説明

作業機械

【課題】作業性を損なわずにブームの回動範囲を拡大させることができる作業機械を提供する。
【解決手段】下部走行体1の上に搭載された上部旋回体2の前端部にアタッチメント3が起伏可能に支持されている。アタッチメント3は、基端部が上部旋回体2に支持されるブーム6と、このブーム6の先端部に支持されるアーム7等とを含む。ブーム6の先端側の部分の上面には、アーム7を油圧によって駆動制御するアームシリンダ11が配設され、ブーム6の基端側の部分の下面には、上部旋回体2側から導出されてアームシリンダ11等に接続される作動油配管13が配設されている。ブーム6の中間部分に、その上面と下面とに貫通する配管経路15が形成されていて、作動油配管13がこの配管経路15を通ってブーム6の上面側に導出されてアームシリンダ11に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械に関し、その中でも特にブーム周りの油圧配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図5、図6に従来の油圧ショベルの一例を示す。この油圧ショベルは比較的小型の機種であり、クローラ式の下部走行体101の上に旋回可能に搭載された上部旋回体102には、運転席103が略中央部に設けられ、運転席103の前部の左右方向略中央部にブーム106やアーム107、バケット108を備えたアタッチメント105が設けられている。このアタッチメント105は、油圧制御されていて、運転席103から左右方向に揺動自在に、そして、前後方向に起伏自在に駆動操作できるようになっている。
【0003】
このようにアタッチメント105を油圧制御するために、ブーム106の基端側の下面にはブームシリンダ110が設けられ、ブーム106の先端側の上面にはアームシリンダ111が設けられ、アーム107の上面にはバケットシリンダ112が設けられていて、ブーム106の周りには、これらに作動油を供給する複数の作動油配管113や作動油ホース114が配設されている。これら複数の作動油配管113等は、ブーム106の基端部を回動可能に支持している上部旋回体102の支持部付近から導出され、ブーム106の上面側をブーム106に沿って延びるように配設され、各シリンダ110,111,112に接続されている。
【0004】
これら作動油配管113等のうち、ブーム106の基端部の付近には作動油ホース114が配設されていて、そこには作動油ホース114をたるませた弛み部114aが設けられている。この弛み部114aは、大きく前方に倒す前傾位置と、後傾させて起立させる起立位置とにブーム106を変位させることで、作動油配管113等へ過度な伸縮負荷が加わらないようにするために設けられている。
【0005】
ところが、このように作動油配管113等を構成すると、ブーム106が起立して弛み部114aが大きく膨らんだときに、作動油ホース114が上部旋回体102の前端部と接触するおそれがあり、接触を避けるためにある程度ブーム106の回動範囲を狭くせざるを得ないという不利がある。
【0006】
そのため、作動油ホースをブームの上面側ではなく、ブームの下面側に配設して、弛み部が上部旋回体に接触するのを防止することが提案されている(特許文献1)。具体的には、上部旋回体の支持部付近から導出した作動油ホースをブームの前方に引き出して、ブームの下面とブームシリンダとの間を通すように配設し、ブームの長さ方向の中間位置で作動油ホースをブームの側方を通して上面側に渡らせた後、各シリンダに接続している。
【特許文献1】特開2003−155758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このように作動油配管等を配設すると、ブームの側方を通る作動油ホースがブームの側方にはみ出すため、作業視野が遮られて作業し難くなるという不利がある。また、そのはみ出した作動油ホースを予期せず作業中に引っ掛かけて破損させてしまうおそれもあり、作業性の面で不利がある。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、作業性を損なわずにブームの回動範囲を拡大させることができる作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、ブームの下面側を通る作動油配管等をブームの中を通して上面側にもっていくようにした。
【0010】
具体的には、本発明は、下部走行体と、この下部走行体の上に搭載される作業機械本体と、この作業機械本体の前端部に起伏可能に支持される作業装置とを備えた作業機械であって、前記作業装置は、基端部が前記作業機械本体に回動可能に支持されるブームと、このブームの先端部に回動可能に支持される作業具部と、を含み、前記ブームの先端側の部分の上面には、前記作業具部を油圧によって駆動制御するシリンダが配設されており、前記ブームの基端側の部分の下面には、前記作業機械本体側から導出されて前記シリンダに接続される作動油配管が配設されており、前記ブームの中間部分に、その上面と下面とに貫通する配管経路が形成されていて、前記作動油配管が、前記配管経路を通って前記ブームの上面側に導出され、前記シリンダに接続されていることを特徴とする。
【0011】
係る構成によれば、まず、作業機械本体側から導出される作動油配管がブームの上面ではなく下面に配設されているので、ブームの基端部付近に位置する作動油配管が作業機械本体の前端部に接触するのを防ぐことができる。そして、ブームの中間部分においてその上下面に貫通する配管経路が形成され、その配管経路を通って作動油配管がブームの下面側から上面側に導出されているので、作動油配管がブームの側方にはみ出さすこと無くブームの上面に設けられたシリンダに接続することができる。したがって、オペレータの前方視野が作動油配管によって妨げられずに済む。作動油配管をブームに密着するように取り付けることができ、不用意に引っ掛けるのを効果的に防ぐことができる。更に、作動油配管の取り付けが簡素になって見栄えも向上する。
【0012】
具体的には、前記ブームが、複数の部材を接合することにより、中間部分に屈曲部位を有する略へ字形状をした断面略矩形の閉断面構造に形成され、基端部から先端部にわたって上面を覆う第1部材と、該第1部材の下面に接合されて前記屈曲部位より先端側の部分を構成する第2部材と、前記第1部材の下面及び前記第2部材に接合されて前記屈曲部位から基端側の部分を構成する第3部材とを有し、前記第2部材と前記第3部材との接合部分を利用して前記配管経路が形成されているものとすることができる。
【0013】
そうすれば、比較的簡単な構成でありながら、ブームの強度を保持して配管経路を容易に形成させることができる。すなわち、第1部材がブームの基端部から先端部にわたって上面を覆うように配設されているので、第1部材によってブーム全体の強度を保持することができる。そして、その下側に第2部材と第3部材とが一体に接合され、これら第2部材と第3部材とが屈曲部位の部分で接合されることで、ブームに加わる負荷が各部材に効率よく分散して、ブーム全体としての強度を向上させることができる。第2部材と第3部材との接合部分を利用して配管経路が形成されているので、これらを接合する時に併せて比較的簡単に配管経路を形成させることができ、生産性に優れる。
【0014】
より具体的には、前記第1部材は、前記接合部分に対応して開口する上側開口部を有し、前記第2部材は、前記第1部材に接合される一対の第2側壁部と、これら第2側壁部に連なって前記第1部材に対向する第2下壁部とを有し、前記第3部材は、前記第1部材に接合される一対の第3側壁部と、これら第3側壁部に連なって前記第1部材に対向する第3下壁部とを有し、前記第2下壁部の前記屈曲部位側の端部に、前記上側開口部に対応するように切欠部が設けられ、該切欠部の周りから前記一対の第2側壁部の間を延びるようにトンネル壁部が設けられていて、前記第2部材の前記屈曲部位側の端部と、前記第3部材の前記第3下壁部の下面とが接合され、前記トンネル壁部が前記第1部材と前記第3下壁部とに接合されて、前記上側開口部と、前記切欠部側に形成される下側開口部とが上下に開口する前記配管経路が構成されているものとすればよい。
【0015】
そうすれば、トンネル壁部を含む第2部材の屈曲部位側の端部と、第3部材の第3下壁部とを接合することで、ブームの屈曲部位が構造的に補強されるため、よりブームの強度を向上させることができる。各部材の接合時には、接合スペースが確保できて比較的容易に接合作業が行えるので、接合作業が安定し、ブームの強度を精度高く確保することができる。また、接合部位に隙間が残らずブーム内に雨水、土砂等が浸入するのを効果的に防止できる点でも有利である。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の作業機械によれば、比較的簡単な構成でありながら、ブームの強度を保持して、作業性を損なわずにブームの回動範囲を拡大させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0018】
図1に本発明を適用した油圧ショベル(作業機械)を示す。この油圧ショベルは、下部走行体1や上部旋回体2(作業機械本体)、アタッチメント3(作業装置)等を備え、図4及び図5に示した油圧ショベルと同様に一般的な油圧ショベルの中では比較的小型な機種である。なお、前後や左右、上下等の方向は、特に言及しない限り図1の状態を基準に説明する。
【0019】
本実施形態の下部走行体1は、一般的なクローラ式のものであり、その前側には排土板を含む排土装置1aが装備されている。上部旋回体2は下部走行体1の上側に旋回可能に搭載されていて、上部旋回体2の上部にはその大部分を占めるように運転室5が設けられている。運転室5の略中央には運転席5aが配設されていて、その周囲に下部走行体1やアタッチメント3を操作するための各種レバー等が配設されている。
【0020】
アタッチメント3は、ブーム6やアーム7、バケット8、連結体9などで構成されており、上部旋回体2の前端部において、油圧によって左右方向に揺動自在に、そして、前後方向に起伏自在に制御可能となっている。
【0021】
詳しくは、上部旋回体2の前端部における左右幅方向の略中央部には、上下方向に対向するように一対の支持フランジ2a,2aが突出形成されており、これら支持フランジ2a,2aに連結体9が支持されていて、連結体9は垂直方向に延びる軸回りに回動可能となっている。
【0022】
連結体9は、その上端部において左右方向に対向するように突出する一対のブームブラケット9a,9aを有しており、これらブームブラケット9a,9aにブーム6の基端部が支持されて、ブーム6が水平方向に延びる軸回りに回動可能となっている。つまり、アタッチメント3と下部走行体1との間に連結体9が介在することにより、アタッチメント3は左右方向に揺動可能に、そして、起伏可能になっている。また、連結体9の前端部には、一対の第1シリンダブラケット9b,9bが突出形成されていて、そこにブーム6を起伏自在に駆動させるブームシリンダ10のシリンダ筒が回動可能に支持されている。
【0023】
ブーム6は、その中間部分に屈曲部位6aを有し、前方に向かって略へ字形状に屈曲する断面略矩形の閉断面構造体に形成されている。その屈曲部位6aの下面側には、一対の第2シリンダブラケット6b,6bが設けられている。これら第2シリンダブラケット6b,6bにブームシリンダ10のシリンダ軸の先端部分が回動可能に支持されていて、ブームシリンダ10は、ブーム6の屈曲部位6aより基端側の下面に沿って延びるように配設されている。このようにブームシリンダ10が配設され、そのシリンダ筒からのシリンダ軸の突出量を変えることによって、ブーム6は起伏自在に制御可能となっている。なお、ブーム6の詳細については別途後述する。
【0024】
連結体9にも、図示はしないが上部旋回体2側に配設されている揺動シリンダが連結されていて、この揺動シリンダによって連結体9を介してブーム6が揺動自在に制御可能となっている。
【0025】
アーム7は、ブーム6の先端部に支持されて水平方向に延びる軸回りに回動可能となっており、アーム7の先端部には同様にバケット8が回動可能に支持されている。このアーム7を回動制御するために、ブーム6の屈曲部位6aよりも先端側の部分の上面にアームシリンダ11が配設されている。このアームシリンダ11は、ブーム6の屈曲部位6aの上面側に設けられた一対の第3シリンダブラケット6c,6cと、アーム7の基端部に設けられた一対の第4シリンダブラケット7a,7aとによってその各端部がそれぞれ回動可能に支持されていて、アームシリンダ11は、ブーム6の屈曲部位6aよりも先端側の上面に沿って延びるように配設されている。
【0026】
また、同様の構成により、アーム7の上面にはバケット8を回動制御するためのバケットシリンダ12が配設されている。
【0027】
そして、これら各シリンダ10,11,12に作動油を供給するために、ブーム6の周りには作動油ホース13aを含む作動油配管13が配設されている。
【0028】
詳しくは、上部旋回体2の前端部に設けられた一対の支持フランジ2a,2aの間から、上部旋回体2に配設されている油圧ポンプ(図示せず)から延びる一群(本実施形態では4本)の作動油配管13が導出されている。下部走行体1から導出された作動油配管13は、連結体9の内部を通ってブーム6の下面側に導出され、ブーム6の下面とブームシリンダ10との間に配設された作動油配管13(主作動油配管13ともいう)の一端に接続されている。下部走行体1から導出されて主作動油配管13に接続される部分は、その大部分が連結体9内に収容される可撓性のある作動油ホース13aとなっており、ブーム6の変位による伸縮負荷を緩和する撓み部を構成している。
【0029】
図2にも示すように、主作動油配管13の他端は、ブーム6の屈曲部位6aに形成された配管経路15を通ってブーム6の上面側に導出され、アームシリンダ11やバケットシリンダ12などに接続されている。したがって、ブーム6の側方にはみ出すこと無く作動油配管13をブーム6に取り付けることができるので、運転席5aに着座してアタッチメント3を操作するオペレータは、前方の作業視野を作動油配管13によって妨げられずに済む。作動油配管13をブーム6に密着するように取り付けることができ、不用意に引っ掛けるのを効果的に防ぐことができる。更に、作動油配管13aの取り付けが簡素になって見栄えも向上する。
【0030】
この配管経路15は、ブーム6の下面と上面との間を貫通する管状の通路であり、ブーム6を所定の複数の部材で構成することにより、ブーム6の強度を保持しながら容易に形成できるように工夫されている。
【0031】
図3に、ブーム6を構成している各部材の概略を表した分解斜視図を示す。同図に示すように、ブーム6は、複数の部材を接合(溶接)することによって形成されている。すなわち、ブーム6は、その基端部から先端部にわたって上面を覆う第1部材31や、この第1部材31の下面に接合されて屈曲部位6aより先端側の部分を構成する第2部材41、第1部材31の下面及び第2部材41に接合されて屈曲部位6aから基端側の部分を構成する第3部材51、上述した第2シリンダブラケット6b、第3シリンダブラケット6cなどで構成されている。
【0032】
具体的には、第1部材31は、中間部分が屈曲して略へ字状に形成された帯板状の鋼材からなり、その屈曲部位の近傍に開口する略矩形の上側開口部32を有している。
【0033】
第2部材41は、断面略コ字状の鋼材からなり、第1部材31の屈曲部位6aよりも先端側の部分に接合される一対の第2側壁部42,42と、これら第2側壁部42,42に連なって第1部材31に対向する第2下壁部43とを有している。この第2下壁部43の屈曲部位6a側の端部には、上側開口部32に対応した略矩形の切欠部45がその端縁を切り欠くように形成されていて、その切欠部45の周りから立ち上がるように断面コ字状のトンネル壁部46が設けられている。トンネル壁部46は、一対の第2側壁部42,42の間をその端縁に沿って延びるように形成されている。
【0034】
第3部材51は、断面略コ字状の鋼材からなり、第1部材31の屈曲部位6aから基端側の部分に接合される一対の第3側壁部52,52と、これら第3側壁部52,52に連なって第1部材31に対向する第3下壁部53とを有している。第3側壁部52の屈曲部位6a側の端部はその屈曲部位6aに合わせて屈曲形成されていて、第3側壁部52は、第1部材31の下面における屈曲部位6aからその基端部にわたる範囲に接合されている。
【0035】
第2部材41の屈曲部位6a側の端部は、第3下壁部53の屈曲部位6a側の下面と接合され、トンネル壁部46も第3下壁部53の下面と接合されている。そして、その接合されたトンネル壁部46の突端側が第1部材31の上側開口部32に接合されることにより、切欠部45側に形成される下側開口部45aと上側開口部32とがブーム6の上下に開口する配管経路15が形成されている。
【0036】
なお、これら部材の接合は、まず、第2部材41と第3部材51とを接合し、その後、第1部材31を接合すれば、第2部材41と第3部材51との接合は第2側壁部42等の間のスペースを利用して接合でき、第1部材31とトンネル壁部46との接合は上側開口部32から接合できるので、簡単に安定して接合することができる。後は、第2シリンダブラケット6bや第3シリンダブラケット6cを適宜接合すればよい。
【0037】
このようにブーム6を構成すれば、第1部材31がブーム6の基端部から先端部にわたって上面を覆うように配設されているので、第1部材31によってブーム6全体の強度を保持することができる。また、その第1部材31の下側に第2部材41と第3部材51とが一体に接合されて、これら第2部材41と第3部材51とがブーム6の屈曲部位6aの部分で接合されているので、ブーム6に加わる負荷が各部材に効率よく分散し、ブーム6全体としての強度が向上するようになっている。トンネル壁部46を含む第2部材41の屈曲部位6a側の端部と、第3部材51の第3下壁部53とが接合されてブーム6の屈曲部位6aが構造的に補強されているので、更にブーム6の強度が向上するものとなっている。
【0038】
以上説明したように、本発明の作業機械によれば、ブームの強度を保持あるいは補強しながら、作業性を損なわずにブームの回動範囲を拡大させることができるようになる。
【0039】
なお、本発明にかかる作業機械は、前記の実施の形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
【0040】
例えば、上記実施形態では作業具部として、アーム7とバケットからなる一般的な構成を示したが、それ以外のものであってもよい。パイプ状の部材をブーム6の上下面に形成した孔に挿通し、その両端部を各孔に接合して配管経路15を形成してあってもよい。
【0041】
また、図4に示すように、トンネル壁部46は第2部材41ではなく、第3部材51に予め接合してあってもよい。
【0042】
具体的には、第2下壁部43の屈曲部位6a側の端部に、上側開口部32に対応するように切欠部45を設ける。そして、第3下壁部53における屈曲部位6a側の端部の下面に、切欠部45と接合可能なトンネル壁部46を第3側壁部52に沿って延びるように設ける。そうして、各部材31,41,51を接合するときに、トンネル壁部46における屈曲部位6a側の一方の端部を第1部材31の上側開口部32に接合し、トンネル壁部46の他方の端部を切欠部45に接合して配管経路15を形成する。
【0043】
上記実施形態のように、第2部材41側にトンネル壁部46が予め接合されている場合には、トンネル壁部46を第3部材51に接合するときに、第2側壁部42が邪魔になって十分に接合できないおそれがあるが、このようにトンネル壁部46を予め第3下壁部53に接合しておけば、確りと接合できるし、トンネル壁部46の両端部を後付けするだけで済む。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態の油圧ショベルの概略側面図である。
【図2】本実施形態の油圧ショベルの要部を示す概略斜視図である。
【図3】ブームの概略分解斜視図である。
【図4】ブームの別形態の概略分解斜視図である。
【図5】従来の油圧ショベルの概略斜視図である。
【図6】従来の油圧ショベルの概略側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 下部走行体
2 上部旋回体(作業機械本体)
3 アタッチメント(作業装置)
5 運転室
6 ブーム
6a 屈曲部位
7 アーム
8 バケット
9 連結体
10 ブームシリンダ
11 アームシリンダ
12 バケットシリンダ
13 作動油配管
15 配管経路
31 第1部材
32 上側開口部
41 第2部材
42 第2側壁部
43 第2下壁部
45 切欠部
45a 下側開口部
46 トンネル壁部
51 第3部材
52 第3側壁部
53 第3下壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、この下部走行体の上に搭載される作業機械本体と、この作業機械本体の前端部に起伏可能に支持される作業装置とを備えた作業機械であって、
前記作業装置は、基端部が前記作業機械本体に回動可能に支持されるブームと、このブームの先端部に回動可能に支持される作業具部と、を含み、
前記ブームの先端側の部分の上面には、前記作業具部を油圧によって駆動制御するシリンダが配設されており、
前記ブームの基端側の部分の下面には、前記作業機械本体側から導出されて前記シリンダに接続される作動油配管が配設されており、
前記ブームの中間部分に、その上面と下面とに貫通する配管経路が形成されていて、前記作動油配管が、前記配管経路を通って前記ブームの上面側に導出され、前記シリンダに接続されていることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械であって、
前記ブームが、複数の部材を接合することにより、中間部分に屈曲部位を有する略へ字形状をした断面略矩形の閉断面構造に形成され、基端部から先端部にわたって上面を覆う第1部材と、該第1部材の下面に接合されて前記屈曲部位より先端側の部分を構成する第2部材と、前記第1部材の下面及び前記第2部材に接合されて前記屈曲部位から基端側の部分を構成する第3部材とを有し、
前記第2部材と前記第3部材との接合部分を利用して前記配管経路が形成されていることを特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項2に記載の作業機械であって、
前記第1部材は、前記接合部分に対応して開口する上側開口部を有し、
前記第2部材は、前記第1部材に接合される一対の第2側壁部と、これら第2側壁部に連なって前記第1部材に対向する第2下壁部とを有し、
前記第3部材は、前記第1部材に接合される一対の第3側壁部と、これら第3側壁部に連なって前記第1部材に対向する第3下壁部とを有し、
前記第2下壁部の前記屈曲部位側の端部に、前記上側開口部に対応するように切欠部が設けられ、該切欠部の周りから前記一対の第2側壁部の間を延びるようにトンネル壁部が設けられていて、
前記第2部材の前記屈曲部位側の端部と、前記第3部材の前記第3下壁部の下面とが接合され、
前記トンネル壁部が前記第1部材と前記第3下壁部とに接合されて、前記上側開口部と、前記切欠部側に形成される下側開口部とが上下に開口する前記配管経路が構成されていることを特徴とする作業機械。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−180650(P2010−180650A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26620(P2009−26620)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】