説明

保安灯

【課題】外観を向上できる保安灯を提供する。
【解決手段】保安灯11は、筐体12、およびパネル17を備える。筐体12の前面には照射開口29および照度検出開口28を設け、背面にプラグ15を設ける。筐体12の内部には、照射開口29から光を照射する光源部、照度検出開口28から外部照度を検出する照度検出部14、および照度検出部14が検出する外部照度に応じて光源部を点灯制御する点灯装置が配置される。パネル17は、筐体12の前面を覆うパネル本体67を有する。パネル本体67に透明部69と透光性を有する不透明部68とを形成し、透明部69で筐体12の照射開口29を覆い、不透明部68で筐体12の照度検出開口28を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、外部照度に応じて点灯制御する保安灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保安灯は、筐体の背面から突出するプラグをコンセントに差し込んでおくことにより、外部照度を検出し、周囲が明るいときは消灯し、周囲が暗くなることで点灯する機能を有している。さらに、停電時に、保安灯内に収納されている電池の電源により点灯する機能を有するものもある。
【0003】
筐体の前面には、光源部からの光を外部に照射する照射開口、および外部照度を検出する照度検出部に採光するための照度検出開口がそれぞれ設けられている。これら照射開口および照度検出開口は、それぞれ個別に設けられている透光性部材によって覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3108623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の保安灯では、筐体の前面に、光を照射するための照射開口を覆う透光性部材とは別に、照度を検出するための照度検出開口を覆う透光性部材があるため、決まったデザインとなりやすく、外観の向上が望めない問題がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、外観を向上できる保安灯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の保安灯は、筐体、およびパネルを備える。筐体の前面には照射開口および照度検出開口を設け、背面にプラグを設ける。筐体の内部には、照射開口から光を照射する光源部、照度検出開口から外部照度を検出する照度検出部、および照度検出部が検出する外部照度に応じて光源部を点灯制御する点灯装置が配置される。パネルは、筐体の前面を覆うパネル本体を有する。パネル本体に透明部と透光性を有する不透明部とを形成し、透明部で筐体の照射開口を覆い、不透明部で筐体の照度検出開口を覆う。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、筐体の前面を覆うパネルのパネル本体には透明部と透光性を有する不透明部とを形成し、透明部で筐体の照射開口を覆い、不透明部で筐体の照度検出開口を覆うため、パネルの一体感を持たせることができるとともに筐体の照度検出開口を隠蔽することができ、外観の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態を示す保安灯の斜視図である。
【図2】同上保安灯のパネルと筐体とを離した斜視図である。
【図3】同上保安灯の背面側の斜視図である。
【図4】同上保安灯の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図1ないし図4を参照して説明する。
【0011】
図1ないし図4において、保安灯11は、筐体12、光源部13、照度検出部14、プラグ15、点灯装置16、およびパネル17などを備えている。なお、この保安灯11は、壁面に設置されているコンセントにプラグ15を差し込んで使用するもので、この使用状態を基準に保安灯11の上下、左右、前後(前面および背面)として説明する。
【0012】
筐体12は、前面側のカバー21と背面側のベース22とを組み合わせ、ねじ23で一体的に締め付け固定されている。筐体12内の最下部であってカバー21とベース22との間の最下部には電池24を水平(横向き)に収納する電池収納部25が形成されている。
【0013】
カバー21は、絶縁性を有する合成樹脂製で、背面側が開口形成されている。カバー21の前面上部側には平面状の前面板部26が形成され、前面板部26にはねじ23が挿通する取付孔27が形成されているとともに照度検出部14に採光するための照度検出開口28が形成されている。また、カバー21の前面下部側には、光源部13からの光を前方へ照射する照射開口29が形成され、この照射開口29の背部に光源部13からの光を前方へ反射する窪み状の反射部30が形成されている。この反射部30の前面が反射面31であり、反射部30の下端がカバー21の前端下辺に平行で、反射部30の上端がカバー21の背面側に湾曲状に突出され、反射部30が全体として半円錐形状または半椀形状に形成されている。反射部30の前面空間の上方には半円状の壁部32が水平に形成され、この壁部31の中央に光源部13が対向配置される窓部33が開口形成されている。
【0014】
ベース22は、絶縁性を有する合成樹脂製で、前面側が開口されている。ベース22内の前面中央付近にはカバー21の取付孔27を挿通したねじ23が螺着されるボス34が突出形成されている。ベース22の下部側には電池収納部25に対して電池24を着脱する電池着脱口35が横長に形成され、電池着脱口35には電池蓋36が着脱可能に取り付けられる。ベース22の背面上部側にはプラグ15が回動可能に配置される溝部37が形成されている。
【0015】
筐体12の上面には、ナイトライト機能を入り切りするスライド式のスイッチ38、光源部13を点灯させる入ボタン39および消灯させる切ボタン40が配置されている。
【0016】
また、光源部13は、光源として半導体発光素子であるLED素子51,52を有している。本実施形態では、商用交流電源を電源として点灯させるLED素子51と、電池24を電源として点灯させるLED素子52との2つが用いられている。これらLED素子51,52は素子基板53に実装されている。素子基板53はカバー21の壁部32の上方に水平に配置され、素子基板53に実装されているLED素子51,52が壁部32の窓部33を通じて反射部30の反射面31に対向され、LED素子51,52からの光が反射部30の反射面31へ照射される。
【0017】
また、照度検出部14は、例えばフォトダイオードが用いられ、筐体12内で、カバー21の照度検出開口28に臨んで配置されている。
【0018】
また、プラグ15は、絶縁性を有する合成樹脂製の保持部56、およびこの保持部56に一体的に保持された一対のプラグ刃57を有している。保持部56が筐体12に回動可能に保持されており、この保持部56を中心として、一対のプラグ刃57が筐体12の背面から垂直に突出する使用状態と、一対のプラグ刃57が筐体12の背面と平行となって筐体12の背面から突出しない収納状態とに回動可能としている。なお、固定的に筐体12の背面側に突出するようなものであってもよい。すなわち、プラグ15は少なくともコンセントに差し込んだ状態において筐体12の背面に設けられる(位置する)ものであればよく、取付位置および取付手段は限定されない。
【0019】
また、点灯装置16は、プラグ15の一対のプラグ刃57と電気的に接続されて供給される商用交流電源によりLED素子51を点灯させる第1の点灯回路を搭載した第1の回路基板63と、電池24と電気的に接続されて電池24の電源によりLED素子52を点灯させる第2の点灯回路を搭載した第2の回路基板64と、LED素子51,52が実装された素子基板53とを備えている。第1の回路基板63には、照度検出部14が実装されている。
【0020】
そして、点灯装置16は、プラグ15から商用交流電源が供給されている状態で、照度検出部14で検出する外部照度に応じて商用交流電源によりLED素子51を点灯させる機能を有しているとともに、商用交流電源が供給されていない状態で、電池収納部25に収納されている電池24の電源によりLED素子52を点灯させる機能などを有している。
【0021】
また、パネル17は、筐体12のカバー21の前面全体を一体に覆うパネル本体67を有している。このパネル本体67は、筐体12のカバー21の前面と同一形状の平板状に形成されており、前面および背面とも平面状に形成されている。パネル本体67の上部域にはカバー21の前面板部26の領域に対応した領域に透光性を有する不透明部(隠蔽部)68が形成され、パネル本体67の下部域にはカバー21の照射開口29の領域に対応した領域に透光性を有する透明部69が形成されている。不透明部68によりカバー21の取付孔27や照度検出開口28を覆っている。不透明部68は、透明ではないものの光を通すことが可能な半透明部であり、パネル17の前面から見て照度検出開口28が全く視認できなくても少し視認できてもよく、透明に比べて照度検出開口28などの視認性が低ければよい。
【0022】
本実施形態では、パネル本体67を例えばアクリル樹脂などの透明素材で一体に形成され、不透明部68の形成領域に対応してパネル本体67の背面に透光性を有する塗料を塗布したり、透光性を有するインクを印刷処理したり、フィルムを貼着したり、表面に細かい凹凸を形成する拡散処理を施すことによって不透明部68が形成され、この不透明部68以外の領域に透明部69が形成されている。なお、透光性を有する不透明素材と透明素材との二色成形によってパネル本体67を形成することにより、パネル本体67に不透明部68と透明部69とを形成することもできる。
【0023】
パネル17は、カバー21の前面板部26に両面接着テープや接着剤などで接着されて取り付けられている。なお、パネル17の背面から複数の爪を突設し、これら爪をカバー21に係止させて取り付けてもよい。
【0024】
次に、このように構成されている保安灯11を使用する場合には、プラグ15をベース22の背面から突出するように回動させ、プラグ15を壁面のコンセントに差し込む。これにより、プラグ15を通じて商用交流電源が点灯装置16に供給される。
【0025】
スイッチ38が入の状態にある場合には、照度検出部14で外部照度を検出し、所定の明るさ以上であるとLED素子51を消灯状態とし、所定の明るさ以下になると商用交流電源によりLED素子51を点灯させ、ナイトライト機能が動作する。
【0026】
このとき、照度検出部14は、カバー21の照度検出開口28を通じて採光される光から外部照度を検出する。照度検出開口28はパネル17の不透明部68で覆われているが、不透明部68は透光性を有するため、保安灯11の周囲の光が不透明部68を透過して照度検出開口28から照度検出部14に到達する。不透明部68を透過する光の一部が遮光され、残りの一部のみが照度検出部14で検出されるため、点灯装置16では照度検出部14の検出値から外部照度を判断する際の閾値を適切に設定しておくことにより、外部照度を正確に判断することができる。
【0027】
スイッチ38が切の状態にある場合には、外部照度に関係なく、消灯状態を維持する。
【0028】
また、停電時には、点灯装置16が停電を検知し、電池24の電源によりLED素子52を点灯させる。
【0029】
また、保安灯11のプラグ15をコンセントから引き抜くことにより、保安灯11を携帯することができる。保安灯11のプラグ15をコンセントから引き抜いたときに、商用交流電源が供給されていた場合には、停電時と同様に、電池24の電源によりLED素子52を点灯させ、また、停電していた場合には、電池24の電源によるLED素子52の点灯を維持する。
【0030】
保安灯11のプラグ15をコンセントから引き抜いて携帯している状態では、LED素子52の点灯状態で切ボタン40を操作することでLED素子52が消灯し、LED素子52の消灯状態で入ボタン39を操作することでLED素子52が点灯する。
【0031】
そして、プラグ15を壁面のコンセントに差し込んで設置している状態において、LED素子51またはLED素子52が点灯することにより、LED素子51またはLED素子52の発生する光のほとんどが反射部30の反射面31に照射されるとともにこの反射部30の反射面31で前方へ向けて反射される。反射部30の反射面31で反射された反射光およびLED素子51またはLED素子52からの直接光がパネル17の透明部69を透過してコンセント付近の床面に照射されるとともに、反射部30の反射面31が左右方向に湾曲した形状であるために反射光が左右方向に広がって照射される。これにより、周囲が暗くても、足元が照明される。
【0032】
LED素子51,52は筐体12内で窓部33に対向するように下方へ向けて配置されているため、LED素子51,52からの直接光が床面上に居る人の目に照射されることはなく、眩しさを防止できる。
【0033】
そして、本実施形態の保安灯11によれば、筐体12の前面を覆うパネル17のパネル本体67に透明部69と透光性を有する不透明部68とを形成し、透明部69で筐体12の照射開口29を覆い、不透明部68で筐体12の照度検出開口28を覆うため、パネル17の一体感を持たせることができるとともに筐体12の前面の取付孔27や照度検出開口28などを隠蔽することができ、外観を向上することができる。
【0034】
しかも、不透明部68は透光性を有するため、保安灯11の周囲の外部照度を不透明部68および照度検出開口28を通じて照度検出部14で検出することができる。
【0035】
また、パネル本体67を透明素材で一体に形成し、不透明部68の形成領域に対応してパネル本体67の背面に透光性を有する不透明部68を形成することにより、不透明部68を有するパネル17を容易に製造することができる。
【0036】
また、照度検出開口28を覆うためのパネルを個別に準備する場合に比べて部品点数を削減できるので、コスト、部品管理および組立性などにおいて有利である。
【0037】
なお、光源部13の光源としては、LED素子51,52に限らず、EL素子あるいは白熱ランプでもよい。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
11 保安灯
12 筐体
13 光源部
14 照度検出部
15 プラグ
16 点灯装置
17 パネル
28 照度検出開口
29 照射開口
67 パネル本体
68 不透明部
69 透明部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に照射開口および照度検出開口が設けられ、背面にプラグが設けられ、内部に照射開口から光を照射する光源部、照度検出開口から外部照度を検出する照度検出部、および照度検出部が検出する外部照度に応じて光源部を点灯制御する点灯装置が配置される筐体と;
筐体の前面を覆うパネル本体を有し、パネル本体に透明部と透光性を有する不透明部とが形成され、透明部が筐体の照射開口を覆っているとともに不透明部が筐体の照度検出開口を覆っているパネルと;
を具備していることを特徴とする保安灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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