するように制御する方法を用いた。
【0008】
しかし、このような本出願人の従来技術では一定角度以上に回転させることができなくて(時計/半時計方向に凡そ40-60°位回転が可能)目まいがするとの動作を具現するために瞳をずっと回すとか、体操動作を具現するために頭/腕をずっと回す動作を具現することが不可能な短所がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記のような問題点を解決するためのものとして、作動玩具の回転部材の回転角度の絶対位置制御装置において、モーター、エンコーダー及び減速ギアを用いなくても小型であり電力消耗が少なくて耐久性が高く、360°回転が可能な回転角度の絶対位置制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような本発明の課題を達成するために、本発明の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置は、回転部材の両端に相互の所定距離に離隔するように配置され、それぞれの下部が相互対向する極性を有する磁石と;それぞれにコイルが巻き取られて、前記磁石の下部のベースに等角度で相互の所定距離に離隔するように固定設置され、電流が認可されれば前記磁石の極性部分を引き寄せる極性が発生されて、3個以上の奇数個のコイル部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のような本発明を用いれば、本発明はモーター及び減速ギアを用いなくても小型であり電力消耗が少なくて耐久性が高く、360°回転が可能な回転角度の絶対位置制御装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
先ず、本発明の回転角度の絶対位置制御装置の原理を図2を通して説明するようにする。
【0013】
図2では第1、2、3コイル(1、2、3)がそれぞれ120°の角度を有するようにベース上の平面上に固定配置されており、回転部材(4)が回転軸(5)を中心に回転可能であるように結合され、回転部材(4)の両端には相互反対される極性の磁石(M1、M2)が設置される。
【0014】
正確には図2に示したN極(M1)、S極(M2)はコイル(1、2、3)と対面する下部の極性を意味するが、説明の便宜上、上部に図示しながら点線で表示されている。
【0015】
さらに、回転部材(4)が任意の位置(図3a;N極がA位置にあるもの)にある途中、図3cのように回転部材(4)のN極が絶対角度位置(E)となるように半時計方向に回転するためには、先ずコイル(2)の上部にN極が形成されるように電流を認可する。
【0016】
それではコイル(2)のN極はD位置にある回転部材(4)のS極を引き寄せて図3bのとおり回転部材(4)のN極(M1)が位置(F)に来るようになる。
【0017】
次に、コイル(2)の電流を未認可してコイル(3)にS極が形成されるように電流を認可すればN極(M1)がコイル(3)のS極に引かれて図2cのとおり回転部材(4)のN極(M1)が位置(E)に来るようになる。
【0018】
即ち、回転部材(4)のN極(M1)が位置(A)にある途中、半時計方向に位置(E)に移動しようとすれば、図4の表で上方に上がる循環経路(A位置→F位置→E位置)に行くためにコイル(2)にN極が形成されるように電流を認可して先ず位置(F)に行ってから、再度コイル(3)にS極が表れるように電流を認可して再度位置(E)に行くようになる。
【0019】
もちろん、N極(M1)が時計方向に位置(A)から位置(E)に移動することもできるが(A位置→B位置→C位置→D位置→E位置)、この時には図4の表で下方に下がるようにコイル(3)がN極となるように電流を認可して位置(B)に移動し、再度コイル(2)がS極となるように電流を認可して位置(C)に移動し、以降コイル(1)にN極が形成されるように電流を認可して位置(D)に移動し、最終にコイル(3)にS極を認可して位置(E)に移動するようにする。
【0020】
このような原理で、コイル(1、2、3)の上部に、図4の表のような極性を有するように電流を順に認可すれば、望みの位置に回転部材(4)のN極(M1)が位置するようにできる。
【0021】
図4でSはコイルの上部がS極となるように電流を認可するとの意味であって、Nはコイルの上部がN極となるように電流を認可するとの意味であり、(-)はコイルに電流を認可しないとの意味である。
【0022】
一方、図1ないし図3に沿う本発明の回転角度の絶対位置制御装置は回転部材(4)のN極(M1)がどちらの位置にあるかどうかがわかる装置がないので、本発明の回転角度の絶対位置制御装置を用いる装置で電源を投入する初期化段階で最初のN極(M1)の位置が位置(A)におらない場合に図4の表に沿って位置(B)となるように駆動電流を流しても位置(B)に必ず移動すると見ることができなくなる。
【0023】
それで、電源投入時の初期化段階で自分の位置を認識するために最終の作動位置をフラッシュ・メモリのような不揮発性メモリに格納する方法があるが、該方法は電源投入時の自分の位置がわかっておるから、図4の表に沿い電流を認可すれば直ぐ望みの位置に移動するので動作の連続性を保障することができるが、不必要な高価のフレッシュ・メモリと、これに関連された回路などにより製作費用が上昇するようになる。
【0024】
より現実的な解決方案としては、一方方向に7回以上の駆動電流を流せば現位置と駆動電流のパターンが一致する瞬間からは正常的な絶対位置の制御が可能である。
【0025】
例えば、電源認可時に図3cのとおり、位置(E)にあったら位置(A)に対応するようにコイル(1)にS極が形成されるように電流を認可しても、回転部材(4)のS極(M2)を弱く押すが、S極(M2)を引いてくれるようにコイル(2)にN極が形成されなくて回転部材(4)が動かない。
【0026】
次に、位置(B)に対応するようにコイル(3)にN極が形成されるようにしてもN極(M1)がコイル(3)との反撥力により反撥するだけS極(M2)を引き寄せるようにコイル(2)にN極が形成されないので回転部材(4)が動かない。
【0027】
同じく位置(C)に対応するようにコイル(2)にS極が形成される電流を認可しても動かなくて、位置(D)に対応するようにコイル(1)にN極が形成されるようにすればコイル(1)のN極がS極(M2)を引いて回転部材(4)が位置(D)に回転し、この状態で位置(E)に対応するようにコイル(3)にS極が形成されるようにすれば回転部材(4)が位置(E)に回転する。
【0028】
次に、位置(F)に対応するように、コイル(2)にN極が形成されるようにすればS極(M2)をコイル(2)のN極が引いて回転部材(4)が位置(F)に回転し、再度位置(A)に対応するようにコイル(1)にS極を形成すれば、はじめて回転部材(4)が位置(A)に来るようになる。
【0029】
従って、電源認可時、任意の位置にある回転部材(4)のN極(M1)を任意の位置(A位置)に来るようにするためには、最悪の場合にも図4のその位置(A)にあたる電流パターンから始め、時計方向又は半時計方向に7回を順に電流パターンを認可すればよい。
【0030】
結局、((コイルの数)X2+1)回の電流パターンを順に認可すれば望みの位置に来るようになる。
【0031】
このような初期化の過程は電源投入時に一度だけ実施すればよいので簡便で製造費用の上昇がない。
【0032】
一方、前記では回転部材(4)が回転する場合、一度に60°ずつ角度移動するために、図2のようにコイル3個を120°角度で配置し、棒状の回転部材(4)の両端に磁石を1個ずつ配置して360/(2Xコイル数(3個))=60°の精密度を有する角度回転が可能であったが、コイル数を等角度で5、7...(奇数個)を配置すればそれぞれ360/10=36°、360/14=26°位の精密度を有するようになってより精密な回転角度で回転可能にさせることもできる。
【0033】
さらに、例えば図3aでコイル(3)にN極が形成されるように電流を認可して同時にコイル(1)にS極が形成されるようにすれば、2個のコイル(1、3)の引く力が均衡を成す地点で回転を止めて図3dのとおりN極(M1)が位置(A)と位置(B)との中間に位置するようになって、引き続いてコイル(1)の認可電流を断絶すればN極(M1)がBの位置に移動する方式を用いることによって、より微細な位置制御が可能であり、位置(A)から瞬間的に位置(B)に移動しなく中間位置にしばらく停止してから移動するようになってより柔らかな回転動作が可能となる。
【0034】
この際、2個のコイルに相異する比率で電流を認可すれば、該認可された電流の大きさに沿って位置(A)と位置(B)との間の地点に位置するようになって、ほとんど無限の微細な位置制御と非常に柔らかな回転が可能である。
【0035】
さて、図2のような基本的な構成を有する本発明を瞳に適用する方法に対して図5、6、7を参考にして説明するようにする。
【0036】
図5のように作動玩具の左右側の瞳を適切に入れ替ることによって多様な表情を演出することができる。
【0037】
このために、図6のとおり、図2のような本発明の回転部材(4)の上部に、回転部材(4)が0、60、120、180、240、300°の角度で回転した場合に表れるべき絵(5)が描かれた回転板(6)を設置し、下部に2個の磁石(M1、M2)を固定設置して、このような回転板(6)が設置された本発明の回転角度の絶対制御装置を左右側の瞳カバー(7)の内側にそれぞれ設置する。
【0038】
この時、磁石(M1)のN極と磁石(M2)のS極はコイル(1)と対面して相互作用する極性であるので、説明の便宜上、その他側の極性より大きく示している。
【0039】
さて、多様な瞳の表情を演出する方法に対して説明するようにする。
【0040】
例えば、図5の上段右側の一つ目の表情を演出するためには、このような左右側の瞳がそれぞれ位置A(図7の図面記号5−1位置)、D(図7の図面記号5−4位置)にあったら、左右側の瞳のためのコイル(1、2、3)に図4の表を参照してA、D位置に来るように左右側の瞳コイル(1、2、3)に電流を順に認可する。
【0041】
それでは、右側の瞳の開口部(8)に望みの瞳の絵が来るようになって、このような原理が左側にも適用されれば、ついに左右側の瞳の開口部(8、9)を通して図5の右側上段の瞳の絵が見えるようになる。
【0042】
この時、図7で実線で示した瞳(5−1)は開口部(8)を通して露出される瞳を示して、点線で示した瞳など(5−2、5−3、5−4、5−5、5−6)はカバー(7)の内側にあって開口部(8)を通して外部に露出されてはいないが、回転部材(4)を回転させてカバー(7)の開口部(8)を通して露出させることもできるから点線で示したものである。左側に対しても同じである。
【0043】
最終に、目まいがするから左右の瞳がそれぞれ回転し続ける場合を表現するためには、左右側の瞳用コイル(1、2、3)に瞳の回転のための電流を順に認可すれば左右側の瞳の開口部(8、9)を通して絵は相異するが、いろいろな絵が表れ続けるので、目まいがする瞳の表情が演出される。
【0044】
そして、前記ではベースにコイルが固定設置されて回転部材に磁石が設置されると記載したが、反対にベースに磁石が固定設置され、回転部材にコイルが設置される構造も可能である。
【0045】
また、前記では作動玩具の瞳を対象と説明したが、作動玩具の頭を前後左右の一定角度で回転させたり、口を開閉したり、腕を上げ下げする動作も具現することができる。
【0046】
この場合には、このような動作のための回転軸を前記回転部材に結合させればよい。
一方、以上ではそれぞれがN、S極を有する2個の磁石を用いると記載したが、羅針盤のように両端にN極とS極を有する一つの棒磁石の中間に回転軸を挟む穴を開いて磁石を1個だけ用いることも可能である。
【0047】
以上では本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は該実施形態に限定されず、本発明の精神を脱しない範囲において適宜変更して修正できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の出願人が発明した 先出願の従来技術を示す。
【図2】本発明の基本的な構成を示す。
【図3】図2の動作を示す。
【図4】図3で回転位置に回転部材を回転させるためのコイル部の極性を説明する表。
【図5】瞳の多様な表情を示す。
【図6】図2に沿う本発明が作動玩具の瞳に適用されるものを示す。
【図7】図6の瞳が適用された作動玩具の頭部分を示す。
【符号の説明】
【0049】
1〜3 コイル
4 回転部材
5 回転軸
6 回転板
7 瞳カバー
8、9開口部
A〜F 位置
M1 N極
M2 S極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部材の両端に相互の所定距離に離隔するように配置され、それぞれの下部が相互対向する極性を有する磁石と;
それぞれにコイルが巻き取られて、前記磁石の下部のベースに等角度で相互の所定距離に離隔するように固定設置され、電流が認可されれば前記磁石の極性部分を引き寄せる極性が発生されて、3個以上の奇数個のコイル部とを含むことを特徴とする作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。
【請求項2】
ベースに相互の所定距離に離隔するように配置され、それぞれの下部が相互対向する極性を有する磁石と;
それぞれにコイルが巻き取られて、前記磁石の上部の回転部材に等角度で相互の所定距離に離隔するように固定設置され、電流が認可されれば前記磁石の極性部分を引き寄せる極性が発生されて、3個以上の奇数個のコイル部とを含むことを特徴とする作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。
【請求項3】
前記回転角度の絶対位置制御装置の回転角度の精密度は360/(2Xコイル部の数)に定まることを特徴とする請求項1又は2に記載の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。
【請求項4】
電源認可時に望みの位置に回転部材を移動させるために、望みの位置にあたる電流認可のパターンから回転方向に順に((2Xコイル部の数)+1)回程の電流パターンを前記コイル部に認可することを特徴とする請求項1又は2に記載の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。
【請求項5】
前記磁石は2個であり、前記コイル部は3個であることを特徴とする請求項1又は2に記載の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。
【請求項6】
前記コイル部は前記回転部材の回転のために任意の瞬間にただ一つのコイル部だけ電流を認可することを特徴とする請求項1又は2に記載の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。
【請求項7】
前記コイル部は前記回転部材の回転のために任意の瞬間に2個のコイル部に同時に電流を認可することを特徴とする請求項1又は2に記載の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。
【請求項8】
前記2個の電流は、その大きさが同一であることを特徴とする請求項7に記載の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。
【請求項9】
前記2個の電流はその大きさが相異することを特徴とする請求項7に記載の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。
【請求項10】
多様な瞳の絵が円周に沿って描かれており、前記回転部材とともに回転する回転板をもっと含み、該回転部材の回転に沿って回転板の特定の絵のみが開口部を通して露出されるようにすることによって、多様な瞳の動作が具現されることを特徴とする請求項1又は2に記載の作動玩具用回転角度の絶対位置制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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