説明

作業機

【課題】棹部が伸縮自在であると共に作業部が取り替え可能である作業機を提供すること。
【解決手段】回転駆動部2と棹部3と作業部4とを備えた作業機1において、棹部3が、伸縮自在な管体6と、管体6内を回転自在な状態で延びており、管体6と共に伸縮自在である、軸体7と、を備え、伸縮自在であり、軸体7の基端部71Aが、回転駆動部2の出力部20の回転筒部23内にねじ込まれて回転筒部23に連結されており、管体6の先端部62Bが、作業部4の入力部40に、管継手32によって着脱自在に連結されており、軸体7の先端部72Bが、作業部4の入力回転軸42に着脱自在にスプライン連結されており、且つ、管継手32内に固定されたベアリング323に対してスナップリングによって軸方向移動不能に設けられていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯して草刈り等の作業を実行するための作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、回転駆動部から延びた棹部の先端に作業部を備えた作業機が、示されている。この作業機では、回転駆動部で発生した回転力が棹部を通して作業部に伝達され、作業部にて草刈り等の作業が実行される。また、この作業機では、棹部が伸縮自在である。
【特許文献1】実用新案登録第3123389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示されている作業機では、異なる作業を実行するためには、異なる作業機を容易する必要があり、それ故、高い作業費用を要していた。
【0004】
一方、作業部が棹部に対して取り替えできるように取り付けられている作業機が、知られている。しかしながら、そのような作業機では、棹部が伸縮自在ではないので、作業が不便であった。
【0005】
ところで、伸縮自在な棹部に対して、作業部を、単に取り替えできるように取り付けた場合には、棹部の伸縮作動時に、作業部と棹部との連結不良及び/又は回転駆動部と棹部との連結不良が、発生する恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1発明は、回転力を発生させる回転駆動部と、回転力を受けて作業を実行する作業部と、回転駆動部と作業部とを連結するとともに、回転駆動部で発生した回転力を作業部に伝達する、棹部と、を備えた、作業機において、棹部が、伸縮自在な管体と、管体内を回転自在な状態で延びており、管体と共に伸縮自在である、軸体と、を備え、伸縮自在であり、軸体の基端部が、回転駆動部の出力部の回転筒部内にねじ込まれて回転筒部に連結されており、管体の先端部が、作業部の入力部に、管継手によって着脱自在に連結されており、軸体の先端部が、作業部の入力回転軸に着脱自在にスプライン連結されており、且つ、管継手内に固定されたベアリングに対して軸方向移動不能に設けられていることを特徴としている。
【0007】
本願の第2発明は、回転力を発生させる回転駆動部と、回転力を受けて作業を実行する作業部と、回転駆動部と作業部とを連結するとともに、回転駆動部で発生した回転力を作業部に伝達する、フレキシブルシャフト及び棹部と、を備えた、作業機において、フレキシブルシャフトが、撓み自在なライナーチューブと、ライナーチューブ内を回転自在な状態で延びている、撓み自在なインナーシャフトと、を備えており、インナーシャフトの基端部が、回転駆動部で発生した回転力を受けて回転するよう、回転駆動部に連結されており、インナーシャフトの先端部が、インナーシャフトと共に回転するスリーブを備えており、棹部が、伸縮自在な管体と、管体内を回転自在な状態で延びており、管体と共に伸縮自在である、軸体と、を備え、伸縮自在であり、軸体の基端部が、インナーシャフトのスリーブ内に先端側からねじ込まれてスリーブに連結されており、管体の先端部が、作業部の入力部に、管継手によって着脱自在に連結されており、軸体の先端部が、作業部の入力回転軸に着脱自在にスプライン連結されており、且つ、管継手内に固定されたベアリングに対して軸方向移動不能に設けられていることを特徴としている。
【0008】
上記第1発明は、下記の構成(a)、(b)を採用するのが好ましく、上記第2発明は、下記の構成(b)を採用するのが好ましい。
【0009】
(a)管体の基端部が、種々の回転駆動部の出力部の規定寸法の連結孔に内嵌できる径に絞られており、連結孔に内嵌して固定されている。
【0010】
(b)管体が、基端側の外管と、先端側の内管と、からなっており、外管の先端部には、外管に対して内管を固定するためのホルダが設けられており、ホルダには、先端側から、カラーを介して、内管が嵌挿されており、内管は、外管の内径より小さい外径を有しており、先端に、環状樹脂体を有しており、環状樹脂体は、内管の外径より大きく且つ外管に嵌挿でき且つカラーの内径より大きい、外径を、有している。
【発明の効果】
【0011】
上記第1発明又は上記第2発明においては、管体の先端部が、作業部の入力部に、管継手によって着脱自在に連結されており、軸体の先端部が、作業部の入力回転軸に着脱自在にスプライン連結されているので、作業部が棹部の先端部に対して着脱自在となっている。したがって、本発明によれば、棹部が伸縮自在であると共に作業部が取り替え自在であるので、種々の作業を、便利に、しかも安価に、実施することができる。
【0012】
しかも、上記第1発明においては、軸体の基端部が回転筒部内にねじ込まれているので、棹部の伸縮作動時に軸体が回転筒部から抜けるのを防止できる。したがって、本発明によれば、棹部の伸縮作動時に回転駆動部と棹部との連結不良が発生するのを、防止できる。
【0013】
また、上記第2発明においては、軸体の基端部がインナーシャフトのスリーブ内に先端側からねじ込まれているので、棹部の伸縮作動時に軸体がインナーシャフトから外れるのを防止できる。したがって、本発明によれば、棹部の伸縮作動時に、フレキシブルシャフトひいては回転駆動部と、棹部と、の連結不良が、発生するのを、防止できる。
【0014】
更に、上記第1発明又は上記第2発明においては、軸体の先端部が管継手内に固定されたベアリングに対して軸方向移動不能に設けられているので、軸体の先端部と作業部の入力回転軸との連結が解けるのを防止できる。したがって、本発明によれば、棹部の伸縮作動時に作業部と棹部との連結不良が発生するのを、防止できる。
【0015】
上記構成(a)によれば、棹部を種々のメーカーの回転駆動部に容易に取り付けることができる。したがって、種々のメーカーの回転駆動部を用いた作業機を容易に製造できる。
【0016】
上記構成(b)によれば、棹部を縮める作動において、先端の樹脂体が外管に内嵌した状態で先導しながら、内管を外管内に挿入できるので、内管を外管内に円滑に挿入できる。また、内管は、樹脂体がホルダのカラーに基端側から当接するまで伸びることができる。すなわち、樹脂体は、棹部が伸びる際のストッパとして機能する。したがって、棹部を伸ばす作動を、安心して実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1実施形態]
本実施形態は、本願の第1発明に関するものである。図1は、本発明の作業機の全体斜視図である。この作業機1は、肩掛け式の、例えば草刈機である。作業機1は、回転力を発生させる回転駆動部2と、棹部3と、回転力を受けて作業を実行する作業部4と、からなっている。作業機1は、ベルト(図示せず)によって肩に掛けられ、ハンドル5を手にとって使用される。
【0018】
棹部3は、回転駆動部2と作業部4とを連結している。また、棹部3は、回転駆動部2で発生した回転力を作業部4に伝達するよう、構成されている。更に、棹部3は、伸縮自在に構成されている。
【0019】
図2は、伸びた状態の棹部3の断面図である。図3は、縮んだ状態の棹部3の断面図である。図2に示されるように、棹部3は、伸縮自在な管体6と、管体6内を回転自在な状態で延びており、管体6と共に伸縮自在である、軸体7と、を備えている。管体6は、回転駆動部2側すなわち基端側の外管61と、作業部4側すなわち先端側の内管62と、を備えている。内管62の外径は、外管62の内径より小さい。軸体7は、外管61内を回転自在な状態で延びている棒体71と、内管62内を回転自在な状態で延びているパイプ体72と、を備えている。
【0020】
図4は、図2のA部の拡大図であり、回転駆動部2と棹部3との連結構造を示している。回転駆動部2は、出力部20を有するケーシング21内に、クラッチドラム22から突き出した回転筒部23を有している。回転筒部23は、回転駆動部2の回転力を出力する部分である。回転筒部23は、ベアリング24を介してケーシング20内に支持されている。棹部3の棒体71は、断面角形を有しているが、その基端部71Aは断面円形を有している。そして、基端部71Aは、回転筒部23内にねじ込まれている。すなわち、基端部71Aの周面の雄ねじが、回転筒部23の内面の雌ねじに、螺合している。これにより、棒体71が回転筒部23に連結され、したがって、回転駆動部2の回転力は、棒体71に伝達されるようになっている。
【0021】
また、図4に示されるように、外管61の基端部61Aは、種々の回転駆動部2の出力部20の規定寸法の連結孔25に内嵌できる径D1に絞られている。D1は一般的には24mmである。そして、基端部61Aは、連結孔25に内嵌され、ボルト201を締めることにより出力部20に固定されている。
【0022】
これにより、棹部3の基端部3Aは、回転駆動部2に連結されている。
【0023】
図5は、図2のB部の拡大図であり、外管61及び軸体71と、内管62及びパイプ体72と、の連結構造を示している。外管61内には、先端側から、内管62が挿入されている。そして、ホルダ31によって、外管61に対して内管62が固定されるようになっている。これにより、外管61と内管62とが連結されている。ホルダ31は、外管61の先端部61Bから内管62に渡って設けられている。
【0024】
ホルダ31は、外管61を囲む基端部31Aと内管62を囲む先端部31Bとからなっている。そして、基端部31Aは、ボルト311を締めることによって外管61に固着されるようになっており、先端部31Bは、ボルト312を締めることによって、カラー315を介して内管62に固着されるようになっている。内管62は、カラー315に嵌挿されている。ホルダ31は、基端部31Aが外管61に固着され且つ先端部31Bが内管62に固着されることにより、外管61に対して内管62を固定するようになっている。
【0025】
また、図5に示されるように、棒体71とパイプ体72とは、スリーブ73を介して連結されている。具体的には、スリーブ73は、先端部73Bがパイプ体72の基端部72Aに外嵌して固定されており、基端部73Aが角孔730を有している。そして、角孔730には、棒体71が嵌挿している。これにより、棒体71とパイプ体72とが連結されており、したがって、棒体71の回転力は、スリーブ73を介してパイプ体72に伝達されるようになっている。パイプ体72は、内管62内において、2箇所の軸受75によって、回転自在に支持されている。
【0026】
更に、図5に示されるように、内管62の先端には、環状樹脂体63が、内管62に対して軸方向移動不能に、取り付けられている。内管62は、外管61の内径D2より少し小さい外径を有している。樹脂体63は、内管62の外径より大きく且つ外管61に嵌挿でき且つカラー315の内径より大きい、外径を、有している。よって、内管62は、外管61内に嵌入した樹脂体63に先導されながら、外管61内に挿入可能となっている。一方、パイプ体72の内径は、棒体71の外径より大きい。よって、棒体71は、パイプ体72内に挿入可能となっている。したがって、内管62を外管61内に挿入していくと、棒体71がパイプ体72内に挿入されていき、これにより、棹部3は縮んでいく。よって、棹部3は、伸縮可能となっている。
【0027】
図6は、図2のC部の拡大図であり、棹部3と作動部4との連結構造を示している。棹部3と作動部4とは、管継手32によって連結されている。管継手32には、基端側から棹部3の先端部3Bが挿入されており、先端側から作動部4の入力部40が挿入されている。作動部4の入力部40は、入力管41及び入力回転軸42を有している。
【0028】
管継手32は、内管62の先端部62Bを囲む基端部32Aと入力管41の基端部41Aを囲む先端部32Bとからなっている。基端部32Aは、ボルト321を締めることによって内管62に固着されるようになっている。先端部32Bは、ボルト322を締めることによって、及び、ストッパ323を管継手32及び入力管41の貫通孔に通すことによって、入力管41に固着されるようになっている。管継手32は、基端部32Aが内管62に固着され且つ先端部32Bが入力管41に固着されることにより、内管62に対して入力管41を固定するようになっている。
【0029】
また、図6に示されるように、管継手32内には、ベアリング323が固定されている。一方、パイプ体72は、小径の先端部72Bを有しており、先端部72Bと本体72Cとの間には、段部721ができている。パイプ体72の先端部72Bは、ベアリング323を通ってベアリング323より先端側に位置しており、段部721は、ベアリング323に基端側から当接している。ベアリング323の先端側においては、先端部72Bにスナップリング325が取り付けられている。これにより、ベアリング323に対するパイプ体72の軸方向の移動が阻止されている。なお、スナップリング325の代わりに、ネジ等を設けてもよい。また、先端部72Bと入力回転軸42の基端部42Aとは、スリーブ74を介して連結されている。具体的には、スリーブ74の先端部74Bには、入力回転軸42の基端部42Aがねじ込まれており、スリーブ74の基端部74Aには、先端部72Bがスプライン嵌合している。これにより、パイプ体72と入力回転軸42とが連結されており、したがって、パイプ体72の回転力は、スリーブ74を介して入力回転軸42に伝達されるようになっている。入力回転軸42は、入力管41内において回転自在に支持されており、作業を実行する作業体(図示せず)に連結されている。
【0030】
上記構成の作業機1においては、回転駆動部2が作動すると、クラッチドラム22を介して回転筒部23が回転し、それに伴って、棒体71が回転し、それに伴って、スリーブ73が回転し、更に、スリーブ73を介してパイプ体72が回転し、それに伴って、スリーブ74が回転し、更に、スリーブ74を介して入力回転軸42が回転し、それによって、作業体が回転する。すなわち、回転駆動部2の回転力が棹部3を介して作動部4に伝達され、作業が実行される。
【0031】
上記構成の作業機1において、棹部3を縮める場合は、ホルダ31のボルト312を緩めて、外管61に対して内管62を自由な状態とし、ハンドル5を手にして、内管62を外管61内に挿入していく。そして、内管62を外管62内の任意の位置まで挿入した後は、ボルト312を締めて、外管61に対して内管62を固定する。これにより、棹部3は縮んだ状態となる。一方、棹部3を伸ばす場合は、ホルダ31のボルト312を緩めて、外管61に対して内管62を自由な状態とし、ハンドル5を手にして、内管62を外管61内から引き出していく。そして、内管62を外管62内から任意の長さだけ引き出した後は、ボルト312を締めて、外管61に対して内管62を固定する。これにより、棹部3は伸びた状態となる。
【0032】
棹部3の上記のような伸縮作動において、棒体71の基端部71Aは、回転筒部23内にねじ込まれているので、回転筒部23から抜けることはない。したがって、回転駆動部2と棹部3との間に連結不良が生じることはなく、すなわち、回転駆動部2と棹部3との間の回転力の伝達に不具合が生じることはない。また、棹部3の上記のような伸縮作動において、パイプ体72の先端部72Bは、スナップリング325によって軸方向の移動が阻止されているので、スリーブ74から抜けることはない。したがって、棹部3と作動部4との間に連結不良が生じることはなく、すなわち、棹部3と作動部4との間の回転力の伝達に不具合が生じることはない。
【0033】
また、棹部3を上記のように縮める作動において、内管62は、先端の樹脂体63が外管61に内嵌した状態で先導しながら、外管61内に挿入されていくので、外管61内に円滑に挿入されていく。
【0034】
更に、棹部3を上記のように伸ばす作動において、内管62は、樹脂体63がホルダ31のカラー315に基端側から当接するまで伸びることができる。すなわち、樹脂体63は、棹部3が伸びる際のストッパとして機能する。したがって、棹部3を伸ばす作動を、安心して実行できる。
【0035】
また、上記構成の作業機1においては、作業部4を他の作業部4に取り替えることができる。取り替え作業は、次のように行う。すなわち、管継手32のストッパ323を引き抜き、ボルト322を緩め、入力管41を入力回転軸42と共に管継手32から引き出す。これにより、作業部4が棹部3から取り外される。この際、スリーブ74は、パイプ体72の先端部72Bにスプライン嵌合しているので、入力回転軸42と共に、パイプ体72から容易に外れる。そして、他の作業部4のスリーブ74をパイプ体72の先端部72Bにスプライン嵌合させて入力回転軸42とパイプ体72とを連結すると共に、入力管41を管継手32の先端部32B内に挿入し、ボルト322を締めると共にストッパ323を差し込む。これにより、他の作業部4が棹部3に取り付けられる。したがって、作業部4が棹部3に対して取り替えられる。
【0036】
すなわち、上述したように、管継手32によって、作動部4の入力部40の入力管41が、棹部3の内管62の先端部62Bに対して、着脱自在となっており、また、パイプ体72の先端部72Bがスリーブ74にスプライン嵌合していることによって、作動部4の入力部40の入力回転軸42が、棹部3のパイプ体72に対して、着脱自在となっている。したがって、作業部4は、棹部3に対して、着脱自在となっている。例えば、図1に示されるように、作動部4の作業体である切削刃45を、チェーンソー46に取り替えることができる。
【0037】
また、棹部3の外管61の基端部61Aが種々の回転駆動部2の規定寸法の連結孔25に内嵌できる径に絞られているので、上記構成の作業機1を製造する際においては、棹部3を種々のメーカーの回転駆動部2に容易に取り付けることができる。したがって、種々のメーカーの回転駆動部2を用いた作業機1を容易に製造できる。
【0038】
[第2実施形態]
本実施形態は、本願の第2発明に関するものである。図7は、本実施形態の作業機1の全体図である。この作業機1は、背負い式の、例えば草刈機である。本実施形態の作業機1は、回転駆動部2と棹部3との間にフレキシブルシャフト9が設けられている点のみが、第1実施形態とは異なっている。図8は、フレキシブルシャフト9の先端部9Bと棹部3との連結構造を示している。図7及び図8において、第1実施形態の作業機1の各構成要素と同じ要素には、同一符号を付している。
【0039】
図8に示されるように、フレキシブルシャフト9の先端部9Bと棹部3の基端部3Aとは、管継手33によって連結されている。フレキシブルシャフト9は、撓み自在なライナーチューブ91と、ライナーチューブ91内を回転自在な状態で延びている、撓み自在なインナーシャフト92と、を備えている。インナーシャフト92の先端部92Bは、断面角形を有しており、ライナーチューブ91の先端から突き出しており、スリーブ75の基端部75Aに基端側から嵌挿されている。
【0040】
スリーブ75の先端部75Bは、ベアリング331を通っており、ベアリング331に対して、両側からスナップリング332によって、軸方向移動不能に固定されている。スリーブ75の先端部75Bには、棒体71の基端部71Aが先端側からねじ込まれている。
【0041】
ライナーチューブ91の先端部91Bからスリーブ75の基端部75Aまでは、連結管81によって囲まれている。連結管81の基端部81Aは、ライナーチューブ91の先端部91Bを覆う保護チューブ82内に、先端側から嵌入されて、金具をかしめることによって、保護チューブ82に固定されている。連結管81の先端部81Bは、管継手33の基端部33Aに挿入されている。また、連結管81の先端部81Bは、周方向に形成した溝811に、管継手33のピン333を挿し込むことによって、管継手33から軸方向へ抜けないようになっている。したがって、連結管81は、管継手33に対して回転自在となっている。
【0042】
ベアリング331は、管継手33内に固定されている。管継手33の先端部33Bには、棹部3の外管61の基端部61Aが嵌入されている。管継手33は、ボルト334を締めることにより、管継手33に対して外管61を固定するようになっている。
【0043】
フレキシブルシャフト9の基端部9Aと回転駆動部2との連結は、次のようになっている。すなわち、ライナーチューブ91の基端部は、例えば図4に示されるような回転駆動部2の出力部20の連結孔25に嵌入されて、ボルト201を締めることによって、回転駆動部2に固定されている。また、インナーシャフト92の基端部は、回転駆動部2で発生した回転力を受けて回転するよう、回転駆動部2に連結されている。具体的には、インナーシャフト92の基端部は、例えば図4に示されるような回転駆動部2の出力部20の回転筒部23内にねじ込まれている。
【0044】
その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0045】
上記構成の作業機1においては、図5〜図8に示されるように、回転駆動部2が作動すると、フレキシブルシャフト9のインナーシャフト92が回転し、それに伴って、スリーブ75が回転し、更に、スリーブ75を介して棒体71が回転し、それに伴って、スリーブ73が回転し、更に、スリーブ73を介してパイプ体72が回転し、それに伴って、スリーブ74が回転し、更に、スリーブ74を介して入力回転軸42が回転し、それによって、作業体が回転する。すなわち、回転駆動部2の回転力がフレキシブルシャフト9及び棹部3を介して作動部4に伝達され、作業が実行される。
【0046】
本実施形態の作業機1において、棹部3の伸縮作動は、第1実施形態の場合と同様に行う。そして、本実施形態の作業機1の棹部3の伸縮作動において、棒体71の基端部71Aは、スリーブ75内にねじ込まれているので、スリーブ75から抜けることはない。したがって、フレキシブルシャフト9と棹部3との間に連結不良が生じることはなく、すなわち、フレキシブルシャフト9と棹部3との間の回転力の伝達に不具合が生じることはない。なお、本実施形態の作業機1のその他の作用効果は、第1実施形態の場合と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の作業機は、棹部が伸縮自在であると共に作業部が取り替え可能であるので、産業上の利用価値が大である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態の作業機の全体斜視図である。
【図2】伸びた状態の棹部の断面図である。
【図3】縮んだ状態の棹部の断面図である。
【図4】図2の一部拡大図である。
【図5】図2の一部拡大図である。
【図6】図2の一部拡大図である。
【図7】本発明の第2実施形態の作業機の全体図である。
【図8】図7の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 作業機 2 回転駆動部 20 出力部 23 回転筒部 25 連結孔 3 棹部 32 管継手 323 ベアリング 4 作業部 40 入力部 42 入力回転軸 6 管体 61 内管 62 外管 62B (外管の)先端部 63 樹脂体 7 軸体 71A (軸体の)基端部 72B (パイプ体の)先端部 75 スリーブ 9 フレキシブルシャフト 91 ライナーチューブ 92 インナーシャフト 92A (インナーシャフトの)基端部 92B (インナーシャフトの)先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転力を発生させる回転駆動部と、
回転力を受けて作業を実行する作業部と、
回転駆動部と作業部とを連結するとともに、回転駆動部で発生した回転力を作業部に伝達する、棹部と、を備えた、作業機において、
棹部が、伸縮自在な管体と、管体内を回転自在な状態で延びており、管体と共に伸縮自在である、軸体と、を備え、伸縮自在であり、
軸体の基端部が、回転駆動部の出力部の回転筒部内にねじ込まれて回転筒部に連結されており、
管体の先端部が、作業部の入力部に、管継手によって着脱自在に連結されており、
軸体の先端部が、作業部の入力回転軸に着脱自在にスプライン連結されており、且つ、管継手内に固定されたベアリングに対して軸方向移動不能に設けられていることを特徴とする作業機。
【請求項2】
回転力を発生させる回転駆動部と、
回転力を受けて作業を実行する作業部と、
回転駆動部と作業部とを連結するとともに、回転駆動部で発生した回転力を作業部に伝達する、フレキシブルシャフト及び棹部と、を備えた、作業機において、
フレキシブルシャフトが、撓み自在なライナーチューブと、ライナーチューブ内を回転自在な状態で延びている、撓み自在なインナーシャフトと、を備えており、
インナーシャフトの基端部が、回転駆動部で発生した回転力を受けて回転するよう、回転駆動部に連結されており、インナーシャフトの先端部が、インナーシャフトと共に回転するスリーブを備えており、
棹部が、伸縮自在な管体と、管体内を回転自在な状態で延びており、管体と共に伸縮自在である、軸体と、を備え、伸縮自在であり、
軸体の基端部が、インナーシャフトのスリーブ内に先端側からねじ込まれてスリーブに連結されており、
管体の先端部が、作業部の入力部に、管継手によって着脱自在に連結されており、
軸体の先端部が、作業部の入力回転軸に着脱自在にスプライン連結されており、且つ、管継手内に固定されたベアリングに対して軸方向移動不能に設けられていることを特徴とする作業機。
【請求項3】
管体の基端部が、種々の回転駆動部の出力部の規定寸法の連結孔に内嵌できる径に絞られており、連結孔に内嵌して固定されている、請求項1記載の作業機。
【請求項4】
管体が、基端側の外管と、先端側の内管と、からなっており、
外管の先端部には、外管に対して内管を固定するためのホルダが設けられており、
ホルダには、先端側から、カラーを介して、内管が嵌挿されており、
内管は、外管の内径より小さい外径を有しており、先端に、環状樹脂体を有しており、
環状樹脂体は、内管の外径より大きく且つ外管に嵌挿でき且つカラーの内径より大きい、外径を、有している、請求項1又は2に記載の作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−82028(P2009−82028A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253408(P2007−253408)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(392010924)株式会社大成モナック (5)
【Fターム(参考)】