説明

作業機の施工支援システム

【課題】 事前計測によって求めた、GPSと固定軸、作業機方向の位置関係により、刃先データ座標を求め、DFX形式のCAD情報をモニター画面上に表示可能とし、バケット形状を明確に表示した点と、仕上げ作業を効率的に行うためのバケット背面角度と設計仕上げ面との差異角度を計算し、近づけるような誘導方法を採用し、得られた画面上に設計差異とバケット形状を示すことによって、施工効率を向上させる。
【解決手段】 少なくと、作業機のバケット位置・方向検出手段P1、設計地形形状データと作業機位置の表示手段P2、作業機のバケット形状と設計地形形状データの表示手段P3、作業機のバケットを法線直角方向へ誘導する手段P4を備えた作業機の施工支援システムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、作業機による施工支援システムに関し、より詳しくは、作業機、例えばバックホウ等を用いて傾斜面を備えた複雑な地形を施工するに際して、情報化処理(IT)による情報化設計をし、これに基づき作業機の適切な掘削位置を画面表示すると共に、適切な調整位置に誘導しながらその位置で施工できるように支援する、施工支援システムに関するものである。
【0002】
また、作業機械による施工上の一連の工程で得られた作業データを記録・蓄積し、これらの諸データを作業終了後必要に応じていつでも再現し、検証することのできる施工支援システムに関するものである。
【0003】
さらに、作業機の稼動状況を直接的な作業現場において示すに止まるのみならず、データの直接の作業現場と同様のデータを遠隔地において取得し、その作業状況を正確に確認することができ、無人化施工のできる施工支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0004】
1)従来、バケットの現在位置の演算については、特開2001−98585:特許文献1(「先行技術A」と呼ぶ)に記載のように、「バケットの現在位置の演算は図3を参照して3次元位置センサ30、傾斜角度センサ27〜29の検出結果に基づきバケット先端44aの現在位置を演算する処理」(段落番号[0076]に記載のバケットの現在位置の演算)に基づくもので、3次元位置センサを用いて計測する方法が知られている。
【0005】
また先行技術Aではポテンシオメーター、レーザ距離計の記述がされている(段落番号参照)ように、角度センサ27〜29としては、ブーム42、アーム43、バケット44の重力方向に対する傾きを検出する検出器に限ることなく、ポテンショメータなどの任意の角度センサを用いることができ、またレーザ距離計測装置を用いて角度を検出してもよいとされている。
【0006】
2)そして、掘削すべき交線58の位置とバケット44の位置の表示に関し、先行技術Aでは、平面と3次元目標地形との交線の演算オペレータにより操作レバー11を操作し、バケット44の先端44aを、所定の平面内を移動させて掘削作業を実施し、その際、現在のバケット先端44aの位置を通過する平面57を演算する。つぎに予め記憶された3次元目標地形51のデータを読み出し、平面57と目標地形51との交線58を演算し、この交線58に沿ってバケット先端44aを移動させ、現在のバケット下方における現在地形50を3次元目標地形51に掘削する。この場合、3次元目標地形データは、三角形ポリゴン56の集合として表現され、交線58も各三角形ポリゴン56上の線分で表現され、3次元目標地形51を示す交線58の位置とバケット44の位置とが同一の表示画面24a上に表示され、この表示は、油圧ショベル40の走行に伴う移動や車体41の旋回によるバケット44の現在位置の変化に拘らず実施され、複雑な形状の3次元地形をバケット44との位置関係でオペレータに分かりやすく表示するので、オペレータは、この表示画面24aを見ながら、掘削すべき交線58の位置を、バケット44の位置との関係で正確に把握し、操作レバー11を操作することによって現在地形50を目標地形51に精度よく掘削することができるとされている。その際、バケット44と交線58の表示の仕方について、バケット44と交線58との位置関係を3次元的に表示したり、バケット44の幅Wを考慮して表示したり、バケット44を含む作業機47全体を表示したり、さらに、油圧ショベル40全体を表示し、車体41に対する作業機47の現在姿勢を画面24aから認識できるようにしたり、バケット先端44aの動作範囲を表示したり、バケット44の姿勢を一定にしたときの動作範囲61を表示したり、目標地形51を示す交線58のみならず、現在地形50を示す交線、現在地形50の下の土や岩などの状態を併せて表示することができるとされている。そして、現在のバケット44と現在の交線58との逐次変化する相対位置関係をオペレータに提示して掘削作業をガイダンスすることができればよいので、交線58とバケット44との相対的な位置関係を、数値(たとえばバケット先端44aから交線58までの距離)でオペレータに提示したり、また交線58とバケット44との相対的な位置関係を音声により提示することができるとされている(段落番号[0086]〜[0097])。
【0007】
3)従来の表示手段は、先行技術A[0086]〜[0097])に記載されるように、複雑な形状の3次元地形をバケット44との位置関係でオペレータに分かりやすく表示するものであるが、バッケット形状を明確に表示すると共に、仕上げ作業を効率的に行うためのバケット背面角度と設計仕上げ面との差異角度を計算し、両者の角度差をゼロに近づけるように誘導する誘導方法を具体的に開示する技術ではなかった。
【0008】
4)従来、一般の施工現場では、現場内に測量作業で設置される現物大の指標である丁張を設ける必要があり、作業機運転手は、それらの指標を自身の目視によって確認しながら、もしくは、補助作業員の監視によって施工を進めなければならず、別途装置、人手を要するため、煩雑で且つ高価であった。
【0009】
5)出来形管理について、従来は、一般的には、20m程度を測点とし、その断面方向の変化点をレベルとテープを使い測量を行い、基準高さ、法長を記録することにより出来形管理図表に記録を行うものであり、煩雑であった。
【0010】
また、同様の技術として特許第2922832号:特許文献2の請求項2に相当する考え方(以下「先行技術B」という)があり、この先行技術Bは、「地面に対する位置データを出力するGPSアンテナ等の検知手段を、土木機械等の車両に搭載し、この作業車両の所定部分の地上面への接地時の検知手段のデータを収集することにより地上面の地形を測地する測地システムであって、上記作業車両の設置部分をモニターに表示させると共に、同一モニターに測地予定ポイントを表示させたことを特徴とする測地システム」があるが、検出箇所はバケット甲部分平面とし、検出手段をGPS一台と磁気方向センサ又はジャイロコンパスによるものとし、また、測定において遠隔地の監視局のクリックスイッチをONするものとしているので、得られるデータの精度に難点があり、施工精度に制約を受け、この先行技術Bのみでは、出来形管理の作成を行うことはできなかった。
【0011】
6)上記5)と同様、一般的には、20m程度を測点とし、その断面方向の変化点をレベルとテープを使い測定を行い、基準高さ、法長を記録し、出来形管理図表に記録を行う。
【0012】
7)作業機械の施工記録方法は、記録測定意思の下で、作業機作業を監視記録する人間が目視により作業データを記録していく方法、又は搭乗運転手が作業の手を止めデータを記録していく方法が取られる。
【0013】
8)作業状況の把握は、直接現場に行き確認する方法が一般的である。また、現地に設置されたカメラ映像などを通して行われる。
【0014】
また、類似技術として、特開2002−304441公報:特許文献3記載の技術(以下「先行技術C」という。)があるが、この先行技術Cは、作業進捗状況を指定された記録表に表示するものである。
【0015】
しかし、先行技術においては、次のような欠点があった。
【0016】
(1)「先行技術A」では、刃先データ座標を事前計測によって求めることができなかった。このため、作業機による施工をより正確にかつより効率的かつ円滑に遂行する上で問題を残していた。
【0017】
(2)「先行技術A」の三次元座標で与えられた設計データのみで、DFX形式のCAD情報をモニター画面上に表示できるものではなく、その図面上の作業機位置及び検出点を示し、設計と実際の位置関係を示す上で問題を残していた。
【0018】
(3)「先行技術A」では、バッケット形状を表示する上で問題を残し、仕上げ作業を効率的に行う上でも問題を残していた。
【0019】
(4)作業機運転手は、現場内に設けた現物大の指標の丁張を目視又は監視により確認しながら施工を進める必要があるため、丁張の設置に時間費用を要し、作業も煩雑であり、位置合わせ作業を含め効率的な作業を行う上で問題を残していた。
【0020】
(5)作業機を遠隔操作することが要望されていたが、作業機に搭乗の運転手により遠隔地での測定することができず、作業機の遠隔操作上に問題を残していた。
【0021】
(6)従来は、約20mに1断面とし、変化点を確認する測量の作業が必要であり、このための時間と労力から、測定頻度を上げる上で制約され、ましてや肌理の細かい品質管理をすることまで考慮されることはなかった。
【0022】
(7)従来は、作業機械の施工記録方法は、記録測定意思の下で、作業機作業を監視記録する人間が目視にとり作業データを記録していく方法、又は搭乗運転手が作業の手を止めデータを記録していく方法、若しくは、必要とするデータ種類に合わせ目的情報を検出できる計測器機を取り付け、その記録データの分析を行い施工データを整理するなど、記録、情報検索、情報分析及び加工データの整理をする場合に、煩雑な作業、そのための計測器機等を必要とするため、複雑高価な装置となり、問題を残していた。
【0023】
(8)従来は、作業状況の把握が、一般的に直接現場に行き確認する方法、また、現地に設置されたカメラ映像などをとおして行われる方法、その他、類似技術として、作業進捗状況を指定された記録表に表示するもの(特許文献3「先行技術C」)が存在する。しかし、いづれも、作業機の直接的な稼動状況を示すに止まるものであり、データの作業現場と同様のデータを遠隔地において取得し、その作業状況を正確に確認することはできず、無人化施工の要望を満たすものではなかった。
【特許文献1】特開2001−98585号公報
【特許文献2】特許第2922832
【特許文献3】特開2002−304441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
以上の事情に鑑み、本願発明が解決しようとする課題は、その主なものは次のとおりである。
【0025】
1:作業機の位置情報(作業機の座標データと方向角)の算出に関し、従来の3次元位置センサをのみを用いる計測手段を採用していたのに対し、本願発明では、GPSと固定軸、作業機方向の位置関係により、刃先データ座標を事前計測によって求め、事前計測によって求め得たGPSと固定軸、作業機方向の位置関係による刃先データ座標等の諸データを検出・蓄積するシステムに、前記装置を組み合わせることにより可能としたものであり、本願発明によって、本システムに係る種々の構成器機をすべて後付けで装着可能となし、メーカーを問わずあらゆるバックホウに対応可能とするものであり、メーカー機種に囚われない応用範囲の広い組立てを可能にすることである。
【0026】
2:運転手の作業補助として、三次元座標で与えられた設計データの他にCAD形式で与えられる設計データを用いることにより、運転手が確認できるモニター上に平面又は横断に設計情報図を示すと共に、その図面上の作業機位置及び検出点を示し、且つ設計と実際の位置関係を示すことのできるものとし、運転手の作業を容易に、正確に遂行可能にすることである。
【0027】
3:法面仕上げ等精密を要するバックホウの作業において、上記(1)(2)の技術で得られる画面上に設計差異とバケット形状を示すと共に、過掘等を避けるための指示画面や音声情報を提供し、作業の効率化を図り、正確な施工を遂行可能とすることである。
【0028】
4:施工において、従来必要とされた丁張設置作業を省略する、もしくは、丁張設置頻度を少なくし、これによって作業機による施工効率を向上することである。
【0029】
また、作業機施工においては、位置合わせと称する施工法線に直交する位置へ調整する作業が行なわれるが、この作業を簡略化することができ、これにより一層効率的な作業の遂行を可能にすることである。
【0030】
5:出来形の測量作業を省略することを可能とし、一方では出来形管理帳票の作成作業を効率化することである。
【0031】
6:従来において必要であった約20mに1断面とし、変化点を確認する測量の作業を省略すると共に、測定頻度を多くすることで、肌理の細かい品質管理を可能とするとすることである。
【0032】
7:記録測定意思の下で、作業機作業を監視記録する人間が目視により作業データを記録していく人為的な作業機械の施工記録方法を取ることなく、必要とするデータ種類に合わせ目的情報を検出できる計測器機を取り付けることなく、簡単な後付装置の付設によるだけで自動的に作業記録を蓄積可能なシステムを提供することである。
【0033】
8:遠隔地における施工情報を入手可能にすると共に、この情報を基に作業機を遠隔操作する無人化施工を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
そこで、本願発明は、まず第一には、少なくとも(P1)バケット位置・方向角を検出する手段、(P2)設計データと作業機位置を表示する手段、(P3)バケット形状と設計地形データを表示する手段及び(P4)バケットを法面直角方向へ誘導する手段を含む作業機の施工支援システムを提供する。
【0035】
ここで、上記の各手段(P1)(P2)(P3)及び(P4)は、次のような特徴を有するものである。
【0036】
(P1)バックホウにおけるバケット位置・方向角を検出する手段
たとえば、図1(a)に示すように、ブーム角、アーム角、バケット角等の作業機角度検出装置(5,6,7)と、傾斜測定装置4とデータをデジタル化し出力する装置8と2台の絶対位置計測装置(1,2)による出力データを作業機に搭載した演算装置とソフトウェアによりバックホウ所定箇所の座標と作業機の方向を算出する。
【0037】
なお、上記の作業機角度検出装置は角度計の場合も、ストローク計の場合もある。また、絶対位置計測装置について、GPSの場合、トータルステーションの場合、両者の組合せの場合とすることができる。
【0038】
<作業機アームの固定軸及び方向角を検出する>
ここで、たとえば図2(a)に示すように、作業機にGPS又は反射プリズム(以下測定点という)を設置し、この測定点と固定軸座標と検出点を結ぶ線との位置関係を既知とし、測定点を測定することにより、固定軸の座標(X0,Y0,Z0)との方向角(Θh)を検出することができる。
【0039】
<固定軸から検出点座標を検出する>
次に、たとえば図2(b)に示すように、固定軸間長さL1,L2,L3を既知とし、ブーム角、アーム角、バケット角をストロークセンサ又は角時計を用いて検出することができる。これによって、水平とのなす角θv1,θv2,θv3を測定することができる。
【0040】
<作業機の傾きを検出する>
そして、図1(a)に示すように、作業機に傾斜計4を取り付け、これによって、図2(c)に示すような、バックホウの傾き(ピッチ角,ロール角)を検出することができる。
【0041】
<上記データを統合し入力する>
上記によって得られた絶対座標データ、角度要素、及びピッチングデータ、ローリングデータ等の上記センサ情報は、たとえば図1(c)に示すように、作業機に搭載されたコンピュータ8に送信される。GPSからは直接シリアルポートへ入力され、その他の情報は電圧もしくは電流データのアナログデータをAD変換機にてデジタル変換し、カードスロットルから入力される。このようにコンピュータ8において上記諸データが統合して入力される。
【0042】
<演算による作業機方向、指定点座標を検出する>
ここにおいて、作業機方向、指定点座標を検出するため、たとえば先ず、固定軸(X0,Y0,Z0)から、次の数1によって刃先座標(X3,Y3,Z3)を検出することができる。
【0043】
【数1】

【0044】
この場合、座標変換は、ローカル座標系で表わされた座標(x,y,z)を管理座標系(X,Y,Z)で表わすため、次ぎの数2を使って、管理座標系への三次元座標変換を行い、検出する。
【0045】
【数2】

【0046】
(P2)設計データと作業機位置を表示する手段
設計地形データは次の手法によって確保し、作業機位置と共に表示される。
【0047】
<設計データ>
たとえば、設計高さは(X,Y,Z)座標を持つ点によって構成されたサーフェースデータとし、これらはLandXLM等により、たとえば図3(a)に示すように、TIN(不等辺三角形網)もしくは不等辺四角形網で与えられる。
【0048】
<等間隔のメッシュ高さ網に変換>
次いで、たとえば図3(b)に示すように、任意間隔でメッシュを作成し、前記の不等辺三角形網との交点座標の(X,Y,Z)を最小二乗法もしくは他の近似計算により算出する。
【0049】
<作業機方向のデータの重ね合わせ>
その後、等間隔のメッシュ高さ網上に、前記した(P1)の方法で検出した方向角と基準点をもったバックホウ位置を重ね合わせることにより、図3(c)に示すように、設計地形データとバックホウとの関係を検出することができる。また、方向線上の点は任意間隔で計算する機能を有するものとすることができる。
【0050】
<画面表示>
たとえば次の図4に示すように、CAD図上に平面バックホウ位置の表示と断面上の設計高さを表示することにより施工の目安とすることができる。
【0051】
(P3)バケット形状と設計地形データを表示する手段
<バケットデータの入力>
たとえば図5のように、使用するバケットの形状(基準位置Lと長さとバケット傾斜角δ)を入力することにより、プログラム上そのバケット形状を表示することができる。
【0052】
<モニターの表示>
上記(P2)の「設計データと作業機位置を表示する手段」により設計地形形状を示されたものと、(P3)の<バケットデータの入力>により検出されるバケット形状を重ね合わせ表示することができるものとする。
【0053】
また、設計地形勾配とバケット背面角度の差異を検出し、マークイよりバケット表示できると共に、設計地形勾配角にバケット角度が一致するよう誘導できるものとする。
【0054】
また、この誘導方法は、モニター画面上のマークの他、音声でも表示できるものとする。
【0055】
さらに、バケット刃先基準高さと設計高さとの差異をレベルメーターにて表示する。
<マーク及び音声による誘導>
上記にて表示できるマークと音声は、図6を代表例的な表示とすることができるが、表現方法(表示範囲、矢印、音声信号)はそれらの組合せが容易に変更できるものである。
【0056】
(P4)バケットを法面直角方向へ誘導する手段
<設計データ>
設計高さは(X,Y,Z)座標を持つ点によって構成されたサーフェースデータとし、これらは、LandXLM等によりTIN(不等辺三角形網)もしくは不等辺四角形網で与えられている。
【0057】
<サーフェースの検出>
作業機検出点は次の面を選定するものとする。たとえば、図7(a)において(1)―(3)―(8)で囲まれた面とする。
【0058】
<サーフェースの線の検出>
検出面は、座標として(X,Y,Z)が与えられているので、傾きをもった面として捉えられる。そこで、仮定水平面を設け、これに交差させた場合、図7(b)に示すように、線A−A’が考えられる。
【0059】
<差分表示と鉛直方向の誘導>
次いで、図7(c)に示すように、前記の「(3)ハ<サーフェースの線の検出>」で与えられた線A−A’の方向θAとバックホウの方向のなす角θNとの差分が計算できるものとする。さらに、差異は、角度差で計算され、前記「(3)ハ」と同様に、マーク又は音声によって差異がゼロに近づくように誘導することができるものとして構成されている。
【0060】
以上のような、本願の上記第一の発明によれば、
(1)GPSと固定軸、作業機方向の位置関係により、刃先データ座標を事前計測によって求め、事前計測によって求め得たGPSと固定軸、作業機方向の位置関係による刃先データ座標等の諸データを検出・蓄積するシステムを採用し、三次元座標で与えられた設計データの他にCAD形式で与えられる設計データを用い、画面上に設計差異とバケット形状を示すものであるから、作業の効率化を図り、正確な施工を遂行可能であり、指示画面や音声情報の提供により過掘等を回避することができる。
【0061】
本願発明は、上記第一の発明に加えて、(P5)測定により出来形管理図を作成する手段、(P6)作業状況を記録し、出来形管理図を作成する手段、(P7)データを記録する作業状況を再現する手段及び(P8)通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段を適宜組み合わせて付設し、新たな発明を構成することができる。
【0062】
以下、これらの(P5)測定により出来形管理図を作成する手段、(P6)作業状況を記録し、出来形管理図を作成する手段、(P7)データを記録する作業状況を再現する手段及び(P8)通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段について、個別に説明する。
【0063】
(P5)測定により出来形管理図を作成する手段
この手段についての特徴は次の通りである。
【0064】
<測定作業>
たとえば図8(a)に示すように、測定箇所に測定点を押し当て、記録ボタンを押すことで、検出された刃先データ(X,Y,Z)をコンピュータのハードディスク、リムーバ
ブルディスク,フロッピー(登録商標)ディスク等の記録手段に記録できる。このように、測定作業は、測定したい箇所に刃先を押し当て記録ボタンを押すことで、簡単にデータを記録することができる。
【0065】
<データの記録>
データは、たとえば図9に示すような表データ記録表として与えられる。この図9の表に示す諸データは、測定点データとして、変換することができるものである。
【0066】
<データの印字と記録>
記録される項目は、図8(b)に示された項目を記述するものである。
【0067】
(P6)作業状況を記録し、出来形管理図を作成する手段
<記録の蓄積>
施工中のデータは、図9に例示したような記録項目を備えている。これらの記録データはCSV形式で記録される。
【0068】
<データの抽出>
データの抽出は、たとえば図10に示すように、位置原点と刃先データと時間の関係から、仕上げ高さ点を抽出することにより行うことができる。この点は刃先データ(X,Y
,Z)の座標データを有するものとしてある。
【0069】
<区画メッシュを作成>
図11に例示するように、等間隔の管理区画幅を持った上記同様の設計上メッシュ点網を作成する。
【0070】
このとき、上記で抽出したデータを対比することが可能に構成されている。
【0071】
<区画メッシュ網の識別>
上記の抽出データとメッシュ高さ網から、抽出点と設計高さとの対比を行いその差異に応じ、色彩に変化を与え、色彩の変化によって差異の程度を識別する。図12では、仮に下表に示したとおりの識別色とするものを一例として示すものであるが、この表現方法は、容易に変更できるものとすることができる。
【0072】
(P7)データを記録する作業状況を再現する手段
<データの保存>
前述の図9に示した表のとおり、テキストとして記録されたデータは、ハードディスク等リムーバブルメディアに保存可能である。
【0073】
<記録データからの作業の再現>
保存されたデータを、図13のように、コンピュータでのデバックモードにより、作業を再現することが可能である。
【0074】
(a)実施作業の手順等の解析
実際行われた作業が、どの位の時間で、どのように行われたかを再現することにより、作業分析が可能となる。また、オペレータの技量を、夫々のデータを比較することで分析が可能となり、かつ、最適な作業を検討することが可能となる。
【0075】
(b)作業データの歩掛
この場合の作業データとしては、次の項目を確認できるようにするものである。
【0076】
1)作業開始・終了時刻、2)作業における各作業時間・移動段取り時間・掘削作業時間
これらによって、一日の作業状況を把握することが可能となる。
【0077】
(P8)通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段
図14には、通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段が示されている。ここで、次の各手段を備えている。
【0078】
<作業データを記録し、送信情報へ変換する手段>
前記の図9に例示した表データを記録する手段と、同情報をRS232C形式に変換することが可能である送信情報へ変換する手段を備えている。
【0079】
<作業データを送受信する手段>
上記データをRS232C形式に出力するポートとデータを送信する無線機により、上記のデータを送信し、作業機から遠隔地にある無線機にて受信することが可能である。
【0080】
<データを再現する手段>
本ソフトがインストールされたコンピュータにて、上記無線機により受信されたデータを通信ポートから取り込むことで、作業機運転手と同様の施工画面を表示可能である。これにより、作業状況等の管理の他施工に関する管理も可能となる。
【発明の効果】
【0081】
以上のとおりの、本願発明によれば、次のような利点がある。
【0082】
1:本願発明では、事前計測によって求めた、GPSと固定軸、作業機方向の位置関係により、刃先データ座標を求め、作業機の位置情報(作業機の座標データと方向角)の算出に関し、前記装置を組み合わせにより可能としている。そして、本システムの構成機器はすべて後付けで装着可能となっているので、メーカーを問わずあらゆる作業機、バックホウに対しても対応可能である。本願発明ではストロークセンサを用いることも可能である。
【0083】
2:本願発明では、DFX形式のCAD情報をモニター画面上に表示できる点に特徴があり、運転手の作業補助として、三次元座標で与えられた設計データ及びCAD形式で与えられる設計データを用い、運転手が確認できるモニター上に平面又は横断に設計情報図を示すと共に、その図面上の作業機位置及び検出点を示し、設計と実際の位置関係を示すことができる。
【0084】
3:本願発明では、バケット形状を明確に表示することができ、仕上げ作業を効率的に行うためのバケット背面角度と設計仕上げ面との差異角度を計算し、近づけるような誘導方法を採用することができる。
【0085】
また、法面仕上げ等精密を要するバックホウの作業において、作業の効率化を図るため上記(1)(2)の技術で得られる画面上に設計差異とバケット形状を示すと共に、過掘等を避けるための指示画面や音声情報を提供することができる。
【0086】
4:現場内に測量作業で設置される現物大の指標である丁張を設け、作業機運転手は、それらの指標を自身の目視によって確認しながら、もしくは、補助作業員の監視によって施工を進める必要のあった先行技術とは異なり、施工において丁張設置作業を省略する、もしくは、設置頻度を少なくし、施工効率を向上することができ、また、先行技術の作業機施工において必要とされた位置合わせと称する施工法線に直交する位置への調整作業を簡略化し、これによっても効率的な作業を行うことができる。
【0087】
5:「先行技術B」において検出方向をバケット甲部分平面とし、また、検出手段をGPS一台と磁気方向センサ又はジャイロコンパスによるものとし、さらに、測定において遠隔地の監視局のクリックスイッチをONすることで検出しているものに対し、本願発明では検出箇所を刃先点とし、また、GPS二台若しくはトータルステーションとGPSの組合せにより方向角の検出を行い、さらに、作業機に搭乗している運転手でも通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段の採用により、精度の高い施工が実行できると共に遠隔地でも測定が可能となる。また本願発明においては、記録されたデータにより、出来形管理の作成を行えるし、必要に応じて出来形測量作業を省くことが可能となると共に、出来形管理帳票の作成作業を効率化することが可能である。
【0088】
6:従来における、約20mに1断面とし、変化点を確認する測量の作業を省略すると共に、測定頻度を多くすることで、肌理の細かい品質管理が可能となる。
【0089】
7:作業機械の施工記録方法は、記録測定意思の下で、作業機作業を監視記録する人間が目視にとり作業データを記録していく方法、又は搭乗運転手が作業の手を止めデータを記録していく方法など従来のような煩雑な作業を必要とすることなく、容易に作業記録を蓄積可能であり、必要に応じていつでも再現し、これまで終了した作業を後で検証することが可能である。
【0090】
8:この技術は作業機械の直接的な稼動状況を示すものであり、データの作業現場と同様のデータを取得することが出来ることから、作業状況を正確に確認することが出来る。また、遠隔地における施工情報を入手すると共に、作業機を遠隔操作する無人化施工では、この情報を基に施工可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0091】
図1は、本願発明の作業機施工の支援システム装置概要図を示すものである。図1(a)は、センシング情報入力・解析・出力システムSと、RTK−GPSシステムGを形成する2台のGPS及びアンテナ1b,2bを代表的に備えて作業機Wが示される。図1(b)は、RTK−GPSシステムGを説明するための概要図であり、図1(c)は、センシング情報入力・解析・出力システムS、及び施工情報入力再現システムRとの関係を説明するための概要図である。
【0092】
図1(a)において、ブーム5B、アーム6A及びバケット7Bを備えた作業機、バックホウは、ブーム、アーム及びバケットの関節部分にブーム角度計5、アーム角度計6及びバケット角度計7をそれぞれ備え、作業機の前後方向及び横方向を計測する傾斜計4を備え、さらに、第三GPS3の第三アンテナ3bと共にRTK−GPSシステムGを形成するGPSとアンテナ1b,2bが作業機に搭載されて示される。作業機にはまた、後述するセンシング情報入力・解析・出力システムSの第一コンピュータ8を搭載している。
【0093】
図1(b)は、RTK−GPSシステムGの概要を示す。この図1(b)において、2台のGPS装置を備え、第一GPS移動局1(GPS1)は、第一GPS受信機1a、第一アンテナ1b及び無線機12aを含むと共に、第二GPS移動局2(GPS2)は、第二GPS受信機2a、第二アンテナ2b及び無線機12aを含んで、無線機12aを共用し、一方、GPS固定局3は、第三GPS受信機(GPS3)3a、第三アンテナ3b及び 無線機12を含んで構成される。
【0094】
図1(c)は、センシング情報入力・解析・出力システムSと施工情報入力再現システムRによる交信状態を示す図である。
【0095】
ここでセンシング情報入力・解析・出力システムSは、作業機に搭載された第一コンピュータ8には、GPS1及びGPS2から、作業機バケットのブーム、アーム及びバケットの位置を表わす座標データが入力され、他方、ブーム角度計5、アーム角度計6及びバケット角度計7からはAD変換器9を通じて角度要素データが入力され、さらに傾斜計4から、作業機の縦揺れのピッチングデータ及び横揺れのローリングデータが、AD変換器9を介して入力される。
【0096】
第一コンピュータ8内では、内蔵されたソフトによって、入力されたデータを解析して必要なデータを蓄積し、蓄積された所与のデータは呼出に応じて適宜出力可能に蓄積され、遠隔地と送受信可能に送信無線機11aを備えている。
【0097】
一方、施工情報入力再現システムRは第2コンピュータ10を備えると共に、無線機11bを備え、無線機11aとの交信が可能となっている。
【0098】
図1(a)において、センシング情報入力・解析・出力システムSによって、作業機の座標データおよび方向角としての位置情報を処理し、運転手が確認できる設計情報図、その図面上の作業機位置及び検出点を示し、設計と実際の位置関係を示すことができるので、運転手に施工作業を効率的に進めるデータを提供することができる。
【0099】
また、図1(c)においては、RTK−GPSシステムGによって、遠隔地における施工情報を入手可能とし、作業機を遠隔操作する無人化施工では、この情報を基に無人化施工を遂行することができる。
【0100】
施工情報入力再現システムRによれば、保存されたデータを、本ソフトがインストールされているコンピュータでのデバッグモードにより再現し、作業の再現が可能であり、実際行われた作業が、どの位の時間どのように行われたか、実施作業の手順等の解析等の分析を行い、オペレータの技量を、夫々のデータを比較することで分析し、最適な作業を検討することが可能となる。
【0101】
図15は、本願発明の作業機の施工支援システム全体の作業工程に関するフロー図を示す。この図15に示すように、作業機のバケット位置・方向検出手段P1、設計地形形状データと作業機位置の表示手段P2、作業機のバケット形状と設計地形形状データの表示手段P3、作業機のバケットを法線直角方向へ誘導する手段P4、測定点データにより出来形管理図を作成する手段P5、施工中の作業データから出来形管理図を作成する手段P6、データ記録作業状況況を再現する手段P7及び通信により遠隔地で作業画面を表示する手段P8を備えている。
【0102】
上記において、各手段は次の作業を内容とする手段であり、個々に説明をする。
【0103】
<1>作業機のバケット位置・方向検出手段P1は、バケット絶対位置・測定装置(GP1,GP2)による作業機位置、傾斜計(4)及び角度検出装置(5,6,7)による作業機方向をAD変換器9を介して検出する作業機の方向検出作業と、これらの作業機位置信号及び作業機方向信号をコンピュータ8により統合する作業と、統合された信号を演算し作業機の方向・指定点座標を検出する作業を含む手段である。
【0104】
<2>設計地形形状データと作業機位置の表示手段P2は、LandXLM等によりTIN(不等辺三角形網)もしくは不等辺四角形網で与えられ、設計高さが(X,Y,Z)座標を持つ点によって構成されたサーフェースデータを得る作業と、任意間隔でメッシュを作成し、このサーフェースデータとの交点座標の(X,Y,Z)を近似計算により算出してデータを編集する作業と、等間隔のメッシュ高さ網上に、前記<1>の作業で検出した方向角と基準点をもった作業機位置を重ね合わせて統合する作業を含むものである。
【0105】
上記<1><2>のデータを統合することにより、設計地形データと作業機との関係が検出され、また、方向線上の点が任意間隔で計算され、プログラムの稼動により、施工の目安となる平面バックホウ位置の表示と断面上の設計高さがCAD図上に表示される。
【0106】
<3>作業機のバケット形状と設計地形形状データの表示手段P3は、使用するバケットの形状を、プログラム上、バケット基準位置Lと長さとバケット傾斜角δを入力することにより表示するバケット形状表示手段と、このバケット形状表示手段による示されたバケット形状と前記した設計地形形状データと作業機位置の表示手段P2により示された設計地形形状を重ね合わせて表示する手段と、設計地形勾配とバケット背面角度の差異を検出し、マークによりバケット表示し、且つ、設計地形勾配角にバケット角度が一致するよう誘導する手段が組み込んだものである。これにより、バケット形状と設計地形形状の重ね合わせ表示、および設計地形勾配とバケット背面角度の一致誘導を補助するモニター表示がなされる。
【0107】
<4>作業機のバケットを法線直角方向へ誘導する手段P4は、LandXLM等によりTIN(不等辺三角形網)もしくは不等辺四角形網で与えられ、設計高さが(X,Y,Z)座標を持つ点によって構成されたサーフェースデータを得る作業と、作業機検出点を前記サーフェースデータから傾きを持った所定の面を選定する作業と、仮定水平面を設け、前記選定面を交差させた場合の交差線を得る作業と、交差線の方向と作業機の方向とのなす角の差分を計算し、角度差で計算された差異をゼロに近づくように誘導する作業とを含むものである。
【0108】
これにより、施工上の丁張設置作業を省略ないしは、少なくとも減少して、施工効率を向上し、作業機施工における、施工法線に直交する位置へ調整する位置合わせと称する作業を簡略化し、効率的な作業が実施できる。
【0109】
<5>測定点データにより出来形管理図を作成する手段P5は、地形上の測定したい箇所に測定点を押し当てながら、記録ボタンを押すことにより、得られた刃先データ(X,
Y,Z)をコンピュータのハードディスク等(リムーバブルディスク,フロッピー(登録商標)ディスク)に記録する測定作業と、GPSと計算によって得られ、座標(X,Y,Z)の位置原点、作業機の前後及び左右の傾斜及びブーム、アーム並びにバケットの角度に関するセンサーデータ、座標(X,Y,Z)の刃先データと日時の記録項目を備えて与えられ、測定点データとして変換できるデータの記録作業と、測点番号毎の座標(X,Y,Z)、測定日時、座標系の種類を項目として記述する表、及び側点位置を示す線図とこの線図の基準点及び法長に係る、位置、測定値、設計値、差異及び規格値を項目として記述する表にしてデータを記録するデータの印字・記録作業と、前記表によるデータを、出来形管理図を作成する演算装置により測定点データとして変換して出来形管理図を出力する作業とを含むものである。
【0110】
<6>施工中の作業データから出来形管理図を作成する手段P6は、施工中のデータとして、GPSと計算によって得られ、座標(X,Y,Z)の位置原点、作業機の前後及び左右の傾斜及びブーム、アーム並びにバケットの角度に関するセンサーデータ、座標(X,Y,Z)の刃先データと日時の記録項目を備えて与えられたデータを、CSV形式で蓄積する記録・蓄積作業と、データ抽出装置によって、位置原点と刃先データと時間の関係から、刃先データ(X,Y,Z)の座標データを有した仕上げ高さ点を抽出するデータ抽
出作業と、出来形管理図を作成する演算装置により、等間隔の管理区画幅をもった設計上のメッシュ点網を作成し、この設計上のメッシュ点網上にデータ抽出作業で抽出したデータを重ね合わせて対比可能に出来形管理図を出力する作業とを含むものである。
【0111】
<7>データ記録作業状況を再現する手段P7は、施工中の作業データから出来形管理図を作成する手段P6の記録・蓄積作業において、テキストとして記録され、CSV形式で蓄積された、GPSと計算によって得られ、座標(X,Y,Z)の位置原点、作業機の前後及び左右の傾斜及びブーム、アーム並びにバケットの角度に関するセンサーデータ、座標(X,Y,Z)の刃先データと日時の記録項目を備えて与えられた施工中のデータと、コンピュータ内にデバッグモードでインストールされ、保存されたデータにより作業の再現を可能とするソフトを含み、前記ソフトは、作業者データ及び作業開始・終了時刻、作業における各作業時間、移動段取り時間及び掘削作業時間を確認できる再現可能な作業データを項目として具え、夫々のデータを比較できる作業を含んでいる。
【0112】
これによって、実際行われた作業を再現し、実施作業の手順等の解析、オペレータの技量、最適な作業の検討が可能となる。
【0113】
<8>通信により遠隔地で作業画面を表示する手段P8は、施工中の作業データから出来形管理図を作成する手段P6の記録・蓄積作業において、テキストとして記録され、CSV形式で蓄積された、GPSと計算によって得られ、座標(X,Y,Z)の位置原点、作業機の前後及び左右の傾斜及びブーム、アーム並びにバケットの角度に関するセンサーデータ、座標(X,Y,Z)の刃先データと日時の記録項目を備えて与えられた施工中のデータを記録する手段と、記録される施工中のデータをRS232C形式に変換する補助ソフトと、前記データをRS232C形式に出力するポートに接続された無線機11aによりデータを送信し、作業機からの遠隔地にある別途無線機11bにて受信する作業データの送受信手段と、保存されたデータにより作業の再現を可能とするソフトがインストールされ、無線機11bにより通信ポートから受信されたデータを取り込んで、作業機運転手と同様の施工画面を表示可能としたコンピュータとを含んでいる。
【0114】
これにより、作業状況等の管理の他施工に関する管理も可能となる。
【0115】
本願発明の第一の発明は、少なくとも、作業機のバケット位置・方向検出手段P1、設計地形形状データと作業機位置の表示手段P2、作業機のバケット形状と設計地形形状データの表示手段P3及び作業機のバケットを法線直角方向へ誘導する手段P4を含む作業機の施工支援システムである。
【0116】
第一の発明は、事前計測によって求めた、GPSと固定軸、作業機方向の位置関係により、刃先データ座標を求め、DFX形式のCAD情報をモニター画面上に表示可能とし、バケット形状を明確に表示した点と、仕上げ作業を効率的に行うためのバケット背面角度と設計仕上げ面との差異角度を計算し、近づけるような誘導方法を採用し、得られた画面上に設計差異とバケット形状を示すことによって、従来施工において必要であった丁張設置作業を省略し、もしくは、設置頻度を少なくし、施工効率を向上し、従来の課題を解決するものである。
【0117】
本願発明の第二の発明は、第一の発明に、測定点データにより出来形管理図を作成する手段P5を追加したものである。
【0118】
これによれば、作業機に搭乗している運転手でも、遠隔地にでも測定が可能である。また記録されたデータにより、出来形管理の作成を行うことができる。
【0119】
本願発明の第三の発明は、第一の発明に、さらに施工中の作業データから出来形管理図を作成する手段P6を追加したものである。
【0120】
これによれば従来における、約20mに1断面とし、変化点を確認する測量の作業を省略できると共に、測定頻度を多くすることで、肌理の細かい品質管理が可能である。
【0121】
本願発明の第四の発明は、第一の発明に、さらにデータ記録作業状況を再現する手段P7を追加したものである。
【0122】
これによれば、従来のような特殊な作業を必要とせずに、作業記録を蓄積可能である。
【0123】
本願発明の第五の発明は、第一の発明に、さらに通信により遠隔地で作業画面を表示する手段P8を追加したものである。
【0124】
これによれば、作業状況を正確に確認することができ、遠隔地における施工情報を入手し、この情報を基に、作業機を遠隔操作する無人化施工が可能となる。
【0125】
本願発明は、第1の発明を基礎に、追加的に(5)測定により出来形管理図を作成する手段、(6)作業状況を記録し、出来形管理図を作成する手段、(7)データを記録する作業状況を再現する手段及び(8)通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段を適宜組み合わせて付設し、新たな発明を構成するものであるので、組み合わされた各手段(5)ないし(8)に対応した、作用効果を有することになる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】作業機の施工支援システムの全体装置及びその関連装置を示す概要図であり、(a)は、センシング情報入力・解析・出力装置、RTK−GPSシステム装置を備えた作業機を示し(b)は、RTK−GPSシステム装置の概要を説明するための図であり、(c)は、センシング情報入力・解析・出力装置、及び施工情報入力再現システムとの関連を示す概要図である。
【図2】センシング情報入力・解析・出力装置Sの入力データとしての検出データを定義するための図であり、(a)は作業機アームの固定軸と方向角、(b)は固定軸からの検出点座標,(c)作業機の傾きを示す図である。
【図3】設計地形データと作業機位置を表示に際して、使用するデータの形態を示す図で、(a)はLandXLM等により与えられた不等辺三角形網又は不等辺四角形網、(b)は任意間隔でメッシュを作成し,交点座標の近似計算により算出した等間隔メッシュ高さ網に変換した図、(c)は間隔メッシュ高さ網にバックホウ位置を重ねあわせた図を示す。
【図4】CAD図面上にバックホウ位置の表示と断面上の設計高さを表示した図である。
【図5】バケットの形状入力データの基準を示した図である。
【図6】マーク及び音声による誘導方法を例示した図である。
【図7】バケットを法面直角方向へ誘導方法の一部を示すもので、(a)は作業機検出点を選定するときの面の例を示し、(b)は、仮定水平面との交差状態を示す図であり、(c)は、<サーフェースの線の検出>」で与えられた線A−A’の方向θAとバックホウの方向のなす角θNを示す図である。
【図8】測定により出来形管理図を作成する手段を説明するための図で、(a)は測定箇所に測定点を押し当て、記録ボタンを押し記録する状態を示し、(b)は記録される項目を示す図である。
【図9】図は施工中の記録されるデータの内容を示し、(b)は、位置原点と刃先データと時間の関係から、仕上げ高さ点を抽出する状態を示し、cは等間隔の管理区画幅を持ったメッシュ網を示し、dは異にした識別色による判別画面の例を示すものである。
【図10】位置原点と刃先データと時間との関係から仕上げ高さ点を抽出する態様を示した図である。
【図11】設計上のメッシュ点網の作成を例示した図である。
【図12】抽出点と設計高さの差異について色別表示する例を示した図である。
【図13】作業を再現する過程を示す図である。
【図14】通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段を示す図である。
【図15】作業機の施工支援システム全体工程の例を示した作業フロー図である。
【符号の説明】
【0127】
1 第一GPS移動局(GPS1)
1a 第一GPS受信機
1b 第一アンテナ
2 第二GPS移動局(GPS2)
2a 第二GPS受信機
2b 第二アンテナ
3 GPS固定局
3a 第三GPS受信機(GPS3)
3b 第三アンテナ
4 傾斜計
5 ブーム角度計
5B ブーム
6 アーム角度計
6A アーム
7 バケット角度計
7B バケット
8 第一コンピュータ
9 AD変換機
10 第2コンピュータ
11a 無線機,11b 無線機
12a 無線機,12b 無線機
G RTK−GPSシステム
R 施工情報入力再現システム
S センジング情報入力・解析・出力システム
P1 作業機のバケット位置・方向検出手段
P2 設計地形形状データと作業機位置の表示手段
P3 作業機のバケット形状と設計地形形状データの表示手段
P4 作業機のバケットを法線直角方向へ誘導する手段
P5 測定点データにより出来形管理図を作成する手段
P6 施工中の作業データから出来形管理図を作成する手段
P7 データ記録作業状況を再現する手段
P8 通信により遠隔地で作業画面を表示する手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(P1)作業機に搭載され、ブーム角、アーム角、バケット角等の作業機角度検出装置と、傾斜測定装置と、前記作業機角度検出装置及び傾斜測定装置により得られたデータをデジタル化し出力する装置と、2台の絶対位置計測装置と、それらの装置からの出力データにより作業機所定箇所の座標と作業機の方向を算出処理するソフトウェアを内蔵した演算装置とを含む、バケット位置・方向角の検出手段と、
(P2)設計高さを三次元座標に持つ点が不等辺三角形網もしくは不等辺四角形網で与えられたサーフェースデータになるものとした設計データを任意間隔のメッシュに作成し、交点座標(X,Y,Z)の近似計算により算出した等間隔のメッシュ高さ網に変換した等間隔のメッシュ高さ網上に、前記バケット位置・方向角の検出手段により得られた<作業機方向のデータ>の方向角と基準点をもった作業機位置を重ね合わせ、これにより、設計地形データと作業機との関係を検出し、前記作業機に搭載した演算装置のプログラムを用い、CAD図上に平面作業機位置の表示と断面上の設計高さを画面表示するための設計データ及び作業機位置の表示手段と、
(P3)使用するバケット形状の入力によりバケット形状を表示可能とし、上記「設計データ及び作業機位置の表示手段」により示される設計地形形状と、前述のバケットデータ入力により処理されたバケット形状を重ね合わせて表示可能とし、また、設計地形勾配とバケット背面角度の差異を検出し、マークによりバッケット表示できると共に、設計地形勾配角にバケット角度を一致するよう誘導可能として表示できる、バケット形状と及び設計地形データの表示手段と、
(P4)設計高さが(X,Y,Z)座標を持つ点によって構成され、不等辺三角形網もしくは不等辺四角形網で与えられたサーフェースデータを設計データとし、作業機検出点はこのサーフェースを検出しこの面を選定するものとし、サーフェースの線の検出は、検出面が、座標として(X,Y,Z)が与えられ、傾きをもった面として捉えられ、仮定水平面と交差させた場合に得られる線とし、この交差で得られた線の方向θAと作業機の方向のなす角θNとの差分を角度差で計算可能とし、マーク又は音声によって差異がゼロに近づくように誘導可能として差分表示と鉛直方向の誘導可能としたバケットの法面直角方向への誘導手段と、
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項2】
請求項1において、さらに、
(P5)測定箇所に測定点を押し当て、記録ボタンを押すことにより、刃先データ(X,Y,Z)をコンピュータのハードディスク等(リムーバブルディスク,フロッピー(登録商標)ディスク)に記録可能とし、したがって、測定作業は、任意の測定したい箇所に刃先を押し当て記録ボタンを押し、所定箇所のデータを記録させる測定作業と、データは、測定点データとして変換可能に、GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データ、および日時を記録項目とする表6・1データ記録表として与えられるデータの記録作業と、記録は、測点番号、座標、測定日時、座標系の種類、及び測点毎に、その基準点と法長に係る位置、測定値、設計値、差異、規格値を項目として記述するデータの印字と記録作業を含む、測定による出来形管理図の作成手段を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項3】
請求項1において、さらに、
(P6)施工中のデータは、記録項目の内容を、GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データ、および日時としてCSV形式で記録して記録の蓄積処理を可能とし、
位置原点と刃先データと時間の関係から、刃先データ(X,Y,Z)の座標データを有する仕上げ高さ点の抽出を行う<データの抽出処理を可能とし、
設計高さを(X,Y,Z)座標に持つ点が不等辺三角形網もしくは不等辺四角形網で与えられたサーフェースデータになるものとした設計データを、交点座標(X,Y,Z)の近似計算により算出した等間隔のメッシュ高さ網に変換した任意間隔のメッシュに作成することによって、等間隔の管理区画幅を持った設計上のメッシュ点網を作成する区画メッシュの作成処理を可能とし、このとき、前記データの抽出処理で抽出したデータを対比できる対比処理を可能とし、
データの抽出処理で抽出した抽出データとメッシュ高さ網から、抽出点と設計高さとに対比を行いその差異に応じて、色彩処理し、これによって<区画メッシュ網の識別>を可能とした、作業状況を記録し、出来形管理図を作成する手段
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項4】
請求項1において、さらに、
(P7)前述したように、記録項目の内容を、GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データ、および日時としてCSV形式で記録・蓄積したデータは、テキストとして記録され、ハードディスク等リムーバブルメディアに保存可能なデータとして蓄積されるデータの保存処理を可能とし、
保存されたデータは、本ソフトがインストールされているコンピュータでのデバッグモードにより、作業の再現が可能とした記録データからの作業の再現処理可能とし、
実際行われた作業が、どの位の時間どのようにおこなわれたかを再現することにより、実施作業の手順等の分析処理を可能とし、また、夫々のデーターを比較することによりオペレータの技量の解析処理を可能とすると共に、最適な作業の検討を可能とし、その場合の作業データ歩掛において、確認できる項目は、作業開始・終了時刻、作業における各作業時間、移動段取り時間及び掘削作業時間として、これにより一日の作業状況を把握可能としたデータを記録する作業状況を再現する手段
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項5】
請求項1において、さらに、
(P8)前記GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データおよび日時を記録項目の内容とする施工中のデータを記録し、同情報をRS232C形式に変換することが可能である作業データを記録し、送信情報へ変換する処理手段と、
上記データをRS232C形式に出力するポートとデータを送信する無線機により、上記前記GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データおよび日時を記録項目の内容とする施工中のデータを送信し、作業機から遠隔地にある無線機にて受信することが可能である作業データを送受信する処理手段と、
本ソフトがインストールされたコンピュータにて、上記した無線機により受信されたデータを通信ポートから取り込むことで、作業機運転手と同様の施工画面を表示可能であり、これにより、作業状況等の管理の他施工に関する管理も可能とするデータを再現する処理手段とからなる通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項6】
請求項1において、
(P5)測定箇所に測定点を押し当て、記録ボタンを押すことにより、刃先データ(X,Y,Z)をコンピュータのハードディスク等(リムーバブルディスク,フロッピー(登録商標)ディスク)に記録可能とし、したがって、測定作業は、任意の測定したい箇所に刃先を押し当て記録ボタンを押し、所定箇所のデータを記録させる<測定作業>と、データは、測定点データとして変換可能に、GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データ、および日時を記録項目とする表6・1データ記録表として与えられる<データの記録>作業と、記録は、測点番号、座標、測定日時、座標系の種類、及び測点毎に、その基準点と法長に係る位置、測定値、設計値、差異、規格値を項目として記述するデータの印字と記録作業を含んで、測定により出来形管理図を作成する手段
及び、(P6)施工中のデータは、記録項目の内容を、GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データ、および日時としてCSV形式で記録して記録の蓄積処理を可能とし、
位置原点と刃先データと時間の関係から、刃先データ(X,Y,Z)の座標データを有する仕上げ高さ点の抽出を行うデータの抽出処理を可能とし、
設計高さを(X,Y,Z)座標に持つ点が不等辺三角形網もしくは不等辺四角形網で与えられたサーフェースデータになるものとした設計データを、交点座標(X,Y,Z)の近似計算により算出した<等間隔のメッシュ高さ網に変換>した任意間隔のメッシュに作成することによって、等間隔の管理区画幅を持った設計上のメッシュ点網を作成する<区画メッシュの作成>処理を可能とし、このとき、前記データの抽出処理で抽出したデータを対比できる対比処理を可能とし、
データの抽出処理で抽出した抽出データとメッシュ高さ網から、抽出点と設計高さとに対比を行いその差異に応じて、色彩処理し、これによって区画メッシュ網の識別を可能とした、作業状況を記録し、出来形管理図を作成する手段
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項7】
請求項1、2又は6のいずれかにおいて、
(P7)前述したように、記録項目の内容を、GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データ、および日時としてCSV形式で記録・蓄積したデータは、テキストとして記録され、ハードディスク等リムーバブルメディアに保存可能なデータとして蓄積される<データの保存>処理を可能とし、
保存されたデータは、本ソフトがインストールされているコンピュータでのデバッグモードにより、作業の再現が可能とした<記録データからの作業の再現>処理可能とし、
実際行われた作業が、どの位の時間どのようにおこなわれたかを再現することにより、(a)実施作業の手順等の分析処理を可能とし、また、夫々のデーターを比較することによりオペレータの技量の解析処理を可能とすると共に、最適な作業の検討を可能とし、その場合の(b)作業データ歩掛において、
確認できる項目は、1)作業開始・終了時刻、2)作業における各作業時間、移動段取り時間及び掘削作業時間として、これにより一日の作業状況を把握可能としたデータを記録する作業状況を再現する手段
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項8】
請求項1、2又は6のいずれかにおいて、
(P8)前記GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データおよび日時を記録項目の内容とする施工中のデータを記録し、同情報をRS232C形式に変換することが可能である作業データを記録し、送信情報へ変換する処理手段と、
上記データをRS232C形式に出力するポートとデータを送信する無線機により、上記前記GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データおよび日時を記録項目の内容とする施工中のデータを送信し、作業機から遠隔地にある無線機にて受信することが可能である作業データを送受信する処理手段と、
本ソフトがインストールされたコンピュータにて、上記した無線機により受信されたデータを通信ポートから取り込むことで、作業機運転手と同様の施工画面を表示可能であり、これにより、作業状況等の管理の他施工に関する管理も可能とするデータを再現する処理手段とからなる通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項9】
請求項1、2又は6のいずれかにおいて、
(P7)記録項目の内容を、GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データ、および日時としてCSV形式で記録・蓄積したデータは、テキストとして記録され、ハードディスク等リムーバブルメディアに保存可能なデータとして蓄積されるデータの保存処理を可能とし、
保存されたデータは、本ソフトがインストールされているコンピュータでのデバッグモードにより、作業の再現が可能とした記録データからの作業の再現処理可能とし、
実際行われた作業が、どの位の時間どのようにおこなわれたかを再現することにより、(a)実施作業の手順等の分析処理を可能とし、また、夫々のデータを比較することによりオペレータの技量の解析処理を可能とすると共に、最適な作業の検討を可能とし、その場合の(b)作業データ歩掛において、
確認できる項目は、1)作業開始・終了時刻、2)作業における各作業時間、移動段取り時間及び掘削作業時間として、これにより一日の作業状況を把握可能としたデータを記録する作業状況を再現する手段
及び
(P8)前記GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データおよび日時を記録項目の内容とする施工中のデータを記録し、同情報をRS232C形式に変換することが可能である作業データを記録し、送信情報へ変換する処理手段と、
上記データをRS232C形式に出力するポートとデータを送信する無線機により、上記前記GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データおよび日時を記録項目の内容とする施工中のデータを送信し、作業機から遠隔地にある無線機にて受信することが可能である作業データを送受信する処理手段と、
本ソフトがインストールされたコンピュータにて、上記した無線機により受信されたデータを通信ポートから取り込むことで、作業機運転手と同様の施工画面を表示可能であり、これにより、作業状況等の管理の他施工に関する管理も可能とするデータを再現する処理手段とからなる通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項10】
請求項1において、バケット形状と及び設計地形データの表示手段におけるモニター画面上の設計地形勾配角のバケット角度への一致誘導表示方法を、マーク及び音声の両者により表示可能としたことを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項11】
請求項10において、表示できるマークと音声は、表示範囲、矢印、音声信号を組合せて表示可能としたことを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項12】
請求項1において、バケット形状と及び設計地形データの表示手段としてさらに、バケット刃先基準高さと設計高さとの差異をレベルメーターにて表示可能としたことを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項13】
請求項3において、(P7)記録項目の内容を、GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データ、および日時としてCSV形式で記録・蓄積したデータは、テキストとして記録され、ハードディスク等リムーバブルメディアに保存可能なデータとして蓄積されるデータの保存処理を可能とし、
保存されたデータは、本ソフトがインストールされているコンピュータでのデバッグモードにより、作業の再現が可能とした記録データからの作業の再現処理可能とし、
実際行われた作業が、どの位の時間どのようにおこなわれたかを再現することにより、(a)実施作業の手順等の分析処理を可能とし、また、夫々のデータを比較することによりオペレータの技量の解析処理を可能とすると共に、最適な作業の検討を可能とし、その場合の(b)作業データ歩掛において、
確認できる項目は、1)作業開始・終了時刻、2)作業における各作業時間、移動段取り時間及び掘削作業時間として、これにより一日の作業状況を把握可能としたデータを記録する作業状況を再現する手段
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。
【請求項14】
請求項3において、(P7)記録項目の内容を、GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データ、および日時としてCSV形式で記録・蓄積したデータは、テキストとして記録され、ハードディスク等リムーバブルメディアに保存可能なデータとして蓄積されるデータの保存処理を可能とし、
保存されたデータは、本ソフトがインストールされているコンピュータでのデバッグモードにより、作業の再現が可能とした記録データからの作業の再現処理可能とし、
実際行われた作業が、どの位の時間どのようにおこなわれたかを再現することにより、(a)実施作業の手順等の分析処理を可能とし、また、夫々のデータを比較することによりオペレータの技量の解析処理を可能とすると共に、最適な作業の検討を可能とし、その場合の(b)作業データ歩掛において、
確認できる項目は、1)作業開始・終了時刻、2)作業における各作業時間、移動段取り時間及び掘削作業時間として、これにより一日の作業状況を把握可能としたデータを記録する作業状況を再現する手段と、
(P8)前記GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データおよび日時を記録項目の内容とする施工中のデータを記録し、同情報をRS232C形式に変換することが可能である作業データを記録し、送信情報へ変換する処理手段と、
上記データをRS232C形式に出力するポートとデータを送信する無線機により、上記前記GPSと計算によって得られた座標(X,Y,Z)の位置原点と、前後・左右の傾斜とブーム、アーム、バケットの角度をそれぞれ測定したセンサーデータと座標(X,Y,Z)を持つ刃先データおよび日時を記録項目の内容とする施工中のデータを送信し、作業機から遠隔地にある無線機にて受信することが可能である作業データを送受信する処理手段と、
本ソフトがインストールされたコンピュータにて、上記した無線機により受信されたデータを通信ポートから取り込むことで、作業機運転手と同様の施工画面を表示可能であり、これにより、作業状況等の管理の他施工に関する管理も可能とするデータを再現する処理手段とからなる通信により遠隔地で作業状況画面を表示する手段
を包含することを特徴とする作業機の施工支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図15】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−214246(P2006−214246A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31148(P2005−31148)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(593089046)青木あすなろ建設株式会社 (10)
【Fターム(参考)】