説明

保冷具

【課題】体温の冷却及び保冷が長時間持続可能で、冷却・保冷効果の高い、持ち運びが便利な保冷具を提供することを目的とする。
【解決手段】熱伝導性の高い材質からなる保冷具本体に、保冷材のような保冷効果を有する部材を設けたことにより、冷却及び保冷が長時間可能となった。又、前記保冷効果を有する部材を着脱自在としたことで交換可能とし、更に冷たい状態が持続できる。保冷具本体を中空構造にしたり、脚部や通気穴を設けることにより通気を良くし、保冷効果を更に高めることも可能である。又、保冷具本体を容器と蓋からなる構造とすることによって、保冷材の替わりに氷等でも使用可能とした。保冷具本体の材質や形状により持ち運びにも便利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体温を冷却及び保冷する為、熱伝導性の高い材質からなる保冷具本体に、保冷効果を有する部材を着脱自在で設けたことにより、高い冷却・保冷性を長時間持続可能とした保冷具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、体温を冷却・保冷するものとして、冷感を有するジェルマットやアルミニウム製のボード、水で濡らして使用する保冷具等が市販されているが、保冷の効果はあまり続かず、使用後短時間は冷たさを感じられるが、その後は体温を吸収して、熱を取り込み、逆に暑苦しささえ感じられるという問題があった。又、アルミニウム製のボードに関しては、周囲の温度に左右される為、日光下では熱くなってしまう。その為、前記保冷具を使用時には、工夫が必要であると思われる。
【0003】
外出時に持ち歩く為の保冷具として、首に巻くものやベスト等の衣類に保冷材を装着するもの等が市販されているが、やはり冷却・保冷時間が短いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許公開2005−144036号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
夏場、節電対策により、エアコン等の使用を控えている場所や、エアコン等の無い場所では、熱中症が大きな社会問題となっているが、オフィスや工場・避難所のように多くの人々が、同じ空間を所有する場合、自己の都合で空調の温度設定を低くすることは出来ないことも多く、個々の暑さ対策が必要となる。しかしながら従来の保冷具では、冷却・保冷効果を感じられる時間が短いという問題点がある。長時間に渡り冷却及び保冷可能な保冷具が必要とされる。
【0006】
又、体内に熱がこもっている場合に、足裏を冷やすと効果があるが、現在、足裏を冷却及び保冷する為の効果的な保冷具は市販されていない。一般的に足裏は体の他の部位に比べ、皮膚が厚いことや、靴下やパンティーストッキング、又足袋等を着用している場合も多く、保冷具自体、かなり冷えていないと、あまり冷却効果が感じられにくい為、冷却・保冷効果の高い保冷具が必要とされる。又、毛のある程度長いペットの体温冷却・保冷の為に使用する場合も同様である。そこで本発明では、長時間に渡り冷却及び保冷が可能で、冷却・保冷効果の高い、持ち運びが便利な保冷具を提供することを目的とする。
【課題を解決する為の手段】
【0007】
以上の課題を解決する為に、請求項1の発明は、熱伝導性の高い材質からなる保冷具本体に、保冷効果を有する部材を設け、前記保冷効果を有する部材は、前記保冷具本体から着脱自在であることを特徴とする保冷具である。又、請求項2の発明は、前記保冷具本体を中空構造となるよう形成したことを特徴とする請求項1記載の保冷具である。又、請求項3の発明は、中空構造である前記保冷具本体の縁部が、折り曲げて形成してあることを特徴とする請求項2記載の保冷具である。又、請求項4の発明は、 前記保冷具本体に、保冷効果を有する部材が設置可能な収納枠を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の保冷具である。又、請求項5の発明は、 前記保冷具本体に於いて、少なくとも一方向を開口状態になるよう形成したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の保冷具である。又、請求項6の発明は、 前記保冷具本体に、脚部を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の保冷具である。又、請求項7の発明は、前記保冷具本体が容器と蓋から構成されることを特徴とする請求項1、2、4、5又は6記載の保冷具である。又、請求項8の発明は、前記保冷具本体がアルミニウムからなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の保冷具である。又、請求項9の発明は、前記保冷具本体が熱伝導性の高い樹脂からなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の保冷具である。又、請求項10の発明は前記保冷具本体に、前記保冷具本体を入れる又は、覆う為のカバー部材を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の保冷具である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の保冷具は、熱伝導性の高い材質からなる保冷具本体に、保冷効果を有する部材を設けることにより、長時間に渡り冷却及び保冷が持続可能である。熱伝導性の高い材質を使用することで、保冷効果を有する部材の冷たさが保冷具全体に伝導し、保冷面積も広がり、冷却・保冷効果が更に高まる。又、保冷効果を有する部材を着脱自在にすることで、事前に冷やしておいた別の保冷効果を有する部材と交換可能となり、更に長時間に渡り、高い冷却・保冷効果を持続可能とした。冷却・保冷効果が高い為、足裏の使用にも適している。又、人体のみならず、ペット等にも効果的である。携帯用や持ち運びにも便利で、様々な場所で使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第一の実施形態に係る保冷具を示す斜視図である。
【図2】第一の実施形態に係る保冷具でコの字型に形成した状態を示す斜視図である。
【図3】第一の実施形態に係る保冷具で、保冷材を設置した状態を示す断面図である。
【図4】第一の実施形態に係る保冷具で縁部を折って曲げた状態を示す斜視図である。
【図5】第一の実施形態に係る保冷具の一変形例を示す斜視図である。
【図6】第一の実施形態に係る保冷具の一変形例を示す斜視図である。
【図7】第一の実施形態に係る保冷具の一変形例を示す斜視図である。
【図8】第一の実施形態に係る保冷具で脚部を設けた状態を示す斜視図である。
【図9】第二の実施形態に係る保冷具で保冷材を設置した状態を示す断面図である。
【図10】第二の実施形態に係る保冷具で、収納枠に保冷材を設置した状態を示す斜視図である。
【図11】第三の実施形態に係る保冷具を示す斜視図である。
【図12】第三の実施形態に係る保冷具で、蓋が連結部材により開閉可能な状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る保冷具で、カバー部材を設けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施する為の形態】
【0010】
以下に本発明の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0011】
本発明の一実施形態を図1に示す。図1は、保冷具本体1の斜視図である。熱伝導性の高い材質からなる部材2を加工し、環状に形成する。この時、熱伝導性の高い材質からなる部材2が中空構造となるよう、間に空間3を設ける。尚、空間3の両端は開口状態とする。又、図示はしないが、熱伝導性の高い材質からなる部材2の縁部は、研磨等によって滑らかな状態に形成したり、内側へ折り曲げ形成してもよい。又、図2で示すように、環状に形成するのではなく、熱伝導性の高い材質からなる部材2を二つ折りにし、コの字型に形成してもよい。尚、熱伝導性の高い材質からなる部材2に、通気の為に通気穴9・溝等を設けてもよい。本実施形態では、熱伝導性の高い材質からなる部材2はアルミニウムを使用するが、他の金属や樹脂・ゴム・石・シリコン等でも、熱伝導性の高い材質であればよい。
【0012】
熱伝導性の高い材質からなる部材2に設けた空間3に、保冷効果のある部材を設置した状態の断面図を図3に示す。尚、保冷効果のある部材には、保冷材4を使用する。保冷材4は空間3内に置いて設置する。又、空間3内部に保冷材4を設置する為の収納枠5等を設けてもよい。尚、図4で示すように、保冷材4が容易に保冷具本体1から外部へ出ないように、縁部12を折り曲げ形成したり、空間3を保冷材4の厚みに合わせ、保冷材4を差し込んだ状態で、抜け落ちないような形状に形成してもよい。又、図示はしないが、保冷具本体1の開口部の形状に合わせ、着脱可能な蓋を設けてもよい。
【0013】
第一の実施形態の形状の変形例を、図5・図6・図7に示す。又、図示はしないが、熱伝導性の高い材質からなる部材2を袋状にし、開口部を一方向のみに設け開口状態にしてもよい。
【0014】
又、図8で示すように、保冷具本体1の底部に、床面との間に隙間を設ける為に、脚部6を設けてもよい。
【0015】
熱伝導性の高い材質からなる部材2に模様や色、エンボス加工等を施してもよい。
【実施例2】
【0016】
本発明の第二の実施形態を図9に示す。図9は保冷具本体1に保冷材4を設置し設けた状態を示す断面図である。板状の熱伝導性の高い材質からなる部材2を凹凸に形成し、脚部6と保冷材4を収納するスペースを一体的に設けた。又、図10は、保冷材4の収納枠5を、熱伝導性の高い材質からなる部材2の下部に設けた状態を示している。
【実施例3】
【0017】
本発明の第三の実施形態を図11に示す。熱伝導性の高い材質からなる部材2を弁当箱のような箱状に形成する。容器7と蓋8を一対とし、蓋8を開けて内部に保冷材4等を設置する。尚、箱状になっている為、保冷材の替わりに氷等入れてもよい。その際、容器7と蓋8の一部に通気穴9を設けてもよい。又、前記容器7と蓋8は、蓋8を容器7から取り外すことが出来るが、図12が示すように、容器7と蓋8の一部を連結部材10により連結させ、その部分を軸として蓋8を開閉可能にしてもよい。尚、連結部材10は、蓋8が開閉出来る構造であればどのような形状でもよい。又、容器7や蓋8の一部に通気穴9を設けてもよい。
【0018】
本発明の使用方法は、保冷具本体1が直に肌に当たらないよう、所望の箇所に当て冷却・保冷する。足を冷却・保冷する場合は、靴下やパンティストッキングや足袋等を着用したりすることが望ましい。又、図13で示すように、直に肌に当たらないよう、保冷具本体1にカバー・巾着袋等の袋等のカバー部材11を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0019】
屋内・屋外を問わず、体温を長時間に渡り冷却及び保冷が持続可能である。オフィスや工場・病院・福祉施設・避難所・体育館・学校・家庭・ペットショップ・動物病院等の屋内施設内、スポーツ観戦時や屋外イベント時・アウトドア等の屋外でも役立つ保冷具である。携帯用や持ち運びにも便利で、様々な場所へ使用可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 保冷具本体
2 熱伝導性の高い材質からなる部材
3 空間
4 保冷材
5 収納枠
6 脚部
7 容器
8 蓋
9 通気穴
10 連結部材
11 カバー部材
12 縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導性の高い材質からなる保冷具本体に、保冷効果を有する部材を設け、前記保冷効果を有する部材は、前記保冷具本体から着脱自在であることを特徴とする保冷具。
【請求項2】
前記保冷具本体を、中空構造となるよう形成したことを特徴とする請求項1記載の保冷具。
【請求項3】
中空構造である前記保冷具本体の縁部が、折り曲げて形成してあることを特徴とする請求項2記載の保冷具。
【請求項4】
前記保冷具本体に、保冷効果を有する部材が設置可能な収納枠を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の保冷具。
【請求項5】
前記保冷具本体に於いて、少なくとも一方向を開口状態になるよう形成したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の保冷具。
【請求項6】
前記保冷具本体に、脚部を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の保冷具。
【請求項7】
前記保冷具本体が容器と蓋から構成されることを特徴とする請求項1、2、4、5又は6記載の保冷具。
【請求項8】
前記保冷具本体がアルミニウムからなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の保冷具。
【請求項9】
前記保冷具本体が熱伝導性の高い樹脂からなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の保冷具。
【請求項10】
前記保冷具本体に、前記保冷具本体を入れる又は、覆う為のカバー部材を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の保冷具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−13703(P2013−13703A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162563(P2011−162563)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(511172793)
【Fターム(参考)】