説明

使い捨ておむつ

【課題】資材及び製造工程の追加や変更を要せずに、容易に使用できるポケットを形成する。
【解決手段】上記課題は、背側部分Bにおける内装体200及び外装シート12の重なり部分のうち、内装体200におけるウエスト側端縁から股間側の所定位置までの幅方向中間部201が、外装シート12に非接合又は剥離可能に接合されており、この非接合又は剥離可能に接合された部分201における内装体200と外装シート12との間が、内装体200のウエスト側端縁に開口するポケット300となる構造により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつの多くは、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されてなり、背側から股間部を通り腹側までを覆うように形成された本体部を有している。また、製品外面の見栄えや肌触りを良くするために、本体部の外面における少なくとも前後のウエスト側端部に、胴回りを覆うように形成された外装シートが張り付けられているものが多い。そして、いわゆる止着式(テープ式)のものでは、背側の両側部にファスニングテープがそれぞれ設けられており、これらファスニングテープを腹側外面に係止することで装着を行い、パンツ型のものでは背側の両側部と腹側の両側部とがそれぞれ接合され、ウエスト開口部及び脚開口部が予め形成されており、脚開口部に脚を通して胴回りまで引き上げることにより装着を行うものである。
他方、このような使い捨ておむつにおいて、使用者の利便性向上を目的として、おむつ外面にシートを貼り付けてポケットを設けることが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−254862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この先行技術のポケットは、ポケット形成用のシートをおむつ外面に貼り付ける必要があり、資材及び製造工程の追加や変更が必要になるという問題点があった。
そこで、本発明の主たる課題は、資材及び製造工程の追加や変更を要せずに、容易に使用できるポケットを形成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されてなり、背側から股間部を通り腹側までを覆うように形成された本体部と、この本体部の外面における少なくとも前後のウエスト側端部に張り付けられ、少なくとも胴回りを覆うように形成された外装シートとを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記腹側及び背側の少なくとも一方における前記本体部及び外装シートの重なり部分のうち、前記本体部におけるウエスト側端縁から股間側の所定位置までの幅方向中間部が、前記外装シートに非接合又は剥離可能に接合されており、
この非接合又は剥離可能に接合された部分における前記本体部と前記外装シートとの間が、前記本体部のウエスト側端縁に開口するポケットとなるように構成されている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【0005】
(作用効果)
本発明では、本体部の裏面と外装シートの内面との間がポケットとして形成されるため、資材及び製造工程の追加や変更を要しないものである。また、ウエスト側に開口しているため、使用者はおむつのウエスト部を身体から引き離し、その離間部分を介してポケットへの物の出し入れを行うことができるため、使用も容易となる。さらに、ポケットに芳香物を入れておけば、おむつを身体から離した際に、ポケットの開口部から芳香が一気に発散されるため、排泄物の臭気打ち消しを効果的に行うことができる。
【0006】
しかも、ポケットを利用しない場合には従来のおむつと同様の外観及び使用感で使用することができる。特に、本体部のポケット形成部分が外装シートに対して剥離可能に接合されている場合には、ポケットを空けない場合には、ポケットが開かずに従来のおむつと実質的に変わり無く使用できるものでありながら、必要時にはポケットとして利用できるため好ましい。
【0007】
<請求項2記載の発明>
前記液不透過性シートは透湿性を有し、前記液不透過性シートの少なくとも一部が前記ポケットの内面に露出されるとともに、前記液不透過性シートのJIS P 8116に規定される前後方向引き裂き強度 が150gf以上とされている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【0008】
(作用効果)
本発明では、本体部の裏面と外装シートの内面との間がポケットとして形成されるため、そのままでは、液不透過性シートがポケットの内面に露出される。しかし、本項記載のように、液不透過性シートとして高強度の資材を用いると、使用中あるいは剥離可能な接合部を剥離する際に液不透過性シートが破れることがないため好ましい。
【0009】
<請求項3記載の発明>
前記液不透過性シートが透湿性を有するプラスチックフィルムからなり、前記液不透過性シートの少なくとも一部が前記ポケットの内面に露出されるとともに、その露出部分の少なくとも一部が通気性補強シートにより内張りされている、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
【0010】
(作用効果)
使い捨ておむつの分野では液不透過性シートとして透湿性を有するプラスチックフィルムが広く採用されているが、このようなシートは前後方向引き裂き強度が弱いため、使用中あるいは剥離可能な接合部を剥離する際に破れる恐れがある。しかし、単に液不透過性シートを高強度にすると、液不透過性シートの透湿性が低下する。よって、液不透過性シートの強度を補うために、通気性補強シートにより内張りするのも好ましい形態である。
【0011】
<請求項4記載の発明>
前記通気性補強シートが、デザインの施されたデザインシートであり、このデザインが前記外装シートを通して外面から視認可能とされている、請求項3記載の使い捨ておむつ。
【0012】
(作用効果)
外装シートと本体部との間に配置されるシートの一つにデザインシートがある。本項記載の発明は、このデザインシートを通気性補強シートとして利用するものであり、資材及び製造工程の追加や変更を要せずに、ポケット内面の補強を行うことができる点で好ましいものである。
【0013】
<請求項5記載の発明>
前記外装シートは、外面側部分と、外面側部分のウエスト側端縁から内側に折り返された折り返し部分とを有しており、
前記折り返し部分は、股間側端縁が前記本体部のウエスト側端縁より股間側に位置しており、
この折り返し部分のうち本体部と重なる部分が、本体部と外装シートとの間に位置し且つ前記外面側部分に対して固定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0014】
(作用効果)
外装シートをウエスト側端縁で内側に折り返す構造は、ウエスト側端縁に資材の切断端が無くなり肌触りが良くなる。また、その折り返し部分を本体部のウエスト側縁部の身体側に被せて固定すると、本体部のウエスト側縁部の肌に対する当りを柔らかくできる等の利点がある。そのため、このような構造は、従来から採用されているものである(特にパンツ型使い捨ておむつにおいて良く用いられている)。
【0015】
しかし、本発明の場合、本体部のウエスト側端縁にポケットが開口するため、外装シートの折り返し部分を設けるとしても、その折り返し部分によりポケットの開口を塞がないようにする必要がある。この場合、単に折り返し部分のうち本体部と重なる股間側部分を非固定としても良いが、この非固定部分がある程度の大きさになると、ひらひら動いて装着感の悪化をもたらすおそれがある。よって、これを防止するために、折り返し部分の股間側端縁を本体部のウエスト側端縁より股間側に位置させる場合には、その本体部と重なる部分を本体部と外装シートとの間に位置させて外面側部分に固定するのも好ましい形態である。
【0016】
<請求項6記載の発明>
前記外装シートは、外面側部分と、外面側部分のウエスト側端縁から内側に折り返された折り返し部分とを有しており、
前記折り返し部分は、股間側端縁が前記本体部のウエスト側端縁と同位置か又はそれよりウエスト側に位置し、且つ前記外面側部分の内面に対して固定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0017】
(作用効果)
前述したとおり、本発明の場合、本体部のウエスト側端縁にポケットが開口するため、外装シートの折り返し部分を設けるとしても、その折り返し部分によりポケットの開口を塞がないようにする必要がある。よって、本項記載のように、折り返し部分を短くしてポケットの開口までは達しない位置で外面側部分に固定するのも好ましい形態である。
【0018】
<請求項7記載の発明>
前記外装シートは、外面側部分と、外面側部分のウエスト側端縁から内側に折り返された折り返し部分とを有しており、
前記折り返し部分は、股間側端縁が前記本体部のウエスト側端縁より股間側に位置するとともに、本体部の内面側に被されており、
前記折り返し部分の股間側端部は、少なくとも一部が前記本体部に固定されておらず、この非固定部分に幅方向に沿って伸張した状態で弾性伸縮部材が固定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0019】
(作用効果)
前述したとおり、本発明の場合、本体部のウエスト側端縁にポケットが開口するため、外装シートの折り返し部分を設けるとしても、その折り返し部分によりポケットの開口を塞がないようにする必要がある。そしてこの場合、単に折り返し部分のうち少なくとも本体部と重なる股間側部分を非固定としても良いが、この非固定部分がある程度の大きさになると、ひらひら動いて装着感の悪化をもたらすおそれがある。これに対して、折り返し部分が本項記載のように構成されていると、折り返し部分の股間側端部は弾性伸縮部材の収縮により収縮してひらひらしなくなる。また、折り返し部分の股間側端部がポケットの開口を覆うものでありながら、弾性伸縮部材により伸縮可能になっているため、折り返し部分を伸張させつつ捲ることができ、ポケットの開口を露出させ易い。また、折り返し部分が弾性伸縮部材の収縮により自動的に元の位置に復帰するため、折り返し部分を整える必要がなくなるという利点もある。
【0020】
<請求項8記載の発明>
前記本体部のウエスト側縁部は、前記吸収体を有せず且つ前記透液性表面シート及び液不透過性シートを含むシート状資材の融着接合により形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0021】
(作用効果)
使い捨ておむつの分野では、吸収体に高吸収性ポリマー粒子を含むのが一般的である。また、本体部のウエスト側縁部が透液性表面シートの縁部と液不透過性シートの縁部との接合により構成されている構造が一般的である。しかし、このような構造に本発明を適用すると、本体部のウエスト側端縁がポケットの開口縁として露出するため、ポケットの使用時に本体部のウエスト側縁部の資材間から高吸収性ポリマー粒子が漏れるおそれがある。よって、本項記載のように、本体部のウエスト側縁部のシート状資材をエンボス加工等の融着手段により接合し、本体部のウエスト側縁部における資材間を剥離し難くし、資材間からの高吸収性ポリマー粒子の漏れを防止するのは好ましい。
【0022】
<請求項9記載の発明>
前記吸収体は高吸収性ポリマー粒子を含むとともに、表裏面及び両側面を取り囲むように包装シートが筒状に巻き付けられて包装されており、この筒状の包装シートにおけるウエスト側縁部が前記吸収体のウエスト側縁部から食み出しており、この食み出し部分が表裏方向に潰されて接合されており、この接合強度が500〜2000gf/25mmとされている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0023】
(作用効果)
本体部のウエスト側縁部の資材間から高吸収性ポリマー粒子が漏れるという前述の問題点は、包装シートのウエスト側縁部に吸収体からの食み出し部を設け、包装シートのウエスト側縁部の接合強度を従来より格段に強くすることによっても解決することができる。なお、接合強度(180度剥離強度)の測定は、引張試験機(例えばSHIMADZU社製のAOUTGRAPHAGS−G100N)を用いて測定することができる。測定方法は、25mm×130mmに裁断した試料を作成し、あらかじめ長手方向5cmを剥がして引き剥がし口を形成しておき、20℃条件下において、チャック間50mm、引張速度300mm/minの条件で、前述の引き剥がし口から30mmの長さを引張試験機にて剥離して測定する。試料は長手方向が製品タテ方向となるものと、長手方向が製品ヨコ方向となるものの二種類を作成し、それぞれについて測定した値を平均して測定値とする。
【発明の効果】
【0024】
以上のとおり、資材及び製造工程の追加や変更を要せずに、容易に使用できるポケットを形成できるようになる、等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下では、先ずパンツ型使い捨て紙おむつの基本構造例について説明し、次に特徴部分について説明する。各図において、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
【0026】
<パンツ型使い捨ておむつの基本構造例>
図1〜図10は、パンツ型使い捨ておむつの一例を示しており、このパンツ型使い捨ておむつは、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シートの内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12は着用者に装着するための部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。
【0027】
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、本発明の本体部に相当するものである。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立するバリヤーカフス60を示している。
【0028】
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
【0029】
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
【0030】
バリヤーカフス60を設ける場合、表面シート30の両側部は、液不透過性シート11とバリヤーカフス60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及びバリヤーカフス60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
【0031】
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
【0032】
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
【0033】
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
【0034】
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。具体的には、JIS Z 0208に準じて測定された透湿度が3000〜12000g/m2・24hr、好ましくは6000〜12000g/m2・24hr、より好ましくは8000〜12000g/m2・24hrの透湿性を有する不透液性シートを使用するのが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
【0035】
液不透過性シート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
【0036】
また、液不透過性シート11の内面または外面には、印刷や着色によるデザインを施しても良い。さらに、液不透過性シート11の内側に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータ80を設けることができる。
【0037】
(デザインシート)
液不透過性シート11と外装シート12との間には、印刷または着色によりデザインの施されたデザインシート25を設けることができる。デザインシート25のデザインは、外装シート12を通して製品外面から視認されるように、外装シート12の総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましく、外装シート12のJIS K 7105に規定される全光線透過率が40%以上、特に50%以上となっているのが好ましい。また、後述する細長状弾性伸縮部材15〜19がデザインシート25を横切る場合において、細長状弾性伸縮部材15〜19として酸化チタンを含有するゴムを用いる場合には、酸化チタンの含有量が低い(例えば2%以下の)ものあるいは酸化チタンを含有しないものを用いるのが好ましい。デザインシート25の基材には、プラスチックフィルムや不織布、紙などを用いることができる。プラスチックフィルムを用いる場合は、ムレ防止のため透湿性を有することが望ましい。不織布や紙は透湿性を有するため好ましいが、不織布を用いる場合は平滑性が高く印刷しやすいもの、紙を用いる場合は強度が高くインクの滲み難いものを用いる必要がある。また、デザインシート25は、外装シート12の層間に設けてもよい。
【0038】
(バリヤーカフス)
バリヤーカフス60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態のバリヤーカフス60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
【0039】
より詳細には、バリヤーカフス60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のバリヤーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸張状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。バリヤーカフス60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、取付部分65から内装体200の側部を通り表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる。突出部分のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸張状態で固定されている。
【0040】
バリヤーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたバリヤーシートの間に防水フィルムを介在させることもできる。
【0041】
バリヤーカフス60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
【0042】
バリヤーカフス60の取付部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
【0043】
かくして構成されたバリヤーカフス60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍においてバリヤーカフス60が幅方向外側に開くように起立するため、バリヤーカフス60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
【0044】
バリヤーカフス60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、バリヤーカフス60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、バリヤーカフス60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
【0045】
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側においてバリヤーカフスを二重に(二列)設けることもできる。
【0046】
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
【0047】
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
【0048】
吸収体56は長方形形状でも良いが、図1にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体とバリヤーカフス60の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。
【0049】
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。
【0050】
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
【0051】
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
【0052】
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
【0053】
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
【0054】
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
【0055】
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
【0056】
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
【0057】
(外装シート)
外装シート12は、股間部から腹側に延在する腹側部分Fと、股間部から背側に延在する背側部分Bとを有し、これら腹側部分Fの両側部と背側部分Bの両側部とが接合されて、図8及び図9に示すように、装着者の胴を通すための胴開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における腹側部分のウエスト端縁から背側部分のウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が腹側部分F及び背側部分Bをそれぞれ意味する。
【0058】
外装シート12は、胴開口部WOから脚開口部LOの上端に至る前後方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的に「ウエスト側端部」Wと「胴周り下部」Uとに分けることができる。これらの前後方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト側端部Wは15〜40mm、胴周り下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。この結果、外装シート12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装シート12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図10に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることもできるが、図17に示すように、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めるのが好ましい。
【0059】
外装シート12は、図3〜図5に示されるように、二枚のシート状資材12S,12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて形成されるものであり、内側に位置する内側シート状資材12Hはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側シート状資材12Sは内側シート状資材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体20のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
【0060】
シート状資材12S,12Hとしては、シート状資材であれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
【0061】
そして、外装シート12には、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート状資材12S,12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸張率で設けられている。細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装シート12の両シート状資材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装シート12全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
【0062】
より詳細には、背側部分B及び腹側部分Fのウエスト端部(上端部)Wにおける内側シート状資材12Hの内側面と外側シート状資材12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17,18が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18のうち、胴周り下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト弾性伸縮部材17,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸張率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18は、その全てが同じ太さと伸張率にする必要はなく、例えばウエスト側端部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸張率が異なるようにしてもよい。
【0063】
また、腹側部分F及び背側部分Bの胴周り下部Uにおける内側シート状資材12Hの外側面と外側シート状資材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材15,19が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
【0064】
胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸張率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
【0065】
また、腹側部分F及び背側部分Bの中間部Lにおける内側シート状資材12Hの外側面と外側シート状資材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材16が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
【0066】
中間部Lの細長状弾性伸縮部材16,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸張率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
【0067】
なお、図示のように、胴回り下部U及び中間部Lの細長状弾性伸縮部材15,19,16,18が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがないため好ましい。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が切断され、伸縮力が作用しない(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)ように構成されている形態も含まれる。もちろん細長状弾性伸縮部材15,19,16,18の配設形態は上記例に限るものではなく、胴回り下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19,16,18の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
【0068】
(ポケット)
特徴的には、図5及び図6に示すように、背側における内装体200及び外装シート12の重なり部分のうち、内装体200におけるウエスト側端縁から股間側の所定位置までの幅方向中間部(ポケット形成部分ともいう)201が、外装シート12に非接合とされているか又は剥離可能に接合されている。また、内装体200のポケット形成部分201以外の部分202,203は、外装シート12の内面に対して通常使用では剥離しないように強く接合される。これらの接合部分201,202,203は、ホットメルト接着剤等の接着剤により形成することができる。かくして構成されていると、内装体200のポケット形成部分が非接合である場合には、図10に示すように、ポケット形成部分201における内装体200と外装シート12との間には内装体200のウエスト側端縁に開口するポケット300が形成され、内装体200のポケット形成部分が接合されている場合にはこれを必要に応じて剥離することにより、ポケット形成部分201における内装体200と外装シート12との間がポケット300となるものである。
【0069】
これらの接合部分201,202,203の接合強度は、接着剤を用いる場合には接着剤の種類とその塗布量により調整することができる。具体的には、剥離可能な接合部分201における接合強度(180度剥離強度)は10〜400gf/25mm程度、特に20〜200gf/25mm程度とするのが好ましい。10gf/25mm以下であると使用中に意図せずポケット形成部分201における剥離が起こる恐れがあり、400gf/25mm以上であると、ポケット形成のための剥離がスムーズに行えない。また、ポケット形成部分以外の部分202,203の接合強度は200〜2000gf/25mm程度とするのが好ましく、特に内装体200の両側縁部203の外装シート12に対する接合強度をより強く、例えば500〜2000gf/25mm程度とするのが好ましい。特に、外装シート12の括れにおける幅が、図17に示すように、最も狭い部分でも内装体200の幅以上である場合には、両側縁部203の接合を前端から後端まで連続的に設けるのが好ましい。
【0070】
さらに、内装体200のポケット形成部分201を剥離可能に接合する場合、その接合強度と比べて、液不透過性シート11と包装シート58(包装シートを有しない場合には吸収体56)との接合強度、及び外装シート12におけるシート状資材12S,12H間の接合強度を強くするのが好ましく、例えば200〜2000gf/25mm程度とするのが好ましい。また、同様の理由により、外装シート12の裏面にデザインシート25を貼り付ける場合、デザインシート25と外装シート12との接合強度も、内装体200のポケット形成部分201を剥離可能に接合する場合の接合強度と比べて強くするのが好ましく、例えば200〜2000gf/25mm程度とするのが好ましい。
【0071】
また、ポケット形成部分201のうち、内装体200と外装シート12とが、ウエスト側端縁においてのみ剥離可能に固定され、その他の部分は非固定とされていてもよい。同様に、ポケット形成部分201のウエスト側端縁がメカニカルファスナーなどによって、着脱自在に接合されていてもよい。
【0072】
ポケット300の寸法は適宜定めることができるが、ポケット長さ301は製品長Y(展開状態における腹側部分Fのウエスト端縁から背側部分Bのウエスト端縁までの前後方向長さとして定まる)の20〜40%、ポケット幅302は内装体200の幅Xの70〜90%程度とするのが好ましい。
【0073】
図1〜図10に示される形態では、ポケット300の内面の一方は内装体200の裏面により形成されるため、そのままでは、液不透過性シート11がポケット300の内面に露出される。よって、使用中の予期せぬ破れや接合部を剥離する際の破れを防止するため、十分な強度を有するシート、具体的にはJIS P 8116に規定される前後方向引き裂き強度が150gf以上、特に300gf以上であるシートを用いることが好ましい。しかし、おむつの分野で液不透過性シート11として一般的に用いられている透湿性プラスチックフィルムはポケット300の内面を構成するには強度が不足するため、目付けを高くする或いは不織等の強度の高い通気性シートと複合することが好ましい。また、液不透過性シート11が破れることを想定し、包装シート58の少なくとも液不透過性層11側の面に撥水加工を施すのも好ましい。
【0074】
具体的に液不透過性シート11として、透湿性を有するプラスチックフィルムを用いる場合、十分な強度を持たせるために、シートの坪量を25〜40g/m2程度とするのが好ましい。この場合、通常採用されている炭酸カルシウム粒子の配合量では透湿性が低下するため、十分な強度が維持される範囲で炭酸カルシウム粒子の配合量を適宜増加するのが好ましい。
【0075】
また、液不透過性シート11の高強度化に代えて、又はこれとともに、図11に示すように、液不透過性シート11のポケット内露出部分の一部又は全部を通気性補強シート20により内張りするのも好ましい形態である。この場合における補強シート20としては、前後方向引き裂き強度が150gf以上、特に300gf以上であるシートを用いることが好ましく、外装シート12に用いられるものと同様の不織布の他、薄葉紙等の通気性を有する紙も好適に用いることができる。また、通気性補強シート20を設ける場合において、内装体200のポケット形成部分201を剥離可能に接合する場合、その接合強度よりも強く、補強シート20を内装体200の裏面に貼り付ける必要があり、例えば200〜2000gf/25mm程度とするのが好ましい。
【0076】
また、液不透過性シート11と外装シート12との間に、印刷または着色によりデザインの施されたデザインシート25を設ける場合、図12に示すように、デザインシート25を通気性補強シートとして利用するのが好ましい。この場合におけるデザインシート25の基材としては、外装シート12に用いられるものと同様の不織布の他、薄葉紙等の通気性を有する紙も好適に用いることができる。
【0077】
(外装シート折り返し部分12rの改良について)
外装シート12の折り返し部分12rは、ウエスト側端縁に資材の合わせ目や切断端が外部に露出しないため外観に優れ、肌触りが良くなる点で好ましい構造である。また、その折り返し部分を内装体200のウエスト側縁部の身体側に被せて固定するのも、内装体200のウエスト側縁部の肌に対する当りを柔らかくできる点で好ましい構造である。ただし、このような折り返し部分12rを設ける場合、折り返し部分12rにより、内装体200のウエスト側端縁に位置するポケット300の開口を閉塞しないようにする必要がある。この場合、図6における折り返し部分12rの固定部分(斜線によるハッチングで表されている領域)からも判るように、単に折り返し部分12rのうち内装体200と重なる股間側部分を非固定としても良いが、この非固定部分がある程度の大きさになると、ひらひら動いて装着感の悪化をもたらすおそれがある。そこで、図示例のように折り返し部分12rのうち内装体200と重なる股間側部分全体を非固定とするのではなく、折り返し部分12rの股間側端部のうち、ポケット300の幅方向両側に位置する部分は固定することにより、これを防止することができる。さらに、本発明では折り返し部分12rの装着感悪化を防止するために次のような構造も提案される。
【0078】
すなわち第1の構造は、図13に示すように、折り返し部分12rの股間側端縁を内装体200のウエスト側端縁より股間側に位置させる場合に、その内装体200と重なる部分を内装体200と外装シート12との間に位置させて外面側部分の内面(図示形態では内側シート状資材12Hの内面)に対して固定する形態である。図示例では、デザインシート25を外装シート12の内面に貼り付ける形態を対象として、外装シート12の外面側部分とデザインシート25との間に挟持され、両者に対して接着固定されている。
【0079】
次に第2の構造は、図14に示すように、折り返し部分12rの折り返し長さを短縮し、折り返し部分12rの股間側端縁が内装体200のウエスト側端縁よりウエスト側に位置(又は同位置でも良い)させ、外面側部分の内面(図示形態では内側シート状資材12Hの内面)に対して固定するものである。この場合、構造が簡素となるが、内装体200のウエスト側縁部が折り返し部分12rにより覆われる他の構造と異なり、内装体200のウエスト側縁部が折り返し部分12rにより覆われず、肌側に露出する。
【0080】
次に第3の構造は、図15及び図16に示すように、折り返し部分12rの股間側端縁を内装体200のウエスト側端縁より股間側に位置させるとともに、内装体の内面側に被せるとともに、折り返し部分12rの股間側端部のうち、ポケット300の幅方向両側に位置する部分を外面側部分の内面(図示形態では内側シート状資材12Hの内面)に対して固定(斜線によるハッチングで表されている領域が折り返し部分12rの固定部分である)し、これら固定部間の部分は非固定とするとともに、この非固定部分に幅方向に沿って伸張した状態で弾性伸縮部材12gを固定したものである。この場合、折り返し部分12rの股間側端部は弾性伸縮部材12gの収縮により収縮してひらひらしなくなる。また、折り返し部分12rの股間側端部がポケット300の開口を覆うものでありながら、弾性伸縮部材12gにより伸縮可能になっているため、折り返し部分12rを伸張させつつ捲ることができ、ポケット300の開口を露出させ易く、且つポケット300を閉じる際に、折り返し部分12rが弾性伸縮部材12gの収縮により自動的に元の位置に復帰して整うようになる。
【0081】
本第3の構造における弾性伸縮部材12gは、ポケット300の幅以上の範囲にわたって設けられているのが好ましいが、これよりも狭い範囲にのみ設けることも可能である。この弾性伸縮部材12gは、折り返し部分12tの非固定部分のうち少なくとも股間側端部に設けられているのが好ましいが、これとともに又はこれに代えてウエスト側の部分にも設けることができる。また、この弾性伸縮部材12gは、太さ470〜1240dtex程度、特に620〜940dtex程度の糸ゴムを伸張率70〜220%程度、特に70〜150%程度で固定するのが好ましく、複数本設ける場合には1〜15mm程度の間隔で2〜4本程度設けるのが好ましい。また、弾性伸縮部材12gは、ウエスト弾性伸縮部材17,18と同様に、外装シート12の全幅にわたって伸張した状態で固定してもよく、折り返し部分12r股間側端部は、図6の例のようにポケット300の幅方向両側に位置する部分も含めて、外装シート12の(サイドシール部より内側の)全幅にわたって非固定としてもよい。
【0082】
第4の構造は、図示しないが、折り返し部分12rを内装体200のウエスト側縁部の身体側に被せ、折り返し部分12rの股間側端部の全体を内側シート状資材12Hの内面及び内装体200のウエスト側端縁部の身体側面に対して剥離可能に固定するものである。この場合、ポケット使用時に折り返し部分12rを必要なだけ剥離してポケットへの物の出し入れを行うことができる。
【0083】
(内装体のウエスト側縁部の改良について)
吸収体56に高吸収性ポリマー粒子を含む場合、特に高吸収性ポリマー粒子が吸収体56中に固定されていない場合には、本発明の構造では内装体200のウエスト側端縁がポケット300の開口縁として露出するため、ポケット300の使用時に内装体200のウエスト側縁部の資材間から高吸収性ポリマー粒子が漏れるおそれがある。これを防止するために、内装体200のウエスト側端縁には吸収体56を設けず、内装体200のウエスト側縁部は透液性表面シート30の縁部と液不透過性シート11の縁部との接合により構成されている構造とし、高吸収性ポリマー粒子がウエスト側端縁から漏れないよう封止する構造が採用できるが、それでもポケット300使用時には封止部が開く恐れがある。そこで、図示形態のように、吸収体56に対してその表裏面及び両側面を取り囲むように包装シート58が筒状に巻き付けられて包装され、この筒状の包装シート58におけるウエスト側縁部が吸収体56のウエスト側縁部から食み出し、この食み出し部分が表裏方向に潰されて接合されている構造とし、包装シート58におけるウエスト側縁部の接合部分の接合強度を従来よりも強く、具体的には500〜2000gf/25mm程度とするのも好ましい形態である。この接合強度は接合条件により調整することができ、例えばホットメルト接着剤等の接着剤により接合する場合には、接着剤の塗布量により調整することができる。さらに、内装体200のウエスト側縁部を幅方向全体にわたりエンボス加工、特に加熱を伴うヒートエンボス加工や超音波シール加工などの融着手段により接合し、内装体200のウエスト側縁部における資材間を剥離し難くし、資材間からの高吸収性ポリマー粒子の漏れを防止するのは好ましい。包装シート58は内装体200のウエスト側縁部まで延在し、表面シート30及び液不透過性シート11とともに接合されてもよいが、融着するためには、包装シート58は紙材ではなく熱可塑性樹脂を主成分とする繊維からなる不織布であることが望ましい。
【0084】
また、これらの場合において、又はこれらに代えて、吸収体56の前後長さを短くすることにより、内装体200の前後端部における吸収体56を有しない部分を広く(例えば50〜80mm程度と)することによっても、内装体200のウエスト側縁部における資材間が剥離し難くなり、資材間からの高吸収性ポリマー粒子の漏れが防止されるようになる。また、液不透過性シート11を内装体200のウエスト側縁まで存在していると内装体200の剛性が高くなるため、ポケットの開閉が容易になるという利点がある。反対に、液不透過性シート11のウエスト側端縁が内装体200のウエスト側縁より股間側に離間していると、液不透過性シート11が目立たなくなるという利点がある。
【0085】
(外装シート分割構造)
図1〜図10に示す例は、腹側から背側までを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、図18及び図19に示すように、外装シート12が、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シート12Fと背側を覆う背側外装シート12Bとに分割されており、腹側外装シート12Fの幅方向中央部内面に内装体200の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シート12Bの幅方向中央部内面に内装体200の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離Zは150〜250mm程度とすることができる。
【0086】
この場合、内装体200における液不透過性シート11の裏面には、内装体200の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シート12Mを固定することもできる。股間部外装シート12Mとしては、前述した外装シート12に用いられるものと同様の資材を用いることができる。
【0087】
特にこの場合、股間部外装シート12Mをポケット300と重なる位置までで延在させ、液不透過性シート11におけるポケット300内面に露出する部分の一部又は全部を覆うことにより、前述の補強シート20と同様の機能を発揮させるのが好ましい。この場合、股間部外装シート12Mの液不透過性シート11に対する接合強度は、補強シート20と同程度とするのが好ましい。
【0088】
(その他)
腹側にもポケット300を設けることができるが、乳幼児用のおむつの場合には、ポケット300の内容物をいたずらされるおそれがあるため、背側にのみ設けるのが好ましい。
【0089】
ポケット300内には、使用者が使用時に任意のもの(製品に添付のもの、又はそれ以外のもの)を入れる他、製造者が製造時に予め任意のものを入れておくことができる。具体例としては、身体を暖めるためのカイロや、身体を冷やすための冷却物、芳香物(アロマオイル等の芳香剤を染み込ませたシート等)、携帯用ウェット又はドライティシュペーパー、携帯用お尻拭き等を挙げることができる。
【0090】
外装シート12に設けられる弾性伸縮部材15〜19が、ポケット300の幅方向の両側部又は全体にわたり延在していると、ポケット300の外側部分(外装シート12)が伸縮性を有するため、内容物の保持性に優れるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、上記例のようなパンツ型使い捨ておむつに好適なものであるが、止着式の使い捨ておむつにも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】パンツ型使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。
【図2】パンツ型使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。
【図3】図1の3−3断面図である。
【図4】図1の4−4断面図である。
【図5】図1の5−5断面図である。
【図6】パンツ型使い捨ておむつの要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。
【図7】パンツ型使い捨ておむつの要部のみを示す、断面図である。
【図8】製品状態の正面図である。
【図9】製品状態の背面図である。
【図10】ポケットを開けた状態を示す断面図である。
【図11】他の形態を示す断面図である。
【図12】他の形態を示す断面図である。
【図13】他の形態を示す断面図である。
【図14】他の形態を示す断面図である。
【図15】他の形態を示す断面図である。
【図16】他の形態の要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。
【図17】他の形態の要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。
【図18】他の形態の要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。
【図19】他の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0093】
100…胴回り部、11…液不透過性シート、12…外装シート、12r…折り返し部分、20…通気性補強シート、25…デザインシート、200…内装体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部バリヤーカフス、62…バリヤーシート、300…ポケット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されてなり、背側から股間部を通り腹側までを覆うように形成された本体部と、この本体部の外面における少なくとも前後のウエスト側端部に張り付けられ、少なくとも胴回りを覆うように形成された外装シートとを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記腹側及び背側の少なくとも一方における前記本体部及び外装シートの重なり部分のうち、前記本体部におけるウエスト側端縁から股間側の所定位置までの幅方向中間部が、前記外装シートに非接合又は剥離可能に接合されており、
この非接合又は剥離可能に接合された部分における前記本体部と前記外装シートとの間が、前記本体部のウエスト側端縁に開口するポケットとなるように構成されている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記液不透過性シートは透湿性を有し、前記液不透過性シートの少なくとも一部が前記ポケットの内面に露出されるとともに、前記液不透過性シートのJIS P 8116に規定される前後方向引き裂き強度 が150gf以上とされている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記液不透過性シートは透湿性を有するプラスチックフィルムからなり、前記液不透過性シートの少なくとも一部が前記ポケットの内面に露出されるとともに、その露出部分の少なくとも一部が通気性補強シートにより内張りされている、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記通気性補強シートが、デザインの施されたデザインシートであり、このデザインが前記外装シートを通して外面から視認可能とされている、請求項3記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記外装シートは、外面側部分と、外面側部分のウエスト側端縁から内側に折り返された折り返し部分とを有しており、
前記折り返し部分は、股間側端縁が前記本体部のウエスト側端縁より股間側に位置しており、
この折り返し部分のうち本体部と重なる部分が、本体部と外装シートとの間に位置し且つ前記外面側部分に対して固定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記外装シートは、外面側部分と、外面側部分のウエスト側端縁から内側に折り返された折り返し部分とを有しており、
前記折り返し部分は、股間側端縁が前記本体部のウエスト側端縁と同位置か又はそれよりウエスト側に位置し、且つ前記外面側部分の内面に対して固定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記外装シートは、外面側部分と、外面側部分のウエスト側端縁から内側に折り返された折り返し部分とを有しており、
前記折り返し部分は、股間側端縁が前記本体部のウエスト側端縁より股間側に位置するとともに、本体部の内面側に被されており、
前記折り返し部分の股間側端部は、少なくとも一部が前記本体部に固定されておらず、この非固定部分に幅方向に沿って伸張した状態で弾性伸縮部材が固定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記本体部のウエスト側縁部は、前記吸収体を有せず且つ前記透液性表面シートの縁部と液不透過性シートの縁部との融着接合により形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項9】
前記吸収体は高吸収性ポリマー粒子を含むとともに、表裏面及び両側面を取り囲むように包装シートが筒状に巻き付けられて包装されており、この筒状の包装シートにおけるウエスト側縁部が前記吸収体のウエスト側縁部から食み出しており、この食み出し部分が表裏方向に潰されて接合されており、この接合強度が500〜2000gf/25mmとされている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2009−207565(P2009−207565A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51293(P2008−51293)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】