便器装置
【課題】混合装置のメンテナンスや交換等を容易に行うことができる便器装置を提供する。
【解決手段】便器形状を有する便器外郭体2を、ボウル部3を備えた後方に開口する前パーツFと、前方に開口する後パーツRで構成する。便器内装機器25と該便器内装機器25を支持する機器ケース24とからなる便器内装装置23を後パーツR内に配設する。ボウル部3に水を供給する給水路32の下流側端部に先端ブロック33を設ける。先端ブロック33の前部をボウル部3に設けた後方に開口する給水口36に着脱自在に嵌め込む。先端ブロック33の後部と機器ケース24とを側方から固着具59により固着する。固着具59を便器外郭体2に対して着脱自在に設けた側カバー21により覆う。
【解決手段】便器形状を有する便器外郭体2を、ボウル部3を備えた後方に開口する前パーツFと、前方に開口する後パーツRで構成する。便器内装機器25と該便器内装機器25を支持する機器ケース24とからなる便器内装装置23を後パーツR内に配設する。ボウル部3に水を供給する給水路32の下流側端部に先端ブロック33を設ける。先端ブロック33の前部をボウル部3に設けた後方に開口する給水口36に着脱自在に嵌め込む。先端ブロック33の後部と機器ケース24とを側方から固着具59により固着する。固着具59を便器外郭体2に対して着脱自在に設けた側カバー21により覆う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗剤を含む洗浄液にてボウル部を洗浄する便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように洗剤を含む洗浄液を便器のボウル部内に供給する便器装置が利用されている。
【0003】
また、近年では、便器外郭体2のボウル部3に水を供給する給水路の下流側端部に先端ブロック33として混合装置33aを設け、該混合装置33aにおいて給水路を流れる水に洗剤を混合することで、洗浄効果の高い洗剤を含む洗浄液にてボウル部3を洗浄できるようにした便器装置が利用されている。
【0004】
図11及び図12に示すように、この便器装置は、便器の外郭を構成する便器外郭体2を、ボウル部3を備えた後方に開口する前パーツFと、前方に開口する後パーツRとで構成してある。便器外郭体2の後部には、便器内装装置として、温水洗浄装置等の便器内装機器と、該便器内装機器を支持する機器ケース24とからなる装置ユニット23を内装してある。装置ユニット23の前部は前パーツF内に挿入してあり、また、後部は便器外郭体2に対して着脱自在とした後パーツRによって覆われる。また、前述の混合装置33aは上方から挿入したねじ具(図示せず)により機器ケース24の前部に固着されるものであり、このように混合装置33aを取り付けた装置ユニット23の前部を前パーツF内に挿入することで、混合装置33aはボウル部3近傍の前パーツF内に位置してボウル部3に接続される。
【特許文献1】特開2008−2138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記混合装置33aを機器ケース24に固着するためのねじ具は前パーツFによって覆われるものであり、後パーツRを取り外しても外部には露出しない構成となっている。従って、装置ユニット23を便器外郭体2の後部に内装したままの状態では混合装置33aを取り外すことができず、混合装置33aのメンテナンスや交換等を行う場合には、狭いトイレ室内において混合装置33aを取り付けた装置ユニット23ごと便器外郭体2から取り出すという煩雑な作業が必要となる。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、給水路の下流側端部に設けられる混合装置等の先端ブロックのメンテナンスや交換等を容易に行うことができる便器装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る便器装置は以下の構成を有している。便器形状を有する便器外郭体2を、ボウル部3を備えた後方に開口する前パーツFと、前方に開口する後パーツRで構成する。便器内装装置を後パーツR内に配設する。ボウル部3に水を供給する給水路32の下流側端部に先端ブロック33を設ける。該先端ブロック33の前方接続部をボウル部3に設けた後方に開口する給水口36に着脱自在に嵌め込むと共に、先端ブロック33の後部を便器内装装置に側方から固着具59により固着する。該固着具59を便器外郭体2に対して着脱自在に設けた側カバー21により覆う。
【0008】
また、請求項2は請求項1の構成に加えて以下の構成を有している。上記給水路32の先端ブロック33よりも上流側の部分をフレキシブルな給水管38で構成する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明では、便器から側カバーを取り外すことにより、混合装置を便器内装装置に固着する固着具を露出させることができ、このため便器外郭体に便器内装装置を内装したままの状態で、先端ブロックを便器内装装置から取り外すことが可能となり、先端ブロックのメンテナンスや交換を簡単に行うことができる。
【0010】
また請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明の効果に加えて、給水路の先端ブロックよりも上流側の部分をフレキシブルな給水管で構成したので、先端ブロックを便器内装装置から取り外す際には、フレキシブルな給水管を変形させて先端ブロックを移動することが可能となり、これにより給水管を便器装置から取り外すことなく、先端ブロックを便器内装装置から容易に取り外すことができ、先端ブロックのメンテナンスや交換等をより一層簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1乃至図10に示す本実施形態の便器装置1は、ボウル部3を備えた合成樹脂製の便器外郭体2と、便器外郭体2に内装されて便器外郭体2を支持・補強する金属製の支持フレーム4を備えている。
【0012】
図1に示すように、支持フレーム4は、床に設置される平面視環状の下フレーム材5と、下フレーム材5の後部の両側に立設した後フレーム材6を備えている。
【0013】
下フレーム材5の後部にはトラップケース7が取り付けられる。トラップケース7に内装されるトラップはターントラップ方式のもので、図3に示すようにフレキシブルなトラップ筒8により構成される。トラップ筒8の一端はボウル部3の下部から後方に突出する排水筒部9に接続され、他端は自由端となる。
【0014】
トラップ筒8はトラップケース7に設けたモータにより回動させることで、自由端側の開口を上向きとしたトラップ構造を形成する状態と、自由端側の開口を下向きとして前記トラップ構造を解除して排水される状態とを選択できるようになっている。トラップケース7の下端部は床に設けた排出孔(図示せず)に連通接続され、前述のトラップ筒8のトラップ構造を解除することで、ボウル部3内の溜め水はトラップ筒8及びトラップケース7を介して排出孔から排出される。
【0015】
図2に示すように便器外郭体2は後方に開口する前パーツFと前方に開口する後パーツRで構成される。
【0016】
便器外郭体2の前側の外郭を構成する前パーツFは、平面視面略U字状のスカート部10と、スカート部10内に位置するボウル部3と、ボウル部3上に位置するリム部11とで構成され、これら合成樹脂製のスカート部10、ボウル部3、リム部11は溶着又は接着により固着一体化してある。
【0017】
ボウル部3の外側を覆うスカート部10の下端部の内側には下フレーム材5の前部が嵌め込まれ、この状態でスカート部10をねじ具等により支持フレーム4に固着することで前パーツFは支持フレーム4に対して固着される。
【0018】
リム部11は図3に示すように前パーツFの上面を構成して便座13を載置するための便座載置部12を備えている。便座載置部12の後縁には図6及び図8に示すように全長に亘って水返し部14を一体に立ち上げてあり、水返し部14の内部には後方に開口する装置収納部15を形成している。
【0019】
水返し部14の左右方向の両側端部の夫々は中央部よりも後方に突出する立上部17で構成してあり、各立上部17は図4に示すようにさらにスカート部10の後縁よりも後方に突出している。
【0020】
上記便器外郭体2には構造物として便器内装装置が内装されるものである。便器内装装置としては、温水洗浄装置27等の便器内装機器25や、便器内装機器25を設けた機器ケース24、既述の支持フレーム4、トラップケース7等が挙げられる。
【0021】
本実施形態では、便器内装装置を、温水洗浄装置27、脱臭装置26、洗浄液吐出装置30、制御回路28等の便器内装機器25を機器ケース24に設けることで構成した装置ユニット23としている。
【0022】
装置ユニット23は便器外郭体2の後部の上部に内装されるものであり、図7に示すように、便器内装機器25を構成する温水洗浄装置27、脱臭装置26、洗浄液吐出装置30、制御回路28等を一群にまとめて機器ケース24に設けることで構成される。
【0023】
一群の便器内装機器25のうち、図10に示す洗浄液吐出装置30は、ボウル部3内に水又は水に界面活性剤を含む洗剤を混合してなる洗浄液を選択的に吐出してボウル部3の内面を洗浄するものであり、便器外郭体2の側端部に内装される。
【0024】
図3に示すように、洗浄液吐出装置30は、ボウル部3に水を供給する給水路32と、給水路32の下流側端部に設けた先端ブロック33を備えており、当該実施形態では先端ブロック33として給水路32から供給された水に洗剤を混合する混合装置33aを設けている。なお、本実施形態では先端ブロック33として混合装置33aを設けたが、先端ブロック33を給水路の下流側端部を構成するノズルで構成する等、適宜変更可能である。
【0025】
給水路32は図示しない水道管に接続される。給水路32の上流部には電磁弁からなる給水制御弁37を設けてあり、該給水制御弁37を開閉することにより給水路32への水の供給の有無が切り替えられる。
【0026】
図9に混合装置33aを示す。混合装置33aの内部構造は図10を参照されたい。混合装置33aは、給水路32の下流側端部を構成する水流路部39と、循環洗剤路45の一部を構成する循環流路部43と、循環流路部43と水流路部39を連通接続する分岐流路部44と、循環流路部43に設けた循環ポンプ53とをユニット化することで構成される。
【0027】
水流路部39は前後に長い流路であり、上流側となる後側から順に設けた、接続ノズル46、エジェクタ管47、吐出ノズル48により構成されている。
【0028】
エジェクタ管47の前後方向の中間部は他部よりも流路面積を小さくした小径部49で構成され、小径部49には洗剤混入口部55が設けてある。エジェクタ管47の小径部49よりも上流側を構成する上流部50には、先細となった接続ノズル46の先端部を接続してある。接続ノズル46の後端部には給水路32の一部を構成するフレキシブルな給水管38の下流端が着脱自在に接続される。
【0029】
エジェクタ管47の上流部50の接続ノズル46の先端近傍部分には吸気口部52を設けてある。吸気口部52には一端を大気に開放した空気供給路51の他端が接続される。
【0030】
小径部49の洗剤混入口部55には上下に長い分岐流路部44を接続してある。分岐流路部44の上端は循環流路部43に一体に接続してあり、循環流路部43の上流端は循環ポンプ53の吐出側に接続してある。循環ポンプ53の吸込側と循環流路部43の下流端は循環洗剤路45の主流路部56によって連通接続され、該主流路部56と循環流路部43によって循環洗剤路45が構成される。
【0031】
主流路部56の途中には洗剤タンク41が設けられ、循環ポンプ53を運転することで洗剤タンク41内の洗剤が循環洗剤路45を循環するようになっている。また、分岐流路部44には弁57を設けてある。弁57は循環ポンプ53の運転時には開き、停止時には閉じるように設定してあり、これにより循環ポンプ53の停止時において循環洗剤路45から水流路部39に洗剤が漏れ出ることが防止される。
【0032】
エジェクタ管47の小径部49よりも下流側を構成する下流部54は混合装置33aの吐出口を構成する吐出ノズル48の後端部に接続してある。吐出ノズル48の先端部により前方接続部が構成され、該吐出ノズル48の先端部はボウル部3の後部に設けた後方に開口する給水口36内に着脱自在に嵌め込まれ、ボウル部3内に臨む。
【0033】
上記洗浄液吐出装置30を用いてボウル部3に水を供給する場合は、循環ポンプ53を停止した状態で給水制御弁37を開く。これにより、水道管からの水が給水路32を経て吐出ノズル48の先端からボウル部3内へと水が吐出される。
【0034】
また、この時、先細となった接続ノズル46からエジェクタ管47の上流部50に水が流れこむことにより接続ノズル46の先端付近に負圧が発生し、これにより外部の空気が空気供給路51及び吸気口部52を経てエジェクタ管47を流れる水に混入される。そして、この気泡を混合した水は、エジェクタ管47において大径の上流部50から小径部49を経て大径の下流部54へ流れる際に加圧・減圧され、この圧力変化に伴い水に含まれる気泡が剪断される。さらにこの気泡は下流部54に設けたメッシュからなる整流板58にて細分化されて微小化され、この後、ボウル部3に吐出される。
【0035】
また、上記洗浄液吐出装置30を用いてボウル部3に洗剤を混合した水を供給する場合は、循環ポンプ53を運転した状態で給水制御弁37を開く。この場合も上記と同様に水道管から給水路32に流れこんだ水には吸気口部52から空気が混入されるが、このとき小径部49を流れる水には循環洗剤路45を循環する洗剤の一部が分岐流路部44及び洗剤混入口部55を経て混入される。従って、この場合は、水に洗剤を混合し且つ微小化された気泡を含む洗浄液がボウル部3に吐出される。
【0036】
上記のように微小気泡を含む水又は洗浄液をボウル部3に吐出した場合、この水又は洗浄液はボウル部3の上部内面に略水平に吐出されることでボウル部3の内面に沿って周回しつつ汚れを落としていく。このとき水又は洗浄液に含まれる微小気泡がボウル部3の内面の衝突した際に高周波振動を引き起こし、これによりボウル部3の内面を効率良く洗浄できる。また、ボウル部3に吐出されるのが洗剤を含む洗浄液の場合には、洗剤が有する洗浄効果によりボウル部3の内面を一層綺麗に洗浄できる。
【0037】
ここで、混合装置33aは、図4乃至図6に示すように便器外郭体2の側端部に内装されるものであり、その大部分が前パーツF内に収納されるものであり、該混合装置33aの後部は機器ケース24に固着される。
【0038】
図9に示す混合装置33aは循環ポンプ53を設けた後部が機器ケース24への被着部63となる。被着部63の便器外郭体2の外側に位置する側面にはボス部60が突設してあり、該ボス部60の中心には便器外郭体2の外側の側方に開口する雌ねじ部61が形成されている。また、被着部63には上方に突出する被係合部62が形成されている。被係合部62は断面T字状に形成され、その上端部には下部よりも左右の幅が広くなった引掛け部65が形成されている。
【0039】
一方、機器ケース24の前部の混合装置33a側の側端部には図5に示すように固着部64が形成されている。また、図7に示すように機器ケース24の前部の側端部の被係合部62に対応する箇所には被係合部62が係合される係合部として上下に貫通する引掛け孔66が形成されている。引掛け孔66の後部は前部よりも幅が広く被係合部62が通過可能な通し孔68としてあり、引掛け孔66の前部は被係合部62の引掛け部65よりも幅の狭い係合孔69としてある。
【0040】
上記機器ケース24に混合装置33aを取り付けるには、まず機器ケース24の下方より混合装置33aの被係合部62の引掛け部65を引掛け孔66の通し孔68に通して上方に位置させ、ここから混合装置33aを前方に移動する。これにより被係合部62の下部を引掛け孔66に沿って前方にスライドさせ、引掛け部65を引掛け孔66の係合孔69の両側縁部上に係合する。また、このとき被着部63と固着部64とが側方から見て重複し、ボス部60の突端面が固着部64の便器外郭体2内側の側面に当接すると共に、雌ねじ部61を固着部64に設けた貫通孔(図示せず)に連通させる。そして、この状態で、固着具59を構成するねじ具59aを側方から固着部64の貫通孔を通して被着部63の雌ねじ部61に螺合することにより、混合装置33aの後部は機器ケース24に固着される。
【0041】
上記装置ユニット23の前部は前パーツFの装置収納部15に挿入されて水返し部14によって覆われ、この状態で機器ケース24は支持フレーム4の後部両側に立設した後フレーム材6上に載置され、両後フレーム材6にねじ具等により固着される。
【0042】
上記により、装置ユニット23の機器ケース24上に設けた温水洗浄装置27の局部洗浄ノズル29や脱臭装置26のダクト31の端部開口はボウル部3内に臨む。また、上記のように装置ユニット23を前パーツFに挿入することで、混合装置33aの前端部に設けた吐出ノズル48がボウル部3の給水口36に嵌め込まれ、ボウル部3内に連通することとなる。
【0043】
上記装置ユニット23に設けた混合装置33aの前部は図4及び図8に示すように前パーツF内に収納されて覆い隠される。また、混合装置33aの被係合部62及びこれが係合する機器ケース24の係合孔69を設けた部分は対応する立上部17内に収納されて覆い隠される。また、図4に示すように機器ケース24の固着部64及びねじ具59aは、立上部17のスカート部10よりも後方に突出した部分の下方で且つスカート部10の上端部の後方に位置する。
【0044】
次に便器外郭体2の後側の外郭を構成する後パーツRについて説明する。
【0045】
後パーツRは、上カバー20及び両側の側カバー21及び背面カバー22で構成され、該後パーツRの上部に装置ユニット23の後部が収納される。
【0046】
上カバー20は機器ケース24に着脱自在に取り付けられ、該上カバー20により装置ユニット23の上側が覆われる。また、上カバー20には便座13や便蓋34が回動自在に取り付けられる。
【0047】
背面カバー22は支持フレーム4や上カバー20に着脱自在に取り付けられ、該背面カバー22により機器ケース24や機器ケース24の下方に位置するトラップケース7の後方が覆われる。
【0048】
両側の側カバー21は機器ケース24や前パーツFに着脱自在に取り付けられ、各側カバー21により機器ケース24やトラップケース7の夫々の側方が覆われる。
【0049】
また、混合装置33aを設けた側の側カバー21により固着部64及び該固着部64を混合装置33aの被着部63に締結するねじ具59aの頭部が覆い隠される。
【0050】
上記混合装置33aのメンテナンスや交換等を行う場合は例えば以下のように行う。まず、図4に示すように混合装置33aの被着部63に対応する側カバー21を便器外郭体2から取り外し、該側カバー21を取り外すことによって形成された開口70からねじ具59aの頭部を露出させる。
【0051】
次に、便器外郭体2の外側から開口70を介してねじ具59aの頭部を操作し、該ねじ具59aを取り外す。この後、混合装置33aを後方に移動し、吐出ノズル48をボウル部3の給水口36から引き抜くと共に、被係合部62の下部を引掛け孔66に沿って後方にスライドして通し孔68に位置させる。そして、混合装置33aを下方に移動して、被係合部62を通し孔68から下方に引き出し、この混合装置33aを開口70から便器外郭体2の外部に取り出す等してメンテナンスや交換を行う。また、メンテナンス後の混合装置33aや新たな混合装置33aの取り付け作業は上記取り外し時の作業を逆の順序で行えば良い。
【0052】
上記混合装置33aの取り外しは装置ユニット23を支持フレーム4に取り付けて便器外郭体2に内装したままの状態で行うことができる。従って、混合装置33aのメンテナンスや交換等を簡単に行うことができる。
【0053】
また、本実施形態では、給水路32の混合装置33aよりも上流側の部分をフレキシブルな給水管38で構成してある。このため上記のように混合装置33aをボウル部3及び機器ケース24から取り外す際には、フレキシブルな給水管38を変形させて混合装置33aを後方や下方に移動することが可能となり、これにより給水管38を装置ユニット23から取り外すことなく、混合装置33aをボウル部3及び機器ケース24から容易に取り外すことができ、混合装置33aのメンテナンスや交換等をより一層簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態の一例の便器装置を示し、側カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図2】同上の便器装置の全体斜視図である。
【図3】同上の便器装置を模式的に示す説明図である。
【図4】図1の要部拡大斜視図である。
【図5】図4のスカート部の図示を省略した要部斜視図である。
【図6】同上の上カバー、側カバー、スカート部の図示を省略した要部側面図である。
【図7】同上のリム部及び上カバーの図示を省略した要部斜視図である。
【図8】同上の上カバーの図示を省略した要部斜視図である。
【図9】同上の混合装置の斜視図である
【図10】同上の洗浄液吐出装置の断面図である。
【図11】従来の便器装置の全体斜視図である。
【図12】同上のスカート部及び側カバーの図示を省略した要部側面図である。
【符号の説明】
【0055】
F 前パーツ
R 後パーツ
1 便器装置
2 便器
3 ボウル部
21 側カバー
23 装置ユニット
24 機器ケース
25 便器内装機器
32 給水路
33 混合装置
36 給水口
38 給水管
59 固着具
【技術分野】
【0001】
本発明は洗剤を含む洗浄液にてボウル部を洗浄する便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように洗剤を含む洗浄液を便器のボウル部内に供給する便器装置が利用されている。
【0003】
また、近年では、便器外郭体2のボウル部3に水を供給する給水路の下流側端部に先端ブロック33として混合装置33aを設け、該混合装置33aにおいて給水路を流れる水に洗剤を混合することで、洗浄効果の高い洗剤を含む洗浄液にてボウル部3を洗浄できるようにした便器装置が利用されている。
【0004】
図11及び図12に示すように、この便器装置は、便器の外郭を構成する便器外郭体2を、ボウル部3を備えた後方に開口する前パーツFと、前方に開口する後パーツRとで構成してある。便器外郭体2の後部には、便器内装装置として、温水洗浄装置等の便器内装機器と、該便器内装機器を支持する機器ケース24とからなる装置ユニット23を内装してある。装置ユニット23の前部は前パーツF内に挿入してあり、また、後部は便器外郭体2に対して着脱自在とした後パーツRによって覆われる。また、前述の混合装置33aは上方から挿入したねじ具(図示せず)により機器ケース24の前部に固着されるものであり、このように混合装置33aを取り付けた装置ユニット23の前部を前パーツF内に挿入することで、混合装置33aはボウル部3近傍の前パーツF内に位置してボウル部3に接続される。
【特許文献1】特開2008−2138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記混合装置33aを機器ケース24に固着するためのねじ具は前パーツFによって覆われるものであり、後パーツRを取り外しても外部には露出しない構成となっている。従って、装置ユニット23を便器外郭体2の後部に内装したままの状態では混合装置33aを取り外すことができず、混合装置33aのメンテナンスや交換等を行う場合には、狭いトイレ室内において混合装置33aを取り付けた装置ユニット23ごと便器外郭体2から取り出すという煩雑な作業が必要となる。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、給水路の下流側端部に設けられる混合装置等の先端ブロックのメンテナンスや交換等を容易に行うことができる便器装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る便器装置は以下の構成を有している。便器形状を有する便器外郭体2を、ボウル部3を備えた後方に開口する前パーツFと、前方に開口する後パーツRで構成する。便器内装装置を後パーツR内に配設する。ボウル部3に水を供給する給水路32の下流側端部に先端ブロック33を設ける。該先端ブロック33の前方接続部をボウル部3に設けた後方に開口する給水口36に着脱自在に嵌め込むと共に、先端ブロック33の後部を便器内装装置に側方から固着具59により固着する。該固着具59を便器外郭体2に対して着脱自在に設けた側カバー21により覆う。
【0008】
また、請求項2は請求項1の構成に加えて以下の構成を有している。上記給水路32の先端ブロック33よりも上流側の部分をフレキシブルな給水管38で構成する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明では、便器から側カバーを取り外すことにより、混合装置を便器内装装置に固着する固着具を露出させることができ、このため便器外郭体に便器内装装置を内装したままの状態で、先端ブロックを便器内装装置から取り外すことが可能となり、先端ブロックのメンテナンスや交換を簡単に行うことができる。
【0010】
また請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明の効果に加えて、給水路の先端ブロックよりも上流側の部分をフレキシブルな給水管で構成したので、先端ブロックを便器内装装置から取り外す際には、フレキシブルな給水管を変形させて先端ブロックを移動することが可能となり、これにより給水管を便器装置から取り外すことなく、先端ブロックを便器内装装置から容易に取り外すことができ、先端ブロックのメンテナンスや交換等をより一層簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1乃至図10に示す本実施形態の便器装置1は、ボウル部3を備えた合成樹脂製の便器外郭体2と、便器外郭体2に内装されて便器外郭体2を支持・補強する金属製の支持フレーム4を備えている。
【0012】
図1に示すように、支持フレーム4は、床に設置される平面視環状の下フレーム材5と、下フレーム材5の後部の両側に立設した後フレーム材6を備えている。
【0013】
下フレーム材5の後部にはトラップケース7が取り付けられる。トラップケース7に内装されるトラップはターントラップ方式のもので、図3に示すようにフレキシブルなトラップ筒8により構成される。トラップ筒8の一端はボウル部3の下部から後方に突出する排水筒部9に接続され、他端は自由端となる。
【0014】
トラップ筒8はトラップケース7に設けたモータにより回動させることで、自由端側の開口を上向きとしたトラップ構造を形成する状態と、自由端側の開口を下向きとして前記トラップ構造を解除して排水される状態とを選択できるようになっている。トラップケース7の下端部は床に設けた排出孔(図示せず)に連通接続され、前述のトラップ筒8のトラップ構造を解除することで、ボウル部3内の溜め水はトラップ筒8及びトラップケース7を介して排出孔から排出される。
【0015】
図2に示すように便器外郭体2は後方に開口する前パーツFと前方に開口する後パーツRで構成される。
【0016】
便器外郭体2の前側の外郭を構成する前パーツFは、平面視面略U字状のスカート部10と、スカート部10内に位置するボウル部3と、ボウル部3上に位置するリム部11とで構成され、これら合成樹脂製のスカート部10、ボウル部3、リム部11は溶着又は接着により固着一体化してある。
【0017】
ボウル部3の外側を覆うスカート部10の下端部の内側には下フレーム材5の前部が嵌め込まれ、この状態でスカート部10をねじ具等により支持フレーム4に固着することで前パーツFは支持フレーム4に対して固着される。
【0018】
リム部11は図3に示すように前パーツFの上面を構成して便座13を載置するための便座載置部12を備えている。便座載置部12の後縁には図6及び図8に示すように全長に亘って水返し部14を一体に立ち上げてあり、水返し部14の内部には後方に開口する装置収納部15を形成している。
【0019】
水返し部14の左右方向の両側端部の夫々は中央部よりも後方に突出する立上部17で構成してあり、各立上部17は図4に示すようにさらにスカート部10の後縁よりも後方に突出している。
【0020】
上記便器外郭体2には構造物として便器内装装置が内装されるものである。便器内装装置としては、温水洗浄装置27等の便器内装機器25や、便器内装機器25を設けた機器ケース24、既述の支持フレーム4、トラップケース7等が挙げられる。
【0021】
本実施形態では、便器内装装置を、温水洗浄装置27、脱臭装置26、洗浄液吐出装置30、制御回路28等の便器内装機器25を機器ケース24に設けることで構成した装置ユニット23としている。
【0022】
装置ユニット23は便器外郭体2の後部の上部に内装されるものであり、図7に示すように、便器内装機器25を構成する温水洗浄装置27、脱臭装置26、洗浄液吐出装置30、制御回路28等を一群にまとめて機器ケース24に設けることで構成される。
【0023】
一群の便器内装機器25のうち、図10に示す洗浄液吐出装置30は、ボウル部3内に水又は水に界面活性剤を含む洗剤を混合してなる洗浄液を選択的に吐出してボウル部3の内面を洗浄するものであり、便器外郭体2の側端部に内装される。
【0024】
図3に示すように、洗浄液吐出装置30は、ボウル部3に水を供給する給水路32と、給水路32の下流側端部に設けた先端ブロック33を備えており、当該実施形態では先端ブロック33として給水路32から供給された水に洗剤を混合する混合装置33aを設けている。なお、本実施形態では先端ブロック33として混合装置33aを設けたが、先端ブロック33を給水路の下流側端部を構成するノズルで構成する等、適宜変更可能である。
【0025】
給水路32は図示しない水道管に接続される。給水路32の上流部には電磁弁からなる給水制御弁37を設けてあり、該給水制御弁37を開閉することにより給水路32への水の供給の有無が切り替えられる。
【0026】
図9に混合装置33aを示す。混合装置33aの内部構造は図10を参照されたい。混合装置33aは、給水路32の下流側端部を構成する水流路部39と、循環洗剤路45の一部を構成する循環流路部43と、循環流路部43と水流路部39を連通接続する分岐流路部44と、循環流路部43に設けた循環ポンプ53とをユニット化することで構成される。
【0027】
水流路部39は前後に長い流路であり、上流側となる後側から順に設けた、接続ノズル46、エジェクタ管47、吐出ノズル48により構成されている。
【0028】
エジェクタ管47の前後方向の中間部は他部よりも流路面積を小さくした小径部49で構成され、小径部49には洗剤混入口部55が設けてある。エジェクタ管47の小径部49よりも上流側を構成する上流部50には、先細となった接続ノズル46の先端部を接続してある。接続ノズル46の後端部には給水路32の一部を構成するフレキシブルな給水管38の下流端が着脱自在に接続される。
【0029】
エジェクタ管47の上流部50の接続ノズル46の先端近傍部分には吸気口部52を設けてある。吸気口部52には一端を大気に開放した空気供給路51の他端が接続される。
【0030】
小径部49の洗剤混入口部55には上下に長い分岐流路部44を接続してある。分岐流路部44の上端は循環流路部43に一体に接続してあり、循環流路部43の上流端は循環ポンプ53の吐出側に接続してある。循環ポンプ53の吸込側と循環流路部43の下流端は循環洗剤路45の主流路部56によって連通接続され、該主流路部56と循環流路部43によって循環洗剤路45が構成される。
【0031】
主流路部56の途中には洗剤タンク41が設けられ、循環ポンプ53を運転することで洗剤タンク41内の洗剤が循環洗剤路45を循環するようになっている。また、分岐流路部44には弁57を設けてある。弁57は循環ポンプ53の運転時には開き、停止時には閉じるように設定してあり、これにより循環ポンプ53の停止時において循環洗剤路45から水流路部39に洗剤が漏れ出ることが防止される。
【0032】
エジェクタ管47の小径部49よりも下流側を構成する下流部54は混合装置33aの吐出口を構成する吐出ノズル48の後端部に接続してある。吐出ノズル48の先端部により前方接続部が構成され、該吐出ノズル48の先端部はボウル部3の後部に設けた後方に開口する給水口36内に着脱自在に嵌め込まれ、ボウル部3内に臨む。
【0033】
上記洗浄液吐出装置30を用いてボウル部3に水を供給する場合は、循環ポンプ53を停止した状態で給水制御弁37を開く。これにより、水道管からの水が給水路32を経て吐出ノズル48の先端からボウル部3内へと水が吐出される。
【0034】
また、この時、先細となった接続ノズル46からエジェクタ管47の上流部50に水が流れこむことにより接続ノズル46の先端付近に負圧が発生し、これにより外部の空気が空気供給路51及び吸気口部52を経てエジェクタ管47を流れる水に混入される。そして、この気泡を混合した水は、エジェクタ管47において大径の上流部50から小径部49を経て大径の下流部54へ流れる際に加圧・減圧され、この圧力変化に伴い水に含まれる気泡が剪断される。さらにこの気泡は下流部54に設けたメッシュからなる整流板58にて細分化されて微小化され、この後、ボウル部3に吐出される。
【0035】
また、上記洗浄液吐出装置30を用いてボウル部3に洗剤を混合した水を供給する場合は、循環ポンプ53を運転した状態で給水制御弁37を開く。この場合も上記と同様に水道管から給水路32に流れこんだ水には吸気口部52から空気が混入されるが、このとき小径部49を流れる水には循環洗剤路45を循環する洗剤の一部が分岐流路部44及び洗剤混入口部55を経て混入される。従って、この場合は、水に洗剤を混合し且つ微小化された気泡を含む洗浄液がボウル部3に吐出される。
【0036】
上記のように微小気泡を含む水又は洗浄液をボウル部3に吐出した場合、この水又は洗浄液はボウル部3の上部内面に略水平に吐出されることでボウル部3の内面に沿って周回しつつ汚れを落としていく。このとき水又は洗浄液に含まれる微小気泡がボウル部3の内面の衝突した際に高周波振動を引き起こし、これによりボウル部3の内面を効率良く洗浄できる。また、ボウル部3に吐出されるのが洗剤を含む洗浄液の場合には、洗剤が有する洗浄効果によりボウル部3の内面を一層綺麗に洗浄できる。
【0037】
ここで、混合装置33aは、図4乃至図6に示すように便器外郭体2の側端部に内装されるものであり、その大部分が前パーツF内に収納されるものであり、該混合装置33aの後部は機器ケース24に固着される。
【0038】
図9に示す混合装置33aは循環ポンプ53を設けた後部が機器ケース24への被着部63となる。被着部63の便器外郭体2の外側に位置する側面にはボス部60が突設してあり、該ボス部60の中心には便器外郭体2の外側の側方に開口する雌ねじ部61が形成されている。また、被着部63には上方に突出する被係合部62が形成されている。被係合部62は断面T字状に形成され、その上端部には下部よりも左右の幅が広くなった引掛け部65が形成されている。
【0039】
一方、機器ケース24の前部の混合装置33a側の側端部には図5に示すように固着部64が形成されている。また、図7に示すように機器ケース24の前部の側端部の被係合部62に対応する箇所には被係合部62が係合される係合部として上下に貫通する引掛け孔66が形成されている。引掛け孔66の後部は前部よりも幅が広く被係合部62が通過可能な通し孔68としてあり、引掛け孔66の前部は被係合部62の引掛け部65よりも幅の狭い係合孔69としてある。
【0040】
上記機器ケース24に混合装置33aを取り付けるには、まず機器ケース24の下方より混合装置33aの被係合部62の引掛け部65を引掛け孔66の通し孔68に通して上方に位置させ、ここから混合装置33aを前方に移動する。これにより被係合部62の下部を引掛け孔66に沿って前方にスライドさせ、引掛け部65を引掛け孔66の係合孔69の両側縁部上に係合する。また、このとき被着部63と固着部64とが側方から見て重複し、ボス部60の突端面が固着部64の便器外郭体2内側の側面に当接すると共に、雌ねじ部61を固着部64に設けた貫通孔(図示せず)に連通させる。そして、この状態で、固着具59を構成するねじ具59aを側方から固着部64の貫通孔を通して被着部63の雌ねじ部61に螺合することにより、混合装置33aの後部は機器ケース24に固着される。
【0041】
上記装置ユニット23の前部は前パーツFの装置収納部15に挿入されて水返し部14によって覆われ、この状態で機器ケース24は支持フレーム4の後部両側に立設した後フレーム材6上に載置され、両後フレーム材6にねじ具等により固着される。
【0042】
上記により、装置ユニット23の機器ケース24上に設けた温水洗浄装置27の局部洗浄ノズル29や脱臭装置26のダクト31の端部開口はボウル部3内に臨む。また、上記のように装置ユニット23を前パーツFに挿入することで、混合装置33aの前端部に設けた吐出ノズル48がボウル部3の給水口36に嵌め込まれ、ボウル部3内に連通することとなる。
【0043】
上記装置ユニット23に設けた混合装置33aの前部は図4及び図8に示すように前パーツF内に収納されて覆い隠される。また、混合装置33aの被係合部62及びこれが係合する機器ケース24の係合孔69を設けた部分は対応する立上部17内に収納されて覆い隠される。また、図4に示すように機器ケース24の固着部64及びねじ具59aは、立上部17のスカート部10よりも後方に突出した部分の下方で且つスカート部10の上端部の後方に位置する。
【0044】
次に便器外郭体2の後側の外郭を構成する後パーツRについて説明する。
【0045】
後パーツRは、上カバー20及び両側の側カバー21及び背面カバー22で構成され、該後パーツRの上部に装置ユニット23の後部が収納される。
【0046】
上カバー20は機器ケース24に着脱自在に取り付けられ、該上カバー20により装置ユニット23の上側が覆われる。また、上カバー20には便座13や便蓋34が回動自在に取り付けられる。
【0047】
背面カバー22は支持フレーム4や上カバー20に着脱自在に取り付けられ、該背面カバー22により機器ケース24や機器ケース24の下方に位置するトラップケース7の後方が覆われる。
【0048】
両側の側カバー21は機器ケース24や前パーツFに着脱自在に取り付けられ、各側カバー21により機器ケース24やトラップケース7の夫々の側方が覆われる。
【0049】
また、混合装置33aを設けた側の側カバー21により固着部64及び該固着部64を混合装置33aの被着部63に締結するねじ具59aの頭部が覆い隠される。
【0050】
上記混合装置33aのメンテナンスや交換等を行う場合は例えば以下のように行う。まず、図4に示すように混合装置33aの被着部63に対応する側カバー21を便器外郭体2から取り外し、該側カバー21を取り外すことによって形成された開口70からねじ具59aの頭部を露出させる。
【0051】
次に、便器外郭体2の外側から開口70を介してねじ具59aの頭部を操作し、該ねじ具59aを取り外す。この後、混合装置33aを後方に移動し、吐出ノズル48をボウル部3の給水口36から引き抜くと共に、被係合部62の下部を引掛け孔66に沿って後方にスライドして通し孔68に位置させる。そして、混合装置33aを下方に移動して、被係合部62を通し孔68から下方に引き出し、この混合装置33aを開口70から便器外郭体2の外部に取り出す等してメンテナンスや交換を行う。また、メンテナンス後の混合装置33aや新たな混合装置33aの取り付け作業は上記取り外し時の作業を逆の順序で行えば良い。
【0052】
上記混合装置33aの取り外しは装置ユニット23を支持フレーム4に取り付けて便器外郭体2に内装したままの状態で行うことができる。従って、混合装置33aのメンテナンスや交換等を簡単に行うことができる。
【0053】
また、本実施形態では、給水路32の混合装置33aよりも上流側の部分をフレキシブルな給水管38で構成してある。このため上記のように混合装置33aをボウル部3及び機器ケース24から取り外す際には、フレキシブルな給水管38を変形させて混合装置33aを後方や下方に移動することが可能となり、これにより給水管38を装置ユニット23から取り外すことなく、混合装置33aをボウル部3及び機器ケース24から容易に取り外すことができ、混合装置33aのメンテナンスや交換等をより一層簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態の一例の便器装置を示し、側カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図2】同上の便器装置の全体斜視図である。
【図3】同上の便器装置を模式的に示す説明図である。
【図4】図1の要部拡大斜視図である。
【図5】図4のスカート部の図示を省略した要部斜視図である。
【図6】同上の上カバー、側カバー、スカート部の図示を省略した要部側面図である。
【図7】同上のリム部及び上カバーの図示を省略した要部斜視図である。
【図8】同上の上カバーの図示を省略した要部斜視図である。
【図9】同上の混合装置の斜視図である
【図10】同上の洗浄液吐出装置の断面図である。
【図11】従来の便器装置の全体斜視図である。
【図12】同上のスカート部及び側カバーの図示を省略した要部側面図である。
【符号の説明】
【0055】
F 前パーツ
R 後パーツ
1 便器装置
2 便器
3 ボウル部
21 側カバー
23 装置ユニット
24 機器ケース
25 便器内装機器
32 給水路
33 混合装置
36 給水口
38 給水管
59 固着具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器形状を有する便器外郭体を、ボウル部を備えた後方に開口する前パーツと、前方に開口する後パーツで構成し、便器内装装置を後パーツ内に配設し、ボウル部に水を供給する給水路の下流側端部に先端ブロックを設け、該先端ブロックの前方接続部をボウル部に設けた後方に開口する給水口に着脱自在に嵌め込むと共に、先端ブロックの後部を便器内装装置に側方から固着具により固着し、該固着具を便器外郭体に対して着脱自在に設けた側カバーにより覆うことを特徴とする便器装置。
【請求項2】
上記給水路の先端ブロックよりも上流側の部分をフレキシブルな給水管で構成することを特徴とする請求項1に記載の便器装置。
【請求項1】
便器形状を有する便器外郭体を、ボウル部を備えた後方に開口する前パーツと、前方に開口する後パーツで構成し、便器内装装置を後パーツ内に配設し、ボウル部に水を供給する給水路の下流側端部に先端ブロックを設け、該先端ブロックの前方接続部をボウル部に設けた後方に開口する給水口に着脱自在に嵌め込むと共に、先端ブロックの後部を便器内装装置に側方から固着具により固着し、該固着具を便器外郭体に対して着脱自在に設けた側カバーにより覆うことを特徴とする便器装置。
【請求項2】
上記給水路の先端ブロックよりも上流側の部分をフレキシブルな給水管で構成することを特徴とする請求項1に記載の便器装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−256917(P2009−256917A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105172(P2008−105172)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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