説明

修飾されたプロ(PRO)領域をもつプロテアーゼ

本願発明は細菌宿主細胞における成熟プロテアーゼを産生する方法と組成物を提供する。本組成物は、修飾されたプロテアーゼをコードする修飾されたポリヌクレオチド(これは、プロ領域に1つ以上の変異を有する);当該修飾されたポリヌクレオチドによりコードされた当該修飾されたセリンプロテアーゼ、発現カセット、DNA構造体、及び修飾されたプロテアーゼをコードする当該修飾されたポリヌクレオチドを含むベクター;及び本発明のベクターにより形質転換された細菌宿主細胞を含む。本方法は細菌宿主細胞中、例えばバシルス属の種の宿主細胞中に、成熟プロテアーゼの産生を増強する方法を含む。産生されたプロテアーゼは酵素の工業的生産に使用され、洗浄、動物飼料及び繊維処理産業等の種々の産業での使用に適している。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
修飾されたプロテアーゼをコードする単離され、修飾されたポリヌクレオチドであって、前記単離され、修飾されたポリヌクレオチドは、シグナルペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含み、前記第1のポリヌクレオチドは配列番号7に表されたプロ領域をコードする第2のポリヌクレオチドに機能的に連結され、前記プロ領域は、前記プロ領域の位置6、30及び32から選ばれた位置で2個以上のアミノ酸の置換の組み合わせを含み、前記第2のポリヌクレオチドは、配列番号9の成熟プロテアーゼと約60%以上同一であるプロテアーゼの成熟領域をコードする第3のポリヌクレオチドと機能的に連結しており、当該位置は、配列番号7のプロポリペプチドのアミノ酸配列との対応により番号が付されているものである、ポリヌクレオチド。
【請求項2】
請求項1の単離され、修飾されたポリヌクレオチドであって、前記成熟プロテアーゼは、バシルス・クラウシ(Bacillus clausii)又はバシルス・レンツス(Bacillus lentus)由来の、野生型又は変異アルカリセリンプロテアーゼである、ポリヌクレオチド。
【請求項3】
請求項1または2の単離され、修飾されたポリヌクレオチドであって、前記成熟プロテアーゼは配列番号9、11、13、15、17、19及び21から選ばれるアミノ酸配列を有する、ポリヌクレオチド。
【請求項4】
請求項1−3のいずれか1請求項の単離されたポリヌクレオチドであって、前記シグナルペプチドは配列番号3と5から選ばれるアミノ酸配列を有するものである、ポリヌクレオチド。
【請求項5】
請求項1−4のいずれかの1請求項の単離され、修飾されたポリヌクレオチドであって、前記置換の組み合わせはE6X-E30G、E6X-E30S、E6X-A32K、E30X-A32K、E30G-A32X、E30S-A32X及びE6G-E30G-A32Xから選ばれるものである、ポリヌクレオチド。
【請求項6】
請求項1-4のいずれかの1請求項の単離され、修飾されたポリヌクレオチドであって、置換の前記組み合わせは、


E6R-A32K, E6N-A32K,E6D-A32K, E6I-A32K, E6K-A32K, E6M-A32K, E6P- A32K, E6S-A32K, E6T-A32K, E6N-A32K, E30W-A32K, E30V-A32K, E6A-E30G, E6R-E30G, E6C-E30G, E6Q-E30G, E6G-E30G, E6H-E30G, E6K-E30G, E6S-E30G, E6W-E30G, E30G-A32R, E30G-A32Q, E30G-A32E, E30G-A32G, E30G-A32H, E30G-A32I, E30G-A32K, E30G-A32S, E30G-A32T, E30G- A32W, E30G-A32V, E6G-E30G-A32E, E6G-E30G-A32S, E6G-E30G-A32T, E6G-E30G-A32W, E6A- E30G, E6R-E30G, E6N-E30G, E6D-E30G, E6C-E30G, E6Q-E30G, E6G-E30G, E6H-E30G, E6K-E30G, E6M-E30G, E6F-E30G, E6P-E30G, E6S-E30G, E6T-E30G, E6W-E30G, E6V-E30G, E6Y-E30G, E6A- E30S, E6G-E30S, E6L-E30S, E6K-E30S, E6F-E30S, E6P-E30S, E6Y-E30S, E6V-E30S, E30S-A32R, E30S-A32N, E30S-A32D, E30S-A32C, E30S-A32Q, E30S-A32E, E30S-A32G, E30S-A32H, E30S-A32L, E30S-A32K, E30S-A32M, E30S-A32F, E30S-A32P, E30S-A32S, E30S-A32T, E30S-A32W, E30S-A32Y, 及びE30S-A32V.
から選ばれるものである、ポリヌクレオチド。
【請求項7】
請求項1−6のいずれか1請求項の単離されたポリヌクレオチドであって、前記置換はバシルス属の種の宿主細胞による前記成熟プロテアーゼの産生を強化するものである、ポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項7の単離されたポリヌクレオチドであって、前記バシルス属の種の宿主細胞はバシルス・スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞である、ポリヌクレオチド。
【請求項9】
請求項1の単離され、修飾されたポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項10】
請求項9の発現ベクターであって、さらにAprEプロモーターを含むものである発現ベクター。
【請求項11】
請求項9または10の発現ベクターを含むバシルス属の種である宿主細胞。
【請求項12】
前記宿主細胞がB・スブチリス(B.subtilis)宿主細胞である、請求項11の宿主細胞。
【請求項13】
バシルス属の種の宿主細胞で成熟プロテアーゼを産生する方法であって、前記方法は、
a) 請求項10の発現ベクターを提供し
b) 前記発現ベクターによりバシルス属の種の宿主細胞を形質転換し、
c) 適当な条件で前記宿主細胞を培養し、その結果前記プロテアーゼが前記宿主細胞により産生される
工程を含む、成熟プロテアーゼを産生する方法。
【請求項14】
請求項13の方法であって、前記バシルス属の種の宿主細胞はバシルス・スブチリス宿主細胞である、方法。
【請求項15】
請求項13または14の方法であって、前記成熟プロテアーゼは、野生型バシルス・クラウシ(Bacillus clausii)又はバシルス・レンツス(Bacillus lentus)アルカリセリンプロテアーゼ、またはそれらの変異体または相同体である、方法。
【請求項16】
請求項13−15のいずれかの1請求項の方法であって、前記第1のポリヌクレオチドは配列番号3のシグナルペプチドをコードし、前記プロ領域をコードする前記第2のポリヌクレオチドは、
E6R-A32K, E6N-A32K, E6D-A32K, E6I-A32K, E6K-A32K, E6M-A32K, E6P-A32K, E6S-A32K, E6T-A32K, E6N-A32K, E30W-A32K, 及び E30V-A32Kから選択される置換の組み合わせを含み、前記第3のポリヌクレオチドが配列番号9から選択される成熟プロテアーゼをコードするものである、方法。
【請求項17】
請求項13−15のいずれかの1請求項の方法であって、前記第1のポリヌクレオチドは、配列番号3のシグナルペプチドをコードし、前記プロ領域をコードする前記第2のポリヌクレオチドは、
E6A-E30G, E6R-E30G, E6C-E30G, E6Q-E30G, E6G-E30G, E6H-E30G, E6K-E30G, E6S-E30G, E6W-E30G, E30G-A32R, E30G-A32Q, E30G-A32E, E30G-A32G,
E30G-A32H, E30G-A32I, E30G-A32K, E30G-A32S, E30G-A32T, E30G-A32W, E30G-A32V, E6G-E30G- A32E, E6G-E30G-A32S, E6G-E30G-A32T, 及びE6G-E30G-A32Wから選択される置換の組合せを含み、前記第3のポリヌクレオチドは配列番号17から選択される成熟プロテアーゼをコードするものである、方法。
【請求項18】
請求項13−15のいずれかの1請求項の方法であって、前記第1のポリヌクレオチドは配列番号3のシグナルペプチドをコードし、前記プロ領域をコードする前記第2のポリヌクレオチドは、
E6A-E30G, E6R-E30G, E6N-E30G, E6D-E30G, E6C-E30G, E6Q-E30G, E6G-E30G, E6H-E30G, E6K-E30G, E6M-E30G, E6F-E30G, E6P-E30G, E6S-E30G, E6T- E30G, E6W-E30G, E6V-E30G及びE6Y-E30G,
から選ばれる置換の組み合わせを含み、前記第3のポリヌクレオチドは配列番号19から選ばれた成熟プロテアーゼをコードするものである、方法。
【請求項19】
請求項13−15のいずれか1請求項の方法であって、前記第1のポリヌクレオチドは配列番号3のシグナルペプチドをコードし、前記プロ領域をコードする前記第2のポリヌクレオチドは、
E6A-E30S,E6G-E30S, E6L-E30S, E6K-E30S, E6F-E30S, E6P- E30S, E6Y-E30S, E6V-E30S, E30S-A32R, E30S-A32N, E30S-A32D, E30S-A32C, E30S-A32Q, E30S- A32E, E30S-A32G, E30S-A32H, E30S-A32L, E30S-A32K, E30S-A32M, E30S-A32F, E30S-A32P, E30S- A32S, E30S-A32T, E30S-A32W, E30S-A32Y及び E30S-A32Vから選ばれた置換の組み合わせを含み、前記第3のポリヌクレオチドは配列番号21から選ばれた成熟プロテアーゼをコードするものである、方法。
【請求項20】
修飾されたプロテアーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドであって、前記単離され、修飾されたポリヌクレオチドは配列番号3のシグナルペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含み、前記第1のポリヌクレオチドは配列番号7に表されたプロ領域をコードする第2のポリヌクレオチドに機能的に連結し、前記プロ領域はE6A、E6C、E6Y、E30A、E30L、E30P、E30T、E30Y、E30V、A32C、A32E、A32G、A32K及びA32Tから選ばれたアミノ酸の置換を含み、前記第2のポリヌクレオチドは、配列番号17のプロテアーゼの成熟領域をコードする第3のポリヌクレオチドと機能的に連結している、ポリヌクレオチド。
【請求項21】
修飾されたプロテアーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドであって、前記単離され、修飾されたポリヌクレオチドは、配列番号3のシグナルペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含み、前記第1のポリヌクレオチドは、配列番号7に表されたプロ領域をコードする第2のポリヌクレオチドに機能的に連結しており、前記プロ領域はE6A、E6C、E6F、E6P、E6T、E6W、E6V、A32K及びA32Tから選ばれたアミノ酸の置換を含み、前記第2のポリヌクレオチドは配列番号9のプロテアーゼの成熟領域をコードする第3のポリヌクレオチドに機能的に連結しているものである、ポリヌクレオチド。
【請求項22】
修飾されたプロテアーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドであって、前記単離され、修飾されたポリヌクレオチドは、配列番号3のシグナルペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含み、前記第1のポリヌクレオチドは、配列番号7に表されたプロ領域をコードする第2のポリヌクレオチドに機能的に連結し、前記プロ領域はE6A、E30A、E30L、E30T及びE30Vから選ばれたアミノ酸の置換を含み、前記第2のポリヌクレオチドは、配列番号19のプロテアーゼの成熟領域をコードする第3のポリヌクレオチドと機能的に連結しているものである、ポリヌクレオチド。
【請求項23】
修飾されたプロテアーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドであり、前記単離され、修飾されたポリヌクレオチドは配列番号3のシグナルペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含み、前記第1のポリヌクレオチドは配列番号7に表されたプロ領域をコードする第2のポリヌクレオチドと機能的に連結し、前記プロ領域はE6A、E6L、E6F、E6T、E6V、E30I、E30L、E30P、E30T、E30Y、E30V、A32Q、A32S及びA32Tから選ばれるアミノ酸の置換を含み、前記第2のポリヌクレオチドは配列番号11のプロテアーゼの成熟領域をコードする第3のポリヌクレオチドと機能的に連結しているものである、ポリヌクレオチド。
【請求項24】
修飾されたプロテアーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドであり、前記単離され、修飾されたポリヌクレオチドは配列番号3のシグナルペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含み、前記第1のポリヌクレオチドは配列番号7に表されたプロ領域をコードする第2のポリヌクレオチドと機能的に連結し、前記プロ領域はE30Aのアミノ酸の置換を含み、前記第2のポリヌクレオチドが配列番号21のプロテアーゼの成熟領域をコードする第3のポリヌクレオチドと機能的に連結しているものである、ポリヌクレオチド。
【請求項25】
バシルス・スブチリス宿主細胞で成熟プロテアーゼを産生する方法であって、前記方法は、
a) 請求項20、21、22、23及び24の単離されたポリヌクレオチドから選ばれた単離されたポリヌクレオチドを含む発現ベクターを提供し、
b) 前記発現ベクターにより前記バシルス・スブチリス宿主細胞を形質転換し、
c) 適した条件で前記宿主細胞を培養し、その結果前記成熟プロテアーゼが前記宿主細胞により産生される
工程、を含むものである、方法。

【公表番号】特表2012−524542(P2012−524542A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507271(P2012−507271)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/031269
【国際公開番号】WO2010/123754
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(509240479)ダニスコ・ユーエス・インク (81)
【Fターム(参考)】