作用領域で磁性粒子に影響を及ぼす及び/又は磁性粒子を検出する構成及び方法
作用領域において磁性粒子に影響を及ぼす及び/又は該磁性粒子を検出する構成について開示している。その構成は、低磁界強度を有する第1副ゾーン及び高磁界強度を有する第2副ゾーンが作用領域において形成されるような、磁界強度の空間におけるパターンを有する選択磁界を生成する選択手段と、磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、駆動磁界により作用領域における第1副ゾーン及び第2副ゾーンの空間における位置を変化させる駆動手段と、信号を取得する受信手段であって、信号は作用領域における磁化に依存し、磁化は、第1副ゾーン及び第2副ゾーンの空間における位置の変化により影響される、受信手段と、を有する構成であり、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段は少なくとも一部がリッツ線/撚線を有する、構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作用領域において磁性粒子に影響を与える及び/又は磁性粒子を検出する構成に関する。更に、本発明は、作用領域における磁性粒子に影響を与える及び/又は磁性粒子を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種類の構成及び方法については、独国特許第10151778A1号明細書に記載されている。その特許文献に記載されている方法の場合、先ず、相対的に低い磁界強度を有する第1副ゾーン及び相対的に高い磁界強度を有する第2副ゾーンが検査ゾーンにおいて形成されるように、磁界強度の空間分布を有する磁界が生成される。検査ゾーンにおける副ゾーンの空間における位置は、その場合、ずらされ、それ故、検査ゾーンにおける粒子の磁化は局所的に変化する。検査ゾーンにおける磁化に依存する信号が記録され、その磁化は、副ゾーンの空間における位置のずれにより影響され、検査ゾーンにおける磁性粒子の空間分布に関する情報がそれらの信号から抽出され、それ故、検査ゾーンについての画像が生成されることが可能である。そのような構成及びそのような方法は、非破壊方式で及び何れかの損傷をもたらすことなく、並びに高空間分解能を有して、検査オブジェクトの表面に近接して及びその表面から離れて、任意の検査オブジェクトを検査するように用いられることが可能である有利点を有する。
【0003】
この種類の既知の構成は、磁界又は磁界成分を生成するように用いられるコイル並びに/若しくは変化する磁界を検出するように用いられるコイルが、特にそれらのコイルが比較的小さい信号対雑音比を示す点で満足できないという不利点を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許第10151778A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、冒頭で説明した種類の構成及び方法であって、磁界生成手段の品質及び/又は磁界検出手段の品質が改善された、構成及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、作用領域において磁性粒子に影響する及び/又は磁性粒子を検出する構成であって、その構成が、低い磁界強度を有する第1副ゾーン及びより高い磁界強度を有する第2副ゾーンが作用領域で形成されるように磁界強度の空間におけるパターンを有する選択磁界を生成する選択手段を有し、その構成は、磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、作用領域における2つの副ゾーンの空間における位置を変化させる駆動手段を更に有し、その構成は、信号を取得する受信手段であって、それらの信号が作用領域における磁化に依存し、その構成が第1副ゾーン及び第2副ゾーンの空間における位置の変化により影響される、受信手段を有し、そして、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段は少なくともリッツ線/撚線を有する、構成により達成される。
【0007】
本発明に従って、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段の少なくとも一部が1つの単独のコイル又はソレノイドの形で備えられることが可能である。しかしながら、本発明に従って、別個のコイルが、選択手段、駆動手段及び受信手段の形で備えられることが提案されている。更に、本発明に従って、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段は各々、別個の部分が共に、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段を構成するように、別個の個々の部分、特に別個の個々のコイル又はソレノイドを構成することが可能である。特に、駆動手段及び/又は選択手段については、複数の部分、特に、コイルの対(例えば、ヘルムホルツ型構成又は非ヘルムホルツ型構成において)が、異なる空間方向に方向付けられる磁界の成分を生成する及び/又はそれらの成分を検出する有効性を提供するように選択されている。
【0008】
本発明に従って、リッツ線は複数の個別の線を有し、各々の個別の線は、電気的に高い抵抗の材料により囲まれていることは好ましい。それにより、比較的高い周波数を有するAC電流がリッツ線により供給されるようになっている場合と、比較的低い周波数を有するDC電流又はAC電流がリッツ線により供給されるようになっているが、リッツ線の侵入する静磁界及び/又は動磁界が存在するようになっている場合と、の両方について重要である、リッツ線の内側の高電流支援面を備えることが可能である。本発明に従って、リッツ線は、1つの個別の線が、例えば、リッツ線の長手方向に沿った1つの点においてリッツ線の中央にあるように、そしてこの個別の線が、例えば、リッツ線の長手方向に沿った他の位置においてリッツ線の周囲にあるように、回転されることは好ましい。それにより、全ての個別の線の各々が、好適には、例えば、リッツ線により構成されるループにおいて、各々の個別の線により同じインピーダンスが実現されるように備えられることが可能である。
【0009】
本発明に従って、リッツ線が複数の個別の線を有する複数の一次リッツ線を有し、その場合、そのリッツ線が複数の一次リッツ線を有することは、更に好適である。本発明の好適な実施形態においては、リッツ線は、複数の一次リッツ線及び複数の二次リッツ線を有し、一次リッツ線は複数の個別の線を有し、二次リッツ線は複数の一次リッツ線を有し、そしてリッツ線は複数の二次リッツ線を有する。それにより、電流支援面における増加が可能であり、取り扱い要求の複雑性、特に、複数の個別の線を有するリッツ線を曲げる可能性(ソレノイド又はコイルを構成するように)は低減される。
【0010】
本発明に従って、受信手段の抵抗(インピーダンスの実数部)は、熱雑音により支配され、特に、作用領域における磁性粒子の存在のための熱雑音により生成され、それ故、作用領域内に(検査の)オブジェクトが存在しない場合に、電流支援パスの抵抗は、作用領域においてオブジェクトが存在する場合の抵抗に比べて、匹敵する又は小さく、好適である。このことは、特に、個別の電流パス(個別の線)、電流強度、線構成及び受信手段のリッツ線の他の特性を注意深く規定することにより達成可能である。
【0011】
本発明の更なる好適な実施形態においては、特に、リッツ線は少なくとも強磁性材料を有する。これは、磁性材料及び対応するリッツ線が磁界を、特に、選択磁界及び/又は駆動磁界を案内する役割を果たす状態でかなり有利である。好適には、強磁性材料を有するリッツ線は、磁性材料が飽和状態にある位置に位置付けられる。
【0012】
更に、リッツ線が少なくとも一部が選択手段及び駆動手段のために用いられることは、そして選択手段のリッツ線が、少なくとも一部が駆動手段の駆動磁界により侵入され、並びに/若しくは駆動手段のリッツ線が、少なくとも一部が選択手段の選択磁界により侵入されることで、好適である。本発明の構成の他の構成要素の磁界による選択手段又は駆動手段のうちの1つにおける侵入は、他の構成要素に比べて作用領域にかなり近接して他の構成要素の磁界により侵入される選択手段又は駆動手段を位置付けることにより好適に実現される。それにより、その中を通る磁界は、中を通った選択手段又は駆動手段の位置において相対的に強い。その侵入する磁界の侵入は、侵入される選択手段又は駆動手段の導電性に影響する。本発明に従って、選択手段又は駆動手段の抵抗が所定の環境又は侵入パターンにおいてできるだけ低いように、侵入される選択手段又は駆動手段の導電性におけるこの変化を考慮することはかなり有利である。選択手段及び駆動手段は共に、“磁界生成手段”とも呼ばれる。選択手段は、選択(勾配)静磁界か又は、約1Hz乃至約100Hzの範囲内の周波数を有する比較的ゆっくり変化する長い範囲の選択磁界を提供する磁界生成手段を有する。選択磁界の静部分及び比較的ゆっくり変化する部分の両方が、永久磁石により、コイルにより、又はそれらの組み合わせにより生成されることが可能である。駆動手段は、約1kHz乃至約200kHzの範囲内の、好適には、10kHz乃至約100kHzの範囲内の周波数を有する駆動磁界を提供する磁界生成手段を有する。その磁界生成手段(即ち、選択手段及び駆動手段)の少なくとも一部は、表面部分の影響がコイルの抵抗を増加させないように、各々のコイル又は各々の磁界発生手段の個別の線の直径が選択される必要がある別個のコイルにより実行されることが可能である。通常、最大可能な線の直径は、充填率が最大であり、それ故、損失が最小であるように選択される。しかしながら、本発明に従った構成においては、生成手段の少なくとも一部におけるリッツ線の使用のために、一の生成手段(選択手段及び/又は駆動手段)において生成される磁界は他の磁界生成手段に侵入し、それにより全体的な損失が低減される。本発明の更なる好適な実施形態においては、磁界生成手段の構成要素、特にコイルの回転数は制限され、そして巻線容量に対する巻線は最小化される。このことは、巻線間の材料の低誘電率により、ブロックにおける曲がりにより、そして特に選択手段のコイルについての巻線の十分な分離により実現される。それらの手段の有利点の1つは、本発明の構成において、磁界発生手段の個別のコイルの自己共振は、駆動周波数と重畳しない(駆動手段のコイルを除いて)ようなものである。そのような重畳は、不所望の磁界歪及び付加的な損失をもたらす。
【0013】
本発明の更なる好適な実施形態においては、リッツ線は、所定の作用周波数帯及びリッツ線に侵入する所定の電磁界における抵抗が、実質的に最小になり、即ち、熱雑音により支配され、特に作用領域における磁性粒子の存在のための熱雑音により生成され、即ち、作用領域における(検査の)オブジェクトの存在なしで電流支援パスの抵抗が、作用領域のオブジェクトが存在する場合における抵抗に匹敵するかそれより小さくなるように、備えられる。これは、特に、個別の電流パス(個別の線)、電流強度、線構成並びに選択手段及び/又は駆動手段のリッツ線の他の特性を注意深く規定することにより達成される。
【0014】
更に、リッツ線は、約0.30乃至約0.70の範囲内の、好適には約0.40乃至0.60の範囲内の、更に好適には約0.50のリッツ線の断面積に対する個別の線の合計された断面積の比、即ち、充填率を有し、及び/又は、リッツ線(250)は、約0.01乃至約0.20の、好適には約0.03乃至約0.10の範囲内のリッツ線(250)の断面積に対する個別の線(255)の合計の断面積の比、即ち、充填率を有し、リッツ線の個別の線は、約1μm乃至約50μmの、好適には約10μm乃至約25μmの範囲内の直径を有する。それにより、リッツ線の内側で用いられる電流支援面をかなり改善するように、それ故、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段の全体的な構成の減少された抵抗を実現することが可能である。典型的には、選択手段の及び/又は駆動手段のリッツ線の充填率は、約0.30乃至0.70の範囲内にあり、好適には0.50であり、それ故、約0.01乃至約0.20の範囲内にある、好適には約0.03乃至0.10の範囲内にある受信手段のリッツ線の充填率より大きい。更に、選択手段及び駆動手段のリッツ線の個別の線の直径は、受信手段のリッツ線の個別の線の直径より大きく選択されることが可能である。
【0015】
本発明の更なる好適な実施形態においては、リッツ線は押圧されたリッツ線であり、及び/又はそのリッツ線は複数の熱可塑性樹脂の線を有する。それにより、リッツ線の内側の電流支援パス(個別の線)のかなり高密度の且つ安定な構成が可能であり、それにより、リッツ線の抵抗を減少させることが可能であることは、かなり有利である。更に、それにより、リッツ線の充填率は、リッツ線により行われる押圧の圧力を変化させることにより所望のレベルに調整されることが可能であることは、かなり有利である。更に、リッツ線の充填率は、付加的な樹脂線の数及び/又は大きさを変えることにより所望のレベルに調整されることが可能である。それらの受信線(熱可塑性線)は、好適には、リッツ線の個別の線と共に、及び/又は一次リッツ線と共に、及び/又は二次リッツ線と共に回転される。
【0016】
本発明の更なる好適な実施形態に従って、異なるリッツ線間の空間又はリッツ線の内側の空間が、冷却チャネルのうちの1つ又は複数の冷却チャネルのために用いられる。それにより、本発明に従った構成の異なる構成要素の温度を容易に規定することが有利に可能である。
【0017】
更に、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段は、少なくとも一部のディスク形状のコイルを有することは好ましい。それにより、例えば、充填率、機械的安定性及び電流支援線への結合を与えるための可能性についての改善された特性を有するコイルを提供することが可能である。
【0018】
本発明は、本発明に従った構成の使用に更に関し、及び作用領域において磁性粒子に影響を及ぼす及び/又は磁性粒子を検出する方法であって:
− 低磁界強度を有する第1副ゾーン及び高磁界強度を有する第2副ゾーンが作用領域に形成されるように、磁界強度の空間におけるパターンを有する選択磁界を生成するステップ;
− 磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、駆動磁界により作用領域における2つの副ゾーンの空間における位置を変化させるステップ;並びに
− 信号を取得するステップであって、それらの信号は作用領域における磁化に依存し、その磁化は第1副ゾーン及び第2副ゾーンの空間の位置における変化により影響される、ステップ;
を有し、選択磁界の生成並びに/若しくは2つの副ゾーン及び/又は選択手段及び/又は駆動手段の空間における位置の変化並びに/若しくは作用領域における磁化に依存する信号の取得は、少なくとも一部がリッツ線/撚線により実行される;
方法に更に関する。
【0019】
本発明の上記の及び他の特徴、側面及び有利点については、以下、添付図を参照して説明することにより明らかになるが、その説明は、本発明についての原理についての単なる例示である。その説明は、本発明の範囲を限定することなく、例示として与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に従った方法を実行する本発明に従った構成を示す図である。
【図2】本発明に従った構成により製造される磁力線パターンの例を示す図である。
【図3】作用領域に存在する磁性粒子を拡大した図である。
【図4a】磁性粒子の磁化特性を示す図である。
【図4b】磁性粒子の磁化特性を示す図である。
【図5】リッツ線の構成の実施例の模式図である。
【図6】リッツ線の構成の実施例の模式図である。
【図7】リッツ線の構成の実施例の模式図である。
【図8】ディスク形状のコイルの構成の実施例の模式図である。
【図9】ディスク形状のコイルの構成の実施例の模式図である。
【図10】ディスク形状のコイルの構成の実施例の模式図である。
【図11】ディスク形状のコイルの構成の実施例の模式図である。
【図12】ディスク形状のコイルの製造方法の実施例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明については、以下、特定の実施形態及び特定の図を参照して詳述するが、本発明はそれらに限定されず、請求項のみにより限定されるものではある。それらの図は単に例示であって、非限定的なものである。それらの図においては、要素の大きさは誇張して描かれ、例示目的でスケーリングして描かれていない場合がある。
【0022】
名詞の単数表現は、特に説明がない限り、その名詞の複数の存在を含むものである。
【0023】
更に、明細書及び特許請求の範囲における第1、第2、第3等の表現は、同様の要素間で区別するために用いられ、特定の又は時系列的な順序を表してはいない。そのように用いられるそれらの用語は適切な状況下では交換可能であり、本明細書で説明している本発明の実施形態は、本明細書で例示している記載以外のシーケンスで運用可能であることを理解することができる。
【0024】
更に、本明細書及び特許請求の範囲における、上部、下部、上方、下方等の表現は記述目的で用いられ、必ず相対的な位置を表してはいない。そのように用いられる用語は適切な状況下では交換可能であり、本明細書で説明している本発明の実施形態は、本明細書で例示している記載以外の方位において運用可能である。
【0025】
本明細書及び請求項で用いている用語“を有する”は、以後列挙する手段に限定されるとして解釈されるべきではなく、他の要素又はステップを排除するものではない。従って、表現“手段A及びBを有する装置”の範囲は、構成要素A及びBのみを有する装置に限定されるべきでない。それは、本発明に関しては、単に装置に関連する構成要素がA及びBであることを意味している。
【0026】
図1においては、本発明に従った構成10により検査されるべき任意のオブジェクトが示されている。図1における参照番号350はオブジェクトであって、この場合は、患者テーブルに配置された人間又は動物の患者である、オブジェクトであり、その患者の上部のみが示されている。本発明に従った方法の適用に先行して、磁性粒子100(図1には示されていない)が、本発明の構成10の作用領域において備えられている。特に、例えば、主要の治療及び/又は診断処置に先行して、磁性粒子100が、例えば、患者350の体に注入される磁性粒子100を有する液体(図示せず)により、作用領域300内に位置付けられる。
【0027】
本発明の実施形態の実施例として、選択手段210を構成する複数のコイルを有する構成10を図2に示していて、その選択手段の領域は、治療領域300とも呼ばれる作用領域300を規定する。例えば、選択手段210は、患者350の上方及び下方又はテーブルトップの上方及び下方に備えられている。例えば、選択手段210はコイル210′、210′′の第1の対を有し、それらの各々は、患者350の上方及び下方に同軸上に備えられ、等しい電流が特に逆方向に横断する、2つの同様に構成された窓210′、210′′を有する。好適には、この場合、直流が用いられる。選択手段210は、一般に、磁力線により図2に示されている勾配磁界である選択磁界211を生成する。その選択磁界は、選択手段210のコイルの対の(例えば、鉛直方向)軸の方向に実質的に一定勾配を有し、この軸のある点において値0に達する。この磁界のない点(図2に別個に示していない)から開始して、選択磁界211の磁界強度は、その磁界のない点から距離が大きくなるにつれて、全ての3つの空間的方向において増加する。磁界のない点の周囲の破線で示している第1副ゾーン301又は領域301においては、磁界強度は小さ過ぎて、第1副ゾーン301が飽和していない理由で、粒子100の磁性は存在せず、第2副ゾーン302(領域301の外側)に存在する粒子100の磁性は飽和状態にある。作用領域300の磁界のない点又は第1副ゾーン301は、好適には、空間的にコヒーレントな領域であり、それは、点状の領域か又は線状の領域又は平坦な領域であることが可能である。第2副ゾーン302(即ち、第1副ゾーン301の外側の作用領域300の残りの部分)においては、磁界強度は、飽和状態に粒子100を保つのに十分に強い。作用領域300内の2つの副ゾーン301、302の位置を変えることにより、作用領域300における(全体的な)磁性は変化する。作用領域300内の磁性及びその磁性により影響される物理パラメータを測定することにより、作用領域内の磁性粒子の空間分布についての情報が得られる。作用領域300における2つの副ゾーン301,302の相対的な空間位置を変えるように、更なる磁界、所謂、駆動磁界221が、作用領域300の選択磁界211又は作用領域300の少なくとも一部に重畳される。
【0028】
図3は、本発明の構成10と共に用いられる種類の磁性粒子100の例を示している。その磁性粒子は、例えば、5mmの厚さを有し、鉄−ニッケル合金(例えば、パーマロイ)を有する軟磁性層102を備えたガラスの球状基板101を有する。この層は、例えば、化学的に及び/又は物理的に過酷な環境、例えば、酸に対して粒子100を保護するコーティング層103により覆われている。そのような粒子100の磁界の飽和のために必要な選択磁界211の磁界強度は種々のパラメータ、例えば、粒子100の直径、磁性層102について用いられる磁性材料及び他のパラメータに依存する。
【0029】
例えば、10μmの直径の場合、約800A/m(1mTの磁束密度に略対応する)が必要であり、100μmの直径の場合、10A/mの磁界で十分である。より低い飽和磁化を有する材料のコーティング102が選択されるとき又はコーティング102の厚さが減少されたときには、更に小さい値が得られる。
【0030】
好適な磁性粒子100についての更なる詳細については、独国特許第10151778号明細書の対応する部分、特に、独国特許第10151778号明細書の優先権を主張する欧州特許第1304542A2号明細書の段落16乃至20及び段落57乃至61に記載されている。
【0031】
第1副ゾーン301の大きさは、一方で、選択磁界211の勾配強度に依存し、他方で、飽和のために必要な磁界の磁界強度に依存する。80A/mの磁界強度の磁性粒子100の十分な飽和及び合計が160x103A/m2になる選択磁界211の磁界強度の勾配(所定の空間方向における)については、粒子100の磁化が飽和されていない第1副ゾーン301は約1mm(所定の空間方向において)の寸法を有する。
【0032】
以下で駆動磁界221と呼ばれる更なる磁界が作用領域300において選択磁界210(又は、勾配磁界210)に重畳されるとき、第1副ゾーン301は、この駆動磁界221の方向に第2副ゾーン302に相対して移動され、この移動範囲は、駆動磁界221の強度が高くなるにつれて大きくなる。重畳される駆動磁界221は時間経過につれて可変であるとき、第1副ゾーン301の位置は、それに伴って、時間及び空間により可変である。駆動磁界221の変化の周波数帯に比べて他の周波数帯(より高い周波数の方に移動された)において、第1副ゾーン301に位置している磁性粒子100からの信号を受信する又は検出することは有利である。このことは、駆動磁界221の周波数の高調波の周波数成分が磁化特性の非線形性の結果として作用領域300における磁性粒子100の磁化における変化のために生じるために、可能である。
【0033】
空間における何れかの所定の方向についてそれらの駆動磁界221を生成するように、更なるコイルの対、即ち、以下で駆動手段220とも呼ばれる第2のコイルの対220′、第2のコイルの対220′′及び第4のコイルの対220′′′が備えられる。例えば、第2のコイルの対220′′は、第1コイルの対210′、210′′又は選択手段210のコイルの軸の方向において、即ち、例えば、鉛直方向において、広がっている駆動磁界221の成分を生成する。このために、第2コイルの対220′の窓は、同じ方向における等しい電流が横断する。第2コイルの対220′により得られる効果は、原理的にまた、第1コイルの対210′、210′′において逆の等しい電流に関して同じ方向における電流の重畳により得られ、それ故、電流は、一のコイルにおいて減少し、他のコイルにおいて増加する。しかしながら、特に、より高い信号対雑音比による信号解釈のために、時間的に一定の(又は準一定の)選択磁界211(又は、勾配磁界とも呼ばれる)及び時間的に可変の駆動磁界が、選択手段210及び駆動手段220の別個のコイルの対により生成されるときには有利である。
【0034】
2つの更なるコイルの対220′′、220′′′が、空間の異なる方向に、例えば、作用領域300(又は、患者350)の長手方向の水平方向に及びそれに対して垂直な方向に広がっている駆動磁界221の成分を生成するように備えられる。ヘルムホルツ型の第3の及び第4のコイルの対(選択手段210及び駆動手段220についてのコイルの対のような)がこの目的で用いられる場合、それらのコイルの対は、治療領域の左側及び右側に若しくはこの治療領域の前方又は後方のそれぞれに備えられる必要がある。このことは、作用領域300又は治療領域300の操作性に影響する。従って、第3の及び/又は第4の磁気コイルの対若しくはコイル220′′、220′′′がまた、作用領域300の上方及び下方に備えられ、それ故、それらの曲がった構成は、第2のコイルの対220′の構成と異なる必要がある。この種類のコイルは、しかしながら、開放型磁石(開放型MRI)を有する磁気共鳴装置の分野で既知であり、その開放型磁石においては、無線周波数(RF)コイルの対は治療領域の上方及び下方に位置付けられ、前記のRFコイルの対は、水平方向の時間的に可変の磁界を生成することが可能である。従って、そのようなコイルの構成については、ここでは更に詳細に説明する必要はない。
【0035】
本発明に従った構成10は、単に図1に模式的に示している受信手段を更に有する。受信手段230は一般に、作用領域300における磁性粒子100の磁化パターンが誘起する信号を検出することが可能であるコイルを有する。この種類のコイルは、しかしながら、磁気共鳴装置の分野で知られていて、その磁気共鳴装置においては、例えば、無線周波数(RF)コイルの対が、できるだけ高い信号対雑音比を有するように、作用領域300の周囲に位置付けられる。従って、そのようなコイルの構成については、ここでは更に詳細に説明する必要はない。
【0036】
図1に示す選択手段210についての代替の実施形態においては、永久磁石(図示せず)が、選択勾配磁界211を生成するように用いられることが可能である。そのような対向する磁石(図示せず)の2つの極間の空間において、図2の磁界に類似する、即ち、対向する極が同じ極性を有する磁界を生成する。本発明に従った他の代替の実施形態においては、選択手段210は、図2に示すように、少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つのコイル210′、210′′の両方を有する。
【0037】
選択手段210、駆動手段220及び受信手段230の異なる構成要素についての又は異なる構成要素において通常用いられる周波数領域は略次のようである。選択手段210により生成される磁界は、時間の経過と共に全く変化しないか又は、その変化は、好適には、約1Hz乃至約100Hz間の範囲内では比較的ゆっくりである。駆動手段220により生成される磁界は、好適には、約25kHz乃至約100kHz間の範囲内で可変である。受信手段が感応性であるとみなされる磁界は、好適には約50kHz乃至約10Mhz間の周波数範囲である。
【0038】
図4a及び4bは、磁化特性、即ち、粒子100の位置における磁界強度の関数としての粒子100(図4a及び4bには示していない)の磁化Mの変動を、そのような粒子が分散した状態で示している。磁化Mは、磁界強度+Hc以上及び−Hc以下ではもはや変化せず、そのことは、飽和磁化に達していることを意味することは明らかである。磁化Mは、値+Hc及び−Hc間では飽和していない。
【0039】
図4aは、粒子100の位置における正弦波磁界H(t)の効果であって、得られる正弦波磁界H(t)の(即ち、“粒子100がみる”)絶対値は、粒子を磁界的に飽和するのに必要な磁界強度より小さく、即ち、その場合には、更なる磁界がアクティブになる効果について示している。この状態についての粒子100の磁化は磁界H(t)の周波数の周期における飽和値の間を移動する。結果としての磁化の時間に伴う変化は、図4aの右側の参照符号M(t)で表されている。その磁化はまた、周期的に変化し、そのような粒子の磁化は周期的に反転することが理解できる。
【0040】
その曲線の中央の線の破線部分は、正弦波磁界H(t)の磁界強度の関数としての磁化M(t)の略平均の変化を示している。この中央の線からのずれとしては、磁化は、磁界Hが−Hcから+Hcに増加するときには、右側に僅かに広がり、磁界Hが+Hcから−Hcに減少するときには、左側に僅かに広がる。この既知の効果は、熱の生成についての機構が基礎にあるヒステリシス効果と称されるものである。その極性のパス間に形成されるヒステリシスにより形成される領域の面積であって、領域の形状及びサイズが材料に依存する、面積は、磁化の変動時に熱の生成についての指標になる。
【0041】
図4bは、静磁界H1が重畳される正弦波磁界H(t)の効果を示している。磁化は飽和状態にあるため、その磁化は正弦波磁界H(t)により影響されない。磁化M(t)は、この領域においては時間が経過しても一定のままである。従って、磁界H(t)は、磁化の状態の変化をもたらさない。
【0042】
本発明に従った1つの重要な目的は、選択手段210(選択磁界が電流により生成される場合の)、駆動手段220及び受信手段230のそれぞれの抵抗ができるだけ小さいように、本発明の構成を提供することである。本発明に従って、図5乃至7を参照してより詳細に説明されるリッツ線250を少なくとも一部で有する、選択手段210、駆動手段220及び受信手段230の少なくとも1つを提供することが提案されている。
【0043】
図5乃至7においては、本発明に従った複数の選択手段210、駆動手段220及び/又は受信手段230又はそれらのうちの1つのリッツ線250が模式的に示されている。それらの図の各々は、本発明に従ったリッツ線250の一実施形態の断面図である。各々のリッツ線250は複数の別個の線255を有する。種々の実施形態が、スケーリングされずに描かれていて、その寸法は、単に容易に表現するために選択されている。リッツ線250の充填率は、個別の線255の各々の断面積を合計して、完全なリッツ線250の断面積で除算することにより容易に演算することができる。リッツ線250の長手方向に対する垂直方向において図5乃至7に示しているリッツ線250の実施形態に対して圧力を加えることにより、充填率が改善されることが可能である。各々の個別の線255は、各々の個別の線255についてクラッディング256のような役割を果たす電気的に高抵抗の材料256により好適に周囲を囲まれている。本発明に従って、そのようなクラッディングが各々の個別のワイヤ255に存在するが、リッツ線250の各々の個別の線255がリッツ線の第1端部250′とリッツ線250の第2端部250′′との間の隣接する個別の線250から電気的に絶縁されている場合には、そのような連続的なクラッディング256は必要ないことが理解される必要がある。リッツ線250の個別の線255は、個別の電流支援パス255としての役割を果たし、そして図5の右側の等価回路図で示される同一インピーダンスを理想的には有し、並列に接続されている抵抗とみなされることが可能である。従って、本発明に従って、リッツ線は、1つの個別の線が、例えば、リッツ線の長手方向に沿った1つの位置においてリッツ線の中央にあるように、及び個別の線が、例えば、リッツ線の長手方向に沿った他の位置においてリッツ線の周囲にあるように回転されることは好ましいことである。図5に示すリッツ線250の実施形態においては、リッツ線250の更なる好適な特徴が示され、即ち、プラスチックフォイル絶縁膜257が、個別の線255の周囲に集合化するように形成される。そのようなプラスチック(例えば、熱可塑性)絶縁膜はまた、リッツ線250の他の実施形態全てに対して備えられることが可能であるが、それらにおいては示されていない。リッツ線250の個別の線255の周囲を集合化するように形成されたそのような絶縁性フォイル又は絶縁性材料は、リッツ線のより良好な電圧特性が有効であるという有利点を提供する。
【0044】
図6においては、リッツ線250の更なる実施形態の断面が模式的に示され、その図において、リッツ線250はまた、複数の個別の線255を有するが、それらの個別の線255は、所謂、複数の一次リッツ線251にグループ化されている。それらの一次リッツ線251(各々、複数の個別の線255を有する)は共に、リッツ線250を形成するように結合されている。図6においては、連続的なクラッディング256が、各々の個別の線255の周囲に好適に存在するが、それらには参照番号は付けられていない。
【0045】
図7においては、リッツ線250の更なる実施形態の断面が模式的に示され、その図において、リッツ線250はまた、複数の個別の線255(図5及び6に従った実施形態におけるように)及び複数の一次リッツ線251を有するが、それらの一次リッツ線251は、所謂、複数の二次リッツ線252にグループ化されている。それらの二次リッツ線252(各々が、複数の一次リッツ線251を有する)は共に、リッツ線250を形成するように結合されている。図6においては、連続的なクラッディング256が、各々の個別の線255の周囲に好適に存在するが、簡略化のために示されていない。
【0046】
図8乃至11においては、リッツ線250を有するディスク形状のコイル260の他の実施形態が示されている。図8は、リッツ線250を有するディスク形状のコイル260の平面図であって、リッツ線250はまた、第1端部250′及び第2端部250′′を有する、平面図を模式的に示している。図9は、図8に示すディスク形状のコイル260の側面図である。リッツ線250の有効なパターンの一実施例として、図8及び9は、そのディスクの外側(即ち、本質的には、ディスクの最大半径)にある第1及び第2端部250′、250′′の両方を有して螺旋状に曲がるように形状化されたリッツ線250を示している。一実施形態においては、これは、2つの層261、261′(図9にのみ示している)においてリッツ線250を備えることにより実現される。2つの層261、261′の第1の層においては、リッツ線250は、例えば、そのディスク形状のコイル260の外側からそのディスク形状のコイル260の小さい半径の方に螺旋状に且つ径方向に曲げられ、それらの2つの層261、261′の第2の層においては、リッツ線250は、反対方向に、即ち、小さい半径の方から大きい半径の方に螺旋状に曲げられている(リッツ線250の破線)。図示している実施形態においては、絶縁性フォイル262は、破線で示す形状化されたコイル260の2つの層261、261′間に備えられている。これは、高電圧特性を改善し、寄生容量を低減することができる。しかしながら、絶縁性フォイル262を備えることは必須ではない。
【0047】
図10及び11は、ディスク形状のコイル260の更なる実施例の模式図である。図10においては、間隔を置いた2つのディスク263、263′が、それらの間に冷却チャネル264を有して備えられている。冷却流体(気体又は液体、特に水及び/又はオイル)の流れが、水平方向の矢印で模式的に示されている。互いに対して及び本発明の構成10の他の構成要素に対して規定された位置に2つの間隔を置いたディスク263、263′を位置付けるように、スペーサを備えることがまた、可能である。冷却チャネル264は、ディスク形状のコイル260の一部を除去することにより備えられることが可能である。例えば、これは、ディスク形状のコイル260の材料と可溶性の又はエッチング可能な材料を組み合わせることにより実現される。図11においては、リッツ線250の2つのD字形パターンが模式的に示されている。そのようなパターンは、作用領域がコイルにより完全に囲まれている必要はなく、更にその構成10の三次元分解能が互いに対して垂直である3つの空間の方向における駆動磁界221の成分を与える駆動手段220により可能であるために、作用領域300の操作性を改善する可能性を提供する。
【0048】
図12においては、ディスク形状のコイル260を製造する方法の実施例の模式図を示している。リッツ線250のパターン266は、金型の第1の半分において位置付けられ、その第1の半分267は、ディスク形状のコイル260の主面を後に規定する面265に沿って本質的に広がっている。リッツ線250のパターン266は、好適には、リッツ線250(例えば、金属性の電流支援の個別の線255と織り交ぜられた熱可塑性樹脂線による)を好適に有することが可能である、又はディスク形状のコイル260の形状を規定するように形成するように圧力を加える前にリッツ線250のパターン266に付加されることが可能である、第1熱可塑性材料を好適に有する。その圧力は、図12における2つの縦方向の矢印で表され、金型又はツールの第1半分及び第2半分に加えられる。その圧力を加えることにより、ディスク形状のコイル260が規定されるように形成され、硬化可能材料が硬化される。代替の実施形態においては、圧力を加えている間に、第2熱可塑性材料259(第1熱可塑性材料258に付加して又は第1熱可塑性材料258に代えて)を加えることにより実現される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、作用領域において磁性粒子に影響を与える及び/又は磁性粒子を検出する構成に関する。更に、本発明は、作用領域における磁性粒子に影響を与える及び/又は磁性粒子を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種類の構成及び方法については、独国特許第10151778A1号明細書に記載されている。その特許文献に記載されている方法の場合、先ず、相対的に低い磁界強度を有する第1副ゾーン及び相対的に高い磁界強度を有する第2副ゾーンが検査ゾーンにおいて形成されるように、磁界強度の空間分布を有する磁界が生成される。検査ゾーンにおける副ゾーンの空間における位置は、その場合、ずらされ、それ故、検査ゾーンにおける粒子の磁化は局所的に変化する。検査ゾーンにおける磁化に依存する信号が記録され、その磁化は、副ゾーンの空間における位置のずれにより影響され、検査ゾーンにおける磁性粒子の空間分布に関する情報がそれらの信号から抽出され、それ故、検査ゾーンについての画像が生成されることが可能である。そのような構成及びそのような方法は、非破壊方式で及び何れかの損傷をもたらすことなく、並びに高空間分解能を有して、検査オブジェクトの表面に近接して及びその表面から離れて、任意の検査オブジェクトを検査するように用いられることが可能である有利点を有する。
【0003】
この種類の既知の構成は、磁界又は磁界成分を生成するように用いられるコイル並びに/若しくは変化する磁界を検出するように用いられるコイルが、特にそれらのコイルが比較的小さい信号対雑音比を示す点で満足できないという不利点を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許第10151778A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、冒頭で説明した種類の構成及び方法であって、磁界生成手段の品質及び/又は磁界検出手段の品質が改善された、構成及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、作用領域において磁性粒子に影響する及び/又は磁性粒子を検出する構成であって、その構成が、低い磁界強度を有する第1副ゾーン及びより高い磁界強度を有する第2副ゾーンが作用領域で形成されるように磁界強度の空間におけるパターンを有する選択磁界を生成する選択手段を有し、その構成は、磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、作用領域における2つの副ゾーンの空間における位置を変化させる駆動手段を更に有し、その構成は、信号を取得する受信手段であって、それらの信号が作用領域における磁化に依存し、その構成が第1副ゾーン及び第2副ゾーンの空間における位置の変化により影響される、受信手段を有し、そして、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段は少なくともリッツ線/撚線を有する、構成により達成される。
【0007】
本発明に従って、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段の少なくとも一部が1つの単独のコイル又はソレノイドの形で備えられることが可能である。しかしながら、本発明に従って、別個のコイルが、選択手段、駆動手段及び受信手段の形で備えられることが提案されている。更に、本発明に従って、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段は各々、別個の部分が共に、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段を構成するように、別個の個々の部分、特に別個の個々のコイル又はソレノイドを構成することが可能である。特に、駆動手段及び/又は選択手段については、複数の部分、特に、コイルの対(例えば、ヘルムホルツ型構成又は非ヘルムホルツ型構成において)が、異なる空間方向に方向付けられる磁界の成分を生成する及び/又はそれらの成分を検出する有効性を提供するように選択されている。
【0008】
本発明に従って、リッツ線は複数の個別の線を有し、各々の個別の線は、電気的に高い抵抗の材料により囲まれていることは好ましい。それにより、比較的高い周波数を有するAC電流がリッツ線により供給されるようになっている場合と、比較的低い周波数を有するDC電流又はAC電流がリッツ線により供給されるようになっているが、リッツ線の侵入する静磁界及び/又は動磁界が存在するようになっている場合と、の両方について重要である、リッツ線の内側の高電流支援面を備えることが可能である。本発明に従って、リッツ線は、1つの個別の線が、例えば、リッツ線の長手方向に沿った1つの点においてリッツ線の中央にあるように、そしてこの個別の線が、例えば、リッツ線の長手方向に沿った他の位置においてリッツ線の周囲にあるように、回転されることは好ましい。それにより、全ての個別の線の各々が、好適には、例えば、リッツ線により構成されるループにおいて、各々の個別の線により同じインピーダンスが実現されるように備えられることが可能である。
【0009】
本発明に従って、リッツ線が複数の個別の線を有する複数の一次リッツ線を有し、その場合、そのリッツ線が複数の一次リッツ線を有することは、更に好適である。本発明の好適な実施形態においては、リッツ線は、複数の一次リッツ線及び複数の二次リッツ線を有し、一次リッツ線は複数の個別の線を有し、二次リッツ線は複数の一次リッツ線を有し、そしてリッツ線は複数の二次リッツ線を有する。それにより、電流支援面における増加が可能であり、取り扱い要求の複雑性、特に、複数の個別の線を有するリッツ線を曲げる可能性(ソレノイド又はコイルを構成するように)は低減される。
【0010】
本発明に従って、受信手段の抵抗(インピーダンスの実数部)は、熱雑音により支配され、特に、作用領域における磁性粒子の存在のための熱雑音により生成され、それ故、作用領域内に(検査の)オブジェクトが存在しない場合に、電流支援パスの抵抗は、作用領域においてオブジェクトが存在する場合の抵抗に比べて、匹敵する又は小さく、好適である。このことは、特に、個別の電流パス(個別の線)、電流強度、線構成及び受信手段のリッツ線の他の特性を注意深く規定することにより達成可能である。
【0011】
本発明の更なる好適な実施形態においては、特に、リッツ線は少なくとも強磁性材料を有する。これは、磁性材料及び対応するリッツ線が磁界を、特に、選択磁界及び/又は駆動磁界を案内する役割を果たす状態でかなり有利である。好適には、強磁性材料を有するリッツ線は、磁性材料が飽和状態にある位置に位置付けられる。
【0012】
更に、リッツ線が少なくとも一部が選択手段及び駆動手段のために用いられることは、そして選択手段のリッツ線が、少なくとも一部が駆動手段の駆動磁界により侵入され、並びに/若しくは駆動手段のリッツ線が、少なくとも一部が選択手段の選択磁界により侵入されることで、好適である。本発明の構成の他の構成要素の磁界による選択手段又は駆動手段のうちの1つにおける侵入は、他の構成要素に比べて作用領域にかなり近接して他の構成要素の磁界により侵入される選択手段又は駆動手段を位置付けることにより好適に実現される。それにより、その中を通る磁界は、中を通った選択手段又は駆動手段の位置において相対的に強い。その侵入する磁界の侵入は、侵入される選択手段又は駆動手段の導電性に影響する。本発明に従って、選択手段又は駆動手段の抵抗が所定の環境又は侵入パターンにおいてできるだけ低いように、侵入される選択手段又は駆動手段の導電性におけるこの変化を考慮することはかなり有利である。選択手段及び駆動手段は共に、“磁界生成手段”とも呼ばれる。選択手段は、選択(勾配)静磁界か又は、約1Hz乃至約100Hzの範囲内の周波数を有する比較的ゆっくり変化する長い範囲の選択磁界を提供する磁界生成手段を有する。選択磁界の静部分及び比較的ゆっくり変化する部分の両方が、永久磁石により、コイルにより、又はそれらの組み合わせにより生成されることが可能である。駆動手段は、約1kHz乃至約200kHzの範囲内の、好適には、10kHz乃至約100kHzの範囲内の周波数を有する駆動磁界を提供する磁界生成手段を有する。その磁界生成手段(即ち、選択手段及び駆動手段)の少なくとも一部は、表面部分の影響がコイルの抵抗を増加させないように、各々のコイル又は各々の磁界発生手段の個別の線の直径が選択される必要がある別個のコイルにより実行されることが可能である。通常、最大可能な線の直径は、充填率が最大であり、それ故、損失が最小であるように選択される。しかしながら、本発明に従った構成においては、生成手段の少なくとも一部におけるリッツ線の使用のために、一の生成手段(選択手段及び/又は駆動手段)において生成される磁界は他の磁界生成手段に侵入し、それにより全体的な損失が低減される。本発明の更なる好適な実施形態においては、磁界生成手段の構成要素、特にコイルの回転数は制限され、そして巻線容量に対する巻線は最小化される。このことは、巻線間の材料の低誘電率により、ブロックにおける曲がりにより、そして特に選択手段のコイルについての巻線の十分な分離により実現される。それらの手段の有利点の1つは、本発明の構成において、磁界発生手段の個別のコイルの自己共振は、駆動周波数と重畳しない(駆動手段のコイルを除いて)ようなものである。そのような重畳は、不所望の磁界歪及び付加的な損失をもたらす。
【0013】
本発明の更なる好適な実施形態においては、リッツ線は、所定の作用周波数帯及びリッツ線に侵入する所定の電磁界における抵抗が、実質的に最小になり、即ち、熱雑音により支配され、特に作用領域における磁性粒子の存在のための熱雑音により生成され、即ち、作用領域における(検査の)オブジェクトの存在なしで電流支援パスの抵抗が、作用領域のオブジェクトが存在する場合における抵抗に匹敵するかそれより小さくなるように、備えられる。これは、特に、個別の電流パス(個別の線)、電流強度、線構成並びに選択手段及び/又は駆動手段のリッツ線の他の特性を注意深く規定することにより達成される。
【0014】
更に、リッツ線は、約0.30乃至約0.70の範囲内の、好適には約0.40乃至0.60の範囲内の、更に好適には約0.50のリッツ線の断面積に対する個別の線の合計された断面積の比、即ち、充填率を有し、及び/又は、リッツ線(250)は、約0.01乃至約0.20の、好適には約0.03乃至約0.10の範囲内のリッツ線(250)の断面積に対する個別の線(255)の合計の断面積の比、即ち、充填率を有し、リッツ線の個別の線は、約1μm乃至約50μmの、好適には約10μm乃至約25μmの範囲内の直径を有する。それにより、リッツ線の内側で用いられる電流支援面をかなり改善するように、それ故、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段の全体的な構成の減少された抵抗を実現することが可能である。典型的には、選択手段の及び/又は駆動手段のリッツ線の充填率は、約0.30乃至0.70の範囲内にあり、好適には0.50であり、それ故、約0.01乃至約0.20の範囲内にある、好適には約0.03乃至0.10の範囲内にある受信手段のリッツ線の充填率より大きい。更に、選択手段及び駆動手段のリッツ線の個別の線の直径は、受信手段のリッツ線の個別の線の直径より大きく選択されることが可能である。
【0015】
本発明の更なる好適な実施形態においては、リッツ線は押圧されたリッツ線であり、及び/又はそのリッツ線は複数の熱可塑性樹脂の線を有する。それにより、リッツ線の内側の電流支援パス(個別の線)のかなり高密度の且つ安定な構成が可能であり、それにより、リッツ線の抵抗を減少させることが可能であることは、かなり有利である。更に、それにより、リッツ線の充填率は、リッツ線により行われる押圧の圧力を変化させることにより所望のレベルに調整されることが可能であることは、かなり有利である。更に、リッツ線の充填率は、付加的な樹脂線の数及び/又は大きさを変えることにより所望のレベルに調整されることが可能である。それらの受信線(熱可塑性線)は、好適には、リッツ線の個別の線と共に、及び/又は一次リッツ線と共に、及び/又は二次リッツ線と共に回転される。
【0016】
本発明の更なる好適な実施形態に従って、異なるリッツ線間の空間又はリッツ線の内側の空間が、冷却チャネルのうちの1つ又は複数の冷却チャネルのために用いられる。それにより、本発明に従った構成の異なる構成要素の温度を容易に規定することが有利に可能である。
【0017】
更に、選択手段及び/又は駆動手段及び/又は受信手段は、少なくとも一部のディスク形状のコイルを有することは好ましい。それにより、例えば、充填率、機械的安定性及び電流支援線への結合を与えるための可能性についての改善された特性を有するコイルを提供することが可能である。
【0018】
本発明は、本発明に従った構成の使用に更に関し、及び作用領域において磁性粒子に影響を及ぼす及び/又は磁性粒子を検出する方法であって:
− 低磁界強度を有する第1副ゾーン及び高磁界強度を有する第2副ゾーンが作用領域に形成されるように、磁界強度の空間におけるパターンを有する選択磁界を生成するステップ;
− 磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、駆動磁界により作用領域における2つの副ゾーンの空間における位置を変化させるステップ;並びに
− 信号を取得するステップであって、それらの信号は作用領域における磁化に依存し、その磁化は第1副ゾーン及び第2副ゾーンの空間の位置における変化により影響される、ステップ;
を有し、選択磁界の生成並びに/若しくは2つの副ゾーン及び/又は選択手段及び/又は駆動手段の空間における位置の変化並びに/若しくは作用領域における磁化に依存する信号の取得は、少なくとも一部がリッツ線/撚線により実行される;
方法に更に関する。
【0019】
本発明の上記の及び他の特徴、側面及び有利点については、以下、添付図を参照して説明することにより明らかになるが、その説明は、本発明についての原理についての単なる例示である。その説明は、本発明の範囲を限定することなく、例示として与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に従った方法を実行する本発明に従った構成を示す図である。
【図2】本発明に従った構成により製造される磁力線パターンの例を示す図である。
【図3】作用領域に存在する磁性粒子を拡大した図である。
【図4a】磁性粒子の磁化特性を示す図である。
【図4b】磁性粒子の磁化特性を示す図である。
【図5】リッツ線の構成の実施例の模式図である。
【図6】リッツ線の構成の実施例の模式図である。
【図7】リッツ線の構成の実施例の模式図である。
【図8】ディスク形状のコイルの構成の実施例の模式図である。
【図9】ディスク形状のコイルの構成の実施例の模式図である。
【図10】ディスク形状のコイルの構成の実施例の模式図である。
【図11】ディスク形状のコイルの構成の実施例の模式図である。
【図12】ディスク形状のコイルの製造方法の実施例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明については、以下、特定の実施形態及び特定の図を参照して詳述するが、本発明はそれらに限定されず、請求項のみにより限定されるものではある。それらの図は単に例示であって、非限定的なものである。それらの図においては、要素の大きさは誇張して描かれ、例示目的でスケーリングして描かれていない場合がある。
【0022】
名詞の単数表現は、特に説明がない限り、その名詞の複数の存在を含むものである。
【0023】
更に、明細書及び特許請求の範囲における第1、第2、第3等の表現は、同様の要素間で区別するために用いられ、特定の又は時系列的な順序を表してはいない。そのように用いられるそれらの用語は適切な状況下では交換可能であり、本明細書で説明している本発明の実施形態は、本明細書で例示している記載以外のシーケンスで運用可能であることを理解することができる。
【0024】
更に、本明細書及び特許請求の範囲における、上部、下部、上方、下方等の表現は記述目的で用いられ、必ず相対的な位置を表してはいない。そのように用いられる用語は適切な状況下では交換可能であり、本明細書で説明している本発明の実施形態は、本明細書で例示している記載以外の方位において運用可能である。
【0025】
本明細書及び請求項で用いている用語“を有する”は、以後列挙する手段に限定されるとして解釈されるべきではなく、他の要素又はステップを排除するものではない。従って、表現“手段A及びBを有する装置”の範囲は、構成要素A及びBのみを有する装置に限定されるべきでない。それは、本発明に関しては、単に装置に関連する構成要素がA及びBであることを意味している。
【0026】
図1においては、本発明に従った構成10により検査されるべき任意のオブジェクトが示されている。図1における参照番号350はオブジェクトであって、この場合は、患者テーブルに配置された人間又は動物の患者である、オブジェクトであり、その患者の上部のみが示されている。本発明に従った方法の適用に先行して、磁性粒子100(図1には示されていない)が、本発明の構成10の作用領域において備えられている。特に、例えば、主要の治療及び/又は診断処置に先行して、磁性粒子100が、例えば、患者350の体に注入される磁性粒子100を有する液体(図示せず)により、作用領域300内に位置付けられる。
【0027】
本発明の実施形態の実施例として、選択手段210を構成する複数のコイルを有する構成10を図2に示していて、その選択手段の領域は、治療領域300とも呼ばれる作用領域300を規定する。例えば、選択手段210は、患者350の上方及び下方又はテーブルトップの上方及び下方に備えられている。例えば、選択手段210はコイル210′、210′′の第1の対を有し、それらの各々は、患者350の上方及び下方に同軸上に備えられ、等しい電流が特に逆方向に横断する、2つの同様に構成された窓210′、210′′を有する。好適には、この場合、直流が用いられる。選択手段210は、一般に、磁力線により図2に示されている勾配磁界である選択磁界211を生成する。その選択磁界は、選択手段210のコイルの対の(例えば、鉛直方向)軸の方向に実質的に一定勾配を有し、この軸のある点において値0に達する。この磁界のない点(図2に別個に示していない)から開始して、選択磁界211の磁界強度は、その磁界のない点から距離が大きくなるにつれて、全ての3つの空間的方向において増加する。磁界のない点の周囲の破線で示している第1副ゾーン301又は領域301においては、磁界強度は小さ過ぎて、第1副ゾーン301が飽和していない理由で、粒子100の磁性は存在せず、第2副ゾーン302(領域301の外側)に存在する粒子100の磁性は飽和状態にある。作用領域300の磁界のない点又は第1副ゾーン301は、好適には、空間的にコヒーレントな領域であり、それは、点状の領域か又は線状の領域又は平坦な領域であることが可能である。第2副ゾーン302(即ち、第1副ゾーン301の外側の作用領域300の残りの部分)においては、磁界強度は、飽和状態に粒子100を保つのに十分に強い。作用領域300内の2つの副ゾーン301、302の位置を変えることにより、作用領域300における(全体的な)磁性は変化する。作用領域300内の磁性及びその磁性により影響される物理パラメータを測定することにより、作用領域内の磁性粒子の空間分布についての情報が得られる。作用領域300における2つの副ゾーン301,302の相対的な空間位置を変えるように、更なる磁界、所謂、駆動磁界221が、作用領域300の選択磁界211又は作用領域300の少なくとも一部に重畳される。
【0028】
図3は、本発明の構成10と共に用いられる種類の磁性粒子100の例を示している。その磁性粒子は、例えば、5mmの厚さを有し、鉄−ニッケル合金(例えば、パーマロイ)を有する軟磁性層102を備えたガラスの球状基板101を有する。この層は、例えば、化学的に及び/又は物理的に過酷な環境、例えば、酸に対して粒子100を保護するコーティング層103により覆われている。そのような粒子100の磁界の飽和のために必要な選択磁界211の磁界強度は種々のパラメータ、例えば、粒子100の直径、磁性層102について用いられる磁性材料及び他のパラメータに依存する。
【0029】
例えば、10μmの直径の場合、約800A/m(1mTの磁束密度に略対応する)が必要であり、100μmの直径の場合、10A/mの磁界で十分である。より低い飽和磁化を有する材料のコーティング102が選択されるとき又はコーティング102の厚さが減少されたときには、更に小さい値が得られる。
【0030】
好適な磁性粒子100についての更なる詳細については、独国特許第10151778号明細書の対応する部分、特に、独国特許第10151778号明細書の優先権を主張する欧州特許第1304542A2号明細書の段落16乃至20及び段落57乃至61に記載されている。
【0031】
第1副ゾーン301の大きさは、一方で、選択磁界211の勾配強度に依存し、他方で、飽和のために必要な磁界の磁界強度に依存する。80A/mの磁界強度の磁性粒子100の十分な飽和及び合計が160x103A/m2になる選択磁界211の磁界強度の勾配(所定の空間方向における)については、粒子100の磁化が飽和されていない第1副ゾーン301は約1mm(所定の空間方向において)の寸法を有する。
【0032】
以下で駆動磁界221と呼ばれる更なる磁界が作用領域300において選択磁界210(又は、勾配磁界210)に重畳されるとき、第1副ゾーン301は、この駆動磁界221の方向に第2副ゾーン302に相対して移動され、この移動範囲は、駆動磁界221の強度が高くなるにつれて大きくなる。重畳される駆動磁界221は時間経過につれて可変であるとき、第1副ゾーン301の位置は、それに伴って、時間及び空間により可変である。駆動磁界221の変化の周波数帯に比べて他の周波数帯(より高い周波数の方に移動された)において、第1副ゾーン301に位置している磁性粒子100からの信号を受信する又は検出することは有利である。このことは、駆動磁界221の周波数の高調波の周波数成分が磁化特性の非線形性の結果として作用領域300における磁性粒子100の磁化における変化のために生じるために、可能である。
【0033】
空間における何れかの所定の方向についてそれらの駆動磁界221を生成するように、更なるコイルの対、即ち、以下で駆動手段220とも呼ばれる第2のコイルの対220′、第2のコイルの対220′′及び第4のコイルの対220′′′が備えられる。例えば、第2のコイルの対220′′は、第1コイルの対210′、210′′又は選択手段210のコイルの軸の方向において、即ち、例えば、鉛直方向において、広がっている駆動磁界221の成分を生成する。このために、第2コイルの対220′の窓は、同じ方向における等しい電流が横断する。第2コイルの対220′により得られる効果は、原理的にまた、第1コイルの対210′、210′′において逆の等しい電流に関して同じ方向における電流の重畳により得られ、それ故、電流は、一のコイルにおいて減少し、他のコイルにおいて増加する。しかしながら、特に、より高い信号対雑音比による信号解釈のために、時間的に一定の(又は準一定の)選択磁界211(又は、勾配磁界とも呼ばれる)及び時間的に可変の駆動磁界が、選択手段210及び駆動手段220の別個のコイルの対により生成されるときには有利である。
【0034】
2つの更なるコイルの対220′′、220′′′が、空間の異なる方向に、例えば、作用領域300(又は、患者350)の長手方向の水平方向に及びそれに対して垂直な方向に広がっている駆動磁界221の成分を生成するように備えられる。ヘルムホルツ型の第3の及び第4のコイルの対(選択手段210及び駆動手段220についてのコイルの対のような)がこの目的で用いられる場合、それらのコイルの対は、治療領域の左側及び右側に若しくはこの治療領域の前方又は後方のそれぞれに備えられる必要がある。このことは、作用領域300又は治療領域300の操作性に影響する。従って、第3の及び/又は第4の磁気コイルの対若しくはコイル220′′、220′′′がまた、作用領域300の上方及び下方に備えられ、それ故、それらの曲がった構成は、第2のコイルの対220′の構成と異なる必要がある。この種類のコイルは、しかしながら、開放型磁石(開放型MRI)を有する磁気共鳴装置の分野で既知であり、その開放型磁石においては、無線周波数(RF)コイルの対は治療領域の上方及び下方に位置付けられ、前記のRFコイルの対は、水平方向の時間的に可変の磁界を生成することが可能である。従って、そのようなコイルの構成については、ここでは更に詳細に説明する必要はない。
【0035】
本発明に従った構成10は、単に図1に模式的に示している受信手段を更に有する。受信手段230は一般に、作用領域300における磁性粒子100の磁化パターンが誘起する信号を検出することが可能であるコイルを有する。この種類のコイルは、しかしながら、磁気共鳴装置の分野で知られていて、その磁気共鳴装置においては、例えば、無線周波数(RF)コイルの対が、できるだけ高い信号対雑音比を有するように、作用領域300の周囲に位置付けられる。従って、そのようなコイルの構成については、ここでは更に詳細に説明する必要はない。
【0036】
図1に示す選択手段210についての代替の実施形態においては、永久磁石(図示せず)が、選択勾配磁界211を生成するように用いられることが可能である。そのような対向する磁石(図示せず)の2つの極間の空間において、図2の磁界に類似する、即ち、対向する極が同じ極性を有する磁界を生成する。本発明に従った他の代替の実施形態においては、選択手段210は、図2に示すように、少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つのコイル210′、210′′の両方を有する。
【0037】
選択手段210、駆動手段220及び受信手段230の異なる構成要素についての又は異なる構成要素において通常用いられる周波数領域は略次のようである。選択手段210により生成される磁界は、時間の経過と共に全く変化しないか又は、その変化は、好適には、約1Hz乃至約100Hz間の範囲内では比較的ゆっくりである。駆動手段220により生成される磁界は、好適には、約25kHz乃至約100kHz間の範囲内で可変である。受信手段が感応性であるとみなされる磁界は、好適には約50kHz乃至約10Mhz間の周波数範囲である。
【0038】
図4a及び4bは、磁化特性、即ち、粒子100の位置における磁界強度の関数としての粒子100(図4a及び4bには示していない)の磁化Mの変動を、そのような粒子が分散した状態で示している。磁化Mは、磁界強度+Hc以上及び−Hc以下ではもはや変化せず、そのことは、飽和磁化に達していることを意味することは明らかである。磁化Mは、値+Hc及び−Hc間では飽和していない。
【0039】
図4aは、粒子100の位置における正弦波磁界H(t)の効果であって、得られる正弦波磁界H(t)の(即ち、“粒子100がみる”)絶対値は、粒子を磁界的に飽和するのに必要な磁界強度より小さく、即ち、その場合には、更なる磁界がアクティブになる効果について示している。この状態についての粒子100の磁化は磁界H(t)の周波数の周期における飽和値の間を移動する。結果としての磁化の時間に伴う変化は、図4aの右側の参照符号M(t)で表されている。その磁化はまた、周期的に変化し、そのような粒子の磁化は周期的に反転することが理解できる。
【0040】
その曲線の中央の線の破線部分は、正弦波磁界H(t)の磁界強度の関数としての磁化M(t)の略平均の変化を示している。この中央の線からのずれとしては、磁化は、磁界Hが−Hcから+Hcに増加するときには、右側に僅かに広がり、磁界Hが+Hcから−Hcに減少するときには、左側に僅かに広がる。この既知の効果は、熱の生成についての機構が基礎にあるヒステリシス効果と称されるものである。その極性のパス間に形成されるヒステリシスにより形成される領域の面積であって、領域の形状及びサイズが材料に依存する、面積は、磁化の変動時に熱の生成についての指標になる。
【0041】
図4bは、静磁界H1が重畳される正弦波磁界H(t)の効果を示している。磁化は飽和状態にあるため、その磁化は正弦波磁界H(t)により影響されない。磁化M(t)は、この領域においては時間が経過しても一定のままである。従って、磁界H(t)は、磁化の状態の変化をもたらさない。
【0042】
本発明に従った1つの重要な目的は、選択手段210(選択磁界が電流により生成される場合の)、駆動手段220及び受信手段230のそれぞれの抵抗ができるだけ小さいように、本発明の構成を提供することである。本発明に従って、図5乃至7を参照してより詳細に説明されるリッツ線250を少なくとも一部で有する、選択手段210、駆動手段220及び受信手段230の少なくとも1つを提供することが提案されている。
【0043】
図5乃至7においては、本発明に従った複数の選択手段210、駆動手段220及び/又は受信手段230又はそれらのうちの1つのリッツ線250が模式的に示されている。それらの図の各々は、本発明に従ったリッツ線250の一実施形態の断面図である。各々のリッツ線250は複数の別個の線255を有する。種々の実施形態が、スケーリングされずに描かれていて、その寸法は、単に容易に表現するために選択されている。リッツ線250の充填率は、個別の線255の各々の断面積を合計して、完全なリッツ線250の断面積で除算することにより容易に演算することができる。リッツ線250の長手方向に対する垂直方向において図5乃至7に示しているリッツ線250の実施形態に対して圧力を加えることにより、充填率が改善されることが可能である。各々の個別の線255は、各々の個別の線255についてクラッディング256のような役割を果たす電気的に高抵抗の材料256により好適に周囲を囲まれている。本発明に従って、そのようなクラッディングが各々の個別のワイヤ255に存在するが、リッツ線250の各々の個別の線255がリッツ線の第1端部250′とリッツ線250の第2端部250′′との間の隣接する個別の線250から電気的に絶縁されている場合には、そのような連続的なクラッディング256は必要ないことが理解される必要がある。リッツ線250の個別の線255は、個別の電流支援パス255としての役割を果たし、そして図5の右側の等価回路図で示される同一インピーダンスを理想的には有し、並列に接続されている抵抗とみなされることが可能である。従って、本発明に従って、リッツ線は、1つの個別の線が、例えば、リッツ線の長手方向に沿った1つの位置においてリッツ線の中央にあるように、及び個別の線が、例えば、リッツ線の長手方向に沿った他の位置においてリッツ線の周囲にあるように回転されることは好ましいことである。図5に示すリッツ線250の実施形態においては、リッツ線250の更なる好適な特徴が示され、即ち、プラスチックフォイル絶縁膜257が、個別の線255の周囲に集合化するように形成される。そのようなプラスチック(例えば、熱可塑性)絶縁膜はまた、リッツ線250の他の実施形態全てに対して備えられることが可能であるが、それらにおいては示されていない。リッツ線250の個別の線255の周囲を集合化するように形成されたそのような絶縁性フォイル又は絶縁性材料は、リッツ線のより良好な電圧特性が有効であるという有利点を提供する。
【0044】
図6においては、リッツ線250の更なる実施形態の断面が模式的に示され、その図において、リッツ線250はまた、複数の個別の線255を有するが、それらの個別の線255は、所謂、複数の一次リッツ線251にグループ化されている。それらの一次リッツ線251(各々、複数の個別の線255を有する)は共に、リッツ線250を形成するように結合されている。図6においては、連続的なクラッディング256が、各々の個別の線255の周囲に好適に存在するが、それらには参照番号は付けられていない。
【0045】
図7においては、リッツ線250の更なる実施形態の断面が模式的に示され、その図において、リッツ線250はまた、複数の個別の線255(図5及び6に従った実施形態におけるように)及び複数の一次リッツ線251を有するが、それらの一次リッツ線251は、所謂、複数の二次リッツ線252にグループ化されている。それらの二次リッツ線252(各々が、複数の一次リッツ線251を有する)は共に、リッツ線250を形成するように結合されている。図6においては、連続的なクラッディング256が、各々の個別の線255の周囲に好適に存在するが、簡略化のために示されていない。
【0046】
図8乃至11においては、リッツ線250を有するディスク形状のコイル260の他の実施形態が示されている。図8は、リッツ線250を有するディスク形状のコイル260の平面図であって、リッツ線250はまた、第1端部250′及び第2端部250′′を有する、平面図を模式的に示している。図9は、図8に示すディスク形状のコイル260の側面図である。リッツ線250の有効なパターンの一実施例として、図8及び9は、そのディスクの外側(即ち、本質的には、ディスクの最大半径)にある第1及び第2端部250′、250′′の両方を有して螺旋状に曲がるように形状化されたリッツ線250を示している。一実施形態においては、これは、2つの層261、261′(図9にのみ示している)においてリッツ線250を備えることにより実現される。2つの層261、261′の第1の層においては、リッツ線250は、例えば、そのディスク形状のコイル260の外側からそのディスク形状のコイル260の小さい半径の方に螺旋状に且つ径方向に曲げられ、それらの2つの層261、261′の第2の層においては、リッツ線250は、反対方向に、即ち、小さい半径の方から大きい半径の方に螺旋状に曲げられている(リッツ線250の破線)。図示している実施形態においては、絶縁性フォイル262は、破線で示す形状化されたコイル260の2つの層261、261′間に備えられている。これは、高電圧特性を改善し、寄生容量を低減することができる。しかしながら、絶縁性フォイル262を備えることは必須ではない。
【0047】
図10及び11は、ディスク形状のコイル260の更なる実施例の模式図である。図10においては、間隔を置いた2つのディスク263、263′が、それらの間に冷却チャネル264を有して備えられている。冷却流体(気体又は液体、特に水及び/又はオイル)の流れが、水平方向の矢印で模式的に示されている。互いに対して及び本発明の構成10の他の構成要素に対して規定された位置に2つの間隔を置いたディスク263、263′を位置付けるように、スペーサを備えることがまた、可能である。冷却チャネル264は、ディスク形状のコイル260の一部を除去することにより備えられることが可能である。例えば、これは、ディスク形状のコイル260の材料と可溶性の又はエッチング可能な材料を組み合わせることにより実現される。図11においては、リッツ線250の2つのD字形パターンが模式的に示されている。そのようなパターンは、作用領域がコイルにより完全に囲まれている必要はなく、更にその構成10の三次元分解能が互いに対して垂直である3つの空間の方向における駆動磁界221の成分を与える駆動手段220により可能であるために、作用領域300の操作性を改善する可能性を提供する。
【0048】
図12においては、ディスク形状のコイル260を製造する方法の実施例の模式図を示している。リッツ線250のパターン266は、金型の第1の半分において位置付けられ、その第1の半分267は、ディスク形状のコイル260の主面を後に規定する面265に沿って本質的に広がっている。リッツ線250のパターン266は、好適には、リッツ線250(例えば、金属性の電流支援の個別の線255と織り交ぜられた熱可塑性樹脂線による)を好適に有することが可能である、又はディスク形状のコイル260の形状を規定するように形成するように圧力を加える前にリッツ線250のパターン266に付加されることが可能である、第1熱可塑性材料を好適に有する。その圧力は、図12における2つの縦方向の矢印で表され、金型又はツールの第1半分及び第2半分に加えられる。その圧力を加えることにより、ディスク形状のコイル260が規定されるように形成され、硬化可能材料が硬化される。代替の実施形態においては、圧力を加えている間に、第2熱可塑性材料259(第1熱可塑性材料258に付加して又は第1熱可塑性材料258に代えて)を加えることにより実現される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作用領域において磁性粒子に影響を与える及び/又は該磁性粒子を検出する構成であって:
低磁界強度を有する第1副ゾーン及び高磁界強度を有する第2副ゾーンが前記作用領域において形成されるような、磁界強度の空間におけるパターンを有する選択磁界を生成する選択手段;
前記磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、駆動磁界により前記作用領域における前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーンの空間における位置を変化させる駆動手段;並びに
信号を取得する受信手段であって、前記信号は前記作用領域における前記磁化に依存し、前記磁化は、前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーンの空間における前記位置の前記変化により影響される、受信手段;
を有する構成であり、
前記選択手段及び/又は前記駆動手段及び/又は前記受信手段は少なくとも一部がリッツ線/撚線を有する;
構成。
【請求項2】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は複数の個別の線を有し、各々の個別の線は、高い電気抵抗の材料により囲まれている、構成。
【請求項3】
請求項2に記載の構成であって、前記リッツ線は、複数の個別の線を有する複数の一次リッツ線を有し、前記リッツ線は複数の一次リッツ線を有する、構成。
【請求項4】
請求項2に記載の構成であって、前記リッツ線は複数の一次リッツ線及び複数の二次リッツ線を有し、前記一次リッツ線は複数の個別の線を有し、前記二次リッツ線は複数の一次リッツ線を有し、前記リッツ線は複数の二次リッツ線を有する、構成。
【請求項5】
請求項1に記載の構成であって、前記受信手段の前記抵抗は熱雑音により支配され、特に、前記作用領域における熱雑音により発生される、構成。
【請求項6】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は少なくとも一部が強磁性材料を有する、構成。
【請求項7】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は少なくとも一部が選択手段について及び/駆動手段について用いられ、前記選択手段の前記リッツ線は少なくとも一部が前記駆動手段の前記駆動磁界により侵入され、並びに/若しくは前記駆動手段の前記リッツ線は少なくとも一部が前記選択手段の前記選択磁界により侵入される、構成。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の構成であって、前記リッツ線は、所定の使用周波数帯における及び前記リッツ線に侵入する所定の電磁界における抵抗が実質的に最小である、構成。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の構成であって、前記リッツ線は、約0.30乃至約0.70の範囲内の、好適には約0.40乃至約0.60の範囲内の、更に好適には約0.50のリッツ線の断面積に対する前記個別の線の合計の断面積の比、即ち、充填率を有し、若しくは、前記リッツ線が、約0.01乃至約0.20の範囲内の、好適には約0.03乃至約0.10の範囲内の前記リッツ線の断面積に対する前記個別の線の合計の断面積の比、即ち、充填率を有する、構成。
【請求項10】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の構成であって、前記リッツ線の前記個別の線は、約1μm乃至約50μmの範囲内の、好適には約10μm乃至約25μmの範囲内の直径を有する、構成。
【請求項11】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は圧縮されたリッツ線である、構成。
【請求項12】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は複数の熱可塑性樹脂線を有する、構成。
【請求項13】
請求項1に記載の構成であって、異なるリッツ線間の空間又は前記リッツ線の内側の空間は冷却チャネルの1つ又は複数の冷却チャネルのために用いられる、構成。
【請求項14】
請求項1に記載の構成であって、前記選択手段及び/又は前記駆動手段及び/又は前記受信手段は少なくとも一部がディスク形状のコイルを有する、構成。
【請求項15】
作用領域において磁性粒子に影響を与える及び/又は該磁性粒子を検出する方法であって:
低磁界強度を有する第1副ゾーン及び高磁界強度を有する第2副ゾーンが前記作用領域において形成されるような、磁界強度の空間におけるパターンを有する選択磁界を生成する段階;
前記磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、駆動磁界により前記作用領域における前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーンの空間における位置を変化させる段階;並びに
信号を取得する段階であって、前記信号は前記作用領域における前記磁化に依存し、前記磁化は、前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーンの空間における前記位置の前記変化により影響される、段階;
を有するシステムであり、
前記選択磁界の前記生成並びに/若しくは前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーン及び/又は前記駆動手段及び/又は前記受信手段の空間における位置の変化並びに/若しくは前記作用領域における前記磁化に依存する前記信号の前記取得が、少なくとも一部がリッツ線/撚線により実行される;
方法。
【請求項16】
作用領域における磁性粒子に影響を与える及び/又は該磁性粒子を検出する、請求項1又は7に記載の構成を用いる方法。
【請求項1】
作用領域において磁性粒子に影響を与える及び/又は該磁性粒子を検出する構成であって:
低磁界強度を有する第1副ゾーン及び高磁界強度を有する第2副ゾーンが前記作用領域において形成されるような、磁界強度の空間におけるパターンを有する選択磁界を生成する選択手段;
前記磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、駆動磁界により前記作用領域における前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーンの空間における位置を変化させる駆動手段;並びに
信号を取得する受信手段であって、前記信号は前記作用領域における前記磁化に依存し、前記磁化は、前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーンの空間における前記位置の前記変化により影響される、受信手段;
を有する構成であり、
前記選択手段及び/又は前記駆動手段及び/又は前記受信手段は少なくとも一部がリッツ線/撚線を有する;
構成。
【請求項2】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は複数の個別の線を有し、各々の個別の線は、高い電気抵抗の材料により囲まれている、構成。
【請求項3】
請求項2に記載の構成であって、前記リッツ線は、複数の個別の線を有する複数の一次リッツ線を有し、前記リッツ線は複数の一次リッツ線を有する、構成。
【請求項4】
請求項2に記載の構成であって、前記リッツ線は複数の一次リッツ線及び複数の二次リッツ線を有し、前記一次リッツ線は複数の個別の線を有し、前記二次リッツ線は複数の一次リッツ線を有し、前記リッツ線は複数の二次リッツ線を有する、構成。
【請求項5】
請求項1に記載の構成であって、前記受信手段の前記抵抗は熱雑音により支配され、特に、前記作用領域における熱雑音により発生される、構成。
【請求項6】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は少なくとも一部が強磁性材料を有する、構成。
【請求項7】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は少なくとも一部が選択手段について及び/駆動手段について用いられ、前記選択手段の前記リッツ線は少なくとも一部が前記駆動手段の前記駆動磁界により侵入され、並びに/若しくは前記駆動手段の前記リッツ線は少なくとも一部が前記選択手段の前記選択磁界により侵入される、構成。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の構成であって、前記リッツ線は、所定の使用周波数帯における及び前記リッツ線に侵入する所定の電磁界における抵抗が実質的に最小である、構成。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の構成であって、前記リッツ線は、約0.30乃至約0.70の範囲内の、好適には約0.40乃至約0.60の範囲内の、更に好適には約0.50のリッツ線の断面積に対する前記個別の線の合計の断面積の比、即ち、充填率を有し、若しくは、前記リッツ線が、約0.01乃至約0.20の範囲内の、好適には約0.03乃至約0.10の範囲内の前記リッツ線の断面積に対する前記個別の線の合計の断面積の比、即ち、充填率を有する、構成。
【請求項10】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の構成であって、前記リッツ線の前記個別の線は、約1μm乃至約50μmの範囲内の、好適には約10μm乃至約25μmの範囲内の直径を有する、構成。
【請求項11】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は圧縮されたリッツ線である、構成。
【請求項12】
請求項1に記載の構成であって、前記リッツ線は複数の熱可塑性樹脂線を有する、構成。
【請求項13】
請求項1に記載の構成であって、異なるリッツ線間の空間又は前記リッツ線の内側の空間は冷却チャネルの1つ又は複数の冷却チャネルのために用いられる、構成。
【請求項14】
請求項1に記載の構成であって、前記選択手段及び/又は前記駆動手段及び/又は前記受信手段は少なくとも一部がディスク形状のコイルを有する、構成。
【請求項15】
作用領域において磁性粒子に影響を与える及び/又は該磁性粒子を検出する方法であって:
低磁界強度を有する第1副ゾーン及び高磁界強度を有する第2副ゾーンが前記作用領域において形成されるような、磁界強度の空間におけるパターンを有する選択磁界を生成する段階;
前記磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、駆動磁界により前記作用領域における前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーンの空間における位置を変化させる段階;並びに
信号を取得する段階であって、前記信号は前記作用領域における前記磁化に依存し、前記磁化は、前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーンの空間における前記位置の前記変化により影響される、段階;
を有するシステムであり、
前記選択磁界の前記生成並びに/若しくは前記第1副ゾーン及び前記第2副ゾーン及び/又は前記駆動手段及び/又は前記受信手段の空間における位置の変化並びに/若しくは前記作用領域における前記磁化に依存する前記信号の前記取得が、少なくとも一部がリッツ線/撚線により実行される;
方法。
【請求項16】
作用領域における磁性粒子に影響を与える及び/又は該磁性粒子を検出する、請求項1又は7に記載の構成を用いる方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−512910(P2010−512910A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542323(P2009−542323)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/IB2007/055126
【国際公開番号】WO2008/078242
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/IB2007/055126
【国際公開番号】WO2008/078242
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]