説明

信号処理装置および信号処理方法

【課題】例えばBSディジタル放送で放送されるディジタル放送番組をケーブルネットワークで容易に配信サービスすることを可能とする。
【解決手段】ディジタル放送信号Sbsには、複数のトランスポートストリーム信号TS1〜TSNが含まれている。BSフロントエンド部200で、放送信号Sbsよりストリーム信号TS1〜TSNを個々に抽出する。ケーブル再変調部300-1〜300-Nで、これらストリーム信号TS1〜TSNの個々に対し、変調や周波数変換の処理をし、ケーブル伝送路13の第1〜第Nの物理チャネルに対応するディジタル放送信号Sb1〜SbNを生成する。これらのディジタル放送信号Sb1〜SbNを加算して伝送路13に送出する。なお、ケーブル再変調部300-1〜300-Nでは、NITをケーブルネットワークに適合したものに置き換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばBSディジタル放送で放送されるディジタル放送番組をケーブルネットワークで配信サービスする際に使用して好適な信号処理装置および方法、並びにコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。詳しくは、衛星系のディジタル放送信号より複数のトランスポートストリーム信号を個々に抽出して変調し、その後に互いに異なる周波数の信号に変換してケーブルネットワーク上のディジタル放送信号を得ることによって、例えばBSディジタル放送で放送されるディジタル放送番組をケーブルネットワークで容易に配信サービスすることを可能とする信号処理装置等に係るものである。
【背景技術】
【0002】
BS(Broadcasting Satellite )ディジタル放送は、伝送帯域が34.5MHzの衛星中継器(トランスポンダ)を利用して伝送レートが約58Mbpsの情報量を伝送し、1中継器で取り扱うディジタル放送信号に、複数のトランスポートストリーム信号(TS信号)を含ませることができる規格となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
BSディジタル放送で放送されるディジタル放送番組をケーブルネットワークで配信サービスすることが考えられる。しかし、国内のケーブル伝送規格は、上述したBSディジタル放送の伝送フォーマットに対応しておらず、伝送レートに関しても約32Mbpsの情報量を伝送するものであるため、単純な変調変換によりケーブル施設に再送出することはできなかった。
【0004】
そこで、この発明では、例えばBSディジタル放送で放送されるディジタル放送番組をケーブルネットワークで容易に配信サービスすることを可能とする信号処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る信号処理装置は、複数のトランスポートストリーム信号からなる衛星系のディジタル放送信号をケーブルネットワーク上のディジタル放送信号に変換する信号処理装置であって、衛星系のディジタル放送信号より複数のトランスポートストリーム信号を個々に抽出して出力する受信処理手段と、この受信処理手段より出力される複数のトランスポートストリーム信号を個々に変調する変調手段と、この変調手段で変調された複数のトランスポートストリーム信号を互いに異なる周波数の信号に変換してケーブルネットワーク上のディジタル放送信号を得る周波数変換手段とを備えるものである。
【0006】
また、この発明に係る信号処理方法は、複数のトランスポートストリーム信号からなる衛星系のディジタル放送信号をケーブルネットワーク上のディジタル放送信号に変換する信号処理方法であって、衛星系のディジタル放送信号より複数のトランスポートストリーム信号を個々に抽出して出力する受信処理ステップと、この受信処理ステップで出力される複数のトランスポートストリーム信号を個々に変調する変調ステップと、この変調ステップで変調された複数のトランスポートストリーム信号を互いに異なる周波数の信号に変換してケーブルネットワーク上のディジタル放送信号を得る周波数変換ステップとを有するものである。
【0007】
また、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な媒体は、上述の信号処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したものである。
【0008】
この発明において、衛星系のディジタル放送信号には、複数のトランスポートストリーム信号が含まれている。この衛星系のディジタル放送信号より、複数のトランスポートストリーム信号が個々に抽出される。そして、複数のトランポートストリーム信号が個々に変調され、その後に互いに異なる周波数の信号に変換してケーブルネットワーク上のディジタル放送信号が生成される。この場合、複数のトランスポートストリーム信号は、それぞれケーブル伝送路の一物理チャネルに割り振られることとなる。例えば、衛星系のディジタル放送信号に3つのトランスポートストリーム信号が含まれており、全てのトランスポートストリーム信号をケーブル伝送路に送出する場合には、ケーブル伝送路の3物理チャネルが使用される。このようにすることで、例えばBSディジタル放送で放送されるディジタル放送番組をケーブルネットワークで容易に配信サービスできるようになる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、衛星系のディジタル放送信号より複数のトランスポートストリーム信号を個々に抽出して変調し、その後に互いに異なる周波数の信号に変換してケーブルネットワーク上のディジタル放送信号を得るものである。したがって、例えばBSディジタル放送で放送されるディジタル放送番組をケーブルネットワークで容易に配信サービスすることを可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としてのBSディジタル放送を利用したディジタルCATV(cable television)システム10を示している。
【0011】
このシステム10は、放送衛星20の衛星中継器からのBSディジタル放送信号を受信するアンテナ11と、この受信されたBSディジタル放送信号を処理して複数チャネルのディジタル放送信号を生成してケーブル伝送路13に送出する送出システム12とを有して構成されている。なお、ケーブル伝送路13には、受信端末であるセット・トップ・ボックス(宅内受信装置)14-1〜14-mが接続され、これらセット・トップ・ボックス14 -1〜14-mで選択されたチャネル番号の画像がモニタ15-1〜15-mに表示される。
【0012】
以下、(a)トランスポートストリームの構成、(b)BSディジタル放送信号の基本構成、(c)送出システムの構成、(d)受信システム(セット・トップ・ボックス)の構成、の順に説明する。
【0013】
(a)トランスポートストリームの構成
BSディジタル放送におけるトランスポートストリームの構成について説明する。このトランスポートストリームの基本形態は、MPEG2(Moving PictureExperts Group 2)システムに従っている。図2は、MPEG2トランスポートパケットのパケット構成を示しており、188バイトのうち先頭の4バイトはパケットヘッダを構成している。先頭の1バイトは同期バイトであり、固定値(47H)(「H」は16進表記であることを示している)となっている。さらに、パケットヘッダには、該当パケットの個別ストリーム(データ列)の属性を示すPID(Packet Identification:パケット識別子)が配されている。MPEG2トランスポートパケットのペイロード(データ部)には、周知のように、図3にパケット構成を示すPES(Packetized Elementary Stream)パケットが再分割されて配されると共に、さらにMPEG2システムの中で規定されているPSI(Program Specific Information:番組仕様情報)としてのPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、NIT(Network Information Table)等のテーブル類もセクション形式によって配されている。
【0014】
ここで、PSIは、簡便な選局操作およびプログラム選択を実現するために必要な情報である。PATは各プログラム番号(16ビット)毎に、そのプログラムを構成するパケットの情報を伝送するPMTのPIDを示すものであり、図4はPATのテーブル構造を示している。PAT自体のPIDとしては、固定的に“0×0000”(「0×」は16進表記であることを示している)が割り当てられている。
【0015】
主な内容について説明する。テーブルIDは、テーブルの種類を示すものであって、PATでは“0×00”である。TS(トランスポートストリーム)IDは、ストリーム(多重化された符号化データ)を識別するものであって、例えば衛星の場合はトランスポンダに相当する。バージョン番号は、テーブルの内容が更新される都度加算される。カレント・ネクスト・インジケータは、新旧バージョンを同時に伝送する際の識別に用いられる。プログラム番号は、個々のチャネルを識別するものである。ネットワークPIDは、プログラム番号が“0×0000”の場合に選択され、NITのPID(=“0×0010”)を示すものである。プログラム・マップPIDは、PMTのPIDを示すものである。
【0016】
また、PMTは、各プログラム番号毎に、そのプログラムを構成する映像、音声、付加データ等のストリームが伝送されるパケットのPIDを示すものである。PMT自体のPIDは、上述したようにPATで指定される。図5は、PMTのテーブル構造を示している。主な内容について説明する。テーブルIDは、テーブルの種類を示すものであって、PMTでは“0×02”である。PCR PIDは復号する際の基準となるクロック(PCR:Program Clock Reference)が含まれるパケットのPIDを示すものである。ストリーム・タイプは、映像、音声、付加データ等のストリームで伝送される信号の種類を示すものである。
【0017】
また、NITは、伝送路に関する物理的な情報、すなわち伝送信号の仕様、伝送周波数情報等を示すものである。NIT自体のPIDは、上述したようにPATで指定される。図6は、NITのテーブル構造の一例を示している。NITはプライベートな規定であるため、BSディジタル放送と現行のCSディジタル放送とでは、異なる内容となることも考えられる。主な内容について説明する。テーブルIDは、テーブルの種類を示すものであって、CSディジタル放送の場合には、当該ネットワークが“0×40”、他のネットワークが“0×41”となっている。ネットワークIDは、ネットワークを識別するものである。衛星の場合は個々の衛星に相当する。
【0018】
さらに、NITの一部として重要な役割を果たすサテライト・デリバリー・システム・ディスクリプタを説明する。このディスクリプタは、TSディスクリプタ長に従って繰り返されるディスクリプタの1番目として使用するものであって、TSIDと一対になっている。
【0019】
図7は、サテライト・デリバリー・システム・ディスクリプタの構造の一例を示している。ディスクリプタ・タグは、DVBで規定されており、ディスクリプタの種類を示すものである。このディスクリプタでは、“0×43”となる。周波数は、トランスポンダの伝送周波数を示すものである。軌道/西経・東経フラグ/偏波は、衛星の軌道、偏波を示すものである。変調/シンボル・レート/内側誤り訂正符号化率は、伝送方式に関する仕様を示すものである。
【0020】
(b)BSディジタル放送信号の基本構成
BSディジタル放送では、1中継器で取り扱うディジタル放送信号で複数のトランスポートストリーム信号を伝送すると共に、放送事業者による複数変調方式の運用切り替えを可能とするため、MPEGシステムの制御項目以外の伝送系の情報に係る制御を行う必要がある。このため、各トランスポートストリーム間の関係や伝送モード(変調方式)を明確化するための情報として、伝送多重制御(TMCC:Transmission & Multiplexing Configuration Control)信号を多重する構成をとる。
【0021】
図8は、BSディジタル放送信号の伝送路符号化部における信号処理手順を示している。また、図9は、フレーム信号処理の構成を示している。
【0022】
まず、複数のMPEG2トランスポートストリーム信号TS1〜TSNを同期化してパケット毎に整列し直した合成パケット列(図9A)を構成する各パケット(MPEG2トランスポートパケット)に対し、リードソロモン(204,188)による誤り訂正符号を、外符号として付加する(図9B)。
【0023】
次に、MPEG2トランスポートパケット(188バイト)に、誤り訂正符号(16バイト)を加えた204バイト周期(スロット周期)をトランスポートストリームおよび変調方式の選択単位とし、48スロットからなるフレームを構成する(図9C)。このフレームが、伝送符号化の基本伝送単位となる。そして、8フレームでスーパーフレームを構成する(図9D)。
【0024】
次に、各スロットの先頭バイトを除くスーパーフレーム内の203×48×8バイトの信号(主信号)について、伝送スクランブル処理として、エネルギー拡散およびインターリーブの処理をする。エネルギー拡散の処理は、スーパーフレーム周期で発生する例えば15次M系列の疑似ランダム信号を加算することで行う。この場合、「0」または「1」の長く連続する部分が少なくなるように、上述の15次M系列の初期値が設定されることとなる。インターリーブの処理は、主信号について、8×203バイトのブロックインターリーブとし、スーパーフレーム方向で同一のスロット番号のスロット毎に行う(インターリーブの深さは8)。
【0025】
また、信号TS1〜TSNにそれぞれ対応したTMCC情報1〜TMCC情報Nに基づいて、多重すべきTMCC信号を生成する。このTMCC信号は、フレーム構成内の各スロット毎に、トランスポートストリームおよび変調方式の情報等を持っている。受信側では、このTMCC信号に従って、各トランスポートストリーム信号TS1〜TSNの抽出および復調が可能となる。
【0026】
TMCC信号は、1スーパーフレーム分が384ビット(48バイト)の固定長の信号である。図10は、TMCC信号の情報構成を示している。この情報構成について、簡単に説明する。変更指示は、TMCC信号に内容に変更が生じる度に1ずつ加算される信号であり、その値が「11111」の次は「00000」に戻る。伝送モード/スロット情報は、変調方式と内符号との組み合わせを示す項目である。相対TS/スロット情報は、スロット1から順に各スロットで伝送されるトランスポートストリーム(TS)を相対TS番号を用いて示すための項目である。1中継器分の信号内では最大8TSを伝送可能とするため、相対TS番号は3ビットである。相対TS/TS番号表は、相対TS/スロット情報の項目で使用される相対TS番号を、MPEG2システムのTS IDに変換するための対応表を示すための項目である。送受信制御情報は、緊急警報放送における受信機起動制御のための信号や、アップリンク局切り替え等のための制御信号を伝送する。さらに、拡張情報は、将来のTMCC信号拡張のために使用するフィールドである。
【0027】
上述したTMCC信号に対して、リードソロモン(64,48)による誤り訂正符号を付加して伝送符号化を行う。MPEG2トランスポートパケットの同期符号は既知(=47H)であることを利用し、伝送スクランブル処理後におけるフレームの各スロットの先頭バイトを、フレーム同期信号と上述の伝送符号化されたTMCC信号に置き換える。
【0028】
TMCC信号の伝送方式としては最も低いC/Nで受信できるように、後述するようにBPSK変調で伝送する。この場合、フレームあたり12バイトの伝送が可能であるが、8バイト分(128シンボル)のTMCC信号に加えて、前後にそれぞれ2バイト(32シンボル)の同期信号(ユニークワードにより構成を配置する。なお、1スーパーフレーム分の伝送符号化された64ビットのTMCC符号に対しても、例えば15次のM系列の疑似ランダム信号を加算することによりエネルギー拡散の処理を行っている。
【0029】
上述したようにフレームの各スロットの先頭バイトをフレーム同期信号と伝送符号化されたTMCC信号に置き換えた後に、内符号としての誤り訂正符号を付加する。この場合、主信号に対しては、8PSK変調を行うときはトレリス符号化を用い、QPSK/BPSK変調を行うときは畳み込み符号化を用いる。フレーム同期信号やTMCC信号はBPSK変調を行うため、これらフレーム同期信号やTMCC信号に対しては畳み込み符号化を用いる。
【0030】
内符号が付加された後の各フレームの信号に対して、変調処理をする。この場合、図11に示すように、フレーム同期信号とTMCC信号の部分を最初にBPSK変調し、その後に各スロットの203シンボルの主信号を8PSK変調、QPSK変調またはBPSK変調をして、変調信号を得る。この場合、低C/Nで安定な受信を可能とするため、203シンボルの主信号毎に4シンボルのBPSK信号を位相基準バースト信号として付加する。
【0031】
上述したように得られる変調信号は、アップコンバートされて放送衛星20に送出され、そして衛星中継器で増幅された後にBSディジタル放送信号として地上に向けて送信される。
【0032】
(c)送出システムの構成
図12は、図1のディジタルCATVシステム10における送出システム12の構成を示している。
【0033】
国内のケーブル伝送規格は、基本的にDVB(Digital Video Broadcasting)方式に準拠しており、伝送帯域幅6MHzの制限から、伝送レートが約32Mbps程度となっている。そのため、DVBに規定のないBSディジタル放送の伝送フォーマット(複数トランポートストリーム信号やTMCC信号等)の信号を変調変換してケーブル伝送路13に送出しても、これを受信することができない。また、伝送レートの点からも約58MbpsとなるBSディジタル放送信号の一中継器分の情報をケーブル伝送路上の1チャネルで伝送することは不可能である。
【0034】
そのため、図12に示す送出システム12では、受信したBSディジタル放送信号Sbsより複数のトランスポートストリーム信号TS1〜TSNを個々に抽出して変調し、その後に互いに異なる周波数の信号に変換してケーブルネットワーク上のディジタル放送信号Sb1〜SbNを得るようにしている。
【0035】
送出システム12は、コンピュータを備えており、システム全体の動作を制御する制御部100と、アンテナ11(図1に図示)で受信されたBSディジタル放送信号Sbsより複数のトランスポートストリーム信号TS1〜TSNを個々に抽出するBSフロントエンド部200と、複数のトランスポートストリーム信号TS1〜TSNに対して個々に変調および周波数変換等の処理をしてケーブルネットワーク上のディジタル放送信号Sb1〜SbNを得るケーブル再変調部300-1〜300-Nと、これらディジタル放送信号Sb1〜SbNを加算してケーブル伝送路13に送出する加算器400とを有して構成される。制御部100には、ユーザによる設定等のための操作部101と、送出システムの状態等を表示する表示部102が接続されている。
【0036】
この図12に示す送出システム12において、受信されたBSディジタル放送信号SbsがBSフロントエンド部200に入力されると、このBSフロントエンド部200はBSディジタル放送信号Sbsに含まれる複数のトランスポートストリーム信号TS1〜TSNを個々に抽出して出力する。この複数のトランスポートストリーム信号TS1〜TSNは、それぞれケーブル再変調部300-1〜300-Nに供給される。ケーブル再変調部300-1〜300-Nは、それぞれトランスポートストリーム信号TS1〜TSNよりケーブルネットワーク上の第1〜第Nの物理チャネルのディジタル放送信号Sb1〜SbNを生成する。そして、これらのディジタル放送信号Sb1〜SbNは加算器400で加算されてケーブル伝送路13に送出される。
【0037】
BSフロントエンド部200の詳細を説明する。このBSフロントエンド部200は、BSディジタル放送信号Sbsをダウンコンバートして上述した変調信号を得るチューナ201と、この変調信号を復調して各フレームの信号(内符号誤り訂正符号化されている)得る復調器202と、この各フレームの信号に対して内符号による誤り訂正を行う内符号誤り訂正回路203とを有している。
【0038】
また、BSフロントエンド部200は、内符号誤り訂正回路203より出力されるTMCC信号の伝送スクランブル、すなわちエネルギー拡散を元に戻す伝送デスクランブル回路204と、この伝送デスクランブル回路204より出力される1スーパーフレーム分毎のTMCC信号に対して、リードソロモン(64,48)符号による誤り訂正処理をするTMCC誤り訂正回路205と、このTMCC誤り訂正回路205で誤り訂正されたTMCC信号よりTMCC情報1〜Nを取得するTMCC情報取得回路206とを有している。
【0039】
また、BSフロントエンド部200は、内符号誤り訂正回路203より出力される各フレームの信号の伝送スクランブル、すなわちエネルギー拡散やインターリーブを元に戻す伝送デスクランブル回路207と、この伝送デスクランブル回路207より順次出力されるフレームの信号の各スロットの信号に対し、リードソロモン(204,188)符号による誤り訂正処理をすると共に、TMCC情報取得回路206で取得されたTMCC情報1〜Nに基づいてトランスポートストリーム信号TS1〜TSNを個々に抽出して出力するリードソロモン誤り訂正回路208とを有している。なお、TMCC情報取得回路206で取得されたTMCC情報1〜Nに基づいて、復調器202における復調動作も制御される。
【0040】
以上のように構成されているBSフロントエンド部200において、BSディジタル放送信号Sbsがチューナ201に供給されると、復調器202、内符号誤り訂正回路203、伝送デスクランブル回路207、リードソロモン誤り訂正回路208等により、BSディジタル放送信号Sbsに対して上述した送信側における伝送路符号化部における信号処理手順とはほぼ逆の手順による処理が行われる。そして、リードソロモン誤り訂正回路208より、BSディジタル放送信号Sbsに含まれるN個のトランスポートストリーム信号TS1〜TSNが抽出され、個々に出力される。
【0041】
次に、ケーブル再変調部300-1の詳細を説明する。このケーブル再変調部300-1は、BSフロントエンド部200より出力されるトランスポートストリーム信号TS1よりNIT(ネットワーク・インフォメーション・テーブル)を検出するNIT検出回路301と、このNIT検出回路301で検出されたテーブルNITaを記憶するメモリ302と、このメモリ302に記憶されたテーブルNITaを制御部100でケーブルネットワークに適合するように変更して得たテーブルNITbを記憶するメモリ303とを有している。
【0042】
NIT検出回路301では、固定のPIDに基づいてNITの検出が行われる。上述したように放送衛星20に係るディジタル放送データにおけるNITのテーブル構造は図6に示すようになっているため、NIT検出回路301で検出されるテーブルNITaのテーブル構造も同様である。メモリ302,303の書き込み、読み出しは、制御部100によりインタフェース304を介して制御される。
【0043】
制御部100では、テーブルNITbを得るに当たって、テーブルNITaにおける伝送周波数情報等を持つサテライト・デリバリー・システム・ディスクリプタ(図7参照)が、例えば図13にその構造の一例を示すCATV・デリバリー・システム・ディスクリプタに変更される。このCATV・デリバリー・システム・ディスクリプタの全長は、サテライト・デリバリー・システム・ディスクリプタと同一であるため、単純に置き換えるだけでよい。
【0044】
主な内容を説明する。ディスクリプタ・タグは、DVBで規定されており、ディスクリプタの種別を示すものである。周波数は、CATVにおけるストリーム毎の伝送周波数を示すものである。FEC(外符号)は、外符号としての誤り訂正符号を示すものである。変調/シンボル・レート/FEC(内符号)は、伝送方式に関する仕様を示すものである。
【0045】
また、ケーブル再変調部300-1は、トランスポートストリーム信号TS1よりNITを検出し、そのNITをメモリ303に記憶されているテーブルNITbに置き換えるNIT置換回路305を有している。このNIT置換回路305でも、固定のPIDに基づいてNITの検出が行われる。
【0046】
また、ケーブル再変調部300-1は、NITが置換されたトランスポートストリーム信号TS1を構成する各188バイトのMEG2トランスポートパケット(MPEG2TSパケット)の先頭バイトの部分に同期バイト(=47H)を再挿入する同期バイト再挿入回路306と、同期バイトが再挿入された各パケットに対して8パケットに1回の割合で同期バイトを反転(=B8H)させる同期反転回路307と、同期反転回路307より出力される各パケットに対してリードソロモン(204,188)による誤り訂正符号を付加するリードソロモン符号付加回路308とを有している。同期反転回路307により上述したように同期バイトを反転させることでフレーム同期を得る構成となり、DVBシステムとの整合がとられる。
【0047】
図14Bは、DVBシステムにおけるディジタル放送データのフレーム構成を示しており、8個のMPEG2トランスポートパケット(図14A参照)で1フレームが構成されている。この場合、パケット内の同期バイト(=47H)を用い、8パケットに1回の割合で同期バイトを反転(=B8H)させてフレーム同期を得る構成となっている。なお、各MPEG2トランスポートパケット(MPEG2TSパケット)には、上述したようにリードソロモン(204,188)による誤り訂正符号が付加される。
【0048】
また、ケーブル再変調部300-1は、DVB同期反転回路308より出力されるDVBのフレーム構成の信号に対し、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の変調処理を行う64QAM変調器309と、この64QAM変調器309より出力される変調信号の周波数を変換してケーブルネットワーク上の第1の物理チャネルのディジタル放送信号Sb1を得る周波数変換器310とを有している。
【0049】
以上のように構成されているケーブル再変調部300-1において、トランスポートストリーム信号TS1が供給されると、NIT置換回路305で、トランスポートストリーム信号TS1内のNITがケーブルネットワークに適合したNITに置換される。そして、同期バイト再挿入回路306でNITが置換されたトランスポートストリーム信号に対して各パケットの先頭バイトに同期バイト(=47H)が挿入され、DVB同期反転回路307で8パケットに1回の割合で同期バイトが反転されて、DVBフレーム構成の信号が形成され、さらにリードソロモン符号付加回路308で各パケットにリードソロモン(204,188)符号が付加される。そして、このDVBフレーム構成の信号に対して64QAM変調回路309で64QAM変調が行われ、さらにその変調信号が周波数変換器310で周波数変換されて、ケーブル伝送路13における第1の物理チャネルのディジタル放送信号Sb1が生成され、ケーブル再変調部300-1よりそのディジタル放送信号Sb1が出力される。
【0050】
なお、ケーブル再変調部300-2〜300-Nは、それぞれ上述したケーブル再変調部300-1におけるNIT置換回路305、同期バイト再挿入回路306、DVB同期反転回路307、リードソロモン符号化回路308、64QAM変調回路309および周波数変換器310を備えた構成とされている。そして、ケーブル再変調部300-2〜300-NのNIT置換回路305では、それぞれケーブル再変調部300-1のメモリ303に記憶されているテーブルNITbが使用されてNITの置き換えが行われる。さらに、ケーブル再変調部300-2〜300-Nの周波数変換器310では、それぞれケーブル伝送路13における第2〜第Nの物理チャネルのディジタル放送信号Sb2〜SbNが生成されるように周波数変換される。
【0051】
(d)受信システムの構成
図15は、図1のディジタルCATVシステム10のセット・トップ・ボックス14-1〜14-mとして使用される受信システム50の構成例を示している。この受信システム50は、ディジタルケーブル受信機60とディジタルBS受信機80とから構成されている。
【0052】
ケーブル受信機60の構成を説明する。このケーブル受信機60は、ケーブル伝送路13に接続される端子61と、マイクロコンピュータを備え、受信機全体の動作を制御するためのコントローラ62と、ケーブル伝送路13から端子61に供給されるディジタル放送信号CDBSより所定のRFチャネルのディジタル放送信号を選択し、その選択されたディジタル放送信号に対応したトランスポートストリーム信号TSを得るフロントエンド部65とを有している。
【0053】
そして、フロントエンド部65は、さらに、ディジタル放送信号CDBSより所定のRFチャネルのディジタル放送信号を選択し、そのディジタル放送信号に対応したディジタル変調データを得るチューナ66と、このディジタル変調データに対して復調処理をする復調器67と、この復調器67の出力データに対して誤り訂正処理をしてトランスポートストリーム信号TSを得る誤り訂正回路68とからなっている。
【0054】
コントローラ62には、視聴者の選局等の操作を受け付けるためのキー入力部63と、装置の動作状態等を表示するための液晶表示素子等で構成される表示部104とが接続されている。チューナ66における選局動作は、視聴者のキー入力部63の操作に基づき、コントローラ62によって制御される。
【0055】
また、ケーブル受信機60は、フロントエンド部65より出力されるトランスポート信号TSより、ユーザのキー入力部63の操作によって指定されたチャネルのビデオデータやオーディオデータのパケットを分離し、それらのパケットからなるビデオデータ・ストリームやオーディオデータ・ストリームを出力すると共に、そのチャネルの付加データのパケットを分離し、そのパケットからなる付加データ・ストリームを出力するデマルチプレクサ69とを有している。
【0056】
デマルチプレクサ69では、コントローラ62の制御に基づいて、上述した番組仕様情報(PSI)としてのNIT,PAT,PMTの取得も行われる。そして、取得されたそれらの情報はデマルチプレクサ69よりコントローラ62に供給される。ただし、後述するように、フロントエンド部65より出力されるトランスポートストリーム信号TSに対するバックエンド部の処理はディジタルBS受信機80で行われるため、実際にはNITのみが選局する際に使用される。なお、ケーブル受信機60のデマルチプレクサ69の後段には、図示せずもビデオ処理部やオーディオ処理部等が配されるが、これらの部分は使用されないのでその説明は省略する。
【0057】
また、ケーブル受信機60は、フロントエンド部65より出力されるトランスポートストリーム信号TSを出力するための端子70を有している。この端子70は、ディジタルBS受信機80のトランスポートストリーム信号TSを入力するための端子に接続される。これにより、出力されるトランスポートストリーム信号TSに対するバックエンド部の処理はディジタルBS受信機80で行われることとなる。これにより、HDデコーダやBS独自のEPG(Electronic Program Guide)データ処理部をケーブル受信機60に持つ必要がなくなる。
【0058】
BS受信機80の構成を説明する。このBS受信機80は、マイクロコンピュータを備え、受信機全体の動作を制御するためのコントローラ81と、チューナ84、復調器85および誤り訂正回路86からなり、受信されたBSディジタル放送信号に含まれる複数のトランスポートストリーム信号のうち、いずれかのトランスポートストリーム信号を選択的に出力するフロントエンド部87と、上述したようにケーブル受信機60の端子70に出力されるトランスポートストリーム信号TSを入力する端子88とを有している。ここでは、フロントエンド部87は使用されず、端子88に入力されるトランスポートストリーム信号TSに対して、バックエンド処理が行われる。
【0059】
また、BS受信機80は、端子88より入力されるトランスポートストリーム信号TSに含まれるビデオデータやオーディオデータのパケットに対してスクランブルの解除処理をするデスクランブラ89と、スクランブラ89より出力されるトランスポートストリーム信号TSより、ユーザのキー入力部82の操作によって指定されたチャネルのビデオデータやオーディオデータのパケットを分離し、それらのパケットからなるビデオデータ・ストリームVDSやオーディオデータ・ストリームADSを出力すると共に、そのチャネルの付加データのパケットを分離し、そのパケットからなる付加データ・ストリームSDSを出力するデマルチプレクサ90とを有している。
【0060】
デマルチプレクサ90では、コントローラ81の制御に基づいて、上述した番組仕様情報(PSI)としてのNIT,PAT,PMTの取得も行われる。取得されたそれらの情報はコントローラ81に供給される。なお、NITは、上述したようにケーブル受信機60側で使用され、BS受信機80側では不要な情報となる。
【0061】
また、BS受信機80は、ビデオデータ・ストリームVDSに対してデータ伸長処理等をしてビデオ信号SVを得るビデオ処理部91と、そのビデオ信号SVを出力するビデオ出力端子92と、ビデオ処理部91とビデオ出力端子92との間に挿入され、番組案内情報等の文字表示信号SCHを合成する合成器93と、オーディオデータ・ストリームADSに対してデータ伸長処理等をしてオーディオ信号SAを得るオーディオ処理部94と、そのオーディオ信号SAを出力するオーディオ出力端子95とを有している。
【0062】
また、BS受信機80は、ICカード96が接続されるICカード・インタフェース部97を有している。ICカード・インタフェース部97は、コントローラ81に接続されている。ICカード96は、スクランブルの鍵情報を記憶していると共に、コントローラ81よりICカード・インタフェース部97を介して送られてくる限定受信情報に基づき視聴の可/不可を判断し、可の場合にはスクランブルの鍵情報をICカード・インタフェース部97を介してコントローラ81に送る機能を持っている。
【0063】
また、BS受信機80は、画面上に文字表示をするための文字表示信号SCHを発生するためのOSD(On Screen Display)回路98を有している。このOSD回路98はコントローラ81に接続され、その文字表示信号の発生動作はコントローラ81によって制御される。
【0064】
次に、図15に示す受信システム50の動作を簡単に説明する。ケーブル伝送路13より、ケーブル受信機60のフロントエンド部65に、端子61を通じてディジタル放送信号CDBSが供給される。フロントエンド部65では、ディジタル放送信号CDBSより所定のRFチャネルのディジタル放送信号が選択され、その選択されたディジタル放送信号に対応したトランスポートストリーム信号TSが出力される。このトランスポートストリーム信号TSは端子70より出力される。
【0065】
また、このトランポートストリーム信号TSは、BS受信機80の端子88に供給される。そして、このトランスポートストリーム信号TSは、端子88よりデスクランブラ89を介してデマルチプレクサ89に供給され、そのトランスポートストリーム信号TSに含まれる所定のプログラムのビデオデータやオーディオデータ、さらにはその付加データが分離される。ここで、トランポートストリーム信号TSには、通常1プログラムのデータが配されている。
【0066】
ここで、コントローラ81は、付加データ・ストリームSDSより抽出される限定受信情報をICカード・インタフェース部97を介してICカード96に供給する。ICカード96では、その限定受信情報に基づき視聴の可/不可が判断される。そして、可の場合には、ICカード96より、スクランブルの鍵情報がICカード・インタフェース部97を介してコントローラ81に送られる。この鍵情報は、コントローラ81により、デスクランブラ89にセットされる。これにより、デスクランブラ89では、スクランブルされているビデオデータやオーディオデータのパケットのスクランブルが解除され、従ってデマルチプレクサ90より得られるビデオデータ・ストリームVDSやオーディオデータ・ストリームADSは、スクランブルが解除されたデータに係るものとなる。
【0067】
デマルチプレクサ90より出力されるビデオデータ・ストリームVDSに対してビデオ処理部91でデータ伸長等の処理が行われてビデオ信号SVが生成され、このビデオ信号SVが合成器93を介して出力端子92に導出される。また、デマルチプレクサ90より出力されるオーディオデータ・ストリームADSに対してオーディオ処理部94でデータ伸長等の処理が行われてオーディオ信号SAが生成され、このオーディオ信号SAが出力端子95に導出される。
【0068】
図15に示す受信システム50では、バックエンド処理をBS受信機80をそのまま利用して行うものであり、セット・トップ・ボックスのコストを下げることができると共に、視聴者は、BS受信機80によりBSディジタル放送信号を直接受信する場合と同一のサービスを受けることができる。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態においては、図12に示すように、BSディジタル放送信号Sbsより複数のトランスポートストリーム信号TS1〜TSNを個々に抽出して変調し、その後に互いに異なる周波数の信号に変換してケーブルネットワーク上のディジタル放送信号Sb1〜SbNを得るものであり、したがって、BSディジタル放送で放送されるディジタル放送番組をケーブルネットワークで容易に配信サービスすることができる。
【0070】
なお、上述実施の形態において、ケーブルネットワークでは、BSディジタル放送信号Sbsに含まれる複数のトランスポートストリーム信号TS1〜TSNに施されているスクランブル情報をそのまま使用するものであるが、ケーブルネットワークでは独自のスクランブルを利用するようにしてもよい。その場合、図12に示す送出システム12においては、各ケーブル再変調部300-1〜300-Nの前段に、それぞれトランスポートストリーム信号TS1〜TSNに施されているスクランブルを解除するデスクランブラと、その後にスクランブルが解除されたトランスポートストリーム信号TS1〜TSNに独自のスクランブルを施すためのスクランブラとが配されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施の形態としてのディジタルCATVシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】MPEG2トランスポートパケットのパケット構造を示す図である。
【図3】PESパケットのパケット構造を示す図である。
【図4】プログラム・アソシエーション・テーブル(PAT)のテーブル構造を示す図である。
【図5】プログラム・マップ・テーブル(PMT)のテーブル構造を示す図である。
【図6】ネットワーク・インフォメーション・テーブル(NIT)のテーブル構造を示す図である。
【図7】NITにおけるサテライト・デリバリー・システム・ディスクリプタの構造を示す図である。
【図8】BSディジタル放送信号の伝送路符号化部における信号処理手順を説明するための図である。
【図9】フレーム信号処理の構成を示す図である。
【図10】TMCC信号の情報構成を示す図である。
【図11】変調処理を説明するための図である。
【図12】送出システムの構成を示すである。
【図13】CATV・デリバリー・システム・ディスクリプタの構造を示す図である。
【図14】MPEG2トランスポートパケットとDVBシステムのフレーム構成を示す図である。
【図15】受信システムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0072】
10・・・ディジタルCATVシステム、11・・・アンテナ、12・・・送出システム、13・・・ケーブル伝送路、14-1〜14-m・・・セット・トップ・ボックス、15-1〜15-m・・・モニタ、20・・・放送衛星、100・・・制御部、200・・・BSフロントエンド部、201・・・チューナ、203・・・復調器、204,207・・・伝送スクランブル回路、205・・・TMCC誤り訂正回路、206・・・TMCC情報取得回路、208・・・リードソロモン誤り訂正回路、300-1〜300-N・・・ケーブル再変調部、301・・・NIT検出回路、302,303・・・メモリ、304・・・インタフェース、305・・・NIT置換回路、306・・・同期バイト再挿入回路、307・・・DVB同期反転回路、308・・・リードソロモン符号付加回路、309・・・64QAM変調器、310・・・周波数変換器、400・・・加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトランスポートストリーム信号からなる衛星系のディジタル放送信号をケーブルネットワーク上のディジタル放送信号に変換する信号処理装置であって、
上記衛星系のディジタル放送信号より上記複数のトランスポートストリーム信号を個々に抽出して出力する受信処理手段と、
上記受信処理手段より出力される上記複数のトランスポートストリーム信号を個々に変調する変調手段と、
上記変調手段で変調された上記複数のトランスポートストリーム信号を互いに異なる周波数の信号に変換して上記ケーブルネットワーク上のディジタル放送信号を得る周波数変換手段と
を備えることを特徴とする信号処理装置。
【請求項2】
上記受信処理手段より出力される上記複数のトランスポートストリーム信号にそれぞれ含まれる、伝送路に関する物理的な情報を持つネットワーク・インフォメーション・テーブルを、上記ケーブルネットワークに適合したネットワーク・インフォメーション・テーブルに置き換えるテーブル置換手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
上記テーブル置換手段は、
上記複数のトランスポートストリーム信号のうち少なくとも1つのトランスポートストリーム信号より、上記ネットワーク・インフォメーション・テーブルを検出するテーブル検出部と、
上記テーブル検出部で検出される上記ネットワーク・インフォメーション・テーブルを、上記ケーブルネットワークに適合するように変更するテーブル変更部と、
上記複数のトランスポートストリーム信号にそれぞれ含まれる上記ネットワーク・インフォメーション・テーブルを、上記テーブル変更手段で変更して得られたネットワーク・インフォメーション・テーブルに置き換えるテーブル置き換え部とからなる
ことを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
上記受信処理手段より出力される上記トランスポートストリーム信号に施されているスクランブルを変更するスクランブル変更手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項5】
上記スクランブル変更手段は、
上記受信処理手段より出力される上記トランスポートストリーム信号に施されている上記スクランブルを解除するデスクランブラと、
上記デスクランブラで上記スクランブルが解除された上記トランスポートストリーム信号に上記スクランブルとは異なる他のスクランブルを施すスクランブラとからなる
ことを特徴とする請求項4に記載の信号処理装置。
【請求項6】
複数のトランスポートストリーム信号からなる衛星系のディジタル放送信号をケーブルネットワーク上のディジタル放送信号に変換する信号処理方法であって、
上記衛星系のディジタル放送信号より上記複数のトランスポートストリーム信号を個々に抽出して出力する受信処理ステップと、
上記受信処理ステップで出力される上記複数のトランスポートストリーム信号を個々に変調する変調ステップと、
上記変調ステップで変調された上記複数のトランスポートストリーム信号を互いに異なる周波数の信号に変換して上記ケーブルネットワーク上のディジタル放送信号を得る周波数変換ステップと
を有することを特徴とする信号処理方法。
【請求項7】
上記受信処理ステップで出力される上記複数のトランスポートストリーム信号にそれぞれ含まれる、伝送路に関する物理的な情報を持つネットワーク・インフォメーション・テーブルを、上記ケーブルネットワークに適合したネットワーク・インフォメーション・テーブルに置き換えるテーブル置換ステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項6に記載の信号処理方法。
【請求項8】
上記テーブル置換ステップは、
上記複数のトランスポートストリーム信号のうち少なくとも1つのトランスポートストリーム信号より、上記ネットワーク・インフォメーション・テーブルを検出する第1のステップと、
上記第1のステップで検出される上記ネットワーク・インフォメーション・テーブルを、上記ケーブルネットワークに適合するように変更する第2のステップと、
上記複数のトランスポートストリーム信号にそれぞれ含まれる上記ネットワーク・インフォメーション・テーブルを、上記第2のステップで変更して得られたネットワーク・インフォメーション・テーブルに置き換える第3のステップとからなる
ことを特徴とする請求項7に記載の信号処理方法。
【請求項9】
上記受信処理ステップで出力される上記トランスポートストリーム信号に施されているスクランブルを変更するスクランブル変更ステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項6に記載の信号処理方法。
【請求項10】
上記スクランブル変更ステップは、
上記受信処理ステップで出力される上記トランスポートストリーム信号に施されている上記スクランブルを解除する第1のステップと、
上記第1のステップで上記スクランブルが解除された上記トランスポートストリーム信号に上記スクランブルとは異なる他のスクランブルを施す第2のステップとからなる
ことを特徴とする請求項9に記載の信号処理方法。
【請求項11】
複数のトランスポートストリーム信号からなる衛星系のディジタル放送信号をケーブルネットワーク上のディジタル放送信号に変換する信号処理方法であって、上記衛星系のディジタル放送信号より上記複数のトランスポートストリーム信号を個々に抽出して出力する受信処理ステップと、この受信処理ステップで出力される上記複数のトランスポートストリーム信号を個々に変調する変調ステップと、この変調ステップで変調された上記複数のトランスポートストリーム信号を互いに異なる周波数の信号に変換して上記ケーブルネットワーク上のディジタル放送信号を得る周波数変換ステップとを有する信号処理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−193738(P2008−193738A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110687(P2008−110687)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【分割の表示】特願平11−133088の分割
【原出願日】平成11年5月13日(1999.5.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】