説明

使い捨てポンプカセットに流体バッグチュービングを自動接続するシステム

【課題】流体分注機械装置を提供すること。
【解決手段】腹膜透析または血液透析機械装置等の流体分注機械装置は、患者のための透析または他の治療用医療流体を送出する、ディスペンサまたはカセット(3)を含む。機械装置は、透析流体または薬剤流体のバッグ等の液体の容器を機械装置に接続する一方、接続の滅菌性を維持するための自動接続デバイス(5)を含み、かつ使用する。自動接続デバイスは、流体バッグチュービングからキャップを除去し、チュービング上の封止膜を穿刺する。これによって、患者は、治療、特に、自宅治療を受けることが容易になる。他の実施形態は、他の種類の分注または送出機械装置から他の液体を分注するために有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
概して、本開示は、使い捨てカセットを採用する、医療流体送達システムに関する。特に、本開示は、カセットを基材とする透析医療流体療法のためのシステムおよび方法を提供し、蠕動ポンプおよび隔膜ポンプを使用するものを含むが、それらに限定されない。
【0002】
種々の原因によって、ヒトの腎臓系は、機能不全となり得る。腎不全は、いくつかの生理的異常をもたらす。水分、ミネラル、および日々の代謝負荷の排出のバランスは、もはや不可能となり、窒素代謝の毒性最終生成物(尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他)が、血液および組織中に蓄積され得る。腎不全および低下した腎機能は、透析によって治療されている。透析は、そうでなければ、正常に機能する腎臓によって除去されたであろう、老廃物、毒素、および過剰な水分を身体から除去する。腎機能の代用のための透析治療によって生命が救われるため、治療は、多くの人々にとって重大である。
【0003】
血液透析および腹膜透析は、腎機能の損失を治療するために一般的に使用される2つの種類の透析療法である。血液透析治療は、患者の血液を利用して、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。患者は、血液透析機械装置に接続され、患者の血液は、機械装置を通して送出される。カテーテルは、血液が血液透析機械装置との間を流動可能なように、患者の静脈および動脈内に挿入される。血液は、機械装置の透析装置を通過し、血液から、老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。清浄された血液は、患者へと戻される。大量の透析液、例えば、約120リットルが、単回血液透析療法の際、血液を透析するために消費される。血液透析治療は、数時間継続し、概して、週約3または4回、治療センターで行なわれる。
【0004】
腹膜透析は、カテーテルを介して、患者の腹腔内に注入される、透析溶液、すなわち、「透析液」を使用する。透析液は、腹腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分は、拡散および浸透によって、患者の血流から、腹膜を通って、透析液中へと通過する。すなわち、浸透勾配が膜全体にわたって生じる。廃透析液は、患者から排出され、老廃物、毒素、および過剰な水分を患者から除去する。本サイクルは、繰り返される。
【0005】
種々の種類の腹膜透析療法が存在し、持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、潮流透析APD、および持続的流量腹膜透析(「CFPD」)が含まれる。CAPDは、手動透析治療である。患者は、埋め込まれたカテーテルを排出管に手動で接続し、廃透析液流体を腹腔から排出させる。次いで、患者は、カテーテルを未使用透析液のバッグに接続し、カテーテルを通して、患者内に未使用透析液を注入する。患者は、カテーテルを未使用透析液バッグから解除し、透析液を腹膜腔内に滞留させ、老廃物、毒素、および過剰水分の輸送が生じる。滞留期間後、患者は、例えば、1日4回、手動透析手技を繰り返し、各治療は、約1時間継続する。手動腹膜透析は、患者のかなりの時間および努力を必要としており、改良の余地が十分ある。
【0006】
自動腹膜透析(「APD」)は、透析治療が、排出、充填、および滞留サイクルを含むという点において、CAPDと類似する。しかしながら、APD機械装置は、典型的には、患者が睡眠中に、自動的にサイクルを行なう。APD機械装置は、治療サイクルを手動で行なう必要性、および日中供給装置を運搬する必要性から、患者を解放する。APD機械装置は、埋め込まれたカテーテル、源、または未使用透析液のバッグと、流体排出管とに流体的に接続する。APD機械装置は、透析液源から、カテーテルを通して、患者の腹腔内へと未使用透析液を送出し、透析液を腔内に滞留させ、老廃物、毒素、および過剰な水分の輸送を生じさせる。源は、複数の滅菌透析液溶液バッグであり得る。
【0007】
APD機械装置は、腹腔から、カテーテルを通して、排出管へと廃透析液を送出する。手動プロセスと同様に、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルは、透析中に生じる。「最後の充填」は、CAPDおよびAPDの終了時に生じ、次の治療まで、患者の腹腔内に残存する。CAPDおよびAPDは両方とも、廃透析流体排出管へと送出する、バッチ型システムである。潮流システムは、改良型バッチシステムである。潮流によって、長時間にわたって、患者から流体すべてを除去する代わりに、僅かに時間を増分させ、流体の一部が除去および交換される。
【0008】
持続的流量またはCFPDシステムは、廃棄せずに、廃透析液を清浄または再生成する。システムは、ループを通して、患者内外に流体を送出する。透析液は、一方のカテーテル内腔を通して、腹腔内へ流入し、別のカテーテル内腔から流出する。患者から流出する流体は、透析液から老廃物を除去する再構成デバイスを通して、例えば、ウレアーゼを採用し、尿素をアンモニアに酵素的に変換する尿素除去カラムを介して、通過する。次いで、アンモニアは、腹腔内への透析液の再導入に先立って、吸収によって、透析液から除去される。付加的センサが採用され、アンモニアの除去を監視する。CFPDシステムは、典型的には、バッチシステムよりも複雑である。
【0009】
血液透析、APD(潮流を含む)、およびCFPDシステムは、ポンピングカセットを採用し得る。ポンピングカセットは、典型的には、それぞれ、カセットからおよびカセット内へ透析流体を機械的に押引するように移動する可撓性膜を含む。ある周知のシステムは、カセットの片側に可撓性シートを含む一方、他のシステムは、カセットの両側にシートを含む。陽圧および/または陰圧を使用して、ポンピングカセットを操作可能である。他のポンプまたは流体輸送機構を伴うカセットが使用されてもよい。
【0010】
透析治療、特に、家庭用腹膜透析を使用する患者には、2つの懸念が存在する。透析患者は、50または60歳以上の高齢である傾向がある。封止膜に接続スパイクを押し込むための力が必要とされるため、透析流体のバッグを治療用機械装置に接続することは、困難である場合がある。この力は、20ポンド以上であり得、4つのバッグそれぞれを毎晩接続する必要がある場合がある。必要とされる力および物理的器用性は、多くの患者にとって、例えば、封止膜ではなく、接続ラインを通してスパイクを付さずに、適切に接続を行なうことを困難とする。接続を行なう際に遭遇する困難性は、患者が、不注意に、滅菌され、滅菌されたままであることが意図される、コネクタまたは部分を把持あるいは接触する場合、ラインのうちの1つ以上の不適切な接触および汚染につながり得る。不注意による接触は、感染および腹膜炎へとつながる可能性があり、入院または他のストレスとなるような手技を必要とする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
故に、透析溶液の容器を腹膜透析機械装置等の透析機械装置に接続するより優れた方法が必要とされる。本開示は、上述の必要性および懸念を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の実施形態は、チュービングを自動的に接続する一方、滅菌性を維持するためのシステムである。システムは、カセットを透析機械装置内に隣接して搭載するためのフレームと、フレーム内に搭載されるシャトルであって、少なくとも2つの容器からチュービングを受容するように構成され、チュービングは、キャップを含む、シャトルと、フレーム内でシャトルを平行移動させるためのシャトル駆動システムと、キャップを受容および除去するように構成される少なくとも2つの回転フィンガであって、フレームに、かつシャトルに操作可能に隣接して、搭載される、フィンガと、を含む。また、システムは、シャトルの進行方向と平行な面でフィンガを回転させるように構成される、フィンガ回転システムと、チュービングを自動的に接続するために、システムを操作するための制御システムと、を含み、チュービングを自動的に接続するためのシステムは、少なくとも2つの容器から滅菌チュービングを受容するように構成され、フィンガは、チュービングからキャップを受容するように構成され、シャトルは、チュービングの端部を前進させるように構成され、制御システムは、フィンガを回転させ、キャップを除去するように構成され、カセットは、チュービングの滅菌封止膜を穿刺し、滅菌接続を成すための少なくとも2つのスパイクを備える。
【0013】
別の実施形態は、滅菌チュービングを自動的に接続するためのシステムである。システムは、カセットを透析機械装置内に隣接して搭載するためのフレームと、フレーム内に搭載されるシャトルであって、シャトルは、チュービング側およびカセット側を含み、透析流体の複数の滅菌容器からチュービングを受容するように構成され、各容器は、ある長さのチュービングおよびキャップを含む、シャトルと、フレーム内でシャトルを平行移動させるためのシャトル駆動システムと、複数の回転フィンガであって、各回転フィンガは、該長さのチュービングからキャップを受容および除去するように構成され、カセットポートキャップを受容および除去するように構成され、フレームに、かつシャトルに隣接して、搭載される、回転フィンガと、を含む。また、システムは、シャトルの進行方向と平行な面でフィンガを回転させるように構成されるシャフトを含む、フィンガ回転システムと、チュービングを自動的に接続するためのシステムを操作するための制御システムと、を含み、チュービングを自動的に接続するためのシステムは、透析流体の複数の容器のチュービングを受容するように構成され、フィンガは、チュービングからのキャップおよびカセットポートキャップを受容するように構成され、制御システムは、シャトルを平行移動させて、フィンガを回転させ、チュービングの端部を隣接するカセット内に前進させるように構成され、カセットは、チュービングの封止膜を穿刺し、滅菌接続を成すための少なくとも2つのスパイクを含む。
【0014】
別の実施形態は、チュービングを自動的に接続するためのシステムである。システムは、分注機械装置に隣接して搭載するためのフレームと、フレーム内に搭載されるシャトルであって、チュービング側および分注側を含み、複数の容器からのチュービングを受容するように構成される、シャトルと、フレーム内でシャトルを平行移動させるためのシャトル駆動システムと、を含む。また、システムは、複数の回転フィンガであって、各回転フィンガは、チュービングキャップを受容および除去するように構成され、また、分注機械装置ポートキャップを受容および除去するように構成され、フレームに、かつシャトルに隣接して、搭載される、回転フィンガと、シャトルの進行方向と平行な面でフィンガを回転させるように構成されるシャフトを含む、フィンガ回転システムと、チュービングを自動的に接続するためのシステムを操作するための制御システムと、を含み、チュービングを自動的に接続するためのシステムは、液体の複数の容器のチュービングを受容するように構成され、フィンガは、チュービングキャップおよび分注機械装置ポートキャップを受容するように構成され、制御システムは、シャトルを平行移動させて、フィンガを回転させ、チュービングの端部を隣接する分注機械装置内に前進させるように構成され、分注機械装置は、チュービングの封止膜を穿刺するための少なくとも2つのスパイクを含む。
【0015】
別の実施形態は、チュービングを自動的に接続するためのシステムである。システムは、分注機械装置に隣接して搭載するためのフレームと、フレーム内に搭載される基盤であって、チュービング側および分注側を含み、複数の容器からのチュービングを受容するように構成される、基盤と、基盤上の複数の可動架台であって、それぞれ、架台を前進および後退させるための駆動システムをさらに含む、架台と、を含む。また、システムは、複数の回転フィンガであって、各回転フィンガは、チュービングキャップを受容および除去するように構成され、また、分注機械装置ポートキャップを受容および除去するように構成され、フレームに、かつ基盤に隣接して、搭載される、回転フィンガと、架台の進行方向と平行な面でフィンガを回転させるように構成されるシャフトを含む、フィンガ回転システムと、チュービングを自動的に接続するためのシステムを操作するための制御システムと、を含み、チュービングを自動的に接続するためのシステムは、液体の複数の容器からのチュービングを受容するように構成され、フィンガは、チュービングキャップおよび分注機械装置ポートキャップを受容するように構成され、制御システムは、架台を個々に平行移動させて、フィンガを回転させ、チュービングの端部を隣接する分注機械装置内に前進させるように構成され、分注機械装置は、チュービングの封止膜を穿刺するための少なくとも2つのスパイクを含む。
【0016】
別の実施形態は、透析バッグを透析カセットに接続するための方法である。方法は、透析バッグからのチュービングを自動接続機械装置のシャトル内に配置するステップであって、自動接続機械装置は、フレームと、フレーム上に搭載されるシャトルおよびシャトル駆動システムと、複数の回転フィンガであって、それぞれ、透析バッグチュービングからのキャップを受容するように構成される、フィンガと、フィンガを回転させるためのフィンガ回転システムと、を含み、チュービングは、シャトルの上のチュービング路内に嵌入する、ステップと、チュービングキャップを自動接続機械装置の回転フィンガのうちの1つの第1のポケット内に配置し、チュービングキャップを伴う回転フィンガをシャトルから離し、回転フィンガの反対側の使い捨てカセットに向かう方向に回転させるステップと、を含む。また、方法は、使い捨てカセットに向かう方向にある距離だけシャトルを平行移動させるステップであって、シャトルを平行移動させるステップは、チュービングキャップを伴う回転フィンガを回転または平行移動させ、チュービングキャップが配置された回転フィンガのみに、回転フィンガの第2のポケット内の使い捨てカセットのポートからのポートキャップを捕捉させる、ステップと、カセットから離れる方向にシャトルを平行移動させ、チュービングキャップを透析バッグから除去し、第1のポケット内にチュービングキャップを残すステップと、シャトルに向かう方向に回転フィンガを回転させ、透析カセットのポートからのポートキャップを除去する一方、第2のポケット内にポートキャップを残すステップと、シャトルを透析カセットに向かって平行移動させ、使い捨てカセットのポート内のスパイクにチュービング内の封止膜を穿刺させるステップと、オクルダーを平行移動させ、透析流体をチュービング内に流動させるステップと、を含む。
【0017】
別の実施形態は、流体容器を接続するための方法である。方法は、流体容器からのコネクタを自動接続機械装置内に配置するステップと、流体容器のうちの1つからのチュービングキャップを自動接続機械装置の複数のフィンガのうちの1つのポケット内に配置し、フィンガをフィンガの異なる側上の分注機械装置に向かう方向に移動または回転させるステップと、を含む。また、方法は、分注機械装置に向かう方向にある距離だけチュービングおよびチュービングキャップを平行移動させるステップであって、平行移動させるステップは、複数のフィンガを回転させ、チュービングキャップが配置されたフィンガのみに、分注機械装置のポートからのポートキャップを捕捉させる、ステップと、分注機械装置から離れる方向にチュービングを平行移動させ、チュービングからチュービングキャップを除去し、チュービングからのチュービングキャップをポケット内に残すステップと、分注機械装置から離れ、分注機械装置のポートからのポートキャップを除去する方向に、フィンガを回転させるステップと、分注機械装置に向かってチュービングを平行移動させ、分注機械装置のポート内のスパイクに、チュービング内の封止膜を穿刺させるステップと、を含む。
【0018】
以下の開示から明白となるように、自動接続デバイスは、腹膜透析および血液透析の両方のために使用されてもよい。加えて、自動接続デバイスの実施形態は、血液または代用血液輸液等、他の流体の分散または投与のために、透析あるいは血液透析機械装置以外のデバイスと併用されてもよい。本開示の付加的特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面に記載され、明白となるであろう。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
滅菌性を維持しながらチュービングを自動的に接続するシステムであって、該システムは、
カセットを透析機械装置内に隣接して搭載するためのフレームと、
該フレーム内に搭載されるシャトルであって、少なくとも2つの容器からチュービングを受容するように構成され、該チュービングは、キャップを含む、シャトルと、
該フレーム内で該シャトルを平行移動させるためのシャトル駆動システムと、
該キャップを受容および除去するように構成される少なくとも2つの回転フィンガであって、該フレームに、かつ該シャトルに操作可能に隣接して、搭載される、フィンガと、
該シャトルの進行方向と平行な面で該フィンガを回転させるように構成される、フィンガ回転システムと、
チュービングを自動的に接続するために、該システムを操作するための制御システムと
を備え、チュービングを自動的に接続するための該システムは、少なくとも2つの容器から滅菌チュービングを受容するように構成され、該フィンガは、該チュービングからキャップを受容するように構成され、該シャトルは、該チュービングの端部を前進させるように構成され、該制御システムは、該フィンガを回転させ、該キャップを除去するように構成され、該カセットは、該チュービングの滅菌封止膜を穿刺し、滅菌接続を成すための少なくとも2つのスパイクを備える、システム。
(項目2)
上記シャトル駆動システムは、モータ、2つの送りネジ、2つの空気圧シリンダ、2つのソレノイド、および2つの油圧式シリンダから成る群から選択される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記フィンガ回転システムは、モータと、第1のシャフトと、上記少なくとも2つの回転フィンガに接続される第2のシャフトとを備え、該第2のシャフトは、
i.該第1のシャフト上のウォームおよび上記第2のシャフト上のウォームギア、
ii.該第1および第2のシャフト上のヘリカルギア、
iii.該第1および第2のシャフト上のベベルギヤ、
から成る群から選択される駆動システムによって駆動される、項目1に記載のシステム。
(項目4)
オクルダーと、上記フレーム上に搭載されるオクルダードライバとをさらに備え、該オクルダーは、上記シャトルに垂直の方向に平行移動するように構成され、また、該オクルダーは、上記チュービングを挟持するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目5)
フィルタと、送風機と、少なくとも上記フレームおよび上記シャトルを収容するための筐体とをさらに備え、該送風機は、該フィルタから清浄な空気を提供し、該筐体内に陽空気圧を維持するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目6)
上記シャトルの頂面は、上記チュービングを受容するための複数のチャネルをさらに備え、各チャネルは、任意に、無線周波数リーダおよびカラープレートのうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
各回転フィンガは、第1のセットの握持フィンガおよび上記チュービングからキャップを把持するための第1のキャップポケットと、第2のセットの握持フィンガおよび透析カセットからキャップを把持するための第2のキャップポケットとを有する、筐体を備え、また、各回転フィンガは、該回転フィンガを回転させるように構成される駆動シャフトを収容し、それと連動するためのオリフィスを備える、項目1に記載のシステム。
(項目8)
各第1のセットの握持フィンガは、少なくとも上記キャップの周縁または内周縁の約180°にわたって、上記チュービングからキャップを把持するように構成される、項目7に記載のシステム。
(項目9)
各回転フィンガのための上記筐体は、その間に搭載される突き出し板を伴う2つの半等分を備え、上記フレームは、上記突き出し板と連動するための複数のカム表面を備える、項目1に記載のシステム。
(項目10)
各回転フィンガは、上記フィンガ内に搭載される少なくとも1つのバネである、上記突き出し板の一部に対して担持される引張バネであって、上記突き出し板を静止位置に戻すように構成される、引張バネ、または回転のための上記回転フィンガを偏向するように構成される、板バネをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目11)
透析流体のための複数の開口を伴う使い捨て透析カセットをさらに備え、各開口は、スパイクを備え、該スパイクは、任意に、上記開口内に陥凹される、項目1に記載のシステム。
(項目12)
透析流体のための複数のスパイクが付された開口を伴う使い捨て透析カセットと、患者との間のチュービングのための少なくとも1つのスパイクが付された開口と、排出ラインのためのスパイクが付された開口と、をさらに備え、上記シャトルは、該開口のそれぞれへのチュービングの自動接続のように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目13)
透析機械装置と、チュービングを自動的に接続するために上記システムと連動するための使い捨てカセットとをさらに備え、該使い捨てカセットは、複数のスパイクと、チュービングと連動するための開口とを備え、上記透析機械装置は、透析流体を送出し、透析流体の滅菌容器からチュービングを自動的に接続する該使い捨てカセットおよび該システムを操作するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目14)
上記シャトルは、上記チュービングを受容するための複数のチャネルをさらに備え、各チャネルは、上記チュービング上のRFIDタグを読み取るための無線周波数リーダを備え、コンピュータと、上記制御システムにアクセス可能なコンピュータプログラムと、をさらに備え、該コンピュータは、該RFIDリーダから識別信号を受信するように構成され、該コンピュータプログラムは、該チャネル内への該チュービングの配置が誤っている場合、上記自動接続デバイスのユーザに警告するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目15)
上記シャトルは、上記チュービングを受容するための複数のチャネルをさらに備え、上記自動接続デバイスに操作可能に接続されるRFIDリーダまたはバーコードリーダをさらに備え、該RFIDリーダまたはバーコードリーダは、該チュービングまたは上記容器上のバーコードまたはRFIDタグを読み取るように構成され、該シャトルは、コンピュータと、上記制御システムにアクセス可能なコンピュータプログラムとをさらに備え、該コンピュータは、該RFIDリーダまたは該バーコードリーダから識別信号を受信するように構成され、該コンピュータプログラムは、どのチャネルに各チュービングを配置すべきか、上記自動接続デバイスのユーザに命令するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目16)
滅菌チュービングを自動的に接続するためのシステムであって、
カセットを透析機械装置内に隣接して搭載するためのフレームと、
該フレーム内に搭載されるシャトルであって、該シャトルは、チュービング側およびカセット側を備え、透析流体の複数の滅菌容器からチュービングを受容するように構成され、各容器は、ある長さのチュービングおよびキャップを含む、シャトルと、
該フレーム内で該シャトルを平行移動させるためのシャトル駆動システムと、
複数の回転フィンガであって、各回転フィンガは、該長さのチュービングから該キャップを受容および除去するように構成され、カセットポートキャップを受容および除去するように構成され、該フレームに、かつ該シャトルに隣接して、搭載される、回転フィンガと、
該シャトルの進行方向と平行な面で該フィンガを回転させるように構成されるシャフトを含む、フィンガ回転システムと、
チュービングを自動的に接続するための該システムを操作するための制御システムと
を備え、チュービングを自動的に接続するための該システムは、透析流体の複数の容器のチュービングを受容するように構成され、該フィンガは、該チュービングからのキャップおよびカセットポートキャップを受容するように構成され、該制御システムは、該シャトルを平行移動させて、該フィンガを回転させ、該チュービングの端部を隣接するカセット内に前進させるように構成され、該カセットは、該チュービングの封止膜を穿刺し、滅菌接続を成すための少なくとも2つのスパイクを備える、システム。
(項目17)
オクルダーと、上記シャトル上に搭載されるオクルダーモータとをさらに備え、該モータを有する該オクルダーを駆動するように構成される少なくとも1つの送りネジをさらに備え、該オクルダーは、任意に、該オクルダーの位置を偏向するためのバネを備える、項目16に記載のシステム。
(項目18)
i.上記シャトルの位置の検出のための光学センサ、エンコーダ、または近接センサと、ii.上記フィンガまたは上記フィンガ回転シャフトの位置を検出するためのセンサまたはエンコーダとのうちの少なくとも1つをさらに備える、項目16に記載のシステム。
(項目19)
上記シャトルの頂面は、上記長さのチュービングを受容するための複数のチャネルをさらに備え、各チャネルは、無線周波数識別タグリーダを備え、上記制御システムは、上記長さのチュービングのそれぞれから無線周波数識別タグを認識するように構成される、項目16に記載のシステム。
(項目20)
複数の無線周波数識別タグと、該タグのための無線周波数識別タグ筐体とをさらに備え、各タグ筐体は、上記チュービングおよび上記シャトル上へ配置されるように構成される、項目16に記載のシステム。
(項目21)
上記回転フィンガはそれぞれ、上記チュービングキャップ上のRFDDチップを読み取るためのRFIDリーダを備え、上記RFIDリーダは、上記制御システムと通信する、項目16に記載のシステム。
(項目22)
上記制御システムに操作可能に接続されるカメラまたはバーコードリーダをさらに備える、項目16に記載のシステム。
(項目23)
上記シャトルは、上記カセット側から突出する複数の継環をさらに備え、該シャトル、上記フィンガ、および上記チュービングからの上記キャップは、上記チュービングからのキャップを含有するそれらのフィンガ内でのみ、該シャトルから離れるように該フィンガを回転させるように構成される、項目16に記載のシステム。
(項目24)
上記チュービングの近傍に搭載され、上記制御システムに操作可能に接続される、流量センサをさらに備え、上記流量センサは、任意に、光学センサ、圧力センサ、および流速センサから成る群から選択される、項目16に記載のシステム。
(項目25)
上記制御システムに操作可能に接続される、流速センサ、pHセンサ、または伝導度センサのうちの少なくとも1つをさらに備える、項目16に記載のシステム。
(項目26)
チュービングを自動的に接続するためのシステムであって、
分注機械装置に隣接して搭載するためのフレームと、
該フレーム内に搭載されるシャトルであって、チュービング側および分注側を備え、複数の容器からのチュービングを受容するように構成される、シャトルと、
該フレーム内で該シャトルを平行移動させるためのシャトル駆動システムと、
複数の回転フィンガであって、各回転フィンガは、チュービングキャップを受容および除去するように構成され、また、分注機械装置ポートキャップを受容および除去するように構成され、該フレームに、かつ該シャトルに隣接して、搭載される、回転フィンガと、
該シャトルの進行方向と平行な面で該フィンガを回転させるように構成されるシャフトを含む、フィンガ回転システムと、
チュービングを自動的に接続するための該システムを操作するための制御システムと
を備え、チュービングを自動的に接続するための該システムは、液体の複数の容器のチュービングを受容するように構成され、該フィンガは、チュービングキャップおよび分注機械装置ポートキャップを受容するように構成され、該制御システムは、該シャトルを平行移動させて、該フィンガを回転させ、該チュービングの端部を隣接する分注機械装置内に前進させるように構成され、該分注機械装置は、該チュービングの封止膜を穿刺するための少なくとも2つのスパイクを備える、システム。
(項目27)
上記制御システムに操作可能に接続される、RFIDリーダ、バーコードリーダ、またはカメラのうちの少なくとも1つをさらに備える、項目26に記載のシステム。
(項目28)
チュービングを自動的に接続するための上記システムに操作可能に接続される分注機械装置をさらに備える、項目26に記載のシステム。
(項目29)
上記フィンガ回転システムは、上記少なくとも2つの回転フィンガに接続されるシャフトを備え、上記シャフトは、モータと、ウォームとウォームギア、ヘリカルギア、およびベベルギヤから成る群から選択されるシャフト駆動システムと、によって駆動される、項目26に記載のシステム。
(項目30)
上記チュービングおよび上記容器からの液体のための複数の開口を伴う分注機械装置をさらに備え、各開口は、スパイクを備え、上記スパイクは、任意に、上記開口内に陥凹される、項目26に記載のシステム。
(項目31)
上記チュービングおよび上記容器からの液体のための複数の開口を伴う分注機械装置をさらに備え、各開口は、上記開口内に陥凹される階段状スパイクを備える、項目26に記載のシステム。
(項目32)
上記シャトルは、上記チュービングを受容するための複数のチャネルをさらに備え、各チャネルは、上記チュービング上のRFIDタグを読み取るための無線周波数リーダを備え、コンピュータと、上記制御システムにアクセス可能なコンピュータプログラムと、をさらに備え、上記コンピュータは、上記RFIDリーダからの識別信号を受信するように構成され、上記コンピュータプログラムは、上記チャネル内への上記チュービングの配置が誤っている場合、上記自動接続デバイスのユーザに警告するように構成される、項目26に記載のシステム。
(項目33)
上記シャトルは、上記チュービングを受容するための複数のチャネルをさらに備え、上記自動接続デバイスに操作可能に接続されるRFIDリーダまたはバーコードリーダをさらに備え、上記RFIDリーダまたはバーコードリーダは、上記チュービングまたは上記容器上のバーコードまたはRFIDタグを読み取るように構成され、コンピュータと、上記制御システムにアクセス可能なコンピュータプログラムと、をさらに備え、上記コンピュータは、上記RFIDリーダまたは上記バーコードリーダから識別信号を受信するように構成され、上記コンピュータプログラムは、どのチャネルに各チュービングを配置すべきか、上記自動接続デバイスのユーザに命令するように構成される、項目26に記載のシステム。
(項目34)
上記フィンガは、上記チュービングの上記キャップ上のRFIDタグを読み取るための無線周波数リーダをさらに備え、コンピュータと、上記制御システムにアクセス可能なコンピュータプログラムと、をさらに備え、上記コンピュータは、上記RFIDリーダからの識別信号を受信するように構成され、上記コンピュータプログラムは、上記チャネル内への上記チュービングの配置が誤っている場合、上記自動接続デバイスのユーザに警告するように構成される、項目26に記載のシステム。
(項目35)
上記チュービングまたは上記チュービングの上記キャップは、RFIDタグ、バーコード標識、スタンピング、レーザマーキング、印刷、およびエッチングから成る群から選択される識別子をさらに備える、項目26に記載のシステム。
(項目36)
チュービングを自動的に接続するためのシステムであって、
分注機械装置に隣接して搭載するためのフレームと、
該フレーム内に搭載される基盤であって、チュービング側および分注側を備え、複数の容器からのチュービングを受容するように構成される、基盤と、
該基盤上の複数の可動架台であって、それぞれ、該架台を前進および後退させるための駆動システムをさらに備える、架台と、
複数の回転フィンガであって、各回転フィンガは、チュービングキャップを受容および除去するように構成され、また、分注機械装置ポートキャップを受容および除去するように構成され、該フレームに、かつ該基盤に隣接して、搭載される、回転フィンガと、
該架台の進行方向と平行な面で該フィンガを回転させるように構成されるシャフトを含む、フィンガ回転システムと、
チュービングを自動的に接続するための該システムを操作するための制御システムと
を備え、チュービングを自動的に接続するための該システムは、液体の複数の容器からのチュービングを受容するように構成され、該フィンガは、チュービングキャップおよび分注機械装置ポートキャップを受容するように構成され、該制御システムは、該架台を個々に平行移動させて、該フィンガを回転させ、該チュービングの端部を隣接する分注機械装置内に前進させるように構成され、該分注機械装置は、該チュービングの封止膜を穿刺するための少なくとも2つのスパイクを備える、システム。
(項目37)
上記駆動システムは、電気モータ駆動システム、ソレノイド、空気シリンダ、および空気圧シリンダから成る群から選択される、項目36に記載のシステム。
(項目38)
上記制御システムに操作可能に接続される、RFIDリーダ、バーコードリーダ、およびカメラのうちの少なくとも1つをさらに備える、項目36に記載のシステム。
(項目39)
上記制御システムに操作可能に接続される流速センサ、pHセンサ、および伝導度センサのうちの少なくとも1つをさらに備える、項目36に記載のシステム。
(項目40)
上記架台または上記回転フィンガ内に複数のRFIDリーダをさらに備える、項目36に記載のシステム。
(項目41)
上記チュービングおよび上記容器からの液体のための複数の開口を伴う分注機械装置をさらに備え、各開口は、スパイクを備え、上記スパイクは、任意に、上記開口内に陥凹される、項目36に記載のシステム。
(項目42)
チュービングを自動的に接続するための上記システムと連動するための分注機械装置をさらに備え、上記分注機械装置は、複数のスパイクと、チュービングと連動するための開口と、を備え、上記分注機械装置は、上記容器からの液体を送出するように構成される、項目36に記載のシステム。
(項目43)
上記架台は、上記チュービング上のRFIDタグを読み取るためのRFIDリーダをさらに備え、コンピュータと、上記制御システムにアクセス可能なコンピュータプログラムと、をさらに備え、上記コンピュータは、上記RFIDリーダから識別信号を受信するように構成され、上記コンピュータプログラムは、上記基盤内への上記チュービングの配置が誤っている場合、上記自動接続デバイスのユーザに警告するように構成される、項目36に記載のシステム。
(項目44)
上記自動接続デバイスに操作可能に接続されるRFIDリーダまたはバーコードリーダをさらに備え、上記RFIDリーダまたはバーコードリーダは、上記チュービングまたは上記容器上のバーコードまたはRFIDタグを読み取るように構成され、コンピュータと、上記制御システムにアクセス可能なコンピュータプログラムと、をさらに備え、上記コンピュータは、上記RFIDリーダまたは上記バーコードリーダから識別信号を受信するように構成され、上記コンピュータプログラムは、どの架台に各チュービングを配置すべきか、上記自動接続デバイスのユーザに命令するように構成される、項目36に記載のシステム。
(項目45)
i.上記架台の位置の検出のための光学センサ、エンコーダ、または近接センサと、
ii.上記フィンガまたは上記フィンガ回転シャフトの位置を検出するためのセンサまたはエンコーダとのうちの少なくとも1つをさらに備える、項目36に記載のシステム。
(項目46)
透析バッグを透析カセットに接続するための方法であって、
透析バッグからのチュービングを自動接続機械装置のシャトル内に配置するステップであって、該自動接続機械装置は、フレームと、該フレーム上に搭載されるシャトルおよびシャトル駆動システムと、複数の回転フィンガであって、それぞれ、透析バッグチュービングからのキャップを受容するように構成される、フィンガと、該フィンガを回転させるためのフィンガ回転システムと、を備え、該チュービングは、該シャトルの上のチュービング路内に嵌入する、ステップと、
該チュービングキャップを該自動接続機械装置の該回転フィンガのうちの1つの第1のポケット内に配置し、該チュービングキャップを伴う該回転フィンガを該シャトルから離し、該回転フィンガの反対側の使い捨てカセットに向かう方向に回転させるステップと、
該使い捨てカセットに向かう方向にある距離だけ該シャトルを平行移動させるステップであって、該シャトルを平行移動させるステップは、該チュービングキャップを伴う該回転フィンガを回転または平行移動させ、該チュービングキャップが配置された該回転フィンガのみに、該回転フィンガの第2のポケット内の該使い捨てカセットのポートからのポートキャップを捕捉させる、ステップと、
該カセットから離れる方向に該シャトルを平行移動させ、該チュービングキャップを該透析バッグから除去し、該第1のポケット内に該チュービングキャップを残すステップと、
該シャトルに向かう方向に該回転フィンガを回転させ、該透析カセットの該ポートからの該ポートキャップを除去する一方、該第2のポケット内に該ポートキャップを留保するステップと、
該シャトルを該透析カセットに向かって平行移動させ、該使い捨てカセットの該ポート内のスパイクに該チュービング内の封止膜を穿刺させるステップと
を含む、方法。
(項目47)
上記方法は、腹膜透析または血液透析に好適である、項目46に記載の方法。
(項目48)
上記フィンガを回転させるステップは、上記回転フィンガ内の突き出し板を前進させ、上記チュービングキャップを上記第1のポケットから押し出し、上記ポートキャップを上記回転フィンガから押動させる、項目46に記載の方法。
(項目49)
上記チュービングは、無線周波数識別タグをさらに備え、上記チュービングが上記シャトル内に配置されると、上記無線周波数識別タグを読み取るステップをさらに含む、項目46に記載の方法。
(項目50)
上記透析バッグは、バーコード標識をさらに備え、上記チュービングが上記シャトル内に配置されると、上記バーコードを読み取るステップをさらに含む、項目46に記載の方法。
(項目51)
チュービングを配置するステップおよび上記キャップを配置するステップの後に、自動的に上記自動接続機械装置を操作するステップをさらに含む、項目46に記載の方法。
(項目52)
上記透析バッグの上記チュービングの内側および上記透析カセットポートの内部は、滅菌性であって、滅菌接続は、上記透析バッグを上記透析カセットに接続する際に維持される、項目46に記載の方法。
(項目53)
上記シャトルまたは上記フレーム上のセンサによって、該シャトルの位置を感知するステップ、または上記オクルダーもしくは該シャトル上のセンサによって、該オクルダーの位置を感知するステップ、をさらに含む、項目46に記載の方法。
(項目54)
上記チュービングは、上記シャトル上の別個の位置内に配置され、上記位置内のRFIDリーダによって上記チュービング上のRFIDタグを読み取るステップをさらに含み、該位置内のチュービングの配置が誤っている場合、上記自動接続機械装置のユーザに警告するステップをさらに含む、項目46に記載の方法。
(項目55)
上記チュービングは、上記シャトル上の別個の位置上に配置され、上記チュービングまたは上記バッグは、一意の識別子を有し、バーコードリーダ、カメラ、またはRFIDリーダによって上記一意の識別子を読み取るステップをさらに含み、どの位置に上記チュービングを配置すべきか、上記自動接続デバイスのユーザに命令するステップをさらに含む、項目46に記載の方法。
(項目56)
少なくとも上記自動接続機械装置および上記透析カセットのために、清浄大気を維持するために、空気を濾過し、上記空気を保護筐体内内に送風するステップをさらに含む、項目46に記載の方法。
(項目57)
流体容器を接続するための方法であって、
流体容器からのコネクタを自動接続機械装置内に配置するステップと、
該流体容器のうちの1つからのチュービングキャップを該自動接続機械装置の複数のフィンガのうちの1つのポケット内に配置し、該フィンガを該フィンガの異なる側上の分注機械装置に向かう方向に移動または回転させるステップと、
該分注機械装置に向かう方向にある距離だけ該チュービングおよび該チュービングキャップを平行移動させるステップであって、平行移動させるステップは、該複数のフィンガを回転させ、該チュービングキャップが配置された該フィンガのみに、該分注機械装置のポートからのポートキャップを捕捉させる、ステップと、
該分注機械装置から離れる方向に該チュービングを平行移動させ、該チュービングから該チュービングキャップを除去し、該チュービングからの該チュービングキャップを該ポケット内に残すステップと、
該分注機械装置から離れ、該分注機械装置の該ポートからの該ポートキャップを除去する方向に、該フィンガを回転させるステップと、
該分注機械装置に向かって該チュービングを平行移動させ、該分注機械装置の該ポート内のスパイクに、該チュービング内の封止膜を穿刺させるステップと
を含む、方法。
(項目58)
上記流体は、透析流体、血液、代用血液、栄養流体、薬剤含有流体、および生理食塩水から成る群から選択される、項目57に記載の方法。
(項目59)
チュービングを配置するステップおよび上記チュービングキャップを配置するステップの後に、自動的に上記自動接続機械装置を操作するステップをさらに含む、項目57に記載の方法。
(項目60)
上記スパイクが上記封止膜を穿刺する直前に、上記スパイクの階段状部分と上記チュービングとの間にシール形成される、項目57に記載の方法。
(項目61)
上記スパイクが上記封止膜を穿刺した後、上記スパイクの階段状部分と上記チュービングへの入口との間にシールが形成される、項目57に記載の方法。
(項目62)
流速センサによって流速を感知するステップをさらに含む、項目57に記載の方法。
(項目63)
上記チュービングは、上記自動接続機械装置上の別個の領域内に配置され、上記別個の領域内のRPIDリーダによって上記チュービング上のRFIDタグを読み取るステップをさらに含み、上記領域内への上記チュービングの配置が誤っている場合、上記自動接続機械装置のユーザに警告するステップをさらに含む、項目57に記載の方法。
(項目64)
上記チュービングは、上記自動接続機械装置内の別個の位置上に配置され、上記チュービングまたは上記バッグは、一意の識別子を有し、バーコードリーダ、カメラ、またはRFIDリーダによって上記一意の識別子を読み取るステップをさらに含み、どの位置に上記チュービングを配置すべきか、上記自動接続デバイスのユーザに命令するステップをさらに含む、項目57に記載の方法。
(項目65)
pHメータ、伝導度メータ、および温度素子のうちの少なくとも1つによって、上記流体の特性を感知するステップをさらに含む、項目57に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、使い捨てカセットおよび透析機械装置と併用される、自動接続機構の第1の実施形態の分解図である。
【図2】図2は、分注機械装置と併用するための自動接続機構の第2の実施形態の等角図である。
【図3A】図3Aは、自動接続機構および透析機械装置と併用するための使い捨てカセットの代替実施形態の等角図である。
【図3B】図3Bは、自動接続機構および透析機械装置と併用するための使い捨てカセットの代替実施形態の等角図である。
【図4A】図4Aは、透析流体の容器、容器と併用するためのチュービング、およびチュービングの滅菌端部を維持するためのキャップの分解図である。
【図4B】図4Bは、RFIDチップまたは他の直接部品マーキング特徴を伴う、キャップの代替実施形態である。
【図4C】図4Cは、RFIDチップまたは他の直接部品マーキング特徴を伴う、キャップの代替実施形態である。
【図5A】図5Aは、オクルダーおよび閉塞機構を示す。
【図5B】図5Bは、オクルダーおよび閉塞機構を示す。
【図6】図6は、オクルダーおよび閉塞機構を示す。
【図7】図7は、流体の容器を接続するために必要とされる力の実験結果のグラフ表示である。
【図8A】図8Aは、ポンピングカセットから等の流体の容器とスパイクとの間の係合の断面図である。
【図8B】図8Bは、ポンピングカセットから等の流体の容器とスパイクとの間の係合の断面図である。
【図8C】図8Cは、ポンピングカセットから等の流体の容器とスパイクとの間の係合の断面図である。
【図9】図9は、自動接続機械装置内で使用するための回転フィンガの第1の実施形態の詳細の前後斜視図である。
【図10】図10は、自動接続機械装置内で使用するための回転フィンガの第1の実施形態の詳細の前後斜視図である。
【図11】図11は、図9および10の実施形態の分解図である。
【図12】図12は、図9の実施形態の側面図である。
【図13】図13は、回転フィンガの機能を示す、付加的図である。
【図14】図14は、回転フィンガの機能を示す、付加的図である。
【図15A】図15Aは、自動接続機械装置の動作を示す。
【図15B】図15Bは、自動接続機械装置の動作を示す。
【図16A】図16Aは、自動接続機械装置の動作を示す。
【図16B】図16Bは、自動接続機械装置の動作を示す。
【図17A】図17Aは、自動接続機械装置の動作を示す。
【図17B】図17Bは、自動接続機械装置の動作を示す。
【図18】図18は、自動接続機械装置を操作する方法のための工程図である。
【図19】図19は、自動接続デバイスを操作するための代替機械機器を開示する
【図20】図20は、自動接続デバイスを操作するための代替機械機器を開示する
【図21】図21は、自動接続デバイスを操作するための代替機械機器を開示する
【図22】図22は、自動接続機械装置、ポンピングカセット、および透析機械装置を操作するための制御システムの概略図である。
【図23】図23は、自動接続機械装置、ポンピングカセット、および透析機械装置を操作するための制御システムの概略図である。
【図24】図24は、自動接続デバイスを操作する方法のための工程図である。
【図25】図25は、自動接続デバイスを操作する方法のための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、隔膜ポンプまたは蠕動ポンプ等のポンプを採用する、医療流体送達システムに関する。特に、本開示は、血液透析、血液濾過、血液透析濾過、任意の種類の持続的腎代償療法(「CRRT」)、うっ血性心不全治療、CAPD、APD(潮流モダリティを含む)、およびCFPDを含むが、それらに限定されない、カセットを基材とする透析療法のためのシステム、方法、および装置を提供する。カセットは、使い捨てであって、典型的には、単回使用または療法後に廃棄され、汚染に関連する危険性を低減させる。自動接続デバイスは、透析機械装置の一部として、再使用が意図される。
患者治療
自動接続デバイスは、後述のように、高齢者および健康不良であり得る透析患者と、同様に高齢者および健康不良であり得るその介護者の負担を軽減することが意図される。透析流体バッグを取り付ける日常的タスクは、実際、力の限られた者にとって困難である。加えて、不注意に滅菌性を破壊する、あるいは器具または流体の容器を汚染しやすくなる。概して、詳細な説明は後述されるが、自動接続デバイスは、以下のように機能する。
【0021】
カセットを透析機械装置内に装填後、ユーザは、デバイスの上部にチュービングを静置し、特殊フィンガの上部のチュービングからのキャップをデバイスの上部に載設することによって、1つ以上の透析バッグからのチュービングを取り付ける。次いで、自動接続機械装置を作動させる。一連のペンチまたはオクルダーは、チュービングを把持し、次いで、シャトルが、シャトルとともにチュービングを前方に移動させる。また、前方移動は、シャトルの運動方向かつ透析使い捨てカセットに向かって、フィンガを前方に回転させる。チュービングキャップを伴うそのようなフィンガのみ、透析使い捨てカセットのポートからの遮蔽キャップに接触するように十分に回転するであろう。これらのフィンガは、遮蔽キャップまたは複数のキャップ内に回転し、キャップまたは複数のキャップを把持する。本前方回転後、シャトルは、方向を反転し、フィンガの上部の抑止オリフィスによって定位置に保持されるチュービングからのキャップは、シャトルおよびチュービングが後方に移動する間、不動のままとすることによって除去される。ここで、フィンガは、使い捨てカセットポートからのキャップを把持したまま、反対方向に回転し、回転によって、カセットポートキャップを回転フィンガの上部に残留させ、したがって、ポートキャップが除去される。ここで、両キャップは、ユーザがキャップに触れることなく、除去される。
【0022】
ここで、フィンガ(または、複数のフィンガ)の上部は、チュービングからのキャップおよびカセットポートからのキャップを含有している。次いで、フィンガは、下方に回転し、フィンガの上部からシュート、引き出し、または他の領域内にキャップを滑落させる。フィンガは、療法が進行中の間、下方位置に残留する。キャップが廃棄されると、シャトルは、再び方向を反転する。この時点で、キャップは除去されており、透析前に残留するものはすべて、その滅菌シールを伴うチュービングの端部を同様に滅菌性であるカセットポートに接続するためのものである。ここで、シャトルは、前方に平行移動し、コネクタを押動させる一方、チュービングは、オクルダーによって定位置に保持され、カセットポート内に含有される穿刺針内にチュービングを延出させる。穿刺針は、好ましくは、滅菌環境および滅菌接続を維持しやすくするために、ポートの外縁から若干陥凹される。針が透析チュービングの膜シールを穿刺すると、接続が行なわれ、固定されたままとなるであろう。透析容器が滅菌接続を介して取り付けられた状態で、オクルダーを解放後、ここで透析が開始されてもよい。後述の実施形態では、自動接続デバイスを使用して、透析流体の1から5つの容器を接続してもよい。他の実施形態を使用して、5つ未満または5つを超える容器を接続してもよい。さらに他の実施形態は、血液、代用血液、生理食塩水、栄養流体、薬剤、およびその他等の透析流体以外の1つ以上の流体容器のために使用されてもよい。例えば、容器のうちの1つは、生理食塩水等の中性流体と、ヘパリン、インスリン、または抗生物質等の患者に必要とされる薬剤と、を含んでもよい。これらの薬剤流体は、そのままの状態で、自動接続デバイスおよび下流注入または分注のためのデバイスと容易に併用され得る。
自動接続デバイス
次に、図面、特に、図1を参照すると、透析機械装置1は、使い捨て透析カセット3および自動接続機械装置5との併用が意図される。本実施形態における自動接続機械装置5は、フレームまたは基部7と、透析カセットおよび透析流体のバッグからのキャップの廃棄のための中心領域9と、を含む。本実施形態では、フレーム7は、蝶番12cによって結合される、側部12aおよび背部12bを含む。主要シャーシ10は、透析バッグからのチュービングのための別個の部分のチャネル14を含む、中心領域11を含む。また、自動接続機械装置5は、両側に上部カバー13を含み、内部の作業を遮蔽および保護する。また、上部作業領域19内に含まれるのは、チュービングを前進させるためのシャトル15と、オクルダー16と、透析液バッグおよび透析カセットからキャップを除去するためのフィンガ17である。
【0023】
自動接続デバイスを使用する際、透析流体の複数の容器は、透析機械装置の周辺または自動接続デバイスの近傍に位置付けられてもよい。透析バッグは、典型的には、約2フィート長のチュービングを含むため、いずれの位置も可能であって、好適であり得る。透析機械装置が、1つ以上の加熱設備を含む場合、透析流体の容器は、使用前に、体温に近い温度に加熱されることが望ましい。代替として、使い捨て透析カセットは、送出に伴って、透析流体を加熱するための設備を含んでもよい。例えば、図3Aに示される透析カセット30を使用して、透析流体を温めてもよい。
【0024】
図1の実施形態は、提示されるように、透析流体の容器をポンピングカセットに自動的に接続する一方、滅菌接続を保持するように使用されてもよい。代替として、主要シャーシ部分は、図2に示されるように、自動接続デバイス20として、別個に使用されてもよい。自動接続デバイス20は、フレーム21と、フレーム後壁21aと、を含み、また、駆動モータ22と、シャトル24を位置付けるための駆動システム23と、を含む。駆動システム23は、左右送りネジ23a、23bと、必要に応じて、タイミングベルトおよびベルトテンショナを含み、モータ22から2つの送りネジに動力を分配する、図示されるような伝動システムと、を含む。システムは、タイミングベルトではなく、ギアを使用可能である。駆動システム23は、少なくとも架台23cと、図示されるようなベアリング23dと、を含み、また、好ましくは、駆動系と、シャトル24を前進および後退させるために、所望のスピードにモータ22を整合させるための任意の必要なギア減速と、を含む。好適なコントローラを伴う、ブラシ24VDC遊星ギアモータは、本願のモータに対して申し分のないことが分かっている。他の好適なモータが使用されてもよい。
【0025】
自動接続デバイス20は、透析容器からのチュービングのための個別チャネルを伴う中心領域26を含み、また、透析容器からのチュービングを閉塞または挟持するための前方オクルダー25aおよび後方オクルダー25bを含む。本実施形態では、中心領域26は、5つの透析容器からのチュービングの配置のための5つのチャネルを含む。オクルダー25a、25bはそれぞれ、チュービングのための開口部、この場合は、5つの開口部25cを含む。一実施形態では、オクルダー25a、25bは両方、単一のU字形状片のシート材料の一部であって、オクルダー25aは、閉塞機能を果たす、すなわち、チュービングを挟持し、したがって、流動は不可能となる一方、オクルダー25bは、膜ポートをシャトル24内に固定するようにのみ作用する。オクルダーが作動され、チュービング内の流動が不可能になると、スパイクを付す際の早発流体流動は生じず、機械装置は、信頼性を持って、完全性試験を行なえ得る。また、透析チュービングの端部からキャップを把持および除去し、また、自動接続および透析機械装置と併用される透析カセットのポートからのキャップを把持および除去するための5つのフィンガ27が存在する。また、図2に見られるのは、回転フィンガ27のためのモータ28である。好適なコントローラを伴う、ブラシ24VDC遊星ギアモータは、本願のモータに対して申し分のないことが分かっている。他の好適なモータが使用されてもよい。
【0026】
自動接続デバイス20は、好ましくは、デバイスを保護するための筐体18内に封入される。また、筐体は、好ましくは、送風機19bと、HEPAまたは他のフィルタ19cとに接続されるダクト19aを含む。フィルタは、使用時、筐体を若干陽圧下に保ち、したがって、埃、菌等がデバイスの大気中に進入するのを防止可能な送風機に、清浄な空気を提供する。自動接続デバイスの本実施形態は、以下のように機能する。ユーザは、透析流体の1つ以上の容器と、自動接続デバイスを介して接続するための特殊キャップを含む容器のためのチュービングを備え付ける。チュービングは、容器に接続し、次いで、チュービングは、使い捨てカセットを介して、透析機械装置に接続される。特殊キャップは、回転フィンガの近位側内に配置され、チュービングは、自動接続デバイス上のチャネル内に敷設される。次いで、自動接続デバイスは、透析流体の1つ以上の容器を透析機械装置に接続するためのその自動シーケンスを開始する。
【0027】
オクルダーは、左側に平行移動し、したがって、チュービングを把持し、シャトル内に不動の状態で保持する。シャトルは、前方に平行移動し、キャップを伴う各フィンガは、シャトルの移動方向に、フィンガを前方に回転させる。フィンガの移動は、フィンガに使い捨てカセット上のポートからのキャップを把持させる。ここで、シャトルは、使い捨て部分から離れて、後方に平行移動する。上部にチュービングキャップを伴うフィンガは、ポートキャップによって捕捉される。シャトルが後方に平行移動すると、フィンガ内に抑止されているため、チュービングキャップは除去される。シャトルが後方に平行移動後、フィンガは、後方方向に回転する。使い捨てポートからのキャップまたは複数のキャップは、1つ以上のフィンガによって捕捉されるため、本回転は、キャップまたは複数のキャップを除去する。水平線を下回るさらなる回転は、フィンガまたは複数のフィンガからフィンガ下のビンまたは開放領域内にキャップを滑落させる。
【0028】
シャトル、オクルダー、およびフィンガの移動は、自動接続デバイスのコントローラまたはマイクロコントローラによって制御される。制御の一部として、シャトルは、シャトルの底部に搭載される光学センサ24aを備える。光学センサ24aは、送りネジと平行に搭載される不動センサトラック21bによって誘導される。センサトラック21bは、図示されるように、一連の切り欠きを含む。切り欠きによって、光学センサは、コントローラにシャトルの位置を知らせることが可能となる。当業者には明白であるように、シャトルモータ22上のエンコーダ、シャトル上に搭載される近接センサ、およびシャトル路に沿った適切な場所に配置される標的等、他のセンサまたは技術が使用されてもよい。例えば、シャトル上に搭載されるホール効果センサを使用して、シャトル路に沿った磁石または他の標的の配置によって、その位置を検出してもよい。代替として、シャトルの位置を検出するための位置センサは、シャトル上に配置される切り欠き、磁石等とともに、フレーム上に配置されてもよい。
流体容器および使い捨てカセット
自動接続デバイスは、上述の実施形態に限定されない。例えば、他の透析使い捨てカセットは、図3Aに示されるモデルを含んでもよい。使い捨てカセット30は、前部31と、加熱管32と、透析流体コネクタに接続するための5つのポート33と、を含む。各ポートは、突出階段状中心部分34aを伴う、キャップ34を含む。本突出部分によって、自動接続回転フィンガ(後述)は、キャップを把持することが容易となる。ポート35aは、患者との間の入/出力ラインのために使用され、ポート35bは、排出管のために使用される。使い捨てカセットの本特定のモデルは、シャトル上のチュービングが、水平方向ではなく、垂直方向に配向される、自動接続デバイスを必要とし得る。シャトルは、依然として、カセットに向かって、かつそこから離れるように、前後に平行移動するが、オクルダーは、シャトルの移動に垂直の方向に平行移動するであろう。フィンガは、垂直ではなく、水平面における回転のために配向されるであろう。キャップは、除去されると、自動接続デバイスから離れ、その右側に滑落するであろう。ポートは、以下の図3Bに見られるスパイクを有する。
【0029】
ポートキャップ34は、対称性、好ましくは、放射状に対称性を有する。また、キャップは、好ましくは、放射線滅菌可能および蒸気透過性であって、低密度ポリエチレン(LDPE)から成る。LDPEは、カセットポートに対して気密シールを形成し、ポートの滅菌性を保護可能である。他の比較的軟材料が使用されてもよいが、階段状先端または乳頭部は、回転フィンガの顎部内に挿入可能であるべきである。他の実施形態は、非階段状乳頭部または中心部分を使用してもよい。乳頭部のより広い次の部分は、フィンガが下方に回転すると、顎部との若干の干渉を生じ、キャップをポートから離脱させる。LDPEに加え、PVC、(ポリ塩化ビニル)、ポリイソプレン、シリコーン、および他の好適な滅菌可能材料等、他の材料が使用されてもよい。
【0030】
図3Bは、自動接続デバイスとの併用に好適なカセットの代替実施形態である。カセット30aは、前部31a(図示)と、背部(図示せず)と、加熱管32aと、容器のためのスパイク33aを伴う4つのポート33と、を含む点において、カセット30に類似する。加えて、患者との接続のためのポート35c、排出のためのポート35dが提供され、ポート35eは、患者からの戻りのために使用される。また、他のポートは、チュービング接続を成すためのスパイク33aを有する。患者との間で同一ポートおよびラインを使用するのではなく、別個のラインが使用され、透析液または他の流体の純度を保持する助けとなる。例えば、小児患者が使用する透析液の量は、非常に少なく、再循環の量は、非常に少ない場合がある。非常に小さい乳児の場合、その量は、50ml程度と少ない一方、患者およびカセットとの間のチュービング内の廃透析液は、15ml程度であり得る。患者との間の別個のラインは、可能な最大限の範囲において、廃透析液の再使用を回避する。
【0031】
典型的透析流体容器の拡大図は、図4Aの分解図に示される。透析バッグ40は、出口接続41を含み、チュービング43および透析バッグ40に接続するためのチュービングコネクタ42と併用される。チュービング43は、無線周波数識別(RFID)タグ47のための筐体46を含む。チュービングが自動接続デバイス内に配置され、タグが読み取られると、RFIDタグ47を使用して、本特定の容器および透析流体のロットを識別する。また、チュービングは、フランジ状ハンドル45と、膜ポート45a(チュービングの内部)または内部シールと、を含む。チュービング43は、キャップ44で終端し、キャップは、溝44aと、折り畳み式ハンドル44bと、コアピン44cと、を含む。溝44aは、好ましくは、幅約2.5mmおよび深さ約2.0mmである。ハンドルは、自動接続デバイスが利用不可能な場合、キャップを手動で除去するために有用である。コアピン44cは、チュービング43の内部と連動かつ併用され、内膜45aまでのチュービングの寸法安定性を保持する。
【0032】
チュービング43および膜ポート45aは、PVCから成ってもよく、管キャップ44は、好ましくは、比較的軟材料であって、チュービングおよび管キャップは両方とも、好ましくは、蒸気滅菌可能であって、蒸気透過性材料である。約35度のショアA硬度を伴う非常に軟性のシリコーンが好ましいが、また、50−100度の硬度を伴う他の材料が使用されてもよい。ポリイソプレンが使用されてもよく、Kraton Polymers,LLC(Houston、Texas、USA)製等の多くのスチレンブロック共重合体であってもよい。より軟性の蒸気透過性等級のいずれであっても、本願において好適に機能するであろう。また、一実施形態では、管キャップ44は、RFID筐体として機能してもよい。
【0033】
RFID筐体46は、筐体が若干硬質である場合、シャトルを平行移動する際、取り扱いおよび設置がより容易である。例えば、筐体は、HDPE、ポリカーボネート、より堅いPVC、またはより高いヤング係数を伴う他の材料から成ってもよい。筐体46がより剛性である場合、自動接続シャトルのチャネル内への挿入がより容易である。RFID筐体は、シャトル上への配置の容易性のように構成される、本明細書に開示される形状をとる必要はない。筐体は、チュービングまたは流体のバッグにさえしっかりと接着する、任意の便宜的かつ有用な形状であってもよい。いくつかの実施形態では、RFIDチップは、スナップ嵌合等によって、固定された状態で筐体内に配置される。他の実施形態では、RFDDチップは、筐体内に挿入または外側被覆される。後述の実施形態では、RFID筐体は、シャトル上への設置の容易性のために、チュービング上に配置するように構成される。他の実施形態では、RFID筐体は、流体のバッグまたは容器上に配置または接着されてもよく、単一RFIDリーダ内蔵フレームまたはシャトルによって読み取られる。次いで、自動接続システムは、ユーザに、チュービングをシャトル上の特定のチャネルに接続するよう指示する。したがって、コントローラは、各コネクタの場所および各容器の利用方法を識別する。
【0034】
いくつかの実施形態では、図4Bに示されるように、RFIDチップは、RFIDチップのための別個の筐体を伴わずに、キャップ本体内に組み込まれる、または別様に設置されてもよい。本技術を使用して、各回転フィンガ27は、図2に示されるように、RFIDリーダを含み、チップを読み取り、自動接続コントローラに報告するであろう。したがって、チュービングキャップ49は、RFIDチップ47を含み、キャップが配置されるフィンガ27内のIRリーダによって読み取られるだろう。他の実施形態では、チュービングのキャップまたはチュービング本体が、図4Cに示されるように、マークを含んでもよい。直接部品マーキングを使用するバージョンでは、溶液、ロット番号等の投与される溶液についての適切な情報が、キャップまたはチュービング上に直接マークされてもよい。マークは、刻印マーク61aに示されるように、刻印、例えば、スタンピング、またはインクジェット、あるいは他の印刷方法によって行なわれてもよい。また、マークは、バーコード標識61bを配置することによって、またはマーク61cをエッチングすることによって行なわれてもよい。エッチングは、例えば、レーザマーキングによって達成されてもよい。マークされたキャップまたはチュービングは、自動接続フレーム上に搭載され、自動接続コントローラまたは透析機械装置コントローラに操作可能に接続される、カメラ61によって検出されてもよい。
チュービングの配置および識別ならびにオクルダーの操作
透析容器からのチュービングまたは他の容器からのチュービングの配置は、図5A、5B、および6に示される。図5Aは、チュービング側からのシャトル24の図を示す一方、図6は、反対、すなわち、使い捨て部分側からの図を示す。図5Bは、オクルダー駆動機構の拡大図を示す。自動接続デバイス中心領域26は、チュービングのための1つ以上のチャネル26aを含む。各チャネル26aは、シュラウド26cを伴う側壁26b、後端壁26d、前端壁26e、およびRFIDリーダ26fを含む。端壁26d、26eは、チュービングを収容するための円形オリフィスを含む。一実施形態では、チャネル26aおよびRFED筐体46は、RFID筐体が、チャネル内に挿入されると、解放可能にスナップ嵌合状態に保定されるように設計される。RFEDリーダは、上述のように、各RFED筐体46内に配置されるRFEDタグ47を読み取るように意図される。
【0035】
オクルダー25aは、矢印Aの方向左に平行移動され、オクルダー25aとシュラウド26cとの間のチュービング43を捕捉する。オクルダー25aは、オクルダーに搭載される好適な減速ギアボックス37および送りネジ38を伴う、シャトル上に搭載される6VDCギアモータ36を使用して、平行移動される。両オクルダーは、同時に移動する。いくつかの実施形態では、バネ39を使用して、オクルダーを閉鎖位置に偏向してもよい。他の実施形態では、バネは、例えば、オクルダーの反対端上に配置され、オクルダーが開放するよう偏向してもよい。さらに他の実施形態では、制御回路は、大型のコンデンサを含み、フェイルセーフ機構として、安全な閉鎖位置にオクルダーを駆動するための十分なエネルギーを保証してもよい。この時点において、チュービング上流のシールが破損されておらず、チュービング内に流体が存在しない場合がある。オクルダーまたは把持機構の目的は、管腔を閉塞し、また、チュービングを把持し、チュービングを前進させる、または、図から分かるように、チュービングを後退させ、自動的にチュービングキャップを除去することである。ソレノイド、または空気シリンダ、あるいは他の機構を使用して、送りネジではなく、その架台もしくは搭載ピン上でオクルダーを前後に摺動させてもよいことを理解されたい。
【0036】
いくつかの実施形態は、オクルダーを使用しなくてもよい。後述のように、容器からのチュービングは、RFEDチップのための筐体内にしっかりと嵌合する。小量の摩擦のみによって、RFED筐体がシャトル上に配置されると、チュービングは、RFID筐体に接着し、それに追従するであろう。また、チュービングは、シャトルがチュービングキャップを除去し、チュービング膜を穿刺するために、フレーム内で短距離だけ前後に前進する場合、筐体内の定位置に残留するであろう。したがって、いくつかの実施形態は、オクルダーを使用しなくてもよいが、チュービングは、依然として、シャトルに伴って進行し、シャトルが筐体とチュービングとの間の通常の摩擦の影響を受けて移動すると動く。いずれにしても、オクルダーは、スパイクを付す間の流体の損失を防止する、またはコントローラに接続完全性試験を行なわせる等の他の理由のために有用である場合がある。上述のフェイルセーフ閉鎖は、停電の場合の二次汚染を防止する助けとなり得る。
【0037】
RFIDチップ筐体46は、恐らくは、スナップ嵌合によって、チャネル26a内に嵌合するように定寸される。図6から分かるように、シャトル24の反対側から、後オクルダー25bは、矢印Bの方向右に平行移動され、チュービング43を捕捉する。矢印AおよびBは、反対であるように見えるが、図5Aは、シャトルをチュービング側から見たものであって、図6は、シャトルを使い捨てカセット側から見たものであるため、方向は同じである。各チャネル26aは、カセットに向かって延出する前継環26gを含む。チュービング端44上の折り畳み式ハンドル44bに加え、また、RFID筐体46は、チュービングをチャネル内に配置するためのハンドルとして機能し得る。RFIDチップは、耐久性があり、かつ頑丈であって、ガンマ線照射、蒸気オートクレーブ(典型的には、約1atmゲージ圧、121℃で行なわれる)、または化学的方法によるかにかかわらず、滅菌に耐え得るべきである。
【0038】
RFIDタグ47(図6に図示せず)は、付加的製品情報、追跡情報、出荷情報、または任意の他の所望の製品情報を格納あるいは含有可能な集積回路チップまたは複数のチップに連結されてもよく、もしくはそうでなくてもよい、アンテナを含む。動作時、電源によって駆動されるプロセッサは、送受信機によって伝送される信号を提供する。送受信機によって通信される信号の伝送エネルギーは、RFIDタグ47をリーダ26fに誘導的かつ通信的に連結する機能を果たす。リーダ26fは、本質的には、RFIDタグ47と通信するための回路網を伴う小型回路基板である。回路網は、通常、そのアンテナ、コントローラ、または制御回路、および自動接続コントローラと通信するための入/出力回路網を含む。RFIDリーダが、信号を送信すると、順に、電流が、RFIDタグアンテナ内で誘導的に発生する。電流は、「ゼロビット」として機能し、単に、RFIDタグ47の有無を示すことが可能である。代替として、電流は、チップを駆動し、それによって、その上に格納された付加的情報RFIDタグ47とリーダ26fとの間で通信させることが可能である。一実施形態では、RFIDタグ47は、タグが読み取られる度に表示を記録する。一実施形態では、RFIDタグ47は、患者識別子、投与される透析液または液体の量、日時、および他の有用な医療情報のうちの少なくとも1つを含む、システムコントローラからの付加的情報を記録および格納する。
【0039】
例証されるように、RFIDタグ47は、受動的タグであって、内部電源を含まず、代わりに、リーダによって誘導的に駆動および問い合わせを受ける。本開示を伴う用途では、RFIDタグ47は、代替として、基板上に印刷されるバッテリを含む、半受動的デバイスであり得る。印刷バッテリ電源の追加によって、アンテナは、電流の発生とは対照的に、通信のために最適化される。別の実施形態では、RFIDタグは、長寿命バッテリ、1つ以上の集積回路、表示素子、記憶素子等を含む、能動的タグであり得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、RFIDタグ47は、比較的低周波数、約125kHz〜約134.2kHz、または約140kHz〜約148.5kHzで作動し、約1インチ程の読み取り範囲を有する、トランスポンダを含む。高周波トランスポンダは、典型的には、最大1メートルの読み取り範囲を伴って、約13.56MHzで作動する。さらに、トランスポンダは、道路通行料自動徴収システム等に使用されるような約3m以上の読み取り範囲を伴って、433MHz等の極超短波、すなわち、典型的には、約868MHz〜約928MHzでさえ作動してもよい。本願では、そのチャネル、またはシャトル上の範囲、あるいは自動接続システムの他の部分内で識別されるように、非常に狭い範囲を伴う小型の低周波RFIDタグが好ましい。これらの範囲は、好ましくは、約20−25mmの範囲における1インチ未満であるだろう。読み取り範囲は、リーダまたは質問機の設計に依存し、狭い範囲に維持可能である。
【0041】
本開示の目的の場合、物理的構成にかかわらず、RFIDタグは、約100kHz以上の周波数で伝送される電波を介して、情報を通信するように構成される、任意のデバイスを含む。実際、個々のタグの動作周波数は、典型的タグの全体的構造が非常に類似すると仮定して、二次的考慮点とみなされ得る。RFIDタグは、そのタグがシャトル内に配置される各バッグまたは容器の確実な識別を可能にする。本技術によって、自動接続コントローラ、あるいは透析または他のシステムのためのコントローラは、行なわれた配置が正しいまたは誤っているかを判断し、誤った配置が行なわれると、オペレータまたは他の人物に通知または警告するであろう。
【0042】
上述の議論は、透析液流体の容器ならびにそのチュービングおよびコネクタを配置するステップと、RFIDタグを使用する容器を自動的に識別するステップと焦点を当てた。上述の議論から、他の確実な技術が、チュービング端上のバーコードラベルまたは標識等の識別、および自動接続デバイス上のバーコードリーダのために使用されてもよいことは明白である。Maxim Integrated Products(Sunnyvale、CA)製のi−button等、さらに他の技術が使用されてもよい。RFIDと類似するi−buttonは、小型の平坦金属パッケージ内に含有される、一意の識別子を伴う集積回路である。i−button識別回路は、通常、i−buttonリーダに接触することを必要とするが、自動かつ一意の識別子の原理は、バーコードまたはRFIDタグを併用するものに類似する。また、自動接続デバイスが、RFIDタグまたはバーコード等の自動識別特徴を伴わずに動作し得ることは、当業者には明白であるだろう。分注される流体の識別は、手動で行なわれる、またはコード等の情報を患者の治療を追跡するためのコンピュータに手動で入力することによって行なわれてもよい。
接続および滅菌性の保持
チュービングが定位置に配置される、チュービングは、容器内の流体が分注される、あるいは別様に、分配または使用可能なように接続される。図7は、透析溶液のバッグを使い捨てカセットに接続する際の問題をグラフに示したものである。3つの点を伴う上の線は、異なる温度における試験を表し、下の線は、改良されたスパイク設計を伴う試験を表す。室温25Cで4つのバッグを接続するために必要とされる力は、約140ポンド、すなわち、各接続に対し約35ポンドの力であって、接続は、当然ながら、手で、1度に1つずつ行なわれた。より低い温度15Cでは、全4つのための力は、約160ポンド、すなわち、それぞれに対し約40ポンドの力であって、35Cでは、力は、約120ポンド、すなわち、それぞれ約30ポンドの力に低下した。以下の図8Aに対して論じられるように、階段状スパイクの改良を伴っても、必要とされる力は、依然として、約80ポンド、すなわち、各接続に対し、約20ポンドの力である。
【0043】
図8Aは、上述のスパイクの改良を示し、また、使い捨てカセットとチュービングとの間の接続滅菌性のままとなるように保証するために使用される技術を示す。本断面図では、RFID筐体46を伴うチュービング43は、定位置に配置され、膜シール45は、使い捨てカセットポート52の中空スパイク51によって、穿通および破砕されている。スパイクの遠位部分51aの外径は、スパイク主要部分51bの外径未満であって、スパイク近位部分51cの直径を若干下回ってもよい。加えて、チュービング端接続部48は、3つの階段状部分(大内径を伴う遠位部分48a、小内径を伴う中央部分48b、および大内径を伴う近位部分48c)を含み、内腔を閉塞せず、かつ穿通を完了するための付加的力を必要とせずに、穿通されたシールからの材料が、折重または蝶着から解除されるための空隙を提供してもよい。
【0044】
スパイク51は、ポート52内に含有される。スパイク51は、スパイク52が膜45を穿通すると、透析液溶液バッグチュービング43と使い捨てカセット5との間に流体接続が確立されるように、内腔53を含む。チュービングの膜シールが破砕される前に、滅菌部分間の接続が行なわれ、したがって、接続の滅菌性を保持するように、部品は設計される。スパイクは、好ましくは、アクリル、ポリカーボネート、またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)等の比較的剛質のプラスチックである。また、環状オレフィン含有ポリマー(COC)、特に、ULDPEと混合されるものが、カセットおよびスパイクのために使用されてもよい。例えば、米国特許第7,011,872号を参照されたい(本特許の譲受人に譲受され、参照することによって、本明細書に組み込まれる)。
【0045】
スパイク51の遠位部分51aは、ポート52の外縁を越えて延出しない、すなわち、スパイクは、ポート内に覆われる。本実施形態では、ポート52は、スパイク51およびスパイク遠位部分51aを越えて、距離dだけ延出する。これは、ポートキャップ除去後のスパイクへの不注意による接触および汚染を防止する助けとなる。チュービング端接続部48がポート52内に着座されると、スパイクの遠位部分51aは、距離dだけチュービング43内に延出する。
【0046】
スパイク遠位部分51aは、示されるように、スパイク中央部分51bよりも小さい外径を有する。上述のように、チュービング接続部48の内部48aは、より大きい内径を有する。チュービング43がポート52に接続されると、小外径を伴うスパイク遠位部分51aは、大内径を伴うコネクタ部分48aに遭遇する。本実施形態では、図8に見られるように、スパイク部分51aの外径は、コネクタ内部48aの内径未満であって、干渉せずに、スパイクを通過させる。さらなる挿入に応じて、コネクタ内部48aがスパイク中央部分51bに遭遇すると、スパイク先端がシール膜45を穿通する直前に、その間にシールを生成する。穿通後、スパイ中央部分51bは、チュービング中央部分48bに対して封着する。加えて、外側シールが、チュービングへの入口、すなわち、チュービング部分48aへの入口において、チュービング近位部分48aとスパイク近位部分51cとの間に生成される。
【0047】
階段状スパイクおよび階段状コネクタチュービングの本配列は、挿入力を最小限にする一方、同時に、接続部の汚染の機会を最小限にする。先細の非階段状スパイク、ならびにスパイク弧の一部分上に前縁を伴う先細の非階段状スパイク等、他のスパイクが使用されてもよいことを認識されたい。また、いくつかのスパイクは、鋭縁を有してもよい一方、他は鈍縁であることを認識されたい。鈍縁の使用は、損傷を防止する助けとなる。自動接続システムを使用または操作する人物との接触を伴わないように設計される本実施形態では、チュービング接続を行なうために必要な力を最小限にするために、鋭縁が好ましい。
【0048】
図8Bおよび8Cは、チュービング先端が、連続的にスパイクを付すために、カセット54およびスパイク55a−55dに接近する、自動接続機構を示す。医療流体の4つの容器の先端を伴って示される本実施形態では、自動接続機構は、出口チュービング56a−56dを伴う4つの容器からの4つの個々に可動する先端57a−57dを有する。各先端は、スパイク55a−55dによってスパイクを付すための膜またはシール58a−58dを有する。チュービングおよび先端は、不動基盤60上の個々に可動する架台59a−59d内に搭載される。図19−21に関して後述のように、各架台のための別個の移動は、ソレノイド、空気シリンダ、電気モータ、または油圧式シリンダ等の好適なデバイスによって提供されてもよい。架台は、シャトル上または自動接続フレーム上のトラックに直接搭載されてもよい。本実施形態では、シャトルは、平行移動しないが、代わりに、各デバイスは、シャトルに対して説明された別個の前後移動を提供する。
【0049】
図8Bは、4つの先端57a−57dと、スパイク55a−55dに連続的に接近する架台59a−59dを示す。実際には、1つの先端が、1度に前進されてもよい。好ましくは、1つのスパイク接続のみが1度に行なわれる。図8Cに見られるように、上2つの先端57a、57bおよび膜58a、58bは、スパイク55a、55bによって、1度に1つずつ、スパイクが付されている。第3の先端56cは、第3のスパイク55cに接近しつつあり、第4のスパイクが後続するであろう。連続的にスパイクを付すことによって、各スパイクによる膜の穿通のために必要とされる総力は、1度に全部ではなく、4回に連続的に分散される。したがって、1つのシールを穿通するために十分な力として、約20−25ポンドの力のみを必要とするため、各架台を前進させるモータ、シリンダ、またはソレノイドは、より小さくてもよい。また、各架台は、その独自のチャネルまたは経路において、単一スパイクとのみ整合する必要があるため、スパイクを伴う架台の配列は、より容易となり得る。整合させる架台および経路が複数存在する場合であっても、平行移動シャトルを伴う実施形態における整合と同様である。
【0050】
上述の議論は、透析液流体の溶液と使い捨てカセットの入口ポートとの間の接続を自動的に行なうステップに焦点を当てた。類推によると、好適な幾何学形状を伴う同技術は、他の流体の容器と他の分注またはポンピングシステムどの間の滅菌接続を自動的に行なうために使用されてもよい。上述のように、使い捨てカセットは、カセットの上部または側部にその接続ポートを有してもよい。当然ながら、ポンピング機構の周縁上のポートの配置は、好ましくは、上部、底部、側部、あるいは上部、底部、または側部の縁上である。同原理は、心肺ポンプ、バイパスポンプ、または自動輸液機械装置等の輸血機械装置のための入口ポートに接続される、血液または代用血液のバッグ等の他の流体容器接続に適用される。また、さらに他の用途も可能である。
フィンガの操作およびキャップの除去
接続を行なう場合の重要な部分は、カセットまたは他のポンピングおよび分注機構のチュービングおよびポートの両方からのキャップの自動除去である。キャップの自動除去は、キャップならびに下にあるポートおよび接続が、容易に接触され得、したがって、キャップが手で除去される場合に汚染されるため、プロセスの重要な部分である。したがって、上述のように、特殊フィンガを使用して、製品容器のチュービング、およびポンピングまたは分注機械装置、典型的には、使い捨て透析カセットのポートの両方からのキャップを除去する。
【0051】
キャップ除去フィンガの一実施形態は、図9−14に開示される。図9は、左右面27a、27b、キャップ突き出し板27cを伴うフィンガ27の裏面斜視図を、図10は、表面斜視図を開示し、フィンガ27は、固定具27dによって組み立てられる。突き出し板27cは、ポケット27内に搭載され、左右面27a、27b内のスロット27eを介して進行する。一実施形態では、図12に示されるように、ねじれバネ27jは、フィンガ27内および突き出し板の頂面27f下に搭載され、突き出し板の前進に抵抗し、図9−10に示される静止位置に戻す。フィンガ27の上側は、拡張レール71を伴う第1のポケット73を含み、レールは、オリフィス72を形成する。オリフィス72は、上述のように、チュービングの通過を可能にするが、チュービングのためのキャップの直径よりも小さいさい。レール71の壁は、湾曲し、合わせて約290度の円、すなわち、キャップの周縁、または最外周縁内のキャップの部分である内周縁を形成する。本制約によって、上述のように、シャトルおよびチュービングが後退すると、レールは、キャップを保定可能となる。オリフィスは、好ましくは、少なくとも約180度であって、キャップを除去するためには290度が好適に機能することが実験によって見出されている。また、いくつかの角度的に離間された点等、より少ない被覆率を伴う他の構成も、チュービングからのチュービングキャップを剥離するために適切である。
【0052】
フィンガ27の上部は、左右面27a、27bの拡張レール74によって形成される、第2のポケット75を含む。本実施形態では、ポケット75は、レール74と、レール74により近接して離間する挿入体74aによって形成される。挿入体は、透析カセット等の分注またはポンピング機械装置からのキャップの中心部分を把持するために設計される。上述のように、フィンガ27は、分注またはポートキャップからの階段状の突出乳頭部を把持する。干渉は、キャップが挿入体間に保定されるように十分であるべきである。一実施形態では、挿入体74aは、フィンガ27が回転し、シャトルがポートまたは分注キャップの乳頭部内に平行移動すると、挿入体が、乳頭部分に食い込み、乳頭部分を把持するように、中心近傍では鋭利である。フィンガが逆回転し始めると、キャップは、拘束されたまま、ポートから引き離される。また、フィンガ27の上下から見えるのは、フィンガ内に含有される突き出し板27cである。フィンガ27は、切り欠き部分77を伴う、貫通シャフト路76を含む。シャフトは、シャフト路内を回転して、フィンガを回転させ、突き出し板を前進および後退させる。上述のように、キャップが除去され、ポケット73、75内に静止すると、すべてチュービングまたはポートに接触または汚染せずに、フィンガが回転して、突き出し板が前進し、キャップを突き出す。
【0053】
図11−12に見られるように、モータ28(図1参照)によって作動されるシャフト81、入力シャフト29、およびギア列80は、フィンガ27およびシャフト路76を通って延出する。また、各フィンガ27の内空間79内に含有されるのは、板バネ78であって、板バネは、ピン82に対して搭載される。フィンガ27は、シャフト81に対して相対的に回転可能であって、その進行は、ピン82によって制限される。板バネ78は、図12に見られるように、フィンガ27を後方位置に偏向させる。ピン82および板バネ78が前後に回転可能であるように、空間79内に十分な空隙が存在し、進行を制限するが、また、示されるように、カセットに向かう矢印Cの全般的方向におけるフィンガ27の回転を可能にする。シャトルが前進すると、フィンガ27は、示されるように、ピンによって可能となる回転を行なう。一実施形態では、これは、約5度である。これは、挿入体74aに、透析カセットポートからのポートキャップを把持させるために十分である。回転が生じると、シャトルは、フィンガ27の逆移動または回転を防止する。しかしながら、板バネ78は、フィンガの回転によって係合され、ここで、後方、すなわち、矢印Cの反対方向に、フィンガ27を回転させる。したがって、シャトルが反転し、カセットから離れて後方に平行移動すると、フィンガ27は、実際は、カセットから離れて回転する一方、第2のポケット75内のポートキャップを把持し、除去する。フィンガモータは、フィンガが下方に回転し、進路から外れると、ポートキャップを滑落させるであろう。上述のように、チュービングからのキャップは、第1のポケット73内に保持される。
【0054】
ここで、キャップは、チュービングおよびポートから除去され、チュービングとポートとの間の接続が行なわれる前に廃棄される。図13−14は、シャフト81を中心とするフィンが27の回転を示す。シャトルが、フィンガから離れるように後方に平行移動後、フィンガは、下方に回転し、キャップを除去してもよい。ギア列80からの出力シャフト81は、フィンガを回転させ、突き出し板27cを作動し、ポケット73、75からキャップを突き出す。ギア列80は、シャフト上にベベルギヤを含み、モータ28および入力シャフト29からの動力を90度転換し、出力シャフト81を回転させてもよい。また、代替例では、入力シャフト上のウォームおよび出力シャフト上のウォームギア、または交差ヘリカルギアも機能するであろう。
【0055】
フィンガ27が、水平線を越えて、矢印Dの方向に反時計回りに回転すると、突き出し板27cは、自動接続フレームの後壁21a上の突出またはカム表面85に遭遇するであろう。干渉によって、突き出し板27cの底縁をカム表面85に対して担持させ、フィンガ27を通して突き出し板27cを前進させるであろう。図14に見られるように、側部チャネル27eの上部および頂面27fと、上部突き出し板後方部分27gとを含む、突き出し板の上部は、ここでは、フィンガ27から突出する。頂面27fは、キャップをポケット73から突き出し、上部27hは、キャップをポケット75から突き出すであろう。フィンガは、療法の間、進路から外れた下方位置に残留するであろう。
自動接続デバイスの全体的操作
上述の説明は、操作の逐次的図を開示することによってさらに理解され得る。図15−17は、本議論をもたらし、図18は、自動接続プロセスの工程図版を提供する。図15Aおよび図15Bでは、チュービング43は、RFID筐体46およびRFIDタグ47とともに、中心領域26のシャトル24チャネル26a内に配置されている。比較のため、図15Aでは、使用済みおよび未使用チャネルに対応するフィンガとともに、占有チャネル26aに隣接する非占有チャネル24bが示される。シャトル24は、矢印Eの方向に前進され、フィンガ27を若干回転させるが、チャネル26aに対応するフィンガのみである。本若干の移動は、チャネル26a内のフィンガ27のレール71、74が若干前進しているという事実から明らかとなり得る。
【0056】
図15Bに見られるように、これは、矢印Fの方向およびフレーム後壁21aの全般的方向にフィンガ27を若干時計回りに回転させる。留意されるように、フィンガ27は、シャフト路76内のシャフト81を中心として回転する。図15Aに戻ると、若干の回転は、第2のポケット75が、ポートに対するポートキャップであって、シャトルチャネル26aに対応する、ポートキャップ34を捕捉するために十分なものである。これは、ポートキャップ34が拡張レール74間に捕捉されるように、上面図15Aに見られ得る。対照的に、隣接するチャネル24bでは、拡張レール71、74は、矢印Aの方向に前進しておらず、拡張レール74は、隣接するチャネル24b内のポートキャップ34に隣接しない。
【0057】
図16Aおよび16Bでは、シャトル24は、フレーム後壁21aから離れて、矢印Gの方向に後退している。チャネル24bではなく、チャネル26aでは、チュービングキャップ44は、チュービング先端45から除去されて、チュービングキャップは、フィンガ27のポケット73内に留保される。チャネル26a内のフィンガ27は、前図におけるように、後方に回転したままである。したがって、チャネル24b内の拡張レール71、74は、チャネル26a内のフィンガ27の拡張レール71、74から偏移される。ポートキャップ34は、チャネル24bではなく、チャネル26aにおいてのみ、フィンガ27のポケット75内に捕捉される。
【0058】
図17Aおよび17Bは、キャップを自動的の除去する際の次の2つのシーケンスを示す。シャフト81は、矢印Hの方向に反時計回りに回転し、また、フィンガ27も回転させる。回転の継続に伴って、突き出し板27cは、後壁21a上の突出またはカム表面85に遭遇し、矢印Jの方向に突き出し板27cをフィンガ27内で前進させ、突き出し板にポケット73、75からキャップ34a、44から押出させ、フィンガ27から突き出させる。キャップ除去後、かつ療法終了後、フィンガは、矢印Hの反対方向に、時計回りに回転され、その通常位置に戻ることが可能である。本実施形態では、キャップを伴わないフィンガを含む、全フィンガが回転する。他の実施形態では、伝動装置または他の電力は、チャネルに対応するフィンガのみチュービングと係合するように配列される。
【0059】
チュービングを自動的に接続する方法またはプロセスのための上述のプロセスは、図18の工程図によって、容易に視覚化される。第1のステップ91は、自動接続シャトル内にチュービングを配置することである。次いで、チュービングのキャップが、回転フィンガのポケット内に配置92される。チュービングは、ホルダまたはオクルダーによってチュービングを閉鎖93することによって把持される。次いで、シャトルは、短距離だけ前方に平行移動94し、シャトルとともに、チュービングおよびキャップを前方に移動させる。本移動は、チュービングキャップを保持するフィンガのみを若干回転させるために十分なものである。フィンガが回転すると、使い捨てカセット、またはチュービングに接続されるであろう他のディスペンサから、ポートキャップを捕捉95する。
【0060】
ここで、シャトルは、カセットから離れて、反対方向に平行移動96し、回転フィンガのポケット内に保持されるチュービングキャップを除去する。ここで、フィンガは、カセットから離れるように回転97し、ポートキャップを除去する。回転は、回転フィンガの上部が水平線を下回り、回転フィンガ上のキャップを滑落させるまで継続し得る。一実施形態では、回転フィンガは、自動接続フレームの後壁上のカム表面によって作動される、突き出し板を含む。キャップの除去後、シャトルは、前方に平行移動98し、カセットポート内のスパイクによって、チュービングシールを穿刺する。本プロセスは、いくつかの他の液体製品の容器からのチュービングに適用可能であって、製品のためのディスペンサまたはポンピングステーションに自動的に接続するために使用されてもよいことを理解されたい。
シャトルの平行移動のための代替機構
上述の説明は、電気モータおよび送りネジを使用して、シャトルを平行移動させる、すなわち、使い捨てカセットまたは他の送出または分注機構間で前後にシャトルを移動させる。多くの他の技術および機器が使用されてもよく、そのうちのいくつかは、図19−21に記載される。
【0061】
また、回転ナットおよび可動ボールを伴うボールネジを使用して、シャトルを前後に平行移動させてもよい。図19は、シャトル輸送システム110内のボールネジの使用を概略的に示す。シャトル輸送システムは、電気モータ111およびそのコントローラと、好適な伝動素子112と、モータからの電力を分割し、2つのボールネジ114を駆動させる電力分割器113と、を含む。各ボールネジは、電力分割器113からの好適なインターフェース115によって駆動される。また、各ボールネジは、シャフトまたはボールネジの回転、したがって、シャトル117の位置を感知するためのエンコーダ116を含んでもよい。シャトル117は、ボールネジ117の回転ナット114aに搭載される。ボールネジが回転すると、ナットは、シャトルに伴って、平行移動または前後に移動する。他のセンサを使用して、シャトル位置を判定してもよい。
【0062】
また、空気圧シリンダを使用して、空気圧式シャトル輸送システム120を示す図20に示されるように、シャトルを前後に移動させてもよい。空気は、建物用コンプレッサまたは工場空気から供給されてもよい。しかしながら、自宅用の場合、小型空気ポンプ121と、好適な圧力調整器122およびコントローラとが使用されてもよい。本実施形態では、シャトル127は、空気シリンダ123の可動またはロッド部分124上に搭載される。シリンダは、シリンダ内に内部伸縮バネ125を伴う単動式であってもよく、または伸縮バネが必要ではない複動式シリンダであってもよい。空気シリンダ123は、定常運動のために、自動接続フレーム上に搭載される、架台126上に搭載される。また、空気圧式駆動システムは、iシャトルおよびフレームに搭載される線形変換器128を含み、シャトルの位置をシステムコントローラに信号送信する、線形位置センサを含む。図20の下方の図に見られるように、空気圧式システムは、空気シリンダロッド124によって移動されるシャトル127を伴う、記載されるような空気圧式推進システムを含んでもよい。また、空気シリンダと並行して、搭載ロッドまたはスライダ129を使用してもよい。
【0063】
また、シャトルを平行移動させる際に伴う距離が比較的短いため、ソレノイド、好ましくは、電気作動式を使用して、シャトルを平行移動させることも適切である。図21は、ソレノイドがソレノイド輸送システム130内で使用される用途を示す。当然ながら、2つ以上のソレノイドが使用されてもよいが、Guardian Electric Mfg. Co.(Woodstock、Illinois、U.S.A.)製多位置モデル等、2つ以上の位置変更を伴うソレノイドが現在市販されている。本願では、シャトル137は、ソレノイド132のプランジャ136上に搭載される。ソレノイドは、コントローラ131によって、駆動および制御される。加えて、シャトルの位置は、シャトル上の少なくとも1つのホール効果センサ138およびシャトルの経路に沿って適切な場所に搭載される磁石135によって観察される。また、他の位置センサが使用されてもよい。加えて、シャトルは、空気圧式シャトル輸送システムに対して上述のソレノイドのプランジャに加えて、プランジャの平面上方または下方において、進行のためのスライダ134を使用してもよい。
【0064】
加えて、油圧式等、他の機械または流体動力デバイスが、シャトル輸送のために使用されてもよい。油圧式は、油圧油のある側面のため、典型的には、医療デバイスに対してしようされない。しかしながら、自動接続デバイスは、比較的低電力を使用しており、Dow Chemical製UCONTM FDC300および400グレード等の非毒性油圧油が現在市販されている。これらの流体は、食品との偶発的な接触が許容されており、安全に使用され得る。シャトル輸送のための油圧式システムは、少なくとも、モータと、油圧式ポンプと、油圧油のためのリザーバと、シャトルの双方向移動のための制御ラインおよびシステムと、を含むであろう。
【0065】
また、自動接続および付随機器を操作するための制御システムは、図22および23に開示される。透析機械装置、使い捨てカセット、および自動接続デバイスのための制御システム140は、図22に示される。患者自動接続コントローラ143は、外部インターフェースを伴う使い捨てカセットコントローラ142と通信する。自動接続コントローラ143は、外部患者自動接続インターフェースを介して、透析機械装置コントローラ141と通信する。透析機械装置コントローラ141は、マイクロコントローラ141aと、コントローラ141を操作するためのコンピュータプログラムを格納するメモリ141bと、を含む。透析溶液144の個々の容器またはバッグは、一意の識別子が供給され、これらの識別子が読み取られると、容器は、透析機械装置コントローラ141、使い捨てカセットコントローラ142、または上述のように、自動接続コントローラ143と連動していると言える。また、システムコントローラは、他のインターフェースおよび接続を有してもよい。上述のように、一意の識別子は、多くの方法、例えば、透析機械装置コントローラに操作可能に接続されるカメラ145によって、読み取られてもよい。
【0066】
また、本明細書で使用されるカメラとは、可視/IRカメラ、電荷結合素子(CCD)、CMOS画像センサまたはカメラ、光学センサ、あるいは他の好適なデバイスを含むが、それらに限定されない、マーク等を読み取り可能な関連光学素子を含む。可視光で撮像するためのカメラは、容易に利用不可能である。また、赤外線(熱)画像を捕捉するカメラも利用不可能である。近年、Fluke Thermography and Fluke Corp.(Everett、Washington、USA)製等の可視および赤外線放射を使用した合成画像を生成可能なカメラも利用可能である。また、温度表示を含む画像は、容器が、例えば、体温まで温められた時および場合をユーザに通知するという意味で補助となり得る。また、カメラを使用して、コネクタが損傷されておらず、自動接続デバイスのシャトルまたは他の部分内に正しく装填されていることを検証してもよい。コネクタが損傷されている場合、またはマーキングが容器の予想されるマーキングと一致しない場合、透析システムまたは自動接続デバイスのための機械装置コントローラは、警告を発する、または続行を拒否してもよい。また、一実施形態では、カメラを使用して、容器の内容物の色、または他の容易に判定可能な光学性質を検査してもよく、色または他の性質の検査が、予測される結果をもたらさない場合、システムは、警告を発する、または続行を拒否してもよい。
【0067】
自動接続制御システム150は、図23に描写される。自動接続システムは、マイクロコントローラ151によって制御される。非常に多くのマイクロコントローラおよびマイクロプロセッサコントローラが、本願のために好適である。実際、特定用途向け集積コントローラ(ASIC)さえ使用されもよい。我々は、STMicroelectronics(Austin、Texas)製マイクロコントローラが優れた機能を果たすことを見出している。良好な他のマイクロコントローラは、Freescale Corp.(Austin、Texas)、またはAtmel Corp.(San Jose、California)製のものを含む。また、他の好適なマイクロコントローラが使用されてもよい。
【0068】
システムコントローラ151は、上述のように、非常に多くの他のデバイスおよび自動接続システムの一部と通信する。システムコントローラ151は、RFIDリーダ基板152、バーコードリーダ基板153(供給される場合)、シャトルコントローラ154a、シャトル位置センサ154b、フィンガコントローラ155a、およびフィンガ位置センサ155bと通信する。加えて、システムコントローラ151は、オクルダーコントローラ156aおよびオクルダー位置センサ156bと通信し、制御を行なう。いくつかのシステムでは、単一オクルダーのみ使用される。
【0069】
加えて、いくつかの付加的センサ157が、自動接続システムの実施形態において使用される。例えば、温度センサは、チュービングまたはシャトルチャネルの近傍で使用して、自動的に接続される透析流体または他の液体に関連する温度を検出してもよい。また、温度センサは、シャトル送りネジまたは他の輸送手段の近傍で使用して、過熱が生じないことを保証してもよい。空気圧シリンダまたは空気ソレノイドが使用される場合、少なくとも1つまたは2つの圧力センサを使用して、入口空気または気圧を供給するために使用される空気ポンプ出口の状態を確認すべきである。油圧油が使用される場合、圧力センサを使用して、システム内の油圧油の圧力を監視および調節すべきである。
【0070】
また、流速センサ158を含むことが望ましい。例えば、非接触光学流速センサを使用して、チュービング内の流体の反射または屈折の分単位の変化に基づいて、チュービング内の透析流体の流速を検出してもよい。2ポートデルタp圧力センサの単一圧力センサをチュービングに沿って使用して、ポート間の圧力の変化または圧力降下によって、流速を検出してもよい。また、実際の回転接触型流速センサが使用されてもよい。最後に、また、pHまたは伝導率等の溶液の特殊特性を測定するための流体センサ159を追加することは賢明であり得る。流体センサは、好ましくは、適切な特性の正確な測定のために、流動内に直接配置される。
【0071】
図24−25は、異なる実施形態における、自動接続デバイスの自動識別特徴の操作方法を示す工程図である。図24に描写される一実施形態では、シャトル上の各チャネルまたは位置内にRFIDリーダが存在する。また、透析液流体等の各流体の容器からのチュービング上にRFIDタグが存在する。ユーザは、一意の識別子を伴うRFIDタグを患者に投与される流体を含有する流体容器からのチュービング上に配置160する。次いで、チュービングおよびRFIDタグが、シャトル上の別個のチャネルまたは位置内に配置161される。次いで、各位置におけるリーダは、1つ以上の容器からのチュービング上のRFIDタグを読み取る162。容器に対応するRFIDタグが適切な場所にあると、コンピュータが認識する場合、操作は継続163する。1つ以上の容器が適切な位置にない場合、続行する前に、ユーザに警告またはアラームが発せられる164。
【0072】
図25に描写される別の実施形態では、自動接続デバイスに操作可能に接続される単一RFIDリーダまたはバーコードリーダのみ存在する。本実施形態では、各流体の容器のための一意の識別子は、チュービング上あるいは容器またはバッグ本体上に配置165されてもよい。次いで、ユーザは、バーコードリーダまたはRFIDリーダを使用して、RFIDチップあるいはバーコード標識またはラベルである、各容器またはチュービング上の一意の識別子を読み取る166。コンピュータおよびコンピュータプログラムは、容器に関する情報を受け取り、次いで、位置に関してユーザに命令167して、容器のそれぞれのチュービングを配置させる。次いで、ユーザは、命令に従って、シャトル上の命令された位置内に容器のからのチュービングを配置168する。次いで、ユーザは、自動接続デバイスを操作169し、患者に流体を投与する。
【0073】
本明細書に記載される現在好ましい実施形態に対する種々の変更および修正は、当業者には明白となるであろうことを理解されたい。例えば、自動接続機械装置は、腹膜透析機械装置内で使用されるポンピングカセットと併用されてもよい。また、自動接続機械装置の実施形態は、血液透析システム、自動腹膜透析、および持続的流量腹膜透析システムのためのカセットに使用されてもよい。これらのカセットは、自動接続機械装置と併用される、任意の好適なポンプまたは他の流体輸送機構を採用してもよい。そのような変更および修正は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を低減することなく、行なうことが可能である。そのような変更および修正は、添付の請求項に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給自動接続を有する医療用流体機械装置であって、該機械装置は、
カセット受容壁と、
該壁によりしっかりと保持される使い捨てカセットであって、該使い捨てカセットは、ポートスパイクを含み、該ポートスパイクは、スパイクキャップと適合される、使い捨てカセットと、
供給チューブの一部を保持するように寸法設定されたチャネルを含み、供給チューブを解放可能に保持する固定具を含む平行移動シャトルと、
該平行移動シャトルの該チャネルの固定具によって解放可能に保持されるように構成された端部を含む供給チューブであって、該供給チューブは、供給チューブキャップと適合される、供給チューブと、
該使い捨てカセットと該平行移動シャトルとの間に選択的に位置決定可能なキャップ除去デバイスと、
コントローラと
を備え、該コントローラは、(i)該供給チューブ端部において該供給チューブを保持するシャトルを該使い捨てカセットに向けて平行移動することにより、該キャップ除去デバイスが、該使い捨てカセットに向けて同様に動かされ、該使い捨てカセットのキャップは、係合される、ことと、(ii)該供給チューブ端部において該供給チューブを保持するシャトルを該使い捨てカセットおよび該キャップ除去デバイスから離れるように平行移動することにより、該キャップ除去デバイスが、該ポートスパイクから該スパイクキャップを引っ張り、該チューブ端部から該チューブキャップを引っ張ることが可能である、ことと、(iii)該シャトルを該使い捨てカセットに向けて戻すように平行移動して、該カセットのポートスパイクが該チューブ端部を穿刺することを可能にすることと
を行うようにプログラムされている、医療用流体機械装置。
【請求項2】
前記カセット受容壁は、前記使い捨てカセットをしっかりと保持するように寸法設定され、形成された空洞を含む、請求項1に記載の医療用流体機械装置。
【請求項3】
前記シャトルを平行移動するように、該シャトルに連結されたモータ駆動されるボールネジを含む、請求項1に記載の医療用流体機械装置。
【請求項4】
前記チューブ端部は、前記使い捨てカセットの流体ポートスパイクによって穿刺されるように位置決定および配列されるシールを含む、請求項1に記載の医療用流体機械装置。
【請求項5】
前記チューブ端部は、読み手によって読まれるように位置決定および配列される識別子タグを含む、請求項1に記載の医療用流体機械装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記シャトルと前記使い捨てカセットとの間から外に前記キャップ除去デバイスを動かすことにより、(iii)において、該シャトルが該カセットに向かって戻るように平行移動されることが可能であるようにさらにプログラムされている、請求項1に記載の医療用流体機械装置。
【請求項7】
前記シャトルおよび前記キャップ除去デバイスが、別個にモータ駆動される、請求項6に記載の医療用流体機械装置。
【請求項8】
前記キャップ除去デバイスが、前記シャトルと前記使い捨てカセットとの間から外に回転されることにより、(iii)において、該シャトルが該カセットに向かって戻るように平行移動されることが可能であるように構成され、配列される、請求項6に記載の医療用流体機械装置。
【請求項9】
(i)において、前記キャップ除去デバイスが、前記シャトルによって動かされて、前記スパイクキャップの前記ポートスパイクからの除去のために該スパイクキャップに当接し、該スパイクキャップを固定するように位置決定され、配列される、請求項1に記載の医療用流体機械装置。
【請求項10】
前記チューブキャップおよび前記キャップ除去デバイスは、該チューブキャップが、該チューブキャップの前記供給チューブ端部からの除去のために該キャップ除去デバイス上にロックするように構成される、請求項1に記載の医療用流体機械装置。
【請求項11】
前記チューブキャップが、前記キャップ除去デバイス上の前記供給チューブ端部から除去され、その後、該キャップ除去デバイスは、前記使い捨てカセットから前記スパイクキャップを引っ張るように構成され、その結果、(iii)において前記シャトルは、該カセットに向かって戻るように平行移動されることが可能である、請求項1に記載の医療用流体機械装置。
【請求項12】
前記使い捨てカセットは、複数の流体ポートスパイクを含み、前記シャトルは、複数のチャネルを含み、各チャネルは、複数の供給チューブのうちの1つの一部を保持するように寸法決定され、前記供給チューブ端部のうちの1つを解放可能に保持する固定具を含み、該複数の供給チューブは、それぞれ、前記平行移動シャトルのチャネルのうちの1つの固定具によって解放可能に保持されるように構成される端部を含み、各供給チューブは、供給チューブキャップと適合され、前記コントローラは、流体ポートスパイクおよび供給チューブ端部をそれぞれ嵌合するために(i)、(ii)および(iii)を行うようにプログラムされる、請求項1に記載の医療用流体機械装置。
【請求項13】
前記コントローラは、流体ポートスパイクおよび供給チューブ端部をそれぞれ順次嵌合するために(i)、(ii)および(iii)を行うようにプログラムされる、請求項12に記載の医療用流体機械装置。
【請求項14】
前記キャップ除去デバイスは、複数のフィンガを含み、各フィンガは、特定の嵌合流体ポートスパイクおよび供給チューブ端部専用である、請求項12に記載の医療用流体機械装置。
【請求項15】
供給自動接続を有する医療用流体機械装置であって、該機械装置は、
ポートスパイクを含む使い捨てカセットであって、該ポートスパイクは、スパイクキャップと適合される、使い捨てカセットと、
供給チューブ端部を解放可能に保持する固定具を含む平行移動シャトルと、
該平行移動シャトルの該チャネルの固定具によって解放可能に保持されるように構成された端部を含む供給チューブであって、該供給チューブは、供給チューブキャップと適合される、供給チューブと、
該使い捨てカセットと該平行移動シャトルとの間に選択的に位置決定可能なキャップ除去デバイスと、
コントローラと
を備え、該コントローラは、(i)該シャトルを該使い捨てカセットに向けて平行移動することにより、該キャップ除去デバイスが、該使い捨てカセットに向けて同様に動かされ、該使い捨てカセットのキャップは、係合される、ことと、(ii)該シャトルを該使い捨てカセットおよび該キャップ除去デバイスから離れるように平行移動することにより、該キャップ除去デバイスが、該ポートスパイクから該スパイクキャップを引っ張り、該チューブ端部から該チューブキャップを引っ張ることが可能である、ことと、(iii)該キャップ除去デバイスを、該シャトルと該使い捨てカセットとの間から動かすことと、(iv)該シャトルを該使い捨てカセットに向けて戻すように平行移動して、該カセットのポートスパイクが該チューブ端部を穿刺することを可能にすることと
を行うようにプログラムされている、医療用流体機械装置。
【請求項16】
(iii)において、前記シャトルと前記使い捨てカセットとの間から外に回転されるように、前記キャップ除去デバイスが回転されるように構成される、請求項15に記載の医療用流体機械装置。
【請求項17】
前記シャトルと前記キャップ除去デバイスとを動かすように位置決定され、配列される第1および第2のモータを含む、請求項15に記載の医療用流体機械装置。
【請求項18】
前記使い捨てカセットのスパイクキャップは、前記キャップ除去デバイスによって係合される、請求項15に記載の医療用流体機械装置。
【請求項19】
(i)において、前記シャトルの運動が前記キャップ除去デバイスを回転させる、請求項15に記載の医療用流体機械装置。
【請求項20】
医療用流体機械装置自動接続方法であって、該方法は、
チューブキャップに適合されるチューブを、使い捨てカセットに向けて自動的に動かすことであって、該使い捨てカセットは、スパイクキャップに適合されたスパイクを含む、ことであって、該チューブを動かすことは、キャップ除去デバイスを、該使い捨てカセットに向けて同様に動かす、ことと、
該キャップ除去デバイスが、該スパイクから該スパイクキャップを除去することを可能にするように、該チューブを該使い捨てカセットから離れるように自動的に動かすことであって、該チューブを該使い捨てカセットから離れるように動かすことは、該キャップ除去デバイスに、該チューブキャップを、該キャップから除去させる、ことと、 該チューブと該カセットとの間から外に該キャップ除去デバイスを自動的に動かすことと、
該スパイクがチュービングを穿刺して、該チューブと該カセットとのあいだの流体連絡を可能にするように該チュービングを自動的に動かすことと
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−189196(P2011−189196A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−147666(P2011−147666)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【分割の表示】特願2010−515244(P2010−515244)の分割
【原出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】