使い捨て製品用の信号通知装置
衣服用の信号通知装置が開示される。信号通知装置は、濡れセンサが設置された吸収性製品に取り付けられる。具体的には、信号通知装置は、吸収性製品内に導電性液体が検知されたときに可聴信号及び/または可視信号等の信号を発するように構成される。本発明によれば、信号通知装置は、装着時の不快さを最小限に抑えるべく、着用者の背部のくびれた部分にフィットするように、人間工学的データに基づいてデザインされる。信号通知装置はまた、装着時の不快さを最小限に抑えるとともに、該装置の内部部品を保護することができる種々の材料から作製することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て製品用の信号通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつ、トレーニングパンツ(用便訓練用パンツ)、失禁用品、女性用衛生用品、水着用下着等の吸収性製品は、通常は、液体透過性の身体側ライナと、液体不透過性のアウターカバーと、吸収性コアとを含む。吸収性コアは、通常は、使用者から排出された液体(例えば、尿)を吸収して保持するために、アウターカバーと身体側ライナとの間に配置される。
【0003】
吸収性コアは、例えば、超吸収性粒子で作製することができる。多くの吸収性製品、特にキンバリー・クラーク社(Kimberly-Clark Corporation)からHUGGIES(商標)の商品名で発売されている吸収性製品は、液体吸収効率が非常に高いため、その吸収性製品が身体流体(body fluid)に侵襲されたか否かが分かり難い場合がある。
【0004】
そのため、様々なタイプの水分または濡れインジケータを吸収性製品に使用することが提案されてきた。濡れインジケータは、おむつの濡れ状態を親または介護者に対して早期に知らせるように設計された警報装置を含み得る。このような警報装置は、例えば、可視信号または可聴信号を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】PCT特許出願第WO−00/37009号公報
【特許文献2】米国特許第4、940、464号明細書
【特許文献3】米国特許第5、766、389号明細書
【特許文献4】米国特許第6、645、190号明細書
【特許文献5】米国特許第4、704、116号明細書
【特許文献6】米国特許第5、486、166号明細書
【特許文献7】米国特許第5、490、846号明細書
【特許文献8】米国特許第5、820、973号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開11/405,263号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
警報装置は、通常は、吸収性製品の着用時に該製品のウエスト部分の周囲に取り付けられるように構成されている。しかし、吸収性製品に取り付けた際に、警報装置は着用者に対して何らかの不快感を与え得る。そのため、吸収性製品に取り付けた際の不快感を最小限に抑えることが可能な警報装置が現在求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的に、本発明は、吸収性製品と共に使用するのに特に適した信号通知装置に関する。信号通知装置は、吸収性製品に設置された濡れセンサ等に接続可能であり、吸収性製品内に身体流体(body fluid)が存在することを使用者に知らせるための信号(例えば、可聴信号または可視信号)を発するように構成することができる。例えば、一実施形態では、吸収性製品はおむつであり、信号通知装置に接続された濡れ検出装置は尿または排便物の存在を知らせるように構成される。また、別の吸収性製品では、濡れ検出装置及び信号通知装置は、酵母または代謝産物の存在を知らせるように構成され得る。
【0008】
より具体的は、本発明は、上述したような、吸収性製品と共に装着した際の不快感を最小限に抑えるように人間工学的に設計された信号通知装置に関する。例えば、一実施形態では、信号通知装置は、おしめやトレーニングパンツ等の吸収性製品の後側ウエストバンドに取り付けられるように構成され、着用者の背部のくびれた部分にフィットするまたは適合するような形状を有する。信号通知装置は、例えば、着用者の背部にかかる圧力ができるかぎり小さくなることが分かっている特定の寸法を有するよう及びそのような特定の材料からデザインされる。
【0009】
例えば、一実施形態では、信号通知装置は、該装置を吸収性製品等の衣服に取り付けるための取付け機構を備える。信号通知装置は、作動時に可聴信号及び/または可視信号等の任意の適切な信号を発するように設計された内部部分を収容するハウジングをさらに備える。
【0010】
信号通知装置のハウジングは、衣服に取り付けられた際に着用者に接触するように構成された第1の面と、その反対側の第2の面とを有する。第1の面及び第2の面は、X方向長さ及びY方向長さを規定する。本発明によれば、X方向長さ及びY方向長さは、約30mm乃至約50mmであり得、例えば約30mm乃至約50mm、または約35mm乃至約55mmであり得る。
【0011】
一方、Z方向長さは、一般的に、約15mm未満であり得る。例えば、一実施形態では、Z方向長さは、約5mm乃至約10mmであり得る。
【0012】
特定の実施形態では、ハウジングの第1の面は、少なくとも2つの丸い角部を有する。前記2つの丸い角部は、Z方向の辺部とX方向またはY方向の辺部との間の曲率半径(半径でも同じである)が約1.5mm−1よりも大きくなるように丸められている。曲率半径は、約1.5mm−1乃至約15mm−1であり得、例えば約1.5mm−1乃至約5mm−1であり得る。
【0013】
本発明では、ハウジングの第1の面は様々な形状を有し得る。例えば、一実施形態では、ハウジングの第1の面は、一般的に、矩形形状を有し得る。別の実施形態では、前記第1の面は、2つの角部のみを含む。例えば、ハウジングの第1の面は、2つの角部から辺を延ばすことにより形成された略楕円形の形状を有する。
【0014】
別の実施形態では、ハウジングの第1の面は、3つの角部のみを含む。この実施形態では、例えば、前記第1の面は、三角形の形状を有する。或る特定の実施形態では、前記第1の面は、楯状の形状を有する。さらに別の実施形態では、ハウジングの第1の面は、3つの平坦な辺部と1つの弓状の辺部とを含む。
【0015】
信号通知装置のハウジングは、様々な材料から作製することができる。例えば、一実施形態では、ハウジングは、熱可塑性ポリマーや弾性ポリマー等の任意の適切なポリマーから作製することができる。一実施形態では、ハウジングの第1の面は、約25A乃至約70AのシェアA硬度を有する材料から作製される。加えて、前記第1の面は、約10GPa未満のヤング率を有する材料から作製することができる。
【0016】
一実施形態では、ハウジング及び信号通知装置は、第1の部材と第2の部材とから構成することもできる。第1の部材及び第2の部材は、例えば、任意の適切な方法で結合させて一体化させることができる。例えば、或る特定の実施形態では、第1の部材は、ヒンジによって第2の部材に連結される。第1の部材は、上述した性質を有する材料から作製され、前記第1の面を画定する。一方、第2の部材は、第1の部材よりも硬い材料から作製され、前記第2の面を画定する。例えば、第2の部分は、約60A乃至約110AのショアA硬度を有する材料から作製される。さらに、第2の部分は、約12GPaよりも大きいヤング率を有する材料から作製され得る。
【0017】
本発明の信号通知装置は、濡れセンサ装置と共に使用するのに特に適している。これに関連して、本発明は、吸収性製品にも関する。吸収性製品は、身体側ライナとアウターカバーとの間に配置された吸収性コアを備える。吸収性製品は、着用時に、前側及び後側を有するウエスト開口部と、その反対側に位置する一対の脚開口部とを画定するように構成される。吸収性製品は、濡れ検出回路をさらに備える。濡れ検出回路は、信号通知装置が着用者の背部のくびれ部分にフィットするように、ウエスト開口部の後側に沿って信号通知装置に接続されるように構成される。
【0018】
本発明に従って作製された信号通知装置を上述したようにして吸収性製品に取り付けた際の特別な利点は、信号通知装置から着用者の背部に加わる圧力が、比較的低くなることである。例えば、着用者が仰向けになったときに信号通知装置から着用者の背部に加わる平均圧力は約3psi未満となり、例えば約2.5psi、または約2psi未満、またはさらに低い値となる。同様に、信号通知装置の周縁部の圧力は約3psi未満となり、例えば約2.5psiとなる。
【0019】
様々な吸収性製品が信号通知装置と共に使用可能である。本発明に従って作製される吸収性製品としては、例えば、おむつ、トレーニングパンツ、水着用下着、大人用失禁用品、女性用衛生用品等がある。
【0020】
本発明の他の特徴及び態様は、以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
当業者を対象にした本発明の完全かつ実現可能な開示(ベストモードを含む)が、添付図面を参照して、本明細書の残りの部分により詳細に説明される。
【0022】
【図1】本発明に従って作製された吸収性物品の一実施形態の後方斜視図である。
【図2】図1に示した吸収性製品の前方斜視図である。
【図3】図1に示した吸収性製品の平面図であり、締結していない、折り畳まれていない平らに広げられた状態を示している。吸収性製品における、着用者に面する面と反対側の面を示している。
【図4】図3と同様の平面図であり、吸収性製品における、着用時に着用者に面する面を示している。下層の要素を示すために、部分的に破断して示している。
【図5】図1に示した吸収性物品に、信号通知装置の一実施形態を設置した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に従って作製された信号通知装置の一実施形態の平面図である。
【図7】図6に示した信号通知装置の側面図である。
【図8】本発明に従って作製された信号通知装置の他の実施形態の平面図である。
【図9】本発明に従って作製された信号通知装置の別の実施形態の平面図である。
【図10】本発明に従って作製された信号通知装置のさらに別の実施形態の平面図である。
【図11】実施例において試験された形状の斜視図である。
【図12】実施例において得られた結果を示すグラフである。
【図13】実施例において得られた結果を示すグラフである。
【0023】
本明細書及び図面において繰り返し使用されている参照符号は、本発明の同一または類似の機構または要素を表すことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本考察は例示的な実施形態の説明に過ぎず、本発明の広範な態様を限定することを意図するものではないことは、当業者であれば理解できるであろう。
【0025】
本発明は、一般に、吸収性製品用の信号通知装置に関する。信号通知装置は、吸収性製品内に設置された濡れ検出装置と情報通信可能に構成される。吸収性製品内で導電性物質が検出されると、濡れ検出装置が作動し、信号通知装置から可聴信号及び/または可視信号等の任意の適切な信号を発生させる。吸収性製品は、例えば、おむつ、トレーニングパンツ(用便訓練用パンツ)、失禁用品、女性用衛生用品、医療用衣服、包帯等であり得る。本発明に従って作製された吸収性製品は、例えば、一対の導電性リード間に導電性流体(身体流体等)が検知された際に閉じされる開回路を含み得る。通常、開回路を備えている吸収性製品は使い捨てであり、再使用のために洗濯または他の方法によって状態回復させるのではなく、限定的に使用した後に廃棄するように設計されている。
【0026】
本発明の吸収性製品内に含まれる開回路は、信号通知装置に接続されるように構成されている。信号通知装置は、身体流体の存在を使用者に知らせるための或る種類の可聴信号及び/または可視信号を発するだけでなく、開回路に対して電力を供給することもできる。吸収性製品そのものは使い捨てであるが、信号通知装置は吸収性製品から取り外して他の吸収性製品に再使用することができる。
【0027】
本発明によれば、信号通知装置は、上述したような吸収性製品等の衣服に取り付けて該衣服と共に着用した際の使用者の不快感を最小限に抑えるために、人間工学的に設計される。例えば、信号通知装置は、着用者の皮膚への衝突等を低減させるような形状を有するか、または着用者の皮膚への衝突等を低減させるような材料から作製されたハウジングを含むことができる。
【0028】
或る特定の実施形態では、信号通知装置は、使用者の背部に隣接して配置されるように、吸収性製品の後側ウエストバンドに取り付けることができるように設計される。この点において、一実施形態では、信号通知装置は、着用者の背部のくびれた部分に収まるようにデザインされた形状を有する。背部のくびれた部分は、一般的に、背部における腰椎が位置する領域と定義される。腰椎は、臀部と背部の中程との間に身体のくびれ部分を形成するウエスト曲線と呼ばれる曲線を形成する。
【0029】
信号通知装置は、通常は、吸収性製品内に含まれる身体流体の存在を知らせるように構成された開回路に接続される。検出対象とされる身体流体は、吸収性製品の種類及び所望する用途によって異なり得る。例えば、一実施形態では、吸収性製品はおむつやトレーニングパンツ等であり、信号通知装置は尿の存在を知らせるように構成される。或いは、信号通知装置は、おむつかぶれの存在を示す代謝産物の存在を知らせるように構成され得る。一方、大人用失禁用品及び女性用衛生用品の場合は、信号通知装置は、酵母または尿中の特定成分(多糖類等)の存在を知らせるように構成され得る。
【0030】
図1及び図2を参照して、例示を目的として、本発明に従って作製され得る吸収性製品20が示されている。吸収性製品20は、使い捨てでもあってもよいし、使い捨てでなくてもよい。本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、パーソナルウエア用の様々なその他の吸収性製品と共に使用するのに適していることを理解されたい。吸収性製品には、これらに限定するものではないが、おむつ、トレーニングパンツ、水着用下着、女性用衛生用品、失禁用品、医療用衣服、手術用パッド及び包帯、その他の個人ケア用衣服または健康ケア用衣服等が含まれる。
【0031】
例示としてのみであるが、例えばおむつ20等の本発明の様々な態様の吸収性製品を作製するための様々な材料及び方法が、2000年6月29日に公開されたA. Fletcher他によるPCT特許出願第WO−00/37009号公報(特許文献1)、1990年7月10日にVan Gompel他に付与された米国特許第4、940、464号明細書(特許文献2)、1998年6月16日にBrandon他に付与された米国特許第5、766、389号明細書(特許文献3)、2003年11月11日にOlson他に付与された米国特許第6、645、190号明細書(特許文献4)に開示されており、これらの特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0032】
部分的に締結された状態のおしめ20が、図1に代表的に示されている。また、図1及び図2に示したおしめ20の折り畳まれていない広げられた状態を、図3及び図4に示す。具体的には、図3は、おしめ20の外面を示す平面図であり、図4は、おしめ20の内面を示す平面図である。図3及び図4に示すように、おしめ20は、着用した際に製品の前側から製品の後側に延びる縦方向48を画定する。縦方向48と直交する方向が、横方向49となる。
【0033】
おむつ20は、一対の縦方向両側の端部領域(本明細書中では前側領域22及び後側領域24とも呼ばれる)と、前側領域22と後側領域24との間に縦方向に延在し前記両領域を相互連結する中央領域(本明細書中では股部領域26とも呼ばれる)とを含む。また、おむつ20は、使用時に着用者に向い合うように位置する(すなわち、製品20の他の構成要素に対して相対的に内側に配置される)内面28と、内面とは反対側の面である外面30とを含む。前側領域22及び後側領域24は、おむつ20における、着用した際に着用者のウエスト(すなわち、胴体の中程から下部にかけての部分)を全体的または部分的に覆うかまたは取り囲む部分である。股部領域26は、一般的には、おむつ20における、着用時に着用者の両脚の間に位置し、着用者の胴体下部及び股部を覆う部分である。吸収性製品20は、一対の横方向両側の側縁部36と、前側腰側縁部38及び後側腰側縁部39としてそれぞれ示される一対の縦方向両側の腰側縁部とを含む。
【0034】
図示したおむつ20は、本実施形態では前側領域22、後側領域24及び股部領域26を包含するシャーシ32を含む。図1乃至図4を参照して、シャーシ32は、アウターカバー40及び身体側ライナ42(図1及び図4)を含む。身体側ライナ42は、接着剤、超音波接着、熱接着、または他の従来技術によってアウターカバー40に接合され得る。図4を参照して、ライナ42は、好適には、前側ウエストシーム62及び後側ウエストシーム64を形成するようにして、シャーシ32の側縁部に沿ってアウターカバー40に結合される。図4に示すように、ライナ42は、好適には、前側領域22及び後側領域24において1対のサイドシーム61を形成するようにして、アウターカバー40に結合される。ライナ42は、通常は、吸収性製品の着用中に着用者の皮膚と対向して位置するように構成される(すなわち、製品20の他の構成要素に対して相対的に内側に配置される)。シャーシ32は、アウターカバー40と身体側ライナ42との間に配置され着用者から滲出または排出された身体流体(排泄物及び体液等)を吸収する吸収性構造体44と(図4参照)、身体流体の横方向流れを抑止するために身体側ライナ42に設置された1対の閉じ込めフラップ46とをさらに含む。
【0035】
図4に示した伸縮性を有する閉じ込めフラップ46は、着用者の身体に対して密閉を形成するための、少なくともおむつ20の股部領域26において垂直構造をなす部分的に未結合の側縁部を画定する。閉じ込めフラップ46は、シャーシ32の全長に沿って縦方向に延在するか、またはシャーシ32の長さ方向に沿って部分的にのみ延在する。閉じ込めフラップ46についての適切な構造及び構成は一般的に当業者に公知であり、例えば、1987年11月3日にEnloeに付与された米国特許第4、704、116号明細書(特許文献5)に記載されている(この特許文献の開示内容は、この参照により本明細書に組み込まれるものとする)。
【0036】
身体流体(身体滲出液)の閉じ込め及び/または吸収をさらに向上させるために、当業者には公知のように、おしめ20は、好適には、脚弾性部材58(図4)も含む。脚弾性部材58は、吸収性製品20の股領域126に配置され、アウターカバー40及び/または身体側ライナ42に作用可能に結合される。
【0037】
脚弾性部材58は、任意の適切な弾性材料から形成可能である。当業者には公知のように、適切な伸縮性材料には、天然ゴム、合成ゴムまたは熱可塑性弾性ポリマーから形成されたシート、ストランドまたはリボンが含まれる。弾性材料は、引き伸ばしてから基材に接着されるか、ギャザーされた(寄せ集めされた)基材に接着されるか、或いは、基材に接着した後に加熱して収縮させられ、そのことにより、基材に弾性収縮力が付与される。特定の一態様では、例えば、脚弾性部材58は、米国デラウェア州ウィルミントン所在のインビスタ社(Invista)から入手可能のLYCRAの商標名で販売されている、乾式紡糸法により融着された複数の多繊維スパンデックス(弾性糸)を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、吸収性製品20は、随意的に吸収性構造体44に隣接して配置され、接着剤の使用等の当該技術分野では既知の方法によって吸収性構造体44または身体側ライナ42等の製品20の様々な構成要素に取り付けられるサージ制御層(図示せず)をさらに含み得る。サージ制御層は、製品の吸収構造体内に急速に導入される液体の勢いのある強い流れを弱めるまたは拡散させる役割を果たす。吸収構造体の貯蔵部分または保持部分が液体を吸収する前に、サージ制御層が液体を素早く受容し一時的に保持することが望ましい。適切なサージ制御層の例は、米国特許第5、486、166号明細書(特許文献6)及び米国特許第5、490、846号明細書(特許文献7)に記載されている。他の適切なサージ管理材料は、米国特許第5、820、973号明細書(特許文献8)に記載されている。これらの特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0039】
図1乃至図4に示すように、吸収性製品20は、シャーシ32の後側領域に取り付けられた、横方向両側に対向配置される一対の弾性サイドパネル34をさらに含む。図1及び図2に詳しく示すように、サイドパネル34は、前記製品を適切な位置で固定するために、着用者のウエスト(腰部)及び/または臀部の周囲で伸張させることができる。図3及び図4に示すように、弾性サイドパネル34は、横方向両側に対向配置される一対の縦方向側縁部37に沿って、シャーシ32に取り付けられる。サイドパネル34は、任意の適切な結合技術を用いて、シャーシ32に取り付けるまたは結合させることができる。例えば、サイドパネル34は、接着剤、超音波接着、熱接着または他の従来の技術によって、シャーシに接合させることができる。
【0040】
別の実施形態では、弾性サイドパネルを、シャーシ32と一体的に形成することもできる。例えば、サイドパネル34は、身体側ライナ42の延長部、アウターカバー40の延長部分、または、身体側ライナ42及びアウターカバー40の両者の延長部分から構成することができる。
【0041】
これらの図示した実施形態では、サイドパネル34は吸収性製品20の後側領域に取り付けられており、製品20を着用者の適切な位置に固定する際に、製品20の前側領域に延ばされる。なお、サイドパネル34を製品20の前側領域に取り付け、製品を着用する際に、後側領域に延ばすようにしてもよいことを理解されたい。
【0042】
図1及び図2に部分的に示したような締結位置において、締結システム80によって弾性サイドパネル34を締結することによって、ウエスト開口部50及び一対の脚開口部52を含む3次元のおむつ構造が画定される。製品20のウエスト開口部50は、着用者のウエストを取り囲む腰側縁部38及び39によって画定される。
【0043】
これらの図に示した実施形態では、サイドパネルは、締結システムによって、製品20の前側領域122に着脱自在に結合可能である。なお、他の実施形態では、左右両端において、サイドパネルをシャーシ32に恒久的に結合することも可能なことを理解されたい。例えば、トレーニングパンツまたは吸収性水泳着を形成する際は、サイドパネルは恒久的に一体結合される。
【0044】
弾性サイドパネル34は、それぞれ、縦方向外側縁部68、おしめ20の縦方向中央に向かって配された脚部端側縁部70、及び吸収性製品の縦方向端部に向かって配されたウエスト側縁部72を有している。着用者の脚部の周りにより良くフィットさせるために、吸収性製品20の脚部端側縁部70は、横方向49に対して適切に湾曲及び/または角度付けされた形状にすることができる。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、脚部端側縁部70のうち一方だけ(例えば、後側領域24の脚部端側縁部)を湾曲または角度付けされた形状にする、または脚部端側縁部のいずれも湾曲または角度付けされた形状にしないことも可能であることを理解されたい。図4に示すように、外側縁部68は縦方向48に対して概ね平行であり、ウエスト側縁部72は、横方向軸149に対して概ね平行である。しかしながら、他の実施形態では、外側縁部68及び/またはウエスト側縁部72は、所望に応じて傾斜または湾曲させて形成してもよいことを理解されたい。最後に、サイドパネル34は、シャーシのウエスト領域90と概ね整列配置されている。
【0045】
締結システム80は、横方向両側の第1の締結部材82とそれに対応する第2の締結部材84とを備えており、第1の締結部材82は第2の締結部材に対して再締結可能(着脱可能)に結合するように構成されている。図示した実施形態では、第1の締結部材82は弾性サイドパネル34に配設され、第2の締結部材84はシャーシ32の前側領域122に配設されている。一態様では、締結部材82、84のそれぞれの前面または外面は、複数の係合要素を備える。第1の締結部材82の係合要素は、それに対応する第2の締結部材84の係合要素に対して繰返して係合及び解離可能に構成されており、製品20を3次元構造に解除可能に固定する。
【0046】
締結部材82、84は、接着剤締結具、粘着性締結具、機械的締結具等の、吸収性製品に適した任意の再締結可能な締結具であり得る。特定の態様では、締結部材は、性能向上のための機械的締結要素を含む。適切な機械的締結要素は、フック、ループ、バルブ、きのこ型、矢じり型、ボールオンステム型、オス型及びメス型嵌合部材、バックル、スナップ等の相互結合形状の部材を用いて構成することができる。
【0047】
図示した態様では、第1の締結部材82がフック締結具を含み、第2の締結部材84が前記フック締結具と相補的なループ締結具を含む。或いは、第1の締結部材82がループ締結具を含み、第2の締結部材84が前記ループ締結具と相補的なフック締結具を含むようにしてもよい。他の態様では、締結部材82、84は、相互結合する同様の面ファスナか、或いは、接着剤締結要素または粘着性締結要素(例えば、接着剤締結具または接着剤受容結合領域若しくは材料)であり得る。締結部材82、84間の所望レベルの結合を得るために、フック及びループの形状、密度及びポリマー組成が選択されることは、当業者であれば理解できるであろう。適切な締結システムは、先に本明細書に組み込まれるものとした2000年6月29日に公開されたA. Fletcher他によるPCT特許出願第WO‐00/37009号公報(特許文献1)、及び先に本明細書に組み込まれるものとした2003年11月11日にOlsen他に付与された米国特許第6,645,190号明細書(特許文献4)に開示されている。
【0048】
図示した実施形態では、締結部材82は、外側縁部68に沿ってサイドパネル34に取り付けられている。この実施形態では、締結部材82は、弾性すなわち伸縮可能ではない。しかしながら、他の実施形態では、締結部材は、サイドパネル34と一体的に構成してもよい。例えば、締結部材は、サイドパネル34の表面に直接的に取り付けてもよい。
【0049】
弾性サイドパネルを有する可能性に加えて、吸収性製品20は、ウエスト開口部の周囲に弾性を提供するための様々な弾性部材を含み得る。例えば、図示するように、吸収性製品20は、前側ウエスト弾性部材54及び/または後側ウエスト弾性部材56を含むことができる。
【0050】
上述したように、本発明は、特に、濡れ検出装置等の身体流体検知システムを吸収性製品20へ組み込むことに関する。これに関して、図1〜図4に示すように、吸収性製品20は、互いに離間して配置された第1の導電性要素100及び第2の導電性要素102を含む。この実施形態では、2つの導電性要素は、吸収性製品の前側領域22から後側領域24まで、互いに交差することなく延在している。導電性要素100及び102は、導電性糸及び導電性箔等の、任意の適切な導電性材料から構成することができる。例えば導電性要素の間に導電性流体が存在したときに閉じられる開回路を形成するために、第1の導電性要素100と第2の導電性要素102とは互いに交差しない。また、他の実施形態では、第1の導電性要素100及び第2の導電性要素102は、シャーシ内に設置されたセンサに接続され得る。前記センサは、温度変化を検知するのに、または代謝産物等の特定の物質の存在を検知するのに使用され得る。
【0051】
図1に示した実施形態では、導電性要素100及び102は吸収性製品20の全長に渡って延在している。しかし、他の実施形態では、導電性要素を股領域26までしか延在させないか、または身体流体の検出を意図している吸収性製品の任意の特定位置まで延在させることも可能であることを理解されたい。
【0052】
導電性要素100及び102は、吸収性製品20によって吸収される身体流体と接触するように配置される限り、シャーシ32内の任意の適切な位置に組み込むことができる。これに関して、導電性要素100及び102は、通常は、アウターカバー40の内側に配置される。実際には、一実施形態では、導電性要素100及び102は、吸収性構造体44に面するアウターカバー40の内面に取り付けられるか、または積層させられる。或いは、導電性要素100及び102は、吸収性構造体44上に配置され得るか、または身体側ライナ42上に配置され得る。
【0053】
導電性要素100及び102の信号通知装置への接続を容易にするために、第1の導電性要素100は第1の導電性パッド部材104に接続され、第2の導電性要素102は第2の導電性パッド部材106に接続される。パッド部材104、106は、導電性要素により形成された開回路と、消費者によりシャーシに取り付けられた信号通知装置との間に、信頼性のある接続を形成するために設けられる。
【0054】
吸収性製品20における導電性パッド部材104及び106の位置は、信号通知装置の設置位置によって異なる。例えば、図では、導電性パッド部材104及び106は、吸収性製品のウエスト開口部に沿って後側領域24に配置されている。さらに別の実施形態では、パッド部材は、吸収性製品の側部に沿ってまたは製品の股領域に向けて配置することができることを理解されたい。
【0055】
図5を参照すると、例示を目的として、導電性パッド部材104及び106に取り付けられた信号通知装置110が示されている。信号通知装置110は、対応する導電性パッド部材に電気的に接続される一対の互いに対向する端子を有する。吸収性製品20内に身体流体が存在したとき、導電性要素200、202により形成された開回路が閉じられ、そのことにより、信号通知装置110が作動される。
【0056】
信号通知装置110は、開回路が閉じたことを使用者に知らせるために、可聴信号または可視信号を発することができる。
【0057】
上述したように、本発明は、特に、着用時の不快さを最小限に抑えるように設計された信号通知装置に関する。信号通知装置は、吸収性製品に取り付けた際に使用者にとって快適であることに加えて、耐久性を有する必要がある。擬人化モデリングに基づいて、本発明に従って作製された信号通知装置は所望の範囲内に収まる寸法に形成される。加えて、信号通知装置の角部は、使用者の肌にぶつかったり、引っかいたり、突き刺さったりすることを防ぐための望ましい範囲の設定に制約された半径を有し得る。
【0058】
図6及び図7を参照すると、本発明に従って作製された信号通知装置110の一実施形態が示されている。信号通知装置110は、内部部品を収容するハウジング111を含む。内部部品には、バッテリー等が含まれ、可聴信号及び/または可視信号を生成するように構成される。図示したように、この実施形態の信号通知装置は、一般的に、角が丸い矩形形状(例えば正方形)を有する。
【0059】
図示しないが、信号通知装置は、該装置を吸収性製品に取り付けるための取付け機構を備え得る。一般的に、任意の適切な取付け機構を使用することができる。例えば、取付け機構には、クリップ、1以上のスナップ、フックアンドループファスナ等が含まれ得る。一実施形態では、取付け機構は、信号通知装置を吸収性製品に取り付けるだけでなく、信号通知装置と製品に設置された濡れ検知装置との間を電気的に接続する。使用可能な適切な取付け機構は、米国特許出願公開11/405,263号明細書(特許文献9)に記載されており、この特許文献の開示内容は、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0060】
図6及び図7に示すように、信号通知装置110は、使用者に隣接して(例えば使用者の背部に)配置されるように構成された第1の面112を有する。信号通知装置110は、第1の面112の反対側に位置する第2の面114をさらに有する。図6に示すように、第1及び第2の面112及び114は、一般に、X−Y面内に延在し、X方向長さ及びY方向長さを有する。ほとんどの用途では、信号通知装置110のX方向長さ及びY方向長さの少なくともいずれか一方が、約30mmよりも大きい長さであるべきである。例えば、信号通知装置110のX方向長さ及びY方向長さの両方が、約30mmよりも大きい長さであり得る。しかし、X方向長さ及びY方向長さが大きくなると、使用者の背部の湾曲に起因して、信号通知装置110が使用者の肌にぶつかる機会が増大する。したがって、一実施形態では、X方向長さ及びY方向長さの両方は、約80mm以下の長さに設定される。
【0061】
また、X方向長さ及びY方向長さの実際の寸法は、使用者の年齢、体重及びサイズ、信号通知装置の作製に使用される材料の種類、並びに信号通知装置の厚さ等の様々な要因に左右される。例えば、一実施形態では、X方向長さ及びY方向長さは、約30mm乃至約45mmであり得る。また、別の実施形態では、X方向長さ及びY方向長さが約35mm乃至約55mmの場合、より快適な装置が構成され得る。一実施形態では、信号通知装置は、児童安全保護法(Child Safety Protection Act)の要求を満たす寸法を有し得る。例えば、一実施形態では、信号通知装置の実際の直径または構造的直径は、約3.18cm(約1.25インチ)よりも大きい長さであり得る。
【0062】
図7に示すように、信号通知装置110は、一般的にZ方向に延在する厚さ116を有する。厚さ116は、例えば、一般的に約15mm未満であるZ方向長さを有することができる。厚さが15mmよりも大きくなると、その信号通知装置は、或る用途において過度にかさばることとなる。一般的に、Z方向長さは、約5mm乃至約15mmであり得、例えば、約5mm乃至約10mmであり得る。特定の実施形態では、厚さは、さらに短くあり得る。また、ハウジング111の作製に使用される材料の種類によっては、厚さを薄くすると、使用者の皮膚と衝突する辺部及び/または角部が形成され得る。
【0063】
図6及び図7に図示した信号通知装置110の実施形態では、第1の面112及び第2の面114は、4つの丸められた角部を有する。角部は、図6に詳しく示すようにX−Y平面においてだけでなく、図7に示すようにZ−Y平面及びZ−X平面においても丸められている。例えば、図7を参照すると、信号通知装置110の第1の面112は、使用者の背部との接触が意図されている4つの角部(例えば角部120及び122)を有している。本発明によれば、第1の面112の前記4つの角部の、Z方向の辺部とX方向及びY方向の辺部との間の半径及び/または曲率半径は、使用者の皮膚への衝突や他の不快さを最小限に抑えるために、望ましい範囲内に設定するべきである。例えば、一実施形態では、角部120及び122の曲率半径は、約1.5mm−1よりも大きく、例えば約1.5mm−1乃至約15mm−1にするべきである。より詳しくは、使用者に接触する角部の曲率半径は、X−Z平面またはY−Z平面のいずれにおいても、約1.5mm−1乃至約5mm−1にするべきである。また、角部の実際の曲率半径は、ハウジング111の作製に使用される材料の種類等の様々な要因に左右される。
【0064】
X−Z平面またはY−Z平面における第1の面112と接する角部を丸めることに加えて、快適さ及び/または審美性を向上させるためにその他の様々な角部を丸めることができることを理解されたい。例えば、図6に示すように、第2の面114や第1の面112を形成するX−Y平面の角部を丸めたり、該角部に上記の半径を持たせたりすることもできる。
【0065】
図6及び図7に示すハウジング111は、任意の適切な材料から作製することができる。例えば、一実施形態では、ハウジング111は、熱可塑性ポリマーや弾性ポリマー等のポリマーから作製することができる。本発明の一実施形態では、信号通知装置110を使用者の身体に隣接して配置した際に不快さをさらに減少させるまたは最小限に抑えることができる材料からハウジング111を作製してもよい。例えば、上記した寸法に加えて、ハウジング111の少なくとも一部を柔軟材料から作製することにより、使用者への不快さをさらに減少させることができる。また、上述したように、ハウジング111は、通常の着用中に信号通知装置が受ける衝撃に耐えることができる耐久性材料から作製するべきである。例えば、ハウジング111の材料として、内部部品の完全性を保護するために衝撃/衝突に強い材料を用いるべきである。
【0066】
従って、本発明の他の側面は、ハウジング111の作製に使用される材料に関する。本発明によれば、例えば、ハウジング111は、望ましい範囲の硬度を有する1以上の材料から作製することができる。例えば、デュロメーターは、材料の硬度を示す種々の方法のうち1つである。デュロメーターは、永久圧痕(変形)に対する材料の抵抗性と定義される。デュロメーターは、通常は、ポリマー、エラストマー及びゴムの硬度の測定値として使用されている。様々な性質を有する材料に対して、様々なスケールのデュロメーターが使用される。例えば、デュロメーターは、ショアA硬度またはショアD硬度に従って測定することができる。Aスケールは通常は軟質ポリマーに使用され、Dスケールは通常は硬質ポリマーに使用される。
【0067】
本発明の一実施形態では、ハウジング111の第1の面112を約25A乃至約70AのシェアA硬度を有する材料から作製することにより望ましい性質の組み合わせが得られることを本願発明者は見出した。例えば、ハウジング111の第1の面112は、様々な熱可塑性ポリマー及びエラストマー性ポリマー、すなわち、シリコンポリマー、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、エラストマー性ポリオレフィン材料(エラストマー性ポリエチレン、エラストマー性ポリプロピレン及びそれらのコポリマー)、スチレンブロックコポリマー(S−I−Sポリマー、S−EB−Sポリマー、SBRポリマー)、ニトリルポリマー、天然ラテックスポリマー、可塑化ポリ塩化ビニルポリマー等から作製することができる。
【0068】
上記の範囲の硬度を有することに加えて、第1の面112の外面の作製に使用される材料は、所望の範囲内のヤング率(E)を有することもできる。例えば、前記材料のヤング率は、約10GPa未満、例えば約6GPa未満であり得る。
【0069】
一実施形態では、ハウジング111全体を、上記の材料から作製することができる。或いは、ハウジング111は、より硬い材料から作製されたコアと、上記の材料から作製された外側カバーとを含む、多層構造を有することができる。
【0070】
さらに別の実施形態では、ハウジング111は、互いに異なる材料から作製された複数の部品から作製することができる。例えば、一実施形態では、図7に示すように、ハウジング111は、互いに結合される第1の部材124及び第2の部材126から構成される。第1の部材124は、任意の適切な方法によって第2の部材126に結合される。例えば、或る特定の実施形態では、第1の部材124は、ヒンジによって第2の部材126と連結される。例えばこの実施形態では、図7に示すように、信号通知装置はヒンジ線128を有し得る。この実施形態では、第1の部材124は、第2の部材126よりも柔軟な材料から作製される。第1の面112に沿った部分におけるハウジング111の柔軟性は、使用者に対して快適さを提供することができる。一方、第2の部材126は、第1の部材124よりも硬い材料から作製され、信号通知装置の内部部品に対する保護殻としての役割を果す。
【0071】
例えば、一実施形態では、第1の部材124は、上記の硬度及びヤング率を有する材料から作製される。一方、第2の部材126は、約60A乃至約110AのショアA硬度を有する材料、或いは、約50D乃至約80DのショアD硬度を有する材料を使用して作製することができる。一方、第2の部材126の作製に使用される材料のヤング率は、一般的に、約12GPaよりも大きい値、例えば約15GPaよりも大きい値であり得る。例えば、一実施形態では、第2の部材126の作製に使用される材料のヤング率の範囲は、約12GPa乃至約25GPaの範囲であり得る。
【0072】
第2の部材126は、様々な熱可塑性ポリマーから作製することができる。一般的に、第2の部材126の作製には、任意の剛性熱可塑性ポリマーを使用することができる。そのようなポリマーの例としては、ポリオレフィン(例えばポリエチレンやポリプロピレン)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等がある。
【0073】
図7に示すように、ハウジングを2つの部材から構成する場合、一実施形態では、第1の部材124は、第2の部材126よりも柔軟な材料で、第2の部材126よりも小さい大きに作製される。例えば、一実施形態では、第1の部材124のZ方向長さは、最小限に抑えられた長さであるが、第2の部材126と結合することが可能な長さに設定される。例えば、第1の部材124のZ方向長さは、信号通知装置のZ方向全長の、約20%未満、例えば約10%未満、或いは例えば約5%未満の長さであり得る。例えば、一実施形態では、第1の部材124のZ方向長さは、信号通知装置のZ方向全長の約0.5%乃至約5%の長さであり得る。
【0074】
図8乃至図10を参照すると、本発明に従って作製された信号通知装置の様々な他の実施形態が示されている。具体的には、図8乃至図10に示す信号通知装置は、本発明に従って作製された信号通知装置の他の形状が示されている。全体形状はそれぞれ異なるが、図8乃至図10に示す信号通知装置は、一般的に、図6及び図7に示した実施形態に関して説明した寸法及び材料と同一の寸法を有する及び同一の材料で作製される。
【0075】
例えば、図8に示す信号通知装置210は、作動時に信号を生成するように構成された内部部品を収容するハウジング211を備える。信号通知装置210は、吸収性製品等の衣服を使用者が着用した際に使用者の身体(例えば、使用者の背部)と接触するようにデザインされた第1の面212を有する。この実施形態では、信号通知装置210は、3つの平坦な辺部240、242及び244を有する。図示したように、辺部246は、平坦辺部242の端部から平坦辺部244の端部にかけて或る半径で湾曲して延びている。
【0076】
図9を参照して、別の実施形態による信号通知装置310が示されている。信号通知装置310は、使用者の身体に隣接して位置されるように構成される第1の面312を画定するハウジング311を備える。信号通知装置310はまた、信号通知装置を衣服に取り付けるための取付け機構313を備える。第1の面312が使用者の背部に隣接して位置されるようにするために、取付け機構313は、例えば、吸収性製品の後側ウエストバンド上に配置されるクリップから構成され得る。
【0077】
図9に示す実施形態では、信号通知装置310は一般的に、略楕円形の形状を有する。より具体的には、信号通知装置310は、互いに離間して位置する第1の角部342及び第2の角部344を画定する平坦領域340を含む。第1の面312は、前記2つの角部から辺を延ばすことにより形成された楕円形状を有する。
【0078】
一実施形態では、信号通知装置310は、取付け機構313用のヒンジを形成するために、平坦領域340を含むことができる。
【0079】
信号通知装置310の第1の面312は、図6及び図7の示した実施形態に関して上記した範囲内のX方向長さ及びY方向長さを有し得る。非矩形形状の場合、例えば、X方向長さ及びY方向長さは、第1の面312の形状に基づいてY方向及びX方向において最大となり得る。
【0080】
図10を参照して、本発明に従って作製された、さらに別の実施形態による信号通知装置410が示されている。信号通知装置410は、第1の面412を画定するハウジング411を備える。この実施形態では、第1の面412は略三角形の形状を有する。具体的には、第1の面412は、第1の角部440、第2の角部442、及び第3の角部444を画定する。本発明では、第1の面412の前記略三角形の形状は、正三角形であり得るか、または、他の適切な二等辺三角形であり得る。ある特定の実施形態では、例えば、信号通知装置410は、1つの平坦な辺部の両端から辺を延ばすことにより形成された、湾曲した頂部を有する盾状形状を有し得る。
【0081】
図10に示すような略三角形の信号通知装置は、本発明に従って使用する際に、様々な利点及び有益点を提供する。例えば、3つの角部のみを有するデザインが、信号通知装置を装着した際に信号通知装置から身体に加わる圧力の値を低くする役割を果すことを本願発明者は見出した。具体的には、三角形の形状は、その形状に起因して、装置のZ方向長さ(すなわち厚さ)への敏感性が小さい。
【0082】
図示した形状に加えて、信号通知装置は、本発明に従って様々な他の形状に作製できることを理解されたい。例えば、一実施形態では、信号通知装置は、複合形状を有すように作製される。
【0083】
以下の例を参照することにより、本発明をより良く理解することができるであろう。
【0084】
例
【0085】
本発明の利点及び有益点のいくつかを説明するために以下の研究を行った。
【0086】
図11を参照して、15個の互いに異なる試験試料(A〜O)をこの例に従って試験した。各試験試料は、信号通知装置の可能な形状及び寸法を示すことを意図している。試験試料は、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)社から入手可能なLEXANポリカーボネートポリマーから作製した。
【0087】
図11に示した各試料は、使い捨てのトレーニングパンツ(用便訓練用パンツ)の後側ウエストバンドに沿って取り付けられる。このようにして、試験試料は、トレーニングパンツの着用者の腰背部に隣接して配置される。具体的には、試験試料は、トレーニングパンツの内側に、ウエストラインに沿ってテープで固定される。
【0088】
試験対象としては幼児を選択した。試験の初日に、幼児の身長と体重を測定した。図11に示した試験試料のうちの1つを取り付けた使い捨てのトレーニングパンツを幼児に着用させた。トレーニングパンツを着用者に固定した後、各幼児に座ったりマット上で転がったりしてもらった。試験試料が被験者の身体に加える圧力の大きさを測定した。
【0089】
具体的には、試験試料と着用者の背部との間に、圧力センサグリッドを配置した。圧力センサグリッドとしては、マサチューセッツ州ボストン所在のテクスキャン社(Tekscan, Inc.)製のモデル番号6077LLPセンサを使用した。このセンサは、離散型センサ領域としてのメインセンサの出力を記録するためのソフトウエアを備える。各離散型センサは、特定領域内の圧力を測定する。前記ソフトウエアを用いて、ユーザーは、信号通知装置の表面領域全体等の目的とする領域に加えられた圧力を測定し、特定の目的領域の平均圧力を得ることができる。
【0090】
圧力の測定は、幼児が座ったり寝転んだりうつ伏せになったりする間の全ての時間に渡って行われる。圧力センサは、試験中に試験試料の全領域の複数地点でのピーク圧力の画像を提供することが可能である。各ピーク圧力を試験試料の表面全体について平均化することにより、平均圧力が求められる。加えて、各試験試料の周縁部の複数地点でのピーク圧力を記録する。この周縁部の各ピーク圧力を平均化することにより、各試験試料の周縁部平均圧力が求められる。図11に示す試験試料の形状及びサイズは次の通りである。
【0091】
試験試料11A、11D、11G、11J、及び11MのZ方向長さ(厚さ)は、6.4mm(1/4インチ)である。試験試料11B、11E、11H、11K及び11NのZ方向長さは、9.5mm(3/8インチ)である。試験試料11C、11F、11I、11L、11OのZ方向長さは、12.7mm(1/2インチ)である。
【0092】
試験試料11A、11B、11CのX方向長さ及びY方向長さは、38.1mm(1.5インチ)である。試験試料11G、11H、11IのX方向長さ及びY方向長さは、44.5mm(1.75インチ)である。試験試料11J、11K、11L、11M、11N、11OのX方向長さ及びY方向長さは、31.8mm(1.25インチ)である。そして、試験試料11D、11E、11FのX方向長さ及びY方向長さは、31.8mm(1.25インチ)である。試験試料11D、11E、11FのY方向長さは、Y方向における最長長さである。
【0093】
図11に示すように、丸い角部を有していない試験試料に加えて、上述したような丸い角を有する試験試料が使用される。
【0094】
試験の結果を図12及び図13に示す。
【0095】
こららの結果が示すように、表面積の大きさは、圧力値との間に正の相関が認められる。具体的には、面積を大きくすると、平均圧力は低くなる。周縁部の圧力平均についても、同様な傾向が見られる。
【0096】
本発明に対するこれらの及び他の変更及び変形は、添付した特許請求の範囲により具体的に画定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により実施することができる。また、様々な実施形態の態様は、全体的にまたは部分的に相互に置き換え可能であることを理解されたい。さらに、前述の説明は、例示のみを目的とするものであり、添付した特許請求の範囲に詳細に述べられている本発明の限定を意図するものではないことは、当業者には明白であろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て製品用の信号通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつ、トレーニングパンツ(用便訓練用パンツ)、失禁用品、女性用衛生用品、水着用下着等の吸収性製品は、通常は、液体透過性の身体側ライナと、液体不透過性のアウターカバーと、吸収性コアとを含む。吸収性コアは、通常は、使用者から排出された液体(例えば、尿)を吸収して保持するために、アウターカバーと身体側ライナとの間に配置される。
【0003】
吸収性コアは、例えば、超吸収性粒子で作製することができる。多くの吸収性製品、特にキンバリー・クラーク社(Kimberly-Clark Corporation)からHUGGIES(商標)の商品名で発売されている吸収性製品は、液体吸収効率が非常に高いため、その吸収性製品が身体流体(body fluid)に侵襲されたか否かが分かり難い場合がある。
【0004】
そのため、様々なタイプの水分または濡れインジケータを吸収性製品に使用することが提案されてきた。濡れインジケータは、おむつの濡れ状態を親または介護者に対して早期に知らせるように設計された警報装置を含み得る。このような警報装置は、例えば、可視信号または可聴信号を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】PCT特許出願第WO−00/37009号公報
【特許文献2】米国特許第4、940、464号明細書
【特許文献3】米国特許第5、766、389号明細書
【特許文献4】米国特許第6、645、190号明細書
【特許文献5】米国特許第4、704、116号明細書
【特許文献6】米国特許第5、486、166号明細書
【特許文献7】米国特許第5、490、846号明細書
【特許文献8】米国特許第5、820、973号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開11/405,263号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
警報装置は、通常は、吸収性製品の着用時に該製品のウエスト部分の周囲に取り付けられるように構成されている。しかし、吸収性製品に取り付けた際に、警報装置は着用者に対して何らかの不快感を与え得る。そのため、吸収性製品に取り付けた際の不快感を最小限に抑えることが可能な警報装置が現在求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的に、本発明は、吸収性製品と共に使用するのに特に適した信号通知装置に関する。信号通知装置は、吸収性製品に設置された濡れセンサ等に接続可能であり、吸収性製品内に身体流体(body fluid)が存在することを使用者に知らせるための信号(例えば、可聴信号または可視信号)を発するように構成することができる。例えば、一実施形態では、吸収性製品はおむつであり、信号通知装置に接続された濡れ検出装置は尿または排便物の存在を知らせるように構成される。また、別の吸収性製品では、濡れ検出装置及び信号通知装置は、酵母または代謝産物の存在を知らせるように構成され得る。
【0008】
より具体的は、本発明は、上述したような、吸収性製品と共に装着した際の不快感を最小限に抑えるように人間工学的に設計された信号通知装置に関する。例えば、一実施形態では、信号通知装置は、おしめやトレーニングパンツ等の吸収性製品の後側ウエストバンドに取り付けられるように構成され、着用者の背部のくびれた部分にフィットするまたは適合するような形状を有する。信号通知装置は、例えば、着用者の背部にかかる圧力ができるかぎり小さくなることが分かっている特定の寸法を有するよう及びそのような特定の材料からデザインされる。
【0009】
例えば、一実施形態では、信号通知装置は、該装置を吸収性製品等の衣服に取り付けるための取付け機構を備える。信号通知装置は、作動時に可聴信号及び/または可視信号等の任意の適切な信号を発するように設計された内部部分を収容するハウジングをさらに備える。
【0010】
信号通知装置のハウジングは、衣服に取り付けられた際に着用者に接触するように構成された第1の面と、その反対側の第2の面とを有する。第1の面及び第2の面は、X方向長さ及びY方向長さを規定する。本発明によれば、X方向長さ及びY方向長さは、約30mm乃至約50mmであり得、例えば約30mm乃至約50mm、または約35mm乃至約55mmであり得る。
【0011】
一方、Z方向長さは、一般的に、約15mm未満であり得る。例えば、一実施形態では、Z方向長さは、約5mm乃至約10mmであり得る。
【0012】
特定の実施形態では、ハウジングの第1の面は、少なくとも2つの丸い角部を有する。前記2つの丸い角部は、Z方向の辺部とX方向またはY方向の辺部との間の曲率半径(半径でも同じである)が約1.5mm−1よりも大きくなるように丸められている。曲率半径は、約1.5mm−1乃至約15mm−1であり得、例えば約1.5mm−1乃至約5mm−1であり得る。
【0013】
本発明では、ハウジングの第1の面は様々な形状を有し得る。例えば、一実施形態では、ハウジングの第1の面は、一般的に、矩形形状を有し得る。別の実施形態では、前記第1の面は、2つの角部のみを含む。例えば、ハウジングの第1の面は、2つの角部から辺を延ばすことにより形成された略楕円形の形状を有する。
【0014】
別の実施形態では、ハウジングの第1の面は、3つの角部のみを含む。この実施形態では、例えば、前記第1の面は、三角形の形状を有する。或る特定の実施形態では、前記第1の面は、楯状の形状を有する。さらに別の実施形態では、ハウジングの第1の面は、3つの平坦な辺部と1つの弓状の辺部とを含む。
【0015】
信号通知装置のハウジングは、様々な材料から作製することができる。例えば、一実施形態では、ハウジングは、熱可塑性ポリマーや弾性ポリマー等の任意の適切なポリマーから作製することができる。一実施形態では、ハウジングの第1の面は、約25A乃至約70AのシェアA硬度を有する材料から作製される。加えて、前記第1の面は、約10GPa未満のヤング率を有する材料から作製することができる。
【0016】
一実施形態では、ハウジング及び信号通知装置は、第1の部材と第2の部材とから構成することもできる。第1の部材及び第2の部材は、例えば、任意の適切な方法で結合させて一体化させることができる。例えば、或る特定の実施形態では、第1の部材は、ヒンジによって第2の部材に連結される。第1の部材は、上述した性質を有する材料から作製され、前記第1の面を画定する。一方、第2の部材は、第1の部材よりも硬い材料から作製され、前記第2の面を画定する。例えば、第2の部分は、約60A乃至約110AのショアA硬度を有する材料から作製される。さらに、第2の部分は、約12GPaよりも大きいヤング率を有する材料から作製され得る。
【0017】
本発明の信号通知装置は、濡れセンサ装置と共に使用するのに特に適している。これに関連して、本発明は、吸収性製品にも関する。吸収性製品は、身体側ライナとアウターカバーとの間に配置された吸収性コアを備える。吸収性製品は、着用時に、前側及び後側を有するウエスト開口部と、その反対側に位置する一対の脚開口部とを画定するように構成される。吸収性製品は、濡れ検出回路をさらに備える。濡れ検出回路は、信号通知装置が着用者の背部のくびれ部分にフィットするように、ウエスト開口部の後側に沿って信号通知装置に接続されるように構成される。
【0018】
本発明に従って作製された信号通知装置を上述したようにして吸収性製品に取り付けた際の特別な利点は、信号通知装置から着用者の背部に加わる圧力が、比較的低くなることである。例えば、着用者が仰向けになったときに信号通知装置から着用者の背部に加わる平均圧力は約3psi未満となり、例えば約2.5psi、または約2psi未満、またはさらに低い値となる。同様に、信号通知装置の周縁部の圧力は約3psi未満となり、例えば約2.5psiとなる。
【0019】
様々な吸収性製品が信号通知装置と共に使用可能である。本発明に従って作製される吸収性製品としては、例えば、おむつ、トレーニングパンツ、水着用下着、大人用失禁用品、女性用衛生用品等がある。
【0020】
本発明の他の特徴及び態様は、以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
当業者を対象にした本発明の完全かつ実現可能な開示(ベストモードを含む)が、添付図面を参照して、本明細書の残りの部分により詳細に説明される。
【0022】
【図1】本発明に従って作製された吸収性物品の一実施形態の後方斜視図である。
【図2】図1に示した吸収性製品の前方斜視図である。
【図3】図1に示した吸収性製品の平面図であり、締結していない、折り畳まれていない平らに広げられた状態を示している。吸収性製品における、着用者に面する面と反対側の面を示している。
【図4】図3と同様の平面図であり、吸収性製品における、着用時に着用者に面する面を示している。下層の要素を示すために、部分的に破断して示している。
【図5】図1に示した吸収性物品に、信号通知装置の一実施形態を設置した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に従って作製された信号通知装置の一実施形態の平面図である。
【図7】図6に示した信号通知装置の側面図である。
【図8】本発明に従って作製された信号通知装置の他の実施形態の平面図である。
【図9】本発明に従って作製された信号通知装置の別の実施形態の平面図である。
【図10】本発明に従って作製された信号通知装置のさらに別の実施形態の平面図である。
【図11】実施例において試験された形状の斜視図である。
【図12】実施例において得られた結果を示すグラフである。
【図13】実施例において得られた結果を示すグラフである。
【0023】
本明細書及び図面において繰り返し使用されている参照符号は、本発明の同一または類似の機構または要素を表すことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本考察は例示的な実施形態の説明に過ぎず、本発明の広範な態様を限定することを意図するものではないことは、当業者であれば理解できるであろう。
【0025】
本発明は、一般に、吸収性製品用の信号通知装置に関する。信号通知装置は、吸収性製品内に設置された濡れ検出装置と情報通信可能に構成される。吸収性製品内で導電性物質が検出されると、濡れ検出装置が作動し、信号通知装置から可聴信号及び/または可視信号等の任意の適切な信号を発生させる。吸収性製品は、例えば、おむつ、トレーニングパンツ(用便訓練用パンツ)、失禁用品、女性用衛生用品、医療用衣服、包帯等であり得る。本発明に従って作製された吸収性製品は、例えば、一対の導電性リード間に導電性流体(身体流体等)が検知された際に閉じされる開回路を含み得る。通常、開回路を備えている吸収性製品は使い捨てであり、再使用のために洗濯または他の方法によって状態回復させるのではなく、限定的に使用した後に廃棄するように設計されている。
【0026】
本発明の吸収性製品内に含まれる開回路は、信号通知装置に接続されるように構成されている。信号通知装置は、身体流体の存在を使用者に知らせるための或る種類の可聴信号及び/または可視信号を発するだけでなく、開回路に対して電力を供給することもできる。吸収性製品そのものは使い捨てであるが、信号通知装置は吸収性製品から取り外して他の吸収性製品に再使用することができる。
【0027】
本発明によれば、信号通知装置は、上述したような吸収性製品等の衣服に取り付けて該衣服と共に着用した際の使用者の不快感を最小限に抑えるために、人間工学的に設計される。例えば、信号通知装置は、着用者の皮膚への衝突等を低減させるような形状を有するか、または着用者の皮膚への衝突等を低減させるような材料から作製されたハウジングを含むことができる。
【0028】
或る特定の実施形態では、信号通知装置は、使用者の背部に隣接して配置されるように、吸収性製品の後側ウエストバンドに取り付けることができるように設計される。この点において、一実施形態では、信号通知装置は、着用者の背部のくびれた部分に収まるようにデザインされた形状を有する。背部のくびれた部分は、一般的に、背部における腰椎が位置する領域と定義される。腰椎は、臀部と背部の中程との間に身体のくびれ部分を形成するウエスト曲線と呼ばれる曲線を形成する。
【0029】
信号通知装置は、通常は、吸収性製品内に含まれる身体流体の存在を知らせるように構成された開回路に接続される。検出対象とされる身体流体は、吸収性製品の種類及び所望する用途によって異なり得る。例えば、一実施形態では、吸収性製品はおむつやトレーニングパンツ等であり、信号通知装置は尿の存在を知らせるように構成される。或いは、信号通知装置は、おむつかぶれの存在を示す代謝産物の存在を知らせるように構成され得る。一方、大人用失禁用品及び女性用衛生用品の場合は、信号通知装置は、酵母または尿中の特定成分(多糖類等)の存在を知らせるように構成され得る。
【0030】
図1及び図2を参照して、例示を目的として、本発明に従って作製され得る吸収性製品20が示されている。吸収性製品20は、使い捨てでもあってもよいし、使い捨てでなくてもよい。本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、パーソナルウエア用の様々なその他の吸収性製品と共に使用するのに適していることを理解されたい。吸収性製品には、これらに限定するものではないが、おむつ、トレーニングパンツ、水着用下着、女性用衛生用品、失禁用品、医療用衣服、手術用パッド及び包帯、その他の個人ケア用衣服または健康ケア用衣服等が含まれる。
【0031】
例示としてのみであるが、例えばおむつ20等の本発明の様々な態様の吸収性製品を作製するための様々な材料及び方法が、2000年6月29日に公開されたA. Fletcher他によるPCT特許出願第WO−00/37009号公報(特許文献1)、1990年7月10日にVan Gompel他に付与された米国特許第4、940、464号明細書(特許文献2)、1998年6月16日にBrandon他に付与された米国特許第5、766、389号明細書(特許文献3)、2003年11月11日にOlson他に付与された米国特許第6、645、190号明細書(特許文献4)に開示されており、これらの特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0032】
部分的に締結された状態のおしめ20が、図1に代表的に示されている。また、図1及び図2に示したおしめ20の折り畳まれていない広げられた状態を、図3及び図4に示す。具体的には、図3は、おしめ20の外面を示す平面図であり、図4は、おしめ20の内面を示す平面図である。図3及び図4に示すように、おしめ20は、着用した際に製品の前側から製品の後側に延びる縦方向48を画定する。縦方向48と直交する方向が、横方向49となる。
【0033】
おむつ20は、一対の縦方向両側の端部領域(本明細書中では前側領域22及び後側領域24とも呼ばれる)と、前側領域22と後側領域24との間に縦方向に延在し前記両領域を相互連結する中央領域(本明細書中では股部領域26とも呼ばれる)とを含む。また、おむつ20は、使用時に着用者に向い合うように位置する(すなわち、製品20の他の構成要素に対して相対的に内側に配置される)内面28と、内面とは反対側の面である外面30とを含む。前側領域22及び後側領域24は、おむつ20における、着用した際に着用者のウエスト(すなわち、胴体の中程から下部にかけての部分)を全体的または部分的に覆うかまたは取り囲む部分である。股部領域26は、一般的には、おむつ20における、着用時に着用者の両脚の間に位置し、着用者の胴体下部及び股部を覆う部分である。吸収性製品20は、一対の横方向両側の側縁部36と、前側腰側縁部38及び後側腰側縁部39としてそれぞれ示される一対の縦方向両側の腰側縁部とを含む。
【0034】
図示したおむつ20は、本実施形態では前側領域22、後側領域24及び股部領域26を包含するシャーシ32を含む。図1乃至図4を参照して、シャーシ32は、アウターカバー40及び身体側ライナ42(図1及び図4)を含む。身体側ライナ42は、接着剤、超音波接着、熱接着、または他の従来技術によってアウターカバー40に接合され得る。図4を参照して、ライナ42は、好適には、前側ウエストシーム62及び後側ウエストシーム64を形成するようにして、シャーシ32の側縁部に沿ってアウターカバー40に結合される。図4に示すように、ライナ42は、好適には、前側領域22及び後側領域24において1対のサイドシーム61を形成するようにして、アウターカバー40に結合される。ライナ42は、通常は、吸収性製品の着用中に着用者の皮膚と対向して位置するように構成される(すなわち、製品20の他の構成要素に対して相対的に内側に配置される)。シャーシ32は、アウターカバー40と身体側ライナ42との間に配置され着用者から滲出または排出された身体流体(排泄物及び体液等)を吸収する吸収性構造体44と(図4参照)、身体流体の横方向流れを抑止するために身体側ライナ42に設置された1対の閉じ込めフラップ46とをさらに含む。
【0035】
図4に示した伸縮性を有する閉じ込めフラップ46は、着用者の身体に対して密閉を形成するための、少なくともおむつ20の股部領域26において垂直構造をなす部分的に未結合の側縁部を画定する。閉じ込めフラップ46は、シャーシ32の全長に沿って縦方向に延在するか、またはシャーシ32の長さ方向に沿って部分的にのみ延在する。閉じ込めフラップ46についての適切な構造及び構成は一般的に当業者に公知であり、例えば、1987年11月3日にEnloeに付与された米国特許第4、704、116号明細書(特許文献5)に記載されている(この特許文献の開示内容は、この参照により本明細書に組み込まれるものとする)。
【0036】
身体流体(身体滲出液)の閉じ込め及び/または吸収をさらに向上させるために、当業者には公知のように、おしめ20は、好適には、脚弾性部材58(図4)も含む。脚弾性部材58は、吸収性製品20の股領域126に配置され、アウターカバー40及び/または身体側ライナ42に作用可能に結合される。
【0037】
脚弾性部材58は、任意の適切な弾性材料から形成可能である。当業者には公知のように、適切な伸縮性材料には、天然ゴム、合成ゴムまたは熱可塑性弾性ポリマーから形成されたシート、ストランドまたはリボンが含まれる。弾性材料は、引き伸ばしてから基材に接着されるか、ギャザーされた(寄せ集めされた)基材に接着されるか、或いは、基材に接着した後に加熱して収縮させられ、そのことにより、基材に弾性収縮力が付与される。特定の一態様では、例えば、脚弾性部材58は、米国デラウェア州ウィルミントン所在のインビスタ社(Invista)から入手可能のLYCRAの商標名で販売されている、乾式紡糸法により融着された複数の多繊維スパンデックス(弾性糸)を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、吸収性製品20は、随意的に吸収性構造体44に隣接して配置され、接着剤の使用等の当該技術分野では既知の方法によって吸収性構造体44または身体側ライナ42等の製品20の様々な構成要素に取り付けられるサージ制御層(図示せず)をさらに含み得る。サージ制御層は、製品の吸収構造体内に急速に導入される液体の勢いのある強い流れを弱めるまたは拡散させる役割を果たす。吸収構造体の貯蔵部分または保持部分が液体を吸収する前に、サージ制御層が液体を素早く受容し一時的に保持することが望ましい。適切なサージ制御層の例は、米国特許第5、486、166号明細書(特許文献6)及び米国特許第5、490、846号明細書(特許文献7)に記載されている。他の適切なサージ管理材料は、米国特許第5、820、973号明細書(特許文献8)に記載されている。これらの特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0039】
図1乃至図4に示すように、吸収性製品20は、シャーシ32の後側領域に取り付けられた、横方向両側に対向配置される一対の弾性サイドパネル34をさらに含む。図1及び図2に詳しく示すように、サイドパネル34は、前記製品を適切な位置で固定するために、着用者のウエスト(腰部)及び/または臀部の周囲で伸張させることができる。図3及び図4に示すように、弾性サイドパネル34は、横方向両側に対向配置される一対の縦方向側縁部37に沿って、シャーシ32に取り付けられる。サイドパネル34は、任意の適切な結合技術を用いて、シャーシ32に取り付けるまたは結合させることができる。例えば、サイドパネル34は、接着剤、超音波接着、熱接着または他の従来の技術によって、シャーシに接合させることができる。
【0040】
別の実施形態では、弾性サイドパネルを、シャーシ32と一体的に形成することもできる。例えば、サイドパネル34は、身体側ライナ42の延長部、アウターカバー40の延長部分、または、身体側ライナ42及びアウターカバー40の両者の延長部分から構成することができる。
【0041】
これらの図示した実施形態では、サイドパネル34は吸収性製品20の後側領域に取り付けられており、製品20を着用者の適切な位置に固定する際に、製品20の前側領域に延ばされる。なお、サイドパネル34を製品20の前側領域に取り付け、製品を着用する際に、後側領域に延ばすようにしてもよいことを理解されたい。
【0042】
図1及び図2に部分的に示したような締結位置において、締結システム80によって弾性サイドパネル34を締結することによって、ウエスト開口部50及び一対の脚開口部52を含む3次元のおむつ構造が画定される。製品20のウエスト開口部50は、着用者のウエストを取り囲む腰側縁部38及び39によって画定される。
【0043】
これらの図に示した実施形態では、サイドパネルは、締結システムによって、製品20の前側領域122に着脱自在に結合可能である。なお、他の実施形態では、左右両端において、サイドパネルをシャーシ32に恒久的に結合することも可能なことを理解されたい。例えば、トレーニングパンツまたは吸収性水泳着を形成する際は、サイドパネルは恒久的に一体結合される。
【0044】
弾性サイドパネル34は、それぞれ、縦方向外側縁部68、おしめ20の縦方向中央に向かって配された脚部端側縁部70、及び吸収性製品の縦方向端部に向かって配されたウエスト側縁部72を有している。着用者の脚部の周りにより良くフィットさせるために、吸収性製品20の脚部端側縁部70は、横方向49に対して適切に湾曲及び/または角度付けされた形状にすることができる。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、脚部端側縁部70のうち一方だけ(例えば、後側領域24の脚部端側縁部)を湾曲または角度付けされた形状にする、または脚部端側縁部のいずれも湾曲または角度付けされた形状にしないことも可能であることを理解されたい。図4に示すように、外側縁部68は縦方向48に対して概ね平行であり、ウエスト側縁部72は、横方向軸149に対して概ね平行である。しかしながら、他の実施形態では、外側縁部68及び/またはウエスト側縁部72は、所望に応じて傾斜または湾曲させて形成してもよいことを理解されたい。最後に、サイドパネル34は、シャーシのウエスト領域90と概ね整列配置されている。
【0045】
締結システム80は、横方向両側の第1の締結部材82とそれに対応する第2の締結部材84とを備えており、第1の締結部材82は第2の締結部材に対して再締結可能(着脱可能)に結合するように構成されている。図示した実施形態では、第1の締結部材82は弾性サイドパネル34に配設され、第2の締結部材84はシャーシ32の前側領域122に配設されている。一態様では、締結部材82、84のそれぞれの前面または外面は、複数の係合要素を備える。第1の締結部材82の係合要素は、それに対応する第2の締結部材84の係合要素に対して繰返して係合及び解離可能に構成されており、製品20を3次元構造に解除可能に固定する。
【0046】
締結部材82、84は、接着剤締結具、粘着性締結具、機械的締結具等の、吸収性製品に適した任意の再締結可能な締結具であり得る。特定の態様では、締結部材は、性能向上のための機械的締結要素を含む。適切な機械的締結要素は、フック、ループ、バルブ、きのこ型、矢じり型、ボールオンステム型、オス型及びメス型嵌合部材、バックル、スナップ等の相互結合形状の部材を用いて構成することができる。
【0047】
図示した態様では、第1の締結部材82がフック締結具を含み、第2の締結部材84が前記フック締結具と相補的なループ締結具を含む。或いは、第1の締結部材82がループ締結具を含み、第2の締結部材84が前記ループ締結具と相補的なフック締結具を含むようにしてもよい。他の態様では、締結部材82、84は、相互結合する同様の面ファスナか、或いは、接着剤締結要素または粘着性締結要素(例えば、接着剤締結具または接着剤受容結合領域若しくは材料)であり得る。締結部材82、84間の所望レベルの結合を得るために、フック及びループの形状、密度及びポリマー組成が選択されることは、当業者であれば理解できるであろう。適切な締結システムは、先に本明細書に組み込まれるものとした2000年6月29日に公開されたA. Fletcher他によるPCT特許出願第WO‐00/37009号公報(特許文献1)、及び先に本明細書に組み込まれるものとした2003年11月11日にOlsen他に付与された米国特許第6,645,190号明細書(特許文献4)に開示されている。
【0048】
図示した実施形態では、締結部材82は、外側縁部68に沿ってサイドパネル34に取り付けられている。この実施形態では、締結部材82は、弾性すなわち伸縮可能ではない。しかしながら、他の実施形態では、締結部材は、サイドパネル34と一体的に構成してもよい。例えば、締結部材は、サイドパネル34の表面に直接的に取り付けてもよい。
【0049】
弾性サイドパネルを有する可能性に加えて、吸収性製品20は、ウエスト開口部の周囲に弾性を提供するための様々な弾性部材を含み得る。例えば、図示するように、吸収性製品20は、前側ウエスト弾性部材54及び/または後側ウエスト弾性部材56を含むことができる。
【0050】
上述したように、本発明は、特に、濡れ検出装置等の身体流体検知システムを吸収性製品20へ組み込むことに関する。これに関して、図1〜図4に示すように、吸収性製品20は、互いに離間して配置された第1の導電性要素100及び第2の導電性要素102を含む。この実施形態では、2つの導電性要素は、吸収性製品の前側領域22から後側領域24まで、互いに交差することなく延在している。導電性要素100及び102は、導電性糸及び導電性箔等の、任意の適切な導電性材料から構成することができる。例えば導電性要素の間に導電性流体が存在したときに閉じられる開回路を形成するために、第1の導電性要素100と第2の導電性要素102とは互いに交差しない。また、他の実施形態では、第1の導電性要素100及び第2の導電性要素102は、シャーシ内に設置されたセンサに接続され得る。前記センサは、温度変化を検知するのに、または代謝産物等の特定の物質の存在を検知するのに使用され得る。
【0051】
図1に示した実施形態では、導電性要素100及び102は吸収性製品20の全長に渡って延在している。しかし、他の実施形態では、導電性要素を股領域26までしか延在させないか、または身体流体の検出を意図している吸収性製品の任意の特定位置まで延在させることも可能であることを理解されたい。
【0052】
導電性要素100及び102は、吸収性製品20によって吸収される身体流体と接触するように配置される限り、シャーシ32内の任意の適切な位置に組み込むことができる。これに関して、導電性要素100及び102は、通常は、アウターカバー40の内側に配置される。実際には、一実施形態では、導電性要素100及び102は、吸収性構造体44に面するアウターカバー40の内面に取り付けられるか、または積層させられる。或いは、導電性要素100及び102は、吸収性構造体44上に配置され得るか、または身体側ライナ42上に配置され得る。
【0053】
導電性要素100及び102の信号通知装置への接続を容易にするために、第1の導電性要素100は第1の導電性パッド部材104に接続され、第2の導電性要素102は第2の導電性パッド部材106に接続される。パッド部材104、106は、導電性要素により形成された開回路と、消費者によりシャーシに取り付けられた信号通知装置との間に、信頼性のある接続を形成するために設けられる。
【0054】
吸収性製品20における導電性パッド部材104及び106の位置は、信号通知装置の設置位置によって異なる。例えば、図では、導電性パッド部材104及び106は、吸収性製品のウエスト開口部に沿って後側領域24に配置されている。さらに別の実施形態では、パッド部材は、吸収性製品の側部に沿ってまたは製品の股領域に向けて配置することができることを理解されたい。
【0055】
図5を参照すると、例示を目的として、導電性パッド部材104及び106に取り付けられた信号通知装置110が示されている。信号通知装置110は、対応する導電性パッド部材に電気的に接続される一対の互いに対向する端子を有する。吸収性製品20内に身体流体が存在したとき、導電性要素200、202により形成された開回路が閉じられ、そのことにより、信号通知装置110が作動される。
【0056】
信号通知装置110は、開回路が閉じたことを使用者に知らせるために、可聴信号または可視信号を発することができる。
【0057】
上述したように、本発明は、特に、着用時の不快さを最小限に抑えるように設計された信号通知装置に関する。信号通知装置は、吸収性製品に取り付けた際に使用者にとって快適であることに加えて、耐久性を有する必要がある。擬人化モデリングに基づいて、本発明に従って作製された信号通知装置は所望の範囲内に収まる寸法に形成される。加えて、信号通知装置の角部は、使用者の肌にぶつかったり、引っかいたり、突き刺さったりすることを防ぐための望ましい範囲の設定に制約された半径を有し得る。
【0058】
図6及び図7を参照すると、本発明に従って作製された信号通知装置110の一実施形態が示されている。信号通知装置110は、内部部品を収容するハウジング111を含む。内部部品には、バッテリー等が含まれ、可聴信号及び/または可視信号を生成するように構成される。図示したように、この実施形態の信号通知装置は、一般的に、角が丸い矩形形状(例えば正方形)を有する。
【0059】
図示しないが、信号通知装置は、該装置を吸収性製品に取り付けるための取付け機構を備え得る。一般的に、任意の適切な取付け機構を使用することができる。例えば、取付け機構には、クリップ、1以上のスナップ、フックアンドループファスナ等が含まれ得る。一実施形態では、取付け機構は、信号通知装置を吸収性製品に取り付けるだけでなく、信号通知装置と製品に設置された濡れ検知装置との間を電気的に接続する。使用可能な適切な取付け機構は、米国特許出願公開11/405,263号明細書(特許文献9)に記載されており、この特許文献の開示内容は、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0060】
図6及び図7に示すように、信号通知装置110は、使用者に隣接して(例えば使用者の背部に)配置されるように構成された第1の面112を有する。信号通知装置110は、第1の面112の反対側に位置する第2の面114をさらに有する。図6に示すように、第1及び第2の面112及び114は、一般に、X−Y面内に延在し、X方向長さ及びY方向長さを有する。ほとんどの用途では、信号通知装置110のX方向長さ及びY方向長さの少なくともいずれか一方が、約30mmよりも大きい長さであるべきである。例えば、信号通知装置110のX方向長さ及びY方向長さの両方が、約30mmよりも大きい長さであり得る。しかし、X方向長さ及びY方向長さが大きくなると、使用者の背部の湾曲に起因して、信号通知装置110が使用者の肌にぶつかる機会が増大する。したがって、一実施形態では、X方向長さ及びY方向長さの両方は、約80mm以下の長さに設定される。
【0061】
また、X方向長さ及びY方向長さの実際の寸法は、使用者の年齢、体重及びサイズ、信号通知装置の作製に使用される材料の種類、並びに信号通知装置の厚さ等の様々な要因に左右される。例えば、一実施形態では、X方向長さ及びY方向長さは、約30mm乃至約45mmであり得る。また、別の実施形態では、X方向長さ及びY方向長さが約35mm乃至約55mmの場合、より快適な装置が構成され得る。一実施形態では、信号通知装置は、児童安全保護法(Child Safety Protection Act)の要求を満たす寸法を有し得る。例えば、一実施形態では、信号通知装置の実際の直径または構造的直径は、約3.18cm(約1.25インチ)よりも大きい長さであり得る。
【0062】
図7に示すように、信号通知装置110は、一般的にZ方向に延在する厚さ116を有する。厚さ116は、例えば、一般的に約15mm未満であるZ方向長さを有することができる。厚さが15mmよりも大きくなると、その信号通知装置は、或る用途において過度にかさばることとなる。一般的に、Z方向長さは、約5mm乃至約15mmであり得、例えば、約5mm乃至約10mmであり得る。特定の実施形態では、厚さは、さらに短くあり得る。また、ハウジング111の作製に使用される材料の種類によっては、厚さを薄くすると、使用者の皮膚と衝突する辺部及び/または角部が形成され得る。
【0063】
図6及び図7に図示した信号通知装置110の実施形態では、第1の面112及び第2の面114は、4つの丸められた角部を有する。角部は、図6に詳しく示すようにX−Y平面においてだけでなく、図7に示すようにZ−Y平面及びZ−X平面においても丸められている。例えば、図7を参照すると、信号通知装置110の第1の面112は、使用者の背部との接触が意図されている4つの角部(例えば角部120及び122)を有している。本発明によれば、第1の面112の前記4つの角部の、Z方向の辺部とX方向及びY方向の辺部との間の半径及び/または曲率半径は、使用者の皮膚への衝突や他の不快さを最小限に抑えるために、望ましい範囲内に設定するべきである。例えば、一実施形態では、角部120及び122の曲率半径は、約1.5mm−1よりも大きく、例えば約1.5mm−1乃至約15mm−1にするべきである。より詳しくは、使用者に接触する角部の曲率半径は、X−Z平面またはY−Z平面のいずれにおいても、約1.5mm−1乃至約5mm−1にするべきである。また、角部の実際の曲率半径は、ハウジング111の作製に使用される材料の種類等の様々な要因に左右される。
【0064】
X−Z平面またはY−Z平面における第1の面112と接する角部を丸めることに加えて、快適さ及び/または審美性を向上させるためにその他の様々な角部を丸めることができることを理解されたい。例えば、図6に示すように、第2の面114や第1の面112を形成するX−Y平面の角部を丸めたり、該角部に上記の半径を持たせたりすることもできる。
【0065】
図6及び図7に示すハウジング111は、任意の適切な材料から作製することができる。例えば、一実施形態では、ハウジング111は、熱可塑性ポリマーや弾性ポリマー等のポリマーから作製することができる。本発明の一実施形態では、信号通知装置110を使用者の身体に隣接して配置した際に不快さをさらに減少させるまたは最小限に抑えることができる材料からハウジング111を作製してもよい。例えば、上記した寸法に加えて、ハウジング111の少なくとも一部を柔軟材料から作製することにより、使用者への不快さをさらに減少させることができる。また、上述したように、ハウジング111は、通常の着用中に信号通知装置が受ける衝撃に耐えることができる耐久性材料から作製するべきである。例えば、ハウジング111の材料として、内部部品の完全性を保護するために衝撃/衝突に強い材料を用いるべきである。
【0066】
従って、本発明の他の側面は、ハウジング111の作製に使用される材料に関する。本発明によれば、例えば、ハウジング111は、望ましい範囲の硬度を有する1以上の材料から作製することができる。例えば、デュロメーターは、材料の硬度を示す種々の方法のうち1つである。デュロメーターは、永久圧痕(変形)に対する材料の抵抗性と定義される。デュロメーターは、通常は、ポリマー、エラストマー及びゴムの硬度の測定値として使用されている。様々な性質を有する材料に対して、様々なスケールのデュロメーターが使用される。例えば、デュロメーターは、ショアA硬度またはショアD硬度に従って測定することができる。Aスケールは通常は軟質ポリマーに使用され、Dスケールは通常は硬質ポリマーに使用される。
【0067】
本発明の一実施形態では、ハウジング111の第1の面112を約25A乃至約70AのシェアA硬度を有する材料から作製することにより望ましい性質の組み合わせが得られることを本願発明者は見出した。例えば、ハウジング111の第1の面112は、様々な熱可塑性ポリマー及びエラストマー性ポリマー、すなわち、シリコンポリマー、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、エラストマー性ポリオレフィン材料(エラストマー性ポリエチレン、エラストマー性ポリプロピレン及びそれらのコポリマー)、スチレンブロックコポリマー(S−I−Sポリマー、S−EB−Sポリマー、SBRポリマー)、ニトリルポリマー、天然ラテックスポリマー、可塑化ポリ塩化ビニルポリマー等から作製することができる。
【0068】
上記の範囲の硬度を有することに加えて、第1の面112の外面の作製に使用される材料は、所望の範囲内のヤング率(E)を有することもできる。例えば、前記材料のヤング率は、約10GPa未満、例えば約6GPa未満であり得る。
【0069】
一実施形態では、ハウジング111全体を、上記の材料から作製することができる。或いは、ハウジング111は、より硬い材料から作製されたコアと、上記の材料から作製された外側カバーとを含む、多層構造を有することができる。
【0070】
さらに別の実施形態では、ハウジング111は、互いに異なる材料から作製された複数の部品から作製することができる。例えば、一実施形態では、図7に示すように、ハウジング111は、互いに結合される第1の部材124及び第2の部材126から構成される。第1の部材124は、任意の適切な方法によって第2の部材126に結合される。例えば、或る特定の実施形態では、第1の部材124は、ヒンジによって第2の部材126と連結される。例えばこの実施形態では、図7に示すように、信号通知装置はヒンジ線128を有し得る。この実施形態では、第1の部材124は、第2の部材126よりも柔軟な材料から作製される。第1の面112に沿った部分におけるハウジング111の柔軟性は、使用者に対して快適さを提供することができる。一方、第2の部材126は、第1の部材124よりも硬い材料から作製され、信号通知装置の内部部品に対する保護殻としての役割を果す。
【0071】
例えば、一実施形態では、第1の部材124は、上記の硬度及びヤング率を有する材料から作製される。一方、第2の部材126は、約60A乃至約110AのショアA硬度を有する材料、或いは、約50D乃至約80DのショアD硬度を有する材料を使用して作製することができる。一方、第2の部材126の作製に使用される材料のヤング率は、一般的に、約12GPaよりも大きい値、例えば約15GPaよりも大きい値であり得る。例えば、一実施形態では、第2の部材126の作製に使用される材料のヤング率の範囲は、約12GPa乃至約25GPaの範囲であり得る。
【0072】
第2の部材126は、様々な熱可塑性ポリマーから作製することができる。一般的に、第2の部材126の作製には、任意の剛性熱可塑性ポリマーを使用することができる。そのようなポリマーの例としては、ポリオレフィン(例えばポリエチレンやポリプロピレン)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等がある。
【0073】
図7に示すように、ハウジングを2つの部材から構成する場合、一実施形態では、第1の部材124は、第2の部材126よりも柔軟な材料で、第2の部材126よりも小さい大きに作製される。例えば、一実施形態では、第1の部材124のZ方向長さは、最小限に抑えられた長さであるが、第2の部材126と結合することが可能な長さに設定される。例えば、第1の部材124のZ方向長さは、信号通知装置のZ方向全長の、約20%未満、例えば約10%未満、或いは例えば約5%未満の長さであり得る。例えば、一実施形態では、第1の部材124のZ方向長さは、信号通知装置のZ方向全長の約0.5%乃至約5%の長さであり得る。
【0074】
図8乃至図10を参照すると、本発明に従って作製された信号通知装置の様々な他の実施形態が示されている。具体的には、図8乃至図10に示す信号通知装置は、本発明に従って作製された信号通知装置の他の形状が示されている。全体形状はそれぞれ異なるが、図8乃至図10に示す信号通知装置は、一般的に、図6及び図7に示した実施形態に関して説明した寸法及び材料と同一の寸法を有する及び同一の材料で作製される。
【0075】
例えば、図8に示す信号通知装置210は、作動時に信号を生成するように構成された内部部品を収容するハウジング211を備える。信号通知装置210は、吸収性製品等の衣服を使用者が着用した際に使用者の身体(例えば、使用者の背部)と接触するようにデザインされた第1の面212を有する。この実施形態では、信号通知装置210は、3つの平坦な辺部240、242及び244を有する。図示したように、辺部246は、平坦辺部242の端部から平坦辺部244の端部にかけて或る半径で湾曲して延びている。
【0076】
図9を参照して、別の実施形態による信号通知装置310が示されている。信号通知装置310は、使用者の身体に隣接して位置されるように構成される第1の面312を画定するハウジング311を備える。信号通知装置310はまた、信号通知装置を衣服に取り付けるための取付け機構313を備える。第1の面312が使用者の背部に隣接して位置されるようにするために、取付け機構313は、例えば、吸収性製品の後側ウエストバンド上に配置されるクリップから構成され得る。
【0077】
図9に示す実施形態では、信号通知装置310は一般的に、略楕円形の形状を有する。より具体的には、信号通知装置310は、互いに離間して位置する第1の角部342及び第2の角部344を画定する平坦領域340を含む。第1の面312は、前記2つの角部から辺を延ばすことにより形成された楕円形状を有する。
【0078】
一実施形態では、信号通知装置310は、取付け機構313用のヒンジを形成するために、平坦領域340を含むことができる。
【0079】
信号通知装置310の第1の面312は、図6及び図7の示した実施形態に関して上記した範囲内のX方向長さ及びY方向長さを有し得る。非矩形形状の場合、例えば、X方向長さ及びY方向長さは、第1の面312の形状に基づいてY方向及びX方向において最大となり得る。
【0080】
図10を参照して、本発明に従って作製された、さらに別の実施形態による信号通知装置410が示されている。信号通知装置410は、第1の面412を画定するハウジング411を備える。この実施形態では、第1の面412は略三角形の形状を有する。具体的には、第1の面412は、第1の角部440、第2の角部442、及び第3の角部444を画定する。本発明では、第1の面412の前記略三角形の形状は、正三角形であり得るか、または、他の適切な二等辺三角形であり得る。ある特定の実施形態では、例えば、信号通知装置410は、1つの平坦な辺部の両端から辺を延ばすことにより形成された、湾曲した頂部を有する盾状形状を有し得る。
【0081】
図10に示すような略三角形の信号通知装置は、本発明に従って使用する際に、様々な利点及び有益点を提供する。例えば、3つの角部のみを有するデザインが、信号通知装置を装着した際に信号通知装置から身体に加わる圧力の値を低くする役割を果すことを本願発明者は見出した。具体的には、三角形の形状は、その形状に起因して、装置のZ方向長さ(すなわち厚さ)への敏感性が小さい。
【0082】
図示した形状に加えて、信号通知装置は、本発明に従って様々な他の形状に作製できることを理解されたい。例えば、一実施形態では、信号通知装置は、複合形状を有すように作製される。
【0083】
以下の例を参照することにより、本発明をより良く理解することができるであろう。
【0084】
例
【0085】
本発明の利点及び有益点のいくつかを説明するために以下の研究を行った。
【0086】
図11を参照して、15個の互いに異なる試験試料(A〜O)をこの例に従って試験した。各試験試料は、信号通知装置の可能な形状及び寸法を示すことを意図している。試験試料は、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)社から入手可能なLEXANポリカーボネートポリマーから作製した。
【0087】
図11に示した各試料は、使い捨てのトレーニングパンツ(用便訓練用パンツ)の後側ウエストバンドに沿って取り付けられる。このようにして、試験試料は、トレーニングパンツの着用者の腰背部に隣接して配置される。具体的には、試験試料は、トレーニングパンツの内側に、ウエストラインに沿ってテープで固定される。
【0088】
試験対象としては幼児を選択した。試験の初日に、幼児の身長と体重を測定した。図11に示した試験試料のうちの1つを取り付けた使い捨てのトレーニングパンツを幼児に着用させた。トレーニングパンツを着用者に固定した後、各幼児に座ったりマット上で転がったりしてもらった。試験試料が被験者の身体に加える圧力の大きさを測定した。
【0089】
具体的には、試験試料と着用者の背部との間に、圧力センサグリッドを配置した。圧力センサグリッドとしては、マサチューセッツ州ボストン所在のテクスキャン社(Tekscan, Inc.)製のモデル番号6077LLPセンサを使用した。このセンサは、離散型センサ領域としてのメインセンサの出力を記録するためのソフトウエアを備える。各離散型センサは、特定領域内の圧力を測定する。前記ソフトウエアを用いて、ユーザーは、信号通知装置の表面領域全体等の目的とする領域に加えられた圧力を測定し、特定の目的領域の平均圧力を得ることができる。
【0090】
圧力の測定は、幼児が座ったり寝転んだりうつ伏せになったりする間の全ての時間に渡って行われる。圧力センサは、試験中に試験試料の全領域の複数地点でのピーク圧力の画像を提供することが可能である。各ピーク圧力を試験試料の表面全体について平均化することにより、平均圧力が求められる。加えて、各試験試料の周縁部の複数地点でのピーク圧力を記録する。この周縁部の各ピーク圧力を平均化することにより、各試験試料の周縁部平均圧力が求められる。図11に示す試験試料の形状及びサイズは次の通りである。
【0091】
試験試料11A、11D、11G、11J、及び11MのZ方向長さ(厚さ)は、6.4mm(1/4インチ)である。試験試料11B、11E、11H、11K及び11NのZ方向長さは、9.5mm(3/8インチ)である。試験試料11C、11F、11I、11L、11OのZ方向長さは、12.7mm(1/2インチ)である。
【0092】
試験試料11A、11B、11CのX方向長さ及びY方向長さは、38.1mm(1.5インチ)である。試験試料11G、11H、11IのX方向長さ及びY方向長さは、44.5mm(1.75インチ)である。試験試料11J、11K、11L、11M、11N、11OのX方向長さ及びY方向長さは、31.8mm(1.25インチ)である。そして、試験試料11D、11E、11FのX方向長さ及びY方向長さは、31.8mm(1.25インチ)である。試験試料11D、11E、11FのY方向長さは、Y方向における最長長さである。
【0093】
図11に示すように、丸い角部を有していない試験試料に加えて、上述したような丸い角を有する試験試料が使用される。
【0094】
試験の結果を図12及び図13に示す。
【0095】
こららの結果が示すように、表面積の大きさは、圧力値との間に正の相関が認められる。具体的には、面積を大きくすると、平均圧力は低くなる。周縁部の圧力平均についても、同様な傾向が見られる。
【0096】
本発明に対するこれらの及び他の変更及び変形は、添付した特許請求の範囲により具体的に画定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により実施することができる。また、様々な実施形態の態様は、全体的にまたは部分的に相互に置き換え可能であることを理解されたい。さらに、前述の説明は、例示のみを目的とするものであり、添付した特許請求の範囲に詳細に述べられている本発明の限定を意図するものではないことは、当業者には明白であろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動時に信号を発するように構成された信号通知装置であって、
当該装置を衣服に取り付けるための取付け機構と、
前記衣服に取り付けられた際に着用者に接触するように構成された第1の面、前記第1の面の反対側に位置し前記第1の面とともにX方向長さ及びY方向長さを規定する第2の面、及びZ方向長さを規定する厚さを有するハウジングとを備え、
前記X方向長さが、約30mm乃至約80mmであり、
前記Y方向長さが、約30mm乃至約80mmであり、
前記Z方向長さが、約15mm未満であり、
前記第1の面が少なくとも2つの丸い角部を含み、前記少なくとも2つの丸い角部におけるZ方向の辺部とX方向またはY方向の辺部との間の曲率半径が約1.5mm−1よりも大きいことを特徴とする信号通知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の信号通知装置であって、
前記X方向長さ及び前記Y方向長さが、約30mm乃至約50mmであることを特徴とする信号通知装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの第1の面が、矩形形状を有することを特徴とする信号通知装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの第1の面が、2つの角部のみを含むことを特徴とする信号通知装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの第1の面が、3つの角部のみを含むことを特徴とする信号通知装置。
【請求項6】
請求項4に記載の信号通知装置であって、
前記第1の面の前記2つの角部が前記第1の面の一端部を画定し、前記第1の面が前記2つの角部から辺を延ばすことにより形成された略楕円形状を有することを特徴とする信号通知装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの前記Z方向長さが、約5mm乃至約10mmであることを特徴とする信号通知装置。
【請求項8】
請求項4に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの前記第1の面が、3つの略平坦な辺部と1つの弓状の辺部とを含むことを特徴とする信号通知装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の信号通知装置であって、
前記第1の面が、三角形の形状を有することを特徴とする信号通知装置。
【請求項10】
請求項7に記載の信号通知装置であって、
前記X方向長さ及び前記Y方向長さが、約35mm乃至約55mmであることを特徴とする信号通知装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングが、ポリマー材料から作製されることを特徴とする信号通知装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの前記第1の面が、約25A乃至約70AのシェアA硬度を有する材料から作製されることを特徴とする信号通知装置。
【請求項13】
請求項12に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの前記第1の面の作製に使用される材料が、約10GPa未満のヤング率を有することを特徴とする信号通知装置。
【請求項14】
請求項12に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングが互いに結合される第1の部材及び第2の部材とから構成され、前記第1の部材が前記ハウジングの前記第1の面を画定することを特徴とする信号通知装置。
【請求項15】
請求項14に記載の信号通知装置であって、
前記第2の部材が、約60A乃至約110AのシェアA硬度、または約12GPaよりも大きいヤング率を有する材料から作製されることを特徴とする信号通知装置。
【請求項16】
身体側ライナとアウターカバーとの間に配置された吸収性コアを備え、着用時に、前側及び後側を有するウエスト開口部と、その反対側に位置する一対の脚開口部とを画定するように構成された吸収性製品であって、
請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の信号通知装置に接続されるように構成された濡れ検出回路をさらに備え、
前記濡れ検出回路は、前記信号通知装置が着用者の背部のくびれた部分にフィットするように、前記ウエスト開口部の後側に沿って前記信号通知装置に接続されることを特徴とする吸収性製品。
【請求項17】
請求項16に記載の吸収性製品であって、
前記信号通知装置の前記ハウジングが、前記吸収性製品の着用時に前記信号通知装置から使用者に加わる平均圧力が約3psi未満となるような形状を有することを特徴とする吸収性製品。
【請求項18】
請求項16に記載の吸収性製品であって、
前記信号通知装置の前記ハウジングが、前記吸収性製品の着用時に前記信号通知装置から使用者に加わる周縁部の平均圧力が約3psi未満となるような形状を有することを特徴とする吸収性製品。
【請求項1】
作動時に信号を発するように構成された信号通知装置であって、
当該装置を衣服に取り付けるための取付け機構と、
前記衣服に取り付けられた際に着用者に接触するように構成された第1の面、前記第1の面の反対側に位置し前記第1の面とともにX方向長さ及びY方向長さを規定する第2の面、及びZ方向長さを規定する厚さを有するハウジングとを備え、
前記X方向長さが、約30mm乃至約80mmであり、
前記Y方向長さが、約30mm乃至約80mmであり、
前記Z方向長さが、約15mm未満であり、
前記第1の面が少なくとも2つの丸い角部を含み、前記少なくとも2つの丸い角部におけるZ方向の辺部とX方向またはY方向の辺部との間の曲率半径が約1.5mm−1よりも大きいことを特徴とする信号通知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の信号通知装置であって、
前記X方向長さ及び前記Y方向長さが、約30mm乃至約50mmであることを特徴とする信号通知装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの第1の面が、矩形形状を有することを特徴とする信号通知装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの第1の面が、2つの角部のみを含むことを特徴とする信号通知装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの第1の面が、3つの角部のみを含むことを特徴とする信号通知装置。
【請求項6】
請求項4に記載の信号通知装置であって、
前記第1の面の前記2つの角部が前記第1の面の一端部を画定し、前記第1の面が前記2つの角部から辺を延ばすことにより形成された略楕円形状を有することを特徴とする信号通知装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの前記Z方向長さが、約5mm乃至約10mmであることを特徴とする信号通知装置。
【請求項8】
請求項4に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの前記第1の面が、3つの略平坦な辺部と1つの弓状の辺部とを含むことを特徴とする信号通知装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の信号通知装置であって、
前記第1の面が、三角形の形状を有することを特徴とする信号通知装置。
【請求項10】
請求項7に記載の信号通知装置であって、
前記X方向長さ及び前記Y方向長さが、約35mm乃至約55mmであることを特徴とする信号通知装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングが、ポリマー材料から作製されることを特徴とする信号通知装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの前記第1の面が、約25A乃至約70AのシェアA硬度を有する材料から作製されることを特徴とする信号通知装置。
【請求項13】
請求項12に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングの前記第1の面の作製に使用される材料が、約10GPa未満のヤング率を有することを特徴とする信号通知装置。
【請求項14】
請求項12に記載の信号通知装置であって、
前記ハウジングが互いに結合される第1の部材及び第2の部材とから構成され、前記第1の部材が前記ハウジングの前記第1の面を画定することを特徴とする信号通知装置。
【請求項15】
請求項14に記載の信号通知装置であって、
前記第2の部材が、約60A乃至約110AのシェアA硬度、または約12GPaよりも大きいヤング率を有する材料から作製されることを特徴とする信号通知装置。
【請求項16】
身体側ライナとアウターカバーとの間に配置された吸収性コアを備え、着用時に、前側及び後側を有するウエスト開口部と、その反対側に位置する一対の脚開口部とを画定するように構成された吸収性製品であって、
請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の信号通知装置に接続されるように構成された濡れ検出回路をさらに備え、
前記濡れ検出回路は、前記信号通知装置が着用者の背部のくびれた部分にフィットするように、前記ウエスト開口部の後側に沿って前記信号通知装置に接続されることを特徴とする吸収性製品。
【請求項17】
請求項16に記載の吸収性製品であって、
前記信号通知装置の前記ハウジングが、前記吸収性製品の着用時に前記信号通知装置から使用者に加わる平均圧力が約3psi未満となるような形状を有することを特徴とする吸収性製品。
【請求項18】
請求項16に記載の吸収性製品であって、
前記信号通知装置の前記ハウジングが、前記吸収性製品の着用時に前記信号通知装置から使用者に加わる周縁部の平均圧力が約3psi未満となるような形状を有することを特徴とする吸収性製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−537694(P2010−537694A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522480(P2010−522480)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052515
【国際公開番号】WO2009/027869
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(309038085)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (51)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052515
【国際公開番号】WO2009/027869
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(309038085)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (51)
【Fターム(参考)】
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