説明

保護蓋付き封止体

容器の開口用の封止体(40,40A,40B)が提供される。封止体(40,40A,40B)は、容器に装着するための本体部材(42,42A,42B)と、閉位置と開位置の間で動く蓋(44,44A,44B)とを含む。蓋(44,44A,44B)の後端と本体部材(42,42A,42B)は、ヒンジ(88,88B)で連結されている。蓋(44,44A,44B)は、本体部材(42,42A,42B)に形成された凹所(60,60B)内に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋と、該蓋が取付けられた本体部材とを有する容器用封止体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、ローション等の個人的ケアー製品、およびその他の流体材料に使用するための使い捨て包装体や容器を含む各種の包装体が開発されている。この種の容器に用いる封止体の一種は、通常、容器開口を越えて装着された基体に蓋を連結するヒンジを有する。このヒンジは、連結ストラップ(つなぎ帯)、可撓性連結帯ヒンジ、スナップ作用ヒンジ(選択された閉位置または開位置に蓋を維保持する付勢力を働かせる)、または、その他のヒンジ構造物を包含する。
【0003】
或る種の用途では、蓋前部との接触を防ぎ、または、閉状態の蓋が不用意に押されて本体部分から開位置へ開放される可能性を減ずるように、蓋を保護することが望ましい。封止体に偶然の衝撃が加わって蓋が開いてしまう惧れの少ない改良された封止体デザインが、この種の封止体を有する容器の出荷および取扱いにおいて有利である。
【0004】
そのような改良された封止体は、蓋に所望の開閉動作を行うために各種のヒンジ構造の使用を容認するデザインを任意に受入れることができるならば、有利である。
【0005】
また、そのような改良された封止体は、低い不良製品発生率で効率的な高品質の大量生産技術を容易に受入れることが望ましい。
【0006】
さらに、この改良された封止体は、通常のねじ式またはスナップ止め式の取付け構造のようなさまざまな通常の容器仕上げ形態を有するさまざまな通常容器に有利に使用できるものでなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5642824号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記利点および特徴の1つ以上を有するデザインを受入れることのできる改良された封止体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、封止体の基体すなわち本体部材に蓋を連結するヒンジを有する改良された封止体が、製品を収容する容器内部に通じる開口を有する容器に装着されるか、または、容器の一体部分として形成されるべく、提供される。
【0010】
封止体の基部すなわち本体部材は、容器開口から延在し、容器開口に通じる注出口を有する。
【0011】
蓋は、注出口を塞ぐ閉位置と注出口から離れた開位置との間で可動である。
【0012】
蓋が閉位置にある時に蓋を受入れる凹所を本体部材が有し、蓋の少なくとも前端および両側面を本体部材が外側から囲うことで、本体部材の外面ではなく蓋の前端よりも前方の外側位置から蓋の前端に接触できないようにする。この凹所は、蓋の前端の前方に十分な長さで延在しており、使用者が蓋の前端の上方からその前端に隣接する凹所へ指を差し入れることができるような空間を形成しており、これにより指で蓋を持上げて開位置に動かすことができる。
【0013】
本発明のその他の利点および特徴は、以下の発明の詳細な説明、特許請求の範囲および添付図面から容易に明らかになるだろう。
【0014】
明細書の一部をなす添付図面の全てを通じて、同じ符号は同等部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】容器とは別に製造され、閉じた状態で示された封止体とされる本発明の注出可能な封止体の第一実施例に係わる上部斜視図である。
【図2】図1と同様であるが開いた状態の封止体を示す斜視図である。
【図3】図1の面3−3にほぼ沿う横断面図である。
【図4】図3と同様であるが開いた状態の封止体を示す横断面図である。
【図5】開いた状態の封止体を示す下部斜視図である。
【図6】閉じた状態での封止体の第二実施例に係わる上部斜視図である。
【図7】閉じた状態での封止体の第三実施例に係わる上部斜視図である。
【図8】図7と同様であるが開いた状態での封止体の第三実施例を示す斜視図である。
【実施例】
【0016】
本発明は多くの異なる形態の実施例を考えることができるが、本明細書および添付図面は本発明の例として幾つかの特定の形態のみを開示する。記載される実施例に本発明を限定することは意図されておらず、本発明の範囲は特許請求の範囲に指摘される。
【0017】
説明を容易にするために、本発明の開示は特定の配向のもとに記載され、上、下、水平などの用語はそれらの配向に関連して使用される。しかしながら、封止体は記載した以外の配向のもとに製造、保管および使用されることができる。
【0018】
図面を見ると、本発明の封止体の第一実施例が図1〜図5に示され、それらの幾つかの図面において全体を符号40で指し示されている。封止体40は容器(図示せず)上に配置して適用され、容器はネックまたは他の適当構造によって形成された通常のマウスすなわち開口を有することができる。
【0019】
容器は、その上部に封止体40が位置される直立状態に配向されて保管および使用することができる。容器は、これと逆の状態(図示せず)にて垂直に保管することもできる。この逆状態での保管時には、容器は封止体40を支持基部として利用する。
【0020】
容器自体は本発明の広い概念の一部をなすものではないが、本発明の封止体40の少なくとも基体すなわち本体部材が容器の上部との一体部分または延長部分として選択的に形成され得ることは認識されるであろう。しかしながら図示した好ましい実施例において、封止体40は、容器内部へ通じた開口のある予め製造されている容器上に取外し可能または取外し不能に配置されるように適用される個別の造形物またはユニット(例えば注出可能な封止体40)である。
【0021】
封止体40の図示した好ましい実施例は、容器内部およびその内部に収容された製品に対するアクセスのための開口がある容器で使用するように適用される。封止体40は、限定するわけではないが比較的低粘度または高粘度の液体、クリーム、ジェル、懸濁液、混合物、ローションなど(食品、飲料物、個人的ケアー製品、工業用または家庭用の洗浄製品、または他の複合物質(例えば製造業、商業的または家庭的な保守作業、建設業、農業、医療処理、軍事行動などを含む活動で使用される複合物質のようなもの))を含む多くの材料を注ぎ出すことに使用できる。
【0022】
封止体40を使用できる容器は典型的に、使用者が握って絞るまたは圧迫して容器内圧を高めることで、容器から開いた封止体を通して製品を押出すことができる柔軟な1つまたは複数の壁を有する絞り可能な容器とされ得る。そのような柔軟な容器壁は典型的には十分に大きな固有の弾性力を有し、したがって絞り力を解除すると容器壁は初期の無応力状態の形状へ復元する。そのような絞り可能容器は多くの適用例において好まれるが、他の適用例では不必要または好ましくないとされる。例えば幾つかの適用例においては、一般に剛性的な容器を使用すること、および選ばれた時点でピストンまたは他の加圧システムにより容器内を加圧するか、開いた封止体を通して材料を吸出すように外部の周囲圧力を低下させることが望まれる。
【0023】
封止体40を使用する適用例は、現在のところ適当な一種または複数種の熱可塑性材料から封止体40をモールド成形することで都合よく達成することを考えている。図示した好ましい実施例では、封止体は、限定するわけではないがポリプロピレンのような適当な熱可塑性材料からモールド成形することができる。
【0024】
図1に最も良く見られるように、封止体40は基体すなわち本体部材42と、その本体部材42に取付けられた蓋44とを含んでなる。本明細書を通して、「基体」および「本体部材」は互いに替えて使用される。基体すなわち本体部材42は外側スカート46と内側カラー48(図3および図5)を含み、内側カラー48は、通常、容器側の保持溝またはビード(図示せず)のような適当な協働手段と係合して封止体の基体すなわち本体部材42を容器に固定するための内側スナップ嵌め用ビード50を有する。これに替えて、ねじ式連結システムを使用することができる。他の選択的な設計(図示せず)によれば、封止体の内側カラー48は全て省略され、外側スカート46を容器に直接取付ける形状寸法にすることができる。
【0025】
封止体の基体の外側スカート46の頂部位置で外側スカート46は丸められるか湾曲され、また、横方向デッキ56(図1)に連続する。図2に見られるように、デッキ56は凹所60により分割されており、この凹所が閉じられた蓋44を受入れる(図3)。
【0026】
封止体の本体部材42は、蓋44が閉じられたときにその蓋の1つの側面に隣接する凹所60の1つの側面を規定する第1側面部分61(図2)を含む。封止体の本体部材42は、蓋44が閉じられたときにその蓋の他方の側面に隣接する凹所60の第2側面を規定する第2側面部分62を含む。本体部材42は、凹所60の前端を規定する前部63を含む。本体部材42は、凹所60の底部を横断して延在する床64(図2および図4)を形成している。
【0027】
図2および図4を参照すれば、カラー70の形状をした注出口が凹所内で封止体本体部材の床64から上方へ突出して、注出口72を形成している。注出口72の一部はカラー70から床64を通して下方へ伸びている。注出口すなわちカラー70の内側の上端部は直径を縮小したシールフランジすなわちビード76(図4)を有する。シールフランジすなわちシールビード76の頂部はカラー70の先端に位置し、面取り、すなわち裁頭円錐面80を有する。
【0028】
床64は下方へ向けて延在する環状の内側シール面84(図4)を典型的に有しており、封止体40が容器に取付けられたときにこの面が容器の開口の内縁に接して受止められて、封止体40と容器との間の漏れ防止シールを形成する。
【0029】
この好ましい実施例において、封止体の蓋44(図1)はヒンジ構造88によって封止体本体部材のスカート46に連結されている。蓋44は一般に平坦な頂部デッキすなわちカバー90(図1)を有する。図2を参照すれば、蓋44は平坦な頂部すなわちカバー90の周縁からほぼ直角に延在する周囲壁構造を含み、この周囲壁構造は概ね平坦な第1側壁91と、概ね平坦な第2側壁92と、概ね平坦な前壁93とを含む。前壁93は蓋の前端を定め、第1側壁91は蓋の第1側面を定め、第2側壁92は蓋の第2側面を規定する。
【0030】
蓋44の後端はヒンジ構造88に連結される。ヒンジ構造88を受入れるために、蓋44の後端は間隔を隔てた2つの小幅の後壁セグメント94(図2)を有する。2つの小幅の後壁セグメント94の間のヒンジ構造88の一縁に沿って、幅広で短い中間後壁95(図4)が伸長している。後壁セグメント94および後壁95は前壁93および第1側壁91、第2側壁92とともに周囲壁構造の一部とみなされる。
【0031】
図2および図4に見られるように、蓋の前端は持上げタブ96を含み、これは蓋の前壁93から外方へ突出している。蓋カバー90の下面から環状部材すなわち注出口100(図2、図3および図4)が伸長しており、これは蓋44を閉じたときに封止体基体のカラー70内にその内面とシール係合して受止められるようになされている。この好ましい実施例では、注出口100の先端は面取り、または裁頭円錐面102(図2および図3)を有する。
【0032】
ヒンジ構造88は基体42および蓋44を有する封止体の一体部分として一体モールド成形されることが好ましい。封止体をモールド成形する1つの好ましい材料はポリプロピレンである。この材料は、比較的強く、耐久性のある封止体ヒンジを形成することが見出された。この材料は、封止体の使用者が蓋44を開閉するときにヒンジ構造88に与える典型的な荷重に耐えることができ、また、不具合を生じることなく比較的大きな開閉サイクル回数を許容できる。
【0033】
1つの適当なヒンジ構造88は米国特許第5642824号に記載されたスナップ作用するヒンジである。可撓性膜状ヒンジ、紐またはストラップなどの他のヒンジ構造も使用できる。ヒンジ構造88の詳細設計および作動は本発明の一部をなすものではない。
【0034】
蓋44を閉じたとき(図1および図3)、封止体の基体42の上部は、少なくとも蓋の前端および両側面の位置で蓋44を本体部材が横方向から囲うことで、本体部材42の外面ではなく蓋の前端よりも前方の外側位置から蓋の前端(前壁93および持上げタブ96) に接触できないようにする。蓋44を凹所60内に閉めるとき、凹所60は蓋の前端(前壁93および持上げタブ96)の前方に十分な長さで延びていて、使用者が蓋の前端の上方からその前端に隣接する凹所60へ指を差し入れることができるような空間を形成しており、これにより指で蓋44を持上げて開位置(図2および図4)へ移動できるようする。
【0035】
図1に示した好ましい実施例において、蓋44の頂部は概ね平坦な頂面を形成し、本体部材のデッキ56は、蓋を閉じたときに蓋の平坦な頂面と実質的に共通平面となる概ね平坦な頂面を有する。閉じた状態の蓋の前方の僅かな空間を除いて封止体40の頂部を横断して存在する比較的滑らかで実質的に平坦面が、蓋44の不用意な開きに対する一層高い抵抗性を与える。さらに、凹所60内の閉じた状態の蓋の前端よりも前方の空間は、使用者の指先に対して十分な大きさとされるだけなので、蓋44が出荷時や取扱い時に開蓋させようとする不用意な衝撃を受ける可能性、または引っかかりを生じる可能性が実質的に減少される。
【0036】
本発明の好ましい形態において、蓋44の後端は概ね滑らかにヒンジ構造88に連なっており、蓋44の後端に対してその後端よりも外側領域から外方へ持上げようとする力が蓋の下側に作用することは殆どない。
【0037】
図示した封止体の好ましい形態において、蓋44は、蓋の注出口100(図3)と封止体の本体部材のカラー70(図3)との間の摩擦嵌めまたは締り嵌めによって通常は閉じた状態に保持される。しかしながら、不用意な開きに対するさらに大きな抵抗性を与えるために、通常のスナップ嵌め用のビードラッチまたは他の同様構造が凹所側壁61,62と蓋のそれぞれ組合う側壁91,92とに備えられる。蓋の注出口100に通常のシールビードまたはラッチビードを備えて、封止体の本体部材のカラー70のシールフランジ76と係合または干渉させることもできる。
【0038】
図6は、蓋本体部材42Aと蓋44Aとを有する本発明の封止体40Aの代替実施例を示す。封止体の本体部材42Aは、一般に楕円形をしており、図1〜図5を参照して上述した封止体40の第1実施例の蓋本体部材42の一般に円筒形の形状とは対照的である。第2実施例の封止体本体部材42Aの楕円形以外に、封止体40Aの第2実施例の特徴は、図1〜図5を参照して上述した封止体40の実施例1の特徴と実質的に同じである。
【0039】
図7および図8は、封止体の本体部材42Bと、蓋本体部材42Bにヒンジ連結された蓋44Bとを有する本発明の封止体40Bの第三実施例を示す。この実施例は現在好ましいとされる封止体の形態である。
【0040】
封止体の本体部材42Bは、図1〜図5を見ながら説明した封止体40の実施例1の封止体の本体部材42の形態に似た一般に円筒形の形状をしている。しかしながら、この第三実施例においては、蓋44Bは第一実施例の蓋44異なる方法でヒンジ連結されている。特に、図8に見られるように、蓋44Bは通常の膜状ヒンジ88Bによって封止体本体部材42Bの頂面にヒンジ連結されている。図7に見られるように、封止体本体部材40Bは本体デッキ56Bを有し、これは蓋44Bの後端よりも後方へ延びており、また、デッキ56Bのその後方部分は符号43Bで指し示されている。
【0041】
蓋44Bは各側面部分に横方向内方へ向けてテーパーを付されており、膜状ヒンジ88Bの位置で蓋の後端が蓋の前端よりも多少広くなされている。考えられる改良された設計(図示せず)において、蓋の前端は後端よりも広くされ、また、このことは蓋の開きを容易にする。
【0042】
蓋44Bは一般に平坦な頂部デッキすなわちカバー90Bを有する。図8を見ると、蓋44Bはカバー90Bの周縁からほぼ直角に伸長する周囲壁構造を含む。この周囲壁構造は一般に平坦な第1側壁91Bと、一般に平坦な第2側壁92Bと、一般に湾曲した前壁93Bとを含む。蓋の前端は、前壁93Bから外方へ突出した持上げタブ96Bを含む。
【0043】
図8に見られるように、封止体の本体部材のデッキ56Bは、蓋44Bが閉じられたとき(図7)にその蓋44Bを受入れる凹所60Bの周囲を伸長する。封止体の本体部材42Bは、蓋44が閉じられたときにその蓋の一側面に隣接する凹所60の一側面を規定する第1側面部分61B(図8B)を含む。封止体の本体部材42Bは、蓋44Bが閉じられたときにその蓋44Bの他方の側面に隣接する凹所60Bの第2側面を規定する第2側面部分62Bを含む。本体部材42Bは、凹所60Bの前端を規定する前部63B(図7および図8)を含む。本体部材42Bは、凹所60Bの底部を横断して延在する床64B(図7および図8)を形成している。
【0044】
図8を見ると、短いカラー70Bの形状をした非常に短い注出構造すなわち注出口が凹所60B内で封止体本体部材の床64Bから上方へ突出しており、また、カラー70Bから床64Bを通して下方へ伸びた注出口を形成する面取り、すなわち裁頭円錐面80Bを有する。裁頭円錐面80Bの底部には、直径を縮小したシールフランジすなわちビード76B(図8)が形成されている。
【0045】
蓋カバー90Bの下面から環状部材すなわち注出口100B(図8)が伸長しており、これは蓋44Bを閉じたときに封止体基体のカラー70B内に受入れられてその内面とシール係合するようになされている。この好ましい実施例では、注出口100Bの先端は、面取り、すなわち裁頭円錐面102B(図8)を有する。
【0046】
床64Bは下方へ向けて延在する環状の内側シール構造(見られないが図4に示した封止体40の第一実施例の構造84と同様である)を典型的に有しており(この必要性はない)、封止体40Bが容器上に取付けられるとき、そのシール構造は容器開口の内縁に接して受止められて封止体40Bと容器との間に漏れ防止シールを形成する。
【0047】
蓋44Bが閉じられると(図7)、封止体本体部材42Bの上部が少なくとも蓋44Bの前端および両側面を横方向から囲うことで、本体部材42Bの外面ではなく蓋の前端よりも前方の外側位置から蓋前端(すなわち、前壁93Bおよび持上げタブ96B)に接触できないようにする。蓋44Bが凹所60B内に閉じられたとき、この凹所60Bは蓋の前端(すなわち、前壁93Bおよび持上げタブ96B)の前方に十分な長さで延びており、使用者が蓋の前端の上方からその前端に隣接する凹所60B内の位置へ指を差し入れることができるような空間を形成しており、これにより指で蓋を持上げて開位置(図8)へ移動できるようになっている。
【0048】
図7に示した好ましい実施例において、蓋44Bの頂部は概ね平坦な頂面を形成し、封止体の本体デッキ56Bは、蓋を閉じたときに蓋の平坦な頂面と実質的に共通平面となる概ね平坦な頂面を有する。閉じた状態の蓋の前方の僅かな空間を除いて封止体40Bの頂部を横断して存在する比較的滑らかで実質的に平坦面が、蓋44Bの不用意な開きに対する一層高い抵抗性を与える。さらに、凹所60B内の閉じた状態の蓋の前端よりも前方の空間は、使用者の指先に対して十分な大きさとされるだけなので、蓋44Bが出荷時や取扱い時に開蓋させようとする不用意な衝撃を受ける可能性、または引っかかりを生じる可能性が実質的に減少される。
【0049】
図7および図8に示した本発明の好ましい形態において、蓋44Bの後端は概ね滑らかでヒンジ構造88Bに連なっており、蓋44Bの後端に対してその後端よりも外側領域から外方へ持上げようとする力が蓋の下側に作用することは殆どない。
【0050】
図示した封止体40Bの好ましい形態において、蓋44Bは、蓋の注出口100B(図8)と封止体の本体部材のカラー70B(図8)との間の摩擦嵌めまたは締り嵌めによって通常は閉じた状態に保持される。しかしながら、不用意な開きに対するさらに大きな抵抗性を与えるために、通常のスナップ嵌め用のビードラッチまたは他の同様構造が凹所側壁61B,62Bと蓋のそれぞれ組合う側壁91B,92Bとに備えられる。蓋の注出口100Bの外面に通常のシールビードまたはラッチビードを備えて、封止体の本体部材のカラー70Bのシールフランジ76Bと係合または干渉させることもできる。
【0051】
本発明の封止体は、図示した開口構造72,70B以外のさまざまな注出通路構造を備えることができることは認識されるであろう。
【0052】
本発明の前述した詳細な説明から、また、その図面から、多くの他の変形例および変更例が本発明の新規な概念または基本の真の精神および範囲から逸脱することなく可能であることが容易に理解されるであろう。
【符号の説明】
【0053】
40 封止体40
42,42A,42B 基体すなわち本体部材
44,44A,44B 蓋
46 スカート
48 内側カラー
50 内側スナップ嵌め用ビード
56,56B デッキ
60,60B 凹所
61,61B 第1側面部分
62,62B 第2側面部分
63,63B 前部
64,64B 床
70 カラー
72 注出口
76 シールフランジすなわちビード
84 シール構造
88 ヒンジ構造
90,90B 頂部デッキすなわちカバー
91,91B 第1側壁
92,92B 第2側壁
93,93B 前壁
95 中間後壁
96,96B 持上げタブ
97 後壁セグメント
100,100B 環状部材すなわち注出口
102,102B 面取りすなわち裁頭円錐面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を保存する容器内部に通じた開口を有する容器に用いる封止体(40,40A,40B)であって、
(A)前記開口の位置で前記容器から延在し、前記開口と通じている注出口(72)を形成している本体部材(42,42A,42B)と、
(B)前記注出口(72)を閉じる閉位置と、前記注出口(72)から離れた開位置との間を可動であり、前端(93,93B)、後端、および前記前端(93,93B)と前記後端との間に延在する2つの側面部分(91,91B;92,92B)を有する蓋(44,44A,44B)と、
(C)前記蓋の前記後端と前記本体部材(42,42A,42B)を連結するヒンジ(88,88B)とを含む前記封止体において、
前記本体部材(42,42A,42B)は、前記蓋(44,44A,44B)が閉位置にあるときに前記蓋(44,44A,44B)を受入れる凹所(60,60B)を形成し、前記本体部材(42,42A,42B)が前記蓋(44,44A,44B)を少なくとも前記前端(93,93B)および前記両側面部分(91,91B;92,92B)を外側から囲うことで、前記本体部材(42,42A,42B)の外面ではなく前記蓋の前端(93,93B)よりも前方の外側位置から前記蓋の前端(93,93B)に接触できないようになし、前記凹所(60,60B)は前記蓋の前端(93,93B)の前方に十分な長さで延在して使用者が前記蓋の前端(93,93B)の上方から前記蓋の前端(93,93B)に隣接する前記凹所(60,60B)内の位置へ指を差し入れることができるような空間を形成して、前記指で前記蓋(44,44A,44B)を持上げて開位置に動かし得るようになっていることを特徴とする封止体(40,40A,40B)。
【請求項2】
前記凹所が、前記蓋の前記後端の位置で前記本体部材の縁まで延在し、外側に開放されて、前記蓋の前記後端位置で前記ヒンジを受入れるようになされている請求項1に記載された封止体。
【請求項3】
前記蓋の前記前端が、該前端位置において前記空間内に突出する持上げタブを含む請求項1に記載された封止体。
【請求項4】
前記封止体は、ポリプロピレンから成るモールド成形品である請求項1に記載された封止体。
【請求項5】
前記封止体が注出可能な封止体であり、前記本体部材は、前記容器とは別体であるが、前記容器開口を取囲んで前記容器に取外し可能に装着可能である請求項1に記載された封止体。
【請求項6】
前記蓋が閉じられたとき、前記蓋の一側面に隣接する前記凹所の一側面を規定する側面部分を前記本体部材が含み、
前記蓋が閉じられたとき、前記蓋の他方の側面に隣接する前記凹所の他方の側面を規定する他方の側面部分を前記本体部材が含み、
前記蓋が閉じられたとき、前記蓋の前記前端の前方に間隔を置いて前記凹所の前記前端を規定する前部を前記本体部材が含む請求項1に記載された封止体。
【請求項7】
前記蓋が概ね平坦な頂面を有し、
前記本体部材が、前記蓋の平坦な頂面と実質的に共通平面となる概ね平坦な頂面を有する請求項1に記載された封止体。
【請求項8】
前記蓋の前記前端が概ね平坦な前壁を有し、
前記蓋の各々の側面が概ね平坦な側壁を有する請求項1に記載された封止体。
【請求項9】
前記本体装置が前記凹所の底部を横断して延在する床を形成し、
前記注出口の一部が前記床から上方へ突出するカラーの形状をした注出口内に形成され、また前記注出口の一部が前記床を通して前記注出口から下方へ延在している請求項1に記載された封止体。
【請求項10】
前記封止体の本体部材が前記蓋の前記後端の周囲に延在するデッキを含み、前記ヒンジは前記蓋の前記後端を前記デッキに連結する膜状ヒンジである請求項1に記載された封止体。
【請求項11】
前記蓋がテーパー形状になされて、前記前端が前記蓋の前記後端よりも狭くなっている請求項1に記載された封止体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−502522(P2010−502522A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526596(P2009−526596)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/014254
【国際公開番号】WO2008/027102
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(500434521)シークイスト クロージャーズ フォーリン、 インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】