説明

保管システム

【課題】病院内で使用される検査装置が生成する医療用デジタル情報の管理を行う保管システムを提供する。
【解決手段】保管システムは、少なくとも1つ以上の宛先情報から構成される宛先リストおよび少なくとも1つ以上の検査装置が生成した医療用デジタル情報を蓄積する蓄積部と、複数の外部装置とネットワーク通信路を介して接続され、医療用デジタル情報および宛先リストを外部装置に送信し、さらに外部装置が送信する情報を受信する送受信部と、を備える。送受信部は、複数の外部装置のうち第1外部装置から、宛先リストの送信要求を示す情報を受信した場合、第1外部装置に対して宛先リストを送信し、第1外部装置から、蓄積部に蓄積される医療用デジタル情報のうち、何れかを特定する特定情報を受信し、宛先リストの送信後、第1外部装置から宛先リストを構成する宛先情報のうち何れか1つまたは複数を指定する指定情報を受信した場合、指定情報に対応する宛先に対して、特定情報で特定される医療用デジタル情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物又は情報の保管業務の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
病院、医院等は、結核患者の胸部レントゲン写真又は火傷患者の患部写真等の平面形状を有する物、虫歯患者の歯形等の立体形状を有する物、又は脳腫瘍患者のX線断層撮影画像(CT画像)データ等の情報(無体物)を、日々の医療活動において生成する。
病院等は、生成されたレントゲン写真等を診断に用いるが、診断が終了した後は当分使用しない。
しかし、患者の経過を見て、新たなレントゲン写真を撮り、昔撮った前記レントゲン写真と見比べたい場合がある。又、過誤治療等に係る損害賠償請求訴訟においては、前記レントゲン写真等が物証になり得る。
そのため、病院等では、前記レントゲン写真等を保存しておく必要がある。
しかし、日々の診療活動の中で生成され、蓄積されるレントゲン写真等の物又は情報を、治療で忙しい病院が漏れなく管理しておくことは非常に困難である。
本発明は、例えば、病院が生成したレントゲン写真等の物、及びX線断層撮影画像データ等の情報を管理する方法に関する。
【0003】
図10は、従来の物の管理方法を図示する。
顧客101は、保管システム(例えば、保管会社)102に管理を委託する物を持参し、又は送付するとともに、委託を申し込む。
保管システム102の中の受付部103は、顧客の名前と、保管する物と、を同定し(アイデンティファイする)、申し込みを受け付ける。
受付部103は、管理部104に顧客名、保管する物及び受付日を含む情報を送付し、管理部104はこれらの情報を記録装置(図示していない。)に記録して保存する。
又、受付部103は、物を物の倉庫105に収納する。
【0004】
顧客101が受付部103に保管している物の閲覧を要求する場合は、受付部103は、顧客の名前と保管する物とを同定し、要求を受け付ける。次に、受付部103は物の倉庫105に前記物の引き出しを指令する。物の倉庫105は前記物を取り出して受付部103に引き渡す。受付部103は、前記物を顧客101に引き渡す。
又、管理部104は保管料を算出し、受付部103を通じて保管料を顧客101に課金する。
【0005】
図11は、従来の情報(アナログデータ又はデジタルデータ等の無体物)の管理方法を図示する。
顧客111は、インターネット等を通じて、保管システム(例えば、保管会社)112に、保管の申込通知と保管を委託する情報とを送付する。
保管システム112の中の受付部113は、顧客の名前と、保管する情報と、を同定し(アイデンティファイする)、申し込みを受け付ける。
受付部113は、管理部114に顧客名、保管する情報及び受付日を含む情報を送付し、管理部114はこれらの情報を記録装置(図示していない。)に記録して保存する。
又、受付部113は、顧客から受け取った情報を電子倉庫115に収納する。
【0006】
顧客111が受付部113に保管している情報の閲覧を要求する場合は、受付部113は、顧客の名前と保管する情報とを同定し、要求を受け付ける。次に、受付部113は電子倉庫115に前記情報の引き出しを指令する。電子倉庫115は前記情報を取り出して受付部113に引き渡す。受付部113は、前記情報を顧客111に引き渡す。
又、管理部114は保管料を算出し、受付部113を通じて保管料を顧客111に課金する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
顧客である病院が、物である患者のレントゲン写真等の保管を委託しているとする。ある時、病院の医師が患者を診断しながら、以前に撮ったレントゲン写真を参照したい場合がある。
しかし、医師が保管会社(例えば倉庫会社)に電話をしてレントゲン写真の引出しを要求しても、倉庫から病院までレントゲンを送付するのに時間がかかるため、医師は患者のいる場でレントゲン写真を見ることが出来なかった。
【0008】
又、病院が患者のレントゲン写真を撮って、その保管を保管会社に委託した場合、一般的傾向として、レントゲン写真を撮った日の直後(例えば1週間後)に前記レントゲン写真をもう一度参照したくなる場合が多く発生し、レントゲン写真を撮った日からずっと日を経た後(例えば3年後)に前記レントゲン写真をもう一度参照したくなる場合はめったに発生しない。
しかし、従来の方法では、保管会社はレントゲン写真の保管を委託されると、直ぐにかつ一律に病院から遠く離れた倉庫にレントゲン写真を移送し、保管した。
【0009】
顧客から物の保管を委託された場合、保管会社は、顧客と保管した物にそれぞれ識別子(典型的には識別番号)を割り当てた上で、保管した物に識別子を記載したラベルを貼り、管理部であるコンピュータに、当該識別子を入力し、記憶させる。従って、通常は、顧客が保管を委託している物の引出しを要求すると、正確にその物が引き渡される。
しかし、後述する本発明においては、顧客が保管を委託している物の閲覧を要求すると、物に含まれる情報を抽出した第1の情報が顧客に送付される。
しかし、例えばP患者の胸部レントゲン写真の閲覧を要求した場合、間違ってQ患者の胸部レントゲン写真を送付した場合には、2個の写真は一般には識別が困難であるため、患者の生命をも奪いかねず、危険である。
【0010】
又、従来の管理方法は、物の管理と情報の管理は全く別個の管理であった。
しかし、例えば、病院が患者のレントゲン写真という物と、同じ患者のカルテという情報(カルテをコンピュータに入力した情報)と、を併せて保管会社に保管を依頼する場合がある。
しかし、従来は物の保管と情報の保管とが別個独立に運用されていたため、顧客は、例えば物の保管リストと、情報の保管リストを統合した保管リストを見ることが出来なかった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の保管システムは、病院内で使用される検査装置が生成する医療用デジタル情報の管理を行う保管システムであって、
保管システムは、
少なくとも1つ以上の宛先情報から構成される宛先リストおよび少なくとも1つ以上の検査装置が生成した医療用デジタル情報を蓄積する蓄積部と、
複数の外部装置とネットワーク通信路を介して接続され、医療用デジタル情報および宛先リストを外部装置に送信し、さらに外部装置が送信する情報を受信する送受信部と、を備え、
送受信部は、
複数の外部装置のうち第1外部装置から、宛先リストの送信要求を示す情報を受信した場合、当該第1外部装置に対して宛先リストを送信し、
第1外部装置から、蓄積部に蓄積される医療用デジタル情報のうち、何れかを特定する特定情報を受信し、
宛先リストの送信後、第1外部装置から当該宛先リストを構成する宛先情報のうち何れか1つまたは複数を指定する指定情報を受信した場合、当該指定情報に対応する宛先に対して、特定情報で特定される医療用デジタル情報を送信する。
【発明の効果】
【0012】
患者の医療写真を実際に移動させることなく、保管システムの仲介サービスにより、希望する医師に検査を委託することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例の概略の構成を示す図。
【図2】図2は、本発明の第2の実施例の概略の構成を示す図。
【図3】図3は、本発明の第3の実施例の概略の構成を示す図。
【図4】図4は、本発明の実施例の保管リストを示す図。
【図5】図5は、本発明の他の実施例の保管リストを示す図。
【図6】図6は、本発明の実施例の課金リストを示す図。
【図7】図7は、物の倉庫に保管されている胸部レントゲン写真を例示する図。
【図8】図8は、本発明の第4の実施例の概略の構成を示す図。
【図9】図9は、本発明の第5の実施例の概略の構成を示す図。
【図10】図10は、従来の物の管理方法を示す図。
【図11】図11は、従来の方法の管理方法を示す図。
【図12】図12は、本発明の第1の実施例のフローチャート。
【図13】図13は、本発明の第5の実施例のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施例について、図面とともに記載する。
《実施例1》
以下、図1を用いて、本発明の第1の実施例を説明する。
[第1の実施例の概略の構成の説明(図1)]
図1は、本発明の第1の実施例の概略の構成を図示する。
図1は、病院、医院等の医療業者が保有する種々の物及び情報(データ)を保管する保管システム2を示す。
顧客1(例えば病院)は、少なくとも顧客名及び保管を依頼する物(又は情報)を特定して、物又は情報を保管システム(例えば保管会社)2に保管を依頼する。
「物」は、例えばX線写真、又は紙に記載したカルテ等を含む。
「情報」は、例えば撮影画像データ等の画像データ、心電図等のグラフ、心音等の音声データ、X線断層撮影画像データ、又は電子カルテ等のデータ等を含む。
又、「情報」は、インターネット等を介して保管システム2に送付した無体物であるデータ列の情報と、例えばDVD等の記録媒体に記録した情報(物理的には、物である。)と、を含む。
本実施例の保管システムは、主としてこのような診療中に発生する資料である物及び情報を保管するが、これ以外に、病院の過去の伝票類等を保管することも出来る。
【0015】
一般には、顧客が情報の保管を委託する場合には、CT検査装置等の検査装置が発生する情報(例えば画像データ)又はDVD等の電子メディアに記録された画像を、LANでコンピュータ等の端末に伝送し、又はコンピュータに接続されたDVD再生機で再生してコンピュータに取り込み、コンピュータから保管システムに伝送する。
しかし、検査装置がインテリジェントな通信機能を有し、顧客IDを有していて、検査装置単独で保管システムと通信し、検査装置が出力する情報(画像データ等)を直接保管システムに送付する場合もある。
同様に、DVD等の電子メディアの再生機がインテリジェントな通信機能を有し、顧客IDを有していて、再生機単独で保管システムと通信し、再生機が出力する情報(DVDの再生出力等)を直接保管システムに送付する場合もある。
【0016】
依頼方法は、顧客が依頼書を持参する方法又は郵送する方法等の他、顧客の手元にあるコンピュータで依頼書を作成しインターネットを介して保管システムの受付部3に送付する方法を含む。
一般的には、データ列の情報は通信回線(例えばインターネット)を利用して顧客1から保管システム2の受付部3に送付される。
物及び記録媒体は、一般的には、顧客1から保管システム2の受付部3に郵送される。
【0017】
受付部3は、顧客に管理部4が指定する固有の識別子(顧客ID(顧客識別子))を付与し、保管する物又は情報にも管理部4が指定する固有の識別子(預り品ID(預り品識別子))を付与して、保管の依頼を受け付ける。レントゲン写真等の医療情報の管理を行う保管システムにおいては、好ましくは、当該物(例えばレントゲン写真)又は情報(例えば電子カルテ)の対象である患者にも、固有の識別子(管理部4が指定)を割り当てる(患者ID(患者識別子))。
受付部3は、物(例えばレントゲン写真)を受け付けた場合は、前記物を物の倉庫5に格納し、情報(例えばデータ列又は記録媒体(DVD等))を受け付けた場合は、前記情報を電子倉庫6に格納する。
「物の倉庫」とは、通常のものを格納する倉庫である。
「電子倉庫」とは、無体物である情報(データ)をハードディスク、光ディスク等の記録媒体に記録して格納する倉庫である。
管理部4は、前記物又は情報がそれぞれ物の倉庫又は電子倉庫に格納されたことを、受け付けた日付、顧客の識別子、物(又は情報)の識別子、格納場所の情報及び患者の識別子等と共に記録する(図4又は図5)。
【0018】
物の倉庫5と電子倉庫6とは別個に存在するが、管理部4は、両方の倉庫を統括的に管理している。
例えば、顧客1であるB病院が、火傷の患者Sさんの患部(足部)の写真(物)と、電子カルテ(情報)との保管を委託してきた場合には、Sさんの患部の写真は物の倉庫5に格納され、Sさんの電子カルテは電子倉庫6に格納される。しかし、管理部4は、B病院又はSさんに関するレントゲンフィルム等及び電子カルテ等を統括的に管理しており、図4又は図5に示すように統括的な管理リストを表示装置(端末ディスプレイ等)に表示することが出来る。
【0019】
顧客1は、顧客の識別子(例えば、図4のA病院は3528643)と引き出したい物(又は情報)の識別子(例えば、図4のP患者のレントゲン写真は2193844)と当該物(又は情報)を閲覧したいとの要求書を保管システム2に送付することにより、保管を委託した物(又は情報)の引き出しを要求することが出来る。
保管システム2の中の受付部3は、要求に添付された識別子と、保管リスト(図4又は図5)の中の顧客ID及び預り品IDとを同定し(アイデンティファイする)、同一であれば引き出し申し込みを受け付ける。
受付部3は、管理部4に顧客ID、閲覧を希望する預り品IDを送付する。管理部4はこれらの情報を記録装置(図示していない。)に記録して保存する。
管理部4は送付された預り品IDと同じ預り品IDを保管リスト(図4又は図5)で検索する。
もし同じ預り品IDを発見したならば、それが物の預り品であれば物の倉庫5にその物の格納場所を知らせると共に、その引き出しを指令する。それが情報の預り品であれば電子倉庫6にその情報の格納場所を知らせると共に、その引き出しを指令する。
【0020】
後に示すように、物の預り品の閲覧要求であっても、もしその物の電子化データが作成されており、その電子化データが電子倉庫6に格納されている場合は、電子倉庫6に電子化データの引き出しを指令する。
物の倉庫5から物が引き出された場合は、変換部7により物は電子化データに変換される(顧客が現物の閲覧を明示的に希望する場合を除く。)。
第1の実施例における保管システム2は、主としてレントゲン写真等の診療資料を保管しているため、通常の物の保管倉庫(例えば不要の事務机の保管等)と異なり、物に含まれる情報を知りたい場合(例えば、レントゲン写真の閲覧)がほとんどである。従って、郵送等の方法によりレントゲン写真を顧客に送付するよりも、レントゲン写真の電子化データ(ビットマップ画像データ)を生成し、インターネットを通じて即時に電子化データを顧客に送付する方が、顧客の要求に適う。又、電子化データを送付する方が送付の手間及びコストが安い。
【0021】
従って、顧客が物の閲覧を要求する場合も、情報の閲覧を要求する場合も、いずれの場合も情報が引き出され(又は生成され)、当該情報が受付部3に引き渡される(顧客が現物の閲覧を要求した場合を除く。)。
受付部3は、専用回線又はインターネット26等を介して顧客1に当該情報を送付する。
管理部4は、受け付けた日を起点とする毎月ごとの保管料(保管点数に応じて定められる。)及び顧客1が物又は情報を引き出した時の手数料(物又は情報の引き出し点数と引き出し回数とに応じて定められる。)をそれぞれ算出し、毎月、顧客に請求する(課金する)。
上記のように、第1の実施例においては、顧客が保管を依頼した物又は情報には、当該顧客のみがアクセス出来る。
【0022】
[第1の実施例のフローチャートの説明(図12)]
図12は、第1の実施例のフローチャートを示す。
顧客から物又は情報の閲覧要求を受信した場合には、図12の手順で処理する。
最初に顧客から物又は情報の閲覧要求を受信する(ステップS11)。
次に、受信したデータに含まれる顧客IDを同定する。保管リスト(図4又は図5)を検索して、同一の顧客IDを発見すれば閲覧要求を許可し、同一の顧客IDを発見出来なければ閲覧要求を許可しない(ステップS12)。
閲覧を許可されると、閲覧要求に含まれる預り品IDを有する預り品(物又は情報)の保管場所を検索する(ステップS13)。
預り品が情報であればステップS16に進み、預り品が物であればステップS15に進む(ステップS14)。
預り品が物であれば、デジタイザにより預り品に含まれる情報を第1の情報に変換する(ステップS15)。典型的には、レントゲン写真をビットマップ画像データに変換する。
顧客に情報を送信する(ステップS16)。
【0023】
《実施例2》
以下、図2を用いて、本発明の第2の実施例を説明する。
[第2の実施例の概略の構成の説明(図2)]
第2の実施例の保管システムは、顧客である病院の中に物及び情報の第1の保管場所を有し、病院から離れた場所に物及び情報の大規模な保管場所である第2の保管場所を有する。
第1の保管場所は、一時的な保管場所であり小さな保管容量しか持たないが、顧客は直ぐに保管してある物又は情報を閲覧することが出来る。
第2の保管場所は、長期的な保管場所であり大きな保管場所を有する。第1の保管場所に較べるとアクセス性において劣るが、顧客は専用回線又はインターネット等を利用して容易に保管されている物(又は情報)にアクセスすることが出来る。
【0024】
顧客であるA病院10は、種々の端末等をLANで接続している。LANは、第1のサーバ19が管理している。
医師が端末12に入力した電子カルテ11は、LAN、端末18を介して記録装置16に送付される。記録装置16は、例えばDVDの記録機である。電子カルテはDVDに記録される。同時に、第1のサーバ19の第1の管理部20は、電子カルテがDVDに記録されたという情報を入手して、電子カルテを記録したDVDの保管場所を指定する。
電子カルテを記録したDVDは第1の電子倉庫17の指定の保管場所に格納される。
【0025】
CT検査装置13はコンピュータ処理された患者のX線断層画像データを生成する。X線断層画像データは端末14、LAN、端末18を介して記録装置16に送付される。X線断層画像データはDVDに記録される。同時に、第1のサーバ19の第1の管理部20は、X線断層画像データがDVDに記録されたという情報を入手して、X線断層画像データを記録したDVDの保管場所を指定する。
X線断層画像データを記録したDVDは第1の電子倉庫17の指定の保管場所に格納される。
X線撮影装置24はレントゲン写真を撮る。医師は、レントゲン写真が撮られたことを端末23に入力する。第1のサーバ19の第1の管理部20は、レントゲン写真が撮られたという情報を入手して、第1の物の倉庫25におけるレントゲン写真の保管場所を指定する。
レントゲン写真は第1の物の倉庫25の指定の保管場所に格納される。
【0026】
A病院に勤務する医師F及び医師Gは、端末22及び端末21を通じて、第1の場所及び第2の場所に格納された物及び情報に任意にアクセスすることが出来る。
例えば、医師Gは、保管システム30が保管しているA病院の情報等の一覧表を端末の画面に表示することが出来る(図4又は図5の保管リストのA病院の欄)。
保管システム30から顧客に情報(送り元情報)を伝送する場合は、必ず相互認証をする。本実施例においては、パスワードにより相互認証を行っている。相互認証の方法は任意であり、例えば、指紋、手書きサイン等である。これにより、顧客の秘密の漏洩を防止する。
【0027】
A病院のような大きな顧客は、A病院という顧客名及び顧客IDの下に、医師F又は医師G等の所属医師ごとの個人識別子、又は端末21又は22等の端末ごとの端末装置識別子を割り当てる。
従って、保管システム30の受付部33は、A病院からの閲覧要求等を受信した場合には、閲覧要求に含まれる顧客識別子の中のA病院の顧客IDの部分のみが保管リストに有るA病院の顧客IDと一致するか否かを確認して、A病院の顧客IDの後に続く個々の医師の個人IDを無視することが出来る。これにより、個人IDを有するA病院の全ての医師は自由にA病院の任意の物又は情報にアクセス出来る。
【0028】
保管リストにはA病院の顧客IDしか含まれていないが(個人IDが含まれていない。)、受付部33での顧客の同定においては、A病院の顧客IDのみならず個人IDも同定し、A病院の中の許可された一定の医師のみが保管されている物又は情報にアクセスできる場合もある。
図2においては、第1の場所にある(A病院内)物又は情報へのアクセスは誰でも自由である(個人IDの同定を行っていない。)。
しかし、第1の場所においても、物又は情報へのアクセスを要求する場合は第1の管理部20が個人IDの同定を行うことが可能である。物又は情報へのアクセスを希望する医師は、自己の個人IDを第1の管理部20に送付する。第1の管理部は、内蔵する許可された医師のリストを調査して、送付された個人IDと同じ個人IDを検索する。同じ個人IDがあれば、第1の管理部20は、医師の物又は情報の閲覧を許可する。
【0029】
第1の場所の第1の電子倉庫17及び第1の物の倉庫25の管理者は、保管システム30を所有する保管会社でもよく、顧客であってもよい。
第1の電子倉庫17及び第1の物の倉庫25の管理者が保管会社である場合は、多くの場合は、物又は情報を第1の場所にある第1の電子倉庫17又は第1の物の倉庫25に保管し始めた時から保管料が発生する。
又、第1の電子倉庫17等の管理者が顧客である場合は、多くの場合は、物又は情報を第2の場所にある第2の電子倉庫31又は第2の物の倉庫35に保管し始めた時から保管料が発生する。
もっとも、保管料の発生時期は任意である。
【0030】
第1の場所に格納されていた物(例えばレントゲン写真)又は情報(例えばX線断層画像データ)は、一定期間を経過すると第2の場所に移送される。
一定期間は、顧客毎に指定することも出来る。又、レントゲン写真等の物毎又は電子カルテ等の情報毎に、顧客が指定することも出来る。
規定の期間を設けず、顧客が要求する都度、それまでに貯まった物又は情報をまとめて受け取り、それらを全て第2の倉庫に格納することも出来る。
情報はインターネット26を経由して第2の場所にある第2の電子倉庫に31に送付することが出来るが、レントゲン写真等の物及びDVD等の記録媒体は郵送等する必要がある。顧客が物及び記録媒体を保管システム30に送付することも出来るが、保管システム30が定期的に巡回して、一定期間を経過した物等を集めて回ることも出来る。
【0031】
保管システム30は、第2の場所にある。第2の場所は、一般には、顧客10であるA病院から遠く離れた場所であるが、十分に広く、第2の物の倉庫35も電子倉庫31も十分に大きな格納容量を有する。
第1の電子倉庫17からDVD等の記録媒体が発送されると、第1の管理部20は、発送情報を保管システム30の第2のサーバ32に伝送する。第2のサーバ32の受付部33は、受信した伝送情報を第2の管理部34に送付する。第2の管理部34は郵送される記録媒体を格納する第2の電子倉庫31の格納場所を指定する。
郵送されてきた記録媒体は、第2の電子倉庫31の指定された場所に格納される。
【0032】
同様に、第1の物の倉庫25からレントゲン写真等の物が発送されると、第1の管理部20は、発送情報を保管システム30の第2のサーバ32に伝送する。第2のサーバ32の受付部33は、受信した伝送情報を第2の管理部34に送付する。第2の管理部34は郵送される物を格納する第2の物の倉庫35の格納場所を指定する。
郵送されてきた物は、第2の電子倉庫35の指定された場所に格納される。
【0033】
例えば、A病院の医師Fは、端末22を介して、医師Fの個人IDを付したA病院の顧客ID3528643と、閲覧を希望する物の預り品ID6912003(Q患者の頚動脈のレントゲン写真)と、閲覧要望書と、をインターネット26を通じて保管システム30に送付する。
受付部33は、保管リスト(図4又は図5)を検索して、送付された顧客IDと同一の顧客IDを捜す。同一の顧客IDを発見した場合には、医師Fからの要求書を第2の管理部34に送る。
第2の管理部は、保管リスト(図4又は図5)を検索して、送付された預り品ID6912003と同一の預り品IDを捜す。医師Fが閲覧を要求するQ患者の頚動脈のレントゲン写真の欄を発見すると、第2の物の倉庫35に、保管場所M032−164に格納されているレントゲン写真の引き出しを指令する。
第2の倉庫の管理人は、指定された格納場所からQ患者の頚動脈のレントゲン写真を取り出すと、デジタイザ36(図1の変換部7に該当する。)により、当該レントゲン写真を電子化データ(ビットマップ画像データ)に変換する。
デジタイジングが完了すると、当該レントゲン写真を元の格納場所に格納する。
【0034】
次に、得られたビットマップ画像データを、記録器37(例えばDVD記録機)に送り、DVDに記録する。記録されたDVDを再生機38(本実施例においてはDVD再生機である。)にかけて再生する。再生された画像を受付部33に送付する。第2の管理部34の指令に従って、受付部33は再生された画像をA病院の端末22にいる医師Fに送付する。
本実施例においては、記録器37は、顧客のニーズに合わせて、DVD記録機又はハードディスクにより構成される。DVD記録機及びハードディスクの両方により構成される場合もある。
【0035】
好ましくは、送付される画像は、圧縮され、暗号化されて送られる。圧縮方式は、EPSF、GIF、JPEG、PICT又はTIFF等の任意の方式を採用することが出来る。又、暗号方式は、DES、RSA、FEAL等の任意の暗号方式を採用することが出来る。
本実施例においては、顧客と保管システムが同じフラッシュメモリカードを保有し、フラッシュメモリカードに記録された数字により、送信側は暗号化し、受信側は暗号を解読する。顧客毎に異なる数字を記録されたフラッシュメモリカードを保持するため、顧客相互間の秘密保持も確保される。
記録器37により記録されたDVDを、第2の管理部34が指定する第2の電子倉庫の格納場所に格納する。
【0036】
顧客であるA病院においては、X線撮影装置24によりP患者の胸部レントゲン写真を撮ると、当該レントゲン写真を暫くは第1の物の倉庫に保管する。
一定以上時間が経つと、当該レントゲン写真を第1の場所(第1の物の倉庫)から第2の場所に移送する。
同様に、CT検査装置13によりV患者のX線断層撮影画像データを撮ると、当該画像データを暫くは第1の電子倉庫に格納する。
一定以上時間が経つと、当該画像データを第1の場所(第1の電子倉庫)から第2の場所に移送する。
第1の場所は小さな保管容量しか持たないが、顧客は直ぐに保管してある物又は情報を閲覧することが出来る。
第2の場所は顧客から遠く離れているが、十分に大きな格納スペースがあり、顧客が希望する限りいつまででも第2の場所に物又は上方を保管しておくことが出来る。
又、第2の場所は顧客から遠く離れているが、インターネット26を利用して、顧客は容易に保管されている物又は情報を閲覧することが出来る。
【0037】
例えば、医師FがQ患者を診察しながら最近撮ったQ患者の頚動脈のレントゲン写真(医師Fが手元に持っている。)と、半年前に撮ったQ患者の頚動脈のレントゲン写真(第2の物の倉庫35に格納されている。)とを比較しようと思った場合、医師Fは、インターネットで保管システム30に上記の閲覧を要求する。暫く待てば、端末22の表示画面上に半年前に撮ったQ患者の頚動脈のレントゲン写真のビットマップ画像データが表示される。このように、第2の場所に物又は情報を保管した場合にも、医師Fは、患者の目の前で画像を呼び出し、半年間の患部の治癒の状況を説明出来る。
従来は、レントゲン写真という物を保管倉庫に保管した場合は、閲覧を要求してから早くても次の日にならなければレントゲン写真が配達されなかった。
このように、物の保管を委託している場合にも、保管システム30は、物に含まれる情報をデータ化し、当該データをインターネットを使って顧客に送付することが出来るため、顧客は第2の場所に保管した物又は情報にも容易かつ迅速にアクセス出来る。
【0038】
経験的に、患者のデータ等を計測すると、計測直後はそのデータ等をよく利用するが、時間が経つにつれてそのデータ等を利用する回数又は確率がどんどん減ることが知られている。
そこで、データ等の計測後暫くは、当該データ等を格納容量は小さいがA病院の中に有る第1の保管場所に保管する。これにより、A病院の医師は、その間いつでも直ぐにデータを取り出すことが出来、又は現物のレントゲン写真を用いて診断することが出来る。
一定期間以上の日にちが経過すると、当該データ等を第1の場所から第2の倉庫に移送することにより、第1の場所に新たな物又は情報を格納するスペースを確保する。
第2の場所に送付されたデータ等を引き出そうとすると、第1の場所に格納されていたときよりも引き出しに時間がかかるが、上記のように閲覧の必要性が発生する確率が小さくなっており、もし閲覧をする必要が発生した場合にも、容易かつ高速なアクセスが可能である。
【0039】
第2の管理部34は、保管を委託された物又は情報の点数、閲覧要求の回数等に基づいて保管料を算出し、顧客であるA病院10に毎月請求する。
第1の場所においても保管料を徴収する場合は、第1の場所での保管、利用状況は第1の管理部20が管理しているため、第2の管理部34は第1の管理部20と定期的に交信して、第1の場所における保管状況を知る。
第2の管理部34は、第1の場所における保管料(第1の管理部20が保管状況を管理)と、第2の場所における保管料(第2の管理部34が保管状況を管理)とをそれぞれ計算して、合算した金額をA病院に請求する。
【0040】
他の実施例においては、第1の管理部20が存在しない。第2の管理部34は、第2の場所の保管状況のみならず、インターネット26を介して第1の場所の保管状況も管理する。この場合は、第1のサーバ19が第2の管理部34の端末のような役割を果たす。
【0041】
《実施例3》
以下、図3を用いて、本発明の第3の実施例を説明する。
[セキュリティの確保された保管システムの説明(図3)]
図3は、セキュリティの確保された保管システムを図示する。
顧客40は、病院等を含む。右端のユーザー60も同じ顧客である。物及び情報の流れを左から右に流れるように示している。
顧客40は物又は情報の保管を保管システム(真中の診療録データの保管・管理・配信システム)に委託する。
保管を委託する物又は情報には、レントゲン写真等のフィルム、カルテ等の紙などの診療録41(物)と、電子化された診療録42(情報)とがある。
電子化された診療録42は、例えば病院内LAN44を通じてサーバー43に集められる。病院外部の者がLAN44に侵入しようとしても、ファイアウオール45に阻まれて、侵入できない。
サーバー43にはDVDの記録機が接続されており、集められた情報は逐次DVDに記録される。
【0042】
電子倉庫にDVDを保管するとき、暗号化をしてもよく、しなくてもよい。好ましくは、病院内で不特定の人に内容を知られないように、暗号化する。暗号化の方法は任意である。
DVDメディア(媒体)は、製造段階でそれぞれ固有のIDを記録されている。媒体1枚毎に異なるIDが記録されている。
本実施例においては、DVD(媒体)の固有のIDを利用して、低いコストで確実な秘密保持を実現している。
DVD記録機に記録するとき、DVDメディア固有のIDをDVD記録機の再生機能により読み取る。読み取ったDVDメディア固有のIDを利用して記録すべき情報を暗号化する。DVD記録機に記録されている情報を再生するときは、DVD記録機の再生機能によりDVDメディア固有のIDを読み取る。読み取ったDVDメディア固有のIDを利用して暗号を解読する。
病院内にあるDVD機器はほとんどDVD再生機(再生専用機)である。DVD再生機は、このDVDメディアの固有のIDを読めないようにしておく。これにより、DVDメディアに記録されている暗号化された情報を他のDVD再生機では解読できない。このようにして、病院内の秘密保持が可能となる。
なお、保管システム内にあるDVD再生機はDVDメディアの固有のIDを読めることが必要なので、実際には、再生機能を有するDVD記録機等を使用する。
【0043】
フィルム等の物の診療録は、定期的に集荷されて(例えば、月に2回)、保管システムに運送される。集荷された物の診療録はデータベース46に登録され、それらの物は物の倉庫49に格納される。
データベース登録46は、ユーザー毎の物の保管リストを作成し、データベース48に格納する。もっとも、後で説明するように、保管リストは市販のデータベースソフトウエアであるアクセス等により作られるため、データベースに基づいて任意の欄に注目した保管リストを作成することが可能である。作成された保管リストは、データベース48に格納される。
又、データベース登録46はデータベース48に格納されている顧客IDのリストを参照して、物の保管を委託した顧客の認証を行う(ユーザー認証)。
データベース登録46は、各顧客から委託された物の保管状況と、閲覧状況を把握し、顧客との通信履歴と課金管理を行っている。作成された通信履歴、課金データ等は、データベース48に格納される。
データベース登録46は、物が物の倉庫49に格納されている格納場所を登録し、格納場所のデータをデータベース48に格納する。
【0044】
電子化された診療録が記録されたDVD等の記録媒体は、定期的に集荷されて(例えば、月に2回)、保管システムに運送される。集荷されたDVDはデータベース登録47に登録され、それらのDVDは電子倉庫54に格納される。
データベース登録47は、ユーザー毎の情報の保管リストを作成する。データベースに基づいて任意の欄に注目した保管リストを作成することが可能である。作成された保管リストは、データベース48に格納される。
又、データベース登録47はデータベース48に格納されている顧客IDのリストを参照して、DVD等の情報の保管を委託した顧客の認証を行う(ユーザー認証)。
データベース登録47は、各顧客から委託されたDVD等の保管状況と、閲覧状況を把握し、顧客との通信履歴と課金管理を行っている。作成された通信履歴、課金データ等は、データベース48に格納される。
データベース登録47は、DVDが電子倉庫54に格納されている格納場所を登録し、格納場所のデータをデータベース48に格納する。
顧客40はサーバー43とインターネットを通じてデータベース登録47と交信し、オンラインでDVD等の記録媒体の保管登録をすることが出来る。
【0045】
上述の様に、物の保管を登録する場合にも、情報(又は記録媒体)の保管を登録する場合にも、全てのデータはデータベース48に格納される。データベース48においては、登録データ、通信履歴(閲覧記録等を含む。)、課金データ等のデータは、物と情報との間で統合されている。
従って、登録時には物の保管と情報の保管が別のデータベース登録46及び47により行われても、例えば、顧客は、保管を依頼している物及び情報の統合されたリストを端末の画面に表示することが出来る。例えば、図4又は図5の保管リストの中の、A病院の欄だけのリストをA病院の端末の画面に表示することが出来る。
又、保管システムは、物の保管料と情報の保管料とを別個にA病院に請求するのではなく、物の保管と情報の保管とを統合した保管料の請求書を生成し、A病院に請求する。
【0046】
ユーザー(顧客)60は、WEB等の通信網59を通じて、保管を委託している物又は情報を閲覧することが出来る。
ユーザーは、WEBにログインし、WEBを検索して保管システムのサイトを呼び出す。ユーザーは、自己の顧客IDと、閲覧したい保管品の預り品IDと、閲覧の要求を保管システムに送る(WEBリクエスト)。
保管システムのWEBサーバ57は、送付された顧客IDと同一の顧客IDがデータベース48に格納された顧客IDリストに存在するか否かを検索する。存在する場合は保管システムはユーザーの要求を受け入れ、同一の顧客IDを検索できなかった場合はユーザーの要求に応えない。
パスワード、ハードKey等を組合せることにより、強固なセキュリティを実現することが出来る(63)。
第3者が保管システムのデータベースに侵入しようとしても、ファイアウオール58に阻まれて侵入出来ない。
【0047】
ユーザーが保管されている物の閲覧を要求する場合は、WEBサーバ57は物の倉庫49を検索し、要求される物を引き出す。閲覧を要求された物がレントゲン写真等であれば、デジタイザによりデジタル映像データに変換する(オンデマンド化51)。得られたデジタル映像データをGIF等の方式を用いて圧縮する(データ圧縮52)。圧縮されたデータをDES等により暗号化する(データ暗号化53)。WEBサーバ57は、圧縮・暗号化データを通信網59を介してユーザーに送信する。ユーザーは、データを受信し、暗号を復号化し、圧縮を復号化し、ユーザーのパーソナルコンピュータのディスプレイ画面上に表示する(62)。
【0048】
ユーザーが保管されている情報(記録媒体)の閲覧を要求する場合は、WEBサーバ57は電子倉庫54を検索し、要求される記録媒体を引き出す。引き出された記録媒体を再生機(例えばDVD再生機)にかけ、再生されたデジタル映像データを得る。得られたデジタル映像データをGIF等の方式を用いて圧縮する(データ圧縮55)。圧縮されたデータをDES等により暗号化する(データ暗号化56)。WEBサーバ57は、圧縮・暗号化データを通信網59を介してユーザーに送信する。ユーザーは、データを受信し、暗号を復号化し、圧縮を復号化し、ユーザーのパーソナルコンピュータのディスプレイ画面上に表示する(62)。
【0049】
ユーザーが保管されている物の閲覧を現物で要求する場合は、WEBサーバ57は物の倉庫49を検索し、要求される物を引き出す。閲覧を要求された物を宅配便等を通じて発送する(データ現物発送50)。
ユーザーは、現物を受け取る。
【0050】
[保管リストの説明(図4及び図5)]
図4及び図5は、本実施例において、管理部4が保有する保管リストを示す。
保管を委託された物と情報は、図4又は図5のように物と情報とを統括した形で(物の保管リストと情報の保管リストが別個独立ではない。)リストに記載されている。
図4及び図5は、本実施例におけるデータの結合状態を明示的に示している。
図4及び図5においては、顧客名(又は顧客ID)ごとにリストがまとめられている。本実施例においては、保管リストはWindows用の市販のデータベースソフトウエアを利用して作られている(例えばマイクロソフト社が販売する「アクセス」)。従って、任意の欄を基準に保管リストを表示することが出来る。例えば、患者ID(図5)を基準に保管リストを表示すれば、P患者に関する資料がまとまって表示される(P患者が複数の病院又は医院で診察を受けている場合もある。)。
【0051】
図4(及び図5)においては、顧客A病院が保管を委託している全ての物及び情報がまとまって表示されている。全ての顧客は顧客IDを有しており、顧客の照合と第3者のデータベースへの進入を防いでいる。保管リストは、顧客ID以外に各顧客のパスワードを含むことが出来る。顧客が保管を委託している物の閲覧を要求等する場合、顧客IDのみならずパスワードの入力も要求することにより、第3者のデータベースへの進入を防ぐことが出来る。
顧客名、預り品名称等の欄には、顧客の名前、預り品の名称等が記入されており、保管リストを画面に表示する際に便利である。
全ての預り品は、それぞれ固有の預り品IDを有する。
全ての預り品は、物の倉庫5又は電子倉庫6に格納される。物/データの欄は、各預り品が物か情報(データ)かを区別する欄である。
【0052】
データの欄は、預り品が物である場合、その物がデジタイザ(変換部7)により変換された電子化データ(ビットマップ画像データ)が存在するか否かを示す欄である。「有」の表示は、本来の預り品である物が物の倉庫5に格納されているだけでなく、その電子化データが電子倉庫6に格納されていることを示す。
保管場所は、各預り品が物の倉庫5又は電子倉庫6のどこに格納されているかを示す。例えば、P患者の胸部レントゲン写真は、物の倉庫5のM006のラックの253番地に格納されている(M006−253)。R患者の頭部MRIデータは、電子倉庫6のE087ラックの925番地のDVDに記録されている。一般的に、1個のDVDに複数のデータが記録されており、R患者の頭部MRIデータはDVDの中のB番地に記録されている(E087−925B)。
【0053】
預かり日は、保管の開始日を示す。閲覧履歴は、保管システム2の課金の根拠データであるとともに、病院Aがこれまでの保管資料の利用履歴を調査する際の便宜を提供している。
図4においては、P患者の胸部レントゲン写真の現物とその電子化データとは、別個の欄に記載されており、同じ預り品ID2193844を付与されている。保管料の計算上は、P患者の胸部レントゲン写真の現物とその電子化データとは同一品であり、物の倉庫5及び電子倉庫6の格納管理上は別個の預り品である。
P患者の胸部レントゲン写真の現物とその電子化データとは、別個の預り品IDを有することも出来る。
保管システム2又は30等の内部では、図4又は図5の全画面を表示することが出来る。顧客であるA病院においては、A病院が保管を委託した物及び情報の欄のみからなるリストを表示することが出来る。
【0054】
図5の保管リストにおいては、P患者の胸部レントゲン写真の現物とその電子化データとは、同じ欄に記載されている。
又、図5の保管リストにおいては、患者ID及び患者名の欄を有する。後述する様に、患者自身が自己の胸部レントゲン写真の閲覧を請求してきた時、患者本人か否かを確認し、後日患者自身に閲覧料金を請求する場合に便利である。同様に、P患者がA病院からD病院に移ったためP患者に関する全ての預り品をA病院からD病院に移管する時に、患者Pの欄を基準に保管リストを生成し、患者Pの欄に含まれる全ての預かり品の顧客名及び顧客IDをD病院の名前及び顧客IDに一括変換することが出来る。
【0055】
A病院がP患者の胸部レントゲン写真の閲覧を要求してきた場合、保管システム2は、物の倉庫5からP患者の胸部レントゲン写真を引き出し、変換部7(デジタイザ)により電子化データに変換して、電子化データをA病院に送付する。
変換部7による電子化データの作成は手間がかかるため、当該P患者の胸部レントゲン写真が保管されている間は、生成した電子化データを保管しておくことが望ましい。電子化データを保管しておけば、次にA病院がP患者の胸部レントゲン写真の閲覧を要求してきた場合(A病院はあくまで物であるP患者の胸部レントゲン写真の保管を委託しているため、電子化データではなくP患者の胸部レントゲン写真の閲覧を要求してくる。)、電子倉庫6にある当該P患者の胸部レントゲン写真の電子化データを引き出し、直ちにA病院に送付することが出来る。
【0056】
具体的には、以下の手順で電子化データの有無を検索する。
A病院が、顧客ID3528643と、預り品ID2193844と、P患者の胸部レントゲン写真の閲覧の要求書を保管システム2に送付してきた場合、受付部3は、送付された顧客IDと保管リストの顧客IDが一致することを確認して、要求書を管理部4に伝送する。
管理部4は、図4の保管リストにおいて、まず電子倉庫6に格納されている情報の中から預り品ID2193844を検索する。同じ預り品IDが見つかると、電子倉庫6に当該電子化データを保管場所E091−478Aから引き出すように命令する。引き出された電子化データは、A病院に送付される。
上記の検索方法においては、顧客から物の預り品の閲覧を要求された場合にも管理部4は必ず情報の預り品から検索するため、物の預り品とその電子化データとが存在する場合は、電子化データが優先的に選択される。同一の預り品IDの電子化データが存在しない場合にのみ、物の預り品を検索する。
もちろん、顧客が現物である物の預り品の閲覧を要求する場合は、管理部4は情報の預り品の検索をすることなく物の預り品を検索する。
【0057】
図5の保管リストに基づいて預り品を検索する場合は、上記と異なる検索方法を採用する。
管理部4は、図5の保管リストにおいて、預り品ID2193844を検索する。同じ預り品IDが見つかると、データ欄が「有」か「無」かを調べる。「有」の場合は当該預り品の電子化データが存在するから、管理部4は電子倉庫6に当該電子化データを保管場所E091−478Aから引き出すように命令する。引き出された電子化データは、A病院に送付される。
【0058】
上記の検索方法においては、顧客から物の預り品の閲覧を要求された場合には、管理部は必ずその物の電子化データが存在するか否かを調べるため、物の預り品の電子化データとが存在する場合は、電子化データが優先的に選択される。電子化データが存在しない場合にのみ、物の倉庫から当該物の預り品を引き出し、変換部7により電子化データを生成する。
もちろん、顧客が現物である物の預り品の閲覧を要求する場合は、管理部4はその物の電子化データが存在するか否かを調べることなく物の預り品を物の倉庫5から引き出すよう指令する。
以上の方法により、顧客に物の閲覧を要求された場合にも、もしその電子化データが生成されていればその電子化データを送付する。これにより、重複する変換作業(レントゲン写真をデジタイズする作業)を排除することが出来る。
【0059】
[課金方法の説明(図6)]
図6は、本実施例の課金リストを示す。
保管システム2は、委託された物及び情報を保管すること、顧客からの閲覧要求に応えて倉庫に保管してある物(又は物の電子化情報)又は情報を顧客に送付すること、及び顧客が依頼した第3者の医師による読影サービスを仲介すること等のサービスに応じた課金をする。
【0060】
図6は、保管システム2がA病院に送付する2000年9月分の請求書の内訳を示す。
A病院は、2000年9月に20点の物の預り品と10点の情報(データ)の預り品を保管システム2に委託している。保管システム2は、保管点数に応じた課金をする。図6のように、物の預り単価と情報の預り単価を異なる金額にすることが出来る。単価の差は、主として保管費用の差に起因する。
顧客が保管を委託する物(又は情報)を保管システム2に送付した時、又は保管システム2が顧客の家を回って保管を委託する物等を受け取ったときから、預り期間が起算される。
図2のように、顧客である大きな病院の中に第1の保管場所があり、別の場所に第2の保管場所がある場合は、顧客が第1の場所に物等を預けた時から預り期間を起算してもよいし、第1の場所にあった物等を第1の場所から第2の場所に移送した時から預り期間を起算してもよい。
【0061】
又、A病院は、2000年9月に物の閲覧を1回、及び情報の閲覧を3回している。保管システム2は、物の閲覧及び情報の閲覧のそれぞれの回数に比例した金額を課金する。
物の閲覧と情報の閲覧との単価を同じ単価に設定しても良く、図6のように異なる単価に設定することも出来る。
閲覧(物)1回とは、A病院がレントゲン写真の現物の閲覧を1回要求したことを示す。本実施例においては、レントゲン写真の電子化データ(デジタイザにより生成されたビットマップ画像データ)をA病院に送る場合は、閲覧(データ)の欄で課金される。レントゲン写真の電子化データを物の閲覧として課金するか、情報の閲覧として課金するかは、任意である。
【0062】
A病院は、9月に後述するレントゲン写真の読影をX医師に1回依頼しており(「解析(X先生)」の欄)、保管システム2はその費用をA病院に課金する。
読影サービスとは、A病院が、外部のベテラン医師にレントゲン写真等の読影を依頼することである。
保管システム2は、A病院等の依頼者に代わって読影を委託された医師に読影料を支払い、読影を委託された医師に代わってA病院等の依頼者に読影料を請求する。一般的には、請求金額には保管システム2の仲介手数料が含まれている。
従来の方法は、個々の読影依頼件名ごとに、依頼者である病院が被依頼者である医師に読影料を支払っていた。
本実施例においては、保管システム2が仲介することにより、後述のようにレントゲン写真を送付する等の手間を大幅に簡素化出来るだけでなく、件名ごとの読影料の支払いに代えて、多くの件名をまとめて支払いと請求とを行うため、費用処理の手間を大幅に簡素化することが出来る。
【0063】
図6のような課金の他、後の実施例において説明する他の課金方法もある。
例えば、C医院は、自己の物又は情報の保管を保管システム2に委託していないが、B病院が保管を依頼しているS患者の足部の写真の閲覧を請求する場合がある。このような場合、保管システム2は、C医院に閲覧に基づく料金のみを請求する。
同様に、P患者(P患者は自己の物又は情報の保管を保管システム2に委託していない。)が自己の足部の写真の閲覧を請求する場合がある。このような場合、保管システム2は、P患者に閲覧に基づく料金のみを請求する。
【0064】
[物の保管の説明(図7)]
図7は、本実施例の物の倉庫5に保管されているP患者の胸部レントゲン写真を示す。
胸部レントゲン写真は、胸部レントゲン写真71と、その上に貼り付けられた識別ラベル72と、バーコード73を含む。
識別ラベル72は、顧客ID、顧客名、預り品ID、預り品の名称(名称)、患者ID及び患者名を含む。好ましくは、顧客であるA病院自身が、顧客名と預り品の名称と患者名を識別ラベルに記載し、識別ラベル72をレントゲン写真に貼る。保管システム2が、顧客ID等の他の欄に記載する。レントゲン写真等は第3者にはどれも、良く似ているため、このようにして、万一の取り違えを防止する。
【0065】
バーコード73は、識別ラベル72に含まれる情報と同じ情報を含む。バーコード73のみを胸部レントゲン写真に貼り付け、識別ラベル72を省略することも出来る。又、識別ラベル72のみを胸部レントゲン写真に貼り付け、バーコード73を省略することも出来る。
しかし、好ましくは、バーコードにより確実に電子的識別を行うとともに、識別ラベルにより人間が視覚的に識別することを可能にし、万一の取り違え事故を確実に排除する。
多くのレントゲン撮影機は、撮影したレントゲン写真に自動的に患者の氏名等任意の文字、ID等の数字を写し込む。好ましくはこの写し込まれた文字、ID等の数字を自動的に読み取ってラベルを生成し、生成されたラベルを当該レントゲン写真に貼る。これにより、誤りを皆無にすることが出来る。
【0066】
A病院から当該P患者の胸部レントゲン写真の閲覧を要求してきた場合には、胸部レントゲン写真を電子化データ(ビットマップ画像データ)に変換して、A病院にビットマップ画像データを送付する。
本実施例においては、P患者の胸部レントゲン写真を電子化データ(ビットマップ画像データ)に変換してA病院に送付する際、必ず識別ラベル72もビットマップ画像データに含める。
A病院にビットマップ画像データを送付する際には、当該画像データに、A病院の名前、顧客識別子、預り品の名前、預り品IDを付して送付するため、識別ラベル72をビットマップ画像データに含める必要はない。
【0067】
A病院が顧客ID3528643と、預り品ID2193844と、閲覧の要求書を保管システム2に送付すると、保管システム2は、P患者の胸部レントゲン写真のビットマップ画像データをA病院に送付する。
保管システム2は、閲覧を要求された預り品の預り品ID2193844と、P患者の胸部レントゲン写真に貼り付けてあるバーコードに含まれる預り品IDとを比較し、両者が一致することを確かめてから、変換部によりビットマップ画像データを生成し、ビットマップ画像データをA病院に送付する。従って、普通には、他人のレントゲン写真との取り違えは考えられないが、万一の事故がないとは限らない。又、A病院の医師が間違った預り品ID(例えば同じA病院に入院しているT氏の胸部レントゲン写真)を入力する可能性もある。
しかし、本実施例においては、必ず識別ラベル72もビットマップ画像データに含まれるため、A病院の医師がビットマップ画像データを読影する際に、必ず医師は画像データ上の識別ラベルを目にする。これにより、医師は、送付されたビットマップ画像データが要求したデータと一致するか否かを視覚的に判断できる。
医療用データの取り違えは生死に関わる恐れも有り、絶対に防止する必要がある。上記の方法により、万一の取り違え事故を防止することが出来る。
【0068】
電子倉庫6に格納されている情報の出し入れは全てコンピュータにより自動的に行われるため情報を取り違える可能性がなく、物という実体もないため、一般的には図7のような識別ラベル72及びバーコード73は不要である。
しかし、情報がDVD等の記録媒体に記録してある場合には、DVDのを取り出して再生機にかける作業は人手により行うため、DVDの収納箱等の表面に図7のような識別ラメル72及びバーコード73を貼ることが好ましい。
又は、DVD再生機により、各DVDメディアに記録されている各メディアごとの固有のIDを読みとり、求めるDVDメディアを正しく取り出したことを確認する。
【0069】
《実施例4》
本発明の第4の実施例を図8を用いて説明する。
第4の実施例においては、B病院81及びC医院82は、日々の診療活動の中で生成されるレントゲン写真、X線断層撮影画像データ、電子カルテ等の保管を、保管システム2に委託している。足部に火傷を負ってB病院81に入院していたS患者83が退院し、退院後S患者83は自宅の近所のC医院82に通院することにした。
保管システム2は、受付部3、管理部4、物の倉庫5、電子倉庫6及び変換部7を有する。保管システム2の構成は、基本的に第1の実施例と同じであるため、説明を省略する。ここでは第1の実施例との相違点のみを説明する。
患者SがB病院81に入院していた際、B病院81は、S患者83を治療又は診断する中でS患者83の足部の写真及び電子カルテを作成している(図4及び図5)。
【0070】
S患者83がB病院81を退院してC医院82に通院を開始する時、C医院82が十分にこれまでの治療経過を理解した上で適切な治療を行うためには、B病院81が、これまでに取得したS患者の足部の写真及び電子カルテを、C医院82に引き渡すことが望ましい。B病院81がS患者83の足部の写真及び電子カルテをC医院82に引き渡すことを合意したとする。
【0071】
従来は、B病院81は、いったんS患者の足部の写真及び電子カルテの保管委託を終了させる。管理システム2はB病院81に、足部の写真を郵送により返却し、電子カルテをインターネットを使ってB病院81のパーソナルコンピュータに送付する。
B病院81は、返却してもらった足部の写真及びフロッピーに記録した電子カルテを、C医院82に渡す。
C医院82は、受け取った足部の写真と電子カルテとC病院の顧客識別子とこれらの物及びデータの保管の依頼書を保管システム2に送付する。保管システム2の受付部3は、これらの物及びデータを受け取る。足部の写真は再び物の倉庫5に格納され、電子カルテは電子倉庫6に格納される。
従来は、上記のような面倒な手間を必要とした。
【0072】
これに対して、本発明の第4の実施例においては、はるかに簡単な手続きにより、S患者の足部の写真及び電子カルテをB病院からC医院に移管することが出来る。
B病院は、B病院の顧客ID9187725と、預り品ID5879825及び1268354と、S患者の足部の写真及び電子カルテをC医院に移管するとの指示書とを、保管システム2に送付する。
C医院は、C医院の顧客ID0025864と、預り品ID5879825及び1268354と(事前にB病院から通知されている。他の実施例においては、預り品IDはなくてもよい。)、S患者の足部の写真及び電子カルテの保管を引き受けるとの同意書を、保管システム2に送付する。
保管システム2の受付部3は、これらの書類を受け取り、それぞれの顧客識別子を保管リスト(図4又は図5)を検索して確認後、保管しているS患者の足部の写真及び電子カルテの顧客名及び顧客ID(顧客識別子)をB病院からC医院に変更する(図4及び図5)。
以上で移管が完了する。
なお、好ましくは、上記の手続をする前に、C医院は保管システム2に顧客登録をしておく。C医院の名前と顧客識別子を、保管システム2の保管リストに登録する。
【0073】
保管システム2の保管リストが患者ID(患者識別子)4915134を含む場合は(図5)、B病院が自己の顧客ID9187725と、患者ID4915134と、S患者に関する資料全てをC医院に移管するとの指示書を提出し、C医院が、C医院の顧客ID0025864と、S患者に関する全ての資料の保管を引き受けるとの同意書と、を提出した場合、管理部4は、S患者の患者IDが付されている全ての物及び情報の、顧客ID及び顧客名をB病院からC医院に一括変換することも出来る。このように、簡単な手続きにより漏れなくS患者の資料の移管を完了することが出来る。
又、本実施例においては、管理部4が物の倉庫5に保管されている物と電子倉庫6に保管されている情報とを統括的に管理しているため、物と情報とを一括してB病院からC医院に移管することが出来る。
【0074】
S患者がB病院からC医院に移るとき、B病院が、S患者の写真及び電子カルテをC医院に引き渡すことを断る場合も多い。
このような場合、従来は、C医院はS患者が持参したB病院からの手紙を読んでこれまでの経過を理解する他はなかった。又、C医院は新たにS患者の足部の写真を撮り、新たな電子カルテ(又は紙のカルテ)も作成している。
以上のように、S患者が病院を移るときは引継ぎをする上で種々の支障があり、重複する労力及び費用も発生した。
【0075】
これに対して、第4の実施例においては、B病院はS患者の足部の写真と電子カルテを手放すことなく、はるかに簡単な手続きにより、B病院からC医院へのS患者の引継ぎが出来る。
B病院は、B病院の顧客ID9187725と、預り品ID5879825及び1268354と、S患者の足部の写真及び電子カルテの電子閲覧をC医院に認めるとの指示書を、保管システム2に送付する。
C医院は、C医院の顧客ID0025864と、預り品ID5879825及び1268354(他の実施例においては、預り品IDは不要)と、S患者の足部の写真及び電子カルテの保管の閲覧に関する同意書を、保管システム2に送付する。
保管システム2の受付部3は、これらの書類を受け取り、保管リスト(図4又は図5)を検索してそれぞれの顧客識別子を確認後、保管リストのS患者の足部の写真及び電子カルテの閲覧許可顧客名及び閲覧許可顧客ID(顧客識別子)の欄に、C医院の名前とC医院の顧客IDとを書く。閲覧許可顧客名及び閲覧許可顧客ID(顧客識別子)の欄は、図4及び図5の保管リストの右端に追加される新たな欄である。
【0076】
好ましくは、B病院は、C医院にS患者の足部の写真の現物の閲覧及び変換部7により電子データ化された写真の閲覧を認めるのか、C医院に変換部7により電子データ化されたS患者の足部の写真のみ閲覧を認めるのか、を選択できる。
C医院は、顧客ID0025864と、預り品ID5879825及び1268354(他の実施例においては、預り品IDは不要)と、S患者の足部の写真及び電子カルテの閲覧の要求とを保管システム2の受付部3に送付する。受付部3は、受け付けた顧客識別子が、保管リスト(図4又は図5)のS患者の足部の写真及び電子カルテの閲覧許可顧客ID(顧客識別子)の欄に記載されているC医院の顧客IDと一致することを確かめて、S患者の足部の写真の電子化データ及び電子カルテをC医院に送付する。好ましくは、受付部3は、受け付けた顧客名(C医院)と、保管リストのS患者の足部の写真及び電子カルテの閲覧許可顧客名と、が一致することも確認する。
以上の手続きにより、S患者の足部の写真及び電子カルテの管理権はB病院にあるが、C医院はS患者の足部の写真及び電子カルテを見て検討することが出来る。
【0077】
他の実施例においては、B病院は、B病院の顧客ID9187725と、預り品ID5879825及び1268354と、S患者の足部の写真の電子化データ及び電子カルテのコピーをC医院に引き渡すとの指示書を、保管システム2に送付する。
C医院は、C医院の顧客ID0025864と、預り品ID5879825及び1268354(他の実施例においては、預り品IDは不要)と、S患者の足部の写真の電子化データ及び電子カルテのコピーを受け取るとの同意書と、保管システム2にこれらの保管を委託するとの依頼書を、保管システム2に送付する。
受付部3がそれぞれの顧客識別子を保管リスト(図4又は図5)を検索して確認した後、管理部4の指示に従って、物の倉庫5からB病院の保管委託物であるS患者の足部の写真を引き出し、変換部7によりその電子化データ(デジタイザで読み取ったビットマップ画像データ)を取得する。現物である足部の写真は物の倉庫5に戻す。電子化データを電子化倉庫6に新たに格納する。保管リストに新たに記載される当該新たな保管情報である電子化データの顧客はC医院である。
同様に、電子倉庫6にあるS患者の電子カルテのコピーを作成し、当該コピーを電子倉庫6に新たに保管する。保管リストには、当該コピーとC医院の顧客名及び顧客識別子等とを関連付けて登録する。
C医院は、自己の顧客識別子を付して登録されたこれらの情報をいつでも閲覧することが出来る。
保管システム2は、C医院にこれらのコピーの保管料を課金する。
【0078】
他の実施例においては、保管リストの顧客名及び顧客識別子の欄に複数の顧客名と顧客識別子を登録することが出来るようになっている。上述の指示書等を受け取った保管システム2は、保管リストの足部の写真等の欄に新たにC医院の名前と顧客識別子とを登録する。B病院とC医院とはS患者の足部の写真及び電子カルテを共有する(但し、C医院は電子化データのみの所有者である。)。この場合は、C医院から委託された保管情報である足部の写真の電子化データ及び電子カルテのコピーを作成する必要がない。
C医院が、現物である足部の写真の管理権を有しておらず、足部の写真の電子化データのみの管理権を有していることは、写真そのものの管理権を有しているか、電子化データのみの管理権を有しているかを識別する欄を管理リストに設けることにより、容易に実現できる。
これは、管理部4が物の倉庫5と電子倉庫6とを統括的に管理することによって、初めて実現可能であることに注意すべきである。物の倉庫5と電子倉庫6との管理が別個である場合は、物の管理権を有していないがその電子化コピーの管理権を有していることを単一の管理リストに登録することが出来ないからである。
【0079】
更に他の実施例においては、S患者83自身が、患者ID4915134と、自己の足部の写真及び電子カルテをB病院からC医院に移管することの指示書とを、保管システム2の受付部3に送付することが出来る。好ましくは、B病院とC病院からそれぞれの顧客IDと、預り品IDと、同意書が保管システム2に送付される。
受付部3は、指示書に添付された患者識別子と、保管リストのS患者の足部の写真等の欄の患者識別子(図5の患者ID)とが一致することを確認して、S患者の足部の写真等の顧客名及び顧客識別子をC医院に変更する。
このようにして、本実施例によれば、B病院及びS患者のいずれからも容易に足部の写真等の管理権をC医院に移転することを指示することが出来る。
【0080】
《実施例5》
本発明の第5の実施例を図9を用いて説明する。
従来の物又は情報の保管システムは、単に物又は情報を保管することのみを業務としていたが、第5の実施例においては、保管システム2は、物及び情報の保管の他、医療情報の第3者による鑑定サービス(例えばX線断層撮影画像データの読影の委託)の仲介サービスをも行う。
現在、日本各地の病院で多数のX線断層撮影装置が急速に増設されているが、X線断層撮影画像データの読影(画像データに基づく診断)は困難であるため、病院内の医師が当該X線断層撮影画像データを読影するとともに、併せてベテランの医師に当該X線断層撮影画像データを読影してもらいたいという市場の要望が多い。
従来は、患者が入院又は通院している病院が、つてを頼ってベテランの医師に読影を依頼し、承諾を得た後ベテランの医師にX線断層撮影画像データを郵送した。ベテランの医師は読影をした後、診断書を書いて、X線断層撮影画像データと診断書を郵送で病院に返送した。病院は、読影料をベテランの医師に送金した。
以上の様に、読影を外部に依頼するにはたいへんな手間と時間がかかり、かつ読影を委託する医師を捜す範囲も限られて、希望通りのベテランの医師が見つかるとは限らないのが現状である。
【0081】
第5の実施例は、患者が入院又は通院している病院以外の病院に所属する医師に、X線断層撮影画像データ等の読影を容易に依頼することが出来る方法を示す。
図9において、P患者はA病院に入院しており、A病院はP患者の胸部レントゲン写真の保管を保管システム2に委託している(図4又は図5)。
A病院は、P患者の胸部レントゲン写真の読影を、外部のベテラン医師に依頼しようと考えた。A病院は、保管システム2に、自己の顧客ID3528643と、P患者の胸部レントゲン写真の預り品ID2193844と、P患者の胸部レントゲン写真の読影の依頼書と、を受付部3に送付する。受付部3は、A病院の顧客IDを保管リストを検索して確認した後、管理部4が有する読影サービス契約医師のリストをA病院に送付する。
【0082】
A病院は、読影サービス契約医師のリストの中からX医師を選択する。
保管システム2は、直ちに物の倉庫5からP患者の胸部レントゲン写真を引き出し、変換部7により電子化データ(ビットマップ画像データ)に変換し、得られたビットマップ画像データをX医師93に送付する。
このとき、送付するビットマップ画像データに預かり品IDを付与するが、患者ID及び患者の氏名等の患者個人を特定するデータを添付しない。これにより、患者の秘密が漏洩することが出来る。病院が個人のつてを頼って読影サービスを他の医師に依頼する場合に比べて、はるかに確実な秘密保持が可能になる。
【0083】
X医師93は、送付された胸部レントゲン写真のビットマップ画像データを読影し、診断書を書く。好ましくは、診断書も紙ではなく電子ファイルで作成する。
X医師は、診断書を保管システム2に送付する。
保管システム2は、診断書を受け取り、診断書をA病院に送付する。A病院は、当該診断書の保管を保管システム2に依頼することも出来る。
保管システム2は、月ごとに他の読影料(例えばB病院からX医師への読影依頼分)も含めて、X医師に読影料を支払う。又、保管システム2は、月々の請求書に含めて、X医師による読影料をA病院に請求する。
以上の様に、P患者の胸部レントゲン写真を実際に移動させることなく、保管システム2の仲介サービスにより、A病院は希望するベテランの医師に読影を委託することが出来る。
【0084】
又、A病院は、複数の医師に同時に読影を委託することも出来る。A病院は、保管システム2から送付された読影サービス契約医師のリストの中から、複数の医師(X医師とY医師)を選択することが出来る。
保管システム2は、P患者の胸部レントゲン写真の電子化データをX医師とY医師に送付する。X医師とY医師はそれぞれ送付された電子化データを読影し、診断書を書き、当該診断書を保管システム2に送付する。保管システム2は、2通の診断書をA病院に送付すると共に、A病院が希望する場合は、2通の診断書を保管する。
従来は物であるレントゲン写真を医師に送っていたため、一人の医師にしか読影を委託することが出来なかった。第5の実施例においては、読影を委託する医師に電子化データを送付するため、複数の医師の読影サービスを受けることが出来る。
【0085】
又、第5の実施例は、管理部4が物の倉庫と電子化倉庫を統合的に管理していることにより、容易に実現出来ることに注意すべきである。
例えば、最初A病院がX医師の読影のみを依頼し、後日A病院がY医師にレントゲン写真の読影を追加して依頼してきたとき、保管システム2は、物の倉庫5からレントゲン写真を引き出し変換部7により改めて電子化データに変換することなく、電子倉庫6から電子化データ(X医師に電子化データを送付した時に作成している)を引き出し、それをそのままY医師に送付することが出来る。
又、A病院の医師が管理リストを検索すると(A病院内の端末の表示画面には、図4又は図5の保管リストの中から、顧客名がA病院の欄だけを抜き出したものが表示される。)、物であるレントゲン写真と、情報である診断書(電子ファイルであるとする。)とが同時に表示されるため、P患者に関する資料の全体を一目で確認することが出来、資料と資料との相互関係も理解しやすい。
【0086】
さらに、他の実施例においては、P患者が、自己の患者ID6073899と、自己の胸部レントゲン写真の預り品ID2193844と、胸部レントゲン写真の読影を外部の医師に依頼したいとの依頼書と保管システム2に送付する(図5参照)。受付部3は、送付された患者IDと、管理リストの患者IDが一致することを確認し、上記と同様に、管理部4が有する読影サービス契約医師のリストをP患者に送付する。
【0087】
P患者は、読影サービス契約医師のリストの中からX医師を選択する。
保管システム2は、上記と同様にP患者の胸部レントゲン写真の電子化データ(ビットマップ画像データ)をX医師93に送付する。
X医師93は、送付された胸部レントゲン写真のビットマップ画像データを読影し、診断書を保管システム2に送付する。
保管システム2は、診断書を受け取り、診断書をP患者に送付する。
保管システム2は、X医師に読影料を支払うと共に、P患者にX医師による読影料を請求する。
以上の様に、P患者の胸部レントゲン写真を実際に移動させることなく、保管システム2の仲介サービスにより、P患者は希望するベテランの医師に読影を委託することが出来る。従来の方法においては、患者が自ら外部のベテラン医師を見つけ出して読影を依頼することはほとんど不可能に近かったが、第5の実施例によれば、患者は容易にベテラン医師の読影サービスを受けることが出来る。
【0088】
図9に示すように、A病院、P患者、X医師、Y医師及び保管システム2はWEB95で相互に接続されており、インターネットを利用して相互間の情報伝達を行うことが出来る。好ましくは、相互間の情報伝達は、ZIP等の暗号を用いる。
【0089】
[第5の実施例のフローチャートの説明(図13)]
図13は、第5の実施例のフローチャートを示す。
顧客から物又は情報の解析要求(例えば、X線断層画像データの読影)を受信した場合には、図13の手順で処理する。
最初に顧客(又は患者)から物又は情報の解析要求を受信する(ステップS21)。
次に、受信したデータに含まれる顧客IDを同定する。保管リスト(図4又は図5)を検索して、同一の顧客IDを発見すれば閲覧要求を許可し、同一の顧客IDを発見出来なければ閲覧要求を許可しない(ステップS22)。
閲覧を許可されると、閲覧要求に含まれる預り品IDを有する預り品(物又は情報)の保管場所を検索する(ステップS23)。
【0090】
預り品が情報(X線断層画像データ等)であればステップS26に進み、預り品が物(レントゲン写真等)であればステップS25に進む(ステップS24)。
預り品が物であれば、デジタイザにより預り品に含まれる情報を第1の情報に変換する(ステップS25)。典型的には、レントゲン写真をビットマップ画像データに変換する。
解析者に情報を送信する(ステップS26)。
解析者が解析作業をする(ステップS27)。典型的には、ベテラン医師が、レントゲン写真の画像データ又はX線断層画像データを読影する。
解析者が解析結果(診断書)を保管システム(又は直接顧客)に送信する(ステップS28)。解析結果が直接顧客に送られた場合は、このステップで終了する。
ステップS28において解析者が解析結果(診断書)を保管システム(又は直接顧客)に送信した場合は、保管システムは解析結果を顧客に送信する(ステップS29)。
【0091】
前記各実施例から以下の発明を読み取ることができる。
【0092】
第1の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
病院の診断装置から発生する医療画像関連情報をフィルム画像として出力したときに、前記医療画像関連情報を前記フィルム画像として格納する格納ステップと、
前記病院を同定する第1の識別子と前記医療画像関連情報を同定する第2の識別子とを、前記医療画像関連情報に対応させて記憶装置に記憶する第1の記憶ステップと、
前記病院が送付した、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む要求であって前記医療画像関連情報の閲覧の要求を、受け付ける受付ステップと、
前記要求に含まれる第1の識別子を、前記記憶装置に記憶されている前記第1の識別子と比較し、2個の前記第1の識別子が実質的に同一でない場合は、前記要求に応じないステップと、
少なくとも前記第2の識別子に基づいて、前記医療画像関連情報を検索する検索ステップと、
前記医療画像関連情報に含まれる情報をアナログデータ又はデジタルデータである第1の情報に変換する変換ステップと、
前記第1の情報を、前記病院に送付する送付ステップと、
を含む。
【0093】
従来は、病院等の顧客が物の保管を委託していて、顧客が保管された物の閲覧を要求した場合には、当該医療画像関連情報が郵送等されるまで顧客は物を閲覧することが出来なかった。
第1の発明は、病院等の顧客が物の保管を委託していて、顧客が保管された物の閲覧を要求した場合には、当該医療画像関連情報そのものを顧客に送るのではなく、当該医療画像関連情報に含まれる情報を第1の情報に変換し、前記第1の情報をインターネット等を通じて顧客に送付する。
これにより、第1の発明は、顧客が保管している医療画像関連情報に含まれる情報を容易にかつ素早く閲覧することが出来る、管理方法を実現する、という作用を有する。
又、医療画像関連情報そのものを保管倉庫から顧客に送付し、閲覧を終えた顧客が再び前記物を倉庫に返送していた従来の管理方法は、閲覧に要するコストも高かった。
第1の発明は、特にインターネット等の通信回線を利用することにより、極めて安いコストで倉庫から顧客に情報を送付することが出来、かつ顧客は倉庫に返送する必要がない(返送の費用は不要。)管理方法を実現する、という作用を有する。
【0094】
変換ステップは、顧客から医療画像関連情報を受け取った後であって、顧客からの閲覧要求を受け付ける前に実行しても良い。又は、変換ステップは、顧客からの閲覧要求を受け付けた後に実行してもよい。
好ましくは、顧客からの閲覧要求を受け付けた後に実行する。顧客は、保管を依頼した医療画像関連情報の前記第1の情報を後日要求するとは限らないため、後日要求があった物のみを第1の情報に変換することにより、全体として変換の量を削減し、保管労力及び費用の削減をすることが出来るからである。
「2個の前記第1の識別子が実質的に同一」とは、例えば、多くの医師を抱える病院Aの医師Fが、病院Aの顧客IDに自己の個人識別子を付した顧客IDを付して医療画像関連情報の閲覧を要求する場合に、保管リストにある病院Aの顧客IDと要求に添付された顧客IDとが一致すれば、医師Fの閲覧要求を許可する場合等を含む意味である(医師Fの個人識別子の部分はチェックしない。)。
「医療画像関連情報に含まれる情報」とは、例えば、レントゲン写真の画像情報である。
【0095】
又、第1の情報を顧客に送付した後、第1の情報を記憶装置に記憶した状態を維持しても良く、第1の情報を記憶装置から消去しても良い。一般には、第1の情報を記憶装置に記憶した状態を維持する方が、好ましい場合が多い。
【0096】
第1の発明は、任意の医療画像関連情報の保管方法について適用可能であるが、特に、医療の治療、診断又は予防の中で生成した資料の保管方法として最適である。
医療においては日々の治療、診断又は予防の中で多くの資料を生成するが、医療の専門家集団である病院等は、資料の保管を外部に委託したいという要望が強い。しかし、資料(例えば、レントゲン写真等の物又はCTスキャナ画像等の情報)を外部の倉庫に保管してもらった後、患者を診察しながら、昔のレントゲン写真と比較してみたいことがある。このような場合、すぐに倉庫にあるレントゲン写真の画像データを病院内の端末のディスプレイに表示したい(レントゲン写真の現物を入手する必要はない。)。
従来の保管方法は上記の要請に応えることが出来なかったが、第1の発明は、上記の要請に応えることが出来る医療画像関連情報の管理方法を実現するという作用を有する。
【0097】
第2の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
病院の診断装置から発生する医療画像関連情報をデジタル情報として出力したときに、
少なくとも前記病院を同定する第1の識別子と前記医療画像関連情報を同定する第2の識別子とを、前記医療画像関連情報に対応させて記憶装置が備える媒体固有IDを有する記憶媒体に記憶する第1の記憶ステップと、
前記記録媒体に前記医療画像関連情報を記憶する際、前記媒体固有IDを用い当該医療画像関連情報を暗号化する暗号化ステップと、
前記暗号化した医療画像関連情報を前記記憶媒体に記録保管する記録保管ステップと
を含む。
さらに、上述の構成に加え、前記病院が送付した、前記第1の識別子及び前記第2の識別子を含む要求であって前記医療画像関連情報の閲覧の要求を、受け付ける受付ステップと、
前記要求に含まれる第1の識別子を、前記記憶装置に記憶されている前記第1の識別子と比較し、2個の前記第1の識別子が実質的に同一でない場合は、前記要求に応じないステップと、
少なくとも前記第2の識別子に基づいて、前記医療画像関連情報を検索する検索ステップと、
前記医療画像関連情報を、前記病院に送付する送付ステップとを含んでもよい。
【0098】
従来は、医療画像関連情報の保管は病院毎に別個に運用されていた。そのため、例えば、病院が火傷を負ったS患者の足部の写真(物)を物の倉庫に委託して保管してもらい、同じS患者の電子カルテ(情報)を電子倉庫に委託して保管してもらっていた。このため、S患者の治療経過の中で生成された資料が2つの倉庫に別個に保管され、S患者に関する全資料を統括したリストがなかった。そのため、病院は、資料の比較検討等が困難であり、重複した資料を作成することもあった。
第2の発明は、医療画像関連情報を統括的に保管する方法を実現することが出来るという作用を有する。そのため、病院は、S患者に関する全ての資料(物及び情報を含む)のリストを手に入れることが出来、これまで作成した資料の比較検討が容易になる。
【0099】
従来は、病院が医療画像関連情報の保管を委託していて、顧客が保管された医療画像関連情報の閲覧を要求した場合には、当該医療画像関連情報が郵送等されるまで顧客は医療画像関連情報を閲覧することが出来なかった。
第2の発明は、顧客が医療画像関連情報の保管を委託していて、顧客が保管された医療画像関連情報の閲覧を要求した場合には、当該医療画像関連情報そのものを顧客に送るのではなく、当該医療画像関連情報に含まれる情報を第1の情報に変換し、前記第1の情報をインターネット等を通じて顧客に送付する。
これにより、第2の発明は、顧客が保管している医療画像関連情報に含まれる情報を容易にかつ素早く閲覧することが出来る、管理方法を実現する、という作用を有する。
又、このとき生成された第1の情報を、情報の倉庫(電子倉庫)に保管することにより、再び、顧客から同じ医療画像関連情報の閲覧を要求された場合には、新たに医療画像関連情報の情報を第1の情報に変換することなく、電子倉庫に格納してある第1の情報をただちに送付できる。これにより、変換の労力と時間を削減することが出来る。
第2の発明は、医療画像関連情報の倉庫と、電子倉庫とを有機的に関連付けて、効率の良いもの又は情報の管理方法を実現するという作用を有する。
【0100】
又、医療画像関連情報そのものを保管倉庫から顧客に送付し、閲覧を終えた顧客が再び前記医療画像関連情報を倉庫に返送していた従来の管理方法は、閲覧に要するコストも高かった。
第2の発明は、特にインターネット等の通信回線を利用することにより、極めて安いコストで倉庫から顧客に情報を送付することが出来、かつ顧客は倉庫に返送する必要がない(返送の費用は不要。)管理方法を実現する、という作用を有する。
【0101】
第3の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
保管している医療画像関連情報及び第2の情報の両方を含む保管リストの画像表示を顧客に提供するステップを、更に含む。
【0102】
この構成により医療画像関連情報を統括的に保管する方法を実現することが出来るという作用を有する。そのため、病院は、S患者に関する全ての資料(物及び情報を含む)のリストを手に入れることが出来、これまで作成した資料の比較検討が容易になる。
【0103】
第4の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
受付ステップにおける受付及び送付ステップにおける送付を、通信回線を通じてデジタルデータ列を伝送することにより実行する。
【0104】
第4の発明の医療画像関連情報の管理方法は、通信回線を利用することにより、遠く離れた顧客と保管システム(倉庫を含む)との間の高速通信を可能にし、顧客がすぐに保管してある情報等を閲覧できる医療画像関連情報の管理方法を実現するという作用を有する。
【0105】
第5の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
デジタルデータ列が暗号化されている。
【0106】
この暗号を利用することにより、顧客の情報の秘密保持が出来る医療画像関連情報の管理方法を実現するという作用を有する。
【0107】
第6の医療画像関連情報の管理方法は、
第1の情報は、顧客の名称、顧客識別子、医療画像関連情報の属性の情報、医療画像関連情報の識別子、又は第1の識別子若しくは第2の識別子の少なくともいずれかの識別子の情報を有する光学的識別子、の中の少なくともいずれかの視覚的表示を含み、又は
第2の情報は、顧客の名称、顧客識別子、第2の情報の属性の情報、第2の情報の識別子、又は第1の識別子若しくは第2の識別子の少なくともいずれかの識別子の情報を有する光学的識別子、の中の少なくともいずれかの視覚的表示を含む。
【0108】
保管してある情報等を端末の画面に表示すると、送付された情報が閲覧を希望した情報等に間違いないことを、顧客は視覚的に確認することが出来る。
特に、病院等が治療、診断又は予防の中で生成した資料を保管する医療画像関連情報の管理方法においては、情報の取り違えは、患者の命に関わることも有るため、情報が正しいことを確認する方法は極めて重要である。
この構成により、送られてきた情報が正しいことを、視覚的に容易に確認することが出来る、医療画像関連情報の管理方法を実現するという作用を有する。
【0109】
光学的識別子とは、例えばバーコードである。
【0110】
第7の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
顧客が医療画像関連情報、第1の情報又は第2の情報を閲覧する回数を数えるステップと、
回数に応じた金額を含む金額を、顧客に請求するステップと、
をさらに含む。
【0111】
第7の発明は、課金方法を含む上記の医療画像関連情報の管理方法を実現できるという作用を有する。
【0112】
第8の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
医療画像関連情報に含まれる情報を第1の情報に変換した場合は、第1の情報を記憶装置に記憶する第2の記憶ステップと、
医療画像関連情報に含まれる情報を変換した第1の情報が記憶されているか否かを識別可能な情報である第3の情報を、医療画像関連情報に対応させて、記憶装置に記憶するステップと、
をさらに有し、
検索ステップにおいて、検索する医療画像関連情報に対応する第3の情報が第1の情報を記憶していることを示す場合は、第1の情報を検索し、
第1の情報が記憶されている場合は、送付ステップにおいて記憶されている第1の情報を読み出して送付する。
【0113】
この構成により、過去に医療画像関連情報の閲覧を要求された場合は、その医療画像関連情報から変換された第1の情報を電子倉庫に保管している、物又は情報の保管方法に関する。
第1の情報を保管している場合には、医療画像関連情報よりも第1の情報を優先して倉庫から取り出すことにより(医療画像関連情報を現物で閲覧することを要求する場合を除く。)、重複する変換作業(第1の情報の生成作業)のない、効率の良いもの又は情報の管理方法を実現できる、という作用を有する。
【0114】
第9の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
医療画像関連情報の管理方法に含まれる情報を第1の情報に変換した場合は、第1の情報を記憶装置に記憶する第2の記憶ステップをさらに有し、
検索ステップにおいて、優先的に第1の情報を検索し、第1の情報がない場合に医療画像関連情報を検索し、
第1の情報が記憶されている場合は、送付ステップにおいて記憶されている第1の情報を読み出して送付する。
【0115】
この構成により、過去に物の閲覧を要求された場合は、その医療画像関連情報から変換された第1の情報を電子倉庫に保管している、医療画像関連情報の保管方法に関する。
第1の情報を保管している場合には、医療画像関連情報の管理方法よりも第1の情報を優先して倉庫から取り出すことにより(医療画像関連情報の管理方法を現物で閲覧することを要求する場合を除く。)、重複する変換作業(第1の情報の生成作業)のない、効率の良いもの又は情報の管理方法を実現できる、という作用を有する。
【0116】
第10の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
顧客から医療画像関連情報を受け取っている場合は、送付ステップにおいて医療画像関連情報を送付すること又は第1の情報を送付することを、要求ステップにおいて顧客は選択して指定することが出来、
顧客が医療画像関連情報を送付することを指定する場合には、送付ステップにおいて医療画像関連情報を顧客に送付し、
顧客が第1の情報を送付することを指定する場合には、送付ステップにおいて第1の情報を顧客に送付し、かつ、
顧客が送付ステップにおいて医療画像関連情報を送付することのみを希望する場合は、変換ステップを行わない。
【0117】
この構成における医療画像関連情報の保管を保管会社等に委託している顧客は、医療画像関連情報を現物で閲覧するのか、医療画像関連情報に含まれる情報を閲覧するのかを選択することが出来る。例えば、医療裁判等における物証としてレントゲン写真を提出する場合は顧客は現物を閲覧することが出来、過去のレントゲン写真をすぐに参照したい場合等には、顧客は第1の情報をすぐに閲覧することが出来る。
従ってこの構成により、顧客のニーズに合わせて、閲覧対象を選択できる医療画像関連情報の管理方法を実現するという、作用を有する。
又、顧客が現物の閲覧を希望する場合には変換作業(第1の情報の生成作業)を行わない。これにより、無駄のない効率的な物又は情報の管理方法を実現するという、作用を有する。
【0118】
第11の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
顧客からの医療画像関連情報の返却の要求を受け付けるステップと、
医療画像関連情報を顧客に返却するステップと、
医療画像関連情報に対応する第1の情報を検索するステップと、及び
第1の情報が記憶されている場合は、第1の情報を消去するステップと、
を更に含む。
【0119】
保管している医療画像関連情報は、顧客の所有物であり、保管会社は秘密保持の義務もある。特に、病院等が保管を委託する医療画像関連情報の秘密を保持することは重要である。上記の第1の情報は、顧客の了解の下に生成されているが、医療画像関連情報を返却した後も、第1の情報を保管し続けることにより、顧客の秘密を保持できない可能性もある。
この構成により、顧客の秘密を確実に保持できる物又は情報の管理方法を実現するという、作用を有する。
【0120】
第12の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
病院から受け取った医療画像関連情報である第2の情報と、顧客を同定する第1の識別子及び第2の情報を同定する第2の識別子と、を第1の場所にある第1の番地情報を有するアドレスに記憶する第1の記憶ステップと、
第1の識別子と、第2の識別子と、第1の番地情報と、を含む情報を管理部に伝送する伝送ステップと、
もし顧客が第1の識別子及び第2の識別子を含む要求であって第2の情報の閲覧の要求をする場合は、第1の場所において記憶装置から第2の情報を出力する、第1の応答ステップと、
第1の場所での格納期間が一定の期間を超えた場合、第1の場所の記憶装置に記憶された情報量が一定の量を超えた場合、又は顧客から移動の要求があった場合、のいずれかの場合に、管理部が、第2の情報を第1の場所から第2の場所に移動を指示するステップと、
第2の情報を、第2の場所にある第2の番地情報を有するアドレスに記憶する、第2の記憶ステップと、
管理部が、第1の識別子及び第2の識別子と対応させて、第2の番地情報を記憶するステップと、
もし顧客が第1の識別子及び第2の識別子を含む要求であって第2の情報の閲覧の要求を送付してきた場合は、第2の場所において、管理部の指示に従って第2の情報を検索し、通信回線を通じて顧客に第2の情報を送付する、送付ステップと、
を含む。
【0121】
上記構成における任意の情報の管理において適用可能であるが、特に医療において生成される情報を管理する場合に有効である。
医療の治療、診断又は予防の中で生成される医療画像関連情報は、生成後すぐに閲覧される可能性が高く、生成時点から日にちが経てば、閲覧される可能性が急速に小さくなるという傾向がある。
そこで、この構成おいては、資料(情報)を生成後一定の期間は病院等の顧客の近傍の第1の場所に保管し、資料生成後一定の期間を経過した後は、病院から離れているが広い第2の場所に資料を保管する。
すなわち、閲覧される確率が高い間は近くの第1の場所に資料を保管し、閲覧される確率が下がってくると広い第2の場所に資料を保管する。
この構成では、閲覧する可能性の大小により異なる場所に情報を保管することにより、利便性の高い情報の管理方法を実現するという、作用を有する。
【0122】
一定期間の起点は不問である。例えば、顧客から渡された物を受領した時、受領した医療画像関連情報を第1の場所に保管した時、顧客の要求に応じて、最後に第1の場所に保管した医療画像関連情報を顧客に引き渡した時、顧客に引き渡した医療画像関連情報を顧客から最後に再度受領した時、のいずれでもよい。
一定の期間の長さも問わない。
第1の場所の管理部と、第2の場所の管理部が同じ医療画像関連情報でもよく(一般には、第2の場所に設置される。)、第1の場所にある管理部と、第2の場所にある管理部が別個の装置であって、両者が通信回線等を通じてリンクされていてもよい。
【0123】
第13の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
顧客から受け取った医療画像関連情報、又は顧客から受け取った医療画像関連情報である第2の情報を記録した媒体を、第1の場所にある第1の番地情報を有するアドレスに保管する第1の保管ステップと、
顧客を同定する第1の識別子と、医療画像関連情報又は媒体を同定する第2の識別子と、第1の番地情報と、を含む情報を管理部に伝送し、管理部が情報を記憶する第1の記憶ステップと、
第1の場所での保管期間が一定の期間を超えた場合、第1の場所に保管される医療画像関連情報又は媒体が一定の量を超えた場合、又は顧客の移動の要求があった場合、のいずれかの場合に、管理部が、医療画像関連情報又は媒体を第1の場所から第2の場所に移動を指示する指示ステップと、
医療画像関連情報又は媒体を第1の場所から第2の場所に移動させ、第2の場所にある第2の番地情報を有するアドレスに保管する、第2の保管ステップと、
管理部が、第1の識別子及び第2の識別子と対応させて、第2の番地情報を記憶する第2の記憶ステップと、
もし顧客が第1の識別子及び第2の識別子を含む要求であって医療画像関連情報又は第2の情報の閲覧の要求を送付してきた場合は、第2の場所において、管理部の指示に従って医療画像関連情報又は媒体を検索し、医療画像関連情報に含まれる情報を変換して得られた医療画像関連情報である第1の情報を、又は媒体から再生された第2の情報を、通信回線を通じて顧客に第1の情報又は第2の情報を送付する、送付ステップと、
を含む構成としてもよい。
【0124】
上記構成は任意の情報の管理において適用可能であるが、特に医療において生成される情報を管理する場合に有効である。
医療の治療、診断又は予防の中で生成される物又は情報は、生成後すぐに閲覧される可能性が高く、生成時点から日にちが経てば、閲覧される可能性が急速に小さくなるという傾向がある。
そこで、上記構成においては、資料(医療画像関連情報)を生成後一定の期間は病院等の顧客の近傍の第1の場所に保管し、資料生成後一定の期間を経過した後は、病院から離れているが広い第2の場所に資料を保管する。
すなわち、閲覧される確率が高い間は近くの第1の場所に資料を保管し、閲覧される確率が下がってくると広い第2の場所に資料を保管する。
この構成は、閲覧する可能性の大小により異なる場所に医療画像関連情報を保管することにより、利便性の高い医療画像関連情報の管理方法を実現するという、作用を有する。
【0125】
「顧客から受け取ったアナログデータ又はデジタルデータである第2の情報を記録した媒体」とは、顧客自身が第2の情報を媒体に記録する場合と、顧客から第2の情報を受信して、受信した第2の情報を媒体に記録する場合と、を含む。
【0126】
第14の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
管理部は、第1の場所に設置された通信装置を具備する第1のコンピュータと、第2の場所に設置された通信装置を具備する第2のコンピュータと、を含む構成としてもよい。
【0127】
この構成により、閲覧する可能性の大小により異なる場所に情報を保管することにより、利便性の高い情報の管理方法を実現するという、作用を有する。
【0128】
第15の発明の医療画像関連情報の管理方法は、
第2のコンピュータは、顧客がアクセスすることが出来ない第1のデータ空間と、第2のデータ空間と、を有しており、
顧客が、第1の識別子を同定した後、インターネットを通じて第2のデータ空間にあるデータにアクセスするステップと、
を含む構成としてもよい。
【0129】
この構成により、顧客の秘密を確実に保持することが出来る物又は情報の管理方法を実現出来るという作用を有する。
【0130】
実施例から読み取ることができる発明から以下の効果が得られる。
実施例から読み取ることができる発明は、顧客が物(物又は情報)の保管を委託していて、顧客が保管された物の閲覧を要求した場合には、当該物そのものを顧客に送るのではなく、当該物に含まれる情報を第1の情報に変換し、前記第1の情報をインターネット等を通じて顧客に送付する。
実施例から読み取ることができる発明により、保管している物に含まれる情報を顧客が容易にかつ素早く閲覧することが出来る、物(物又は情報)管理方法を実現する、という有利な効果が得られる。
又、物そのものを保管倉庫から顧客に送付し、閲覧を終えた顧客が再び前記物を倉庫に返送していた従来の管理方法は、閲覧に要するコストも高かった。
実施例から読み取ることができる発明により、特にインターネット等の通信回線を利用することにより、極めて安いコストで倉庫から顧客に情報を送付することが出来、かつ顧客は倉庫に返送する必要がない(返送の費用は不要。)管理方法を実現する、という有利な効果が得られる。
【0131】
実施例から読み取ることができる発明は、任意の物の保管方法について適用可能であるが、特に、医療の治療、診断又は予防の中で生成した資料の保管方法として最適である。
実施例に記載の発明により、医師が、患者を診察しながら、倉庫にある昔のレントゲン写真の画像データを病院内の端末のディスプレイにすぐに表示できる物又は情報の管理方法を実現出来るという有利な効果が得られる。
【0132】
実施例から読み取ることができる発明により、物と情報を統括的に保管する方法を実現することが出来るという有利な効果が得られる。そのため、病院は、S患者に関する全ての資料(物及び情報を含む)のリストを手に入れることが出来、これまで作成した資料の比較検討が容易になる。
【0133】
又、生成された第1の情報を、情報の倉庫(電子倉庫)に保管することにより、再び、顧客から同じ物の閲覧を要求された場合には、新たに物の情報を第1の情報に変換することなく、電子倉庫に格納してある第1の情報をただちに送付できる。これにより、変換の労力と時間を削減することが出来る。
実施例から読み取ることができる発明により、物の倉庫と、電子倉庫とを有機的に関連付けて、効率の良いもの又は情報の管理方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0134】
実施例から読み取ることができる発明により、通信回線を利用することにより、遠く離れた顧客と保管システム(倉庫を含む)との間の高速通信を可能にし、顧客がすぐに保管してある情報等を閲覧できる物又は情報の管理方法を実現という有利な効果が得られる。
【0135】
実施例から読み取ることができる発明により、暗号を利用することにより、顧客の情報の秘密保持が出来る物又は情報の管理方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0136】
特に、病院等が治療、診断又は予防の中で生成した資料を保管する物又は情報の方法においては、情報の取り違えは、患者の命に関わることも有るため、情報が正しいことを確認する方法は極めて重要である。
実施例から読み取ることができる発明により、送られてきた情報が正しいことを、視覚的に容易に確認することが出来る、物又は方法の管理方法を実現すという有利な効果が得られる。
【0137】
実施例から読み取ることができる発明により、課金方法を含む上記の物又は情報の管理方法を実現できという有利な効果が得られる。
【0138】
実施例から読み取ることができる発明は、過去に物の閲覧を要求された場合は、その物から変換された第1の情報を電子倉庫に保管している保管方法において、第1の情報を保管している場合には、物よりも第1の情報を優先して倉庫から取り出すことにより(物を現物で閲覧することを要求する場合を除く。)、重複する変換作業(第1の情報の生成作業)のない、効率の良いもの又は情報の管理方法を実現できるという有利な効果が得られる。
【0139】
実施例から読み取ることができる発明の物又は情報の管理方法においては、物の保管を保管会社等に委託している顧客は、物を現物で閲覧するのか、物に含まれる情報を閲覧するのかを選択することが出来る。
実施例から読み取ることができる発明により、顧客のニーズに合わせて、閲覧対象を選択できる物又は情報の管理方法を実現するという、有利な効果が得られる。
又、顧客が現物の閲覧を希望する場合には変換作業(第1の情報の生成作業)を行わない。これにより、無駄のない効率的な物又は情報の管理方法を実現するという、有利な効果が得られる。
【0140】
保管している物は、顧客の所有物であり、保管会社は秘密保持の義務もある。特に、病院等が保管を委託する物等の秘密を保持することは重要である。
実施例に記載の発明により、顧客の秘密を確実に保持できる物又は情報の管理方法を実現するという、有利な効果が得られる。
【0141】
医療の治療、診断又は予防の中で生成される物又は情報は、生成後すぐに閲覧される可能性が高く、生成時点から日にちが経てば、閲覧される可能性が急速に小さくなるという傾向がある。
実施例から読み取ることができる発明により、閲覧する可能性の大小により異なる場所(第1の場所と第2の場所)に情報を保管することにより、利便性の高い物又は情報の管理方法を実現するという、有利な効果が得られる。
【符号の説明】
【0142】
1 顧客
2 保管システム
3 受付部
4 管理部
5 物の倉庫
6 電子倉庫
7 変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院内で使用される検査装置が生成する医療用デジタル情報の管理を行う保管システムであって、
前記保管システムは、
少なくとも1つ以上の宛先情報から構成される宛先リストおよび少なくとも1つ以上の検査装置が生成した医療用デジタル情報を蓄積する蓄積部と、
複数の外部装置とネットワーク通信路を介して接続され、前記医療用デジタル情報および前記宛先リストを前記外部装置に送信し、さらに前記外部装置が送信する情報を受信する送受信部と、を備え、
前記送受信部は、
前記複数の外部装置のうち第1外部装置から、前記宛先リストの送信要求を示す情報を受信した場合、当該第1外部装置に対して前記宛先リストを送信し、
前記第1外部装置から、前記蓄積部に蓄積される医療用デジタル情報のうち、何れかを特定する特定情報を受信し、
前記宛先リストの送信後、前記第1外部装置から当該宛先リストを構成する宛先情報のうち何れか1つまたは複数を指定する指定情報を受信した場合、当該指定情報に対応する宛先に対して、前記特定情報で特定される医療用デジタル情報を送信することを特徴とする保管システム。
【請求項2】
前記送受信部は、前記特定情報で特定される医療用デジタル情報を前記指定情報に対応する宛先に送信する際、送信する医療用デジタル情報の患者個人を特定する情報を付加することなく、当該第1外部装置に送信する請求項1に記載の保管システム。
【請求項3】
前記送受信部は、前記特定情報で特定される医療用デジタル情報を前記指定情報に対応する宛先に送信した後、前記指定情報に対応する宛先から送信された医療用デジタル情報の診断結果に関する情報を受信した場合、当該診断結果に係る情報と前記特定情報で特定される医療用デジタル情報とを対応づけた状態で前記蓄積部に蓄積させる請求項1に記載の保管システム。
【請求項4】
前記送受信部は、前記指定情報に対応する宛先から送信された医療用デジタル情報の診断結果に関する情報を受信した後、前記第1外部装置に対して費用請求に関する情報を送信する請求項3に記載の保管システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−100473(P2011−100473A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271488(P2010−271488)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【分割の表示】特願2000−100032(P2000−100032)の分割
【原出願日】平成12年3月31日(2000.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
2.フロッピー
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(399085912)株式会社ジェイマックシステム (3)
【Fターム(参考)】