説明

健康補助食品

【課題】栄養源となるとともに、体内に蓄積した有害物質を分解、無毒化又は排出することができる機能を有する、スピルリナを含有する健康補助食品を提供する。
【解決手段】スピルリナの含有率が50wt%以上であり、かつ、硫化アリル、亜鉛、セレン、スルフォラファン、メチオニン、シスチン、食物繊維の内少なくとも2種類を含むものであり、望ましくは前記硫化アリルを必須とし、又は7種類全てを含むものである、スピルリナを含有する健康補助食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康補助食品に関し、特にスピルリナを含む健康補助食品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、健康に対する関心から、牡蠣、鮫、マムシ等の動物由来、あるいはキノコ、アロエのような野菜、果物等の植物由来の健康補助食品が広く用いられている。
【0003】
中でも、藻類は、健康補助食品のみならず一般食品としてもで活用されており、例を挙げると、藍藻類としてのスピルリナ、スイゼンジノリ、紅藻類のアサクサノリ、テングサ、フノリ、緑藻類としてのアオノリ、クロレラ、褐藻類としてのコンブ、ワカメ、ヒジキ、モズク等が一般に用いられている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0004】
このうち、健康補助食品としては、クロレラ、スピルリナ等がタンパク質やビタミンの供給源として特に知られている。
【0005】
クロレラは、タンパク質、脂質、糖質、その他ビタミンE、ビタミンKなどの脂溶性ビタミン等を含み、又葉緑素も豊富であり、錠剤等に加工され流通している。
【0006】
しかしながら、クロレラには以下のような欠点がある。すなわち、クロレラは細胞壁が厚いため、そのままでは消化吸収率が悪い。そこで食品として利用する際には主に細胞壁を破壊する処理が行われているが、その際に有効な栄養素が失われてしまう。一部の商品には細胞壁が比較的薄いクロレラを用いているものもあるが、加工処理による栄養素の損失が十分とは言えない。又、クロレラには独特の臭いがあり、これが一部の消費者に敬遠されることもある。
【0007】
これに対し、スピルリナは、クロレラと同等又はそれ以上のタンパク質含有量であり、かつ各種ビタミン、ミネラル等も豊富に含んでいる。又、一般の植物と同様光合成を行うが、デンプンの代わりにグリコーゲンを生成する特徴を有する。
【0008】
しかも、スピルリナは細胞壁が薄く消化吸収率が高い点でクロレラより優れており、健康食品としてより好適である。
【0009】
このように、消化吸収に優れたタンパク質、ビタミン等の供給源として、スピルリナは広く用いられている。
【非特許文献1】 三牧ファミリー薬局、“健康食品 海藻類・藻”「online」、有限会社 光漢堂、「平成19年12月17日検索」インターネット<https://www.mimaki−family.com/item/list2_8−126.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来のスピルリナを利用した健康補助食品においては、以下のような課題があった。
【0011】
すなわち、近年、生活習慣病等の予防や健康維持を目的として、健康補助食品においては、単なるサプリメント(栄養補給源)に止まらず、体内に蓄積する脂肪や金属等の有害物質を速やかに排出する機能(いわゆる毒出し機能)が求められているところ、従来のスピルリナを利用した健康補助食品において、そのような機能に着目したものはなかった。
【0012】
又、複数の健康補助食品を併用することで毒出しの効果を得ることができるが、消費者の要求を満たす他の種類の健康補助食品を、スピルリナを利用した健康補助食品と同時に購入することは、選択の手間や、コスト高となってしまう。
【0013】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、体内に蓄積した有害物質を分解、無毒化又は排出することができる機能を有する、スピルリナを含有する健康補助食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、スピルリナと、体内物質を分解、無毒化又は排出させる作用を有する複数の成分とを含有する健康補助食品である。
【0015】
又、第2の本発明は、前記複数の成分は、硫化アリル、亜鉛、セレン、スルフォラファン、メチオニン、シスチン、食物繊維を少なくとも有する群の内から、少なくとも2種を含有するものである、第1の本発明の健康補助食品である。
【0016】
又、第3の本発明は、前記少なくとも2種の前記複数の成分は、少なくとも前記硫化アリルを含有するものである、第2の本発明の健康補助食品である。
【0017】
又、第4の本発明は、前記少なくとも2種の前記複数の成分は、少なくとも前記硫化アリルを含有するものである、前記複数の成分として、前記硫化アリル、前記亜鉛、前記セレン、前記スルフォラファン、前記メチオニン、前記シスチン、及び前記食物繊維を含有するものである、第3の本発明の健康補助食品である。
【0018】
又、第5の本発明は、前記亜鉛を亜鉛酵母として、前記セレンをセレン酵母として含有するものである、第4の本発明の健康補助食品である。
【0019】
又、第6の本発明は、前記スピルリナの含有率が90wt%以上である、第1から第5のいずれかの本発明の健康補助食品である。
【0020】
又、第7の本発明は、前記複数の成分の一つとして、スコルジニン又はシニグリンを更に含有する、第1から第6のいずれかの本発明の健康補助食品である。
【0021】
又、第8の本発明は、グルタチオン、システイン、α−リポ酸、マグネシウム、ポリフェノールを有する群の全部又は一部を更に含有する、第1から第7のいずれかの本発明の健康補助食品である。
【0022】
又、第9の本発明は、タブレットである、第1から第8のいずれかの本発明の健康補助食品である。
【0023】
又、第10の本発明は、粉末である、第1から第8のいずれかの本発明の健康補助食品である。
【0024】
又、第11の本発明は、液体又はペーストである、第1から第8のいずれかの本発明の健康補助食品である。
【発明の効果】
【0025】
以上のような本発明によれば、栄養源となるとともに、体内に蓄積した有害物質を分解、無毒化又は排出することができる機能を有する、スピルリナを含有する健康補助食品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
本発明の実施の形態にかかる健康補助食品は、スピルリナを必須成分として含む健康補助食品であって、更に以下に説明する複数の補助成分を含み、体内に蓄積した有害物質を分解、無毒化又は排出することができる機能を備えたことを特徴とする。なお、本願において「有害物質」とは、生体内にて当該生体の正常な機能の妨げになるもの一般を意味し、有機物、無機物、生物、非生物等の区別を問わないものである。
【0028】
以下、本実施の形態の健康補助食品の各成分について説明を行う。
(スピルリナ)
本実施の形態の健康補助食品の主成分たるスピルリナは、藍藻類(シアノバクテリア)アルスロスピラ属の植物であり、これには例えば、スピルリナ・ゲイトレリ、スピルリナ・プラテンシス、スピルリナ・マキシマ、スピルリナ・メイヤー、スピルリナ・ラキシシマ、スピルリナ・アルダリア等が挙げられるが、本発明にはどの種を用いても良い。
【0029】
スピルリナ単体(株式会社スピルリナ研究所製)の含有成分を、100g当たりに含まれる割合とともに以下に示す。
【0030】
エネルギー:300〜400kcal、タンパク質:60〜75g、脂質:6〜10g、糖質:2〜12g、ナトリウム:500〜1,700mg、食物繊維:5〜10g、総カロテノイド:100〜600mg、ベータ・カロテン:50〜300mg、レチノール当量8,330〜50,000、ビタミンE:5〜35mg、ビタミンK:0.5〜2mg、ビタミンB1:2〜5mg、ビタミンB2:3〜6mg、ビタミンB6:0.3〜0.9mg、ビタミンB12:20〜250mg、ナイアシン:10〜20mg、イノシトール:50〜200mg、葉酸:20〜250mg、パントテン酸:0.05〜1.4mg、カルシウム:90〜900mg、マグネシウム:200〜500mg、カリウム:1,300〜1,900mg、鉄:40〜110mg、ガンマ・リノレン酸:700〜1,800mg、クロロフィルa:500〜2,000mg、フィコシアニン:2,000〜7,000mg。
【0031】
以上のように、スピルリナはタンパク質、ビタミン(特にビタミンB群、ベータ・カロテン)が豊富であり、栄養源として効果を有する。その一部を以下に説明する。
【0032】
タンパク質は、基本的な栄養素であり、必須アミノ酸であるイソロイシン、ロイシン、リジン、等を含んでいる。
【0033】
又、スピルリナが含むビタミンB12は、他の植物性食品には含まれていない(例えば牛レバー等に含まれる)栄養素である。又、ベータ・カロテンは抗酸化作用が強く、体内でビタミンAに変換される。
【0034】
更に、スピルリナは、ガンマ−リノレン酸を含み、これは、プロスタグランジンに変換され、炎症を抑えるなどの作用を有する。
【0035】
又、スピルリナに含まれるカロテノイドの一種であるゼアキサンチンは、目に多く含まれ、眼精疾患の予防に用いられる。
【0036】
本実施の形態の健康食品は、上記主成分たるスピルリナに加えて、以下の各補助成分を含有させることによって、体内に蓄積した有害物質を分解、無毒化又は排出することができる機能(いわゆる毒出し(デトックス)機能)を付加している。
(硫化アリル)
アリル化合物の一種であり、主にネギ、ニラ、ニンニク等に含まれる成分であって、これら植物の催涙効果、刺激臭等の原因となる物質である。
【0037】
硫化アリルは殺菌、抗菌作用、血液凝固を遅らせる作用、血液中の脂質を減らす作用を有するため、単体では、風邪、ガン(癌)、糖尿病、高血圧、動脈硬化等の予防、血行促進、疲労回復等の目的に用いられる。
【0038】
又、硫化アリルは、水銀、鉛等の金属を吸着し、体外へ排出させる機能を有する。
【0039】
特に、硫化アリルは、ビタミンB1の吸収を促進する作用を有するため、本実施の形態のように、スピルリナと合わせて摂取することで、スピルリナ中のビタミンB1の吸収が促進され、新陳代謝を活発にし、疲労回復や神経の鎮静化、不眠症改善等の効能を促進できる効果が与えられる。
(亜鉛)
金属元素の一であり、生体にとって必須の微量元素の一種で、食品として外部から摂取され、骨と脾臓に主に貯蔵される。豚肉、レバー、うなぎ、牡蠣等に含まれる。
【0040】
亜鉛はDNAやタンパク質の合成にはたらく酵素や、細胞や組織の代謝にかかわる酵素など、200種類以上の酵素の構成成分となり、単体では、痴呆症、抜け毛、薄毛、肌荒れ、精力減退、生理不順等の予防、防止等の目的に用いられる。
【0041】
穀物や豆類に含まれるフィチン酸、さらにはインスタント食品その他加工食品は、亜鉛の吸収を妨げることで知られている。そこで本実施の形態のように通常の食事とは別に亜鉛を摂取することには利点がある。
【0042】
特に、本実施の形態においては、原材料として亜鉛酵母を用いた。亜鉛酵母は、ミネラル酵母の一つであり、有効成分のミネラル含有量を高めた不活性酵母である。すなわち、酵母醗酵の生産工程で、ミネラルである亜鉛を加えてなるものである。体内への吸収速度が遅速となるため、過剰摂取となることを防ぐことができる。
(セレン)
非金属元素たる酸素族元素の一種であって、魚介類、動物の内臓、肉類に含まれる。
【0043】
セレンはセレノシステインとして蛋白質に組み込まれ、主にセレノプロテインとして働く。セレンはビタミンEやビタミンCと協調して、活性酸素やラジカルから生体を防御する。又、ビタミンEと協調する抗酸化作用を有し、過酸化脂質の増加を抑える作用があるため、動脈硬化防止、免疫力強化等の目的に用いられる。更に、水銀と結びつくと安定化した化合物を生成し、水銀を無害化する作用を有すると言われるため、かかる有害金属を摂取してしまった場合に効果を発揮する。
【0044】
セレンも必須の元素であるが、欠乏量と過剰摂取量の間の適正量の幅が狭いと考えられ、日常の食事で適正量を摂取することは難しいが、本実施の形態においては他の成分と同時に摂取する際のバランスを保つことができる。そこで、本実施の形態においては、亜鉛と同様、原材料としてはセレン酵母として含有させ、体内への吸収速度を遅速とさせ、過剰摂取を防ぐようにしている。
(スルフォラファン)
スルフォラファンは、植物栄養素の一種で、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ中に含まれ、特にブロッコリーの新芽(スプラウト)であるブロッコリースプラウトに多く含まれる。
【0045】
スルフォラファンは、解毒作用と抗酸化作用を有し、単体ではガン予防等の目的に用いられる。又、解毒作用の一としては、ピロリ菌に対する殺菌作用が確認されるため、胃潰瘍、胃炎、十二指腸潰瘍、等の予防等にも効果が得られる。
(メチオニン)
メチオニンは、必須アミノ酸、すなわち体内で合成することが出来ず、体外から摂取しなければならないアミノ酸の一種であって、しらす干し、のり、マグロ、かつお(鰹)等に含まれる。
【0046】
メチオニンは、メチオニンは肝臓内に入ってきた毒素や老廃物を排除し代謝を促進させる作用を有し、血中コレステロール値をコントロールすることができ、かゆみやアレルギーの原因にもなっているヒスタミンの血中濃度を下げる作用も有する。毒素としては、鉛、水銀、カドミウム等の有害金属が挙げられる。
【0047】
メチオニン単体では、アレルギー疾患、コレステロール抑制、肝機能の安定等の目的に用いられ、特にアルコール、脂肪の過剰摂取から肝機能を守る働きを有する。
(シスチン)
シスチンは、含硫アミノ酸の一種で、髪の毛を作っているタンパク質の主要成分であり、ケラチンに特に多く含まれる。一般には、必須アミノ酸であるメチオニンが体内に取り込まれると、シスチンに変わることで人体に含まれるが、食品においては、牛肉、羊肉、小麦粉等にも含まれる。
【0048】
シスチンは、メラニンの生成を抑制し、又、生成したメラニンも排出する作用を有する。又、シスチンは、体内で代謝されると硫黄を出し、他の物質と反応して解毒するはたらきをするため、体内の活性酸素を不活性化し、重金属等の有害物資の排出を助ける作用を有する。さらに、治療目的としては、X線や放射能の影響に対しても効果があると言われている。
(食物繊維)
食物繊維は、人間の消化酵素で消化されにくい食品中の成分の総称であるが、代表的なものとしては、野菜や植物に含まれるセルロースやペクチン、動物に含まれるキチン等が挙げられる。なお、オリゴ糖や老化したデンプンも食物繊維に含まれる。
【0049】
食物繊維の作用は多岐に渡り、水分を吸収することによって便を柔らかくすることで、弁の腸内の通過時間を早め、便秘改善、便容量の増大を図ることができる。又、消化管内で吸水して膨らみ体積を増すため胃から小腸へ食物が移動する速度を遅めることで消化管運動を活発化する。又、消化管内で栄養素の拡散を抑制することで、コレステロールやダイオキシン等の発ガン物質や胆汁酸を体外へ排出させることができる。胆汁酸やコレステロールの排出により、体内のコレステロール濃度を正常にする働きや、血中コレステロールを減少させる働きもある。
【0050】
更に、食物繊維は、その吸着性、粘性により腸内の毒素を吸着し、毒素を薄め、かさを増やすことで体外への排出を促します。これにより、腸内の悪玉菌(免疫力を低下させる菌、例えばウェルシュ菌等)の活動を抑制し、善玉菌(免疫力を高める菌、例えばビフィズス菌等)の増殖を促すことで、免疫力の維持・向上を図ることができる。
【0051】
本実施の形態の健康補助食品は、以上7種類の、機能性を備えた補助成分をスピルリナに付加することにより、高タンパク、高ビタミンの栄養源のみならず、体内に蓄積した金属、菌、脂質、毒素等の有害物質を、それぞれの成分の作用に応じて分解、無毒化、又は体外へ排出させる、すなわち、いわゆる毒出しを行う、複合的な機能を発揮することができる。
【0052】
又、上述の各補助成分は、毒出し以外にもそれぞれ栄養源となったり、体内の機能補助等の作用を有するが、それぞれの作用は他の補助成分の作用の妨げとなることなく働くので、バランスに優れた健康補助食品を得ることができる。
【0053】
更に、本実施の形態の健康補助食品においては、上記スピルリナと各補助成分同士の相乗効果を得ることができる。
【0054】
特に、上述のように、硫化アリルはスピルリナ中有のビタミンB1の吸収を促進する。又、スピルリナと各補助成分との相乗効果のみならず、補助成分同士の相乗効果を得ることができる。例えば、メチオニンはセレンを運搬する機能を有し、セレンの体内吸収を助ける効果を得ることができる。したがって抗酸化ミネラルとしてのセレンの抗酸化作用を増進することが期待できる。
【0055】
又、シスチンもセレンに作用して、喫煙や飲酒に寄って発生した活性酵素を除去したり、細胞が有害物質によって傷つけられるのを防ぐ効果が期待される。
【0056】
これらの補助成分は、7種類全てを含ませることが望ましいが、2種以上の成分を任意に抽出してスピルリナと組み合わせるようにしてもよい。このとき、少なくとも硫化アリルは必須とすることが望ましい。スピルリナ中有のビタミンB1の吸収を促進することで、スピルリナとの協働効果が著しいからである。
【0057】
更に、本発明の健康補助食品は、上記7種類の補助成分に、更に以下の補助成分を添加することもできる。これらの補助成分から必要に応じて全部又は一部を添加するようにすることが望ましい。
(スコルジニン)
硫黄化合物であって、主にニンニクに含まれている。ビタミンB1の働きを助ける作用があり、上述の硫化アリルとともにスピルリナのビタミンB1の効果をより高めることが可能となる。
【0058】
又、スコルジニン単体としては、強力な酸化還元作用があり、栄養素を完全燃焼させてエネルギーに変える働きがある。毛細血管の血行を高めて冷え性を改善する効能や、胃腸の消化機能を促進して食欲不振の改善や、呼吸の活発化の作用が得られる。又、人体の老廃物や毒素の分解能力を高め、体外への排出を促進する機能を有する。
(シニグリン)
マスタードやわさびに含まれる、辛みの元となる成分であって、利尿作用、消化促進等に有効な効果を有する。又、殺菌作用もあり、体内の病原菌や寄生虫の除去が期待される。
(グルタチオン)
グルタミン酸、システイン、グリシンの3種類のアミノ酸がペプチド結合した物質であって、牛レバー、マダラ、ホウレンソウ等に含まれる。細胞の機能低下や変異をもたらす有害金属等の有害物質を体内で解毒し、肝臓の機能を強化する作用を有する。又、過酸化脂質の生成を抑制する作用を有する。
(システイン)
シスチンを還元してなる物質であり、体内で生成されることが可能であるが、赤唐辛子、ニンニク、タマネギ、ブロッコリー等にも含まれる。有害金属を解毒する効果がある。(α−リポ酸)
α−リポ酸はクエン酸回路を援助する栄養素であるが、強力な抗酸化力を有する。又、ビタミンC、ビタミンEやユビキノン(コエンザイムQ10)といった他の抗酸化物質の寿命を延ばす働きも有する。又、金属中毒を解毒する効果もある。
(マグネシウム)
マグネシウムは人体内にも存在するミネラルで、葉緑素の成分の一でもある。マグネシウムは、アーモンド、ピーナッツ、黒米、納豆、ひじき等に含まれ、腎臓等の組織にカルシウムが沈着するのを防ぐ。また、有害金属を解毒する効果も期待できる。
(ポリフェノール)
フラボノール(主に赤ワインに含有)、タンニン(主に茶に含有)、カテキン(主に茶に含有)、イソフラボン(主に大豆に含有)、ケルセチン(主にタマネギの川に含有)、アントシアニン(主に赤ワインに含有)、ルチン(主にソバに含有)、クルクミン(主にカレー粉に含有)、セサミノール(主にゴマに含有)等の植物の光合成により生成される物質の総称である。単体としては、生体に対しては抗酸化物として機能するため、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化を防ぐ効果を有する。
【0059】
又、抗菌作用や抗腫瘍作用も有し、有害金属の排出も期待できる。
【実施例】
【0060】
何れも粉末材料である、スピルリナと、硫化アリル源としての発酵ニンニク末と、亜鉛源としての亜鉛酵母と、セレン源としてのセレン酵母と、スルフォラファンとしてのブロッコリー末と、メチオニンと、シスチンと、コーン由来の食物繊維とを原材料として200mgのタブレット状の錠剤を作成する。スピルリナについて90wt%以上の含有率となるようにし、残りを他の原料に割り当てることで、スピルリナの栄養源としての機能に、上述の各補助成分の機能を付加した健康補助食品を得ることができる。各補助成分の作用は互いに干渉しないため、上述の機能はそれぞれ独立して体内で毒出しの役割を果たすことが可能となる。
【0061】
経口摂取としては、上述のようにタブレット状の錠剤とするのが望ましいが、粉末状、液体又はペースト状としてもよく、消化吸収効率を高めることができ、又、個人差に合わせた摂取量の調整を行うこともできる。
【0062】
又、本発明は主に人を対象とするが、ペット等の動物に与えても、人に対するのと同様の作用を発揮することが期待される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、栄養源となるとともに、体内に蓄積した有害物質を分解、無毒化又は排出することができる機能を発揮する効果を有し、スピルリナを含有する健康補助食品等において有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピルリナと、体内物質を分解、無毒化又は排出させる作用を有する複数の成分とを含有する健康補助食品。
【請求項2】
前記複数の成分は、硫化アリル、亜鉛、セレン、スルフォラファン、メチオニン、シスチン、食物繊維を少なくとも有する群の内から、少なくとも2種を含有するものである、請求項1に記載の健康補助食品。
【請求項3】
前記少なくとも2種の前記複数の成分は、少なくとも前記硫化アリルを含有するものである、請求項2に記載の健康補助食品。
【請求項4】
前記複数の成分として、前記硫化アリル、前記亜鉛、前記セレン、前記スルフォラファン、前記メチオニン、前記シスチン、及び前記食物繊維を含有するものである、請求項3に記載の健康補助食品。
【請求項5】
前記亜鉛を亜鉛酵母として、前記セレンをセレン酵母として含有するものである、請求項4に記載の健康補助食品。
【請求項6】
前記スピルリナの含有率が90wt%以上である、請求項1から5のいずれかに記載の健康補助食品。
【請求項7】
前記複数の成分の一つとして、スコルジニン又はシニグリンを更に含有する、請求項1から6のいずれかに記載の健康補助食品。
【請求項8】
前記複数の成分の一つとして、グルタチオン、システイン、α−リポ酸、マグネシウム、ポリフェノールを有する群の全部又は一部を更に含有する、請求項1から7のいずれかに記載の健康補助食品。
【請求項9】
タブレットである、請求項1から8のいずれかに記載の健康補助食品。
【請求項10】
粉末である、請求項1から8のいずれかに記載の健康補助食品。
【請求項11】
液体又はペーストである、請求項1から8のいずれかに記載の健康補助食品。