説明

保冷容器

【課題】果菜類を立て姿勢に保持して物流に供する保冷容器として、結露水が立て姿勢の果菜類の穂先部分に落下するのを防止する。
【解決手段】容器本体に果菜類を収納して蓋体を被着した状態で、一側壁12aが底になるように横向きに立てた状態にする保冷容器において、容器本体10の一側壁12aと対向する側壁12bの内面12b’が、立てた状態の水平面に対し傾斜面をなし、側壁内面12b’に生じる結露水を側壁内面から周辺部の少なくとも一部分に伝い流せるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてアスパラガス等の各種果菜類の輸送、保管、特には保冷状態での輸送等に好適に使用される発泡樹脂製の保冷容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、アスパラガス等の果菜類の保管及び輸送に際しては、断熱性のある発泡樹脂製の保冷容器が使用され、通常、前記果菜類は形状維持等の理由から上下方向を揃えて立てた状態で収容されていた。例えば、アスパラガスは、容器への収納後の輸送中においても僅かに成長することから、穂先の側を上にして立てた状態を保持するようにして取り扱われる。
【0003】
果菜類を立てた状態で容器内に順次収納するのは、収納作業に手数が掛かり、かつ果菜類同士が擦れたりして傷みが生じる等の問題がある。そのため、アスパラガス等の果菜類を、一旦横方向で揃えて容器内に寝かせて収納し蓋体を被着した後、該果菜類の基部側の容器本体の一側壁が底になるように横向きにして立てた状態で、保管や輸送等の物流に供するようにした保冷容器が提案されている(特許文献1)。
【0004】
ところで、容器内に収納されるアスパラガス等の果菜類は、必要に応じて予冷処理されて保冷状態に保持されるか、あるいは予冷されずに出荷されるが、輸送中に熱を持ち、輸送及び保管等の際に容器内面に結露か生じることがある。特に、春先は予冷されないため、熱を持ちやすく結露が発生しやすい。結露が生じると、横向きに立てた状態において天井面になる穂先側の側壁内面に生じた結露が水滴となって落下ることがある。結露の水滴がアスパラガス等の果菜類の穂先部分に落下すると、果菜類の穂先を傷め、アスパラガス等の品質を低下することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−104542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、特にアスパラガス等の果菜類を収納して蓋体を被着した後、一側壁が底になるように横向きに立てた状態にして内部の果菜類を立て姿勢に保持して輸送、保管等の物流に供する保冷容器において、結露の水滴が立て姿勢のアスパラガス等の果菜類の穂先部分に落下させずに底になる一側壁の側に導くことができる保冷容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する本発明の保冷容器は、上方に開口する平面矩形の発泡樹脂製の容器本体と、容器本体に被着自在な発泡樹脂製の蓋体とからなり、果菜類を収納して蓋体を被着した状態で、容器本体の一側壁が底になるように横向きに立てた状態にして物流に供する保冷容器であって、前記容器本体の前記一側壁と対向する側壁の内面が、前記横向きに立てた状態において水平面に対し傾斜面をなし、該側壁内面に生じる結露水を該側壁内面から周辺部の少なくとも一部分に伝い流せるように形成されてなることを特徴とする。
【0008】
これにより、容器内に収納したアスパラガス等の果菜類を立て姿勢に保持するように、容器を横向きに立てた状態にしての輸送や保管等の物流作業において、立て姿勢に保持されている果菜類の穂先側の天井部、すなわち容器本体の側壁内面に結露が生じても、この結露水は該側壁内面の傾斜面により周辺部に伝い流れるため、アスパラガス等の果菜類の穂先部分に結露による水滴が落下することがない。
【0009】
前記の保冷容器において、前記容器本体の前記一側壁と対向する側壁の内面が、開口側から内奥側に向かって内方に傾斜した傾斜面をなし、前記横向きに立てた状態において該側壁内面に生じる結露水を容器本体の内奥側に伝い流せるように形成されてなるものとすることができる。
【0010】
前記の保冷容器において、前記横向きに立てた状態において内奥側になる容器本体の底部内面には、前記傾斜した側壁内面との間に所要の間隔をあけて、寝かせて収納される果菜類の茎部を受ける凸部が設けられ、該凸部に、前記側壁内面から底部内面に伝い流れる結露水を前記一側壁の側に導く溝が形成されてなるものとすることができる。
【0011】
前記の保冷容器において、前記果菜類の茎部を受ける凸部が、茎部の基部を受ける側ほど低く傾斜して前記一側壁に連続しており、前記横向きに立てた状態における前記凸部の上端側面が幅方向中央部に向かって傾斜するとともに、該凸部の幅方向中央部に前記一側壁の側に連続する溝が設けられてなるものとすることができる。
【0012】
前記の保冷容器において、前記横向きに立てた状態において底になる容器本体の一側壁の内面には、少なくとも一方向の複数の溝条により多数の凸起が形成されてなるものが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記したように本発明の保冷容器において、例えばアスパラガス等の果菜類を収納して蓋体を被着した後、一側壁が底になるように横向きに立てた状態にして内部の果菜類を立て姿勢に保持して輸送、保管等の物流に供する保冷容器において、横向きに立てた状態での天井面となる側壁内面を傾斜面にし、結露の水を周辺部に伝い流し、さらには底になる一側壁の側に導くことができ、収納された果菜類の水滴落下による傷みを防ぎ、その保護を良好になし、鮮度及び品質を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例の保冷容器の容器本体と蓋体の斜視図である。
【図2】容器本体と蓋体の断面図である。
【図3】容器本体と蓋体の正面図である。
【図4】容器本体と蓋体の側面図である。
【図5】容器本体の平面図(a)と底面図(b)である。
【図6】蓋体の平面図(a)と底面図(b)である。
【図7】容器本体に蓋体を被着した状態の図4のL1−L1線の断面図である。
【図8】果菜類を収納して横向き立てた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0016】
この実施例の保冷容器Aは、発泡樹脂製の成形容器であって、図に示すように、基本的に上方に開口する平面正方形や長方形等の平面矩形の容器本体10と、該容器本体10の開口端部10aに対し嵌合被着される蓋体30とよりなる。この保冷容器Aは、前記容器本体10の開口を上方に向けた状態で、内部に果菜類B例えばアスパラガスを揃えて収納し、蓋体30を被着した後、前記果菜類Bの茎部下端側に対向する前記容器本体10の一側壁12aが底になるように横向きに立てた状態(図8)にし、収納したアスパラガス等の果菜類Bを立て姿勢に保持して、保管や輸送等の物流に供することができるように構成されている。
【0017】
前記容器本体10は、底部11と四方の側壁、例えば短辺側の相対向する側壁12a,12bと長辺側の相対向する側壁13a,13bとからなり、果菜類Bを容器長手方向に揃えて収納するように形成されている。図示する実施例の場合、前記容器本体10において、収納した果菜類Bの茎部下端側に対向する短辺側の一側壁12aの内面には、少なくとも容器深さ方向、好ましくは図のように容器深さ方向と横方向の凹溝14により画された複数の凸起15が形成されており、図8のように保冷容器Aを立てた状態において果菜類Bの茎部下端が凸起15に当接するようになっている。
【0018】
そして、容器本体10の前記一側壁12aと対向する側壁12bの内面、すなわち収納した果菜類Bの穂先側が対向する側壁12bの内面12b’は、保冷容器Aを横向きに立てた状態において水平面に対して少なくとも一方に傾斜した傾斜面をなしており、該側壁12bの内面12b’に生じる結露水を、該側壁内面12b’の部分から周辺部の少なくとも一部分に伝い流せるように形成されている。
【0019】
図の場合、前記側壁内面12b’は、容器本体10の開口側から内奥側に向かって内方に傾斜した傾斜面、すなわち保冷容器Aを横向きに立てた状態において、該側壁内面12b’に生じる結露水を容器本体10の内奥側(底部11の側)に伝い流せるように形成されている。符号16は、前記側壁内面12b’に形成された傾斜方向に沿う凹溝である。
【0020】
前記側壁内面12b’の傾斜面としては、結露水を周辺部の少なくとも一部に伝い流せるように傾斜した傾斜面であれば、例えば、長辺側の側壁13a,13bの一方から他方の側に向かって内方に傾斜したもの、あるいは側壁12bの幅方向中央部から両側壁13a,13bの側に向かって内方に傾斜したもの、あるいは内奥側から開口側に向かって内方に傾斜したもの等、どのような傾斜面であってもよいが、実施上は、容器本体10の発泡成形後の型抜き等の関係から、図示するように開口側から内奥側に向かって内方に傾斜しているのが好ましい。この場合、幅方向中央部から両側壁13a,13bの側に向かっても傾斜するものであってもよい。
【0021】
図示する実施例の容器本体10の場合、開口よりみて内奥側の底部11の内面には、前記側壁12bの内面12b’との間に少なくとも果菜類Bの穂先部分を収納できる所要の間隔をあけて、寝かせて収納される果菜類Bの茎部を受ける支えとしての役目をする凸部17が設けられている。果菜類Bの支えの凸部17としては、収納される果菜類Bの種類に応じた任意の形状にして実施できる。例えば、図示する実施例の場合は、果菜類Bが茎部下端側ほど太くなっているアスパラガス等の収納に適するように、果菜類Bの茎部の下部を受ける側ほど低く、つまり前記一側壁12aの側ほど低く傾斜した形状の凸部17が形成されており、保冷容器Aを横向きに立てた状態においてアスパラガス等の果菜類Bを立て姿勢に安定性よく保持できるようになっている。後述するように、容器本体10に被着される蓋体30にも、前記底部11の凸部17と対向して同様の支えとなる凸部を設けておくのが好ましい。
【0022】
前記底部11における凸部17は、前記側壁12bの内面12b’と対向する側の端面17a、すなわち保冷容器Aを横向きに立てた状態の時の上端側の端面17aが、底部11からアール曲面で連続して、かつ凸部17の傾斜した前面にアール曲面で連続しており、前記側壁内面12b’から底部11の内面に伝い流れて凸部17に至る結露水が該端面17aの上に溜まらないようになっている。さらに、この凸部17には結露水を前記一側壁12aの側に導く溝18を形成しておくのが望ましい。特に、下方に伝い流れる結露水が前記凸部17の傾斜した前面を流れることになると、該前面に当接している果菜類Bの茎部に接触し果菜類を傷めるおそれがあるので、例えば図のように、前記凸部17の端面17aを、幅方向中央部に向かって傾斜させるとともに、該凸部17の幅方向中央部に前記一側壁12aにまで連続する溝18を形成しておき、前記凸部17の端面17a上の結露水を前記溝18の部分に導き、該溝18内を通して果菜類Bに接触させない側壁12aの側に導くようにするのが好ましい。
【0023】
なお、前記の溝18として、図示する実施例の場合は、凸部17の幅方向の中央部に形成しているが、このほか、幅方向に間隔を開けて複数の溝を形成しておくこともできる。
【0024】
また、前記容器本体10の長辺側の側壁13a,13bの内面には、本来の側壁内面に対して凹をなす上下方向の凹条19が、容器周方向に所定の間隔で形成されることにより、該凹条19と、各凹条19,19間に残余させた凸条20とによる波形凹凸状をなしており、上下方向の凸条20が段積み荷重等の上方からの荷重や、側壁13a,13bの内外方向への曲げ荷重に対して、補強リブ的な作用を果たすことで、所定の強度を保持しながら、前記凹条19による薄肉化を可能にされている。
【0025】
前記蓋体30には、前記容器本体10の開口端部10aに嵌合する周縁部30aを除く内方部31に、前記容器本体10の底部11の凸部17と対向して、収納した果菜類Bの茎部を抑えあるいは支えとなる凸部37が内方に突出形成されている。この凸部37についても、容器本体10に対する蓋体30の被着状態において、収納される果菜類Bの種類に応じた任意の形状にして実施できるが、図の実施例の場合は、容器本体10に蓋体30を被着した状態において前記凸部17と対称の配置及び形態をなすように、前記側壁12bの内面12b’との間に間隔をおいて、かつ果菜類Bの茎部の下部を受ける前記一側壁12aの側ほど低く傾斜した形状に形成されている。さらに該凸部37の幅方向中央部には前記溝18に対応する溝38が形成されている。なお、蓋体30の凸部37を省略して実施することもできる。
【0026】
前記容器本体10と蓋体30との嵌合構造としては、例えば、容器本体10の開口端部10aと、これに対応する蓋体30の周縁部30aとに、全周にわたって連続する凸縁と切欠段部とによる相欠き形状の嵌合部を設けておく等、横向きに立てた状態においても被着状態が容易に外れないような種々の嵌合構造による実施が可能であるが、図示する実施例の場合は、次のような構成をなしている。
【0027】
前記容器本体10の各コーナー部の上面に平面L形の嵌合凸部22が形成され、蓋体30の各コーナー部の下面に、前記嵌合凸部22に嵌合する嵌合凹部32が設けられている。また、前記容器本体10の開口端部10aの各辺部の中央部に切欠き部23が形成されるとともに、これに対応する蓋体30の周縁部30aの各辺部の下面中央部に前記切欠き部23に嵌合する垂下片33が設けられている。さらに短辺側の側壁12a,12bの切欠き部23の端縁部分と前記垂下片33の端縁部分とが、相欠き形状の凸縁24,34と段部25,35とにより嵌合可能に設けられ、また、長辺側の側壁13a,13bの切欠き部23の端縁部分と前記垂下片33の端縁部分とは、切欠き部23の端面に設けられた凹部26と前記垂下片33の下端に前記凹部26に弾力的に嵌合する凸部36が設けられている。これにより、果菜類Bを収納した容器本体10を積み重ねて予冷する際には、各容器本体10をずらせたりせずに切欠き部23から冷気を取り込むことができ、かつ、蓋体30を被着した状態においては、両者の前記凸縁24,34と前記段部35,25とが相互に嵌合し、さらに凹部26と凸部36とが嵌合することで、蓋体被着状態及び密封状態を良好に保持できるようになっている。
【0028】
図の場合、前記蓋体30の周縁部30aにおける前記容器本体10の側壁12bに対応する辺部の側には、前記垂下片33の内側から内方部31の下面に連続する傾斜面39が形成されており、蓋体30の垂下片33の内面に生じる結露水や、前記側壁12bから蓋体30側に伝い流れる結露水を下方に導き易くなっている。
【0029】
前記容器本体10及び蓋体30の構成材である発泡樹脂としては、例えば、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−エチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、あるいはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等の各種の熱可塑性の合成樹脂の発泡体を用いることができる。中でも、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂のビーズ発泡による成形体が好適に用いられる。前記発泡体の発泡倍率は10〜70倍が好ましい。
【0030】
上記した本発明の実施例の保冷容器Aによれば、上向きに開口している容器本体10内に、アスパラガス等の果菜類Bを、上下方向を揃えて、例えばアスパラガスの場合は穂先の側を揃えて、茎部下端側を一側壁12aの側にして、底部11に有する凸部17上に茎部を置くように寝かせて収納する。この状態で必要に応じて予冷を行って、あるいは予冷しないで蓋体30を容器本体10の開口端部10aに嵌合被着した後、該果菜類Bの茎部下端側と対向する側壁12aが底になるように横向きに立てた状態にして(図8)、内部の果菜類Bを立て姿勢に保持し、出荷、輸送及び保管等の物流に供する。
【0031】
この物流作業において、立て姿勢に保持されている内部の果菜類Bの穂先側に対向する天井面、すなわち容器本体10の前記一側壁12aに対向する側壁12bの内面12b’に結露が生じても、前記側壁内面12b’が傾斜面、例えば開口側から内奧側への傾斜面をなしているために、前記側壁内面12b’に生じた結露水は、該内面の傾斜に沿って周辺部の少なくとも一部、例えば容器本体10の内奧側つまり底部11側に伝い流れる。そのため、前記結露水が水滴になって果菜類Bの穂先部分に落下することがなく、果菜類Bを傷めることがない。
【0032】
特に、図のように、収納される果菜類Bの茎部を支える凸部17が設けられている場合において、該凸部18に結露水を前記一側壁12aの側に導く溝18が形成されていることにより、収納した果菜類Bを凸部17により立て姿勢に良好に保持しながら、底部11を伝い流れる結露水を、前記溝18により下方の前記一側壁12aの側に導くことができ、下方に伝い流れる結露水が果菜類Bの茎部に接触することもなく、果菜類を傷めるおそがない。さらに、前記凸部17の立てた状態での上端側の端面17aを、幅方向中央部に向かって傾斜させ、かつ凸部17の幅方向中央部に一側壁12aに達する溝18が形成されていると、底部11から凸部17の端面17a上の伝い流れた結露水を前記溝18の部分に導きやすくなり、そのため前記結露水を溝18を通して側壁12aの側に導くことがてき、果菜類Bに結露水を接触させるおそれがない。
【0033】
また、前記のようにして一側壁12aに達した結露水は、該側壁12aの内面の凹溝14に溜まることになるため、凸起15上に接して立て姿勢に保持されている果菜類Bには殆ど接触することがない。
【0034】
したがって、例えばアスパラガス等の果菜類を収納して蓋体を被着した後、一側壁が底になるように横向きに立てた状態にして内部の果菜類を立て姿勢に保持して輸送、保管等の物流に供する保冷容器において、結露水が収納した果菜類の穂先部分に落下、接触するのを防止でき、果菜類の保護を良好になすことができる。
【0035】
なお、上記した実施例では、短辺側の側壁12a,12bを天地にして横向きに立てた状態にして物流に供する容器の例について説明したが、本発明は、長辺側の側壁13a,13bを天地にして、横向きに立てて物流に供する容器においても、上記と同様に実施することができる。
【符号の説明】
【0036】
A…保冷容器、B…果菜類、10…容器本体、10a…開口端部、11…底部、12a,12b…側壁、12b’…側壁内面、13a,13b…側壁、14…凹溝、15…凸起、16…凹溝、17…凸部、18…溝、19…凹条、20…凸条、22…嵌合凸部、23…切欠き部、24…凸縁、25…段部、26…凹部、30…蓋体、30a…周縁部、31…内方部、32…嵌合凹部、33…垂下片、34…凸縁、35…段部、36…凸部、37…凸部、38…溝、39…傾斜面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する平面矩形の発泡樹脂製の容器本体と、容器本体に被着自在な発泡樹脂製の蓋体とからなり、果菜類を収納して蓋体を被着した状態で、容器本体の一側壁が底になるように横向きに立てた状態にして物流に供する保冷容器であって、
前記容器本体の前記一側壁と対向する側壁の内面が、前記横向きに立てた状態において水平面に対し傾斜面をなし、該側壁内面に生じる結露水を該側壁内面から周辺部の少なくとも一部分に伝い流せるように形成されてなることを特徴とする保冷容器。
【請求項2】
前記容器本体の前記一側壁と対向する側壁の内面が、開口側から内奥側に向かって内方に傾斜した傾斜面をなし、前記横向きに立てた状態において該側壁内面に生じる結露水を容器本体の内奥側に伝い流せるように形成されてなる請求項1に記載の保冷容器。
【請求項3】
前記横向きに立てた状態において内奥側になる容器本体の底部内面には、前記傾斜した側壁内面との間に所要の間隔をあけて、寝かせて収納される果菜類の茎部を受ける凸部が設けられ、該凸部に、前記側壁内面から底部内面に伝い流れる結露水を前記一側壁の側に導く溝が形成されてなる請求項1又は2に記載の保冷容器。
【請求項4】
前記果菜類の茎部を受ける凸部が、茎部の基部を受ける側ほど低く傾斜して前記一側壁に連続しており、前記横向きに立てた状態における前記凸部の上端側面が幅方向中央部に向かって傾斜するとともに、該凸部の幅方向中央部に前記一側壁の側に連続する溝が設けられてなる請求項3に記載の保冷容器。
【請求項5】
前記横向きに立てた状態において底になる容器本体の一側壁の内面には、少なくとも一方向の複数の溝条により多数の凸起が形成されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の保冷容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−180109(P2012−180109A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44357(P2011−44357)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】