説明

倒立型顕微鏡

【課題】コンデンサの焦準操作の操作性を向上させることができる倒立型顕微鏡を提供すること。
【解決手段】試料が載置されるステージと、ステージ上の試料に対して照射する光を射出する光源を有する光源部と、少なくともステージ上の試料からの観察光を集光する対物レンズと、少なくとも対物レンズを保持する本体部と、対物レンズの光軸上に設けられたコンデンサと、コンデンサを保持するコンデンサ保持部と、コンデンサ保持部を移動可能に支持するとともに、コンデンサ保持部を光軸に沿って移動させるコンデンサ移動機構と、コンデンサを移動させる動力をコンデンサ移動機構に伝達する伝達機構と、伝達機構に動力を入力する入力部と、を備え、入力部は、コンデンサ保持部より上方に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、照明光を試料の上から透過させる透過照明観察を行う倒立型顕微鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、医学、生物学の細胞研究用途に用いられる顕微鏡として、照明光を試料の上から透過させる透過照明観察を行う倒立型顕微鏡が使用されている。
【0003】
図16は、従来の透過照明装置を備えた倒立型顕微鏡を示す模式図である。図16に示す倒立型顕微鏡200は、観察対象の試料Sを載せるステージ50と、対物レンズ51を上下に動かす焦準操作部521を有する顕微鏡本体52と、透過照明を行う透過照明装置53とを備える。透過照明装置53は、顕微鏡本体52から鉛直方向に伸びる照明支柱54と、照明支柱54の上方から対物レンズ51の光軸(以下光軸N10)に向かい略水平方向に延設された照明アーム部55と、照明アーム部55の一端に着脱可能に設けられ、試料Sに照射するための照明光を射出する光源561を有するランプハウス56と、少なくともコンデンサ571を有するコンデンサユニット57と、コンデンサユニット57を保持し、照明支柱54が延びる方向と直交する方向に延びるコンデンサホルダ572と、を有する。また、倒立型顕微鏡200は、顕微鏡本体52に設けられ、接眼レンズ581を装着した鏡筒58を有する。
【0004】
照明支柱54は、コンデンサホルダ572を光軸N10に沿って上下に移動可能なコンデンサ移動機構59を有する。コンデンサ移動機構59は、例えばラック&ピニオンを用いて実現され、コンデンサ571を上下に動かすためのコンデンサ焦準操作部591を有する。
【0005】
照明アーム部55は、光源561の光軸N20上にレンズ551と、折り返しミラー552と、視野絞り553と、を有する。なお、光軸N20は、光軸N10と直交している。また、照明アーム部55の正面には、視野絞り553の視野絞り径を調整可能な視野絞り操作部554が設けられている。
【0006】
光源561から射出された光は、照明アーム部55に配置されたレンズ551、折り返しミラー552、視野絞り553およびコンデンサ571を通過し、試料Sに照射される。試料Sからの観察像は、対物レンズ51により拡大または縮小され、図示しない観察光学系により結像される。観察者は、この結像された観察像を、鏡筒58に装着された接眼レンズ581を介して観察する。
【0007】
上述した構成をなす倒立型顕微鏡200により、例えば、試料から反射された光に基づく試料像の観察を行うことができる(例えば、特許文献1,2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平6−17939号公報
【特許文献2】特開平11−218683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した倒立型顕微鏡は、コンデンサ焦準操作部が観察者側から見てコンデンサの後方に位置するため、観察者がアクセスしにくく、コンデンサの焦準操作にかかる操作性が悪いという問題があった。また、観察対象の多様化により、マニピュレータやインジェクションなどのアクセサリが試料の周りに配置されることが多くなったため、アクセサリの装着によってコンデンサ焦準操作部へのアクセスが一段と困難になるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、コンデンサの焦準操作にかかる操作性を向上させることができる倒立型顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、試料が載置されるステージと、前記ステージ上の前記試料に対して照射する光を射出する光源を有する光源部と、少なくとも前記ステージ上の前記試料からの観察光を集光する対物レンズと、少なくとも前記対物レンズを保持する本体部と、前記対物レンズの光軸上に設けられたコンデンサと、前記コンデンサを保持するコンデンサ保持部と、前記コンデンサ保持部を移動可能に支持するとともに、該コンデンサ保持部を前記光軸に沿って移動させるコンデンサ移動機構と、前記コンデンサを移動させる動力を前記コンデンサ移動機構に伝達する伝達機構と、前記伝達機構に前記動力を入力する入力部と、を備え、前記入力部は、前記コンデンサ保持部より上方に設けられることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、上記の発明において、一端で前記本体部と連結し、前記光軸と略平行な方向に延びる支柱と、前記支柱の他端から前記支柱が延びる方向と略垂直な方向に延び、前記光源部を保持するとともに、該光源部からの光を前記コンデンサに対して射出する照明支持部と、をさらに備え、前記入力部は、前記照明支持部に設けられることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、上記の発明において、前記本体部は、接眼レンズを備え、前記入力部は、回転軸のまわりに自転可能であって、該回転軸のまわりの回転に応じた前記動力を入力し、前記光軸を通過し、前記回転軸と平行な平面に対して前記入力部および前記接眼レンズが同じ側に設けられることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、上記の発明において、前記伝達機構は、前記入力部の操作に応じた動力を前記コンデンサ移動機構に伝達するタイミングベルトを有し、前記タイミングベルトは、前記支柱および前記照明支持部の内部に設けられることを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、上記の発明において、前記照明支持部は、視野を調整可能な視野絞りと、前記視野絞りを操作する視野絞り操作部と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、上記の発明において、略柱状の内部空間を形成し、該内部空間に少なくとも前記ステージ、前記コンデンサを収容する保温箱と、前記保温箱の内部空間の温度を調節する温度調節部と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、上記の発明において、前記コンデンサ保持部の前記対物レンズの光軸と平行な方向の移動を規制する移動規制部をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、上記の発明において、前記コンデンサ保持部に取り付けられ、前記試料を操作するマニピュレータをさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、上記の発明において、前記支柱に取り付けられ、前記試料を操作するマニピュレータをさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、上記の発明において、前記支柱は、前記ステージのストローク範囲から退避するように設けられるステージストローク逃げ部を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、試料が載置されるステージと、前記ステージ上の前記試料に対して照射する光を射出する光源を有する光源部と、少なくとも前記ステージ上の前記試料からの観察光を集光する対物レンズと、少なくとも前記対物レンズを保持する本体部と、前記対物レンズの光軸上に設けられたコンデンサと、前記コンデンサを保持するコンデンサ保持部と、前記コンデンサ保持部を移動可能に支持するとともに、該コンデンサ保持部を前記光軸に沿って移動させるコンデンサ移動機構と、前記コンデンサ保持部の前記対物レンズの光軸と平行な方向の移動を規制する移動規制部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる倒立型顕微鏡は、回転軸と連結しているコンデンサ焦準操作部が、対物レンズの光軸より観察者側(接眼レンズ側)であって、コンデンサ保持部より上方で支持されるようにしたので、コンデンサの焦準操作にかかる操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡の全体構成を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡の要部の構成を模式的に示す部分断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡の要部の構成を模式的に示す模式図である。
【図4】図4は、図2に示すA−A線に対応する倒立型顕微鏡の構成を模式的に示す部分断面図である。
【図5】図5は、図3に示すB−B線に対応する倒立型顕微鏡の構成を模式的に示す部分断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡要部の構成を模式的に示す部分断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1の変形例1−1にかかる倒立型顕微鏡の要部の構成を示す部分断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2にかかる倒立型顕微鏡の全体構成を示す模式図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態3にかかる倒立型顕微鏡の全体構成を示す模式図である。
【図10】図10は、図3に示すB−B線に対応する倒立型顕微鏡の構成を模式的に示す部分断面図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態3にかかる倒立型顕微鏡の要部の構成を示す斜視図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態3にかかる倒立型顕微鏡の要部の構成を示す斜視図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態4にかかる倒立型顕微鏡の全体構成を示す模式図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態4にかかる倒立型顕微鏡の要部の構成を示す正面図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態4の変形例4−1にかかる倒立型顕微鏡の全体構成を示す模式図である。
【図16】図16は、従来の倒立型顕微鏡の全体構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0025】
(実施の形態1)
まず、本実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、倒立型顕微鏡1は、蛍光色素にて特異的に染色された試料Sの試料像を結像して試料Sを観察するための倒立型顕微鏡であって、観察対象の試料Sを載せるステージ10と、ステージ10上の試料Sからの観察光を集光する対物レンズ11と、対物レンズ11を保持し、内部に対物レンズ11に入射した光を結像するための結像光学系を有する顕微鏡本体12(本体部)と、透過照明を行うための透過照明装置13とを備える。
【0026】
透過照明装置13は、顕微鏡本体12から上方(鉛直方向)に延びる照明支柱14と、照明支柱14の上端部から対物レンズ11の光軸(以下光軸N1)に向かい略水平方向に延設された照明アーム部15(照明支持部)と、照明アーム部15の一端に着脱可能に設けられ、試料Sに照射するための照明光を射出する光源161を有するランプハウス16(光源部)と、少なくともコンデンサ171を有するコンデンサユニット17と、コンデンサユニット17を保持し、照明支柱14が延びる方向と直交する方向に延びるコンデンサホルダ172と、を有する。また、コンデンサユニット17は、観察方法に応じた光学素子の変更を行うターレット転換部173を有している。
【0027】
また、倒立型顕微鏡1は、顕微鏡本体12に設けられ、接眼レンズ181を装着した鏡筒18を有する。
【0028】
照明アーム部15は、光源161の光軸N2上にレンズ151と、折り返しミラー152と、視野絞りと、を有する。なお、折り返しミラー152によって折り返された光源161の光の光軸は、光軸N2に対して直交し、対物レンズ11の光軸N1と一致する。また、照明アーム部15の正面(観察者側(接眼レンズ181側)の面)には、視野絞りの視野絞り径を調整可能な視野絞り操作部153が設けられている。照明アーム部15は、コンデンサ171を上下に動かすためのコンデンサ焦準操作部154(入力部)を有する。なお、コンデンサ焦準操作部154は、照明アーム部15が延びる方向の端部であって、視野絞り操作部153が設けられる側の端部近傍に設けられている。観察者は、ステージ上に載置された試料Sを透過照明にて観察する際、視野絞り操作部153を操作して絞りの調節を行う。
【0029】
光源161から射出された光は、照明アーム部15に配置されたレンズ151、折り返しミラー152、視野絞りおよびコンデンサ171を通過し、試料Sに照射される。試料Sを透過した観察光は、対物レンズ11を介して図示しない観察光学系により結像される。観察者は、この結像された観察像を、鏡筒18に装着された接眼レンズ181を介して観察する。
【0030】
図2は、本実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡の要部の構成を模式的に示す部分断面図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡の要部の構成を模式的に示す模式図である。図4は、図2に示すA−A線に対応する倒立型顕微鏡の構成を模式的に示す部分断面図である。図5は、図3に示すB−B線に対応する倒立型顕微鏡の構成を模式的に示す部分断面図である。
【0031】
照明支柱14は、ネジ等で固定して配設されるコンデンサ移動機構19を内部に有する。コンデンサ移動機構19は、コンデンサユニット17を光軸N1に沿って上下に移動させることが可能である。
【0032】
コンデンサ移動機構19は、直動ガイド191と移動体192とから構成されている。直動ガイド191は、光軸N1と平行に延びる略柱状をなして照明支柱14にネジ等で固定されている。移動体192は、コンデンサホルダ172を片持支持して直動ガイド191(光軸N1)に沿ってコンデンサホルダ172と一体的に上下動可能であり、タイミングベルト20に対して固定されている。なお、照明支柱14の照明アーム部15と連結する側の壁面には、コンデンサホルダ172の一部が貫挿される穴であって、光軸N1と略平行に延びる長穴144が形成されている。この長穴144によって、コンデンサホルダ172が照明支柱14の外部に突出するとともに、直動ガイド191に沿って上下動可能となる。
【0033】
また、照明支柱14及び照明アーム部15には、コンデンサ焦準操作部154の動力をコンデンサ移動機構19に伝達する伝達機構が設けられている。伝達機構は、第1の回転軸141aを中心軸として自転可能な第1のプーリ141と、第2の回転軸142aを中心軸として自転可能な第2のプーリ142と、両端部でコンデンサ焦準操作部154と連結した第3の回転軸155aを中心軸として自転可能な第3のプーリ155と、帯状の部材からなり、この帯状の長手方向の両端部が連結された環状をなすタイミングベルト20と、移動体192およびタイミングベルト20を連結する連結部材21と、から構成されている。また、照明支柱14には、上述した回転軸と平行な中心軸を有する円筒状をなし、この円筒状の側面でタイミングベルト20と当接するアイドラ143を有する。
【0034】
コンデンサ焦準操作部154は、第3の回転軸155aと連結することによって、この第3の回転軸155aのまわりに自転可能であって、第3の回転軸155aのまわりの回転に応じた動力を伝達機構に入力する。
【0035】
ここで、連結部材21は、図5に示すように、コンデンサホルダ172の移動体192と接触する面と反対側の面との間でタイミングベルト20を挟み込み、ネジ211によって固定されている。これにより、タイミングベルト20の移動に連動して、連結部材21が移動する。
【0036】
第1のプーリ141(第1の回転軸141a)は、照明支柱14の照明アーム部15と連結する側の端部側に設けられる。第2のプーリ142(第2の回転軸142a)は、照明支柱14の照明アーム部15と連結する側と異なる端部側に設けられる。第3のプーリ155(第3の回転軸155a)は、照明アーム部15の照明支柱14と連結する側と異なる端部側であって、光軸N1より観察者側(接眼レンズ181側)に設けられる。このとき、コンデンサ焦準操作部154は、光軸N1を通過し、第3の回転軸155aと平行な平面に対して接眼レンズ181と同じ側に設けられる。
【0037】
ここで、第1および第2の回転軸141a,142aの中心軸間を結ぶ線は、光軸N1と略平行である。また、第1および第2の回転軸141a,142aの中心軸間を結ぶ線と、第1および第3の回転軸141a,155aの中心軸間を結ぶ線とは、略垂直となっている。なお、第1および第2の回転軸141a,142aの中心軸間を結ぶ線と、第1および第3の回転軸141a,155aの中心軸間を結ぶ線とは、照明支柱14および照明アーム部15に沿うように設けられていれば、垂直でなくてもよい。
【0038】
タイミングベルト20は、第1〜第3のプーリ141,142,155と内部側で接触して張設されるとともに、アイドラ143と外部側で当接している。このとき、タイミングベルト20は、アイドラ143と当接することによって照明支柱14および照明アーム部15の壁面と接触しないように配設される。
【0039】
また、タイミングベルト20は、各プーリとの接触部分において歯合し、プーリ(例えば、第3のプーリ155)の回転に追従して移動する。したがって、第3の回転軸155aに連結されたコンデンサ焦準操作部154を回転させることにより、タイミングベルト20を移動させることができる。また、アイドラ143は、光軸N1方向に上下動可能であり、アイドラ143の配設位置によって、タイミングベルト20の張設状態を調節することができる。
【0040】
図6は、第1のプーリ141近傍の構成を模式的に示す部分断面図である。図6に示すように、第1の回転軸141aは、照明支柱14に固定される軸受部材145に支持されている。軸受部材145は、第1の回転軸141aの両端にそれぞれ設けられ、凹状の軸受部145aを有する。第1の回転軸141aは、両端で各軸受部材145の軸受部145aの凹状の内部空間で保持されている。また、軸受部材145は、板状の支持部材146によって軸受部145aの凹状の開口端部が覆われている。
【0041】
具体的には、第1の回転軸141aは、一端側が、軸受部145aの凹形状の開口端部が支持部材146によって覆われて形成された空間に挿通され、中心軸まわりに自転可能に保持されている。第1の回転軸141aの他端側も同様の構成によって自転可能に保持されている。なお、支持部材146は、軸受部材145に形成されたネジ穴145bに挿通されたネジ147により、軸受部材145に対して固定されている。
【0042】
回転軸の保持は、上述した軸受部145aと支持部材146との構成に限らず、軸受部145aの開口端部を狭めて回転軸の抜止めを行ってもよいし、板金等を変形させて形成した空間で保持されるものであってもよい。また、第2の回転軸142aおよび第3の回転軸155aにおいても、同様の構成によって自転可能に保持されている。
【0043】
第1の回転軸141aおよび第2の回転軸142aには、回転軸とプーリが一体的に回転するように、第1のプーリ141、第2のプーリ142がそれぞれネジ固定されている。
【0044】
また、第3の回転軸155aは、上述したような構成の軸受部156a(図4参照)によって保持され、第3のプーリ155が一体的に回転するようにネジ固定されるとともに、照明アーム部15の側面から、光軸N1および光軸N2に直交する方向に突出している。第3の回転軸155aは、この突出部分の端部側で圧入またはネジ固定によってコンデンサ焦準操作部154と連結している(図4参照)。
【0045】
なお、第1の回転軸141a、第2の回転軸142aは、それぞれ両端に位置決め固定されたEリングによって軸方向の位置決めがなされている。また、第3の回転軸155aは、両端に固定されたコンデンサ焦準操作部154によって左右方向の位置決めがなされている。第3の回転軸155aの両端に保持されたコンデンサ焦準操作部154と軸受部156aとの間には、それぞれリング状の摺動部材157が貫挿されている。
【0046】
ここで、伝達機構の各構成部材は、照明光の光路を妨げないように、照明光の光束を確保できる位置に配置されている(例えば、図3,4を参照)。
【0047】
上述したように、本実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡1では、コンデンサ焦準操作部154の回転動力が第3の回転軸155aから第3のプーリ155を介してタイミングベルト20に伝達され、タイミングベルト20に連動可能に固定された連結部材21、およびコンデンサホルダ172を介してコンデンサ移動機構19(移動体192)を移動させ、コンデンサ171の位置を調整することができる。
【0048】
具体的には、まず、照明アーム部15に設けられたコンデンサ焦準操作部154を回転操作する。コンデンサ焦準操作部154が回転すると、この回転動力が第3の回転軸155aから第3のプーリ155を介してタイミングベルト20に伝達される。このとき、タイミングベルト20の移動に従って、第1の回転軸141aおよび第1のプーリ141、第2の回転軸142aおよび第2のプーリ142が回転する。タイミングベルト20に伝達された回転動力は、連結部材21およびコンデンサホルダ172を介してコンデンサ移動機構19の移動体192に伝達され、移動体192が直動ガイド191に沿って移動する力に変換される。移動体192が直動ガイド191に沿って上下動することによりコンデンサ171を保持したコンデンサホルダ172が上下動する。観察者は、上述したようにコンデンサ171を移動させることにより、視野絞りにピントが合う位置にコンデンサ171の高さを調整する。また、観察者は、試料に応じて視野絞り操作部153を操作し視野絞りの径(スリット)を適宜調整する。
【0049】
また、コンデンサホルダ172には、コンデンサホルダ172の光軸N1に直交する平面上での回転を防止する回転防止機構193が設けられている。回転防止機構193は、コンデンサホルダ172の上下動に応じて回転可能なベアリング194を照明支柱14の内部壁面に転動可能に当接させることによって、コンデンサホルダ172の回転を防止するものである。回転防止機構193は、上述したベアリング194と、ベアリング194を保持するブロック材195と、を有する。
【0050】
ベアリング194は、固定ネジ196によってブロック材195に連結されている。また、ブロック材195は、固定ネジ197a,197bによってコンデンサホルダ172に固定して取り付けられている。コンデンサホルダ172と固定ネジ197a,197bとの間には、スプリングワッシャ198a,198bがそれぞれ嵌挿されている。
【0051】
回転防止機構193は、ベアリング194が照明支柱14の内部壁面に当接することで、光軸N1に直交する平面上での回転を防止するとともに、スプリングワッシャ198a,198bが、コンデンサホルダ172の上下動に応じて僅かに生じる回転ガタを吸収する。
【0052】
上述した本実施の形態1によれば、回転軸と連結しているコンデンサ焦準操作部が、対物レンズの光軸より観察者側(接眼レンズ側)であって、コンデンサユニットより上方で支持されるようにしたので、コンデンサの焦準操作にかかる操作性を向上させることができる。また、上述した位置にコンデンサ焦準操作部を配設し、かつ視野絞りをこの近傍に配置することで、一段と作業効率を向上させることができる。また、伝達機構としてタイミングベルトを用いることによって、安価に製造することが可能となる。
【0053】
従来では、ステージの近傍にコンデンサ焦準操作部が配設されていたため、マニピュレータなどの他のユニットが設けられた場合、このユニットの取り付け部分にコンデンサ焦準操作部が位置し、ユニットの位置や構成、またはコンデンサ焦準操作部の位置や構成を調整する必要が生じる、もしくは取り付けたユニットによってコンデンサ焦準操作部へのアクセスが困難になるなどしていた。一方で、本実施の形態1にかかる倒立型顕微鏡では、マニピュレータなどの他のユニットが設けられた場合でも上述した問題が生じることなく、コンデンサ焦準操作部およびマニピュレータなどの他のユニットをそれぞれ操作することができる。
【0054】
なお、コンデンサ移動機構は、リニアガイドを用いるものとして説明したが、これに限らず、例えば棒ガイド&リニアブッシュ、ラック&ピニオンといった公知の構成のものであってもよい。また、伝達機構の構成部材としてタイミングベルトとプーリとを用いるものとして説明したが、例えばラック&ピニオンといった公知の構成部材であってもよい。
【0055】
また、伝達機構の構成部材として1本のタイミングベルトを用いるものとして説明したが、第1の回転軸141aおよび第2の回転軸142aと、第1の回転軸141aおよび第3の回転軸155aとのそれぞれを別のタイミングベルトで伝達するなど、タイミングベルトを複数本用いてもよい。その場合、回転軸およびプーリの数は適宜増やせば適用可能である。また、アイドラ143は、円筒状であるものとして説明したが、弧状に湾曲された平板状の部材を用いて、この湾曲した側面でタイミングベルトと当接させてもよい。
【0056】
ここで、コンデンサ移動機構は、照明支柱内部に設けられるものとして説明したが、照明支柱の外部に設けられるものであってもよく、照明アーム部に設けられてもよい。また、コンデンサ焦準操作部は、照明アーム部の両側に設けられているが、左右いずれか片側のみでもよい。本実施の形態1では、コンデンサ焦準操作部は、回転量に対応してタイミングベルトを移動させる粗動操作のみであるが、コンデンサ焦準操作部(第3の回転軸)と同軸上に、回転量と比してタイミングベルトの移動量が小さい微動操作部を設けてもよい。
【0057】
また、コンデンサ焦準操作部154は、コンデンサホルダ172より上方であって、対物レンズ11の光軸N2より観察者側(接眼レンズ181側)に設けられるものとして説明したが、コンデンサユニット17(コンデンサ171および/またはコンデンサホルダ172)より上方であればよく、例えば、照明アーム部15における光軸N1および光軸N2に直交する方向の側面であれば配設可能である。
【0058】
図7は、本発明の実施の形態1の変形例1−1にかかる倒立型顕微鏡の要部の構成を示す部分断面図である。上述した実施の形態1では、光源からの光が照明アーム部15に配置された折り返しミラー152によって折り曲げられて対物レンズ11の光軸に導入されていたが、図7に示す変形例1−1のように、照明アーム部15aに対して例えばLED光源162を搭載したランプハウス16aを対物レンズの光軸N3上に設けてもよい。なお、この光軸N3は、上述した光軸N1に対応しており、図1に示す対物レンズ11の光軸と一致する。このように、光源の位置は適宜変更可能である。
【0059】
(実施の形態2)
図8は、本実施の形態2にかかる倒立型顕微鏡の構成を示す模式図である。なお、図1等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。本実施の形態2にかかる倒立型顕微鏡1aは、上述した実施の形態1の構成に加え、少なくともステージ10、対物レンズ11、照明支柱14の一部、コンデンサユニット17を覆う保温箱100と、保温箱100の内部空間の温度を調節する温度調節部103と、を有するものである。
【0060】
保温箱100は、内部に空間が形成された略柱状であって一つの面が開口し、かつこの開口が同一形状をなす第1部材101および第2部材102を有する。第1部材101および第2部材102は、この内部の空間に上述したステージ10、対物レンズ11、照明支柱14の一部、コンデンサユニット17を収容した状態で、固定部材100a,100bにより固定され、内部が略密閉状態となる。保温箱100は、第1および第2部材101,102によって形成された略柱状の内部空間の温度が、温度調節部103によって調節されることによって、試料Sを保持する環境温度を所望の温度に維持することができる。
【0061】
上述した本実施の形態2によれば、回転軸と連結しているコンデンサ焦準操作部が、対物レンズの光軸より観察者側(接眼レンズ側)であって、コンデンサユニットより上方で支持され、ステージ上の試料の周辺環境の温度を調節する保温箱を設置した場合でもこの保温箱の外部に位置するようにしたので、試料の温度調節を行いつつ、コンデンサの焦準操作にかかる操作性を向上させることができる。
【0062】
なお、従来では、ステージの近傍にコンデンサ焦準操作部が配設されており、保温箱を配設した際、コンデンサ焦準操作部が保温箱の設置領域に位置するため、コンデンサ焦準操作部を外部に開放させるための構成を保温箱に設ける必要があった。一方で、実施の形態2では、コンデンサ焦準操作部が保温箱の外部に位置するため、上述した構成を保温箱に設ける必要がないため、簡易に保温箱を設置できるとともに、コンデンサ焦準操作部の操作性を維持することができる。
【0063】
(実施の形態3)
図9は、本実施の形態3にかかる倒立型顕微鏡1bの全体構成を示す模式図である。図10は、図3に示すB−B線に対応する倒立型顕微鏡1bの構成を模式的に示す部分断面図である。図11は、本実施の形態3にかかる倒立型顕微鏡1bの移動規制手段近傍の構成を示す斜視図である。図12は、本実施の形態3にかかる倒立型顕微鏡1bの移動規制手段の構成を示す斜視図である。なお、図1等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。本実施の形態3にかかる倒立型顕微鏡1bは、上述した実施の形態1の構成に加え、コンデンサユニット17の光軸N1方向の移動を規制する移動規制部30(移動規制手段)を有するものである。
【0064】
移動規制部30は、コンデンサホルダ172の壁面に設けられ、一部が長穴144内に位置し、光軸N1方向に延びる板状をなすとともに、光軸N1方向に移動可能なストッパ31と、コンデンサホルダ172に取り付けられて、ストッパ31を保持する規制板32と、ストッパ31および規制板32を貫通してコンデンサホルダ172に対して固定可能に設けられる固定ネジ33と、を有する。
【0065】
ストッパ31には、板面の長手方向に延びて板厚方向に貫通する長穴31aが形成されている。なお、長穴31aの長手方向は、ストッパ31がコンデンサホルダ172に取り付けられた状態で、光軸N1と平行になる。また、規制板32には、板厚方向に貫通し、固定ネジ33を挿通可能なネジ穴32aが形成されている。コンデンサホルダ172および規制板32は、ネジ32bによって固定されている。
【0066】
固定ネジ33は、上述した長穴31aおよびネジ穴32aを貫通して、コンデンサホルダ172に設けられたネジ穴(図示せず)に螺合されている。このとき、ストッパ31は、コンデンサホルダ172の壁面と、規制板32との間に挟持された状態となっており、固定ネジ33によって締め付けることで、ストッパ31のコンデンサホルダ172に対する位置が固定される。
【0067】
また、コンデンサホルダ172には、移動規制部30(ストッパ31)が設けられる側面において、この側面の外表面に向けて凹状をなす凹部172a(図10参照)が形成されている。凹部172aは、光軸N1方向に沿って延びる空間を形成する。この空間内に、ストッパ31が収容されることによって、ストッパ31の移動方向が規制される。これにより、ストッパ31が軸N1方向に往復動可能となる。
【0068】
移動規制部30は、例えば試料Sを交換する際など、コンデンサユニット17を上昇させるときに現在のコンデンサ位置を維持する場合、維持したいコンデンサ位置において、ストッパ31をステージ10側(図中下方)に移動させ、長穴144の底面に当接させる。ここで、固定ネジ33を締めてストッパ31とコンデンサホルダ172との位置関係を固定することで、ステージ10とコンデンサ171との位置関係に応じたコンデンサホルダ172の復帰位置を確定する。
【0069】
その後、コンデンサホルダ172を照明アーム部15側(図中上方)に移動させて、コンデンサ171とステージ10(試料S)との間を広げ、試料Sの交換、調整などを行う。その後、コンデンサホルダ172をステージ10側(図中下方)に移動させてストッパ31を長穴144の底面に当接させることによって、コンデンサ171を、試料Sの操作前のコンデンサ位置に復帰させることができる。
【0070】
上述した本実施の形態3によれば、回転軸と連結しているコンデンサ焦準操作部が、対物レンズの光軸より観察者側(接眼レンズ側)であって、コンデンサユニットより上方で支持されるようにしたので、コンデンサの焦準操作にかかる操作性を向上させることができる。また、上述した位置にコンデンサ焦準操作部を配設し、かつ視野絞りをこの近傍に配置することで、一段と作業効率を向上させることができる。また、伝達機構としてタイミングベルトを用いることによって、安価に製造することが可能となる。
【0071】
また、従来では、試料Sの交換、調整などで、コンデンサ171をステージ10の近傍から退避させた場合、退避前の位置に復帰することが困難であった。コンデンサ位置を維持しながら、照明支柱14を傾斜させてコンデンサ171を試料Sから退避させる方法も挙げられるが、照明支柱14を傾斜させるためのスペースを顕微鏡後方で確保しなければならなかったり、ビーカーなどの容器内にコンデンサ171が入り込んでいる場合、容器壁面とコンデンサ171とが干渉するおそれがあるために傾斜できなかったりという問題が生じていた。
【0072】
これに対して、上述した本実施の形態3によれば、試料Sの交換、調整などで、コンデンサ171をステージ10の近傍から退避させた場合であっても、ストッパ31によって復帰位置を確定させておくことによって、試料Sの再観察を容易に行うことができる。
【0073】
なお、上述した本実施の形態3では、移動規制部30が、コンデンサホルダ172に設けられるものとして説明したが、照明支柱14に設けられるものであってもよい。また、移動規制部30は、上述した実施の形態3の構成のほか、図16に示す従来の倒立型顕微鏡に設けられるものであってもよい。すなわち、移動規制部30は、コンデンサ焦準操作部154によらず配設することが可能である。
【0074】
また、上述した本実施の形態3では、移動規制部30が板状をなすものとして説明したが、コンデンサホルダ172に対して固定可能であれば棒状をなすものであってもよい。また、ストッパ31は、コンデンサホルダ172の凹部172aと規制板32とによってガイドされて移動するものとして説明したが、例えば、ストッパ31にガイド用の長穴を設けて、ストッパ31の長穴に挿通する規制ピンをコンデンサホルダ172側に取り付けることによって、ストッパ31の移動をガイドするようにしてもよい。
【0075】
(実施の形態4)
図13は、本実施の形態4にかかる倒立型顕微鏡1cの全体構成を示す模式図である。図14は、本実施の形態4にかかる倒立型顕微鏡1cの要部の構成を示す正面図である。なお、図1等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。本実施の形態4にかかる倒立型顕微鏡1cは、上述した実施の形態3の構成に加え、試料Sを操作可能なマニピュレータ40を有するものである。
【0076】
マニピュレータ40は、照明支柱14に固定される基部41と、基部41の両端から延びる2つの腕部42と、各腕部42の基部41と異なる側の端部にそれぞれ取り付けられ、試料Sを操作する操作針43と、を有する。各腕部42は、操作針43が光軸N1を通過する平面上で回転可能に保持している。
【0077】
また、照明支柱14は、顕微鏡本体12側であって、ステージ10に対向する面側の径が縮径した段つき形状(切り欠き形状)をなしている。この段つき形状によって形成される空間部(ステージストローク逃げ部148)は、光軸N1と直交する平面上を移動するステージ10のストローク範囲から退避するように設けられて、ステージ10の移動可能領域を確保するためのものである。ステージストローク逃げ部148によって、ステージ10のストローク範囲を確保し、マニピュレータ40の取り付けによるステージ10の移動可能領域の減少を抑制することができる。なお、ステージストローク逃げ部148は、段つき形状に限らず、テーパ状をなすものであってもよい。
【0078】
試料Sを交換する際は、操作針43を試料S近傍から退避させた後、上述した移動規制部30を動作させることで、容易に試料Sを交換することができる。また、操作針43を交換する場合であっても、上述した移動規制部30を動作させることで、容易に操作針43を交換することができる。
【0079】
上述した本実施の形態4によれば、回転軸と連結しているコンデンサ焦準操作部が、対物レンズの光軸より観察者側(接眼レンズ側)であって、コンデンサユニットより上方で支持されるようにしたので、マニピュレータの取り付けによらず、コンデンサの焦準操作にかかる操作性を向上させることができる。また、上述した位置にコンデンサ焦準操作部を配設し、かつ視野絞りをこの近傍に配置することで、一段と作業効率を向上させることができる。また、伝達機構としてタイミングベルトを用いることによって、安価に製造することが可能となる。
【0080】
また、上述した本実施の形態4によれば、試料Sの交換、調整などで、コンデンサ171をステージ10の近傍から退避させた場合であっても、ストッパ31によって復帰位置を確定させておくことによって、試料Sの再観察を容易に行うことができる。なお、本実施の形態4は、移動規制部30を有さない構成であっても適用可能である。
【0081】
また、上述した本実施の形態4によれば、コンデンサ焦準操作部が、対物レンズの光軸より観察者側(接眼レンズ側)であるため、マニピュレータ取付位置における剛性を確保し、マニピュレータによる振動の発生を抑制することが可能となる。
【0082】
図15は、本実施の形態4の変形例4−1にかかる倒立型顕微鏡1dの全体構成を示す模式図である。上述した本実施の形態4では、マニピュレータ40が、照明支柱14に固定されるものとして説明したが、コンデンサホルダ172に固定されるものであってもよい。
【0083】
図15に示すマニピュレータ40aは、コンデンサホルダ172に固定される基部44と、基部44の両端から延びる2つの腕部42と、各腕部42の基部44と異なる側の端部にそれぞれ取り付けられ、試料Sを操作する操作針43と、を有する。各腕部42は、操作針43が光軸N1を通過する平面上で回転可能に保持している。このとき、基部44は、コンデンサホルダ172に対して、ネジ44aによって固定されている。
【0084】
変形例4−1では、マニピュレータ40aがコンデンサホルダ172に固定されているため、コンデンサホルダ172の移動に従って、マニピュレータ40aも移動する。このとき、上述したような移動規制部30によって、コンデンサ171が試料S交換前の位置に復帰するとともに、マニピュレータ40aにおいても試料S交換前の位置に復帰させることができ、試料Sの再観察を一段と容易なものとすることができる。
【0085】
以上のように、本発明にかかる倒立型顕微鏡は、コンデンサの焦準操作の操作性を向上させるのに有用である。
【符号の説明】
【0086】
1,1a,1b,1c,1d,200 倒立型顕微鏡
10,50 ステージ
11,51 対物レンズ
12,52 顕微鏡本体
13,53 透過照明装置
14,54 照明支柱
15,15a,55 照明アーム部
16,16a,56 ランプハウス
17,57 コンデンサユニット
18,58 鏡筒
19 コンデンサ移動機構
20 タイミングベルト
21 連結部材
30 移動規制部
31 ストッパ
31a,144 長穴
32 規制板
32a,145b ネジ穴
32b,44a,147 ネジ
33,196,197a,197b 固定ネジ
40,40a マニピュレータ
41,44 基部
42 腕部
43 操作針
100 保温箱
100a,100b 固定部材
101 第1部材
102 第2部材
103 温度調節部
141 第1のプーリ
141a 第1の回転軸
142 第2のプーリ
142a 第2の回転軸
143 アイドラ
145 軸受部材
145a 軸受部
146 支持部材
148 ステージストローク逃げ部
151 レンズ
152 折り返しミラー
153 視野絞り操作部
154,591 コンデンサ焦準操作部
155 第3のプーリ
155a 第3の回転軸
161 光源
162 LED光源
171,571 コンデンサ
172,572 コンデンサホルダ
172a 凹部
173 ターレット転換部
181,581 接眼レンズ
191 直動ガイド
192 移動体
193 回転防止機構
194 ベアリング
195 ブロック材
198a,198b スプリングワッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料が載置されるステージと、
前記ステージ上の前記試料に対して照射する光を射出する光源を有する光源部と、
少なくとも前記ステージ上の前記試料からの観察光を集光する対物レンズと、
少なくとも前記対物レンズを保持する本体部と、
前記対物レンズの光軸上に設けられたコンデンサと、
前記コンデンサを保持するコンデンサ保持部と、
前記コンデンサ保持部を移動可能に支持するとともに、該コンデンサ保持部を前記光軸に沿って移動させるコンデンサ移動機構と、
前記コンデンサを移動させる動力を前記コンデンサ移動機構に伝達する伝達機構と、
前記伝達機構に前記動力を入力する入力部と、
を備え、
前記入力部は、前記コンデンサ保持部より上方に設けられることを特徴とする倒立型顕微鏡。
【請求項2】
一端で前記本体部と連結し、前記光軸と略平行な方向に延びる支柱と、
前記支柱の他端から前記支柱が延びる方向と略垂直な方向に延び、前記光源部を保持するとともに、該光源部からの光を前記コンデンサに対して射出する照明支持部と、
をさらに備え、
前記入力部は、前記照明支持部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の倒立型顕微鏡。
【請求項3】
前記本体部は、接眼レンズを備え、
前記入力部は、回転軸のまわりに自転可能であって、該回転軸のまわりの回転に応じた前記動力を入力し、
前記光軸を通過し、前記回転軸と平行な平面に対して前記入力部および前記接眼レンズが同じ側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の倒立型顕微鏡。
【請求項4】
前記伝達機構は、前記入力部の操作に応じた動力を前記コンデンサ移動機構に伝達するタイミングベルトを有し、
前記タイミングベルトは、前記支柱および前記照明支持部の内部に設けられることを特徴とする請求項2に記載の倒立型顕微鏡。
【請求項5】
前記照明支持部は、
視野を調整可能な視野絞りと、
前記視野絞りを操作する視野絞り操作部と、
を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の倒立型顕微鏡。
【請求項6】
略柱状の内部空間を形成し、該内部空間に少なくとも前記ステージ、前記コンデンサを収容する保温箱と、
前記保温箱の内部空間の温度を調節する温度調節部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の倒立型顕微鏡。
【請求項7】
前記コンデンサ保持部の前記対物レンズの光軸と平行な方向の移動を規制する移動規制部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の倒立型顕微鏡。
【請求項8】
前記コンデンサ保持部に取り付けられ、前記試料を操作するマニピュレータをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の倒立型顕微鏡。
【請求項9】
前記支柱に取り付けられ、前記試料を操作するマニピュレータをさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の倒立型顕微鏡。
【請求項10】
前記支柱は、前記ステージのストローク範囲から退避するように設けられるステージストローク逃げ部を有することを特徴とする請求項2に記載の倒立型顕微鏡
【請求項11】
試料が載置されるステージと、
前記ステージ上の前記試料に対して照射する光を射出する光源を有する光源部と、
少なくとも前記ステージ上の前記試料からの観察光を集光する対物レンズと、
少なくとも前記対物レンズを保持する本体部と、
前記対物レンズの光軸上に設けられたコンデンサと、
前記コンデンサを保持するコンデンサ保持部と、
前記コンデンサ保持部を移動可能に支持するとともに、該コンデンサ保持部を前記光軸に沿って移動させるコンデンサ移動機構と、
前記コンデンサ保持部の前記対物レンズの光軸と平行な方向の移動を規制する移動規制部と、
を備えたことを特徴とする倒立型顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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