説明

保存溶液における標的の検出方法

本発明は、アルコール性保存溶液中で標的物質を検出するのに有用な、およびそのような標的への結合に有用なセンサーを同定するための、方法、物品ならびに組成物に関する。本方法は、試料の十分な固定化および試料における対象となる標的への検出可能なセンサーの結合の同時実行を可能にする。一つの局面において、アルコール性保存溶液において、標的を含むのではないかと疑われる試料を、そのような標的に結合することが知られている検出可能なセンサー分子と接触させる段階を含む方法が提供される。本方法は、複数の標的の同時分析を可能にする多重形式で行われうる。アルコール性保存溶液において所望の標的に結合する能力があるセンサーを同定するための方法もまた提供される。1つまたは複数のそのような検出可能なセンサーを含むアルコール性保存溶液もまた提供される。また、そのような過程により供給された結合したセンサーを含む試料も提供される。また、そのような方法に有用なキットも提供される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、アルコール性保存溶液中で標的物質を検出するのに有用な、およびそのような標的への結合に有用なセンサーを同定するための、方法、製品ならびに組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
医学的診断検査方法は、病的状態の早期発見のための重要なスクリーニングツールである。早期発見は、治療の成功がより可能性が高い段階でそのような状態の同定を可能にする。早期治療はまた、しばしば、与える損傷がより少ないまたはより低侵襲性の治療方法を含み、患者への影響を減少させる。日常的スクリーニングに加えて、診断検査はまた、生検分析および進行中の医学的治療の結果をモニターすることを含む、様々な他の適用に用いられる。
【0003】
特定の成分の存在について医学的試料のような試料を分析する典型的な方法は、行われることになっている特定のアッセイ法に依存して、固定化、染色、透過化処理、インサイチューハイブリダイゼーション、ならびに他の酵素的および/または化学的処理のような多数の処理段階を含みうる。
【0004】
試料から得られうる診断的情報量への制限は、入手されかつ容易に操作されうる試料のサイズ、複数の検査を行うために必要とされる処理時間、シグナルの損失なしの複数の処理段階に対する試料の耐容能、および分析の複数の方法を行うための費用を含む。
【0005】
医学的試料は、しばしば、当技術分野において公知の様々な技術を用いて染色される。多数の染色溶液は、多くがまた固定化段階を必要としているのだが、アルコールのような定着剤を含む。しばしば、試料に存在しているまたは存在している可能性がある様々な種に関する追加の情報を得ること、および/または試料に存在する可能性があるが、染色方法を用いて十分には取り調べられることができない、ウイルスまたは他の細胞性もしくは他の種のようなより小さい成分についての情報を得ることは、望ましい。
【0006】
インサイチューハイブリダイゼーションのようなより正確な分子技術の使用は、染色技術よりずっと詳細な試料からの情報を提供することができる。しかしながら、インサイチューハイブリダイゼーションは、固定化、スライドへの移動、溶液勾配を通しての段階を追っての操作、カバースリップ、長たらしいハイブリダイゼーション段階、洗浄、乾燥および他の処理段階を含む、試料の多数の単調で退屈な操作を必要とする。そのような方法は、時間がかかり、多数の段階において厳格な配慮を必要とする。
【0007】
試料を分析するための改善された手順ならびにそのような方法に有用な組成物および製造品についての、当技術分野における必要性がある。
【発明の開示】
【0008】
発明の概要
本発明は、アルコール性保存溶液中で標的物質を検出するにおいて有用な、およびそのような標的への結合に有用なセンサーを同定するための、方法、製品ならびに組成物に関する。方法は、試料の十分な固定化および試料における対象となる標的への検出可能なセンサーの結合の同時実行を可能にする。一つの局面において、アルコール性保存溶液において、標的を含むのではないかと疑われる試料を、そのような標的に結合することが知られている検出可能なセンサー分子と接触させる段階を含む方法が提供される。方法は、複数の標的の同時分析を可能にする多重形式で行われうる。アルコール性保存溶液において所望の標的に結合する能力があるセンサーを同定するための方法もまた提供される。1つまたは複数のそのような検出可能なセンサーを含むアルコール性保存溶液もまた提供される。また、そのような過程により供給された結合したセンサーを含む試料も提供される。また、そのような方法に有用なキットも提供される。
【0009】
発明の詳細な説明
本発明者らは、都合の良いことに、センサー分子のアルコール含有保存溶液への組み込みが1つの溶液における複数の細胞学的手順の実行を可能にし、それにより試料を処理するのに必要とされる段階の数および時間量を減少させ、かつ与えられた時間において与えられた試料において実行されうるアッセイの数を増加させることを発見した。
【0010】
例えば、FISH手順は、扱いにくく、多数の段階および操作を必要とするのだが、核酸標的を検出しうるPNAプローブのようなセンサーを含むPreservCytのようなアルコール性保存溶液内で行われる場合には、簡単にされうる。これは、都合の良いことには、PreservCyt中のメタノールが定着剤としても働くことができるため、時間のかかる無用の固定化段階の必要性を排除する。
【0011】
本発明者らは、FISH(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション)によるPreservCyt(登録商標)における黄色ブドウ球菌(Staphlococcus aureus)およびカンジダアルビカンス(Candida albicans)の微生物検出のためのPNAプローブの利用を実証する研究を行った。本発明者らは、PNAプローブでのFISHがPreservCytの溶液基質内で効果的に実行されうることを実証した。通常の方法において、ハイブリダイゼーション事象は、最適な実行のために新鮮であることを必要とする血液培養検体から調製されたスライド上で行われる。PreservCytの保存力の良質のために、PNA標的(rRNA配列)の安定性はよく維持される。本発明者らの研究は、rRNA完全性がPreservCytにおいて維持され、少なくとも4年間、PNA FISHにより検出可能であることを示している。本発明者らはまた、ハイブリダイゼーション事象がPreservCytにおいて、室温で少なくとも23日間、安定したままであることを測定した。これは、都合の良いことには、以前に得られた試料の遡及的分析の方法を提供する。従って、アルコール性保存溶液における長期間の保存後、標的を検出するための検出方法もまた提供される。標的を検出する方法は、1週間、2週間もしくは3週間後、または1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月もしくは9ヶ月後、または1年、2年、3年、4年もしくはそれ以上の後、行われうる。
【0012】
本発明は、モデル系としてPNA FISHによるカンジダアルビカンスおよび黄色ブドウ球菌の検出により例示されているが、これらの生物体を検出する方法に限定されない。方法は、他の感染性または病理学的作用物質(ウイルスを含む)の検出、および点突然変異または他の染色体異常(すなわち、異数性を検出しうる動原体プローブ)の同定のような遺伝分析に適用されうる。
【0013】
本方法はまた、アルコール性保存溶液における分子アッセイ法、例えば増幅反応、例えばPCR、のために用いられ、例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV)の特定の選択された株、例えば病原性株を、他の選択されていない株、例えば非病原性株の検出を避けると同時に、検出するために、望ましくない標的の増幅をブロックしうる1つまたは複数のPNAプローブの使用を含む。方法は多重形式で用いられうる。本方法はまた、所望の標的に結合する能力について候補センサーを試験するために用いられうる;そのような試験は、多重形式で、例えば、化合物、例えば、低分子、有機分子および/もしくは無機分子、のライブラリー、または混合物から所望の結合プロファイルをもつアプタマーを同定するための試験オリゴヌクレオチドの混合物を用いて、なされうる。
【0014】
癌の病理学的診断は、一般的に、悪性を示す形態学的異常を同定するために単細胞または組織生検の顕微鏡検査を必要とする。補助的な実験室試験は、形態学的検査を補強しうる。これらの試験は、以下のものの検出を含む:染色体異常(例えば、増幅、欠失または転座)、異常発現された酵素、タンパク質または脂質または糖質。異なる分析方法が異常な細胞成分を実証するために用いられうるが、それらは、最初の形態学的検査に用いられた細胞とは異なる、組織切片、フルイドサスペンションまたは顕微鏡スライドのいずれかにおける細胞群について行われる。これは、診断プロセスの難題を生み出しうる。
【0015】
本明細書に記載された方法は、中心体特異的センサーを用いることにより試料に存在する中心体を分析するために用いられうる。現在、中心体の計数は、悪性度またはそれの前兆についての診断の補助的手段として実施されていない。一つのバリエーションにおいて、細胞形態学および中心体数の計数についての同時的評価のための方法が提供され、その結果、両方の要素に関する情報を組み合わせることにより、正常対異常のより正確な分類が決定されうる。例えば、ThinPrepスライドは、保存された細胞から調製され、パパニコロー(Papanicolaou)染色手順にかけられうる。細胞は、染色手順の前または後のいずれかで、中心体標的に特異的な検出可能なセンサーと接触されうる。スライドは、形態学的特徴および中心体特異的センサーの特異的結合の測定のために特定の、確定した光の波長により調べられる。自動画像化システム、例えばThinPrep(登録商標)Imaging Systemが検出可能なセンサーを結合することによって中心体の数を定量化するために用いられうる。
【0016】
保存溶液におけるセンサーへの曝露後、試料は、センサーが標的に結合したかどうかを測定するように取り調べられうる。取り調べは、溶液中に試料を含む容器において行われうる、または異なる容器へ、もしくは支持体、例えば、フィルター、スライドもしくはカバースリップへ、試料の一部または全部の移動後、行われうる。試料は、形態学的特徴、および標的とセンサーの存在の特異的結合の測定のために1つまたは複数の特定の確定した光の波長で取り調べられうる。
【0017】
試料は、手作業でおよび/または適切な装置、例えば、自動画像化システム、により分析されうる。例示的自動画像化システムは、Cytyc CorporationのThinPrep(登録商標)Imaging System、TriPath FocalPoint(商標)Profiler、ChromaVision Acis(登録商標)System、CompuCyt iCyte Imaging System、Applied Imaging CytoVision(商標)System、およびVeracel Verasys Imaging Systemを含む。これらのような装置は、アルコール性保存染色溶液へ組み込まれるべきセンサー上に用いられる追加の標識についての1つまたは複数の検出系を組み込むように改変されうる。例えば、装置は、保存溶液に添加されたセンサー(および/またはそれらの標識)により供給される1つまたは複数の特定の波長を検出および/または分析するように適応されうる。標的が中心体である場合、自動画像化システムは、試料に結合した中心体特異的センサーの量または数を検出することにより中心体の数を定量化するために用いられうる。
【0018】
本発明がさらに詳細に記載される前に、本発明は、記載された特定の方法、溶液または装置に限定されず、そのような方法、溶液または装置が、当然ながら、変わりうるのだが、それは理解されるべきである。本明細書に用いられる専門用語は、特定の態様のみを記載することを目的とし、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0019】
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」の使用は、文脈が明らかに他に規定しない限り、複数形への言及を含む。従って、例えば、「1つの試料」への言及は複数の試料を含み、「1つのセンサー」への言及は複数のそのようなセンサーを含み、「1つの標的」への言及は複数の標的を含むなど。さらに、「2つの」「3つの」などのような特定の複数形の言及の使用は、文脈が明らかに他に規定しない限り、同じ対象のより大きな数として読める。
【0020】
「接続した(connected)」、「付着した(attached)」および「連結した(linked)」は本明細書で交換可能に用いられ、文脈が明らかに他に規定しない限り、直接的および間接的な接続(connection)、付着(attachment)、連結(linkage)または結合(conjugation)を含む。値の範囲が挙げられている場合、挙げられたその範囲の上限と下限の間の、間にある各整数値、およびそれらの各小数部もまた、そのような値の間の各部分的範囲と共に、具体的に開示されることは理解されるべきである。任意の範囲の上限および下限は、独立して、範囲に含まれうるかまたは範囲から除外されうるかで、どちらかの限界が含まれる、どちらの限界も含まれない、または両方の限界が含まれる各範囲もまた、本発明内に含まれる。考察されようとしている値が固有の限界を有する場合、例えば、成分が0%から100%までの濃度で存在しうる場合、または水溶液のpHが1から14までの範囲でありうる場合、それらの固有の限界は、具体的に開示される。値が明確に挙げられている場合、挙げられた値とおよそ同じ量である値もまた本発明の範囲内であり、それらに基づいた範囲も同様であることは、理解されるべきである。組み合わせが開示されている場合、その組み合わせの要素の各下位組み合わせもまた、具体的に開示され、本発明の範囲内である。逆に、異なる要素または要素の群が開示されている場合、それらの組み合わせもまた開示される。本発明の任意の要素が複数の代替物を有するとして開示されている場合、各代替物が、単独で、または他の代替物との任意の組み合わせで除外されるその発明の例もまた、本明細書により開示されている;発明の複数の要素がそのような除外を含み得、そのような除外を含む要素のすべての組み合わせは本明細書により開示されている。
【0021】
他に定義されていない、または文脈が明らかに他に規定しない限り、本明細書に用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における業者により一般に理解されているのと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと類似または等価の任意の方法および材料は、本発明の実施または試験に用いられうるが、好ましい方法および材料は今、記載されている。
【0022】
用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」は、本明細書で交換可能に用いられ、任意の長さのヌクレオチドの重合体形を指し、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、それらの類似体、またはそれらの混合物を含みうる。これらの用語は、分子の一次構造へのみ言及する。従って、三本鎖、二本鎖および一本鎖のデオキシリボ核酸(「DNA」)、加えて三本鎖、二本鎖および一本鎖のリボ核酸(「RNA」)を含む。それはまた、ポリヌクレオチドの、例えば、アルキル化によりおよび/またはキャッピングにより修飾された型、ならびに修飾されていない型を含む。
【0023】
与えられたアッセイ形式についての適切なハイブリダイゼーション条件は、当業者により決定されうる;調整されうる非限定的パラメーターは、アッセイ成分の濃度、pH、用いられる塩およびそれらの濃度、イオン強度、温度などを含む。
【0024】
より具体的には、用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含む)、スプライスされているかいないかにかかわらず、tRNA、rRNA、hRNA、およびmRNAを含むポリリボヌクレオチド(D-リボースを含む)、プリンもしくはピリミジン塩基のN-またはC-グリコシドであるポリヌクレオチドの任意の他の型、ならびに、ペプチド核酸(PNA)を含む代替のバックボーンを含む他の重合体、および重合体が、DNAおよびRNAに見出されるような塩基対形成および塩基スタッキングを可能にする立体配置で核酸塩基を含むという条件での他の合成配列特異的核酸重合体を含む。用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」の間で長さにおける意図された区別はなく、これらの用語は、本明細書で交換可能に用いられる。これらの用語は、分子の一次構造へのみ言及する。従って、これらの用語は、例えば、3'-デオキシ-2',5'-DNA、オリゴデオキシリボヌクレオチドN3'P5'ホスホラミデート、2'-O-アルキル-置換RNA、二本鎖および一本鎖DNA、加えて二本鎖および一本鎖RNA、ならびに、例えば、DNAおよび/またはRNAおよび/またはPNAおよび/または他の型の間のハイブリッドを含むそれらのハイブリッドを含み、また、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの非修飾型だけでなく、公知の型の修飾、例えば、標識、アルキル化、「キャップ」、ヌクレオチドのうちの1個または複数の類似体での置換、例えば、負荷電結合をもつもの(例えば、ホスホロチオネート、ホスホロジチオネートなど)のようなヌクレオチド間修飾、例えばタンパク質(酵素(例えば、ヌクレアーゼ)、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リシンなど)のようなペンダント部分を含むもの、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)をもつもの、キレート(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化的金属などの)を含むもの、アルキレーターを含むもの、改変された結合をもつもの(例えば、αアノマー核酸など)、を含む。
【0025】
本明細書に用いられる場合、用語「ヌクレオシド」および「ヌクレオチド」は、公知のプリンおよびピリミジン塩基だけでなく、修飾された他の複素環式塩基もまた含むそれらの部分を含むことは、認識されていると思われる。そのような修飾は、メチル化プリンもしくはピリミジン、アシル化プリンもしくはピリミジン、または他の複素環を含む。修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドはまた、糖部分における修飾、例えば、1つまたは複数の水酸基が、ハロゲン、脂肪族基で置換されている、またはエーテル、アミンなどとして官能性をもたせられている、を含む。用語「ヌクレオチドユニット」は、ヌクレオシドおよびヌクレオチドを含むことを意図される。
【0026】
さらに、ヌクレオチドユニットへの修飾は、それぞれの相補的なピリミジンまたはプリンへの水素結合を形成するプリンまたはピリミジン上の官能基を再編成する、付加する、取り換える、または変化させることを含む。結果として生じる修飾されたヌクレオチドユニットは、任意で、A、T、C、G、またはUとではなく、他のそのような修飾されたヌクレオチドユニットと塩基対を形成しうる。ポリヌクレオチドの機能を妨げない脱塩基部位が組み入れられうる;好ましくは、ポリヌクレオチドは脱塩基部位を含まない。ポリヌクレオチドにおける残基の一部または全部は、任意で、1つまたは複数の方法で修飾されうる。
【0027】
例示的修飾ヌクレオチドユニットは、アジリジニルシトシン、4-アセチルシトシン、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルアデニン、1-メチルプソイドウラシル、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルクエオシン(beta-D-mannosylqueosine)、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N-6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、プソイドウラシル、クエオシン(queosine)、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸、2,6-ジアミノプリン、ならびに「ロックド(locked)」核酸ユニット(LNA)およびその類似体を含む。Koshkin, et al., Tetrahedron Letters 1998 39:4381-4384;国際公開公報第99/14226号。
【0028】
標準A-TおよびG-C塩基対は、チミジンのN3-HおよびC4-オキシと、アデノシンの、それぞれに、N1およびC6-NH2との間、ならびにシチジンのC2-オキシ、N3およびC4-NH2と、グアノシンの、それぞれに、C2-NH2、N'-HおよびC6-オキシとの間に水素結合の形成を可能にする条件下で形成する。従って、例えば、グアノシン(2-アミノ-6-オキシ-9-β-D-リボフラノシル-プリン)は、イソグアノシン(2-オキシ-6-アミノ-9-β-D-リボフラノシル-プリン)を形成するように修飾されうる。そのような修飾は、結果として、もはやシトシンと標準塩基対を効果的には形成しないヌクレオシド塩基を生じる。しかしながら、イソシトシン(1-β-D-リボフラノシル-2-アミノ-4-オキシ-ピリミジン)を形成するシトシン(1-β-D-リボフラノシル-2-オキシ-4-アミノ-ピリミジン)の修飾は、結果として、グアノシンと効果的には塩基対形成しないが、イソグアノシンとの塩基対を形成する修飾ヌクレオチドを生じる。イソシトシンは、Sigma Chemical Co.(St. Louis, MO)から入手できる;イソシチジンは、Switzer et al. (1993) Biochemistry 32:10489-10496およびそれに引用された参照文献により記載される方法により調製されうる;2'-デオキシ-5-メチル-イソシチジンは、Tor et al. (1993) J. Am. Chem. Soc. 115:4461-4467およびそれに引用される参照文献の方法により調製されうる;ならびに、イソグアニンヌクレオチドは、Switzer et al. (1993) 前記およびMantsch et al. (1993) Biochem. 14:5593-5601により記載された方法を用いて、またはCollins et al.の米国特許第5,780,610号に記載された方法により、調製されうる。他の非天然の塩基対は、2,6-ジアミノピリミジンおよびその相補体(1-メチルピラゾロ-[4,3]ピリミジン-5,7-(4H,6H)-ジオン)の合成についてPiccirilli et al. (1990) Nature 343:33-37に記載された方法により合成されうる。Leach et al. (1992) J. Am. Chem. Soc. 114:3675-3683およびSwitzer et al.(前記)に記載されたもののような、独特の塩基対を形成する他のそのような修飾ヌクレオチドユニットが知られている。
【0029】
「相補的な」または「実質的に相補的な」とは、例えば、センサーペプチド核酸と標的ポリヌクレオチドの間のような、ヌクレオチドもしくは核酸間でハイブリダイズするまたは塩基対形成する能力を指す。相補的ヌクレオチドは、一般的に、AとT(またはAとU)、またはCとGである。2つの一本鎖ポリヌクレオチドまたはPNAは、最適に整列および比較され、かつ適切な挿入または欠失を含む一方の鎖の塩基が、他方の鎖の塩基の少なくとも約80%、通常には少なくとも約90%〜95%、およびより好ましくは約98%から100%までと対形成する場合、実質的に相補的であると言われる。
【0030】
または、実質的相補性は、ポリヌクレオチドまたはPNAがそれの相補体へ選択ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする場合に存在する。典型的には、選択ハイブリダイゼーションは、少なくとも14個〜25個の塩基のひと続きに対して少なくとも約65%相補、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約90%相補がある場合に起こる。M. Kanehisa Nucleic Acids Res. 12:203 (1984)を参照。
【0031】
「優先的結合」または「優先的ハイブリダイゼーション」は、試料における非相補的重合体と比較した場合、試料においてそれの相補体に結合する1つのポリヌクレオチドまたはPNAの増加した性向を指す。
【0032】
ハイブリダイゼーション条件は、典型的には、約1 M未満、より通常には約500 mM未満、および好ましくは約200 mM未満の塩濃度を含む。ペプチド核酸または他の類似した核酸とポリヌクレオチドの間のハイブリダイゼーションの場合、ハイブリダイゼーションは、有るか無しかの塩を含む溶液中で行われうる。ハイブリダイゼーション温度は、5℃ほどでありうるが、典型的には、22℃より高い、より典型的には約30℃より高い、および好ましくは約37℃を超える。より長い断片は、特異的ハイブリダイゼーションのためにより高いハイブリダイゼーション温度を必要としうる。他の因子がハイブリダイゼーションのストリンジェント性に影響を及ぼしうり、相補鎖の塩基組成および長さ、有機溶媒の存在、ならびに塩基ミスマッチの程度を含み、用いられるパラメーターの組み合わせは、いずれか1つ単独の絶対的測定より重要である。制御されうる他のハイブリダイゼーション条件は、緩衝液の型および濃度、溶液pH、反復配列のようなバックグラウンド結合を減少させるブロッキング試薬またはブロッキングタンパク質溶液の存在および濃度、界面活性剤の型および濃度、ポリヌクレオチドの相対的濃度を増加させる重合体のような分子、金属イオンおよびそれらの濃度、キレート化剤およびそれらの濃度、ならびに当技術分野において公知の他の条件を含む。
【0033】
用語「アプタマー」(または「核酸抗体」)は、所望の標的分子をそれの形によって認識かつ結合する一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドを指すために本明細書に用いられる。例えば、国際公開公報第92/14843号、第91/19813号、および第92/05285号を参照。
【0034】
「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書で交換可能で用いられ、ペプチド結合を通して連結されたアミノ酸の分子鎖を含む。その用語は、産物の特定の長さに言及しない。従って、「ペプチド」、「オリゴペプチド」および「タンパク質」は、ポリペプチドの定義内に含まれる。その用語は、ポリペプチドの翻訳後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、硫酸化、を含むポリペプチドを含む。さらに、タンパク質断片、類似体(遺伝暗号によりコードされないアミノ酸、例えば、ホモシステイン、オルニチン、D-アミノ酸およびクレアチン、を含む)、天然もしくは人工の突然変異体または変異体またはそれらの組み合わせ、融合タンパク質、誘導体化残基(例えば、アミン基のアルキル化、カルボキシル基のアセチル化またはエステル化)などがポリペプチドの意味の内に含まれる。
【0035】
本明細書に用いられる場合、用語「結合ペア」は、試料における他の成分へよりも高い親和性でお互いに特異的に結合する第一および第二分子を指す。結合ペアのメンバー間の結合は、典型的には、非共有結合性である。例示的結合ペアは、免疫学的結合ペア(例えば、対応する抗体またはその結合部分もしくは断片と組み合わせた任意のハプテンまたは抗原性の化合物、例えば、ジゴキシゲニンおよび抗ジゴキシゲニン、フルオレセインおよび抗フルオレセイン、ジニトロフェノールおよび抗ジニトロフェノール、ブロモデオキシウリジンおよび抗ブロモデオキシウリジン、マウス免疫グロブリンおよびヤギ抗マウス免疫グロブリン)、および非免疫学的結合ペア(例えば、ビオチン-アビジン、ビオチン-ストレプトアビジン、ホルモン[例えば、チロキシンおよびコルチゾール]-ホルモン結合タンパク質、受容体-受容体アゴニストまたはアンタゴニスト(例えば、アセチルコリン受容体-アセチルコリンまたはその類似体)、IgG-プロテインA、レクチン-糖、酵素-酵素補因子、酵素-酵素阻害剤、および核酸二重鎖を形成する能力がある相補的ポリヌクレオチドペア)などを含む。結合ペアの1つまたは両方のメンバーは、追加の分子に結合されうる。
【0036】
本明細書に用いられる場合、用語「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル調製物の両方から得られる抗体、加えて以下のものを含む:ハイブリッド(キメラ)抗体分子(例えば、Winter et al. (1991) Nature 349:293-299;および米国特許第4,816,567号を参照);F(ab')2およびF(ab)断片;Fv分子(非共有結合性ヘテロ二量体、例えば、Inbar et al. (1972) Proc Natl Acad Sci USA 69:2659-2662;およびEhrlich et al. (1980) Biochem 19:4091-4096参照);一本鎖Fv分子(sFv)(例えば、Huston et al. (1988) Proc Natl Acad Sci USA 85:5879-5883参照);二量体および三量体抗体断片構築物;ミニ抗体(minibody)(例えば、Pack et al. (1992) Biochem 31:1579-1584; Cumber et al. (1992) J Immunology 149B:120-126参照);ヒト化抗体分子(例えば、Riechmann et al. (1988) Nature 332:323-327; Verhoeyan et al. (1988) Science 239:1534-1536;および英国公開特許第GB 2,276,169号(1994年9月21日公開)を参照);ならびにそのような分子から得られる任意の機能的断片であって、そのような断片が親の抗体分子の特異的結合性質を保持している、断片。
【0037】
本明細書に用いられる場合、用語「モノクローナル抗体」は、均一な抗体集団を有する抗体組成物を指す。その用語は、抗体の種または源に関して限定されないし、またそれが作製された方法により限定されることも意図されない。従って、その用語は、マウスハイブリドーマから得られる抗体、加えてヒトハイブリドーマを用いて、またはマウス発現ヒト免疫グロブリン鎖遺伝子もしくはそれらの部分から作製されたマウスハイブリドーマから、得られるヒトモノクローナル抗体を含む。例えば、Cote, et al. Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, 1985, p. 77を参照。
【0038】
本明細書での「多重化」とは、複数の分析物が同時にアッセイされうるアッセイ法または他の分析方法を指す。
【0039】
「任意の」または「任意で」とは、その後に記載される事象または状況が生じる場合もあるし生じない場合もあること、ならびにその記載が、事象または状況が生じている例、およびそれが生じていない例を含むことを意味する。
【0040】
試料
分析されるべき試料の部分は、細胞、組織または体液を含む、生きている生物体から直接的にまたは間接的に得られうる任意の源の生体物質でありうる。試料の非限定的例は、血液、尿、精液、乳、痰、粘液、胸膜液(plueral fluid)、骨盤液、滑液(sinovial fluid)、腹水、体腔洗浄液、眼ブラッシング(eye brushing)、皮膚剥離物、頬側スワブ、膣スワブ、パップスメア、直腸スワブ、吸引液、針生検、例えば手術または剖検により得られる組織切片、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚、気道、腸管および尿生殖路の外分泌物、涙、唾液、腫瘍、器官、微生物培養物、ウイルス、およびインビトロ細胞培養成分の試料を含む。
【0041】
試料は、標的を含むことがわかっている陽性対照試料でありうる。与えられた条件の設定が偽陽性を生じるかどうかを測定するために用いられる陰性対照試料もまた、用いられうる。
【0042】
試料は、溶液中に、または下記のような支持体上で提供されうる。試料は、試料が保存溶液においてセンサー分子と接触させられる前または後に支持体へ移動されうる。
【0043】
支持体
支持体は、生物学的か、非生物学的か、有機か、無機か、またはこれらのいずれかの組み合わせかの広範囲な材料を含みうる。例えば、支持体は、重合したLangmuir Blodgettフィルム、官能性をもたせたガラス、Si、Ge、GaAs、GaP、SiO2、SiN4、改質シリコン、または、(ポリ)テトラフルオロエチレン、(ポリ)二フッ化ビニリデン、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチドコグリコリド)、ポリ無水物、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル)、ポリシロキサン、重合体シリカ、ラテックス、デキストラン重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、もしくはそれらの組み合わせのような幅広い種類のゲルもしくは重合体のいずれか1つでありうる。
【0044】
支持体は、シリカを素材とする支持体(例えば、ガラス、水晶など)のような平面結晶性支持体、または、シリコン、ガリウム砒素などのような、例えば、半導体およびマイクロプロセッサー産業で用いられる結晶性支持体でありうる。
【0045】
シリカエアロゲル(silica aerogel)もまた、支持体として用いることができ、当技術分野において公知の方法により調製されうる。エアロゲル支持体は、支柱なしで立っている支持体として、またはもう一つの支持体材料についての表面被覆として用いられうる。
【0046】
支持体は、任意の形を取ることができ、典型的には、プレート、スライド、カバースリップ、ビーズ、ペレット、ディスク、粒子、ストランド、沈澱物、膜、任意で多孔質ゲル、シート、チューブ、球体、コンテナ、キャピラリー、パッド、スライス、フィルム、チップ、複数ウェルのプレートまたはディッシュ、光ファイバーなどである。典型的には支持体は動かない形を取るが、いくつかの適用については、支持体は、剛体または半剛体である任意の形でありうる。
【0047】
支持体上の表面は、支持体と同じ材料から構成されうる、または異なる材料から作製されうり、化学的または物理的手段により支持体に結合されうる。そのような結合された表面は、幅広い種類の材料のいずれか、例えば、重合体、プラスチック、樹脂、多糖、シリカ、またはシリカを素材とする材料、炭素、金属、無機ガラス、膜、または上で列挙された支持体材料のいずれか、から構成されうる。一つの態様において、表面は、任意で透明であり、シリカ表面上に見出されるもののような表面Si-OH官能性を有する。
【0048】
標的
標的は、可視化されることが望まれる試料の任意の成分でありうる。標的の非限定的例は、ポリヌクレオチド、タンパク質、多糖、ムコ多糖、プロテオグリカン、脂質、細胞、細胞型、生物体、ウイルス、構造、またはそれに対するセンサーが得られうる分子を含む。標的は、細胞下構造、例えば、中心体もしくは中心体成分、または細胞外産物もしくは成分でありうる。
【0049】
標的が細胞もしくは細胞成分または産物である場合、細胞は、原核生物、真核生物または始生界を含む任意の起源からでありうる。細胞は、生きている場合もあるし、または死んでいる場合もある。多細胞生物体から得られた場合には、細胞は、任意の細胞型でありうる。細胞は、培養細胞系または一次単離物でありうる、細胞は、哺乳動物、両生類、爬虫類、植物、酵母、細菌、スピロヘータ、または原生動物でありうる。細胞は、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ニワトリ、ウズラ、またはイヌでありうる。細胞は、正常細胞、突然変異した細胞、遺伝子操作された細胞、腫瘍細胞などでありうる。
【0050】
多細胞生物体由来の例示的細胞型は、好酸性白血球、腺房細胞、松果体細胞、含脂肪細胞、エナメル芽細胞、星状細胞、基底(幹)細胞、好塩基球、肝細胞、ニューロン、隆起表面細胞、C細胞、心筋細胞、房心細胞、主細胞、軟骨細胞、クララ細胞、円柱上皮細胞、黄体細胞、脱落膜細胞、樹状突起、内皮細胞、腸内分泌細胞、エオシン好性白血球、赤血球、糸球体外メサンギウム細胞、胎児線維芽細胞、胎児赤血球、線維芽細胞、濾胞上皮細胞、神経節細胞、巨大ベッツ細胞、杯状細胞、有毛細胞、内有毛細胞、I型有毛細胞、肝細胞、内皮細胞、ライジヒ細胞、脂肪細胞、肝実質細胞、リンパ球、リゾチーム分泌細胞、マクロファージ、マスト細胞、巨核球、メラノサイト、メサンギウム細胞、単球、筋上皮細胞、筋様細胞、頸部粘液細胞、神経細胞、好中球、乏突起神経膠芽細胞、卵母細胞、骨芽細胞、骨軟骨破骨細胞、破骨細胞、骨細胞、柱細胞、溝細胞、上皮小体細胞、壁細胞、ペプシノゲン分泌細胞、周細胞、松果体細胞、下垂体細胞、形質細胞、血小板、有足細胞、精母細胞、プルキンエ細胞、錐体細胞、赤血球、網状赤血球、シュワン細胞、セルトリ細胞、円柱細胞、骨格筋細胞、平滑筋細胞、ソマトスタチン細胞、腸内分泌細胞、精子細胞、精原細胞、精子、星細胞、支持ダイテルス細胞、支持ハンセン細胞、表面細胞、表面上皮細胞、表面粘液細胞、汗腺細胞、Tリンパ球、卵胞膜黄体細胞、胸腺細胞、胸腺上皮細胞、甲状腺細胞、移行上皮細胞、I型肺胞細胞、およびII型肺胞細胞を含む。
【0051】
腫瘍細胞の例示的型は、腺腫、癌腫、腺癌、線維腺腫、エナメル上皮腫、星状細胞腫、中皮腫、胆管癌、胆管線維腫、胆管腫、軟骨腫、軟骨肉腫、軟骨腫、絨毛癌、頭蓋咽頭腫、嚢胞腺癌、嚢胞腺腫、未分化胚細胞腫、上衣細胞腫、上皮腫、赤血球系白血病、線維腺腫、線維腫、線維肉腫、神経節膠腫、神経節細胞腫、神経節芽細胞腫、神経膠腫、顆粒球性白血病、血管腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、褐色脂肪腫、組織球腫、角化棘細胞腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、脂肪腫、脂肪肉腫、黄体腫、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ腫、髄芽細胞腫、黒色腫、髄膜腫、中皮腫、骨髄脂肪腫、腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、神経筋芽細胞腫、歯牙腫、乏突起膠腫、骨軟骨腫、骨腫、骨肉腫、乳頭腫、傍神経節腫、クロム親和性細胞腫、松果体腫、下垂体細胞腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、肉腫、神経鞘腫、精上皮腫、奇形腫、莢膜細胞腫、および胸腺腫を含む。
【0052】
例示的細菌は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、大腸菌(Escherichia coli)、結核菌(M. tuberculosis)、ネズミチフス菌(S. typhimurium)、コレラ菌(Vibrio cholera)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウムバラティ(Clostridium baratii)、クロストリジウムディフィシレ(Clostridium difficile)、ライ菌(M. leprae)、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)、ヘモフィルスインフルエンザb型(Hemophilus influenzae type b)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウムミヌティシマム(Corynebacterium minutissimum)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、バクテロイデスフラギリス(Bacteroides fragilis)、プレボテラメラニノゲニカ(Prevotella melaninogenica)、フゾバクテリウム属(Fusobacterium)、豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、リステリアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ヘモフィルスデュクレイ(Hemophilus ducreyi)、野兎病菌(Francisella tularensis)、ペスト菌(Yersinia pestis)、バルトネラヘンセラエ(Bartonella henselae)、クレブシエラ属(Klebsiella)、エンテロバクター属(Enterobacter)、セラチア属(Serratia)、プロテウス属(Proteus)およびシゲラ属(Shigella)を含む。
【0053】
例示的スピロヘータは、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、フランペジアトレポネーマ(T. pertenue)、トレポネーマカラテウム(T. carateum)、回帰熱ボレリア(Borrelia recurrentis)、ヴァンサンボレリア(B. vincentii)、B. ブルグドルフェリ(B. burgdorferi)、および黄疸出血病レプトスピラ(Leptospira icterohaemorrhagiae)を含む。
【0054】
例示的真菌は、ウシ放線菌(Actinomyces bovis)、アスペルギルスフミガーツス(Aspergillus fumigatus)、ブラストミセスデルマティティディス(Blastomyces dermatitidis)、カンジダアルビカンス(Candida albicans)、コクシジオイデスイミティス(Coccidioides immitis)、クリプトコッカスネオフォルマンス(Cryptococcus enoformans)、ヒストプラズマカプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、スポロトリクムシェンキー(Sporotrichum schenckii)、イスラエル放線菌(Actinomyces israelii)、ウシ放線菌、アスペルギルスフミガーツス、ブラストミセスデルマティティディス、カンジダアルビカンス、コクシジオイデスイミティス、クリプトコッカスネオフォルマンス、ヒストプラズマカプスラーツム、ノカルジアアステロイデス(Nocardia asteroides)、ニューモシスチスカリニ(Pneumocystis carinii)、スポロトリクスシェンキー(Sporothrix schenckii)、ピチアパストリス(Pichia pastoris))、サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)およびシゾサッカロミセスポンベ(Schizosaccharomyces pombe)を含む。
【0055】
コードされうる例示的原生動物および寄生生物は、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、トリパノソーマ属の住血鞭毛虫(trypansomes)、リーシュマニア属(Leishmania)、トキソプラズマゴンディ(Toxoplasma gondii)、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、およびトラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)を含む。
【0056】
標的がポリヌクレオチドである場合、標的ポリヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖、またはより高位でありうり、任意のトポロジー、例えば、線状、環状、分枝型、を取りうる。例示的一本鎖標的ポリヌクレオチドは、mRNA、rRNA、tRNA、hnRNA、ssRNAまたはssDNAウイルスゲノムを含むが、これらのポリヌクレオチドは、内部的に、相補的配列および意味のある二次構造を含みうる。例示的二本鎖標的ポリヌクレオチドは、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA、葉緑体DNA、dsRNAまたはdsDNAウイルスゲノム、プラスミド、ファージおよびウイロイドを含む。
【0057】
センサー
センサーは、安定した、可溶性である任意の物質であり得、アルコール含有保存溶液においてそれの標的に選択的に結合することができる。センサーの非限定的例は、低分子有機化学物質、無機分子、ペプチド核酸およびアプタマーを含む上記のようなポリヌクレオチドを含む。異なるセンサーの組み合わせもまた用いられうり、試料における複数の標的の検出および分析を可能にすることができる。センサーは、中心体またはその小成分のような細胞の成分に特異的に結合するように選択されたものでありうる。複数の候補センサー分子、例えば、化学物質のライブラリー、が所望の標的への結合について試験されうり、その試験は、アルコール性保存溶液の存在下においてなされうる。
【0058】
センサーは検出可能でなければならず、自然に検出可能である場合もあるし、標識に連結することにより検出可能にされる場合もある。任意の効果的な検出方法が用いられうり、光学的、分光スペクトル、電気的、圧電的、磁気的、ラマン散乱、表面プラズモン共鳴、X線撮影法、比色定量、熱量測定などを含む。好ましくは、センサーは、ヒトおよび/または検出装置に対して光学的検出可能にされているまたはされうる。一つの態様において、検出は、発光ダイオード(LED)を用いて行われる。
【0059】
一つのバリエーションにおいて、センサーは、試料に存在するのではないかと疑われる標的ポリヌクレオチドに特異的に結合するPNAでありうる。PNAは、ペプチド由来構造をもつ合成核酸類似体である。それは、DNAに見出される糖-リン酸基の代わりにアミド結合により連結された、繰り返すN-2-アミノエチルグリシン単位から構成されるバックボーンを有する(1)。PNAは、しばしば、それが、相補的核酸標的へのハイブリダイゼーションについてワトソン-クリック塩基対形成ルールに従うため、「DNA模倣体」と呼ばれる(2)。しかしながら、それらのペプチドバックボーンのため、PNAは、中性に荷電しており、増加した熱安定性、迅速なハイブリダイゼーション速度(DNA:DNAハイブリダイゼーションの速度の50,000倍)(3)、ならびにプロテアーゼおよびヌクレアーゼ分解に対する抵抗性を含む、DNAに優る固有の性質を有する。また、PNAは、その疎水的性質のため、生物体の細胞壁を容易に貫通して、それの核酸標的を見出すことができる(4)。これらの特徴は、PNAを、インビトロ診断のための、具体的にはインサイチューハイブリダイゼーションのための、優れたツールにさせる。
【0060】
もう一つの態様バリエーションにおいて、センサーはアプタマーでありうる。所望の標的に結合するオリゴヌクレオチドの調製は、Blackwell, T.K., et al., Science (1990) 250:1104-1110; Blackwell, T.K., et al., Science (1990) 250:1149-1152; Tuerk, C., and Gold, L., Science (1990) 249:505-510; Joyce, G.F., Gene (1989)82:83-87;1993年12月14日に発行されたGold et al.の米国特許第5,270,163号により記載されている。そのようなオリゴヌクレオチドは、「アプタマー」と名付けられた。TuerkおよびGoldは、「指数関数的濃縮によるリガンドの体系的進化」と名付けられた手順の使用を記載している。この方法において、特定の位置において完全にランダム化されているRNAのプールが、ニトロセルロースフィルター上に固定された所望の核酸結合タンパク質による結合についての選択にかけられる。結合したRNAは、その後、回収され、その後のインビトロ転写に適格である二本鎖DNAとして増幅される。新しく転写されたRNAは、その後、同族のタンパク質による結合についてのコンセンサス配列を有するオリゴヌクレオチドを濃縮するためにこの手順を通じて再利用される。そのように得られたオリゴヌクレオチドは、その後、さらなる研究のためにシーケンシングされうる。TuerkおよびGoldは、この手順を、T4 DNAポリメラーゼのRNA結合領域により結合されるRNAオリゴヌクレオチドを同定するために適用した。
【0061】
アプタマーを含むセンサーは、PreservCytのようなアルコール性保存溶液の存在下において結合について試験されうる、またはそのような溶液を用いるアッセイ法において展開されうる。センサーアプタマーは、合成、組換えおよび精製方法を含む任意の公知の方法により調製されうり、単独で、または同じ標的に特異的な他のアプタマーと組み合わせて用いられうる。アプタマーは、標識されうるおよび/または他の物質に結合されうる。用語「アプタマー」は、特に、与えられた標的に対する2つまたはそれ以上の公知のアプタマーを比較することから導かれるコンセンサス配列を含む「二次アプタマー」を含む。アプタマーの調製は、1996年12月10日に発行されたToole et al.の米国特許第5,582,981号に広く考察されている。アプタマーセンサーについての特異的な結合配列を決定するために出発物質として用いられるオリゴヌクレオチドは、一本鎖もしくは二本鎖DNAまたはRNAでありうる。出発物質オリゴヌクレオチドは、ランダム化された配列部分、一般的には約10個から400個までのヌクレオチド、より好ましくは20個〜100個のヌクレオチドを含む、を含む。ランダム化された配列は、複合体から回収されたオリゴヌクレオチドへのポリメラーゼ連鎖反応の適用を可能にするプラマイー配列に隣接されている。標的に結合することが見出されたアプタマーは、単離、シーケンシング、およびその後、通常のDNAもしくはRNA部分として再合成されうる、または上記のような「修飾された」ポリヌクレオチドでありうる。例えば、通常、存在する水酸基のいずれかが、ホスホン酸基、リン酸基に置換されうる、標準的保護基により保護されうる、もしくは追加のヌクレオチドへの付加的連結を準備するように活性化されうる、または固体支持体へ結合されうる。5'末端OHは、通常、遊離型であるが、リン酸化されうる;3'末端におけるOH置換基もまた、リン酸化されうる。水酸基はまた、標準的保護基へ誘導体化されうる。1つまたは複数のホスホジエステル結合は、代替の結合基に取って代わられうる。これらの代替結合基は、限定されるわけではないが、P(O)OがP(O)S、P(O)NR2、P(O)R、P(O)OR'、COまたはCNR2に置換されている(RはHまたはアルキル(1〜20C)であり、R'はアルキル(1〜20C)である)態様を含む;さらに、この基は、OまたはSを通して隣接ヌクレオチドに付着されうる。すべての結合が同一である必要はない。アプタマーは、任意の所望の標的、例えば中心体の成分について決定されうる。2002年4月9日に発行されたKongの米国特許第6,368,818号に記載された結晶化作用物質のような低分子もまた、中心体、微小管および/または細胞骨格を含む細胞小器官に結合するために用いられうる。
【0062】
細胞分裂の過程は、最初に染色体のコピーを生成し、続いて細胞の分裂を行う、一連の制御された互いに依存する生化学的反応を含む。有糸分裂と呼ばれるこの過程は、最初に細胞分裂に必要な構造的フレームワークを作成する細胞内小器官の形成を含む。一つの重要な小器官は中心体であり、その付随成分と共に、そこから延びる微小管タンパク質のネットワークが、娘細胞から親のDNAを分離することができるアンカーポイントとしての役割を果たす。正常な休止細胞は、典型的には、1つの中心体を有するが、細胞分裂の前に中心体複製があり、その結果、2つのアンカーポイントが形成される。癌細胞、または癌へ導く前駆細胞は、異常な数の中心体を有する可能性がある。従って、中心体の計数は、異常細胞を同定するために用いられうる。
【0063】
一つのバリエーションにおいて、中心体を数えるための工程は、試料を、アルコール性保存溶液へ組み入れられた中心体特異的センサーと接触させ、続いて、その混合物から引き出された試料の定量的画像化を行うことにより提供される。従って、中心体の数が目視検査により、またはコンピューター画像化により数えられることを可能にするために、優先的に中心体、または中心体周囲物質に結合するセンサーが用いられうる。例示的中心体標的分子は、カタニン、カタニンサブユニット(2002年8月6日に発行されたVale et al.の米国特許第6,429,304号参照)、eg5(2002年10月29日に発行されたUhlmann et al.の米国特許第6,472,521号参照)、Nlk1(米国特許第6,476,193号参照)、HSP90(2002年1月1日に発行されたGonzalez et al.の米国特許第6,335,157号参照)、トリネクチン、ペリセントリン、cp140、セントリン、γ-チューブリン、α-チューブリン、β-チューブリン(1999年10月26日に発行されたDoxseyの米国特許第5,972,626号参照)、CENP-F(1997年2月4日に発行されたYen et al.の米国特許第5,599,919号参照)、オーロラタンパク質(米国特許第6,207,401号、第5,972,676号および第5,962,312号参照)、およびBTAK(米国特許第6,352,858号参照)を含む。本明細書に用いられる場合の用語「中心体」および「中心体の」などは、中心体の領域に加えて中心体周囲の領域の両方を指す;従って、例えば、用語「中心体の標的」は、中心体の標的だけでなく中心体周囲の標的も含む。センサーはまた、中心体酵素の検出可能な基質を含みうり、それは、結合に際し検出可能でありうる、および/または中心体酵素により作用される時に検出可能な反応生成物を生じうる。
【0064】
標識
本明細書に記載された本発明に有用な標識は、センサーの標的への結合に際し、試料に存在する標的に関連して、直接的にまたは間接的に、検出されうる任意の物質を含む。例示的標識は、発色団、発光団、フルオロフォア、色原体、ハプテン、抗原、放射性同位元素、磁気粒子、金または銀ナノ粒子のような金属ナノ粒子、酵素、抗原またはその結合部分もしくは等価物、アプタマー、および結合ペアの1つのメンバーを含む。
【0065】
フルオロフォアは、1つの波長の光を吸収し、異なる波長の光を放射する任意の物質でありうる。典型的フルオロフォアは、蛍光色素、半導体ナノ結晶、ランタニドキレート、および緑色蛍光タンパク質を含む。
【0066】
例示的蛍光色素は、フルオレセイン、6-FAM、ローダミン、テキサスレッド(Texas Red)、テトラメチルローダミン、カルボキシローダミン、カルボキシローダミン6G、カルボキシロードル、カルボキシローダミン110、カスケードブルー(Cascade Blue)、カスケードイエロー(Cascade Yellow)、クマリン、Cy2(登録商標)、Cy3(登録商標)、Cy3.5(登録商標)、Cy5(登録商標)、Cy5.5(登録商標)、Cy-クロム(Cy-Chrome)、フィコエリトリン、PerCP(ペリジニンクロロフィル-aタンパク質)、PerCP-Cy5.5、JOE(6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン)、NED、ROX(5-(および-6)-カルボキシ-X-ローダミン)、HEX、ルシファーイエロー(Lucifer Yellow)、マリナブルー(Marina Blue)、オレゴングリーン488(Oregon Green 488)、オレゴングリーン500(Oregon Green 500)、オレゴングリーン514(Oregon Green 514)、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)660、Alexa Fluor(登録商標)680、7-アミノ-4-メチルクマリン-3-酢酸、BODIPY(登録商標)FL、BODIPY(登録商標)FL-Br2、BODIPY(登録商標)530/550、BODIPY(登録商標)558/568、BODIPY(登録商標)564/570、BODIPY(登録商標)576/589、BODIPY(登録商標)581/591、BODIPY(登録商標)630/650、BODIPY(登録商標)650/665、BODIPY(登録商標)R6G、BODIPY(登録商標)TMR、BODIPY(登録商標)TR、それらの結合体、およびそれらの組み合わせを含む。例示的ランタニドキレートは、ユーロピウムキレート、テルビウムキレートおよびサマリウムキレートを含む。
【0067】
幅広い種類の蛍光半導体ナノ結晶(「SCNC」)は、当技術分野において公知である;半導体ナノ結晶を作製および利用する方法は、以下に記載されている:発明者Bawendi et al.、1999年5月27日に公開された、国際公開公報第99/26299号;Weiss et al.の1999年11月23日に発行された米国特許第5,990,479号;およびBruchez et al., Science 281:2013, 1998。半導体ナノ結晶は、明瞭なピーク発光波長をもつ非常に狭い発光バンドで得られうり、多数の異なるSCNCが同じアッセイにおいて、シグナル発信発色団として、任意で他の非SCNC型のシグナル発信発色団と組み合わせて、用いられるのを可能にする。
【0068】
用語「緑色蛍光タンパク質」は、天然のオワンクラゲ(Aequorea)緑色蛍光タンパク質、ならびに、変化した励起および発光極大、加えて異なる形の励起および発光スペクトルを含む変化した蛍光特性を示すとして同定された突然変異型の両方を指す(Delagrave, S. et al. (1995) Bio/Technology 13:151-154; Heim, R. et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:12501-12504; Heim, R. et al. (1995) Nature 373:663-664)。Delgrave et al.は、赤色シフトした励起スペクトルをもつクローン化オワンクラゲ(Aequorea victoria)GFPの突然変異体を単離した(Bio/Technology 13:151-154 (1995))。Heim, R. et al.は、青色蛍光をもつ突然変異体(Tyr66がHisへ)を報告した(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1994) 91:12501-12504)。
【0069】
例示的酵素は、アルコール含有保存溶液において安定しているものを含む。これらの条件下で安定性について試験されうる酵素は、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、細菌のルシフェラーゼ、昆虫のルシフェラーゼ、およびウミシイタケのルシフェラーゼ(Renilla koellikeri)を含み、当技術分野において公知の、適切な基質およびアッセイ条件の存在下で、検出可能なシグナルを生じうる。
【0070】
例示的ハプテンおよび/または結合ペアのメンバーは、アビジン、ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン、ビオチン、および上記のものを含む。
【0071】
保存溶液
保存溶液は、周囲温度において細胞および組織の保存に適している。溶液は、アルコールおよび好ましくは緩衝剤を含み、生検後、および染色または他の型の分析の前に、周囲温度において哺乳動物細胞のインビトロ保存のために用いられうる。溶液は、1993年10月26日に発行されたHurley et al.の米国特許第5,256,571号に記載されているようなものでありうる。一つの態様において、保存溶液は、比較的長期間の外界保存のための媒体を提供する。もう一つの態様において、保存溶液は、輸送、および試料溶液からの望ましくない成分、例えばタンパク質、の除去のための媒体を提供する。
【0072】
より具体的には、保存溶液は、水混和性アルコール、ならびに好ましくは抗クランピング剤および緩衝剤を含む。アルコール成分は、センサーのそれの標的への許容できる結合をなお可能にしながら、試料細胞または組織を固定するのに十分な量で存在している。アルコールは、典型的には、低級アルキル(C1-6)アルコールであり、C1-4アルコールでありうる、ならびにメタノール、エタノール、およびイソプロパノールからなる群より選択されうる。好ましい態様において、アルコールはメタノールである。
【0073】
本発明の一つの態様において、アルコールは、対象となる試料成分を固定および保存するのに十分なレベルで存在し、約40%より多くかつ約60%より少ない量で存在しうる、および約45%またはそれより多くありうる、および約55%またはそれ未満でありうる。60%またはそれより多いアルコール成分は、試料細胞を効果的に染色するその後の能力に干渉する、クランピングまたは凝固を示す傾向がある。逆に、この態様におけるアルコールの濃度が40%またはそれ未満である場合には、細胞は、比較的長期間保存にとって十分に固定されておらず、時間が経てば、細胞を分解させる。この態様について、溶液は、溶液で約50%メタノールを含む。
【0074】
本発明のもう一つの態様において、アルコールは、溶液で少なくとも約20パーセントの量で存在する。このアルコール濃度は、上で述べたように、長期間保存(すなわち、2日間を超える)を可能にしないが、それは、その期間内の引き続きの分析については、十分に細胞を固定している。または、細胞は、次の分析前の長期間保存のために、この20%態様溶液からより高いアルコール濃度、例えば50%、へ移動されうる。
【0075】
抗クランピング剤は、溶液において細胞がクランピングするのを防ぐのに十分な量で存在しうる。アルコール性保存溶液において発揮する任意の適切な抗クランピング剤が、用いられうり、例として、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ならびに二ナトリウム、三カリウムおよび四ナトリウムのようなそれの塩からなる群より選択される、キレート化剤でありうる。抗クランピング剤として有用と考えられる他の作用物質は、クミニン、ヘパリン、ストレプトキナーゼ、および溶解または抗凝固組成物に見出されるそのような作用物質を含む。
【0076】
使用中に所望のpHに保存溶液を維持することができる任意の緩衝剤が、用いられうる。例示的緩衝剤は、PBS、トリス、酢酸ナトリウム、およびクエン酸を含む。EDTAおよびそれの塩もまた、緩衝剤として用いられうる。緩衝剤は、好ましくは、保存の期間中、約4日〜約7日の間の範囲内で溶液のpHを維持するものである。従って、好ましい緩衝剤は、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウムおよびそれらの組み合わせのような酢酸緩衝剤である。リン酸またはトリス緩衝剤のような他の緩衝剤が本溶液に用いられうるが、これらの緩衝剤の有効緩衝範囲は、酢酸のそれほどには、所望のpHにおいて広くないと考えられる。
【0077】
用いられる、特に長期間保存における、緩衝剤は、好ましくは、溶液に懸濁された試料細胞からの自己分解性副産物に起因するpHのどんな変化をも調整する大きな緩衝範囲をもつ。例えば、頸部細胞が老化するにつれて、それらは、懸濁溶液のpHバランスを変化させる自己分解性副産物を放出する。さらに、異なる細胞型の保存は、異なる酸度および異なるpH範囲内の溶液を必要としうる。従って、広い緩衝範囲をもつ溶液が、広範な細胞型について用いられうる。
【0078】
一つの態様において、保存溶液は、メタノール、酸としてのEDTA、および酢酸ナトリウムを含む。その態様において、メタノールは溶液の約45〜55パーセントを構成し、EDTAは約2〜4パーセントを構成し、酢酸ナトリウム緩衝剤は約6〜8パーセントを構成する。
【0079】
もう一つの態様において、保存溶液は、メタノール、ナトリウムおよびカリウムEDTA塩の組み合わせ、ならびに酢酸緩衝剤を含む。さらなる態様において、溶液は、メタノール、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カリウム、および塩化ナトリウムを含み、アルコールは溶液の約20パーセントを構成し、約0.1% 塩化ナトリウム、10 mM 塩化カリウム、2 mM 酢酸カルシウム、および1 mM 酢酸マグネシウムである。
【0080】
保存溶液は、少なくとも約3週間、約摂氏約4°から約38°までの範囲の周囲温度で懸濁された細胞を保存するのに適している。この時間の間、細胞は、完全性の有意な損失なしに染色を可能にするのに十分な構造を保持する。溶液は、それが次の細胞学的染色を可能にするように十分に細胞膜を維持することができることから、細胞の核構造の維持を高めることができる。溶液はまた、試料における微生物病原体を破壊し、レトロウイルス活性を阻害することができる。溶液は、試料からタンパク質のような望ましくない成分を除去することができる。
【0081】
この期間は、外界の細胞懸濁の前の溶液の保存期間数、細胞採取と細胞懸濁の間の時間の量、およびアルコール含有量の両方により変わりうる。例えば、溶液が、冷蔵状態かまたは外界状態のいずれかにおいて、かなり長い時間、保存されていた場合には、溶液の残存する細胞保存実行可能性は制限されている可能性がある。
【0082】
細胞保存性であることに加えて、溶液はまた、選択された病原体を殺すことができる。例えば、試験試料において、溶液は、以下の生物体を効果的に殺す:カンジダアルビカンス(Candida albicans)、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)。
【0083】
界面活性剤が溶液に用いられうる。界面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、または両性イオン性でありうる。界面活性剤の混合物もまた用いられうる。界面活性剤の例示的クラスは、アルコールエーテル硫酸、アルコール硫酸、アルカノールアミド、アルキルスルホン酸塩、アミンオキシド、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、ベタイン誘導体、陽イオン界面活性剤、二スルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸、エトキシ化アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化脂肪酸、グリセロールエステルヒドロトロープ、ラウリル硫酸塩、モノグリセリドおよびジグリセリド、非イオン性界面活性剤、リン酸エステル、第四級界面活性剤、およびソルビタン誘導体を含む。
【0084】
キット
本発明の方法を実施するために有用な試薬を含むキットもまた提供される。一つの態様において、キットは、アルコール性保存溶液、および溶液において与えられる場合、試料における中心体標的に結合するのに適した検出可能センサーを含む。センサーは、標識に結合させられうり、標識は、フルオロフォアを含む発色団でありうる。
【0085】
キットの成分は、収納箱により保持されうる。本発明の方法を実施するためにキットを用いることについての使用説明書は、キットと共に提供されうり、任意の固定媒体で提供されうる。使用説明書は、収納箱の内側または収納箱の外側に配置されうり、使用説明書を読みやすくする、収納箱を形成する任意の表面の内側または外側に印刷されうる。キットは、試料における対応する異なる標的に結合することができる1つまたは複数の異なるセンサーの複数個を含む多重形式でありうる。
【0086】
実施例
以下の実施例は、本発明を行うおよび用いる方法の完全な説明を当業者に提供するために示されており、本発明とみなされる範囲を限定することを意図するものではない。用いられる数(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するように努力がなされたが、いくらかの実験誤差および偏差は考慮されるべきである。他に規定がない限り、割合は、重量での割合であり、温度は摂氏度であり、圧力は、大気圧においてまたは大気圧近くにおいてであり、すべての材料は市販されている。
【0087】
実施例1
PNAの50 ulの容量は、ThinPrepバイアル(Cytyc Corp.)かまたは多量の細胞PreservCyt(Cytyc Corp.)を含むミクロチューブのいずれかへ混合され、ハイブリダイゼーション事象は、55℃水浴を用いて溶液中で起こる。または、ハイブリダイゼーション事象は、室温で一晩行われうる。ハイブリダイゼーション後、検体を12,000 rpmで5 min遠心分離し、細胞をペレットにして、その後、多量の洗浄緩衝液に再懸濁する。試料を55℃水浴に30分間、置くことにより細胞を洗浄する。洗浄後、試料を前に記載されたように、再び遠心分離し、スライドへ移動する前に新しい多量の洗浄緩衝液に再懸濁する。スライドを空気乾燥し、カバースリップをかけ、陽性(多視野における緑色蛍光放射生物体のクラスターの存在)について調べた。または、スライドを作製するためにT2プロセッサー上で検体を処理することにより検体もまた、洗浄することができる(T2操作の細胞収集工程中に結合していないプローブが除去される)。ここで、T2プロセッサーにより、調製されたスライドを1x 洗浄緩衝液(AdvanDx)の収集バイアルへ放出し、その後、55℃で30 min、緩衝液内でインキュベートする。
【0088】
実施例2
PNAテクノロジーを用いるFISH(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション)によりPreservCyt溶液において微生物を検出するために方法が開発された。
【0089】
これらの研究に用いられるPNAプローブは、AdvanDx, Inc.から入手された。AdvanDx, Inc.は、Boston Probes, Inc.から許可を得て、黄色ブドウ球菌(S. aureus)およびC. アルビカンス(C. albicans)についてのPNAキットを製造している。使用目的は、血液培養物から調製されたスメアからのC. アルビカンスおよび黄色ブドウ球菌の検出である。
【0090】
PreservCytにおける溶液中ハイブリダイゼーションについての手順
1. 50 ulのPNAプローブを500 ulのPreservCyt検体へ加え、ボルテックスする。ハイブリダイズさせるために55℃水浴に置く(90 min.または一晩)。
2. 検体をT2プロセッサー上で処理し、細胞をThinPrepスライド上へ移動する。細胞スポットが調製された後、装置は、スライドを1x 洗浄緩衝液(AdvanDx)の収集バイアルへ放出する。
3. スライド(1x 洗浄緩衝液に沈めた)を55℃水浴において30 minインキュベートする。
4. スライドを取り出し、空気乾燥させる。検鏡板に固定し、カバースリップをかけ、蛍光顕微鏡で観察する。陽性は、多視野における緑色蛍光放射生物体のクラスターの存在により決定される。
方法は主として、C. アルビカンスまたは黄色ブドウ球菌でスパイクされた細胞PreservCytを用いて行われた。しかしながら、アッセイ性能はまた、4年間まで経過したC. アルビカンス陽性ThinPrep検体を用いて実証されている(スライドを基盤として)。
【0091】
通常の方法(AdvanDxキット挿入シートに概要を説明されているような):
1. 顕微鏡スライド(AdvanDx)にFixation Solution(AdvanDx)の1滴、続いて、血液培養検体の1滴を置き、混合する。
2. 55〜80℃で20 min.加熱することによりスメアを固定する。
3. 80%または96%エタノール中に5〜10 minスライドを浸して、空気乾燥する。
4. PNAプローブの1滴を固定されたスメア上へ置き、カバースリップをかけ、ハイブリダイズさせるように55℃で90 minインキュベートする。
5. 55℃に予熱された1x Wash Solutionにスライドを置き、カバースリップを除去する。Wash Solution中、55℃で30 min、インキュベートする。
スライドを取り出し、空気乾燥させる。検鏡板に固定し、カバースリップをかけ、蛍光顕微鏡で観察する。陽性は、多視野における緑色蛍光放射生物体のクラスターの存在により決定される。
【0092】
結論
PreservCytにおいて溶液中ハイブリダイゼーションを行うことは、ThinPrep(登録商標)バイアルからの補助分子試験の技術を検証する。これは、PNAプローブを含むThinPrep検体が、PNAハイブリダイゼーション事象への標的を損なうことなく、FISH後、ThinPrep(登録商標)2000 Processor上で処理されうることを実証している。細胞および標的生物体は、両方ともスライドへ移動され、結果として、通常のスメア方法よりも解釈するのが容易である細胞の単層を生じる。また、ThinPrepプロセッサーは、試料からの結合していないPNAの除去を容易にし、結果として、バックグラウンドノイズがより少ない調製されたスライドを生じる。ThinPrepバイアル内でハイブリダイゼーションを行うことおよびThinPrep Processor上でスライドを調製することは、補助分子試験についての工程を合理化しながら、段階の数を引き下げることにより、FISH手順を簡単にする。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】50x 油浸レンズおよびOmega FITC/Texas Red二重フィルターで観察された、PreservCyt溶液における90分間ハイブリダイゼーション後の黄色ブドウ球菌(S. aureus)rRNAに特異的なフルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識PNAプローブとハイブリダイズした黄色ブドウ球菌について陰性の表皮ブドウ球菌(S. epidermitis)検体の画像を示す。
【図2】50x 油浸レンズおよびOmega FITC/Texas Red二重フィルターで観察された、PreservCyt溶液における90分間ハイブリダイゼーション後の黄色ブドウ球菌(S. aureus)rRNAに特異的なFITC標識PNAプローブとハイブリダイズした黄色ブドウ球菌陽性検体の画像を示す。
【図3】Omega二重フィルターをもつ油浸での50xにおいて観察された、C. アルビカンスrRNAに特異的なFITC標識PNAプローブとハイブリダイズした酵母陰性のThinPrep調製試料の画像を示す。
【図4】50x 油浸レンズおよびFITC/Texas Red二重フィルターで観察された、C. アルビカンスrRNAに特異的なFITC標識PNAプローブとハイブリダイズした酵母陽性のThinPrep調製試料の画像を示す。このThinPrep検体は、1999年に収集され、PreservCytにおける4年間の保存後、ハイブリダイズされた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階を含むアッセイ方法:
中心体の標的を含むのではないかと疑われる試料を供給する段階;
アルコール性保存溶液において中心体の標的に結合することができる検出可能なセンサーを供給する段階;
標的が存在している場合に、センサーが標的に結合することができる条件下で、アルコール性保存溶液において試料をセンサーと接触させる段階;
センサーが標的に結合しているかどうかを検出する段階。
【請求項2】
試料が、血液;尿;精液;乳;痰;粘液;胸膜液;骨盤液;滑液;腹水;体腔洗浄液;眼ブラッシング;皮膚剥離物;頬側スワブ;膣スワブ;パップスメア;直腸スワブ;吸引液;針生検;組織切片;血漿;血清;脊髄液;リンパ液;皮膚、気道、腸管、または尿生殖路の外分泌物;涙;唾液;腫瘍;器官;およびインビトロ細胞培養成分からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
センサーがアプタマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
センサーがポリヌクレオチドを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
センサーがペプチド核酸を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
センサーがロックド核酸を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
センサーが発色団に結合している、請求項1記載の方法。
【請求項8】
発色団がフルオロフォアである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
フルオロフォアが、半導体ナノ結晶、蛍光色素、およびランタニドキレートから選択される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
フルオロフォアが半導体ナノ結晶である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
フルオロフォアが蛍光色素である、請求項9記載の方法。
【請求項12】
蛍光色素がフルオレセインである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
フルオロフォアがランタニドキレートである、請求項9記載の方法。
【請求項14】
試料が細胞画分である、請求項1記載の方法。
【請求項15】
試料が支持体に移動される、請求項1記載の方法。
【請求項16】
支持体がスライドである、請求項1記載の方法。
【請求項17】
支持体がカバースリップである、請求項1記載の方法。
【請求項18】
試料が生検である、請求項1記載の方法。
【請求項19】
試料がパップスメアである、請求項1記載の方法。
【請求項20】
試料がさらに染色手順に供される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
染色手順がパパニコロー染色手順である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
検出段階からの結果を対照試料から得られた結果と比較する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項23】
対照試料が陽性対照である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
対照試料が陰性対照である、請求項22記載の方法。
【請求項25】
検出段階の前に試料を洗浄する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項26】
センサーが検出可能な部分に結合している、請求項1記載の方法。
【請求項27】
センサー自体が検出可能である、請求項1記載の方法。
【請求項28】
自動化されている、請求項1記載の方法。
【請求項29】
手作業で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項30】
自動画像化システムにより行われる、請求項28記載の方法。
【請求項31】
自動画像化システムが試料の領域に存在する中心体の数を定量化する、請求項31記載の方法。
【請求項32】
中心体の標的が、カタニン、カタニンサブユニット、eg5、Nlk1、HSP90、トリネクチン、ペリセントリン、cp140、セントリン、γ-チューブリン、α-チューブリン、β-チューブリン、CENP-F、オーロラタンパク質、およびBTAKからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項33】
以下の段階を含む、中心体の標的に特異的に結合するセンサーを同定するための方法:
中心体を含む試料を検出可能なセンサーと接触させる段階であって、該接触段階が、少なくとも1つの夾雑物から溶液を保護するのに有効な量の1つまたは複数の水溶性アルコールを含む保存溶液において起こる、段階;および
該センサーが中心体の標的に結合したかどうかを検出する段階。
【請求項34】
複数の候補センサーにおいて行われる、請求項33記載の方法。
【請求項35】
以下のものを含む保存されたセンシング溶液:
試料の存在下において少なくとも1つの夾雑物から溶液の無菌性を保護するのに有効な量での水溶性アルコール;
緩衝液;
抗クランピング剤;および
アルコール含有溶液において中心体の標的に特異的に結合することができる検出可能なセンサー。
【請求項36】
アルコールが、エタノール、イソプロパノール、およびメタノールからなる群より選択される、請求項35記載の溶液。
【請求項37】
アルコールがメタノールである、請求項35記載の溶液。
【請求項38】
抗クランピング剤が、エチレンジアミン四酢酸およびその塩からなる群より選択されるキレート化剤である、請求項35記載の溶液。
【請求項39】
緩衝剤が、リン酸緩衝食塩水、トリス緩衝剤、酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸、およびクエン酸塩からなる群より選択される、請求項35記載の溶液。
【請求項40】
緩衝剤が酢酸ナトリウムである、請求項35記載の溶液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−524843(P2007−524843A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518973(P2006−518973)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/022390
【国際公開番号】WO2005/007872
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(506002993)サイティック コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】