説明

健康増進システム

【課題】点検時期の到来を使用者に報知して、健康増進機器の点検を使用者に促すことができる健康増進システムを提供する。
【解決手段】健康増進機器1とサーバ装置2とがネットワーク3を介して接続される。健康増進機器1は、使用者の体に対して作用して使用者の健康を増進させる作用部11と、作用部11が使用される毎にその動作時間および動作内容を含む動作情報を、通信部16からサーバ装置2へ送信させるとともに、通信部16がサーバ装置2から点検通知信号を受信すると、点検時期を報知するための表示を表示部13に表示させるとともにブザー14を一定時間鳴動させる演算処理部10とを備える。サーバ装置2は、健康増進機器1から送信された動作情報を記憶する記憶部22と、記憶部22に記憶された動作情報に基づいて点検時期に到達したと判断すると、通信部21から健康増進機器1へ点検通知信号を送信させる演算処理部20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康増進システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、健康増進のための健康増進機器として、例えば使用者に他動的な運動を行わせる他動運動機器のように運動に資する機器(以下、運動関連機器と言う。)や、例えばマッサージ機のように体調の回復に資する機器(以下、回復関連機器と言う。)が提供されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−21231号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した他動運動機器やマッサージ機では、動作時間や動作内容によって製品の点検時期が異なるのであるが、従来はメンテナンス時期を使用者に報知する機能が設けられていなかったため、点検時期を過ぎた後も他動運動機器やマッサージ機が使用され続ける場合があった。そのため、適切なタイミングで点検を実施することができず、他動運動機器やマッサージ機の異常を事前に発見することができない場合があった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、点検時期の到来を使用者に報知して、健康増進機器の点検を使用者に促すことができる健康増進システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、健康増進機器とサーバ装置とがネットワークを介して接続され、健康増進機器に、使用者の体に対して作用して使用者の健康を増進させる作用部と、当該作用部の動作時間または動作内容のうち少なくとも何れか1つを含む動作情報をネットワークを介してサーバ装置へ送信させる送信部と、サーバ装置からネットワークを介して点検通知信号を受信すると、使用者に点検時期を報知する点検時期報知部とを設けるとともに、サーバ装置に、健康増進機器からネットワークを介して送信された動作情報を記憶する動作情報記憶部と、動作情報記憶部に記憶された動作情報に基づいて点検時期に到達したと判断すると、当該健康増進機器へネットワークを介して点検通知信号を送信する点検時期判断部とを設けたことを特徴とする。ここにおいて健康増進機器とは、他動運動機器のように運動に資する運動関連機器や、マッサージ機のように体調の回復に資する回復関連機器のことを言う。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、健康増進機器に、サーバ装置からネットワークを介して点検通知信号を受信すると、作用部の動作を停止させる動作停止部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、健康増進機器に、サーバ装置からネットワークを介して点検通知信号を受信すると、作用部の動作量を制限する動作量制限部を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、健康増進機器に、サーバ装置からネットワークを介して点検通知信号を受信すると、作用部の1回当たりの動作時間を短縮する動作時間制限部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの発明において、サーバ装置の点検時期判断部は、作用部の動作時間に動作内容に応じた重み付けを行って運転時間を算出し、当該運転時間の積算値と所定の基準時間とを比較することで点検時期に到達したか否かを判断することを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの発明において、健康増進機器に作用部の動作状態を検出する動作検出部を設け、作用部の動作不良を動作検出部が検出すると、送信部が、作用部の動作不良を報知する報知信号をネットワークを介してサーバ装置へ送信し、サーバ装置に、健康増進機器からネットワークを介して送信された報知信号を受信すると、サーバ装置の管理者に健康増進機器の動作不良を報知する動作不良報知部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、サーバ装置の動作情報記憶部に、健康増進機器の動作時間または動作内容のうち少なくとも何れか一つを含む動作情報が記憶されており、この動作情報に基づいて点検時期判断部が点検時期に到達したと判断すると、点検通知信号を健康増進機器へ送信しているので、健康増進機器の点検時期報知部により点検時期を報知させることで、使用者に対して健康増進機器の点検を促すことができる。したがって、適切なタイミングで点検を実施することができ、健康増進機器の異常を事前に発見することができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、点検時期に到達した後は、動作停止部が作用部の動作を停止させているので、作用部に異常や故障が発生するのを防止することができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、点検時期に到達した後は、動作量制限部が作用部の動作量を制限しているので、作用部の動作量を少なくして寿命を延ばすことができ、且つ、作用部の動作量を抑制することで異常や故障が発生する可能性を低減することもできる。
【0014】
請求項4の発明によれば、点検時期に到達した後は、動作時間制限部が作用部の1回当たりの動作時間を短縮しているので、作用部の動作を抑制して寿命を延ばすとともに、異常や故障が発生する可能性を低減することができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、サーバ装置の点検時期判断部は、作用部の動作時間に動作内容に応じた重み付けを行って運転時間を算出しており、動作時間のみから点検時期を判断する場合に比べて、実際の動作内容を考慮して点検時期を判断することができる。
【0016】
請求項6の発明によれば、健康増進機器の動作検出部が作用部の動作不良を検出すると、作用部の動作不良を報知する報知信号がサーバ装置へ送信され、サーバ装置の動作不良報知部により健康増進機器の動作不良が報知されるので、サーバ装置の管理者に健康増進機器の動作不良を知らしめることができ、サーバ装置の管理者側から健康増進機器の動作不良に対処することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は本発明に係る健康増進システムの概略的なブロック構成図であり、例えばマッサージ機からなる健康増進機器1とサーバ装置2とをネットワーク3を介して接続してある。
【0019】
健康増進機器1は、例えばマイクロコンピュータからなり各回路要素の全体的な制御を行う演算処理部10と、体の各部をマッサージするマッサージ機能を備えた作用部11と、マッサージの部位、強さ、動きなどを設定する設定操作や、今回使用するユーザ名を入力するユーザ入力操作などの操作を行うための操作部12と、液晶ディスプレイなどで構成され操作部12により設定された設定内容や運転状態を表示するための表示部13と、演算処理部10からの制御信号に応じて鳴動するブザー14と、作用部11を動作させるためのプログラムや、動作時間および動作内容を少なくとも含む動作情報などを記憶する記憶部15と、ネットワーク3を介してデータ通信を行うための通信部16と、作用部11の動作状態を常時監視する動作検出部17とを備える。なお以下では健康増進機器1としてマッサージ機のような回復関連機器を例に説明を行うが、健康増進機器1をマッサージ機に限定する趣旨のものではなく、健康増進機器1として、ユーザに運動を行わせることで健康増進を図る運動関連機器を用いても良い。すなわち、健康増進機器1の備える機能に応じて作用部11を構成すれば良く、例えば健康増進機器1が、ユーザの乗る鞍状の座席部を揺動させることによって、乗馬を模した運動をユーザに行わせる乗馬型の他動運動機器で構成される場合は、使用者の座る座席部と、当該座席部を揺動させる揺動機構部とで作用部11を構成すれば良い。
【0020】
一方、サーバ装置2は、各回路要素の全体的な制御を行う演算処理部20と、ネットワーク3を介してデータ通信を行うための通信部21と、通信部21が健康増進機器1から受信した動作情報を記憶する記憶部22(動作情報記憶部)と、表示部23と、ブザー24とを備えている。
【0021】
次に本システムの利用方法について、図2(a)〜(c)のフロー図を参照して説明を行う。なお、健康増進機器1およびサーバ装置2には個別のアドレスデータが予め割り当てられており、当該アドレスデータを含めた伝送信号を送信することによって、健康増進機器1とサーバ装置2との間でデータの授受を行うことができる。
【0022】
図2(a)は健康増進機器1を用いてマッサージを行う際の動作を説明するフロー図であり、使用者が健康増進機器1の操作部12を操作して、電源のオン操作や、今回利用するマッサージの種類(例えば「揉み」、「たたき」、「背すじのばし」など)や強さ(強度レベル)などの動作内容や動作時間を入力する操作を行った後(ステップS1)、開始操作を行うと(ステップS2)、演算処理部10が、操作部12を用いた入力内容にしたがって作用部11を動作させることで、使用者に対してマッサージを実施する(ステップS3)。
【0023】
そして、操作部12を用いて設定された動作時間が経過するか、或いは、使用者が操作部12を用いて終了操作を行うと、演算処理部10は、作用部11の動作を停止させるとともに、今回の動作情報(動作時間および動作内容)を記憶部15に記憶させた後(ステップS4)、記憶部15に記憶させた動作情報を送信部たる通信部16からサーバ装置2へ送信させる(ステップS5)。
【0024】
図2(b)は健康増進機器1からの動作情報を受信したサーバ装置2の動作を説明するフロー図であり、サーバ装置2では、通信部21が健康増進機器1から送信された動作情報を受信し(ステップS6)、演算処理部20が、通信部21の受信した動作情報を記憶部22に記憶させるとともに(ステップS7)、この動作情報(動作時間および動作内容)に基づいて点検時期に到達したか否かを判断する。尚、演算処理部20では動作時間と動作内容の両方を用いて点検時期を判断しているが、動作時間又は動作内容の何れか一方を用いて点検時期を判断しても良い。
【0025】
ここで、演算処理部20による点検時期の判断処理について以下に詳述する。点検時期判断部としての演算処理部20は、健康増進機器1から送信された動作時間t1に、動作内容に応じた重み付けを行って運転時間を算出しており、例えばマッサージ機の場合には下記の式(1)を用いて運転時間t2を算出する(ステップS8)。
【0026】
t2=a×b×t1 …(1)
但し、aはマッサージの種別に応じた係数であり、「たたき」>「もみ」>「背筋のばし」の順番で係数aの値が小さくなっている。またbはマッサージの強度レベル(1〜3の3段階)に対応した係数であり、強度レベルが高いほど係数bの値も大きくなっている。
【0027】
また、健康増進機器1が乗馬型の他動運動機器の場合には、座席部を揺動させる速度や、座席部の傾斜(水平、前傾または後傾)を調整することが可能であり、速度が速いほど、また座席部を水平にした場合に比べて前傾または後傾させた場合の方が各部に加わる荷重が大きくなると考えられる。したがって、速い速度で使用される場合や前傾または後傾させた状態で使用される場合が多いほど、点検の時期を早める必要があると考えられるので、以下の式(2)を用いて運転時間t2を算出すれば良い。
【0028】
t2=c×d×t1 …(2)
但し、cは座席部の速度レベルに応じた係数であり、速度レベルが速いほど係数cの値が大きくなっている。また、dは座席部の傾斜に応じた係数であり、座席部を水平にした場合に比べて、座席部を前傾又は後傾させた場合の方が係数dの値を大きくしてある。
【0029】
そして、演算処理部20は、上記の演算式[マッサージ機の場合は式(1)、乗馬型の他動運動機器の場合は式(2)]を用いて求めた運転時間t2の積算値と、予め設定された所定の基準時間Taとを比較することで、点検時期に到達したか否かを判断しており(ステップS9)、運転時間t2の積算値が基準時間Ta未満であれば点検時期に到達していないと判断して処理を終了し、運転時間t2の積算値が基準時間Ta以上であれば点検時期に到達したと判断し、通信部21から、動作情報の送信元の健康増進機器1へ点検通知信号を送信させる(ステップS10)。
【0030】
また図2(c)はサーバ装置2からの点検通知信号を受信した健康増進機器1の動作を説明するフロー図であり、健康増進機器1の通信部16がネットワーク3を介して送信された点検通知信号を受信すると(ステップS11)、演算処理部10が、通信部16の受信した点検通知信号に基づいて、点検時期に到達したことを知らせる表示を表示部13に表示させるとともに、ブザー14を一定時間鳴動させて点検時期を報知する(ステップS12)。ここに、表示部13およびブザー14から点検時期報知部が構成される。
【0031】
その後、健康増進機器1の保守・点検作業が実施されると、健康増進機器1の演算処理部10が、通信部16を用いてサーバ装置2へ点検終了信号を送信させており、この点検終了信号を受信したサーバ装置2は、送信元の健康増進機器1の運転時間をゼロにリセットし、その後健康増進機器1が使用されると、再び運転時間の積算処理を開始し、点検時期に到達したか否かを判断する。
【0032】
このように本実施形態では、健康増進機器1が使用される度に、その時の動作情報(動作内容および動作時間)が健康増進機器1からサーバ装置2へ送信されて、サーバ装置2の記憶部22に記憶されており、記憶部22に記憶された動作情報に基づいてサーバ装置2の演算処理部20(点検時期判断部)が点検時期に到達したか否かを判断している。そして、サーバ装置2の演算処理部20では、健康増進機器1の点検時期に到達したと判断すると、通信部21から健康増進機器1へ点検通知信号を送信させており、この点検通知信号を受信した健康増進機器1では表示部13およびブザー14を用いて点検時期の報知動作を行っているので、健康増進機器1の使用者に対して健康増進機器1の点検を促すことができる。したがって、健康増進機器1の保守・点検作業を適切なタイミングで実施させることができ、健康増進機器1の異常を事前に発見することができる。
【0033】
なお上述の実施形態では、サーバ装置2から健康増進機器1へ点検通知信号が送信された際に、健康増進機器1では、点検時期に到達したことを報知しているだけであるが、点検時期に到達した後は作用部11の動作を停止する処理や、動作量を制限する処理を行うようにしても良い。
【0034】
図3(a)のフロー図は、点検時期が来ると、動作停止部たる演算処理部10が作用部11の動作を停止させる場合の健康増進機器1の動作を示している。健康増進機器1の通信部16が、サーバ装置2からネットワーク3を介して送信された点検通知信号を受信すると(ステップS13)、演算処理部10が、通信部16の受信した点検通知信号に基づいて、点検時期に到達したことを知らせる表示を表示部13に表示させるとともに、ブザー14を一定時間鳴動させて点検時期を報知した後(ステップS14)、作用部11の動作を強制的に停止させており(ステップS15)、点検時期に到達した後も作用部11を使い続けることで、作用部11に異常や故障が発生するのを防止することができる。その後、演算処理部10は、保守・点検作業が実施されるか否かを監視しており(ステップS16)、保守・点検作業が実施されるまでの間、表示部13による点検時期の表示処理と作用部11の動作停止状態を継続し、保守・点検作業の実施を検出すると、表示部13による点検時期の表示を停止するとともに(ステップS17)、作用部11の動作を許可する(ステップS18)。また演算処理部10は、通信部16を用いてサーバ装置2へ点検終了信号を送信させており、この点検終了信号を受信したサーバ装置2は、送信元の健康増進機器1の運転時間をゼロにリセットし、その後健康増進機器1が使用されると、再び運転時間の積算処理を開始し、点検時期に到達したか否かを判断する。
【0035】
また図3(b)のフロー図は、点検時期が来ると、動作量制限部としての演算処理部10が作用部11の動作量を制限する場合の健康増進機器1の動作を示している。健康増進機器1の通信部16が、サーバ装置2からネットワーク3を介して送信された点検通知信号を受信すると(ステップS19)、演算処理部10が、通信部16の受信した点検通知信号に基づいて、点検時期に到達したことを知らせる表示を表示部13に表示させるとともに、ブザー14を一定時間鳴動させて点検時期を報知した後(ステップS20)、作用部11の動作量を制限する処理を行う(ステップS21)。ここで、演算処理部10では、例えばマッサージの速度レベルの最大値をレベル9からレベル5に制限するとともに、マッサージの強弱レベルの最大値をレベル3からレベル1に制限する処理を行っており、点検時期に到達した後は、演算処理部10が作用部11の動作量を制限しているので、作用部11の動作量を少なくして寿命を延ばすことができ、且つ、作用部11の動作量を抑制することで異常や故障が発生する可能性を低減することができる。その後、演算処理部10は、保守・点検作業が実施されるか否かを監視しており(ステップS22)、保守・点検作業が実施されるまでの間、表示部13による点検時期の表示処理と作用部11の動作量を制限する処理を継続し、保守・点検作業の実施を検出すると、表示部13による点検時期の表示を停止するとともに(ステップS23)、作用部11の動作制限を解除する(ステップS24)。また演算処理部10は、通信部16を用いてサーバ装置2へ点検終了信号を送信させており、この点検終了信号を受信したサーバ装置2は、送信元の健康増進機器1の運転時間をゼロにリセットし、その後健康増進機器1が使用されると、再び運転時間の積算処理を開始し、点検時期に到達したか否かを判断する。
【0036】
また更に、上述の実施形態では、サーバ装置2から健康増進機器1へ点検通知信号が送信されると、健康増進機器1において作用部11の動作を停止したり、動作量を制限しているが、動作時間制限部としての演算処理部10が、作用部11の1回当たりの動作時間を短縮するようにしても良く、この場合の処理について図4(a)(b)を参照して説明する。
【0037】
図4(a)は健康増進機器1からの動作情報を受信したサーバ装置2の動作を説明するフロー図であり、サーバ装置2では、通信部21が健康増進機器1から送信された動作情報を受信し(ステップS25)、演算処理部20が、通信部21の受信した動作情報を記憶部22に記憶させるとともに(ステップS26)、この動作情報(動作時間および動作内容)に基づいて点検時期に到達したか否かを判断する。
【0038】
ここで、演算処理部20による点検時期の判断処理について以下に詳述する。点検時期判断部としての演算処理部20は、健康増進機器1から送信された動作時間t1に、動作内容に応じた重み付けを行って運転時間を算出しており、例えばマッサージ機の場合には上述した式(1)を用いて運転時間t2を算出する(ステップS27)。
【0039】
そして、演算処理部20は、ステップS27で求めた運転時間t2の積算値と、予め設定された所定の基準時間Taとを比較することで、点検時期に到達したか否かを判断しており(ステップS28)、運転時間t2の積算値が基準時間Ta未満であれば点検時期に到達していないと判断して処理を終了し、運転時間t2の積算値が基準時間Ta以上であれば点検時期に到達したと判断して、動作情報の送信元の健康増進機器1へ点検通知信号を送信させた後(ステップS29)、運転時間t2の積算値と基準時間Tb(Tb>Ta)との大小を比較する(ステップS30)。そして、ステップS30の判定において運転時間t2の積算値が基準時間Tb未満であれば、演算処理部20は、動作時間を9分に制限する制限信号Aを通信部21から健康増進機器1へ送信させた後(ステップS31)、処理を終了する。またステップS30の判定において運転時間t2の積算値が基準時間Tb以上であれば、演算処理部20は、運転時間t2の積算値と基準時間Tc(Tc>Tb)との大小を比較し(ステップS32)、運転時間t2が基準時間tc未満であれば、動作時間を6分に制限する制限信号Bを通信部21から健康増進機器1へ送信させた後(ステップS33)、処理を終了する。一方、ステップS32の判定において運転時間t2の積算値が基準時間Tc以上であれば、演算処理部20は、動作時間を3分に制限する制限信号Cを通信部21から健康増進機器1へ送信させた後(ステップS33)、処理を終了する。
【0040】
また図4(b)はサーバ装置2からの点検通知信号を受信した健康増進機器1の動作を説明するフロー図であり、健康増進機器1の演算処理部10は、通信部16による点検通知信号の受信状態を監視しており、通信部16がサーバ装置2からネットワーク3を介して送信された点検通知信号を受信すると(ステップS35)、演算処理部10が、通信部16の受信した点検通知信号に基づいて、点検時期に到達したことを知らせる表示を表示部13に表示させるとともに、ブザー14を一定時間鳴動させて点検時期を報知する(ステップS36)。その後、健康増進機器1の通信部16がサーバ装置2から送信された制限信号を受信すると、演算処理部10は受信した制限信号がA,B,Cの何れであるかを判断し(ステップS37)、制限信号Aであれば1回当たりの動作時間(例えば、「揉み」「たたき」「背筋のばし」などのメニューの利用時間)を通常時の15分から9分に短縮し(ステップS38)、制限信号Bであれば1回当たりの動作時間を9分から6分に短縮し(ステップS39)、制限信号Cであれば1回当たりの動作時間を6分から3分に短縮する(ステップS40)。
【0041】
その後、演算処理部10は、保守・点検作業が実施されるか否かを監視しており(ステップS41)、保守・点検作業の実施を検出できなければステップS37に戻って上述の処理を繰り返し、保守・点検作業の実施を検出すると、表示部13による点検時期の表示を停止するとともに(ステップS42)、動作時間の制限を解除する(ステップS43)。また演算処理部10は、通信部16を用いてサーバ装置2へ点検終了信号を送信させており、この点検終了信号を受信したサーバ装置2は、送信元の健康増進機器1の運転時間をゼロにリセットし、その後健康増進機器1が使用されると、再び運転時間の積算処理を開始し、点検時期に到達したか否かを判断する。
【0042】
上述のように、演算処理部10では、点検時期に到達するまでの間は作用部11の1回当たりの動作時間を15分とし、その後点検時期に到達すると(運転時間t2の積算値が基準時間Ta以上になると)、1回当たりの動作時間を9分に短縮しているので、作用部11の動作時間を短縮することで寿命を延ばすことができ、且つ、作用部11の動作を抑制することで異常や故障が発生する可能性を低減することもできる。また、点検時期に到達した後も健康増進機器1が使用され続け、運転時間t2の積算値がTb以上になると、演算処理部10は1回当たりの動作時間を6分に短縮し、さらに運転時間t2の積算値が基準時間Tc以上になると、演算処理部10は1回当たりの動作時間を3分に短縮しており、運転時間t2の積算値が延びるにしたがって、作用部11の1回当たりの動作時間を段階的に短くしているので、作用部11の寿命をさらに延ばすことができ、また作用部11の動作を抑制することで異常や故障が発生する可能性をさらに低減できる。
【0043】
また上述の実施形態において、健康増進機器1の動作検出部17が作用部11の動作不良を検出して、検出信号を演算処理部10に出力すると、演算処理部10が、作用部11の動作不良を報知する報知信号を、送信部としての通信部16からネットワーク3を介してサーバ装置2へ送信させている。このときサーバ装置2では、健康増進機器1からネットワーク3を介して送信された報知信号を受信すると、健康増進機器1の動作不良を知らせる表示を表示部23に表示させるとともに、ブザー24を一定時間鳴動させて、サーバ装置2の管理者に健康増進機器1の動作不良を報知する。ここで、サーバ装置2の記憶部22に健康増進機器1の設置場所や所有者の連絡先などの情報が保管されていれば、健康増進機器1の動作不良を報知する際に、動作不良の発生した健康増進機器1の設置場所や連絡先などの情報を表示部23に表示させることが好ましく、サーバ装置2の管理者側から所有者に連絡をとったり、保守作業員を派遣したりすることによって、健康増進機器1の動作不良に早期に対応することが可能になる。ここにおいて、表示部23とブザー24とで動作不良報知部が構成される。
【0044】
また更に上述の実施形態ではネットワーク3に健康増進機器1が1台しか接続されていないが、健康増進機器1の台数を1台に限定する趣旨のものではなく、複数台の健康増進機器1をネットワーク3に接続しても良い。この場合、サーバ装置2により複数台の健康増進機器1の運転時間t2をそれぞれ検出し、各健康増進機器1の運転時間t2を所定の基準時間と比較することで、点検時期に到達したか否かを判断することができる。またサーバ装置2において基準時間の設定を変更すれば、複数台の健康増進機器1について点検時期を判断する基準を一括して変更できるので、使い勝手が向上するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態のシステム構成を概略的に説明するブロック構成図である。
【図2】(a)〜(c)は同上の動作を説明するフローチャートである。
【図3】(a)(b)は同上の動作を説明するフローチャートである。
【図4】(a)(b)は同上の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 健康増進機器
2 サーバ装置
3 ネットワーク
10 演算処理部
11 作用部
13 表示部
14 ブザー
16 通信部
20 演算処理部
21 通信部
22 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康増進機器とサーバ装置とがネットワークを介して接続され、
健康増進機器に、使用者の体に対して作用して使用者の健康を増進させる作用部と、当該作用部の動作時間または動作内容のうち少なくとも何れか1つを含む動作情報をネットワークを介してサーバ装置へ送信させる送信部と、サーバ装置からネットワークを介して点検通知信号を受信すると、使用者に点検時期を報知する点検時期報知部とを設けるとともに、
サーバ装置に、健康増進機器からネットワークを介して送信された動作情報を記憶する動作情報記憶部と、動作情報記憶部に記憶された動作情報に基づいて点検時期に到達したと判断すると、当該健康増進機器へネットワークを介して点検通知信号を送信する点検時期判断部とを設けたことを特徴とする健康増進システム。
【請求項2】
前記健康増進機器に、前記サーバ装置から前記ネットワークを介して点検通知信号を受信すると、前記作用部の動作を停止させる動作停止部を設けたことを特徴とする請求項1記載の健康増進システム。
【請求項3】
前記健康増進機器に、前記サーバ装置から前記ネットワークを介して点検通知信号を受信すると、前記作用部の動作量を制限する動作量制限部を設けたことを特徴とする請求項1記載の健康増進システム。
【請求項4】
前記健康増進機器に、前記サーバ装置から前記ネットワークを介して点検通知信号を受信すると、前記作用部の1回当たりの動作時間を短縮する動作時間制限部を設けたことを特徴とする請求項1記載の健康増進システム。
【請求項5】
前記点検時期判断部は、前記作用部の動作時間に動作内容に応じた重み付けを行って運転時間を算出し、当該運転時間の積算値と所定の基準時間とを比較することで点検時期に到達したか否かを判断することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の健康増進システム。
【請求項6】
前記健康増進機器に前記作用部の動作状態を検出する動作検出部を設け、作用部の動作不良を動作検出部が検出すると、前記送信部が、作用部の動作不良を報知する報知信号をネットワークを介して前記サーバ装置へ送信し、サーバ装置に、健康増進機器からネットワークを介して送信された報知信号を受信すると、サーバ装置の管理者に健康増進機器の動作不良を報知する動作不良報知部を設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の健康増進システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−112337(P2009−112337A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285322(P2007−285322)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】