説明

信号線駆動回路及び液晶表示装置

【課題】小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路を提供する。
【解決手段】第1信号線61又は第4信号線64に対応した正極性の階調電圧を発生する第1DA変換器41と、第4信号線64又は第1信号線61に対応した負極性の階調電圧を発生する第2DA変換器42と、第5信号線65又は第2信号線62に対応した正極性の階調電圧を発生する第3DA変換器43と、第2信号線62又は第5信号線65に対応した負極性の階調電圧を発生する第4DA変換器44と、第3信号線63又は第6信号線66に対応した正極性の階調電圧を発生する第5DA変換器45と、第6信号線66又は第3信号線63に対応した負極性の階調電圧を発生する第6DA変換器46と、その切り替え制御をする第1〜第3入力切替回路31〜33及び第1〜第3出力切替回路51〜53を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその信号線を駆動する回路に関し、特に、画素電極に対してコモン一定駆動法による駆動を行う液晶表示装置用の信号線駆動回路等に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置の代表的なものとして、薄膜トランジスタ(TFT)型の液晶表示装置がある。このような液晶表示装置を構成する各画素では、対向電極と画素電極で挟まれた空間に液晶が充填されており、TFTを介して、対向電極を基準に、画素電極に階調電圧が印加される。階調電圧は、フレーム周期で、各画素電極に印加されるが、液晶分子の劣化を防止するために、階調電圧が交流の形態で液晶に印加される必要がある。液晶に交流電圧を印加する方法として、いわゆるコモン一定駆動法とコモン反転駆動法とがある。
【0003】
コモン一定駆動法は、対向電極の電圧を一定レベルに固定したまま画素電極に対して対向電極電圧を基準に正極性を有する電圧と負極性を有する電圧とを交互に印加する。一方、コモン反転駆動法は、対向電極の電圧を高レベルと低レベルとの間で反転させながら、画素電極に対して対向電極電圧を基準に正極性を有する電圧と負極性を有する電圧を交互に印加する。コモン反転駆動法は、大容量の対向電極を交流駆動するために消費電力が多く、表示品質の点でも劣るという欠点がある。一方、コモン一定駆動法は、消費電力が少なく表示品質に優れている。このことから、特に大画面の液晶表示装置では、コモン一定駆動法が適していると言われている。
【0004】
ところが、コモン一定駆動法では、画素電極に対して、一定電圧が印加された対向電極電圧を基準に正極性及び負極性の各々で所望の階調電圧を印加する必要があるために、画素値を示すデジタルデータから、表示階調の2倍の数の階調電圧(アナログ電圧)を発生するDA変換器が必要とされる。そのために、このようなDA変換器は、表示階調の数だけの階調電圧を発生する通常のDA変換器に比べ、回路規模が増大する。なお、DA変換器は、画素の列ごとに設けられるので、1個のDA変換器の回路規模の増大は、液晶表示装置全体の回路規模を著しく増大させてしまう。
【0005】
そこで、従来、このようなコモン一定駆動法を採用する液晶表示装置において、DA変換器の回路規模を縮小化する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、画素の列ごとに設けられたDA変換器において、隣接する2つのDA変換器の対のそれぞれについて、一方を正極性専用のDA変換器とし、他方を負極性専用のDA変換器として、役割を固定化する。第1動作では、正極性専用のDA変換器が第1の画素列に対応した第1信号線に正極性の電圧を発生するとともに、負極性専用のDA変換器が第2の画素列に対応した第2信号線に負極性の電圧を発生し、一方、第2動作では、正極性専用のDA変換器が第2信号線に正極性の電圧を発生するとともに、負極性専用のDA変換器が第1信号線に負極性の電圧を発生する。そして、これら第1動作と第2動作とが、フレーム周期で、交互に切り替わるように、切替回路が設けられている。これにより、各DA変換器は、正極性専用、又は、負極性専用のDA変換器として機能すれば済むので、表示階調の2倍の数の階調電圧を発生するDA変換器に比べ、小さな回路規模で実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−26765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、隣接する2つのDA変換器を入れ替えながら使用する方式であるために、DA変換器及び切替回路等の特性のばらつきに依存して、隣接する2つの信号線ごとに輝度むらが生じ得るという問題がある。例えば、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の画素が配列されたカラーの液晶表示装置では、R画素用の第1信号線とG画素用の第2信号線とが1対のDA変換器を共有し、B画素用の第3信号線とR画素用の第4信号線とが1対のDA変換器を共有し、G画素用の第5信号線とB画素用の第6信号線とが1対のDA変換器を共有するというように、異なる色の画素に対応する信号線が1対のDA変換器を共有する構成となる。そのために、液晶表示装置において、縦縞の輝度むらが生じたり、階調度の精度が落ちたりするという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に開示された技術では、隣接する2つの信号線が1対のDA変換器を共有する方式であるために、隣接する2つの信号線間における配線が立体的に交差する箇所が多く発生し、配線間で生じるクロストークの影響を受け易いという問題もある。そのために、信号線に流す信号の周波数の上限が低くなってしまい、大画面化が妨げられてしまう。
【0009】
そこで、本発明は、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置を提供する、又は、小さな回路規模で、かつ、大画面の液晶表示装置にも適用できる信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る信号線駆動回路の一態様は、2次元状に配置された液晶の画素群と、前記画素群の各列に対応して設けられたn本の信号線とを備え、前記信号線を介して、各画素が有する画素電極に対して、各画素に共通の対向電極を基準に正極性及び負極性の電圧を印加する液晶表示装置に用いられる信号線駆動回路であって、前記n本の信号線のそれぞれに対応して設けられたn個のDA変換器と、前記n個のDA変換器の動作を切り替える切り替え回路とを備え、前記n個のDA変換器のうちの第i(iは、1以上、かつ、n以下の奇数)番目のDA変換器は、第i番目の信号線又は第k(kは、2以上、かつ、n以下、かつ、iから3以上離れた偶数)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第j(jは、2以上、かつ、n以下の偶数)番目のDA変換器は、第j番目の信号線又は第m(mは、1以上、かつ、n以下、かつ、jから3以上離れた奇数)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記切り替え回路は、(1)前記第i番目のDA変換器が第i番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第j番目のDA変換器が第j番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記第i番目のDA変換器が前記第k番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第j番目のDA変換器が前記第m番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す。
【0011】
これにより、DA変換器が正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器の2種類に分類されるので、1種類のDA変換器で表示階調の2倍の数の階調電圧を発生する方式に比べ、小さな回路規模で信号線駆動回路が実現される。さらに、従来のように隣接する2種類のDA変換器を入れ替えながら使用するのではなく、3列分以上離れた2種類のDA変換器を入れ替えながら使用する方式であるために、例えば、3列分離れた同一色の画素用の2種類のDA変換器を入れ替えながら使用することができる。よって、従来のようにDA変換器等の特性のばらつきに依存して隣接する2つの信号線ごとに輝度むらが生じるという問題が回避され、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路が実現される。
【0012】
その具体的な一態様は、前記n本の信号線のうち、隣接して配置された6本の信号線を第1〜第6信号線としたときに、前記n個のDA変換器は、第1信号線又は第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第1DA変換器と、第4信号線又は第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2DA変換器と、第5信号線又は第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第3DA変換器と、第2信号線又は第5信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第4DA変換器と、第3信号線又は第6信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第5DA変換器と、第6信号線又は第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第6DA変換器とを含み、前記切り替え回路は、(1)前記第1DA変換器が前記第1信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第4信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第5信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第2信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第5DA変換器が前記第3信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第6DA変換器が前記第6信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記第1DA変換器が前記第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第5信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第5DA変換器が前記第6信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第6DA変換器が前記第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す。
【0013】
ここで、前記信号線のうち、隣接して配置された4本の信号線を第1〜第4信号線としたときに、前記n個のDA変換器は、第1信号線、第4信号線、第3信号線又は第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第1DA変換器と、第2信号線、第1信号線、第4信号線又は第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2DA変換器と、第3信号線、第2信号線、第1信号線又は第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第3DA変換器と、第4信号線、第3信号線、第2信号線又は第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第4DA変換器とを含み、前記切り替え回路は、(1)前記第1DA変換器が前記第1信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第2信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第3信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第4信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記第1DA変換器が前記第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作と、(3)前記第1DA変換器が前記第3信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第4信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第1信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第2信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第3動作と、(4)前記第1DA変換器が前記第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第4動作のうち、少なくとも2つの動作が順に行われるように切り替えることを繰り返してもよい。
【0014】
このとき、前記切り替え回路は、前記第1動作と前記第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返してもよいし、前記切り替え回路は、前記第1動作、前記第2動作、前記第3動作及び前記第4動作が順に行われるように切り替えることを繰り返してもよい。これにより、例えば、一つの信号線に4個のDA変換器からの出力電圧が順に印加されるので、一つの信号線に2個のDA変換器からの出力電圧が交互に印加される従来よりも、よりDA変換器等の特性ばらつきへの依存性が緩和され、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路が実現される。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る信号線駆動回路の一態様は、2次元状に配置された液晶の画素群と、前記画素群の各列に対応して設けられたn本の信号線とを備え、前記信号線を介して、各画素が有する画素電極に対して、各画素に共通の対向電極を基準に正極性及び負極性の電圧を印加する液晶表示装置に用いられる信号線駆動回路であって、前記n本の信号線のそれぞれに対応して設けられたn個のDA変換器と、前記n個のDA変換器の動作を切り替える切り替え回路とを備え、前記n個のDA変換器のうちの奇数番目のDA変換器は、対応する信号線又は対応する信号線よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの偶数番目のDA変換器は、対応する信号線又は対応する信号線よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記切り替え回路は、(1)前記奇数番目のDA変換器が対応する信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記偶数番目のDA変換器が対応する信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記奇数番目のDA変換器が対応する信号線よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記偶数番目のDA変換器が対応する信号線よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す。
【0016】
これにより、DA変換器が正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器の2種類に分類されるので、1種類のDA変換器で表示階調の2倍の数の階調電圧を発生する方式に比べ、小さな回路規模で信号線駆動回路が実現される。さらに、従来のように2種類のDA変換器を入れ替えながら使用するのではなく、当該信号線に対応するDA変換器とそこから同一の隣接方向に所定の本数の信号線分だけ離れたDA変換器の2種類のDA変換器とを交互に使用する方式であるために、DA変換器の切り替えのための配線をクロスして配置することが回避される。よって、従来のように隣接する2つのDA変換器を入れ替えて使用することが回避され、そのために、隣接する2つの信号線間における配線が立体的に交差することがなくなり、配線間で生じるクロストークの影響が回避される。つまり、小さな回路規模で、かつ、大画面の液晶表示装置にも適用できる信号線駆動回路が実現される。
【0017】
その具体的な一態様は、前記n個のDA変換器のうちの第1番目のDA変換器は、第1番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第i(iは、3以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれは、第i番目の信号線又は第(i−1)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第j(jは、2以上、かつ、n以下の全て偶数)番目のDA変換器のそれぞれは、第j番目の信号線又は第(j−1)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記切り替え回路は、(1)前記n個のDA変換器のうちの第k(kは、1以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれが第k番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第j番目のDA変換器のそれぞれが第j番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記n個のDA変換器のうちの第i番目のDA変換器のそれぞれが第(i−1)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第j番目のDA変換器のそれぞれが第(j−1)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す。
【0018】
ここで、前記n個のDA変換器のうちの第1番目のDA変換器は、第1番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第2番目のDA変換器は、第2番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第3番目のDA変換器は、第3番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第j(jは、4以上、かつ、n以下の全て偶数)番目のDA変換器のそれぞれは、第j番目の信号線又は第(j−3)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第i(iは、5以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれは、第i番目の信号線又は第(i−3)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記切り替え回路は、(1)前記n個のDA変換器のうちの第k(kは、1以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれが第k番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第m(mは、2以上、かつ、n以下の全ての偶数)番目のDA変換器のそれぞれが第m番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記n個のDA変換器のうちの第i番目のDA変換器のそれぞれが第(i−3)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第j番目のDA変換器のそれぞれが第(j−3)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返してもよい。
【0019】
これにより、配線間で生じるクロストークの影響が回避されるだけでなく、ある信号線に対応するDA変換器とそこから同一の隣接方向に3本の信号線分だけ離れたDA変換器の2種類のDA変換器とを交互に使用する方式であるために、同一色の画素用の信号線に対応するDA変換器を入れ替えて使用されることとなり、従来のようにDA変換器等の特性のばらつきに依存して隣接する2つの信号線ごとに輝度むらが生じるという問題が回避される。よって、小さな回路規模で、かつ、大画面の液晶表示装置にも適用でき、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路が実現される。
【0020】
なお、本発明は、上記のような信号線駆動回路として実現できるだけでなく、上記信号線駆動回路と、前記信号線駆動回路から信号線を介して供給される階調電圧に応じて輝度を変化させる画素を有する液晶パネルとを備える液晶表示装置として実現することもできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置が提供されたり、小さな回路規模で、かつ、大画面の液晶表示装置にも適用できる信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置が提供されたりする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態における液晶表示装置の構成を示すブロック図
【図2】図1に示された液晶パネルの断面図
【図3】図1に示された信号線駆動回路の詳細な構成を示すブロック図
【図4】図1に示された階調電圧発生回路の詳細を示す図
【図5A】本発明の実施の形態1における信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第1動作の状態)
【図5B】同信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第2動作の状態)
【図6】同信号線駆動回路の動作の遷移を示す状態遷移図
【図7A】本発明の実施の形態2における信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第1動作の状態)
【図7B】同信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第2動作の状態)
【図7C】同信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第3動作の状態)
【図7D】同信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第4動作の状態)
【図8】同信号線駆動回路の動作の遷移を示す状態遷移図
【図9A】本発明の実施の形態2の変形例における信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第1動作の状態)
【図9B】同信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第2動作の状態)
【図10A】本発明の実施の形態3における信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第1動作の状態)
【図10B】同信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第2動作の状態)
【図11A】本発明の実施の形態4における信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第1動作の状態)
【図11B】同信号線駆動回路の構成を示すブロック図(第2動作の状態)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置について、図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態における液晶表示装置100の構成を示すブロック図である。
【0025】
液晶表示装置100は、画素電極に対してコモン一定駆動法による駆動を行うカラーの液晶表示装置であり、画像信号処理回路101、階調電圧発生回路102、本発明に係る信号線駆動回路103、ゲート線駆動回路104、液晶パネル105及び制御部106を備える。
【0026】
画像信号処理回路101は、制御部106による制御の下で、外部から入力される映像信号に基づいて、液晶パネル105が有する各画素の表示の階調(輝度)を示すデジタルデータ(画素データ)を信号線駆動回路103に出力する。
【0027】
液晶パネル105は、2次元状に配置された液晶の画素を有するカラーの表示パネルである。
【0028】
階調電圧発生回路102は、制御部106による制御の下で、信号線駆動回路103に、正極性用DA変換器のための多階調(例えば、64階調)の各階調に対応する電圧と負極性用DA変換器のための多階調(例えば、64階調)の各階調に対応する電圧とを供給する。
【0029】
信号線駆動回路103は、階調電圧発生回路102から正極性用DA変換器のための各階調電圧と負極性用DA変換器のための各階調電圧の供給を受け、制御部106による制御の下で、画像信号処理回路101から入力された画像データに応じて、液晶パネル105の列ごとに設けられた信号線60に、画素の表示の階調(輝度)に対応した電圧(階調電圧)を出力するドライバである。
【0030】
ゲート線駆動回路104は、制御部106による制御の下で、液晶パネル105の行ごとに設けられたゲート線70に対して、行ごとに走査する(選択する)ための電圧(制御電圧)を出力するドライバである。
【0031】
制御部106は、外部から入力される映像信号に含まれる水平同期信号及び垂直同期信号等に基づいて、画像信号処理回路101、階調電圧発生回路102、信号線駆動回路103及びゲート線駆動回路104に対して、それらを制御するためのタイミング信号等を出力する回路であり、制御プログラムを格納した不揮発性メモリ及びその制御プログラムを実行するCPU等を有している。
【0032】
図2は、図1に示された液晶パネル105の断面図である。ここでは、液晶パネル105が有する画素のうち、信号線60とゲート線70との各交差点付近に設けられた一つの画素の断面が示されている。この液晶パネル105は、第1偏向板110、ガラス基板111、ゲート絶縁膜112、画素電極113、液晶114、対向電極115、カラーフィルタ116、ガラス基板117及び第2偏向板118が積層された構造を有する。また、この液晶パネル105は、画素ごとに、TFT120を有する。
【0033】
TFT120は、ゲート電極121、ゲート絶縁膜112、半導体層124、ドレイン電極122及びソース電極123から構成される。ドレイン電極122は、対応する信号線60に接続され、ここには、信号線駆動回路103から出力された階調電圧が信号線60を介して印加される。ゲート電極121は、対応するゲート線70に接続され、ここには、ゲート線駆動回路104から出力された電圧(制御電圧)が印加される。ソース電極123は、画素電極113に接続され、TFT120の出力端子として機能する。
【0034】
第1偏向板110と第2偏向板118とは、光を偏向する機能を有し、偏向方向が同一、又は、垂直となるように配置されている。
【0035】
画素電極113は、信号線60とゲート線70との交点位置付近に配置された、ソース電極123に接続された透明導電膜からなり、ここには、信号線駆動回路103から信号線60に印加された階調電圧に対応する電圧が印加される。
【0036】
液晶114は、透明導電膜からなる対向電極115を基準として画素電極113に印加された電圧に応じて、光の偏向方向を変化させる。これにより、バックライトからの光が第1偏向板110、液晶114及び第2偏向板118を通過する光量が制御され、階調電圧に応じて、画素の輝度が制御される。
【0037】
カラーフィルタ116は、R、G、Bのいずれかの色(本図では、G)だけを透過させるフィルタである。なお、隣接する画素のカラーフィルタ116の間には、ブラックマトリクス125が設けられている。
【0038】
図3は、図1に示された信号線駆動回路103の詳細な構成を示すブロック図である。ここでは、複数の信号線60に対応する構成が概略的に示されている。つまり、本図における各ブロックは複数の回路要素の集合を意味する。
【0039】
この信号線駆動回路103は、コモン一定駆動法を採用する液晶表示装置100(つまり、2次元状に配置された液晶の画素群(液晶パネル105)と、画素群の各列に対応して設けられたn本の信号線60とを備え、信号線60を介して、各画素が有する画素電極113に対して、各画素に共通の対向電極115を基準に正極性及び負極性の電圧を印加する液晶表示装置100)に用いられる信号線駆動回路である。そして、この信号線駆動回路103は、画像信号処理回路101から送られてくる1行分の画像データ(シリアルデータ)を受けとるシフトレジスタ10と、シフトレジスタ10から各列に対応する画像データ(例えば、列ごとに6ビットの画像データ)を取り出して保持するデータラッチ20と、n本の信号線60のそれぞれに対応して設けられたn個のDA変換器(DA変換器40)と、n個のDA変換器の動作を切り替える切替回路(入力切替回路30及び出力切替回路50で構成される回路)とを備える。
【0040】
なお、出力切替回路50の入力側又は出力側に、信号線60の夫々に対応した出力アンプが設けられていてもよい。
【0041】
ここで、輝度むらの抑制を目的とした信号線駆動回路103の第1の形態として、DA変換器40では、階調電圧発生回路102から供給される階調電圧の下で、n(≧6)個のDA変換器のうちの第i(iは、1以上、かつ、n以下の奇数)番目のDA変換器は、第i番目の信号線60又は第k(kは、2以上、かつ、n以下、かつ、iから3以上離れた偶数)番目の信号線60に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第j(jは、2以上、かつ、n以下の偶数)番目のDA変換器は、第j番目の信号線60又は第m(mは、1以上、かつ、n以下、かつ、jから3以上離れた奇数)番目の信号線60に対応した負極性の階調電圧を発生する。つまり、このDA変換器40は、機能的には、正極性専用のDA変換器(第i番目のDA変換器)と負極性専用のDA変換器(第j番目のDA変換器)とから構成される。
【0042】
このとき、切替回路(入力切替回路30及び出力切替回路50)は、制御部106からの切替信号に基づいて、(1)第i番目のDA変換器が第i番目の信号線60に対応した正極性の階調電圧を発生し、第j番目のDA変換器が第j番目の信号線60に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)第i番目のDA変換器が第k番目の信号線60に対応した正極性の階調電圧を発生し、第j番目のDA変換器が第m番目の信号線60に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す。
【0043】
これにより、本実施の形態の信号線駆動回路103では、DA変換器40が正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器の2種類に分類されるので、1種類のDA変換器で表示階調の2倍の数の階調電圧を発生する方式に比べ、小さな回路規模で信号線駆動回路が実現される。さらに、本実施の形態の信号線駆動回路103では、従来のように隣接する2種類のDA変換器を入れ替えながら使用するのではなく、3列分以上離れた2種類のDA変換器を入れ替えながら使用する方式であるために、例えば、3列分離れた同一色の画素用の2種類のDA変換器を入れ替えながら使用することができる。より具体的には、R画素用の第1信号線に対応した正極性専用のDA変換器とR画素用の第4信号線に対応した負極性専用のDA変換器とを入れ替えながら使用することができる。G画素用及びB画素用の信号線についても同様である。
【0044】
よって、従来のようにDA変換器等の特性のばらつきに依存して隣接する2つの信号線ごとに輝度むらが生じるという問題が回避され、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置が実現される。
【0045】
なお、DA変換器40及び切替回路(入力切替回路30及び出力切替回路50)の構成としては、このような構成に限られず、次のような構成であってもよい。
【0046】
つまり、液晶表示装置の大画面化を目的とした信号線駆動回路103の第2の形態として、DA変換器40では、階調電圧発生回路102から供給される階調電圧の下で、n個のDA変換器のうちの奇数番目のDA変換器は、対応する信号線60又は対応する信号線60よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線60に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの偶数番目のDA変換器は、対応する信号線60又は対応する信号線60よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線60に対応した負極性の階調電圧を発生してもよい。
【0047】
このとき、切替回路(入力切替回路30及び出力切替回路50)は、制御部106からの切替信号に基づいて、(1)奇数番目のDA変換器が対応する信号線60に対応した正極性の階調電圧を発生し、偶数番目のDA変換器が対応する信号線60に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)奇数番目のDA変換器が対応する信号線60よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線60に対応した正極性の階調電圧を発生し、偶数番目のDA変換器が対応する信号線60よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線60に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す。
【0048】
これにより、本実施の形態の信号線駆動回路103では、DA変換器40が正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器の2種類に分類されるので、1種類のDA変換器で表示階調の2倍の数の階調電圧を発生する方式に比べ、小さな回路規模で信号線駆動回路が実現される。さらに、本実施の形態の信号線駆動回路103では、従来のように2種類のDA変換器を入れ替えながら使用するのではなく、当該信号線に対応するDA変換器とそこから同一の隣接方向に所定の信号線分だけ離れたDA変換器の2種類のDA変換器とを交互に使用する方式であるために、DA変換器の切り替えのための配線をクロスして配置することが回避される。たとえば、第1信号線に階調電圧を発生するために、第1信号線に対応した正極性専用のDA変換器と第2信号線に対応した負極性専用のDA変換器とを交互に使用すると同時に、第2信号線に階調電圧を発生するために、第2信号線に対応した負極性専用のDA変換器と第3信号線に対応した正極性専用のDA変換器とを交互に使用する。
【0049】
よって、従来のように隣接する2つのDA変換器を入れ替えて使用することが回避され、そのために、隣接する2つの信号線間における配線が立体的に交差することがなくなり、配線間で生じるクロストークの影響が回避される。つまり、小さな回路規模で、かつ、大画面の液晶表示装置にも適用できる信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置が実現される。
【0050】
図4は、図1に示された階調電圧発生回路102の詳細を示す図である。ここでは、信号線駆動回路103が備えるDA変換器40(正極性用DA変換器40a及び負極性用DA変換器40b)も併せて図示されている。正極性用DA変換器40aは、上述したDA変換器40のうち、第i番目のDA変換器に相当し、一方、負極性用DA変換器40bは、第j番目のDA変換器に相当する。あるいは、正極性用DA変換器40aは、上述したDA変換器40のうち、奇数(又は、偶数)番目のDA変換器に相当し、一方、負極性用DA変換器40bは、偶数(又は、奇数)番目のDA変換器に相当する。
【0051】
階調電圧発生回路102は、電圧分圧器であり、対向電極115に印加される固定電位の約2倍程度の電圧である電圧Vとグランドとの間に直列に接続された複数個の抵抗から構成され、上記電圧Vと上記固定電位との間を階調数(例えば、64)だけ分割して得られる多階調(例えば、64種類の階調)の電圧のそれぞれを正極性用DA変換器40aに供給し、一方、上記固定電位とグランドとの間を階調数(例えば、64)だけ分割して得られる多階調(例えば、64種類の階調)の電圧のそれぞれを負極性用DA変換器40bに供給している。
【0052】
以上のように構成された本発明に係る信号線駆動回路103の具体的な回路について、実施の形態1〜4として、説明する。
【0053】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1における信号線駆動回路103aを、図5A、図5B、図6を用いて説明する。図5A及び図5Bは、本実施の形態における信号線駆動回路103aの構成を示すブロック図であり、それぞれ、第1動作及び第2動作を示す図である。図6は、本実施の形態における信号線駆動回路103aの動作の遷移を示す状態遷移図である。
【0054】
本実施の形態における信号線駆動回路103aは、上述した、輝度むらの抑制を目的とした第1の形態に係る信号線駆動回路103の1つ目の一具体例である。
【0055】
つまり、図5A及び図5Bに示されるように、図3におけるn本の信号線60のうち、隣接して配置された6本の信号線を第1信号線61、第2信号線62、第3信号線63、第4信号線64、第5信号線65、第6信号線66としたときに、図3におけるシフトレジスタ10の具体例として、第1信号線61〜第6信号線66のそれぞれに対応して第1シフトレジスタ11〜第6シフトレジスタ16が設けられ、図3におけるデータラッチ20の具体例として、第1信号線61〜第6信号線66のそれぞれに対応して第1データラッチ21〜第6データラッチ26が設けられている。
【0056】
また、図3におけるDA変換器40(n個のDA変換器)の具体例として、第1信号線61又は第4信号線64に対応した正極性の階調電圧を発生する第1DA変換器41と、第4信号線64又は第1信号線61に対応した負極性の階調電圧を発生する第2DA変換器42と、第5信号線65又は第2信号線62に対応した正極性の階調電圧を発生する第3DA変換器43と、第2信号線62又は第5信号線65に対応した負極性の階調電圧を発生する第4DA変換器44と、第3信号線63又は第6信号線66に対応した正極性の階調電圧を発生する第5DA変換器45と、第6信号線66又は第3信号線63に対応した負極性の階調電圧を発生する第6DA変換器46とが設けられている。
【0057】
また、図3における入力切替回路30の具体例として、第1DA変換器41及び第2DA変換器42に対応して第1入力切替回路31が設けられ、第3DA変換器43及び第4DA変換器44に対応して第2入力切替回路32が設けられ、第5DA変換器45及び第6DA変換器46に対応して第3入力切替回路33が設けられている。
【0058】
また、図3における出力切替回路50の具体例として、第1DA変換器41及び第2DA変換器42に対応して第1出力切替回路51が設けられ、第3DA変換器43及び第4DA変換器44に対応して第2出力切替回路52が設けられ、第5DA変換器45及び第6DA変換器46に対応して第3出力切替回路53が設けられている。
【0059】
ここで、切替回路(第1入力切替回路31〜第3入力切替回路33及び第1出力切替回路51〜第3出力切替回路53)は、(1)第1DA変換器41が第1信号線61に対応した正極性の階調電圧を発生し、第2DA変換器42が第4信号線64に対応した負極性の階調電圧を発生し、第3DA変換器43が第5信号線65に対応した正極性の階調電圧を発生し、第4DA変換器44が第2信号線62に対応した負極性の階調電圧を発生し、第5DA変換器45が第3信号線63に対応した正極性の階調電圧を発生し、第6DA変換器46が第6信号線66に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作(図5A参照)と、(2)第1DA変換器41が第4信号線64に対応した正極性の階調電圧を発生し、第2DA変換器42が第1信号線61に対応した負極性の階調電圧を発生し、第3DA変換器43が第2信号線62に対応した正極性の階調電圧を発生し、第4DA変換器44が第5信号線65に対応した負極性の階調電圧を発生し、第5DA変換器45が第6信号線66に対応した正極性の階調電圧を発生し、第6DA変換器46が第3信号線63に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作(図5B参照)とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す(図6参照)。
【0060】
具体的には、制御部106からの切替信号が第1動作を示す場合には、図5Aに示されるように、切替回路(第1入力切替回路31〜第3入力切替回路33及び第1出力切替回路51〜第3出力切替回路53)は、次の切り替え状態を維持する。
【0061】
つまり、第1入力切替回路31は、第1データラッチ21からのデータが第1DA変換器41に入力され、かつ、第4データラッチ24からのデータが第2DA変換器42に入力されるように切替制御をし、第2入力切替回路32は、第5データラッチ25からのデータが第3DA変換器43に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第4DA変換器44に入力されるように切替制御をし、第3入力切替回路33は、第3データラッチ23からのデータが第5DA変換器45に入力され、かつ、第6データラッチ26からのデータが第6DA変換器46に入力されるように切替制御をする。同時に、第1出力切替回路51は、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧が第1信号線61に出力され、かつ、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧が第4信号線64に出力されるように切替制御をし、第2出力切替回路52は、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧が第5信号線65に出力され、かつ、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧が第2信号線62に出力されるように切替制御をし、第3出力切替回路53は、第5DA変換器45からの正極性の階調電圧が第3信号線63に出力され、かつ、第6DA変換器46からの負極性の階調電圧が第6信号線66に出力されるように切替制御をする。
【0062】
一方、制御部106からの切替信号が第2動作を示す場合には、図5Bに示されるように、第1入力切替回路31は、第1データラッチ21からのデータが第2DA変換器42に入力され、かつ、第4データラッチ24からのデータが第1DA変換器41に入力されるように切替制御をし、第2入力切替回路32は、第5データラッチ25からのデータが第4DA変換器44に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第3DA変換器43に入力されるように切替制御をし、第3入力切替回路33は、第3データラッチ23からのデータが第6DA変換器46に入力され、かつ、第6データラッチ26からのデータが第5DA変換器45に入力されるように切替制御をする。同時に、第1出力切替回路51は、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧が第4信号線64に出力され、かつ、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧が第1信号線61に出力されるように切替制御をし、第2出力切替回路52は、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧が第2信号線62に出力され、かつ、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧が第5信号線65に出力されるように切替制御をし、第3出力切替回路53は、第5DA変換器45からの正極性の階調電圧が第6信号線66に出力され、かつ、第6DA変換器46からの負極性の階調電圧が第3信号線63に出力されるように切替制御をする。
【0063】
このような切替回路(第1入力切替回路31〜第3入力切替回路33及び第1出力切替回路51〜第3出力切替回路53)による切替制御により、図6に示されるように、第1動作と第2動作とが交互に行われることが繰り返される。
【0064】
以上のように、本実施の形態の信号線駆動回路103aでは、DA変換器が正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器の2種類に分類されるので、1種類のDA変換器で表示階調の2倍の数の階調電圧を発生する方式に比べ、小さな回路規模で信号線駆動回路が実現される。さらに、本実施の形態の信号線駆動回路103aでは、従来のように隣接する2種類のDA変換器を入れ替えながら使用するのではなく、3列分離れた2種類のDA変換器が入れ替えながら使用される。たとえば、R画素用の第1信号線61に対応した正極性専用の第1DA変換器41とR画素用の第4信号線64に対応した負極性専用の第2DA変換器42とを入れ替えながら使用したり、G画素用の第2信号線62に対応した負極性専用の第4DA変換器44とG画素用の第5信号線65に対応した正極性専用の第3DA変換器43とを入れ替えながら使用したり、B画素用の第3信号線63に対応した正極性専用の第3DA変換器45とB画素用の第6信号線66に対応した負極性専用の第6DA変換器46とを入れ替えながら使用したりする。
【0065】
よって、従来のようにDA変換器等の特性のばらつきに依存して隣接する2つの信号線ごとに輝度むらが生じるという問題が回避され、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置が実現される。
【0066】
なお、本実施の形態では、n本の信号線のうち、隣接する6本の信号線について、DA変換器と信号線との対応関係を切り替える処理が行われたが、このような6本の信号線に対応する回路(図5A、図5B)は、n本の信号線の全部(あるいは、6の倍数の信号線)に対して適用されていてもよいし、n本の信号線のうちの一部に対してだけ適用されてもよい。本実施の形態における信号線駆動回路103aが適用された6本の信号線に対応する画素については、少なくとも、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくいとう効果が奏される。
【0067】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2における信号線駆動回路103bを、図7A〜図7D、図8を用いて説明する。図7A〜図7Dは、本実施の形態における信号線駆動回路103bの構成を示すブロック図であり、それぞれ、第1動作、第2動作、第3動作及び第4動作を示す図である。図8は、本実施の形態における信号線駆動回路103bの動作の遷移を示す状態遷移図である。
【0068】
本実施の形態における信号線駆動回路103bは、上述した、輝度むらの抑制を目的とした第1の形態に係る信号線駆動回路103の2つ目の一具体例である。
【0069】
つまり、図7A〜図7Dに示されるように、図3におけるn本の信号線60のうち、隣接して配置された4本の信号線を第1信号線61、第2信号線62、第3信号線63、第4信号線64としたときに、図3におけるシフトレジスタ10の具体例として、第1信号線61〜第4信号線64のそれぞれに対応して第1シフトレジスタ11〜第4シフトレジスタ14が設けられ、図3におけるデータラッチ20の具体例として、第1信号線61〜第4信号線64のそれぞれに対応して第1データラッチ21〜第4データラッチ24が設けられている。
【0070】
また、図3におけるDA変換器40(n個のDA変換器)の具体例として、第1信号線61、第4信号線64、第3信号線63又は第2信号線62に対応した正極性の階調電圧を発生する第1DA変換器41と、第2信号線62、第1信号線61、第4信号線64又は第3信号線63に対応した負極性の階調電圧を発生する第2DA変換器42と、第3信号線63、第2信号線62、第1信号線61又は第4信号線64に対応した正極性の階調電圧を発生する第3DA変換器43と、第4信号線64、第3信号線63、第2信号線62又は第1信号線61に対応した負極性の階調電圧を発生する第4DA変換器44とが設けられている。
【0071】
また、図3における入力切替回路30の具体例として、第1DA変換器41〜第4DA変換器44に対応して入力切替回路34が設けられ、図3における出力切替回路50の具体例として、第1DA変換器41〜第4DA変換器44に対応して出力切替回路54が設けられている。
【0072】
ここで、切替回路(入力切替回路34及び出力切替回路54)は、(1)第1DA変換器41が第1信号線61に対応した正極性の階調電圧を発生し、第2DA変換器42が第2信号線62に対応した負極性の階調電圧を発生し、第3DA変換器43が第3信号線63に対応した正極性の階調電圧を発生し、第4DA変換器44が第4信号線64に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と(図7A参照)、(2)第1DA変換器41が第4信号線64に対応した正極性の階調電圧を発生し、第2DA変換器42が第1信号線61に対応した負極性の階調電圧を発生し、第3DA変換器43が第2信号線62に対応した正極性の階調電圧を発生し、第4DA変換器44が第3信号線63に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作と(図7B参照)、(3)第1DA変換器41が第3信号線63に対応した正極性の階調電圧を発生し、第2DA変換器42が第4信号線64に対応した負極性の階調電圧を発生し、第3DA変換器43が第1信号線61に対応した正極性の階調電圧を発生し、第4DA変換器44が第2信号線62に対応した負極性の階調電圧を発生する第3動作と(図7C参照)、(4)第1DA変換器41が第2信号線62に対応した正極性の階調電圧を発生し、第2DA変換器42が第3信号線63に対応した負極性の階調電圧を発生し、第3DA変換器43が第4信号線64に対応した正極性の階調電圧を発生し、第4DA変換器44が第1信号線61に対応した負極性の階調電圧を発生する第4動作が(図7D参照)、この順に行われるように切り替えることを繰り返す。
【0073】
具体的には、制御部106からの切替信号が第1動作を示す場合には、図7Aに示されるように、入力切替回路34は、第1データラッチ21からのデータが第1DA変換器41に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第2DA変換器42に入力され、かつ、第3データラッチ23からのデータが第3DA変換器43に入力され、かつ、第4データラッチ24からのデータが第4DA変換器44に入力されるように切替制御をする。同時に、出力切替回路54は、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧が第1信号線61に出力され、かつ、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧が第2信号線62に出力され、かつ、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧が第3信号線63に出力され、かつ、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧が第4信号線64に出力されるように切替制御をする。
【0074】
また、制御部106からの切替信号が第2動作を示す場合には、図7Bに示されるように、入力切替回路34は、第1データラッチ21からのデータが第2DA変換器42に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第3DA変換器43に入力され、かつ、第3データラッチ23からのデータが第4DA変換器44に入力され、かつ、第4データラッチ24からのデータが第1DA変換器41に入力されるように切替制御をする。同時に、出力切替回路54は、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧が第4信号線64に出力され、かつ、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧が第1信号線61に出力され、かつ、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧が第2信号線62に出力され、かつ、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧が第3信号線63に出力されるように切替制御をする。
【0075】
また、制御部106からの切替信号が第3動作を示す場合には、図7Cに示されるように、入力切替回路34は、第1データラッチ21からのデータが第3DA変換器43に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第4DA変換器44に入力され、かつ、第3データラッチ23からのデータが第1DA変換器41に入力され、かつ、第4データラッチ24からのデータが第2DA変換器42に入力されるように切替制御をする。同時に、出力切替回路54は、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧が第3信号線63に出力され、かつ、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧が第4信号線64に出力され、かつ、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧が第1信号線61に出力され、かつ、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧が第2信号線62に出力されるように切替制御をする。
【0076】
また、制御部106からの切替信号が第4動作を示す場合には、図7Dに示されるように、入力切替回路34は、第1データラッチ21からのデータが第4DA変換器44に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第1DA変換器41に入力され、かつ、第3データラッチ23からのデータが第2DA変換器42に入力され、かつ、第4データラッチ24からのデータが第3DA変換器43に入力されるように切替制御をする。同時に、出力切替回路54は、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧が第2信号線62に出力され、かつ、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧が第3信号線63に出力され、かつ、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧が第4信号線64に出力され、かつ、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧が第1信号線61に出力されるように切替制御をする。
【0077】
このような切替回路(入力切替回路34及び出力切替回路54)による切替制御により、図8に示されるように、第1動作、第2動作、第3動作及び第4動作が順に行われることを繰り返される。
【0078】
以上のように、本実施の形態の信号線駆動回路103bでは、DA変換器が正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器の2種類に分類されるので、1種類のDA変換器で表示階調の2倍の数の階調電圧を発生する方式に比べ、小さな回路規模で信号線駆動回路が実現される。さらに、本実施の形態の信号線駆動回路103bでは、従来のように隣接する2種類のDA変換器を入れ替えながら使用するのではなく、隣接する4個のDA変換器が入れ替えながら使用される。たとえば、R画素用の第1信号線61には、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧と第2DA変換器42からの負極性の階調電圧と第3DA変換器43からの正極性の階調電圧と第4DA変換器44からの負極性の階調電圧とが順に印加され、G画素用の第2信号線62には、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧と第3DA変換器43からの正極性の階調電圧と第4DA変換器44からの負極性の階調電圧と第1DA変換器41からの正極性の階調電圧とが順に印加され、B画素用の第3信号線63には、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧と第4DA変換器44からの負極性の階調電圧と第1DA変換器41からの正極性の階調電圧と第2DA変換器42からの負極性の階調電圧とが順に印加され、R画素用の第4信号線64には、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧と第1DA変換器41からの正極性の階調電圧と第2DA変換器42からの負極性の階調電圧と第3DA変換器43からの正極性の階調電圧とが順に印加される。
【0079】
このように、一つの信号線に4個のDA変換器から出力電圧が順に印加されるので、一つの信号線に2個のDA変換器からの出力電圧が交互に印加される従来よりも、よりDA変換器等の特性ばらつきへの依存性が緩和され、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置が実現される。
【0080】
なお、上記実施の形態では、切替回路(入力切替回路34及び出力切替回路54)によって4つの動作(第1動作、第2動作、第3動作及び第4動作)が順に行われるように切り替えられたが、本発明はこのような切り替えに限られず、4つの動作のうち、少なくとも2つの動作が順に行われるように切り替えてもよい。例えば、切替回路(入力切替回路34及び出力切替回路54)は、図9A及び図9Bに示される信号線駆動回路103cのように、図9Aに示される第1動作と図9Bに示される第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返してもよい。ここで、図9Aは図7Aと同一の接続状態を示し、図9Bは図7Bと同一の接続状態を示す。
【0081】
これにより、DA変換器が正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器の2種類に分類されるので、1種類のDA変換器で表示階調の2倍の数の階調電圧を発生する方式に比べ、小さな回路規模で信号線駆動回路が実現される。さらに、本実施の形態の信号線駆動回路103bでは、従来のように隣接する2種類のDA変換器を入れ替えながら使用するのではなく、隣接する4個のDA変換器を隣接方向にシフト及び回転させるように切り替えて使用している。たとえば、R画素用の第1信号線61には、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧と第2DA変換器42からの負極性の階調電圧とが交互に印加されるが、G画素用の第2信号線62には、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧と第3DA変換器43からの正極性の階調電圧とが交互に印加され、B画素用の第3信号線63には、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧と第4DA変換器44からの負極性の階調電圧とが交互に印加され、R画素用の第4信号線64には、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧と第1DA変換器41からの正極性の階調電圧とが交互に印加される。
【0082】
また、本実施の形態では、隣接する4本の信号線を対象として信号線とDA変換器との関係を切り替えることで4つの動作が順に行われることが繰り返されたが、本発明は、このような形態に限定されず、隣接する4本よりも多いn本の信号線を対象として信号線とDA変換器との関係を切り替えることでn個の動作が順に行われることが繰り返されてもよい。たとえば、隣接する6本の信号線を対象として信号線とDA変換器との関係を、本実施の形態のようにずらしながら切り替えることで、6個の動作が順に行われることが繰り返されてもよい。
【0083】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3における信号線駆動回路103dを、図10A、図10Bを用いて説明する。図10A及び図10Bは、本実施の形態における信号線駆動回路103dの構成を示すブロック図であり、それぞれ、第1動作及び第2動作を示す図である。
【0084】
本実施の形態における信号線駆動回路103dは、上述した、液晶表示装置の大画面化を目的とした第2の形態に係る信号線駆動回路103の1つ目の一具体例である。
【0085】
なお、本実施の形態では、図3におけるn本の信号線60の全てを対象として、DA変換器を切り替える動作が行われるが、説明の便宜上、図10A及び図10Bには、n本の信号線60うちの左端から4本の信号線に相当する箇所だけが図示されている。つまり、図10A及び図10Bに示されるように、図3におけるn本の信号線60のうち、左端から配置された4本の信号線を第1信号線61、第2信号線62、第3信号線63、第4信号線64としたときに、図3におけるシフトレジスタ10の具体例として、第1信号線61〜第4信号線64のそれぞれに対応する第1シフトレジスタ11〜第4シフトレジスタ14だけが図示され、図3におけるデータラッチ20の具体例として、第1信号線61〜第4信号線64のそれぞれに対応する第1データラッチ21〜第4データラッチ24だけが図示され、図3におけるDA変換器40(n個のDA変換器)の具体例として、第1信号線61〜第4信号線64のそれぞれに対応する第1DA変換器41〜第4DA変換器44だけが図示されている。
【0086】
また、図3における入力切替回路30の具体例として、第1DA変換器41〜第nDA変換器に対応する入力切替回路35が設けられ、図3における出力切替回路50の具体例として、第1DA変換器41〜第nDA変換器に対応する出力切替回路55が設けられている。
【0087】
なお、厳密には、本実施の形態では、図10A及び図10Bにおける第nDA変換器の右横に、第n信号線に正極性の階調電圧を印加するための第(n+1)DA変換器が置かれている。そして、その第(n+1)DA変換器は、第2動作において、入力切替回路30及び出力切替回路50によって第n信号線と接続され得る。
【0088】
ここで、n個のDA変換器は、次の機能を果たす。つまり、n個のDA変換器のうちの第1番目のDA変換器(第1DA変換器41)は、第1番目の信号線(第1信号線61)に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第i(iは、3以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれ(第3DA変換器43、・・)は、第i番目の信号線又は第(i−1)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第j(jは、2以上、かつ、n以下の全て偶数)番目のDA変換器のそれぞれ(第2DA変換器42、第4DA変換器44、・・)は、第j番目の信号線又は第(j−1)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する。
【0089】
そして、切替回路(入力切替回路35及び出力切替回路55)は、(1)n個のDA変換器のうちの第k(kは、1以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれ(第1DA変換器41、第3DA変換器43、・・)が第k番目の信号線(第1信号線61、第3信号線63、・・)に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第j番目のDA変換器のそれぞれ(第2DA変換器42、第4DA変換器44、・・)が第j番目の信号線(第2信号線62、第4信号線64、・・)に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作(図10A参照)と、(2)n個のDA変換器のうちの第i番目のDA変換器のそれぞれ(第3DA変換器43、・・)が第(i−1)番目の信号線(第2信号線62、第4信号線64、・・)に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第j番目のDA変換器のそれぞれ(第2DA変換器42、第4DA変換器44、・・)が第(j−1)番目の信号線(第1信号線61、第3信号線63、・・)に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作(図10B参照)とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す。
【0090】
具体的には、制御部106からの切替信号が第1動作を示す場合には、図10Aに示されるように、切替回路(入力切替回路35及び出力切替回路55)は、次の切り替え状態を維持する。
【0091】
つまり、入力切替回路35は、第1データラッチ21からのデータが第1DA変換器41に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第2DA変換器42に入力され、かつ、第3データラッチ23からのデータが第3DA変換器43に入力され、かつ、第4データラッチ24からのデータが第4DA変換器44に入力され、・・、というように切替制御をする。同時に、出力切替回路55は、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧が第1信号線61に出力され、かつ、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧が第2信号線62に出力され、かつ、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧が第3信号線63に出力され、かつ、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧が第4信号線64に出力され、・・、というように切替制御をする。
【0092】
一方、制御部106からの切替信号が第2動作を示す場合には、図10Bに示されるように、入力切替回路35は、第1データラッチ21からのデータが第2DA変換器42に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第3DA変換器43に入力され、かつ、第3データラッチ23からのデータが第4DA変換器44に入力され、・・、というように切替制御をする。同時に、出力切替回路55は、第2DA変換器42からの正極性の階調電圧が第1信号線61に出力され、かつ、第3DA変換器43からの負極性の階調電圧が第2信号線62に出力され、かつ、第4DA変換器44からの正極性の階調電圧が第3信号線63に出力され、・・、というように切替制御をする。
【0093】
このような切替回路(入力切替回路35及び出力切替回路55)による切替制御により、図6に示されるように、第1動作と第2動作とが交互に行われることが繰り返される。
【0094】
これにより、本実施の形態の信号線駆動回路103dでは、DA変換器40が正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器の2種類に分類されるので、1種類のDA変換器で表示階調の2倍の数の階調電圧を発生する方式に比べ、小さな回路規模で信号線駆動回路が実現される。さらに、本実施の形態の信号線駆動回路103dでは、2種類のDA変換器を入れ替えながら使用するのではなく、当該信号線に対応するDA変換器とそこから同一の隣接方向に1本の信号線分だけ離れたDA変換器の2種類のDA変換器とを交互に使用する方式であるために、DA変換器の切り替えのための配線をクロスして配置することが回避される。たとえば、第1信号線61に階調電圧を発生するために、第1信号線61に対応した正極性専用の第1DA変換器41と第2信号線62に対応した負極性専用の第2DA変換器42とを交互に使用すると同時に、第2信号線62に階調電圧を発生するために、第2信号線62に対応した負極性専用の第2DA変換器42と第3信号線63に対応した正極性専用の第3DA変換器43とを交互に使用する。
【0095】
よって、従来のように隣接する2つのDA変換器を入れ替えて使用することが回避され、そのために、隣接する2つの信号線間における配線が立体的に交差することがなくなり、配線間で生じるクロストークの影響が回避される。つまり、小さな回路規模で、かつ、大画面の液晶表示装置にも適用できる信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置が実現される。
【0096】
なお、本実施の形態では、図3におけるn本の信号線60の全てを対象として、DA変換器を切り替える動作が行われたが、図3におけるn本の信号線60の一部だけを対象としてDA変換器を切り替える動作を行ってもよい。少なくとも本実施の形態におけるDA変換器の切り替えを適用した信号線については、隣接する2つの信号線間における配線が立体的に交差することがなくなる。
【0097】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4における信号線駆動回路103eを、図11A、図11Bを用いて説明する。図11A及び図11Bは、本実施の形態における信号線駆動回路103eの構成を示すブロック図であり、それぞれ、第1動作及び第2動作を示す図である。
【0098】
本実施の形態における信号線駆動回路103eは、上述した、液晶表示装置の大画面化を目的とした第2の形態に係る信号線駆動回路103の2つ目の一具体例である。
【0099】
なお、本実施の形態では、図3におけるn本の信号線60の全てを対象として、DA変換器を切り替える動作が行われるが、説明の便宜上、図11A及び図11Bには、n本の信号線60うちの左端から4本の信号線に相当する箇所だけが図示されている。つまり、図11A及び図11Bに示されるように、図3におけるn本の信号線60のうち、左端から配置された4本の信号線を第1信号線61、第2信号線62、第3信号線63、第4信号線64としたときに、図3におけるシフトレジスタ10の具体例として、第1信号線61〜第4信号線64のそれぞれに対応する第1シフトレジスタ11〜第4シフトレジスタ14だけが図示され、図3におけるデータラッチ20の具体例として、第1信号線61〜第4信号線64のそれぞれに対応する第1データラッチ21〜第4データラッチ24だけが図示され、図3におけるDA変換器40(n個のDA変換器)の具体例として、第1信号線61〜第4信号線64のそれぞれに対応する第1DA変換器41〜第4DA変換器44だけが図示されている。
【0100】
また、図3における入力切替回路30の具体例として、第1DA変換器41〜第nDA変換器に対応する入力切替回路36が設けられ、図3における出力切替回路50の具体例として、第1DA変換器41〜第nDA変換器に対応する出力切替回路56が設けられている。
【0101】
なお、厳密には、本実施の形態では、図11A及び図11Bにおける第nDA変換器の右横に、第(n−2)信号線に正極性の階調電圧を印加するための第(n+1)DA変換器、第(n−1)信号線に負極性の階調電圧を印加するための第(n+2)DA変換器、及び、第n信号線に正極性の階調電圧を印加するための第(n+3)DA変換器が置かれている。そして、それら3個の第(n+1)〜第(n+3)DA変換器は、第2動作において、入力切替回路30及び出力切替回路50によって、それぞれ、第(n−2)信号線、第(n−1)信号線、及び、第n信号線と接続され得る。
【0102】
ここで、n個のDA変換器は、次の機能を果たす。つまり、n個のDA変換器のうちの第1番目のDA変換器(第1DA変換器41)は、第1番目の信号線(第1信号線61)に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第2番目のDA変換器(第2DA変換器42)は、第2番目の信号線(第2信号線61)に対応した負極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第3番目のDA変換器(第3DA変換器43)は、第3番目の信号線(第3信号線63)に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第j(jは、4以上、かつ、n以下の全て偶数)番目のDA変換器のそれぞれ(第4DA変換器44、・・)は、第j番目の信号線又は第(j−3)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第i(iは、5以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれは、第i番目の信号線又は第(i−3)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する。
【0103】
そして、切替回路(入力切替回路36及び出力切替回路56)は、(1)n個のDA変換器のうちの第k(kは、1以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれ(第1DA変換器41、第3DA変換器43、・・)が第k番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第m(mは、2以上、かつ、n以下の全ての偶数)番目のDA変換器のそれぞれ(第2DA変換器42、第4DA変換器44、・・)が第m番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)n個のDA変換器のうちの第i番目のDA変換器のそれぞれが第(i−3)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、n個のDA変換器のうちの第j番目のDA変換器のそれぞれ(第4DA変換器44、・・)が第(j−3)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す。
【0104】
具体的には、制御部106からの切替信号が第1動作を示す場合には、図11Aに示されるように、切替回路(入力切替回路36及び出力切替回路56)は、次の切り替え状態を維持する。
【0105】
つまり、入力切替回路36は、第1データラッチ21からのデータが第1DA変換器41に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第2DA変換器42に入力され、かつ、第3データラッチ23からのデータが第3DA変換器43に入力され、かつ、第4データラッチ24からのデータが第4DA変換器44に入力され、・・、というように切替制御をする。同時に、出力切替回路56は、第1DA変換器41からの正極性の階調電圧が第1信号線61に出力され、かつ、第2DA変換器42からの負極性の階調電圧が第2信号線62に出力され、かつ、第3DA変換器43からの正極性の階調電圧が第3信号線63に出力され、かつ、第4DA変換器44からの負極性の階調電圧が第4信号線64に出力され、・・、というように切替制御をする。
【0106】
一方、制御部106からの切替信号が第2動作を示す場合には、図11Bに示されるように、入力切替回路36は、第1データラッチ21からのデータが第4DA変換器44に入力され、かつ、第2データラッチ22からのデータが第5DA変換器に入力され、かつ、第3データラッチ23からのデータが第6DA変換器に入力され、・・、というように切替制御をする。同時に、出力切替回路56は、第4DA変換器44からの正極性の階調電圧が第1信号線61に出力され、かつ、第5DA変換器からの負極性の階調電圧が第2信号線62に出力され、かつ、第6DA変換器からの正極性の階調電圧が第3信号線63に出力され、・・、というように切替制御をする。
【0107】
このような切替回路(入力切替回路36及び出力切替回路56)による切替制御により、図6に示されるように、第1動作と第2動作とが交互に行われることが繰り返される。
【0108】
これにより、本実施の形態の信号線駆動回路103eでは、DA変換器40が正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器の2種類に分類されるので、1種類のDA変換器で表示階調の2倍の数の階調電圧を発生する方式に比べ、小さな回路規模で信号線駆動回路が実現される。さらに、本実施の形態の信号線駆動回路103eでは、従来のように2種類のDA変換器を入れ替えながら使用するのではなく、当該信号線に対応するDA変換器とそこから同一の隣接方向に3本の信号線分だけ離れたDA変換器の2種類のDA変換器とを交互に使用する方式であるために、DA変換器の切り替えのための配線をクロスして配置することが回避される。たとえば、第1信号線61に階調電圧を発生するために、第1信号線61に対応した正極性専用の第1DA変換器41と第4信号線64に対応した負極性専用の第4DA変換器44とを交互に使用すると同時に、第2信号線62に階調電圧を発生するために、第2信号線62に対応した負極性専用の第2DA変換器42と第5信号線に対応した正極性専用の第5DA変換器とを交互に使用する。
【0109】
よって、従来のように隣接する2つのDA変換器を入れ替えて使用することが回避され、そのために、隣接する2つの信号線間における配線が立体的に交差することがなくなり、配線間で生じるクロストークの影響が回避される。つまり、小さな回路規模で、かつ、大画面の液晶表示装置にも適用できる信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置が実現される。
【0110】
さらに、本実施の形態によれば、ある信号線に対応するDA変換器とそこから同一の隣接方向に3本の信号線分だけ離れたDA変換器の2種類のDA変換器とを交互に使用する方式であるために、同一色の画素用の信号線に対応するDA変換器を入れ替えて使用されることとなり、従来のようにDA変換器等の特性のばらつきに依存して隣接する2つの信号線ごとに輝度むらが生じるという問題が回避され、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置が実現される。
【0111】
なお、本実施の形態では、第4番目以降のDA変換器が、対応する信号線と、3列だけ離れた同一色の画素用の信号線とに対して、正極性(又は、負極性)の階調電圧を発生したが、本発明は、このような形態に限られず、第4番目以降のDA変換器が、対応する信号線と、6列だけ離れた同一色の画素用の信号線とに対して、正極性(又は、負極性)の階調電圧を発生するように、DA変換器を切り替えてもよい。この場合であっても、同一色の画素用の信号線に対応するDA変換器を入れ替えて使用されることとなり、従来のようにDA変換器等の特性のばらつきに依存して隣接する2つの信号線ごとに輝度むらが生じるという問題が回避される。
【0112】
以上、本発明に係る信号線駆動回路及び液晶表示装置について、実施の形態1〜4に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、各実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて得られる形態も、本発明に含まれる。
【0113】
また、各実施の形態では、n個のDA変換器のうち、奇数番目のDA変換器が正極性の階調電圧を発生し、偶数番目のDA変換器が負極性の階調電圧を発生したが、この逆であってもよい。つまり、n個のDA変換器のうち、奇数番目のDA変換器が負極性の階調電圧を発生し、偶数番目のDA変換器が正極性の階調電圧を発生してもよい。正極性専用のDA変換器と負極性専用のDA変換器とが交互に並ぶように配置されていれば、本発明の技術的思想を適用することができる。
【0114】
また、各実施の形態を併せもつ信号線駆動回路を実現してもよい。たとえば、n本の信号線のうちの一部に対して実施の形態1における信号線駆動回路103aを適用し、n本の信号線のうちの他の一部に対して実施の形態2における信号線駆動回路103bを適用してもよい。これにより、一つの液晶パネルにおいて、信号線の位置によって、輝度むらの抑制を優先したり、クロストークの抑制を優先したりすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、液晶表示装置及びその信号線を駆動する回路として、特に、画素電極に対してコモン一定駆動法による駆動を行う液晶表示装置用の信号線駆動回路として、例えば、小さな回路規模で、かつ、カラーの液晶表示装置に適用しても輝度むらが生じにくい信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置、又は、小さな回路規模で、かつ、大画面の液晶表示装置にも適用できる信号線駆動回路及びそれを備える液晶表示装置として、利用できる。
【符号の説明】
【0116】
10 シフトレジスタ
11〜16 第1〜第6シフトレジスタ
20 データラッチ
21〜26 第1〜第6データラッチ
30、34〜36 入力切替回路
31〜33 第1〜第3入力切替回路
40 DA変換器
40a 正極性用DA変換器
40b 負極性用DA変換器
41〜46 第1〜第6DA変換器
50、54〜57 出力切替回路
51〜53 第1〜第3出力切替回路
60 信号線
61〜66 第1〜第6信号線
70 ゲート線
100 液晶表示装置
101 画像信号処理回路
102 階調電圧発生回路
103、103a〜103e 信号線駆動回路
104 ゲート線駆動回路
105 液晶パネル
106 制御部
110 偏向板
111 ガラス基板
112 ゲート絶縁膜
113 画素電極
114 液晶
115 対向電極
116 カラーフィルタ
117 ガラス基板
118 偏向板
120 TFT
121 ゲート電極
122 ドレイン電極
123 ソース電極
124 半導体層
125 ブラックマトリクス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元状に配置された液晶の画素群と、前記画素群の各列に対応して設けられたn本の信号線とを備え、前記信号線を介して、各画素が有する画素電極に対して、各画素に共通の対向電極を基準に正極性及び負極性の電圧を印加する液晶表示装置に用いられる信号線駆動回路であって、
前記n本の信号線のそれぞれに対応して設けられたn個のDA変換器と、
前記n個のDA変換器の動作を切り替える切り替え回路とを備え、
前記n個のDA変換器のうちの第i(iは、1以上、かつ、n以下の奇数)番目のDA変換器は、第i番目の信号線又は第k(kは、2以上、かつ、n以下、かつ、iから3以上離れた偶数)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、
前記n個のDA変換器のうちの第j(jは、2以上、かつ、n以下の偶数)番目のDA変換器は、第j番目の信号線又は第m(mは、1以上、かつ、n以下、かつ、jから3以上離れた奇数)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、
前記切り替え回路は、(1)前記第i番目のDA変換器が第i番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第j番目のDA変換器が第j番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記第i番目のDA変換器が前記第k番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第j番目のDA変換器が前記第m番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す
信号線駆動回路。
【請求項2】
前記n本の信号線のうち、隣接して配置された6本の信号線を第1〜第6信号線としたときに、
前記n個のDA変換器は、
第1信号線又は第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第1DA変換器と、
第4信号線又は第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2DA変換器と、
第5信号線又は第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第3DA変換器と、
第2信号線又は第5信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第4DA変換器と、
第3信号線又は第6信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第5DA変換器と、
第6信号線又は第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第6DA変換器とを含み、
前記切り替え回路は、
(1)前記第1DA変換器が前記第1信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第4信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第5信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第2信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第5DA変換器が前記第3信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第6DA変換器が前記第6信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記第1DA変換器が前記第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第5信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第5DA変換器が前記第6信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第6DA変換器が前記第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す
請求項1記載の信号線駆動回路。
【請求項3】
前記信号線のうち、隣接して配置された4本の信号線を第1〜第4信号線としたときに、
前記n個のDA変換器は、
第1信号線、第4信号線、第3信号線又は第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第1DA変換器と、
第2信号線、第1信号線、第4信号線又は第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2DA変換器と、
第3信号線、第2信号線、第1信号線又は第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生する第3DA変換器と、
第4信号線、第3信号線、第2信号線又は第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第4DA変換器とを含み、
前記切り替え回路は、
(1)前記第1DA変換器が前記第1信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第2信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第3信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第4信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記第1DA変換器が前記第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作と、(3)前記第1DA変換器が前記第3信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第4信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第1信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第2信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第3動作と、(4)前記第1DA変換器が前記第2信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第2DA変換器が前記第3信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、前記第3DA変換器が前記第4信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記第4DA変換器が前記第1信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第4動作のうち、少なくとも2つの動作が順に行われるように切り替えることを繰り返す
請求項1記載の信号線駆動回路。
【請求項4】
前記切り替え回路は、前記第1動作と前記第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す
請求項3記載の信号線駆動回路。
【請求項5】
前記切り替え回路は、前記第1動作、前記第2動作、前記第3動作及び前記第4動作が順に行われるように切り替えることを繰り返す
請求項3記載の信号線駆動回路。
【請求項6】
2次元状に配置された液晶の画素群と、前記画素群の各列に対応して設けられたn本の信号線とを備え、前記信号線を介して、各画素が有する画素電極に対して、各画素に共通の対向電極を基準に正極性及び負極性の電圧を印加する液晶表示装置に用いられる信号線駆動回路であって、
前記n本の信号線のそれぞれに対応して設けられたn個のDA変換器と、
前記n個のDA変換器の動作を切り替える切り替え回路とを備え、
前記n個のDA変換器のうちの奇数番目のDA変換器は、対応する信号線又は対応する信号線よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、
前記n個のDA変換器のうちの偶数番目のDA変換器は、対応する信号線又は対応する信号線よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、
前記切り替え回路は、(1)前記奇数番目のDA変換器が対応する信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記偶数番目のDA変換器が対応する信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記奇数番目のDA変換器が対応する信号線よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記偶数番目のDA変換器が対応する信号線よりも所定の隣接方向に1本以上離れた信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す
信号線駆動回路。
【請求項7】
前記n個のDA変換器のうちの第1番目のDA変換器は、第1番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、
前記n個のDA変換器のうちの第i(iは、3以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれは、第i番目の信号線又は第(i−1)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、
前記n個のDA変換器のうちの第j(jは、2以上、かつ、n以下の全て偶数)番目のDA変換器のそれぞれは、第j番目の信号線又は第(j−1)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、
前記切り替え回路は、(1)前記n個のDA変換器のうちの第k(kは、1以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれが第k番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第j番目のDA変換器のそれぞれが第j番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記n個のDA変換器のうちの第i番目のDA変換器のそれぞれが第(i−1)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第j番目のDA変換器のそれぞれが第(j−1)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す
請求項6記載の信号線駆動回路。
【請求項8】
前記n個のDA変換器のうちの第1番目のDA変換器は、第1番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、
前記n個のDA変換器のうちの第2番目のDA変換器は、第2番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、
前記n個のDA変換器のうちの第3番目のDA変換器は、第3番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、
前記n個のDA変換器のうちの第j(jは、4以上、かつ、n以下の全て偶数)番目のDA変換器のそれぞれは、第j番目の信号線又は第(j−3)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生し、
前記n個のDA変換器のうちの第i(iは、5以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれは、第i番目の信号線又は第(i−3)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、
前記切り替え回路は、(1)前記n個のDA変換器のうちの第k(kは、1以上、かつ、n以下の全ての奇数)番目のDA変換器のそれぞれが第k番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第m(mは、2以上、かつ、n以下の全ての偶数)番目のDA変換器のそれぞれが第m番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第1動作と、(2)前記n個のDA変換器のうちの第i番目のDA変換器のそれぞれが第(i−3)番目の信号線に対応した正極性の階調電圧を発生し、前記n個のDA変換器のうちの第j番目のDA変換器のそれぞれが第(j−3)番目の信号線に対応した負極性の階調電圧を発生する第2動作とが交互に行われるように切り替えることを繰り返す
請求項6記載の信号線駆動回路。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の信号線駆動回路と、
前記信号線駆動回路から信号線を介して供給される階調電圧に応じて輝度を変化させる画素を有する液晶パネルと
を備える液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【公開番号】特開2012−242623(P2012−242623A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112883(P2011−112883)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】