説明

保護テープ

【課題】金属部材の形状や、金属部材同士の突き合わせ部分の角度にかかわらず、前記突き合わせ部分の目隠し施工や、端部又はコーナー部の保護が容易であって、耐候性にも優れた保護テープを提供する。
【解決手段】継ぎ目テープ20は、手摺部材10,12の端部同士の突き合わせ部分14を目隠しするために、巻き付けて使用される。前記継ぎ目テープ20は、ブチル両面テープ22の表面に、一方の接着剤層24Aを除いてポリ塩化ビニルテープ26を接着して構成されており、優れた耐候性を発揮するとともに、突き合わせ部分14の目隠しを容易に行うことができる。また、手摺部材10,12の形状や、一方の手摺部材10に対する他方の手摺部材12の傾斜具合や傾斜の有無にかかわらず、接着が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手摺などの金属部材同士の突き合わせ部分や、金属部材の端部又はコーナー部などを、目隠しないし保護するための保護テープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
階段に設けられる手摺は、登り口や踊り場などの水平部分と階段などの傾斜部分との境目にコーナー部分を有する。手摺部材同士が直列に突き合わせになる部分や、直角に接続するコーナー部分,あるいは、手摺部材の端部には、規格品の接続部材や保護部材が利用可能である。ところが、一方の手摺部材に対して他方の手摺部材が傾斜して接続されるようなコーナー部分では、鉄やステンレス製の手摺部材の場合は、その突き合わせ部分は主に溶接により接続されていた。しかしながら、アルミ製の手摺部材の場合は、施工現場で溶接が行われることはめったになく、例えば、シリコン樹脂でコーキングを行ったり、下記特許文献1に示すように、金属製のカバーで突き合わせ部分の目隠しを行ったりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3298101号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したコーキングや金属製カバーによる目隠しは、取り付ける場所と形によって施工できない場合があり手間がかかるという不都合がある。
【0005】
本発明は、以上のような点に着目したもので、金属部材の形状や、金属部材同士の突き合わせ部の角度にかかわらず、金属部材の端部やコーナー部,あるいは、部材同士の突き合わせ部の目隠し施工や保護が容易であって、耐候性にも優れた保護テープを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、金属部材の端部同士の突き合わせ部分,あるいは、前記金属部材の端部又はコーナー部を、目隠し又は保護するための保護テープであって、ブチルゴムの両面に接着剤層を有するブチル両面テープの表面に、一方の接着剤層を除いてポリ塩化ビニルテープを接着したことを特徴とする。主要な形態の一つは、前記金属部材が、手摺用のパイプであることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ブチル両面テープの表面に、一方の接着剤層を除いてポリ塩化ビニルテープを接着して保護テープを構成することとしたので、金属部材の形状や、該金属部材同士の突き合わせ部分の角度にかかわらず、前記突き合わせ部分や、金属部材の端部またはコーナー部を、簡単に目隠し・保護することができるとともに、優れた耐候性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例1を示す図であり、(A)は使用状態を示す外観斜視図,(B)は前記(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,(C)はテープの構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
最初に、図1を参照しながら本発明の実施例1を説明する。本実施例は、本発明の保護テープを、手摺用のパイプ部材同士の突き合わせ部分を目隠しするための継ぎ目テープに適用した例である。図1(A)は本実施例の継ぎ目テープの使用状態を示す外観斜視図,(B)は前記(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,(C)は継ぎ目テープの構造を示す断面図である。図1(A)及び(B)に示すように、本実施例の継ぎ目テープ20は、手摺部材10,12の端部同士の突き合わせ部分14を目隠しするために、巻き付けて使用されるものである。本実施例では、前記手摺部材10,12はアルミニウム製のパイプであって、一方の手摺部材10に対して、他方の手摺部材12が傾斜して接続されている。なお、図1(A)及び(B)に示すように、前記突き合わせ部分14は、手摺部材10,12の熱による伸縮を考慮して、若干の隙間を有している。
【0011】
前記継ぎ目テープ20は、図1(C)に示すように、ブチルゴム23の両面に接着剤層24A,24Bが設けられたブチル両面テープ22の表面に、一方の接着剤層(図示の例では接着剤層24A)を除いてポリ塩化ビニルテープ26が接着された構成となっている。前記ブチル両面テープ22は、耐候性やクッション性,防水性に優れたものであって、本実施例では、前記ブチルゴム23の幅Wが15〜25mm,厚みTが2mm程度に設定されている。前記ポリ塩化ビニルテープ26は、前記ブチル両面テープ22がゴミを吸着して汚れるのを防止するためのものである。
【0012】
以上のような構成の継ぎ目テープ20は、接着剤層24Aを手摺部材10,12の突き合わせ部分14に巻き付けることで、前記突き合わせ部分14を容易に目隠しすることができる。また、−15℃〜80℃の温度でも剥がれず、雨や風にも耐えるため、手摺が屋外に設置されるような場合にも有効である。
【0013】
このように、実施例1によれば、手摺部材10,12の突き合わせ部分14に巻き付ける継ぎ目テープ20を、ブチル両面テープ22の表面に、一方の接着剤層24Aを除いてポリ塩化ビニルテープ26を接着して構成することとしたので、優れた耐候性を発揮するとともに、突き合わせ部分14の目隠しを容易に行うことができるという効果がある。また、手摺部材10,12の形状や、突き合わせ部分14の傾斜具合や傾斜の有無に関わらず、接着が可能であることから、特に傾斜部分の目隠しに有効である。むろん、手摺部材10,12が直列に接続される場合や直角に接続される場合にも、本実施例の継ぎ目テープ20は有効である。
【0014】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。例えば、前記実施例では、手摺部材10,12の断面形状を略円形としたが、これも一例であり、楕円形や平型にするなど、必要に応じて適宜変更してよい。
(2)継ぎ目テープ20の寸法についても一例であり、同様の効果を奏する範囲内であれば、必要に応じて適宜変更してよい。
(3)前記実施例では、手摺部材10,12がアルミニウム製の場合について説明したが、他の材質(例えば、ステンレス製など)の部材同士の突き合わせ部分に適用することを妨げるものではなく、公知の各種の金属部材全般に適用可能である。また、金属以外の部材(例えば、ガラスなど)に適用することを妨げるものではない。
(4)前記実施例では、手摺部材10に対して、手摺部材12が傾斜して接続される場合を特に有効な適用例として挙げたが、これも一例であり、突き合わせ部分14が水平(180℃)の場合についても本発明の保護テープを適用してよい。
(5)前記実施例では、手摺部材10,12の突き合わせ部分を目隠しするための継ぎ目テープ20を例に挙げて説明したが、これも一例であり、例えば、コーナーガードとして利用するなど、本発明の保護テープは、他の公知の各種の金属部材の突き合わせ部分や、金属部材の端部又はコーナー部の保護ないし目隠し全般に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明によれば、ブチル両面テープの表面に、一方の接着剤層を除いてポリ塩化ビニルテープを接着することとしたので、金属部材同士の突き合わせ部分や、金属部材の端部又はコーナーを、目隠し又は保護するための保護テープの用途に適用できる。特に、金属部材同士が傾斜して接続される手摺のコーナー部用の継ぎ目テープとして好適である。
【符号の説明】
【0016】
10,12:手摺部材
14:突き合わせ部分
20:継ぎ目テープ
22:ブチル両面テープ
23:ブチルゴム
24A,24B:接着剤層
26:ポリ塩化ビニルテープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部材の端部同士の突き合わせ部分,あるいは、前記金属部材の端部又はコーナー部を、目隠し又は保護するための保護テープであって、
ブチルゴムの両面に接着剤層を有するブチル両面テープの表面に、一方の接着剤層を除いてポリ塩化ビニルテープを接着したことを特徴とする保護テープ。
【請求項2】
前記金属部材が、手摺用のパイプであることを特徴とする請求項1に記載の保護テープ。

【図1】
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【公開番号】特開2010−229694(P2010−229694A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77854(P2009−77854)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(509086431)ビルサッシメタリカ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】