説明

使い捨ておむつ

【課題】伸縮材やそれによって形成されるギャザーが、着用者の会陰部に接触して、痛みを生じたり、スキントラブルを発生させたりする事態を防止することができることに加え、その製造が容易で、スキンコンタクトシートの股下部分における通気性・着用感にも優れる使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】トップシート18の表面側に配置されたスキンコンタクトシート24は、便用開口部26bの外縁及び尿用開口部26aの外縁に沿うように配置された、一対の開口部伸縮材28,28を備え、一対の開口部伸縮材28,28は、互いに交差することなく、スキンコンタクトシート24の前端30から後端32に向かって連続的に配置されるとともに、スキンコンタクトシート24に対して固定されていない非固定部28bを有し、便用開口部26bと尿用開口部26aとの間の開口部間領域34に、非固定部28bの少なくとも一部が配置されている使い捨ておむつ1A。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収体と、トップシートと、バックシートとを備え、トップシートの表面側(上側)に、着用者の肌と接触するスキンコンタクトシートが配置された使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、乳幼児用、或いは高齢者・障害者用のおむつとして、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートとを備えた使い捨ておむつが汎用されている。このような使い捨ておむつは、トップシートの表面を着用者の肌に接するように宛がって使用され、着用者の排泄した尿がトップシートを透過して、吸収体に吸収・保持されるとともに、防漏性に優れたバックシートによって、排泄物のおむつ外部への漏洩が防止される。
【0003】
また、最近では、トップシートの表面側(上側)に更にもう1枚のシート体(以下、「スキンコンタクトシート」と記す。)が配置された使い捨ておむつも提案されている(特許文献1及び2参照)。スキンコンタクトシートには、便用開口部や尿用開口部が形成されており、それらの開口部を通過して着用者の排泄した便がトップシート上に落下するように構成されている。
【0004】
スキンコンタクトシートは、着用者の肌とトップシートとの間を離隔するとともに、着用者の肌とトップシートとの間の遮蔽層として機能する。従って、たとえトップシート上に便が残存していたとしても、その便と着用者の肌とが直接接触する機会を大幅に減少させる効果を期待することができる。
【0005】
ところで、スキンコンタクトシートには、スキンコンタクトシートを着用者の肌に密着させる目的で、便用開口部や尿用開口部の外縁に沿って、伸縮材(以下、「開口部伸縮材」と記す。)を配置することが行われている。しかし、開口部伸縮材自体や開口部伸縮材の収縮力によって形成されるギャザーが、着用者の肌に接触するために、接触部分に痛みを生じたり、スキントラブルを発生させたりするおそれがある。
【0006】
そこで、本出願人は、スキンコンタクトシートの便用開口部と尿用開口部との間の領域に、収縮力が作用しない非収縮領域を形成した使い捨ておむつを提案している(特許文献3参照)。
【0007】
特許文献3には、図2に示す使い捨ておむつ100Aのように、着用者の肌の中でも最もデリケートな会陰部と接触する、便用開口部26bと尿用開口部26aの間の領域に、開口部伸縮材28を配置しないことによって、非収縮領域を形成した例が記載されている。
【0008】
また、特許文献3には、図3に示す使い捨ておむつ100Bのように、一対の開口部伸縮材28を、便用開口部26b及び尿用開口部26aの左右両側に交差させることなく配置するとともに、便用開口部26bと尿用開口部26aの間の領域でスキンコンタクトシート24の中央側に湾曲するように配置・固定することによって、非収縮領域を形成した例も記載されている。
【0009】
このような使い捨ておむつは、着用者の会陰部と接触する領域には開口部伸縮材に起因する収縮力が作用しないため、開口部伸縮材やそれによって形成されるギャザーが、着用者の会陰部に接触して、痛みを生じたり、スキントラブルを発生させたりする事態を防止することを期待できる。
【0010】
【特許文献1】実用新案登録第2559050号公報(図2)
【特許文献2】特開2002−11044号公報(図4)
【特許文献3】特開2007−105302号公報(図4〜図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、図2に示す使い捨ておむつ100Aは、a)4本の開口部伸縮材28を個別に配置・固定するか、b)2本の開口部伸縮材を便用開口部26bと尿用開口部26aの間の領域で交差するように配置した後、その交差部分近傍で開口部伸縮材を事後的に切断して、スナップバックさせて製造する。従って、必ずしも製造が容易なものではなく、生産性の面で解決すべき課題を残すものであった。
【0012】
また、図3に示す使い捨ておむつ100Bは、開口部伸縮材の固定をホットメルト接着剤等の接着剤により行った場合、便用開口部26bと尿用開口部26aの間の領域に塗工された接着剤によって、通気性が損なわれたり、硬化した接着剤が異物感を与え、着用感が低下したりするという問題があった。即ち、スキンコンタクトシートの股下部分における通気性・着用感の点で未だ十分に満足できるものではなく、解決すべき課題を残すものであった。
【0013】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、開口部伸縮材やそれによって形成されるギャザーが、着用者の会陰部に接触して、痛みを生じたり、スキントラブルを発生させたりする事態を防止することができることに加え、その製造が容易で、スキンコンタクトシートの股下部分における通気性・着用感にも優れる使い捨ておむつを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、スキンコンタクトシートに対して、1対の開口部伸縮材を交差させることなく配置した上で、便用開口部と尿用開口部との間の領域において、スキンコンタクトシートに対して開口部伸縮材を固定せず、その前後の領域のみで固定することによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させるに至った。具体的には、本発明により、以下の使い捨ておむつが提供される。
【0015】
[1] 前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成され、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、撥水性シートからなり、便用開口部及び尿用開口部が形成され、前記トップシートの表面側に配置されたスキンコンタクトシートとを備え、前記スキンコンタクトシートは、前記便用開口部の外縁及び前記尿用開口部の外縁に沿うように配置された、一対の開口部伸縮材を備え、前記一対の開口部伸縮材は、互いに交差することなく、前記スキンコンタクトシートの前端から後端に向かって連続的に配置されるとともに、前記スキンコンタクトシートに対して固定された固定部と、前記スキンコンタクトシートに対して固定されていない非固定部とを有し、前記便用開口部と前記尿用開口部との間の開口部間領域に、前記非固定部の少なくとも一部が配置されている使い捨ておむつ。
【0016】
[2] 前記一対の開口部伸縮材の前記固定部は、前記便用開口部の外縁及び前記尿用開口部の外縁に沿って前記スキンコンタクトシートの幅方向中央側に向けて湾曲するように配置されている前記[1]に記載の使い捨ておむつ。
【発明の効果】
【0017】
本発明の使い捨ておむつは、開口部伸縮材やそれによって形成されるギャザーが、着用者の会陰部に接触して、痛みを生じたり、スキントラブルを発生させたりする事態を防止することができることに加え、その製造が容易で、スキンコンタクトシートの股下部分における通気性・着用感にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の使い捨ておむつを実施するための最良の形態について、2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつを例として具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える使い捨ておむつを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図1Dについては、作図の都合上、脚周り伸縮材を捨象した形で作図を行った。
【0019】
[1]定義等:
「パンツ型使い捨ておむつ」とは、図1Cに示す使い捨ておむつ1Aのように、前身頃2と後身頃6の対応する側縁部同士(側縁部2a,6a、側縁部2b,6b)を接合することによって、接合部8、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12a,12bが形成され、予めパンツ型に構成されたおむつを意味するものとする。
【0020】
「2ピースタイプ」とは、図1Aに示す使い捨ておむつ1Aのように、着用者の排泄物を吸収し、保持する機能(吸収・保持機能)を担う吸収性本体14と、着用者の身体を被包する機能(装着機能)を担う外装部材16とから構成され、外装部材16の内側に吸収性本体14が配置されたタイプのおむつを意味するものとする。
【0021】
「吸収性本体」とは、図1Dに示す吸収性本体14のように、吸収体22、トップシート18及びバックシート20を構成要素として備え、吸収体22がトップシート18とバックシート20との間に挟み込まれた状態で固定され、パッド状に一体化された部材を意味するものとする。
【0022】
「前身頃」とは、図1A及び図1Cに示すように、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
【0023】
[2]本発明の使い捨ておむつの構成:
本発明の使い捨ておむつは、図1A〜図1Dに示す使い捨ておむつ1Aのように、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成され、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体22の表面を被覆するように配置されたトップシート18と、液不透過性材料からなり、吸収体22の裏面を被覆するように配置されたバックシート20と、撥水性シートからなり、便用開口部26b及び尿用開口部26aが形成され、トップシート18の表面側に配置されたスキンコンタクトシート24とを備えた使い捨ておむつである。
【0024】
そして、スキンコンタクトシート24は、便用開口部26bの外縁及び尿用開口部26aの外縁に沿うように配置された、一対の開口部伸縮材28,28を備え、一対の開口部伸縮材28,28は、互いに交差することなく、スキンコンタクトシート24の前端30から後端32に向かって連続的に配置されるとともに、スキンコンタクトシート24に対して固定された固定部28a,28cと、スキンコンタクトシート24に対して固定されていない非固定部28bとを有し、便用開口部26bと尿用開口部26aとの間の開口部間領域34に、非固定部28bの少なくとも一部が配置されているものである。
【0025】
このように、開口部伸縮材を相互に交差させることなく配置し、スキンコンタクトシートの開口部間領域において、スキンコンタクトシートに対して非固定の状態とすることによって、スナップバック等の処理を施さなくても、着用者の肌の中でも特にデリケートな会陰部に、開口部伸縮材やそれによって形成されるギャザーが接触しなくなる。従って、着用者がその部分に痛みを感じたり、スキントラブルが発生したりする事態を有効に防止することができる。
【0026】
また、開口部伸縮材の固定をホットメルト接着剤等の接着剤により行った場合でも、スキンコンタクトシートの股下部分については接着剤を塗工する必要がないため、スキンコンタクトシートの股下部分における通気性・着用感にも優れる。
【0027】
更に、製造に際し、図2に示す使い捨ておむつ100Aのように、a)4本の開口部伸縮材を個別に配置・固定する、b)2本の開口部伸縮材を便用開口部と尿用開口部の間の領域で交差するように配置した後、その交差部分近傍で開口部伸縮材を事後的に切断して、スナップバックさせる等の煩雑な製造工程を必要としない。また、図3に示す使い捨ておむつ100Bのように、便用開口部と尿用開口部の間の狭い領域で、2本の開口部伸縮材をスキンコンタクトシートの中央側に湾曲するように配置・固定することも不要である。従って、従前の使い捨ておむつと比較して、その製造も容易である。
【0028】
[2−1]開口部伸縮材:
開口部伸縮材は、スキンコンタクトシートに張力を付与して、スキンコンタクトシートがへたってトップシート側に落ち込む事態を防止し、スキンコンタクトシートの尿開口部、便開口部が着用者の肌に押し当てるための部材である。これにより、排泄物を確実にトップシートの表面に導くことができる。また、開口部伸縮材は、スキンコンタクトシートを収縮させることによって、トップシート、吸収体、バックシートを下側(外装部材側)に向かって撓ませる力を作用させる。従って、スキンコンタクトシートをトップシートから浮かせた状態を維持することができ、スキンコンタクトシートとトップシートとを確実に離隔させる作用をも有する。
【0029】
本発明の使い捨ておむつは、図1Aに示す使い捨ておむつ1Aのように、一対の開口部伸縮材28が、互いに交差することなく、スキンコンタクトシート24の前端30から後端32に向かって連続的に配置されている。
【0030】
このように、一対の開口部伸縮材28を前端30から後端32に向かって連続的に配置することで、スキンコンタクトシート24の連続製造が可能となる。また、開口部伸縮材28を互いに交差させることなく配置することで、尿用開口部と便用開口部との間で開口部伸縮材を交差させるよりも、開口部伸縮材を容易に配置することができ、スキンコンタクトシートの生産性向上に資する。
【0031】
また、本発明の使い捨ておむつは、図1A及び図1Bに示す使い捨ておむつ1Aのように、開口部伸縮材28が、スキンコンタクトシート24に対して固定された固定部28a,28cと、スキンコンタクトシート24に対して固定されていない非固定部28bと、を有し、便用開口部26bと尿用開口部26aとの間の開口部間領域34に、非固定部28bの少なくとも一部が配置されている。
【0032】
開口部伸縮材はスキンコンタクトシートに伸縮力(収縮力)を付与するため、伸張率120〜400%の伸張状態で配置・固定される。従って、上記の構成とすると、図1A及び図1Bに示すように、開口部伸縮材28の非固定部28bは、固定部28a,28cの端部間を最短距離で結ぶ直線上に配置される。このため、着用者の会陰部に当接する部分には、開口部伸縮材28が配置されない。また、開口部伸縮材28の非固定部28bは、スキンコンタクトシート24に固定されていない。従って、この部分においては、開口部伸縮材28はスキンコンタクトシート24に拘束されずに収縮するため、ギャザーも形成され難い。このような構成により、開口部伸縮材やそれによって形成されるギャザーが、着用者の会陰部に接触して、痛みを生じたり、スキントラブルを発生させたりする事態を防止することができる。
【0033】
図1Bに示す使い捨ておむつ1Aでは、スキンコンタクトシート24を前端30側の第1領域50、中央部の第2領域52、後端32側の第3領域54の3領域に区分し、第1領域50及び第3領域54にのみ接着剤を塗工し、第2領域52には接着剤を塗工しない、という極めて簡易な方法で実現している。
【0034】
即ち、図1Bに示す使い捨ておむつ1Aでは、開口部伸縮材28のうち第1領域50及び第3領域54に配置される部分はスキンコンタクトシート24に固定されて固定部28a,28cを構成している。一方、開口部伸縮材28のうち第2領域52に配置される部分はスキンコンタクトシート24に固定されることはなく非固定部28bを構成している。このような方法によれば、スキンコンタクトシート24の股下部分における通気性・着用感を向上させることができる。
【0035】
非固定部は、便用開口部と尿用開口部との間の開口部間領域の少なくとも一部に配置されていればよく、着用者の会陰部が当接し得る部分に配置されていることが好ましい。例えば、図1Bに示す使い捨ておむつ1Aは、非固定部28bが開口部間領域34の前後長さより長く配置されており、非固定部28bが開口部間領域34の全部に配置されている例である。但し、非固定部が開口部間領域の前後長さよりも短く配置されていてもよいし、開口部間領域の前後長さと一致するように配置されていてもよい。なお、一般に、開口部間領域の前後長さは、10〜60mm程度である。
【0036】
また、本発明の使い捨ておむつは、図1A及び図1Bに示す使い捨ておむつ1Aのように、一対の開口部伸縮材28の固定部28aが、便用開口部26bの外縁及び尿用開口部26aの外縁に沿ってスキンコンタクトシート24の幅方向中央側に向けて湾曲するように配置されていることが好ましい。
【0037】
単に非固定部を形成するのみであると、スキンコンタクトシート、特に開口部間領域が着用者の肌に密着し難くなり、尿や便が尿用開口部、便用開口部を通過し難くなるおそれがある。図1Bに示す使い捨ておむつ1Aは、第1領域50においては開口部伸縮材28の固定部28aが、尿用開口部26aの外縁に沿ってスキンコンタクトシート24の幅方向中央側に向けて湾曲するように配置され、第3領域54においては開口部伸縮材28の固定部28cが、便用開口部26bの外縁に沿ってスキンコンタクトシート24の幅方向中央側に向けて湾曲するように配置されている。
【0038】
この際、一対の開口部伸縮材28の非固定部28bの間の距離は、20〜120mmとすることが好ましく、30〜80mmとすることが更に好ましい。20mm以上とすることにより、着用者の会陰部における痛みやスキントラブルを効果的に防止することができる。一方、120mm以下とすることにより、開口部間領域34を着用者の肌に当接させることができ、便や尿が確実にスキンコンタクトシート24を通過するようにすることができる。
【0039】
開口部伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性材からなる糸ゴム、平ゴムその他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
【0040】
開口部伸縮材は、スキンコンタクトシートに対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。中でも、図1Dに示す使い捨ておむつ1Aのように、2枚のシート材(アッパーシート24a、ライナーシート24b)の層間に、開口部伸縮材28を挟み込むようにして接着剤等で固定することが好ましい。
【0041】
開口部伸縮材は、スキンコンタクトシートに十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定し、シート材にギャザーを形成することが好ましい。例えば、開口部伸縮材が天然ゴムや合成ゴムである場合には、120〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。また、材質が天然ゴムの場合は、上述のように150〜300%に延伸して固定することが好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、スキンコンタクトシート、特に開口部間領域以外の領域に十分な収縮力を作用させることができる。
【0042】
開口部伸縮材は、便用開口部の外縁及び尿用開口部の外縁に沿うように配置される。「沿うように」とは、完全に包囲している必要はなく、開口部の外縁(特に側縁)とある程度関係をもって配置されていれば足りる。図1A及び図1Bに示す使い捨ておむつ1Aでは、尿用開口部26aはスキンコンタクトシート24の前端30側が、便用開口部26bはスキンコンタクトシート24の後端32側が、開口部伸縮材28によって包囲されておらず、開放された状態となっている。こうすることにより、尿用開口部26a、便用開口部26bを着用者の肌に対して当接させつつ、通気性を確保することもできる。
【0043】
[2−2]スキンコンタクトシート:
本発明の使い捨ておむつは、図1A及び図1Dに示す使い捨ておむつ1Aのように、撥水性シートからなり、トップシート18の表面側に配置されたスキンコンタクトシート24を備えている。
【0044】
撥水性シートで構成することにより、長時間着用した際にも、さらっとした触感(ドライ性)を維持することができる。例えば、肌触りが良好で、適度な通気性、透湿性を有する不織布シート等を好適に用いることができる。不織布シートの素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂からなるものを挙げることができる。通気性は、JIS Z 0208(防湿包装材料の透湿度試験方法)に準拠して測定される透湿度が2000〜10000(g/m/24hr)の範囲にあることが好ましい。
【0045】
図1Aに示すように、スキンコンタクトシート24には、便を通過させる便用開口部26bと、尿を通過させる尿用開口部26aが形成されている。このような構造とすることによって、着用者の排泄した尿が尿用開口部26aを通過し、便が便用開口部26bを通過して、それぞれトップシート上に落下する。
【0046】
排泄物通過用開口部26は排泄物を通過させ得る形状である限り、その形状について特に制限はない。例えば、円形、楕円形、菱形等の開口部(孔)を挙げることができる。図1Aに示す尿用開口部26aは略砲弾状、便用開口部26bは水滴状に形成されている。便用開口部26bを着用者の臀溝に沿う水滴状に形成することによって、着用者が仰向け寝状態で便を排泄した場合でも、その便が確実に便用開口部26bを通過し、トップシート18上に落下する。
【0047】
スキンコンタクトシートの固定方法としては、図1Dに示すように、(1)トップシート18(又はバックシート20)の表面にスキンコンタクトシート24を固定する方法、(2)立体ギャザーを備える場合には、立体ギャザーの内側の面と、トップシート(又はバックシート)の表面との間に挟み込むようにして固定する方法、等を挙げることができる。
【0048】
本発明の使い捨ておむつにおいては、スキンコンタクトシートとトップシートとの間の空間を、尿用開口部に連通する空間と便用開口部に連通する空間とに区画する、分離壁を設けることが好ましい。
【0049】
尿と便とが混ざるとアンモニアが発生し、このアンモニアが環境をアルカリ性にし、便中の酵素がアルカリ性雰囲気で強く活性化され、この酵素及びアンモニアによって皮膚の弱った部分が炎症を起こし、おむつかぶれが発生することが報告されている(山本一哉、皮膚臨床30、949〜956頁(1998年))。前記のような分離壁を設けることによって、着用者の排泄した尿を便と分離した状態で吸収・保持させることが可能となるため、尿と便が混ざり難くなり、おむつかぶれを効果的に防止することができる。分離壁は、撥水性シートと同様の撥水性シートで構成することができる。
【0050】
[2−3]吸収体:
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
【0051】
吸収体を構成する吸収性材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。
【0052】
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。
【0053】
吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが必要である。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。
【0054】
吸収体は、その全体が親水性シートによって包み込まれていることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
【0055】
吸収体の形状については特に制限はないが、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品において使用される形状、例えば、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等を挙げることができる。
【0056】
[2−4]トップシート:
トップシートは、吸収体の表面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。
【0057】
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、脂肪族ポリアミド(商品名:ナイロン)等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
【0058】
トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。例えば、テープ型おむつの場合には、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート(センターシート)を配置し、おむつのサイドフラップ部分には撥水性材料からなるトップシート(サイドシート)を配置する形態がよく利用される。
【0059】
[2−5]バックシート:
バックシートは、吸収体の裏面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
【0060】
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
【0061】
なお、バックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
【0062】
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
【0063】
[2−6]吸収性本体:
2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつにおいては、トップシート、バックシート及び吸収体を、吸収・保持機能を担う「吸収性本体」という一つの部材として構成し、これとは別個に製造された外装部材と接合することにより使い捨ておむつを構成する。この吸収性本体は、生理用ナプキン等と同様に、吸収体の表面側にトップシート、裏面側にバックシートが配置されたものであり、トップシートとバックシートとの間に吸収体が介装された構造となっている。例えば、図1Dに示す使い捨ておむつ1Aは、トップシート18とバックシート20の間に吸収体22を挟みこみ、吸収体22の周縁部を封着することによって、トップシート18とバックシート20との間に吸収体22が介装された構造の吸収性本体14を構成した例である。
【0064】
吸収性本体は、少なくともおむつの股下部をカバーするサイズに構成される。但し、漏れ防止の効果を確実なものとするため、股下部のみならず前身頃や後身頃の一部をもカバーする大きさに構成することが好ましい。吸収性本体は、例えばホットメルト接着剤等を用いて、外装部材に対して固定することができる。
【0065】
[2−7]外装部材:
外装部材は、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材であり、具体的には、前身頃、股下部及び後身頃の各部を形成するシート状の部材である。
【0066】
2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつでは、着用者の排泄物を吸収し、保持する吸収・保持機能については、専ら吸収性本体が果たすことになるので、外装部材を構成する材料として液不透過性材料を用いる必要はない。外装部材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維によって構成された不織布等を挙げることができる。
【0067】
そして、外装部材は、脚周り伸縮材等を挟み込んだ状態で固定するために、2枚以上の不織布を貼り合わせて構成されることが多い。例えば、図1A、図1C及び図1Dに示す使い捨ておむつ1Aは、外装部材16を2枚の不織布シート(インナーシート16a、アウターシート16b)から構成し、その2枚の不織布の間に脚周り伸縮材40、ウエスト周り伸縮材42及び腹周り伸縮材44を挟み込み固定した例である。
【0068】
[2−8]各種伸縮材:
パンツ型使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが一般的であり、更に腹周り伸縮材を配置することが好ましい。
【0069】
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。
【0070】
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
【0071】
腹周り伸縮材は、ウエスト周り開口部と脚周り開口部との間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)に配置される伸縮材である。腹周り伸縮材を配置することによって、着用者の腹周りに伸縮性に富むタミーギャザーを形成することができる。このタミーギャザーは、ウエストギャザーと相俟って、おむつのフィット性やずり下がり防止効果を一層優れたものとすることができる。
【0072】
なお、図1A及び図1Cに示す使い捨ておむつ1Aは、脚周り開口部12a,12bの周縁には複数本の脚周り伸縮材40を配置し、ウエスト周り開口部10の周縁にはウエスト周り開口部10を取り囲むように複数本のウエスト周り伸縮材42を配置し、更に、ウエスト周り開口部10と脚周り開口部12a,12bとの間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)には、着用者の腹周りを取り囲むように複数本の腹周り伸縮材44を配置した例である。
【0073】
これらの伸縮材については、既に述べたスキンコンタクトシートに使用する開口部伸縮材と同様の構成を採用することができる。そして、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
【0074】
[2−9]立体ギャザー:
着用者の排泄した尿の横漏れを防止するため、立体ギャザーを有してもよい。立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。立体ギャザーを形成することにより、スキンコンタクトシートの上に尿が排泄され、スキンコンタクトシートを伝って尿が拡散してしまった場合でも、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
【0075】
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、シート材の一部に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)を配置し、その立体ギャザー伸縮材によってシート材にギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。
【0076】
[3]製造方法:
以下、本発明の使い捨ておむつを製造する方法の一例を、図1A〜図1Dに示す使い捨ておむつ1A(2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつ)を製造する場合の例により説明する。
【0077】
[3−1]吸収性本体の製造:
バックシート20の上面に、親水性シートに包まれた吸収体22を配置し、更にその上面にトップシート18を配置する。次いで、吸収体22の周縁部をトップシート18とバックシート20とで挟み込むように封着することによって吸収性本体14を得る。
【0078】
[3−2]スキンコンタクトシートの製造:
一対の開口部伸縮材28を、便用開口部26bの外縁及び尿用開口部26aの外縁に沿うように、互いに交差させることなく、ライナーシート24bの上面に連続的に配置する。この際、図1Bに示すように、ライナーシート24bにおいては、スキンコンタクトシート24の開口部間領域34に対応する部分を含む第2領域52に接着剤を塗工せず、その前後の領域(第1領域50、第3領域54)にのみホットメルト接着剤を塗工する。その後、ライナーシート24bの上面にアッパーシート24aを貼り合わせる。これにより、開口部伸縮材28の固定部28a,28cと、非固定部28bが形成される。
【0079】
次いで、貼り合わされたライナーシート24bとアッパーシート24aに、尿用開口部26a及び便用開口部26bを形成する。これにより、尿用開口部26a、便用開口部26bが形成され、その外縁に沿って開口部伸縮材28が配置・固定された、2層構造のスキンコンタクトシート24が得られる。
【0080】
[3−3]吸収性本体へのスキンコンタクトシートの付設:
吸収性本体14を構成するトップシート18の表面に、スキンコンタクトシート24を貼り合わせる。
【0081】
[3−4]外装部材の製造:
まず、外装部材16となる不織布シートを2枚用意し、このうちの1枚の不織布シート(アウターシート16b)の上面に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40を配置し、接着固定する。そして、この上面に、更にもう1枚の不織布シート(インナーシート16a)を積層し固定することにより、2枚の不織布シートの間に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40が介装された、外装部材16を得る。
【0082】
[3−5]使い捨ておむつの製造:
外装部材16の股下部近傍に、吸収性本体14を配置し固定する。次いで、吸収性本体14を内側にして、前身頃2と後身頃6とを合わせるように二つ折りにし、前身頃2と後身頃6とをヒートシール等の手段により接合し、接合部8を形成することによって、図1A〜図1Dに示す使い捨ておむつ1Aを製造することができる。
【0083】
前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材や伸縮材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、使い捨ておむつの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
【0084】
[4]本発明の適用対象:
本発明の使い捨ておむつの適用対象は、前記2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつに限られるものではなく、例えば、1ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつやテープ型おむつにも適用することができる。即ち、これらの使い捨ておむつにおいても、既に説明した構造のスキンコンタクトシートを配置することにより、本発明の使い捨ておむつの効果を享受することができる。
【0085】
なお、「1ピースタイプ」とは、2ピースタイプと同様に、トップシート、バックシート、吸収体を備えているが、吸収・保持機能を担う吸収体がトップシートとバックシートの間に介装(内蔵)され、装着機能を担うトップシート及び/又はバックシートと一体的に構成されたタイプのおむつを意味するものとする。
【0086】
また、「テープ型おむつ」とは、トップシートと、バックシートと、両シートの間の少なくとも一部に介装された吸収体と、装着用のテープファスナーとを備え、テープファスナーによっておむつの前身頃と後身頃とを相互に固定し得る使い捨ておむつを意味するものとする。「テープ型おむつ」にも、パンツ型使い捨ておむつと同様に「1ピースタイプ」と「2ピースタイプ」が存在するが、本発明の使い捨ておむつはいずれのタイプのテープ型おむつにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の使い捨ておむつは、乳幼児用、或いは介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用のおむつとして好適に用いることができる。そして、本発明の使い捨ておむつは、排泄された便が着用者の肌と直接接触し難く、スキンコンタクトシートの尿用開口部と便用開口部の間の開口部間領域において開口部伸縮材の収縮力が作用し難いので、肌が弱くスキントラブルが多い、乳幼児用の使い捨ておむつとして特に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1A】本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す平面図であり、使い捨ておむつを展開し、おむつの吸収性本体側から見た状態を示す図である。
【図1B】本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す一部拡大図であり、図1Aに示す使い捨ておむつのスキンコンタクトシートの部分を拡大して示す図である。
【図1C】本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す概略斜視図であり、図1Aに示す使い捨ておむつを組み立てて、前方から見た状態を示す図である。
【図1D】本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す概略断面図であり、図1Aに示す使い捨ておむつをX−X’線に沿って切断した断面を示す図である。
【図2】従来の使い捨ておむつの一の実施形態を示す平面図であり、使い捨ておむつを展開し、おむつの吸収性本体側から見た状態を示す図である。
【図3】従来の使い捨ておむつの別の実施形態を示す平面図であり、使い捨ておむつを展開し、おむつの吸収性本体側から見た状態を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1A,100A,100B:使い捨ておむつ、2:前身頃、2a,2b:側縁部、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁部、8:接合部、10:ウエスト周り開口部、12,12a,12b:脚周り開口部、14:吸収性本体、16:外装部材、16a:インナーシート、16b:アウターシート、18:トップシート、20:バックシート、22:吸収体、24:スキンコンタクトシート、24a:アッパーシート、24b:ライナーシート、26:開口部、26a:尿用開口部、26b:便用開口部、28:開口部伸縮材、28a,28c:固定部、28b:非固定部,30:前端、32:後端、34:開口部間領域、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、44:腹周り伸縮材、50:第1領域、52:第2領域、54:第3領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成され、
吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、撥水性シートからなり、便用開口部及び尿用開口部が形成され、前記トップシートの表面側に配置されたスキンコンタクトシートとを備え、
前記スキンコンタクトシートは、前記便用開口部の外縁及び前記尿用開口部の外縁に沿うように配置された、一対の開口部伸縮材を備え、
前記一対の開口部伸縮材は、互いに交差することなく、前記スキンコンタクトシートの前端から後端に向かって連続的に配置されるとともに、前記スキンコンタクトシートに対して固定された固定部と、前記スキンコンタクトシートに対して固定されていない非固定部とを有し、前記便用開口部と前記尿用開口部との間の開口部間領域に、前記非固定部の少なくとも一部が配置されている使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記一対の開口部伸縮材の前記固定部は、前記便用開口部の外縁及び前記尿用開口部の外縁に沿って前記スキンコンタクトシートの幅方向中央側に向けて湾曲するように配置されている請求項1に記載の使い捨ておむつ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−247480(P2009−247480A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96927(P2008−96927)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】