説明

使い捨ての樽の形態の飲料注入装置

本発明は、例えば二酸化炭素圧縮ガスを使用して、ビール、ワインそしてソフトドリンクのような、飲用温度に温度調整される飲料を、圧縮ガスで運転して注入するための、使い捨ての樽の形態の飲料注入装置であって、
この飲料注入装置が、金属製の容器(100)と、この容器の上方に設けられた安全取付け部材(8)と、容器内部に沈められた取付け管(10)と、安全取付け部材に取付けられる開栓ヘッド(26)あるいは充填の際に装着可能な充填接続部(23)、ならびに選択的に脚部リングおよび頭部リングから成り、
前記開栓ヘッドもしくは充填接続部が、レバーを操作する際に、
安全取付け部材の、安全取付け部材が容器本体と接続している外側ケーシング(13)内に設けられたシール部を、バネ力(16)に抗して下方へと、取付け管(10)を経由して上昇する飲料液体のための液体経路を開放する位置に移動させる様式の飲料注入装置に関する。充填するためにおよび注入する際に安全取付け部材(8)を介した、それでも衛生上の要求および飲食物への要求に対応している腐食防止と同時に様々な接続技術を用いた、単一の鋼板でできた単純でかつコストの安い構造方式は、安全取付け部材が、容器(100)の内側壁部を保護するために容器内部に取付けられた、滅菌材料から成るライナ(9;9a)により形成されていることにより達せられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば二酸化炭素圧縮ガスを使用して、ビール、ワインそしてソフトドリンクのような、飲用温度に温度調整される飲料を、圧縮ガスで運転して注入するための、使い捨てネジとしての飲料注入装置であって、この飲料注入装置が、金属製の容器と、この容器の上方に設けられた安全取付け部材と、容器内部に沈められた取付け管と、安全取付け部材に取付けられるタップヘッドあるいは充填の際に装着可能な充填接続部、ならびに選択的に脚部リングおよび頭部リングから成り、前記タップヘッドもしくは充填接続部が、レバーを操作する際に、安全取付け部材の、安全取付け部材が容器本体と接続している外側ケーシング内に設けられたシール部を、バネ力に抗して下方へと、取付け管を経由して上昇する飲料液体のための液体経路を開放する位置に移動させる様式の飲料注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
さらに特許文献1により周知の、通常安全取付け部材内に設けられる飲料兼ガス弁を備えた飲料注入装置は、釣鐘型の隔壁により底側の飲料部分と蓋側の圧縮ガス部分内に分割されている。ガス圧による注入は、大気酸素入口を備えた容器からの開放した圧力の無い流出に比べて、容器内の飲料の基本的に長い耐用年数の長所を有する。圧力ガス部分により形成されていない容器の場合、ガスの供給は飲料容器の外部に設けられた、直接圧力調節器が取付けられている高圧ガス瓶により行われる。この圧力調節器は、充填された飲料の各々の正確な圧力、例えば窒素入りワイン用の0.8バールと炭酸ガス入り白ビール用の2.1バールに確実に合わせられている。
【0003】
これと特許文献2および3から知られた容器は、上側部分と下側部分、例えば二つの貝殻状体から製造された二つの部分から成るか、あるいは上側部分と下側部分から成り、これらの上側部分と下側部分の間に設けられた管部分を備えた三つの部分から成っており、これらの部分は溶接により互いに接続している。搬入および搬出の際の取扱いが一部粗野なために、この容器あるいは樽は落下荷重と衝突荷重がかかった際の変形の前に保護しなければならない。そのために、同時にしかしながらまた良好な容器の積み重ね具合を可能にする、特にフレーム状の頭部リングと脚部リングが役に立つ。最後に、極めて高い衛生上の要求を守ることができる。とりわけ腐食防止に対しては、数十年前からステンレス鋼あるいは特殊鋼(Edelstahlblase)およびポリウレタン材料(PU)でできたケースを備えた容器が組込まれるが、もっともそれにより構造のコストが上がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1293476号明細書
【特許文献2】欧州特許公開公報第1310627号明細書
【特許文献3】英国特許公開第2001032号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底をなす課題は、簡単な方法で、腐食防止への高い要求、特に衛生上の要求および飲食物への要求に対応し、その際同時に安全取付け部材を介して飲料用液体を充填および注入するための様々な接続技術を可能にする、そのような類の飲料注入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によれば、安全取付け部材が、容器の内側壁部を保護するために容器内部に取付けられた、滅菌材料から成るライナにより形成されていることにより解決される。
好ましくは、安全取付け部材と気密に接続した、例えば溶接もしくは接着されたライナにより、容器部分が鋼板でできている場合、ほぼ0.3〜0.5mmの厚さの、壁の薄い容器(Behalterblase)が可能となる。ライナはいずれの場合でも、すなわち買い得な、安い合金鋼あるいは非合金鋼でできた容器部分を製造した場合でも、完全な衛生予防および腐食保護を配慮する。というのは、ライナは容器の内側壁部に密着し、かつライナにより付加的な塗装あるいはそのような表面保護は不要になるからである。
【0007】
ライナは、本発明の提案によれば、組立に関しては容器の内側壁部に抗して二酸化炭素圧縮ガスを膨張させることにより予負荷をかけることができる。従って、同時に不利で、かつ容器内部に存在する酸素は排除され、それにより飲料液体に悪影響を及ぼすことは無い。
【0008】
代替え案として、ライナは負圧の状態で容器内に取付けることができる。これに関しては約0.4〜0.6バールで十分であり、この場合真空によって内側では衛生的に申し分ない状態に達することができる。初期状態で袋状のライナは、飲料液体を充填する際に容器の内側壁部に当接する。
【0009】
ライナは弾性材料、例えば被覆されていないかあるいは耐浸透性の被覆された合成物質でできていると有利である。
【0010】
ライナが弾性材料でできていないときは、ライナの充填容積が容器の充填容積よりも多少大きいようにライナを形成することが望ましい。それによりクラック発生の危険は防止される。
【0011】
単純な場合にライナを含めて容器上側部分内に取付ける際、容器壁部により成形することができる安全取付け部材を有利に組立てるために、本発明によれば、安全取付け部材を収容している容器開口部は外側に向かってフランジ部により形成されており、取付け管とライナを含めた安全取付け部材が、フランジを取囲んでいる接続部により容器に固定されていることが提案される。接続部は金属製の巻き付けリングとして形成することができ、従って固定すべき構成部品により成形することができる。代替え案として、接続部はネジ止め可能な合成物質でできたリングであってもよい。
【0012】
有利な腐食防止に関しては、容器部分を互いに接続している溶接の継目はマスキングテープを備えていることを提案する。これは合成樹脂、収縮フィルム、あるいは予め延伸されたフィルムであってもよい。代替え案として、溶接継目はマスキング塗装部を備えていてもよい。
【0013】
脚部リングおよび/または頭部リングは、本発明の提案によれば、合成樹脂で製造されていても、発泡材料でできていても、かつ実用的には形状一体におよび/または力一体に容器に接続していてもあるいは容器に接着していてもよい。
【0014】
有利な形態において、脚部リングと頭部リングは、同様に薄鋼板でできており、この場合、脚部リングと頭部リングは、容器部分に溶接される。脚部リングおよび/または頭部リングは、確かに一つの管部分から、容器上側あるいは容器下側と一体に形成でき、従って繋ぎ目が無く一体につながっている。
【0015】
薄鋼板から製造された脚部リングと頭部リングの場合、本発明の有利な提案によれば、上側あるいは下側の脚部リングと頭部リングの自由端は各々、環状溝により形成されており、この環状溝には縁を折り曲げられたほぼ垂直の端部カラーが接続している。環状溝も縁の折り曲げも容器の端部縁における安定性の向上をもたらす。
【0016】
このような頭部リングと脚部リングの形態の場合、同時に容器の積重ねを促進され、かつ特に頭部リングの端部カラーの直径が脚部リングの端部カラーよりも多少大きく、かつ容器が互いに重なり合っていると、両端部カラーが二層で互いに平行に延びているのが有利であることによりさらに改善される。脚部リングの端部カラーが多少内側に向かって傾斜した状態で約5°延びていると、容器が互いに重なり合った際に良好な芯だしが得られる。重なり領域の端部カラーの多層であると、さらに安定性が向上する。
【0017】
本発明の有利な形態によれば、使用者が容器を満たすためにおよび飲料液体をゆっくり注ぐために、安全取付け部材には取付け管が設けられており、この取付け管は、シール部の一体化された構成部材として可動に形成されており、上側では皿状で、外側ケーシングの環状開口部内で同軸に設けられた管路端部プレートにより閉鎖されており、管路端部プレート下方には管路外套部に流出開口部を備えており、この場合、管路端部プレートは取付け管を取囲んでいるシール部のための内側シール面を備えている。この内側シール面には外側シール面が環状開口部内で割当てられており、この内側シール面はバネの力に抗して取付け管に対して可動に調節可能でありならびに段付き状態で位置決め可能である。
【0018】
本発明によるシール構成部品として取付け管採用することと、単独でかあるいは取付け管と協働して押下げることができる、前記取付部のシールリングとの複合効果により、接続部を用いて醸造所で飲料液体を満たす際に、シールリングだけは、流入断面が飲料用液体のために解放されている限りは、下に向かって位置を変えるかあるいは押込むことができる。このことは同時に取付け管の流出開口部にも当てはまり、従って予めライナが二酸化炭素圧縮ガスで膨張していると、充填に伴って現れるように、容器内部から排出される酸素あるいはガスは漏出することがある。飲料用液体と漏出する酸素および/またはガスのための流路は、シールリングの低圧を生じさせる接続部の部分により互いに分離されている。
【0019】
充填作業の終了と接続部の解除により、シールリングはバネの力によりその初期位置に自動的に元に戻り、この初期位置において、安全取付け部材と同時に容器が外側へ向かって再度閉鎖されており、従って容器を消費者へ運搬することができる。
【0020】
飲料用液体を消費するためにあるいは注ぐために、本発明によれば、シールリングは取付け管上で、第一位置を越えて、取付け管をロック位置へ帯同する第二位置に変位するように位置を調節される。すなわちタップヘッドを装着あるいは接続および操作する際に調節される。したがってシールリングが流出開口部を通過すると同時に、動作進行中に隙間なく接続する取付け管10の帯同により、同様に皿状の管路端部プレート21は、安全取付け部材の外側ケーシングの環状開口部内の元の位置から下方へと沈下する。飲料液体は取付け管内で圧縮ガスで移動させられて上昇し、かつ流出開口部と可動なタップヘッドの部分により閉鎖される空域とを経由して開放した環状開口部を通って栓に達する。
【0021】
最終位置において、シールリングと取付け管、ならびに取付け管のロックを一方において共通に調節するために、シールリングは本発明によれば帯同突起部を備えており、この帯同突起部には取付け管に密着してストッパ縁部が割当てられている。この場合、取付け管はロック位置において、突出部を用いて、同時にシールリングに当たるバネを支持するのに用いられると有利である固定された支持部分の下方で、外側ケーシングの内側にある。ロック位置にあるので、取付け管は、容器が空部になっていてタップヘッドが安全取付け部材から取除かれていても、この固定された位置にとどまっている。バネの力により、タップヘッドが外れた後、シールリングだけは皿状の管路端部プレートに着座するまで戻り、従って流出開口部は取付け管の管路外套部内で閉鎖されている。この状態で容器は残った液体が流出するおそれもなく廃棄できるが、場合により現存する残留ガスは漏洩する。
【0022】
本発明の他の特徴および詳細は、請求項および図に示した本発明の実施例の後に続く説明から明らかである
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】使い捨てネジ付栓として形成された飲料注入装置もしくは充填接続部品もなく示した容器の全体斜視図である。
【図2】安全取付け部材を介して容器の内側に取付けられたライナ…..
【図3】一部だけを示した下側容器上に積重ねられた上側容器を備えた容器の積重ね姿勢を示す図である。
【図4】図3の詳細“X”の拡大図である。
【図5】シール部が閉じた状態の安全取付け部材を縦断面図で示した詳細図である。
【図6】飲料液体を充填するための第一位置でシール部が開いている図5の安全取付け部材を示す図である。
【図7】飲料液体を注入するための第二位置でシール部が開いている図5の安全取付け部材を示す図である。
【図8】容器を廃棄処理するためのシール部の、容器の部分図と閉鎖姿勢を備えた縦断面斜視図を含めた、容器内に組込まれているかあるいは容器内に固定された図5の安全取付け部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0024】
図1〜3と図8に部分図として示した容器は、統一して100でもって番号を付してあるが、互いに異なる構成もしくは輪郭を有している。しかしながら容器100は全て、複数の部分から成り、実施例においては容器上側部分5、容器下側部分6、ならびに頭部リング1と脚部リング4から成り、最後の二つは図3と8による実施例では金属から成り、その図では101と104でもって番号を付してある。容器100の金属部分は、図1〜3で容器上側部分と容器下側部分5,6の溶接継目11により描かれているように、溶接により互いに連結している。溶接継目はすべて、図1と2に示したようなマスキング塗装部(Abdeck-Lackierung)あるいはマスキングテープ3、もしくはそのようなものを備えていてもよい。頭部リングおよび/または脚部リング1,4が、合成樹脂から製造されているか、あるいは発泡材料でできていると、これらのリングは、図2において例えば固着箇所2として示したように、容器部分5または6と形状一体におよび/または力一体に連結されるかあるいは貼り付けられる。
【0025】
容器100の上側部分において、容器は安全取付け部材8を備えており(図3には示していない)、この安全取付け部材にはビール醸造所で飲料用液体を充填するために接続部が接続されるか、あるいは使用者が注入するためにタップヘッドが接続される。図2によれば、安全取付け部材8を固定するために、容器開口部が外側に向かってフランジ部12により形成されており、このフランジ部は接続部7、例えば金属製の巻き付けリング(Pressring)あるいは締付け可能な合成樹脂製リングにより周囲を取囲まれる。従って同時に、内側壁部を保護するために、容器内部に安全取付け部材を組込むことにより取付けられるライナ9は固定され、飲料液体あるいは炭酸ガスを含んだ膨張体(Aufblasen)を充填後にプリロードされ、容器内壁部に密着するこのライナの使用状態は図2に破線で示してあり、かつ9aでもって番号を付してある。図8による実施例において、ライナ9aは、容器上側部分5の成形部(Verpressung)を介してすぐに安全取付け部材8により固定されている。安全取付け部材8には、直立管もしくは取付け管10が設けられており、この取付け管はほぼ底部近くまで容器100内に沈んでいる。
【0026】
安全取付け部材8の好ましい構造は、図5〜8において異なる作用姿勢で示してある。安全取付け部材8は、環状の外側ケーシング13を有しており、この外側ケーシングは、ライナ9;9aを同時に固定しながら容器上側部分5の壁部でもって成形するために外側に環状の溝14を備えており(図8参照)、この溝内には容器開口部のフランジ部12が、容器壁部とライナの中間空域を事前に空気抜きした後、圧入されるかあるいは押込まれる。外側ケーシング13は、下方に向かって二重壁でかつ固定した支持部分15を通って延びており、この支持部分の内側環状壁15aと外側環状壁15bの間には流路が形成され、その際内側環状壁15aは長手方向に調節可能な取付け管10のための案内部を同時に備えている。
【0027】
それに加えて、二重壁でかつ固定した支持部分15内には、圧縮バネ16が支持されており、この圧縮バネは二つの材料から製造された2Kシールリング17に当たっている。
これは、シールリング17のための外側シール面19を形成している、外側ケーシング13の頭部側の環状開口部18に同軸に設けられている。内側シール面20は皿状の管路端部プレート21のシールリング17のために設けられ、この管路端部プレートは取付け管10の頭部を閉鎖している。
【0028】
取付け管10は、二つの部材、つまり安全取付け部材8内へ取付けられた短くて、かつ閉鎖している管路端部プレート21を備えたスリーブ管10aと、このスリーブ管内に、場合によっては後付けで、すなわち安全取付け部材8を組立てる際は現場で差込可能な長い端部管10bとから構成されているのが好ましい。管路端部プレート21の下方において、取付け管10あるいはスリーブ管10aの外被部には流出開口部22が設けられている。これらの流出開口部は、図5によればシールリング17に覆われており、このシールリングにより容器を充填した後の姿勢および容器の搬送に対する姿勢は再現される。
【0029】
搬送に先行する充填姿勢は図6から見て取れる。ここでは単に概略的にしか示していない二重環状の充填接続部23を取付ける場合、シールリング17を押下げることにより、シールリングは、取付け管10あるいはスリーブ管10a上で、流出開口部22を開放する第一充填位置Iへ下に向かって位置を調節される。続いて飲料用液体が矢印24により見て取れるように流入することができる。この過程の間に、同時に容器内では、
現存の酸素および/または圧縮ガスが、膨張したライナ9aに基づいて含んでいるように、
流入する飲料液体によって取付け管10ならびに流出開口部22および管路端部プレート21を介して排出されてなくなる。その際、この流路は管路端部プレート21と充填接続部23の内側リングから区画される(流れ矢印25参照)。これに関して注入すなわち充填は、安全取付け部材8の下側端部に形成され、実施例では支持部分15の内側環状壁15aに設けられた案内縁部30aにより最適になる。この案内縁部により液体流24は容器壁の方向に適切に案内される。
【0030】
容器が充填されると同時に、充填接続部23は外され、安全取付け部材8から取除けられ、従ってシールリング17は圧縮バネ16により力を加えられた状態で、図5に示した密閉状態兼容器搬送状態に自動的に戻る。
【0031】
その断面図が図5及び6に対して180°だけ回転してある図7からは、開栓状態であることがわかる。その機能構成が先に説明した充填接続部23に匹敵して醸造所内にある、ただ輪郭だけ示しただけのタップヘッド26を取付ける際に、シールリング17は再度下方へと移動され、その際シールリングは流出開口部22を通過した後、取付け管10を帯同し、かつロック位置IIへ位置を変え、従って取付け管10を帯同する方向に沿って、皿状の管路端部プレート21は外側ケーシング13の環状開口部18から下方へと対応するように沈下する。
【0032】
取付け管10を帯同しかつ位置を変えるために、シールリング17は帯同突起部27を備えており、この帯同突起部には取付け管10あるいはここでは取付け管のスリーブ管10aにおいてストッパ縁部28が設けられている(図5も参照)。シールリング17と取付け管10はロック位置IIにつき、それと同時に突出部29は固定した支持部分15のストッパ部分30により係止されている。タップヘッド26が取付けられているかあるいは繋がれていて、かつ開栓して注がれる間、飲料液体は取付け管10と流出開口部22を経由して栓へと達する。取付け管10はこのロック位置からもはや解除することはできず、上方へは動かない。
【0033】
確かにタップヘッド26が取去られると、圧縮バネ16によりシールリング17は、上方へ向かって皿状の管路端部プレート21の内側シール面20に当接するまで動く。使用後に一部が閉鎖された、安全取付け部材8のシール部のこのような廃棄姿勢が図8に示してある。シールリング17は流出開口部22を閉鎖しており、従って容器内に残った残留液体が漏れ出ることはない。残留ガスのために、流路は確かに開いたままであり、従って図8の流れを示す矢印31により示したように、残留ガスは容器を廃棄する際においても、あるいは容器を搬出する際においても漏れ出てなくなる。
【0034】
容器100を積載するために、図3および4に示したように容器が金属製の頭部リングと脚部リング101,104を備えている場合、これらの容器は開放した頭部リング端部あるいは脚部リング端部の各々において強化環状接合部32により形成されており、前記頭部リングもしくは脚部リングは、ほぼ垂直で縁を曲げられた端部カラー32aあるいは32bに接続している。その際、頭部リング101の端部カラー32aは、脚部リング104の端部カラー32bよりも直径が多少大きく、従って端部カラー32a,32bは、容器を重ね合わせて積載する際に二つ重ねで平行に隣合せて延びており、それに平行して、別のはっきりした安定性の増加が現れる。端部カラー32bが図4に示したように多少斜めに内側へ向かって形成されていると、重なり合って積載された容器にとって良好な位置決めが行われる。
【符号の説明】
【0035】
1 頭部リング
2 固着箇所(固着リング、接着テープ;二液型接着剤あるいは一液型接着剤)
3 マスキングテープ
4 脚部リング
5 容器上側部分
6 容器下側部分
7 接続部
8 安全取付け部材
9 ライナ
9a 予負荷をかけられたライナ
10 取付け管
10a スリーブ管
10b 端部管
11 溶接継目
12 フランジ部
13 外側ケーシング
14 環状溝
15 支持部分
15a 内側環状壁
15b 外側環状壁
16 圧縮バネ
17 シールリング
18 環状開口部
19 外側シール面
20 内側シール面
21 皿状の管路端部プレート
22 流出開口部
23 充填接続部
24 流れ矢印(充填)
25 流れ矢印(排出されるガス)
26 タップヘッド
27 帯同突起部
28 ストッパ縁部
29 突出部
30 ストッパ部分
30a 案内縁部
31 流れ矢印
32 環状接合部
32a 端部カラー
32b 端部カラー
I 充填位置
II ロック位置
100 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば二酸化炭素圧縮ガスを使用して、ビール、ワインそしてソフトドリンクのような、飲用温度に温度調整される飲料を、圧縮ガスで運転して注入するための、使い捨ての樽の形態の飲料注入装置であって、
この飲料注入装置が、複数の部分から成る容器(100)と、この容器の上方に設けられた安全取付け部材(8)と、容器内部に沈められた取付け管(10)と、安全取付け部材に取付けられるタップヘッド(26)あるいは充填の際に装着可能な充填接続部(23)、ならびに選択的に脚部リングおよび頭部リングから成り、
前記タップヘッドもしくは充填接続部が、レバーを操作する際に、
安全取付け部材の、安全取付け部材が容器本体と接続している外側ケーシング(13)内に設けられたシール部を、バネ力(16)に抗して下方へと、取付け管(10)を経由して上昇する飲料液体のための液体経路を開放する位置に移動させる様式の飲料注入装置において、
安全取付け部材(8)が、容器(100)の内側壁部を保護するために容器内部に取付けられた、滅菌材料から成るライナ(9;9a)により形成されていることを特徴とする飲料注入装置。
【請求項2】
ライナ(9;9a)が安全取付け部材(8)と気密に接続していることを特徴とする請求項1記載の飲料注入装置。
【請求項3】
安全取付け部材(8)を収容する容器開口部が、外側に向かってフランジ部(12)により形成されており、安全取付け部材(8)が取付け管(10)とライナ(9;9a)を含めてフランジ部(12)により取囲まれている接続部(7)により容器(100)に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料注入装置。
【請求項4】
接続部(7)が金属製の成形リングとして形成されていることを特徴とする請求項3記載の飲料注入装置。
【請求項5】
接続部(7)がネジ止め可能な合成樹脂リングとして形成されていることを特徴とする請求項3記載の飲料注入装置。
【請求項6】
ライナ(9;9a)が組立後、CO圧縮ガスを膨張させることにより容器(100)の内壁部に予負荷をかけられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項7】
ライナ(9;9a)が負圧を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項8】
ライナ(9;9a)の充填容積が容器(100)の充填容積よりも多少大きいことを特徴とする請求項6または7に記載の飲料注入装置。
【請求項9】
ライナ(9;9a)が弾性材料から成ることを特徴とする請求項6または7に記載の飲料注入装置。
【請求項10】
容器部分(5,6)を互いに接続している溶接継目(11)が、マスキングテープ(3)を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項11】
容器部分(5,6)を互いに接続している溶接継目(11)が、マスキング部塗装部を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項12】
容器部分(5,6)が約0.3〜0.5mmの肉厚の薄鋼板から成ることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項13】
容器部分(5,6)が塗装されているか、溶融メッキされているか、あるい電気メッキされていることを特徴とする請求項12記載の飲料注入装置。
【請求項14】
容器部分(5,6)が亜鉛メッキされた金属板あるいは錫メッキされた金属板(ブリキ板)から成ることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項15】
頭部リングおよび/または脚部リング(1,4)が合成樹脂から製造されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項16】
頭部リングおよび/または脚部リング(1,4)が発泡材料から成ることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項17】
頭部リングおよび/または脚部リング(101,104)が鋼板から成ることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項18】
管部分から成る頭部リングおよび/または脚部リング(101,104)が、容器上側部分と容器下側部分と一体に形成されていることを特徴とする請求項17記載の飲料注入装置。
【請求項19】
頭部リングおよび/または脚部リング(101,104)の上側自由端部あるいは下側自由端部が各々、環状接合部(32)から形成されており、この環状接合部がほぼ垂直で縁を曲げられた端部カラー(32a,32b)に接続していることを特徴とする請求項17または18に記載の飲料注入装置。
【請求項20】
頭部リング(101)の端部カラー(32a)が、脚部リング(104)の端部カラー(32b)よりも直径が多少大きく、端部カラー(32a,32b)が、容器(100)を重ね合わせて積載する際に、端部カラー(32a,32b)が二つ重ねで平行に隣合せて延びていることを特徴とする請求項19記載の飲料注入装置。
【請求項21】
脚部リング(104)の端部カラー(32b)が多少内側に向かって斜めに延びていることを特徴とする請求項20記載の飲料注入装置。
【請求項22】
例えば二酸化炭素圧縮ガスを使用して、ビール、ワインそしてソフトドリンクのような、飲用温度に温度調整される飲料を、圧縮ガスで運転して注入するための、使い捨てネジとしての飲料注入装置であって、
この飲料注入装置が、金属製の容器(100)と、この容器の上方に設けられた安全取付け部材(8)と、容器内部に沈められた取付け管(10)と、安全取付け部材に取付けられるタップヘッド(26)あるいは充填の際に装着可能な充填接続部(23)、ならびに選択的に脚部リングおよび頭部リングから成り、
前記タップヘッドもしくは充填接部が、レバーを操作する際に、
安全取付け部材の、安全取付け部材が容器本体と接続している外側ケーシング(13)内に設けられたシール部を、バネ力(16)に抗して下方へと、取付け管(10)を経由して上昇する飲料液体のための液体経路を開放する位置に移動させ、
特に請求項1による、滅菌材料から成るライナ(9,9a)を担持している安全取付け部材を備えている飲料注入装置において、
取付け管(10;10a,10b)が、シール部の可動な構成部品として形成されており、外側ケーシング(13)の環状開口部(18)内で同軸に設けられた皿状の管路端部プレート(21)により上方で閉鎖されており、かつ管路端部プレート(21)の下方では管ジャケットに流出開口部(22)を備えており、
その際、管路端部プレート(21)が、取付け管(10;10a,10b)を取囲むシールリング(17)のための内側シール面(20)を備えており、このシールリングには外側シール面(19)が環状開口部(18)内で割当てられており、かつこのシールリングはバネ(16)の力に抗して、取付け管(10;10a,10b)に対して可動に調節可能でありならびに段付状態で位置決め可能であることを特徴とする飲料注入装置。
【請求項23】
シールリング(17)が、取付け管(10;10a,10b)上で、流出開口部(22)を開放する第一位置(I)に調節可能であり、かつ取付け管(10;10a,10b)をロック位置(II)へ帯同する第二位置に調節可能であることを特徴とする請求項22記載の飲料注入装置。
【請求項24】
シールリング(17)が帯同突起部(27)を備えており、この帯同突起部には取付け管(10;10a,10b)に密着して取付け管をロック位置(II)へ帯同するためにストッパ縁部(28)が割り当てられており、この場合、取付け管(10;10a,10b)がロック位置(II)において外側ケーシング(13)の内側で固定された支持部分(15)の下方にあることを特徴とする請求項23記載の飲料注入装置。
【請求項25】
支持部分(15)において、シールリング(17)に当たるバネ(16)が支持されていることを特徴とする請求項24記載の飲料注入装置。
【請求項26】
外側ケーシング(13)内には環状溝(14)が設けられており、この環状溝内に、外側ケーシング(13)を固定するための容器開口部のフランジ部(12)が圧入されているかあるいは押込まれていることを特徴とする請求項22〜25のいずれか一つに記載の飲料注入装置。
【請求項27】
フランジ部(12)を圧入するかあるいは押込む前に、容器(5)の壁部とライナ(9)の壁部との間の空域の空気抜きが行われていることを特徴とする請求項26記載の飲料注入装置。
【請求項28】
環状開口部(18)からは隔てられた、安全取付け部材(8)の下方端部には、充填される液体流(24)を容器(5)の壁部の方向に案内する案内縁部(30a)が形成されていることを特徴とする請求項22〜27のいずれか1つに記載の飲料注入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−516570(P2010−516570A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546675(P2009−546675)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/000318
【国際公開番号】WO2008/089909
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(509209306)シェーファー・ヴェルケ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (1)
【Fターム(参考)】