説明

便座装置

【課題】ユリア樹脂などの硬質材料の便座や便蓋をケーシングから着脱できる便座装置を提供することを目的とする。
【解決手段】便器に設置されヒンジピンを有するケーシングと、前記ケーシングに対して前記ヒンジピンを介して回動可能に装着される便座および便蓋の少なくともいずれかの開閉部材と、前記開閉部材が前記ヒンジピンから抜けることを防止する拘束金具と、を備え、前記開閉部材は、前記拘束金具の一端部を差し込み可能な溝部を有し、前記拘束金具は、前記一端部が前記溝部に差し込まれ、他の部分が着脱可能な取付具により前記ヒンジピンに固定されることを特徴とする便座装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、便座装置に関し、具体的には洋式腰掛便器に装着される便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便座を覆う便蓋は、一般的には、便座と同じくポリプロピレンにより製造されている。これに対して、便蓋や便座を有する便座装置の外観に、より高い意匠性が求められる場合がある。そこで、ユリア樹脂(尿素樹脂)やメラミン樹脂やFRP(Fiberglass Reinforced Plastics)などのような、ポリプロピレンよりも硬質な材料(以下、「硬質材料」という)により製造された便座や便蓋を有する便座装置がある。
【0003】
しかしながら、ユリア樹脂などの硬質材料の耐衝撃性や耐クラック性は、ポリプロピレンよりも小さい。そのため、便座や便蓋の回動軸となるヒンジピンを着脱自在に保持するヒンジピン保持部を硬質材料製の便座や便蓋にねじ止めすると、その便座や便蓋に割れやクラックが生ずるおそれがある。
【0004】
また、軸受け部で破損やガタツキが生じないようにするため、軸受け部の内周に沿わせて補強材を隙間無く圧入嵌合させた便座・便蓋の取付構造がある(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載された取付構造では、補強材を隙間無く圧入嵌合させているため、硬質材料製の便座や便蓋を用いた場合には、その便座や便蓋に割れやクラックが生ずるおそれがある。そのため、ユリア樹脂などの硬質材料製の便座や便蓋を便座装置のケーシングから着脱できないという問題がある。
【特許文献1】特開2002−51942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、ユリア樹脂などの硬質材料の便座や便蓋をケーシングから着脱できる便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、便器に設置されヒンジピンを有するケーシングと、前記ケーシングに対して前記ヒンジピンを介して回動可能に装着される便座および便蓋の少なくともいずれかの開閉部材と、前記開閉部材が前記ヒンジピンから抜けることを防止する拘束金具と、を備え、前記開閉部材は、前記拘束金具の一端部を差し込み可能な溝部を有し、前記拘束金具は、前記一端部が前記溝部に差し込まれ、他の部分が着脱可能な取付具により前記ヒンジピンに固定されることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、拘束金具を取り付けたり、取り外したりすることで、便座や便蓋をケーシングから着脱することができる。また、例えばねじなどの取付具を便座および便蓋には固定させていないため、ユリア樹脂などの硬質材料により形成された便座や便蓋を使用しても、その便座および便蓋に割れやクラックが生ずることを防止することができる。そのため、便座および便蓋をユリア樹脂などの硬質材料により形成できるため、傷付き防止性を向上させつつ、着脱性を維持することができる。
【0007】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記開閉部材は、一側面が開放されたヒンジピン保持穴であって、前記開放された一側面から挿入された前記ヒンジピンを保持するヒンジピン保持穴と、前記ヒンジピン保持穴の前記一側面の一端に連設され、前記ヒンジピン保持穴に向かって傾斜したガイド面と、を有し、前記溝部は、前記ガイドピン保持溝の前記一側面の他端に連設され、前記ガイド面と前記溝部とは、同じ方向に傾斜したことを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、拘束金具は、ガイド面により案内されるため、拘束金具の取り付けを行いやすく、製造時やメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【0008】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記拘束金具は、前記取付具により前記ヒンジピンに固定される基部と、前記溝部に差し込まれる差込片と、前記基部及び前記差込部の少なくともいずれかから延在し屈曲した掴み片と、を一体的に有することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、掴み片が設けられているため、拘束金具の取り外しを行いやすく、製造時やメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【0009】
また、第4の発明は、便器に設置されヒンジピンを有するケーシングと、前記ケーシングに対して前記ヒンジピンを介して回動可能に装着される便座および便蓋の少なくともいずれかの開閉部材と、前記開閉部材が前記ヒンジピンから抜けることを防止する拘束金具と、を備え、前記開閉部材は、前記拘束金具を差し込み可能な溝部を有し、前記拘束金具を前記溝部に差し込んで嵌合させることにより前記開閉部材が前記ヒンジピンから抜けることが防止されることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、拘束金具を取り付けたり、取り外したりすることで、便座や便蓋をケーシングから着脱することができる。また、例えばねじなどの取付具を便座および便蓋には固定させていないため、ユリア樹脂などの硬質材料により形成された便座や便蓋を使用しても、その便座および便蓋に割れやクラックが生ずることを防止することができる。そのため、便座および便蓋をユリア樹脂などの硬質材料により形成できるため、傷付き防止性を向上させつつ、着脱性を維持することができる。
【0010】
また、第5の発明は、便器に設置されヒンジピンを有するケーシングと、前記ケーシングに対して前記ヒンジピンを介して回動可能に装着される便座および便蓋の少なくともいずれかの開閉部材と、前記開閉部材が前記ヒンジピンから抜けることを防止する拘束金具と、を備え、前記開閉部材は、前記拘束金具の一端部を差し込み可能な溝部を有し、前記拘束金具は、前記一端部が前記溝部に差し込まれ、他の部分が着脱可能な取付具により前記ケーシングに固定されることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、拘束金具を取り付けたり、取り外したりすることで、便座や便蓋をケーシングから着脱することができる。また、例えばねじなどの取付具を便座および便蓋には固定させていないため、ユリア樹脂などの硬質材料により形成された便座や便蓋を使用しても、その便座および便蓋に割れやクラックが生ずることを防止することができる。そのため、便座および便蓋をユリア樹脂などの硬質材料により形成できるため、傷付き防止性を向上させつつ、着脱性を維持することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、ユリア樹脂などの硬質材料の便座や便蓋をケーシングから着脱できる便座装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる便座装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【0013】
本実施形態にかかる便座装置は、洋式腰掛便器(以下、単に「便器」と称す)100に設置されたケーシング200と、ケーシング200に対して回動自在に軸支された便座(開閉部材)300および便蓋(開閉部材)400と、を備える。ケーシング200の内部には、便蓋400を回動自在に開閉させる開閉ユニット220と、便蓋400の開閉動作に作用するヒンジユニット210と、が設けられている。
【0014】
便座300および便蓋400は、ユリア樹脂(尿素樹脂)やメラミン樹脂やFRP(Fiberglass Reinforced Plastics)などから形成されている。ユリア樹脂やメラミン樹脂やFRPは、便座および便蓋に一般的に使用されているポリプロピレンよりも硬質である。ここで、本願明細書では、ユリア樹脂などのように、ポリプロピレンよりも硬質な材料を「硬質材料」という。そして、便座300および便蓋400を硬質材料により形成することで、便座装置の見栄えがよくなり、便座装置の傷付き防止性を向上させることができる。
【0015】
ヒンジユニット210には、ヒンジピン230の一端が係合されている。一方、ヒンジピン230の他端は、便蓋400に係合されている。そして、ヒンジユニット210は、便蓋400が開く場合には、ヒンジピン230を介して便蓋400の動作を助勢する。一方、ヒンジユニット210は、便蓋400が閉じる場合には、ヒンジピン230を介して便蓋400の動作に抵抗を加える。つまり、ヒンジユニット210が設けられていない場合と比較すると、より小さな力で便蓋400を開けることができ、便蓋400を閉じる場合にはより大きな力を必要とする。そのため、便蓋400は、より速やかに開き、よりゆっくりと閉じる。したがって、ヒンジユニット210は、便蓋400が閉じた際の衝撃を和らげることができる。
【0016】
開閉ユニット220には、ヒンジユニット210と同様に、ヒンジピン230の一端が係合されている。一方、ヒンジピン230の他端は、便蓋400に係合されている。そして、開閉ユニット220は、図示しない制御部からの制御信号に基づいて駆動し、ヒンジピン230を介して便蓋400を回動自在に開閉させることができる。なお、開閉ユニット220は、ヒンジユニット210と同様に、便蓋400の動作を助勢したり、抵抗を加える機能も有する。そのため、便蓋400は、両側のヒンジピン230を介して、助勢されたり、抵抗を受ける。
【0017】
また、ケーシング200の内部であって便座300の軸支部分には、便蓋400と同様に、便座300を回動自在に開閉させる開閉ユニット(図示せず)と、便座300の開閉に作用するヒンジユニット(図示せず)と、が設けられている。但し、便座300および便蓋400のケーシング200への取付構造は同様であるため、説明の便宜上、以下の説明においては、便蓋400とケーシング200との取付構造を例に挙げて説明する。
【0018】
なお、ケーシング200の内部には、例えば、便座300に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する局部洗浄機能部や、便器100のボウル内の空気を吸い込み、フィルタや触媒などを介して臭気成分を低減させる脱臭機能部や、便座300に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる温風乾燥機能部や、トイレ室内に温風を吹き出してトイレ室を暖房する室内暖房機能部などが内蔵されていてもよい。ただし、局部洗浄機能部や脱臭機能部や温風乾燥機能部や室内暖房機能部などは、必ずしも設けなくてもよい。
また、図1に表した具体例においては、便座300と便蓋400を備えたトイレ装置を例示したが、本発明はこれには限定されない。例えば、便蓋400を備えず、便座300のみを備えたトイレ装置も、本発明の範囲に包含される。
【0019】
図2は、ヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す斜視模式図である。なお、図2(a)は、便蓋とヒンジピンとが固定される前の状態を表す斜視模式図であり、図2(b)は、便蓋とヒンジピンとが固定された後の状態を表す斜視模式図である。
また、図3は、ヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す側面模式図である。なお、図3(a)は、便蓋とヒンジピンとが固定される前の状態を表す側面模式図であり、図3(b)は、便蓋とヒンジピンとが固定された後の状態を表す側面模式図である。図3は、図1に表したA−A断面図に相当する。
また、図2および図3では、説明の便宜上、ケーシング200およびヒンジユニット210を省略している。
【0020】
便蓋400は、図2に表したように、ヒンジピン230を保持するヒンジピン保持穴410を有する。このヒンジピン保持穴410の一側面は開放され、この開放された一側面からヒンジピン230が挿入可能とされている。そして、この開放された一側面の一端には、ヒンジピン保持穴410に向かって傾斜したガイド面413が連設して形成されている。また、開放された一側面の他端、すなわちガイド面413が形成された一側面に対向する側面には、溝部411が連設して形成されている。そして、ガイド面413と溝部411とは、同じ方向に傾斜している。
【0021】
ヒンジピン230は、ヒンジユニット210に係合される平坦部231を一端部に有し、ヒンジピン保持穴410に保持される保持部233を他端部に有する。そして、ケーシング200に適宜設けられた開口部に平坦部231を通し、その平坦部231をヒンジユニット210に係合させることにより、ヒンジピン230は、ヒンジユニット210に取り付けられている。一方、保持部233は、外周面の少なくとも一部に平面を有する。そして、その平面と、ヒンジピン保持穴410の内壁と、を合わせるようにして、ヒンジピン230は、ヒンジピン保持穴410に保持されている。
【0022】
なお、ヒンジピン230は、平坦部231および保持部233に平面を有するため、便蓋400およびヒンジユニット210に対して空転することなく、便蓋400の開閉と共に回動できる。
【0023】
拘束金具510は、ねじなどの取付具520を挿通させる挿通穴517が設けられた基部511と、溝部411に差し込まれる差込片513と、基部511の一部が屈曲された掴み片515と、を有する。そして、図2(a)に表した矢印Bあるいは図3(a)に表した矢印Cのように、拘束金具510の差込片513を溝部411に差し込む。このとき、溝部411とガイド面413とは、同じ方向に傾斜しているため、図3(a)に表したように、拘束金具510の屈曲部519は、ガイド面413により溝部411の方向に案内される。そのため、その案内方向に沿うように拘束金具510を移動させることで、差込片513を容易に溝部411に差し込むことができる。
【0024】
続いて、挿通穴517に取付具520を通して、ヒンジピン230の保持部233に設けられた取付穴235に取付具520を固定する。そうすると、拘束金具510の基部511は、図2(b)および図3(b)に表したように、ヒンジピン230に固定される。すなわち、拘束金具510が、ヒンジピン230に固定される。
【0025】
ここで、拘束金具510がヒンジピン230に固定された状態において、ヒンジピン230をヒンジピン保持穴410から抜こうとしても、そのヒンジピン230を抜くことはできない。例えば、図3(b)に表した矢印Dの方向にヒンジピン230を抜こうとしても、ヒンジピン230に固定された拘束金具510の差込片513が溝部411に差し込まれているため、矢印Dの方向には抜くことができない。また例えば、図3(b)に表した矢印Eにように、差込片513の溝部411への差込方向とは反対方向にヒンジピン230を抜こうとしても、ヒンジピン230の外周面237と、ヒンジピン保持穴410の内壁415と、が接触するため、矢印Eの方向には抜くことができない。
【0026】
つまり、拘束金具510は、その差込片513が溝部411に差し込まれ、取付具520によりヒンジピン230に固定されることで、ヒンジピン230が便蓋400のヒンジピン保持穴410から抜けることを防止できる。言い換えれば、拘束金具510がヒンジピン230に固定された状態では、便蓋400をヒンジピン230およびケーシング200から取り外すことができない。一方、取付具520を取り外し、拘束金具510を溝部411から抜いて取り外せば、前述したヒンジピン保持穴410の一側面を介して便蓋400をヒンジピン230およびケーシング200から取り外すことができる。
【0027】
このように、本実施形態にかかる便座装置では、拘束金具510は、取付具520により、ヒンジピン保持穴410に保持されたヒンジピン230に固定されている。つまり、取付具520は、硬質材料から形成された便蓋400には固定されていない。硬質材料の耐衝撃性や耐クラック性は、ポリプロピレンよりも小さい。そのため、取付具520を便蓋400に固定すると、便蓋400に割れやクラックが生ずるおそれがある。
【0028】
これに対して、本実施形態にかかる便座装置では、取付具520は便蓋400には固定されていないため、便蓋400に割れやクラックが生ずることを防止することができる。そして、拘束金具510を取り付けたり、取り外したりすることで、ユリア樹脂などの硬質材料から形成された便蓋400をケーシング200から着脱できる。また、便蓋400をユリア樹脂などの硬質材料により形成できるため、本実施形態にかかる便座装置は、傷付き防止性を向上させつつ、着脱性を維持できる。なお、前述したように、拘束金具510の屈曲部519は、ガイド面413により案内されるため、拘束金具510の取り付けを行いやすく、製造時やメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【0029】
図4は、本実施形態の便蓋を表す斜視模式図である。
また、図5は、ヒンジユニット側のヒンジピン保持穴を表す斜視模式図である。なお、図5は、図4に表した矢視Fの方向に眺めた斜視模式図である。
また、図6は、開閉ユニット側のヒンジピン保持穴を表す斜視模式図である。なお、図6は、図4に表した矢視Gの方向に眺めた斜視模式図である。
【0030】
ヒンジユニット210側のヒンジピン保持穴410は、図2および図3に関して前述したように、溝部411とガイド面413とを有する。また、ヒンジピン保持穴410は、開いた形状を有する。つまり、ヒンジピン保持穴410の内壁415は、全周に亘って連続しているわけではなく、その少なくとも一部に不連続な部分を有する。そのため、拘束金具510が取り付けられていない場合において、図3(b)に表した矢印Dの方向に、ヒンジピン230をヒンジピン保持穴410から抜くことができる。
【0031】
これに対して、開閉ユニット220側のヒンジピン保持穴420は、図6に表したように、閉じた形状を有する。つまり、ヒンジピン保持穴420の内壁425は、全周に亘って連続している。そのため、開閉ユニット220側のヒンジピン保持穴420に係合されたヒンジピン230には、拘束金具510が固定されてない。拘束金具510が固定されていなくとも、図3(b)に表した矢印Dのようには、ヒンジピン230をヒンジピン保持穴420から抜くことはできない。
【0032】
このように、開閉ユニット220側のヒンジピン保持穴420は、閉じた形状を有するため、ヒンジユニット210側のヒンジピン保持穴410よりも大きな強度を有する。そのため、便蓋400を回動自在に開閉させる開閉ユニット220からの駆動力は、より確実に便蓋400に伝達される。また、開閉ユニット220から駆動力や衝撃力により、ヒンジピン保持穴420が破損するおそれは少ない。
【0033】
図7および図8は、ケーシングから便蓋を取り外す方法について説明するための斜視模式図である。
ケーシング200から便蓋400を取り外す場合には、まず、図7(a)に表したように、拘束金具510を介してヒンジピン230に固定された取付具520を工具などにより取り外す。この場合、ケーシング200および便蓋400の後方には、一般的に、トイレ室の壁面が設けられているため、より短い工具を使用することが好ましい。
【0034】
続いて、図7(b)に表したように、拘束金具510の掴み片515を手で掴み、ヒンジピン保持穴410の溝部411から矢印の方向へ引き抜く。そうすると、図7(c)に表したように、ヒンジピン230は、便蓋400の少なくとも後方へ開放された状態となる。なお、拘束金具510には掴み片515が設けられているため、作業者などは掴み片515を手で掴むことで拘束金具510を取り外しやすい。そのため、製造時やメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【0035】
この状態から、図8(a)に表したように、便蓋400を開く方向へ適宜回動させ、矢印の方向へ便蓋400を移動させる。そうすると、図8(a)に表したように、ヒンジユニット210側のヒンジピン230から便蓋400を取り外すことができる。
【0036】
なお、開閉ユニット220側のヒンジピン保持穴420は、図6に関して前述したように、閉じた形状を有するため、図8(a)に表した状態では未だ開閉ユニット220側のヒンジピン230から便蓋400を取り外すことはできない。但し、ヒンジピン保持穴420の長手方向の長さは、ヒンジピン230の保持部233の長手方向の長さよりも長いため、図8(a)に表した矢印の方向に便蓋400を移動させることができる。
【0037】
続いて、図8(b)に表したように、矢印の方向へ便蓋400を移動させることにより、開閉ユニット220側のヒンジピン230から便蓋400を取り外すことができる。その結果、ケーシング200から便蓋400を取り外すことができる。なお、ケーシング200に便蓋400を取り付ける場合には、前述した作業をさかのぼって行えばよい。
【0038】
これによれば、取付具520を取り外し、拘束金具510を溝部411から抜いて取り外せば、便蓋400をケーシング200から取り外すことができる。つまり、硬質材料により形成された便蓋400であっても、便蓋400をケーシング200から着脱できる。
【0039】
次に、本実施形態の変形例について図面を参照しつつ説明する。
図9は、本実施形態の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
【0040】
本変形例の便蓋400aは、ヒンジピン230を保持するヒンジピン保持穴410aを有する。このヒンジピン保持穴410aは、図9に表したように、一側面に溝部411aを有し、その一側面に対向する側面にも溝部411aを有する。つまり、溝部411aは、ヒンジピン保持穴410aの内壁から、図9における上方と下方とに向かう一対の溝部411aとして形成されている。
【0041】
また、本変形例の拘束金具510aは、図9に表したように、基部511aと、溝部411aに差し込まれる差込片513aと、を有する。基部511aは、拘束金具510aを着脱させるときの掴み片としても機能する。差込片513aは、基部511aの少なくとも一部が屈曲されて形成され、拘束金具510aの両端部に設けられている。
【0042】
ヒンジピン230がヒンジピン保持穴410aから抜けないようにするためには、拘束金具510aを弾性変形させてヒンジピン保持穴410aに挿入し、両端部の差込片513aを一対の溝部411aにそれぞれ嵌合させる。そうすると、拘束金具510aが便蓋400aのヒンジピン保持穴410aに固定される。その結果として、ヒンジピン230は、ヒンジピン保持穴410aから抜けようとしても、拘束金具510aにより妨げられるため、ヒンジピン保持穴410aから抜けない。
【0043】
本変形例によれば、拘束金具510aの両端部の差込片513aを一対の溝部411aにそれぞれ嵌合させることにより、拘束金具510aをヒンジピン保持穴410aに固定するため、例えばねじのような取付具520を必要としない。そのため、便蓋400とケーシング200との取付構造を簡略化することがてき、硬質材料により形成された便蓋400であっても、便蓋400をケーシング200から容易に着脱できる。また、拘束金具510aは、その両端部においてヒンジピン保持穴410aに嵌合されているため、ヒンジピン230の抜け防止をより確実に行うことができる。さらに、取付具520を必要としないため、便蓋400に割れやクラックが生ずることを防止することができる。なお、その他の効果についても、図2および図3に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0044】
図10は、本実施形態の他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
本変形例の便蓋400bは、ヒンジピン230を保持するヒンジピン保持穴410bを有する。このヒンジピン保持穴410bは、図10に表したように、一側面に溝部412bを有し、その一側面に対向する側面にも溝部414bを有する。溝部412b、414bは、湾曲した形状を有する。そして、溝部412bの湾曲中心452bは、その溝部412bに対してヒンジピン230側に存在する。一方、溝部414bの湾曲中心454bは、その溝部414bに対してヒンジピン230とは反対側に存在する。
【0045】
また、本変形例の拘束金具は、2つの金具を有する。拘束金具512bは、溝部412bに差し込まれ、その差し込まれた状態において、溝部412bの湾曲中心452bと略同じ位置に湾曲中心を有する。一方、拘束金具514bは、溝部414bに差し込まれ、その差し込まれた状態において、溝部414bの湾曲中心454bと略同じ位置に湾曲中心を有する。
【0046】
ヒンジピン230がヒンジピン保持穴410bから抜けないようにするためには、まず、拘束金具512bを溝部412bに差し込み、次に、拘束金具514bを溝部414bに差し込む。続いて、拘束金具514bに設けられた挿通穴517bに取付具520を通して、拘束金具512bに設けられた取付穴518bに固定する。そうすると、拘束金具512bと、拘束金具514bと、が締結される。拘束金具512b、514bは、湾曲した溝部412b、414bに差し込まれているため、拘束金具512b、514b同士が締結された状態では、ヒンジピン保持穴410bから抜けない。その結果として、ヒンジピン230は、ヒンジピン保持穴410bから抜けようとしても、拘束金具512b、514bにより妨げられるため、ヒンジピン保持穴410bから抜けない。
【0047】
本変形例によれば、取付具520により締結された拘束金具512b、514bを一体として捉えた場合には、その拘束金具512b、514bは、両端部において溝部412b、414bに差し込まれているため、図9に表した拘束金具510aと同様に、ヒンジピン230の抜け防止をより確実に行うことができる。また、取付具520は、拘束金具512bに固定され、便蓋400には固定されていないため、便蓋400に割れやクラックが生ずることを防止することができる。これにより、便蓋400をケーシング200から着脱することができる。なお、その他の効果についても、図2および図3に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0048】
図11(a)は、本実施形態のさらに他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
また、図11(b)は、本変形例の拘束金具を表す斜視模式図である。
【0049】
本変形例の便蓋400cは、ヒンジピン230を保持するヒンジピン保持穴410cを有する。このヒンジピン保持穴410cは、図2および図3に表したヒンジピン保持穴410と同様に、ヒンジピン保持穴410cに向かって傾斜したガイド面413cを一側面に有する。また、ヒンジピン保持穴410cは、ガイド面413cが形成された一側面に対向する側面に溝部411cを有する。溝部411cは湾曲した形状を有し、その湾曲中心451cは、その溝部411cに対してヒンジピン230とは反対側に存在する。
【0050】
また、本変形例の拘束金具510cは、図11(b)に表したように、湾曲した形状を有する。そして、拘束金具510cは、差込片513cが溝部411cに差し込まれた状態において、溝部411cの湾曲中心451cと略同じ位置に湾曲中心を有する。そして、拘束金具510cに設けられた挿通穴517cに取付具520を通して、ヒンジピン230の取付穴235に固定する。そうすることで、ヒンジピン230がヒンジピン保持穴410cから抜けることを防止することができる。
【0051】
本変形例によれば、拘束金具510cは、取付具520により、ヒンジピン230に固定されている。つまり、取付具520は、便蓋400には固定されていない。そのため、便蓋400に割れやクラックが生ずることを防止することができる。これにより、便蓋400をケーシング200から着脱することができる。また、拘束金具510cは、ガイド面413cにより案内されるため、拘束金具510cの取り付けを行いやすく、製造時やメンテナンス時の作業性を向上させることができる。なお、その他の効果についても、図2および図3に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0052】
図12は、本実施形態のさらに他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
本変形例の便蓋400dは、ヒンジピン230を保持するヒンジピン保持穴410dを有する。このヒンジピン保持穴410dは、図2および図3に表したヒンジピン保持穴410と同様に、ヒンジピン保持穴410dに向かって傾斜したガイド面413dを一側面に有する。また、ヒンジピン保持穴410dは、ガイド面413dが形成された一側面に対向する側面に溝部411dを有する。溝部411dは、拘束金具510dの厚さよりも大きい幅を有している。
【0053】
また、本変形例の拘束金具510dは、図11(b)に表した拘束金具510cの差込片513cがさらに屈曲され延在した形状を有する。そして、この差込片513cは、例えば、いわゆる「板ばね」のような弾性を有する。そのため、拘束金具510dは、差込片513dが溝部411dに差し込まれた状態では、図12に表した矢印の方向にヒンジピン230を押さえることができる。続いて、拘束金具510dに設けられた挿通穴517dに取付具520を通して、ヒンジピン230の取付穴235に固定することで、ヒンジピン230がヒンジピン保持穴410dから抜けることを防止することができる。
【0054】
本変形例によれば、拘束金具510dは、差込片513dが溝部411dに差し込まれた状態において、ヒンジピン230を押さえているため、ヒンジピン230のガタツキを抑制できる。そのため、便蓋400の開閉の際のガタツキをより抑えることができる。なお、その他の効果についても、図2および図3に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0055】
図13は、本実施形態のさらに他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
本変形例の便蓋400eは、ヒンジピン230を保持するヒンジピン保持穴410eを有する。このヒンジピン保持穴410eは、図2および図3に表したヒンジピン保持穴410と同様に、ヒンジピン保持穴410eに向かって傾斜したガイド面413eを一側面に有する。また、ヒンジピン保持穴410eは、ガイド面413eが形成された一側面に対向する側面に溝部411eを有する。この溝部411eの少なくとも一部には、嵌合部412eが形成されている。
【0056】
また、本変形例の拘束金具510eは、2つの掴み片515e、516eを有する。2つの掴み片515e、516eは、屈曲した差込片513eにより接続されている。そして、拘束金具510eは、例えば、いわゆる「板ばね」のような弾性を有し、掴み片516eを図13に表した矢印Hの方向に移動させることができる。また、差込片513eの少なくとも一部には、溝部411eの嵌合部412eと嵌合可能な嵌合部514eが形成されている。
【0057】
差込片513eが溝部411eに差し込まれると、差込片513eに設けられた嵌合部514eは、溝部411eに設けられた嵌合部412eに嵌合される。そして、拘束金具510eは、弾性を有するため、この状態においては、図13に表した矢印Iの方向にヒンジピン230を押さえることができる。その結果、ヒンジピン230がヒンジピン保持穴410eから抜けることを防止することができる。
【0058】
本変形例によれば、拘束金具510eは、差込片513eが溝部411eに差し込まれ、嵌合部514eが嵌合部412eに嵌合された状態において、ヒンジピン230を押さえているため、ヒンジピン230のガタツキを抑制できる。また、掴み片516eを矢印Hの方向に移動させることで、拘束金具510eを容易に取り外すことができる。取付具520を必要としないため、便蓋400とケーシング200との取付構造を簡略化することができ、硬質材料により形成された便蓋400であっても、便蓋400をケーシング200から容易に着脱できる。さらに、拘束金具510eの屈曲部519eは、ガイド面413eにより案内されるため、拘束金具510eの取り付けを行いやすく、製造時やメンテナンス時の作業性を向上させることができる。なお、その他の効果についても、図2および図3に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0059】
図14および図15は、本実施形態のさらに他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す斜視模式図である。
また、図16は、本変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
【0060】
本変形例のケーシング200aは、図14および図15に表したように、後部に凹設部240aを有する。一方、本変形例の便蓋400は、ヒンジピン保持穴410fの下部に溝部411fを有する。
【0061】
そこで、まず、ヒンジユニット210に係合されたヒンジピン230を便蓋400fのヒンジピン保持穴410fに挿入する。ヒンジピン230をヒンジピン保持穴410fに挿入するためには、図8(a)に表した矢印とは反対方向に便蓋400fを移動させればよい。
【0062】
次に、凹設部240aの内壁241aに拘束金具510fを取り付ける。拘束金具510fは、図15に表したように、取付部511fと突起部513fを有する。そして、取付部511fにおいて取付具520により内壁241aに固定させることで、拘束金具510fを内壁241aに取り付けることができる。このとき、突起部513fは、取付部511fから溝部411fに向かって突出しているため、その突起部513fを溝部411fに挿入しつつ、取付部511fを取付具520により内壁241aに固定させる。
【0063】
そうすると、図16に表したように、突起部513fは、便蓋400がケーシング200に対して閉じた状態では、溝部411fの右端部に位置する。ここで、溝部411fは、湾曲した形状を有する。溝部411fの湾曲中心431fは、図16に表したように、ヒンジピン230の平坦部231の中心軸と略一致している。そのため、突起部513fは、ケーシング200aに対する便蓋400fの回動とともに、図16に表した矢印のように、溝部411f内を相対的に移動する。つまり、拘束金具510fは凹設部240aの内壁241aに取り付けられているため、突起部513fは移動できないが、便蓋400fが回動することで見かけ上、突起部513fは溝部411f内を相対的に移動する。
【0064】
そして、便蓋400fがケーシング200aに対して開いた状態では、図16に表した二点鎖線のように、突起部513fは溝部411fの左端部に位置する。一方、便蓋400fがケーシング200aに対して閉じた状態では、突起部513fは溝部411fの左端部に位置する。そのため、拘束金具510fが内壁241aに取り付けられた状態では、突起部513fは溝部411fから抜けない。その結果、ヒンジピン230がヒンジピン保持穴410fから抜けることを防止することができる。
【0065】
本変形例によれば、拘束金具510fを取り付けたり、取り外したりすることで、便蓋400をケーシング200から着脱できる。また、取付具520は、ケーシング200aに固定され、便蓋400fには固定されていないため、便蓋400fに割れやクラックが生ずることを防止することができる。なお、その他の効果についても、図2および図3に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、拘束金具510は、取付具520により、ヒンジピン保持穴410に保持されたヒンジピン230に固定されている。つまり、取付具520は、硬質材料から形成された便蓋400には固定されていない。そのため、便蓋400に割れやクラックが生ずることを防止することができる。そして、拘束金具510を取り付けたり、取り外したりすることで、ユリア樹脂などの硬質材料から形成された便蓋400をケーシング200から着脱できる。また、便蓋400をユリア樹脂などの硬質材料により形成できるため、傷付き防止性を向上させつつ、着脱性を維持することができる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便蓋400や便座300などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやヒンジユニット210や開閉ユニット220の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、本実施形態の説明では、便蓋400とケーシング200との取付構造を例に挙げて説明したが、便座300についても同様の取付構造を有することで、ユリア樹脂などの硬質材料から形成された便座300をケーシング200から着脱できる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態にかかる便座装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【図2】ヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す斜視模式図である。
【図3】ヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す側面模式図である。
【図4】本実施形態の便蓋を表す斜視模式図である。
【図5】ヒンジユニット側のヒンジピン保持穴を表す斜視模式図である。
【図6】開閉ユニット側のヒンジピン保持穴を表す斜視模式図である。
【図7】ケーシングから便蓋を取り外す方法について説明するための斜視模式図である。
【図8】ケーシングから便蓋を取り外す方法について説明するための斜視模式図である。
【図9】本実施形態の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
【図10】本実施形態の他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
【図11】図11(a)は、本実施形態のさらに他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図であり、図11(b)は、本変形例の拘束金具を表す斜視模式図である。
【図12】本実施形態のさらに他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
【図13】本実施形態のさらに他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
【図14】本実施形態のさらに他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す斜視模式図である。
【図15】本実施形態のさらに他の変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す斜視模式図である。
【図16】本変形例にかかるヒンジユニット側のヒンジピンの近傍を表す平面模式図である。
【符号の説明】
【0069】
100 便器、 200、200a ケーシング、 210 ヒンジユニット、 220 開閉ユニット、 230 ヒンジピン、 231 平坦部、 233 保持部、 235 取付穴、 237 外周面、 240a 凹設部、 241a 内壁、 300 便座、 400、400a、400b、400c、400d、400e、400f 便蓋、 410、410a、410b、410c、410d、410e、410f ヒンジピン保持穴、 411、411a、411c、411d、411e、411f 溝部、 412b 溝部、 412e 嵌合部、 413、413c、413d、413e ガイド面、 414b 溝部、 415 内壁、 420 ヒンジピン保持穴、 425 内壁、 431f、451c、452b、454b 湾曲中心、 510、510a、510c、510d、510e、510f 拘束金具、 511、511a 基部、 511f 取付部、 512b 拘束金具、 513、513a、513c、513d、513e 差込片、 513f 突起部、 514b 拘束金具、 514e 嵌合部、 515、515e、516e 掴み片、 517、517b、517c、517d 挿通穴、 518b 取付穴、 519、519e 屈曲部、 520 取付具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に設置されヒンジピンを有するケーシングと、
前記ケーシングに対して前記ヒンジピンを介して回動可能に装着される便座および便蓋の少なくともいずれかの開閉部材と、
前記開閉部材が前記ヒンジピンから抜けることを防止する拘束金具と、
を備え、
前記開閉部材は、前記拘束金具の一端部を差し込み可能な溝部を有し、
前記拘束金具は、前記一端部が前記溝部に差し込まれ、他の部分が着脱可能な取付具により前記ヒンジピンに固定されることを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記開閉部材は、
一側面が開放されたヒンジピン保持穴であって、前記開放された一側面から挿入された前記ヒンジピンを保持するヒンジピン保持穴と、
前記ヒンジピン保持穴の前記一側面の一端に連設され、前記ヒンジピン保持穴に向かって傾斜したガイド面と、
を有し、
前記溝部は、前記ガイドピン保持溝の前記一側面の他端に連設され、
前記ガイド面と前記溝部とは、同じ方向に傾斜したことを特徴とする請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
前記拘束金具は、
前記取付具により前記ヒンジピンに固定される基部と、
前記溝部に差し込まれる差込片と、
前記基部及び前記差込部の少なくともいずれかから延在し屈曲した掴み片と、
を一体的に有することを特徴とする請求項1または2に記載の便座装置。
【請求項4】
便器に設置されヒンジピンを有するケーシングと、
前記ケーシングに対して前記ヒンジピンを介して回動可能に装着される便座および便蓋の少なくともいずれかの開閉部材と、
前記開閉部材が前記ヒンジピンから抜けることを防止する拘束金具と、
を備え、
前記開閉部材は、前記拘束金具を差し込み可能な溝部を有し、
前記拘束金具を前記溝部に差し込んで嵌合させることにより前記開閉部材が前記ヒンジピンから抜けることが防止されることを特徴とする便座装置。
【請求項5】
便器に設置されヒンジピンを有するケーシングと、
前記ケーシングに対して前記ヒンジピンを介して回動可能に装着される便座および便蓋の少なくともいずれかの開閉部材と、
前記開閉部材が前記ヒンジピンから抜けることを防止する拘束金具と、
を備え、
前記開閉部材は、前記拘束金具の一端部を差し込み可能な溝部を有し、
前記拘束金具は、前記一端部が前記溝部に差し込まれ、他の部分が着脱可能な取付具により前記ケーシングに固定されることを特徴とする便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−124882(P2010−124882A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299703(P2008−299703)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】