説明

値付け装置

【課題】商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体に記憶される商品情報を容易に入力することができる値付け装置を提供する。
【解決手段】値付け装置10は、位置決め機構18と、RFIDアンテナ19と、制御部17とを備える。位置決め機構18は、パイレッシュ(商品搬送用容器)20を収納するカート30を位置決めする。パイレッシュ20は、RFIDタグ21を有する。RFIDタグ21は、商品に関する商品情報を記憶する。RFIDアンテナ19は、位置決め機構18によりカート30が位置決めされた状態において、RFIDタグ21の近傍に位置し、RFIDタグ21から商品情報を読み取る。制御部17は、RFIDアンテナ19により読み取られた商品情報に基づいて、商品の値付けを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店のバックヤード等において商品の値付け作業に利用される値付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の小売店で販売される精肉、野菜、惣菜等の商品は、店舗のバックヤードの値付けエリアにおいて値付けされ、値付けされた価格等を表記するラベルが貼付された後、売り場に陳列されることが多い。また、通常、バックヤードには、値付けエリアにおいて値付けを行う前の商品に適切な加工を施すための加工エリアが設けられている。
【0003】
加工エリアには、スライサーや調理台等が用意されており、例えば、調理担当者は、精肉であればスライスし、野菜であればカットし、惣菜であれば調理した後、トレーに盛りつける等して販売単位ごとにまとめる。そして、販売単位ごとにまとめられた商品は、加工エリアにおいてパイレッシュ等の容器に並べられ、容器ごと値付けエリアへと搬送される。値付けエリアには、特許文献1,2に記載されるような値付け装置が用意されており、作業者がこの値付け装置を操作して販売単位ごとにまとめられた商品の値付け作業を行う。値付け後の商品は、再び容器に並べられて、売り場まで搬送される。そして、一般的には、このようなバックヤードから売り場まで商品が搬送されてゆく課程において、商品を搬送する1の容器には、1の種類の商品のみが並べられるような取り扱いがなされていることが多い。商品の種類が異なれば、その搬送先も異なることが多いからである。
【0004】
また、特許文献1,2に記載されるような値付け装置により商品の値付け作業が行われる場合には、商品の単価等に関する情報が値付け装置に入力される必要がある。あるいは、商品を識別する識別情報等に対応した形式の商品の単価等に関する情報を、値付け装置が内部に記憶している、又はネットワークを介して他の機器から取得可能な場合には、商品を識別する識別情報等が値付け装置に入力される必要がある。
【0005】
このような前提に立ち、特許文献1,2では、商品を搬送する容器に磁気テープ又は商品票が取り付けられ、この磁気テープ又は商品票に商品に関する商品情報が化体されるようになっている。具体的には、加工エリアにおいて容器に取り付けられた磁気テープに商品情報が書き込まれ、又は商品情報の印字された商品票が容器に貼付され、その後、値付けエリアにおいて磁気テープに書き込まれ又は商品票に印字された商品情報が値付け装置に入力されるようになっている。
【特許文献1】特開平10−297641号公報
【特許文献2】特許第3617443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2においては、磁気テープ又は商品票に化体された商品情報は、作業者が磁気テープ又は商品票と値付け装置に備え付けられた読み取り装置とを近づけることにより、値付け装置に入力されるようになっている。この場合、磁気テープ又は商品票と読み取り装置との距離や角度が読み取り装置の能力に見合ったものとならない場合には、商品情報が正常に値付け装置に入力されず、作業者は、再度読み取り作業を繰り返さなければならなくなる。また、容器に取り付けられた状態の磁気テープ又は商品票を所定の位置に固定された読み取り装置に近づけなければならないような場合には、作業者はその固定された読み取り装置に合わせて商品が並べられた状態の容器を移動させなければならず、同様の作業を繰り返し行う作業者に過大な負担を与える要因となり得る。
【0007】
本発明の課題は、商品を搬送する容器(以下、商品搬送用容器)に取り付けられた記憶媒体に記憶される商品情報を容易に入力することができる値付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る値付け装置は、位置決め部と、読み取り部と、値付け部とを備える。位置決め部は、商品搬送用容器を収納するカートを位置決めする。商品搬送用容器は、記憶媒体を有する。記憶媒体は、商品に関する商品情報を記憶する。読み取り部は、位置決め部によりカートが位置決めされた状態において、記憶媒体の近傍に位置し、記憶媒体から商品情報を読み取る。値付け部は、読み取り部により読み取られた商品情報に基づいて、商品の値付けを行う。
【0009】
この値付け装置は、小売店のバックヤード等において商品の値付け作業に利用される装置であり、商品搬送用容器を収納するカートを位置決めすることができる。そして、この値付け装置には、商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体と通信することができる読み出し部が設けられており、この読み出し部は、カートが位置決めされた状態において商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体の近傍にくるような位置に設けられている。すなわち、この値付け装置では、値付け装置と商品搬送用容器を収納するカートとが位置合わせされることにより、値付け装置の読み出し部と商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体とが位置合わせされ、読み出し部と記憶媒体との通信が容易に行われるようになっている。これにより、商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体に記憶される商品情報を値付け装置に容易に入力することができる。
【0010】
第2発明に係る値付け装置は、第1発明に係る値付け装置であって、カートは、被嵌合部を有する。位置決め部は、嵌合部を有する。嵌合部は、被嵌合部に嵌合する。
【0011】
この値付け装置の位置決め部には、カートに設けられた被嵌合部に嵌合する嵌合部が設けられている。これにより、この値付け装置では、値付け装置とカートとの位置合わせが可能になる。
【0012】
第3発明に係る値付け装置は、第2発明に係る値付け装置であって、カートは、商品搬送用容器を複数の収納位置に収納可能である。読み取り部は、商品搬送用容器が読み取り位置に収納された状態においてのみ、記憶媒体から商品情報を読み取る。読み取り位置は、複数の収納位置のうちの1の収納位置である。
【0013】
この値付け装置と位置合わせされるカートには、商品搬送用容器を収納する収納位置が複数設けられている。そして、この値付け装置の読み取り部と商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体との通信は、商品搬送用容器がこの複数の収納位置のうちの所定の収納位置(読み取り位置)に収納された状態においてのみ可能であり、その所定の収納位置以外の収納位置に収納された状態においては不能となっている。すなわち、複数の商品搬送用容器がカートに設けられた複数の収納位置に収納された状態においても、それら複数の商品搬送用容器に取り付けられた複数の記憶媒体のうち、同時に1以上の記憶媒体から値付け装置に商品情報が入力されることがないようになっている。これにより、この値付け装置では、これから値付け作業を行う商品の商品情報のみを値付け装置に入力することができる。
【0014】
第4発明に係る値付け装置は、第3発明に係る値付け装置であって、複数の収納位置は、上下方向に並ぶ。読み取り位置は、複数の収納位置の最上部に位置する。
【0015】
この値付け装置と位置合わせされるカートは、複数の商品搬送用容器を上下方向に収納することができる。そして、この値付け装置の読み取り部と商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体との通信は、商品搬送用容器が複数の収納位置のうちの最上部の収納位置に収納された状態においてのみ可能となっている。すなわち、作業者がこの値付け装置を利用してある商品についての値付け作業を行う際には、その商品が並べられた商品搬送用容器がカートの最上部の収納位置に収納されていることになる。従って、この値付け装置では、作業者が作業時に商品搬送用容器から商品を取り出し易くなっているため、商品の値付け作業がより容易になる。
【0016】
第5発明に係る値付け装置は、第2発明から第4発明のいずれかに係る値付け装置であって、書き込み部をさらに備える。書き込み部は、位置決め部によりカートが位置決めされた状態において、ロケーション情報を記憶媒体に書き込む。ロケーション情報は、値付け後の商品の搬送先に関する情報である。
【0017】
この値付け装置には、商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体への情報の書き込みが可能な書き込み部が設けられている。この書き込み部は、値付け装置と商品搬送用容器を収納するカートとが位置合わせされた状態、すなわち、値付け装置の読み出し部と商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体とが位置合わせされた状態において、その位置合わせされた商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体に、その商品搬送用容器の搬送先を表すロケーション情報を書き込む。これにより、値付け後の商品を冷蔵庫に保存したり売り場に陳列したり等するために商品搬送用容器を搬送する搬送担当者は、適当な機器によりこの商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体からロケーション情報を読み出すことにより、その商品搬送用容器の搬送先を知ることができる。
【0018】
なお、読み取り部と書き込み部は、一体化された1の機器であってもよし、別体であってもよい。
【0019】
第6発明に係る値付け装置は、位置決め部と、読み取り部と、値付け部とを備える。位置決め部は、商品搬送用容器を位置決めする。商品搬送用容器は、記憶媒体を有する。記憶媒体は、商品に関する商品情報を記憶する。読み取り部は、位置決め部により商品搬送用容器が位置決めされた状態において、記憶媒体の近傍に位置し、記憶媒体から商品情報を読み取る。値付け部は、読み取り部により読み取られた商品情報に基づいて、商品の値付けを行う。
【0020】
この値付け装置は、小売店のバックヤード等において商品の値付け作業に利用される装置であり、商品搬送用容器を位置決めすることができる。そして、この値付け装置には、商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体と通信することができる読み出し部が設けられており、この読み出し部は、商品搬送用容器が位置決めされた状態において商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体の近傍にくるような位置に設けられている。すなわち、この値付け装置では、値付け装置と商品搬送用容器とが位置合わせされることにより、値付け装置の読み出し部と商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体とが位置合わせされ、読み出し部と記憶媒体との通信が容易に行われるようになっている。これにより、商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体に記憶される商品情報を値付け装置に容易に入力することができる。
【0021】
第7発明に係る値付け装置は、第6発明に係る値付け装置であって、商品搬送用容器は、被嵌合部を有する。位置決め部は、嵌合部を有する。嵌合部は、被嵌合部に嵌合する。
【0022】
この値付け装置の位置決め部には、商品搬送用容器に設けられた被嵌合部に嵌合する嵌合部が設けられている。これにより、この値付け装置では、値付け装置と商品搬送用容器との位置合わせが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る値付け装置は、小売店のバックヤード等において商品の値付け作業に利用される装置であり、商品搬送用容器又は商品搬送用容器を収納するカートを位置決めすることができる。そして、この値付け装置には、商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体と通信することができる読み出し部が設けられており、この読み出し部は、商品搬送用容器又はカートが位置決めされた状態において商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体の近傍にくるような位置に設けられている。すなわち、この値付け装置では、値付け装置と商品搬送用容器又は商品搬送用容器を収納するカートとが位置合わせされることにより、値付け装置の読み出し部と商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体とが位置合わせされ、読み出し部と記憶媒体との通信が容易に行われるようになっている。これにより、商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体に記憶される商品情報を値付け装置に容易に入力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る値付け装置10について説明する。
【0025】
(バックヤード)
図1に、値付け装置10が設置されるスーパーマーケット1のレイアウトを示す。
【0026】
スーパーマーケット1は、主として、売り場3と、売り場3において販売される商品Pが準備されるバックヤード2とから構成される。バックヤード2には、出荷業者からスーパーマーケット1へと入荷されてきた商品Pに適切な加工が施される加工エリア2aと、加工エリア2aにおいて加工された商品Pが計量され、包装され、値付けされ、値付けされた価格等を表記するラベルが貼付される値付けエリア2bと、商品Pが保存される冷蔵室2cとが設けられている。
【0027】
加工エリア2aには、調理台やスライサーが設置されており、調理担当者により精肉等の商品Pがスライスされたり、野菜等の商品Pがカットされたり、惣菜等の商品Pが調理されたり等、販売時の態様に合わせて商品Pに適当な加工が施される。値付け装置10は、値付けエリア2bに設置されており、計量機能、包装機能及びラベル発行機能を有している。また、冷蔵室2cには、複数の棚5が設置されており、この棚5は、出荷業者から入荷されてきたままの商品P、加工された後値付けされる前の商品P、値付けされた後売り場3に陳列される前の商品P等、様々な状態の商品Pの保管場所として利用される。
【0028】
(値付け装置)
図2に、値付け装置10の外観図を示し、図3に、スーパーマーケット1内に張り巡らされたLAN7を示す。
【0029】
値付け装置10は、計量部11と、包装ステーション12と、包装部13と、シール部14と、ラベル発行部15と、入出力部16と、制御部17と、位置決め機構18と、RFIDアンテナ19とを備えている。
【0030】
計量部11は、本体10aの正面中央部に配置されており、計量台を有している。計量部11は、商品Pが計量台の上に載せられると、その商品Pの重量を計量する。計量後、商品Pは、包装ステーション12に搬送される。包装ステーション12は、本体10a内に形成される空間である。
【0031】
包装部13は、本体10aの両側部に配置されており、フィルムロールを保持している。包装部13は、フィルムロールからフィルムを引き出して包装ステーション12へと搬送し、包装ステーション12に搬送されたフィルムにより、同じく包装ステーション12に搬送された商品Pを包装する。このとき、包装部13は、商品Pの底面側にフィルムを折り込むようにする。
【0032】
シール部14は、包装部13により包装された商品Pの底面側に折り込まれたフィルムに対して、熱シールを施す。
【0033】
ラベル発行部15は、シール部14の上方に配置されており、包装された商品Pの上面にラベルを貼付する。このとき、商品Pに貼付されるラベルには、商品Pの価格、商品名、加工日時、消費期限、商品Pが精肉や野菜であれば産地名、商品Pが惣菜であればその材料名、商品Pに関連するコメント等の商品Pに関する商品情報が表記される。また、特に、商品Pが国産牛肉の場合は個体識別番号が表記される。
【0034】
入出力部16は、液晶ディスプレイ16a及び機械キー16bを有しており、液晶ディスプレイ16aは、値付け装置10から値付け装置10を操作する作業者へのメッセージを表示し、機械キー16bは、作業者から値付け装置10への指令を受け付ける。
【0035】
制御部17は、CPU、ROM及びRAMを有している。ROMには、値付け装置10を制御するための制御プログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納された制御プログラムを実行し、RAMは、CPUがROMに格納された制御プログラムを実行する際に利用される作業領域である。制御部17は、計量部11、包装部13、シール部14、ラベル発行部15、入出力部16及びRFIDアンテナ19を制御したり、これらの機能部11,13〜16,19間の同期を取ったりする。
【0036】
位置決め機構18は、本体10aの正面左側部に設けられており、正面側に突き出した形状を有し、上下方向に伸びている。図4(a)に示すように、位置決め機構18は、後述するカート30に形成された切り欠き35に嵌合する形状を有しており、カート30が値付け装置10に横付けされる際に、この切り欠き35にはめ込まれる。これにより、位置決め機構18は、カート30を容易に位置決めすることができる。
【0037】
RFIDアンテナ19は、位置決め機構18の上部付近に埋め込まれている。図1においては、RFIDアンテナ19は、理解を容易にするためにその位置が点線で示されているが、実際には、外部からは観察できないようになっている。RFIDアンテナ19は、その通信範囲C1内に対応する規格を有するRFIDタグ21(後述する)が存在する場合には、そのRFIDタグ21に記憶されている情報を読み出し、又はそのRFIDタグ21に情報を書き込むことが可能である。図4(b)に示すように、RFIDアンテナ19の通信範囲C1には、後述する多段式のカート30が位置決め機構18により位置決めされた状態において、カート30の最上段A1に収納されたパイレッシュ20(後述する)に取り付けられたRFIDタグ21は入るが、最上段A1以外の段A2〜A5に収納されたパイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21は入らないようになっている。
【0038】
(パイレッシュ)
スーパーマーケット1において、商品Pは、加工エリア2aにおいて加工されてから売り場に陳列されるまでの間、パイレッシュ(商品搬送用容器)20に載せられた状態で搬送される。このとき、商品Pの種類が異なればその搬送先も異なることが多いため、スーパーマーケット1で働く従業員の間では、1のパイレッシュ20に1以上の種類の商品Pを載せることは原則的に禁止されている。なお、1のパイレッシュ20に同じ種類の商品Pを複数載せることは禁止されていない。
【0039】
図5(a)に、パイレッシュ20の上面図を示す。図5(b)は、パイレッシュ20の長辺方向の断面図であり、図5(c)は、パイレッシュ20の短辺方向の断面図である。このように、パイレッシュ20は、略直方形形状の底面とその底面の周囲を囲む側壁とを有する皿状の形状をしている。また、パイレッシュ20の長辺方向の端部20a,20bは、その長辺方向の断面視においてJ字形をしており、持ち運びの際に指等を引っ掛けることができる取っ手の役割を果たしている。
【0040】
そして、この長辺方向の一方の端部20aには、図5(b)に示すように、RFIDタグ21が取り付けられている。このように、RFIDタグ21は、パイレッシュ20の皿の外側に取り付けられているため、商品Pと接触して汚れたり水に濡れたりしにくくなっている。RFIDタグ21は、対応する規格を有するRFIDアンテナ19と通信を行うことができる通信機能の他、周囲の温度を測定することができる温度センサ機能を有している。
【0041】
また、パイレッシュ20は、専用のカート30に収納されるようになっている。カート30は、上下方向に伸びる4本の支柱31と、4本の支柱31に支持されるパイレッシュ20を収納可能な5つの段A1〜A5と、4本の支柱31の下方に取り付けられた4つの車輪32とを有する。5つの段A1〜A5は上下方向に並んでおり、カート30は、同時に最大5枚のパイレッシュ20を上下方向に収納することができる。また、5つの段A1〜A5には、それぞれパイレッシュ20の外形に対応した凹部が形成されており、パイレッシュ20は、その凹部にはまり込むことにより、カート30に対して位置決めされるようになっている。このようなカート30の使用により、作業者は、複数のパイレッシュ20を同時に移動させることができる。
【0042】
そして、カート30の5つの段A1〜A5には、それぞれ切り欠き35が形成されている。切り欠き35は、段A1〜A5にパイレッシュ20が収納された状態において、パイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21の近傍にくる。また、カート30の最上段A1は、値付け装置10のRFIDアンテナ19と略同じ高さ位置に存在する。従って、値付け装置10の位置決め機構18が切り欠き35にはめ込まれた状態において、カート30の最上段A1に収納されたパイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21は、位置決め機構18に設けられたRFIDアンテナ19の近傍にくるようになっている。
【0043】
(商品が入荷されてから売り場に陳列されるまでの流れ)
以下、スーパーマーケット1に精肉である商品Pが入荷された場合を例に、商品Pが入荷されてから売り場に陳列されるまでの流れを説明する。
【0044】
商品Pは、出荷業者からスーパーマーケット1へと真空パック等の梱包材により梱包された状態で入荷される。商品Pを梱包する梱包材には、その商品Pに関する商品情報が記憶されたRFIDタグ又は商品情報が表記されたラベル等が取り付けられており、出荷側から入荷側に商品情報が確実に引き継がれるようになっている。なお、ここでいう商品情報には、商品Pの商品名、部位名、消費期限、産地名等に関する情報が含まれ、特に、商品Pが国産牛肉の場合は個体識別番号に関する情報が含まれる。
【0045】
作業者は、スーパーマーケット1のバックヤード2の加工エリア2aにおいて、梱包材を開梱して商品Pを取り出し、取り出された商品Pをスライサーによりスライスする等して加工し、加工された商品Pをトレーに盛りつける等して販売単位ごとにまとめ、販売単位ごとにまとめられた商品Pをパイレッシュ20に並べる。このとき、作業者は、商品Pを搬送する1のパイレッシュ20には1の種類の商品Pのみを並べ、2以上の種類の商品Pを並べないようにする。また、このとき、作業者は、加工エリア2aに用意されている専用の機器40により、商品Pの梱包材に取り付けられたRFIDタグ又はラベル等に化体された商品情報を、その商品Pが並べられるパイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21へと移す。さらに、作業者は、商品Pの単価(100g当たりの価格)を決定し、決定された単価、加工日時、商品Pに貼付するラベルに表記するコメント、作業者間のメッセージ等の商品情報を、専用の機器40を介してパイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21に付加的に書き込む。なお、本実施形態においては、作業者間のメッセージとして、「塩胡椒の副材が添付されます」というメッセージがRFIDタグ21に書き込まれる。
【0046】
次に、商品Pが並べられたパイレッシュ20は、作業者により、カート30に収納された状態で、加工エリア2aから値付け装置10が配置されている値付けエリア2bへと移動される。値付けエリア2bにおいては、作業者は、値付け装置10に設けられた位置決め機構18がカート30に形成された切り欠き35に嵌合するように、カート30を値付け装置10に横付けする。そして、位置決め機構18が切り欠き35に嵌合した状態において、値付け装置10のRFIDアンテナ19は、最上段A1に収納されたパイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21から商品情報を読み出す。
【0047】
RFIDアンテナ19がRFIDタグ21から商品情報を読み出すと、制御部17は、その商品情報を液晶ディスプレイ16aに表示させ、現在最上段A1に収納されているパイレッシュ20に並べられた商品Pがこれから値付け作業を行う商品として適切か否かの確認を作業者に促す。このとき、作業者は、値付け装置10の正面に立っている。適切でない場合には、作業者は、適切な商品Pが並べられたパイレッシュ20と、現在最上段A1に収納されているパイレッシュ20との位置を入れ替える。一方、適切である場合には、作業者は、機械キー16bを介してその旨を入力する。また、このとき、液晶ディスプレイ16aには、「塩胡椒の副材が添付されます」というメッセージが表示され、作業者は、商品Pに塩胡椒の副材が添付されているかどうかの確認を促される。
【0048】
次に、作業者は、最上段A1に収納されているパイレッシュ20から商品Pを手に取り、計量部11の計量台の上に置く。制御部17は、その商品Pを計量部11に計量させつつ、図示されないコンベアにより包装ステーション12へと搬送させ、続いて、包装部13に包装させる。そして、制御部17は、計量部11による商品Pの計量結果と、RFIDタグ21から読み込んだ商品Pの単価に関する情報とに基づいて、商品Pの価格を決定する。制御部17は、こうして決定された商品Pの価格に加え、RFIDタグ21から読み込んだ商品Pの単価に関する情報以外の商品情報に基づいて、商品Pの商品名、部位名、加工日時、消費期限、産地名、商品Pに関連するコメント等を表記したラベルをラベル発行部15に発行させ、商品Pに貼付させる。このとき、商品Pが国産牛肉の場合には、ラベルに個体識別番号が表記される。ラベルが貼付された商品Pは、その包装フィルムがシール部14により熱シールされるとともに、作業者の立つ値付け装置10の正面へと戻ってくる。作業者は、正面へと戻ってきた商品Pを、その商品Pが値付け前に並べられていたものと同じパイレッシュ20に並べる。
【0049】
また、制御部17は、RFIDアンテナ19がRFIDタグ21から商品情報を読み出すと、上述の値付け動作と並行して、ラベルが貼付された後の商品Pの搬送先を判断し、その搬送先を示すロケーション情報をRFIDアンテナ19を介してRFIDタグ21に書き込む。具体的には、制御部17は、RFIDタグ21から読み出された商品情報に基づいてその商品Pの種類を特定し、その商品Pの種類に適した搬送先を決定する。なお、ここでいう搬送先は、例えば、「売り場3の東側から2番目の陳列棚の上から3段目」「冷蔵室2cの一番手前の陳列棚の最下段」のような詳細なレベルで決定される。制御部17は、売り場3における一般的な商品陳列構成に関する情報を予め有しており、この商品陳列構成に関する情報や後述する冷蔵室2cにおける入出庫に関する履歴を参照して、商品Pの搬送先を決定する。また、スーパーマーケット1にPOSシステムが導入されており、LAN7を介して制御部17とPOSシステムとの通信が可能となっている場合には、売り場3における商品の売れ行きを考慮した上で、商品Pの搬送先を決定することも可能である。
【0050】
作業者は、値付けエリア2bからカート30又はパイレッシュ20を移動させる際には、携帯用の読み取り装置等を使用してパイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21からロケーション情報を読み出すことにより、商品Pの搬送先を確認することができる。そして、商品Pが売り場3に搬送されて陳列されると、空になったパイレッシュ20は回収され、回収されたパイレッシュ20に取り付けられていたRFIDタグ21に記憶されている商品情報が消去され、新しい商品Pの搬送のために使用されることになる。このように、RFIDタグ21が再利用されるため、RFIDシステムの導入やメンテナンスを低コストで実現することができる。
【0051】
(バックヤードにおける商品位置管理システム)
図6に示すように、冷蔵室2cを除くバックヤード2の天井には、パイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21と通信が可能な複数のRFIDアンテナ60が所定の位置間隔で取り付けられている。これらのRFIDアンテナ60は、全てLAN7に接続されており、全体として、冷蔵室2cを除くバックヤード2内の至る所に存在するRFIDタグ21の位置を把握できるようになっている。
【0052】
RFIDアンテナ60は、その通信範囲C2内にRFIDタグ21の存在を検知すると、直ちにそのRFIDタグ21を識別する情報(以下、タグ識別情報)と、そのRFIDタグ21に書き込まれている商品情報と、そのRFIDタグ21の温度センサ機能により測定された温度を示す温度情報とを読み出し、LAN7を介して管理用サーバ8に送信する。一方、管理用サーバ8は、RFIDアンテナ60からこれらのタグ識別情報、商品情報及び温度情報を受信するたびに、そのタグ識別情報、商品情報及び温度情報をその受信時刻及び送信元であるRFIDアンテナ60を識別する情報(以下、アンテナ識別情報)に関連づけて位置情報履歴データベース80に保存してゆく。
【0053】
また、管理用サーバ8は、商品Pを載せたパイレッシュ20がバックヤード2内において冷蔵室2cに保管されることもないまま長時間放置されていないか否かを判断する。具体的には、管理用サーバ8は、所定の時間間隔で位置情報履歴データベース80を参照して、同じパイレッシュ20が冷蔵室2cを除くバックヤード2内に存在している滞在時間を計算し、その滞在時間が所定の滞在時間よりも長い場合には、パイレッシュ20が長時間放置されているものと判断して警報を発する。このとき、警報を発する際の基準となる滞在時間は、対応する商品Pが存在していた周囲の環境の温度に応じて、温度が高ければ高いほど短く、温度が低ければ低いほど長くなるように設定され、環境の温度は、位置情報履歴データベース80に保存されている温度情報に基づいて決定される。警報は、バックヤード2内に設置されているスピーカ9により行われる。スピーカ9は、LAN7に接続されている。なお、管理用サーバ8には、各RFIDアンテナ60の設置場所とそのRFIDアンテナ60を識別するアンテナ識別情報とを関連づけた情報(以下、アンテナ位置情報)が予め保存されている。そのため、警報時には、このアンテナ位置情報が参照され、パイレッシュ20の放置場所が推測されてアナウンスされる。
【0054】
(冷蔵室における在庫管理システム)
図1に示すように、冷蔵室2cの入口には、パイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21と通信が可能なゲート型のRFIDアンテナ6が設けられている。このRFIDアンテナ6は、LAN7に接続されており、商品Pがパイレッシュ20に載せられた状態でこのゲート型のRFIDアンテナ6をくぐり抜けて冷蔵室2cを出入りすると、パイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21の存在を検知する。そして、このようにRFIDタグ21の存在が検知されるたびに、パイレッシュ20の入出庫に関する履歴がLAN7に接続された入出庫履歴データベース81に記録されてゆく。そのため、直接的又はLAN7を介して他の端末から間接的に入出庫履歴データベース81にアクセスすることにより、冷蔵室2cにおける商品Pの在庫管理を行うことができる。すなわち、バックヤード2においては、開梱後の商品Pがパイレッシュ20に載せられた状態で搬送されるため、パイレッシュ20の入出庫に関する履歴を管理することにより、冷蔵室2c内に保管されている開梱後の商品Pの在庫状況を管理することができる。
【0055】
<特徴>
(1)
値付け装置10の位置決め機構18には、RFIDアンテナ19が埋め込まれており、この位置決め機構18とカート30とが位置合わせされた状態において、カート30に収納されたパイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21とRFIDアンテナ19とが互いに近接する。これにより、RFIDタグ21に記憶されている商品情報が容易に値付け装置10に入力されることになる。
【0056】
(2)
スーパーマーケット等の小売店では、商品Pの売れ行きの読みが悪く必要以上に商品を作り過ぎてしまうことがあるが、こうした場合等には、売り場に陳列することができない商品が冷蔵室又は冷蔵庫に保管されることのないまま、バックヤード内の加工エリアや値付けエリア等の作業エリアに放置されてしまうことがある。一般的に、こうした作業エリア内の温度は冷蔵室内や冷蔵庫内の温度に比べて高温であり、作業エリア内に商品が長時間放置されてしまうと雑菌が繁殖したり、鮮度が低下したりする虞がある。
【0057】
上記実施形態では、商品Pを載せたパイレッシュ20がバックヤード2内において冷蔵室2cに保管されることもないまま長時間放置されている場合には、バックヤード2内に設置されているスピーカ9を介して自動的に警報が発せられるようになっている。これにより、商品Pが放置されることがないように管理する管理者の負担が軽減されるとともに、バックヤード2で働く作業者の商品Pを放置することに対する意識も改善され、商品Pを載せたパイレッシュ20が放置される可能性が低減される。
【0058】
<変形例>
(1)
上記実施形態では、値付け装置10の位置決め機構18とカート30とが位置合わせされているが、値付け装置10とパイレッシュ20とが直接的に位置合わせされるようになっていてもよい。
【0059】
この場合、値付け装置10の所定の位置、例えば、本体10aの両側部に配置されている包装部13の一方の上面にパイレッシュ20の外形に対応した凹部が形成され、この凹部の所定の位置、例えば、凹部の中央にRFIDアンテナが取り付けられる。そして、パイレッシュ20がこの凹部にはめ込まれた状態においてこのRFIDアンテナに対応するパイレッシュ20上の位置にRFIDタグが取り付けられる。
【0060】
(2)
上記実施形態では、RFIDタグ21に種々の商品情報が記憶されるようになっているが、RFIDタグ21にはタグ識別情報のみを記憶させるようにしてもよい。この場合、商品情報については、タグ識別情報に対応付けて管理用サーバ8に記憶させておき、必要に応じて管理用サーバ8から取り出すようにしてもよい。この変形例は、RFIDタグ21の記憶容量が少ないときに特に有用である。
【0061】
(3)
上記実施形態では、管理用サーバ8がLAN7に接続されているが、管理用サーバ8全体又はその一部の機能が遠隔に存在し、インターネット等を介してLAN7に接続されるようになっていてもよい。
【0062】
(4)
上記実施形態におけるRFIDタグ21の代わりに、文字列、QRコード、CODE128/ITF等が印字された商品票が利用されてもよい。この場合、RFIDアンテナ19の代わりに、これらの商品票に印字される文字列等を読み取ることが可能な読み取り装置が利用される。
【0063】
(5)
上記実施形態では、RFIDアンテナ19は、位置決め機構18に埋め込まれているが、位置決め機構18以外の位置に設けられていてもよい。
【0064】
(6)
上記実施形態では、位置決め機構18が値付け装置10に一体的に組み込まれているが、カート30との位置決めを行う機能とRFIDタグ21との通信を行う機能とを有する装置が値付け装置10とは別体であってもよい。具体的には、値付け装置10を載せる台や値付け装置10の近辺に配置する装置等に、カート30との位置決めを行う機能とRFIDタグ21との通信を行う機能とを持たせてもよい。
【0065】
この変形例は、計量機能や包装機能を有しておらずラベルの発行のみを行う小型のラベルプリンタに適用する場合等に特に有用である。
【0066】
(7)
上記実施形態において、値付け装置10に位置決め機構18を設けずに、図7及び図8に示すように、RFIDアンテナ19に代えてRFIDアンテナ100を取り付けてもよい。
【0067】
図7に示す変形例では、RFIDアンテナ100は、値付け装置10の正面左側部であってRFIDアンテナ19よりも下方に設けられている。RFIDアンテナ100の通信範囲C3は、RFIDアンテナ19の通信範囲C1よりも広くなっており、RFIDアンテナ100は、カート30が値付け装置10に横付けされた状態において、カート30の全ての段A1〜A5に収納された5枚のパイレッシュ20に取り付けられた5つのRFIDタグ21と通信可能となっている。
【0068】
この値付け装置10にカート30が横付けされると、RFIDアンテナ100は、その通信範囲C3内に同時に5つのRFIDタグ21の存在を検知する。制御部17は、RFIDアンテナ100により5つのRFIDタグ21の存在が検知されると、それら5つのRFIDタグ21に記憶されている商品情報に基づいて、カート30に載せられている全ての商品Pの種類を液晶ディスプレイ16aに表示させる。このとき、同じ種類の商品Pが複数のパイレッシュ20に載せられている場合には、重複を省いた形で商品Pの種類が表示されるため、液晶ディスプレイ16aに表示される商品Pの種類は最大で5となっている。一方、作業者は、液晶ディスプレイ16aに表示される指示等に従って、機械キー16bを介して、液晶ディスプレイ16aに表示される1以上の商品Pの種類からこれから作業を行う1の商品Pの種類を選択する。
【0069】
あるいは、図8に示す変形例では、カート30に遮蔽アルミ板37が取り付けられている。遮蔽アルミ板37は、値付け装置10から、カート30の段A2〜A5に収納されたパイレッシュ20に取り付けられたRFIDタグ21へと向かう電波を遮蔽するような位置に取り付けられている。この図8に示す変形例においては、図7に示す変形例と同様のRFIDアンテナ100が値付け装置10の同様の位置に取り付けられているが、図8におけるRFIDアンテナ100の通信範囲C4は、遮蔽アルミ板37の影響により、図7におけるRFIDアンテナ100の通信範囲C3よりも狭くなっている。具体的には、図8におけるRFIDアンテナ100は、カート30が値付け装置10に横付けされた状態において、カート30の全ての段A1〜A5のうち、最上段A1に収納されたパイレッシュ20のRFIDタグ21のみとしか通信ができないようになっている。
【0070】
(8)
上記実施形態では、商品Pを搬送する個々のパイレッシュ20にRFIDタグ21が取り付けられているが、図9に示すように、個々のパイレッシュ20ではなく、商品Pを載せる個々のトレーにRFIDタグ200が取り付けられていてもよい。
【0071】
図9に示す変形例では、値付け装置10には、位置決め機構18もRFIDアンテナ19も設けられておらず、RFIDアンテナ19の代わりとして、RFIDアンテナ120(通信範囲C5)が取り付けられている。RFIDアンテナ120は、値付け装置10の正面左側部であってRFIDアンテナ19よりも下方に設けられており、カート30が値付け装置10の正面左側部に横付けされた状態において、カート30に載せられている全ての商品Pのトレーに取り付けられているRFIDタグ200と通信することができる。
【0072】
そして、この値付け装置10にカート30が横付けされると、RFIDアンテナ120により、カート30に載せられている全ての商品Pのトレーに取り付けられているRFIDタグ200の存在が検知され、制御部17は、それら全てのRFIDタグ200からの商品情報に基づいて、カート30に載せられている全ての商品Pの種類を液晶ディスプレイ16aに表示させる。このとき、同じ種類の商品Pが複数のパイレッシュ20に載せられている場合には、重複を省いた形で商品Pの種類が表示される。一方、作業者は、液晶ディスプレイ16aに表示される指示等に従って、機械キー16bを介して、液晶ディスプレイ16aに表示される1以上の商品Pの種類からこれから作業を行う1の商品Pの種類を選択する。
【0073】
あるいは、値付け装置10には、位置決め機構18もRFIDアンテナ19も設けられておらず、RFIDアンテナ19の代わりとして、計量部11の計量台にRFIDアンテナが設けられていてもよい。値付け装置10に入力する必要のある商品情報は、RFIDタグ200に記憶されており、カート30が値付け装置10に横付けされたときではなく、作業者が個々のトレーを計量部11の計量台に置いたときに値付け装置10に入力されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、商品搬送用容器に取り付けられた記憶媒体に記憶される商品情報を値付け装置に容易に入力することができるという効果を有し、小売店のバックヤード等において商品の値付け作業に利用される値付け装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態に係る値付け装置が配置されるスーパーマーケットのレイアウトを示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る値付け装置の外観図。
【図3】スーパーマーケット内に張り巡らされたLANの構成を示す図。
【図4】(a)値付け装置とカートとが位置あわせされた状態における位置合わせされた付近の上面図。(b)値付け装置とカートとが位置あわせされた状態における位置合わせされた付近の側面図。
【図5】(a)パイレッシュの上面図。(b)(a)のB−B断面図。(c)(a)のC−C断面図。
【図6】冷蔵室を除くバックヤードを示す図。
【図7】本発明の実施形態の変形例を示す図。
【図8】本発明の実施形態の別の変形例を示す図。
【図9】本発明の実施形態の別の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0076】
10 値付け装置
17 制御部(値付け部)
18 位置決め機構(位置決め部)
19 RFIDアンテナ(読み取り部)
20 パイレッシュ(商品搬送用容器)
21 RFIDタグ(記憶媒体)
30 カート
31 切り欠き(被嵌合部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に関する商品情報を記憶する記憶媒体を有する商品搬送用容器を収納するカートを位置決めする位置決め部と、
前記位置決め部により前記カートが位置決めされた状態において、前記記憶媒体の近傍に位置し、前記記憶媒体から前記商品情報を読み取る読み取り部と、
前記読み取り部により読み取られた前記商品情報に基づいて、前記商品の値付けを行う値付け部と、
を備える、値付け装置。
【請求項2】
前記カートは、被嵌合部を有し、
前記位置決め部は、前記被嵌合部に嵌合する嵌合部を有する、
請求項1に記載の値付け装置。
【請求項3】
前記カートは、前記商品搬送用容器を複数の収納位置に収納可能であり、
前記読み取り部は、前記商品搬送用容器が前記複数の収納位置のうちの1の収納位置である読み取り位置に収納された状態においてのみ、前記記憶媒体から前記商品情報を読み取る、
請求項2に記載の値付け装置。
【請求項4】
前記複数の収納位置は、上下方向に並んでおり、
前記読み取り位置は、前記複数の収納位置の最上部に位置する、
請求項3に記載の値付け装置。
【請求項5】
前記位置決め部により前記カートが位置決めされた状態において、前記値付け後の前記商品の搬送先に関するロケーション情報を前記記憶媒体に書き込む書き込み部、
をさらに備える、
請求項2から4のいずれかに記載の値付け装置。
【請求項6】
商品に関する商品情報を記憶する記憶媒体を有する商品搬送用容器を位置決めする位置決め部と、
前記位置決め部により前記商品搬送用容器が位置決めされた状態において、前記記憶媒体の近傍に位置し、前記記憶媒体から前記商品情報を読み取る読み取り部と、
前記読み取り部により読み取られた前記商品情報に基づいて、前記商品の値付けを行う値付け部と、
を備える、値付け装置。
【請求項7】
前記商品搬送用容器は、被嵌合部を有し、
前記位置決め部は、前記被嵌合部に嵌合する嵌合部を有する、
請求項6に記載の値付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−233531(P2007−233531A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52030(P2006−52030)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】