説明

保安用印刷用紙及びその製造方法

【課題】本発明は印刷用紙に関するものであって、もっと詳しくは文書の流出を防止するための保安用印刷用紙とその製造方法に関するものである。
【解決手段】本発明は、接着手段によって夫々の一面が互いに接着される第1原紙(10)と第2原紙(20);そして第1原紙(10)と第2原紙(20)の接着面の間に具備される一つ以上の検出用タッグ(30)を含んで構成される。
本発明によれば、文書に検出用タッグを一々付着しなくても感知手段によって文書の搬出可否を感知することができ、検出用タッグが印刷用紙の表に露出しないため、機械の耐久性に損傷を与えないだけなく、検出用タッグの故意的毀損又は抜け落ちを防止することができるという長所がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用紙に関するもので、さらに詳しくは文書の流出を防止するための保安用印刷用紙とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、保安の大切さが強調され、各種保存媒体の搬出を制限する保安技術がますます発展している。ひいては印刷した文書に対しても搬出を制限する必要性が増しているため、保安文書に検出用タッグを付着して搬出を防ごうとする試みがある。
【0003】
すなわち、出入口に探知ゲートを設置し、検出用タッグの付着した文書が探知ゲートを通過する際に、これを感知して搬出を禁ずるというものである。このような技術は、現在図書館や会社などで各種書籍や文書を無断で搬出することを阻むために使われている。
【0004】
ここで、検出用タッグの感知方式は、軟磁性を帯びる金属物質から成る検出用タッグが、探知ゲートなどの探知手段から発生する交流磁場を通過する際に、磁場の変化が発生し、このような磁場の変化によって検出用タッグの存在が感知される電磁気方式(EM、Electromagnetic)と、最小型ICチップに固有の識別情報を入力した後、無線周波数を利用してこのチップが付着した物などを認識・追跡・管理する無線周波数方式(RF、Radio Frequency)とに分けられる。
【0005】
特に印刷物を管理する場合には、体積及び厚さが小さく付着が容易で、その付着した位置が露出しにくい電磁気方式の検出用タッグが主に使われる。
【0006】
しかし、上述の従来技術には、次のような問題点がある。
【0007】
すなわち、保安のために、文書の一枚一枚に一々検出用タッグを付着しなければならない手続きが要求され煩わしく、多くの費用と手間がかかるという問題点があった。
【0008】
また、文書の表に検出用タッグを付着した状態でプリンター、ファックスなどの用紙として使う場合、機械の誤作動を誘発して機械の寿命を縮めるという問題点があった。
【0009】
そして、検出用タッグが外部に露出するため、使用者が検出用タッグの存在について分かるだけでなく、故意にタッグを毀損して文書を流出することができるという短所があった。
【0010】
さらに、文書の印刷後に検出用タッグを付着するようになるため、検出用タッグの付着するのを故意に漏らすことができるという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、前記のような従来の問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、検出用タッグが具備された状態で生産される印刷用紙及びその製造方法を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は、検出用タッグが印刷用紙の表に露出せず、プリンターやファックスなどの用紙として使われても機械の耐久性に損傷を与えない印刷用紙及びその製造方法を提供するものである。
【0013】
そして検出用タッグの故意的毀損を防止することができる印刷用紙及びその製造方法を提供するものである。
【0014】
最後に、本発明のさらなる他の目的は、文書の印刷前から検出用タッグが具備されていて、検出用タッグの付着の抜け落ちを防止することができる印刷用紙及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0016】
前記したような目的を果たすための本発明の特徴によれば、本発明は、接着手段によって夫々の一面がお互いに接着される第1原紙と第2原紙;そして第1原紙と第2原紙の接着面の間に具備される一つ以上の検出用タッグを含んで構成される。
【0017】
そして前記検出用タッグは、非結晶質の軟磁性合金を含むことができる。
【0018】
一方、前記第1原紙又は前記第2原紙の外面には、所定柄又はパターンを形成することができる。
【0019】
また、前記保安用印刷用紙は、前記第1原紙と前記第2原紙の接着面の間に形成される金属薄膜をさらに含んで構成されることもできる。
【0020】
前記第1原紙又は前記第2原紙は、その一面に、金属が真空蒸着されるか又は転写されたものである。
【0021】
この時、前記金属はアルミニウムを含むことができる。
【0022】
また、前記第1原紙又は前記第2原紙は、その一面に、炭素がコーティングされるか又は特定色彩が印刷されたものである。
【0023】
一方、本発明は、一つの原紙と;前記原紙の一面に具備される一つ以上の検出用タッグと;前記検出用タッグが具備された前記原紙の一面に形成される金属薄膜を含んで構成されることができる。
【0024】
ここで、前記検出用タッグは、非結晶質の軟磁性合金を含んで構成されることができる。
【0025】
そして前記金属薄膜は、前記検出用タッグが具備された前記原紙の一面に付着されることで形成することができる。
【0026】
前記金属薄膜は、前記検出用タッグが具備された前記原紙の一面に、金属を真空蒸着するか又は転写することで形成されることもできる。
【0027】
一方、本発明は、第1原紙又は第2原紙の接着面に検出用タッグを付着する段階と;前記検出用タッグが付着した第1原紙の接着面と第2原紙の接着面を接着する段階を含むことができる。
【0028】
この時、前記検出用タッグは、非結晶質の軟磁性合金を含んで構成されることもできる。
【0029】
そして、発明は、前記第1原紙と第2原紙の接着面の間に金属薄膜を形成する段階をさらに含むこともできる。
【0030】
この時、前記金属薄膜を形成する段階は、すでに形成された金属薄膜を前記第1原紙又は第2原紙の接着面に付着する方法、前記第1原紙又は第2原紙の接着面に金属を真空蒸着する方法、又は転写フィルムに真空蒸着された金属を前記第1原紙又は第2原紙の接着面に転写する方法の中の何れか一つから成ることができる。
【0031】
ここで、前記金属は、アルミニウムを含むことができる。
【0032】
そして、前記第1原紙又は第2原紙の接着面に、炭素をコーティングする段階をさらに含むこともできる。
【0033】
一方、本発明は、原紙の一面に一つ以上の検出用タッグを付着する段階;そして前記検出用タッグが付着した前記原紙の一面に金属薄膜を形成する段階を含むことができる。
【0034】
この時、前記金属薄膜を形成する段階は、前記検出用タッグが付着した前記原紙の一面に金属薄膜を接着することで成ることができる。
【0035】
そして前記金属薄膜を形成する段階は、前記検出用タッグが付着した前記原紙の一面に金属を真空蒸着することで成ることもできる。
【0036】
又は前記金属薄膜を形成する段階は、金属を転写フィルムに真空蒸着する段階;そして真空蒸着された金属を、前記検出用タッグが付着した前記原紙の一面に転写する段階から成ることもできる。
【発明の効果】
【0037】
本発明は上述のように構成したから、
前記したような構成を持つ本発明によれば、文書に検出用タッグを一々付着しなくても、感知手段によって文書の搬出可否を感知することができるし、検出用タッグが印刷用紙の表に露出しないため、機械の耐久性に損傷を与えないだけではなく、検出用タッグを故意に毀損したり、漏らすことができないという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0039】
以下では、前記したような本発明による保安用印刷用紙の具体的な実施例を添付された図面を参考にして詳細に説明する。
【0040】
この時、それぞれの実施例を成す構成要素の中で、同一の要素には同一の図面符号を付与して説明する。
【0041】
図1は、本発明の具体的な実施例による保安用印刷用紙の構成を示す斜視図で、図2aと2bは、本発明の具体的な実施例による保安用印刷用紙の断面を示した断面図、図3は、本発明の他の実施例による保安用印刷用紙の断面を示した断面図である。
【0042】
図1に図示されたように、本発明の具体的な実施例は、第1原紙(10)と第2原紙(20)を含んで構成される。
【0043】
この時、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)は、一般印刷用紙のような組成を持つ。
【0044】
例えば、前記第1原紙(10)及び前記第2原紙(20)は、針葉樹パルプ(NBKP、Needle Bleached Kraft Pulp)と広葉樹パルプ(LBKP、Leaf Bleached Kraft Pulp)の混合に、乾燥パルプの最大20%の二酸化チタン(TiO2)を添加したパルプスラリーを利用して製造されることができる。
【0045】
しかし、上述したような前記第1原紙(10)及び前記第2原紙(20)の組成は、印刷用紙の用途や品質などによって上記とは異なって構成されることもできる。
【0046】
また、前記第1原紙(10)及び前記第2原紙(20)は、上記のような組成のパルプスラリーを抄紙機で脱水、圧搾、乾燥する通常の印刷用紙の製造方式を利用して製造される。
【0047】
ここで、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)が結合されて一つの印刷用紙を成すため、二つの用紙の坪量の合計が一般印刷用紙の坪量の範囲内に入るように、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)の坪量を調節する。
【0048】
すなわち、一般印刷用紙の坪量が70gsmから80gsmであるのが一般的であるため、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)の坪量の合計も70gsmから80gsmの範囲内に入るようにする。
【0049】
この時、印刷用紙を、両面印刷可能な印刷用紙として使おうとする場合、印刷用紙の両面の質が同一であることが望ましいため、坪量が35gsmから40gsmの範囲で製作された同一種類の原紙を、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)として使うことができる。
【0050】
一方、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)の間には検出用タッグ(30)が具備される。
【0051】
前記検出用タッグ(30)は、非結晶質の軟磁性合金を含んで構成される。
【0052】
これは、文書流出防止のために文書に付着する、感応テープ、磁石テープ、Tattle Tape(登録商標)、検出用タッグ、ペーパータッグなどと呼ばれる非結晶質ラベルと同じ組成を持つ。
【0053】
特に、本実施例で前記検出用タッグ(30)は、コバルトベースの非結晶質金属(cobalt based amorphous alloy)を細く薄くした後、これを熱処理する方法を通して製造した細線ラベルであるとして説明する。
【0054】
この時、前記細線ラベルは、長さが3cm以上、厚さが0.01mm、幅が0.65mm程度であり、これを含んで印刷用紙を製造しやすく薄く細く加工されたものを使う。
【0055】
ただ、前記細線ラベルから成った前記検出用タッグ(30)の長さが長く、幅が広いほど、感知手段で前記検出用タッグ(30)を感知する確率が高くなるため、前記細線ラベルの大きさは、用途や品質などにより異なるものを選択することができる。
【0056】
そして前記検出用タッグ(30)は、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)が接着される接着面のどの位置に具備されても構わない。
【0057】
しかし、印刷用紙を毀損して前記検出用タッグ(30)を取り除くことができないように、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)の接着面の中央部に位置するようにもできる。
【0058】
また、前記検出用タッグ(30)が具備される数や配列も、印刷用紙の用途や品質などによって選択することができるが、感知手段での感知確率を高めながら生産原価を低くすることができる最適の数と位置に配列するのが妥当である。
【0059】
特に、前記検出用タッグ(30)を2つ以上具備する場合、各検出用タッグ(30)を垂直に配列するのが、感知確率を高めることができる方法となる。
【0060】
ここで、前記検出用タッグ(30)は、電磁気方式(EM、Electromagnetic)の感知手段を通じて検出されるように考案されたものである。
【0061】
すなわち、前記感知手段によって発生した交流磁場に前記検出用タッグ(30)のような軟磁性物質が接近すると、交流磁場に変化が発生し、このような変化により発生される高周波のスペクトラムを検出してブザーが鳴るようになる。
【0062】
この時、前記感知手段は、一般的に交流磁場を発生させる送信コイルと、前記送信コイルによって発生した交流磁場の変化を感知する受信コイルと、前記送信コイルから発生する交流磁場を制御して、前記受信コイルで受信した信号を処理する電子システムを含んで構成される。
【0063】
上述したような本発明の具体的な実施例を、図2を参照して詳細に説明すると、図2aにおいて前記検出用タッグ(30)は第1原紙の接着面(10b)又は第2原紙の接着面(20b)に付着する。
【0064】
前記検出用タッグ(30)が付着した後、前記第1原紙の接着面(10b)と第2原紙の接着面(20b)が接着手段によって接着される。この時、前記接着手段は、原紙の接着のために一般的に使われる接着剤、すなわち澱粉又は澱粉誘導体、アクリル係樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂又は硅酸ナトリウムなど多様な接着剤を含む。
【0065】
一方、印刷用紙の内部に具備された前記検出用タッグ(30)は、前記印刷用紙を光に照らして見ること等によって、その位置が露出することがあるため、印刷用紙の不透明度を高め、用紙内部に具備された前記検出用タッグ(30)の位置を隠すために、第1原紙の外面(10a)又は第2原紙の外面(20a)には、各種の柄、パターンや文字、会社や団体などのロゴなど印刷可能なすべてのものを印刷することができる。そして、全体的に明度が低い色を印刷することで印刷用紙の不透明度を高めることもできる。
【0066】
又は、前記第1原紙(10)又は前記第2原紙(20)の中の一つは、明度が低い色に製造された原紙を使うことで不透明度を高めることもできる。ただ、このような場合は、単面だけが可能な印刷用紙が製造される。
【0067】
また、印刷用紙の不透明度を高めることができる他の方法として、前記第1原紙の接着面(10b)又は第2原紙の接着面(20b)に炭素コーティングをする方法がある。
【0068】
すなわち、前記第1原紙の接着面(10b)又は前記第2原紙の接着面(20b)を炭素コーティングして黒くした後、前記検出用タッグ(30)を付着して前記第1原紙(10)と前記第2原紙とを合紙(20)にして印刷用紙を製造するものである。
【0069】
そして、図2bに図示されたように、印刷用紙の不透明度を進めることができる、また他の方法として、前記第1原紙の接着面(10b)と前記第2原紙の接着面(20b)の間に金属薄膜(40)が形成されることがある。
【0070】
ここで、前記第1原紙の接着面(10b)と前記第2原紙の接着面(20b)の間に前記金属薄膜(40)を形成するための方法として、さまざまな方法が使われることができる。
【0071】
まず、既に形成された金属薄膜を、接着手段を利用して前記第1原紙の接着面(10b)と前記第2原紙の接着面(20b)の間に付着することができる。
【0072】
又は前記第1原紙の接着面(10b)又は前記第2原紙の接着面(20b)に金属を真空蒸着することで、前記金属薄膜(40)が形成されるようにすることもでき、転写フィルムに真空蒸着した金属を前記第1原紙の接着面(10b)又は前記第2原紙の接着面(20b)に転写することで前記金属薄膜(40)が形成されることもできる。
【0073】
一方、一面に金属が真空蒸着された原紙を、前記第1原紙(10)又は前記第2原紙(20)の中の何れか一つにすることで、同一の效果を得ることができる。この時、金属が真空蒸着された面を接着面にする場合、図2bに図示されたものと同じの印刷用紙を得ることができ、このような場合両面印刷可能な印刷用紙を得ることができる。
【0074】
しかし、金属が真空蒸着された面が、前記第1原紙の外面(10b)又は前記第2原紙の外面(20b)になる場合には、単面だけが印刷可能な印刷用紙になる。
【0075】
また、転写フィルム上に真空蒸着された金属を一面に転写した原紙を、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)中の何れか一つにすることで同じ效果を得ることができる。この時にも、金属が転写された面を接着面にする場合、図2bに図示されたような、断面の印刷用紙を得ることができ、このような場合、両面印刷可能な印刷用紙を得ることができる。
【0076】
しかし、金属が転写された面が、前記第1原紙の外面(10b)又は前記第2原紙の外面(20b)になる場合には、単面だけが印刷可能な印刷用紙になる。
【0077】
ここで、前記真空蒸着とは、高真空に置かれた容器の中に原紙と、その表面に付着させようとする金属の粒子とを入れておいた後、ヒーターに電流を流し加熱することでその金属粒子を蒸発させれば、冷たい原紙の表面に金属粒子が凝縮して付着することを言う。
【0078】
このような方式によれば、既に形成された金属薄膜を原紙の間に付着する方法より、もっと薄い金属薄膜が形成される。
【0079】
そして前記転写とは、原紙に転写しようとする金属を転写フィルム上に真空蒸着した後、転写フィルム上に蒸着された金属を原紙へ移すことで、最終的に原紙に金属が蒸着される效果を得ることができる方法をいう。
【0080】
このような方式によれば、金属を原紙に直接真空蒸着する方法より、製造工程上の歩留まりを高くすることができる。
【0081】
ここで、前記金属は各種金属でもよいが、アルミニウム金属であるのが一般的である。
【0082】
一方、本発明の他の実施例は、図3に図示されたように一つの原紙(15)のみを含む。この時、前記原紙(15)は一般印刷用紙と同様な組成を持つ。
【0083】
例えば、前記原紙(15)は、針葉樹パルプ(NBKP、Needle Bleached Kraft Pulp)と広葉樹パルプ(LBKP、Leaf Bleached Kraft Pulp)の混合に、乾燥パルプの最大20%の二酸化チタン(TiO2)を添加したパルプスラリーを利用して製造されることができる。
【0084】
しかし、上述したような前記原紙(15)の組成は、印刷用紙の用途や品質などによって違うものにすることができる。
【0085】
また、前記原紙(15)は、上記のような組成のパルプスラリーを抄紙機で脱水、圧搾、乾燥する、通常の印刷用紙の製造方式を利用して製造される。
【0086】
ここで、前記原紙(15)の坪量が一般印刷用紙の坪量の範囲内に入るように、前記原紙(15)の坪量が調節される。
【0087】
すなわち、一般印刷用紙の坪量が70gsmから80gsmであるのが一般的なため、前記原紙(15)の坪量も70gsmから80gsm範囲内に入るようにする。
【0088】
一方、前記原紙(15)の一面には検出用タッグ(30)が具備される。前記検出用タッグ(30)は、非結晶質の軟磁性合金を含んで構成される。この時、前記検出用タッグ(30)の組成、大きさ、位置及び配列、数、検出方式などは、本発明の具体的な実施例において説明したものと同様である。
【0089】
そして前記原紙(15)の前記検出用タッグ(30)が具備された面には、前記検出用タッグ(30)の外部への露出を防止し、印刷用紙の不透明度を高めて前記検出用タッグ(30)の位置を隠すために金属薄膜(40)が具備される。
【0090】
この時、前記金属薄膜(40)は、既に形成された金属薄膜を、接着手段などを利用して前記原紙(15)の前記検出用タッグ(30)が付着した面に付着することで形成されることができる。
【0091】
また前記原紙(15)の前記検出用タッグ(30)が付着した面に金属を真空蒸着することで、図3に図示されたような断面を持つ印刷用紙を得ることができる。
【0092】
このような方式によれば、既に形成された金属薄膜を原紙の間に付着する方法より、もっと薄い金属薄膜が形成される。
【0093】
また、転写フィルム上に真空蒸着された金属を、前記原紙(15)の前記検出用タッグ(30)が付着した面に転写することで、図3に図示されたような断面を持つ印刷用紙を得ることができる。
【0094】
このような方式によれば、金属を原紙に直接真空蒸着する方法より製造工程上の歩留まりを高くすることができる。
【0095】
この時、前記真空蒸着と前記転写の意義は、本発明の具体的な実施例で詳述したものと同様である。また前記金属は多様な金属を含むが、アルミニウムであることが一般的である。
【0096】
このような本発明の他の実施例によれば、単面だけが印刷可能な印刷用紙を得ることができる。
【0097】
以下では、本発明の具体的な実施例と異なる、他の実施例による保安用印刷用紙の製造方法を詳細に説明することにする。
【0098】
図4は、本発明の具体的な実施例による保安用印刷用紙の製造方法を示したフローチャートを示した図面で、図5は、本発明の他の実施例による保安用印刷用紙の製造方法を示したフローチャートである。
【0099】
図4に図示されたように、本発明の具体的な実施例は、まず第1原紙(10)と第2原紙(20)を製造する段階(S100)から始まる。この時、前記第1原紙(10)と前記第2原紙(20)の組成及び坪量、生産方法などは、前述した実施例の場合と同じである。
【0100】
そして前記段階100で製造された前記第1原紙(10)と前記第2原紙(10)の中の一つに金属薄膜を形成させるが、本実施例では前記第1原紙(10)に形成させることとして説明する(S300)。
【0101】
すなわち、既に形成された前記金属薄膜(40)を前記第2原紙の接着面(20b)に接着手段を利用して接着する。
【0102】
なお、前記第1原紙の接着面(10b)に前記検出用タッグ(30)を付着する段階が遂行される(S500)。
【0103】
この時、前記検出用タッグ(30)の組成と数、配列、感知方法などは、前述した実施例の場合と同様である。そして前記検出用タッグ(30)の付着する面は、前記第2原紙の接着面(20b)になることもできる。
【0104】
そして段階700では、前記検出用タッグ(30)が付着した前記第1原紙の接着面(10b)と、前記金属薄膜(40)が付着した前記第2原紙の接着面(20b)とを互いに接着して合紙させる。
【0105】
このように、本発明の具体的な実施例によって印刷用紙が製造されれば、これを裁断、包装するなどの付随的な段階が行われる。
【0106】
この時、前記段階300は、製造される印刷用紙の不透明度を高めて前記検出用タッグ(30)の存在及び位置を露出させないために遂行される。そして前記段階500は、上述したような方法以外の他の方法によって遂行されることができる。
【0107】
すなわち、上述したように、既に形成された前記金属薄膜(40)を付着すること以外に、前記第1原紙の接着面(10b)又は前記第2原紙の接着面(20b)に金属を真空蒸着する方法や、転写フィルムに真空蒸着された金属を前記第1原紙の接着面(10b)又は前記第2原紙の接着面(20b)に転写する方法を通じて、前記金属薄膜(40)が形成される段階300を遂行することもできる。
【0108】
一方、前記第1原紙(10)又は前記第2原紙(20)が、前記段階100で一面に金属が真空蒸着された原紙、又は真空蒸着された金属が一面に転写された原紙に製造された場合には、前記段階500は不要である。
【0109】
この時、前記第1原紙(10)又は前記第2原紙(20)の金属が形成された一面が接着面になるように、前記段階700を遂行する場合、両面印刷が可能な印刷用紙を得ることができる。
【0110】
そして前記段階300で前記金属薄膜(40)を形成する代りに、前記第1原紙の接着面(10b)又は前記第2原紙の接着面(20b)に炭素コーティングをするか、明度が低い色彩のインクで全面印刷をするなどの過程が遂行されることもできる。
【0111】
すなわち、段階300で前記第1原紙の接着面(10b)又は前記第2原紙の接着面(20b)に金属を形成する代りに、炭素コーティングなどによって不透明度を高めた後、その上に前記検出用タッグ(30)を付着し合紙して印刷用紙を製造するものである。
そして、本実施例で前記金属薄膜(40)を形成せず、前記段階700の後に、前記第1原紙の外面(10a)又は前記第2原紙の外面(20a)に特定柄やパターンなどを印刷することで印刷用紙の不透明度を高めることも可能である。
【0112】
一方、図5に図示されたように、本発明の他の実施例による保安用印刷用紙の製造方法は、原紙(15)を製造する段階から始まる(S200)。
【0113】
この時、前記原紙(15)の組成及び坪量、生産方法などは、図3を参照して説明した本発明の他の実施例の場合の同様である。
【0114】
そして前記原紙(15)の一面に検出用タッグ(30)を付着する段階(S400)が遂行される。この時、前記検出用タッグ(30)の組成と数、配列などは、前述した実施例の場合の同様である。
【0115】
一方、前記段階400の後、前記検出用タッグ(30)が付着した前記原紙(15)の面に金属薄膜(40)を形成する段階(S600)が遂行される。このような段階は、印刷用紙の不透明度を高めるだけではなく、前記検出用タッグ(30)が外部で露出することを防止するために遂行される。
【0116】
この時、前記段階600は多様な方法によって遂行されることができるが、まず、既に形成された前記金属薄膜(40)を、前記原紙(15)の前記検出用タッグ(30)が付着した面に接着する方法がある。
【0117】
そして前記原紙(15)の前記検出用タッグ(30)が付着した面に金属を真空蒸着する方法と、転写フィルム上に真空蒸着された金属を、前記原紙(15)の前記検出用タッグ(30)が付着した面に転写する方法によっても前記段階600が遂行されることができる。
【0118】
そして上記のような過程が終われば、印刷用紙を裁断、包装するなどの付随的な段階が行われる。
【0119】
本発明の権利は、上記で説明された実施例に限定されるのではなく、請求範囲に記載してあるものにより定義され、本発明の技術分野で通常の知識を有する者が、請求範囲に記載してある権利範囲内において多様な変形と改作ができるということは自明である。
【0120】
上記で詳しく説明したような本発明による保安用印刷用紙及びその製造方法では、次のような效果が期待できる。
【0121】
すなわち、印刷用紙内部に、既に検出用タッグが付着しているため、文書の一枚一枚に検出用タッグを一々付着しなくても、感知手段によって文書の搬出可否を感知することができるという長所がある。
【0122】
また、本発明による保安用印刷用紙及びその製造方法では、検出用タッグが印刷用紙の表に露出しないため、プリンターやファックスなどの用紙として使われても機械の耐久性に損傷を与えない長所がある。
【0123】
そして本発明による保安用印刷用紙及びその製造方法では、検出用タッグが印刷用紙の表に露出しないため、検出用タッグを故意に毀損することを防止することができるという利点がある。
【0124】
最後に、本発明による保安用印刷用紙及びその製造方法では、文書の印刷の前から検出用タッグが具備されているため、印刷後検出用タッグの付着を漏れることを防止することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の具体的な実施例による保安用印刷用紙の構成を示した斜視図である。
【図2a】本発明の具体的な実施例による保安用印刷用紙の断面を示した断面図である。
【図2b】本発明の具体的な実施例による保安用印刷用紙の断面を示した断面図である。
【図3】本発明の他の実施例による保安用印刷用紙の断面を示した断面図である。
【図4】本発明の具体的な実施例による保安用印刷用紙の製造方法を示したフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施例による保安用印刷用紙の製造方法を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0126】
10 第1原紙
10a 第1原紙の外面
10b 第1原紙の接着面
15 原紙
20 第2原紙
20a 第2原紙の外面
20b 第2原紙の接着面
30 検出用タッグ
40 金属薄膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着手段によって夫々の一面が互いに接着される第1原紙と第2原紙;
そして第1原紙と第2原紙の接着面の間に具備される一つ以上の検出用タッグを含んで構成されることを特徴とする保安用印刷用紙。
【請求項2】
前記検出用タッグは、非結晶質の軟磁性合金を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の保安用印刷用紙。
【請求項3】
前記第1原紙又は前記第2原紙の外面には、所定の柄又はパターンが形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の保安用印刷用紙。
【請求項4】
前記第1原紙と前記第2原紙の接着面の間に形成される金属薄膜をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保安用印刷用紙。
【請求項5】
前記第1原紙又は前記第2原紙は、その一面に、金属が真空蒸着されるか又は転写されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保安用印刷用紙。
【請求項6】
前記金属は、アルミニウムであることを特徴とする請求項4又は5記載の保安用印刷用紙。
【請求項7】
前記第1原紙又は前記第2原紙は、その一面に、炭素がコーティングされるか又は特定色彩が印刷されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保安用印刷用紙。
【請求項8】
一つの原紙と;
前記原紙の一面に具備される一つ以上の検出用タッグと;
前記検出用タッグが具備された前記原紙の一面に形成される金属薄膜を含んで構成されることを特徴とする保安用印刷用紙。
【請求項9】
前記検出用タッグは、非結晶質の軟磁性合金を含んで構成されることを特徴とする請求項8記載の保安用印刷用紙。
【請求項10】
前記金属薄膜は、前記検出用タッグが具備された前記原紙の一面に付着することで形成されることを特徴とする請求項8又は9記載の保安用印刷用紙。
【請求項11】
前記金属薄膜は、前記検出用タッグが具備された前記原紙の一面に、金属を真空蒸着するか又は転写することで形成されることを特徴とする請求項8又は9記載の保安用印刷用紙。
【請求項12】
第1原紙又は第2原紙の接着面に検出用タッグを付着する段階と;
前記検出用タッグが付着した第1原紙の接着面と第2原紙の接着面を接着する段階を含むことを特徴とする保安用印刷用紙の製造方法。
【請求項13】
前記検出用タッグは、非結晶質の軟磁性合金を含んで構成されることを特徴とする請求項12記載の保安用印刷用紙の製造方法。
【請求項14】
前記第1原紙と第2原紙の接着面の間に金属薄膜を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12又は請求項13記載の保安用印刷用紙の製造方法。
【請求項15】
前記金属薄膜を形成する段階は、既に形成された金属薄膜を前記第1原紙又は第2原紙の接着面に付着する方法、前記第1原紙又は第2原紙の接着面に金属を真空蒸着する方法、又は転写フィルムに真空蒸着された金属を前記第1原紙又は第2原紙の接着面に転写する方法の中の何れか一つから成ることを特徴とする請求項14記載の保安用印刷用紙の製造方法。
【請求項16】
前記金属は、アルミニウムであることを特徴とする請求項14又は15記載の保安用印刷用紙の製造方法。
【請求項17】
前記第1原紙又は第2原紙の接着面に、炭素をコーティングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項12又は請求項13記載の保安用印刷用紙の製造方法。
【請求項18】
原紙の一面に一つ以上の検出用タッグを付着する段階;
そして前記検出用タッグが付着した前記原紙の一面に金属薄膜を形成する段階を含むことを特徴とする保安用印刷用紙の製造方法。
【請求項19】
前記金属薄膜を形成する段階は、前記検出用タッグが付着した前記原紙の一面に金属薄膜を接着することから成ることを特徴とする請求項18記載の保安用印刷用紙の製造方法。
【請求項20】
前記金属薄膜を形成する段階は、前記検出用タッグが付着した前記原紙の一面に金属を真空蒸着することから成ることを特徴とする請求項18記載の保安用印刷用紙の製造方法。
【請求項21】
前記金属薄膜を形成する段階は、金属を転写フィルムに真空蒸着する段階;
そして真空蒸着された金属を、前記検出用タッグが付着した前記原紙の一面に転写する段階から成ることを特徴とする請求項18記載の保安用印刷用紙の製造方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−303522(P2008−303522A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264810(P2007−264810)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(507336569)株式会社 コーレイト (1)
【Fターム(参考)】