説明

保湿マスク

【課題】睡眠時にエアコンを使用したり、冬の乾燥した空気から、鼻や咽の粘膜、眼の角膜及び結膜に炎症をおこしやすい。その為、それらの炎症を防ぐことができるよう、鼻や眼の近傍に湿度を保てるようなマスクを提供する。また、圧迫感や蒸れを解消する為、着用者の顔の必要な部分のみに使用できるように形成する。
【解決手段】アイマスク体2と鼻マスク体1とを一体にした保湿マスク77を形成、着用することで、着用者の鼻呼吸による湿度を眼の近傍へと通過させることが可能となり、使用中に眼や鼻及び咽の粘膜の乾燥を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠時の乾燥による咽や鼻の粘膜の炎症を防ぐために使用するマスクで、息苦しさや暑さを減少させるために少ない面積で顔を覆うことを目的としている。また、眼の乾燥を同時に防ぐことができるよう、睡眠時の鼻呼吸による湿度を眼の近傍へと通過させられるように、鼻マスクとアイマスクを一体にしたような形状に形成した保湿マスクである。
本発明の保湿マスクは、細菌、ウイルスや花粉、飛沫からの保護は付随効果として期待できるが、ガスマスクとしての利用や大気汚染物質などを防ぐ呼吸保護効果は目的外であり、装置のように複雑なものではなく、空気ボンベやチューブなどの接続は必要なく、酸素マスクとして使用する目的もない。
保湿マスクを更に何かに接続して使用する目的はなく、単体で使用でき、電気やその他のエネルギー、動力などを必要としない。薬剤を吸入させるためのマスクではない。
保護マスクではなく、防護目的はないため必要以上に強度を求める物ではない。また、防災具ではなく、煙を防ぐ必要はなく、防寒マスクでもない。マスク自体が発熱するような保温効果、発熱効果などは必要ない。水中用、潜水用としての目的はない。
アイマスク体は睡眠時に使用する為、眼鏡をかけたまま保湿マスクが使用できるように形成する必要はない。必ずしも視界を確保する必要はなく、ゴーグルやシールドのように透明及びクリアな素材を用いる必要はない。(クリア素材を用いてもよい。)
美容効果は必須ではない為、パック効果は必要なく、化粧水などを浸透させる効果は必要ない。
図示したようにコンパクトで簡易な保湿マスクである。
【背景技術】
【0002】
仮眠、休憩、歯科・手術・各種患者等の隠蔽用、又は美容室(理髪店)等の眼等の隠蔽用、シャンプー用等に使用されるフェースマスク兼アイマスク(特許文献1に記載)に関する考案があり、このように記載されている。
このフェースマスク兼アイマスクは、人の眼及びフェース面を被う扁平おむすび形、ハート形、三角形等をなすフェースマスク兼アイマスク体と、このフェースマスク兼アイマスク体に設けられた前記フェース面の鼻梁ラインにほぼ沿った曲面ほぼ凹状のフィットポイント部とで構成される。本発明のフェースマスク兼アイマスクは、人の眼及びフェース面を被い、かつ前記眼及びフェース面に接する面がパイル面となった扁平おむすび形、ハート形、三角形等をなすタオル素材でなるフェースマスク兼アイマスク体と、このフェースマスク兼アイマスク体に設けられた前記フェース面の鼻梁ラインにほぼ沿った曲面ほぼ凹状のフィットポイント部とで構成される。
このフェースマスク兼アイマスクは、顔に被せるように使用するもので、マスクの固定にはあまり優れてはいない為、歯科や理髪店、美容院での使用が主になるように思う。
また、顔を平面に覆っており、覆っている部分が比較的大きい為、長時間の使用では蒸れやすく暑く感じる。
【0003】
旅行中の乗り物や昼寝の時などに、安眠するために、人から寝顔を見られることなく呼吸が楽で、口紅等の汚れが付着せず、お洒落なアイマスク、下顔カバー付きアイマスク(特許文献2に記載)に関する考案があり、このように記載されている。
下縁が開口したアイマスク形の袋体に、連結して袋体内部へ収納可能な下顔カバーと、袋体の両側縁に連結した一対の耳掛け部とからなる下顔カバー付きアイマスクで、下顔カバーは、鼻の凸部に合わせて立体性を持たせ、上縁中央部が上方左右へ彎曲した平面形状の布体を上方にギャザーを設けて立体形状にしたために、呼吸が楽で、口紅等の汚れが付着せず安眠できるようにした。
この下顔カバー付きマスクは、あくまでも他人の目から寝顔を隠すことが目的であり、顔を覆っている部分が広範囲な面積である必要がある。そのため長時間の使用では蒸れやすく暑く感じる。
また、口紅の付着を防ぐために顎付近にゆとりを持たせているため、使用者の呼吸による湿度は眼の近傍へはとどかず、顎方向へと吐き出される。
【0004】
スカーフで安眠・保湿マスク(特許文献3に記載)に関する考案があり、このように記載されている。
このマスクはスカーフのように首に巻きつけ使うので鼻・口以外にも、のど・首・Vゾーンを保温保湿することができる。また耳にかけるゴムが直接頬にあたる心配がなく自身で締め付けが調節できるため顔にゴムの跡が残ることなく、寝ている間にマスクが顔から離れることもなくなる。就寝時にこれを装着すれば自身の呼吸でマスク内の湿度がたかくなり気管支が保湿される。広く顔を覆うため就寝時顔につけた化粧品が布団やまくらにつくこともなくなる。スカーフとしても使え、おしゃれで機能的なスカーフマスクとなる。
このスカーフで安眠・保湿マスクは、首から顔を広範囲に覆うもので、これがキープされればかなり息苦しさや圧迫感を感じる。長時間の使用では蒸れと暑苦しさを想像させられる。
その他、スカーフを首の後ろで結わえて使用するが、就寝時にずれることがないとはとても考え難く、額側に持ち上げられた顔を覆う部分は、就寝時に剥がれ落ちるように首元にまとまることも想像できる。
【0005】
ドライアイ防止用保湿具(特許文献4に記載)として次のような考案があり、このように記載されている。
着用者の呼気が外に漏れにくいように鼻と口との周囲を略密閉状に覆うとともに、眼を覆わないように上縁が下目蓋近傍に設定される覆い部本体と、覆い部本体の上縁寄り位置で、かつ装着時に眼の直下近傍となる位置に開孔され、覆い部本体が覆う内側空間の着用者の呼気を眼近傍に向けて放出させる一または複数の孔と、を含み、該孔から放出される着用者の呼気を介して、眼近傍の雰囲気湿度を常時ある程度高く維持させることを特徴とするドライアイ防止用保湿具。
このドライアイ防止用保湿具は、眼を覆わずに着用者が呼気する際の息を孔より眼の近傍に放出させるもので、常に眼の近傍に湿度を保つのは難しい。就寝時に使用することが主な目的ではないため、日中などは瞬きによる涙液の分泌や、目薬等の使用との相乗効果もあり期待はできるが、就寝時には眼が薄目であいていたり、エアコンの使用などがあればさらに乾燥しやすい。
また就寝時には瞬きはなく涙液交換ができない為、角膜及び結膜の乾燥による炎症をおこしやすく、起床時に眼のショボつき感をおこしやすい。このように一時的に息を眼の近傍に放出させるだけでは瞬きによる涙液交換ができない就寝時のドライアイ防止用としては不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平07−241312号広報
【特許文献2】特開2006−223608号広報
【特許文献3】特開2008−173416号広報
【特許文献4】特許4288369号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
睡眠中に呼吸する際、乾いた空気により咽や鼻の粘膜が乾燥し、炎症を引き起こしやすい。冬の乾燥した空気の他、夏にも睡眠時にエアコンを使用し、乾燥した空気で咽や鼻の粘膜、また眼の乾燥等の症状をおこしやすく、起床時に咽や鼻の痛みや眼のショボショボ感といった症状を感じやすい。実際にコンタクト非装用者の小中学生でも睡眠時のエアコン使用も原因となり、角膜に傷をつくり受診する患者も少なくない。
そこで、睡眠時の乾燥による症状を防ぐために使用するマスクを、息苦しさや暑さを減少させるために顔を覆う面積を少なくすることと、鼻の立体形状に合うように形成した鼻マスク体から、両眼を覆うアイマスク体へと着用者の呼吸による湿度を通過させることができるよう形成し、咽や鼻の粘膜、眼の乾燥を防ぐための保湿マスクを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
咽や鼻の粘膜の他、眼の乾燥を同時に防ぐことができるよう、睡眠時の鼻呼吸による湿度を眼の近傍へと通過させられるように、鼻の立体形状に合わせて鼻とマスクとが完全には接触しきらないよう、やや隙間を作り空気が通る通路の役割をはたすように形成した鼻マスク体と、(空気が通る通路とは、チューブのような物を具備することも含み、その際は鼻とマスクとが接触するよう形成してもよい。)アイマスクのように両眼を覆うことができる物を布や不織布等(その他適した素材。)で形成したアイマスク体とを合わせて使用する。
両眼を覆うように被せたアイマスク体と着用者の眼との間に適当な空間を持たせ、その空間に、前記通路の役割をはたす隙間より着用者の呼吸による湿度を眼の近傍に通過させられるように形成することで、乾燥を防ぎ症状の予防や改善を促すことができる。
【0009】
上記目的を解決するために請求項1の保湿マスクは、鼻や鼻の近傍を覆うことができる鼻マスク体と、両眼や両眼の近傍を覆うことができるアイマスク体とが一体である保湿マスクであって、前記鼻の近傍及び、両眼の近傍以外の顔面を不必要に覆わないように形成した。
【0010】
この請求項1の保湿マスクによれば、鼻の立体形状に合うように形成された立体の鼻マスク体と、(鼻呼吸による湿度が眼の近傍にとどけらる構造であれば、鼻全面を覆う立体形状でなくてもよい。)両眼を覆うことができるアイマスク体とからなる保湿マスクであって、前記アイマスク体は全体が肌と密着しないよう外周縁部分以外の装着時に眼の近傍に対応する部分にはある程度の空間を設けており、鼻マスク体は少なくとも鼻と密着しない空間を設け、(又は、密着させるよう形成した場合は空気が通るようチューブを具備し。)前記保湿マスクは装着時に概ね外周縁部分が肌に触れるように形成し、肌に接触していない内側の空間が鼻マスク体とアイマスク体とでつながっている。
請求項1の保湿マスクのように、概ね外周縁部分が肌に触れるようにすることで鼻呼吸による湿度をアイマスク体へと通過させる効果が高まる。(鼻マスク体からアイマスク体をつなぐチューブを具備することでも同様の効果がある。)
【0011】
この請求項1の保湿マスクによれば、主に図1に示された形の保湿マスクで、アイマスク体と鼻マスク体とが一体に形成されている。(分離できない保湿マスク。)
鼻の立体形状に合うように形成された立体の鼻マスク体は、完全に肌と密着しない程度のサイズで、鼻マスク体と着用者の鼻との間に少なくとも空気が通過しやすい程度の空間を設けてある。アイマスク体も、全体が肌と密着しないよう着用者の眼、及び眼の近傍と、アイマスク体との間に空気が通過できる程度の空間を設け、(普通のアイマスク着用時に眼の近傍にできる空間も、ある程度の空間と言える。)鼻呼吸による湿度を、鼻マスク体と鼻との間にできる空間から、アイマスク体と眼の近傍との間にできる空間へと通過させられるよう形成されている。(鼻マスク体と鼻をフィットするよう形成し、鼻マスク体内側は鼻孔近傍に空間を設け、その空間から眼の近傍の空間へ向けてチューブを具備することでも同じ効果がある。)
鼻呼吸による湿度が鼻マスク体から外部へ必要以上に漏れ出さないようマスクの縁部分は概ね肌に接触するように形成するとよい。
個人差がある顔に大体合うよう形状変化できるものである。(請求項2、3も同様。)
マスク体は必ず立体形状にする必要はなく、また必ず外周縁部分を接触させなくてもよい。眼及び鼻の近傍を覆うマスク体であれば非立体形状でも、ある程度の縁部非接触でも、鼻呼吸による湿度を眼の近傍へと通過させる効果がある。
【0012】
請求項2の保湿マスクは、前記保湿マスクのアイマスク体と鼻マスク体とを分離できるよう形成し、それぞれを個別で使用可能にした保湿マスクである。
【0013】
この請求項2の保湿マスクによれば、請求項1に記載した保湿マスクと同じく、アイマスク体と鼻マスク体とがあり、それらアイマスク体と鼻マスク体とが着脱可能に形成されており、分離してそれぞれの用途で使用可能となるようにした保湿マスクである。
着用者の肌と保湿マスクとの間に空間部を設けたものである為、分離使用する際にアイマスク体と鼻マスク体の接続部付近に隙間が生じるが、双方のマスクの内側に予めシート部を折り込んでおき、必要なら隙間を埋められるように形成しておいてもよい。(シート部を使用する以外の隙間を埋める方法も含む。)
【0014】
請求項3の保湿マスクは、前記保湿マスクの鼻マスク体と、口も同時に覆うこともできる口マスク体を一体に形成、または鼻マスクと口マスクを自在に接続、分離して個別で使用可能にした保湿マスクである。
【0015】
この請求項3の保湿マスクによれば、アイマスク体と一体の鼻マスク体に、口マスク体として、口を覆うことができるマスクを一体に形成したものである。(図8参照。)
三つそれぞれのマスク体を分離して個別に使用できるよう形成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明である保湿マスク77は、睡眠中のドライアイ予防及び緩和、眼の乾燥や、咽、鼻の粘膜の乾燥を防ぐ効果がある。
鼻マスク体1は綿素材等で、ある程度の硬さを有することで立体形状を保ちやすく形成することができ、鼻孔に密着させない位置での維持をしやすくする効果がある。鼻孔を塞がないことにより、鼻マスク体1と着用者の鼻の間に設けた空間へ息を通過させることができる。
アイマスク体2は、アイマスク体2と着用者の眼の間に空間を設けることで、眼の圧迫を防ぎ、且眼の近傍に空気を通過させることができる。
また、鼻マスク体1とアイマスク体2は必要な少面積のみで形成することで、暑さによる顔の蒸れを少なくすることができる。低コストで作成することもできるものである。
【0017】
その他、アイマスク体2と鼻マスク体1とを分離できるように形成することで、それぞれ別の用途での使用を可能とする効果がある。その際、それぞれのマスク体の耳ひも3や、固定ゴム9等は、接続及び分離が可能になるよう形成することで、顔とマスク体との固定力を安定させる効果がある。
また、寒冷ストレスは前日より五℃以上冷えた際に脳がうけるものであり、鼻と脳は薄い膜のような組織で隔てられた非常に近い位置にある組織である。その為鼻で感じた刺激は強い刺激として脳に伝わりやすく、鼻から冷気を吸いこむことで 刺激は脳に伝わりやすい。秋は前日より温度差がつきやすい為、鼻を温めることで寒冷ストレスの予防効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】顔に装着された保湿マスクの正面図である。
【図2】顔に装着された保湿マスクの側面図である。
【図3】保湿マスクの内側面と空気挿通口を主に示した斜視図である。
【図4】保湿マスクの内側面の縁部及び粘着ジェルを示す拡大図である。
【図5】鼻マスク体とシート部を主に示す側面図である。
【図6】シート部及び固定ゴムを設けて補強した保湿マスクの正面図である。
【図7】シート部及び固定ゴムを設けて補強した保湿マスクの側面図である。
【図8】鼻マスク体とアイマスク体と口マスク体を一体とした保湿マスクの側面図である。
【図9】シート部及び固定ゴムを設けて補強した保湿マスクの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づいて一例を説明する。
【0020】
保湿マスク77の素材の一例としては、一般的な綿素材を用いることで、洗浄による再利用が可能となり、もっとも経済的な使用が可能となる。また、硬めの綿素材で形成することで立体を保ちやすくすることができる。
内側や接触面である縁部5等に柔らかいガーゼ素材を用いることも好ましい。
【0021】
図1、図2、図3に示す保湿マスク77は、必要な部分を最小限に覆うよう形成した保湿マスク77で、鼻呼吸による湿度を眼の近傍へと通過させられるよう、保湿マスク77全体が鼻や眼に接触しきらないよう、少なくとも縁部5を接触させ、(完全に縁部5を接触させ、完全な密閉を必要とするものではなく、ある程度個人差のある顔形状に大体合うように接触すればよい。また、予め吸気等が可能な非接触部を設けてもよい。)内側に空間(着用者の顔と保湿マスク77の間の空間。)を設けて形成する。
また、縁部5全体を接触させてしまうよりは、空気挿通口4を備えて吸気及び排気を効率よく行えるようにすることが望ましく、必要なら吸気がしやすいよう鼻マスクにも空気挿通口4を備えてもよい。(保湿マスク77の縁部5以外に空気挿通口4を備えてもよく、眼の近傍や、鼻の近傍等に複数備えてもよい。)
【0022】
保湿マスク77に具備する耳ひも3は、一般的なウールを使用したゴムや、その他、保湿マスク77を顔に維持させるための固定力のあるものを使用することが望ましい。
また、耳ひも3を着脱可能に形成してもよく、着用者が耳ひも3の長さを調節して使用できるよう、調節用アタッチメントを設けてもよい。
保湿マスク77装着時は図示したように両耳にかけて使用する。ゴーグルのベルトのように、後頭部側へまわしてかぶるように使用できるタイプでもよい。(図3に示す保湿マスク77は立体であることをわかりやすく図示したもので、空気が通るのに必要な空間があれば、図示したものより内側の空間を少なく形成してもよい。)
【0023】
図4に示す縁部5には、粘着ジェル6等、肌に密着させることができるものを使用し、肌への固定力を増す効果が期待できるものである。これにより、耳ひも3等を使用することなく保湿マスク77を装着することができる。また、ジェルを用いることにより、装着時にできる肌と保湿マスク77との微細な隙間をうめる効果もあり、花粉やハウスダスト等を防ぎやすくする効果もある。
粘着ジェル6に冷却効果を付随させたものであってもよい。また、これら粘着ジェル6と耳ひも3、及び固定ゴム9等を併用してもよい。
【0024】
図5に示す保湿マスク77は、鼻マスク体1であり、保湿マスク77のアイマスク体2と分離させた状態で個別使用しているものである。(分離されたアイマスク体2も個別で使用可能。)
シート部8を鼻マスク体1の内側に予め折り込んでおくなどして設けておき、使用時に広げて着脱可能に具備した耳ひも3を取り付けて使用できるよう形成してもよい。このシート部8を設けることで固定力が増し、呼吸による湿度を逃がし難くすることも付随する効果である。
【0025】
また、耳ひも3は、後頭部へまわして頭上からかぶるように装着できるようにしてもよく。
図5に示した目頭近傍の空間部7は、最上部の眉頭辺りは接触面で、そのやや下方は両眼に空気を通過させることができるように左右に空間部7を具備したものを図示したものである。個別で鼻マスク体1を使用する際に空間部7が不必要な場合は、空間部7を塞ぐこともできるよう、内側にシート部8を折り込ませるように具備しておいてもよい。これも縁部5にジェルを具備することで密閉度を上げ、花粉等を防ぎやすくすることができる。
【0026】
図6、7に示す保湿マスク77は、アイマスク体2及び鼻マスク体1の必要な部分にシート部8を設け、肌への固定力を上げる効果が期待できるものである。図1に示した保湿マスク77より鼻の上部に向かっての空間を広く形成してあり、これにより両眼の近傍へ、呼吸による湿度を通過させやすくすることが期待できる。
またシート部8を図6では広く図示してあるが、マスク体を広く設けてもよく、必要であれば眼の近傍及び鼻の近傍をマスク体で覆ってもよい。(必要であれば眼や鼻の近傍はやや広めに覆っても、不必要に広範囲を覆うことにはならない。)
固定ゴム9は、ある程度伸縮性のあるシート状のものを使用することが好ましく、顔への固定力をより安定させることができる。
保湿マスク77を使い捨ての物として、ディスポーザブルマスクを提供してもよい。
【0027】
図8に示す保湿マスク77は、図1に示したアイマスク体2と鼻マスク体1とを一体として形成した保湿マスク77に、口マスク体10を具備した物を図示したものである。夏には蒸れなどの暑苦しさを連想させるが、冬の睡眠時には顔を保湿することもでき、咽の粘膜も保護することができる。また、口呼吸が行われても口と鼻両方の呼吸による湿度を眼の近傍へ通過させることができるため、眼の角膜及び結膜の炎症を防ぐ効果もより一層期待できる。
【0028】
図8に図示したものは、アイマスク体2と鼻マスク体1とが一体となり、更に口マスク体10が接続された状態を示しているが、アイマスク体2と鼻マスク体1と口マスク体10とを一体に形成してもよく。アイマスク体2と鼻マスク体1と口マスク体10とを着脱可能に形成し、それぞれの用途で使用することが可能になるよう、三つに分離可能に形成してもよい。
接続方法としては、マジックテープ(登録商標)を用いたり、凹凸をはめ込み接続するボタンを付ける等して接続するとよい。また、その他の着脱方法を用いてもよいものである。
また、口マスクを具備する場合は、鼻マスクの鼻孔付近に対応する部分を開口させられるよう形成してもよい。
【0029】
図9に示す保湿マスク77は、固定ゴム9を顎の下にまわして固定力を安定させる他、鼻マスク体1の下方付近にシート部8を設け、そのシート部8から更に固定ゴム9を接続させることで固定力を増し、保湿マスク77の装着を安定させることができるようにしたものである。
【0030】
以上、本発明を実施例に基づき説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を剥脱しない範囲内で色々な改良、変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0031】
例えば、従来技術としてあるマスクの鼻の近傍に対応する部分にノーズワイヤーを設け、着用者の鼻の近傍に合わせてワイヤーを自在に変形させることができるようにしたものがあるが、本発明である保湿マスク77の必要箇所にワイヤーを具備し着用者と保湿マスク77との間の空間を自在に変形させられるように形成してもよい。
【0032】
不織布等で形成したディスポーザブルタイプであっても、肌と接触する内側部分にガーゼを使用することで、装着感をやわらかく仕上げることができる。
また、本発明の保湿マスク77は、着用者の呼吸による湿度を利用して粘膜を保護するものであるが、湿度を保ちやすいシートや、湿らせたガーゼ等をマスクの内側に具備しやすいように形成することで、更に保湿マスク77着用時の湿度を保ちやすくする機能を付随させることができる。
【0033】
保湿マスク77は、アイマスク体2、鼻マスク体1、口マスク体10、全てを分離使用する際にも、ジェル体を具備することで、花粉やハウスダストなどを吸着したり、隙間を塞ぎ入り込みにくくすることができる。
また、図示したもの等、全てのタイプの保湿マスク77が、洗浄して再利用できるタイプと、ディスポーザブルタイプの双方に対応可能なものである。
【0034】
保湿マスク77に具備された粘着ジェル6は、必要に応じて具備するもので、必ず必要なものではない。保湿マスク77と肌との接触面にフィルター目的や隙間をなくす目的でウレタン素材やスポンジなどの柔軟に変化する素材を具備してもよい。
アイマスク体2を分離して個別で使用する場合を想定して、アイマスク体2の遮光効果を十分に発揮できるような色や素材、形状で形成することが好ましい。
空気挿通口4にフィルター効果を付随させるために、ガーゼやその他フィルター効果があるものを具備してもよい。
安眠効果などを付随させるため、ハーブを利用したマスクにしたり、マイナスイオン効果や、その他の良いとされる効果をもったものを利用したマスクや、それらの効果を施したシートを保湿マスク77に着脱できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 鼻マスク体
2 アイマスク体
3 耳ひも
4 空気挿通口
5 縁部
6 粘着ジェル
7 空間部
8 シート部
9 固定ゴム
10 口マスク体
77 保湿マスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻や鼻の近傍を覆うことができる鼻マスク体と、両眼や両眼の近傍を覆うことができるアイマスク体とが一体である保湿マスクであって、前記鼻の近傍及び、両眼の近傍以外の顔面を不必要に覆わないように形成したことを特徴とする保湿マスク。
【請求項2】
前記保湿マスクのアイマスク体と鼻マスク体とを分離できるよう形成し、それぞれを個別で使用可能にした請求項1に記載の保湿マスク。
【請求項3】
前記保湿マスクの鼻マスク体と、口も同時に覆うこともできる口マスク体を一体に形成、または鼻マスク体と口マスク体を自在に接続、分離して個別で使用可能にした請求項1又は請求項2に記載の保湿マスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−34519(P2013−34519A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170722(P2011−170722)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【特許番号】特許第4886088号(P4886088)
【特許公報発行日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(309024848)
【Fターム(参考)】