説明

修飾されたプレ‐プロ領域を有するプロテアーゼ

本発明は修飾されたプロテアーゼをコードする修飾されたポリヌクレオチド、及び微生物においてプロテアーゼの生産を改変するための方法に関する。特に、修飾されたポリヌクレオチドは、活性酵素の生産を増強するプレ‐プロ領域の修飾を有する修飾されたプロテアーゼをコードする一以上の変異を有する。さらに、本発明は、バシルス(Bacillus)種のような、微生物におけるプロテアーゼの生産を改変する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、修飾されたプロテアーゼをコードする修飾されたポリヌクレオチド、及び微生物中のプロテアーゼの生産を改変する方法に関する。特に、修飾されたポリヌクレオチドは、活性酵素の生産を増強させるプレ‐プロ領域の修飾を有する修飾されたプロテアーゼをコードする1つ以上の変異を含む。本発明は、さらにバシルス(Bacillus)種のような微生物中のプロテアーゼの生産を改変する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バクテリア由来のプロテアーゼは、大多数のすべての酵素商品に関与し、界面活性剤、食肉軟化処理、チーズ製造、脱毛すること、パンを焼くこと、醸造所、消化剤の生産及び写真フィルムからの銀の回収を含む様々な産業で広範囲に役立つ重要な産業酵素である。洗剤添加剤としてのこれらの酵素の使用はそれらの商品の開発を促進し、これらの酵素への基礎研究のかなりの拡大に至る(Germano et al. Enzyme Microb. Technol. 32:246-251 [2003])。界面活性剤と食品添加剤に加えて、プロテアーゼ、例えば、アルカリ性プロテアーゼは、レザー、織物、有機合成及び廃水処理のような他の産業界に実質的に利用される(Kalisz, Adv. Biochem. Eng. Biotechnol., 36:1−65 [1988]) and (Kumar and Takagi, Biotechnol. Adv., 17:561−594 [1999])。
【0003】
これらの産業酵素の高い需要により、新しい特性を有するアルカリ性プロテアーゼは研究の目的の中心であり、それは、温度、酸化剤及び適用条件変更への改善された触媒効率及びよりよい安定性を有する新しいプロテアーゼ調製に至った。しかしながら、酵素生産及び下流の処理の全費用は、酵素工業での任意のテクノロジーの成功した適用に対する主な障害を残した。この目的のために、研究者とプロセスエンジニアは、それらの工業上の必要性に関してアルカリ性プロテアーゼの生産を増加させるいくつかの方法を使用した。
【0004】
高い生産性の菌株についてスクリーニングし、プロテアーゼをクローニング及び過剰発現し、流加培養及びケモスタット培養を改善し、培養工学を最適化する等、プロテアーゼ生産量を増加させるための様々なアプローチがなされてきたにもかかわらず、プロテアーゼの生産を向上させるための手段の追加が必要性とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は修飾されたプロテアーゼをコードする修飾されたポリヌクレオチド、及び微生物においてプロテアーゼの生産を改変するための方法に関する。特に、修飾されたポリヌクレオチドは、活性酵素の生産を増強するプレ‐プロ領域の修飾を有する修飾されたプロテアーゼをコードする一以上の変異を含む。さらに、本発明は、バシルス(Bacillus)種のような、微生物におけるプロテアーゼの生産を改変する方法に関する。
【0006】
ある実施態様においては、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも一つの変異を含むように変異されることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。好ましくは、前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。幾つかの実施態様においては、前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼであり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。
【0007】
別の実施態様においては、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも一つの変異を含むように変異され、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼに少なくとも約65%の同一性を有するプロテアーゼをコードすることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。好ましくは、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼをコードする。幾つかの実施態様においては、前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼであり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。好ましくは、前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。
【0008】
本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも一つの変異を含むように変異されることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。幾つかの実施態様においては、前記第一ポリヌクレオチドの少なくとも一つの変異が、2、3、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、59、61、62、63、64、66、67、68、69、70、72、74、75、76、77、78、80、82、83、84、87、88、89、90、91、93、96、100、及び102の位置から選択される一以上の位置にて少なくとも一つのアミノ酸置換をコードし、ここで前記位置が、配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。他の実施態様においては、前記少なくとも一つの変異が、X2F、N、P、及びY; X3A、M、P、及びR; X6K、及び M; X7E; I8W; X10A、C、G、M、及びT; X11A、F、及びT; X12C、P、T; X13C、G、及びS; X14F; X15G、M、T、及びV; X16V; X17S; X19P、及びS; X20V; X21S; X22E; X23F、Q、及びW; X24G、T 及びV; X25A、D、及びW; X26C、及びH; X27A、F、H、P、T、V、及びY; X28V; X29E、I、R、S、及びT; X30C; X31H、K、N、S、V、及びW; X32C、F、M、N、P、S、及びV; X33E、F、M、P、及びS; X34D、H、P、及びV; X35C、Q、及びS; X36C、D、L、N、S、W、及びY; X37C、G、K、及びQ; X38F、Q、S、及びW; X39A、C、G、I、L、M、P、S、T、及びV; X45G 及びS; X46S; X47E 及びF; X48G、I、T、W、及びY; X49A、C、E 及びI; X50D、及びY; X51A 及びH; X52A、H、I、及びM; X53D、E、M、Q、及びT; X54F、G、H、I、及びS; X55D; X57E、N、及びR; X58A、C、E、F、G、K、R、S、T、W; X59E; X61A、F、I、及びR; X62A、F、G、H、N、S、T 及びV; X63A、C、E、F、G、N、Q、R、及びT; G64D、M、Q、及びS; X66E; X67G 及びL; X68C、D、及びR; X69Y; X70E、G、K、L、M、P、S、及びV; X72D 及びN; X74C 及びY; X75G; X76V; X77E、V、及びY; X78M、Q 及びV; X80D、L、及びN; X82C、D、P、Q、S、及びT; X83G、及びN; X84M; X87R; X88A、D、G、T、及びV; X89V; X90D 及びQ; X91A; X92E 及びS; X93G、N、及びS; X96G、N、及びT; X100Q; 及びX102Tから選択される少なくとも一つの置換をコードし、ここで位置が、配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。幾つかの実施態様においては、少なくとも一つの変異が、R2F、N、P、及びY; S3A、M、P、及びR; L6K、及びM; W7E; I8W; L10A、C、G、M、及びT; L11A、F、及びT; F12C、P、T; A13C、G、及びS; L14F; A15G、M、T、及びV; L16V; I17S; T19P、及びS; M20V; A21S; F22E; G23F、Q、及びW; S24G、T 及びV; T25A、D、及びW; S26C、及びH; S27A、F、H、P、T、V、及びY; A28V; Q29E、I、R、S、及びT; A30C; A31H、K、N、S、V、及びW; G32C、F、M、N、P、S、及びT; K33E、F、M、P、及びS; S34D、H、P、及びV; N35C、Q、及びS; G36C、D、L、N、S、W、及びY; E37C、G、K、及びQ; K38F、Q、S、及びW; K39A、C、G、I、L、M、P、S、T、及びV; K45G 及びS; Q46S; T47E 及びF; M48G、I、T、W、及びY; S49A、C、E 及びI; T50D、及びY; M51A 及びH; S52A、H、I、及びM; A53D、E、M、Q、及びT; A54F、G、H、I、及びS; K55D; K57E、N、及びR; D58A、C、E、F、G、K、R、S、T、W; V59E; S61A、F、I、及びR; E62A、F、G、H、N、S、T 及びV; K63A、C、E、F、G、N、Q、R、及びT; 64D、M、Q、及びS; K66E; V67G 及びL; Q68C、D、及びR; K69Y; Q70E、G、K、L、M、P、S、及びV; K72D 及びN; V74C 及びY; D75G; A76V; A77E、V、及びY; S78M、Q 及びV; T80D、L、及びN; N82C、D、P、Q、S、及びT; E83G、及びN; K84M; K87R; E88A、D、G、T、及びV; L89V; K90D 及びQ; K91A; D92E 及びS; P93G、N、及びS; A96G、N、及びT; E100Q; 及びH102Tから選択される少なくとも一つの置換をコードし、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記野生型又は変異体親セリンプロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼに少なくとも約65%の同一性を有するプロテアーゼをコードする。好ましくは、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼをコードする。
【0009】
また、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも一つの変異を含むように変異されることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。前記第一ポリヌクレオチドの前記少なくとも一つの変異がX49A-X24T、X49A-X72D、X49A-X78M、X49A-X78V、X49A-X93S、X49C-X24T、X49C-X72D、X49C-X78M、X49C-X78V、X49C-X91A、X49C-X93S、X91A-x24T、X91A-X49A、X91A-X52H、X91A-X72D、X91A-X78M、X91A-X78V、X93S-X24T、X93S-X49C、X93S-X52H、X93S-X72D、X93S-X78M、及びX93S-X78Vから選択される置換の組み合わせをコードする変異の組み合わせコードし、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。他の実施態様においては、置換の組み合わせをコードする変異の組み合わせである少なくとも一つの変異が、S49A-S24T、S49A-K72D、S49A-S78M、S49A-S78V、S49A-P93S、S49C-S24T、S49C-K72D、S49C-S78M、S49C-S78V、S49C-K91A、S49C-P93S、K91A-S24T、K91A-S49A、K91A-S52H、K91A-K72D、K91A-S78M、K91A-S78V、P93S-S24T、P93S-S49C、P93S-S52H、P93S-K72D、P93S-S78M、及びP93S-S78Vから選択され、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記野生型又は変異体親セリンプロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼに少なくとも約65%の同一性を有するプロテアーゼをコードする。好ましくは、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼをコードする。
【0010】
また、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも一つの変異を含むように変異されることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。前記第一ポリヌクレオチドの前記少なくとも一つの変異が、p.X18_X19del、p.X22_23del、pX37del、pX49del、p.X47del、pX55del及びp.X57delから選択される少なくとも一つの欠失をコードし、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。幾つかの実施態様においては、前記少なくとも一つの変異は、p.I18_T19del、p.F22_G23del、p.E37del、p.T47del、p.S49del、p.K55del、及びp.K57delから選択される少なくとも一つの欠失をコードし、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記野生型又は変異体親セリンプロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼに少な
くとも約65%の同一性を有するプロテアーゼをコードする。好ましくは、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼをコードする。
【0011】
また、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも一つの変異を含むように変異されることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。前記第一ポリヌクレオチドの前記少なくとも一つの変異が、p.X2_X3insT、p.X30_X31insA、p.X19_X20insAT、p.X21_X22insS、p.X32_X33insG、p.X36_X37insG、及びp.X58_X59insAから選択される少なくとも一つの挿入をコードし、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。幾つかの実施態様においては、前記少なくとも一つの変異は、p.R2_S3insT、p.A30_A31insA、p.T19_M20insAT、p.A21_F22insS、p.G32_K33insG、p.G36_E37insG、及びp.D58_V59insAから選択される少なくとも一つの挿入をコードし、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記野生型又は変異体親セリンプロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼに少なくとも約65%の同一性を有するプロテアーゼをコードする。好ましくは、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼをコードする。
【0012】
また、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも二つの変異を含むように変異されることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。前記第一ポリヌクレオチドの前記少なくとも二つの変異が、X46H-p.X47del、X49A-p.X22_X23del、X49C-p.X22_X23del、X48I-p.X49del、X17W-p.X18_X19del、X78M-p.X22_X23del、X78V-p.X22_X23del、X78V-p.X57del、X91A-p.X22_X23del、X91A-X48I-pX49del、X91A-p.X57del、X93S-p.X22_X23del、及びX93S-X48I-p.X49delから選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの欠失をコードし、ここで前記位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。幾つかの実施態様においては、前記少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの欠失は、Q46H-p.T47del、S49A-p.F22_G23del、S49C-p.F22_G23del、M48I-p.S49del、I17W-p.I18_T19del、S78M-p.F22_G23del、S78V-p.F22_G23del、K91A-p.F22_G23del、K91A-M48I-pS49del、K91A-p.K57del、P93S-p.F22_G23del、及びP93S-M48I-p.S49delから選択され、ここで前記位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記野生型又は変異体親セリンプロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼに少なくとも約65%の同一性を有するプロテアーゼをコードする。好ましくは、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼをコードする。
【0013】
また、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも二つの変異を含むように変異されることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。前記第一ポリヌクレオチドの前記少なくとも二つの変異が、X49A-p.X2_X3insT、X49A-p32X_X33insG、X49A-p.X19_X20insAT、X49C-p.X19_X20insAT、X49C-p.X32_X33insG、X52H--p.X19_X20insAT、X72D-p.X19_X20insAT、X78M-p.X19_X20insAT、X78V-p.X19_X20insAT、X91A-p.X19_X20insAT、X91A-p.X32_X33insG、X93S-p.X19_X20insAT、及びX93S-p.X32_X33insGから選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの挿入をコードし、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。幾つかの実施態様においては、前記少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの挿入は、S49A-p.R2_S3insT、S49A-p32G_K33insG、S49A-p.T19_M20insAT、S49C-p.T19_M20insAT、S49C-p.G32_K33insG、S49C-p.T19_M20insAT、S52H--p.T19_M20insAT、K72D-p.T19_M20insAT、S78M-p.T19_M20insAT、S78V-p.T19_M20insAT、K91A-p.T19_M20insAT、K91A-p.G32_K33insG、P93S-p.T19_M20insAT、及びP93S-p.G32_K33insGから選択され、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記野生型又は変異体親セリンプロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼに少なくとも約65%の同一性を有するプロテアーゼをコードする。好ましくは、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼをコードする。
【0014】
また、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも二つの変異を含むように変異されることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。前記第一ポリヌクレオチドの前記少なくとも二つの変異が、p.X57del-p.X19_X20insAT、及びp.X22_X23del-p.X2_X3insTから選択される少なくとも一つの欠失及び少なくとも一つの挿入をコードし、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。幾つかの実施態様においては、前記少なくとも一つの欠失及び少なくとも一つの挿入は、pK57del-p.T19_M20insAT、及びp.F22_G23del-p.R2_S3insTから選択される。好ましくは、前記第一ポリヌクレオチドは、配列番号7のプレ‐プロポリペプチドをコードし、宿主細胞によりプロテアーゼの生産を増強させる少なくとも二つの変異を含む。前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記野生型又は変異体親セリンプロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼに少なくとも約65%の同一性を有するプロテ
アーゼをコードする。好ましくは、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼをコードする。
【0015】
また、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも三つの変異を含むように変異されることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチドを提供する。前記第一ポリヌクレオチドの前記少なくとも三つの変異が、p.X49del-p.19_X20insAT-X48Iに相当する少なくとも一つの欠失、少なくとも一つの挿入、及び少なくとも一つの置換をコードし、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。幾つかの実施態様においては、少なくとも一つの欠失、少なくとも一つの挿入、及び少なくとも一つの置換をコードする前記少なくとも三つの変異は、p.S49del-p.T19_M20insAT-M48Iに相当し、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記野生型又は変異体親セリンプロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼに少なくとも約65%の同一性を有するプロテアーゼをコードする。好ましくは、前記第二ポリ
ヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼをコードする。
【0016】
別の実施態様においては、本発明は、上記に記載の修飾された完全長ポリヌクレオチドのいずれか一つによりコードされたポリペプチドを提供する。
【0017】
別の実施態様においては、本発明は、上記に記載の単離修飾されたポリヌクレオチドのいずれか一つを含む発現ベクターを提供する。幾つかの実施態様においては、さらに、発現ベクターは、AprEプロモーター、例えば、配列番号333又は配列番号445を含む。
【0018】
別の実施態様においては、本発明は、本発明の発現ベクターを含み、上記に提供された修飾されたポリヌクレオチドのいずれか一つを発現することのできる、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)のような、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞を提供する。好ましくは、発現ベクターは、宿主細胞のゲノムに安定的に組み込まれる。幾つかの実施態様においては、本発明の宿主細胞は、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞である。幾つかの実施態様においては、前記バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞がバシルス スブチリス(B. subtilis)、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)、バシルス レンツス(B. lentus)、バシルス ブレビス(B. brevis)、バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)、バシルス アルカロフィリス(B. alkalophilus)、バシルス アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス クラウシ(B. clausii)、バシルス ハロデュランス(B. halodurans)、バシルス メガテリウム(B. megaterium)、バシルス コアグランス(B. coagulans)、バシルス シルクランス(B. circulans)、バシルス ランツス(B. lautus)、及びバシルス ツリンギエンシス(B. thuringiensis)から選択される。幾つかの実施態様においては、前記宿主細胞がバシルス スブチリス(B. subtilis)宿主細胞である。
【0019】
別の実施態様においては、本発明は、
バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞における成熟プロテアーゼを生産する方法であって、
(a)修飾された完全長プロテアーゼをコードし、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合し、前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに、宿主細胞により前記成熟プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも一つの変異を含むように変異され、前記少なくとも一つの変異が、X2F、N、P、及びY; X3A、M、P、及び R; X6K、及びM; X7E; I8W; X10A、C、G、M、及びT; X11A、F、及び T; X12C、P、T; X13C、G、及び S; X14F; X15G、M、T、及びV; X16V; X17S; X19P、及びS; X20V; X21S; X22E; X23F、Q、及びW; X24G、T 及びV; X25A、D、及びW; X26C、及びH; X27A、F、H、P、T、V、及びY; X28V; X29E、I、R、S、及びT; X30C; X31H、K、N、S、V、及びW; X32C、F、M、N、P、S、及びV; X33E、F、M、P、及びS; X34D、H、P、及びV; X35C、Q、及びS; X36C、D、L、N、S、W、及びY; X37C、G、K、及びQ; X38F、Q、S、及びW; X39A、C、G、I、L、M、P、S、T、及びV; X45G 及びS; X46S; X47E及びF; X48G、I、T、W、及びY; X49A、C、E及びI; X50D、及びY; X51A及びH; X52A、H、I、及びM; X53D、E、M、Q、及びT; X54F、G、H、I、及びS; X55D; X57E、N、及びR; X58A、C、E、F、G、K、R、S、T、W; X59E; X61A、F、I、及びR; X62A、F、G、H、N、S、T 及びV; X63A、C、E、F、G、N、Q、R、及びT; G64D、M、Q、及びS; X66E; X67G 及びL; X68C、D、及びR; X69Y; X70E、G、K、L、M、P、S、及びV; X72D及びN; X74C 及びY; X75G; X76V; X77E、V、及びY; X78M、Q及びV; X80D、L、及びN; X82C、D、P、Q、S、及びT; X83G、及びN; X84M; X87R; X88A、D、G、T、及びV; X89V; X90D 及びQ; X91A; X92E及びS; X93G、N、及びS; X96G、N、及びT; X100Q; X102T; X49A-X24T、X49A-X72D、X49A-X78M、X49A-X78V、X49A-X93S、X49C-X24T、X49C-X72D、X49C-X78M、X49C-X78V、X49C-X91A、X49C-X93S、X91A-x24T、X91A-X49A、X91A-X52H、X91A-X72D、X91A-X78M、X91A-X78V、X93S-X24T、X93S-X49C、X93S-X52H、X93S-X72D、X93S-X78M、X93S-X78V、p.X18_X19del、p.X22_23del、pX37del、pX49del、p.X47del、pX55del、p.X57del、p.X2_X3insT、p.X30_X31insA、p.X19_X20insAT、p.X21_X22insS、p.X32_X33insG、p.X36_X37insG、p.X58_X59insA、X46H-p.X47del、X49A-p.X22_X23del、X49C-p.X22_X23del、X48I-p.X49del、X17W-p.X18_X19del、X78M-p.X22_X23del、X78V-p.X22_X23del、X78V-p.X57del、X91A-p.X22_X23del、X91A-X48I-pX49del、X91A-p.X57del、X93S-p.X22_X23del、X93S-X48I-p.X49del、X49A-p.X2_X3insT、X49A-p32X_X33insG、X49A-p.X19_X20insAT、X49C-p.X19_X20insAT、X49C-p.X32_X33insG、X52H--p.X19_X20insAT、X72D-p.X19_X20insAT、X78M-p.X19_X20insAT、X78V-p.X19_X20insAT、X91A-p.X19_X20insAT、X91A-p.X32_X33insG、X93S-p.X19_X20insAT、X93S-p.X32_X33insG、p.X57del-p.X19_X20insAT、p.X22_X23del-p.X2_X3insT、p.X49del-p.X19_X20insAT-X48I、及びp.X49del-p.X19_X20insAT-X48Iから選択され、位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする、単離修飾されたポリヌクレオチドを含む発現ベクターを提供する工程、
(b)宿主細胞を前記発現ベクターで形質転換する工程、及び
(c)前記成熟プロテアーゼの生産ができる条件下にて前記宿主細胞を培養する工程
を含む前記方法を提供する。幾つかの実施態様においては、さらに、前記方法は、前記成熟プロテアーゼを回収する方法を含む。幾つかの実施態様においては、プロテアーゼは、セリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞がバシルス スブチリス(B. subtilis)宿主細胞である。幾つかの実施態様においては、前記修飾されたポリヌクレオチドは、配列番号9に少なくとも65%の同一性である成熟領域を含む完全長プロテアーゼをコードする。好ましくは、前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9の成熟プロテアーゼをコードする。前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であり、例えば、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である。前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体親セリンプロテアーゼ由来のセリンプロテアーゼである。幾つかの実施態様においては、前記野生型又は変異体親セリンプロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼである。
【0020】
別の実施態様においては、本発明は、
バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞における成熟プロテアーゼを生産する方法であって、
(a)修飾された完全長プロテアーゼをコードし、配列番号9のプレ‐プロ領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合する配列番号7の第一ポリヌクレオチドを順番に含み、前記第一ポリヌクレオチドが、宿主細胞により前記成熟プロテアーゼの生産を増強させる、少なくとも一つの変異を含むように変異され、前記少なくとも一つの変異が、R2F、N、P、及びY; S3A、M、P、及びR; L6K、及びM; W7E; I8W; L10A、C、G、M、及びT; L11A、F、及びT; F12C、P、T; A13C、G、及びS; L14F; A15G、M、T、及びV; L16V; I17S; T19P、及びS; M20V; A21S; F22E; G23F、Q、及びW; S24G、T 及びV; T25A、D、及びW; S26C、及びH; S27A、F、H、P、T、V、及びY; A28V; Q29E、I、R、S、及びT; A30C; A31H、K、N、S、V、及びW; G32C、F、M、N、P、S、及びT; K33E、F、M、P、及びS; S34D、H、P、及びV; N35C、Q、及びS; G36C、D、L、N、S、W、及びY; E37C、G、K、及びQ; K38F、Q、S、及びW; K39A、C、G、I、L、M、P、S、T、及びV; K45G 及びS; Q46S; T47E 及びF; M48G、I、T、W、及びY; S49A、C、E 及びI; T50D、及びY; M51A 及びH; S52A、H、I、及びM; A53D、E、M、Q、及びT; A54F、G、H、I、及びS; K55D; K57E、N、及びR; D58A、C、E、F、G、K、R、S、T、W; V59E; S61A、F、I、及びR; E62A、F、G、H、N、S、T 及びV; K63A、C、E、F、G、N、Q、R、及びT; 64D、M、Q、及びS; K66E; V67G 及びL; Q68C、D、及びR; K69Y; Q70E、G、K、L、M、P、S、及びV; K72D 及びN; V74C 及びY; D75G; A76V; A77E、V、及びY; S78M、Q 及びV; T80D、L、及びN; N82C、D、P、Q、S、及びT; E83G、及びN; K84M; K87R; E88A、D、G、T、及びV; L89V; K90D 及びQ; K91A; D92E 及びS; P93G、N、及びS; A96G、N、及びT; E100Q; H102T、S49A-S24T、S49A-K72D、S49A-S78M、S49A-S78V、S49A-P93S、S49C-S24T、S49C-K72D、S49C-S78M、S49C-S78V、S49C-K91A、S49C-P93S、K91A-S24T、K91A-S49A、K91A-S52H、K91A-K72D、K91A-S78M、K91A-S78V、P93S-S24T、P93S-S49C、P93S-S52H、P93S-K72D、P93S-S78M、P93S-S78V、p.I18_T19del、p.F22_G23del、p.E37del、p.T47del、p.S49del、p.K55del、p.K57del、p.R2_S3insT、p.A30_A31insA、p.T19_M20insAT、p.A21_F22insS、p.G32_K33insG、p.G36_E37insG、p.D58_V59insA、Q46H-p.T47del、S49A-p.F22_G23del、S49C-p.F22_G23del、M48I-p.S49del、I17W-p.I18_T19del、S78M-p.F22_G23del、S78V-p.F22_G23del、K91A-p.F22_G23del、K91A-M48I-pS49del、K91A-p.K57del、P93S-p.F22_G23del、P93S-M48I-p.S49del、S49A-p.R2_S3insT、S49A-p32G_K33insG、S49A-p.T19_M20insAT、S49C-p.T19_M20insAT、S49C-p.G32_K33insG、S49C-p.T19_M20insAT、S52H-p.T19_M20insAT、K72D-p.T19_M20insAT、S78M-p.T19_M20insAT、S78V-p.T19_M20insAT、K91A-p.T19_M20insAT、K91A- p.G32_K33insG、P93S- p.T19_M20insAT、P93S- p.G32_K33insG、pK57del-p.T19_M20insAT、p.F22_G23del-p.R2_S3insT、及びp.S49del-p.T19_M20insAT-M48Iから選択され、位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする、単離修飾されたポリヌクレオチドを含む発現ベクターを提供する工程、
(b)宿主細胞を前記発現ベクターで形質転換する工程、及び
(c)前記成熟プロテアーゼの生産ができる条件下にて前記宿主細胞を培養する工程
を含む前記方法を提供する。幾つかの実施態様においては、さらに、前記方法は、前記成熟プロテアーゼを回収する方法を含む。幾つかの実施態様においては、プロテアーゼは、セリンプロテアーゼであり、位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする。幾つかの実施態様においては、前記バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞は、バシルス スブチリス(B. subtilis)宿主細胞である。幾つかの実施態様においては、前記少なくとも一つの変異は、成熟プロテアーゼの生産を増加させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1は、配列番号1の完全長FNAプロテアーゼのアミノ酸配列を提供する。アミノ酸1−107(配列番号:7)、及びアミノ酸108−382(配列番号:9)は、FNAのプレ‐プロポリペプチド及び成熟部分(配列番号:1)にそれぞれ相当する。
【0022】
図2は、様々なバシルス種(Bacillus sp.)由来のプロテアーゼの非修飾プレ‐プロ領域のものとFNAの非修飾プレ‐プロ領域(配列番号:7)のアミノ酸配列のアライメントを示す。
【0023】
図3は、様々なバシルス種(Bacillus sp.)由来のプロテアーゼの成熟領域のものとFNAの成熟領域(配列番号: 9)のアミノ酸配列のアライメントを示す。
【0024】
図4は、イン‐フレーム欠失及び挿入の作成のために使用された方法を説明する図を示す。
ライブラリー品質:
33%は挿入や欠失を有していなかった;
33%は挿入を有し、33%は欠失を有した;
フレーム‐シフト突然変異はなかった。
【0025】
図5は、プラスミドpAC−FNAareの図を示す。それはバシルス スブチリス(B. subtilis)中でFNAプロテアーゼの発現に使用された。プラスミド要素は以下のとおりである:
pUB110=プラスミドpUB110由来DNAフラグメント[McKenzie T.、Hoshino T.、Tanaka T.、Sueoka N. (1986) The Nucleotide Sequence of pUB110: Some Salient Features in Relation to Replication and Its Regulation. Plasmid 15:93−103]
pBR322=プラスミドpBR322由来のDNAフラグメント[Bolivar F、Rodriguez RL、Greene PJ、Betlach MC、Heyneker HL、Boyer HW. (1977). Construction and characterization of new cloning vehicles. II. A multipurpose cloning system. Gene 2:95−113]
pC194=プラスミドpC194由来DNAフラグメント[Horinouchi S.、Weisblum B. (1982) Nucleotide sequence and functional map of pC194、a plasmid that specifies inducible chloramphenicol resistance. J. Bacteriol 150:815−825]。
【0026】
図6は、バシルス スブチリス(B. subtilis)中でFNAプロテアーゼの発現に使用された組み込みベクターpJH−FNA(Ferrari et al. J. Bacteriol. 154:1513−1515 [1983])の図を示す。
【0027】
図7は、非修飾完全長FNA前駆体タンパク質(非修飾;配列番号:1)から加工された時、同じ成熟FNAの生産と比較して、アミノ酸置換P93S、及び欠失p.F22_G23delを含む変異されたプレ‐プロポリペプチド(クローン684)を有する、修飾された完全長FNAタンパク質から加工された成熟FNA(配列番号:9)のパーセント相対活量を描く棒グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、修飾されたプロテアーゼをコードする修飾されたポリヌクレオチド、及び微生物中のプロテアーゼの生産を改変する方法を提供する。特に、修飾されたポリヌクレオチドは、活性酵素の生産を向上させる、プレ‐プロ領域の修飾を有する、修飾されたプロテアーゼをコードする1つ以上の変異を含む。本発明は、さらにバシルス(Bacillus)種のような微生物中のプロテアーゼの生産を改変する方法に関する。
【0029】
本明細書にて他に定義されていない限り、本明細書で用いるすべての技術的及び科学用語は当業者によって普通に理解されるものと同様の意味を持つ(例えば Singleton and Sainsbury、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology、2d Ed.、John Wiley and Sons、NY [1994]; and Hale and Markham、The Harper Collins Dictionary of Biology、Harper Perennial、NY [1991])。本明細書に記載されているものと同様又は同等のいずれの方法及び材料も本発明の実施及び実験に用いられ得るが、ここには所望の方法又は材料を記載する。従って、以下に定義される用語は本明細書全体を参照することによってより完全に定義される。単数形「a」「an」及び「the」は、内容が明らかに他の事を指し示していない限り、複数の指示対象を含む。数値域は範囲を定義する数字を含む。他に示していない限り、それぞれ、核酸は5´から3´の方向において左から右へ記載され、アミノ酸配列はアミノ基からカルボシキル基の方向において左から右へ記載される。当業者によって使用される内容次第で多様に変化するから、本明細書で用いる特定の方法論、手順、及び試薬に本発明が限定されるべきでないことは理解されるところである。
【0030】
本明細書を通して与えられる各最大限定数値は、本明細書中に具体的に明記されたと同様に、それぞれ最大限定数値よりも低い数値とすることを含む。本明細書を通して与えられる各最小限定数値は、本明細書に具体的に明記されたと同様に、それぞれ最小限定数値よりも高い数値とすることを含む。本明細書を通して与えられる各数値範囲は、本明細書に具体的に明記されたと同様に、そのような広い数値範囲内のそれぞれ狭い数値範囲とすることを含む。
【0031】
上記及び下記両方において本明細書にて言及されるすべての特許、特許出願、文献、及び刊行物は、参照によりこれによって明確に本明細書に取り込まれる。
【0032】
さらに、本明細書にて記載される見出しは、本明細書全体を参照することにより理解することが可能であり、本発明の種々の態様又は実施態様に限定するものでない。従って、以下に定義される用語は本明細書全体を参照することによってより完全に定義される。しかしながら、本件発明の理解を容易にするために、以下に用語の相当数についてその定義を行う。
【0033】
定義
本明細書にて用いる用語「単離された」(isolated)又は精製された(purified)は、自然に結合している少なくとも一つの成分から除かれた核酸又はアミノ酸(又は他の成分)をいう。
【0034】
本明細書にて用いる用語「修飾されたポリヌクレオチド」は、「修飾された」タンパク質をコードする少なくとも一つの変異を含むために改変されたポリヌクレオチド配列をいう。
【0035】
本明細書にて用いる「プロテアーゼ」及び「タンパク質分解活性」は、ペプチド結合を有するペプチド又は基質を加水分解する能力を有するタンパク質又はペプチドをいう。多くの周知な方法がタンパク質分解活性を測定するために存在する(Kalisz、”Microbial Proteinases,” In: Fiechter (ed.)、Advances in Biochemical Engineering/Biotechnology、[1988])。例えば、タンパク質分解活性は、市販の基質を加水分解する、生産されたプロテアーゼの能力を分析する比較試験により確認されてよい。プロテアーゼ又はタンパク質分解活性のそのような分析に有用な基質の例は、ジ‐メチルカゼイン(シグマC−9801)、ウシコラーゲン(シグマC−9879)、ウシエラスチン(シグマE−1625)及びウシケラチン(ICN バイオメディカル902111)を含むが、これらに限定されない。これらの基質を用いる比色分析は、当分野で周知である(例えば、WO 99/34011及び米国特許第6,376,450を参照願いたい。それらの両方は参照によって本明細書に組込まれる)。AAPFアッセイ(例えば、Del Mar et al.、Anal. Biochem.、99:316−320 [1979]を参照願いたい)も成熟プロテアーゼの生産を測定するときに使用される。このアッセイは、酵素が可溶の合成基質、スクシニル−アラニン−アラニン−プロリン−フェニルアラニン−p−ニトロアニリド(sAAPF−pNA)を加水分解する時に、p−ニトロアニリンが放出される速度を測定する。加水分解反応からの黄色の色の生成速度は、スペクトロフォトメーター上で410nmにて測定され、活性酵素濃度に比例する。特に、本明細書にて用いる用語「プロテアーゼ」は「セリンプロテアーゼ」をいう。
【0036】
本明細書にて用いる用語「サブチリシン」及び「セリンプロテアーゼ」はMEROPS−ペプチドデータベース(The Peptidase Data base)(Rawlings et al.、MEROPS: the peptidase database、Nucleic Acids Res、34 Database issue、D270−272、2006、ウェブサイト merops.sanger.ac.uk/cgi−bin/merops.cgi?id=s08;action=.)に記載のようにS8セリンプロテアーゼファミリーの任意のメンバーをいうために互換可能に用いられる。次の情報は2008年11月6日時点でのMEROPS−ペプチドデータベースによるものである。「ペプチダーゼファミリーS8はセリンエンドペプチダーゼセリンプロテアーゼ及びその相同体を含む(Biochem J、290:205−218、1993)。また、S8ファミリーはサブチリシンファミリーとしても知られ、セリンプロテアーゼの第二に大きいファミリーであり、典型的な例としてサブチリシン(S08.001)が挙げられるS8Aサブファミリー型及び例としてケキシン(S08.070)が挙げられるS8Bサブファミリー型の二つのサブファミリーに分けることができる。トリペプチジル−ペプチダーゼII(TPP−II; S08.090)は、以前は第3サブファミリーの型の例であると考えられたが、その後誤って分類されたものと考えられている。S8のファミリーのメンバーは配列中にAsp、His及びSerの順番で触媒トリアド(triad)を有し、それは、S1、S9、及びS10ファミリーのものと異なる順番である。S8Aサブファミリーにおいて、活性部位残基はしばしばAsp−Thr/Ser−Gly(それはclan AA中アスパラギン酸エンドペプチデースのファミリーにおける配列モチーフに類似する)、His−Gly−Thr−His及びGly−Thr−Ser−Met−Ala−Xaa−Proモチーフ中に起こる。S8Bサブファミリーにおいて、触媒残基はしばしばAsp−Asp−Gly、His−Gly−Thr−Arg及びGly−Thr−Ser−Ala/Val−Ala/Ser−Proモチーフ中に起こる。S8サブファミリーの多くのメンバーはエンドペプチダーゼであり、中性から弱アルカリpHにて活性を有する。そのファミリー中の多くのペプチダーゼは、熱安定である。カゼインはタンパク質基質としてしばしば用いられ、典型的な合成基質はsuc−AAPFである。ファミリーの多くのメンバーは、疎水性残基の後を切断することを選ぶ非特異的ペプチダーゼである。しかし、ケキシン(S08.070)及びフリン(S08.071)など、S8Bファミリーのメンバーは二塩基アミノ酸の後ろを切断する。S8ファミリーの多くのメンバーはDFP及びPMSFなど一般的なセリンペプチダーゼにより阻害される。ファミリーの多くのメンバーは安定性のためにカルシウムと結合し、EDTA及びEGTAを用いるときに阻害がよく認めらる。EDTA及びEGTAはしばしばメタロペプチダーゼの特異的阻害剤と考えられる。タンパク質阻害剤はシチメンチョウオボムコイド第三ドメイン(turkey ovomucoid third domain)(I01.003)、ストレプトマイセス(Streptomyces)ズブチリシンインヒビター(I16.003)、及びエグリンC(I13.001)及びオオムギ阻害剤CI−1A (I13.005)などファミリーI13のメンバーを含む。これらの多くは、キモトリプシンも阻害する(S01.001)。サブチリシンプロペプチドはそれ自身抑制性があり、また、サッカロミセス(Saccharomyces)由来の相同プロティナーゼBインヒビターはセレビジン(cerevisin)(S08.052)を阻害する。現在、S8ファミリーの幾つかのメンバーの3次元構造が確定されている。典型的なS8タンパク質構造は、2つのヘリックス層の間に挟まれた7つのストランドβシートを有する3つの層からなる。サブチリシン(S08.001)はクランSB(SB)の型構造である。異なる構造にもかかわらず、サブチリシン及びキモトリプシン(S01.001)の活性部位は重ね合わせることができ、それは類似性が分散進化ではなく収束進化の結果であることを示唆する。
【0037】
本明細書における、用語「前駆体プロテアーゼ」及び「親プロテアーゼ」は、完全長野生型又は変異体親プロテアーゼのプレ‐プロ領域及び成熟領域を含む非修飾された完全長プロテアーゼをいう。前駆体プロテアーゼは自然発生、言い換えると野生型プロテアーゼ由来又は変異体プロテアーゼ由来であり得る。それは、修飾されたプロテアーゼを作成するために修飾された野生型又は変異体前駆体プロテアーゼのプレ‐プロ領域である。この文脈において、「修飾された」及び「前駆体」プロテアーゼ両方は、シグナルペプチド、プロ領域及び成熟領域を含む完全長プロテアーゼである。修飾された配列をコードするポリヌクレオチドは「修飾されたポリヌクレオチド」といい、前駆体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチドは「前駆体ポリヌクレオチド」という。「前駆体ポリペプチド」及び「前駆体ポリヌクレオチド」は「非修飾の前駆体ポリペプチド」又は「非修飾の前駆体ポリヌクレオチド」と互換可能にそれぞれ呼ぶことができる。
【0038】
本明細書における「自然発生の」又は「野生型の」は、自然界にみられるものと同一の非修飾のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ、又はプロテアーゼをコードするポリヌクレオチドをいう。自然発生の酵素は天然酵素、特定の微生物中に自然に発現する又は存在する酵素を含む。野生型又は自然発生である配列は変異体が由来するもととなる配列をいう。野生型配列は相同タンパク質又は異種タンパク質いずれかをコードしてよい。
【0039】
本明細書にて用いる「変異体」は、C末端及びN末端の両方又は片方に一以上のアミノ酸の付加によって、アミノ酸配列中一箇所又は多くの異なる位置に一以上のアミノ酸を置換によって、片方又は両方のタンパク質末端に又はアミノ酸配列中一以上の位置に一以上のアミノ酸の欠失によって、及び/又はアミノ酸配列中一以上の位置に一以上のアミノ酸の挿入により野生型タンパク質に相当するものと異なるタンパク質をいう。本発明に関して、変異体タンパク質は、バシルス アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)プロテアーゼFNA(配列番号9)を表し、それは自然発生のタンパク質BPN’の変異体であり、成熟領域において単一アミノ酸置換Y217Lが異なる。変異体プロテアーゼは自然発生の相同体を含む。例えば、配列番号の:9の成熟したプロテアーゼの変異体は、図3に示される相同体を含む。
【0040】
用語「由来する」及び「得られる」は、該当の生物体の菌株により生産された又は生産できるプロテアーゼだけでなく、そのような菌株から単離されたDNA配列によりコードされるプロテアーゼ及びそのようなDNA配列を含む宿主生物の中で作られたプロテアーゼをいう。さらに、かかる用語は、合成及び/又は相補的DNA由来のDNA配列によってコードされるプロテアーゼ及び該当プロテアーゼの識別特性を有するプロテアーゼをいう。「バシルス(Bacillus)由来のプロテアーゼ」の例は、バシルス(Bacillus)により自然に作られ、タンパク質分解活性がある酵素及びバシルス(Bacillus)源により作られたもののようなセリンプロテアーゼであるが、それは遺伝子工学手法の使用を通じてセリンプロテアーゼをコードする核酸で形質転換された非バシルス(Bacillus)生物体によって生産されるものも含む。
【0041】
「修飾された完全長プロテアーゼ」又は「修飾されたプロテアーゼ」は、親プロテアーゼに由来する成熟領域及びプレ‐プロ領域を含む完全長プロテアーゼをいうために互換可能に使用され、ここで、プレ‐プロ領域は少なくとも1つの変異を含むために変異させられる。いくつかの実施態様では、プレ‐プロ領域及び成熟領域は同じ親プロテアーゼに由来する。他の実施態様では、プレ‐プロ領域及び成熟領域は異なる親プロテアーゼに由来する。修飾されたプロテアーゼは、少なくとも1つの変異を含むために修正されるプレ‐プロ領域を含み、それは修飾されたポリヌクレオチドによってコードされる。修飾されたプロテアーゼのアミノ酸配列は、前駆体アミノ酸配列のプレ‐プロ領域の1つ以上のアミノ酸の置換、欠失又は挿入によって前駆体プロテアーゼアミノ酸配列から「作りだされる」と言われている。いくつかの実施態様では、前駆体プロテアーゼのプレ‐プロ領域の1つ以上のアミノ酸が修飾された完全長プロテアーゼを作りだすために置換される。そのような修飾は、前駆体プロテアーゼそれ自身の複製よりむしろ「前駆体」又は「親」プロテアーゼのアミノ酸配列をコードする「前駆体」又は「親」DNA配列の修飾である。
【0042】
本明細書における用語「増強する」は、修飾された前駆体からの成熟プロテアーゼの生産が、非修飾の前駆体から加工された時同じ成熟プロテアーゼの生産より高いという変異の影響に関して用いる。
【0043】
本明細書における用語「完全長タンパク質」は、シグナルペプチド、プロ配列及び成熟配列を含む遺伝子の初期の遺伝子産物をいう。例えば、配列番号:1の完全長プロテアーゼは、シグナルペプチド(プレ領域)(例えば、配列番号:4のプレポリヌクレオチドによってコードされた、VRSKKLWISL LFALALIFTM AFGSTSSAQA;配列番号:3、)、プロ領域(例えば、プレポリヌクレオチド

によってコードされたAGKSNGEKKY IVGFKQTMST MSAAKKKDVI SEKGGKVQKQ FKYVDAASAT LNEKAVKELK KDPSVAYVEE DHVAHAY;配列番号:5、)及び成熟領域(配列番号:9)を含む。
【0044】
用語「シグナル配列」、「シグナルペプチド」又は「プレ領域」は、タンパク質の成熟形態又は前駆体形態の分泌に関与するヌクレオチド及び/又はアミノ酸の任意の配列をいう。シグナル配列のこの定義は、機能的なものであり、タンパク質の分泌の遂行に関与する、タンパク質遺伝子のN末端部分によってコードされたアミノ酸配列をすべて含むことを意味する。例をあげると、本発明のプロテアーゼのプレペプチドは、少なくとも配列番号:1の1−30残基と同一のアミノ酸配列を含む。
【0045】
用語、「プロ配列」又は「プロ領域」は、プロテアーゼの分泌/生産に必要なシグナル配列及び成熟プロテアーゼの間のアミノ酸配列である。プロ配列の切断は成熟した活性のあるプロテアーゼを得るだろう。例をあげると、本発明のプロテアーゼのプロ領域は、少なくとも配列番号:1の31−107残基と同一のアミノ酸配列を含む。
【0046】
本明細書における用語「プレ‐プロ領域」又は「プレ‐プロポリペプチド」は、完全長プロテアーゼのプレ領域及びプロ領域を包含するプロテアーゼのN末端領域をいう。例をあげると、プレ‐プロ領域は、配列番号:7に示され、それは、配列番号:5のプロ領域及び配列番号:3のシグナルペプチド(pre領域)を含む.
【0047】
「成熟形態」又は「成熟領域」という用語は、タンパク質の最終の機能的な部分いう。例をあげると、本発明のプロテアーゼの成熟形態は、配列番号:1の108−382残基と同一のアミノ酸配列を含む。この文脈では、「成熟形態」は完全長プロテアーゼから「加工され」、ここで、完全長プロテアーゼのプロセシングは、シグナルペプチドの除去及びプロ領域の除去を包含する。
【0048】
本明細書にて用いる「相同タンパク質」は、細胞において天然か自然発生であるタンパク質又はポリペプチドをいう。同様に、「相同のポリヌクレオチド」は、細胞において天然か自然発生のポリヌクレオチドをいう。
【0049】
本明細書にて用いる用語「異種のタンパク質」は、宿主細胞に当然生じないタンパク質又はポリペプチドをいう。同様に、「異種のポリヌクレオチド」は、宿主細胞に当然生じないポリヌクレオチドをいう。異種のポリペプチド及び/又は異種のポリヌクレオチドはキメラ的なポリペプチド及び/又はポリヌクレオチドを含む。
【0050】
本明細書に用いる、「置換された」及び「置換」は、親配列のアミノ酸残基又は核酸塩基の交換いう。いくつかの実施態様では、置換は、自然発生の残基又は塩基の交換を含む。本明細書における修飾されたプロテアーゼは、前駆体プロテアーゼのプレ‐プロ領域のアミノ酸残基のいずれかひとつにて19の自然発生のアミノ酸のうちのいずれかの置換を包含する。いくつかの実施態様では、2つ以上のアミノ酸が、アミノ酸置換の組合せを含む修飾されたプロテアーゼを作りだすために置換される。いくつかの実施態様では、置換の組合せは、置換が作られるアミノ酸位置によって表示される。例えば、X49A−X93Sによって表示された組合せは、親タンパク質中の49位の位置でのアミノ酸(X)どれでもが、アラニン(A)で置換され、親タンパク質中の93位の位置でのアミノ酸(X)どれでもが、セリン(S)で置換される。完全長親タンパク質中の番号が付けられた位置に対応するものとして、アミノ酸位置が与えられる。
【0051】
本明細書にて用いる「欠失」は、DNAの配列の一部が無くなっている遺伝物質の消失をいう。ヌクレオチドのどんな数も欠失することができるが、3で割り切れないヌクレオチドの数の欠失はフレームシフト変異に至り、その結果欠失後に生じるコドンすべてを翻訳中に不正確に読ませ、かなり改変され及び潜在的に機能を持たないタンパク質を生産する。欠失は末端欠失、つまり‐‐染色体の末端付近に生じる欠失、又は介在欠失、つまり‐遺伝子の内部で生じる欠失であり得る。欠失は、欠失されるアミノ酸及びアミノ酸の位置によって本明細書に表示される。例えば、p.I18delは、位置18でのイソロイシン(I)が欠失されることを示す。及びp.I18_T19delは、位置18及び19でのアミノ酸イソロイシン(I)及びトレオニン(T)の両方がそれぞれ、欠失されることを示す。
【0052】
1つ以上のアミノ酸の欠失は、単独で又は1つ以上の置換及び/又は挿入と組み合わせて作ることができる。
【0053】
本明細書に手用いる「挿入」は、コードされたタンパク質中の1つ以上のアミノ酸の追加をコードするためにDNAの中への3つのヌクレオチド酸の倍数の追加をいう。挿入は、挿入されるアミノ酸及びアミノ酸の位置によって本明細書に表示される。例えば、pR2_S3insTは、位置2でのアルギニン(R)と位置3でのセリン(S)の間でトレオニン(T)が挿入されることを示す。1つ以上のアミノ酸の挿入は、単独で又は1つ以上の置換及び/又は欠失と組み合わせて作ることができる。
【0054】
プロテアーゼに関しての用語「生産」は、次のものを含む完全長プロテアーゼの2つのプロセシング工程を包含する:
1.タンパク質分泌中に生じると知られているシグナルペプチドの除去、及び
2.酵素の活性成熟形態を作成し、成熟プロセスの間に生じると知られているプロ領域の除去(Wang et al.、Biochemistry 37:3165−3171 (1998); Power et al.、Proc Natl Acad Sci USA 83:3096−3100 (1986))。
【0055】
本明細書にて用いる「対応する」及び「対応して」は、比較タンパク質又はペプチド中の番号が付された残基に対応する、タンパク質又はペプチド中の番号の位置での残基をいう。
【0056】
成熟プロテアーゼに関して「加工された」用語は、活性のある成熟した酵素になるために完全長タンパク質、例えばプロテアーゼ、がうける成熟プロセスをいう。本明細書において用語「増強された生産」は、修飾された完全長プロテアーゼから加工された成熟したプロテアーゼの生産であり、それは修飾されない完全長プロテアーゼから加工された時、同じ成熟プロテアーゼの生産のレベルより高いレベルにて生じる生産をいう。
【0057】
酵素に関しての「活性」は「触媒活性」を意味し、活性の割合、活性の量又は比活性のような酵素活性のあらゆる適切な測定値も包含する。触媒活性は、特異的な化学結合の加水分解のような特異的な化学反応を触媒する能力をいう。当業者が認識するように、酵素の触媒活性は酵素が用いられない場合での遅い化学反応の速度を加速するだけである。酵素が単に触媒として働くので、酵素は反応自体によって生産されないし、消費されることもない。また、当業者は、すべてのポリペプチドが触媒活性を有しているとは限らないことも認識するだろう。「比活性」は、全タンパク質又は酵素の1ユニット当たりの酵素の活性の尺度である。したがって、比活性は、酵素の単位重量(例えば1グラム、又は1ミリグラム当たり)又は単位体積(例えば1ml当たり)によって表現してよい。さらに、比活性は、酵素の純度の基準を含んでよく、又は例えば、活性基準が知られているか、活性基準と比較できる場合、純度の表示を提供することができる。活性の量は、測定されている酵素を発現する宿主細胞によって作られる酵素の量に反映する。
【0058】
用語「相対活性」又は「生産の割合」は、本明細書にて互換可能に用いられ、修飾されたプロテアーゼから加工された成熟プロテアーゼの酵素活性対修飾されていないプロテアーゼから加工された成熟したプロテアーゼの酵素活性の割合をいう。生産の割合は、修飾されない前駆体から加工された時同じプロテアーゼの活性の値により修飾された前駆体から加工されたプロテアーゼの活性の値を割ることにより決定される。相対活性はパーセントとして表現された生産の割合である。
【0059】
本明細書にて用いる用語「発現」は、ポリペプチドが遺伝子の核酸配列に基づいて作りだされるプロセスをいう。そのプロセスは転写と翻訳の両方を含む。
【0060】
タンパク質に関して用いる用語「キメラ」、「キメラの」又は「融合」は、本明細書において、別々のタンパク質を本来はコードした2つ以上のポリヌクレオチドの結合によって作成されたタンパク質をいう。この融合ポリヌクレオチドの翻訳は、もとのタンパク質の各々に由来した機能特性を有する単一のキメラポリヌクレオチドに至る。組み換えの融合タンパク質は、組換DNA技術によって人為的に作成される。「キメラポリペプチド」、又は単に「キメラ」は、2以上のポリペプチドからの配列を含んでいるタンパク質を意味する。1つ以上の他のプロテアーゼからの1つ以上の部分、領域又はドメインに融合する1つのプロテアーゼからの部分、領域又はドメインを含んでいるという意味で、修飾されたプロテアーゼはキメラ的になりえる。例えば、キメラプロテアーゼは、別のプロテアーゼのプレ‐プロペプチドの配列に結合された成熟プロテアーゼの配列を含んでよい。当業者は、キメラポリペプチド及びプロテアーゼがタンパク質配列の実際の融合から成る必要はないことを認識するだろう。しかし、対応するコード配列を有するポリヌクレオチドもキメラポリペプチド又はプロテアーゼを発現するために使用することができる。
【0061】
用語「パーセント(%)同一性」は、前駆体配列(つまり親配列)のアミノ酸残基/ヌクレオチド残基のパーセンテージと該当配列のアミノ酸/ヌクレオチド残基のパーセンテージとが同一である場合のパーセンテージとして規定される。A%アミノ酸配列同一性値は、整列した領域で「より長い」配列の残基の総数で割られた、対応する同一の残基の数によって決定される。アミノ酸配列は類似しているかもしれないが、比較配列と比較する対象配列においてアミノ酸が置換されるか、削除されるか、挿入される場合、「同一ではない」。好ましくはタンパク質については、パーセント配列同一性は、翻訳後修飾の場合に関して類似の状態である配列間で測定される。典型的に、対象プロテアーゼの「成熟配列」、つまり、シグナル配列及びプロ領域を除くためにプロセシングした後の残りの配列が、比較タンパク質の成熟配列と比較される。他の例では、対象ポリペプチド配列の前駆体配列が比較配列の前駆体と比較される。
【0062】
本明細書に用いる用語「プロモーター」は、下流の遺伝子の転写を指示するために機能する核酸配列をいう。いくつかの実施態様では、プロモーターは、標的遺伝子が発現している宿主細胞に適切である。プロモーターは、他の転写及び翻訳の調節核酸配列(「コントロール配列」とも名付けられる)と一緒に、一定の遺伝子を発現するのに必要である。一般に、転写及び翻訳の調節配列はプロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始及び停止配列、翻訳開始及び停止配列、及びエンハンサー及びアクチベーター配列を含むが、これらに制限されない。
【0063】
核酸又はポリペプチドが、それぞれ別の核酸又はポリペプチド配列との機能的関係に置かれる場合、核酸又はポリペプチドは「作動可能に結合する」。例えば、プロモーター又はエンハンサーが配列の転写に影響する場合、プロモーター又はエンハンサーはコード配列に作動可能に結合する;リボソーム結合部位が翻訳を容易にするように位置する場合、リボソーム結合部位はコード配列に作動可能に結合する;あるいは、完全長プロテアーゼのプロセシングがプレ‐プロ領域によって酵素の成熟活性型を生産することができる場合、修飾されたプレ‐プロ領域は、プロテアーゼの成熟領域に作動可能に結合する。一般的に、「作動可能に結合する」は、結合したDNA又はポリペプチド配列が隣接することを意味する。
【0064】
「宿主細胞」は、本発明によってDNAを含む発現ベクターのための宿主としての役目を果たすのに適切な細胞をいう。適切な宿主細胞は自然発生の又は野生型の宿主細胞でよく、それは改変した宿主細胞でよい。ある実施態様においては、宿主細胞はグラム陽性菌である。いくつかの実施態様では、用語は、バチルス属中の細胞をいう。
【0065】
本明細書にて用いる「バシルス種(Bacillus sp.)」は、当業者に知られているような、「バシルス(Bacillus)」属の内の種をすべて含み、バシルス スブチリス(B. subtilis)、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)、バシルス レンツス(B.lentus)、バシルス ブレビス(B.brevis)、バシルス プミリス(B.pumilis)、バシルス ステアロテルモフィルス(B.stearothermophilus)、バシルス アルカロフィリス(B.alkalophilus)、バシルス アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、バチルス クラウシ(B.clausii)、バシルス ハロデュランス(B.halodurans)、バシルス メガテリウム(B.megaterium)、バシルス コアグランス(B.coagulans)、バシルス シルクランス(B.circulans)、バシルス ランツス(B.lautus)及びバシルス ツリンギエンシス(B.thuringiensis)を含むが、これらに限定されない。バチルス属が分類の再編成を受け続けることが認識される。従って、バシルス ステアロセレモフィリス(B. stearothermophilus)のように、現在はゲオバシルス ステアロセレモフィリス(Geobacillus stearothermophilus)と呼ばれているものも含むがこれらに限定されない。酸素の存在下で耐性のある内性胞子を生成することはバシルス属の特徴であると定義されている。しかしながらこの特徴は、近年分類されたアリシクロバシルス(Alicyclobacitlus)、アンピバチリルス(Amphibacillus)、アネウニバチスル(Aneurinibacillus)、アノキシバチスル(Anoxybacillus)、ブレビバシルス(Brevibacillus)、フィロバシルス(Filobacillus)、グラシリバシルル(Gracilibacillus)、ハロバシルス(Halobacillus)、パエニバシルス(Paenibacillus)、サリバシルス(Salibacillus)、セルモバシルス(Thermobacillits)、ウレイバシルス(Ureibacillus)、及びバージバシルス(Virgibacillus)についても当てはまる。
【0066】
本明細書において互換可能に用いる用語「ポリヌクレオチド」及び「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドの重合体の形態をいう。これらの用語は、一本鎖DNA、二本鎖DNA、ゲノムDNA、相補的DNA又はプリン及びピリミジン塩基、又は他の天然の、化学的に、生化学的に修飾された、天然ではない又は誘導されたヌクレオチド塩基を含むポリマーを含むが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドの例は遺伝子、遺伝子フラグメント、染色体フラグメント、EST、エキソン、イントロン、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、cDNA、組み換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離したDNA、任意の配列の単離したRNA、核酸プローブ及びプライマーを含むがこれらに限定されない。
【0067】
本明細書にて用いる用語「DNA構築物」及び「形質転換するDNA」は、宿主細胞又は生物体へ配列を導入するために使用されるDNAをいうために互換可能に使用される。DNA構築物は、当業者に既知のPCR又は他の適切なテクニックによってインヴィトロ(in vitro)で作成されてよい。いくつかの実施態様では、DNA構築物は目的の配列(例えば修飾された配列)を含む。いくつかの実施態様では、配列は、コントロール要素(例えばプロモーター等)のような追加要素に作動可能に結合する。DNA構築物はさらに選択可能なマーカーを含んでよい。いくつかの実施態様では、DNA構築物は宿主細胞染色体に相同の配列を含む。他の実施態様では、DNA構築物は非相同の配列を含む。一旦DNA構築物がインヴィトロ(in vitro)で組み立てられれば、それは宿主細胞染色体の領域に突然変異を与える(つまり、内因的な配列を異種の配列に取り替える)ために使用されてもよい。
【0068】
本明細書に用いる用語「発現カセット」は、標的細胞の特定の核酸の転写を許す一連の特定された核酸成分を用いて組み換え的に又は合成的に作りだされた核酸構築物をいう。組み換え発現カセットは、プラスミド、染色体、ミトコンドリアDNA、プラスチドDNA、ウィルス又は核酸フラグメントのようなベクターに組み入れることができる。典型的には、発現ベクターの組み換え発現カセット部分は、他の配列と共に、転写される核酸配列及びプロモーターを含む。いくつかの実施態様では、発現ベクターは、宿主細胞に異種のDNAフラグメントを組み入れて発現する能力を有する。多くの原核生物及び真核生物の発現ベクターが市販で入手可能である。適切な発現ベクターの選別は当業者にとり容易である。用語「発現カセット」は、「DNA構築物」及びそれらの表現上の等価物と共に互換可能に本明細書において使用される。適切な発現ベクターの選別は当業者の常識に属する。
【0069】
本明細書にて用いる用語「異種のDNA配列」は、宿主細胞に自然発生しないDNA配列をいう。いくつかの実施態様では、異種のDNA配列は、制御要素を含む異なる遺伝子の部分で構成されるキメラDNA配列である。
【0070】
本明細書にて用いる用語「ベクター」は1つ以上の細胞タイプへ核酸を導入することを目指したポリヌクレオチド構築物をいう。ベクターはクローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター及びプラスミドを含む。いくつかの実施態様では、ポリヌクレオチド構築物は、完全長プロテアーゼ(例えば修飾されたプロテアーゼ又は修飾されない前駆体プロテアーゼ)をコードするDNA配列を含む。本明細書にて用いる用語「プラスミド」は、クローニングベクターとして使用される環状二重らせん構造の(ds)DNA構築物をいい、いくつかの真核生物又は原核生物中の染色体外の自己複製の遺伝要素を形成するか、又は、宿主染色体へ組み込まれる。
【0071】
細胞へ核酸配列を導入する文脈の中で本明細書にて用いる用語「導入された」は、細胞へ核酸配列を移すのにふさわしい任意の方法をいう。導入のためのそのような方法は、プロトプラスト融合、トランスフェクション、形質転換、接合及び形質導入(例えばFerrari et al.、”Genetics,” in Hardwood et al、(eds.)、Bacillus、Plenum Publishing Corp.、pages 57−72、[1989]を参照願いたい)を含むが、これらに限定されない。
【0072】
本明細書にて用いる用語「形質転換された」及び「安定して形質転換された」は、そのゲノムへ又は少なくとも2世代に維持されるエピゾームのプラスミドとして組み込まれた非天然の(異種の)ポリヌクレオチド配列を有する細胞をいう。
【0073】
本明細書にて用いる用語「発現」は、ポリペプチドが遺伝子の核酸配列に基づいてつくられるプロセスをいう。そのプロセスは転写と翻訳の両方を含む。
【0074】
修飾されたプロテアーゼ
本発明はバクテリアの宿主細胞において成熟プロテアーゼの生産のための方法と組成物を提供する。特に、本発明は、バクテリア細胞中の成熟セリンプロテアーゼの生産を増強するための方法と組成物を提供する。本発明の組成物は、プレ‐プロ領域に少なくとも一つの変異を含む、修飾されたプロテアーゼをコードする修飾されたポリヌクレオチド、修飾されたポリヌクレオチド、発現カセット、DNA構築物、及び修飾されたセリンプロテアーゼをコードする修飾されたポリヌクレオチドを含むベクターによってコードされた修飾されたセリンプロテアーゼ、並びに本発明のベクターで形質転換されたバクテリアの宿主細胞を有する。本発明の方法は、バクテリアの宿主細胞中の成熟プロテアーゼの生産を向上させる方法を含む。生成されたプロテアーゼは、酵素の工業生産に使用され、様々な産業で使用するに適していて、洗浄、飼料及び織物の加工産業を含むが、これらに限定されない。
【0075】
いくつかの実施態様においては、本発明は、修飾された完全長プロテアーゼをコードする修飾された完全長ポリヌクレオチドを提供し、それは、動物、野菜、又は微生物の由来の野生型又は完全長変異体前駆体プロテアーゼをコードするものに由来するプレ‐プロポリヌクレオチドに少なくとも1つの変異を導入することにより生成される。いくつかの実施態様においては、前駆体プロテアーゼはバクテリア由来である。いくつかの実施態様においては、前駆体プロテアーゼは、サブチリシン・タイプ(サブチラーゼ(subtilases)、ズブチロペプチダーゼ(subtilopeptidases)、EC 3.4.21.62)のプロテアーゼであり、それはセリンプロテアーゼとも呼ばれる触媒活性アミノ酸を含む。いくつかの実施態様においては、前駆体プロテアーゼはバシルス種(Bacillus sp.)プロテアーゼである。好ましくは、前駆体プロテアーゼは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(B. amyloliquifaciens)、バシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)及びバシルス プミリス(B.pumilis)に由来するセリンプロテアーゼである。
【0076】
前駆体プロテアーゼの例は、サブチリシンBPN´(配列番号:67)(バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)に由来し、Vasantha et al. (1984) in J. Bacteriol.、Volume 159、pp. 811−819、and of J. A. Wells et al. (1983) in Nucleic Acids Research、Volume 11、pp. 7911−7925の論文で述べらている);サブチリシン カールスバーグ(subtilisin Carlsberg)(E. L. Smith et al. (1968) in J. Biol. Chem.、Volume 243、pp. 2184−2191、and of Jacobs et al. (1985) in Nucl. Acids Res.、Volume 13、pp. 8913−8926の出版物に記載され、バシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)によって自然に形成される)、プロテアーゼPB92(好アルカリ性細菌バシルス(Bacillus)novスペック92によって自然に生産される)、及びAprE(バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)によって自然生産される)を含む。いくつかの実施態様においては、前駆体プロテアーゼはFNA(配列番号:1)であり、それは自然発生のBPN´の変異体であり、それは成熟領域の位置217での一つのアミノ酸置換があることで成熟部位において異なり、ここで、BPN´の位置217でのTyr(Y)はLeu(L)に置換される、つまり、FNAの成熟領域の217番目のアミノ酸はL(配列番号:9)である。他の実施態様では、前駆体プロテアーゼは、配列番号:9

の成熟領域に作動可能に結合する配列番号:7(VRSKKLWISL LFALALIFTM AFGSTSSAQA AGKSNGEKKY IVGFKQTMST MSAAKKKDVI SEKGGKVQKQ FKYVDAASAT LNEKAVKELK KDPSVAYVEE DHVAHAY;配列番号:7)のものと少なくとも約30%同一であるプレ‐プロ領域を含む。
【0077】
他の実施態様では、前駆体プロテアーゼは、配列番号:9の少なくとも約65%同一である成熟領域に作動可能に結合した配列番号:7のものに少なくとも約30%同一であるプレ‐プロ領域を含む。また、他の実施態様では、前駆体プロテアーゼは、配列番号:9のものに少なくとも約65%同一である成熟領域に作動可能に結合された配列番号:7のプレ‐プロ領域を含む。配列番号:7のプレ‐プロ領域に少なくとも約30%同一であるセリンプロテアーゼのプレ‐プロ領域の例は、図2に示されるように配列番号:11−66を含む。配列番号:9のものに少なくとも約65%同一である成熟領域の例は、図3に示されるように配列番号:67−122を含む。
【0078】
ポリヌクレオチド配列によって共有されるパーセント同一性は、配列を整列させて当分野の中で既知の方法によって同一性を決定することによる分子間のシーケンス情報の直接の比較によって決定される。配列類似性を決定するのにふさわしいアルゴリズムの例は、BLASTアルゴリズムであり、それはAltschul、et al.、J. Mol. Biol.、215:403−410 (1990)の中で記載される。BLAST解析を行なうためのソフトウェアは、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)によって公に利用可能である。このアルゴリズムは、問い合わせ配列において長さWのショートワード(short word)を識別するにより第1の識別する高得点の配列ペア(high scoring sequence pair、HSP)を含み、それは、データベース配列における同じ長さのワードとアラインした時、ある正値閾値スコア(positive−valued threshold score)Tと一致する又はいくつかのTを満たす。これらの最初の近隣ワードヒットは、これらを含むより長いHSPを見出すための開始点として働く。ワードヒットは、累積するアライメントスコアが増加する限り、各配列の両方向に伸長される。次の場合、ワードヒットの伸長は停止する。
累積アラインメントスコアが到達最大値より量Xだけ低下した場合;
累積的なスコアが0以下に行く;又は
一方の配列の末端が終わりになる。
BLASTアルゴリズム・パラメーター、W、T及びXは、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTプログラムは、11のワード長(W)、50のBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915 (1989)を参照願いたい)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M’5、N’−4及び両方の鎖の比較を初期値として用いる。
【0079】
その後、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計的解析を行なう(例えば、Karlin and Altschul、Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 90:5873−5787 [1993]を参照願いたい)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最小合計確率(smallest sum probability)(P(N))であり、それは、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列の間の一致が偶然生じる確率の表示を提供する。例えば、セリンプロテアーゼ核酸に対するテスト核酸の比較で最小合計確率が約0.1未満である場合、より好ましくは約0.01未満の場合、及び最も好ましくは0.001に関して未満である場合、核酸は、本発明のセリンプロテアーゼ核酸に類似すると考えられる。テスト核酸がセリンプロテアーゼ・ポリペプチドをコードするところで、比較が約0.5未満の中で、及びより好ましくは約0.2未満の最小合計確率に至る場合、それは特定のセリンプロテアーゼ核酸に類似すると考えられる。
【0080】
FNAのプレ‐プロ領域及び成熟領域に対する様々なセリンプロテアーゼのプレ‐プロ領域(図2)及び成熟領域(図3)のアミノ酸配列のアラインメントは次のようにBLASTプログラムを使用して得られた。FNAのプレ‐プロ領域又は成熟タンパク質領域はNCBIの非冗長なタンパク質データベース(バージョン2009年2月9日)を検索するために使用された。コマンドラインBLASTプログラム(バージョン2.2.17)は−v 5000及びb 5000を除いてデフォルトパラメータと共に使用された。所望の最終的なパーセント同一性を有する配列だけが選ばれた。そのアラインメントはデフォルトパラメータと共にプログラムclustalw(バージョン1.83)を使用して行われた。そのアラインメントは、デフォルトパラメータと共にプログラムMUSCLE(バージョン3.51)を使用して、5回精密化された。FNAの成熟領域又はプレ‐プロ領域に対応する領域だけが、アラインメントにおいて選ばれる。アラインメントにおける配列は、FNAのものとパーセント同一性に従って減少する順に順付けされる。パーセント同一性は、アラインメントで整列した残基の数で割られた、対象とする2つの配列間で整列した同一の残基の数として計算された。
【0081】
いくつかの実施態様においては、修飾されたポリヌクレオチドは、配列番号:9に記載の成熟領域をコードするポリヌクレオチドに作動可能に結合した配列番号:1(FNA)の前駆体プロテアーゼのプレ‐プロ領域(配列番号:7)のアミノ酸配列と少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%アミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約70%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約75%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約80%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約90%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%アミノ酸配列同一性、まだより好ましくは少なくとも約95%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約98%アミノ酸配列同一性、
そして最も好ましくは少なくとも約99%アミノ酸配列同一性を共有するプレ‐プロ領域をコードするプレ‐プロ・ポリヌクレオチドを含む前駆体ポリヌクレオチドから作られる。
好ましくは、修飾されたポリヌクレオチドは、配列番号:9に記載の成熟領域をコードするポリヌクレオチドに作動可能に結合した配列番号:7のプレ‐プロ領域をコードするプレ‐プロ・ポリヌクレオチドを含む前駆体ポリヌクレオチドから作られる。他の実施態様では、修飾されたポリヌクレオチドは、配列番号:9に記載の成熟領域をコードするポリヌクレオチドに作動可能に結合した配列番号:11−66のうちのいずれか1つのプレ‐プロ領域をコードする前駆体ポリヌクレオチドから作られる。配列番号:9の成熟プロテアーゼをコードするポリヌクレオチドの例は、配列番号:10のポリヌクレオチドである。

【0082】
上記に記載されるように、プレ‐プロ領域ポリヌクレオチドは、コードされたポリペプチドのプレ‐プロ領域で少なくとも1つの変異を導入するためにさらに修飾され、修飾されないポリヌクレオチドから加工された時、同じ成熟プロテアーゼの生産レベルと比較する時、プロテアーゼの成熟形態の生産レベルを増強させる。修飾されたプレ‐プロポリヌクレオチドは、成熟ポリヌクレオチドに作動可能に結合され、本発明の修飾されたプロテアーゼをコードする。
【0083】
いくつかの実施態様においては、修飾されたポリヌクレオチドは、配列番号:1の前駆体プロテアーゼの成熟領域(配列番号:9)のアミノ酸配列と少なくとも約65%アミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約70%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約75%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約80%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約90%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%アミノ酸配列同一性、まだより好ましくは少なくとも約95%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約98%アミノ酸配列同一性、そして最も好ましくは少なくとも約99%アミノ酸配列同一性を共有するプロテアーゼの成熟領域をコードするポリヌクレオチドに作動可能に結合した配列番号:1(FNA)の前駆体プロテアーゼのプレ‐プロ領域(配列番号:7)のアミノ酸配列と少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%アミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約70%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約75%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約80%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約90%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%アミノ酸配列同一性、まだより好ましくは少なくとも約95%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約98%アミノ酸配列同一性、そして最も好ましくは少なくとも約99%アミノ酸配列同一性を共有するプレ‐プロ領域をコードするプレ‐プロ・ポリヌクレオチドを含む前駆体ポリヌクレオチドから作られる。
【0084】
幾つかの実施態様においては、修飾されたポリヌクレオチドは、配列番号:1の前駆体プロテアーゼの成熟形態(配列番号:9)のアミノ酸配列と少なくとも約65%アミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約70%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約75%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約80%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約90%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%アミノ酸配列同一性、まだより好ましくは少なくとも約95%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%アミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約98%アミノ酸配列同一性、そして最も好ましくは少なくとも約99%アミノ酸配列同一性を共有するプロテアーゼの成熟領域に作動可能に結合した配列番号:1のプロテアーゼのプレ‐プロ領域(配列番号:7)をコードする前駆体ポリヌクレオチドから作られる。
【0085】
さらに他の実施態様においては、修飾されたポリヌクレオチドは、配列番号:1のプロテアーゼの成熟領域(配列番号:9)、言い換えると、配列番号:1のプロテアーゼをコードする前駆体ポリヌクレオチドに作動可能に結合する、配列番号:1のプロテアーゼのプレ‐プロ領域(配列番号:7)をコードする前駆体ポリヌクレオチドから作られる。上記に記載されるように、プレ‐プロ領域ポリヌクレオチドは、修飾されないポリヌクレオチドから加工された時、同じ成熟プロテアーゼの生産レベルと比較された時プロテアーゼの成熟形態の生産レベルを増強させる、少なくとも1つの変異を導入するためにさらに修飾される。
【0086】
前駆体ポリヌクレオチドは、本発明の修飾されたポリヌクレオチドを生成するために変異させられる。いくつかの実施態様においては、プレ‐プロ領域をコードする前駆体ポリヌクレオチド配列の部分は位置1−107から選択された少なくとも1つのアミノ酸位置で少なくとも1つの変異をコードするために変異させられ、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。したがって、いくつかの実施態様では、本発明の修飾された完全長ポリヌクレオチドは、位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、及び107から選択された少なくとも1つのアミノ酸位置で少なくとも1つの変異を含み、ここで、前記位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0087】
他の実施態様においては、修飾された完全長ポリヌクレオチドは、アミノ酸の位置2、3、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、59、61、62、63、64、66、67、68、69、70、72、74、75、76、77、78、80、82、83、84、87、88、89、90、91、93、96、100、及び102にて少なくとも一つの変異を含み、ここで、前記位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0088】
いくつかの実施態様においては、少なくとも一つの変異は、次の置換から選択される置換である。
X2F、N、P、及びY;
X3A、M、P、及びR;
X6K、及びM;
X7E;
I8W;
X10A、C、G、M、及びT;
X11A、F、及びT;
X12C、P、T;
X13C、G、及びS;
X14F;
X15G、M、T、及びV;
X16V;
X17S;
X19P、及びS;
X20V;
X21S;
X22E;
X23F、Q、及びW;
X24G、T 及びV;
X25A、D、及びW;
X26C、及びH;
X27A、F、H、P、T、V、及びY;
X28V;
X29E、I、R、S、及びT;
X30C;
X31H、K、N、S、V、及びW;
X32C、F、M、N、P、S、及びV;
X33E、F、M、P、及びS;
X34D、H、P、及びV;
X35C、Q、及びS;
X36C、D、L、N、S、W、及びY;
X37C、G、K、及びQ;
X38F、Q、S、及びW;
X39A、C、G、I、L、M、P、S、T、及びV;
X45G 及びS;
X46S;
X47E 及びF;
X48G、I、T、W、及びY;
X49A、C、E、及びI;
X50D、及びY;
X51A、及びH;
X52A、H、I、及びM;
X53D、E、M、Q、及びT;
X54F、G、H、I、及びS;
X55D;
X57E、N、及びR;
X58A、C、E、F、G、K、R、S、T、W;
X59E;
X61A、F、I、及びR;
X62A、F、G、H、N、S、T 及びV;
X63A、C、E、F、G、N、Q、R、及びT;
G64D、M、Q、及びS;
X66E; X67G 及びL;
X68C、D、及びR;
X69Y;
X70E、G、K、L、M、P、S、及びV;
X72D 及びN;
X74C 及びY;
X75G; X76V;
X77E、V、及びY;
X78M、Q 及びV;
X80D、L、及びN;
X82C、D、P、Q、S、及びT;
X83G、及びN;
X84M;
X87R;
X88A、D、G、T、及びV;
X89V;
X90D 及びQ;
X91A;
X92E 及びS;
X93G、N、及びS;
X96G、N、及びT;
X100Q; 及び
X102T、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。他の実施態様においては、少なくとも一つの変異は、X49A-X24T、X49A-X72D、X49A-X78M、X49A-X78V、X49A-X93S、X49C-X24T、X49C-X72D、X49C-X78M、X49C-X78V、X49C-X91A、X49C-X93S、X91A-x24T、X91A-X49A、X91A-X52H、X91A-X72D、X91A-X78M、X91A-X78V、X93S-X24T、X93S-X49C、X93S-X52H、X93S-X72D、X93S-X78M、及びX93S-X78Vから選択される置換の組み合わせであり、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0089】
いくつかの実施態様においては、少なくとも一つの変異は、p.X18_X19del、p.X22_23del、pX37del、pX49del、p.X47del、pX55del及びp.X57delから選択される少なくとも一つの欠失をコードし、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0090】
いくつかの実施態様においては、少なくとも一つの変異は、p.X2_X3insT、p.X30_X31insA、p.X19_X20insAT、p.X21_X22insS、p.X32_X33insG、p.X36_X37insG、及びp.X58_X59insAから選択される少なくとも一つの挿入をコードし、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0091】
いくつかの実施態様においては、少なくとも一つの変異は、X46H-p.X47del、X49A-p.X22_X23del、x49C-p.X22_X23del、X48I-p.X49del、X17W-p.X18_X19del、X78M-p.X22_X23del、X78V-p.X22_X23del、X78V-p.X57del、X91A-p.X22_X23del、X91A-X48I-pX49del、X91A-p.X57del、X93S-p.X22_X23del、及びX93S-X48I-p.X49delから選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの欠失をコードし、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0092】
いくつかの実施態様においては、少なくとも一つの変異は、X49A-p.X2_X3insT、X49A-p32X_X33insG、X49A-p.X19_X20insAT、X49C-p.X19_X20insAT、X49C-p.X32_X33insG、X52H--p.X19_X20insAT、X72D-p.X19_X20insAT、X78M-p.X19_X20insAT、X78V-p.X19_X20insAT、X91A-p.X19_X20insAT、X91A-p.X32_X33insG、X93S-p.X19_X20insAT、及びX93S-p.X32_X33insGから選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの挿入をコードし、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0093】
いくつかの実施態様においては、少なくとも一つの変異は、p.X57del-p.X19_X20insAT、及びp.X22_X23del-p.X2_X3insTから選択される少なくとも一つの欠失及び少なくとも一つの挿入をコードする少なくとも2つの変異をコードし、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0094】
いくつかの実施態様においては、少なくとも一つの変異は、p.S49del-p.T19_M20insAT-M48Iに相当する少なくとも一つの欠失及び少なくとも一つの挿入及び少なくとも一つの置換をコードする少なくとも3つの変異をコードし、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0095】
いくつかの実施態様では、前駆体ポリヌクレオチドは、配列番号:1の完全長FNAプロテアーゼをコードする。いくつかの実施態様においては、配列番号:1の完全長FNAプロテアーゼをコードする前駆体ポリヌクレオチドは、配列番号:2のポリヌクレオチドである。修飾された完全長ポリヌクレオチドは、前駆体ポリヌクレオチド(配列番号:2)のプレ‐プロ領域(配列番号:4)中少なくとも1つの変異を導入することによって、配列番号:2の前駆体ポリヌクレオチドから作りだされる。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの変異は、
R2F、N、P、及びY;
S3A、M、P、及びR;
L6K、及びM;
W7E;
I8W;
L10A、C、G、M、及びT;
L11A、F、及びT;
F12C、P、T;
A13C、G、及びS;
L14F;
A15G、M、T、及びV;
L16V;
I17S;
T19P、及びS;
M20V;
A21S;
F22E;
G23F、Q、及びW;
S24G、T 及びV;
T25A、D、及びW;
S26C、及びH;
S27A、F、H、P、T、V、及びY;
A28V;
Q29E、I、R、S、及びT;
A30C;
A31H、K、N、S、V、及びW;
G32C、F、M、N、P、S、及びT;
K33E、F、M、P、及びS;
S34D、H、P、及びV;
N35C、Q、及びS;
G36C、D、L、N、S、W、及びY;
E37C、G、K、及びQ;
K38F、Q、S、及びW;
K39A、C、G、I、L、M、P、S、T、及びV;
K45G 及びS;
Q46S;
T47E 及びF;
M48G、I、T、W、及びY;
S49A、C、E 及びI;
T50D、及びY;
M51A 及びH;
S52A、H、I、及びM;
A53D、E、M、Q、及びT;
A54F、G、H、I、及びS;
K55D;
K57E、N、及びR;
D58A、C、E、F、G、K、R、S、T、W;
V59E;
S61A、F、I、及びR;
E62A、F、G、H、N、S、T 及びV;
K63A、C、E、F、G、N、Q、R、及びT;
64D、M、Q、及びS;
K66E;
V67G 及びL;
Q68C、D、及びR;
K69Y; Q70E、G、K、L、M、P、S、及びV;
K72D 及びN;
V74C 及びY;
D75G;
A76V;
A77E、V、及びY;
S78M、Q 及びV;
T80D、L、及びN;
N82C、D、P、Q、S、及びT;
E83G、及びN;
K84M;
K87R;
E88A、D、G、T、及びV;
L89V;
K90D 及びQ;
K91A;
D92E 及びS;
P93G、N、及びS;
A96G、N、及びT;
E100Q; 及び
H102Tから選択される少なくとも一つの置換であり、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0096】
幾つかの実施態様においては、前駆体FNAポリヌクレオチドは、S49A-S24T、S49A-K72D、S49A-S78M、S49A-S78V、S49A-P93S、S49C-S24T、S49C-K72D、S49C-S78M、S49C-S78V、S49C-K91A、S49C-P93S、K91A-S24T、K91A-S49A、K91A-S52H、K91A-K72D、K91A-S78M、K91A-S78V、P93S-S24T、P93S-S49C、P93S-S52H、P93S-K72D、P93S-S78M、及びP93S-S78Vから選択される置換の組み合わせをコードする変異の少なくとも一つの組み合わせをそのプレ‐プロ領域において含む修飾された完全長FNAをコードするように変異され、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0097】
幾つかの実施態様においては、前駆体FNAポリヌクレオチドは、p.I18_T19del、p.F22_G23del、p.E37del、p.T47del 466、p.S49del、p.K55del、及びp.K57delから選択される少なくとも一つの欠失をコードする少なくとも一つの変異をそのプレ‐プロ領域において含む修飾された完全長FNAをコードするように変異され、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0098】
幾つかの実施態様においては、前駆体FNAポリヌクレオチドは、p.R2_S3insT、p.A30_A31insA、p.T19_M20insAT、p.A21_F22insS、p.G32_K33insG、p.G36_E37insG、及びp.D58_V59insAから選択される少なくとも一つの挿入をコードする少なくとも一つの変異をそのプレ‐プロ領域において含む修飾された完全長FNAをコードするように変異され、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0099】
幾つかの実施態様においては、前駆体FNAポリヌクレオチドは、Q46H-p.T47del、S49A-p.F22_G23del、S49C-p.F22_G23del、M48I-p.S49del、I17W-p.I18_T19del、S78M-p.F22_G23del、S78V-p.F22_G23del、K91A-p.F22_G23del、K91A-M48I-pS49del、K91A-p.K57del、P93S-p.F22_G23del、及びP93S-M48I-p.S49delからなる群から選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの欠失をコードする少なくとも2つの変異をそのプレ‐プロ領域において含む修飾された完全長FNAをコードするように変異され、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0100】
幾つかの実施態様においては、前駆体FNAポリヌクレオチドは、S49A-p.R2_S3insT、S49A-p32G_K33insG、S49A-p.T19_M20insAT、S49C-p.T19_M20insAT、S49C-p.G32_K33insG、S49C-p.T19_M20insAT、S52H--p.T19_M20insAT、K72D-p.T19_M20insAT、S78M-p.T19_M20insAT、S78V-p.T19_M20insAT、K91A-p.T19_M20insAT、K91A-p.G32_K33insG、P93S-p.T19_M20insAT、及びP93S-p.G32_K33insGから選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの挿入をコードする少なくとも2つの変異をそのプレ‐プロ領域において含む修飾された完全長FNAをコードするように変異され、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0101】
幾つかの実施態様においては、前駆体FNAポリヌクレオチドは、pK57del-p.T19_M20insAT、及びp.F22_G23del-p.R2_S3insTから選択される欠失及び挿入をコードする少なくとも2つの変異をそのプレ‐プロ領域において含む修飾された完全長FNAをコードするように変異され、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0102】
幾つかの実施態様においては、前駆体FNAポリヌクレオチドは、p.S49del-p.T19_M20insAT-M48Iに相当する少なくとも一つの欠失、少なくとも一つの挿入及び少なくとも一つの置換をコードする少なくとも3つの変異をFNAのプレ‐プロ領域に含む修飾された完全長FNAをコードするように変異され、ここで、位置は、配列番号:7に記載のFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられる。
【0103】
本発明の前駆体プロテアーゼのプレ‐プロ領域の修飾は、少なくとも1つの置換、少なくとも1つの欠失又は少なくとも1つの挿入を含む。いくつかの実施態様では、プレ‐プロ領域の修飾は、変異の組合せを含む。例えば、プレ‐プロ領域の修飾は、少なくとも1つの置換及び少なくとも1つの欠失の組合せを含む。他の実施態様では、プレ‐プロ領域の修飾は、少なくとも1つの置換及び少なくとも1つの挿入の組合せを含む。他の実施態様では、プレ‐プロ領域の修飾は、少なくとも1つの欠失及び少なくとも1つの挿入の組合せを含む。他の実施態様では、プレ‐プロ領域の修飾は、少なくとも1つの置換、少なくとも1つの欠失及び少なくとも1つの挿入の組合せを含む。
【0104】
本発明の修飾されたポリヌクレオチド配列を作りだすのに好適ないくつかの方法は当分野において知られている。それは、部位飽和突然変異誘発(site-saturation mutagenesis)系統的変異導入法(scanning mutagenesis)、挿入突然変異(insertional mutagenesis)、欠失突然変異誘発(deletion mutagenesis)、ランダム突然変異誘発(random mutagenesis)、及び部位特異的変異誘発(site-directed mutagenesis)及び様々な他の組み換えアプローチを含むが、これらに限定されない。一般に使用される方法は、DNAシャフリング(Stemmer WP、Proc Natl Acad Sci U S A. 25; 91(22):10747−51 [1994])、例えば、ITCHY(Ostermeier et al.、Bioorg Med Chem. 7(10):2139−44 [1999])、SCRACHY(Lutz et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 98(20):11248−53 [2001])、SHIPREC(Sieber et al.、Nat Biotechnol. 19(5):456−60 [2001])、及びNRR (Bittker et al.、Nat Biotechnol. 20(10):1024−9 [2001]; Bittker et al.、Proc Natl Acad Sci U S A. 101(18):7011−6 [2004])など遺伝子の非‐相同組み換えに基づいた方法、及びランダム及びターゲット変異、欠失及び/又は挿入、を挿入するオリゴヌクレオチドの使用に依存する方法、(Ness et al.、Nat Biotechnol. 20(12):1251−5 [2002]; Coco et al.、Nat Biotechnol. 20(12):1246−50 [2002]; Zha et al.、Chembiochem. 3;4(1):34−9 [2003]、Glaser et al.、J Immunol. 149(12):3903−13 [1992]、Sondek and Shortle、Proc Natl Acad Sci
U S A 89(8):3581−5 [1992]、Yanez et al.、Nucleic Acids Res. 32(20):e158 [2004]、Osuna et al.、Nucleic Acids Res. 32(17):e136 [2004]、Gaytan et al.、Nucleic Acids Res. 29(3):E9 [2001]、and Gaytan et al.、Nucleic Acids Res. 30(16):e84 [2002])を含む
【0105】
いくつかの実施態様では、完全長親ポリヌクレオチドは適切な発現プラスミドへ結合され、他の方法を使用してもよいが、次の突然変異誘発方法が本発明の修飾されたプロテアーゼの構築を容易にするために使用されてもよい。この方法は、本明細書に使用される制限酵素がその認識配列の外側をカットするという追加利点(それはほとんどすべてのヌクレオチド配列の消化が可能となり、制限部位傷跡の形成を排除する)を伴うPisarchikら(Protein engineering、Design and Selection20:257−265 [2007]によって記述されたもの基づく。最初に、本明細書に記載されるように、完全長プロテアーゼをコードする自然発生の遺伝子が得られ、その全体で又は一部分がシーケンスされる。次に、プレ‐プロ配列は、コードされたプレ‐プロ領域中1つ以上のアミノ酸で変異(欠失、挿入、置換又はその組合せ)を作ることが望まれる1以上のポイントでスキャンされる。遺伝子の変異は、所望の配列に一致するようにその配列を変更するために、周知の方法に従って、プライマー伸長によって遂行される。変異の所望のポイントの左及び右のフラグメントは、PCRによって増幅され、Eam1104I制限部位を含むようにする。左右のフラグメントはEam1104Iで消化され、相補的に3塩基突出を有する多くのフラグメントを作成し、それから、それは1つ以上の変異を含む修飾されたプレ‐プロ配列のライブラリーを作りだすためにプールされ結合される。方法を図2に示す。この方法は、フレーム‐シフト突然変異の発生を回避する。さらに、同じ制限部位を持つようにオリゴヌクレオチドをすべて合成することができるので、この方法は突然変異誘発プロセスを単純化し、他のいくつかの方法によって必要とされるような制限部位を作成するために必要とされる合成リンカーを用いることを要しない。
【0106】
上記に示すように、いくつかの実施態様では、本発明は前述のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。いくつかの実施態様では、ベクターは、本発明の修飾されたプロテアーゼをコードする、修飾されたポリヌクレオチド配列が、効率的な遺伝子発現に必要な追加フラグメント(例えば、目的の遺伝子に作動可能に結合するプロモーター)に作動可能に結合する発現ベクターである。いくつかの実施態様では、それが認識される場合(つまり、宿主によって転写される場合)、これらの必要な要素は遺伝子自身の相同のプロモーターとして供給され、そして外因性又はプロテアーゼ遺伝子の内因的なターミネーター領域によってつくられる転写ターミネーターが供給される。いくつかの実施態様では、抗菌剤含有培地中の増殖によるプラスミド‐感染宿主細胞の連続的な培養メンテナンスを可能にする抗生物質耐性遺伝子のような選別遺伝子も含まれる。
【0107】
いくつかの実施態様では、発現ベクターはプラスミド又はウィルスDNAに由来する、又は別の実施態様では、両方の成分を含んでいる。典型的なベクターはpXX、pC194、pJH101、pE194、pHP13(Harwood and Cutting (eds)、Molecular Biological Methods for Bacillus、John Wiley & Sons、[1990]、in particular、chapter 3; suitable replicating plasmids for B. subtilis include those listed on page 92; Perego、M. (1993) Integrational Vectors for Genetic Manipulations in Bacillus subtilis、p. 615−624; A. L. Sonenshein、J. A. Hoch、and R. Losick (ed.)、Bacillus subtilis and other Gram−positive bacteria: biochemistry、physiology and molecular genetics、American Society for Microbiology、Washington、D.C.)を含むが、これらに限定されない。
【0108】
目的のタンパク質、例えばプロテアーゼ、の発現及び生産のために、細胞の中で、修飾されたプロテアーゼをコードするポリヌクレオチドの少なくとも1つのコピー、及び好ましくは複数のコピーを含む少なくとも1つの発現ベクターがプロテアーゼの発現に適している条件の下の細胞に形質転換される。他の実施態様では、プラスミドが細胞内の自律の染色体外成分として残る一方、幾つかのある実施態様においては、プロテアーゼをコードする配列(及びベクター中に含まれる他の配列)は、宿主細胞のゲノムへ組み込まれる。したがって、本発明は、染色体外要素並びに宿主細胞ゲノムへ組み込まれるインカミング配列(incoming sequence)両方を提供する。
【0109】
いくつかの実施態様では、複製ベクターは、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含むベクターの構築に使用される(例えばpAC−FNA;図5参照)。本明細書に記載のベクターの各々が本発明に使用されるものと意図される。いくつかの実施態様では、構築物は、組み込みベクター(例えばpJH−FNA;図6)上に存在し、それは細菌染色体の中への修飾されたポリヌクレオチドの組み込み及び任意に増幅を可能にする。組み込みのための部位の例はaprE、amyE、veg又はpps領域を含むがこれらに限定されない。実際、当業者に知られている他の部位は、本発明に使用できるであろうと考えられる。いくつかの実施態様では、プロモーターは選択された前駆体プロテアーゼ用の野生型のプロモーターである。他のいくつかの実施態様では、プロモーターは前駆体プロテアーゼとは異種であるが、宿主細胞において機能的である。具体的には、バクテリアの宿主細胞で使用される適切なプロモーターの例は、pSPAC、pAprE、pAmyE、pVeg、pHpaIIプロモーター、バシルス ステアロテルモフィルス(B.stearothermophilus)のマルトジェニック(maltogenic)アミラーゼ遺伝子のプロモーター、バシルス アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)(BAN)アミラーゼ遺伝子、バシルス スブチリス(B. subtilis)アルカリ性プロテアーゼ遺伝子、バチルス クラウシ(B.clausii)アルカリ性プロテアーゼ遺伝子、バシルス プミリス(B.pumilus)キシロシダーゼ遺伝子、バシルス ツリンギエンシス(B.thuringiensis)cryIIIA及びバシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、プロモーターは、配列番号:333に記載の配列を有する。他の実施態様では、プロモーターは、配列番号:445に記載の配列を有する。追加のプロモーターは、A4プロモーター及びファージLambdaP又はPプロモーター及び大腸菌lac、trp又はtacプロモーターを含むがこれらに限定されない。
【0110】
前駆体及び修飾されたプロテアーゼは、バクテリア及び菌類を含む任意の適切なグラム陽性菌の宿主細胞の中で生産される。例えば、いくつかの実施態様では、修飾されたプロテアーゼは、バクテリア及び/又は菌由来の宿主細胞の中で生産される。いくつかの実施態様では、宿主細胞はバシルス種(Bacillus sp.)、ストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)、エシェリヒア種(Escherichia sp.)又はアスペルギルス種(Aspergillus sp.)である。いくつかの実施態様では、修飾されたプロテアーゼは、バシルス種(Bacillus sp.)によって生産される。本発明の修飾されたタンパク質の生産で使用する、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞の例は、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)、バシルス レンツス(B.lentus)、バシルス スブチリス(B. subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、バシルス レンツス(B.lentus)、バシルス ブレビス(B.brevis)、バシルス ステアロテルモフィルス(B.stearothermophilus)、バシルス アルカロフィリス(B.alkalophilus)、バシルス コアグランス(B.coagulans)、バシルス シルクランス(B.circulans)、バシルス プミリス(B.pumilis)、バシルス ツリンギエンシス(B.thuringiensis)、バチルス クラウシ(B.clausii)、及びバシルス メガテリウム(B.megaterium)、及びバシルス属内の他の生物体を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施態様では、バシルス スブチリス(B. subtilis)宿主細胞を使用してよい。他の適切な菌株は本発明に使用をできるが、米国特許第5,264,366及び4,760,025(RE 34,606)は、本発明に使用する様々なバシルス(Bacillus)宿主菌株について記述する。
【0111】
本発明に使用するいくつかの工業用の菌株は、非組み換え体(つまり、野生型)バシルス種(Bacillus sp.)菌株並びに自然発生菌株の変異体及び/又は組換え菌株を含む。いくつかの実施態様では、宿主株は組換え菌株であり、目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを宿主へ導入している。いくつかの実施態様では、宿主株は、バシルス スブチリス(B. subtilis)宿主株及び特に組み換えのバシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主株である。多数のバシルス スブチリス(B. subtilis)株は、知られており、1A6(ATCC 39085)、168(1A01)、SB19、W23、Ts85、B637、PB1753からPB1758、PB3360、JH642、1A243(ATCC 39,087)、ATCC 21332、ATCC 6051、MI113、DE100(ATCC 39,094)、GX4931、PBT 110及びPEP 211菌株(例えばHoch et al.、Genetics、73:215‐228 [1973]を参照願いたい)(また、米国特許第4,450,235、米国特許第4,302,544及びEP 0134048も参照願いたい。これらのそれぞれは参照によりその全体を取り込む。)を含むが、これらに限定されない。発現宿主としてのバシルス スブチリス(B. subtilis)の使用は当分野において周知である。(例えば、Palva et al.、Gene 19:81−87 [1982]; Fahnestock and Fischer、J. Bacteriol.、165:796‐804 [1986];及びWang et al.、Gene 69:39‐47 [1988])を参照願いたい)。
【0112】
いくつかの実施態様では、バシルス(Bacillus)宿主は、次の遺伝子、degU、degS、degR 及びdegQの少なくとも1つに変異又は欠失を含むバシルス種(Bacillus sp.)である。好ましくは、変異はdegU遺伝子にあり、より好ましくは、変異はdegU(Hy)32である。(例えばMsadek et al.、J. Bacteriol.、172:824−834 [1990];及びOlmos et al.、Mol. Gen. Genet.、253:562‐567 [1997]を参照願いたい)。好ましい宿主株はdegU32(Hy)変異を有するバシルス スブチリス(Bacillus subtilis)である。いくつかのさらなる実施態様では、バシルス(Bacillus)宿主は、scoC4(例えばCaldwell et al.、J. Bacteriol.、183:7329−7340 [2001]を参照願いたい)、spoIIE(Arigoni et al.、Mol. Microbiol.、31:1407−1415 [1999]を参照願いたい)、及び/又はoppA又はoppオペロンの他の遺伝子(例えばPerego et al.、Mol. Microbiol.、5:173−185 [1991]を参照願いたい)における変異又は欠失を含む。実際、oppA遺伝子中の変異と同じ表現型を引き起こすoppオペロン中のどんな変異も、本発明の改変されたバシルス(Bacillus)菌株のいくつかの実施態様に使用されるだろう。いくつかの実施態様で、他の実施態様では、変異の組合せが存在する一方、これらの変異が単独で生じる。いくつかの実施態様では、本発明の修飾されたプロテアーゼを生産するために使用することができる、改変されたバシルス(Bacillus)菌株は、前述の遺伝子の1つ以上において既に変異を含むバシルス(Bacillus)宿主株である。さらにバシルス種(Bacillus sp.)内因的なプロテアーゼ遺伝子の変異及び/又は欠失を含む宿主細胞が使用される。いくつかの実施態様では、バシルス(Bacillus)宿主細胞は、aprE及びnprE遺伝子の欠失を含む。他の実施態様においては、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞は、9つのプロテアーゼ遺伝子(US20050202535)の欠失を含む一方、他の実施態様においては、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞は、5つのプロテアーゼ遺伝子(US20050202535)の欠失を含む。
【0113】
宿主細胞は、当分野で既知のどんな適切な方法を用いて、本発明の修飾されたプロテアーゼをコードする修飾されたポリヌクレオチドで形質転換される。修飾されたポリヌクレオチドがベクターに組み入れられるか、プラスミドDNAの存在なしで使用されるかにかかわらず、いくつかの実施態様において、それは、好ましくは大腸菌(E. coli)細胞又はコンピテントバシルス(Bacillus)細胞に微生物へ導入される。プラスミド構築物を含むバシルス(Bacillus)細胞へDNAを導入する方法及び大腸菌へのプラスミドの形質転換する方法は周知である。いくつかの実施態様では、プラスミドは、大腸菌からその後単離され、バシルス(Bacillus)へ形質転換される。しかしながら、大腸菌のような介在する微生物を使用することは必要なく、いくつかの実施態様では、DNA構築物又はベクターはバシルス(Bacillus)宿主へ直接的に導入される。
【0114】
当業者は、バシルス(Bacillus)細胞へポリヌクレオチド配列を導入するのに適した方法を知っている(例えばFerrari et al.、”Genetics,” in Harwood et al. (ed.)、Bacillus、Plenum Publishing Corp. [1989]、pages 57−72; Saunders et al.、J. Bacteriol.、157:718−726 [1984]; Hoch et al.、J. Bacteriol.、93:1925 −1937 [1967]; Mann et al.、Current Microbiol.、13:131−135 [1986];及び、Holubova、Folia Microbiol.、30:97 [1985]; Chang et al.、Mol. Gen. Genet.、168:11−115 [1979]; Vorobjeva et al.、FEMS Microbiol. Lett.、7:261−263 [1980]; Smith et al.、Appl. Env. Microbiol.、51:634 [1986]; Fisher et al.、Arch. Microbiol.、139:213−217 [1981];及びMcDonald、J. Gen. Microbiol.,130:203 [1984]を参照願いたい)。実際、プロトプラスト形質転換及びコングレッション(congression)、形質導入及びプロトプラスト融合を含む形質転換のような方法は、知られており、本発明で使用するのに適している。形質転換の方法は、宿主細胞の中へ本発明によって提供されるDNA構築物を導入するために使用される。バシルス(Bacillus)を形質転換するための当分野で知られる方法は、部分的に相同の耐性のプラスミド(Contente et al.、Plasmid 2:555−571 [1979]; Haima et al.、Mol. Gen. Genet.、223:185−191 [1990]; Weinrauch et al.、J. Bacteriol.、154:1077−1087 [1983]; そしてWeinrauch et al.、J. Bacteriol.、169:1205−1211 [1987])を保持するコンピテント細胞によってドナー・プラスミドの取り込みを含むプラスミド・マーカー・レスキュー(plasmid marker rescue)形質転換のような方法を含む。この方法では、インカミングドナー・プラスミド(incoming donor plasmid)は、染色体の形質転換を模倣するプロセスにおいて耐性「ヘルパー」プラスミドの相同の領域と組み換えする。
【0115】
一般に用いる方法に加えて、いくつかの実施態様では、宿主細胞は直接に形質転換される(つまり、宿主細胞への挿入前に、DNA構築物を増幅するために、又は別の方法のために中間細胞を用いることはない)。宿主細胞へのDNA構築物の導入は、プラスミド又はベクターの中への挿入せずに宿主細胞へDNAを導入する、当分野で知られた物理的及び化学的手法を含む。そのような方法は、塩化カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、ネイキッドDNA(naked DNA)、リポソーム等を含むが、これらに限定されない。追加の実施態様では、DNA構築物はプラスミドへ挿入されずに、プラスミドと同時に形質転換される。さらなる実施態様では、選択マーカーは、当分野で既知の方法(Stahl et al.、J. Bacteriol.、158:411−418 [1984]);及びPalmeros et al.、Gene 247:255 −264 [2000]を参照願いたい)によって改変させられたバシルス(Bacillus)菌株から削除される。
【0116】
いくつかの実施態様では、本発明の形質転換細胞は従来の培養液において培養される。温度、pHなどのような適切な特有の培養条件は、当業者に知られている。さらに、いくつかの培養条件は、Hopwood (2000) Practical Streptomyces Genetics、John Innes Foundation、Norwich UK;Hardwood et al.、(1990) Molecular Biological Methods for Bacillus、John Wiley、ような科学文献そしてアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から見つかるかもしれない。
【0117】
いくつかの実施態様の中で、修飾されたプロテアーゼをコードするポリヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、本発明のプロテアーゼの発現及び生産を可能とする条件の下にて適切な培養液において培養され、その後、生じるプロテアーゼは培地から回復される。細胞を培養するために使用される培地は、適切なサプリメントを含む最少培地又は複合培地のような宿主細胞を育てるのに適した任意の従来の培地も含む。適切な培地は商品の供給者から入手可能である、又は公表されたレシピ(例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログ中の)によって調製されてよい。いくつかの実施態様では、細胞によって生産されたプロテアーゼは、従来の方法によって培地から回収され、遠心分離又は濾過による培地から宿主細胞を分離すること、塩(例えば硫酸アンモニウム)によって上清又はろ過物のタンパク質の成分を沈殿すること、クロマトグラフィーの精製(例えばイオン交換、ゲル濾過、親和性、等)を含むが、これらに限定されない。したがって、本発明のプロテアーゼを回収するのに適したどんな方法も、本発明に使用できる。実際に、本発明が任意の特別の精製法に制限されることを意図しない。
【0118】
本発明の修飾されたプロテアーゼを含む組み換えの宿主細胞によって生産されたタンパク質は、培地へ分泌される。いくつかの実施態様では、他の組み換えの構築は、可溶性タンパク質の精製を容易にするプロテアーゼ・ポリペプチド・ドメインをコードするヌクレオチド配列に異種又は相同のポリヌクレオチド配列をつなぐ(Kroll DJ et al (1993) DNA Cell Biol 12:441−53)。そのような精製を容易にするドメインは、固定化金属上で精製を可能とする、ヒスチジン・トリプトファン・モジュールのような金属キレートペプチド(metal chelating peptide)(Porath J (1992) Protein Expr Purif 3:263−281)、固定化免疫グロブリン上で精製を可能とするプロテインAドメイン及びFLAGSエクステンション/アフィニティー生成システム(イミュネックス社 シアトル WA)利用するドメインを含むがこれらに限定されない。精製ドメインと異種のタンパク質間のFactor XA又はエンテロキナーゼ(Invitrogen サンディエゴ CA)のような切断可能なリンカー配列の介在物も精製を容易にするために使用できる。
【0119】
上記に示すように、本発明は同じ条件の下で増殖したバシルス(Bacillus)宿主細胞によって非修飾完全長酵素から加工された時、同じ成熟プロテアーゼのものより高いレベルにて成熟形態を生産するためにバシルス(Bacillus)宿主細胞によって加工された修飾された完全長プロテアーゼをコードする修飾された完全長ポリヌクレオチドを提供する。生産レベルは分泌酵素の活性レベルによって決定される。
【0120】
生産の増強の1つの基準は相対活性として決定することができ、相対活性は、修飾されない前駆体プロテアーゼから加工された時成熟形態の酵素活性の値に対する修飾されたプロテアーゼから加工された時成熟形態の酵素活性の値の割合のパーセントとして表される。100%以上の相対活性は、修飾された前駆体から加工された成熟形態プロテアーゼが、非修飾前駆体から加工された時に生産される同じ成熟形態のレベル以上のレベルにて生産されることを示す。したがって、いくつかの実施態様では、非修飾前駆体プロテアーゼから加工されたプロテアーゼの成熟形態の対応する生産と比較された時、修飾されたプロテアーゼから加工された成熟プロテアーゼの相対活性は、少なくとも約100%、少なくとも約110%少なくとも約120%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、少なくとも約170%、少なくとも約180%、少なくとも約190%、少なくとも約200%、少なくとも約225%、少なくとも約250%、少なくとも約275%、少なくとも約300%、少なくとも約325%、少なくとも約350%、少なくとも約375%、少なくとも約400%、少なくとも約425%、少なくとも約450%、少なくとも約475%、少なくとも約500%、少なくとも約525%、少なくとも約550%、少なくとも約575%、少なくとも約600%、少なくとも約625%、少なくとも約650%、少なくとも約675%、少なくとも約700%、少なくとも約725%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約825%、少なくとも約850%、少なくとも約875%、少なくとも約850%、少なくとも約875%、少なくとも約900%、また少なくとも約1000%以上である。あるいは、相対活性は、非修飾前駆体から加工された時、同じプロテアーゼの活性の値で修飾された前駆体から加工されたプロテアーゼの活性の値を割ることにより決定される生産の割合として表現される。したがって、いくつかの実施態様では、修飾された前駆体から加工された成熟プロテアーゼの生産の割合は、少なくとも約1、少なくとも約1.1、少なくとも約1.2、少なくとも約1.3、少なくとも約1.4、少なくとも約1.5、少なくとも約1.6、少なくとも約1.7、少なくとも約1.8、少なくとも約1.9、少なくとも約2、少なくとも約2.25、少なくとも約2.5、少なくとも約2.75、少なくとも約3、少なくとも約3.25、少なくとも約3.5、少なくとも約3.75、少なくとも約4.25、少なくとも約4.5、少なくとも約4.75約、少なくとも約5、少なくとも約5.25、少なくとも約5.5、少なくとも約5.75、少なくとも約6、少なくとも約6.25、少なくとも約6.5、少なくとも約6.75、少なくとも約7、少なくとも約7.25、少なくとも約7.5、少なくとも約8、少なくとも約8.25、少なくとも約8.5、少なくとも約8.75、少なくとも約9、及び少なくとも約10までである。
【0121】
プロテアーゼの活性を検出し測定するための、当業者に既知の様々なアッセイがある。特に、アッセイは、プロテアーゼ活性の測定に利用可能であり、280nmにて吸光度として測定するように又はフォリン試験(例えば、Bergmeyer et al.、”Methods of Enzymatic Analysis” vol. 5、Peptidases、Proteinases and their Inhibitors、Verlag Chemie、Weinheim [1984]を参照願いたい)を使用して、比色分析で測定するように、カゼイン又はヘモグロビンからの酸可溶性ペプチドの放出に基づく。他のいくつかのアッセイは、色素形成基質(例えば、Ward、”Proteinases,” in Fogarty (ed.).、Microbial Enzymes and Biotechnology、Applied Science、London、[1983]、pp 251−317を参照願いたい)の可溶化を含む。他の典型的なアッセイは、Ala−Ala−Pro−Phe−パラニトロアニリド・アッセイ(SAAPFpNA)及び2、4、6‐トリニトロベンゼン・スルフォネート・ナトリウム塩アッセイ(TNBSアッセイ)を含むが、これらに限定されない。当業者に既知の多数の追加的参考文献は適切な方法を提供する(例えばWells et al.、Nucleic Acids Res. 11:7911−7925 [1983]; Christianson et al.、Anal. Biochem.、223:119 −129 [1994]; 及び Hsia et al.、Anal Biochem.,242:221−227 [1999]を参照願いたい)。本発明が任意の特別のアッセイ方法に制限されることを意図しない。
【0122】
宿主細胞中の成熟プロテアーゼの生産水準を決定するための他の手段はポリクロ―ナル抗体又はタンパク質に特異的なモノクローナル抗体のいずれかを使用する方法を含むが、これらに限定されない。実施例は、酵素結合免疫吸着法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)及び蛍光性の活性化セルソーティング(FACS)を含むが、これらに、限定されない。これら及び他のアッセイは、当分野(参照において周知である(例えばMaddox et al .、J. Exp. Med.、158:1211 [1983]を参照願いたい)。
【0123】
本明細書にて言及された出版物及び特許はすべはて、引用によって本明細書に組込まれる。本発明の記載された方法及びシステムの様々な修飾及びバリエーションは、本発明の範囲及び趣旨から逸脱されないことは、当業者に明白である。本発明は、具体的な実施態様に関して記述されたが、本発明がそのような具体的な実施態様に過度に制限されるべきではないことは理解されるに違いない。実際、当業者及び/又は関連分野に熟知するものにとって明白な発明を行なうための記載された態様の様々な修飾が、本発明の範囲内であることは意図される。
【実施例】
【0124】
次の実施例は本発明のある実施態様及び態様を実証し、さらに例証するために提供され、本発明の範囲を制限するように解釈すべきではない。
【0125】
次の実験の開示では、次の省略形を適用する。ppm(百万分率);
M(モル濃度);mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度);nM(ナノモル濃度);mol(モル);mmol(ミリモル);μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);gm(グラム);mg(ミリグラム);μg(マイクログラム);pg(ピコグラム);L(リットル);ml及びmL(ミリリットル);μl及びμL(マイクロリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル);μm(マイクロメートル);nm(ナノメートル);U(ユニット);V(ボルト);MW(分子量);sec(秒);min(s)(分/分));h(s)及びhr(時間/時間);℃(摂氏度);QS(十分な量);ND(行われなかった);NA(適用できない);rpm(毎分回転数);w/v(重量/体積);v/v(体積/体積);g(重力);OD(吸光度);aa(アミノ酸);bp(塩基対);kb(キロ塩基対);kD(キロダルトン);suc−AAPF−pNA(スクシニルL−アラニルL−アラニルL−プロリルL―フェニルアラニル・パラ・ニトロアニリド);FNA(BPN’の変異体);BPN’(バシルス アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)サブチリシン);DMSO(ジメチルスルホキシド);cDNA(コピー又は相補的DNA);DNA(デオキシリボ核酸);ssDNA(一本鎖DNA);dsDNA(二本鎖DNA);dNTP(デオキシリボヌクレオチド3リン酸);DTT(1及び4−ジチオ−DLトレイトール);H2O(水);dH2O(脱イオン水);HCl(塩酸);MgCl(塩化マグネシウム);MOPS;(3−[N−morpholino]プロパンスルホン酸)NaCl(塩化ナトリウム);PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動法);PBS;(リン酸緩衝生理食塩水[150mM NaCl、10mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH 7.2])PEG(ポリエチレングリコール);PCR(ポリメラーゼチェーン反応);PMSF(フェニルメチルスルホニルフッ化物);RNA(リボ核酸);SDS(硫酸ドデシルナトリウム);Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン);SOC(2%Bacto−トリプトン、0.5%Bacto酵母抽出物、10mM NaCl、2.5mM KCl);テリフィック培地(Terrific Broth)(TB; 12g/lBactoトリプトン、24g/lグリセロール、2.31g/lKHPO及び12.54g/lKHPO);OD280(280nmの吸光度);OD600(600nmの吸光度);A405(405nmの吸光度);Vmax(酵素触媒反応の最大の初速度);HEPES(N[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン‐N−[2−エタンスルホン酸]);Tris−HCl(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン塩酸塩);TCA(トリクロロ酢酸);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);RP−HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィー);TLC(薄層クロマトグラフィー);EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸);EtOH(エタノール);SDS(硫酸ドデシルナトリウム);Tris (トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン);TAED(N、N、N’N’テトラアセチルエチレンジアミン);
【0126】
実施例1
ターゲットISD(挿入 置換 欠失(Insertion Substitution Deletion))ライブラリー構築
修飾されたFNAポリヌクレオチドのライブラリーを作るために使用される方法の概略を図2(ISD方法)に示す。392アミノ酸の完全長タンパク質(配列番号:1)のプレ‐プロ領域(配列番号:7)をコードするFNA遺伝子配列を均一にカバーする2セットのオリゴヌクレオチドをフォワード方向及びリバース方向の両方向で、FNAのプレ‐プロ領域をコードするFNA遺伝子の部分の左右のセグメントを増幅するために使用した。2つのPCR反応(左右のセグメント)が、5’フォワード又は3’リバース遺伝子配列フランキングオリゴヌクレオチドのいずれかを含み、対応する反対のプライミングオリゴヌクレオチドとそれぞれ組み合わせた。左のフラグメントを、EcoRIサイト(P3233、TTATTGTCTCATGAGCGGATAC; 配列番号: 123)を含む単一のフォワードプライマー及びEam104Iサイト(配列番号: 124−227; 表1)を各々含むリバースプライマーP3301r−P3404rを使用して、増幅した。右フラグメントを、MluI制限部位(P3237、TGTCGATAACCGCTACTTTAAC; 配列番号:228)を含む単一のリバースプライマー及びEam104I制限部位(配列番号:229−332; 表2)を各々含むフォワードプライマーP3301f−P3401fを使用して、増幅した。
【0127】
【表1】





【0128】
【表2】





【0129】
増幅反応はそれぞれ、30pmolの各オリゴヌクレオチド及び100ナノグラムのpAC−FNa10鋳型を含んだ。増幅はベント(Vent)DNAポリメラーゼ(ニューイングランドバイオ研究所(New England Biolabs))を使用して行った。PCRミックス(20μl)を最初に95Cで2.5分間加熱し、その後続けて、94Cにて15秒の変性、55Cにて15秒間のアニーリング、及び72Cにて40秒の伸展の30サイクルであった。増幅に続いて、PCR反応によって作りだされた左右のフラグメントをゲル精製し、混合し(200ナノグラムの各フラグメント)、Eam104Iで消化し、T4DNAリガーゼで結合し、及びフランキングプライマー(P3233とP3237)により増幅した。得られたフラグメントを、EcoRIとMluIで消化し、pAC−FNA10プラスミド(図5)中のEcoRI/MluI部位へクローン化した。pAC−FNA10はプレ‐プロ領域とFNAの成熟領域の間にMluI制限部位を含むように作成された。pAC−FNA10プラスミドから前駆体及び修飾されたプロテアーゼをコードするDNAの転写をaprEの短いプロモーター
GAATTCATCTCAAAAAAATGGGTCTACTAAAATATTATTCCATCTATTACAATAAATTCACAGAATAGTCTTTTAAGTAAGTCTACTCTGAATTTTTTTAAAAGGAGAGGGTAAAGA (配列番号:333).
によって促進した。したがって、発現カセット(1307bp)は次に示すポリヌクレオチド配列(配列番号:334)中に含まれた。

【0130】
カセットは、AprEプロモーター(下線部)、FNAのプレ、プロ及び成熟領域及び転写ターミネーターを含む。
【0131】
ライゲーション混合物を、メーカーの推奨された方法(Epicentre Biotech)によってローリングサークル増幅を使用して、増幅した。
【0132】
変異したプレ‐プロ領域を有するFNAプロテアーゼをコードするDNA配列を含む103のライブラリーをコンピテントバシルス スブチリス(Bacillus subtilis)菌株(遺伝子型:ΔaprE、ΔnprE、spoIIE、amyE::xylRPxylAcomK−phleo)へ形質転換し、1時間37Cで1mlのルリア培養液(Luria Broth、LB)の中に回収した。バクテリアを、キシロース誘導性プロモーター(例えばHahn et al.、Mol Microbiol、21:763−775、1996を参照願いたい)のコントロールの下でcomK遺伝子の誘導によってコンピテントになった。調製物を1.6%のスキムミルク及び5mg/lのクロラムフェニコールを含むLB寒天平板上に移植し、37Cで終夜しインキュベートした。
【0133】
最大のハローを生産した103のライブラリーの各々からの1000のクローンを採取し、最終濃度5mg/Lのクロラムフェニコールを含む3mlのLBを有する16mlのチューブ中に個々のコロニーをインキュベートすることにより前培養し、250rpmにて振盪しながら37Cで4時間インキュベートした。1ミリリットルの前培養した細胞を25mlの改良FNII培地(7g/lのカーギル大豆粉#4、0.275のmM MgSO4、220mg/LのK2HPO4、21.32g/lのNa2HPO4 7H2O、6.1g/lのNaH2PO4.H2O、3.6g/lの尿素、0.5ml/Lのマーツー(Mazu)、35g/lのMaltrin M150及び23.1g/lのグルコース.H2O)を含む250ml振盪フラスコに加えた。振盪フラスコを250rpmで振盪しながら37Cでインキュベートした。培養物のアリコート(200 ul)を12時間ごとに除き、8000rpmにて2分間ベンチトップ遠心分離機中で遠沈し、上澄みを−20Cにて凍結した。各分離物を、下記に説明する96‐ウェル・プレート・アッセイを使用して、AAPF活性について試験した。
【0134】
96‐ウェル・マイクロタイタープレートにおけるAAPFプロテアーゼ・アッセイ
最大のハローを生産するクローンを、96‐ウェル・プレート・アッセイを使用して、AAPF活性のためにさらに試験をした。選択されたコロニーを採取し、最終濃度5mg/Lでクロラムフェニコールを含むLBの150 ulを有する96ウェルの平底マイクロタイタープレート(MTP)において個々のコロニーをインキュベートすることにより前培養し、220rpmにて振盪しながら37Cでインキュベートした。140マイクロリットルのGrant’s II培地(10g/Lソイトン(soytone)、75g/Lグルコース、3.6g/L尿素、83.72g/lMOPS、7.17g/Lトリシン、3mM K2HPO4、0.276mM K2SO4、0.528mM MgCl2、2.9g/LNaCl、1.47mg/Lのシトラート3ナトリウム二水和物、0.4mg/LのFeSO4.7H2O、mg/L、0.1mg/LのMnSO4.H2O、0.1mg/LZnSO4.H2O、0.05mg/LCuCl2.2H2O、0.1mg/LCoCl2.6H2O、0.1mg/LNa2MoO4.2H2O)を新しい96‐ウェルMTPの各ウェルに添加した。その後、第1のMTPからの各前培養の10ulをGrant’s II培地を含んでいる第2のMTP中の対応するウェルに加えた。培養を220rpmで浸透しながら37°Cにて加湿チャンバーで40時間インキュベートした。インキュベーションに続いて、培養物をトリス希釈緩衝液の100 ul中で10から100倍まで希釈した。また、AAPF活性を次のように測定した。
【0135】
サンプルのAAPF活性をN−スクシニル−L−アラニル−L−アラニル−L−プロリル−L−フェニル−p−ニトロアニリド(suc−AAPF−pNA)の加水分解の速度として測定した。使用される試薬溶液は次のとおりだった:
0.005%のTWEEN(商標)−80含有100mMトリス/HCl、pH8.6(トリス希釈緩衝液及びDMSO中160mM suc−AAPF−pNA(suc−AAPF−pNA原液)(シグマ:S−7388)。suc−AAPF−pNA作業溶液を調製するために、1mlのsuc−AAPF−pNA原液を100mlのトリス/HCl緩衝液に加え、少なくとも10秒間よく混合した。アッセイは、各ウェルに、希釈した培養の10μlを加えた後、直ちに190μlの1mg/mlのsuc−AAPF−pNA作業用溶液を添加することにより実施した。その溶液を5秒間混合し、カイネティックモード(5分で20の読み取り)の吸光度変化を、25℃で410nmにてMTPリーダーで測定した。プロテアーゼ活性をAU(活性=ΔOD・min−1ml−1)として表現した。相対的な生産は、コントロール試料(野生型のpAC−FNA10)のAAPF転換の速度で割られた、任意の1つの実験試料のAAPF転換の速度の割合として計算した。
【0136】
ISDライブラリー・スクリーンから同定され、最も高いAAPF活性を持っているクローンのAAPF活性の結果を表3に示す。クローン1001及び515は2つの変異:欠失と置換を含んだ。欠失はプレ‐プロ配列へ故意に導入されたが、置換はDNAポリメラーゼによって読み誤りの誤差に起因しているだろう。
【0137】
【表3】






















【0138】
実施例2
ISDにより作成した変異の組合せを含む、修飾されたプレ‐プロポリペプチドの生成
プレ‐プロFNA配列中少なくとも2つの変異を組み合わせることの効果を決定するために、表3に与えられた変異の組合せを次のように作成した。
【0139】
表3からの変異体を含むpAC−FNA10プラスミドDNAを、表3に記載された変異から選択される別の変異も加えるため、伸展PCR用鋳型として使用した。2つのPCR反応(左及び右のフラグメント)が、対応する反対のプライミングオリゴヌクレオチドとそれぞれ組み合わせて各々5’フォワード遺伝子配列フランキングオリゴヌクレオチド又は3’リバース遺伝子配列フランキングオリゴヌクレオチドのいずれかを含んだ。左のフラグメントを単一のフォワードプライマー(P3234、ACCCAACTGATCTTCAGCATC;配列番号:411)及び表Dの中で示す特定の変異用のリバースプライマーを用いて増幅された。右のフラグメントを単一のリバースプライマー(P3242、ACCGTCAGCACCGAGAACTT;配列番号:412)及び表4に示される特定の変異用のフォワードプライマーを用いて増幅した。増幅された2つのフラグメント(左及び右)を一緒に混合し、EcoRIサイトを含むフォワードプライマー(P3201、ATAGGAATTCATCTCAAAAAAATG;配列番号:413)、及びMluI制限部位を含むリバースプライマー(P3237、TGTCGATAACCGCTACTTTAAC;配列番号:414)によって増幅した。
【0140】
【表4】


【0141】
実施例1において記載されたように、増幅、ライゲーション及び形質転換を行った。変異の各組合せにつき3つのクローンが、実施例1において記載のように96ウェル・プレート・アッセイを使用して、AAPF活性について試験した。野生型の完全長FNAから加工されたFNAの生産と比較してプレ‐プロポリペプチド中の変異の組合せを含む完全長FNAタンパク質から加工されたFNA(配列番号:9)の相対的な生産での結果を表5−10に示す。
【0142】
【表5】

【0143】
【表6】

【0144】
【表7】

【0145】
【表8】

【0146】
【表9】

【0147】
【表10】

【0148】
データは、大多数の組合せが、個々の変異の結果として得られたものより大きかった相対的なAAPF活性を得、言い換えると、変異のほとんどの組合せが、AAPF活性での相乗効果を有した。
【0149】
変異の組合せを有するプレ‐プロポリペプチドを含む完全長FNAを発現するバシルス スブチリス(B. subtilis)細胞すべては、野生型のプレ‐プロ‐FNAを発現したバシルス スブチリス(B. subtilis)細胞のものより高い成熟FNAの生産レベルを有した。
【0150】
変異の組合せを有するプレ‐プロポリペプチドを含む完全長FNAを発現する大多数のバシルス スブチリス(B. subtilis)クローンは、単一変異を有するプレ‐プロポリペプチドを含む完全長FNA生産を発現するクローンよりも成熟FNAの一層大きな生産レベルを有した。
【0151】
実施例3
サイト評価ライブラリー(Site Evaluation Libraries、SEL)は、FNAのプレ‐プロ領域を含む、最初の103のアミノ酸位置の各々にてポジショナルライブラリー(positional libraries)を作りだすために構築された。完全長FNAプロテアーゼのプレ‐プロ配列のサイト飽和突然変異誘発をバクテリアの宿主細胞によるFNAの生産を増加させるアミノ酸置換を同定するために行なった。
【0152】
SEL ライブラリー構築
プレ‐プロ‐FNA SEL生産は、DNA 2.0ノウハウ及び/又は知的財産権に属する遺伝子最適化、遺伝子合成及びライブラリー生成用のそれらのテクノロジー・プラットフォームを使用して、DNA 2.0(Menlo Park、CA)によって行なわれた。完全長FNAポリヌクレオチド

を含むpAC−FNA10プラスミドをSELsの作成のためにDNA2.0へ送付した。FNAのプレ‐プロ領域の107のアミノ酸の各々(図1)でポジショナルライブラリーを作りだすようにDNA 2.0依頼した。図1中、番号を付され、示された107のサイトの各々について、DNA 2.0は、各々の位置で15以上の置換変異体を提供した。これらの遺伝子構築物を1枚のプレート当たり4つの単一のポジションライブラリーを各々含む96ウェルプレートの中で得た。ライブラリーは、FNA変異体配列をコードする発現プラスミドで形質転換された、形質転換バシルス スブチリス(B. subtilis)宿主細胞(遺伝子型: ΔaprE、ΔnprE、ΔspoIIE、amyE::xylRPxylAcomK−phleo)から成った。96ウェルプレートに移されたグリセロール・ストックとして、これらの細胞を受け取り、各変異体をコードするポリヌクレオチドをシーケンスし、上記に記載されたように、コードされた変異体タンパク質の活性を測定した。機能的な特性評価のために異なるFNAタンパク質変異体を得るために実施例1において記載したように、個々のクローンを培養した。FNA生産は、所定位置で野生型の完全長FNAから加工されたFNAの生産に対する変異プレ‐プロポリペプチドを含む完全長FNAタンパク質から加工されたFNAの生産の割合として表11に示した。
【0153】
【表11】






【0154】
実施例4
修飾されたプロテアーゼをコードする安定して組み込まれた構築物を有するバシルス スブチリス(Bacillus subtilis)由来のプロテアーゼの生産
pJH組み込みベクター(integrating vector)(Ferrari et al. J. Bacteriol. 154:1513−1515 [1983])を使用して、ベクターがバシルス スブチリス(Bacillus subtilis)の染色体へ組み込まれた時、複製ベクターpAC−FNA10から発現される場合バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)中のプロテアーゼの増強された生産が確認された。
【0155】
ベクター組み込みについては、AprEプロモーターの上流領域を伸展PCRによってpAC−FNA10の中にある短いプロモーターに加えた。この目的のために、2つのフラグメントを増幅した。一つは、鋳型としてpJH−FNAプラスミド(図6)を使用して増幅し、他のものは、鋳型としてFNAのプレ‐プロ領域の中で選択された変異を有するpAC−FNA10プラスミドを使用して増幅した。AprEプロモーターの欠損上流領域を含む第一のフラグメントを、プライマーP3249及びP3439(表12)を使用して、pJH−FNAプラスミドから増幅した。短いaprEプロモーター、修飾したプレ‐プロ及び成熟FNA領域、並びに転写ターミネーターにわたる第2のフラグメントを、鋳型として選択され修飾されたプレ‐プロを有するpAC−FNA10を使用して、プライマーP3438及びP3435(表12)によって増幅した。これらの2つのフラグメントは重複を含み、それは、両方のフラグメントをともに混合し、EcoRIとBamHIの制限部位を含むフランキングプライマー(P3255及びP3246; 表12)で増幅することにより、完全長aprEプロモーター(FNAとターミネーターを有する)を再生成することを可能にした。完全長aprEプロモーター、修飾されたプレ‐プロ領域、成熟FNA領域及び転写ターミネーターを含む、得られたフラグメントをEcoRIとBamHIによって消化し、同じ制限酵素によって消化されたpJH−FNAベクターと結合した。同様に、完全長aprEプロモーター、修飾されない親プレ‐プロ領域及び成熟FNA領域及び転写ターミネーターをコードする修飾されない配列を含むコントロール・フラグメントを作成した(配列番号: 452)。コントロールの修飾されない又は修飾されたプロテアーゼをコードするDNAを含むpJH−FNA構築物をバシルス スブチリス(Bacillus subtilis)菌株(遺伝子型ΔaprE、ΔnprE、spoIIE、amyE::xylRPxylAcomK−phleo)に転換し、実施例1において記載したように培養した。実施例1に記載したように、修飾された完全長FNAから加工された時、生産された成熟FNAプロテアーゼのAAPF活性を測定し、定量し、その生産は、修飾されない完全長FNAから加工された成熟FNAのものと比較した。
【0156】
長いaprEプロモーターの配列を配列番号445に記載する。

【0157】
【表12】

【0158】
pJH−FNAベクター中の非修飾親FNAポリヌクレオチドを含む発現カセットのヌクレオチド配列を配列番号:452に記載する。

【0159】
カセットは、長いAprEプロモーター(下線部、配列番号:445)、FNAのプレ‐プロ領域(配列番号: 7)及びFNAの成熟領域(配列番号9)、及び転写ターミネーターの配列を含む。
【0160】
変異体のうちの1つ(クローン684; 表9)から加工されたFNA生産の結果を、非修飾完全長FNAから加工されたFNA生産の生産と比較して、図7に示す。これらのデータにより、修飾されたプレ‐プロ領域を含む、組み込まれた構築物からコードされたプロテアーゼの生産が非修飾プレ‐プロ領域から生産されたものと比較して増強されたことが確認された。
【図1】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2C1】

【図2C2】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】

【図3F】

【図3G】

【図3H】

【図3I】

【図4】

【図4A】

【図4B】

【図4C】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
修飾された完全長プロテアーゼをコードする単離修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離修飾されたポリヌクレオチドが、前記完全長プロテアーゼの成熟領域をコードする第二ポリヌクレオチドと作動可能に結合する前記完全長プロテアーゼのプレ‐プロ領域をコードする第一ポリヌクレオチドを含み、ここで前記第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、さらに少なくとも一つの変異を含むように変異され、前記少なくとも一つの変異が宿主細胞により前記プロテアーゼの生産を増強させることを特徴とする前記単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記修飾された完全長プロテアーゼが、野生型又は変異体前駆体アルカリセリンプロテアーゼ由来のアルカリセリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項1に記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記前駆体アルカリセリンプロテアーゼが、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルス プミルス(Bacillus pumilis)、又はバシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)セリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項2に記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であることを特徴とする請求項1に記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞が、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞であることを特徴とする請求項4に記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼに少なくとも約65%の同一性を有するプロテアーゼをコードすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記第二ポリヌクレオチドが、配列番号9のプロテアーゼをコードすることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の単離修飾ポリヌクレオチド。
【請求項8】
前記第一ポリヌクレオチドが、2、3、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、59、61、62、63、64、66、67、68、69、70、72、74、75、76、77、78、80、82、83、84、87、88、89、90、91、93、96、100、及び102の位置から選択される一以上の位置にて少なくとも一つの置換をコードする少なくとも一つの変異を含み、ここで前記位置が配列番号7のプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項9】
前記第一ポリヌクレオチドがX2F、N、P、及びY; X3A、M、P、及びR; X6K、及びM; X7E; I8W; X10A、C、G、M、及びT; X11A、F、及びT; X12C、P、T; X13C、G、及びS; X14F; X15G、M、T、及びV; X16V; X17S; X19P、及びS; X20V; X21S; X22E; X23F、Q、及びW; X24G、T、及びV; X25A、D、及びW; X26C、及びH; X27A、F、H、P、T、V、及びY; X28V; X29E、I、R、S、及びT; X30C; X31H、K、N、S、V、及びW; X32C、F、M、N、P、S、及びV; X33E、F、M、P、及びS; X34D、H、P、及びV; X35C、Q、及びS; X36C、D、L、N、S、W、及びY; X37C、G、K、及びQ; X38F、Q、S、及びW; X39A、C、G、I、L、M、P、S、T、及びV; X45G及びS; X46S; X47E及びF; X48G、I、T、W、及びY; X49A、C、E及びI; X50D、及びY; X51A及びH; X52A、H、I、及びM; X53D、E、M、Q、及びT; X54F、G、H、I、及びS; X55D; X57E、N、及びR; X58A、C、E、F、G、K、R、S、T、W; X59E; X61A、F、I、及びR; X62A、F、G、H、N、S、T及びV; X63A、C、E、F、G、N、Q、R、及びT; G64D、M、Q、及びS; X66E; X67G及びL; X68C、D、及びR; X69Y; X70E、G、K、L、M、P、S、及びV; X72D及びN; X74C及びY; X75G; X76V; X77E、V、及びY; X78M、Q及びV; X80D、L、及びN; X82C、D、P、Q、S、及びT; X83G、及びN; X84M; X87R; X88A、D、G、T、及びV; X89V; X90D及びQ; X91A; X92E及びS; X93G、N、及びS; X96G、N、及びT; X100Q;及びX102Tから選択される少なくとも一つの置換をコードする少なくとも一つの変異を含み、ここで前記位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項10】
前記第一ポリヌクレオチドがR2F、N、P、及びY; S3A、M、P、及びR; L6K、及びM; W7E; I8W; L10A、C、G、M、及びT; L11A、F、及びT; F12C、P、T; A13C、G、及びS; L14F; A15G、M、T、及びV; L16V; I17S; T19P、及びS; M20V; A21S; F22E; G23F、Q、及びW; S24G、T及びV; T25A、D、及びW; S26C、及びH; S27A、F、H、P、T、V、及びY; A28V; Q29E、I、R、S、及びT; A30C; A31H、K、N、S、V、及びW; G32C、F、M、N、P、S、及びT; K33E、F、M、P、及びS; S34D、H、P、及びV; N35C、Q、及びS; G36C、D、L、N、S、W、及びY; E37C、G、K、及びQ; K38F、Q、S、及びW; K39A、C、G、I、L、M、P、S、T、及びV; K45G及びS; Q46S; T47E及びF; M48G、I、T、W、及びY; S49A、C、E、及びI; T50D、及びY; M51A及びH; S52A、H、I、及びM; A53D、E、M、Q、及びT; A54F、G、H、I、及びS; K55D; K57E、N、及びR; D58A、C、E、F、G、K、R、S、T、W; V59E; S61A、F、I、及びR; E62A、F、G、H、N、S、T及びV; K63A、C、E、F、G、N、Q、R、及びT; 64D、M、Q、及びS; K66E; V67G及びL; Q68C、D、及びR; K69Y; Q70E、G、K、L、M、P、S、及びV; K72D及びN; V74C及びY; D75G; A76V; A77E、V、及びY; S78M、Q及びV; T80D、L、及びN; N82C、D、P、Q、S、及びT; E83G、及びN; K84M; K87R; E88A、D、G、T、及びV; L89V; K90D及びQ; K91A; D92E及びS; P93G、N、及びS; A96G、N、及びT; E100Q; 及びH102Tから選択される少なくとも一つの置換をコードする少なくとも一つの変異を含み、ここで前記位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項11】
前記第一ポリヌクレオチドがX49A-X24T、X49A-X72D、X49A-X78M、X49A-X78V、X49A-X93S、X49C-X24T、X49C-X72D、X49C-X78M、X49C-X78V、X49C-X91A、X49C-X93S、X91A-x24T、X91A-X49A、X91A-X52H、X91A-X72D、X91A-X78M、X91A-X78V、X93S-X24T、X93S-X49C、X93S-X52H、X93S-X72D、X93S-X78M、及びX93S-X78Vから選択される置換の組み合わせをコードする変異の少なくとも一つの組み合わせを含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項12】
前記第一ポリヌクレオチドがS49A-S24T、S49A-K72D、S49A-S78M、S49A-S78V、S49A-P93S、S49C-S24T、S49C-K72D、S49C-S78M、S49C-S78V、S49C-K91A、S49C-P93S、K91A-S24T、K91A-S49A、K91A-S52H、K91A-K72D、K91A-S78M、K91A-S78V、P93S-S24T、P93S-S49C、P93S-S52H、P93S-K72D、P93S-S78M、及びP93S-S78Vから選択される置換の組み合わせをコードする変異の少なくとも一つの組み合わせを含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項13】
前記第一ポリヌクレオチドがp.X18_X19del、p.X22_23del、pX37del、pX49del、p.X47del、pX55del、及びp.X57delから選択される少なくとも一つの欠失をコードする少なくとも一つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項14】
前記第一ポリヌクレオチドがp.I18_T19del、p.F22_G23del、p.E37del、p.T47del、p.S49del、p.K55del及びp.K57delから選択される少なくとも一つの欠失をコードする少なくとも一つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7及び13のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項15】
前記第一ポリヌクレオチドがp.X2_X3insT、p.X30_X31insA、p.X19_X20insAT、p.X21_X22insS、p.X32_X33insG、p.X36_X37insG、及びp.X58_X59insAから選択される少なくとも一つの挿入をコードする少なくとも一つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7、13及び14のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項16】
前記第一ポリヌクレオチドがp.R2_S3insT、p.A30_A31insA、p.T19_M20insAT、p.A21_F22insS、p.G32_K33insG、p.G36_E37insG、及びp.D58_V59insAから選択される挿入をコードする少なくとも一つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7、及び15のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項17】
前記第一ポリヌクレオチドがX46H-p.X47del、X49A-p.X22_X23del、x49C-p.X22_X23del、X48I-p.X49del、X17W-p.X18_X19del、X78M-p.X22_X23del、X78V-p.X22_X23del、X78V-p.X57del、X91A-p.X22_X23del、X91A-X48I-pX49del、X91A-p.X57del、X93S-p.X22_X23del、及びX93S-X48I-p.X49delから選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの欠失をコードする少なくとも二つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項18】
前記第一ポリヌクレオチドがQ46H-p.T47del、S49A-p.F22_G23del、S49C-p.F22_G23del、M48I-p.S49del、I17W-p.I18_T19del、S78M-p.F22_G23del、S78V-p.F22_G23del、K91A-p.F22_G23del、K91A-M48I-pS49del、K91A-p.K57del、P93S-p.F22_G23del、及びP93S-M48I-p.S49delからなる群から選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの欠失をコードする少なくとも二つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7及び17のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項19】
前記第一ポリヌクレオチドがX49A-p.X2_X3insT、X49A-p32X_X33insG、X49A-p.X19_X20insAT、X49C-p.X19_X20insAT、X49C-p.X32_X33insG、X52H--p.X19_X20insAT、X72D-p.X19_X20insAT、X78M-p.X19_X20insAT、X78V-p.X19_X20insAT、X91A-p.X19_X20insAT、X91A-p.X32_X33insG、X93S-p.X19_X20insAT、及びX93S-p.X32_X33insGから選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの挿入をコードする少なくとも二つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項20】
前記第一ポリヌクレオチドがS49A-p.R2_S3insT、S49A-p32G_K33insG、S49A-p.T19_M20insAT、S49C-p.T19_M20insAT、S49C-p.G32_K33insG、S49C-p.T19_M20insAT、S52H--p.T19_M20insAT、K72D-p.T19_M20insAT、S78M-p.T19_M20insAT、S78V-p.T19_M20insAT、K91A-p.T19_M20insAT、K91A-p.G32_K33insG、P93S-p.T19_M20insAT、及びP93S-p.G32_K33insGから選択される少なくとも一つの置換及び少なくとも一つの挿入をコードする少なくとも二つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7及び19のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項21】
前記第一ポリヌクレオチドがp.X57del-p.X19_X20insAT、及びp.X22_X23del-p.X2_X3insTから選択される少なくとも一つの欠失及び少なくとも一つの挿入をコードする少なくとも二つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項22】
前記第一ポリヌクレオチドがpK57del-p.T19_M20insAT、及びp.F22_G23del-p.R2_S3insTから選択される欠失及び挿入をコードする少なくとも二つの変異を含むことを特徴とする請求項1から7及び21のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項23】
前記第一ポリヌクレオチドがp.X49del-p.X19_X20insAT-X48Iに対応する少なくとも一つの欠失、少なくとも一つの挿入、及び少なくとも一つの置換をコードする少なくとも三つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項24】
前記第一ポリヌクレオチドがp.S49del-p.T19_M20insAT-M48Iに対応する少なくとも一つの欠失、少なくとも一つの挿入、及び少なくとも一つの置換をコードする少なくとも三つの変異を含み、ここで位置が配列番号7として示すFNAプロテアーゼのプレ‐プロポリペプチドのアミノ酸配列に対応して番号が付けられることを特徴とする請求項1から7及び23のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチド。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか一つに記載の修飾された完全長ポリヌクレオチドによりコードされた単離ポリペプチド。
【請求項26】
請求項1から24のいずれか一つに記載の単離修飾されたポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項27】
さらに、AprEプロモーターを含むことを特徴とする請求項26に記載の発現ベクター。
【請求項28】
請求項26又は27に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項29】
前記宿主細胞が、バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞であることを特徴とする請求項28に記載の宿主細胞。
【請求項30】
前記バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞がバシルス スブチリス(B. subtilis)、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)、バシルス レンツス(B. lentus)、バシルス ブレビス(B. brevis)、バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)、バシルス アルカロフィリス(B. alkalophilus)、バシルス アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス クラウシ(B. clausii)、バシルス ハロデュランス(B. halodurans)、バシルス メガテリウム(B. megaterium)、バシルス コアグランス(B. coagulans)、バシルス シルクランス(B. circulans)、バシルス ランツス(B. lautus)、及びバシルス ツリンギエンシス(B. thuringiensis)から選択されることを特徴とする請求項29に記載の宿主細胞。
【請求項31】
前記宿主細胞がバシルス スブチリス(B. subtilis)宿主細胞であることを特徴とする請求項28から30いずれか一つに記載の宿主細胞。
【請求項32】
バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞における成熟プロテアーゼを生産する方法であって、
(a)請求項26又は27に記載の発現ベクターを提供する工程、
(b)宿主細胞を前記発現ベクターで形質転換する工程、及び
(c)前記プロテアーゼが前記宿主細胞により生産されるような条件下にて前記宿主細胞を培養する工程を含むことを特徴とする前記方法。
【請求項33】
前記バシルス種(Bacillus sp.)宿主細胞がバシルス スブチリス(B. subtilis)宿主細胞であることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記プロテアーゼがアルカリセリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
修飾されたポリヌクレオチドが配列番号9と少なくとも65%の同一性である成熟領域を含むプロテアーゼをコードすることを特徴とする請求項32から34のいずれか一つに記載の方法。
【請求項36】
第一ポリヌクレオチドが配列番号7のプレ‐プロ領域をコードし、前記第一ポリヌクレオチドが少なくとも一つの変異を含み、前記プロテアーゼの前記成熟領域の生産を増強させ、第二ポリヌクレオチドが配列番号9の成熟領域をコードすることを特徴とする請求項32から35のいずれか一つに記載の方法。

【公表番号】特表2013−500714(P2013−500714A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522827(P2012−522827)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/031283
【国際公開番号】WO2011/014278
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(509240479)ダニスコ・ユーエス・インク (81)
【Fターム(参考)】