説明

個別試験実施装置

試験問題を格納する問題格納手段(14)と、試験問題の再生順序の基準となる順序データを保持する順序データ保持手段(12)と、問題格納手段(14)に格納されている試験問題を読み出す順序指示手段(13)と、問題格納手段(14)に格納されている試験問題を音声に再生する再生手段(15)とを備え、順序指示手段(13)が、問題格納手段(14)に格納されている試験問題を、順序データ保持手段(12)で保持されている順序データを基準にして読み出し、座席の位置に応じて試験問題の再生順序を入れ替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個別試験実施装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、独立行政法人 大学入試センターが実施している「大学入試センター試験」におけるリスニングテストは、試験会場にあるスピーカーから音声を再生し、その試験会場にいる受験生に一斉に聞かせ、問題を解答する。解答はマークシートに記入する。しかし、試験会場の環境の違い、例えば、試験会場での座席位置によって再生される音声の聞こえ方の違いから生じる不公平性を解消するため、ヘッドホンやイヤホンを接続した個別試験実施装置を用いた試験方法が検討されている。
【0003】
この技術は、従来の文献として引用すべきものは見当たらなかったが、下記の非特許文献があり、周知の事実となっている。(例えば、非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】新聞記事 2003年11月6日発行の朝日新聞(朝刊)、29面
【発明の開示】
【0004】
しかし、従来の個別試験実施装置では同一試験問題を同一順序、かつ、同一タイミングで解答するため、解答を書き込むマークシート上の解答位置が容易に判断することができ、不正行為がおきやすい。また、試験官の合図により受験者が一斉に個別試験実施装置の再生ボタンを押して試験を開始するが、その合図に先立って再生ボタンを押して試験問題が知られてしまうといった不公平性が生じやすい。また、個別試験実施装置の電池残量がなくなると試験が中断し、残りの問題の解答ができなくなるという欠点も有している。
【0005】
さらに、このようなリスニングテストでは、記録メディアを持ち出して試験会場の外で用意した個別試験実施装置以外で問題を再生して他者に聞かせて解答を得たり、受験する者が受験生本人であるか確認できないなど不正行為がおきやすい。また、マークシートに解答を記入する場合、マークシートを回収してから受験生の退出がおこなわれるため、試験終了まで時間がかかっていた。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を鑑みてなされたものであり、個別試験実施装置を用いた試験に関し、不正行為を防止することができ、電池残量による試験中断の影響がない個別試験実施装置および該個別試験実施装置を用いた試験方法を提供することを目的とする。また、試験終了後の答案の回収を迅速に行なえる個別試験実施装置および試験方法を提供することを目的とする。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の個別試験実施装置は、試験問題を格納する問題格納手段と、前記問題格納手段により格納された試験問題を再生する再生手段と、上記試験問題の再生順序を指示する順序指示手段とを備えた、ことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の個別試験実施装置は、請求項1に記載の個別試験実施装置において、前記順序指示手段へ与える再生順序指示データを保持させる順序データ保持手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の個別試験実施装置は、請求項1に記載の個別試験実施装置において、当該個別試験実施装置の使用者が保有する個別の番号を入力する個別番号入力手段と、前記順序指示手段へ与える再生順序指示データを上記個別番号から生成する順序データ生成手段とを備えた、ことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の個別試験実施装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の個別試験実施装置であって、前記順序指示手段へ動作指示を与える時刻指示手段と、前記時刻指示手段が作動する時刻データを保持する時刻データ保持手段とを備えた、ことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の個別試験実施装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の個別試験実施装置であって、試験問題の再生に連動した解答入力手段と、前記解答手段によって生成された解答データを格納する解答格納手段とを備えた、ことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載の個別試験実施装置は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の個別試験実施装置であって、当該個別試験実施装置を作動させる電池の残量を監視する電池残量監視手段と、前記電池残量監視手段により電池残量が一定レベル以下になると試験問題の進行度情報を格納する進行度格納手段とを備えた、ことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項7に記載の個別試験実施装置は、試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、個人情報を格納する個人情報格納手段と前記個人情報格納手段により格納されている前記個人情報を読み出し、表示する表示手段と、を備えた、ことを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項8に記載の個別試験実施装置は、試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、前記試験問題の再生に連動して解答を入力する解答入力手段と、前記入力された解答を格納する解答格納手段と、前記解答格納手段に格納された前記解答を無線で送信する無線通信手段と、を備えた、ことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項9に記載の個別試験実施装置は、試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、前記試験問題の再生に連動して解答を入力する解答入力手段と、前記解答入力手段から入力された前記解答を逐次無線で送信する無線通信手段と、を備えた、ことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項10に記載の個別試験実施装置は、個別試験実施装置ごとに異なる番号を格納する固有番号格納手段と、前記固有番号によって前記試験問題を暗号化して試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を読み出して復号化する復号化手段と、前記復号化して試験問題を再生する再生手段と、を備えた、ことを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の請求項11に記載の個別試験実施装置は、請求項10記載の個別試験実施装置において、前記試験問題の再生に連動して解答を入力する解答入力手段と、前記入力された解答を保持する解答格納手段と、を備えた、ことを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の請求項12に記載の個別試験実施装置は、保護情報として試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、前記試験問題格納手段と前記再生手段があらかじめ決められた組み合わせであることを確認する相互認証処理手段と、を備え、前記相互認証処理手段により相互認証が確認された場合に、前記再生手段による試験問題の再生が行われる、ことを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の請求項13に記載の個別試験実施装置は、請求項12記載の個別試験実施装置において、前記試験問題格納手段と前記再生手段があらかじめ決められた組み合わせであることを確認した結果を表示する相互認証結果表示手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の請求項14に記載の個別試験実施方法は、請求項1ないし13のいずれかに記載の個別試験実施装置を用いた、ことを特徴とするものである。
【0021】
本発明の請求項1に係る個別試験実施装置は、試験問題を格納する問題格納手段と、前記問題格納手段により格納された試験問題を再生する再生手段と、上記試験問題の再生順序を指示する順序指示手段とを備えたので、試験問題を一定の順序で再生することが可能となる効果がある。
【0022】
また、本発明の請求項2に係る個別試験実施装置は、請求項1に記載の個別試験実施装置において、前記順序指示手段へ与える再生順序指示データを保持させる順序データ保持手段を備えたので、再生される試験問題の順序を入れ替えることが可能となる効果がある。
【0023】
また、本発明の請求項3に係る個別試験実施装置は、請求項1に記載の個別試験実施装置において、当該個別試験実施装置の使用者が保有する個別の番号を入力する個別番号入力手段と、前記順序指示手段へ与える再生順序指示データを上記個別番号から生成する順序データ生成手段とを備えたので、上記個別番号を基準に試験問題が再生される個別番号入力型個別試験実施装置を提供することが可能となる効果がある。
【0024】
また、本発明の請求項4に係る個別試験実施装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の個別試験実施装置であって、前記順序指示手段へ動作指示を与える時刻指示手段と、前記時刻指示手段が作動する時刻データを保持する時刻データ保持手段とを備えたので、予定された時刻に試験問題が自動的に再生される、試験問題自動再生型個別試験実施装置を提供することができる効果がある。
【0025】
また、本発明の請求項5に係る個別試験実施装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の個別試験実施装置であって、試験問題の再生に連動した解答入力手段と、前記解答手段によって生成された解答データを格納する解答格納手段とを備えたので、試験問題に対する解答を直接入力する、解答入力型個別試験実施装置を提供することができる効果がある。
【0026】
また、本発明の請求項6に係る個別試験実施装置は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の個別試験実施装置であって、当該個別試験実施装置を作動させる電池の残量を監視する電池残量監視手段と、前記電池残量監視手段により電池残量が一定レベル以下になると試験問題の進行度情報を格納する進行度格納手段とを備えたので、電池の残量を監視する、電池残量監視型個別試験実施装置を提供することができる効果がある。
【0027】
また、本発明の請求項7に係る個別試験実施装置は、試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、個人情報を格納する個人情報格納手段と前記個人情報格納手段により格納されている前記個人情報を読み出し、表示する表示手段と、を備えたので、試験監督者は個別試験実施装置101が設置されている席に着座している者が受験者であるか否かの判定が容易になり、受験者の成り代わりによる不正行為を防ぐことができる効果がある。
【0028】
また、本発明の請求項8に係る個別試験実施装置は、試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、前記試験問題の再生に連動して解答を入力する解答入力手段と、前記入力された解答を格納する解答格納手段と、前記解答格納手段に格納された前記解答を無線で送信する無線通信手段と、を備えたので、無線通信によって解答を回収することで、試験終了までの時間を短縮することができる効果がある。
【0029】
また、本発明の請求項9に係る個別試験実施装置は、試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、前記試験問題の再生に連動して解答を入力する解答入力手段と、前記解答入力手段から入力された前記解答を逐次無線で送信する無線通信手段と、を備えたので、受験者それぞれにマークシートのような解答を格納する手段を提供する必要が無くなるとともに試験終了までの時間を短縮することができる効果がある。
【0030】
また、本発明の請求項10に係る個別試験実施装置は、個別試験実施装置ごとに異なる番号を格納する固有番号格納手段と、前記固有番号によって前記試験問題を暗号化して試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を読み出して復号化する復号化手段と、前記復号化して試験問題を再生する再生手段と、を備えたので、記録メディアを持ち出して他者に聞かせて解答を得るなどの不正行為を防止することができる効果がある。
【0031】
また、本発明の請求項11に係る個別試験実施装置は、請求項10記載の個別試験実施装置において、前記試験問題の再生に連動して解答を入力する解答入力手段と、前記入力された解答を保持する解答格納手段と、を備えたので、記録メディアを持ち出して他者に聞かせて解答を得るなどの不正行為を防止することが可能となるとともに、解答を格納したメモリーカード自体は提出する必要が無いため、受験者が持ち帰ることで自己採点に利用することが可能となり、自己採点の精度の向上と受験校の選択までの時間短縮を図ることができる効果がある。
【0032】
また、本発明の請求項12に係る個別試験実施装置は、保護情報として試験問題を格納する試験問題格納手段と、前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、前記試験問題格納手段と前記再生手段があらかじめ決められた組み合わせであることを確認する相互認証処理手段と、を備え、前記相互認証処理手段により相互認証が確認された場合に、前記再生手段による試験問題の再生が行なわれるようにしたので、試験問題格納手段を試験会場以外で再生しようとしても相互認証を確立することが困難であり、試験会場外での試験問題の再生が不可能となり、記録メディアを持ち出して他者に聞かせて解答を得るなどの不正行為を防止することができる効果がある。
【0033】
また、本発明の請求項13に係る個別試験実施装置は、請求項12記載の個別試験実施装置において、前記試験問題格納手段と前記再生手段があらかじめ決められた組み合わせであることを確認した結果を表示する相互認証結果表示手段を備えたので、試験会場で試験問題の再生が行われなかった場合に、機器の故障か不正な組み合わせなのかを判別し、試験を迅速に開始することができる効果がある。
【0034】
また、本発明の請求項14に係る個別試験実施方法は、請求項1から請求項13のいずれかに記載の個別試験実施装置を用いたので、不正行為を防止する効果、滞りなく試験を実施する効果、あるいは試験終了後の答案の回収を迅速に行なえる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、実施例1に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図2】図2は、実施例1に係る個別試験実施装置の順序データの1例を示す。
【図3】図3は、実施例1に係る個別試験実施装置の試験会場の座席位置と個別試験実施装置の配列例を示す。
【図4(a)】図4(a)は、実施例1に係る個別試験実施装置の上面部を示す。
【図4(b)】図4(b)は、実施例1に係る個別試験実施装置の背面部を示す。
【図4(c)】図4(c)は、実施例1に係る個別試験実施装置の背面部の電池ボックス蓋を外した状態を示す。
【図5】図5は、実施例2に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図6】図6は、実施例2に係る個別試験実施装置の上面部を示す。
【図7】図7は、実施例3に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図8】図8は、実施例4に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図9】図9は、実施例4に係る個別試験実施装置の上面部を示す。
【図10】図10は、実施例5に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図11】図11は、実施例6に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図12】図12は、実施例7に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図13】図13は、実施例8に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図14】図14は、実施例9に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図15】図15は、実施例10に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図16】図16は、実施例11に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【図17】図17は、実施例12に係る個別試験実施装置のブロック図を示す。
【符号の説明】
【0036】
11,11a,11b,11c,11d 個別試験実施装置
12 順序データ保持手段
13 順序指示手段
14 問題格納手段
15 再生手段
16,16a 再生ボタン
17 ヘッドホン
18 メモリーカード
19 表示装置
20 音量設定ボタン
20a プラスボタン
20b マイナスボタン
21 電池ボックス蓋
21a 電池ボックス
22 モード設定スイッチ
22a プラスモード
23 個別番号入力手段
24 順序データ生成手段
25 受験番号入力ボタン
25a 入力ボタン
25b 決定ボタン
25c 消去ボタン
25d 数字ボタン
26 時刻データ保持手段
27 時刻指示手段
28 解答入力手段
29 解答格納手段
30 解答入力ボタン
30a 確定ボタン
30b 取消ボタン
30c 英字ボタン
31 電池残量監視手段
32 進行度格納手段
33 警告ランプ
101,201,301,401,501,601,701 個別試験実施装置
102,602 試験問題格納手段
103,603 再生手段
104 個人情報格納手段
105 表示手段
106,713 表示装置
107 再生ボタン
108 ヘッドホン
204,304,508 解答入力手段
205,509 解答格納手段
206,305 無線通信手段
403 固有番号格納手段
404 復号手段
604 第1の鍵情報格納手段
605 第2の鍵情報格納手段
606 第1の相互認証処理手段
607 第2の相互認証処理手段
608 保護情報格納手段
609 通常情報格納手段
712 相互認証結果表示手段
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の各実施例を、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0038】
先ず、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置の構成について、図1及び図4の各図を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置のブロック図であり、図4(a)は、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置の上面部であり、図4(b)は、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置の背面部であり、図4(c)は、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置の背面部の電池ボックス蓋を外した状態図である。
【0039】
図1において、11は本発明の実施例1に係る個別試験実施装置であり、個別試験実施装置11内に、順序データ保持手段12と、順序指示手段13と、問題格納手段14と、再生手段15とを備え、個別試験実施装置11を構成する順序指示手段13に再生ボタン16が、再生手段15にヘッドホン17がそれぞれ接続されている。
【0040】
また、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置11のより詳細な構成は、図4(a)、図4(b)、図4(c)の各図に示すように、主として再生ボタン16aと、表示装置19と、音量設定ボタン20と、モード設定スイッチ22とを備え、当該個別試験実施装置には、メモリーカード18が挿着され、ヘッドホン17が接続されている。
【0041】
問題格納手段14は試験問題を格納するものであり、個別試験実施装置11内に試験問題を格納する。順序データ保持手段12は、試験問題の再生順序を示すデータ(以下、順序データという。)が保持される。順序指示手段13は、問題格納手段14に格納されている試験問題を読み出すものであり、上記順序データに従って試験問題を読み出す。再生手段15は、問題格納手段14に格納されている試験問題をヘッドホン17に出力させる。
【0042】
メモリーカード18は、試験問題が格納され、かつ、該試験問題の再生順序である順序データが保持される。すなわち、メモリーカード18が、前記問題格納手段14および前記順序データ保持手段12に対応する。
【0043】
モード設定スイッチ22は、メモリーカード18に格納された何れの順序データを用いるかを設定するものであり、試験実施時の通常モードと、試験問題の順序を設定する順序設定モードとを備える。当該モード設定スイッチ22をプラスモード22aにすると順序設定モードとなり、試験問題の順序を設定することができ、プラスモード22aに対するマイナスモードにすることで通常モードとなる。当該モード設定スイッチ22は、電池ボックス21a内に配置される。
【0044】
前記音量設定ボタン20は、順序データを切り替えるものであり、プラスボタン20aとマイナスボタン20bとを備え、前記モード設定スイッチ22を順序設定モードとした後に、当該音量設定ボタン20のプラスボタン20aを押すことにより順序データの設定番号が増加し、マイナスボタン20bを押すことで順序データの設定番号が減少して試験問題の順序データを切り替える。該設定番号は表示装置19に表示され、順序データの切り替え作業を容易にする。すなわち、モード設定スイッチ22と音量設定ボタン20とが、前記順序指示手段13に対応する。
【0045】
再生ボタン16aは、試験問題を再生させるものであり、1回押すと試験問題が再生され、もう1回押すと停止状態となる。再生された試験問題はヘッドホン17にて聞くことができる。すなわち、再生ボタン16aが、前記再生手段15に対応する。
【0046】
上記のように構成された本発明の実施例1に係る個別試験実施装置11の動作について、図2及び図4の各図を参照して説明する。図2は、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置の順序データの1例を示す。
【0047】
試験の実施に先立ち、図2に示すように、第1問から第6問までの試験問題をメモリカード18に格納するとともに、第1問から第6問までの問題を適切に並べた設定1から設定4までの4ケースを設定した順序データをメモリーカード18に保持させる。
【0048】
試験問題が格納され、順序データが保持されたメモリーカード18を、個別試験実施装置11に挿着し、図4(b)、図4(c)の各図に示すように、ネジ21bを緩めて電池ボックス蓋21を外し、電池ボックス21a内に配置されているモード設定スイッチ22を順序設定モードとする。音量ボタン20のプラスボタン20aもしくはマイナスボタン20bのいずれかを押し、メモリーカード18に記憶させた順序データを読み出し、表示装置19に表示された順序データを確認しながら、試験問題の再生順序を設定する。試験問題の再生順序の設定終了後に、モード設定スイッチ22を、通常モードに戻し、ネジ21bを用いて電池ボックス蓋21を電池ボックス21aに取付ける。電池ボックス蓋21をネジ止めすることで、受験生が勝手に、試験問題の再生順序を変える行為を防止する。
【0049】
試験の実施時は、再生ボタン16を1回押すと、順序指示手段13が、メモリーカード18に保持されている順序データを基準に、メモリーカードに格納されている試験問題データを読み出し、読み出された試験問題データは再生手段15に送られて再生され、試験問題がヘッドホン17から音声として出力される。さらにもう1回、再生ボタン16を押すと停止状態となる。
【0050】
個別試験実施装置11は、次に述べるようにして用いられる。図3は、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置の試験会場の座席位置と個別試験実施装置の配列例であり、図2に示す試験問題および該試験問題の再生順序が設定された個別試験実施装置を、図3に示すように、各座席位置での試験問題の再生順序がその各座席位置の近隣周辺と異なるよう試験会場に配置する。これにより試験が実施できる状態となる。
【0051】
以上のように、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置11によれば、試験問題を格納する問題格納手段14と、問題格納手段14により格納された試験問題を再生する再生手段15と、上記試験問題の再生順序を指示する順序指示手段13と、順序指示手段13へ与える再生順序指示データを保持させる順序データ保持手段12とを備えたので、個別試験実施装置11ごとに試験問題の再生順序を設定することが可能となり、受験者が、隣りの受験者が入力した解答を見るといった不正行為を防止することが可能となる。
【0052】
また、本発明の実施例1に係る個別試験実施装置11を用いた試験方法により、公平な試験を実施することが可能となる。
【0053】
なお、本発明の実施例1では、個別試験実施装置11の順序データ、及び試験問題の数量、並びに試験会場の座席位置は、各座席位置での試験問題の再生順序がその各座席位置の近隣周辺と異なればよく、順序データおよび試験問題の数量は図2に、座席位置は図3にそれぞれ限定されるものではない。
【0054】
また、個別試験実施装置11のより詳細な構成は、試験問題を格納し、該試験問題を予め設定された再生順序で再生し、該再生順序を保持することができればよく、本発明の実施例1に限定されるものではない。
【実施例2】
【0055】
本発明の実施例2に係る個別試験実施装置は、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11に、該個別試験実施装置の使用者が個別に保有する個別番号を入力し、該個別番号を基準に試験問題が再生される個別番号入力機能を付加した、個別番号入力型個別試験実施装置であり、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と同じまたは同等の機能を有するものについては同符号を記し、詳細な説明は省略する。
【0056】
先ず、本発明の実施例2に係る個別試験実施装置の構成について、図5と図6の各図を参照して説明する。図5は、本発明の実施例2に係る個別試験実施装置のブロック図であり、図6は、本発明の実施例2に係る個別試験実施装置の上面部を示す図である。
【0057】
図5において、11aは本発明の実施例2に係る個別試験実施装置であり、個別試験実施装置11a内に、個別番号入力生成手段23と、順序データ生成手段24と、順序指示手段13と、問題格納手段14と、再生手段15とを備え、順序指示手段13に再生ボタン16が、再生手段15にヘッドホン17がそれぞれ接続されている。
【0058】
また、本発明の実施例2に係る個別試験実施装置11aのより詳細な構成は、図6に示すように、主として再生ボタン16aと、表示装置19と、音量設定ボタン20と、受験番号入力ボタン25とを備え、当該個別試験実施装置11aには、メモリーカード18が挿着され、ヘッドホン17が接続されている。
【0059】
したがって、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と異なる、個別番号入力手段23と、順序データ生成手段24と、受験番号入力ボタン25とについて説明する。
【0060】
個別番号入力手段23は、個別番号を入力するものであり、問題格納手段14に格納されている何れの試験問題を読み出すかを設定する個別番号、例えば受験番号、を入力する。
【0061】
順序データ生成手段24は、順序データを生成するものであり、個別番号入力手段23にて入力された受験番号を基準に試験問題の再生順序を設定する順序データを生成する。
【0062】
受験番号入力ボタン25は、入力ボタン25aと、決定ボタン25bと、消去ボタン25cと、0から9までの数字を入力する数字ボタン25dとを備え、入力ボタン25aを押した後、数字ボタン25dを押して受験番号を入力する。受験番号は表示装置19に出力されるので入力した受験番号を目視にて確認することができる。受験番号を入力した後に、決定ボタン25bを押すと受験番号が決定されて該受験番号に応じた試験問題の再生順序が設定される。消去ボタン25cは、容易に受験番号の訂正が行なえるようにしたものであり、誤って入力した数字を消去することができる。すなわち、受験番号入力ボタン25が、前記個別番号入力手段23に対応する。
【0063】
上記のように構成された本発明の実施例2に係る個別試験実施装置11aの動作について説明する。試験の実施に先立ち、試験問題が格納されたメモリーカード18を、上述の実施例1に係る個別試験装置11と同様に、本発明の実施例2に係る個別試験実施装置11aに挿着する。試験の実施時は、受験番号が入力されると、該受験番号を基準に、順序データ生成手段24が順序データを生成して試験問題の再生順序が決定し、試験問題を再生させる準備が完了する。そして、再生ボタン16aを押すと、試験問題がヘッドホン17から出力される。再生ボタン16aをもう1回押すと停止状態となる。
【0064】
本発明の実施例2に係る個別試験実施装置11aは、次に述べるようにして用いられる。試験問題が設定された本実施例2に係る個別試験実施装置11aを、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と同様に、試験会場に配置する。これにより試験が実施できる状態となる。
【0065】
以上のように、本発明の実施例2に係る個別試験実施装置11aによれば、試験問題を格納する問題格納手段14と、問題格納手段14により格納された試験問題を再生する再生手段15と、上記試験問題の再生順序を指示する順序指示手段13と、順序指示手段13へ与える再生順序指示データを保持させる順序データ保持手段12と、受験番号を入力する個別番号入力手段23と、順序指示手段13へ与える再生順序指示データを上記受験番号から生成する順序データ生成手段24とを備えたので、試験問題の再生順序を受験番号ごとに設定することが可能となり、受験者が、隣りの受験者が入力した解答を見るといった不正行為を防止することが可能となる。
【0066】
また、本発明の実施例2に係る個別試験実施装置11aを用いた試験方法により、受験番号を基準に試験問題の再生順序が設定される試験を実施することが可能となる。
【0067】
なお、本発明の実施例2では、個別試験実施装置11aの順序データ、及び試験問題の数量、並びに試験会場の座席位置は、受験番号に応じて、各座席位置での試験問題の再生順序がその各座席位置の近隣周辺と異なればよく、順序データおよび試験問題の数量は図2に、座席位置は図3にそれぞれ限定されるものではない。
【0068】
また、本発明の実施例2に係る個別試験実施装置11aのより詳細な構成は、試験問題を格納し、該試験問題を、個別入力された受験番号を基準として予め設定された再生順序で再生し、該再生順序を保持することができればよく、本実施例2に限定されるものではない。
【実施例3】
【0069】
本発明の実施例3に係る個別試験実施装置は、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11に、一定の時刻になると試験問題を自動的に再生する試験問題自動再生機能を付加した、試験問題自動再生型個別試験実施装置であり、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と同じまたは同等の機能を有するものについては同符号を記し、詳細な説明は省略する。
【0070】
先ず、本発明の実施例3に係る個別試験実施装置11bの構成について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施例3に係る個別試験実施装置のブロック図である。
【0071】
図7において、11bは本発明の実施例3に係る個別試験実施装置であり、個別試験実施装置11b内に、順序データ保持手段12と、順序指示手段13と、問題格納手段14と、再生手段15と、時刻データ保持手段26と、時刻指示手段27とを備え、再生手段15にヘッドホン17が接続されている。したがって、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と異なる、時刻データ保持手段26および時刻指示手段27について説明する。
【0072】
時刻データ保持手段26は、試験の開始時刻を設定し、該試験開始時刻を保持させるものである。時刻指示手段27は、再生ボタンと同等の機能を有し、時刻データ保持手段26に保持された試験開始時間を読出し、試験開始時間になると試験問題を自動的に再生させる。
【0073】
上記のように構成された本発明の実施例3に係る個別試験実施装置11bの動作について説明する。試験の実施に先立ち、上述の実施例1に係る個別試験装置11と同様に、試験問題が格納され、順序データが保持され、かつ、時刻データ保持手段26により試験開始時刻が保持されたメモリーカード18を本発明の実施例3に係る個別試験実施装置11bに挿着する。試験の実施時は、時刻指示手段27が、時刻データ保持手段26に保持された試験開始時刻を読み出し、設定された試験開始時間になると、自動的に試験問題がヘッドホン17から音声として出力される。
【0074】
本発明の実施例3に係る個別試験実施装置11bは、次に述べるようにして用いられる。上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と同様に、試験問題と、該試験問題の再生順序と試験開始時刻とが設定された本実施例3に係る個別試験実施装置11bを、図3に示すように、各座席位置での試験問題の再生順序がその各座席位置の近隣周辺と異なるよう試験会場に配置する。これにより試験が実施できる状態となる。
【0075】
以上のように、本発明の実施例3に係る個別試験実施装置11bによれば、試験問題を格納する問題格納手段14と、問題格納手段14により格納された試験問題を再生する再生手段15と、上記試験問題の再生順序を指示する順序指示手段13と、順序指示手段13へ与える再生順序指示データを保持させる順序データ保持手段12と、前記順序指示手段13へ動作指示を与える時刻指示手段27と、時刻指示手段27が作動する時刻データを保持する時刻データ保持手段26とを備えたので、試験開始時刻になると一斉に試験を開始することが可能となる。
【0076】
また、本発明の実施例3に係る個別試験実施装置11bを用いた試験方法により、試験問題の先聞きを防止することが可能となる。
【0077】
なお、本発明の実施例3では、個別試験実施装置11bの順序データ、及び試験問題の数量、並びに試験会場の座席位置は、各座席位置での試験問題の再生順序がその座席位置の近隣周辺と異なればよく、順序データおよび試験問題の数量は図2に、座席位置は図3にそれぞれ限定されるものではない。
【0078】
また、本発明の実施例3に係る個別試験実施装置11bのより詳細な構成は、試験問題を格納し、該試験問題を予め設定された試験開始時刻および再生順序を基準に再生し、該試験開始時刻および再生順序を保持することができればよく、本実施例3に限定されるものではない。
【0079】
また、本発明の実施例3に係る個別試験実施装置11bは、上述の実施例2に係る個別試験実施装置11aが有する個別番号入力機能を組み込むこともでき、本実施例3に限定されるものではない。
【実施例4】
【0080】
本発明の実施例4に係る個別試験実施装置は、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11に、該個別試験実施装置の使用者が、該個別試験実施装置から再生される試験問題に対する解答を、該個別試験実施装置に直接入力する解答入力機能を付加した、解答入力型個別試験実施装置であり、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と同じまたは同等の機能を有するものについては同符号を記し、詳細な説明は省略する。
【0081】
先ず、本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cの構成について、図8と図9の各図を参照して説明する。図8は、本発明の実施例4に係る個別試験実施装置のブロック図であり、図9は、本発明の実施例4に係る個別試験実施装置の上面部を示す図である。
【0082】
図8において、11cは本発明の実施例4に係る個別試験実施装置であり、個別試験実施装置11c内に、順序データ保持手段12と、順序指示手段13と、問題格納手段14と、再生手段15と、解答入力手段28と、解答格納手段29とを備え、順序指示手段13に再生ボタン16が、再生手段15にヘッドホン17がそれぞれ接続されている。
【0083】
また、本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cのより詳細な構成は、図9に示すように、主として再生ボタン16と、表示装置19と、音量設定ボタン20と、解答入力ボタン30とによって構成され、当該個別試験実施装置には、メモリーカード18が挿着され、ヘッドホン17が接続されている。
【0084】
したがって、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と異なる、解答入力手段28と、解答格納手段29と、解答入力ボタン30とについて説明する。
解答入力手段28は、試験問題に対する解答を入力する機能を有する。
【0085】
解答格納手段29は、解答入力手段28で入力された試験問題の解答を格納させるものである。
【0086】
解答入力ボタン30は、確定ボタン30aと、取消ボタン30bと、AからDまでの英字を入力する英字ボタン30cとを備え、英字ボタン30cを押して解答を入力する。解答は表示装置19に表示されるので入力した解答を確認することができる。解答入力後、確定ボタン30aを押すと解答が決定する。取消ボタン30bは、誤って入力した解答を消去し、容易に解答の訂正が行なえるようにしたものである。すなわち、解答入力ボタン30は、前記解答入力手段28に対応する。
【0087】
上記のように構成された本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cの動作について説明する。試験の実施に先立ち、上述の実施例1に係る個別試験装置11と同様に、試験問題が格納され、かつ、順序データが保持されたメモリーカード18を本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cに挿着する。試験の実施時は、再生ボタン16を1回押すと、試験問題がヘッドホン17から出力される。もう1回、再生ボタン16を押すと停止状態となる。試験問題の再生と並行して、該試験問題に対する解答を、解答入力手段28、すなわち解答入力ボタン30により本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cに入力する。そして、入力された解答は解答格納手段29、すなわちメモリーカード18に格納される。
【0088】
本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cは、次に述べるようにして用いられる。上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と同様に、試験問題と、該試験問題の再生順序とが設定された本実施例4に係る個別試験実施装置11cを、図3に示すように、各座席位置での試験問題の再生順序がその各座席位置の近隣周辺と異なるよう試験会場に配置する。これにより試験が実施できる状態となる。
【0089】
以上のように、本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cによれば、試験問題を格納する問題格納手段14と、問題格納手段14により格納された試験問題を再生する再生手段15と、試験問題の再生順序を指示する順序指示手段13と、順序指示手段13へ与える再生順序指示データを保持させる順序データ保持手段12と、試験問題の再生に連動して動作する解答入力手段28と、解答入力手段28によって生成された解答データを格納する解答格納手段29とを備えたので、試験問題の再生が、隣りの装置での試験問題の再生の順序と異なる順序で行なわれることにより、試験実施中に受験者が、隣りの受験者が入力した解答を見るといった不正行為を防ぐことが可能となる。
【0090】
また、本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cを用いた試験方法により、解答用紙を用いないで試験を実施することが可能となる。
【0091】
なお、本発明の実施例4では、個別試験実施装置11cの順序データ、及び試験問題の数量、並びに試験会場の座席位置は、各座席位置での試験問題の再生順序がその座席位置の近隣周辺と異なればよく、順序データおよび試験問題の数量は図2に、座席位置は図3にそれぞれ限定されるものではない。
【0092】
また、本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cのより詳細な構成は、試験問題を格納し、該試験問題を再生する順序を保持し、該再生順序を基準に試験問題が再生され、その再生された試験問題に対する解答を入力し、その入力された解答を保持することができればよく、本実施例4に限定されるものではない。
【0093】
また、本発明の実施例4に係る個別試験実施装置11cは、上述の実施例2に係る個別試験実施装置11aが有する個別番号入力機能、もしくは、上述の実施例3に係る個別試験実施装置11bが有する試験問題自動再生機能の組み込み、又はそれらを組み合わせて組み込むこともでき、本実施例4に限定されるものではない。
【実施例5】
【0094】
本発明の実施例5に係る個別試験実施装置は、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11に電池の残量が監視できる電池残量監視機能を付加した、電池残量監視型個別試験実施装置であり、上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と同じまたは同等の機能を有するものについては同符号を記し、詳細な説明は省略する。
【0095】
先ず、本発明の実施例5に係る個別試験実施装置11dの構成について、図10を参照して説明する。図10は、本発明の実施例5に係る個別試験実施装置11dのブロック図である。図10において、11dは本発明の実施例5に係る個別試験実施装置であり、個別試験実施装置11d内に、順序データ保持手段12と、順序指示手段13と、問題格納手段14と、再生手段15と、電池残量監視手段31と、進行度格納手段32とを備え、順序指示手段13に再生ボタン16が、再生手段15にヘッドホン17が、電池残量監視手段31に警告ランプ33がそれぞれ接続されている。したがって、上述の実施例1と異なる、電池残量監視手段31および進行度格納手段32について説明する。
【0096】
電池残量監視手段31は、電池の残量を監視するものであり、当該実施例5に係る個別試験実施装置11dを継続して使用困難な電池残量である時、警告ランプ33を点灯させる。
【0097】
進行度格納手段32は、解答された試験問題の解答位置を格納するものであり、電池残量監視手段31が試験問題の継続が困難な電池残量であると判断した時、その時点での試験問題解答位置を当該進行度格納手段32に格納し、試験問題の進行を停止させる。
【0098】
上記のように構成された本発明の実施例5に係る個別試験実施装置11dの動作について説明する。試験の実施に先立ち、上述の実施例1に係る個別試験装置11と同様に、試験問題が格納され、かつ、順序データが保持されたメモリーカード18を本実施例5に係る個別試験実施装置11dに挿着する。試験の実施時は、再生ボタン16を押すと、試験問題データが再生されて試験問題がヘッドホン17から出力される。試験問題の再生と同時に、電池残量監視手段31は電池残量の監視を始め、電池の残量が試験を継続して解答するのが困難と判断した時、入力された試験問題解答位置を進行度格納手段32、すなわちメモリーカード18、に格納した後、警告ランプ33を点灯させて試験を一時的に中止させる。
【0099】
本発明の実施例5に係る個別試験実施装置11dは、次に述べるようにして用いられる。上述の実施例1に係る個別試験実施装置11と同様に、試験問題と、該試験問題の再生順序とが設定された本実施例5に係る個別試験実施装置11dを、図3に示すように、各座席位置での試験問題の再生順序がその各座席位置の近隣周辺と異なるよう試験会場に配置する。これにより試験が実施できる状態となる。試験の実施時は、試験問題の再生と同時に電池残量監視手段31が作動し、警告ランプ33が点灯した場合、試験官は、警告ランプ33が点灯している座席位置の受験生を別室に連れて行き、電池の交換後、進行度格納手段32に格納された試験問題解答位置から試験を継続させる。
【0100】
以上のように、本発明の実施例5に係る個別試験実施装置11dによれば、試験問題を格納する問題格納手段14と、問題格納手段14により格納された試験問題を再生する再生手段15と、上記試験問題の再生順序を指示する順序指示手段13と、順序指示手段13へ与える再生順序指示データを保持させる順序データ保持手段12と、電池の残量を監視する電池残量監視手段31と、電池残量が一定レベル以下になると試験問題の進行度情報を格納する進行度格納手段32とを備えたので、電池残量が一定レベル以下になったときには試験を一旦中断し、再開後には中断した位置から試験の続行を行なうことが可能となる。
【0101】
また、本発明の実施例5に係る個別試験実施装置11dを用いた試験方法により、試験の実施に先立って電池の残量を監視することが可能となる。
【0102】
なお、本発明の実施例5では、個別試験実施装置11dの順序データ、及び試験問題の数量、並びに試験会場の座席位置は、各座席位置での試験問題の再生順序がその各座席位置の近隣周辺と異なればよく、順序データおよび試験問題の数量は図2に、座席位置は図3にそれぞれ限定されるものではない。
【0103】
また、本発明の実施例5に係る個別試験実施装置11dのより詳細な構成は、試験問題を格納し、該試験問題の順序データを保持し、該順序データを基準に試験問題が再生され、その試験問題の再生と並行して電池の残量を監視し、その監視結果により試験進行情報を格納して試験を一時的に中断することができればよく、本実施例5に限定されるものではない。
【0104】
また、本発明の実施例5に係る個別試験実施装置11dは、上述の実施例2に係る個別試験実施装置11aが有する個別番号入力機能、もしくは、上述の実施例3に係る個別試験実施装置11bが有する試験問題自動再生機能、もしくは、上述の実施例4に係る個別試験実施装置11cが有する解答入力機能の組み込み、又はそれらを組み合わせて組み込むこともでき、本実施例5に限定されるものではない。
【実施例6】
【0105】
図11は、本発明の実施例6に係る個別試験実施装置の構成を示す図である。図11において、101は本発明の実施例6に係る個別試験実施装置であり、個別試験実施装置101内に、試験問題を格納する試験問題格納手段102、試験問題格納手段102に格納されている試験問題をヘッドホン108に出力する再生手段103、個人情報を格納する個人情報格納手段104、個人情報格納手段104に格納されている個人情報を表示装置106に表示する表示手段105、試験問題の再生の開始を始める信号を生成するための再生ボタン107とを備える。また、108は再生手段103と接続されたヘッドホンである。
【0106】
上記のように構成された本発明の実施例6に係る個別試験実施装置101を用いた試験方法について、以下その動作を説明する。
【0107】
個別試験実施装置101の再生ボタン107が押されると、試験問題格納手段102に格納されている試験問題データが読み出される。読み出された試験問題データは再生手段103に送られ、ヘッドホン108に音声として出力される。また、再生ボタン107が押されると試験問題データの読み出しとともに個人情報格納手段104に格納されている顔写真や受験番号などの個人情報が読み出され、表示手段105によって表示装置106に個人情報が表示される。
【0108】
個別試験実施装置101は半導体プレーヤー、試験問題格納手段102はメモリーカード、表示装置106には液晶画面を用いることで容易に実現することが可能である。
【0109】
以上のように、本発明の実施例6に係る個別試験実施装置によれば、個人情報格納手段104、表示手段105、および表示装置106を備えたので、試験監督者は個別試験実施装置101が設置されている席に着座している者が受験者であるか否かの判定を容易に行なうことが可能となり、受験者の成り代わりによる不正行為を防ぐことができる。
【0110】
なお、本発明の実施例6では、個別試験実施装置101として半導体プレーヤーの例を示したが、これだけに限定すべきものではなくラジカセや半導体プレーヤー以外の携帯型音楽プレーヤーなどの音声を再生できる装置であればよいことは言うまでもない。
【0111】
また、試験問題格納手段102としてメモリーカードの例を示したが、これだけに限定すべきものではなくハードディスクやミニディスクなどの記録できるメディアであればよいことは言うまでもない。
【0112】
また、表示装置106として液晶画面の例を示したが、これだけに限定すべきものではなく有機ELディスプレイやPDP(Plasma Display Panel)などの表示できる装置であればよいことは言うまでもない。
【実施例7】
【0113】
図12は、本発明の実施例7に係る個別試験実施装置の構成を示す図である。図12において、201は本発明の実施例7に係る個別試験実施装置であり、図11と同一符号は同一または相当部分を示し、204は後述する解答格納手段に被試験者の指定した解答を入力するための解答入力手段、205は無線通信手段206を内蔵した解答格納手段である。
【0114】
上記のように構成された本発明の実施例7に係る個別試験実施装置201を用いた試験方法について、以下その動作を説明する。
【0115】
個別試験実施装置201の再生ボタン107が押されると、試験問題格納手段102に格納されている試験問題データが読み出される。読み出された試験問題データは再生手段103に送られ、ヘッドホン108に音声として出力される。さらに、試験問題の解答は、マークシートなどの答案用紙に記入するのではなく、解答入力手段204で解答を電気信号的に入力し、解答格納手段205に格納する。そして、試験終了後の解答の回収には、無線通信手段206により解答格納手段205に格納された解答を図示しない中央処理装置などに対して送信することで行なう。
【0116】
前記個別試験実施装置201として半導体プレーヤー、試験問題格納手段102、解答格納手段205および無線通信手段206にはICカードを用いることで容易にシステムを実現することが可能である。この場合、例えば、試験会場の出入り口にICカードリーダーを設置しておき、被試験者が会場退出時に解答を格納したICカードをICカードリーダーにかざすだけで解答の回収が可能となる。
【0117】
以上のように、本発明の実施例7に係る個別試験実施装置によれば、マークシート上に解答を記入せずに個別試験実施装置201自身に解答を格納していき、無線通信によって解答を回収するようにしたので、試験終了までの時間を短縮することができる。
【0118】
なお、本発明の実施例7では、解答格納手段205、および無線通信手段206としてICカードを例として示したが、これらを実現する機器はICカードに限定したものではなく、データの記録機能と無線通信機能を有するものであればよいことは言うまでもない。
【0119】
また、前記個別試験実施装置201として半導体プレーヤーを例として示したが、これを実現する機器は、これに限定すべきものではなく、ラジカセや半導体プレーヤー以外の、例えば、携帯型音楽プレーヤーなどの音声を再生できる装置であればよいことは言うまでもない。
【実施例8】
【0120】
上記実施例7は、解答を個別試験実施装置に記録し、これを無線通信によって回収することで、試験終了までの時間を短縮することができるものであったが、このように構成された機器で行われる個別試験では、解答格納手段を該解答格納手段に格納された解答を読み取る装置の近くに持っていく必要があった。
【0121】
本発明の実施例8に係る個別試験実施装置は、このような点を改良したことを特徴とするものである。以下、図13を参照して説明する。
【0122】
図13は、本発明の実施例8に係る個別試験実施装置の構成を示す図である。図13において、301は本発明の実施例8に係る個別試験実施装置であり、図11と同一符号は同一または相当部分を示し、304は無線通信手段305を含む解答入力手段である。
【0123】
上記のように構成された本発明の実施例8に係る個別試験実施装置301を用いた試験方法について、以下その動作を説明する。
【0124】
個別試験実施装置301の再生ボタン107が押されると、試験問題格納手段102に格納されている試験問題データが読み出される。読み出された試験問題データは再生手段103に送られ、ヘッドホン108に音声として出力される。さらに、試験問題の解答は、マークシートに記入するのではなく、解答入力手段304で解答を入力し、入力された解答は無線通信手段305によって集計装置(図示せず)に送信され、解答の回収は随時行われる。
【0125】
個別試験実施装置301として半導体プレーヤー、試験問題格納手段102にはメモリーカード、無線通信手段305にはBluetoothトランシーバを用い、試験会場内に各半導体プレーヤーから送信される解答を受信する装置を設置することで容易にシステムを実現することが可能となる。
【0126】
以上のように、本発明の実施例8に係る個別試験実施装置によれば、個別試験実施装置301に解答入力手段304により解答を入力していき、無線通信手段305によって逐次無線通信を行い、解答を送信し、これを回収できる構成とすることで、受験者それぞれにマークシートのような解答を格納する手段を、あるいはメモリカードのような解答を格納する手段を提供する必要が無くなるとともに、試験終了までの時間を短縮することができる。
【0127】
なお、本発明の実施例8では、前記無線通信手段305としてBluetoothトランシーバを用いた例を示したが、無線通信手段305はこれに限定されるものではなく、例えば、HomeRF(Home Radio Frequency)や無線LANなどの無線通信機能を有するものであればよいことは言うまでもない。
【0128】
また、個別試験実施装置301として半導体プレーヤーを例として示したが、ラジカセや半導体プレーヤー以外にも、携帯型音楽プレーヤーなどの音声を再生できる装置であればよいことは言うまでもない。
【実施例9】
【0129】
図14は本発明の実施例9に係る個別試験実施装置の構成を示す図である。図14において、401は本発明の実施例9に係る個別試験実施装置であり、図11と同一符号は同一または相当部分を示し、403は個別試験実施装置401ごとに異なる固有番号を格納する固有番号格納手段、404は固有番号格納手段403に格納されている固有番号を使って復号する復号手段である。
【0130】
上記のように構成された本発明の実施例9に係る個別試験実施装置401を用いた試験方法について、以下その動作を説明する。
【0131】
まず、はじめに試験問題格納手段102に固有番号格納手段403に格納されている固有番号を使って暗号化された試験問題データを格納しておく。試験実施時には、個別試験実施装置401の再生ボタン107が押されると、試験問題格納手段102に格納されている暗号化された試験問題データが読み出される。復号手段404は固有番号格納手段403から固有番号を取得し、暗号化された試験問題データの復号を行った後、再生手段103に送られ、ヘッドホン108に音声として出力される。
【0132】
個別試験実施装置401として半導体プレーヤー、試験問題格納手段102にはメモリーカード、固有番号格納手段403に格納されている固有番号に半導体プレーヤー1台ごとに異なるシリアルナンバーを用いることによって、容易にシステムを実現することが可能である。この場合、メモリーカードに格納されている試験問題の暗号化に使われたシリアルナンバーと、半導体プレーヤーのシリアルナンバーとが一致した場合、受験者には正常に試験問題を聞くことが可能となるが、一致しなかった場合、暗号化された試験問題が正しく復号されないことになり、ヘッドホンから聞こえる音は意味をなさない音となる。
【0133】
以上のように、本発明の実施例9に係る個別試験実施装置によれば、試験問題格納手段102に格納された試験問題を別の個別試験実施装置で再生しようとしても、試験問題の暗号化に使われた固有番号と一致しないため試験問題を聞き取ることが不可能となり、記録メディアを持ち出して他者に聞かせて解答を得るなどの不正行為を防止することが可能となる。
【0134】
なお、本発明の実施例9では、固有番号格納手段403に格納される固有番号にシリアルナンバーを例に挙げて説明したが、この固有番号はシリアルナンバーに限定したものではなく、個々の個別試験実施装置401が限定できるものであればよいことは言うまでもない。
【0135】
また、個別試験実施装置401として半導体プレーヤーを用いる例を示したが、これを実現する機器はこれに限定すべきものではなく、ラジカセや半導体プレーヤー以外の、例えば、携帯型音楽プレーヤーなどの音声を再生できる装置であればよいことは言うまでもない。
【0136】
また、試験問題格納手段102としてメモリーカードを用いる例を示したが、試験問題格納手段102は、これだけに限定されるものではなく、例えば、ハードディスクやミニディスクなどの記録できる他のメディアであればよいことは言うまでもない。
【実施例10】
【0137】
図15は本発明の実施例10に係る個別試験実施装置の構成を示す図である。図15において、501は本発明の実施例10に係る個別試験実施装置であり、図14と同一符号は同一または相当部分を示し、508は解答入力手段、509は解答格納手段である。
【0138】
上記のように構成された本発明の実施例10に係る個別試験実施装置501を用いた試験方法について、以下その動作を説明する。
【0139】
まず、はじめに試験問題格納手段102に固有番号格納手段403に格納されている固有番号を使って暗号化された試験問題データを格納しておく。試験実施時には、個別試験実施装置501の再生ボタン107が押されると、試験問題格納手段102に格納されている暗号化された試験問題データが読み出される。復号手段404は固有番号格納手段403から固有番号を取得し、暗号化された試験問題データの復号を行った後、再生手段103に送られ、ヘッドホン108に音声として出力される。さらに試験問題の解答は、マークシートに記入するのではなく、解答入力手段508で解答を入力し、解答格納手段509に格納する。
【0140】
個別試験実施装置501として半導体プレーヤー、試験問題格納手段102と解答格納手段509にはメモリーカードを用い、また、固有番号格納手段403に格納されている固有番号に半導体プレーヤー1台ごとに異なるシリアルナンバーを用いることによって容易にシステムを実現することが可能である。この場合、メモリーカードに格納されている試験問題の暗号化に使われたシリアルナンバーと、半導体プレーヤーのシリアルナンバーとが一致した場合、受験者には正常に試験問題を聞くことが可能となるが、一致しなかった場合、暗号化された試験問題が正しく復号されないことになり、ヘッドホンから聞こえる音は意味をなさない音となる。試験終了後、メモリーカードをカードリーダーに通して解答を回収し、メモリーカードは受験者が持ち帰るようにする。
【0141】
以上のように、本発明の実施例10に係る個別試験実施装置によれば、試験問題格納手段102を試験会場以外で再生しようとしても暗号化に使われた個別試験実施装置501の固有番号が一致しないため不可能となり、記録メディアを持ち出して他者に聞かせて解答を得るなどの不正行為を防止することが可能となるとともに、メモリーカードに格納した解答をカードリーダーで回収することで、解答を格納したメモリーカード自体は提出する必要が無くなり、受験者が持ち帰ることで自己採点に利用することが可能となる。したがって、自己採点の精度を大きく向上することができるとともに、受験校の選択までの時間等をも大きく短縮することができる。
【0142】
なお、本発明の実施例10では、個別試験実施装置501として半導体プレーヤーを例に挙げて示したが、個別試験実施装置を実現するための機器はこれに限定されるものではなくラジカセや半導体プレーヤー以外の、例えば、携帯型音楽プレーヤーなどの音声を再生できる装置であればよいことは言うまでもない。
【0143】
また、試験問題格納手段102と解答格納手段509として、メモリーカードを用いる例を示したが、例えば、ハードディスクやミニディスクなどの記録できるメディアを用いて実現するようにしてもよいことは言うまでもない。
【実施例11】
【0144】
図16は、本発明の実施例11に係る個別試験実施装置の構成を示す図である。図16において、601は本発明の実施例11に係る個別試験実施装置であり、図11と同一符号は同一または相当部分を示し、602は試験問題格納手段、603は再生手段である。
【0145】
また、上記試験問題格納手段602において、604は鍵情報を格納する第1の鍵情報格納手段、606は相互認証を行なう第1の相互認証処理手段、608は相互認証確立後に読み出し・書き込みが行なえる保護情報格納手段、609は相互認証確立に関係なく読み出し・書き込みが行なえる通常情報格納手段である。
【0146】
また、再生手段603において、605は鍵情報を格納する再生手段内の第2の鍵情報格納手段、607は相互認証を行なう第2の相互認証処理手段である。
【0147】
上記のように構成された本発明の実施例11に係る個別試験実施装置601を用いた試験方法について、以下その動作を説明する。
【0148】
はじめに試験問題格納手段602内の保護情報格納手段608に試験問題を格納する。試験実施時には、個別試験実施装置601の再生ボタン107が押されると、試験問題格納手段602の第1の鍵情報格納手段604と再生手段603の第2の鍵情報格納手段605から双方に共通の鍵を選択する。
【0149】
試験問題格納手段602の第1の相互認証処理手段606と再生手段603の第2の相互認証処理手段607でそれぞれの鍵情報格納手段から選ばれた鍵を用いて演算を行なう。演算終了後、試験問題格納手段602内で演算された結果を再生手段603に渡し、再生手段603内で演算された結果を試験問題格納手段602にそれぞれ渡す。
【0150】
試験問題格納手段602と再生手段603は、自身で演算した結果と相手が演算した結果とを比較し一致していた場合、相互認証が確立する。そして相互認証確立後、再生手段603は試験問題格納手段602内の保護情報格納手段608から試験問題を読み出し、ヘッドホン108に音声として出力される。
【0151】
個別試験実施装置601に著作権保護対応半導体プレーヤーを用い、試験問題格納手段602に著作権保護対応メモリーカードを用いることで容易にシステムを実現することが可能である。
【0152】
再生ボタン107を押すと著作権保護対応メモリーカードで実現された試験問題格納手段602と著作権保護対応半導体プレーヤーで実現された個別試験実施装置601との間で相互認証処理が行われ、ヘッドホン108から音声として出力される。SDメモリーカードのような著作権保護対応メモリーカードには著作権保護のため、相互認証のようなメディアとホストが正当な組み合わせであることを確認するための手段が備わっている。市販されている半導体プレーヤーでの再生を防ぐため、著作権保護の必要な音楽再生に使われている鍵とは別の試験専用の鍵を、著作権保護対応メモリーカードと著作権保護対応半導体プレーヤーに用意することで、試験問題を格納した著作権保護対応メモリーカードと著作権保護対応半導体プレーヤーの組み合わせを限定することが可能となる。
【0153】
以上のように、本発明の実施例11に係る個別試験実施装置によれば、試験問題格納手段602と再生手段603にそれぞれ鍵情報格納手段(604,603)を備えたものとし、双方において鍵情報を用いて演算した結果を照合したのち、保護情報格納手段608内に格納されている試験問題の再生を許可するようにしたので、試験問題格納手段602を試験会場以外で再生しようとしても相互認証を確立することが困難であり、試験会場外での試験問題の再生が不可能となり、記録メディアを持ち出して他者に聞かせて解答を得るなどの不正行為を防止することが可能となる。
【0154】
なお、本発明の実施例11では、個別試験実施装置601に著作権保護対応半導体プレーヤーを用い、試験問題格納手段602は著作権保護対応メモリーカードを用いる例を示したが、これらの個別試験実施装置と試験問題格納手段に限定したものではなく、個別試験実施装置601が特定できるものであれば、他の機器でよいことは言うまでもない。
【0155】
また、保護情報格納手段608に試験問題データを格納するようにしたが、上記実施例9で示したように、固有番号と復号手段を持ち、試験問題データを固有番号で暗号化を行い、この暗号化された試験問題データを通常情報格納手段609に格納し、固有番号を保護情報格納手段608に格納する構成とすることによっても同様の効果が得られる。試験実施時には相互認証確立後、固有番号を取得し固有番号と復号手段によって、暗号化された試験問題を復号して再生手段からヘッドホンに音声として出力される。
【実施例12】
【0156】
上記実施例11では、試験問題格納手段と再生手段にそれぞれ鍵情報格納手段を備えたものとし、これらの間で相互認証を行なった後、試験問題の再生を許可するようにしているため、会場外に記録メディアを持ち出しても試験問題の再生を不能とすることができるものであったが、このように構成された機器を用いて個別試験を実施した際、個別試験実施装置による試験問題の再生が行われなかった場合、相互認証の不成立か機器の故障かが判別できないため、個別試験の実施に大きな遅延が発生しかねないという問題がある。
【0157】
そこで、以上のような不具合の対策として、以下、本発明の実施例12について図17を参照して説明する。
【0158】
図17は、本発明の実施例12に係る個別試験実施装置の構成を示す図である。図17において、図16と同一符号は同一または相当部分を示し、701は個別試験実施装置であり、712は表示装置713に相互認証結果を表示する相互認証結果表示手段である。
【0159】
上記のように構成された本発明の実施例12に係る個別試験実施装置701を用いた試験方法について、以下その動作を説明する。
【0160】
はじめに試験問題格納手段602内の保護情報格納手段608に試験問題を格納する。試験実施時には、個別試験実施装置601の再生ボタン107が押されると、試験問題格納手段602の第1の鍵情報格納手段604と再生手段603の第2の鍵情報格納手段605から、双方に共通の鍵を選択する。
【0161】
試験問題格納手段602の第1の相互認証処理手段606と、再生手段603の第2の相互認証処理手段607で、それぞれの鍵情報格納手段(604,605)から選ばれた鍵を用いて演算を行なう。
【0162】
演算終了後、試験問題格納手段602内で演算された結果を再生手段603に、再生手段603内で演算された結果を試験問題格納手段602にそれぞれ渡す。試験問題格納手段602と再生手段603とは、自身で演算した結果と相手が演算した結果とを比較する。ここで、結果が一致していた場合、相互認証が確立し、再生手段603は試験問題格納手段602内の保護情報格納手段608から試験問題が読み出されヘッドホン108に音声として出力されるが、一致しなかった場合は、試験問題の再生は行われない。しかし、このままでは試験問題の再生が行われなかった要因が相互認証の不成立か機器の故障か分からないため、相互認証結果表示手段712によって相互認証の結果を表示装置713に表示する。
【0163】
個別試験実施装置701として、著作権保護対応半導体プレーヤーを用い、試験問題格納手段602として著作権保護対応メモリーカードを用い、さらに、表示装置713に液晶画面を用いることで容易にシステムを実現することができる。
【0164】
以上のように、本発明の実施例12に係る個別試験実施装置によれば、試験問題格納手段と再生手段との間で相互認証処理を行なう構成の個別試験実施装置において、試験会場で試験問題の再生が行われなかった場合に、機器の故障か不正な組み合わせなのかを判別し、試験を迅速に開始することが可能となる。
【0165】
なお、本発明の実施例12では、個別試験実施装置701に著作権保護対応半導体プレーヤーを用い、試験問題格納手段602は著作権保護対応メモリーカードを用いる例を示したが、これら機器に限定したものではなく、個別試験実施装置701を特定できるものであればよいことは言うまでもない。
【0166】
また、表示装置713として液晶画面を用いた例を示したが、有機ELディスプレイやPDPなどの、表示できる装置であればよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明に係る個別試験実施装置は、試験問題を格納する問題格納手段と、前記問題格納手段により格納された試験問題を再生する再生手段と、上記試験問題の再生順序を指示する順序指示手段とを備え、前記順序指示手段へ与える再生順序指示データを保持させる順序データ保持手段を備え、個別試験実施装置11ごとに試験問題の再生順序を設定することを可能としたので、情報記録再生機能を有し、試験問題の再生等に有用である。また、試験をペーパレスとすることができ、環境を配慮した個別試験実施装置として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験問題を格納する問題格納手段と、
前記問題格納手段により格納された試験問題を再生する再生手段と、
上記試験問題の再生順序を指示する順序指示手段とを備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項2】
請求項1に記載の個別試験実施装置において、
前記順序指示手段へ与える再生順序指示データを保持させる順序データ保持手段を備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項3】
請求項1に記載の個別試験実施装置において、
当該個別試験実施装置の使用者が保有する個別の番号を入力する個別番号入力手段と、
前記順序指示手段へ与える再生順序指示データを上記個別番号から生成する順序データ生成手段とを備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の個別試験実施装置であって、
前記順序指示手段へ動作指示を与える時刻指示手段と、
前記時刻指示手段が作動する時刻データを保持する時刻データ保持手段とを備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の個別試験実施装置であって、
試験問題の再生に連動して解答を入力可能なように動作する解答入力手段と、
前記解答手段によって生成された解答データを格納する解答格納手段とを備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の個別試験実施装置であって、
当該個別試験実施装置を作動させる電池の残量を監視する電池残量監視手段と、
前記電池残量監視手段により電池残量が一定レベル以下になると試験問題の進行度情報を格納する進行度格納手段とを備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項7】
試験問題を格納する試験問題格納手段と、
前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、
個人情報を格納する個人情報格納手段と
前記個人情報格納手段により格納されている前記個人情報を読み出し、表示する表示手段と、を備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項8】
試験問題を格納する試験問題格納手段と、
前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、
前記試験問題の再生に連動して解答を入力可能なように動作する解答入力手段と、
前記入力された解答を格納する解答格納手段と、
前記解答格納手段に格納された前記解答を無線で送信する無線通信手段と、を備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項9】
試験問題を格納する試験問題格納手段と、
前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、
前記試験問題の再生に連動して解答を入力可能なように動作する解答入力手段と、
前記解答入力手段から入力された前記解答を逐次無線で送信する無線通信手段と、を備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項10】
個別試験実施装置ごとに異なる固有番号を格納する固有番号格納手段と、
前記固有番号によって前記試験問題を暗号化して試験問題を格納する試験問題格納手段と、
前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を読み出して復号化する復号化手段と、
前記復号化して試験問題を再生する再生手段と、を備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項11】
請求項10記載の個別試験実施装置において、
前記試験問題の再生に連動して解答を入力可能なように動作する解答入力手段と、
前記入力された解答を保持する解答格納手段と、を備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項12】
試験問題を保護情報として格納する試験問題格納手段と、
前記試験問題格納手段により格納された前記試験問題を再生する再生手段と、
前記試験問題格納手段と前記再生手段とがあらかじめ決められた組み合わせであることを確認する相互認証処理手段と、を備え、
前記相互認証処理手段により相互認証が確認された場合に、前記再生手段による試験問題の再生が行われる、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項13】
請求項12記載の個別試験実施装置において、
前記試験問題格納手段と前記再生手段とがあらかじめ決められた組み合わせであることを確認した結果を表示する相互認証結果表示手段を備えた、
ことを特徴とする個別試験実施装置。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の個別試験実施装置を用いた試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【国際公開番号】WO2005/091248
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【発行日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−511173(P2006−511173)
【国際出願番号】PCT/JP2005/004355
【国際出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】