説明

健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置及びその方法

【課題】ユーザが仰向けから横臥になったことを判断すると、肩部にかかる荷重を自動的に軽減させる健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置及びその方法を提供する。
【解決手段】健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置は、ベッドマットレス1、肩部エアバッグセット22、エアチューブセット3、給排気装置5、圧力センサセット8及び制御装置7を備える。ベッドマットレス1は、複数の貫通孔123が設けられたマット12を内部に有する。肩部エアバッグセット22は、ベッドマットレス1のマット12の頂面で、ユーザの頭部の位置に近い箇所に配置され、給排気孔が設けられて気体が充満された複数のエアバッグS3〜5を有する。エアチューブセット3は、肩部エアバッグセット22のエアバッグS3〜5それぞれの給排気孔に接続された一方の端部と、マット12の貫通孔に貫設された他方の端部とをそれぞれ有する複数のエアチューブ31を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置及びその方法(health bed device for actively supporting neck and shoulder and method thereof)に関し、特に、圧力センサにより検知した各エアバッグ内の圧力値に基づき、ユーザが仰向けから横臥の姿勢になったことを判断し、肩部にかかる負荷を自動的に軽減させる健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の健康ベッドは、形状記憶ベッド、エネルギーベッド(energy bed)など様々なタイプがある。従来のベッドで使用されるマットレスの共通点は、ベッド内のスプリングにより、ユーザの体を受動的に支持することにあるが、実際には、スプリングが上から下方に押圧されるだけで、ユーザの体が支持されていないため、ユーザは眠りが妨げられて不眠症になる虞がある。
【0003】
受動的に支持するベッドの欠点を解決するために、本出願人は、既に脊椎曲線に沿って体を支える技術を出願している(例えば、特許文献1〜4)。しかし特許文献1〜4では、ユーザが横臥の姿勢をとる際、肩部により体重を支えるため、横臥の姿勢を長時間とった場合、肩部により体重を支えられなくなったり、手がしびれたり、肩がこったり、寝違えたりする虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願PCT/CN2007/002585号
【特許文献2】国際特許出願PCT/CN2007/002602号
【特許文献3】国際特許出願PCT/CN2007/002956号
【特許文献4】台湾実用新案登録出願第098209673号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、肩部エアバッグセットのエアバッグの圧力が急激に上昇したことを検知し、ユーザが仰向けから横臥の姿勢をとったと判断すると、上昇したエアバッグの圧力を自動的に所定の設定値まで下げ、肩部にかかる負荷を軽減させる健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置及びその方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、ユーザが横臥の姿勢をとるとき、空気が充填されていない頭部エアバッグセットのエアバッグに対して設定値になるまで給気を行い、肩部を下げて頭部を上げることにより、肩部にかかる負荷を軽減させる健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、ベッドマットレス、肩部エアバッグセット、エアチューブセット、給排気装置、圧力センサセット及び制御装置を備える健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置であって、前記ベッドマットレスは、複数の貫通孔が設けられたマットを内部に有し、前記肩部エアバッグセットは、前記ベッドマットレスの前記マットの頂面で、ユーザの頭部の位置に近い箇所に配置され、給排気孔が設けられて気体が充満された複数のエアバッグを有し、前記エアチューブセットは、前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれの前記給排気孔に接続された一方の端部と、前記マットの前記貫通孔に貫設された他方の端部と、をそれぞれ有する複数のエアチューブを有し、前記給排気装置には、制御スイッチと電気的に接続された複数の排気口が設けられ、前記制御スイッチは、前記エアチューブセットの前記エアチューブに接続され、前記圧力センサセットは、前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグ内の圧力値を検知する複数の圧力センサを有し、前記制御装置は、前記給排気装置と、前記制御スイッチと、前記圧力センサセットの前記圧力センサと、電気的にそれぞれ接続され、前記制御装置は、前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力が上昇したことを示す信号を前記圧力センサから受信すると、ユーザが仰向けから横臥の姿勢になったと判断し、肩部により押圧された前記エアバッグの圧力値が最も高くなると、前記制御スイッチをオンし、前記給排気装置により前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力値を所定の設定値まで下げることを特徴とする健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置が提供される。
【0007】
前記エアチューブが接続された第1のポートと、前記制御スイッチが接続された第2のポートと、前記エアバッグ内の圧力値を検知する前記圧力センサが接続された第3のポートと、を有する三方管をさらに備えることが好ましい。
【0008】
前記制御装置は、入力インタフェースを有するパーソナルコンピュータ、ノート型パソコン又はパーソナルデジタルアシスタントであることが好ましい。
【0009】
上記課題を解決するために、ベッドマットレス、頭部エアバッグセット、肩部エアバッグセット、エアチューブセット、給排気装置、圧力センサセット及び制御装置を備える健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置であって、前記ベッドマットレスは、複数の貫通孔が設けられたマットを内部に有し、前記頭部エアバッグセットは、前記ベッドマットレスの前記マットの頂面で、ユーザの頭部の位置に近い箇所に配置され、給排気孔がそれぞれに設けられ、気体が充填されていない複数のエアバッグを有し、前記肩部エアバッグセットは、前記ベッドマットレスの前記マットの頂面で、ユーザの頭部の位置に近い箇所に配置され、前記給排気孔がそれぞれに設けられ、前記頭部エアバッグセットに対して平行に配列され、気体が充満された複数のエアバッグを有し、前記エアチューブセットは、前記頭部エアバッグセット及び前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれの前記給排気孔に接続された一方の端部と、前記マットの前記貫通孔に貫設された他方の端部と、をそれぞれ有する複数のエアチューブを有し、前記給排気装置は、制御スイッチと電気的に接続された複数の排気口が設けられ、前記制御スイッチは、前記エアチューブセットの前記エアチューブに接続され、前記圧力センサセットは、前記頭部エアバッグセット及び前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグ内の圧力値をそれぞれ検知する複数の圧力センサを有し、前記制御装置は、前記給排気装置と、前記制御スイッチと、前記圧力センサセットの前記圧力センサと、電気的にそれぞれ接続され、前記制御装置は、前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力が上昇したことを示す信号を前記圧力センサから受信すると、ユーザが仰向けから横臥の姿勢になったと判断し、肩部により押圧された前記エアバッグの圧力値が最も高くなったことを検知すると、前記制御スイッチをオンし、前記給排気装置により前記頭部エアバッグセットに対して給気を行って圧力値を設定値まで上昇させ、前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力値を所定の設定値に下げることを特徴とする健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置が提供される。
【0010】
前記ベッドマットレスの前記マットは、前端部の頂面に設けられた階段状の上収納空間と、底面に設けられた下収納空間と、を有し、前記上収納空間と前記下収納空間との間に、前記貫通孔が設けられ、前記頭部エアバッグセットは、前記上収納空間内の階段状の高い位置に配置され、前記肩部エアバッグセットは、前記上収納空間内の階段状の低い位置に配置されることが好ましい。
【0011】
前記エアチューブが接続された第1のポートと、前記制御スイッチが接続された第2のポートと、前記エアバッグ内の圧力値を検知する前記圧力センサが接続された第3のポートと、を有する三方管をさらに備えることが好ましい。
【0012】
前記制御装置は、入力インタフェースを有するパーソナルコンピュータ、ノート型パソコン又はパーソナルデジタルアシスタントであることが好ましい。
【0013】
上記課題を解決するために、ベッドマットレスの頂面に近い箇所に、複数の独立したエアバッグを有する肩部エアバッグセットが配置され、前記エアバッグのそれぞれは1本のエアチューブを介して給排気装置の排気口上の制御スイッチに接続され、前記エアチューブのそれぞれは、圧力センサに接続され、前記圧力センサにより、前記エアバッグの内部圧力を検知し、その検知結果を制御装置に送信し、前記制御装置は、受信した信号に基づき、前記制御スイッチをオンしたりオフしたりし、前記給排気装置により前記エアバッグそれぞれに対して同時に又は個別に給気を行うステップ(1)と、ユーザがベッドに仰向けになり、前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれの圧力値が略同じになると、前記制御装置は、前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力値が上昇したことを示す信号を前記圧力センサから受信し、前記ユーザが仰向けから横臥の姿勢になったと判断し、圧力が最も高く上昇した前記エアバッグは、肩部により押圧された前記エアバッグであると判断するステップ(2)と、前記制御装置は、前記制御スイッチをオンし、前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれに対して排気を行い、前記エアバッグの圧力を所定の設定値に下げるステップ(3)と、前記制御装置は、前記圧力センサが検知した前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグの圧力が初期値に戻ったことを示す信号を前記圧力センサそれぞれから受信すると、前記ユーザが横臥から仰向けの姿勢になったと判断し、前記制御スイッチをオンし、前記給排気装置により、前記肩部エアバッグセットの各前記エアバッグに対して給気を行い、圧力を初期値に戻すステップ(4)と、を含むことを特徴とする健康ベッドの能動的に肩部を支持する方法が提供される。
【0014】
前記ベッドマットレス内の頂面に近い箇所に配置され、前記エアバッグそれぞれの圧力が略0であり、ユーザが横臥すると、前記制御装置が前記制御スイッチをオンし、前記給排気装置により前記頭部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれの内部圧力を所定の設定値まで上昇させる頭部エアバッグセットを更に備えることが好ましい
【発明の効果】
【0015】
本発明の健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置及びその方法は、特許文献1〜4及びその他の従来の製品と比較し、以下の効果を有する。
(1)肩部エアバッグセットのエアバッグの圧力が急激に上昇したことを検知し、ユーザの姿勢が仰向けから横臥になったと判断すると、上昇したエアバッグの圧力を自動的に所定の設定値まで下げ、肩部にかかる負荷を軽減することができる。
(2)ユーザが横臥の姿勢をとるとき、空気が充填されていない頭部エアバッグセットのエアバッグに対して所定の設定値になるまで給気を行い、肩部が下がって頭部が上がるため、肩部にかかる負荷を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置を示す構造図である。
【図3A】本発明の一実施形態による健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置を実際に使用するときの状態を示す断面図である。
【図3B】本発明の一実施形態による健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置を実際に使用するときの状態を示す断面図である。
【図4A】本発明の一実施形態による健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置を実際に使用するときのエアバッグの内部圧力を示すグラフである。
【図4B】本発明の一実施形態による健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置を実際に使用するときのエアバッグの内部圧力を示すグラフである。
【図4C】本発明の一実施形態による健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置を実際に使用するときのエアバッグの内部圧力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0018】
図1及び図2を参照する。図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置は、少なくともベッドマットレス1、頭部エアバッグセット21、肩部エアバッグセット22、エアチューブセット3、給排気装置5、圧力センサセット8及び制御装置7から構成される。
【0019】
ベッドマットレス1は、開口部11が底面に設けられ、マット12を内部に有する。マット12は、前端部に近い頂面に、階段状の上収納空間121が設けられ、下収納空間122が底面に設けられている。上収納空間121と下収納空間122との間には、複数の貫通孔123が設けられている。マット12は、スポンジ、ポケットスプリング(pocket spring)、形状記憶発泡体、可撓性材料(flexible material)又は各種発泡材でもよい。上収納空間121及び下収納空間122は、ベッドマットレス1の頭部近くに設けられている。
【0020】
頭部エアバッグセット21は、最上層211及び複数のエアバッグS1,S2を有する。複数のエアバッグS1,S2は、最上層211の表面に等間隔で配列されている。各エアバッグS1,S2には、給排気孔(図示せず)が設けられている。頭部エアバッグセット21は、マット12の上収納空間121の階段状の高い位置に配置されている。エアバッグS1,S2は、気体が充填されていない状態である。
【0021】
肩部エアバッグセット22は、最上層221及び複数のエアバッグS3〜S5を有する。複数のエアバッグS3〜S5は、最上層221の表面に等間隔で配列されている。各エアバッグS3〜S5には、給排気孔(図示せず)が設けられている。肩部エアバッグセット22は、マット12の上収納空間121の階段状の低い位置に配置されている。エアバッグS3〜S5は、気体が充満した状態であり、このときの各エアバッグS3〜S5の高さは、上収納空間121の高さに略等しい。このため、ベッドマットレス1のベッド面は、肩部エアバッグセット22の気体が充満されたときに膨出することを防ぐことができる。
【0022】
エアチューブセット3は、複数のエアチューブ31を有する。各エアチューブ31は、頭部エアバッグセット21及び肩部エアバッグセット22の各エアバッグS1〜S5の給排気孔に接続された一方の端部と、マット12の貫通孔123に貫設されて下収納空間122を通り、ベッドマットレス1の底面に設けられた開口部11から露出された他方の端部と、を有する。露出されたエアチューブ31の端部は、三方管(three−way tube)4の第1のポート41に接続される。
【0023】
給排気装置5は、複数の排気口(図示せず)を有する。各排気口は、制御スイッチ6と電気的に接続されている(図2参照)。制御スイッチ6は、三方管4の第2のポート42に接続され、給排気装置5は、頭部エアバッグセット21及び肩部エアバッグセット22それぞれのエアバッグS1〜S5の給気及び排気を行うために用いる。
【0024】
圧力センサセット8は、複数の圧力センサ81を有する。この圧力センサ81は、三方管4の第3のポート43に接続され、頭部エアバッグセット21及び肩部エアバッグセット22の各エアバッグS1〜S5の内部圧力を検知するために用いる。
【0025】
制御装置7は、給排気装置5と、制御スイッチ6と、圧力センサセット8の圧力センサ81と電気的にそれぞれ接続されている。制御装置7は、圧力センサ81が検知した圧力信号に基づき、制御スイッチ6のオン・オフを行い、給排気装置5により、頭部エアバッグセット21及び肩部エアバッグセット22のエアバッグS1〜S5に対して給気を行ったり排気を行ったりする。制御装置7は、パーソナルコンピュータ、ノート型パソコン、パーソナルデジタルアシスタント、又はスクリーンもしくは入力インタフェースを有するその他の電子製品でもよい。入力インタフェースは、つまみ、押しボタン、タッチパネル又はリモコン装置でもよい。
【0026】
上述のベッドマットレス1のマット12の頂面は、上層パッド13により被覆され、エアクッション層2を挟持し位置決めすることができる。これにより、横たわるユーザの快適度を高めることができる。上層パッド13は、形状記憶発泡体、ラテックスパッド(latex pad)、各種発泡材、可撓性材料(flexible material)などからなってもよい。
【0027】
給排気装置5をベッドマットレス1に内蔵する場合、エアチューブセット3の各エアチューブ31は、ベッドマットレス1の外側に露出されなくなる。
【0028】
図2、図3A、図3B、図4A〜Cを参照する。図2、図3A、図3B、図4A〜Cに示すように、ユーザ9が、ベッドマットレス1のベッド面上で仰向きの姿勢をとるとき、ユーザ9の頭部は、頭部エアバッグセット21のエアバッグS1,S2に対応した箇所に位置し、頸部及び肩部は、肩部エアバッグセット22のエアバッグS3〜S5に対応した箇所に位置する。このときの頭部エアバッグセット21のエアバッグS1,S2は、気体が充填されていない状態であり、肩部エアバッグセット22のエアバッグS3〜S5は、気体が充満している状態である。ベッドマットレス1のベッド面で、ユーザ9が仰向けの姿勢をとるとき、ユーザ9の体重は、背部により支えられる。この際、圧力センサ81が検知する肩部エアバッグセット22の各エアバッグS3〜S5の内部圧力は、それぞれ略同じである。図4Aに示すように、頭部エアバッグセット21のエアバッグS1,S2の圧力は略0である。肩部エアバッグセット22のエアバッグS3〜S5の圧力は、1kg/cm2である。ユーザ9が、仰向けから横臥の姿勢をとるとき、背部により支えられていた体重は、肩部により支えられるようになる。これにより、肩部エアバッグセット22の各エアバッグS3〜S5の圧力が上昇し、特に、肩部に位置するエアバッグS4の圧力が最も大幅に上昇したことを圧力センサ81が検知する。この際、圧力センサ81は、ユーザ9の姿勢が仰向けから横臥になったことを検知することができる以外に、肩部によりエアバッグS4を下に押圧したことを検知することができる。図3A及び図4Bに示すように、肩部エアバッグセット22のエアバッグS3,S5の圧力が1.5kg/cm2まで上昇し、エアバッグS4の圧力が2kg/cm2に上昇すると、肩部によりエアバッグS4が押圧されたと判断することができる。制御装置7は、圧力センサ81により検知された圧力を受信すると、制御スイッチ6をオンし、給排気装置5により肩部エアバッグセット22のエアバッグS3〜S5の排気を行う。エアバッグS3〜S5の内部圧力が所定の設定値まで下がると、制御スイッチ6をオフする。同様に、制御装置7が制御スイッチ6をオンすると、給排気装置5は、頭部エアバッグセット21のエアバッグS1,S2に対して給気を行い、エアバッグS1,S2の圧力を所定の設定値まで上昇させると、制御スイッチ6をオフする。図3B及び図4Cに示すように、肩部エアバッグセット22のエアバッグS3,S5の圧力が1kg/cm2に下がり、エアバッグS4の圧力が1.5kg/cm2に下がり、頭部エアバッグセット21のエアバッグS1,S2により、0.5kg/cm2になるまで給気される。これにより、ユーザは、肩部が下がって頭部が上がるため、横臥の姿勢を快適にとることができる。
【0029】
図4A〜図4Cを参照する。図4A〜図4Cに示す圧力値は、本発明の技術特徴を表す好適な実施形態の一態様であり、本発明の特許請求の範囲を何ら制限するものではない。
【0030】
ユーザ9は、頭部エアバッグセット21の圧力上昇又は肩部エアバッグセット22の圧力降下が足りないと感じた場合、制御装置7の入力インタフェースにより、各エアバッグS1〜S5に対して給気量又は排気量を調整することができる。
【0031】
制御装置7は、肩部エアバッグセット22のエアバッグS3〜S5の圧力が初期値に回復したことを示す信号を圧力センサ81から受信すると、ユーザ9が横臥から仰向けの姿勢になったと判断し、制御スイッチ6をオンする。これにより、給排気装置5は、頭部エアバッグセット21のエアバッグS1,S2に対して排気を行って完全に放圧し、肩部エアバッグセット22の各エアバッグS3〜S5に対し、圧力が初期値に回復するまで給気を行う。
【0032】
上述したことから分かるように、本発明の健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置及びその方法は、特許文献1〜4及びその他の従来の製品と比較した場合、以下(1)及び(2)の効果を有する。
(1)肩部エアバッグセットのエアバッグの圧力が急激に上昇したことを検知し、ユーザの姿勢が仰向けから横臥になったと判断したときに、上昇したエアバッグの圧力を自動的に所定の設定値まで下げ、肩部にかかる負荷を軽減させることができる。
(2)ユーザが横臥の姿勢になるとき、空気が充填されていない頭部エアバッグセットのエアバッグに対して所定の設定値になるまで給気を行い、肩部を下げて頭部を上げることにより、肩部にかかる負荷を軽減させることができる。
【0033】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0034】
1 ベッドマットレス
3 エアチューブセット
4 三方管
5 給排気装置
6 制御スイッチ
7 制御装置
8 圧力センサセット
9 ユーザ
11 開口部
12 マット
13 上層パッド
21 頭部エアバッグセット
22 肩部エアバッグセット
31 エアチューブ
41 第1のポート
42 第2のポート
43 第3のポート
81 圧力センサ
121 上収納空間
122 下収納空間
123 貫通孔
211 最上層
221 最上層
S1 エアバッグ
S2 エアバッグ
S3 エアバッグ
S4 エアバッグ
S5 エアバッグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドマットレス、肩部エアバッグセット、エアチューブセット、給排気装置、圧力センサセット及び制御装置を備える健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置であって、
前記ベッドマットレスは、複数の貫通孔が設けられたマットを内部に有し、
前記肩部エアバッグセットは、前記ベッドマットレスの前記マットの頂面で、ユーザの頭部の位置に近い箇所に配置され、給排気孔が設けられて気体が充満された複数のエアバッグを有し、
前記エアチューブセットは、前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれの前記給排気孔に接続された一方の端部と、前記マットの前記貫通孔に貫設された他方の端部と、をそれぞれ有する複数のエアチューブを有し、
前記給排気装置には、制御スイッチと電気的に接続された複数の排気口が設けられ、前記制御スイッチは、前記エアチューブセットの前記エアチューブに接続され、
前記圧力センサセットは、前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグ内の圧力値を検知する複数の圧力センサを有し、
前記制御装置は、前記給排気装置と、前記制御スイッチと、前記圧力センサセットの前記圧力センサと、電気的にそれぞれ接続され、
前記制御装置は、前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力が上昇したことを示す信号を前記圧力センサから受信すると、ユーザが仰向けから横臥の姿勢になったと判断し、肩部により押圧された前記エアバッグの圧力値が最も高くなると、前記制御スイッチをオンし、前記給排気装置により前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力値を所定の設定値まで下げることを特徴とする健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置。
【請求項2】
前記エアチューブが接続された第1のポートと、前記制御スイッチが接続された第2のポートと、前記エアバッグ内の圧力値を検知する前記圧力センサが接続された第3のポートと、を有する三方管をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置。
【請求項3】
前記制御装置は、入力インタフェースを有するパーソナルコンピュータ、ノート型パソコン又はパーソナルデジタルアシスタントであることを特徴とする請求項1に記載の健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置。
【請求項4】
ベッドマットレス、頭部エアバッグセット、肩部エアバッグセット、エアチューブセット、給排気装置、圧力センサセット及び制御装置を備える健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置であって、
前記ベッドマットレスは、複数の貫通孔が設けられたマットを内部に有し、
前記頭部エアバッグセットは、前記ベッドマットレスの前記マットの頂面で、ユーザの頭部の位置に近い箇所に配置され、給排気孔がそれぞれに設けられ、気体が充填されていない複数のエアバッグを有し、
前記肩部エアバッグセットは、前記ベッドマットレスの前記マットの頂面で、ユーザの頭部の位置に近い箇所に配置され、前記給排気孔がそれぞれに設けられ、前記頭部エアバッグセットに対して平行に配列され、気体が充満された複数のエアバッグを有し、
前記エアチューブセットは、前記頭部エアバッグセット及び前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれの前記給排気孔に接続された一方の端部と、前記マットの前記貫通孔に貫設された他方の端部と、をそれぞれ有する複数のエアチューブを有し、
前記給排気装置は、制御スイッチと電気的に接続された複数の排気口が設けられ、前記制御スイッチは、前記エアチューブセットの前記エアチューブに接続され、
前記圧力センサセットは、前記頭部エアバッグセット及び前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグ内の圧力値をそれぞれ検知する複数の圧力センサを有し、
前記制御装置は、前記給排気装置と、前記制御スイッチと、前記圧力センサセットの前記圧力センサと、電気的にそれぞれ接続され、
前記制御装置は、前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力が上昇したことを示す信号を前記圧力センサから受信すると、ユーザが仰向けから横臥の姿勢になったと判断し、肩部により押圧された前記エアバッグの圧力値が最も高くなったことを検知すると、前記制御スイッチをオンし、前記給排気装置により前記頭部エアバッグセットに対して給気を行って圧力値を設定値まで上昇させ、前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力値を所定の設定値に下げることを特徴とする健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置。
【請求項5】
前記ベッドマットレスの前記マットは、前端部の頂面に設けられた階段状の上収納空間と、底面に設けられた下収納空間と、を有し、
前記上収納空間と前記下収納空間との間に、前記貫通孔が設けられ、
前記頭部エアバッグセットは、前記上収納空間内の階段状の高い位置に配置され、
前記肩部エアバッグセットは、前記上収納空間内の階段状の低い位置に配置されることを特徴とする請求項4に記載の健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置。
【請求項6】
前記エアチューブが接続された第1のポートと、前記制御スイッチが接続された第2のポートと、前記エアバッグ内の圧力値を検知する前記圧力センサが接続された第3のポートと、を有する三方管をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置。
【請求項7】
前記制御装置は、入力インタフェースを有するパーソナルコンピュータ、ノート型パソコン又はパーソナルデジタルアシスタントであることを特徴とする請求項4に記載の健康ベッドの能動的に肩部を支持する装置。
【請求項8】
ベッドマットレスの頂面に近い箇所に、複数の独立したエアバッグを有する肩部エアバッグセットが配置され、前記エアバッグのそれぞれは1本のエアチューブを介して給排気装置の排気口上の制御スイッチに接続され、前記エアチューブのそれぞれは、圧力センサに接続され、前記圧力センサにより、前記エアバッグの内部圧力を検知し、その検知結果を制御装置に送信し、前記制御装置は、受信した信号に基づき、前記制御スイッチをオンしたりオフしたりし、前記給排気装置により前記エアバッグそれぞれに対して同時に又は個別に給気を行うステップ(1)と、
ユーザがベッドに仰向けになり、前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれの圧力値が略同じになると、前記制御装置は、前記肩部エアバッグセットそれぞれの前記エアバッグの圧力値が上昇したことを示す信号を前記圧力センサから受信し、前記ユーザが仰向けから横臥の姿勢になったと判断し、圧力が最も高く上昇した前記エアバッグは、肩部により押圧された前記エアバッグであると判断するステップ(2)と、
前記制御装置は、前記制御スイッチをオンし、前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれに対して排気を行い、前記エアバッグの圧力を所定の設定値に下げるステップ(3)と、
前記制御装置は、前記圧力センサが検知した前記肩部エアバッグセットの前記エアバッグの圧力が初期値に戻ったことを示す信号を前記圧力センサそれぞれから受信すると、前記ユーザが横臥から仰向けの姿勢になったと判断し、前記制御スイッチをオンし、前記給排気装置により、前記肩部エアバッグセットの各前記エアバッグに対して給気を行い、圧力を初期値に戻すステップ(4)と、を含むことを特徴とする健康ベッドの能動的に肩部を支持する方法。
【請求項9】
前記ベッドマットレス内の頂面に近い箇所に配置され、前記エアバッグそれぞれの圧力が略0であり、ユーザが横臥すると、前記制御装置が前記制御スイッチをオンし、前記給排気装置により前記頭部エアバッグセットの前記エアバッグそれぞれの内部圧力を所定の設定値まで上昇させる頭部エアバッグセットを更に備えることを特徴とする請求項8に記載の健康ベッドの能動的に肩部を支持する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2011−255175(P2011−255175A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122044(P2011−122044)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(596146359)
【Fターム(参考)】