説明

使い捨ておむつ

【課題】トップシート移行速度及び吸収体移行速度に優れ、そして着用感が良好である使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記トップシート及びバックシートの間の吸収体とを含み、前身頃の胴領域、股領域、及び後身頃の胴領域を有する使い捨ておむつであって、上記トップシートが、肌当接面に、上記使い捨ておむつの長手方向に延びる、複数の凸部と、複数の凹部とを、長手方向と直交する幅方向に交互に有する不織布であり、上記トップシートが、上記前身頃の胴領域及び/又は上記後身頃の胴領域に、点状の圧搾部を、所定の密度で有し、そして所定の区域における上記凸部が、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において異なる高さを有することを特徴とする使い捨ておむつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トップシートとして、凹凸を有し且つ点状の圧搾部を有する不織布を含む使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品、例えば、使い捨ておむつには、尿等の排出物をスムーズにトップシートに移行させることができるトップシート移行速度の速さとともに、ムレ、痒み、カブレ等の皮膚トラブルを防止するために、トップシートに移行させた排出物を、吸収体にさらに移行させる、吸収体移行速度の速さが求められる。
これらの要求を満たすために、種々のトップシート、及びそれらを含む吸収性物品が開示されている。
【0003】
特許文献1には、坪量が30g/m2以下である主として熱可塑性樹脂繊維からなる不織布であって、熱により繊維間が接着している接着部(又はポイント接着部)が点在する繊維集束部と、繊維がより分けられて形成された該不織布の全域或いは一部に点在する孔部とからなり、上記接着部が6〜46個/cm2の密度で点在し、且つ上記繊維集束部での接着部全体の接着面積率が10〜30%であることを特徴とする不織布が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の不織布は、嵩が低いため、吸収性物品のトップシートとして用いられた場合には、トップシートと、吸収体との距離が近くなるので、そもそも、吸収体移行速度は速いと思われる。しかし、特許文献1に記載の不織布には、トップシート移行速度を速くするための工夫がなされておらず、トップシート移行速度は、十分でないと思われる。
また、特許文献1に記載の不織布は、そもそも、嵩が低いので、クッション性に劣り、さらに、接触面積率が高いので硬く、着用感に問題がある。
【0005】
特許文献2には、熱収縮した熱収縮部分と、熱収縮が抑制された高密度化部分とを有する吸収性物品用の表面シートが記載されている。
しかし、特許文献2に記載の表面シートは、使い捨ておむつのトップシートに用いられた場合には、その構造上、熱収縮部分及び高密度化部分の両方が、トップシート移行速度に劣ると思われる。また、特許文献2に記載の表面シートはまた、熱収縮により形成されているため、クッション性に劣り、着用感に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−126871号
【特許文献2】特開2004−466号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、従来のトップシート、及びそれらを含む吸収性物品は、トップシート移行速度、及び着用感に問題があった。
従って、本発明は、トップシート移行速度及び吸収体移行速度に優れ、そして着用感が良好である使い捨ておむつを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記トップシート及びバックシートの間の吸収体とを含み、前身頃の胴領域、股領域、及び後身頃の胴領域を有する使い捨ておむつであって、上記トップシートが、肌当接面に、上記使い捨ておむつの長手方向に延びる、複数の凸部と、複数の凹部とを、長手方向と直交する幅方向に交互に有する不織布であり、上記トップシートが、上記前身頃の胴領域及び/又は上記後身頃の胴領域に、上記凸部及び/又は凹部を圧搾することにより形成された、点状の圧搾部を、4.0〜7.0個/cm2の範囲の密度で有し、そして上記前身頃の胴領域及び/又は上記後身頃の胴領域に、2個の点状の圧搾部に挟まれた、高さが低くなった凸部の区域が存在し、上記区域における上記凸部が、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において異なる高さを有することを特徴とする使い捨ておむつにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
具体的には、本発明は以下の態様に関する。
[態様1]
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記トップシート及びバックシートの間の吸収体とを含み、前身頃の胴領域、股領域、及び後身頃の胴領域を有する使い捨ておむつであって、
上記トップシートが、肌当接面に、上記使い捨ておむつの長手方向に延びる、複数の凸部と、複数の凹部とを、長手方向と直交する幅方向に交互に有する不織布であり、
上記トップシートが、上記前身頃の胴領域及び/又は上記後身頃の胴領域に、上記凸部及び/又は凹部を圧搾することにより形成された、点状の圧搾部を、4.0〜7.0個/cm2の範囲の密度で有し、そして
上記前身頃の胴領域及び/又は上記後身頃の胴領域に、2個の点状の圧搾部に挟まれた、高さが低くなった凸部の区域が存在し、上記区域における上記凸部が、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において異なる高さを有する、
ことを特徴とする、上記使い捨ておむつ。
【0010】
[態様2]
上記トップシートが、上記前身頃の胴領域及び上記後身頃の胴領域の両方において、上記点状の圧搾部を有する、態様1に記載の使い捨ておむつ。
[態様3]
上記トップシートが、上記股領域に、上記凸部及び/又は凹部を圧搾することにより形成された、点状の圧搾部を、4.0個/cm2以下の密度で有し、そして上記股領域に、2個の点状の圧搾部に挟まれた、高さが低くなった凸部の区域が存在し、上記区域における上記凸部が、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において異なる高さを有する、態様1又は2に記載の使い捨ておむつ。
【0011】
[態様4]
上記凸部の長手方向に配向する繊維の比率が、上記凹部の長手方向に配向する繊維の比率よりも高い、態様1〜3のいずれか一つに記載の使い捨ておむつ。
[態様5]
上記点状の圧搾部が、上記凸部及び/又は凹部を、一定の間隔をおいて、連続して圧搾することにより形成され、点状圧搾溝を構成している、態様1〜4のいずれか一つに記載の使い捨ておむつ。
【0012】
[態様6]
上記点状圧搾溝が、略直線状であり、上記長手方向と、角度θ(0°<θ≦90°)で交差している、態様5に記載の使い捨ておむつ。
[態様7]
複数本の、上記点状圧搾溝により、格子が形成されている、態様6に記載の使い捨ておむつ。
【0013】
[態様8]
上記点状の圧搾部の、上記幅方向の間隔が、上記凸部及び凹部が形成する凹凸のピッチと同一であるか、又はそれよりも短いよりも小さい、態様6又は7に記載の使い捨ておむつ。
[態様9]
上記点状の圧搾部の、上記幅方向の長さが、上記凸部の幅よりも短い、態様1〜8のいずれか一つに記載の使い捨ておむつ。
【0014】
[態様10]
上記区域における上記凸部が、隣接する2本の凸部と、長手方向に同一の位置において、異なる高さを有する、態様1〜8のいずれか一つに記載の使い捨ておむつ。
[態様11]
上記点状の圧搾部が、0.2〜9mm2の範囲内の面積を有する、態様1〜10のいずれか一つに記載の使い捨ておむつ。
【0015】
[態様12]
上記点状の圧搾部の間隔が、1〜3mmの範囲にある、態様1〜11のいずれか一つに記載の使い捨ておむつ。
[態様13]
上記点状の圧搾部が、全て、上記凸部を圧搾することにより形成された、態様1〜12のいずれか一つに記載の使い捨ておむつ。
【発明の効果】
【0016】
本発明の使い捨ておむつは、トップシート移行速度及び吸収体移行速度に優れ、そして着用感が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の使い捨ておむつの実施形態の1つを示す図である。
【図2】図2は、図1に示される使い捨ておむつのX−X断面の断面図である。
【図3】図3は、図1に示される使い捨ておむつの、点状の圧搾部付近の拡大図である。
【図4】図4は、凸部が、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において異なる高さを有することを説明するための図である。
【図5】図5は、図4のY−Y断面の断面図である。
【図6】図6は、本発明の使い捨ておむつの実施態様の1つを示す図である。
【図7】図7は、本発明の使い捨ておむつの実施態様の1つを示す図である。
【図8】図8は、本発明の使い捨ておむつの実施態様の1つを示す図である。
【図9】図9は、点状の圧搾部の、幅方向の長さが、凸部の幅よりも短い実施形態を説明するための図である。
【図10】図10は、本発明の使い捨ておむつに用いられる不織布の製造例を示す図である。
【図11】図11は、図10に示されるような方法により形成された凹凸を有する不織布の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の使い捨ておむつについて、以下、詳細に説明する。
図1は、本発明の使い捨ておむつの実施形態の1つを示す図である。図1に示される使い捨ておむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート(図示せず)と、トップシート2及びバックシートの間の吸収体(図示せず)とを含み、前身頃の胴領域W1、股領域C、及び後身頃の胴領域W2を有する。また、図1に示される使い捨ておむつ1には、防漏壁3、及び後身頃の胴領域W2に取り付けられたテープファスナ4が示されている。
【0019】
また、トップシート2は、肌当接面5に、使い捨ておむつの長手方向Aに延びる、複数の凸部6と、複数の凹部7とを、上記長手方向と直交する幅方向Bに交互に有する不織布である。なお、図1では、凸部6は、波線によって表現され、波線内のドット領域が、紙面上に突出していることを意味する。また、肌当接面5において、波線及びドットで表わされていない領域が、凹部7である。
【0020】
また、トップシート2は、前身頃の胴領域W1及び/又は後身頃の胴領域W2に、凸部6及び/又は凹部7を圧搾することにより形成された、点状の圧搾部8を、4.0〜7.0個/cm2の範囲の密度で有する。
また、図1に示される使い捨ておむつ1では、前身頃の胴領域W1及び/又は後身頃の胴領域W2に、2個の点状の圧搾部8に挟まれた、高さが低くなった凸部6の区域が存在し、隣接する凸部6と、長手方向に同一の位置において異なる高さを有する。
【0021】
さらに、図1に示される使い捨ておむつ1では、点状の圧搾部8が、前身頃の胴領域W1、後身頃の胴領域W2、及び胴領域Cにおいて、凸部6及び/又は凹部7を、一定の間隔をおいて、連続して圧搾することにより形成された、点状圧搾溝9を有する。
なお、本明細書において、点状の圧搾部の「密度」は、点状の圧搾部の、トップシートの単位面積当りの個数を意味し、そして一定の面積、例えば、10cm×10cmの不織布内の点状の圧搾部の個数をカウントし、上記面積で割ることにより算出することができる。
【0022】
なお、本明細書において、「股領域」は、使用時に着用者の脚を通すための開口部を形成する領域を意味し、「前身頃の胴領域」は、胴領域の中で前身頃を形成する領域であり、上記股領域よりも前側の領域を意味し、そして「後身頃の胴領域」は、胴領域の中で後身頃を形成する領域であり、上記股領域よりも後側の領域を意味する。
なお、パンツ型の使い捨ておむつの場合には、胴回りギャザーのうち、前身頃部分を前身頃の胴領域と称し、後身頃部分を後身頃の胴領域と称し、そしてその間の領域を股領域と称することができる。
【0023】
図2は、図1に示される使い捨ておむつのX-X断面の断面図である。図2に示される使い捨ておむつ1は、液透過性のトップシート2と、セカンドシート10と、液不透過性のバックシート12と、トップシート2及びバックシート12の間の吸収体11と、防漏壁3を含む。図2に示される使い捨ておむつ1では、防漏壁3から延びた不織布及びバックシート12が、サイドフラップ13を形成している。図2では、点状の圧搾部は、省略されている。
なお、図2に示される使い捨ておむつ1には、セカンドシートが含まれるが、本発明の使い捨ておむつでは、セカンドシートはなくともよい。
【0024】
図3は、図1に示される使い捨ておむつの、点状の圧搾部付近の拡大斜視図であり、説明の便宜上、トップシート以外は省略されている。図3では、長手方向Aに延びる2本の凸部6と、2本の凸部6の間の凹部7が示されている。
図3に示されるように、凸部6において、長手方向Aに配向する繊維の比率が、凹部7において、長手方向Aに配向する繊維の比率よりも高い。また、点状の圧搾部8は、凸部6を圧搾することにより形成されている。
【0025】
図3に示されるトップシート2において、凸部6の中央部14及び側部15では、繊維が、主に、長手方向Aに配向しているが、点状の圧搾部8の周囲では、繊維が、トップシート2の下にある吸収体(図示せず)の方向に落ち込んでいる。従って、皮膚に残っている水分を、凸部6の中央部14及び側部15を経由して、吸収体(図示せず)の方向に移行させることができるので、本発明の使い捨ておむつに用いられるトップシートは、吸収体移行速度に優れる。図3に示されるように、点状の圧搾部、特に圧搾部の周囲は、液体を、トップシートから吸収体に移行させる、移行部としての役割を有する。また、上記移行部としての効果は、点状の圧搾部が凹部に形成された場合よりも、凸部に形成された場合の方が高い。
【0026】
図4は、凸部が、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において異なる高さを有することを説明するための図であり、そして図5は、図4のY−Y断面の断面図である。図4及び図5には、便宜上、トップシートのみが示され、さらに全ての点状の圧搾部8は、凸部6,6',6''及び6'''の上に形成されている。図4に示されるトップシート2は、長手方向Aに延びる、複数の凸部6と、複数の凹部7とを、上記長手方向と直交する幅方向Bに交互に有する。
なお、図4では、凸部6,6',6''及び6'''は、波線によって表現され、波線内のドットで表現される領域が、紙面上に突出していることを意味する。
【0027】
図4に示されるトップシート2では、点状の圧搾部8が、凸部6,6',6''及び6'''を、各千鳥型に、一定の間隔をおいて連続して圧搾することにより形成され、そして点状圧搾溝9を構成しており、点状圧搾溝9は、略直線状であり、長手方向と、45°の角度で交差しており、そして4本の点状圧搾溝9により、正方形の格子が形成されている。
【0028】
図4に示されるトップシート2において、2個の点状の圧搾部に挟まれた、高さが低くなった凸部6’の区域Z’が存在し、区域Z’における凸部6’が、隣接する凸部6''と、長手方向に同一の位置において、異なる高さを有する。
【0029】
図4に示されるトップシート2において、凸部6'上の2つの点状の圧搾部8’間の距離をL'とする。同様に、凸部6''の2つの点状の圧搾部8''間の距離を、L''とし、そして凸部6'''の2つの点状の圧搾部8'''間の距離を、L'''とする。また、図5に示されるように、2つの点状の圧搾部8,8',8''及び8'''の中央における凸部6',6''及び6'''の高さを、それぞれ、H’,H''及びH'''とする。
【0030】
ここで、L’,L''及びL'''の長さの間には、L’>L''>L'''の関係があり、そして高さH’,H''及びH'''の間には、H’≧H''≧H'''の関係が成立する。
凸部が圧搾される際に、その周囲の繊維が引っ張られるので、2つの点状の圧搾部間の間隔が短い場合には、凸部、特に凸部の中央部の繊維が引っ張られ、その高さが低くなる場合があるからである。
【0031】
なお、図4及び図5に示されるトップシート2において、例えば、凸部6’は、点状の圧搾部8’の周囲において、その高さが最も低く、そして点状の圧搾部8’からの距離が最も遠い、点状の圧搾部8’同士の中央部において、その高さが最も高い(高さH’)。同様に、凸部6''は、点状の圧搾部8''の周囲において、その高さが最も低く、そして点状の圧搾部8''からの距離が最も遠い、点状の圧搾部8''同士の中央部において、その高さが最も高い(高さH'')。なお、凸部6''においても同様である。
従って、隣接する凸部6及び凸部6’は、長手方向に同一の位置において異なる高さを有する。また、隣接する凸部6’及び凸部6''がまた、長手方向に同一の位置において異なる高さを有する。
【0032】
以上より、図4に示されるような凸部及び凹部、並びに点状の圧搾部を有するトップシートでは、凸部が、隣接する2本の凸部、すなわち、凸部6''が、隣接する凸部6’及び6'''と、長手方向に同一の位置において、異なる高さを有する。
なお、上記隣接する凸部間の関係は、点状の圧搾部が、凸部及び凹部の両方に形成されている場合であっても満足する。
【0033】
本発明の使い捨ておむつでは、トップシートが、長手方向に同一の位置において種々の高さの凸部を有することにより、高さの高い凸部は、クッション性、肌接触面積の低減等に起因して着用感を向上させることができ、そして高さの低い凸部は、上記移行部に近いことから、移行部を経由して、トップシートの液体を吸収体に移行させることができるので、吸収体移行速度を向上させることができる。
【0034】
図1に示される使い捨ておむつ1では、前身頃の胴領域、股領域、及び後身頃の胴領域の全てにおいて、トップシートが、点状の圧搾部を有するが、本発明の使い捨ておむつでは、前身頃の胴領域、股領域、及び後身頃の胴領域の全てにおいて、トップシートが、点状の圧搾部を有しなくともよい。
【0035】
図6は、本発明の使い捨ておむつの実施態様の1つを示す図である。図6に示される使い捨ておむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート(図示せず)と、トップシート2及びバックシートの間の吸収体(図示せず)とを含み、前身頃の胴領域W1、股領域C、及び後身頃の胴領域W2を有する。また、図6に示される使い捨ておむつ1には、防漏壁3、及び後身頃の胴領域W2に取り付けられたテープファスナ4が示されている。なお、図6では、トップシート2の凸部及び凹部は、便宜上省略されている。
【0036】
図6に示されるトップシート2は、前身頃の胴領域W1に、凸部及び/又は凹部(図示せず)を圧搾することにより形成された、点状の圧搾部8を、約6.2個/cm2の範囲の密度で有する。また、図6に示される使い捨ておむつ1では、点状の圧搾部8が、点状圧搾溝9を構成している。
なお、図6に示される使い捨ておむつ1では、トップシート2が、前身頃の胴領域W1の全面において、点状の圧搾部8を有するが、本発明の別の実施形態では、トップシートが、前身頃の胴領域の一部に、点状の圧搾部を有してもよい。
【0037】
図7は、本発明の使い捨ておむつの実施態様の1つを示す図である。図7に示される使い捨ておむつ1は、点状の圧搾部8以外は、図6と同様の構成を有する。
図7に示されるトップシート2は、前身頃の胴領域W1及び後身頃の胴領域W2に、凸部及び/又は凹部(図示せず)を圧搾することにより形成された、点状の圧搾部8を、約6.2個/cm2の範囲の密度で有する。
【0038】
また、図7に示される使い捨ておむつ1では、点状の圧搾部8が、前身頃の胴領域W1及び後身頃の胴領域W2において、点状圧搾溝9を構成している。
なお、図7に示される使い捨ておむつ1では、トップシート2が、前身頃の胴領域W1及び後身頃の胴領域W2の全面において、点状の圧搾部8を有するが、本発明の別の実施形態では、トップシートが、前身頃の胴領域及び/又は後身頃の胴領域の一部に、点状の圧搾部を有してもよい。
【0039】
図1に示される使い捨ておむつ1では、股領域の一部において、点状の圧搾部の密度が異なるが、本発明の使い捨ておむつでは、前身頃の胴領域、股領域、及び後身頃の胴領域の全てにおいて、点状の圧搾部の密度が同一であってもよい。
【0040】
図8は、本発明の使い捨ておむつの実施態様の1つを示す図である。図8に示される使い捨ておむつ1は、点状の圧搾部8以外は、図6と同様の構成を有する。
図8に示されるトップシート2は、前身頃の胴領域W1、後身頃の胴領域W2及び股領域Cに、凸部及び/又は凹部(図示せず)を圧搾することにより形成された、点状の圧搾部8を、約6.2個/cm2の範囲の密度で有する。
【0041】
また、図8に示される使い捨ておむつ1では、点状の圧搾部8が、点状圧搾溝9を構成している。
なお、図8に示される使い捨ておむつ1では、トップシート2が、前身頃の胴領域W1、後身頃の胴領域W2及び股領域Cの全面において、点状の圧搾部8を有するが、本発明の別の実施形態では、トップシートが、前身頃の胴領域W1、後身頃の胴領域W2及び/又は股領域Cの一部に、点状の圧搾部を有してもよい。
【0042】
図1に示される使い捨ておむつでは、点状の圧搾部が、凸部及び/又は凹部を、一定の間隔をおいて、連続して圧搾することにより形成され、略直線状の点状圧搾溝を構成するが、当該略直線状の点状圧搾溝が、長手方向と、角度θ(0°<θ≦90°)で交差することが好ましい。θ=0°では、点状圧搾溝が、凹部及び凸部と平行になるため、点状圧搾溝と凸部とが重なる場合、及び点状圧搾溝と凹部とが重なる場合の両方とも、トップシートが、長手方向に同一の位置において種々の高さの凸部を有することにならないので、着用感及びトップシート移行速度の両方とも向上しない。
【0043】
点状圧搾溝が、略直線状であることにより、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において異なる高さを有するような不織布を、簡便に且つ高い歩留まりで製造することができるようになり、着用感、トップシート移行速度、及び吸収体移行速度のバランスがとれた不織布を簡便に且つ高い歩留まりで製造することができる。
【0044】
なお、上記点状圧搾溝は、略直線状であることが好ましいが、トップシートが種々の高さの凸部を有することになれば、略直線状でなくともよく、例えば、略円弧状、略楕円弧状、ジグザグ状、サインカーブ状等であることができる。
【0045】
図1に示される使い捨ておむつでは、前身頃の胴領域、後身頃の胴領域、及び/又は股領域において、少なくとも4本の点状圧搾溝により、格子、より具体的には、正方形が形成されている。
なお、本明細書において、「格子」には、正方形だけではなく、長方形及び菱形が含まれる。
点状圧搾溝が格子を形成することにより、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において異なる高さを有するような不織布を、簡便に且つ高い歩留まりで製造することができるようになり、着用感、トップシート移行速度、及び吸収体移行速度のバランスがとれた不織布を簡便に且つ高い歩留まりで製造することができる。
【0046】
なお、本発明の使い捨ておむつにおいて、点状圧搾溝により形成される図形は、トップシートが種々の高さの凸部を有することになるものであれば、上記格子に限定されず、例えば、平行四辺形、三角形、円、楕円等であってもよい。
【0047】
上記点状の圧搾部は、存在する場合には、前身頃の胴領域及び後身頃の胴領域において、約4.0〜約7.0個/cm2の範囲の密度であり、約5.0〜約7.0個/cm2の範囲の密度であることが好ましく、そして約6.0〜約7.0個/cm2の範囲の密度であることがより好ましい。密度が高くなるほど、凸部を圧搾することにより形成される、点状の圧搾部の数が増え、そして拭き取った水分を吸収体に移行させる移行部が増えるので、吸収体移行速度が速くなる傾向があるが、密度があまり高くなると、液体を透過させにくい圧搾部の面積が増えるので、トップシート移行速度が遅くなる傾向がある。
【0048】
使い捨ておむつでは、尿等の排泄物が、股部の排尿ポイント周辺では吸収されず、その一部が、着用者の肌を伝わって、前身頃の胴領域及び/又は後身頃の胴領域に移動してくる場合がある。従って、前身頃の胴領域及び/又は後身頃の胴領域においては、大量の液体を処理するためのトップシート移行速度よりも、吸収体移行速度を高め、移動してきた液体を、上記移行部を通して吸収体に移行させることが好ましい。
また、前身頃の胴領域及び/又は後身頃の胴領域は、使い捨ておむつを、着用者に固定する部分でもあるため、一般的に、使い捨ておむつのトップシートと、着用者の肌とが常に接した状態にある。従って、当該領域では、そもそも、液体がトップシートに移行しやすい領域であり、トップシートに移行した液体を、さらに吸収体に移行させることが重要になる。
【0049】
上記点状の圧搾部は、存在する場合には、股領域において、約4.0個/cm2以下の密度であることが好ましい。上記股領域では、瞬間的に大量の尿を吸収し、トップシートに移行させる必要が生ずるが、密度が低くなるほど、液体を透過させにくい圧搾部の面積が減るので、トップシート移行速度が速くなるからである。
しかし、製造のしやすさを考慮して、股領域における点状の圧搾部の密度を、前身頃の胴領域及び/又は後身頃の胴領域における点状の圧搾部の密度と、同一にする、すなわち、4.0〜7.0個/cm2の範囲としてもよい。4.0〜7.0個/cm2の範囲の密度であっても、トップシート移行速度が、許容可能な範囲内にある場合もあるからである。
【0050】
なお、股領域では、場所により上記密度を変化させることもできる。例えば、図1に示されるように、股領域のうち、排尿ポイントから、長手方向前後に計100mmの範囲において、点状の圧搾部の密度を低くする、例えば、約3.4個/cm2とすることができる。上記排尿領域は、排尿時に大量の尿を受け入れる領域であり、トップシート移行速度が高いこと、すなわち、点状の圧搾部の密度が低いことが好ましいからである。
【0051】
前身頃の胴領域、後身頃の胴領域、及び股領域において、上記点状の圧搾部の面積は、約0.2〜約9mm2の範囲内にあることが好ましく、約0.5〜約4mm2の範囲内にあることがより好ましく、そして約0.7〜約2.0mm2の範囲内にあることがさらに好ましい。面積が約0.2mm2を下回ると、不織布の厚みがある場合に、凸部の圧搾が不十分になる場合があり、そして面積が約9mm2を超えると、トップシート移行速度が遅くなり、そして肌触り等の着用感が低下する傾向がある。
【0052】
前身頃の胴領域、後身頃の胴領域、及び股領域において、上記点状の圧搾部の間隔は、約1〜約3mmの範囲内にあることが好ましく、そして約1.5〜約2.5mmの範囲内にあることが好ましい。上記間隔が約1mmを下回ると、点状の圧搾部間の距離が近く、液体を閉じ込める場合がある。上記間隔が約3mmを上回ると、点状の圧搾部の密度を上げるために、1つ当りの面積を大きくする必要が生ずる。
なお、本明細書において、「点状の圧搾部の間隔」とは、隣接する点状の圧搾部の間の、外縁間の距離のうち、最短の距離を意味する。
【0053】
前身頃の胴領域、後身頃の胴領域、及び股領域において、上記凸部及び凹部が形成する凹凸のピッチは、約2.0〜約6.5mmであることが好ましく、そして約3.0〜約5.0mmであることがより好ましい。上記ピッチが約2.0mmを下回ると、凸部の高さが不十分であり、着用感が低下する傾向がある。上記ピッチが、約6.5mmを上回ると、凸部の間隔が広くなりやすく、凸部の数が減少するので、結果的に肌と接触する面積が増加し、着用感が低下する傾向がある。
の傾向がある。
なお、上記ピッチは、図3に符号Pで表わされる、隣り合う凸部間の間隔を意味する。
【0054】
前身頃の胴領域、後身頃の胴領域、及び股領域において、上記凸部の幅は、約1.5〜約4.5mmの範囲が好ましく、約2.0〜約4.0mmの範囲がより好ましく、そして約2.5〜約3.5mmの範囲がさらに好ましい。上記幅が、約4.5mmを上回ると、単位面積当りの凸部の数が減少するので、結果的に肌と接触する面積が増加し、着用感が低下する傾向がある。上記幅が、約1.5mmを下回ると、凸部の高さが不十分になる傾向がある。
なお、凸部の幅と、凹部の幅を足したものが、上記凹凸のピッチである。
【0055】
また、点状の圧搾部の、幅方向の間隔は、凸部及び凹部が形成する凹凸のピッチと同一であるか、又はそれよりも短いことが好ましい。点状の圧搾部を、凸部の上にのみ形成することができるか、又は凸部及び凹部の種々の場所に点状の圧搾部を形成することができるからである。
なお、本明細書において、点状の圧搾部の、幅方向の間隔は、図4における点状の圧搾部8'及び8''の場合に、Iで示される長さである。
【0056】
前身頃の胴領域、後身頃の胴領域、及び股領域において、上記凸部の高さは、約0.5〜約2.5mmであることが好ましく、そして約1.0〜約2.0mmであることがより好ましい。上記凸部の高さが約0.5mmを下回ると、クッション性、肌接触面積の低減等の着用感が低下する傾向がある。上記凸部の高さが約2.0mmを上回ると、トップシートの表面と、吸収体との距離が遠くなり、吸収した液体を吸収体に移行させるために時間がかかる傾向がある。
【0057】
本発明の使い捨ておむつにおいては、点状の圧搾部の、幅方向の長さが、凸部の幅よりも短いことが好ましい。図9に示すように、点状の圧搾部8が凸部6の中央部に形成された場合に、元の凸部6がなくなり、点状の圧搾部8の周囲に小さな凸部が形成され、着用感が向上し、移行部が効率的に形成されることから、吸収体移行速度が向上する。また、点状の圧搾部の面積が小さくなることにつながることから、トップシート移行速度が向上する。
【0058】
なお、本発明の使い捨ておむつでは、凸部の長手方向に配向する繊維の比率が、凹部の長手方向に配向する繊維の比率よりも高いが、繊維の配向性は、以下のように測定することができる。なお、繊維配向の測定には、株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−100を用いることができる。
【0059】
(1)トップシートを、長手方向が縦方向になるように、肌当接面を上にして観察台にセットする。
(2)手前に飛び出したイレギュラーの繊維を除いて、トップシートの最も手前の繊維に、レンズの焦点を合わせる。
(3)撮影深度(奥行き)を設定して、トップシートの3D画像を、PC画面上に形成する。
(4)上記3D画像を、2D画像に変換する。
(5)測定範囲内で、長手方向を適時等分する平行線を、画面上に複数本引く。
(6)平行線を引いて細分化した各セルにおいて、繊維の配向性が長手方向であるか、又は幅方向であるかを観察し、長手方向及び幅方向に配向している繊維本数を、それぞれ計測する。
(7)長手方向及び幅方向に配向する繊維の比率を算出する。
【0060】
本明細書において、長手方向に配向する繊維とは、繊維が、長手方向に対して、−45°から+45°の範囲内を向いていることを意味し、そして幅方向に配向する繊維とは、繊維が、幅方向に対して−45°から+45°の範囲内を向いていることを意味する。
【0061】
次に、本発明の使い捨ておむつの製造方法について説明する。
本発明の使い捨ておむつのトップシートに用いられる、複数の凹部及び凸部を有する不織布(「凹凸を有する不織布」と称する場合がある)は、従来公知の方法、例えば、特開2008−25081号明細書、特開2008−25082号明細書等に記載の方法に従って製造することができる。
【0062】
具体的には、例えば、図10に示すように、メッシュ等の支持部材21を有するロールの上に、繊維ウェブ22を載せ、流体ノズル23から噴出される流体、例えば、スチームを繊維ウェブ22に当てることにより、凹凸を有する不織布24を形成することができる。凹凸を有する不織布24では、流体が噴出されるノズルの直下の領域では、搬送方向MDに直交する直交方向CDに繊維が選り分けられ、MDに沿った凹部が形成される。そして各ノズル間の領域では、繊維が集まり、MDに沿った凸部が形成される。
【0063】
図11は、図10に示されるような方法により形成された、凹凸を有する不織布の例を示す図である。図11に示される凹凸を有する不織布24において、凸部6が、MDに沿って形成され、そして2つの凸部6の間に、凹部7が、MDに沿って形成されている。また、凸部6において、中央部14と、その両側部にある側部15とでは、流体の流れに沿って、繊維がMDに配向する。
【0064】
上記流体としては、例えば、スチームが挙げられ、例えば、約5〜15(nL/m2)の噴出量を用いることができる。また、上記流体を吹き付ける流体ノズルの真下に、不織布の凹部が形成され、さらに凹部に隣接して凸部が形成されるので、流体ノズル間隔は、所望の凸部の高さ、幅、凹凸のピッチを形成するように定めることができる。
【0065】
上記繊維ウェブ及び上記繊維ウェブから形成される凹凸を有する不織布内の繊維は、特に制限されず、例えば、ポリエチレン繊維及びポリエチレンテレフタレート繊維、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
上記繊維ウェブの坪量、及び上記繊維ウェブから形成される凹凸を有する不織布の平均坪量は、約10〜約200g/m2であることが好ましく、約20〜約100g/m2であることがより好ましく、そして約20〜約35g/m2であることがさらに好ましい。上記坪量が約10g/m2を下回ると、形成されるトップシートが、使用中に破れる場合がある。上記坪量が約200g/m2を上回ると、形成されるトップシートの厚さが厚くなり、本発明の使い捨ておむつのトップシート移行速度が遅くなる傾向がある。
【0066】
点状の圧搾部は、当業界に公知の任意の手段、例えば、エンボス加工により形成されうる。
【0067】
本明細書では、主にオープン型の使い捨ておむつについて説明してきたが、本発明の使い捨ておむつには、オープン型の使い捨ておむつだけではなく、パンツ型の使い捨ておむつも含まれる。
【実施例】
【0068】
以下、例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[例1]
[トップシート移行速度及び吸収体移行速度の測定]
点状の圧搾部の密度と、トップシート移行速度及び吸収体移行速度との関係を調べた。
特開2008−25082号明細書に記載の方法に従って、ポリエチレン繊維及びポリエチレンテレフタレート繊維から成る繊維ウェブ(坪量:約25g/m2)から、凹凸を有する不織布(坪量:約25g/m2、凹凸のピッチ:4.0mm、凸部の幅:3.0mm、凹部の幅:1.0mm、凸部の高さ:1.0mm)を準備した。
【0069】
上記凹凸を有する不織布に、図8に示すような、角千鳥型の点状の圧搾部を、その密度を変えて形成することにより、トップシートNo.1〜4を製造した。トップシートNo.1〜4において、点状圧搾溝が形成する正方形の格子の一辺のサイズは、それぞれ、6,9,12及び18mmであった。トップシートNo.1〜4では、点状の圧搾部は、全て1mm×1mmの正方形を有し、点状の圧搾部のピッチは、全て2mmであった。
また、点状の圧搾部が形成されていない、凹凸を有する不織布を、トップシートNo.5とした。
【0070】
トップシート移行速度と、吸収体移行速度とを、以下のように測定した。
市販の使い捨てオムツ(商品名;ムーニーLサイズ、ユニ・チャーム株式会社製)から、吸収体(吸収性コア及びコアを被覆するシート)を取り出し、上記トップシートを、吸収体の肌面側に、スパイラル形状のホットメルトを間に挟んで固定することにより試料を形成した。
【0071】
評価手順は以下の通りである。
(1)上記試料の吸収コアの幅方向及び長さ方向の中央に円筒(直径60mm,55g)を置く。
(2)円筒内の10mmの高さから、ビュレットを用いて、80mLの人工尿を10秒で滴下する。
(3)滴下終了後、トップシート移行速度及び吸収体移行速度の測定を開始する。
(4)滴下終了から、円筒内の人工尿の全量が、試料内のトップシート内に移行する時間を、「トップシート移行速度」とする。
(5)滴下終了から、円筒内の人工尿の全量が、試料内のトップシートを通って、吸収体に移行する時間を、「吸収体移行速度」とする。
【0072】
なお、上記人工尿は、イオン交換水に、尿素2質量%、塩化ナトリウム0.8質量%、硫酸マグネシウム7水和物0.08質量%、塩化カルシウム2水和物0.03質量%、色素:青色1号約1gを配合することにより調製された。
上記測定を10回繰返し、その平均値を結果として採用した。
結果を、表1に示す。
【0073】
また、上記試料において、凸部の最大高さ(格子の中央部分の凸部の高さ)を測定した。結果を併せて表1に示す。
なお、凸部の高さは、以下のように測定した。
(1)コクヨカッターナイフ HA−7NB(商品名)用の標準替え刃 HA−100Bを用いて不織布を裁断して、試料を準備する。次いで、上記試料を水平面に置き、その断面画像を、キーエンスデジタルマイクロスコープVHX−100を用いて、倍率25倍で撮影する。
【0074】
(2)上記断面画像を、スカラ(株)製画像解析ソフト、USBデジタルで処理して、二値化画像を形成する。閾値は、50に設定する。上記二値化画像について、二値画像形状解析の演算方法「穴埋め」を選択し、次いで、対象色「白」を選択し、処理する。次いで、二値画像形状解析の演算方法「穴埋め」を選択し、次いで、対象色「黒」を選択し、処理する。処理された画像内の繊維塊から飛び出して毛羽状を呈している繊維を消去して、毛羽立ちのない修正画像を得る。
(3)上記修正画像において、凸部の頂点から、不織布が置かれている水平面までの距離を、凸部の高さとする。
(4)なお、凹部の底部から、不織布が置かれている平面までの距離が、凹部の高さとなる。
【0075】
【表1】

【0076】
表1から、点状の圧搾部の密度が高くなると、吸収体移行速度が高くなることが分かり、そして点状の圧搾部の密度が低くなると、トップシート移行速度が高くなることが分かる。
また、格子サイズを変えることにより、凸部最大高さが変化することが分かる。ここから、同一の凸部を圧搾する長手方向の間隔を変化させることにより、同一の凸部における高さが長手方向の異なる場所において変化することが示唆される。
【符号の説明】
【0077】
1 使い捨ておむつ
2 トップシート
3 防漏壁
4 テープファスナ
5 肌当接面
6,6',6'',6''' 凸部
7 凹部
8 点状の圧搾部
9 点状圧搾溝
10 セカンドシート
11 吸収体
12 バックシート
13 サイドフラップ
14 中央部
15 側部
21 支持部材
22 繊維ウェブ
23 流体ノズル
24 凹凸を有する不織布
A 長手方向
B 幅方向
I 点状の圧搾部の、幅方向の間隔
P ピッチ
MD 搬送方向
CD 直交方向
1 前身頃の胴領域
2 後身頃の胴領域
C 股領域
Z’ 区域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及びバックシートの間の吸収体とを含み、前身頃の胴領域、股領域、及び後身頃の胴領域を有する使い捨ておむつであって、
前記トップシートが、肌当接面に、前記使い捨ておむつの長手方向に延びる、複数の凸部と、複数の凹部とを、長手方向と直交する幅方向に交互に有する不織布であり、
前記トップシートが、前記前身頃の胴領域及び/又は前記後身頃の胴領域に、前記凸部及び/又は凹部を圧搾することにより形成された、点状の圧搾部を、4.0〜7.0個/cm2の範囲の密度で有し、そして
前記前身頃の胴領域及び/又は前記後身頃の胴領域に、2個の点状の圧搾部に挟まれた、高さが低くなった凸部の区域が存在し、前記区域における前記凸部が、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において、異なる高さを有する、
ことを特徴とする、前記使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記トップシートが、前記前身頃の胴領域及び前記後身頃の胴領域の両方において、前記点状の圧搾部を有する、請求項1に記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記トップシートが、前記股領域に、前記凸部及び/又は凹部を圧搾することにより形成された、点状の圧搾部を、4.0個/cm2以下の密度で有し、そして前記股領域に、2個の点状の圧搾部に挟まれた、高さが低くなった凸部の区域が存在し、前記区域における前記凸部が、隣接する凸部と、長手方向に同一の位置において、異なる高さを有する、請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記凸部の長手方向に配向する繊維の比率が、前記凹部の長手方向に配向する繊維の比率よりも高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記点状の圧搾部が、前記凸部及び/又は凹部を、一定の間隔をおいて、連続して圧搾することにより形成され、点状圧搾溝を構成している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記点状圧搾溝が、略直線状であり、前記長手方向と、角度θ(0°<θ≦90°)で交差している、請求項5に記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
複数本の、前記点状圧搾溝により、格子が形成されている、請求項6に記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記点状の圧搾部の、前記幅方向の間隔が、前記凸部及び凹部が形成する凹凸のピッチと同一であるか、又はそれよりも短い、請求項6又は7に記載の使い捨ておむつ。
【請求項9】
前記点状の圧搾部の、前記幅方向の長さが、前記凸部の幅よりも短い、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項10】
前記区域における前記凸部が、隣接する2本の凸部と、長手方向に同一の位置において、異なる高さを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項11】
前記点状の圧搾部が、0.2〜9mm2の範囲内の面積を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項12】
前記点状の圧搾部の間隔が、1〜3mmの範囲にある、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項13】
前記点状の圧搾部が、全て、前記凸部を圧搾することにより形成された、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−75638(P2012−75638A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223115(P2010−223115)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】