説明

値引きシステム

【課題】買い物客が商品の値引き量を容易に把握することを可能にするとともに、売り手の手間も低減する値引きシステムを提供する。
【解決手段】本発明に係る値引きシステムは、特定の時点から経過した時間の長さに応じて商品の値引きを行う値引きシステムであって、ラベル発行ユニットと、インジケータ発行ユニットと、第2価格算出装置とを備える。ラベル発行ユニットは、ラベルを発行する。ラベルは、第1価格に対応する第1コードを有する。第1価格は、値引き前の商品の価格である。インジケータ発行ユニットは、インジケータを発行する。インジケータは、経過した時間の長さに応じて態様が変化する。第2価格算出装置は、第1価格と、経過した時間の長さとに基づき、値引き後の商品の価格である第2価格を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、値引きシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットおよびコンビニエンスストア等の生鮮食料品売り場では、生鮮食品や惣菜等の商品について、商品の売れ残りを避けるために、商品の販売を開始した時点から所定の時間が経過した場合には、商品の値引きが行われている。値引きの例として、次のような方法が挙げられる。例えば、閉店時間が近づくと、商品に値引きシールが貼られる。買い物客が、値引きシールの貼られた商品を精算のために電子キャッシュレジスタ(レジスタ)に持参する。店員は、当該値引きシールに記載された値引き量に基づいて、手操作で商品の値引きを行う。また、例えば、特開2003−77068号のように、値引きシールを貼るための店員の手間や、精算時の店員による値引き操作を省略するために、時刻情報を含むバーコードを商品に付し、当該バーコードを読み取ることで、自動的に商品の値引きを行う技術も提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記文献に係る技術は、店員の手間を省略することはできるものの、買い物客にとっては不都合な場合もある。具体的には、買い物客は商品に貼られた値引きシールを見て、値引き量を判断する場合が多いため、買い物客が商品の値引き量を売り場で把握できる方が好ましい。
【0004】
そこで、本発明の課題は、買い物客が商品の値引き量を容易に把握することができるとともに、売り手の手間も低減する値引きシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る値引きシステムは、特定の時点から経過した時間の長さに応じて商品の値引きを行う値引きシステムであって、ラベル発行ユニットと、インジケータ発行ユニットと、第2価格算出装置とを備える。ラベル発行ユニットは、ラベルを発行する。ラベルは、第1価格に対応する第1コードを有する。第1価格は、値引き前の商品の価格である。インジケータ発行ユニットは、インジケータを発行する。インジケータは、経過した時間の長さに応じて態様が変化する。第2価格算出装置は、第1価格と、経過した時間の長さとに基づき、値引き後の商品の価格である第2価格を算出する。
【0006】
これにより、買い物客が商品の値引き量を容易に把握することを可能にするとともに、売り手の手間も低減することができる。
【0007】
また、ラベルは、特定の時点に関する第2コードをさらに含み、第2価格算出装置は、関連付け情報記憶領域と、読取装置と、経過時間算出部と、値引き量算出部と、第2価格算出部とを有することが好ましい。関連付け情報記憶領域は、第1情報および第2情報を記憶する。第1情報は、第1コードと第1価格とを関連づけた情報である。第2情報は、第2コードと特定の時点とを関連づけた情報である。読取装置は、第1コードおよび第2コードを読み取る。経過時間算出部は、読取装置によって読み取られた第2コードと、現在の時刻とに基づいて、特定の時点から経過した時間を算出する。値引き量算出部は、経過時間算出部によって算出された値に基づいて、商品の値引き量を算出する。第2価格算出部は、値引き量算出部によって算出された商品の値引き量に基づき、商品の第2価格を算出する。
【0008】
さらに、ラベルは、インジケータの種類に関する第3コードを含み、第2価格算出装置は、種類別値引き量記憶領域を有することが好ましい。種類別値引き量記憶領域は、インジケータの種類に応じた値引き量を記憶する。
【0009】
また、第2価格算出装置は、読取装置と、関連付け情報記憶領域と、第2価格算出部とを有することが好ましい。読取装置は、第1コードおよびインジケータの態様を読み取る。関連付け情報記憶領域は、第1情報、第3情報、および第4情報を記憶する。第1情報は、第1コードと第1価格とを関連づけた情報である。第3情報は、インジケータの態様と経過した時間の長さとを関連付けた情報である。第4情報は、経過した時間の長さと商品の値引き量とを関連付けた情報である。第2価格算出部は、読取装置によって読み取られた第1コードおよびインジケータの態様と、関連付け情報記憶領域に記憶された第1情報、第3情報、および第4情報とに基づき、商品の第2価格を算出する。
【0010】
さらに、第2価格算出装置は、インジケータの種類に応じたインジケータの態様を記憶することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る値引きシステムは、買い物客が商品の値引き量を容易に把握することを可能にするとともに、売り手の手間も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る商品管理システムを示す図である。
【図2】ラベルの例を示す図である。
【図3】インジケータの例を示す図である。
【図4】ストアコントローラの概略構成図である。
【図5】商品マスタの例を示す図である。
【図6】バーコード基本情報を示す図である。
【図7】値下げ量の例を示す図である。
【図8】値下げ条件および対応するフラグの例を示す図である。
【図9】発注情報の例を示す図である。
【図10】計量包装サーバの概略構成図である。
【図11】計量包装マスタの例を示す図である。
【図12】計量包装装置の概略構成図である。
【図13】レジスタの概略構成図である。
【図14】販売価格の算出フローを示す図である。
【図15】変形例(A)に係るストアコントローラの概略構成図である。
【図16】変形例(A)に係るレジスタの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1から図14を用いて、本発明の一実施形態に係る商品管理システム(値引きシステム)100を説明する。
【0014】
(1)全体構成
まず、図1に、本発明の一実施形態に係る商品管理システム100を示す。商品管理システム100は、店舗内で扱われる商品についての発注、生産、販売、在庫等に関するデータを一括管理するシステムである。
【0015】
商品管理システム100には、図1に示すように、ストアコントローラ12と、計量包装システム13と、POSシステム16とが含まれる。ストアコントローラ12は、商品管理システム100内の情報を集中管理する装置である。
【0016】
計量包装システム13は、食品売り場で販売される商品(例えば、肉、魚、青果、弁当、惣菜等)の計量・包装を行うシステムである。計量包装システム13は、ストアコントローラ12から送られる各種情報に基づいて、商品に貼付されるラベルLB(図2参照)およびインジケータ90(図3参照)を発行する。商品は、ラベルLBおよびインジケータ90が貼られた後、食品売り場に陳列される。
【0017】
POSシステム16は、主として、複数のレジスタ17,17からなる。POSシステム16は、レジスタ17を用いて商品の販売情報を集計・収集するシステムである。本実施形態では、POSシステム16は、ストアコントローラ12と協働する。具体的には、POSシステム16内の全てのレジスタ17,17で精算された商品に関する情報(商品の精算情報)が、ストアコントローラ12に集められることにより、店舗全体の販売情報が集中して管理される。
【0018】
商品管理システム100では、店舗内に配備されたLAN11を用いて、ストアコントローラ12と、計量包装システム13と、POSシステム16とが接続されている。これにより、ストアコントローラ12、計量包装システム13、およびPOSシステム16の相互間で通信が可能になる。
【0019】
以下、本実施形態に係る商品管理システム100で用いられるラベルLBおよびインジケータ90について説明し、さらに、商品管理システム100に含まれる各構成について詳細に説明する。
【0020】
(2)ラベル
図2に、本実施形態で用いるラベルLBの例を示す。ラベルLBには、貼付対象となる商品に関する情報(対象商品情報)が印字される。対象商品情報とは、例えば、商品名、商品の基本価格(第1価格に相当)、加工日、消費期限、およびバーコード等である。ここで、商品の基本価格とは、商品に予め設定された価格であって、値引き前の価格である。
【0021】
ラベルLBに印字されるバーコードは、図2に示すように、基本コードBCおよび拡張コードECで構成される。基本コードBCは、商品の基本価格を算出するために用いられるコードである。拡張コードECは、商品の値引き量を算出する際に用いられるコードである。詳細については、後述する「バーコード情報記憶領域」で説明する。
【0022】
(3)インジケータ
図3に、本実施形態で用いるインジケータ90の例を示す。インジケータ90は、買い物客に対して、商品の値引き量を示すために用いられる。インジケータ90は、特定の時点から経過した時間の量または長さ(経過時間量)が一目でわかるような態様を有する。ここで、特定の時点とは、商品の生産時刻である。本実施形態では、インジケータ90が、後述の計量包装装置15によって発行される時刻を、商品の生産時刻とする。商品の生産時刻に、インジケータ90の開始ボタン91が押される(図3参照)。これにより、商品の生産時刻から経過した時間の長さ(経過時間量)がインジケータ90で表される。
【0023】
インジケータ90は、表面と、裏面と、中間層とを有する。表面には、図3に示すように、開始ボタン91と、経過量表示部92とが設けられる。開始ボタン91は、経過時間量の把握を開始する際に用いられるボタンである。言い換えると、開始ボタン91は、商品の生産時刻に押される。経過量表示部92は、経過時間量を示すための小窓92aと数字92bとから構成されている。小窓92aは、基準色および変更色の二色を用いて時間の経過量を示す。経過量表示部92は、時間の経過に応じて態様を変化させる。言い換えると、経過量表示部92は、経過時間量が増えるにつれ、小窓92a内の変更色の領域(変更色領域)を広げる。数字92bは、変更色領域の大きさを数で表すものである。裏面は、粘着性を有するシール部である。
【0024】
中間層は、表面と裏面とに挟まれた部分である。中間層には、液体包含部と液体浸透部とが含まれる。液体包含部は、液体浸透部に浸透させる液体を包含する部分である。液体包含部は、例えば、薄い膜によって形成されている。液体包含部は、開始ボタン91の下に配置される。すなわち、開始ボタン91が押されることにより、液体包含部が破られ、液体包含部から液体浸透部に液体が流れ出す。液体浸透部は、時間をかけて液体を浸透させる素材(浸透素材)である。液体浸透部は、液体包含部から流出した液体の流路となる。液体浸透部は、基準色を有し、液体が浸透することにより、基準色が変更色に変化する。インジケータ90は、液体浸透部に液体が浸透した領域の大きさによって経過時間量を示す。浸透素材の種類および液体の種類により浸透速度は異なるが、本実施形態では、同一種類のインジケータ90を用いた場合、液体が一定速度で液体浸透部を浸透していく。
【0025】
なお、液体浸透部に浸透した液体は、表面に形成された上述の小窓92aから確認できる。小窓92aで囲われる領域は、液体が浸透する前、基準色領域c1であり、液体が浸透するにつれて変更色領域c2の面積が増えていく。図3では、商品の生産時刻から所定時間が経過した結果、小窓92aで囲われる領域の一部分の色が変化している。具体的には、小窓92aで囲われる領域のうち、0〜10%が変更色領域c2に変化している。図3に示されるインジケータ90が商品に貼付されている場合、買い物客は、当該商品が10%値引きされることを認識する。
【0026】
(4)ストアコントローラ
ストアコントローラ12は、スーパーマーケット等の事務所内に設置される汎用のパーソナルコンピュータである。ストアコントローラ12は、商品管理システム100で扱われる商品に関する各種情報を管理する。商品に関する各種情報には、例えば、商品の基本情報、在庫情報、生産実績、発注情報、販売実績等が含まれる。なお、図1には記載されていないが、ストアコントローラ12は、敷地外にある他のホストコンピュータと接続されていてもよい。この場合、ストアコントローラ12は、インターネット等の外部のネットワークを介して、ホストコンピュータと接続する。
【0027】
ストアコントローラ12は、図4に示すように、主として、通信部21と、入力部22と、表示部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。
【0028】
(4−1)通信部
通信部21は、ストアコントローラ12をLAN11に接続するネットワークインターフェースである。通信部21は、LAN11を介して、後述する計量包装サーバ14およびレジスタ17との間でデータの授受を行う。
【0029】
(4−2)入力部
入力部22は、マウスおよびキーボードで構成されている。
【0030】
(4−3)表示部
表示部23は、液晶ディスプレイである。表示部23は、後述する記憶部24に記憶された各種データが表示される。
【0031】
(4−4)記憶部
記憶部24は、ROM、RAM、およびハードディスク等から構成されている。記憶部24は、後述する制御部25が用いて実行するための制御プログラムを有する。
【0032】
また、記憶部24には、上述の入力部22を用いて管理者が入力した情報と、LAN11を介して計量包装サーバ14およびレジスタ17から取得した情報(例えば、生産実績または販売実績等)とが記憶されている。さらに、記憶部24は、収集された情報の集計結果および在庫情報等を記憶する。
【0033】
記憶部24は、図4に示すように、主として、商品マスタ記憶領域24aと、バーコード情報記憶領域24bと、値引き条件記憶領域24cと、発注情報記憶領域24dとを有する。
【0034】
(4−4−1)商品マスタ記憶領域
商品マスタ記憶領域24aは、図5に示すように、商品に関する基本情報が記憶されている。具体的に、商品マスタ記憶領域24aには、各商品に対する呼出番号、商品名、商品コード、基本単価(基本価格)、消費期限、原産地、および原材料/添加物等に関するデータが関連付けて記憶されている。商品マスタ記憶領域24aに記憶されたデータは、後述する計量包装サーバ14およびレジスタ17に送られる。商品マスタ記憶領域24aに記憶されているデータが、計量包装サーバ14およびレジスタ17に送られることにより、計量包装装置15およびレジスタ17が共通の情報に基づいて動作するように構成されている。
【0035】
(4−4−2)バーコード情報記憶領域
バーコード情報記憶領域24bには、バーコード情報が記憶されている。バーコード情報は、バーコード基本情報(図6参照)と、バーコード対応情報とが記憶されている。ここで、バーコード基本情報とは、バーコードを構成するコードの数、各コードに割り当てられる用途の種類(例えば、フラグ、商品・価格、cd、生産時刻等)、各コードの並び等の情報である。バーコード対応情報とは、バーコードに対応する情報である。具体的に、バーコード対応情報には、バーコードに対応する商品名の情報、バーコードに対応する商品の基本価格の情報(第1情報に相当)、バーコードに対応するインジケータの種類の情報、およびバーコードに対応する生産時刻の情報(第2情報に相当)が含まれる。インジケータの種類は、例えば、インジケータ90で表示可能な経過時間量、または、インジケータ90の液体浸透部に液体が浸透する速度等により分類される。
【0036】
バーコード情報は、後述の計量包装サーバ14を介して計量包装装置15に送られ、計量包装装置15がラベルLBにバーコードを印字する際に参照される。また、バーコード情報は、後述のレジスタ17に送られ、レジスタ17が商品の販売価格を算出する際に参照される。バーコードには、上述したように、基本コードBCと拡張コードECとが含まれる(図2参照)。
【0037】
基本コードBCは、レジスタ17によって商品の基本価格を算出するために用いられるコードである。言い換えると、基本コードBCは、商品の種類を特定し、さらに、商品の基本価格を特定するために割り当てられたコードである。基本コードBCは、例えば、図6に示すように、フラグ用コードと、商品・価格コード(第1コードに相当)と、チェックディジット(cd)用コードとを含む。本実施形態では、フラグに2桁、商品・価格コードに10桁、cdに1桁のコードが割り当てられる。
【0038】
拡張コードECは、レジスタ17によって商品の値引き量を算出する際に用いられるコードである。商品の値引き量は、商品の種類または商品の生産時刻から経過した時間の長さ(経過時間量)に応じて決定する。拡張コードECは、例えば、図6に示すように、スペシャルフラグ用コードと、生産時刻用コード(第2コードに相当)と、チェックディジット(cd)用コードとを含む。本実施形態では、スペシャルフラグに2桁、生産時刻に6桁、cdに1桁のコードが割り当てられる。生産時刻を示す6桁のコードのうち、2桁は月(MM)、2桁は日(DD)、残り2桁は時(TT)を示す。スペシャルフラグ用コードは、値引き条件を特定するために用いられる。具体的に、スペシャルフラグ用コードは、インジケータ90の種類を示すコード(第3コードに相当)を含む。
【0039】
(4−4−3)値引き条件記憶領域
値引き条件記憶領域24cには、各商品に貼付するインジケータの種類と、インジケータの種類に応じて設定される値引き量(図7参照)と、各商品に対する値引き条件(図8参照)とが記憶されている。
【0040】
インジケータの種類に応じて設定される値引き量とは、所定の時間間隔で反映させる値引きの量(割合または価格)である。図7では、種類Aのインジケータ90は、所定の時間毎に5%の値引きをするものとし、種類Bのインジケータは、所定の時間毎に10円の値引きをするものとし、種類Cのインジケータ90は、所定の時間毎に7%の値引きをするものとする。
【0041】
値引き条件とは、特定の経過時間に対してどの程度の値引きを行うかを規定する情報である。値引き条件は、インジケータの種類と時間との組み合わせで設定される。インジケータの種類は、上述のように値引き量を定義し、時間は、当該値引き量を何時間毎または何日毎に反映させるかを定義する。値引き条件は、例えば、図8に示すように、各商品に関連付けて記憶されている。
【0042】
なお、値引き条件は、上述のスペシャルフラグ用コードを用いて示される。具体的に、は、図8に示すように、上述した2桁のスペシャルフラグ(F1,F2)のうち、1桁(F1)をインジケータの種類に割り当て、残りの1桁(F2)を時間に割り当てる。例えば、商品A、Bには、種類Aのインジケータ90を貼付し、商品S、Tには、種類Bのインジケータ90を貼付するものとする。また、種類Aのインジケータ90を用いた場合には、スペシャルフラグF1のコードを0、種類Bのインジケータ90を用いた場合には、スペシャルフラグF1のコードを1に設定するものとする。さらに、スペシャルフラグF2のコードは、時間に対応するものとする。図8では、商品Aに対し、1時間毎に5%値引きの値引き条件が設定されている。したがって、スペシャルフラグF1のコードを0、スペシャルフラグF2のコードを1に設定する。また、商品Bに対し、2時間毎に5%値引きの値引き条件が設定されている。したがって、スペシャルフラグF1のコードを0、スペシャルフラグF2のコードを2に設定する。さらに、商品Sに対し、1時間毎に10円値引きの値引き条件が設定されている。したがって、スペシャルフラグF1のコードを1、かつ、スペシャルフラグF2のコードを1に設定する。また、商品Tに対し、2時間毎に10円値引きの値引き条件が設定されている。したがって、スペシャルフラグF1のコードを1、かつ、スペシャルフラグF2のコードを2に設定する。
【0043】
(4−4−4)発注情報記憶領域
発注情報記憶領域24dには、発注情報が記憶されている。発注情報記憶領域24dには、例えば、図9に示すように、発注された商品に関する商品コード、発注個数、および発注時刻が関連付けられた情報が記憶されている。
【0044】
(4−5)制御部
制御部25は、主として、CPUから構成されており、記憶部24に記憶されているプログラムや各種情報に基づいて各構成の制御を行う。制御部25は、例えば、レジスタ17の起動時に、レジスタ17からの商品の売価(基本価格)に関する問い合わせに応じて、商品マスタ記憶領域24aを検索し、問合せのあった商品に関する情報をレジスタ17に送信する。また、制御部25は、記憶部24内のデータが更新されると、記憶部24内の新たな情報を、計量包装サーバ14およびレジスタ17に送る。さらに、制御部25は、複数のレジスタ17から取得した販売情報に基づいて、集計データ(商品毎の販売実績および全商品についての総売り上げ等)を生成し、上記記憶部24に記憶させる。また、制御部25は、計量包装サーバ14を介して計量包装装置15,15の生産実績を収集する。
【0045】
(5)計量包装システム
計量包装システム13は、図1に示すように、主として、計量包装サーバ14と複数の計量包装装置15とから構成されている。
【0046】
(5−1)計量包装サーバ
計量包装サーバ14は、スーパーマーケット等の事務所内もしくはバックヤードに設置されるコンピュータである。計量包装サーバ14は、計量包装装置15で用いる各種情報を管理する。
【0047】
計量包装サーバ14は、図10に示すように、主として、通信部41と、入力部42と、表示部43と、記憶部44と、制御部45とを有する。
【0048】
(5−1−1)通信部
通信部41は、計量包装サーバ14をLAN11に接続するネットワークインターフェースである。通信部41は、LAN11を介して、計量包装装置15およびストアコントローラ12との間でデータの授受を行う。また、通信部41は、計量包装サーバ14と計量包装装置15とを接続する通信インターフェースでもある。
【0049】
(5−1−2)入力部
入力部42は、マウスおよびキーボードで構成されている。
【0050】
(5−1−3)表示部
表示部43は、液晶ディスプレイである。表示部43には、計量包装サーバ14に記憶されている各種情報が表示される。
【0051】
(5−1−4)記憶部
記憶部44は、ROM、RAM、およびハードディスク等から構成されている。記憶部44は、図10に示すように、主として、計量包装マスタ記憶領域44aと、商品情報記憶領域44bと、発注情報記憶領域44cと、バーコード情報記憶領域44dとが記憶されている。
【0052】
a)計量包装マスタ記憶領域
計量包装マスタ記憶領域44aには、図11に示すように、計量包装装置15の呼出番号と、商品コードとが関連付けて記憶されている。計量包装装置15の呼出番号は、各計量包装装置15に対して付された固有の番号であり、商品コードは、当該計量包装装置15で計量および包装される商品に対応するコードである。
【0053】
b)商品情報記憶領域
商品情報記憶領域44bには、ストアコントローラ12から取得した商品情報が記憶されている。具体的に、商品情報記憶領域44bには、ストアコントローラ12に記憶された商品マスタ記憶領域24aの情報のうち、計量包装装置15,41で利用する一部情報が記憶されている。商品情報記憶領域は、ストアコントローラ12の商品マスタが更新されるたびに、新しい情報によって上書きされていく。
【0054】
c)発注情報記憶領域
発注情報記憶領域44cには、ストアコントローラ12から取得した発注情報が記憶されている(図9参照)。発注情報記憶領域44cに記憶される情報は、ストアコントローラ12から送られる発注情報および計量包装装置15による生産実績に基づいて、更新されていく。
【0055】
d)バーコード情報記憶領域
バーコード情報記憶領域44dもまた、ストアコントローラ12から取得したバーコード情報が記憶されている。バーコード情報記憶領域44dもまた、ストアコントローラ12に記憶されたバーコード情報が更新されるたびに、新しい情報によって上書きされていく。
【0056】
(5−1−5)制御部
制御部45は、主として、CPUから構成されており、記憶部44に記憶されているプログラムや各種情報に基づいて各構成の制御を行う。制御部45は、所定の時間間隔でストアコントローラ12と情報の授受を行う。
【0057】
また、制御部45は、例えば、計量包装装置15の起動時に、計量包装装置15からの問い合わせに応じて、記憶部44に記載された情報(商品情報、発注情報、およびバーコード情報等)から問合せに係る情報を検索し、問い合わせに係る情報を計量包装装置15に送信する。また、商品情報記憶領域44bの情報が更新された場合にも、更新に係る新しい情報を計量包装装置15に送信する。さらに、制御部45は、計量包装装置15で生産された商品に関する情報(生産情報)を所定の時間間隔で計量包装装置15から収集し、所定の時間間隔で、ストアコントローラ12に送信する。
【0058】
(5−2)計量包装装置
計量包装装置15は、スーパーマーケット等の店舗のバックヤードに設置される。計量包装装置15は、食品売り場で販売される商品を計量し、包装し、値付けし、さらに、商品に貼付するラベルLBおよびインジケータ90を発行するように構成された装置である。
【0059】
計量包装装置15は、図12に示すように、主として、通信部51と、表示部52と、計量部53と、包装部54と、ラベル発行部55と、インジケータ発行部56と、記憶部57と、制御部58とを有する。
【0060】
(5−2−1)通信部
通信部51は、計量包装サーバ14との通信を可能にするためのインターフェースである。
【0061】
(5−2−2)表示部
表示部52は、タッチパネル式の液晶ディスプレイである。表示部52には、計量包装装置15の操作に必要な各種情報が表示される。
【0062】
(5−2−3)計量部
計量部53は、商品の重量を計量する機能を有する。計量部53は、計量台と、重量算出部とを有する。計量台の上に載せられた商品は、重量算出部によって重量が算出される。
【0063】
(5−2−4)包装部
包装部54は、フィルムロールを有する。包装部54は、フィルムロールから繰り出されるフィルムを用いて計量された商品を包装する。
【0064】
(5−2−5)ラベル発行部
ラベル発行部55は、商品に貼付されるラベルLBを発行する(図2参照)。ラベル発行部55は、主として、ラベルホルダと、ラベルロール送り出し機構と、印字部と、ラベル供給口とを備える。ラベルホルダは、ラベルロールを保持する。ラベルロール送り出し機構は、ラベルロールを繰り出し、ラベルLBを印字部の近傍に位置するように搬送する。印字部は、記憶部57に記憶された情報に基づいて、ラベルLBに対象商品情報を印字する。ラベルLBに印字される対象商品情報は、後述の制御部58によって決定される。ラベル供給口は、印字されたラベルLBを吐き出す部分である。
【0065】
(5−2−6)インジケータ発行部
インジケータ発行部56は、商品に貼付されるインジケータ90を発行する。インジケータ発行部56は、主として、インジケータホルダと、インジケータ送り出し機構と、インジケータ供給口と、接触部とを備える。インジケータホルダは、インジケータロールを保持する。インジケータロールとは、複数のインジケータ90をシートに貼り付け、さらにロール状にしたものである。インジケータロール送り出し機構は、インジケータロールを繰り出し、インジケータ90を接触部の近傍に搬送する。接触部は、インジケータ90の表面に設けられた開始ボタン91に接触させて、開始ボタン91の下に設けられた液体包含部を破る。インジケータロール送り出し機構がインジケータロールを繰り出した時刻は、後述の記憶部に記憶される。
【0066】
(5−2−7)記憶部
記憶部57は、ROM、RAM、およびハードディスク等から構成されている。記憶部57は、図12に示すように、主として、商品情報記憶領域57aと、バーコード情報記憶領域57bと、発注情報記憶領域57cと、計量情報記憶領域57dと、繰り出し時刻記憶領域57eとを有する。
【0067】
a)商品情報記憶領域
商品情報記憶領域57aは、計量包装サーバ14から取得した商品情報を記憶する。商品情報は、計量包装サーバ14から新たな商品情報が取得されるたびに、当該新たな商品情報によって上書きされる。
【0068】
b)バーコード情報記憶領域
バーコード情報記憶領域57bもまた、計量包装サーバ14から取得したバーコード情報を記憶する。バーコード情報は、計量包装サーバ14から新たなバーコード情報が取得されるたびに、当該新たなバーコード情報によって上書きされる。
【0069】
c)発注情報記憶領域
発注情報記憶領域57cもまた、計量包装サーバ14から取得した発注情報を記憶する(図9参照)。発注情報は、計量包装サーバ14から新たな発注情報が取得されるたびに、当該新たな発注情報によって上書きされる。
【0070】
d)計量情報記憶領域
計量情報記憶領域57dは、計量部53によって算出された結果(計量結果)と、計量結果に基づく商品の基本価格とが一時的に記憶される。計量情報記憶領域57dに記憶される情報は、新たな商品の計量が行われる度に、当該新たな商品の計量結果等によって上書きされていく。
【0071】
e)繰り出し時刻記憶領域
繰り出し時刻記憶領域57eは、インジケータロール送り出し機構によってインジケータロールが繰り出された時刻(繰り出し時刻)が記憶される。本実施形態では、繰り出し時刻を、商品の生産時刻とする。繰り出し時刻記憶領域57eに記憶される情報もまた、新たにインジケータ90が繰り出される度に、当該新たにインジケータ90が繰り出された時刻によって上書きされていく。
【0072】
(5−2−8)制御部
制御部58は、主として、CPUから構成されている。制御部58は、計量包装装置15の各種動作を実現するために必要な情報を計量包装サーバ14から取得して記憶部57に記憶する。また、制御部58は、記憶部57に記憶されているプログラムや各種情報に基づいて各構成の制御を行う。すなわち、制御部58は、表示部52に所定の情報を表示させ、計量部53、包装部54、ラベル発行部55、およびインジケータ発行部56を駆動させる。
【0073】
また、制御部58は、計量部53によって商品が計量される度に、計量部53により得られた計量結果を取得し、当該計量結果を一時的に計量情報記憶領域57dに記憶させる。また、制御部58は、インジケータロール送り出し機構によってインジケータロールが繰り出された時刻を取得し、当該時刻を繰り出し時刻記憶領域57eに一時的に記憶させる。
【0074】
さらに、制御部58は、記憶部57に記憶された情報に基づいて、ラベルLBに印字させる対象商品情報を決定する。具体的に、制御部58は、商品情報記憶領域57aに記憶された商品情報および計量情報記憶領域57dに記憶された計量情報に基づいて、ラベルLBに印字させる商品名および価格に関する情報を決定し、さらに、バーコード情報記憶領域57bに記憶されるバーコード情報および繰り出し時刻記憶領域57eに記憶される繰り出し時刻に基づいて、ラベルLBに印字させるバーコードに関する情報を決定する。
【0075】
(6)POSシステム
POSシステム16は、電子キャッシュレジスタ(レジスタ)17によって得られる情報をストアコントローラ12で収集して、収集した情報に基づいて在庫管理や発注作業を行うシステムである。POSシステム16は、図1に示すように、主として、POSターミナルである複数のレジスタ(第2価格算出装置に相当)17から構成されている。
【0076】
(6−1)レジスタ
レジスタ17は、スーパーマーケット等の店舗の精算エリアに設置される。レジスタ17は、買い物客が購入する商品の精算を行う際に用いられる装置である。レジスタ17は、図13に示すように、主として、通信部71と、入力部72と、表示部73と、発行部74と、ドロア75と、記憶部76と、制御部77とを有する。
【0077】
(6−1−1)通信部
通信部71は、ストアコントローラ12との通信を可能にするインターフェースである。
【0078】
(6−1−2)入力部
入力部72は、スキャナ(読取装置に相当)およびキーボードである。スキャナは、商品に付された商品コード(バーコード)を読み込む。キーボードは、レジ担当の店員による商品価格の手入力または受領金額の入力等を行うために用いられる。
【0079】
(6−1−3)表示部
表示部73は、ディスプレイである。ディスプレイには、スキャナによって読み取られたバーコードから得られる情報およびキーボードによって入力された受領料金等に基づいて商品関連情報が表示される。ここで、表示部73に表示される商品関連情報には、商品名、基本価格(値引き前価格)、値引き量、および販売価格(値引き後価格)が含まれる。
【0080】
(6−1−4)発行部
発行部74は、買い物客が購入した商品に関するレシートを発行する。レシートには買い物客の購入した商品について、商品関連情報が印字される。具体的には、レシートには、商品名、基本価格(値引き前価格)、値引き量、および販売価格(値引き後価格)等が印字される。
【0081】
(6−1−5)ドロア
ドロア75は、紙幣や硬貨の保存場所であり、入力部の操作により開き、開いた方向と逆の方向に物理的に押されると閉まる。
【0082】
(6−1−6)記憶部
記憶部76は、ROM、RAM、およびハードディスク等から構成されている。記憶部76は、図13に示すように、商品情報記憶領域76aと、バーコード情報記憶領域(関連付け情報記憶領域に相当)76bと、値引き条件記憶領域(種類別値引き量記憶領域に相当)76cとを有する。
【0083】
a)商品情報記憶領域
商品情報記憶領域76aには、商品情報が記憶されている。商品情報には、例えば、商品名および商品の基本価格が含まれる。商品情報は、ストアコントローラ12から新たな商品情報が取得されるたびに、当該新たな商品情報によって上書きされる。
【0084】
b)バーコード情報記憶領域
バーコード情報記憶領域76bには、スキャナで読み取られたバーコードを制御部77が認識するために必要な情報が記憶されている。具体的に、バーコード情報記憶領域76bには、ストアコントローラ12から取得されるバーコード情報が記憶される。バーコード情報は、ストアコントローラ12から新たなバーコード情報が取得されるたびに、当該新たなバーコード情報によって上書きされる。
【0085】
c)値引き条件記憶領域
値引き条件記憶領域76cには、上述の値引き条件(図8参照)が記憶されている。具体的に、値引き条件記憶領域76cには、ストアコントローラ12から取得される値引き条件が記憶される。値引き条件は、ストアコントローラ12から新たな値引き条件が取得されるたびに、当該新たな値引き条件によって上書きされる。
【0086】
(6−1−7)制御部
制御部77は、主として、CPUから構成されており、記憶部76に記憶されているプログラムに基づいて各構成の制御を行う。すなわち、制御部77は、表示部73に所定の情報を表示させ、発行部74およびドロア75等を駆動させる。
【0087】
また、制御部77は、スキャナによって読み取られた情報およびキーボードによって入力された情報と、記憶部76に記憶された情報とに基づき、買い物客が購入する商品の合計金額を計算する。なお、商品の合計金額とは、全ての商品の販売価格の合計である。商品の販売価格とは、値引き量を考慮した商品の価格である。
【0088】
具体的に、制御部77は、図13に示すように、生産時刻特定部77aと、経過時間算出部77bと、値引き量算出部77cと、販売価格算出部(第2価格算出部に相当)77dとして機能する。生産時刻特定部77aは、スキャナによって読み取られたバーコードと、バーコード情報に記憶されているバーコード情報とに基づいて、商品の生産時刻を特定する。また、経過時間算出部77bは、生産時刻と、現在の時刻とを比較し、経過時間量を算出する。さらに、値引き量算出部77cは、バーコード情報によって特定されるインジケータ90の種類と、値引き条件記憶領域76cに記憶された値引き条件とに基づいて、値引き量を算出する。さらに、販売価格算出部77dは、値引き量に基づいて、商品の販売価格(第2価格に相当)を算出する。
【0089】
さらに、制御部77は、スキャナによって読み取られた情報およびキーボードを用いて入力された情報(販売実績情報)を記憶部76に記憶し、所定のタイミング(例えば、10分毎)で、通信部71を介して、販売実績情報をストアコントローラ12に送信する。
【0090】
(7)販売価格の算出
次に、図14を参照して、レジスタ17における販売価格の算出について説明する。
【0091】
まず、ステップS1において、入力部(スキャナ)によって読み取られたバーコードが認識される。その後、ステップS2において、基本コードBCに基づいて、値引き前の商品価格(A)が算出される。すなわち、ステップS2では、バーコード情報に記憶されているバーコード情報と、バーコードに含まれる基本コードBCとに基づいて、商品の基本価格(A)が算出される。次に、ステップS3では、バーコード情報に記憶されているバーコード情報と、バーコードに含まれる拡張コードECとに基づいて、商品の生産時刻が特定される。その後、ステップS4に進み、生産時刻と、現在の時刻とを比較し、経過時間量を算出する。さらに、ステップS5で、バーコード情報によって特定されるインジケータ90の種類と、値引き条件記憶領域76cに記憶された値引き条件とに基づいて、値引き量(B)が算出される。最後に、ステップS6で、値引き量に基づいて、商品の販売価格を算出する。すなわち、商品の基本価格から値引き量を差し引き、商品の販売価格を算出する。
【0092】
(8)特徴
(8−1)
上記実施形態に係る商品管理システム100では、店舗で販売される商品(例えば、肉、魚、青果、弁当、惣菜等)に、商品関連情報が印字されたラベルLBと、インジケータ90とが貼付される。レジスタ17では、ラベルLBから得られる情報と、インジケータ90の態様によって示される経過した時間の長さ(経過時間量)とに基づいて、値引き後の商品の価格(販売価格)が算出される。
【0093】
従来、上述のような商品について、生産時刻から一定の時間が経過した場合、または、閉店時間が近づいた場合に、店員によって商品に値引きシールが貼られていた。買い物客が、精算のため値引きシールが貼られた商品をレジスタに持参すると、値引きシールに示された値引き情報に基づいて、店員がレジスタに手入力で値引き情報を入力し、当該商品の値引きを行っていた。
【0094】
また、値引きシールを貼る煩雑さを解消するために、各商品に値引きシールを貼る代わりに、特定の陳列棚に値引き対象となる商品を陳列する方法も提案されてきた。この場合には、買い物客に対して、陳列棚の近傍に、値引き前および値引き後の商品の価格を示す値札を配置した。また、バーコードには生産時刻を含め、レジスタ17でバーコードが読み取られると自動的に値引き後の商品の価格が算出していた。
【0095】
しかし、値引きシールを各商品に貼付する場合には、精算時の値引き情報の入力漏れが発生する場合がある。また、値引き対象となる商品を特定の陳列棚に陳列する場合には、値引きの根拠がはっきりせず、買い物客の関心を十分に惹きつけることができない場合がある。
【0096】
本実施形態に係る商品管理システム100では、インジケータ90によって商品が生産された時刻から経過した時間の量が一目瞭然である。また、値引きの根拠が明確である。さらに、精算時に値引き情報を手入力する必要がない。これにより、買い物客が商品の値引き量を容易に把握することを可能にするとともに、店員の手間も低減することができる。また、店員がレジスタ17で値引き情報を手入力する必要がないため、精算誤りを解消することもできる。
【0097】
(8−2)
上記実施形態に係る商品管理システム100では、商品に貼付するインジケータ90の種類に応じて値引き条件を設定し、当該値引き条件と経過時間量とに基づいて値引き後の商品の価格(販売価格)が算出される。すなわち、スペシャルフラグの組み合わせを複数設け、当該組み合わせを適宜変更することにより、商品の種類に応じた多様な値引き量を設定することができる。
【0098】
また、複数種類のインジケータ90を用いることができるので、店舗側の意思や要望に応じた商品管理を行うことができる。
【0099】
(9)変形例
(9−1)変形例A
上記実施形態では、バーコードに拡張コードECを含め、拡張コードECによって商品の生産時刻や値引き条件等が特定されるような構成にした。しかし、上記構成に代えて、レジスタ17の入力部(スキャナ)72が、インジケータ90の態様を読み取り、読み取られたインジケータ90の態様に基づいて販売価格が算出されるような構成にしてもよい。
【0100】
具体的には、上記実施形態における、ストアコントローラ12の値引き条件記憶領域24cおよびレジスタの値引き条件記憶領域76cに代えて、図15および図16に示すように、ストアコントローラ12およびレジスタ17に、それぞれ、インジケータ情報記憶領域24e,76dを設ける。インジケータ情報記憶領域24e,76dには、インジケータ情報を記憶する。インジケータ情報は、経過時間量に応じた値引き量を算出するために用いられる情報である。
【0101】
具体的に、インジケータ情報は、インジケータ90の種類に関する情報と、各種のインジケータ90の経過時間量に応じた態様に関する情報と、経過時間に応じた値引き量に関する情報とが含まれる。すなわち、インジケータ情報には、インジケータ90の種類に関する情報の他、経過時間量とインジケータの態様とを関連付けた情報(第3情報に相当)と、経過時間量(あるいはインジケータの態様)と値引き量とを関連付けた情報(第4情報)とが含まれる。これにより、スキャナによってバーコードを読み取ると共に、インジケータ90の態様が読み取られることで、値引き後の商品の価格(販売価格)を算出することができる。これにより、バーコードに拡張コードECを含めることなく、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0102】
(9−2)変形例B
上記実施形態では、インジケータロール送り出し機構によってインジケータロールが繰り出された時刻(繰り出し時刻)を、商品の生産時刻とし、繰り出し時刻記憶領域57eに記憶された繰り出し時刻に基づいて、拡張コードEC(特に、生産時刻に対応するコード)が決定されたが、他のタイミングを生産時刻としてもよい。例えば、包装部54によって商品が包装されたタイミング(包装時刻)を記憶しておき、当該包装時刻が生産時刻として拡張コードECに含まれるように構成されていてもよい。また、インジケータ発行部56の接触部を、インジケータロール送り出し機構の駆動に併せて自動で動作させて開始ボタン91に接触させる構成とし、接触部が開始ボタン91に接触するタイミングを生産時刻としてもよい。
【0103】
(9−3)変形例C
また、上記実施形態では、ラベル発行部55とインジケータ発行部56とが一つの計量包装装置15に含まれる構成を例に挙げて説明したが、ラベル発行部55とインジケータ発行部56とは、別体であってもよい。
【0104】
(9−4)変形例D
上記実施形態では、2桁のスペシャルフラグ(F1,F2)のうち、1桁(F1)をインジケータの種類に割り当て、残りの1桁(F2)を時間に割り当てることにより、値引き条件を設定したが、値引き条件の設定方法は、上記実施形態の内容に限られない。
【符号の説明】
【0105】
11 LAN
12 ストアコントローラ
13 計量包装システム
14 計量包装サーバ
15 計量包装装置
16 POSシステム
17 レジスタ(POSターミナル)
90 インジケータ
100 商品管理システム(値引きシステム)
LB ラベル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】
【特許文献1】特開2003−77068号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の時点から経過した時間の長さに応じて商品の値引きを行う値引きシステムであって、
値引き前の前記商品の価格である第1価格に対応する第1コードを有するラベルを発行するラベル発行ユニットと、
前記経過した時間の長さに応じて態様が変化するインジケータを発行するインジケータ発行ユニットと、
前記第1価格と、前記経過した時間の長さとに基づき、値引き後の前記商品の価格である第2価格を算出する第2価格算出装置と、
を備える、
値引きシステム。
【請求項2】
前記ラベルは、前記特定の時点に関する第2コードをさらに含み、
前記第2価格算出装置は、
前記第1コードと前記第1価格とを関連づけた第1情報、および、前記第2コードと前記特定の時点とを関連づけた第2情報を記憶する関連付け情報記憶領域と、
前記第1コードおよび前記第2コードを読み取る読取装置と、
前記読取装置によって読み取られた前記第2コードと、現在の時刻とに基づいて、前記特定の時点から経過した時間を算出する経過時間算出部と、
前記経過時間算出部によって算出された値に基づいて、前記商品の値引き量を算出する値引き量算出部と、
前記値引き量算出部によって算出された前記商品の値引き量に基づき、前記商品の前記第2価格を算出する第2価格算出部と
を有する、
請求項1に記載の値引きシステム。
【請求項3】
前記ラベルは、前記インジケータの種類に関する第3コードをさらに含み、
前記第2価格算出装置は、
前記インジケータの種類に応じた値引き量を記憶する種類別値引き量記憶領域をさらに有する、
請求項2に記載の値引きシステム。
【請求項4】
前記第2価格算出装置は、
前記第1コードおよび前記インジケータの態様を読み取る読取装置と、
前記第1コードと第1価格とを関連づけた第1情報、前記インジケータの態様と前記経過した時間の長さとを関連付けた第3情報、および、前記経過した時間の長さと前記商品の値引き量とを関連付けた第4情報を記憶する関連付け情報記憶領域と、
前記読取装置によって読み取られた前記第1コードおよび前記インジケータの態様と、前記関連付け情報記憶領域に記憶された前記第1情報、前記第3情報、および前記第4情報に基づき、前記商品の前記第2価格を算出する第2価格算出部と
を有する、
請求項1に記載の値引きシステム。
【請求項5】
前記第2価格算出装置は、
前記インジケータの種類に応じた前記インジケータの態様を記憶する、
請求項4に記載の値引きシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−25601(P2013−25601A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160496(P2011−160496)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】