使い捨て用の薬液容器
【課題】薬液塗布具に吸収された薬液を容易かつ十分に液切れさせることができる、使い捨て用の薬液容器を提供する。
【解決手段】シート面の外側縁部を鍔部5としてその内側に、底面2A及び周壁部2Bを有する凹部2を設け、この凹部2内に、薬液溜部3と、この薬液溜部3に向かって下り傾斜してなる傾斜部4Aに複数の突部乃至段差部4Bが設けられた液切部4とを備えた薬液容器を提案する。
【解決手段】シート面の外側縁部を鍔部5としてその内側に、底面2A及び周壁部2Bを有する凹部2を設け、この凹部2内に、薬液溜部3と、この薬液溜部3に向かって下り傾斜してなる傾斜部4Aに複数の突部乃至段差部4Bが設けられた液切部4とを備えた薬液容器を提案する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用消毒剤や外皮消毒剤などの薬液を溜める或いは収納するための薬液容器であって、詳しくはプラスチックシートから成形してなる使い捨て用の薬液容器に関する。
【背景技術】
【0002】
外用消毒剤や外皮消毒剤などの薬液を患部に塗布する際には、ボトル状の容器に収容された薬液を、使い捨て用の小さなカップ状の薬液容器に移し替えて使用するか(例えば特許文献1参照)、或いは、予め一回分の使用量に小分けした薬液を封入した薬液収納容器(例えば特許文献2参照)が使用されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−225126号公報(特にその図4)
【特許文献2】特許3635647号公報(特にその図1(B)及び図2(B))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような薬液容器を使用して薬液を患部に塗布する場合、薬液容器の薬液溜部内に薬液を注ぎ入れ、綿棒などの薬液塗布具の薬液塗布部(綿棒で言えば、先端部の綿球部)を、薬液溜部内の薬液に浸して薬液塗布部に吸収させ、患部に薬液を塗布する。この際、薬液塗布部が必要以上の薬液を含んでいると、薬液が垂れたり、必要以上に薬液が患部に付着したり、或いは薬液が最終的に不足したりすることがあるため、通常は、薬液溜部の内側上縁部などに薬液塗布部を擦り付けて余分な薬液を切ってから塗布することが行われている。しかし、薬液容器が小さいこともあって、容易に液切れさせることが難しいという課題を抱えていた。
【0005】
そこで本発明は、薬液塗布具の薬液塗布部に吸収された薬液を容易に液切れさせることができる、新たな薬液容器を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、プラスチックシートから成形されてなる使い捨て用の薬液容器であって、薬液溜部と、この薬液溜部に向かって下り傾斜してなる傾斜部に複数の突部乃至段差部が設けられた液切部とを備えた薬液容器を提案するものである。
【0007】
このような構成を備えた薬液容器であれば、薬液溜部内に薬液を注ぎ入れ、綿棒などの薬液塗布具の薬液塗布部(綿棒で言えば、先端部の綿球部)を薬液に浸して薬液塗布部に吸収させた後、薬液塗布部を液切部に擦り付けることで余分な薬液を容易に液切れさせることができるから、患部に必要十分な量の薬液を塗布することができる。
また、薬液溜部に向かって下り傾斜するように液切部の傾斜部を設けたことで、この傾斜部に沿うようにして薬液塗布具の薬液塗布部を薬液に浸すことができるから、薬液溜部がたとえ小さくても薬液塗布部を十分に薬液に浸すことができる。よって、薬液溜部を小さくすることができるから、使用後に過量な薬液が残ることを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の薬液容器の一例を示した図であり、(A)は斜視図、(B)はB−B線断面図である。
【図2】図1とは異なる薬液容器の一例を示した図であり、(A)は斜視図、(B)はB−B線断面図である。
【図3】図1及び2とは異なる薬液容器の一例を示した図であり、(A)は斜視図、(B)はB−B線断面図である。
【図4】図1〜図3の変形例としての薬液容器の一例を示した斜視図である。
【図5】図1〜図4の変形例としての薬液容器の一例を示した斜視図である。
【図6】図1〜図5の変形例としての薬液容器の変形例を示した側断面図である。
【図7】図1〜図6の変形例としての薬液容器の変形例を示した側断面図である。
【図8】薬液容器の使用状態、特に液切れを行う際の使用状態の一例を示した図である。
【図9】切り離し可能な複数の薬液容器を一体に連設してなる薬液容器セットの一例を示した平面図である。
【図10】シート面内に複数の薬液容器を連設してなる薬液容器シートの一例を示した平面図である。
【図11】薬液容器の使用方法として、薬液を封入した薬液収納容器の一例を示した側断面図である。
【図12】薬液容器における各部の寸法や角度を説明するための図であり、(A)、(B)はそれぞれ別の断面形状を有する薬液容器を示した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。但し、本発明が下記に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態に係る薬液容器1は、プラスチックシートから成形してなる使い捨て用の薬液容器であって、薬液溜部3と液切部4とを備えたものである。
【0011】
薬液容器1の材質は、特に限定するものではなく、保形性、耐薬品性、並びに薬液の浸透及び揮発を抑えるバリア性などを備えた樹脂であるのが好ましい。中でも、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどを好ましく用いることができる。
このような樹脂からなるシート乃至フィルムを金型で加熱成形し、各種形状に裁断することにより、より好ましく薬液容器1を作製することができる。
【0012】
薬液容器1は、例えば図1―5に示すように、プラスチックシートのシート面内に凹部2を設け、この凹部2内に薬液溜部3及び液切部4を設けるようにして形成することができる。
【0013】
ここで、凹部2は、例えば図1−5に示すように、プラスチックシートのシート面の外側縁部を鍔部5とし、この鍔部5に囲まれた内側に設けることができる。
鍔部5には、蓋部をシールするための突条部を、凹部2を一周囲むように設けることもできる。この場合、鍔部5と蓋部との間に薬液が侵入しないように、凹部2の上縁部、言い換えれば鍔部5の内側縁に沿ってその近傍に設けるのが好ましい。
凹部2の大きさ及び形状は特に制限するものではないが、目安としては、深さ11mm〜44mm、特に18mm〜30mmを例示することができる。
但し、鍔部5は必ずしも設ける必要はない。
【0014】
薬液溜部3は、薬液を溜める部分であり、例えば凹部2の一部を薬液溜部3とすることができる。例えば図1−5の例では、凹部2内の底の深い部分が薬液溜部3とされている。
【0015】
薬液溜部3は、必要十分な量の薬液を溜めることができれば、その大きさ、平面視形状及び側面形状は適宜変形可能である(図1−7参照)。
薬液溜部3の容量の目安としては、0.6mL〜45.0mL、特に2.0mL〜12.9mLを例示することができる。
【0016】
液切部4は、例えば図1−5に示すように、薬液溜部3に向かって下り傾斜して、薬液溜部3の上端部に連続してなる傾斜部4A上に、複数の突部乃至段差部4Bを設けて形成することができる。このように液切部4を形成すれば、薬液を含浸させた薬液塗布部を前記突部乃至段差部4Bに擦り付けることで余分な薬液を液切れさせることができ、同時に液切れされた余分な薬液を、傾斜部4Aを伝わせて薬液溜部3内に流れ込ませることができる。
【0017】
この際、液切部4の傾斜部4Aの勾配角θは(図12(A)(B)参照)、液切れさせ易さと薬液塗布具(例えば綿棒)を薬液溜部3内の薬液に漬け易さとの観点から、5〜85°、特に15〜55°、中でも特に20〜35°であるのが好ましい。なお、勾配角θは、漸次変化するものであっても、一定であってもよい。
また、液切部4の張出幅L、言い換えれば上面視した場合に液切部4が薬液溜部3から張り出した幅は(図12(A)(B)参照)、薬液塗布具(例えば綿棒)を薬液溜部3内の薬液に漬ける際のし易さの観点から、13mm〜64mmであるのが好ましく、中でも15mm〜58mm、その中でも特に20mm〜51mmであるのがより好ましい。
【0018】
より具体的には、液切部4は、例えば図1に示すように、複数の段差部4Bが勾配をもって階段状に連設してなる傾斜部4Aとして形成することができる。なお、図4―図12は、図1に示した液切部4の形状を代表例として変形例や利用例等を説明しているが、他の形状の液切部4(例えば図2や図3に示した形状の液切部4)においても同様である。
この際、各段差部4Bの高さh(図12(A)参照)は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、3mm〜6.5mmが好ましく、特に5mm〜6mmであるのがより好ましい。
【0019】
また、液切部4は、例えば図2に示すように、薬液溜部に向かって傾斜してなる傾斜部4A上に、該傾斜部4Aの横側すなわち左右横側から中央に向かって下り傾斜した複数の突条部4Bを、該傾斜部4Aの傾斜方向に間隔をおいて設けるように形成することができる。
この際、各突条部4Bの突出高さh’(図12(B)参照)は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、0.5mm〜5.0mmが好ましく、特に1.5mm〜2.5mmであるのがより好ましい。
各突条部4Bの長さは、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、4mm〜25mmが好ましく、特に8mm〜16mmであるのがより好ましい。
各突条部4Bの幅は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、0.5mm〜5.0mmが好ましく、特に1.5mm〜2.5mmであるのがより好ましい。
傾斜部4Aの傾斜方向に隣接する突条部4B、4Bの間隔は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、1mm〜6mmが好ましく、特に4mm〜5mmであるのがより好ましい。
傾斜部4Aの左右方向に隣接する突条部4B、4Bの中央部における間隔は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、0.5mm〜5mmが好ましく、特に2mm〜3mmであるのがより好ましい。
さらに、左右横側から中央に向かって下り傾斜する傾斜角は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、5°〜45°が好ましく、特に25°〜35°であるのがより好ましい。
【0020】
さらにまた、液切部4は、例えば図3に示すように、薬液溜部3に向かって傾斜してなる傾斜部4A上に、半球状の複数の突部4Bを間隔をおいて設けるように形成することができる。
但し、突部4Bの形状は任意であり、例えばくさび状、角錐状など任意の形状に形成することができる。
この際、各突条部4Bの突出高さh’(図12(B)参照)は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、0.5mm〜5.0mmが好ましく、特に1.5mm〜2.5mmであるのがより好ましい。
【0021】
上記のような形状の液切部4の中で、液切れした後に液切部4に液残りが少なく、液切れされた液が薬液溜部3内にスムースに流れ込むという観点からすると、図2に示した形態、すなわち傾斜部4Aの横側すなわち左右横側から中央に向かって下り傾斜した複数の突条部4Bを、該傾斜部4Aの傾斜方向に間隔をおいて設けてなるものが好ましい。
【0022】
いずれの形状の液切部4においても、液切部4の平面視形状や、液切部4を設ける位置やその数は適宜変更可能である(図4−5参照)。
また、液切部4は、図1−5に示すように、凹部2の上縁部2aから適宜長さ下がった位置から設けるようにしてもよいし、図6に示すように、上縁部2aから設けるようにしてもよい。但し、上縁部2aへの液はね上がり防止の観点から、凹部2の上縁部2aから適宜長さ下がった位置から液切部4を設けるのが好ましい。
さらにまた、液切部4は、図7に示すように、凹部2の底面部2Aから設けることも可能である。この場合、液切部4の中間高さまで薬液を溜めることになるため、薬液溜部3と液切部4の境はない。
【0023】
薬液容器1は、薬液溜部3内に薬液Xを注ぎ入れて、綿棒などの薬液塗布具50の薬液塗布部51(綿棒で言えば、先端部の綿球部)を薬液に浸し、図8に示すように、薬液塗布部51を液切部4に擦り付けることで余分な薬液を容易に液切れさせることができ、患部に必要十分な量の薬液を塗布することができる。
【0024】
薬液としては、外用消毒剤、外皮消毒剤その他の薬液を使用することができる。例えばポピドンヨード液、アルコール、過酸化水素などの消毒用薬液、ローション、ベビーオイルなどの化粧液、その他液状の薬液、蒸留水などを挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。
【0025】
本発明の薬液容器は、薬液を充填することなく、容器として上市することも可能であるが、図11に示すように、薬液溜部3内に薬液Xを充填し、蓋材21でシールすることにより、薬液を封入した薬液収納容器20として上市することも可能である。
この際、蓋材21としては、その材質を特に限定するものではないが、防水性、耐薬品性を備えている必要はある。例えば、樹脂基材シートのシート面に金属薄膜層を積層してなる複合シートを好ましい一例として挙げることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂基材シートに、アルミ等の金属を蒸着乃至ラミネートして金属薄膜層を積層してなる複合シートなどを好ましく用いることができる。
また、充填する薬液の量は、患部の種類や大きさ、或いは薬液塗布部収容凹部5の大きさなどにより適宜変更するのが好ましいから、それに合わせて薬液塗布部2の大きさを調整するのが好ましい。
【0026】
本発明の薬液容器は、複数の薬液容器1を分断可能に連接させて薬液容器セット或いは薬液容器シートとして構成することもできる。
例えば図9に示すように、鍔部5を接続部11として複数の薬液容器1を連設する共に、該接続部11に分断可能な切離線12を設けることで、切り離し可能な複数の薬液容器を一体に接続してなる薬液容器セット13とすることができる。
【0027】
また、図10に示すように、プラスチックシート15のシート面15a内に上下左右に適宜間隔をあけて複数の凹部2を設け、各凹部2内に薬液溜部3及び液切部4を設ける共に、隣接する凹部2,2間のシート面15aに分断可能な切離線16を設けることにより、シート面15a内に切り離し可能な複数の薬液容器1を備えた薬液容器シート17とすることもできる。
なお、上記の切離線12、16は、ミシン目としてもよいし、溝部としてもよい。
【0028】
さらにまた、本発明の薬液容器は、上記の凹部2のほかに、綿棒などの薬液塗布具や、ピンセット、ガーゼ、包帯、止血テープなどの医療器具を収容する医療器具収容凹部を別に設けたり、或いは仕切りを形成して設けたりして、医療器具を同時に収容することができる医療用キットとすることも可能である。
【0029】
(用語の説明)
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明における「シート」とは、厚さを特に限定するものではないから、一般には「フィルム」と呼ばれる厚さも包含するものである。
【実施例】
【0030】
以下、各種試験に基づいて本発明を説明するが、本発明が下記試験例に限定されるものではない。
【0031】
<液切れ及び液溜まりの評価試験>
異なる3つの薬液容器(サンプル)を用意し、綿棒の液切れ具合と液溜まり具合を評価した。
【0032】
(サンプル)
サンプルとして3つの薬液容器を用意した。
【0033】
サンプル(A):図1に示すように、プラスチックシートからなる長方形状のシート面の外側縁部が鍔部5とされ、この鍔部5に囲まれた内側に凹部2が設けられ、その片側は薬液溜部3とされ、他側には、薬液溜部3の上縁部に連続するように液切部4が設けられ、その液切部4は、複数の段差部4Bが勾配をもって階段状に連設して傾斜部4Aとして形成されている。
凹部2の深さ:25.5mm
薬液溜部3の容量:5mL
傾斜部4Aの勾配角θ:22.5°
液切部4の張出幅L:24mm
各段差部4Bの高さh:1.5mm
【0034】
サンプル(B):図2に示すように、プラスチックシートからなる長方形状のシート面の外側縁部が鍔部5とされ、この鍔部5に囲まれた内側に凹部2が設けられ、その片側は薬液溜部3とされ、他側には、薬液溜部3の上縁部に連続するように液切部4が設けられ、その液切部4は、薬液溜部3に向かって傾斜してなる傾斜部4A上に、該傾斜部4Aの左右横側から中央に向かって下り傾斜した複数の突条部4Bが、該傾斜部4Aの傾斜方向に間隔をおいて設けられている。
凹部2の深さ:25.5mm
薬液溜部3の容量:5mL
傾斜部4Aの勾配角θ:22.5°
液切部4の張出幅L:24mm
各突条部4Bの突出高さh’:1.5mm
各突条部4Bの長さ:10.5mm
突条部4Bの幅:1.5mm
傾斜方向に隣接する突条部4B、4Bの間隔:4.5mm
左右方向に隣接する突条部4B、4Bの中央部における間隔:2.6mm
突条部4Bの傾斜角:30°
【0035】
サンプル(C):図3に示すように、プラスチックシートからなる長方形状のシート面の外側縁部が鍔部5とされ、この鍔部5に囲まれた内側に凹部2が設けられ、その片側は薬液溜部3とされ、他側には、薬液溜部3の上縁部に連続するように液切部4が設けられ、その液切部4は、薬液溜部3に向かって傾斜してなる傾斜部4A上に、半球状の複数の突部4Bが間隔をおいて設けられている。
凹部2の深さ:25.5mm
薬液溜部3の容量:5mL
傾斜部4Aの勾配角θ:22.5°
液切部4の張出幅L:24mm
各突条部4Bの突出高さh’:1.5mm
各突条部4Bの長さ:1.5mm
突条部4Bの突出高さh’:1.5mm
【0036】
(試験方法)
薬液溜部内に薬液を充填し、3人の検査員がそれぞれ、綿棒(♯105,軸長:18cm、綿球部の直径:15mm、綿球部の吸液量:4.30mL)を薬液溜部内の薬液に20秒間浸した後、綿棒の綿球を液切部の下端部から上端部まで移動させるようにして擦り付ける作業を3回行い、綿棒の液切れ具合と、液切部における液溜まり具合を下記基準で評価した。
【0037】
(評価基準)
=液切れ具合=
○:綿棒から液が垂れていない。
×:綿棒から液が垂れている。
=液溜まり具合=
○:液切部に液残りが少ない。
×:液切部に液残りが多い。
【0038】
【表1】
【0039】
(考察)
サンプルCに比べて、サンプルA及びBの方が液切れ具合が良く、中でもサンプルBは、特に液切れした後の液溜まりが少なくなることが分かった。
【符号の説明】
【0040】
1,11 薬液容器
2,12 凹部
2A,12A 底面
2B,12B 周壁部
2a,12a 上縁部
3,13 薬液溜部
4,14 液切部
4A 傾斜部
4B 突部乃至段差部
5、15 鍔部
X 薬液
21 接続部
22 切離線
23 薬液容器セット
24 リブ
25 プラスチックシート
25a シート面
26 切離線
27 薬液容器シート
28 リブ
30 薬液収納容器
31 蓋材
50 薬液塗布具
51 薬液塗布部
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用消毒剤や外皮消毒剤などの薬液を溜める或いは収納するための薬液容器であって、詳しくはプラスチックシートから成形してなる使い捨て用の薬液容器に関する。
【背景技術】
【0002】
外用消毒剤や外皮消毒剤などの薬液を患部に塗布する際には、ボトル状の容器に収容された薬液を、使い捨て用の小さなカップ状の薬液容器に移し替えて使用するか(例えば特許文献1参照)、或いは、予め一回分の使用量に小分けした薬液を封入した薬液収納容器(例えば特許文献2参照)が使用されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−225126号公報(特にその図4)
【特許文献2】特許3635647号公報(特にその図1(B)及び図2(B))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような薬液容器を使用して薬液を患部に塗布する場合、薬液容器の薬液溜部内に薬液を注ぎ入れ、綿棒などの薬液塗布具の薬液塗布部(綿棒で言えば、先端部の綿球部)を、薬液溜部内の薬液に浸して薬液塗布部に吸収させ、患部に薬液を塗布する。この際、薬液塗布部が必要以上の薬液を含んでいると、薬液が垂れたり、必要以上に薬液が患部に付着したり、或いは薬液が最終的に不足したりすることがあるため、通常は、薬液溜部の内側上縁部などに薬液塗布部を擦り付けて余分な薬液を切ってから塗布することが行われている。しかし、薬液容器が小さいこともあって、容易に液切れさせることが難しいという課題を抱えていた。
【0005】
そこで本発明は、薬液塗布具の薬液塗布部に吸収された薬液を容易に液切れさせることができる、新たな薬液容器を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、プラスチックシートから成形されてなる使い捨て用の薬液容器であって、薬液溜部と、この薬液溜部に向かって下り傾斜してなる傾斜部に複数の突部乃至段差部が設けられた液切部とを備えた薬液容器を提案するものである。
【0007】
このような構成を備えた薬液容器であれば、薬液溜部内に薬液を注ぎ入れ、綿棒などの薬液塗布具の薬液塗布部(綿棒で言えば、先端部の綿球部)を薬液に浸して薬液塗布部に吸収させた後、薬液塗布部を液切部に擦り付けることで余分な薬液を容易に液切れさせることができるから、患部に必要十分な量の薬液を塗布することができる。
また、薬液溜部に向かって下り傾斜するように液切部の傾斜部を設けたことで、この傾斜部に沿うようにして薬液塗布具の薬液塗布部を薬液に浸すことができるから、薬液溜部がたとえ小さくても薬液塗布部を十分に薬液に浸すことができる。よって、薬液溜部を小さくすることができるから、使用後に過量な薬液が残ることを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の薬液容器の一例を示した図であり、(A)は斜視図、(B)はB−B線断面図である。
【図2】図1とは異なる薬液容器の一例を示した図であり、(A)は斜視図、(B)はB−B線断面図である。
【図3】図1及び2とは異なる薬液容器の一例を示した図であり、(A)は斜視図、(B)はB−B線断面図である。
【図4】図1〜図3の変形例としての薬液容器の一例を示した斜視図である。
【図5】図1〜図4の変形例としての薬液容器の一例を示した斜視図である。
【図6】図1〜図5の変形例としての薬液容器の変形例を示した側断面図である。
【図7】図1〜図6の変形例としての薬液容器の変形例を示した側断面図である。
【図8】薬液容器の使用状態、特に液切れを行う際の使用状態の一例を示した図である。
【図9】切り離し可能な複数の薬液容器を一体に連設してなる薬液容器セットの一例を示した平面図である。
【図10】シート面内に複数の薬液容器を連設してなる薬液容器シートの一例を示した平面図である。
【図11】薬液容器の使用方法として、薬液を封入した薬液収納容器の一例を示した側断面図である。
【図12】薬液容器における各部の寸法や角度を説明するための図であり、(A)、(B)はそれぞれ別の断面形状を有する薬液容器を示した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。但し、本発明が下記に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態に係る薬液容器1は、プラスチックシートから成形してなる使い捨て用の薬液容器であって、薬液溜部3と液切部4とを備えたものである。
【0011】
薬液容器1の材質は、特に限定するものではなく、保形性、耐薬品性、並びに薬液の浸透及び揮発を抑えるバリア性などを備えた樹脂であるのが好ましい。中でも、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどを好ましく用いることができる。
このような樹脂からなるシート乃至フィルムを金型で加熱成形し、各種形状に裁断することにより、より好ましく薬液容器1を作製することができる。
【0012】
薬液容器1は、例えば図1―5に示すように、プラスチックシートのシート面内に凹部2を設け、この凹部2内に薬液溜部3及び液切部4を設けるようにして形成することができる。
【0013】
ここで、凹部2は、例えば図1−5に示すように、プラスチックシートのシート面の外側縁部を鍔部5とし、この鍔部5に囲まれた内側に設けることができる。
鍔部5には、蓋部をシールするための突条部を、凹部2を一周囲むように設けることもできる。この場合、鍔部5と蓋部との間に薬液が侵入しないように、凹部2の上縁部、言い換えれば鍔部5の内側縁に沿ってその近傍に設けるのが好ましい。
凹部2の大きさ及び形状は特に制限するものではないが、目安としては、深さ11mm〜44mm、特に18mm〜30mmを例示することができる。
但し、鍔部5は必ずしも設ける必要はない。
【0014】
薬液溜部3は、薬液を溜める部分であり、例えば凹部2の一部を薬液溜部3とすることができる。例えば図1−5の例では、凹部2内の底の深い部分が薬液溜部3とされている。
【0015】
薬液溜部3は、必要十分な量の薬液を溜めることができれば、その大きさ、平面視形状及び側面形状は適宜変形可能である(図1−7参照)。
薬液溜部3の容量の目安としては、0.6mL〜45.0mL、特に2.0mL〜12.9mLを例示することができる。
【0016】
液切部4は、例えば図1−5に示すように、薬液溜部3に向かって下り傾斜して、薬液溜部3の上端部に連続してなる傾斜部4A上に、複数の突部乃至段差部4Bを設けて形成することができる。このように液切部4を形成すれば、薬液を含浸させた薬液塗布部を前記突部乃至段差部4Bに擦り付けることで余分な薬液を液切れさせることができ、同時に液切れされた余分な薬液を、傾斜部4Aを伝わせて薬液溜部3内に流れ込ませることができる。
【0017】
この際、液切部4の傾斜部4Aの勾配角θは(図12(A)(B)参照)、液切れさせ易さと薬液塗布具(例えば綿棒)を薬液溜部3内の薬液に漬け易さとの観点から、5〜85°、特に15〜55°、中でも特に20〜35°であるのが好ましい。なお、勾配角θは、漸次変化するものであっても、一定であってもよい。
また、液切部4の張出幅L、言い換えれば上面視した場合に液切部4が薬液溜部3から張り出した幅は(図12(A)(B)参照)、薬液塗布具(例えば綿棒)を薬液溜部3内の薬液に漬ける際のし易さの観点から、13mm〜64mmであるのが好ましく、中でも15mm〜58mm、その中でも特に20mm〜51mmであるのがより好ましい。
【0018】
より具体的には、液切部4は、例えば図1に示すように、複数の段差部4Bが勾配をもって階段状に連設してなる傾斜部4Aとして形成することができる。なお、図4―図12は、図1に示した液切部4の形状を代表例として変形例や利用例等を説明しているが、他の形状の液切部4(例えば図2や図3に示した形状の液切部4)においても同様である。
この際、各段差部4Bの高さh(図12(A)参照)は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、3mm〜6.5mmが好ましく、特に5mm〜6mmであるのがより好ましい。
【0019】
また、液切部4は、例えば図2に示すように、薬液溜部に向かって傾斜してなる傾斜部4A上に、該傾斜部4Aの横側すなわち左右横側から中央に向かって下り傾斜した複数の突条部4Bを、該傾斜部4Aの傾斜方向に間隔をおいて設けるように形成することができる。
この際、各突条部4Bの突出高さh’(図12(B)参照)は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、0.5mm〜5.0mmが好ましく、特に1.5mm〜2.5mmであるのがより好ましい。
各突条部4Bの長さは、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、4mm〜25mmが好ましく、特に8mm〜16mmであるのがより好ましい。
各突条部4Bの幅は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、0.5mm〜5.0mmが好ましく、特に1.5mm〜2.5mmであるのがより好ましい。
傾斜部4Aの傾斜方向に隣接する突条部4B、4Bの間隔は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、1mm〜6mmが好ましく、特に4mm〜5mmであるのがより好ましい。
傾斜部4Aの左右方向に隣接する突条部4B、4Bの中央部における間隔は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、0.5mm〜5mmが好ましく、特に2mm〜3mmであるのがより好ましい。
さらに、左右横側から中央に向かって下り傾斜する傾斜角は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、5°〜45°が好ましく、特に25°〜35°であるのがより好ましい。
【0020】
さらにまた、液切部4は、例えば図3に示すように、薬液溜部3に向かって傾斜してなる傾斜部4A上に、半球状の複数の突部4Bを間隔をおいて設けるように形成することができる。
但し、突部4Bの形状は任意であり、例えばくさび状、角錐状など任意の形状に形成することができる。
この際、各突条部4Bの突出高さh’(図12(B)参照)は、液切れした後の液溜まりが少ないという観点で、0.5mm〜5.0mmが好ましく、特に1.5mm〜2.5mmであるのがより好ましい。
【0021】
上記のような形状の液切部4の中で、液切れした後に液切部4に液残りが少なく、液切れされた液が薬液溜部3内にスムースに流れ込むという観点からすると、図2に示した形態、すなわち傾斜部4Aの横側すなわち左右横側から中央に向かって下り傾斜した複数の突条部4Bを、該傾斜部4Aの傾斜方向に間隔をおいて設けてなるものが好ましい。
【0022】
いずれの形状の液切部4においても、液切部4の平面視形状や、液切部4を設ける位置やその数は適宜変更可能である(図4−5参照)。
また、液切部4は、図1−5に示すように、凹部2の上縁部2aから適宜長さ下がった位置から設けるようにしてもよいし、図6に示すように、上縁部2aから設けるようにしてもよい。但し、上縁部2aへの液はね上がり防止の観点から、凹部2の上縁部2aから適宜長さ下がった位置から液切部4を設けるのが好ましい。
さらにまた、液切部4は、図7に示すように、凹部2の底面部2Aから設けることも可能である。この場合、液切部4の中間高さまで薬液を溜めることになるため、薬液溜部3と液切部4の境はない。
【0023】
薬液容器1は、薬液溜部3内に薬液Xを注ぎ入れて、綿棒などの薬液塗布具50の薬液塗布部51(綿棒で言えば、先端部の綿球部)を薬液に浸し、図8に示すように、薬液塗布部51を液切部4に擦り付けることで余分な薬液を容易に液切れさせることができ、患部に必要十分な量の薬液を塗布することができる。
【0024】
薬液としては、外用消毒剤、外皮消毒剤その他の薬液を使用することができる。例えばポピドンヨード液、アルコール、過酸化水素などの消毒用薬液、ローション、ベビーオイルなどの化粧液、その他液状の薬液、蒸留水などを挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。
【0025】
本発明の薬液容器は、薬液を充填することなく、容器として上市することも可能であるが、図11に示すように、薬液溜部3内に薬液Xを充填し、蓋材21でシールすることにより、薬液を封入した薬液収納容器20として上市することも可能である。
この際、蓋材21としては、その材質を特に限定するものではないが、防水性、耐薬品性を備えている必要はある。例えば、樹脂基材シートのシート面に金属薄膜層を積層してなる複合シートを好ましい一例として挙げることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂基材シートに、アルミ等の金属を蒸着乃至ラミネートして金属薄膜層を積層してなる複合シートなどを好ましく用いることができる。
また、充填する薬液の量は、患部の種類や大きさ、或いは薬液塗布部収容凹部5の大きさなどにより適宜変更するのが好ましいから、それに合わせて薬液塗布部2の大きさを調整するのが好ましい。
【0026】
本発明の薬液容器は、複数の薬液容器1を分断可能に連接させて薬液容器セット或いは薬液容器シートとして構成することもできる。
例えば図9に示すように、鍔部5を接続部11として複数の薬液容器1を連設する共に、該接続部11に分断可能な切離線12を設けることで、切り離し可能な複数の薬液容器を一体に接続してなる薬液容器セット13とすることができる。
【0027】
また、図10に示すように、プラスチックシート15のシート面15a内に上下左右に適宜間隔をあけて複数の凹部2を設け、各凹部2内に薬液溜部3及び液切部4を設ける共に、隣接する凹部2,2間のシート面15aに分断可能な切離線16を設けることにより、シート面15a内に切り離し可能な複数の薬液容器1を備えた薬液容器シート17とすることもできる。
なお、上記の切離線12、16は、ミシン目としてもよいし、溝部としてもよい。
【0028】
さらにまた、本発明の薬液容器は、上記の凹部2のほかに、綿棒などの薬液塗布具や、ピンセット、ガーゼ、包帯、止血テープなどの医療器具を収容する医療器具収容凹部を別に設けたり、或いは仕切りを形成して設けたりして、医療器具を同時に収容することができる医療用キットとすることも可能である。
【0029】
(用語の説明)
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明における「シート」とは、厚さを特に限定するものではないから、一般には「フィルム」と呼ばれる厚さも包含するものである。
【実施例】
【0030】
以下、各種試験に基づいて本発明を説明するが、本発明が下記試験例に限定されるものではない。
【0031】
<液切れ及び液溜まりの評価試験>
異なる3つの薬液容器(サンプル)を用意し、綿棒の液切れ具合と液溜まり具合を評価した。
【0032】
(サンプル)
サンプルとして3つの薬液容器を用意した。
【0033】
サンプル(A):図1に示すように、プラスチックシートからなる長方形状のシート面の外側縁部が鍔部5とされ、この鍔部5に囲まれた内側に凹部2が設けられ、その片側は薬液溜部3とされ、他側には、薬液溜部3の上縁部に連続するように液切部4が設けられ、その液切部4は、複数の段差部4Bが勾配をもって階段状に連設して傾斜部4Aとして形成されている。
凹部2の深さ:25.5mm
薬液溜部3の容量:5mL
傾斜部4Aの勾配角θ:22.5°
液切部4の張出幅L:24mm
各段差部4Bの高さh:1.5mm
【0034】
サンプル(B):図2に示すように、プラスチックシートからなる長方形状のシート面の外側縁部が鍔部5とされ、この鍔部5に囲まれた内側に凹部2が設けられ、その片側は薬液溜部3とされ、他側には、薬液溜部3の上縁部に連続するように液切部4が設けられ、その液切部4は、薬液溜部3に向かって傾斜してなる傾斜部4A上に、該傾斜部4Aの左右横側から中央に向かって下り傾斜した複数の突条部4Bが、該傾斜部4Aの傾斜方向に間隔をおいて設けられている。
凹部2の深さ:25.5mm
薬液溜部3の容量:5mL
傾斜部4Aの勾配角θ:22.5°
液切部4の張出幅L:24mm
各突条部4Bの突出高さh’:1.5mm
各突条部4Bの長さ:10.5mm
突条部4Bの幅:1.5mm
傾斜方向に隣接する突条部4B、4Bの間隔:4.5mm
左右方向に隣接する突条部4B、4Bの中央部における間隔:2.6mm
突条部4Bの傾斜角:30°
【0035】
サンプル(C):図3に示すように、プラスチックシートからなる長方形状のシート面の外側縁部が鍔部5とされ、この鍔部5に囲まれた内側に凹部2が設けられ、その片側は薬液溜部3とされ、他側には、薬液溜部3の上縁部に連続するように液切部4が設けられ、その液切部4は、薬液溜部3に向かって傾斜してなる傾斜部4A上に、半球状の複数の突部4Bが間隔をおいて設けられている。
凹部2の深さ:25.5mm
薬液溜部3の容量:5mL
傾斜部4Aの勾配角θ:22.5°
液切部4の張出幅L:24mm
各突条部4Bの突出高さh’:1.5mm
各突条部4Bの長さ:1.5mm
突条部4Bの突出高さh’:1.5mm
【0036】
(試験方法)
薬液溜部内に薬液を充填し、3人の検査員がそれぞれ、綿棒(♯105,軸長:18cm、綿球部の直径:15mm、綿球部の吸液量:4.30mL)を薬液溜部内の薬液に20秒間浸した後、綿棒の綿球を液切部の下端部から上端部まで移動させるようにして擦り付ける作業を3回行い、綿棒の液切れ具合と、液切部における液溜まり具合を下記基準で評価した。
【0037】
(評価基準)
=液切れ具合=
○:綿棒から液が垂れていない。
×:綿棒から液が垂れている。
=液溜まり具合=
○:液切部に液残りが少ない。
×:液切部に液残りが多い。
【0038】
【表1】
【0039】
(考察)
サンプルCに比べて、サンプルA及びBの方が液切れ具合が良く、中でもサンプルBは、特に液切れした後の液溜まりが少なくなることが分かった。
【符号の説明】
【0040】
1,11 薬液容器
2,12 凹部
2A,12A 底面
2B,12B 周壁部
2a,12a 上縁部
3,13 薬液溜部
4,14 液切部
4A 傾斜部
4B 突部乃至段差部
5、15 鍔部
X 薬液
21 接続部
22 切離線
23 薬液容器セット
24 リブ
25 プラスチックシート
25a シート面
26 切離線
27 薬液容器シート
28 リブ
30 薬液収納容器
31 蓋材
50 薬液塗布具
51 薬液塗布部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックシートから成形されてなる使い捨て用の薬液容器であって、
薬液溜部と、この薬液溜部に向かって下り傾斜してなる傾斜部に複数の突部乃至段差部が設けられた液切部とを備えた薬液容器。
【請求項2】
液切部は、複数の段差が勾配をもって階段状に連設されてなる構成を備えたものである請求項1記載の薬液容器。
【請求項3】
液切部は、薬液溜部に向かって傾斜してなる傾斜部上に、該傾斜部の横側から中央に向かって下り傾斜した複数の突条部が、該傾斜部の傾斜方向に間隔をおいて設けられてなる構成を備えたものである請求項1記載の薬液容器。
【請求項4】
シート面の外側縁部を鍔部とし、その内側に薬液溜部と液切部とが設けられてなる構成を備えた請求項1〜3の何れかに記載の薬液容器。
【請求項5】
請求項4に記載の薬液容器を、その鍔部を接続部として連設する共に、該接続部に分断可能な切離線を形成することで、切り離し可能な複数の薬液容器を一体に備えた薬液容器セット。
【請求項6】
プラスチックシートからなるシート面内に間隔をあけて複数の凹部を設け、各凹部内に薬液溜部と液切部とを設ける共に、隣接する凹部間のシート面に分断可能な切離線を形成することで、切り離し可能な複数の薬液容器を一体に備えた薬液容器シート。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の薬液溜部内に薬液が収納され、該薬液溜部は蓋材でシールされてなる構成を備えた薬液収納容器。
【請求項1】
プラスチックシートから成形されてなる使い捨て用の薬液容器であって、
薬液溜部と、この薬液溜部に向かって下り傾斜してなる傾斜部に複数の突部乃至段差部が設けられた液切部とを備えた薬液容器。
【請求項2】
液切部は、複数の段差が勾配をもって階段状に連設されてなる構成を備えたものである請求項1記載の薬液容器。
【請求項3】
液切部は、薬液溜部に向かって傾斜してなる傾斜部上に、該傾斜部の横側から中央に向かって下り傾斜した複数の突条部が、該傾斜部の傾斜方向に間隔をおいて設けられてなる構成を備えたものである請求項1記載の薬液容器。
【請求項4】
シート面の外側縁部を鍔部とし、その内側に薬液溜部と液切部とが設けられてなる構成を備えた請求項1〜3の何れかに記載の薬液容器。
【請求項5】
請求項4に記載の薬液容器を、その鍔部を接続部として連設する共に、該接続部に分断可能な切離線を形成することで、切り離し可能な複数の薬液容器を一体に備えた薬液容器セット。
【請求項6】
プラスチックシートからなるシート面内に間隔をあけて複数の凹部を設け、各凹部内に薬液溜部と液切部とを設ける共に、隣接する凹部間のシート面に分断可能な切離線を形成することで、切り離し可能な複数の薬液容器を一体に備えた薬液容器シート。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の薬液溜部内に薬液が収納され、該薬液溜部は蓋材でシールされてなる構成を備えた薬液収納容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−200809(P2010−200809A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46536(P2009−46536)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(391057889)株式会社アグリス (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(391057889)株式会社アグリス (7)
【Fターム(参考)】
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