説明

使用状況から独立したコンテンツシステム

本発明のシステム及び方法は、コンテンツ(例えば、音楽、CDカバー及び歌詞の間の関係など)間の関係及びコンテンツ自体を有するコンテンツシステムを提供し、利用状況情報を排除する。本発明の実施例により構成される製品又は機器(CDプレーヤーや画像ビューアなど)は利用状況にあるため、コンテンツとコンテンツの説明とを区別することが、製品又は機器に残される。あるいは、実施例は状況を供給する後処理システムを提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用状況から独立したコンテンツシステムを規定する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツシステムでは、使用状況がコンテンツとコンテンツの説明との間の境界を決定する。コンテンツシステムは、音楽(すなわち、音声ストリーム)、CD(Compact Disc)カバー(すなわち、画像)、歌詞(すなわち、シンプルテキスト)などのCD関連情報を格納していると仮定する。CDプレーヤーの使用状況において、音楽自体がコンテンツとみなされるが、CDカバーや歌詞はコンテンツの説明とみなされる。他方、画像ビューアの使用状況では、CDカバーの画像がコンテンツみなされ、音楽や歌詞はコンテンツの説明とみなされる。
【0003】
従って、使用状況がわかっていない場合には、コンテンツシステムは、解釈をサポートする状況がないため、コンテンツとコンテンツの説明とを区別することができない。この結果、従来のほとんどのコンテンツシステムは、コンテンツとコンテンツの説明とを区別するため、所定の利用状況を利用し、この結果、これらの従来システムは、特定の製品範囲をカバーすることに限定されている。さらに、この所定の利用状況が経時的に変化する場合、コンテンツシステムは、これらの変化にも適応するよう構成される必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ある状況が適用されるとき、コンテンツシステムの適用可能な範囲が画定できるように、コンテンツとコンテンツの説明との間の境界を取り除くコンテンツシステム及び方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシステム及び方法は、コンテンツ(例えば、音楽、CDカバー及び歌詞の間の関係など)間の関係及びコンテンツ自体を有するコンテンツシステムを提供し、利用状況情報を排除する。本発明の実施例により構成される製品又は機器(CDプレーヤーや画像ビューアなど)は利用状況にあるため、コンテンツとコンテンツの説明とを区別することが、製品又は機器に残される。
【発明の効果】
【0006】
本発明のシステム及び方法の効果は、異なる利用状況における同一のコンテンツシステムと、変化する利用環境によりロウバストなシステム、すなわち、経時的な変化の影響を受けにくいシステムの使用を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の説明は、限定するものではなく説明のために与えられたものであるということは、当該技術分野の当業者には理解されるであろう。当業者は、本発明の趣旨及び添付した請求項の範囲内に属する変形が多数存在することを理解している。既知の機能及び処理の不必要な詳細は、本発明を不明りょうにすることがないように、本説明から省略されているかもしれない。
【0008】
図1は、本発明の好適な実施例による利用状況から独立したコンテンツシステム100の好適な実施例を示す。抽出又は生成されたコンテンツ101は、前処理モジュール102においてシステムに入力される。前処理モジュール102はコンテンツを検証し、コンテンツ格納モジュール103が当該コンテンツを格納する(任意的には、コンテンツの代替が格納され、当該コンテンツはURL(Universal Resource Locator)などの他の何処かに格納されるプロキシアプローチが利用可能である)。コンテンツがコンテンツ格納モジュール103に新規なものである場合、当該コンテンツは追加される。
【0009】
前処理モジュール102は、異なるタイプのコンテンツ間の関係を特定し、これらをコンテンツ関係データベース(DB)モジュール104に提供し、当該モジュール104がコンテンツ関係を格納する。各コンテンツアイテムは、図2に示されるように、それに係る任意数のデータファイルタイプを有することが可能である。限定することなく実施例のみにより、与えられたコンテンツアイテムに対し、前処理モジュール102は一意的な識別子又はNameと当該コンテンツアイテムに係る各データタイプとを関連付けし、一意的な識別子が各種データタイプに関するものとされる。図2において、Data1とData2の両方が、同一のNameを有する。コンテンツ格納DB103は、好適な実施例では、Name.typeと名付けられた一組のファイルである。他の好適な実施例では、データファイルは、リレーショナルデータベースを利用して、name、type及びblob(Binary Long Object)の属性を有する項の形式によりblobとして格納される。さらなる他の実施例では、blobはURLなどのデータ位置と置換される。
【0010】
本発明の好適な実施例を実行するよう構成された装置などの製品又は機器は、コンテンツ関係DBモジュール104とコンテンツ格納モジュール103を介し直接的に、又は、後処理モジュール105を介し間接的にコンテンツシステム100をクエリする。後処理モジュール105は、コンテンツ関係と実際のコンテンツを合成する。後処理モジュール105は、コンテンツ自体に関するより拡張的なクエリ(テキストファイルのワード検索など)、コンテンツ合成が可能であり、異なるタイプの通信などを許容する。
【0011】
好適な実施例では、後処理モジュール105は、製品又は機器が実行不可能な場合、特定の利用状況を課す。この強制された利用状況は、例えば、技術的理由(パフォーマンスや電力消費など)やマーケティング上の理由(付加的オンラインサービスの特別なオファーなど)を反映したものである。
【0012】
CDプレーヤーと画像ビューアを考える。コンテンツ格納モジュール103は、音楽、画像及びテキストファイルを格納し、コンテンツ関係DBモジュール104は、上記コンテンツタイプ間のすべての可能な関係を格納する(すなわち、音楽−画像、テキスト−音楽、画像−テキスト)。前処理モジュール102は、インターネットCDDBデータベースから楽曲Aの歌詞を取得すると仮定する。好適な実施例では、前処理モジュール102は、この歌詞がコンテンツ格納モジュール103に(テキストとして)既に格納されているか判断する。歌詞が新しいものである場合、前処理モジュール102は、新たな「テキスト−音楽」関係(例えば、「歌詞−楽曲A」など)をコンテンツ関係DB104に提供するようにしてもよい。好適な実施例では、歌詞が既に格納されている場合、コンテンツ格納モジュール103は、必要に応じてそれらを更新するようにしてもよい。
【0013】
CDプレーヤーがCDのコンテンツと直接やりとりすると仮定する。消費者Aは、自分の新しいCDからの楽曲Aを聞きたがっており、このため、楽曲Aを有するCDをCDプレーヤーに挿入する。CDプレーヤーへのCDの挿入により、CDプレーヤーは、楽曲Aに関係する可能なすべてのコンテンツ関係を抽出するため、コンテンツ関係DBモジュール104を自動的にクエリする。特に、それはCDカバー(すなわち、画像)との関係と、楽曲Aの歌詞(すなわち、テキスト)との関係を抽出する。好適な実施例では、CDプレーヤーは、コンテンツ格納モジュール103からコンテンツ(画像及び歌詞)を抽出し、抽出したコンテンツを解釈し、それをコンテンツの説明として消費者に最も適切な方法により提供する。
【0014】
画像ビューアが後処理モジュール105を介しコンテンツシステムと間接的にやりとりすると仮定する。消費者Bは画像ビューアを利用して、いくつかの画像をスキャンし、楽曲Aを有するCDのCDカバーの画像を検索する。消費者Bは、楽曲Aから1センテンスのみ記憶する。消費者Bは、当該センテンスを画像ビューアに提供し、当該ビューアは後処理モジュール105を介しコンテンツシステム100においてクエリする。後処理モジュール105は、提供されたセンテンスを含む歌詞をコンテンツ格納モジュール103においてクエリする。コンテンツ格納モジュール103は、提供されたセンテンスを含む歌詞が楽曲Aに関連すると検出し、楽曲Aとのすべての関係を抽出するため、コンテンツ関係DBモジュール104をクエリする。それは「歌詞−画像」関係を用いて、コンテンツ格納モジュール104からCDカバーの画像を抽出し、抽出したCDカバーの画像を画像ビューア(図示せず)に送信する。他の実施例では、後処理モジュール105は、当該音楽自体へのリンクを提供する。画像ビューア(図示せず)は、コンテンツ格納モジュール103からコンテンツ(音楽)を抽出し、それを再生し、最も適切な方法によりそれを消費者に提供する(例えば、最も特徴的な部分の数秒のみを再生するなど)。
【0015】
他の装置は、本発明のコンテンツシステムの好適な実施例を搭載することが可能である。図2に示されるように、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ210は、DVDプレーヤー、CDプレーヤー206、ビデオプレーヤー203、オーディオカセットプレーヤー201を有することが可能であり、コンテンツはダウンロードされ、CDやDVDなどの着脱可能な媒体又はファイルに格納することが可能である。コンテンツ格納DB103とコンテンツ関係DB104は、PC210にダウンロード可能であり、コンテンツシステムのソフトウェアモジュール208は、他のプログラムがダウンロード及び実行されるのと同様にして実行することが可能であり、例えば、RealPlayerは、PC上のプログラムとして実行し、ダウンロード及びCDにあるファイルを再生する。
【0016】
図3は、本発明の好適な実施例を有する携帯情報端末(PDA)301を、PDA301上にあるPC203からダウンロードされたコンテンツを有するPC203とPDA301の両方に存在するアプリケーションとして示す。本発明の好適な実施例では、インターネット202との無線接続は、PDA301による直接的なコンテンツのダウンロードを可能にする。
【0017】
記憶媒体としてのCD、又は車両にあるローカル不揮発性メモリ上に格納されている無線インターネット接続などからのダウンロードファイルを有する車両ナビゲーションシステムなどの他の機器は、本発明の実施例を組み込むよう構成可能である。モールや他の場所(政府建築物)のキオスクは、インターネットや専用ネットワーク接続データソースからのダウンロードコンテンツファイルやコンテンツの着脱可能媒体を利用することが可能であり、キオスクは情報デスクとして利用される。
【0018】
好適な実施例は、図1に示される各種モジュールを実行するプロセッサ又は専用チップ群と、コンテンツ関係DB104及びコンテンツ格納DB103の不揮発性ストレージとを有する。よりシンプルな装置では、コンテンツは予めフォーマット処理され、記憶装置に格納することが可能であり、これにより、前処理モジュール102を削除することができる。
【0019】
本発明の好適な実施例が図示及び説明されたが、本発明の範囲から逸脱することなく、各種変更及び改良が可能であり、その要素と均等なものに置換されてもよいということは当業者には理解されるであろう。例えば、本発明の実施例を実現可能な他の製品又は機器は、コンテンツを用いて予め格納及びフォーマット化された物を利用して、その動作を指示、その不具合を診断し、選択な動作を指示することが可能な任意の物を含む。例えば、インテリジェンス機器、問題を診断し、解決策を示すコピー機ヘルプ画面(ハードウェアコンポーネント)、及び音声及び映像クリップを任意的に有するポップアップを備える計算装置(ソフトウェアモジュール)上のヘルプファイルなどがあげられる。
【0020】
さらに、多数の変更が特定の状況に適合され、本発明の教示がその中心範囲から逸脱することなく均等な方法により構成することができる。従って、本発明は、本発明を実行するのに想定されるベストモードとして開示された特定の実施例に限定されず、添付された請求項の範囲内に属するすべての実施例を含むものとされる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の好適な実施例によるコンテンツシステムを示す。
【図2】図2は、図1の好適な実施例により構成され、各種ソースからコンテンツを取得し、好適なデータベース構造を有するパーソナルコンピュータ(PC)を示す。
【図3】図3は、図1の好適な実施例により構成され、PDAストレージにダウンロードされたPCのコンテンツデータベースの一部を有する携帯情報端末(PDA)の好適な実施例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用状況から独立したコンテンツシステムのための方法であって、
あるアイテムに対するあるタイプを有するコンテンツデータを提供するステップと、
選択基準を指定するステップと、
前記選択基準を満たすタイプ及び前記コンテンツデータを出力するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記指定するステップはさらに、状況を指定し、
前記出力するステップはさらに、前記コンテンツデータのタイプが前記状況に適合するとき、前記コンテンツデータをコンテンツとして出力し、そうでないときには、前記コンテンツデータをコンテンツの説明として出力する、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、
前記指定するステップはさらに、オーディオカセットプレーヤー、CDプレーヤー、DVDプレーヤー、画像ビューア、ソフトウェアモジュール、ハードウェアコンポーネント、電子装置及び携帯電子装置から構成されるグループから選択される状況を指定するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
前記提供するステップはさらに、ネットワークを介しコンテンツソースからアイテムのタイプ及びコンテンツデータをダウンロードするステップを有することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、
前記提供するステップはさらに、前記コンテンツデータのプロキシを提供するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、さらに、
前記提供するステップと前記出力するステップとを実行するため、利用状況から独立したサブシステムを提供するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法であって、さらに、
アイテムのタイプ及びコンテンツデータを格納し、前記指定された選択基準を満たすタイプ及びコンテンツデータを出力するコンテンツ格納データベースと、
アイテムの前記格納されているコンテンツデータ間の関係を格納し、前記指定された選択基準を満たす格納されているコンテンツデータ間の関係を出力するコンテンツ関係データベースと、
前記コンテンツデータを前記コンテンツ格納データベースに格納するステップと、アイテムのコンテンツデータ間の関係を生成し、前記コンテンツ関係データベースに格納するステップとを実行する前処理モジュールと、
を有するよう前記利用状況から独立したサブシステムを構成するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法であって、さらに、
前記指定するステップを実行するよう利用状況に依存したシステムを構成するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、
前記構成するステップはさらに、前記コンテンツ格納データベースと前記コンテンツ関係データベースとからそれぞれ抽出された、前記指定された選択基準を満たすデータ、タイプ及び関係を出力するよう前記出力するステップを実行する後処理サブシステムを有するよう前記利用状況に依存したサブシステムを構成するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法であって、
前記指定するステップはさらに、前記指定するステップを実行するよう利用状況に依存したサブシステムを構成することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、
前記構成するステップはさらに、前記コンテンツ格納データベースと前記コンテンツ関係データベースとからそれぞれ抽出された、前記指定された選択基準を満たすデータ、タイプ及び関係を出力するよう前記出力するステップを実行する後処理サブシステムを有するよう前記利用状況に依存したサブシステムを構成するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項12】
利用状況から独立したコンテンツシステムのための装置であって、
あるアイテムのコンテンツデータ及びタイプを格納し、指定された選択基準を満たすコンテンツデータ及びタイプを出力するコンテンツ格納データベースと、
アイテムの格納されているコンテンツデータ間の関係を格納し、前記指定された選択基準を満たす格納されているコンテンツデータ間の関係を出力するコンテンツ関係データベースと、
あるタイプを有するコンテンツデータを受付け、コンテンツデータ及びタイプを前記コンテンツ格納データベースに格納し、前記コンテンツ格納データベースに格納されているアイテムのコンテンツデータ間の関係を生成し、前記コンテンツ関係データベースに格納するよう構成される前処理モジュールと、
を有することを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12記載の装置であって、さらに、
前記指定された選択を提供する後処理モジュールを有することを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13記載の装置であって、
前記後処理システムは、前記出力されたコンテンツデータ、タイプ及び関係を受付け、前記コンテンツデータのタイプが指定された状況に適合するとき、コンテンツデータをコンテンツとして出力し、そうでない場合には、コンテンツデータをコンテンツの説明として出力することを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項14記載の装置であって、
前記指定された状況は、オーディオカセットプレーヤー、CDプレーヤー、DVDプレーヤー、画像ビューア、ソフトウェアモジュール、ハードウェアコンポーネント、電子装置及び携帯電子装置から構成されるグループから選択されることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項13記載の装置であって、
前記受付けたコンテンツデータは、ネットワークを介しコンテンツソースからダウンロードされることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項13記載の装置であって、
前記受付けたコンテンツデータは、前記コンテンツデータのプロキシであることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−502490(P2007−502490A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523105(P2006−523105)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051444
【国際公開番号】WO2005/017898
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】