使い捨てライナを有するサンプルリザーバキット
液体サンプル又は液体試薬のリザーバキットであって、該キットは、透明の透き通ったプラスチック材料で作られた再利用可能な基底部及び使い捨てライナを利用する。目盛線は、使い捨て可能なリザーバ基底部内の鉢部の側壁面上に配置されると共に、再利用可能なリザーバ基底部内部に配された使い捨てライナ内の液体体積を測定するよう目盛り付けられる。透明の使い捨てライナの透明度により、再利用可能な基底部内の鉢部の側壁上の液体体積の目盛線が使い捨てライナを通して観察可能となる。使い捨てライナは、ライナがカバーとしても利用可能であるよう構成される。使い捨てライナの配置は、堆積したライナがきっちりとした入れ子状態となることを促進し、これにより輸送と同様に研究室の作業台上における保存が促進される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用及び研究室用の製品に関し、特に液体サンプル又は液体試薬のリザーバに関する。
【背景技術】
【0002】
液体サンプル又は液体試薬のリザーバは一般に、医療用及び研究室用の用途に用いられる。リザーバは研究室の作業台の平らなデッキ面に位置し、典型的に研究室の作業者により用いられる液体サンプル又は試薬を直接収容及び支持する鉢部を有する。いくつかのリザーバキットは、使い捨てのインサート又はライナを用いるものもある。鉢部の大きさは頻繁に、シングルチャネルピペットだけでなくマルチチャネルピペットを用いるリザーバの使用に適応させるために選択される。したがって、リザーバ及びその鉢部を所望の通り延長し、8チャネル又は12チャネルピペットを用いる使用に適応させることは、稀なことではない。また典型的に、リザーバの鉢部は、底面に沿った細い長手方向の溝部をリザーバの中心線に有し、これにより死容積を最小にする。溝部は、死容積をさらに最小にするため、単一の最下点にまで傾斜されていることもあるが、システムがマルチチャネルの使用のために設計されている場合これは好ましくない。リザーバの側壁は頻繁に、液体体積の目盛線を有している。この目盛線は側壁内に形成されてもよいし、側壁上に印刷されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
使い捨てのリザーバライナを使用することにより、新たに作業を開始する前にリザーバを洗浄及び/又は無菌にするという必要性が排除可能となる。周知のライナは、不透明な真空成形されたプラスチックで作られており、一般に、使い捨てリザーバの基底部の輪郭に従う鉢部を有する。典型的に、ライナは周縁部フランジを有し、このフランジは鉢部の上端部周囲で外側へ延出する。この形状で、このような使い捨てライナは支持基底部と共に用いられなければならない。これは、ライナが基底部の支持なしで平面上に垂直に直立することができないためである。それにも関わらず、多数の研究室の作業者は、リザーバキットを使い捨てライナと共に用いることは多くの作業にとって非常に役立つことを見出している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、使い捨てライナを採用する改良された液体サンプル又は液体試薬のリザーバキット、及び該キットの使用及び包装方法に向けたものである。
【0005】
ある態様において、本発明は、研究室用の液体サンプル又は試薬のキットに向けたものである。このキットは、延長された鉢部を備える少なくとも一つの再利用可能なリザーバ基底部と、及び透明のプラスチック材料で作られた使い捨てライナを有する。透明の使い捨てライナは鉢部を有し、これは再利用可能なリザーバ基底部内の鉢部の輪郭に厳密に従う形状である。再利用可能なリザーバ基底部、またその鉢部は特に、不透明の材料で作られることが好ましい。別個の液体体積の目盛線は、再利用可能なリザーバ基底部内の鉢部の側壁面上に配される。これらの目盛線は、リザーバ基底部内に置かれた使い捨てライナ内の液体体積を測定するために付けられる。ライナが基底部内の適所に置かれた場合、使い捨てライナが透明であるため、再利用可能な基底部内の鉢部の側壁上の液体体積の目盛線が使い捨てライナを介して観察される。
【0006】
好適には、使い捨てライナはライナの鉢部の上部から外側へ延出する周縁部フランジを有する。フランジは、使い捨てライナが基底部内の適所に置かれた場合、再利用可能な基底部内の鉢部の上方にあるリム上に置かれるよう設計されている。このように、使い捨てライナは再利用可能な基底部内部に、ライナの鉢部と基底部の鉢部の間に僅かな隙間を有して掛かる。使い捨てライナがリザーバ基底部に適切に関連して掛かった場合、使い捨てライナ内の液体(例:水)による光の反射により、液体上面より下方のリザーバ基底部の鉢部側壁部上の液体体積の目盛線の視界が遮断される。このように、使用者の視界は多様な視角によって遮断される。この理由のため、再利用可能な基底部の鉢部の側壁上にある、例えば20ml、40ml、60ml、80ml、100ml等の液体体積の測定器は、関連する目盛線の僅かに上部に配されることが好ましい。
【0007】
リザーバライナは、透明の光沢のあるプラスチック材料、例えば透明の射出成形ポリスチレン等で作られることが好ましい。また、再利用可能な基底部の鉢部はサテン仕上げされた面であることも好ましい。これにより、研究室の作業者は、光沢のある面を有する透明の使い捨てライナが再利用可能なリザーバ基底部内に配置されているか否かに容易に気づくことができる。
【0008】
液体サンプル又は試薬の使い捨てライナからの注入を促進するため、好適な使い捨てライナは注入口を有する。この注入口は端壁及び側壁の上端部の交差部に形成されている。さらに、リザーバ基底部の上部リムはその鉢部を包囲し、また上部リムは一対の対向するフィンガーアクセス(finger access)開口部を対向する長手方向の端部に沿って備える。これにより、使用者は、使い捨てライナの対向する長手方向の端部を差し支えなく掴んで、基底部からライナを持ち上げ、液体試薬又はサンプルを注入可能となる。もちろん、液体試薬又はサンプルはまた、ピペットを用いる通常の操作においても効率的に分配可能である。
【0009】
本発明の好適な実施形態において、リザーバ基底部の上部リムは、上部リム上の適所に使い捨てライナを固定する手段を含む。この手段は例えば隆起した縁部であって、リムの周縁部の略周辺で延出している。通常の使用において、使い捨てライナが再利用可能な基底部内の適所に置かれる場合、ライナの鉢部の上部から外側に延出する周縁部フランジは、周縁部フランジを略包囲する隆起した縁部を有する基底部の上部リム上に置かれる。この特徴は、これから説明する通り、第2の使い捨てライナが反転すると共にカバーとして利用される場合特に有用である。
【0010】
本発明の他の態様は、二つの使い捨てライナが再利用可能なリザーバ基底部に関連して用いられるサンプルリザーバキットの使用方法に向けたものである。この使い捨てライナの一つはカバーとして使用されている。上述の通り、第1の使い捨てライナは再利用可能な基底部内に配置され、液体を収容する状態になる。これにより、第1の使い捨てライナの周縁部フランジは、再利用可能な基底部の上部リム上に置かれる。再利用可能な基底部上の固定手段は、第1の使い捨てライナの周縁部フランジと係合する。例えば、第1の使い捨てライナは、再利用可能な基底部のリム上に置かれる。この再利用可能な基底部のリムは、再利用可能な基底部上に隆起した縁部を備え、この隆起した縁部は、第1の使い捨てライナの周縁部フランジの略周囲で延出する。第1の使い捨てライナは適所にある状態で、液体サンプル又は試薬で満たされ、通常の手順で研究室の作業者によって使用される。作業者が所望であれば、作業者は第2の使い捨てライナを液体サンプル又は試薬を含む第1の使い捨てライナのカバーとして配置する。こうするために、第2の使い捨てライナは反転され、第1のライナの周縁部フランジ上に配置されるので、第2の使い捨てライナの周縁部フランジは第1の使い捨てライナの周縁部フランジ上に置かれる。また、第2の使い捨てライナの周縁部フランジも再利用可能な基底部上の固定手段により係合する。例えば好適な実施形態において、再利用可能な基底部上の隆起した縁部もまた、第2の使い捨てライナの周縁部フランジの略周囲で延出し、これにより、第2の使い捨てライナ(例:カバー)が基底部の上部リム上で適所に固定される。研究室の作業者が液体サンプル又は試薬の利用を望む場合、作業者は単に、カバーとしての役割を果たす第2の使い捨てライナを除去するのみでよい。この方法は、多くの状況で有用であると同時に、無菌の用途において特に有用である。無菌の用途における使用をさらに促進するため、作業の開始前に、使用前に周縁部フランジの上面に作られた剥離可能なフィルムを夫々有する無菌の使い捨てライナをもたらすことが望ましい。
【0011】
本発明の他の態様において、使い捨てライナの形状は、堆積されたライナをきっちりと入れ子にすることを促進するように設計される。剥離可能なフィルムを有する無菌の使い捨てライナが必要とされる無菌の用途において、入れ子にすることは不可能である。しかし他の用途において、使い捨てライナをきっちりと入れ子にすることにより、効率的な輸送、保存及び使用が促進される。例えば、研究室の作業台上のスペースは大抵非常に価値が高いものであるが、それにも関わらず、研究室の作業者が作業台で作業をする際、ライナが作業者に容易に利用可能であることが望まれる。したがって、使い捨てライナの設計はきっちりとした入れ子状態を促進して、さらに個々のライナを堆積から難なく取り出し可能であることを確実にすることが好ましい。きっちりとした入れ子状態の促進と同様に、個々のライナの入れ子状態の堆積からの解放可能性を促進するため、使い捨てライナの端壁及び長手方向の側壁は、少なくとも約40度の抜き勾配を有する必要がある。それでも、本発明のこの態様に従ってさらなる手段がもたらされ、入れ子状態の堆積物から個々のライナを解放することを促進する。このような手段は、隆起したビーズ等の機械的手段を有し、このビーズはライナの各隅角部の周縁部フランジの下面に形成される。一方このような手段は、使い捨てライナを形成するプラスチック材料に加えられる、或いは使い捨てライナの表面に被覆される剥離剤で構成されることができる。好適には、使い捨てライナの構造において、完全な入れ子状態の堆積物の密度は、全堆積物の容積当たりプラスチックが60容積%以上となる。
【0012】
本発明の他の態様は、使い捨てライナの入れ子状態の堆積物の包装に取り組む。本発明のこの態様において、ダンボールで作られたスリーブは入れ子になったライナの反転した堆積物を保持する。好ましくは、スリーブは底壁から上方へ延出する一対の端壁及び一対の側壁を備える。挿入された隔離部(或いは仮底)は、リザーバライナの反転した堆積物に支持をもたらす。各側壁は開口領域を有し、この開口領域はスリーブの上部から底壁の上方に配された位置へと延出する。これにより、挿入された隔離部に堆積した1又はそれ以上のライナを、スリーブから手動で取り出す方法がもたらされる。挿入された隔離部は、ダンボール或いは発砲体のテント状の構造体であることが好ましく、スリーブ内に配置されスリーブの基底部又は底壁からライナの堆積物を下ろす。挿入された隔離部は、堆積物の底部にあるライナを、積荷をリザーバの鉢部の先端に移動することによって輸送中に受ける損傷から保護する。挿入された隔離部は、ライナの堆積物の底部にスリーブの開口領域をもたらすというさらなる機能を果たし、これにより堆積された最後のライナは差し支えなく利用可能となる。好適には、スリーブ上を摺動するカバーももたらされる。このような構成は非常に小型で、研究室の作業台上で使用するのに都合がよい。また輸送目的で、マスターパックボックス(master pack box)は様々なスリーブを収容可能であり、また、少なくとも一つの再利用可能なリザーバ基底部を収容する。
【0013】
本発明の他の態様は、使い捨てライナのためのディスペンサに関連し、これは固定された面、例えば研究室の作業台近傍の壁部等に据え付けられるのが好ましい。好適なディスペンサは、細長い開口部を有する台部を備えた支持フレームを有する。台部は入れ子になったライナの堆積物を、好ましくは上記のダンボールのスリーブ内に静止した状態で保持する。この時、スリーブの開口部は、台部の開口部のように下方に面している。最下のライナの周縁部フランジは支持台部上に置かれるので、最下のライナ上の鉢部は、スリーブ及び台部の開口部を介して下方に延出すると共に、ディスペンサの下方に露出される。研究室の作業者が使い捨てライナの分配を所望する場合、作業者は対向する最下のライナの長手方向の側壁を手動で掴む。側壁は内側に押圧されると、最下のライナの上部にあるライナの堆積物はディスペンサ内部に上昇され、最下のライナは可塑性を有する狭窄部になる。そして最下のライナは容易にディスペンサから下方に分配される。好適には、埃よけカバーがもたらされ、ディスペンサ内の使い捨てライナのスリーブ上で適合する。また、一度に一つのライナを解放するための脱進機構がもたらされることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好適な実施形態に関連する液体サンプル又は液体試薬のリザーバキットの分解斜視図である。
【図2】内部に使い捨てライナが配置されている、再利用可能なリザーバの基底部の斜視図である。使い捨てライナ及びリザーバの基底部の両方は図1に示される本発明の実施形態に関連して構成されている。
【図3】図2に示される再利用可能なリザーバの基底部の断面図であって、図2に示される使い捨てライナは基底部から持ち上げられている。断面は図4と同じ平面に沿っている。
【図4】図2の4−4線に沿った、内部に関連するライナが配置されている再利用可能なリザーバの基底部の断面図である。
【図5】図2の5−5線に沿った、内部に使い捨てライナが配置された図2に示される再利用可能なリザーバの基底部の縦断面図である。
【図6】6−6線と表現された図5内の領域の詳細図であって、使い捨てライナの周縁部フランジと再利用可能なリザーバ基底部の上部リムとの間の関係を詳細に説明するものである。
【図7】図6と同様の詳細図であるが、リザーバ基底部の上部リム及び使い捨てライナの周縁部フランジの構成のその他の実施形態を示すものである。
【図8】図4に示される図と同様の概略断面図であって、使い捨てライナ内に収容される液体サンプル又は液体試薬を有するリザーバキットを説明するものである。
【図9】図8と同様の図であって、使い捨てライナの鉢部の底部に沿って延出する、細い長手方向の溝部から液体を吸引するのに用いられる吸引ピペットを説明するものである。
【図10】図8の10−10線によって定められる領域の詳細図であって、使い捨てライナ内に収容される液体による光の反射によって、液体の上面の下方の体積の目盛線の視界がリザーバキットを使用する作業者の視界から遮断されている様子を説明するものである。
【図11】図8と同様の断面図であるが、キットの隅角部を介した断面図である。
【図12】隅角部の底面から見た、本発明の実施形態に関連する使い捨てライナの隅角部の一部の詳細図である。
【図13】液体サンプル又は試薬を使い捨てライナから注入するために、再利用可能な基底部から使い捨てライナを取り出す様子を説明する概略図である。
【図14】本発明の他の態様を説明する斜視図であって、第2の使い捨てライナが図1乃至13に示されるキットのカバーとして利用されている。
【図15】図14の15−15線に沿った断面図である。
【図16】本発明の第2の好適な実施形態に関連する液体サンプル又は液体試薬のリザーバキットの分解斜視図である。
【図17】図16に示されるリザーバ基底部の斜視図であって、内部に配される関連する使い捨てライナを有している。
【図18】図17の18−18線に沿った断面図である。
【図19】図17の19−19線に沿った縦断面図である。
【図20】再利用可能な基底部の上部リムのカバーとしての第1の使い捨てライナ及び第2の使い捨てライナを固定するための他の方法を説明する図である。
【図21】再利用可能な基底部の上部リムのカバーとしての第1の使い捨てライナ及び第2の使い捨てライナを固定するための他の方法を説明する図である。
【図22】再利用可能な基底部の上部リムのカバーとしての第1の使い捨てライナ及び第2の使い捨てライナを固定するための他の方法を説明する図である。
【図23】無菌の使い捨てライナが剥離可能なシール部で覆われている実施形態を説明する図である。
【図24】本発明の好適な実施形態に関連して構成された使い捨てライナの入れ子になった堆積物を説明する図である。
【図25】ビーズを説明する図であって、このビーズは、周縁部フランジと端壁及び側壁夫々の交差部において使い捨てライナの表面から下方へ延出し、これにより個々の使い捨てライナを図24に示す入れ子になったライナの堆積物からの解放を促進する。
【図26】入れ子になった使い捨てライナ及び再利用可能なリザーバ基底部の好適な包装方法を説明する図である。
【図27】入れ子になった使い捨てライナの反転した堆積物のための好適な包装及び分配スリーブを説明する図である。
【図28】入れ子になった使い捨てライナの反転した堆積物のための好適な包装及び分配スリーブを説明する図である。
【図29】入れ子になった使い捨てライナの反転した堆積物のための好適な包装及び分配スリーブを説明する図である。
【図30】使い捨てライナのためのディスペンサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1乃至15は、液体サンプル又は液体試薬のリザーバキット(1)の構造を、本発明の第1の好適な実施形態に関連して説明するものである。キットはリザーバ基底部(12)及び第1の使い捨てライナ(14)及び第2の使い捨てライナ(16)を有する。ライナ(14)及び(16)は同一である。例えば図2に示される通り、再利用可能なリザーバ基底部(12)内に使い捨てライナ(14)が配置された時、キット(10)が液体サンプル又は液体試薬を使い捨てライナ(14)内に保持するよう設計される。ライナ(14)の限度容量は相当量の過剰充填に十分対処できるが、キット(10)は100mlまでの液体サンプル又は試薬を保持するよう設計されている。ライナ(16)は図示の通り、所望であれば任意のカバーとして利用されることが可能である。
【0016】
リザーバ基底部(12)は鉢部(18)を有し、鉢部(18)に使い捨てライナ(14)が配される。使い捨てライナ(14)の輪郭は、再利用可能な基底部(12)の鉢部(18)の形状及び輪郭に厳密に従う。再利用可能な基底部(12)の外側側壁(22)及び端壁(20)は、研究室の作業台等の平面上で、リザーバ基底部(12)及びその鉢部(18)に支持をもたらす。リザーバ基底部(12)は様々な材料で作られることが可能であるが、基底部(12)は、不透明色である、比較的剛性を有する射出成形されたプラスチックで作られることが好ましい。このプラスチックは、例えば白色のポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリスチレン等である。鉢部(18)の表面はサテン仕上げされていることが好ましい。一方、上述の通り、使い捨てライナ(14)及び(16)は、光沢のある面を有する透明のプラスチックで作られることが好ましく、例えば、約0.03milsの厚みを有する透明の射出成形されたポリスチレン、ポリプロピレン又はポリエステル等が挙げられる。透明なライナの光沢又は艶のある表面は、基底部(12)内の不透明色の鉢部(18)のサテン仕上げとは対照的に研究室の作業者によりよい視界を与える。これは、透明のライナ(14)がリザーバ基底部(12)内部に存在するかどうかに関わらない。射出成形はライナ(14)及び(16)にとって好適な方法である。これはライナの厚みが一貫して一定であることが望まれるためである。しかしながら、他の製造方法及び厚みの仕様も、使い捨てライナ及び再利用可能な基底部(12)の両方にとって可能である。
【0017】
次に、図2乃至5を特に参照する。再利用可能な基底部(12)内の鉢部(18)は、細い長手方向の溝部(24)を有する。この溝部(24)は基底部(12)の底面(26)に沿って延出する。使い捨てライナ(14)は、再利用可能な基底部(12)内の鉢部(18)の輪郭に厳密に従うため、使い捨てライナ(14)もまた、使い捨てライナ(14)の端壁の間に延出する細い長手方向の溝部(28)を有する。図9を簡単に参照すると、使い捨てライナ内の溝部(28)は、リザーバのライナ(14)内の死容積の量を減少させる。図9は、溝部内に収容された液体(54)に到達するピペット先端部(15)(幻影で示される)を示す。再び図2乃至5を参照する。再利用可能な基底部(12)内の鉢部(18)は、一対の端壁(30)及び一対の長手方向の側壁(32)を有する。鉢部(18)はまた、一対の長手方向のステップ(34)を有し、ステップ(34)の夫々は溝部(24)の各側部に沿って長手方向に延出すると共に、溝部(24)を各側壁(32)へ接続する。ステップ(34)を使用することにより、鉢部(18)は実質的に非常に短い深さ分だけ上に拡張することが可能となる。これは、より大きな体積に対応するためになされる。さらに、細い長手方向の溝部(24)の存在により、最後の残りの液体が吸引される時、死容積を減少させることが可能となる。使い捨てライナ(14)は適合構造(matching configuration)、すなわち、長手方向の側壁(38)と溝部(28)の間に広がる長手方向のステップ(40)と同様に、端壁(36)及び長手方向の側壁(38)を有する。長手方向のステップ(40)は、中心線に向かって、例えば約10度僅かに下方へ傾斜している。端壁(36)及び長手方向の側壁(38)の抜き勾配は略同一である。使い捨てライナを効果的な入れ子状態にするため、抜き勾配は約25度、但し20度以上であることが好ましい。比較的大きい抜き勾配によって、使い捨てライナ(14)がきっちりと堆積されることが可能である。
【0018】
図2乃至5に加え、次に図6も参照する。再利用可能なリザーバ基底部(12)は上部リム(42)を有する。この上部リム(42)は、鉢部(18)の上部の外周周辺に延出する。好適な実施形態において、隆起した縁部(44)はリム(42)から上方に延出する。図2及び図5で最も良く示される通り、隆起した縁部(44)は上部リム(42)の周囲全体の周りに延出する(基底部(12)の長手方向の側壁(22)の対向する中心部分に沿った位置を除く)。基底部(12)は成形された窪み(46)をこれらの位置に有する。これにより、以下に論じる通り、使用者は使い捨てライナ(14)を差し支えなく掴み、ライナ(14)を基底部(12)から持ち上げ可能となる。
【0019】
使い捨てライナ(14)は周縁部フランジ(48)を有する。周縁部フランジ(48)は、使い捨てライナ(14)の側壁(38)及び端壁(36)によって定められる鉢部の上端部から外側へ延出する。図6に最も良く示される通り、使い捨てライナ(14)は基底部(12)内に配置される場合、使い捨てライナ(14)の周縁部フランジ(48)は、基底部(12)の上部リム(42)上に置かれる。ライナ(14)は基底部(12)内部に掛かるので、基底部(12)内の鉢部(18)と使い捨てライナ(14)の間には僅かな隙間(50)(図6)ができる。
【0020】
隆起した縁部(44)は基底部(12)内部に使い捨てライナ(14)を固定するのに役立つ。特に、ライナ(14)が基底部(12)内部の適所にある場合、研究室の作業者が液体サンプル又は試薬を使い捨てライナ(14)から注入を試みる場合に役立つ。次に図13を参照する。好適な実施形態において、使用者は、図13内の矢印(56)及び(58)によって示される通りにライナ(14)内に収容された液体(54)をライナから注入する前に、ライナ(14)を矢印(52)で示される通りに再利用可能な基底部(12)から持ち上げるとされる。このような注入の促進のため、注入口(60)が使い捨てライナ(14)の隅角部の夫々にもたらされることが好ましい。基底部(12)は、使い捨てライナ(14)内の隅角部の注入口(60)に対応するための凹部(62)を有する。
【0021】
図6及び図13に関して言及した通り、使い捨てライナ(14)が基底部(12)の適
所にある場合、使用者が使い捨てライナ(14)から液体を注入しようとすることは推奨
されていない。その主な理由の一つは、使い捨てライナが基底部にとどまる一方、液体を注入する際、使い捨てライナ(14)は基底部(12)から摺動可能である可能性が存在するためである。したがって、隆起した縁部(44)を隅角部に設けることが好ましく、これにより基底部(12)内のライナ(14)を用いた注入が妨げられる。しかし、図7は基底部(12a)の上部リム(42a)及び使い捨てライナ(14a)の周縁部フランジ(48a)の他の実施形態を示しており、ここで隆起した縁部(44)は除去されている。図7に示される実施形態において、周縁部フランジ(48a)は下方に延出するフック(64a)を有する。このフック(64a)はライナ(14a)を基底部(12a)内部に固定する役割をする。隆起した縁部(44)は上部リム(42a)から除去されているため、ライナが基底部(12a)内の適所にある場合、使い捨てライナ(14a)から注入することは、図6に示す実施形態程には装置の構造に妨げられない。
【0022】
一般に図1乃至15を参照する。使い捨てライナ(14)にとっての好適な大きさの選択は、液体サンプル又は試薬の100mlの豊富な体積をもたらすと同時に、従来の8チャネル及び12チャネルピペットに十分対応する長手方向の長さをもたらすためになされる。これらの基準を用い、使い捨てライナ(14)の鉢部の好適な大きさは、側壁(38)の上部の間が2.4インチ、端壁(36)の上部の間が5.55インチ、深さ1.45インチであることが好ましい。また、側壁及び端壁の好適な抜き勾配に起因し、溝部の概算の長さは4.25インチである。周縁部フランジ(48)の幅は約0.25インチであることが好ましい。
【0023】
本発明にしたがって、最後に、再利用可能な基底部(12)内の鉢部(18)の一つの側壁(32)は液体体積の目盛線(66)を有する(図10参照)。液体体積の目盛線(66)は、パッド印刷又はその他の好適な手段を用いて、側壁(32)に印刷されることが好ましい。ライナ(14)が基底部(12)内に配置される場合、使用者は、側壁上の液体体積の目盛線(66)をより透明で透き通るライナ(14)を通して見ることが可能である。図2及び図5は、基底部(12)内に配置されたライナ(14)を示し、また基底部(12)の鉢部の側壁上の液体体積の目盛線(66)が透明のプラスチックライナ(14)を通して見ることが可能であることを示す。図2及び図5において、液体の目盛線の参照番号(66)は、図において括弧内に記されており、これは目盛が実際に、透明の透き通ったライナ(14)の下にある基底部(12)の不透明な面上にあることを示す。同様に、これらの図にある透き通ったライナの下にある基底部(12)内の鉢部(18)の側壁及び端壁を指す参照番号(32)及び(30)も、括弧内に記される。さらに、図2及び図5に示される通り、体積測定器(68)は基底部(12)の鉢部の側壁(32)上に印刷される。参照番号(68)もさらにこれらの図において括弧内に記され、体積量の測定器(68)が実際には基底部(12)の鉢部の側壁(32)上に印刷されていることを示すが、透明の透き通ったライナ(14)を通して見ることができる。体積測定器(68)の値自体は図中に示されない一方で、100mlのキット(10)は典型的に、20、40、60、80及び100の値を関連する液体体積の目盛線に隣接して有する。キット(10)は使い捨てライナ(14)を基底部(12)内部の適所に設置した状態で利用されることが意図されているので、目盛線(66)の位置は、使い捨てライナ(14)内部に収容される液体の体積に関連して付けられる。これは、使い捨てライナが適所にある場合であって、基底部(12)の鉢部(18)の容積に関連して目盛り付けされない。
【0024】
実際に、再利用可能なリザーバ基底部(12)を独立型のリザーバとして使用することを使用者は望まない。基底部(12)の鉢部(18)は、図5に示す通り排水穴(70)を一部に備え、これにより使い捨てライナ(14)を使用せずに独立型のリザーバとしてリザーバ基底部(12)を不適切に使用することを防ぐ。さらに、いくらか液体が二つの面の間にある場合、これらの穴は使い捨てライナ(14)のリザーバ基底部(12)への接着を防ぐ。
【0025】
図10を特に参照する。液体(54)が使い捨てライナ(14)内部に収容された場合、液体(54)の面(70)の下方の液体体積の目盛線(66)は、使用者の視点の角度によって使用者の視界から遮断され得る。図10の矢印(72)及び(74)はこの概念を示す。矢印(72)で示された方向に沿って進む光は、液体(54)(例:水)の上面(70)で反射し、したがって、使用者は水(54)の上面(70)の下方にある目盛線(66)を見ることができない。一方、使用者は水面(70)の上にある目盛線(66)を、矢印(74)に示される通りに見ることができる。したがって、基底部(12)の鉢部の側壁(32)上にある体積測定器(68)(図2及び図5を参照)は、体積測定器(68)が関連する目盛り付きの液体体積の目盛線(66)或いはその上方に印刷されることが好ましい。これにより液位を容易に読むことができる。
【0026】
図14及び図15は、カバーとして利用されている第2の使い捨てライナ(16)を有するキット(10)を示す。使い捨てライナ(16)の構造は、使い捨てライナ(14)の構造と同一であることが好ましい。基底部(12)上の隆起した縁部(44)は、液体(12)を収容する使い捨てライナ(14)とカバーとして使用されている使い捨てライナ(16)の両方を固定するのに役立つ。前述の通り、研究室の作業者は、基底部内の使い捨てライナ(14)内部の液体(54)を利用するために、カバー(16)を単に除去するだけでよい。指を掛ける窪み(46)によって、使用者はライナ(16)(すなわちカバー(16))の長手方向の端部に沿った周縁部フランジを容易に掴むことができる。図20乃至22は、ライナ(14)及び(16)を基底部(12)に固定するための隆起した縁部(44)の代替手段を示す。図20乃至22において、使い捨てライナ(14)の周縁部フランジのへりを除き、液体を収容する使い捨てライナ(14)を見ることは難しいが、本明細書で取り組まれる特定の変形とは別にして、全ての構造は一般的に図14及び図15に示される通り同じであることと考えられる。図20において、基底部(12)の端壁は上方に延出する歯部(76)を有する。使い捨てライナ(16b)及び(14b)(図示せず)上の周縁部フランジ(48b)は、基底部(12b)上で上方に延出する歯部(76)の位置に対応する切り欠け部(78b)を有する。図21及び図22において、基底部(12c)、(12d)の上部リムは、1又はそれ以上の杭(80c)、(80d)を有する。図21において、杭(80c)は端壁(20c)の中央部分の上部に配されており、図22においては、杭(80d)は対向する隅角部に備えられている。図21及び図22の周縁部フランジ(48c)、(48d)は、穴部(82c)及び(82d)を有する。この穴部(82c)及び(82d)は、杭(80c)、(80d)夫々の位置に対応する。全ての場合において、説明された通り、固定手段の使用は、キット(10)上のカバー(16)の安定性を大きく増進させる。
【0027】
図23の示す実施形態において、使い捨てライナ(14e)は無菌の内部又は鉢部を有する。また、例えば無菌のタイベック(登録商標)、医療グレードの粘着紙又はホイルで作られた剥離可能なシール部(84)が、無菌のライナ(14e)の周縁部フランジに固定される。また、ラテックスを染み込ませた紙等の熱に弱い接着剤被覆した無菌紙を、ライナ(14e)の周縁部フランジにシールを貼り付けるために使用することが望ましい。剥離可能なシール(84)は、幻影線によって示される通り、シール(84)の剥離を促進するための剥離タブ(86)を有し、無菌のライナを使用する準備を整える。
【0028】
次に図11乃至12及び図20乃至25を参照する。ライナ(14)の無菌の内部が必要とされない用途において、使い捨てライナ(14)は入れ子の方法で堆積可能であることが望ましい(図24の堆積物(88)を参照)。前述の通り、ライナ(14)の側壁及び端壁の抜き勾配は選択され、一部では、きっちりと入れ子にすることと同時に個々のライナを入れ子になった堆積物から解放することを促進する。しかし、図24の個々のライナ(14)の入れ子になった堆積物(88)からの解放可能性を促進するためのさらなる手段がもたらされることが望まれていることがわかっている。この目的を達成するため、使い捨てライナ(14)は、使い捨てライナ(14)の底面から下方に突出するビーズ(90)を、周縁部フランジ(48)の隅角部及び側壁と端壁(36)、(38)に有する。ビーズ(90)の好適な形状及び配置は図12に示される。図25は、隔離部を隣接するライナ(14)の間にもたらすよう堆積されているビーズ(90)を示し、これにより、隣接するライナ(14)が互いに接着することを防ぐ。ビーズ(90)をもたらす別の方法として望ましいのは、化学剥離剤(シリコーン又はアクロワックス等)を、使い捨てライナ(14)の成形のために用いられるプラスチック材料又はその内部にもたらすこと、或いは使い捨てライナ(14)の表面をこのような剥離剤(例えばシリコーン)等で被覆することである。
【0029】
図16乃至18は、本発明に関連して構成されたリザーバキット(110)の第2の好適な実施形態を説明する。図1乃至15における第1の実施形態(10)と比較した第2の実施形態(110)における主な違いは、図16乃至19に説明される第2の実施形態(110)はより小さい容積、すなわち100mlではなく25mlの容積を有することである。構造における主な違いは、大きさの違いを除き、25mlの実施形態のためのリザーバの鉢部(118)が100mlの実施形態の場合と同様の溝部と長手方向の側壁の間に長手方向のステップを有さないことである。図16乃至19に示される第2の実施形態に関し、図中の参照番号は、一般に図1乃至15の実施形態と関連して用いられる参照番号に対応するが、番号は100増加している。例えば、参照番号(12)は100mlの実施形態における再利用可能な基底部を識別するのに用いられ、参照番号(112)は25mlの実施形態における再利用可能な基底部を識別するのに用いられる。長手方向のステップ及び容積容量に関連する顕著な違いを除き、図16乃至19の25mlの実施形態の特徴及び機能的設計は、図1乃至15のものと同様である。例えば、図17において、基底部(112)の鉢部の側壁(132)上に印刷された体積測定器(168)の値は、5、10、15、20、25の値でなければならない。使い捨てライナ(114)の好適な大きさは以下の通りである。周縁部フランジを含めたライナ(114)の上部に亘る鉢部の幅は約1.6インチであり、一方で長手方向の長さは約5.5インチである。周縁部フランジの幅は約16分の3インチであることが好ましく、また鉢部の深さは約1.45インチである。溝部に沿ったライナ(114)の底部の長手方向の長さは、8チャネル及び12チャネルピペットの両方に対応するために、より大きい100mlのバージョンと同様であって、約4.25から4.5インチである。
【0030】
図26乃至29はリザーバキット(10)及び(110)の好適な包装システムに関連する。図27から図29は、入れ子になった使い捨てライナ(14)の反転した堆積物(200)であり、保存スリーブ(202)内部に配置されている様子を示す。スリーブ(202)はダンボールで作られることが好ましい。その構造は側壁(204)と端壁(206)を備える。各側壁はV字に切断された開口部(210)を有する。この開口部(210)により、使用者は使い捨てライナ(14)の堆積物(200)に到達し、1又はそれ以上のライナをスリーブ(202)から差し支えなく取り出すことが可能となる。ダンボール又はテント形状の発砲体で形成される挿入された隔離部(208)は、保存スリーブ(202)内部に配置され、入れ子になった使い捨てライナ(14)の反転した堆積物(200)を支持する。挿入された隔離部(208)は、堆積物(200)内の最下のライナ(14)の鉢部の主に頂点において、入れ子になった堆積物を支持する。V字の切断はスリーブ(202)の底部に2分の1インチ以上近づかない。これは、ダンボールのスリーブの構造上の完全性を維持するためである。挿入された隔離部(208)は、スリーブ(202)の底部の上にあるライナ(14)の堆積物(200)を浮かせる。ライナ(14)の堆積物(200)をスリーブ(202)内に配置することによって、ライナ(14)は反転され、作業者が一連のライナの内部の機能面を汚染することなく、堆積物(200)から一つのライナを持ち上げることを可能にする。また、ライナ(14)の内部の機能面に積もる埃も防ぐ。入れ子になった使い捨てライナ(14)の反転した堆積物を有するスリーブ(202)は、したがって、比較的小さな設置面積を有する便利なライナの供給元を、作業台で働く研究室の作業者にもたらす。図27に示す通り、カバー(212)もまた、入れ子になった堆積物(200)の輸送又は保存のためにもたらされることが好ましく、或いは入れ子になった堆積物に部分的に用いられることが好ましい。
【0031】
図26は、図27及び図28に関連して説明される再利用可能な基底部(12)、(112)を輸送するためのマスターパック(master pack)(214)と、カバーされたスリーブ(202)、(212)内に収容された入れ子になった使い捨てライナのいくつかの堆積物(200)を図示する。好適には、再利用可能な基底部(12)、(112)は、同一の箱(216)内部に、使い捨てライナ(212)、(202)のスリーブとして顧客に製品を輸送する目的で固定される。上述の本発明の説明から明らかであるが、様々な機能的特徴が備わるのは、使い捨てライナを有する再利用可能な基底部との組み合わせにおいてである。例えば、使い捨てライナ(14)、(114)は自立型ではない。図26に示すマスターパッキングシステム(master packing system)は、再利用可能な基底部が関連する使い捨てライナを収容した場合、顧客は適切な再利用可能な基底部(12)、(112)を手に入れることを確実にする。
【0032】
図30は壁(220)に据え付けたディスペンサ(218)を示す。ディスペンサ(218)は台部(224)を備えるフレーム(222)を有する。台部(224)は開口部(226)を有する。図27から図29に説明されるスリーブ(202)はディスペンサ(218)内に好適に配置され、これにより、スリーブ(202)の上部開口部は、同じく下方に面するライナ(14)、(114)の鉢部と共に下方に面する。図30のスリーブ(202)は別の隔離部(208a)を有する。図30において、隔離部(208a)は仮底の隔離部であって、通常、輸送の間はその上にライナ(14)の反転した堆積物(200)が置かれている。図30に示す仮底の隔離部(208a)は、図30に示すとおりスリーブ(202)に取り付けられてもそうでなくてもよい。図28及び図29に示される挿入された隔離部(208)は典型的に緩んでいる。
【0033】
堆積物(200)内の最下のライナ(14)、(114)の周縁部のリム(48)、(148)は台部(202)上に置かれるので、最下のライナ(114)、(14)の鉢部は台部内の開口部(226)を通って延出する。25mlのライナ(114)に関して、開口部(226)の大きさは、100mlのライナ(14)と共に用いるために設計されたディスペンサの方がより大きい。埃よけカバー(228)はスリーブ(202)上に置かれることができる。使用者がライナ(14)、(114)の一つを分配したいと所望する場合、使用者は矢印(230)によって図示されるとおり、堆積物(200)内の最下のライナを掴む。ライナ(14)、(114)、及び矢印(232)で描かれる通り、使用者が内側へ押し出すと、最下のライナの上部に位置するライナは上方へ押し出され、最下のライナは幅が狭くなり、最下のライナが解放される。一度最下のライナ(14)、(114)がディスペンサの開口部(116)を介して除去されると、ディスペンサ内の堆積物(200)の残りの部分は、台部(224)上に置かれるよう収まる。また、説明の通り、一度に一つのライナを解放するための脱進機構がもたらされることが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用及び研究室用の製品に関し、特に液体サンプル又は液体試薬のリザーバに関する。
【背景技術】
【0002】
液体サンプル又は液体試薬のリザーバは一般に、医療用及び研究室用の用途に用いられる。リザーバは研究室の作業台の平らなデッキ面に位置し、典型的に研究室の作業者により用いられる液体サンプル又は試薬を直接収容及び支持する鉢部を有する。いくつかのリザーバキットは、使い捨てのインサート又はライナを用いるものもある。鉢部の大きさは頻繁に、シングルチャネルピペットだけでなくマルチチャネルピペットを用いるリザーバの使用に適応させるために選択される。したがって、リザーバ及びその鉢部を所望の通り延長し、8チャネル又は12チャネルピペットを用いる使用に適応させることは、稀なことではない。また典型的に、リザーバの鉢部は、底面に沿った細い長手方向の溝部をリザーバの中心線に有し、これにより死容積を最小にする。溝部は、死容積をさらに最小にするため、単一の最下点にまで傾斜されていることもあるが、システムがマルチチャネルの使用のために設計されている場合これは好ましくない。リザーバの側壁は頻繁に、液体体積の目盛線を有している。この目盛線は側壁内に形成されてもよいし、側壁上に印刷されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
使い捨てのリザーバライナを使用することにより、新たに作業を開始する前にリザーバを洗浄及び/又は無菌にするという必要性が排除可能となる。周知のライナは、不透明な真空成形されたプラスチックで作られており、一般に、使い捨てリザーバの基底部の輪郭に従う鉢部を有する。典型的に、ライナは周縁部フランジを有し、このフランジは鉢部の上端部周囲で外側へ延出する。この形状で、このような使い捨てライナは支持基底部と共に用いられなければならない。これは、ライナが基底部の支持なしで平面上に垂直に直立することができないためである。それにも関わらず、多数の研究室の作業者は、リザーバキットを使い捨てライナと共に用いることは多くの作業にとって非常に役立つことを見出している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、使い捨てライナを採用する改良された液体サンプル又は液体試薬のリザーバキット、及び該キットの使用及び包装方法に向けたものである。
【0005】
ある態様において、本発明は、研究室用の液体サンプル又は試薬のキットに向けたものである。このキットは、延長された鉢部を備える少なくとも一つの再利用可能なリザーバ基底部と、及び透明のプラスチック材料で作られた使い捨てライナを有する。透明の使い捨てライナは鉢部を有し、これは再利用可能なリザーバ基底部内の鉢部の輪郭に厳密に従う形状である。再利用可能なリザーバ基底部、またその鉢部は特に、不透明の材料で作られることが好ましい。別個の液体体積の目盛線は、再利用可能なリザーバ基底部内の鉢部の側壁面上に配される。これらの目盛線は、リザーバ基底部内に置かれた使い捨てライナ内の液体体積を測定するために付けられる。ライナが基底部内の適所に置かれた場合、使い捨てライナが透明であるため、再利用可能な基底部内の鉢部の側壁上の液体体積の目盛線が使い捨てライナを介して観察される。
【0006】
好適には、使い捨てライナはライナの鉢部の上部から外側へ延出する周縁部フランジを有する。フランジは、使い捨てライナが基底部内の適所に置かれた場合、再利用可能な基底部内の鉢部の上方にあるリム上に置かれるよう設計されている。このように、使い捨てライナは再利用可能な基底部内部に、ライナの鉢部と基底部の鉢部の間に僅かな隙間を有して掛かる。使い捨てライナがリザーバ基底部に適切に関連して掛かった場合、使い捨てライナ内の液体(例:水)による光の反射により、液体上面より下方のリザーバ基底部の鉢部側壁部上の液体体積の目盛線の視界が遮断される。このように、使用者の視界は多様な視角によって遮断される。この理由のため、再利用可能な基底部の鉢部の側壁上にある、例えば20ml、40ml、60ml、80ml、100ml等の液体体積の測定器は、関連する目盛線の僅かに上部に配されることが好ましい。
【0007】
リザーバライナは、透明の光沢のあるプラスチック材料、例えば透明の射出成形ポリスチレン等で作られることが好ましい。また、再利用可能な基底部の鉢部はサテン仕上げされた面であることも好ましい。これにより、研究室の作業者は、光沢のある面を有する透明の使い捨てライナが再利用可能なリザーバ基底部内に配置されているか否かに容易に気づくことができる。
【0008】
液体サンプル又は試薬の使い捨てライナからの注入を促進するため、好適な使い捨てライナは注入口を有する。この注入口は端壁及び側壁の上端部の交差部に形成されている。さらに、リザーバ基底部の上部リムはその鉢部を包囲し、また上部リムは一対の対向するフィンガーアクセス(finger access)開口部を対向する長手方向の端部に沿って備える。これにより、使用者は、使い捨てライナの対向する長手方向の端部を差し支えなく掴んで、基底部からライナを持ち上げ、液体試薬又はサンプルを注入可能となる。もちろん、液体試薬又はサンプルはまた、ピペットを用いる通常の操作においても効率的に分配可能である。
【0009】
本発明の好適な実施形態において、リザーバ基底部の上部リムは、上部リム上の適所に使い捨てライナを固定する手段を含む。この手段は例えば隆起した縁部であって、リムの周縁部の略周辺で延出している。通常の使用において、使い捨てライナが再利用可能な基底部内の適所に置かれる場合、ライナの鉢部の上部から外側に延出する周縁部フランジは、周縁部フランジを略包囲する隆起した縁部を有する基底部の上部リム上に置かれる。この特徴は、これから説明する通り、第2の使い捨てライナが反転すると共にカバーとして利用される場合特に有用である。
【0010】
本発明の他の態様は、二つの使い捨てライナが再利用可能なリザーバ基底部に関連して用いられるサンプルリザーバキットの使用方法に向けたものである。この使い捨てライナの一つはカバーとして使用されている。上述の通り、第1の使い捨てライナは再利用可能な基底部内に配置され、液体を収容する状態になる。これにより、第1の使い捨てライナの周縁部フランジは、再利用可能な基底部の上部リム上に置かれる。再利用可能な基底部上の固定手段は、第1の使い捨てライナの周縁部フランジと係合する。例えば、第1の使い捨てライナは、再利用可能な基底部のリム上に置かれる。この再利用可能な基底部のリムは、再利用可能な基底部上に隆起した縁部を備え、この隆起した縁部は、第1の使い捨てライナの周縁部フランジの略周囲で延出する。第1の使い捨てライナは適所にある状態で、液体サンプル又は試薬で満たされ、通常の手順で研究室の作業者によって使用される。作業者が所望であれば、作業者は第2の使い捨てライナを液体サンプル又は試薬を含む第1の使い捨てライナのカバーとして配置する。こうするために、第2の使い捨てライナは反転され、第1のライナの周縁部フランジ上に配置されるので、第2の使い捨てライナの周縁部フランジは第1の使い捨てライナの周縁部フランジ上に置かれる。また、第2の使い捨てライナの周縁部フランジも再利用可能な基底部上の固定手段により係合する。例えば好適な実施形態において、再利用可能な基底部上の隆起した縁部もまた、第2の使い捨てライナの周縁部フランジの略周囲で延出し、これにより、第2の使い捨てライナ(例:カバー)が基底部の上部リム上で適所に固定される。研究室の作業者が液体サンプル又は試薬の利用を望む場合、作業者は単に、カバーとしての役割を果たす第2の使い捨てライナを除去するのみでよい。この方法は、多くの状況で有用であると同時に、無菌の用途において特に有用である。無菌の用途における使用をさらに促進するため、作業の開始前に、使用前に周縁部フランジの上面に作られた剥離可能なフィルムを夫々有する無菌の使い捨てライナをもたらすことが望ましい。
【0011】
本発明の他の態様において、使い捨てライナの形状は、堆積されたライナをきっちりと入れ子にすることを促進するように設計される。剥離可能なフィルムを有する無菌の使い捨てライナが必要とされる無菌の用途において、入れ子にすることは不可能である。しかし他の用途において、使い捨てライナをきっちりと入れ子にすることにより、効率的な輸送、保存及び使用が促進される。例えば、研究室の作業台上のスペースは大抵非常に価値が高いものであるが、それにも関わらず、研究室の作業者が作業台で作業をする際、ライナが作業者に容易に利用可能であることが望まれる。したがって、使い捨てライナの設計はきっちりとした入れ子状態を促進して、さらに個々のライナを堆積から難なく取り出し可能であることを確実にすることが好ましい。きっちりとした入れ子状態の促進と同様に、個々のライナの入れ子状態の堆積からの解放可能性を促進するため、使い捨てライナの端壁及び長手方向の側壁は、少なくとも約40度の抜き勾配を有する必要がある。それでも、本発明のこの態様に従ってさらなる手段がもたらされ、入れ子状態の堆積物から個々のライナを解放することを促進する。このような手段は、隆起したビーズ等の機械的手段を有し、このビーズはライナの各隅角部の周縁部フランジの下面に形成される。一方このような手段は、使い捨てライナを形成するプラスチック材料に加えられる、或いは使い捨てライナの表面に被覆される剥離剤で構成されることができる。好適には、使い捨てライナの構造において、完全な入れ子状態の堆積物の密度は、全堆積物の容積当たりプラスチックが60容積%以上となる。
【0012】
本発明の他の態様は、使い捨てライナの入れ子状態の堆積物の包装に取り組む。本発明のこの態様において、ダンボールで作られたスリーブは入れ子になったライナの反転した堆積物を保持する。好ましくは、スリーブは底壁から上方へ延出する一対の端壁及び一対の側壁を備える。挿入された隔離部(或いは仮底)は、リザーバライナの反転した堆積物に支持をもたらす。各側壁は開口領域を有し、この開口領域はスリーブの上部から底壁の上方に配された位置へと延出する。これにより、挿入された隔離部に堆積した1又はそれ以上のライナを、スリーブから手動で取り出す方法がもたらされる。挿入された隔離部は、ダンボール或いは発砲体のテント状の構造体であることが好ましく、スリーブ内に配置されスリーブの基底部又は底壁からライナの堆積物を下ろす。挿入された隔離部は、堆積物の底部にあるライナを、積荷をリザーバの鉢部の先端に移動することによって輸送中に受ける損傷から保護する。挿入された隔離部は、ライナの堆積物の底部にスリーブの開口領域をもたらすというさらなる機能を果たし、これにより堆積された最後のライナは差し支えなく利用可能となる。好適には、スリーブ上を摺動するカバーももたらされる。このような構成は非常に小型で、研究室の作業台上で使用するのに都合がよい。また輸送目的で、マスターパックボックス(master pack box)は様々なスリーブを収容可能であり、また、少なくとも一つの再利用可能なリザーバ基底部を収容する。
【0013】
本発明の他の態様は、使い捨てライナのためのディスペンサに関連し、これは固定された面、例えば研究室の作業台近傍の壁部等に据え付けられるのが好ましい。好適なディスペンサは、細長い開口部を有する台部を備えた支持フレームを有する。台部は入れ子になったライナの堆積物を、好ましくは上記のダンボールのスリーブ内に静止した状態で保持する。この時、スリーブの開口部は、台部の開口部のように下方に面している。最下のライナの周縁部フランジは支持台部上に置かれるので、最下のライナ上の鉢部は、スリーブ及び台部の開口部を介して下方に延出すると共に、ディスペンサの下方に露出される。研究室の作業者が使い捨てライナの分配を所望する場合、作業者は対向する最下のライナの長手方向の側壁を手動で掴む。側壁は内側に押圧されると、最下のライナの上部にあるライナの堆積物はディスペンサ内部に上昇され、最下のライナは可塑性を有する狭窄部になる。そして最下のライナは容易にディスペンサから下方に分配される。好適には、埃よけカバーがもたらされ、ディスペンサ内の使い捨てライナのスリーブ上で適合する。また、一度に一つのライナを解放するための脱進機構がもたらされることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好適な実施形態に関連する液体サンプル又は液体試薬のリザーバキットの分解斜視図である。
【図2】内部に使い捨てライナが配置されている、再利用可能なリザーバの基底部の斜視図である。使い捨てライナ及びリザーバの基底部の両方は図1に示される本発明の実施形態に関連して構成されている。
【図3】図2に示される再利用可能なリザーバの基底部の断面図であって、図2に示される使い捨てライナは基底部から持ち上げられている。断面は図4と同じ平面に沿っている。
【図4】図2の4−4線に沿った、内部に関連するライナが配置されている再利用可能なリザーバの基底部の断面図である。
【図5】図2の5−5線に沿った、内部に使い捨てライナが配置された図2に示される再利用可能なリザーバの基底部の縦断面図である。
【図6】6−6線と表現された図5内の領域の詳細図であって、使い捨てライナの周縁部フランジと再利用可能なリザーバ基底部の上部リムとの間の関係を詳細に説明するものである。
【図7】図6と同様の詳細図であるが、リザーバ基底部の上部リム及び使い捨てライナの周縁部フランジの構成のその他の実施形態を示すものである。
【図8】図4に示される図と同様の概略断面図であって、使い捨てライナ内に収容される液体サンプル又は液体試薬を有するリザーバキットを説明するものである。
【図9】図8と同様の図であって、使い捨てライナの鉢部の底部に沿って延出する、細い長手方向の溝部から液体を吸引するのに用いられる吸引ピペットを説明するものである。
【図10】図8の10−10線によって定められる領域の詳細図であって、使い捨てライナ内に収容される液体による光の反射によって、液体の上面の下方の体積の目盛線の視界がリザーバキットを使用する作業者の視界から遮断されている様子を説明するものである。
【図11】図8と同様の断面図であるが、キットの隅角部を介した断面図である。
【図12】隅角部の底面から見た、本発明の実施形態に関連する使い捨てライナの隅角部の一部の詳細図である。
【図13】液体サンプル又は試薬を使い捨てライナから注入するために、再利用可能な基底部から使い捨てライナを取り出す様子を説明する概略図である。
【図14】本発明の他の態様を説明する斜視図であって、第2の使い捨てライナが図1乃至13に示されるキットのカバーとして利用されている。
【図15】図14の15−15線に沿った断面図である。
【図16】本発明の第2の好適な実施形態に関連する液体サンプル又は液体試薬のリザーバキットの分解斜視図である。
【図17】図16に示されるリザーバ基底部の斜視図であって、内部に配される関連する使い捨てライナを有している。
【図18】図17の18−18線に沿った断面図である。
【図19】図17の19−19線に沿った縦断面図である。
【図20】再利用可能な基底部の上部リムのカバーとしての第1の使い捨てライナ及び第2の使い捨てライナを固定するための他の方法を説明する図である。
【図21】再利用可能な基底部の上部リムのカバーとしての第1の使い捨てライナ及び第2の使い捨てライナを固定するための他の方法を説明する図である。
【図22】再利用可能な基底部の上部リムのカバーとしての第1の使い捨てライナ及び第2の使い捨てライナを固定するための他の方法を説明する図である。
【図23】無菌の使い捨てライナが剥離可能なシール部で覆われている実施形態を説明する図である。
【図24】本発明の好適な実施形態に関連して構成された使い捨てライナの入れ子になった堆積物を説明する図である。
【図25】ビーズを説明する図であって、このビーズは、周縁部フランジと端壁及び側壁夫々の交差部において使い捨てライナの表面から下方へ延出し、これにより個々の使い捨てライナを図24に示す入れ子になったライナの堆積物からの解放を促進する。
【図26】入れ子になった使い捨てライナ及び再利用可能なリザーバ基底部の好適な包装方法を説明する図である。
【図27】入れ子になった使い捨てライナの反転した堆積物のための好適な包装及び分配スリーブを説明する図である。
【図28】入れ子になった使い捨てライナの反転した堆積物のための好適な包装及び分配スリーブを説明する図である。
【図29】入れ子になった使い捨てライナの反転した堆積物のための好適な包装及び分配スリーブを説明する図である。
【図30】使い捨てライナのためのディスペンサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1乃至15は、液体サンプル又は液体試薬のリザーバキット(1)の構造を、本発明の第1の好適な実施形態に関連して説明するものである。キットはリザーバ基底部(12)及び第1の使い捨てライナ(14)及び第2の使い捨てライナ(16)を有する。ライナ(14)及び(16)は同一である。例えば図2に示される通り、再利用可能なリザーバ基底部(12)内に使い捨てライナ(14)が配置された時、キット(10)が液体サンプル又は液体試薬を使い捨てライナ(14)内に保持するよう設計される。ライナ(14)の限度容量は相当量の過剰充填に十分対処できるが、キット(10)は100mlまでの液体サンプル又は試薬を保持するよう設計されている。ライナ(16)は図示の通り、所望であれば任意のカバーとして利用されることが可能である。
【0016】
リザーバ基底部(12)は鉢部(18)を有し、鉢部(18)に使い捨てライナ(14)が配される。使い捨てライナ(14)の輪郭は、再利用可能な基底部(12)の鉢部(18)の形状及び輪郭に厳密に従う。再利用可能な基底部(12)の外側側壁(22)及び端壁(20)は、研究室の作業台等の平面上で、リザーバ基底部(12)及びその鉢部(18)に支持をもたらす。リザーバ基底部(12)は様々な材料で作られることが可能であるが、基底部(12)は、不透明色である、比較的剛性を有する射出成形されたプラスチックで作られることが好ましい。このプラスチックは、例えば白色のポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリスチレン等である。鉢部(18)の表面はサテン仕上げされていることが好ましい。一方、上述の通り、使い捨てライナ(14)及び(16)は、光沢のある面を有する透明のプラスチックで作られることが好ましく、例えば、約0.03milsの厚みを有する透明の射出成形されたポリスチレン、ポリプロピレン又はポリエステル等が挙げられる。透明なライナの光沢又は艶のある表面は、基底部(12)内の不透明色の鉢部(18)のサテン仕上げとは対照的に研究室の作業者によりよい視界を与える。これは、透明のライナ(14)がリザーバ基底部(12)内部に存在するかどうかに関わらない。射出成形はライナ(14)及び(16)にとって好適な方法である。これはライナの厚みが一貫して一定であることが望まれるためである。しかしながら、他の製造方法及び厚みの仕様も、使い捨てライナ及び再利用可能な基底部(12)の両方にとって可能である。
【0017】
次に、図2乃至5を特に参照する。再利用可能な基底部(12)内の鉢部(18)は、細い長手方向の溝部(24)を有する。この溝部(24)は基底部(12)の底面(26)に沿って延出する。使い捨てライナ(14)は、再利用可能な基底部(12)内の鉢部(18)の輪郭に厳密に従うため、使い捨てライナ(14)もまた、使い捨てライナ(14)の端壁の間に延出する細い長手方向の溝部(28)を有する。図9を簡単に参照すると、使い捨てライナ内の溝部(28)は、リザーバのライナ(14)内の死容積の量を減少させる。図9は、溝部内に収容された液体(54)に到達するピペット先端部(15)(幻影で示される)を示す。再び図2乃至5を参照する。再利用可能な基底部(12)内の鉢部(18)は、一対の端壁(30)及び一対の長手方向の側壁(32)を有する。鉢部(18)はまた、一対の長手方向のステップ(34)を有し、ステップ(34)の夫々は溝部(24)の各側部に沿って長手方向に延出すると共に、溝部(24)を各側壁(32)へ接続する。ステップ(34)を使用することにより、鉢部(18)は実質的に非常に短い深さ分だけ上に拡張することが可能となる。これは、より大きな体積に対応するためになされる。さらに、細い長手方向の溝部(24)の存在により、最後の残りの液体が吸引される時、死容積を減少させることが可能となる。使い捨てライナ(14)は適合構造(matching configuration)、すなわち、長手方向の側壁(38)と溝部(28)の間に広がる長手方向のステップ(40)と同様に、端壁(36)及び長手方向の側壁(38)を有する。長手方向のステップ(40)は、中心線に向かって、例えば約10度僅かに下方へ傾斜している。端壁(36)及び長手方向の側壁(38)の抜き勾配は略同一である。使い捨てライナを効果的な入れ子状態にするため、抜き勾配は約25度、但し20度以上であることが好ましい。比較的大きい抜き勾配によって、使い捨てライナ(14)がきっちりと堆積されることが可能である。
【0018】
図2乃至5に加え、次に図6も参照する。再利用可能なリザーバ基底部(12)は上部リム(42)を有する。この上部リム(42)は、鉢部(18)の上部の外周周辺に延出する。好適な実施形態において、隆起した縁部(44)はリム(42)から上方に延出する。図2及び図5で最も良く示される通り、隆起した縁部(44)は上部リム(42)の周囲全体の周りに延出する(基底部(12)の長手方向の側壁(22)の対向する中心部分に沿った位置を除く)。基底部(12)は成形された窪み(46)をこれらの位置に有する。これにより、以下に論じる通り、使用者は使い捨てライナ(14)を差し支えなく掴み、ライナ(14)を基底部(12)から持ち上げ可能となる。
【0019】
使い捨てライナ(14)は周縁部フランジ(48)を有する。周縁部フランジ(48)は、使い捨てライナ(14)の側壁(38)及び端壁(36)によって定められる鉢部の上端部から外側へ延出する。図6に最も良く示される通り、使い捨てライナ(14)は基底部(12)内に配置される場合、使い捨てライナ(14)の周縁部フランジ(48)は、基底部(12)の上部リム(42)上に置かれる。ライナ(14)は基底部(12)内部に掛かるので、基底部(12)内の鉢部(18)と使い捨てライナ(14)の間には僅かな隙間(50)(図6)ができる。
【0020】
隆起した縁部(44)は基底部(12)内部に使い捨てライナ(14)を固定するのに役立つ。特に、ライナ(14)が基底部(12)内部の適所にある場合、研究室の作業者が液体サンプル又は試薬を使い捨てライナ(14)から注入を試みる場合に役立つ。次に図13を参照する。好適な実施形態において、使用者は、図13内の矢印(56)及び(58)によって示される通りにライナ(14)内に収容された液体(54)をライナから注入する前に、ライナ(14)を矢印(52)で示される通りに再利用可能な基底部(12)から持ち上げるとされる。このような注入の促進のため、注入口(60)が使い捨てライナ(14)の隅角部の夫々にもたらされることが好ましい。基底部(12)は、使い捨てライナ(14)内の隅角部の注入口(60)に対応するための凹部(62)を有する。
【0021】
図6及び図13に関して言及した通り、使い捨てライナ(14)が基底部(12)の適
所にある場合、使用者が使い捨てライナ(14)から液体を注入しようとすることは推奨
されていない。その主な理由の一つは、使い捨てライナが基底部にとどまる一方、液体を注入する際、使い捨てライナ(14)は基底部(12)から摺動可能である可能性が存在するためである。したがって、隆起した縁部(44)を隅角部に設けることが好ましく、これにより基底部(12)内のライナ(14)を用いた注入が妨げられる。しかし、図7は基底部(12a)の上部リム(42a)及び使い捨てライナ(14a)の周縁部フランジ(48a)の他の実施形態を示しており、ここで隆起した縁部(44)は除去されている。図7に示される実施形態において、周縁部フランジ(48a)は下方に延出するフック(64a)を有する。このフック(64a)はライナ(14a)を基底部(12a)内部に固定する役割をする。隆起した縁部(44)は上部リム(42a)から除去されているため、ライナが基底部(12a)内の適所にある場合、使い捨てライナ(14a)から注入することは、図6に示す実施形態程には装置の構造に妨げられない。
【0022】
一般に図1乃至15を参照する。使い捨てライナ(14)にとっての好適な大きさの選択は、液体サンプル又は試薬の100mlの豊富な体積をもたらすと同時に、従来の8チャネル及び12チャネルピペットに十分対応する長手方向の長さをもたらすためになされる。これらの基準を用い、使い捨てライナ(14)の鉢部の好適な大きさは、側壁(38)の上部の間が2.4インチ、端壁(36)の上部の間が5.55インチ、深さ1.45インチであることが好ましい。また、側壁及び端壁の好適な抜き勾配に起因し、溝部の概算の長さは4.25インチである。周縁部フランジ(48)の幅は約0.25インチであることが好ましい。
【0023】
本発明にしたがって、最後に、再利用可能な基底部(12)内の鉢部(18)の一つの側壁(32)は液体体積の目盛線(66)を有する(図10参照)。液体体積の目盛線(66)は、パッド印刷又はその他の好適な手段を用いて、側壁(32)に印刷されることが好ましい。ライナ(14)が基底部(12)内に配置される場合、使用者は、側壁上の液体体積の目盛線(66)をより透明で透き通るライナ(14)を通して見ることが可能である。図2及び図5は、基底部(12)内に配置されたライナ(14)を示し、また基底部(12)の鉢部の側壁上の液体体積の目盛線(66)が透明のプラスチックライナ(14)を通して見ることが可能であることを示す。図2及び図5において、液体の目盛線の参照番号(66)は、図において括弧内に記されており、これは目盛が実際に、透明の透き通ったライナ(14)の下にある基底部(12)の不透明な面上にあることを示す。同様に、これらの図にある透き通ったライナの下にある基底部(12)内の鉢部(18)の側壁及び端壁を指す参照番号(32)及び(30)も、括弧内に記される。さらに、図2及び図5に示される通り、体積測定器(68)は基底部(12)の鉢部の側壁(32)上に印刷される。参照番号(68)もさらにこれらの図において括弧内に記され、体積量の測定器(68)が実際には基底部(12)の鉢部の側壁(32)上に印刷されていることを示すが、透明の透き通ったライナ(14)を通して見ることができる。体積測定器(68)の値自体は図中に示されない一方で、100mlのキット(10)は典型的に、20、40、60、80及び100の値を関連する液体体積の目盛線に隣接して有する。キット(10)は使い捨てライナ(14)を基底部(12)内部の適所に設置した状態で利用されることが意図されているので、目盛線(66)の位置は、使い捨てライナ(14)内部に収容される液体の体積に関連して付けられる。これは、使い捨てライナが適所にある場合であって、基底部(12)の鉢部(18)の容積に関連して目盛り付けされない。
【0024】
実際に、再利用可能なリザーバ基底部(12)を独立型のリザーバとして使用することを使用者は望まない。基底部(12)の鉢部(18)は、図5に示す通り排水穴(70)を一部に備え、これにより使い捨てライナ(14)を使用せずに独立型のリザーバとしてリザーバ基底部(12)を不適切に使用することを防ぐ。さらに、いくらか液体が二つの面の間にある場合、これらの穴は使い捨てライナ(14)のリザーバ基底部(12)への接着を防ぐ。
【0025】
図10を特に参照する。液体(54)が使い捨てライナ(14)内部に収容された場合、液体(54)の面(70)の下方の液体体積の目盛線(66)は、使用者の視点の角度によって使用者の視界から遮断され得る。図10の矢印(72)及び(74)はこの概念を示す。矢印(72)で示された方向に沿って進む光は、液体(54)(例:水)の上面(70)で反射し、したがって、使用者は水(54)の上面(70)の下方にある目盛線(66)を見ることができない。一方、使用者は水面(70)の上にある目盛線(66)を、矢印(74)に示される通りに見ることができる。したがって、基底部(12)の鉢部の側壁(32)上にある体積測定器(68)(図2及び図5を参照)は、体積測定器(68)が関連する目盛り付きの液体体積の目盛線(66)或いはその上方に印刷されることが好ましい。これにより液位を容易に読むことができる。
【0026】
図14及び図15は、カバーとして利用されている第2の使い捨てライナ(16)を有するキット(10)を示す。使い捨てライナ(16)の構造は、使い捨てライナ(14)の構造と同一であることが好ましい。基底部(12)上の隆起した縁部(44)は、液体(12)を収容する使い捨てライナ(14)とカバーとして使用されている使い捨てライナ(16)の両方を固定するのに役立つ。前述の通り、研究室の作業者は、基底部内の使い捨てライナ(14)内部の液体(54)を利用するために、カバー(16)を単に除去するだけでよい。指を掛ける窪み(46)によって、使用者はライナ(16)(すなわちカバー(16))の長手方向の端部に沿った周縁部フランジを容易に掴むことができる。図20乃至22は、ライナ(14)及び(16)を基底部(12)に固定するための隆起した縁部(44)の代替手段を示す。図20乃至22において、使い捨てライナ(14)の周縁部フランジのへりを除き、液体を収容する使い捨てライナ(14)を見ることは難しいが、本明細書で取り組まれる特定の変形とは別にして、全ての構造は一般的に図14及び図15に示される通り同じであることと考えられる。図20において、基底部(12)の端壁は上方に延出する歯部(76)を有する。使い捨てライナ(16b)及び(14b)(図示せず)上の周縁部フランジ(48b)は、基底部(12b)上で上方に延出する歯部(76)の位置に対応する切り欠け部(78b)を有する。図21及び図22において、基底部(12c)、(12d)の上部リムは、1又はそれ以上の杭(80c)、(80d)を有する。図21において、杭(80c)は端壁(20c)の中央部分の上部に配されており、図22においては、杭(80d)は対向する隅角部に備えられている。図21及び図22の周縁部フランジ(48c)、(48d)は、穴部(82c)及び(82d)を有する。この穴部(82c)及び(82d)は、杭(80c)、(80d)夫々の位置に対応する。全ての場合において、説明された通り、固定手段の使用は、キット(10)上のカバー(16)の安定性を大きく増進させる。
【0027】
図23の示す実施形態において、使い捨てライナ(14e)は無菌の内部又は鉢部を有する。また、例えば無菌のタイベック(登録商標)、医療グレードの粘着紙又はホイルで作られた剥離可能なシール部(84)が、無菌のライナ(14e)の周縁部フランジに固定される。また、ラテックスを染み込ませた紙等の熱に弱い接着剤被覆した無菌紙を、ライナ(14e)の周縁部フランジにシールを貼り付けるために使用することが望ましい。剥離可能なシール(84)は、幻影線によって示される通り、シール(84)の剥離を促進するための剥離タブ(86)を有し、無菌のライナを使用する準備を整える。
【0028】
次に図11乃至12及び図20乃至25を参照する。ライナ(14)の無菌の内部が必要とされない用途において、使い捨てライナ(14)は入れ子の方法で堆積可能であることが望ましい(図24の堆積物(88)を参照)。前述の通り、ライナ(14)の側壁及び端壁の抜き勾配は選択され、一部では、きっちりと入れ子にすることと同時に個々のライナを入れ子になった堆積物から解放することを促進する。しかし、図24の個々のライナ(14)の入れ子になった堆積物(88)からの解放可能性を促進するためのさらなる手段がもたらされることが望まれていることがわかっている。この目的を達成するため、使い捨てライナ(14)は、使い捨てライナ(14)の底面から下方に突出するビーズ(90)を、周縁部フランジ(48)の隅角部及び側壁と端壁(36)、(38)に有する。ビーズ(90)の好適な形状及び配置は図12に示される。図25は、隔離部を隣接するライナ(14)の間にもたらすよう堆積されているビーズ(90)を示し、これにより、隣接するライナ(14)が互いに接着することを防ぐ。ビーズ(90)をもたらす別の方法として望ましいのは、化学剥離剤(シリコーン又はアクロワックス等)を、使い捨てライナ(14)の成形のために用いられるプラスチック材料又はその内部にもたらすこと、或いは使い捨てライナ(14)の表面をこのような剥離剤(例えばシリコーン)等で被覆することである。
【0029】
図16乃至18は、本発明に関連して構成されたリザーバキット(110)の第2の好適な実施形態を説明する。図1乃至15における第1の実施形態(10)と比較した第2の実施形態(110)における主な違いは、図16乃至19に説明される第2の実施形態(110)はより小さい容積、すなわち100mlではなく25mlの容積を有することである。構造における主な違いは、大きさの違いを除き、25mlの実施形態のためのリザーバの鉢部(118)が100mlの実施形態の場合と同様の溝部と長手方向の側壁の間に長手方向のステップを有さないことである。図16乃至19に示される第2の実施形態に関し、図中の参照番号は、一般に図1乃至15の実施形態と関連して用いられる参照番号に対応するが、番号は100増加している。例えば、参照番号(12)は100mlの実施形態における再利用可能な基底部を識別するのに用いられ、参照番号(112)は25mlの実施形態における再利用可能な基底部を識別するのに用いられる。長手方向のステップ及び容積容量に関連する顕著な違いを除き、図16乃至19の25mlの実施形態の特徴及び機能的設計は、図1乃至15のものと同様である。例えば、図17において、基底部(112)の鉢部の側壁(132)上に印刷された体積測定器(168)の値は、5、10、15、20、25の値でなければならない。使い捨てライナ(114)の好適な大きさは以下の通りである。周縁部フランジを含めたライナ(114)の上部に亘る鉢部の幅は約1.6インチであり、一方で長手方向の長さは約5.5インチである。周縁部フランジの幅は約16分の3インチであることが好ましく、また鉢部の深さは約1.45インチである。溝部に沿ったライナ(114)の底部の長手方向の長さは、8チャネル及び12チャネルピペットの両方に対応するために、より大きい100mlのバージョンと同様であって、約4.25から4.5インチである。
【0030】
図26乃至29はリザーバキット(10)及び(110)の好適な包装システムに関連する。図27から図29は、入れ子になった使い捨てライナ(14)の反転した堆積物(200)であり、保存スリーブ(202)内部に配置されている様子を示す。スリーブ(202)はダンボールで作られることが好ましい。その構造は側壁(204)と端壁(206)を備える。各側壁はV字に切断された開口部(210)を有する。この開口部(210)により、使用者は使い捨てライナ(14)の堆積物(200)に到達し、1又はそれ以上のライナをスリーブ(202)から差し支えなく取り出すことが可能となる。ダンボール又はテント形状の発砲体で形成される挿入された隔離部(208)は、保存スリーブ(202)内部に配置され、入れ子になった使い捨てライナ(14)の反転した堆積物(200)を支持する。挿入された隔離部(208)は、堆積物(200)内の最下のライナ(14)の鉢部の主に頂点において、入れ子になった堆積物を支持する。V字の切断はスリーブ(202)の底部に2分の1インチ以上近づかない。これは、ダンボールのスリーブの構造上の完全性を維持するためである。挿入された隔離部(208)は、スリーブ(202)の底部の上にあるライナ(14)の堆積物(200)を浮かせる。ライナ(14)の堆積物(200)をスリーブ(202)内に配置することによって、ライナ(14)は反転され、作業者が一連のライナの内部の機能面を汚染することなく、堆積物(200)から一つのライナを持ち上げることを可能にする。また、ライナ(14)の内部の機能面に積もる埃も防ぐ。入れ子になった使い捨てライナ(14)の反転した堆積物を有するスリーブ(202)は、したがって、比較的小さな設置面積を有する便利なライナの供給元を、作業台で働く研究室の作業者にもたらす。図27に示す通り、カバー(212)もまた、入れ子になった堆積物(200)の輸送又は保存のためにもたらされることが好ましく、或いは入れ子になった堆積物に部分的に用いられることが好ましい。
【0031】
図26は、図27及び図28に関連して説明される再利用可能な基底部(12)、(112)を輸送するためのマスターパック(master pack)(214)と、カバーされたスリーブ(202)、(212)内に収容された入れ子になった使い捨てライナのいくつかの堆積物(200)を図示する。好適には、再利用可能な基底部(12)、(112)は、同一の箱(216)内部に、使い捨てライナ(212)、(202)のスリーブとして顧客に製品を輸送する目的で固定される。上述の本発明の説明から明らかであるが、様々な機能的特徴が備わるのは、使い捨てライナを有する再利用可能な基底部との組み合わせにおいてである。例えば、使い捨てライナ(14)、(114)は自立型ではない。図26に示すマスターパッキングシステム(master packing system)は、再利用可能な基底部が関連する使い捨てライナを収容した場合、顧客は適切な再利用可能な基底部(12)、(112)を手に入れることを確実にする。
【0032】
図30は壁(220)に据え付けたディスペンサ(218)を示す。ディスペンサ(218)は台部(224)を備えるフレーム(222)を有する。台部(224)は開口部(226)を有する。図27から図29に説明されるスリーブ(202)はディスペンサ(218)内に好適に配置され、これにより、スリーブ(202)の上部開口部は、同じく下方に面するライナ(14)、(114)の鉢部と共に下方に面する。図30のスリーブ(202)は別の隔離部(208a)を有する。図30において、隔離部(208a)は仮底の隔離部であって、通常、輸送の間はその上にライナ(14)の反転した堆積物(200)が置かれている。図30に示す仮底の隔離部(208a)は、図30に示すとおりスリーブ(202)に取り付けられてもそうでなくてもよい。図28及び図29に示される挿入された隔離部(208)は典型的に緩んでいる。
【0033】
堆積物(200)内の最下のライナ(14)、(114)の周縁部のリム(48)、(148)は台部(202)上に置かれるので、最下のライナ(114)、(14)の鉢部は台部内の開口部(226)を通って延出する。25mlのライナ(114)に関して、開口部(226)の大きさは、100mlのライナ(14)と共に用いるために設計されたディスペンサの方がより大きい。埃よけカバー(228)はスリーブ(202)上に置かれることができる。使用者がライナ(14)、(114)の一つを分配したいと所望する場合、使用者は矢印(230)によって図示されるとおり、堆積物(200)内の最下のライナを掴む。ライナ(14)、(114)、及び矢印(232)で描かれる通り、使用者が内側へ押し出すと、最下のライナの上部に位置するライナは上方へ押し出され、最下のライナは幅が狭くなり、最下のライナが解放される。一度最下のライナ(14)、(114)がディスペンサの開口部(116)を介して除去されると、ディスペンサ内の堆積物(200)の残りの部分は、台部(224)上に置かれるよう収まる。また、説明の通り、一度に一つのライナを解放するための脱進機構がもたらされることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の端壁含む細長い鉢部と、前記鉢部の底面に沿って延出する細長い溝部と、前記端壁の間に延出する一対の細長い側壁を有する再利用可能なリザーバを備える研究室用サンプルリザーバシステムであって、前記側壁の少なくとも一つは、異なる液体体積の目盛線を前記鉢部の一部を形成する前記側壁面上に有し、
また前記研究室用サンプルリザーバシステムはさらに、透き通ったプラスチック材料で作られた使い捨てライナを有し、前記ライナは前記再利用可能な基底部の前記鉢部の輪郭に厳密にしたがう形状の鉢部を有し、これにより前記使い捨てライナは、追加的な支持無しでは平らな面上で直立不可能の状態となり、前記鉢部の前記側壁上の前記液体体積の目盛線の目盛り付けは、前記使い捨てライナ内に収容された液体サンプルの体積を測定するようになされると共に、前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部内部の適所に設置された場合に観察可能であることを特徴とする研究室用サンプルリザーバシステム。
【請求項2】
前記再利用可能な基底部が前記鉢部の上端部周囲にリムを備え、また前記使い捨てライナが前記ライナの鉢部上部から外側へ延出する周縁部フランジをさらに備え、
前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部内部の適所に配置された場合、前記周縁部フランジが前記再利用可能な基底部の前記リム上に置かれ、これにより前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部の内部で、前記ライナの鉢部及び前記基底部の鉢部の間に僅かな隙間を有して掛かることを特徴とする請求項1に記載の研究室用サンプルリザーバシステム。
【請求項3】
前記使い捨てライナが艶出し仕上げされた透明の透き通ったプラスチック材料で作られ、前記再利用可能なリザーバ基底部の少なくとも前記側壁が不透明であると共にサテン仕上げされた面を有することを特徴とする請求項2記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項4】
前記再利用可能な鉢部内の前記溝部が、少なくとも一つの排水穴を含むことを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項5】
前記使い捨てライナが前記再利用可能な鉢部内に掛けられており、これにより前記使い捨てライナの前記鉢部内に収容されたサンプル液体が光を反射させ、これにより前記使い捨てライナの前記鉢部内に収容されたサンプル液体の上面より下方にある前記再利用可能な鉢部の前記側壁上の前記目盛線の視界が、多様な使用者の視角のために遮断されることを特徴とする請求項2記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項6】
前記使い捨てリザーバ基底部が一対の長手方向のステップをさらに有し、該ステップの夫々は前記溝部の長手方向の側部夫々に沿って長手方向に延出し、また前記ステップから前記長手方向の側壁の夫々が上方に延出していることを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項7】
前記液体体積の目盛線を有する前記再利用可能な基底部上の前記側壁面が、体積量の識別文字も備え、該識別文字は体積量が関連する前記目盛線の前記位置より僅かに上方に配されることを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項8】
前記再利用可能な基底部がさらに、前記鉢部の上端部周囲に延出するリムと、前記リムの前記周縁部の略周囲に延出する隆起した縁部を備え、
また前記使い捨てライナがさらに、前記ライナの鉢部の上部から外側に延出する周縁部フランジを備え、前記周縁部フランジは、前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部内部の適所に配される場合、前記基底部上の前記隆起した縁部を備える前記再利用可能な基底部の前記リム上に置かれ、前記隆起した縁部は前記ライナ上の前記周縁部フランジを略包囲することを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項9】
前記再利用可能な基底部上の前記リムの前記周縁部の略周囲に延出する前記隆起した縁部が、一対の対向するフィンガーアクセス(finger access)開口部を備えることを特徴とする請求項8記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項10】
前記使い捨てライナが、前記周縁部フランジの交差部で形成される少なくとも一つの注入口と、前記使い捨てライナの少なくとも一つの端壁及び少なくとも一つの側壁を備えることを特徴とする請求項2記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項11】
前記再利用可能なリザーバ基底部の少なくとも前記側壁が不透明であると共にサテン仕上げされており、また前記使い捨てライナが、艶出し仕上げされた透明な透き通る材料で作られることを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項12】
再利用可能なリザーバ基底部を備えるサンプルリザーバキットにおいて、前記再利用可能なリザーバ基底部は、細長い鉢部と、前記鉢部の上端部の略周囲に延出する上部リムと、前記上部リム上の適所に使い捨てライナを固定するための固定手段と、プラスチック材料で作られた少なくとも二つの使い捨てライナを有し、各ライナは鉢部を有し、該鉢部は前記再利用可能な基底部の前記細長い鉢部に対応する輪郭を有し、また各ライナはさらに、前記ライナの鉢部の上部から外側へ延出する周縁部フランジを有し、
前記使い捨てライナ上の前記フランジは、前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部内部の適所に配される場合、前記固定手段と係合する前記基底部の前記上部リム上に置かれ、
前記サンプルリザーバキットの使用方法は、
再利用可能なリザーバの基底部及び少なくとも第1及び第2の使い捨てライナをもたらす工程と、
前記第1の使い捨てライナの前記周縁部フランジが前記再利用可能な基底部の前記上部リム上に置かれると共に前記固定手段に係合するよう、前記再利用可能な基底部内に前記第1の使い捨てライナを配置する工程と、
前記リザーバ基底部に配置された前記第1の使い捨てライナの前記鉢部を液体サンプルで満たす工程と、
前記第2の使い捨てライナの前記周縁部フランジが前記第1の使い捨てライナの前記周縁部フランジ上に置かれると共に前記固定手段に係合するよう、前記液体サンプルで満たされた前記第1の使い捨てライナを前記第1の使い捨てライナの前記周縁部フランジ上で反転され配置された第2の使い捨てライナでカバーする工程と、
前記第1の使い捨てライナ内に収容された液体サンプルを利用可能とするため、前記第2の使い捨てライナを除去する工程と、
前記第1の使い捨てライナ内に収容された液体サンプルのいくつか又は全てを分配する工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記固定手段が前記再利用可能なリザーバ基底部の前記上部リムの周縁部の略周囲に延出する隆起した縁部を有し、前記使い捨てライナが、前記使い捨てライナの前記周縁部フランジを略包囲する前記隆起した縁部を有することにより前記固定手段と係合することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項14】
液体サンプルが前記使い捨てライナからピペットを用いて分配されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項15】
液体サンプルが、前記第1の使い捨てライナを前記再利用可能なリザーバ基底部から除去すると共にサンプルを前記ライナから手動で注入することにより、前記第1の使い捨てライナから分配されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記第1及び第2の使い捨てライナが無菌であって、各使い捨てライナに剥離可能なフィルムがもたらされ、該剥離可能なフィルムは使用前に前記周縁部フランジの上面に固定され、
前記剥離可能なフィルムはサンプルを保持するため、或いはサンプルをカバーするために、各ライナの使用前に除去されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項17】
細長い鉢部を有する再利用可能なリザーバ基底部を備えるサンプルリザーバシステムであって、前記鉢部の輪郭は一対の端壁と、前記鉢部の底面に沿って延出する細長い溝部と、前記端壁の間に延出する一対の細長い側壁とを備え、
前記サンプルリザーバシステムはさらに、使い捨てライナの入れ子状の堆積物を備え、各使い捨てライナは前記再利用可能な基底部の前記鉢部の前記輪郭に厳密に従う形状を備える鉢部を有し、前記使い捨てライナはプラスチック材料で作られ、また各ライナは一対の端壁及び一対の長手方向の側壁を備え、該一対の端壁及び一対の長手方向の側壁は、少なくとも約40度の抜き勾配を有すると共に、入れ子になった堆積物からの前記使い捨てライナの解放を促進するさらなる手段を有し、これにより前記入れ子になったライナが使用のため互いに容易に解放されることを可能にする方法で、堆積した使い捨てライナを比較的高密度な入れ子状態にすることを可能とすることを特徴とするサンプルリザーバシステム。
【請求項18】
各使い捨てライナが、前記ライナの鉢部の上部周辺に延出する周縁部フランジを備え、前記鉢部は前記側壁及び前記端壁の交差部の近傍に配置された隅角部を有し、
前記使い捨てライナの前記入れ子状態の堆積物からの前記解放を促進するための前記手段が、前記周縁部フランジの下面に形成された隆起したビーズを、前記周縁部フランジの各隅角部に備えることを特徴とする請求項17記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項19】
前記使い捨てライナの前記入れ子状態の堆積物からの前記解放を促進するための前記手段が化学剥離剤を備え、該化学剥離剤は前記使い捨てライナが作られる前記プラスチック材料に添加されて、前記使い捨てライナの少なくとも上面又は側部又は下面に被覆されることを特徴とする請求項17記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項20】
完全な入れ子状態の使い捨てライナの容積密度が、前記入れ子状態の堆積物の全容積当たりプラスチックが60容積%以上であることを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項21】
再利用可能なリザーバ基底部用の複数の使い捨てライナを備えるサンプルリザーバライナ用の分配システムであって、各使い捨てライナはプラスチック材料で作られ可塑性を有し、また前記再利用可能な基底部の細長い鉢部の前記輪郭に対応する輪郭を備える鉢部を有し、また前記ライナの鉢部の上部から外側に延出する周縁部フランジを有し、
また前記サンプルリザーバライナ用分配システムは、入れ子状態に堆積した複数の使い捨てライナを有するスリーブをさらに有し、前記スリーブは、該スリーブ内の開口部を除いた前記入れ子状態の堆積物を包囲し、前記入れ子状態のライナの堆積物は、前記ライナの鉢部の外面が前記スリーブの開口部に面するよう前記スリーブ内部で配向され、
また前記サンプルリザーバライナ用の分配システムは、固定面に取り付けられるよう構成されるディスペンサをさらに有し、前記ディスペンサは台部を有する支持フレームと、前記台部を通る細長い開口部を有し、前記台部は前記スリーブ内に入れ子状態のライナの前記堆積物を保持し、前記スリーブは前記台部の開口部に隣接する前記スリーブの開口部を備え、これにより前記最下のライナの前記周縁部フランジは前記支持台部上に置かれ、前記最下のライナ上の前記鉢部は、前記スリーブ及び台部の開口部を通って下方に延出し、これにより、前記最下のライナを前記台部の開口部を介して手動で分配するため前記最も低いライナの鉢部の外面に到達可能となることを特徴とする使い捨てサンプルリザーバライナ用分配システム。
【請求項22】
埃よけカバーをさらに備え、該埃よけカバーは、前記ディスペンサ内に収容されたスリーブ内の前記入れ子状態のライナの堆積物上に配されることを特徴とする請求項21記載のシステム。
【請求項23】
反転した使い捨てライナの入れ子状態の堆積物を備える使い捨てリザーバライナ用包装システムであって、各使い捨てライナは細長い鉢部を有し、該鉢部は一対の端壁、一対の長手方向の側壁、及び周縁部フランジによって少なくとも一部において形成され、前記周縁部フランジは前記端壁及び前記側壁の上部から外側に延出しており、
また前記使い捨てリザーバライナ用包装システムはさらに、入れ子状態のライナの反転した堆積物を保持するためのスリーブを備え、前記スリーブは底壁から上方に延出する一対の端壁及び一対の側壁を有し、また前記スリーブは挿入された隔離部を有し、前記隔離部はリザーバライナの前記反転した堆積物への支持を前記底壁の上方位置にもたらし、またスリーブはさらに開口領域を備え、該開口領域は前記側壁の前記上部から前記仮底隔離部の前記支持台部へ延出する前記側壁の夫々にあり、これにより、1又はそれ以上のライナを前記スリーブから手動で除去するための方法をもたらすことを特徴とする使い捨てリザーバライナ用包装システム。
【請求項24】
前記スリーブ上を摺動する包装用カバーをさらに備えることを特徴とする請求項12記載の包装システム。
【請求項25】
マスターパックボックス(master pack box)をさらに備え、前記マスターパックボックスは複数のスリーブを保持すると共に、前記マスターパックボックス内部に固定されたさらに少なくとも一つの再利用可能なリザーバを保持し、再利用可能な基底部の夫々は細長い鉢部を有し、該鉢部は前記使い捨てライナの前記細長い鉢部の前記輪郭に厳密に従った輪郭を有することを特徴とする請求項14記載の包装システム。
【請求項1】
一対の端壁含む細長い鉢部と、前記鉢部の底面に沿って延出する細長い溝部と、前記端壁の間に延出する一対の細長い側壁を有する再利用可能なリザーバを備える研究室用サンプルリザーバシステムであって、前記側壁の少なくとも一つは、異なる液体体積の目盛線を前記鉢部の一部を形成する前記側壁面上に有し、
また前記研究室用サンプルリザーバシステムはさらに、透き通ったプラスチック材料で作られた使い捨てライナを有し、前記ライナは前記再利用可能な基底部の前記鉢部の輪郭に厳密にしたがう形状の鉢部を有し、これにより前記使い捨てライナは、追加的な支持無しでは平らな面上で直立不可能の状態となり、前記鉢部の前記側壁上の前記液体体積の目盛線の目盛り付けは、前記使い捨てライナ内に収容された液体サンプルの体積を測定するようになされると共に、前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部内部の適所に設置された場合に観察可能であることを特徴とする研究室用サンプルリザーバシステム。
【請求項2】
前記再利用可能な基底部が前記鉢部の上端部周囲にリムを備え、また前記使い捨てライナが前記ライナの鉢部上部から外側へ延出する周縁部フランジをさらに備え、
前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部内部の適所に配置された場合、前記周縁部フランジが前記再利用可能な基底部の前記リム上に置かれ、これにより前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部の内部で、前記ライナの鉢部及び前記基底部の鉢部の間に僅かな隙間を有して掛かることを特徴とする請求項1に記載の研究室用サンプルリザーバシステム。
【請求項3】
前記使い捨てライナが艶出し仕上げされた透明の透き通ったプラスチック材料で作られ、前記再利用可能なリザーバ基底部の少なくとも前記側壁が不透明であると共にサテン仕上げされた面を有することを特徴とする請求項2記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項4】
前記再利用可能な鉢部内の前記溝部が、少なくとも一つの排水穴を含むことを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項5】
前記使い捨てライナが前記再利用可能な鉢部内に掛けられており、これにより前記使い捨てライナの前記鉢部内に収容されたサンプル液体が光を反射させ、これにより前記使い捨てライナの前記鉢部内に収容されたサンプル液体の上面より下方にある前記再利用可能な鉢部の前記側壁上の前記目盛線の視界が、多様な使用者の視角のために遮断されることを特徴とする請求項2記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項6】
前記使い捨てリザーバ基底部が一対の長手方向のステップをさらに有し、該ステップの夫々は前記溝部の長手方向の側部夫々に沿って長手方向に延出し、また前記ステップから前記長手方向の側壁の夫々が上方に延出していることを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項7】
前記液体体積の目盛線を有する前記再利用可能な基底部上の前記側壁面が、体積量の識別文字も備え、該識別文字は体積量が関連する前記目盛線の前記位置より僅かに上方に配されることを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項8】
前記再利用可能な基底部がさらに、前記鉢部の上端部周囲に延出するリムと、前記リムの前記周縁部の略周囲に延出する隆起した縁部を備え、
また前記使い捨てライナがさらに、前記ライナの鉢部の上部から外側に延出する周縁部フランジを備え、前記周縁部フランジは、前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部内部の適所に配される場合、前記基底部上の前記隆起した縁部を備える前記再利用可能な基底部の前記リム上に置かれ、前記隆起した縁部は前記ライナ上の前記周縁部フランジを略包囲することを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項9】
前記再利用可能な基底部上の前記リムの前記周縁部の略周囲に延出する前記隆起した縁部が、一対の対向するフィンガーアクセス(finger access)開口部を備えることを特徴とする請求項8記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項10】
前記使い捨てライナが、前記周縁部フランジの交差部で形成される少なくとも一つの注入口と、前記使い捨てライナの少なくとも一つの端壁及び少なくとも一つの側壁を備えることを特徴とする請求項2記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項11】
前記再利用可能なリザーバ基底部の少なくとも前記側壁が不透明であると共にサテン仕上げされており、また前記使い捨てライナが、艶出し仕上げされた透明な透き通る材料で作られることを特徴とする請求項1記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項12】
再利用可能なリザーバ基底部を備えるサンプルリザーバキットにおいて、前記再利用可能なリザーバ基底部は、細長い鉢部と、前記鉢部の上端部の略周囲に延出する上部リムと、前記上部リム上の適所に使い捨てライナを固定するための固定手段と、プラスチック材料で作られた少なくとも二つの使い捨てライナを有し、各ライナは鉢部を有し、該鉢部は前記再利用可能な基底部の前記細長い鉢部に対応する輪郭を有し、また各ライナはさらに、前記ライナの鉢部の上部から外側へ延出する周縁部フランジを有し、
前記使い捨てライナ上の前記フランジは、前記使い捨てライナが前記再利用可能な基底部内部の適所に配される場合、前記固定手段と係合する前記基底部の前記上部リム上に置かれ、
前記サンプルリザーバキットの使用方法は、
再利用可能なリザーバの基底部及び少なくとも第1及び第2の使い捨てライナをもたらす工程と、
前記第1の使い捨てライナの前記周縁部フランジが前記再利用可能な基底部の前記上部リム上に置かれると共に前記固定手段に係合するよう、前記再利用可能な基底部内に前記第1の使い捨てライナを配置する工程と、
前記リザーバ基底部に配置された前記第1の使い捨てライナの前記鉢部を液体サンプルで満たす工程と、
前記第2の使い捨てライナの前記周縁部フランジが前記第1の使い捨てライナの前記周縁部フランジ上に置かれると共に前記固定手段に係合するよう、前記液体サンプルで満たされた前記第1の使い捨てライナを前記第1の使い捨てライナの前記周縁部フランジ上で反転され配置された第2の使い捨てライナでカバーする工程と、
前記第1の使い捨てライナ内に収容された液体サンプルを利用可能とするため、前記第2の使い捨てライナを除去する工程と、
前記第1の使い捨てライナ内に収容された液体サンプルのいくつか又は全てを分配する工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記固定手段が前記再利用可能なリザーバ基底部の前記上部リムの周縁部の略周囲に延出する隆起した縁部を有し、前記使い捨てライナが、前記使い捨てライナの前記周縁部フランジを略包囲する前記隆起した縁部を有することにより前記固定手段と係合することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項14】
液体サンプルが前記使い捨てライナからピペットを用いて分配されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項15】
液体サンプルが、前記第1の使い捨てライナを前記再利用可能なリザーバ基底部から除去すると共にサンプルを前記ライナから手動で注入することにより、前記第1の使い捨てライナから分配されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記第1及び第2の使い捨てライナが無菌であって、各使い捨てライナに剥離可能なフィルムがもたらされ、該剥離可能なフィルムは使用前に前記周縁部フランジの上面に固定され、
前記剥離可能なフィルムはサンプルを保持するため、或いはサンプルをカバーするために、各ライナの使用前に除去されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項17】
細長い鉢部を有する再利用可能なリザーバ基底部を備えるサンプルリザーバシステムであって、前記鉢部の輪郭は一対の端壁と、前記鉢部の底面に沿って延出する細長い溝部と、前記端壁の間に延出する一対の細長い側壁とを備え、
前記サンプルリザーバシステムはさらに、使い捨てライナの入れ子状の堆積物を備え、各使い捨てライナは前記再利用可能な基底部の前記鉢部の前記輪郭に厳密に従う形状を備える鉢部を有し、前記使い捨てライナはプラスチック材料で作られ、また各ライナは一対の端壁及び一対の長手方向の側壁を備え、該一対の端壁及び一対の長手方向の側壁は、少なくとも約40度の抜き勾配を有すると共に、入れ子になった堆積物からの前記使い捨てライナの解放を促進するさらなる手段を有し、これにより前記入れ子になったライナが使用のため互いに容易に解放されることを可能にする方法で、堆積した使い捨てライナを比較的高密度な入れ子状態にすることを可能とすることを特徴とするサンプルリザーバシステム。
【請求項18】
各使い捨てライナが、前記ライナの鉢部の上部周辺に延出する周縁部フランジを備え、前記鉢部は前記側壁及び前記端壁の交差部の近傍に配置された隅角部を有し、
前記使い捨てライナの前記入れ子状態の堆積物からの前記解放を促進するための前記手段が、前記周縁部フランジの下面に形成された隆起したビーズを、前記周縁部フランジの各隅角部に備えることを特徴とする請求項17記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項19】
前記使い捨てライナの前記入れ子状態の堆積物からの前記解放を促進するための前記手段が化学剥離剤を備え、該化学剥離剤は前記使い捨てライナが作られる前記プラスチック材料に添加されて、前記使い捨てライナの少なくとも上面又は側部又は下面に被覆されることを特徴とする請求項17記載のサンプルリザーバシステム。
【請求項20】
完全な入れ子状態の使い捨てライナの容積密度が、前記入れ子状態の堆積物の全容積当たりプラスチックが60容積%以上であることを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項21】
再利用可能なリザーバ基底部用の複数の使い捨てライナを備えるサンプルリザーバライナ用の分配システムであって、各使い捨てライナはプラスチック材料で作られ可塑性を有し、また前記再利用可能な基底部の細長い鉢部の前記輪郭に対応する輪郭を備える鉢部を有し、また前記ライナの鉢部の上部から外側に延出する周縁部フランジを有し、
また前記サンプルリザーバライナ用分配システムは、入れ子状態に堆積した複数の使い捨てライナを有するスリーブをさらに有し、前記スリーブは、該スリーブ内の開口部を除いた前記入れ子状態の堆積物を包囲し、前記入れ子状態のライナの堆積物は、前記ライナの鉢部の外面が前記スリーブの開口部に面するよう前記スリーブ内部で配向され、
また前記サンプルリザーバライナ用の分配システムは、固定面に取り付けられるよう構成されるディスペンサをさらに有し、前記ディスペンサは台部を有する支持フレームと、前記台部を通る細長い開口部を有し、前記台部は前記スリーブ内に入れ子状態のライナの前記堆積物を保持し、前記スリーブは前記台部の開口部に隣接する前記スリーブの開口部を備え、これにより前記最下のライナの前記周縁部フランジは前記支持台部上に置かれ、前記最下のライナ上の前記鉢部は、前記スリーブ及び台部の開口部を通って下方に延出し、これにより、前記最下のライナを前記台部の開口部を介して手動で分配するため前記最も低いライナの鉢部の外面に到達可能となることを特徴とする使い捨てサンプルリザーバライナ用分配システム。
【請求項22】
埃よけカバーをさらに備え、該埃よけカバーは、前記ディスペンサ内に収容されたスリーブ内の前記入れ子状態のライナの堆積物上に配されることを特徴とする請求項21記載のシステム。
【請求項23】
反転した使い捨てライナの入れ子状態の堆積物を備える使い捨てリザーバライナ用包装システムであって、各使い捨てライナは細長い鉢部を有し、該鉢部は一対の端壁、一対の長手方向の側壁、及び周縁部フランジによって少なくとも一部において形成され、前記周縁部フランジは前記端壁及び前記側壁の上部から外側に延出しており、
また前記使い捨てリザーバライナ用包装システムはさらに、入れ子状態のライナの反転した堆積物を保持するためのスリーブを備え、前記スリーブは底壁から上方に延出する一対の端壁及び一対の側壁を有し、また前記スリーブは挿入された隔離部を有し、前記隔離部はリザーバライナの前記反転した堆積物への支持を前記底壁の上方位置にもたらし、またスリーブはさらに開口領域を備え、該開口領域は前記側壁の前記上部から前記仮底隔離部の前記支持台部へ延出する前記側壁の夫々にあり、これにより、1又はそれ以上のライナを前記スリーブから手動で除去するための方法をもたらすことを特徴とする使い捨てリザーバライナ用包装システム。
【請求項24】
前記スリーブ上を摺動する包装用カバーをさらに備えることを特徴とする請求項12記載の包装システム。
【請求項25】
マスターパックボックス(master pack box)をさらに備え、前記マスターパックボックスは複数のスリーブを保持すると共に、前記マスターパックボックス内部に固定されたさらに少なくとも一つの再利用可能なリザーバを保持し、再利用可能な基底部の夫々は細長い鉢部を有し、該鉢部は前記使い捨てライナの前記細長い鉢部の前記輪郭に厳密に従った輪郭を有することを特徴とする請求項14記載の包装システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2010−532478(P2010−532478A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515034(P2010−515034)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/068017
【国際公開番号】WO2009/006104
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(510003612)ヴィアフロ コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/068017
【国際公開番号】WO2009/006104
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(510003612)ヴィアフロ コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】
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