説明

作業支援装置、および作業支援プログラム

【課題】作業者の習熟に応じて手本となる動画情報を継続的に変更することができる。
【解決手段】手本である第1の一連の作業画像情報が記憶装置に記憶されている。作業支援装置が、(1)一作業区間に関する第2の一連の作業画像情報をカメラから取得する。作業支援装置が、(2)取得した第2の一連の作業画像情報と、手本である第1の一連の作業画像情報と、を比較することにより、第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業が、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業よりも改善されたか否かを判定する。作業支援装置が、第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業が、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業よりも改善されたと判断した場合、(3)判定結果に応じて第1の一連の作業画像情報を第2の一連の作業画像情報に更新する。作業支援装置が、(4)更新結果をディスプレイに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者の作業を支援する作業支援装置、および作業支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から工場の生産現場において、作業者は図面により指示される作業手順にしたがって組立作業を行っている。また、作業者にわかりやすい指示を行うために、あらかじめ組立工程を動画として撮影しておき、組立作業時に該動画をモニタに表示するという方法も知られている(たとえば、下記特許文献1〜3参照。)。動画を用いて作業指示を行うことにより、複雑な作業をわかりやすく作業者に指示することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−166681号公報
【特許文献2】特開2009−37392号公報
【特許文献3】国際公開第2006/016716号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業者が作業に習熟するにつれ、当初に作成した動画情報の作業指示よりも効率の良い組立方法に気付き、作業指示の改善を行うことは、度々起こることである。従来技術では、動画情報の撮影を最初からやり直して動画情報を置き換えるため、どの程度習熟されたら動画情報の撮影をやり直すかが不明確であり、該撮影時に改善された作業を行えるとは限らないという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、作業者の習熟度に応じて手本となる動画情報を継続的に変更することができる作業支援装置、および作業支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一の側面によれば、一作業区間に関する第1の一連の作業画像情報を記憶し、前記一作業区間に関する第2の一連の作業画像情報をカメラから取得し、前記第1の一連の作業画像情報と、取得された第2の一連の作業画像情報と、を比較することにより、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定し、判定結果に応じて、前記第1の一連の作業画像情報を前記第2の一連の作業画像情報に更新し、更新結果を出力する作業支援装置、および作業支援プログラムが提案される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一側面によれば、作業者の習熟度に応じて手本となる動画情報を継続的に変更することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の一の実施例を示す説明図である。
【図2】図2は、作業支援装置のハードウェア例を示すブロック図である。
【図3】図3は、作業支援装置200の機能の一の例を示すブロック図である。
【図4】図4は、作業指示書の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、特徴点の対応例を示す説明図である。
【図6】図6は、実施の形態1にかかる作業支援装置200による作業支援処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図6で示した作業進捗判定処理(ステップS604)の詳細例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図6で示した作業品質判定処理(ステップS605)の詳細例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図6で示した更新判定処理(ステップS606)の詳細な一の例を示すフローチャートである。
【図10】図10は、図6で示した更新判定処理(ステップS606)の詳細な他の例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施の形態3にかかる作業支援装置200による作業支援処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図12】図12は、実施の形態3にかかる作業支援装置200による作業支援処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図13】図13は、作業支援装置200の機能の他の例を示すブロック図である。
【図14】図14は、実施の形態4にかかる作業支援装置200による作業支援処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、複数の作業者で作業指示動画情報を共有している例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる作業支援装置、および作業支援プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の一の実施例を示す説明図である。図1では、一作業区間に関する第1の一連の作業画像情報が記憶装置に記憶されている。たとえば、作業支援装置が、(1)一作業区間に関する第2の一連の作業画像情報をカメラから取得する。たとえば、作業支援装置が、(2)第1の一連の作業画像情報と、取得した第2の一連の作業画像情報と、を比較することにより、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する。
【0011】
たとえば、作業支援装置が、第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業が、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業よりも良くなったと判定した場合、(3)判定結果に応じて第1の一連の作業画像情報を第2の一連の作業画像情報に更新する。たとえば、作業支援装置が、(4)更新結果をディスプレイに出力する。
【0012】
ここでは、第1の一連の作業画像情報が良い作業例である。そのため、第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業が、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業よりも良くなったと判断した場合に第1の一連の作業画像情報を第2の一連の作業画像情報に更新している。たとえば、第1の一連の作業画像情報が悪い作業例であれば、第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業が、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業よりも悪くなったと判断した場合に第1の一連の作業画像情報を第2の一連の作業画像情報に更新してもよい。
【0013】
(作業支援装置のハードウェア例)
図2は、作業支援装置のハードウェア例を示すブロック図である。図2において、作業支援装置200は、カメラ202と、PC201(Personal Computer)と、ディスプレイ203と、マウス204と、を有している。カメラ202と、ディスプレイ203と、マウス204とは、PC201を介して接続されている。
【0014】
ディスプレイ203は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ203は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。カメラ202は、作業者による作業の動画像を撮影する。ここで、動画像は一連の画像情報である。動画像の画像情報ごとに撮影時刻を関連付けてPC201へ送信する。
【0015】
マウス204は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0016】
PC201は、CPU211(Central Processing Unit)と、ROM212(Read‐Only Memory)と、RAM213(Random Access Memory)と、磁気ディスクドライブ214と、磁気ディスク215と、光ディスクドライブ216と、光ディスク217と、I/F218(Interface)と、を有している。また、各部はバス220によってそれぞれ接続されている。
【0017】
ここで、CPU211は、作業支援装置200の全体の制御を司る。ROM212は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM213は、CPU211のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ214は、CPU211の制御にしたがって磁気ディスク215に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク215は、磁気ディスクドライブ214の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0018】
光ディスクドライブ216は、CPU211の制御にしたがって光ディスク217に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク217は、光ディスクドライブ216の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク217に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0019】
I/F218は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク219に接続され、該ネットワーク219を介して他の装置に接続される。そして、I/F218は、ネットワーク219と内部のインタフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F218には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0020】
(作業支援装置200の機能の一の例を示すブロック図)
図3は、作業支援装置200の機能の一の例を示すブロック図である。作業支援装置200は、記憶部301と、取得部302と、算出部303と、判定部304と、更新部305と、出力部306と、を有している。記憶部301は、具体的には、たとえば、RAM213、磁気ディスク215、光ディスク217などの記憶装置である。
【0021】
取得部302〜出力部306は、たとえば、作業支援プログラムにコーディングされている。作業支援プログラムは、ROM212、磁気ディスク215、光ディスク217などの記憶装置に記憶されている。CPU211が、作業支援プログラムを該記憶装置から読み出し、該作業支援プログラムにコーディングされている処理を実行する。これにより、取得部302〜出力部306の処理が実行される。
【0022】
ここで、記憶部301は、一作業区間に関する第1の一連の作業画像情報である作業指示動画情報310と、動き量判定データ311と、作業時間判定データ312と、である。動き量判定データ311は、作業指示動画情報310での動き量321である。作業時間判定データ312は、作業指示動画情報310での作業時間322である。
【0023】
取得部302は、一作業区間に関する第2の一連の作業画像情報である現作業動画情報320をカメラ202から取得する。判定部304は、記憶部301に記憶された作業指示動画情報310と、取得部302により取得された現作業動画情報320と、を比較することにより、作業指示動画情報310の撮影時の作業に対する現作業動画情報320の撮影時の作業の良否を判定する。更新部305は、判定部304による判定結果に応じて、作業指示動画情報310を現作業動画情報320に更新する。出力部306は、更新部305による更新結果を出力する。
【0024】
また、算出部303は、取得部302により取得された現作業動画情報320での動き量321を算出する。判定部304は、算出部303により算出された現作業動画情報320での動き量321が閾値未満であるか否かに基づいて、作業指示動画情報310の撮影時の作業に対する現作業動画情報320の撮影時の作業の良否を判定する。ここでは、たとえば、閾値は、作業指示動画情報310での動き量321や作業指示動画情報310での動き量321に所定計数を掛けた値である。所定計数は、たとえば、1未満の値である。更新部305は、判定部304により現作業動画情報320での動き量321が閾値未満であると判定された場合、作業指示動画情報310を現作業動画情報320に更新する。出力部306は、更新部305による更新結果を出力する。
【0025】
また、取得部302は、現作業動画情報320の作業画像情報ごとの作業時刻を取得する。算出部303は、現作業動画情報320の作業画像情報ごとの作業時刻に基づいて現作業動画情報320の撮影時の作業時間322を算出する。
【0026】
判定部304は、算出部303により算出された現作業動画情報320での作業時間322が所定時間未満であるか否かに基づいて、作業指示動画情報310の撮影時の作業に対する現作業動画情報320の撮影時の作業の良否を判定する。ここでは、たとえば、所定時間が、作業指示動画情報310の撮影時の作業時間322である。または、たとえば、所定時間が、作業指示動画情報310の撮影時の作業時間322に所定係数掛けた値である。
【0027】
更新部305は、判定部304により現作業動画情報320での作業時間322が所定時間未満であると判定された場合、表示可能な一連の作業画像情報を取得された一連の作業画像情報に更新する。出力部306は、更新部305による更新結果を出力する。
【0028】
以上を踏まえて実施の形態1〜3を用いて詳細に説明する。実施の形態1では、作業指示動画情報310の撮影時の作業に対する現作業動画情報320の撮影時の作業の良否を動き量321と作業時間322に基づいて判定する例を示す。
【0029】
実施の形態2では、複数回分の作業指示動画情報310での作業時間322と動き量321によって更新判定するか否かを決定する例を示す。
【0030】
実施の形態3では、作業指示動画情報310の撮影時の作業に対する現作業動画情報320の撮影時の作業の良否判定結果を出力し、作業指示動画情報310を現作業動画情報320に更新するか否かを作業者に決定させる例を示す。
【0031】
(実施の形態1)
図4は、作業指示書の一例を示す説明図である。作業指示書400では、基板の開口部にスペーサを7個挿入させるよう記述されている。作業指示書400には、特に取り付け順序は示されていない。すなわち、取り付け順序により、作業時間322が短くなり、作業者の手間が省ける場合がある。
【0032】
まず、たとえば、CPU211が、作業指示を表示し、作業表示の時刻情報を出力する。たとえば、CPU211が、カメラ202から取得した作業画像情報を作業の時刻情報と共に逐次記録する。つぎに、たとえば、CPU211が、カメラ202から取得した画像を用いて作業の進捗の判定および該判定の時刻の記録を行う。ここでは、ある部品の取り付け開始から完了までの作業を一つの所定の作業区間とし、該所定の作業区間の作業が完了したか否かの判定の詳細について説明する。たとえば、CPU211が、(1)事前に用意された部品取り付け前の基板画像情報と、作業画像情報と、のそれぞれについて特徴点を求める。たとえば、CPU211が、(2)部品取り付け前の基板画像情報と作業画像情報とのそれぞれの特徴点の対応を求める。
【0033】
図5は、特徴点の対応例を示す説明図である。図5では基板画像501の特徴点と作業画像情報502の特徴点とが線で結ばれている。結ばれた特徴点を対応点と称する。たとえば、CPU211が、部品の装着が行われたか否かを判定する(たとえば、「Iryna Skryonyk and David G. Lowe,Scene “Modelling,Recognition and Tracking with Invariant Image Features”」を参照。)。具体的には、たとえば、CPU211が、(3)(2)で求めた対応点の集まりから、部品取り付け前の基板画像501を作業画像情報502へと射影する射影変換行列を求める。たとえば、CPU211が、(4)部品取り付け前の基板画像501中の部品座標から、(3)で求めた射影変換行列を用いて作業画像情報502中の部品座標に変換する。
【0034】
たとえば、CPU211が、(5)部品取り付け後の基板画像に(3)で求めた射影変換行列を掛ける。たとえば、CPU211が、(6)作業画像情報と、(5)の掛け算結果と、(4)で求めた部品領域の画像データの相互相関係数を求める。たとえば、CPU211が、(7)算出した相互相関係数が、閾値以上であれば、部品の装着が行われたと判定する。
【0035】
また、たとえば、CPU211が、作業が組み立て作業の場合、組み立て対象である複数の部品と該組み立て作業に使用される1以上の工具とのうちの少なくともいずれかが表されている画像を撮影する。たとえば、CPU211が、作業指示に対応する工程の作業が完了したことを、画像に基づいて検出してもよい(たとえば、特許文献2を参照。)。
【0036】
たとえば、CPU211が、作業表示の時刻情報と現作業動画情報320の現作業画像情報の時刻情報とに基づいて作業時間322を算出する。現作業動画情報320の現作業画像情報とは、現作業動画情報320を取得時に含まれる作業画像情報のうちの時刻が最新の作業画像情報である。たとえば、CPU211が、取得した現作業画像情報を用いて、所定の作業区間の作業の動き量321を算出する。具体的には、CPU211が、画像中から作業者の手領域を、肌色領域を抽出することにより抽出し、逐次手領域の差分画像を求め、差分画像の総和を動き量321とする(たとえば、特開2007−52609を参照。)。
【0037】
また、手領域に限定せず、たとえば、CPU211が、画像上の人物領域を抽出して動き量321を求めてもよい。また、図示していないが、たとえば、作業者に加速度センサ、ジャイロ、グローブ等の動きを検知するためのセンサを取り付け、CPU211が、該センサから動き量321を求めてもよい。また、図示していないが、たとえば、作業者の視線を検知するためのセンサ(赤外線カメラ202とCPU211等からなる視線検知装置等)を用い、視線の動きの総和を動き量321として使用してもよい。
【0038】
つぎに、たとえば、CPU211が、一作業区間の作業が正常であるか否かを判断する。具体的には、たとえば、CPU211が、一作業区間において部品の取り出しを含む場合に、使用する部品の取り出しが行われたかどうかを、ピッキングセンサを用いることにより判定する。
【0039】
また、たとえば、現作業画像情報の手領域の抽出結果により、CPU211が、あらかじめ決められた基板上の場所を手が通過したことを正常作業の判定条件としてもよい。さらに、CPU211が、あらかじめ決められた基板上の場所に手が一定時間滞在した場合に、作業が正常であると判定してもよい。また、たとえば、CPU211が、部品装着判定をより高解像度な画像を用いて行うことにより、より厳密に行うようにすることもできる。
【0040】
つぎに、たとえば、CPU211が、判定部304の出力と、記憶装置に記憶された更新判定データを用いて、更新判定を行う。ここでは、更新判定データとは、作業指示動画情報310に関する動き量判定データ311や作業時間判定データ312である。
【0041】
具体的には、たとえば、CPU211が、作業時間判定データ312と、動き量判定データ311と、を記憶装置から取得する。具体的には、たとえば、CPU211が、正常作業判定が真、かつ算出した作業時間322が作業時間判定データ312よりも短く、かつ算出した動き量321が動き量判定データ311よりも小さいか否かを判断する。
【0042】
具体的には、たとえば、CPU211が、正常作業判定が真、かつ算出した作業時間322が作業時間判定データ312よりも短く、かつ算出した動き量321が動き量判定データ311よりも小さいと判定した場合、更新判定を真とする。一方、たとえば、CPU211が、正常作業判定が偽、または測定された作業時間322が保持されている作業時間判定データ312よりも長い、または算出した動き量321が動き量判定データ311よりも小さくないと判定した場合、更新判定を偽とする。
【0043】
また、たとえば、CPU211が、作業時間判定データ312および動き量判定データ311のそれぞれに対して係数を掛ける。たとえば、CPU211が、係数が掛けられた作業時間判定データ312と算出した作業時間322を比較し、係数が掛けられた動き量判定データ311と算出した動き量321を比較してもよい。たとえば、作業時間判定データ312に掛ける係数を0.7、動き量判定データ311に掛ける係数を0.7とする。このようにそれぞれ1.0未満とすることで、過去の作業よりも改善の度合いが一定以上大きいときにのみ更新判定を真とすることができる。
【0044】
つぎに、たとえば、CPU211が、更新判定が真の場合、表示開始の時効情報と現作業画像情報の時刻情報に基づき、動画データを切り出す。たとえば、CPU211が、作業指示動画情報310を更新する。たとえば、CPU211が、算出した作業時間322を作業時間判定データ312に更新し、算出した動き量321を動き量判定データ311に更新する。
【0045】
また、動画の切り出しについては判定部304の判定時刻をそのまま用いる他に、切り出しの先端および終端を一定時間延長することにより、作業指示時により見やすい動画を提供してもよい。
【0046】
(実施の形態1にかかる作業支援装置200の作業支援処理手順)
図6は、実施の形態1にかかる作業支援装置200による作業支援処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、作業支援装置200が、N=1とし(ステップS601)、作業Nの作業指示をディスプレイ203に表示し(ステップS602)、表示時刻を出力する(ステップS603)。作業支援装置200が、作業進捗判定処理を実行し(ステップS604)、作業品質判定処理を実行し(ステップS605)、更新判定処理を実行する(ステップS606)。
【0047】
作業支援装置200が、更新判定結果が真か否かを判断し(ステップS607)、更新判定結果が真であると判断した場合(ステップS607:Yes)、算出した作業時間322を作業時間判定データ312とし、算出した動き量321を動き量判定データ311として更新する(ステップS608)。作業支援装置200が、作業指示動画情報310を作業Nでの一連の作業画像情報に更新し(ステップS609)、更新結果をディスプレイ203に表示する(ステップS610)。作業Nでの一連の作業画像情報は、現作業動画情報と同一である。作業支援装置200が、N=N+1とし(ステップS611)、N≧総作業数であるか否かを判断する(ステップS612)。作業支援装置200が、N≧総作業数でないと判断した場合(ステップS612:No)、ステップS602へ戻る。
【0048】
ステップS607において、作業支援装置200が、更新判定結果が真でないと判断した場合(ステップS607:No)、ステップS611へ移行する。ステップS612において、作業支援装置200が、N≧総作業数であると判断した場合(ステップS612:Yes)、一連の処理を終了する。
【0049】
図7は、図6で示した作業進捗判定処理(ステップS604)の詳細例を示すフローチャートである。まず、作業支援装置200が、部品取り付け前の基板画像を取得し(ステップS701)、部品取り付け前の基板画像の特徴点を求める(ステップS702)。作業支援装置200が、現作業画像情報を取得し(ステップS703)、現作業画像情報とのそれぞれについて特徴点を求め(ステップS704)、部品取り付け前の基板画像と現作業画像情報とのそれぞれの特徴点の対応を求める(ステップS705)。
【0050】
作業支援装置200が、求めた対応点の集まりから、部品取り付け前の基板画像を現作業画像情報へと射影する射影変換行列を用いて、現作業画像情報中の部品座標に変換する(ステップS706)。作業支援装置200が、部品取り付け前の基板画像中の部品座標から、求めた射影変換行列を用いて現作業画像情報中の部品座標に変換する(ステップS707)。作業支援装置200が、部品取り付け後の基板画像と射影変換行列とを積算し(ステップS708)、現作業画像情報と、積算後の画像と、現作業画像情報中の部品座標と、に基づいて相互相関係数を算出する(ステップS709)。
【0051】
作業支援装置200が、算出した相互相関係数≧しきい値であるか否かを判断し(ステップS710)、算出した相互相関係数≧しきい値でないと判断した場合(ステップS710:No)、ステップS703に戻る。作業支援装置200が、算出した相互相関係数≧しきい値であると判断した場合(ステップS710:Yes)、部品装着済と判定し(ステップS711)、判定時刻を記録し(ステップS712)、ステップS605へ移行する。
【0052】
図8は、図6で示した作業品質判定処理(ステップS605)の詳細例を示すフローチャートである。まず、作業支援装置200が、作業Nの作業指示時刻と部品装着済の判定時刻とにより作業Nの作業時間322を算出し(ステップS801)、算出した作業時間322を出力する(ステップS802)。作業支援装置200が、作業Nでの一連の作業画像情報から手領域を抽出し(ステップS803)、抽出結果を出力し(ステップS804)、差分画像を算出する(ステップS805)。
【0053】
作業支援装置200が、差分画像の総和を動き量321として算出し(ステップS806)、手領域の抽出結果において、基板上の特定の場所を手が通過したか否かを判断する(ステップS807)。作業支援装置200が、手領域の抽出結果において、基板上の特定の場所を手が通過したと判断した場合(ステップS807:Yes)、真を出力し(ステップS808)、ステップS606へ移行する。作業支援装置200が、手領域の抽出結果において、基板上の特定の場所を手が通過していないと判断した場合(ステップS807:No)、偽を出力し(ステップS809)、ステップS606へ移行する。
【0054】
図9は、図6で示した更新判定処理(ステップS606)の詳細な一の例を示すフローチャートである。まず、作業支援装置200が、正常作業判定が真か否かを判断し(ステップS901)、正常作業判定が真であると判断した場合(ステップS901:Yes)、算出した作業時間322が作業時間判定データ312未満であるか否かを判断する(ステップS902)。
【0055】
作業支援装置200が、算出した作業時間322が作業時間判定データ312未満であると判断した場合(ステップS902:Yes)、算出した動き量321が動き量判定データ311より小さいか否かを判断する(ステップS903)。作業支援装置200が、算出した動き量321が動き量判定データ311より小さいと判断した場合(ステップS903:Yes)、更新判定結果を真とし(ステップS904)、ステップS607へ移行する。
【0056】
ステップS901において、作業支援装置200が、正常作業判定が真でないと判断した場合(ステップS901:No)、更新判定結果を偽とし(ステップS905)、ステップS607へ移行する。ステップS902において、作業支援装置200が、算出した作業時間322が作業時間判定データ312未満でないと判断した場合(ステップS902:No)、ステップS905へ移行する。ステップS903において、作業支援装置200が、算出した動き量321が動き量判定データ311以上であると判断した場合(ステップS903:No)、ステップS905へ移行する。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態2では、現作業動画情報320よりも前に撮影された複数回分の作業動画情報の作業時間や複数回分の作業動画情報での動き量を含めて更新判定するか否かを決定する例を示す。これにより、複数回分の作業時間や複数回分の動き量を判定に用いることで、作業者の習熟が安定したことを判断した後に、作業指示動画情報310を置き換えるようにすることができる。
【0058】
現作業動画情報320よりも前に撮影された複数回分の作業動画情報の作業時間と現作業動画情報320の作業時間については、作業時間蓄積データとして記憶装置に記憶されていることとする。現作業動画情報320よりも前に撮影された複数回分の作業動画情報での動き量と現作業動画情報320の作業時間での動き量については、動き量蓄積データとして記憶装置に記憶されていることとする。現作業動画情報320よりも前に撮影された複数回分の作業動画情報の正常作業判定の判定結果と、現作業動画情報320の正常作業判定の判定結果と、も記憶装置に記憶されていることとする。
【0059】
たとえば、CPU211が、現作業動画情報320よりも前に撮影された複数回分の作業動画情報の正常作業判定の判定結果と、現作業動画情報320の正常作業判定の判定結果と、を記憶装置から取得する。たとえば、CPU211が、作業時間蓄積データと動き量蓄積データを参照し、最新のものから複数回分の作業時間と動き量を取得する。たとえば、3回分などとしてもよい。たとえば、CPU211が、最新のものから3回の正常作業判定が真である場合、取得した3回分の作業時間がすべて作業時間判定データ312未満であり、かつ取得した3回分の動き量がすべて動き量判定データ311より小さいか否かを判断する。
【0060】
たとえば、CPU211が、取得した3回分の作業時間がすべて作業時間判定データ312未満であり、かつ取得した3回分の動き量がすべて動き量判定データ311よりも小さい場合、更新判定を真とする。たとえば、CPU211が、取得した3回分の作業時間のいずれかが作業時間判定データ312以上である、または取得した3回分の動き量のいずれかが動き量判定データ311以上である場合、更新判定を偽とする。
【0061】
また、たとえば、CPU211が、作業時間322蓄積データと動き量321蓄積データを参照し、最新のものから複数回分の作業時間322と動き量321を取得する。そして、たとえば、CPU211が、それぞれの平均値と分散を算出する。たとえば、CPU211が、平均値と更新判定データを比較すると共に、分散が別途設定された閾値よりも小さいときに更新判定を真とし、それ以外は偽とすることによっても、作業品質を判定してもよい。
【0062】
また、たとえば、CPU211が、最新のものから複数回分の作業時間322と動き量321を取得した場合、作業時間322および動き量321を最新のものほど大きくなるように重み付けして、平均値を求めることで、更新を判定してもよい。
【0063】
(実施の形態2にかかる作業支援装置200の作業支援処理手順)
つぎに、実施の形態2にかかる作業支援装置200の作業支援処理手順について詳細に説明する。実施の形態2にかかる作業支援装置200の作業支援処理手順と実施の形態1にかかる作業支援装置200の作業支援処理手順とは、更新判定処理(ステップS606)が異なるため、ここでは、実施の形態2にかかる更新判定処理(ステップS606)について説明する。
【0064】
図10は、図6で示した更新判定処理(ステップS606)の詳細な他の例を示すフローチャートである。まず、作業支援装置200が、作業Nでの作業判定結果と過去2回分の作業判定結果を取得し(ステップS1001)、3回分の作業判定結果がすべて真であるか否かを判断する(ステップS1002)。作業支援装置200が、3回分の作業判定結果がすべて真であると判断した場合(ステップS1002:Yes)、算出した作業時間322と作業Nでの過去2回分の作業時間322を取得する(ステップS1003)。
【0065】
作業支援装置200が、3回分の作業時間322が、作業時間判定データ312未満であるか否かを判断する(ステップS1004)。作業支援装置200が、3回分の作業時間322が、作業時間判定データ312未満であると判断した場合(ステップS1004:Yes)、算出した動き量321と作業Nでの過去2回分の動き量321を取得する(ステップS1005)。作業支援装置200が、3回分の動き量321がすべて動き量判定データ311より小さいか否かを判断する(ステップS1006)。作業支援装置200が、3回分の動き量321がすべて動き量判定データ311より小さいと判断した場合(ステップS1006:Yes)、更新判定結果を真とする(ステップS1007)。
【0066】
ステップS1002において、作業支援装置200が、3回分の作業判定結果のうちいずれかが真でないと判断した場合(ステップS1002:No)、更新判定結果を偽とし(ステップS1008)、ステップS607へ移行する。ステップS1004において、作業支援装置200が、3回分の作業時間322のいずれかが作業時間判定データ312未満でないと判断した場合(ステップS1004:No)、ステップS1008へ移行する。ステップS1006において、作業支援装置200が、3回分の動き量321のいずれかが動き量判定データ311以上であると判断した場合(ステップS1006:No)、ステップS1008へ移行する。
【0067】
(実施の形態3)
実施の形態3では、更新判定結果に応じて作業者に更新するか否かを判断させる例を示す。
【0068】
たとえば、CPU211が更新判定結果をディスプレイ203に表示させ、作業者がマウス204の操作によって更新の可否を指示する。たとえば、CPU211が、更新の可否を受け付けると、算出した作業時間322を作業時間判定データ312とし、算出した動き量321を動き量判定データ311として更新する。たとえば、CPU211が、作業指示動画情報310を作業Nでの一連の作業画像情報に更新する。
【0069】
また、図示していないが、作業支援装置200が押しボタンスイッチを有し、作業者が、該押しボタンスイッチを押下することにより、作業指示動画情報310の更新の可否を指示することとしてもよい。
【0070】
図11および図12は、実施の形態3にかかる作業支援装置200による作業支援処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、作業支援装置200が、N=1とし(ステップS1101)、作業Nの作業指示をディスプレイ203に表示し(ステップS1102)、表示時刻を出力する(ステップS1103)。作業支援装置200が、作業進捗判定処理を実行し(ステップS1104)、作業品質判定処理を実行し(ステップS1105)、更新判定処理を実行する(ステップS1106)。
【0071】
作業支援装置200が、更新判定結果が真か否かを判断し(ステップS1107)、更新判定結果が偽であると判断した場合(ステップS1107:No)、ステップS1115へ移行する。作業支援装置200が、更新判定結果が真であると判断した場合(ステップS1107:Yes)、算出した作業時間322と算出した動き量321と作業Nでの連続する作業画像情報とを関連付けて出力する(ステップS1108)。作業支援装置200が、判定結果をディスプレイ203に表示し(ステップS1109)、作業者からの指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS1110)。
【0072】
作業支援装置200が、作業者からの指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS1110:No)、ステップS1110へ戻る。作業支援装置200が、作業者からの指示を受け付けたと判断した場合(ステップS1110:Yes)、指示が更新を示すか否かを判断する(ステップS1111)。作業支援装置200が、指示が更新を示していないと判断した場合(ステップS1111:No)、ステップ1115へ移行する。
【0073】
作業支援装置200が、指示が更新を示していると判断した場合(ステップS1111:Yes)、算出した作業時間322を作業時間判定データ312とし、算出した動き量321を動き量判定データ311として更新する(ステップS1112)。作業支援装置200が、作業指示動画情報310を作業Nでの一連の作業画像情報に更新し(ステップS1113)、更新結果をディスプレイ203に表示する(ステップS1114)。
作業支援装置200が、N=N+1とし(ステップS1115)、N≧総作業数であるか否かを判断する(ステップS1116)。
【0074】
作業支援装置200が、N≧総作業数でないと判断した場合(ステップS1116:No)、ステップS1102へ戻る。作業支援装置200が、N≧総作業数であると判断した場合(ステップS1116:Yes)、一連の処理を終了する。
【0075】
また、ステップS1104、ステップS1105、ステップS1106は、それぞれステップS604、ステップS605、ステップS606と同一の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0076】
(実施の形態4)
実施の形態4では、骨格の動きを検出し、骨格動きデータ1321に応じて作業指示動画情報を生成する例を示す。
【0077】
(作業支援装置200の機能の他の例を示すブロック図)
図13は、作業支援装置200の機能の他の例を示すブロック図である。作業支援装置200は、記憶部1301と、取得部1302と、検出部1303と、算出部1304と、判定部1305と、生成部1306と、更新部1307と、出力部1308と、を有している。
【0078】
取得部1302〜出力部1308は、たとえば、作業支援プログラムにコーディングされている。作業支援プログラムは、ROM212、磁気ディスク215、光ディスク217などの記憶装置に記憶されている。CPU211が、作業支援プログラムを該記憶装置から読み出し、該作業支援プログラムにコーディングされている処理を実行する。これにより、取得部1302〜出力部1308の処理が実行される。
【0079】
ここで、記憶部1301と、取得部1302と、判定部1305と、出力部1308とは、図3で示した記憶部301と、取得部302と、判定部304と、出力部306と同一処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0080】
検出部1303は、作業者の骨格の動きを検出し、骨格動きデータ1321を生成する。算出部1304は、検出部1303により検出された骨格動きデータ1321に基づいて現作業動画情報320での動き量1322を算出する。生成部1306は、判定部1305による判定結果に応じて、検出部1303により検出された骨格動きデータ1321に基づいて一連の作業画像情報を生成する。更新部1307は、作業指示動画情報1318を、生成部1306により生成された一連の作業画像情報に更新する。
【0081】
図示していないが、作業者に取り付けられたジャイロ、加速度センサが、作業者の骨格の動きを検出する(たとえば、「バーチャルリアリティ学、日本バーチャルリアリティ学会編、3.2章 入力インタフェース」を参照。)。検出された骨格動きデータ1321は、RAM213、磁気ディスク215、光ディスク217などの記憶装置に記憶される。ジャイロ、加速度センサなどを用いる機械式モーションキャプチャの他に、磁気センサを用いる方法、作業画像情報を用いる方法を独立、あるいは組み合わせて使用することもできる。
【0082】
また、実施の形態1で示した動き量1322の算出の他に、たとえば、CPU211が、一定時間内での骨格動き量1322が一定量以上となるときに、該作業が作業指示動画とならないように動き量1322にペナルティとして加算を行ってもよい。作業指示動画内の動きが早すぎると作業者が理解しにくくなる場合があるが、動き量1322が一定量以上であれば、作業指示動画として使用されないようにすることができる。
【0083】
つぎに、たとえば、CPU211が、部品装着済の判定時刻に基づき、検出された骨格動きデータ1321を取得し、人体モデルを駆動することによりCG(Computer Graphic)による作業指示動画情報1318を生成する。視点は作業者から見たもの、横から見たもの、などの任意の視点の作業指示動画情報を生成することができる。
【0084】
また、たとえば、CPU211が、骨格動きデータ1321が一定時間以上、一定の動き量1322以下であるときは一定時間を超える部分の動きデータを削除する。これにより、無駄な時間が削除された作業指示動画情報1318が生成される。
【0085】
また、たとえば、CPU211が、骨格動きデータ1321が一定時間の間に一定の動きを上回る場合、該区間の骨格動きデータ1321を時間軸方向に引き延ばすことができる。これにより、作業指示動画の動きが速すぎて作業者が理解しにくくなることを防止することができる。
【0086】
また、たとえば、CPU211が、検出された骨格動きデータ1321に基づいてポリゴンデータを生成し、3次元である作業指示動画情報1318を生成してもよい。また、たとえば、CPU211が、検出した骨格動きデータ1321をそのまま使用する他に、作業者の手が止まっている箇所を検出し、該箇所を作業指示動画情報1318の作成から除外するといった、冗長部分の削除を行ってもよい。
【0087】
また、3D変換を行うことにより、たとえば、CPU211が、作業指示動画情報1318の作業ステップと作業ステップの間の手の動きが連続するように補完することができる。具体的には、たとえば、CPU211が、対応する骨格を線型に補完する。これにより、スムーズな作業指示動画情報1318を提供することができる。
【0088】
(実施の形態4にかかる作業支援装置200による作業支援処理手順)
図14は、実施の形態4にかかる作業支援装置200による作業支援処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、作業支援装置200が、N=1とし(ステップS1401)、作業Nの作業指示をディスプレイ203に表示し(ステップS1402)、表示時刻を記録する(ステップS1403)。作業支援装置200が、作業進捗判定処理を実行し(ステップS1404)、作業品質判定処理を実行し(ステップS1405)、更新判定処理を実行する(ステップS1406)。
【0089】
作業支援装置200が、更新判定結果が真か否かを判断し(ステップS1407)、更新判定結果が真であると判断した場合(ステップS1407:Yes)、算出した作業時間を作業時間判定データ312とし、算出した動き量1322を動き量判定データ1311として更新する(ステップS1408)。作業支援装置200が、検出された骨格動きデータ1321を取得し(ステップS1409)、人体モデルを駆動することによりCGデータを生成する(ステップS1410)。
【0090】
作業支援装置200が、作業指示動画情報1318を生成したCGデータに更新し(ステップS1411)、N=N+1とし(ステップS1412)、N≧総作業数であるか否かを判断する(ステップS1413)。作業支援装置200が、N≧総作業数でないと判断した場合(ステップS1413:No)、ステップS1402へ戻る。ステップS1407において、更新判定結果が真でないと判断した場合(ステップS1407:No)、ステップS1412へ移行する。ステップS1413において、作業支援装置200が、N≧総作業数であると判断した場合(ステップS1413:Yes)、一連の処理を終了する。
【0091】
また、ステップS1404、ステップS1405、ステップS1406は、それぞれステップS604、ステップS605、ステップS606と同一の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0092】
また、実施の形態1〜4では1作業者のみに着目しているが、複数の作業者で作業指示動画を共有していてもよい。
【0093】
図15は、複数の作業者で作業指示動画情報を共有している例を示す説明図である。図15では、一の作業者の作業場にはPC201_1と、カメラ202_1と、ディスプレイ203_1と、マウス204_1と、が設置されている。他の作業者の作業場にはPC201_2と、カメラ202_2と、ディスプレイ203_2と、マウス204_2と、が設置されている。
【0094】
たとえば、作業指示動画情報310と作業時間判定データ312と動き量判定データ311とをサーバ1500の記憶装置に記憶させ、各作業者の作業場に設置されたPC201_1やPC201_2で上述の実施の形態1〜4に示したような処理を行ってもよい。また、各作業者の作業場に設置されたPC201_1やPC201_2は、撮影された動画像を記憶し、該動画像をサーバ1500へ送信する。そして、サーバ1500が、上述の実施の形態1〜4に示したような処理を行ってもよい。
【0095】
以上説明したように、作業支援装置、および作業支援プログラムによれば、手本となる第1の一連の作業画像情報とカメラから取得された第2の一連の作業画像情報とを比較する。これにより、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する。判定結果に応じて第1の一連の作業画像情報を第2の一連の作業画像情報に更新する。したがって、作業者の習熟度に応じて作業指示動画情報を継続的に変更することができる。さらに、偶発した作業の改善を逃すことなく再現させることができる。
【0096】
また、第2の一連の作業画像情報の動き量が閾値未満であるか否かによって、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する。判定結果に応じて第1の一連の作業画像情報を第2の一連の作業画像情報に更新する。すなわち、作業者の作業量によって、第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業が良いか否かを判定することができる。したがって、作業量の少ない作業手順を見本の作業指示動画情報とすることができる。
【0097】
また、第2の一連の作業画像情報の動き量が第1の一連の作業画像情報の動き量未満であるか否かによって、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する。すなわち、作業者の作業量によって、以前の作業よりも改善が見られたかを判定することができる。したがって、作業量の少ない作業手順を見本の作業指示動画情報とすることができる。
【0098】
また、第2の一連の作業画像情報での動き量が第1の一連の作業画像情報での動き量に所定係数を掛けた値未満であるか否かによって、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する。これにより、以前の作業よりも改善の度合いが一定以上大きいときにのみ更新判定を真とすることができる。したがって、作業量の少ない作業手順を見本の作業指示動画情報とすることができる。
【0099】
また、第2の一連の作業画像情報の作業時間が所定時間未満であるか否かによって、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する。判定結果に応じて第1の一連の作業画像情報を第2の一連の作業画像情報に更新する。すなわち、作業者の作業時間によって、第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業が良いか否かを判定することができる。したがって、作業時間の短い作業手順を見本の作業指示動画情報とすることができる。
【0100】
また、第2の一連の作業画像情報の作業時間が第1の一連の作業画像情報の作業時間未満であるか否かによって、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する。すなわち、作業者の作業量によって、以前の作業よりも改善が見られたかを判定することができる。したがって、作業時間の短い作業手順を見本の作業指示動画情報とすることができる。
【0101】
また、第2の一連の作業画像情報での作業時間が第1の一連の作業画像情報での作業時間に所定係数を掛けた値未満であるか否かによって、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する。これにより、以前の作業よりも改善の度合いが一定以上大きいときにのみ更新判定を真とすることができる。したがって、作業時間の短い作業手順を見本の作業指示動画情報とすることができる。
【0102】
また、手本となる第1の一連の作業画像情報とカメラから取得された第2の一連の作業画像情報とを比較する。さらに、第1の一連の作業画像情報と、第2の一連の作業画像情報での撮影時より前に撮影された第3の一連の作業画像情報とを比較する。これにより、第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業と第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業との良否を判定する。判定結果に応じて第1の一連の作業画像情報を第2の一連の作業画像情報に更新する。したがって、継続して良となっていれば、作業者が作業を習熟していると推測でき、作業を習熟できたころの手順を手本とすることができる。
【0103】
なお、本実施の形態で説明した作業支援方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本作業支援プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本作業支援プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0104】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0105】
(付記1)一作業区間に関する第1の一連の作業画像情報を記憶する記憶部と、
前記一作業区間に関する第2の一連の作業画像情報をカメラから取得する取得部と、
前記記憶部に記憶された第1の一連の作業画像情報と、前記取得部により取得された第2の一連の作業画像情報と、を比較することにより、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に応じて、前記第1の一連の作業画像情報を前記第2の一連の作業画像情報に更新する更新部と、
前記更新部による更新結果を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする作業支援装置。
【0106】
(付記2)前記取得部により取得された第2の一連の作業画像情報での動き量を算出する算出部を備え、
前記判定部は、
前記算出部により算出された前記第2の一連の作業画像情報での動き量が閾値未満であるか否かに基づいて、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定し、
前記更新部は、
前記判定部により前記第2の一連の作業画像情報での動き量が前記閾値未満であると判定された場合、前記第1の一連の作業画像情報を前記第2の一連の作業画像情報に更新し、
前記出力部は、
前記更新部による更新結果を出力することを特徴とする付記1に記載の作業支援装置。
【0107】
(付記3)前記算出部により算出された前記第2の一連の作業画像情報での動き量が前記閾値未満である場合に、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対して前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業が良くなったと判定することを特徴とする付記2に記載の作業支援装置。
【0108】
(付記4)前記閾値が、前記第1の一連の作業画像情報での動き量であることを特徴とする付記2または3に記載の作業支援装置。
【0109】
(付記5)前記閾値が、前記第1の一連の作業画像情報での動き量に所定係数を掛けた値であることを特徴とする付記2または3に記載の作業支援装置。
【0110】
(付記6)作業時間を算出する算出部を備え、
前記取得部は、
前記第2の一連の作業画像情報の作業画像情報ごとの作業時刻を取得し、
前記算出部は、
前記第2の一連の作業画像情報の作業画像情報ごとの作業時刻に基づいて前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業時間を算出し、
前記判定部は、
前記算出部により算出された前記第2の一連の作業画像情報での作業時間が所定時間未満であるか否かに基づいて、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定し、
前記更新部は、
前記判定部により前記第2の一連の作業画像情報での作業時間が前記所定時間未満であると判定された場合、前記表示可能な一連の作業画像情報を前記取得された一連の作業画像情報に更新し、
前記出力部は、
前記更新部による更新結果を出力することを特徴とする付記1に記載の作業支援装置。
【0111】
(付記7)前記算出部により算出された前記第2の一連の作業画像情報での作業時間が所定時間未満である場合に、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対して前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業が良くなったと判定することを特徴とする付記6に記載の作業支援装置。
【0112】
(付記8)前記所定時間が、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業時間であることを特徴とする付記6または7に記載の作業支援装置。
【0113】
(付記9)前記所定時間が、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業時間に所定係数掛けた値であることを特徴とする付記6または7に記載の作業支援装置。
【0114】
(付記10)前記記憶部が、前記第2の一連の作業画像情報よりも前に撮影された前記一作業区間に関する第3の一連の作業画像情報を記憶し、
前記判定部は、前記記憶部に記憶された第1の一連の作業画像情報および前記記憶部に記憶された第3の一連の作業画像情報と、前記取得部により取得された第2の一連の作業画像情報と、を比較することにより、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する、前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業と前記第3の一連の作業画像情報の撮影時の作業との良否を判定し、
前記更新部は、
前記判定部による判定結果に応じて、前記第1の一連の作業画像情報を前記第2の一連の作業画像情報に更新し、
前記出力部は、
前記更新部による更新結果を出力することを特徴とする付記1に記載の作業支援装置。
【0115】
(付記11)前記出力部は、
前記更新部による更新結果をディスプレイに表示することを特徴とする付記1乃至9のいずれか一つに記載の作業支援装置。
【0116】
(付記12)一作業区間に関する第1の一連の作業画像情報を記憶する記憶装置にアクセス可能なコンピュータに、
前記一作業区間に関する第2の一連の作業画像情報をカメラから取得する取得処理と、
前記記憶装置に記憶された第1の一連の作業画像情報と、前記取得処理により取得された第2の一連の作業画像情報と、を比較することにより、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する判定処理と、
前記判定処理による判定結果に応じて、前記第1の一連の作業画像情報を前記第2の一連の作業画像情報に更新する更新処理と、
前記更新処理による更新結果を出力する出力処理と、
を実行させることを特徴とする作業支援プログラム。
【符号の説明】
【0117】
200 作業支援装置
202 カメラ
203 ディスプレイ
301 記憶部
302 取得部
303 算出部
304 判定部
305 更新部
306 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一作業区間に関する第1の一連の作業画像情報を記憶する記憶部と、
前記一作業区間に関する第2の一連の作業画像情報をカメラから取得する取得部と、
前記記憶部に記憶された第1の一連の作業画像情報と、前記取得部により取得された第2の一連の作業画像情報と、を比較することにより、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に応じて、前記第1の一連の作業画像情報を前記第2の一連の作業画像情報に更新する更新部と、
前記更新部による更新結果を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする作業支援装置。
【請求項2】
前記取得部により取得された第2の一連の作業画像情報での動き量を算出する算出部を備え、
前記判定部は、
前記算出部により算出された前記第2の一連の作業画像情報での動き量が閾値未満であるか否かに基づいて、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定し、
前記更新部は、
前記判定部により前記第2の一連の作業画像情報での動き量が前記閾値未満であると判定された場合、前記第1の一連の作業画像情報を前記第2の一連の作業画像情報に更新し、
前記出力部は、
前記更新部による更新結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の作業支援装置。
【請求項3】
作業時間を算出する算出部を備え、
前記取得部は、
前記第2の一連の作業画像情報の作業画像情報ごとの作業時刻を取得し、
前記算出部は、
前記第2の一連の作業画像情報の作業画像情報ごとの作業時刻に基づいて前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業時間を算出し、
前記判定部は、
前記算出部により算出された前記第2の一連の作業画像情報での作業時間が所定時間未満であるか否かに基づいて、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定し、
前記更新部は、
前記判定部により前記第2の一連の作業画像情報での作業時間が前記所定時間未満であると判定された場合、前記表示可能な一連の作業画像情報を前記取得された一連の作業画像情報に更新し、
前記出力部は、
前記更新部による更新結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の作業支援装置。
【請求項4】
前記記憶部が、前記第2の一連の作業画像情報よりも前に撮影された前記一作業区間に関する第3の一連の作業画像情報を記憶し、
前記判定部は、前記記憶部に記憶された第1の一連の作業画像情報および前記記憶部に記憶された第3の一連の作業画像情報と、前記取得部により取得された第2の一連の作業画像情報と、を比較することにより、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する、前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業と前記第3の一連の作業画像情報の撮影時の作業との良否を判定し、
前記更新部は、
前記判定部による判定結果に応じて、前記第1の一連の作業画像情報を前記第2の一連の作業画像情報に更新し、
前記出力部は、
前記更新部による更新結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の作業支援装置。
【請求項5】
一作業区間に関する第1の一連の作業画像情報を記憶する記憶装置にアクセス可能なコンピュータに、
前記一作業区間に関する第2の一連の作業画像情報をカメラから取得する取得処理と、
前記記憶装置に記憶された第1の一連の作業画像情報と、前記取得処理により取得された第2の一連の作業画像情報と、を比較することにより、前記第1の一連の作業画像情報の撮影時の作業に対する前記第2の一連の作業画像情報の撮影時の作業の良否を判定する判定処理と、
前記判定処理による判定結果に応じて、前記第1の一連の作業画像情報を前記第2の一連の作業画像情報に更新する更新処理と、
前記更新処理による更新結果を出力する出力処理と、
を実行させることを特徴とする作業支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−198644(P2012−198644A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61189(P2011−61189)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】