説明

便座持ち上げ補助具

【課題】便器の通常の使用方法ではあまり汚れることなく長く衛生が保たれる便座持ち上げ補助具を提供する。
【解決手段】 便座の持ち上げを補助するものであって、いずれも平面視で便座からはみ出ることのない大きさを有し、高さが便蓋のストッパー以下の本体2と、肉厚が便蓋のストッパー以下で便座の主面方向に回転中心軸を有するように本体2側面に揺動可能に取り付けられたハンドル3と、本体底面を便座の上面に固定させる固定部材(テープ)4とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、洋式便器の便座に手を触れることなく便座を持ち上げることができるようにする補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
便座に直接手で触ると便座の雑菌が手に付着して不衛生であることから、便座に触らなくても便座を上げ下げすることができれば望ましい。そこで、例えば、便座の側面に接着剤などで固定されたU字状の取っ手(特許文献1)、便座に結び付けられた帯に取り付けられたリング(特許文献2)、便座を上下から挟んで便座の側面に突出させた取っ手(特許文献3)、便座を上下から挟んで便座の側面に突出させた取っ手(特許文献3)、便座の下面に粘着テープで固定されて側面に突出させた取っ手(非特許文献1)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−151182号公報
【特許文献2】特開2000−126082号公報
【特許文献3】特開2000−287888号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Shopping & Communication Attala、[online]、[平成23年1月22日検索]、インターネット<http://item.rakuten.co.jp/attala/ad-16/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の取っ手等は、いずれも便座の側面又は下面を介して固定されているため、便座に近い部分が大便や小便の飛散物により汚れてしまう。従って、放置すると側面に突出している部分までばい菌が広がり、依然として不衛生であり、その目的を十分に達成していないことに変わりはない。
それ故、この発明の課題は、便器の通常の使用方法ではあまり汚れることなく長く衛生が保たれる便座持ち上げ補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その課題を解決するために、この発明の便座持ち上げ補助具は、
便座の持ち上げを補助するものであって、いずれも平面視で便座からはみ出ることのない大きさを有し、
高さが便蓋のストッパー以下の本体と、
肉厚が便蓋のストッパー以下で便座の主面方向に回転中心軸を有するように本体側面に揺動可能に取り付けられたハンドルと、
本体底面を便座の上面に固定させる固定部材と
を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明の便座持ち上げ補助具(以下、「補助具」ともいう。)を使用するときは、前記固定部材を介して便座の上面に補助具を固定する。そして、ハンドルをもって便座を持ち上げる。従って、便座に手を触れる必要が無く、気持ちよく用便することができる。
【0008】
しかもこの発明の補助具は、平面視で便座からはみ出ることがなく、便座の下から眺めると便座で隠れるため、大便や小便が飛散しても補助具には付着しない。また、便器不使用時には、一般に便蓋が便座の上面に揺動可能に被せられ、便蓋の下面には高さ1cm程度のストッパーが設けられていて便蓋の下面の大部分が便座と非接触状態を保つようにされているところ、この発明の補助具は本体の高さ及びハンドルの肉厚がともに前記ストッパー以下であるので、便蓋と便座とで挟まれる間隙に収まる。従って、埃などが付着しにくく、衛生的である。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、この発明によれば、雑菌や汚れがほとんど付着しない補助具を介して便座を持ち上げるできるので、便座の雑菌や汚れに触れることなく、気持ちよく用便することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1の補助具を示し、(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【図2】上記補助具の使用状態を示す斜視図である。
【図3】実施形態2の補助具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
−実施形態1−
この発明の便座持ち上げ補助具の実施形態を説明する。図1は、この実施形態の 補助具を示し、(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図、図2は、この補助具の使用状態を示す斜視図である。
便座持ち上げ補助具1は、本体2、ハンドル3及びテープ(固定部材)4からなる。
【0012】
本体2は、プラスチック製で、平面視で平行な直線状の2辺と、それらをつなぐ2つの半円状の辺とで囲まれる対称形状をなし、正面視及び側面視では中央が上方に膨らんだドーム状をなしている。本体2は、直線状の2辺間の寸法が3cm、半円状の2辺間の最大寸法が4.5cm、中央の高さが1cmという大きさを有する。本体2の底面には平面視で直線状の2辺に直交する方向に幾何学的中心を通る半割円筒状の軸受け用凹部21が形成されている。本体2は、ステンレス等の金属製であってもよい。
【0013】
ハンドル3は、ステンレス製で、短辺外寸4.5cm、長辺外寸9cmの平面視方形で5.5mmの肉厚を有する。ハンドル3の一方の短辺は、軸受け用凹部21に嵌合されて回転軸として機能し、これによりハンドル3は本体2に対してヒンジ的に揺動可能である。また、ハンドル3の2本の長辺の各中間部には上下方向に丸く膨らんだ突起31、31が一体的に形成されている。突起31の上端から下端までの寸法は、7mmである。ハンドル3は、プラスチック製であってもよい。
【0014】
テープ4は、凹部21の部分を除いて本体2の底面のほぼ全面に接着されており、下面に粘着剤が塗布されている。
補助具1を使用するときは、図2に示すようにハンドル3が便座Sの左右方向を軸中心として揺動するように、テープ4を介して便座Sの上面に補助具1を固定する。そして、男性が立って小便をするときは、ハンドル3をもって便座Sを持ち上げる。従って、便座Sに手を触れる必要が無く、気持ちよく用便することができる。
【0015】
しかも既製の便座Sのほとんどは7〜9cm程度の幅を有し、補助具1全体の幅よりも十分大きい。従って、補助具1は、平面視で便座Sからはみ出ることがなく、便座Sの下から眺めると便座Sで隠れるため、大便や小便が飛散しても補助具1には付着しない。また、便器不使用時には、一般に便蓋Cが便座Sの上面に揺動可能に被せられ、便蓋Sの下面には高さ1cm程度のストッパーKが設けられていて便蓋Cの下面の大部分が便座Sと非接触状態を保つようにされているところ、補助具1は本体2の高さ及びハンドル3の肉厚がともに1cmであるので、便蓋Cと便座Sとで挟まれる間隙に収まる。従って、埃などが付着しにくく、衛生的である。
【0016】
更に、ハンドル3は、便座Sが倒されているときは突起31の一方の膨らみで支持され、便座Sが立てられているときは反転して突起31の他方の膨らみで支持される。このため、ハンドル3は、突起31以外の部分が便座Sや便蓋Cに触れることが無く、一層衛生的に保たれる。
尚、図2と異なり、補助具1は、便座のSの周方向を軸中心として揺動するように固定しても良い。
【0017】
−実施形態2−
図3は、第二の実施形態の補助具を示す正面図である。この実施形態の補助具11は、実施形態1におけるテープ4に代えて、ニトリルゴム等からなる吸盤14、14が本体2底面における凹部21を挟む長寸方向両側に取り付けられている。その他の構成は、実施形態1と同じであってよい。
【0018】
補助具11は、吸盤14、14を介して便座Sの上面に着脱自在に固定されるので、万一汚れたときは、便座Sから取り外して洗浄し、再度便座Sに固定することができる。
【符号の説明】
【0019】
1、11 補助具
2 本体
3 ハンドル
4 テープ
14 吸盤
31 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座の持ち上げを補助するものであって、いずれも平面視で便座からはみ出ることのない大きさを有し、
高さが便蓋のストッパー以下の本体と、
肉厚が便蓋のストッパー以下で便座の主面方向に回転中心軸を有するように本体側面に揺動可能に取り付けられたハンドルと、
本体底面を便座の上面に固定させる固定部材と
を備えることを特徴とする便座持ち上げ補助具。
【請求項2】
前記本体が、プラスチック及び金属のうち1種以上から選ばれる硬質部材からなり、前記固定部材が、本体底面に取り付けられた粘着テープである、請求項1に記載の便座持ち上げ補助具。
【請求項3】
前記本体が、プラスチック及び金属のうち1種以上から選ばれる硬質部材からなり、前記固定部材が、本体底面に取り付けられた吸盤である、請求項1に記載の便座持ち上げ補助具。
【請求項4】
前記ハンドルが、上下方向に膨らんだ突起を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の便座持ち上げ補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−161464(P2012−161464A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23882(P2011−23882)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(511033298)
【Fターム(参考)】