説明

信号処理システム及び信号処理方法

【課題】圧縮効率を向上させるとともに処理負荷を低下させる信号処理システムを提供する。
【解決手段】周波数領域に、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行うために、平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列と、非平均化ランダム測定行列と、非平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非平均区間の算出を行なう制御部を備え、AD変換した信号の平均化を行い、平均化ランダム測定行列部を用いて信号の圧縮を行い、非平均区間の信号を入力し、非平均化ランダム測定行列部を用いて信号の圧縮を行い、圧縮された信号を平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を制御部に通知し、圧縮された信号を非平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を制御部に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号をAD変換し、平均化し(または自己相関処理後の平均化し)、圧縮し、復元する圧縮センシングの信号処理システム及び信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から信号(データ系列)をAD変換し、圧縮し、伝送することにより、ネットワークの帯域を有効活用することができることが知られている。この明細書においては、信号をAD変換し、圧縮し、復元する技術を、圧縮センシング技術と称する。従来の圧縮センシング技術では、入力データ信号に対し、ランダム測定行列を乗じて、圧縮データを生成するが、このランダム測定行列は、ランダム変数から構成されるもので、入力データ数(信号)に対し、出力データ数(圧縮データ)が小さくなるような、行数により構成されている。
【0003】
従来の圧縮センシングの概念を図30に示す(例えば、非特許文献1、2参照)。図30は周波数領域、もしくは時間領域で疎な信号を想定している。信号が周波数的に、もしくは時間的に疎であるため、40×100で構成されるランダム測定行列で変換し、100個の入力信号から40個の圧縮データを得る。
【0004】
従来の圧縮センシングを行うシステム構成を図31に示す。図31において、入力信号はAD変換部1002でアナログ信号からデジタル信号に変換され、変換結果を圧縮センシング部1004に出力する。ランダム測定行列生成部1008は、ランダム変数からなるランダム測定行列を生成する。ランダム復元行列生成部1010は、ランダム測定行列にIFFT行列を掛け算してランダム復元行列を生成する。圧縮センシング部1004は入力されたデジタル信号を、ランダム測定行列生成部1008で生成されたランダム測定行列を用いデータの圧縮を行なう。圧縮結果は、信号復元部1006に出力される。信号復元部1006は、入力された圧縮データをランダム測定行列とL1−minimization復元アルゴリズム等の復元アルゴリズムを用いて信号の復元を行ない、復元した信号を出力する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】E. Candes et al., "An Introduction to Compressive Sampling," IEEE Signal Processing Magazine, pp. 21-30, March, 2008.
【非特許文献2】E. Candes et al., "Near-Optimal Signal Recovery from RandomProjections: Universal Encoding Strategies?" IEEE Transaction on Information Theory, pp. 5406-5425, December, 2006.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の圧縮センシング技術では、サンプリングした全てのサンプルに対して圧縮と復元処理を行うため、処理量と処理時間が増加するという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、圧縮効率を向上させることができるとともに処理負荷を低下させることができる信号処理システム及び信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、周波数領域に、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行う信号処理システムであって、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換部と、前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均部と、平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列と、非平均化ランダム測定行列と、非平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非平均区間の算出を行なう制御部と、前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成部と、前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシング部と、前記非平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム測定行列を生成する非平均化ランダム測定行列生成部と、前記AD変換部から出力する前記デジタル信号のうち、非平均区間の信号を入力し、前記非平均化ランダム測定行列部を用いて信号の圧縮を行う非平均化圧縮センシング部と、前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成部と、前記平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化復元部と、前記非平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム復元行列を生成する非平均化ランダム復元行列生成部と、前記非平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記非平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する非平均化復元部とを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明は、周波数領域に、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行う中央局とリモート局で構成される信号処理システムであって、前記リモート局は、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均部と、前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成部と、前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシング部と、前記非平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム測定行列を生成する非平均化ランダム測定行列生成部と、前記AD変換部から出力する前記デジタル信号のうち、非平均区間の信号を入力し、前記非平均化ランダム測定行列部を用いて信号の圧縮を行う非平均化圧縮センシング部と、前記中央局との間で通信を行なう通信部を具備し、前記中央局は、平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列と、非平均化ランダム測定行列と、非平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非平均区間の算出を行なう制御部と、前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成部と、前記平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化復元部と、前記非平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム復元行列を生成する非平均化ランダム復元行列生成部と、前記非平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記非平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する非平均化復元部と、前記リモート局との間で通信を行なうための通信部とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明は、周波数領域に、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行う信号処理システムであって、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換部と、前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均部と、平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非圧縮区間の算出を行なう制御部と、前記AD変換部から出力する前記デジタル信号のうち、非圧縮区間の信号を出力する出力部と、前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成部と、前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシング部と、 前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成部と、前記平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化復元部とを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明は、周波数領域に、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行う中央局とリモート局で構成される信号処理システムであって、前記リモート局は、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均部と、前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成部と、前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシング部と、前記AD変換部から出力する前記デジタル信号のうち、非圧縮区間の信号を出力する出力部と、前記中央局との間で通信を行なう通信部を具備し、前記中央局は、平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非圧縮区間の算出を行なう制御部と、前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成部と、前記平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化復元部と、前記リモート局との間で通信を行なうための通信部とを具備することを特徴とする。
【0012】
本発明は、前記平均部は、自己相関計算処理を行う自己相関処理部と、平均計算処理を行う平均処理部とを具備することを特徴とする。
【0013】
本発明は、前記AD変換部から出力された信号のFFT変換後絶対値計算結果の信号を出力するFFT絶対値計算部をさらに備え、前記平均ステップは、前記FFT絶対値計算部から出力された信号を平均化して出力することを特徴とする。
【0014】
本発明は、周波数領域、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行うために、AD変換部と、平均部と、制御部と、平均化ランダム測定行列生成部と、非平均化ランダム測定行列生成部と、平均化圧縮センシング部と、非平均化圧縮センシング部と、平均化ランダム復元行列生成部と、非平均化ランダム復元行列生成部と、平均化復元部と、非平均化復元部とを備える信号処理システムにおける信号処理方法であって、前記AD変換部が、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換ステップと、前記平均部が、前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均化ステップと、前記制御部が、平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列と、非平均化ランダム測定行列と、非平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非平均区間の算出を行なう制御ステップと、 前記平均化ランダム測定行列生成部が、前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成ステップと、前記平均化圧縮センシング部が、前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシングステップと、前記非平均化ランダム測定行列生成部が、前記非平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム測定行列を生成する非平均化ランダム測定行列生成ステップと、前記非平均化圧縮センシング部が、前記AD変換ステップから出力する前記デジタル信号のうち、非平均区間の信号を入力し、前記非平均化ランダム測定行列部を用いて信号の圧縮を行う非平均化圧縮センシングステップと、前記平均化ランダム復元行列生成部が、前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成ステップと、前記平均化復元部が、前記平均化圧縮センシングステップで圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御ステップに通知する平均化復元部と、前記非平均化ランダム復元行列生成部が、前記非平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム復元行列を生成する非平均化ランダム復元行列生成ステップと、前記非平均化復元部が、前記非平均化圧縮センシングステップで圧縮された信号を前記非平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する非平均化復元ステップとを有することを特徴とする。
【0015】
本発明は、周波数領域、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行うために、AD変換部と、平均部と、制御部と、平均化ランダム測定行列生成部と、平均化圧縮センシング部と、平均化ランダム復元行列生成部と、平均化復元部とを備える信号処理システムにおける信号処理方法であって、前記AD変換部が、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換ステップと、前記平均部が、前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均化ステップと、前記制御部が、平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非圧縮区間の算出を行なう制御ステップと、 前記平均化ランダム測定行列生成部が、前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成ステップと、前記平均化圧縮センシング部が、前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシングステップと、前記平均化ランダム復元行列生成部が、前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成ステップと、前記平均化復元部が、前記平均化圧縮センシングステップで圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明は、前記平均化ステップは、自己相関計算処理を行う自己相関処理ステップと、平均計算処理を行う平均処理ステップとを有することを特徴とする。
【0017】
本発明は、前記信号処理システムは、FFT絶対値計算部をさらに備え、前記FFT絶対値計算部が、前記AD変換部から出力された信号のFFT変換後絶対値計算結果の信号を出力するFFT絶対値計算ステップを有し、前記平均ステップは、前記FFT絶対値計算部から出力された信号を平均化して出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、圧縮センシングにおいて信号検出に必要な処理量と処理時間を減らしつつ、検出した信号の品質を保つことができる。これにより、圧縮効率向上と処理負荷の軽減ができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元を行う動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示すAD変換部102の動作を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す平均部104の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す平均化圧縮センシング部106と平均化ランダム測定行列生成部110の動作を示すフローチャートである。
【図6】図1に示す平均化復元部108と平均化ランダム復元行列生成部112の動作を示すフローチャートである。
【図7】図1に示す非平均化ランダム測定行列生成部116と、非平均化ランダム圧縮センシング部120の動作を示すフローチャートである。
【図8】図1に示す非平均化復元部122と平均化ランダム復元行列生成部118の動作を示すフローチャートである。
【図9】図1に示す制御部114の動作を示すフローチャートである。
【図10】リモート局と中央局の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図12】平均用圧縮センシング方法を示す説明図である。
【図13】非平均用圧縮センシング方法を示す説明図である。
【図14】平均用ランダム復元行列生成の例を示す説明図である。
【図15】非平均用ランダム復元行列生成の例を示す説明図である。
【図16】本発明の第3の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図17】図16に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元、非圧縮出力を行う動作を示すフローチャートである。
【図18】図16に示すAD変換部302の動作を示すフローチャートである。
【図19】図16に示す制御部314の動作を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第4の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の第5の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図22】図21に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元を行う動作を示すフローチャートである。
【図23】図21に示す信号処理システムにおいて、AD変換部102の動作を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第6の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図25】本発明の平均化圧縮センシング方法を示す説明図である。
【図26】本発明の第7の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図27】図26に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元、非圧縮データの出力を行う動作を示すフローチャートである。
【図28】図26に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元、非圧縮データの出力を行う動作を示すフローチャートである。
【図29】本発明の第8の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図30】従来の圧縮センシングの概念を示す説明図である。
【図31】従来の圧縮センシングを行うシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態による信号処理システムを説明する。
まず、図12を参照して、本発明の平均化圧縮センシング方法について説明する。周波数領域、もしくは時間領域で疎である信号に対して、信号を平均してから平均化ランダム測定行列を乗算することで、入力データの圧縮を行なう。図12においては、10000個のデータが100個毎に平均化されたものを平均化ランダム測定行列で処理することによって、40個に圧縮されている。平均化ランダム測定行列はランダム変数で生成されるランダム測定行列から生成される。
【0021】
次に、図13を参照して、本発明の非平均化圧縮センシング方法について説明する。前記の平均圧縮センシングの処理結果信号の存在が検出された区間に対して、非平均化ランダム測定行列を乗算することで、入力データの圧縮を行なう。図13においては、10000個のデータの中で信号が検出された区間の300個のデータだけ、平均化されることなく120個に圧縮されている。非平均化ランダム測定行列はランダム変数で生成されるランダム測定行列から生成される。
【0022】
<第1の実施形態>
次に、図1を参照して、本発明の第1の実施形態による信号処理システムの構成を説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、AD変換部102は受信した信号を入力とし、アナログデジタル変換を行ってデジタルデータを平均部104に出力する。併せて、制御部114から受けた非平均化区間の信号は非平均化圧縮センシング部120に出力する。なお、後述するように、平均化区間/非平均化区間のいずれとするかについては、ある周波数成分の絶対値が閾値を超えるか否かによって判断される。すなわち、平均化された信号の電力により信号の有無を判断する。
【0023】
平均部104は、制御部114から出力される自己相関計算処理の「有無」のパラメータを受けて、自己相関計算処理が「無し」の場合は、平均化区間の信号を平均化圧縮センシングフレーム毎に平均し、平均結果を出力する。ここで、自己相関計算処理を行うのは、平均化の対象となるそれぞれの信号(サンプル値)が正負の値を持っている場合に、平均化されると互いに打ち消しあって、信号が検出されにくくなる場合があることを回避するためである。換言すると、自己相関計算処理を平均化処理の前に行うことで、受信側で信号のある区間を検出することが容易になる。
【0024】
一方、自己相関検出処理を行わなければ演算量が小さくなるとともに回路規模が小さくなることになる。自己相関計算処理が「有り」の場合は、平均区間の信号を平均化圧縮センシングフレーム毎に自己相関計算処理をしてから平均し、自己相関の平均結果を出力する。平均化ランダム測定行列生成部110は制御部114から平均化ランダム測定行列生成に必要なパラメータを受けて、平均化ランダム測定行列の生成を行う。平均化圧縮センシング部106は、平均部104から入力されたデジタル信号を110で生成された平均化ランダム測定行列を利用してデジタルデータの圧縮を行ない、圧縮データの出力を行なう。
【0025】
平均化ランダム復元行列生成部112は制御部114から平均化ランダム復元行列生成に必要なパラメータを受けて、平均化ランダム復元行列の生成を行う。平均化復元部108は、平均化圧縮センシング部106が出力した圧縮データを入力とし、平均化ランダム復元行列生成部112で生成された平均化ランダム復元行列を利用して信号の復元を行ない、復元されたデータを出力する。この時、L1−minimizationなどの復元アルゴリズムが動作する。併せて平均化復元データは「既知情報」として、制御部114に出力する。
【0026】
非平均化ランダム測定行列生成部116は制御部114から非平均化ランダム測定行列生成に必要なパラメータを受けて、非平均化ランダム測定行列の生成を行う。非平均化圧縮センシング部120は、AD変換部102から入力された非平均区間のデジタル信号を116で生成された非平均化ランダム測定行列を利用してデジタルデータの圧縮を行ない、圧縮データの出力を行なう。非平均化ランダム復元行列生成部118は制御部114から非平均化ランダム復元行列生成部に必要なパラメータを受けて、非平均化ランダム復元行列の生成を行う。非平均化復元部122は、非平均化圧縮センシング部120が出力した圧縮データを入力とし、118で生成された非平均化ランダム復元行列を利用して信号の復元を行ない、復元されたデータを出力する。この時、L1−minimizationなどの復元アルゴリズムが動作する。併せて非平均化復元データは既知情報として、制御部114に出力する。
【0027】
なお、平均化ランダム測定行列と非平均化ランダム測定行列とは本質的に同じ行列であっても構わない。ただし、それぞれを別の系統とすることによって、たとえば、信号を検出した際に非平均区間のデジタル信号について、たとえば周波数領域上または時間領域上でスパースな信号の場合には、その密な部分の周波数帯または時間帯に大きくなる重み付けを行うような行列演算によって圧縮処理をすることも可能となる。このとき、平均化ランダム測定行列には、周波数領域、時間領域に偏りのない行列を用いることができる。
【0028】
平均部104、制御部114が出力する自己相関計算処理の有無のパラメータと、平均化圧縮センシングフレームと、平均期間を参照し、自己相関無の場合は、AD変換部102から入力されるデータを、平均期間毎に分けて、さらに平均期間内のデータを平均化圧縮センシングフレーム毎に分けて平均して、圧縮センシングフレーム分のデータを出力する。自己相関有りの場合は、AD変換部102から入力されるデータを、平均期間毎に分けて、さらに平均期間内のデータを平均化圧縮センシングフレーム毎に分けて自己相関処理を行ってから各自己相関処理の結果を平均して、圧縮センシングフレーム分のデータを出力する。
【0029】
次に、図2を参照して、図1に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元を行う動作を説明する。図2は、図1に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元を行う動作を示すフローチャートである。まず、AD変換部102は、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換した全てのデータは平均部104に出力する。同時に、非平均区間のデータは非平均化圧縮センシング120に出力する(ステップS1)。平均部104は、自己相関無しの場合は、AD変換部102から入力されるデータを、平均期間毎に分けて、さらに平均期間内のデータを平均化圧縮センシングフレーム毎に分けて平均化して、圧縮センシングフレーム分のデータを出力する。自己相関有りの場合は、AD変換部102から入力されるデータを、平均期間毎に分けて、さらに平均期間内のデータを平均化圧縮センシングフレーム毎に分けて自己相関処理を行ってから各自己相関処理の結果を平均して、圧縮センシングフレーム分のデータを出力する(ステップS2)。
【0030】
平均化圧縮センシング部106は、平均化ランダム測定行列を用いて平均部104から出力されるデジタル信号の圧縮を行う(ステップS3)。平均化復元部108は、平均化圧縮センシング部106から出力されるデータを平均化ランダム復元行列で復元処理を行い(ステップS4)、復元された信号を出力する(ステップS5)。
【0031】
一方、非平均化圧縮センシング部120は、AD変換部から出力される非平均区間のデータを、非平均化ランダム測定行列を用いて圧縮を行う(ステップS6)。非平均化復元部122は、非平均化圧縮センシング部120から出力されるデータを非平均化ランダム復元行列で復元処理を行い(ステップS7)、復元された信号を出力する(ステップS8)。
【0032】
次に、図3を参照して、図1に示す信号処理システムにおいて、AD変換部102の動作を説明する。図3は、図1に示す信号処理システムにおいて、AD変換部102の動作を示すフローチャートである。まず、入力されたアナログ信号をデジタル信号にサンプリングする(ステップS11)。サンプリングされた全てのデータを平均化圧縮センシング部106に入力する(ステップS12)。そして、制御部114から入力される非平均圧縮処理の有無を参照し(ステップS13)、有りの場合は非平均区間のデータを非平均化圧縮センシング部120に入力する(ステップS14)。
【0033】
次に、図4を参照して、図1に示す信号処理システムにおいて、平均部104の動作を説明する。図4は、図1に示す信号処理システムにおいて、平均部の動作を示すフローチャートである。まず、制御部114から入力される自己相関処理の有無のパラメータを参照し、自己相関処理の有無を設定する(ステップS21)。自己相関処理有りの場合は、平均化圧縮センシングフレーム毎に、平均化圧縮センシングフレーム内のデータの自己相関を計算してその結果を出力する(ステップS22)。そして、ステップS22の自己相関処理の結果を平均化圧縮センシングフレーム毎に平均化する(ステップS23)。自己相関無しの場合は、AD変換部102から入力されるデータを平均化圧縮センシングフレーム毎に平均化する(ステップS23)。そして、その結果を平均化圧縮センシング部106に出力する(ステップS24)。
【0034】
次に、図5を参照して、図1に示す信号処理システムにおいて、平均化圧縮センシング部106と平均化ランダム測定行列生成部110の動作を説明する。平均化ランダム測定行列生成部110は制御部114から入力される平均化ランダム測定行列生成パラメータである、平均化ランダム測定行列の行数と列の数を参照し、参照した平均化ランダム測定行列の行数と列数のサイズを持つランダム行列を生成する(ステップS31)。平均化ランダム測定行列の各成分はランダム数生成機により生成される。平均化ランダム測定行列の列数は前記平均化圧縮センシングフレームと同じ値である。平均化圧縮センシング部106は入力されるデータを平均化圧縮センシングフレーム毎に分けて、平均化ランダム測定行列生成部110が生成した平均化ランダム測定行列に掛け算する(ステップS32)。平均化圧縮センシングフレーム毎の掛け算の結果で得られる平均化ランダム測定行列の行数分のデータを出力する(ステップS33)。
【0035】
次に、図6を参照して、図1に示す信号処理システムにおいて、平均化復元部108と平均化ランダム復元行列生成部112の動作を説明する。平均化ランダム復元行列生成部112は、平均化ランダム測定行列生成部110が生成した平均化ランダム測定行列に平均化ランダム測定の列数を行と列の大きさとするIFFT行列を掛け算して平均化ランダム復元行列を生成する(ステップS41)。図14は平均化ランダム測定行列の行数が40、列数が100の場合の平均化ランダム復元行列生成の例を示す。平均化復元部108は、平均化ランダム復元行列生成部112が生成した平均化ランダム復元行列を用いて、L1−minimization等の復元アルゴリズムを利用し信号復元処理を行う(ステップS42)。そして、復元された信号を制御部114と外部に出力する(ステップS43)。
【0036】
次に、図7を参照して、図1に示す信号処理システムにおいて、非平均化ランダム測定行列生成部116と、非平均化ランダム圧縮センシング部120の動作を説明する。非平均化ランダム測定行列生成部116は制御部114から入力される非平均化ランダム測定行列生成パラメータである非平均化ランダム測定行列の行数と列の数を参照し、非平均化ランダム測定行列の行数と非平均化ランダム測定行列の列数のサイズを持つランダム行列を生成する(ステップS61)。非平均化ランダム測定行列の各成分はランダム数生成機により生成される。非平均化ランダム測定行列の列数は前記非平均化圧縮センシングフレームと同じ値である。非平均化圧縮センシング部120は入力されるデータを非平均化圧縮センシングフレーム毎に分けて、非平均化ランダム測定行列生成部116が生成した非平均化ランダム測定行列に掛け算する(ステップS62)。非平均化圧縮センシングフレーム毎の掛け算の結果で得られる非平均化ランダム測定行列の行数分のデータを出力する(ステップS63)。
【0037】
次に、図8を参照して、図1に示す信号処理システムにおいて、非平均化復元部122と平均化ランダム復元行列生成部118の動作を説明する。非平均化ランダム復元行列生成部118は、非平均化ランダム測定行列生成部116が生成した非平均化ランダム測定行列に非平均化ランダム測定の列数を行と列の大きさとするIFFT行列を掛け算して非平均化ランダム復元行列を生成する(ステップS71)。図15は非平均化ランダム測定行列の行数が40、列数が100の場合の非平均化ランダム復元行列生成の例を示す。非平均化復元部122は、非平均化ランダム復元行列生成部118が生成した非平均化ランダム復元行列を用いて、L1−minimization等の復元アルゴリズムを利用し信号復元処理を行う(ステップS72)。そして、復元された信号を制御部114と外部に出力する(ステップS73)。
【0038】
次に、図9を参照して、図1に示す信号処理システムにおいて、制御部114の動作を説明する。制御部114は平均区間と平均化圧縮センシングフレームのサイズを平均部104に出力する(ステップS91)。また、制御部114は平均化ランダム測定行列の行数と列の数及び平均化圧縮センシングフレームのサイズを平均化ランダム測定行列生成部110と平均化ランダム復元行列生成部112に出力する(ステップS92)。そして、平均化復元部108から入力される信号の周波数成分の絶対値を平均区間毎に分析し(ステップS93)、非平均処理対象の信号の有無を判断する(ステップS94)。この信号の有無の判断は、周波数成分の絶対値が予め設定した閾値を超えるか否かで判断する。
【0039】
非平均処理対象の信号がある場合、その信号が検出された平均区間の情報をAD変換部102に出力する(ステップS95)。続いて、非平均化ランダム測定行列の行数と列の数及び非平均化圧縮センシングフレームのサイズを非平均化ランダム測定行列生成部116と非平均化ランダム復元行列生成部118に出力する(ステップS96)。そして、非平均化復元部122から入力される信号の周波数成分の絶対値を分析し(ステップS97)、非平均処理対象の信号の有無を判断する(ステップS94)。この信号の有無の判断は、周波数成分の絶対値があらかじめ設定した閾値を超えるか否かで判断する。
【0040】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態による信号処理システムの構成を説明する。図10は、1つ以上のリモート局1〜Nと中央局10から構成され、リモート局1〜Nと中央局10は伝送路で接続されている通信システムの構成を示している。第2の実施形態では、図10に示す通信システムに本発明の信号処理システムを適用した例を説明する。
【0041】
図11は、図10に示すリモート局1と中央局10の構成を示すブロック図である。AD変換部202は受信した信号を入力とし、アナログデジタル変換行ってデジタルデータを平均部204に出力する。併せて、制御部114から伝送路を介して受けた非平均区間の信号は非平均化圧縮センシング部220に出力する。平均部204は、制御部214から伝送路を介して受信した自己相関計算処理の有無のパラメータを参照し、自己相関計算処理が無しの場合は、平均区間の信号を平均化圧縮センシングフレーム毎に平均化し、平均結果を出力する。自己相関計算処理が有りの場合は、平均区間の信号を平均化圧縮センシングフレーム毎に自己相関計算処理をしてから平均化し、自己相関の平均結果を出力する。
【0042】
平均化ランダム測定行列生成部210は制御部214から伝送路を介して受信した平均化ランダム測定行列生成部に必要なパラメータを参照し、平均化ランダム測定行列の生成を行う。平均化圧縮センシング部206は、平均部204から入力されたデジタル信号を210で生成された平均化ランダム測定行列を利用してデジタルデータの圧縮を行ない、圧縮データの出力を行なう。平均化ランダム復元行列生成部212は制御部214から伝送路を介して受信した平均化ランダム復元行列生成部に必要なパラメータを参照し、平均化ランダム復元行列の生成を行う。平均化圧縮センシング部206の出力は伝送路を介して中央局10に伝送される。
【0043】
平均化復元部208は、平均化圧縮センシング部206から伝送路を介した受信した圧縮データを入力とし、平均化ランダム復元行列生成部212で生成された平均化ランダム復元行列を利用して信号の復元を行ない、復元されたデータを出力する。この時、L1−minimizationなどの復元アルゴリズムが動作する。併せて平均化復元データは既知情報として、制御部214に出力する。非平均化ランダム測定行列生成部216は制御部214から伝送路を介した受信した非平均化ランダム測定行列生成部に必要なパラメータを参照し、非平均化ランダム測定行列の生成を行う。
【0044】
非平均化圧縮センシング部220は、AD変換部202から入力された非平均区間のデジタル信号を216で生成された非平均化ランダム測定行列を利用してデジタルデータの圧縮を行ない、圧縮データの出力を行なう。非平均化圧縮センシング部220の出力は伝送路を介して中央局10に伝送される。非平均化ランダム復元行列生成部218は制御部214から非平均化ランダム復元行列生成部に必要なパラメータを受けて、非平均化ランダム復元行列の生成を行う。非平均化復元部222は、非平均化圧縮センシング部220から伝送路を介して受信した圧縮データを入力とし、非平均化ランダム復元行列生成部218で生成された非平均化ランダム復元行列を利用して信号の復元を行ない、復元されたデータを出力する。この時、L1−minimizationなどの復元アルゴリズムが動作する。併せて非平均化復元データは既知情報として、制御部214に出力する。
【0045】
第2の実施形態におけるAD変換部202、平均部204、平均化圧縮センシング部206、平均化復元部208、平均化ランダム測定行列生成部210、平均化ランダム復元行列生成部212、制御部214、非平均化ランダム測定行列生成部216、非平均化ランダム復元行列生成部218、非平均化圧縮センシング部220及び非平均化復元部222の処理動作は、それぞれ第1の実施形態のAD変換部102、平均部104、平均化圧縮センシング部106、平均化復元部108、平均化ランダム測定行列生成部110、平均化ランダム復元行列生成部112、制御部114、非平均化ランダム測定行列生成部116、非平均化ランダム復元行列生成部118、非平均化圧縮センシング部120及び非平均化復元部122と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0046】
<第3の実施形態>
次に、図16を参照して、本発明の第3の実施形態による信号処理システムの構成を説明する。図16は同実施形態の構成を示すブロック図である。図16において、AD変換部302は受信した信号を入力とし、アナログデジタル変換を行ってデジタルデータを平均部304に出力する。併せて、制御部314から受けた非圧縮化区間の信号はそのまま外部に出力する。なお、圧縮区間/非圧縮区間のいずれとするかについては、ある周波数成分の絶対値が閾値を超えるか否かによって判断される。すなわち、平均化された信号の電力により信号の有無を判断する。
【0047】
平均部304と、平均圧縮センシング部306と、平均復元部308と、平均化ランダム圧縮測定行列生成部310と、平均化ランダム復元行列生成部312は、それぞれ、第1の実施形態の平均部104と、平均圧縮センシング部106と、平均復元部108と、平均化ランダム圧縮測定行列生成部110と、平均化ランダム復元行列生成部112と同じ動作を行う。
【0048】
次に、図17を参照して、図16に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元、非圧縮データの出力を行う動作を説明する。図17は、図16に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元、非圧縮データの出力を行う動作を示すフローチャートである。まず、AD変換部302は、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換した全てのデータは平均部304に出力する(ステップS3011)。同時に、非圧縮区間のデータはそのまま外部に出力する(ステップS308)。ステップ302と、ステップ303と、ステップ304と、ステップ305は、それぞれ図2で示す第1の実施形態のステップS2と、ステップS3と、ステップS4と、ステップS5と同じ動作を行う。
【0049】
次に、図18を参照して、図17に示す信号処理システムにおいて、AD変換部302の動作を説明する。図18は、図17に示す信号処理システムにおいて、AD変換部302の動作を示すフローチャートである。まず、入力されたアナログ信号をデジタル信号にサンプリングする(ステップS3011)。サンプリングされた全てのデータを平均化圧縮センシング部106に入力する(ステップS3012)。そして、制御部314から入力される非圧縮処理の有無を参照し(ステップS3013)、有りの場合は非圧縮区間のデータを外部に出力する(ステップS3014)。
【0050】
次に、図19を参照して、図17に示す信号処理システムにおいて、制御部314の動作を説明する。制御部314は平均区間と平均化圧縮センシングフレームのサイズを平均部304に出力する(ステップS3091)。また、制御部314は平均化ランダム測定行列の行数と列の数及び平均化圧縮センシングフレームのサイズを平均化ランダム測定行列生成部310と平均化ランダム復元行列生成部312に出力する(ステップS3092)。そして、平均化復元部308から入力される信号の周波数成分の絶対値を平均区間毎に分析し(ステップS3093)、非圧縮処理対象の信号の有無を判断する(ステップS3094)。この信号の有無の判断は、周波数成分の絶対値が予め設定した閾値を超えるか否かで判断する。非圧縮処理対象の信号がある場合、その信号が検出された区間の情報をAD変換部302に出力する(ステップS3095)。
【0051】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態による信号処理システムの構成を説明する。第4の実施形態による信号処理システムの全体構成は、図10に示す構成と同様であり、1つ以上のリモート局1〜Nと中央局10から構成され、リモート局1〜Nと中央局10は伝送路で接続されている。図20は、第4の実施形態におけるリモート局1と中央局10の構成を示すブロック図である。AD変換部402は受信した信号を入力とし、アナログデジタル変換行ってデジタルデータを平均部404に出力する。併せて、制御部414から伝送路を介して受けた非圧縮区間の信号はそのまま伝送路を介して中央局10に送信する。
【0052】
第4の実施形態における平均部404と、平均化圧縮センシング部406と、平均化ランダム測定行列生成部410と、平均化復元部408と、平均化ランダム復元行列生成部412は、それぞれ、図11に示す平均部204と、平均化圧縮センシング部206と、平均化ランダム測定行列生成部210と、平均化復元部208と、平均化ランダム復元行列生成部212と同じ動作を行う。
【0053】
次に、図20に示す信号処理システムにおいて、制御部414の動作を説明する。制御部414は平均区間と平均化圧縮センシングフレームのサイズを伝送路を介して平均部404に出力する。また、制御部414は平均化ランダム測定行列の行数と列の数及び平均化圧縮センシングフレームのサイズを平均化ランダム測定行列生成部410に伝送路を介して出力する。また、制御部414は平均化ランダム復元行列の行数と列の数及び平均化圧縮センシングフレームのサイズを平均化ランダム復元行列生成部412に出力する。そして、平均化復元部408から入力される信号の周波数成分の絶対値を平均区間毎に分析し、非圧縮処理対象の信号の有無を判断し、非圧縮処理を決める。また、この非圧縮処理区間の情報を伝送路を介して、AD変換部402に出力する。この信号の有無の判断は、周波数成分の絶対値が予め設定した閾値を超えるか否かで判断する。
【0054】
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態による信号処理システムを説明する。まず、図25を参照して、本発明の平均化圧縮センシング方法について説明する。周波数領域、もしくは時間領域で疎である信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)変換を行い、その結果の絶対値を計算し、その計算結果を平均してから平均化ランダム測定行列を乗算することで、入力データの圧縮を行なう。図25においては、10000個のデータが100個毎に平均化されたものを平均化ランダム測定行列で処理することによって、40個に圧縮されている。平均化ランダム測定行列はランダム変数で生成されるランダム測定行列から生成される。平均化処理を行う前に信号をFFT変換することにより、周波数領域に疎な信号に対しても平均化による圧縮効果を得ることができる。
【0055】
次に、図21を参照して、第5の実施形態による信号処理システムの構成を説明する。図21は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、他の実施形態のシステムと同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示すシステムが他の実施形態と異なる点は、FFT絶対値計算部103が設けられている点である。
【0056】
図21において、AD変換部102は受信した信号を入力とし、アナログデジタル変換を行ってデジタルデータをFFT絶対値計算部103に出力する。FFT絶対値計算部103は入力されたデジタルデータのFFT変換を行いその係数の絶対値を計算し、平均部104に出力する。併せて、制御部114から受けた非平均化区間の信号は非平均化圧縮センシング部120に出力する。なお、後述するように、平均化区間/非平均化区間のいずれとするかについては、ある周波数成分の絶対値が閾値を超えるか否かによって判断される。すなわち、平均化された信号の電力により信号の有無を判断する。
【0057】
FFT絶対値計算部103は、制御部114から出力される平均化圧縮センシングフレームを受けて、平均化圧縮センシングフレーム毎にFFT変換を行う。そして、FFT変換後の係数の絶対値を計算し、平均部104に出力する。平均部104は、平均化区間の信号を平均化圧縮センシングフレーム毎に平均し、平均結果を出力する。
【0058】
次に、図22を参照して、図21に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元を行う動作を説明する。図22は、図21に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元を行う動作を示すフローチャートである。この図において、他の実施形態のシステムの動作と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
まず、AD変換部102は、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換した全てのデータはFFT絶対値計算部103に出力する。同時に、非平均区間のデータは非平均化圧縮センシング120に出力する(ステップS1)。FFT絶対値計算部103はAD変換部102から入力されるデータを、平均化圧縮センシングフレーム毎にFFT変換し、その結果の絶対値を計算し、平均部104に出力する(ステップS1A)。平均部104は、FFT絶対値計算部103から入力されるデータを、平均期間毎に分けて、さらに平均期間内のデータを平均化圧縮センシングフレーム毎に分けて平均化して、圧縮センシングフレーム分のデータを出力する(ステップS2)。
【0060】
次に、図23を参照して、図21に示す信号処理システムにおけるAD変換部102の動作を説明する。図23は、図21に示す信号処理システムにおいて、AD変換部102の動作を示すフローチャートである。この図において、他の実施形態のシステムの動作と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
まず、入力されたアナログ信号をデジタル信号にサンプリングする(ステップS11)。サンプリングされた全てのデータをFFT絶対値計算部103に入力する(ステップS12A)。そして、制御部114から入力される非平均圧縮処理の有無を参照し(ステップS13)、有りの場合は非平均区間のデータを非平均化圧縮センシング部120に入力する(ステップS14)。
【0062】
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態による信号処理システムの構成を説明する。第6の実施形態では、図10に示す通信システムに本発明の信号処理システムを適用した例を説明する。図24は、図10に示すリモート局1と中央局10の構成を示すブロック図である。この図において、他の実施形態のシステムと同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示すシステムが他の実施形態と異なる点は、FFT絶対値計算部203が設けられている点である。AD変換部202は受信した信号を入力とし、アナログデジタル変換行ってデジタルデータをFFT絶対値計算部203に出力する。併せて、制御部114から伝送路を介して受けた非平均区間の信号は非平均化圧縮センシング部220に出力する。FFT絶対値計算部203は、AD変換部202から入力されたデジタルデータを、制御部214から伝送路を介して受信した平均化圧縮センシングフレーム毎に分けてFFT変換処理を行い、その結果の絶対値を計算し平均部204に出力する。平均部204は、平均区間の信号を平均化圧縮センシングフレーム毎に平均化し、平均結果を出力する。
【0063】
<第7の実施形態>
次に、図26を参照して、本発明の第7の実施形態による信号処理システムの構成を説明する。図26は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、他の実施形態のシステムと同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示すシステムが他の実施形態と異なる点は、FFT絶対値計算部303が設けられている点である。図26において、AD変換部302は受信した信号を入力とし、アナログデジタル変換を行ってデジタルデータをFFT絶対値計算部303に出力する。併せて、制御部314から受けた非圧縮化区間の信号はそのまま外部に出力する。なお、平均化区間/非圧縮区間のいずれとするかについては、ある周波数成分の絶対値が閾値を超えるか否かによって判断される。すなわち、平均化された信号の電力により信号の有無を判断する。
【0064】
FFT絶対値計算部303は、制御部114から出力される平均化圧縮センシングフレームを受けて、平均化圧縮センシングフレーム毎にFFT変換を行う。そして、FFT変換後の係数の絶対値を計算し、平均部304に出力する。平均部304と、平均圧縮センシング部306と、平均復元部308と、平均用ランダム圧縮測定行列生成部310と、平均用ランダム復元行列生成部312は、それぞれ、第6の実施形態の平均部104と、平均圧縮センシング部106と、平均復元部108と、平均用ランダム圧縮測定行列生成部110と、平均用ランダム復元行列生成部112と同じ動作を行う。
【0065】
次に、図27を参照して、図26に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元、非圧縮データの出力を行う動作を説明する。図27は、図26に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元、非圧縮データの出力を行う動作を示すフローチャートである。この図において、他の実施形態のシステムの動作と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
まず、AD変換部302は、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換した全てのデータはFFT絶対値計算部103に出力する(ステップS301)。同時に、非平均区間のデータは非平均化圧縮センシング120に出力する(ステップS308)。FFT絶対値計算部103はAD変換部302から入力されるデータを、平均化圧縮センシングフレーム毎にFFT変換し、その結果の絶対値を計算し、平均部304に出力する(ステップS301A)。平均部304は、FFT絶対値計算部103から入力されるデータを、平均期間毎に分けて、さらに平均期間内のデータを平均化圧縮センシングフレーム毎に分けて平均化して、圧縮センシングフレーム分のデータを出力する(ステップS302)。ステップ303と、ステップ304と、ステップ305は、それぞれ図2に示す第1の実施形態のステップ3と、ステップ4と、ステップ5と同じ動作を行う。
【0067】
次に、図28を参照して、図27に示す信号処理システムにおいて、AD変換部302の動作を説明する。図28は、図26に示す信号処理システムにおいて、データ平均、データ圧縮、復元、非圧縮データの出力を行う動作を示すフローチャートである。この図において、他の実施形態のシステムの動作と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。まず、入力されたアナログ信号をデジタル信号にサンプリングする(ステップS3011)。サンプリングされた全てのデータをFFT絶対値計算部103に入力する(ステップS3012A)。そして、制御部314から入力される非圧縮処理の有無を参照し(ステップS3013)、有りの場合は非圧縮区間のデータを外部に出力する(ステップS3014)。
【0068】
<第8の実施形態>
次に、本発明の第8の実施形態による信号処理システムの構成を説明する。図29は、1つ以上のリモート局1〜Nと中央局10から構成され、リモート局1〜Nと中央局10は伝送路で接続されている通信システムの構成を示している。第8の実施形態では、図10に示す通信システムに本発明の信号処理システムを適用した例を説明する。
【0069】
図29は、図10に示すリモート局1と中央局10の構成を示すブロック図である。AD変換部402は受信した信号を入力とし、アナログデジタル変換行ってデジタルデータをFFT絶対値計算部403に出力する。併せて、制御部414から伝送路を介して受けた非圧縮区間の信号はそのまま伝送路を介して中央局に送信する。
【0070】
このように、圧縮センシングを行うデータ系列において、周波数、もしくは時間分布が安定している場合、信号(データ系列)の内、周波数密度の高い周波数領域に対し重みをつけてランダム測定行列による圧縮センシングを行い、また、周波数密度の低い周波数領域に対し重みをつけずランダム測定行列による圧縮センシングを行うことで、もしくは時間密度の高い時間領域に対し重みをつけてランダム測定行列による圧縮センシングを行い、また、時間密度の低い時間領域に対し重みをつけずランダム測定行列による圧縮センシングを行うことで、重みをつけない場合に比べランダム測定行列の列数を減らすことが可能となる。ランダム測定行列の重み付けは、信号の受信周期や受信結果から受信信号の周波数、もしくは時間成分を抽出することで、受信信号の受信タイミングや受信信号の周波数成分、もしくは時間成分を取得することにより行う。これらの情報を利用することで、信号において周波数が0でない値の位置の予測、もしくは時間軸において信号がある位置の予測が可能になるため、ランダム測定行列の重み付けが可能となる。これにより、圧縮サンプリングする際の演算量を削減することが可能になる。また、ランダム測定行列の行数は、信号の圧縮率に比例するため、従来技術であるランダム測定行列に重みをつけない場合に比べ圧縮率を下げる(高圧縮とする)ことができる。
【0071】
以上説明したように、ランダム圧縮技術において送信データ量を削減するために、信号をAD変換後、平均または自己相関処理後の平均を行い、圧縮センシングと復元処理における処理量と処理時間を減らすようにして、信号が検出された区間だけを平均化しない圧縮センシングによる圧縮と復元を行い、信号検出に必要な処理量と処理時間を減らしつつ、検出した信号の品質を保つことが実現できる。
【0072】
従来のランダム圧縮では、全ての信号に対してそのままランダム測定行列等で行列演算を行っていたが、周波数領域又は時間領域に疎な信号である場合には、信号が存在しない領域において全ての信号を同様に扱うと送信データ量が多くなるという問題を有していた。本発明では、送信波形のサンプリング値をいくつかの固まりに分けて、それぞれの固まりごとに平均化した上でランダム測定行列等で行列演算を行う。この平均化により、送信データ量が削減される効果を得ることができる。一方、平均化したサンプリング値の中に信号が含まれている場合には、その情報を送信側(ランダム圧縮を行う側)にフィードバックし、信号が含まれている部分については平均化を行わずに圧縮して送信する。また、平均化したサンプリング値に信号が含まれているか否かは、平均化した値の電力を測定することで判断することができる。なお、信号を検出しやすくするために、平均化前に自己相関処理を行うこともできる。
【0073】
なお、図1、図11に示す各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより信号処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0074】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
信号をAD変換、圧縮、復元する圧縮センシングにおいて、重み付け測定行列の生成を行うことが不可欠な信号処理の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0076】
1、2、N・・・リモート局、10・・・中央局、102、202、302、402・・・AD変換部、103、203、303、403・・・FFT絶対値計算部、104、204、304、404・・・平均部、106、206、306、406・・・平均化圧縮センシング部、108、208、308、408・・・平均化復元部、110、210、310、410・・・平均化ランダム測定行列生成部、112、212、312、412・・・平均化ランダム復元行列生成部、114、214、314、414・・・制御部、116、216・・・非平均化ランダム測定行列生成部、118、218・・・非平均化ランダム復元行列生成部、120、220・・・非平均化圧縮センシング部、122、222・・・非平均化復元部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数領域に、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行う信号処理システムであって、
入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換部と、
前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均部と、
平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列と、非平均化ランダム測定行列と、非平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非平均区間の算出を行なう制御部と、
前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成部と、
前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシング部と、
前記非平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム測定行列を生成する非平均化ランダム測定行列生成部と、
前記AD変換部から出力する前記デジタル信号のうち、非平均区間の信号を入力し、前記非平均化ランダム測定行列部を用いて信号の圧縮を行う非平均化圧縮センシング部と、
前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成部と、
前記平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化復元部と、
前記非平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム復元行列を生成する非平均化ランダム復元行列生成部と、
前記非平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記非平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する非平均化復元部と
を具備することを特徴とする信号処理システム。
【請求項2】
周波数領域に、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行う中央局とリモート局で構成される信号処理システムであって、
前記リモート局は、
入力したアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、
前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均部と、
前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成部と、
前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシング部と、
前記非平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム測定行列を生成する非平均化ランダム測定行列生成部と、
前記AD変換部から出力する前記デジタル信号のうち、非平均区間の信号を入力し、前記非平均化ランダム測定行列部を用いて信号の圧縮を行う非平均化圧縮センシング部と、
前記中央局との間で通信を行なう通信部を具備し、
前記中央局は、
平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列と、非平均化ランダム測定行列と、非平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非平均区間の算出を行なう制御部と、
前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成部と、
前記平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化復元部と、
前記非平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム復元行列を生成する非平均化ランダム復元行列生成部と、
前記非平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記非平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する非平均化復元部と、
前記リモート局との間で通信を行なうための通信部とを
具備することを特徴とする信号処理システム。
【請求項3】
周波数領域に、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行う信号処理システムであって、
入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換部と、
前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均部と、
平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非圧縮区間の算出を行なう制御部と、
前記AD変換部から出力する前記デジタル信号のうち、非圧縮区間の信号を出力する出力部と、
前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成部と、
前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシング部と、
前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成部と、
前記平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化復元部と
を具備することを特徴とする信号処理システム。
【請求項4】
周波数領域に、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行う中央局とリモート局で構成される信号処理システムであって、
前記リモート局は、
入力したアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、
前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均部と、
前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成部と、
前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシング部と、
前記AD変換部から出力する前記デジタル信号のうち、非圧縮区間の信号を出力する出力部と、
前記中央局との間で通信を行なう通信部を具備し、
前記中央局は、
平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非圧縮区間の算出を行なう制御部と、
前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成部と、
前記平均化圧縮センシング部で圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化復元部と、
前記リモート局との間で通信を行なうための通信部と
を具備することを特徴とする信号処理システム。
【請求項5】
前記平均部は、
自己相関計算処理を行う自己相関処理部と、
平均計算処理を行う平均処理部と
を具備することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の信号処理システム。
【請求項6】
前記AD変換部から出力された信号のFFT変換後の絶対値計算結果の信号を出力するFFT絶対値計算部をさらに備え、
前記平均部は、前記FFT絶対値計算部から出力された信号を平均化して出力する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の信号処理システム。
【請求項7】
周波数領域、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行うために、AD変換部と、平均部と、制御部と、平均化ランダム測定行列生成部と、非平均化ランダム測定行列生成部と、平均化圧縮センシング部と、非平均化圧縮センシング部と、平均化ランダム復元行列生成部と、非平均化ランダム復元行列生成部と、平均化復元部と、非平均化復元部とを備える信号処理システムにおける信号処理方法であって、
前記AD変換部が、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換ステップと、
前記平均部が、前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均化ステップと、
前記制御部が、平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列と、非平均化ランダム測定行列と、非平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非平均区間の算出を行なう制御ステップと、
前記平均化ランダム測定行列生成部が、前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成ステップと、
前記平均化圧縮センシング部が、前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシングステップと、
前記非平均化ランダム測定行列生成部が、前記非平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム測定行列を生成する非平均化ランダム測定行列生成ステップと、
前記非平均化圧縮センシング部が、前記AD変換ステップから出力する前記デジタル信号のうち、非平均区間の信号を入力し、前記非平均化ランダム測定行列部を用いて信号の圧縮を行う非平均化圧縮センシングステップと、
前記平均化ランダム復元行列生成部が、前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成ステップと、
前記平均化復元部が、前記平均化圧縮センシングステップで圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御ステップに通知する平均化復元部と、
前記非平均化ランダム復元行列生成部が、前記非平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記非平均化ランダム復元行列を生成する非平均化ランダム復元行列生成ステップと、
前記非平均化復元部が、前記非平均化圧縮センシングステップで圧縮された信号を前記非平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する非平均化復元ステップと
を有することを特徴とする信号処理方法。
【請求項8】
周波数領域、もしくは時間領域に疎である性質を持つ信号の圧縮と復元を行うために、AD変換部と、平均部と、制御部と、平均化ランダム測定行列生成部と、平均化圧縮センシング部と、平均化ランダム復元行列生成部と、平均化復元部とを備える信号処理システムにおける信号処理方法であって、
前記AD変換部が、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換ステップと、
前記平均部が、前記AD変換部から出力された信号を平均化して出力する平均化ステップと、
前記制御部が、平均化ランダム測定行列と平均化ランダム復元行列の生成に必要なパラメータの生成および平均化された信号の電力に基づいて信号の有無を検出し、非圧縮区間の算出を行なう制御ステップと、
前記平均化ランダム測定行列生成部が、前記平均化ランダム測定行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム測定行列を生成する平均化ランダム測定行列生成ステップと、
前記平均化圧縮センシング部が、前記平均化ランダム測定行列部を用いて前記平均部から出力される信号の圧縮を行う平均化圧縮センシングステップと、
前記平均化ランダム復元行列生成部が、前記平均化ランダム復元行列生成のパラメータに基づき前記平均化ランダム復元行列を生成する平均化ランダム復元行列生成ステップと、
前記平均化復元部が、前記平均化圧縮センシングステップで圧縮された信号を前記平均化ランダム復元行列を用いて復元を行ない、復元結果の出力と復元結果を前記制御部に通知する平均化ステップと、
を有することを特徴とする信号処理方法。
【請求項9】
前記平均化ステップは、
自己相関計算処理を行う自己相関処理ステップと、
平均計算処理を行う平均処理ステップと
を有することを特徴とする請求項7または8に記載の信号処理方法。
【請求項10】
前記信号処理システムは、FFT絶対値計算部をさらに備え、
前記FFT絶対値計算部が、前記AD変換部から出力された信号のFFT変換後の絶対値計算結果の信号を出力するFFT絶対値計算ステップを有し、
前記平均ステップは、前記FFT絶対値計算部から出力された信号を平均化して出力する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の信号処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate


【公開番号】特開2012−165357(P2012−165357A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157871(P2011−157871)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年1月20日 社団法人電子情報通信学会発行の「電子情報通信学会技術研究報告 信学技報 Vol.110 No.398」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年2月28日 社団法人電子情報通信学会発行の「電子情報通信学会 2011年総合大会講演論文集」に発表
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】