説明

信号伝送方式

【課題】SDH伝送路で10GbE信号をフルレートで伝送可能な信号伝送方式を提供する。
【解決手段】イーサネット信号をカプセル化してGFPフレームを生成するGFP生成部12と、GFPフレームからVCAT方式によりVCパス信号を生成するVCAT生成部(VCAT67生成部17)と、VCパス信号をVC−4単位で処理するVCパス生成部14−1〜14−67と、VCパス生成部14−1〜14−67により処理されたVCパス信号からSDH信号を生成して送信するSDH信号送信部16−1、16−2とを有し、VCパス生成部14−1〜14−67が67個設けられ、VCAT67生成部17は、GFP生成部12からのデータ信号を、VCATグループに属するVC−4で67個の各VCパスのデータ領域に挿入する。SDH信号を受信してイーサネット信号に変換する部分についても、対応する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、10ギガビット・イーサネット(ETHERNET:登録商標)信号(以下、「10GbE信号」という)のトラヒックをSDH(Synchronous Digital Hierarchy)ネットワークを介して伝送する信号伝送方式に関する。
【背景技術】
【0002】
図1はSDHネットワークを介して10GbE信号を伝送するネットワーク構成の一例を示す図である。ここで、SDHネットワークと同様な同期ネットワークにSONET(Synchronous Optical NETwork)ネットワークがあるが、SDHとSONETは基本的に同様な技術であるため、本願ではSDHという用語をSDHおよびSONETの両方を含むものとする。
【0003】
イーサネット信号をSDHネットワークを介して伝送する技術は、ETHERNET over SDH/SONET(EOS)として知られている(例えば特許文献1、2参照)。特に10GbE信号をSDHネットワークを介して伝送する技術について、図1を参照して説明する。10GbE信号は、イーサネット・ネットワーク1−1に含まれるL2スイッチ/ルーター2−1から10GbE伝送路3−1を介して、EOS装置4−1に送られる。EOS装置4−1は、10GbE伝送路3−1を介して受信した10GbE信号をカプセル化し、SDH信号にマッピングし、SDH伝送路5−1−1〜5−1−N(N:任意の正整数)を介してSDHネットワーク6に送信する。EOS装置4−2は、SDH伝送路5−2−1〜5−2−Nを介してSDHネットワーク6よりSDH信号を受信し、そのSDH信号からデマッピング、デカプセル化により10GbE信号を抽出し、10GbE伝送路3−2を介してETHERNETネットワーク1−2に含まれるL2スイッチ/ルーター2−2に送信する。なお、10GbE信号およびSDH信号は上述の方向とは逆方向にも流れているが、その処理は同様であるため説明は省略する。
【0004】
図3は図1に示すネットワーク構成内のEOS装置4−1、4−2の一例を示すブロック構成図であり、図4はEOS装置4−1、4−2内で処理される信号のフォーマット例を示す。図4において、(A)は10GbE信号のフォーマットの一例、(B)は10GbE信号とSDH信号との信号変換の過程で用いられるGFPフレームのフォーマットの一例である。なお、図1における10GbE伝送路3−1、3−2は、図3における10GbE伝送路101、102に対応する。また、図1におけるSDH伝送路5−1−1〜5−1−N、5−2−1〜5−2−Nは、図3におけるSDH伝送路201、202に対応する。
【0005】
初めに、10GbE伝送路101を介して受信した10GbE信号をカプセル化、SDH信号へのマッピングを行い、SDH伝送路201を介してSDH信号を送信するまでの動作を説明する。
【0006】
10GbE伝送路101を介して送られてきた10GbE信号は、10GbE信号受信部11により受信される。10GbE信号受信部11は、受信した10GbE信号のプリアンブル/SFD(Start Frame Delimiter)フィールド31およびIDLE33を除去し、抽出されたイーサネット・フレーム32をGFP生成部12に送信する。
【0007】
GFP生成部12は、ITU−T G.7041にて規定されるGFP(Generic framing procedure)方式にて、受信したイーサネット・フレーム32をGFPフレームにカプセル化し、GFP IDLEフレームを適宜追加することで結合データ信号を生成し、VCAT生成部13に送信する。
【0008】
GFPフレームは、図4(B)に一例を示すように、コア・ヘッダ(Core header)41、ペイロード・ヘッダ(Payload header)42、ペイロード情報フィールド(Payload information field)43、ペイロードFCS(Payload Frame Check Sequence)44から構成される。コア・ヘッダ41は、GFPフレームの長さとその長さ情報に対する誤り訂正符号からなる4バイトの情報で構成され、これらの情報を用いてGFPフレームの切れ目を検出する。ペイロード・ヘッダ42は、GFPフレームに格納するクライアントデータの種別やペイロードFCS44が付加されているかどうかなどの4〜64バイトの情報から構成される。ペイロード情報フィールド43はクライアントデータが格納される領域であり、EOS装置においてはイーサネット・フレーム32が格納され、その長さはイーサネット・フレームのサイズによる。ペイロードFCS44は、GFPフレームのペイロード情報フィールド43に対する誤りチェック符号であり、4バイトの情報で構成される。なお、VCAT生成部13に送信される結合データ信号に追加されるGFP IDLEフレームは、コア・ヘッダ41のみからなる長さ情報=0のGFPフレームであり、GFPフレームをSDH信号にマッピングする際のレート調整の目的で使用される。
【0009】
VCAT生成部13は、ITU−T G.707にて規定されるVCAT(Virtual concatenation)方式にて、VCATグループに属する各VC(Virtual container)パスのデータ領域に、受信した結合データ信号をバイト単位に分割し挿入すると同時に、各VCパスのPOH(Path overhead)のH4バイトにマルチフレーム情報とマッピング順番を示すシーケンス情報を付加してVCパス信号を生成し、VCパス生成部14−1〜14−64に送信する。
【0010】
VCパス生成部14−1〜14−64は、VCAT生成部13から受信した各VCパス信号のH4バイト以外のPOHバイトを付加した後に、VCパス信号をクロスコネクト部15に送信する。ここで、各VCパス生成部14−1〜14−64はそれぞれVC−4単位の処理を行っており、64個でSTM−64のSDH信号帯域分のデータを伝送することができる。
【0011】
クロスコネクト部15は、VCパス生成部14−1〜14−64から受信したVCパス信号を、SDH信号に収容すべくタイムスロット入れ替えなどを行い、該当するSDH信号送信部16にVCパス信号を送信する。
【0012】
SDH信号送信部16は、クロスコネクト部15から受信した各VCパス信号にSOH(Section overhead)を付加することでSTM−64やSTM−16などのSDH信号を生成し、SDH伝送路201に送信する。ここで、SDH伝送路201は、SDH信号送信部16で生成したSDH信号を送信できるものとする。
【0013】
次に、SDH伝送路202を介して受信したSDH信号からデマッピング、デカプセル化を行うことで10GbE信号を抽出し、10GbE伝送路102を介して10GbE信号を送信するまでの動作を説明する。
【0014】
SDH信号受信部21は、SDH伝送路202を介して受信した各SDH信号のSOHを終端し、収容されている各VCパス信号を抽出して、クロスコネクト部22に送信する。
【0015】
クロスコネクト部22は、SDH信号受信部21から受信したVCパス信号を、VCパス終端部23−1〜23−64で受信できるようにタイムスロット入れ替えなどを行い、該当するVCパス終端部23−1〜23−64にVCパス信号を送信する。
【0016】
VCパス終端部23−1〜23−64は、クロスコネクト部22から受信した各VCパス信号のH4バイト以外のPOHバイトを終端した後に、VCパス信号をVCAT終端部24に送信する。ここで、各VCパス終端部23−1〜23−64は、それぞれVC−4単位の処理を行っており、64個でSTM−64のSDH信号帯域分のデータを伝送することができる。
【0017】
VCAT終端部24はVCパス終端部23−1〜23−64から受信した各VCパスのH4バイトに格納されているマルチフレーム情報により各VCパスの位相を揃え、シーケンス情報によりVCパスのデータ領域を結合して、結合データ信号をGFP終端部25に送信する。
【0018】
GFP終端部25は、VCAT終端部24から受信した結合データ信号からGFPフレーム同期を確立することでGFPフレームを抽出し、GFP IDLEフレームを除去し、GFPフレームの各種ヘッダ等を終端してイーサネット・フレームを抽出し、10GbE信号送信部26に送信する。
【0019】
10GbE信号受信部26は、受信したイーサネット・フレームにプリアンブル、SFDフィールドおよびIDLEを挿入することで10GbE信号を生成し、10GbE伝送路202を介して送信する。
【特許文献1】特開2003−188843号公報
【特許文献2】特表2003−501874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
SDHネットワークを介して10GbE信号を伝送するため、図3に示すEOS装置では、10ギガビットSDHであるSTM−64、つまり、VC−4単位に64個分の帯域分の処理能力を有しているSDH伝送路を使用している。10GbE伝送路帯域は10ギガビットSDH帯域よりも大きいため、10GbE信号中のイーサネット・フレームのサイズによっては、10GbE信号をフルレートで伝送することができない場合がある。これについて以下に数値を用いて説明する。
【0021】
イーサネット・フレームをSDH伝送路で送受信するためにGFPによりカプセル化する場合、フレームあたりのオーバーヘッドは最小でも8バイトある。STM−64のSDH伝送路にて伝送可能なデータ帯域は9.58464Gbpsであるから、イーサネット・フレームサイズをLバイトとすると、STM−64のSDH伝送路に収容可能なイーサネット・フレーム帯域X=9.58464Gbps×L÷(L+8)となる。
【0022】
一方、10GbE信号は、図4(A)に示すように、フレームを送受信する間隔が、8バイトのプリアンブル/SFD31と12バイトのIDLE33とからなる20バイトとする必要がある。このことから、10GbE伝送路に収容可能なイーサネット・フレーム帯域Yは、Y=10Gbps×L÷(L+20)となる。
【0023】
ここで、イーサネット・フレームサイズL=10000バイトとすると、X≒9.576Gbps、Y≒9.980Gbpsとなる。この場合、10GbE伝送路から受信するイーサネット・フレーム帯域をそのままSTM−64のSDH伝送路で送受信することができず、帯域不足のためのフレームロスやフロー制御が発生し、スループットが低下してしまう。
本発明は、このような課題を解決し、SDH伝送路で10GbE信号をフルレートで伝送可能な信号伝送方式を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明によると、10ギガビット・イーサネット信号のトラヒックをSDHネットワークを介して伝送する信号伝送方式において、イーサネット信号とSDHネットワークで伝送されるSDH信号との間の信号変換処理をVC−4単位で行う回路を67個有することを特徴とする信号伝送方式が提供される。
【0025】
具体的には、イーサネット信号をカプセル化してGFPフレームを生成するGFP生成部と、GFPフレームからVCAT方式によりVCパス信号を生成するVCAT生成部と、VCパス信号をVC−4単位で処理するVCパス生成部と、VCパス生成部により処理されたVCパス信号からSDH信号を生成して送信するSDH信号送信部とを有し、VCパス生成部が67個設けられ、VCAT部は、GFP生成部からのデータ信号を、VCATグループに属するVC−4で67個の各VCパスのデータ領域に挿入することを特徴とする構成とすることができる。
【0026】
さらに、SDH信号を受信してそのSDH信号に収容されているVCパス信号を抽出するSDH信号受信部と、VCパス信号を終端しVC−4単位で処理するVCパス終端部と、このVCパス終端部からのVCパスのデータ領域を結合して結合データ信号を生成するVCAT終端部と、結合データ信号からGFPフレームを抽出し、このGFPフレームからイーサネット・フレームを抽出するGFP終端部と、イーサネット・フレームからイーサネット信号を生成するイーサネット信号送信部とを有し、VCパス終端部が67個設けられたことを特徴とする構成とすることができる。
【0027】
SDH信号送信部は、67個のVCパス信号から、それらを収容する1または複数のSDH信号を生成することができる。また、SDH信号受信部は、1または複数のSDH信号から67個のVCパス信号を抽出することができる。
【発明の効果】
【0028】
従来のSTM−64への収容を考慮したVCAT処理ではSDH網を介して伝送可能な10GbE信号のデータレートが低下することに対して、VC−4で67個分のVCAT処理を行うことで、10GbE信号をフルレートで伝送可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[構成および各部の簡単な動作]
図1および図2は本発明の実施の形態を示す図であり、図1は本発明が実施されるネットワーク構成の一例を示し、図2は、図1に示すネットワーク構成内のEOS装置4−1、4−2として本発明の実施の形態で用いられる構成を示すブロック構成図である。この実施の形態は、図1に示すネットワーク構成は背景技術として示したものと同じであり、EOS装置4−1、4−2の構成が、背景技術として図3に示したものと異なる。
【0030】
図1および図2に示す実施の形態は、10ギガビット・イーサネット信号のトラヒックをSDHネットワークを介して伝送する信号伝送方式において、イーサネット信号とSDHネットワークで伝送されるSDH信号との間の信号変換処理をVC−4単位で行う回路を67個有することを最も主要な特徴とする。
【0031】
すなわち、EOS装置4−1、4−2はそれぞれ、10GbE信号受信部11、GFP生成部12、VCAT67生成部17、VCパス生成部14−1〜14−67、クロスコネクト部15およびSDH信号送信部16−1、16−2を備える。EOS装置4−1、4−2はまた、SDH信号受信部21−1、21−2と、クロスコネクト部22と、VCパス終端部23−1〜23−67と、VCAT67終端部27と、GFP終端部25と、10GbE信号送信部26とを備える。
【0032】
なお、ここでは、67個のVCパス信号からSTM−64およびSTM−4の2つのSDH信号を生成し、また、STM−64およびSTM−4の2つのSDH信号から67個のVCパス信号を抽出するものとして、SDH信号送信部16およびSDH信号受信部21をそれぞれ2つのブロックで示す。
【0033】
10GbE信号受信部11は、10GbE伝送路101から10GbE信号を受信する。GFP生成部12は、イーサネット信号をカプセル化して、GFPフレームを生成する。VCAT67生成部17は、GFPフレームからVCAT方式によりVCパス信号を生成する。VCパス生成部14−1〜14−67はそれぞれ、VCパス信号をVC−4単位で処理する。クロスコネクト部15は、VC信号のタイムスロット入れ替えなどを行う。SDH信号送信部16−1、16−2は、VCパス生成部14−1〜14−67により処理されクロスコネクト部15によりタイムスロット入れ替えなどの処理が施されたVCパス信号から、STM−64およびSTM−4の2つのSDH信号を生成し、SDH伝送路201、203に送信する。
【0034】
SDH信号受信部21−1、21−2は、SDH伝送路202、204からSTM−64およびSTM−4の2つのSDH信号を受信して、それらのSDH信号に収容されている67個のVCパス信号を抽出する。VCパス終端部23−1〜23−67はそれぞれ、VCパス信号を終端し、VC−4単位で処理する。VCAT67終端部27は、VCパス終端部23−1〜23−67からのVCパスのデータ領域を結合して結合データ信号を生成する。GFP終端部25は、結合データ信号からGFPフレームを抽出し、このGFPフレームからイーサネット・フレームを抽出する。10GbE信号送信部26は、イーサネット・フレームからイーサネット信号を生成し、10GbE伝送路102に送信する。
【0035】
[本実施の形態の特徴的動作の説明]
図2に示すEOS装置の図3に背景技術として示すEOS装置との最も大きな違いは、VCAT生成部13、VCAT終端部24の代わりにVCAT67生成部17、VCAT67終端部27を有し、VCパス生成部14およびVCパス終端部23が64個あったものが、67個になっている点である。以下では、図2に示すEOS装置について、図3に背景技術として示すEOS装置と構成および動作が異なる点のみ説明する。
【0036】
VCAT67生成部17は、GFP生成部12から受信した結合データ信号を、VCAT方式にてバイト単位に分割し、VCATグループに属するVC−4で67個の各VCパスのデータ領域に挿入する。同時にVCAT67生成部17は、各VCパスのPOHのH4バイトにマルチフレーム情報とマッピング順番を示すシーケンス情報を付加してVCパス信号を生成し、VCパス生成部14−1〜14−67に送信する。VCパス生成部14−1〜14−67は、VCAT67生成部17から受信した各VCパス信号のH4バイト以外のPOHバイトを付加した後に、VCパス信号をクロスコネクト部15に送信する。クロスコネクト部15は、VCパス生成部14−1〜14−67から受信したVCパス信号を、SDH信号に収容すべくタイムスロット入れ替えなどを行い、該当するSDH信号送信部16−1、16−2にVCパス信号を送信する。SDH信号送信部16−1、16−2は、クロスコネクト部15から受信した各VCパスにSOHを付加することでSTM−64やSTM−16などのSDH信号を生成し、SDH伝送路201、203に送信する。
【0037】
VC−4で67個を送信可能とするため、SDH信号送信部16−1、16−2は、例えばSDH信号送信部16−1でVC−4を64個収容できるSTM−64信号を生成し、SDH信号送信部16−2で残りのVC−4を3個収容できるSTM−4信号を生成する。
【0038】
SDH信号受信部21−1、21−2は、それぞれSDH伝送路202、204を介してSTM−64信号、STM−4信号を受信し、SOHを終端し、収容されている各VCパスを抽出し、クロスコネクト部22に送信する。クロスコネクト部22は、SDH信号受信部21−1、21−2から受信したVCパス信号を、VCパス終端部23−1〜23−67で受信できるようにタイムスロット入れ替えなどを行い、該当するVCパス終端部23−1〜23−67にVCパス信号を送信する。VCパス終端部23−1〜23−67は、クロスコネクト部22から受信した各VCパス信号のH4バイト以外のPOHバイトを終端した後に、VCパス信号をVCAT67終端部27に送信する。VCAT67終端部27は、VCパス終端部23−1〜23−67から受信した各VCパスのH4バイトに格納されているマルチフレーム情報により各VCパスの位相を揃え、シーケンス情報によりVCパスのデータ領域を結合して、得られた結合データ信号をGFP終端部25に送信する。
【0039】
このように、VC−4で67個分のVCAT処理を行うVCAT67生成部17およびVCAT67終端部27を用いることで、フルレートの10GbE信号をSDH伝送路を介して伝送することが可能となる。
【0040】
以上の説明では、67個のVC−4をSTM−64信号とSTM−4信号とに収容する場合を例に説明したが、VC−4を67個以上収容できるSTM−256信号を用いることもできる。その場合には、SDH信号送信部16−1、16−2およびSDH信号受信部21−1、21−2は、それぞれ1つでよい。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態では、SDH伝送路を介して10GbE信号を伝送する際に、10GbE信号のフレーム長が大きくても、フルレートの10GbE信号を伝送できる。その理由は、従来のSTM−64への収容を考慮したVC−4で64個分のVCAT処理を行う部位を、VC−4で67個分の処理を行う部位に替える事で、STM−64伝送路+STM−4伝送路、あるいは、STM−256伝送路を介して、VC−4で67個に分割したフルレートの10GbE信号を伝送できるからである。
【0042】
また、本実施の形態では、背景技術に示した方式と同様に、効率的な伝送を実現できる。その理由は、背景技術に示した方式と同様にVCAT方式を採用しているため、SDH信号内部の空きタイムスロットを活用することが可能であり、SDH信号の使用率を100%とすることが可能であるからである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】SDHネットワークを介して10GbE信号を伝送するネットワーク構成の一例を示す図である。
【図2】図1に示すネットワーク構成内のEOS装置として本発明の実施の形態で用いられる構成を示すブロック構成図である。
【図3】図1に示すネットワーク構成内のEOS装置の従来の構成例を示すブロック構成図である。
【図4】図2または図3に示すEOS装置内で処理される信号のフォーマット例を示す図であり、(A)は10GbE信号のフォーマットの一例、(B)は10GbE信号とSDH信号との信号変換の過程で用いられるGFPフレームのフォーマットの一例である。
【符号の説明】
【0044】
1−1、1−2 イーサネット・ネットワーク
2−1、2−2 L2スイッチ/ルーター
3−1、3−2 10GbE伝送路
4−1、4−2 EOS装置
5−1−1〜5−1−N、5−2−1〜5−2−N SDH伝送路
6 SDHネットワーク
11 10GbE信号受信部
12 GFP生成部
13 VCAT生成部
14−1〜14−67 VCパス生成部
15 クロスコネクト部
16、16−1、16−2 SDH信号送信部
17 VCAT67生成部(VCAT生成部)
21、21−1、21−2 SDH信号受信部
22 クロスコネクト部
23−1〜23−67 VCパス終端部
24 VCAT終端部
25 GFP終端部
26 10GbE信号送信部
27 VCAT67終端部(VCAT終端部)
101、102 10GbE伝送路
201〜204 SDH伝送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
10ギガビット・イーサネット信号のトラヒックをSDHネットワークを介して伝送する信号伝送方式において、
上記イーサネット信号と上記SDHネットワークで伝送されるSDH信号との間の信号変換処理をVC−4単位で行う回路を67個有する
ことを特徴とする信号伝送方式。
【請求項2】
請求項1記載の信号伝送方式において、
上記イーサネット信号をカプセル化してGFPフレームを生成するGFP生成部と、
上記GFPフレームからVCAT方式によりVCパス信号を生成するVCAT生成部と、
上記VCパス信号をVC−4単位で処理するVCパス生成部と、
上記VCパス生成部により処理されたVCパス信号からSDH信号を生成して送信するSDH信号送信部と
を有し、
上記VCパス生成部が67個設けられ、
上記VCAT部は、上記GFP生成部からのデータ信号を、VCATグループに属するVC−4で67個の各VCパスのデータ領域に挿入する
ことを特徴とする信号伝送方式。
【請求項3】
請求項2記載の信号伝送方式において、
前記SDH信号送信部は、67個のVCパス信号から、それらを収容する1または複数のSDH信号を生成することを特徴とする信号伝送方式。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の信号伝送方式において、
SDH信号を受信してそのSDH信号に収容されているVCパス信号を抽出するSDH信号受信部と、
上記VCパス信号を終端しVC−4単位で処理するVCパス終端部と、
このVCパス終端部からのVCパスのデータ領域を結合して結合データ信号を生成するVCAT終端部と、
上記結合データ信号からGFPフレームを抽出し、このGFPフレームからイーサネット・フレームを抽出するGFP終端部と、
上記イーサネット・フレームからイーサネット信号を生成するイーサネット信号送信部と
を有し、
上記VCパス終端部が67個設けられた
ことを特徴とする信号伝送方式。
【請求項5】
請求項4記載の信号伝送方式において、
前記SDH信号受信部は、1または複数のSDH信号から67個のVCパス信号を抽出することを特徴とする信号伝送方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−141777(P2010−141777A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318133(P2008−318133)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】