説明

健診データ処理システム

【課題】 複数の種類の健康診断報告書を効率良く印刷出力可能な健診データ処理システムを提供する。
【解決手段】 印刷出力すべき健診データの帳票のグループを設定するためのグループ親帳票設定エリア200及びグループ子帳票設定エリア201と、該設定されたグループに属する任意の帳票を選択し、該選択された任意の帳票に対し印刷出力条件を設定するためのグループ子帳票出力条件設定エリア203と、を表示し、グラフィカルユーザインターフェースにより設定し、該設定された帳票のグループを印刷出力する指令があったときに前記設定された印刷条件に基づいて前記グループの帳票をプリンタ3に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば人間ドッグや健康診断の結果データの処理に用いて好適な健診データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人間ドッグや健康診断の健診結果報告書を印刷する場合は、対象となる健診報告書を選択し、その選択された健診報告書印刷出力するための条件を設定する。健診報告書は前記設定された条件、例えば患者単位で出力することが行われている。また、複数の条件での健診報告書を印刷する場合は、それぞれの条件毎に指定して印刷するのが一般的な方法であった。この方法は、特許文献1の従来技術で説明されている。
【特許文献1】特開2002−49692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1では、手作業に代わりコンピュータがデータベースを参照して健康診断で得られる特殊診療項目のデータにマーキングする技術が開示されているだけであって、複数の種類の健康診断報告書の印刷出力の手間を解消することが言及されていない。
【0004】
本発明の目的は、複数の種類の健康診断報告書を効率良く印刷出力可能な健診データ処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、印刷出力すべき健診データの帳票のグループを設定する手段と、該設定されたグループに属する任意の帳票を選択する手段と、該選択された任意の帳票に対し印刷出力条件を設定する手段と、該設定された帳票のグループを印刷出力する指令があったときに前記設定された印刷条件に基づいて前記グループの帳票を印刷出力する手段と、を備えることで達成される。
【0006】
また、前記印刷条件設定手段は、前記複数種類の帳票のうちの同一種類の帳票に同一の印刷条件を設定してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の種類の健康診断報告書を効率良く印刷出力できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の健診データ処理システムについて、図面を用いて説明する。
本発明は、複数帳票の結果報告書をグループ化し、それぞれの報告書に出力条件を設定して、要求する報告書を設定された条件の下で自動出力するものを例に説明する。
【0009】
図1は本発明の健診データ処理システムの構成例を説明する図、図2は図1の健診クライアントの構成例を示す図、図3は図1のシステムにて出力できる帳票名のデータベーステーブル例を示す図、図4はグループ化する親ならびに子帳票の名称と条件を設定する画面例を示す図、図5は帳票を出力する際の出力設定画面例を示す図、図6は健診クライアント2からプリンタ4へ送信される印刷ジョブの例を示す図、図7は帳票出力時のソート条件設定例を示す図、図8は結果報告書以外のグループ化設定例を示す図、図9は帳票グループ化から出力までの動作例を説明するフローチャートである。
【0010】
健診システムは、図1に示されるように、健診データを保管し、健診クライアントなどを制御する健診システムサーバ1と、健診結果の参照や登録業務を行う健診クライアント2と、健診結果や帳票類を印刷するプリンタ3とを有している。
さらに健診システムには、その外部システムとして生理検査システム4および検体検査システム5、画像管理システム6がネットワークを介して接続される。
そして、健診システムは外部システムと相互にデータの送受信が行われる。
【0011】
健診クライアント2は、図2に示されるように、健診データを表示するためのモニタ21と、モニタ21に接続される入力デバイス22と、入力デバイス22の入力によって作動する健診データ参照部23、健診データ登録部24、健診データ出力部25と、CPU26とを有している。
【0012】
入力デバイス22にはキーボード22a、マウス22bが設けられている。健診データ参照部23は、健診データを参照可能とするためにモニタ21に表示する。健診データ登録部24は、モニタ21に参照表示された健診データにグループ化等の新しい属性をつけ、その当該健診データを登録する。健診データ出力部25は健診データ登録部24に登録された健診データをプリンタ3に出力する。また、後で説明する「プレビュー」が入力された場合は、モニタ21に出力する。CPU26は、健診データ参照部23、健診データ登録部24、健診データ出力部25についてそれぞれが機能するように制御する。
【0013】
次に、図1,図2に示される健診システムの動作例について図3〜9を用いて説明する。
(ステップ1)
健診システムサーバ1は、健診クライアント2で入力された健診データや外部システムから取り込まれた健診データから、それらの健診データを纏めた帳票を作成する。作成された帳票は図3に示されるような帳票テーブル7に格納される。帳票テーブル7は、例えば健診システムサーバ1自身が保有するメモリの一部に格納される。
【0014】
(ステップ2)
健診システムサーバ1は、健診クライアント2の健診データ参照部23にステップ1の帳票テーブル7を読み出す。健診クライアント2のCPU26は、読み出された帳票テーブル7に基づき図4に示される表示メニューを作成し、その作成された表示メニューをモニタ21に表示する。操作者は、モニタ21に表示された表示メニューのグループ親帳票設定エリア200で親帳票を設定し、この帳票に付随して出力させる子帳票をグループ子帳票設定エリア201でグループ設定する。ここでは、親帳票とは特定の受診者が属する企業向けなどに一括で送るための報告書の束を示し、子帳票とは胸部X線、胃部X線、腹部超音波、受診者一覧などの親帳票を構成する各要素を示している。
【0015】
(ステップ3)
操作者は、子帳票をさらにグループ子帳票出力条件設定エリア202によって印刷等の出力条件を検索する。その検索は、例えば健診結果報告書という親帳票に対して、グループ化した子帳票に検査種類別のメニューを設定し、その設定されたメニューについて所見があった受診者のみ出力というような条件を設定する。
このようにして、操作者は一連の設定が終了したならば、モニタ21に表示された「登録」のソフトスイッチを入力する。また、操作者は、設定を中止したいときは、モニタ21に表示された「取消」のソフトスイッチを入力し、この処理を終了する。健診クライアント2は、「登録」のソフトスイッチの入力により、図5に示されるような印刷用メニュー画面を生成する。
【0016】
(ステップ4)
健診システムサーバ1は、「登録」のソフトスイッチの入力により、親帳票と子帳票、子帳票に設定されたグループ化条件を記憶する。
【0017】
(ステップ5)
健診クライアント2は、ステップ3で生成された印刷用メニュー画面を表示する。操作者は、帳票名(グループ化した場合は親帳票)を印刷対象帳票名選択エリア203で選択する。
(ステップ6)
操作者は、選択された帳票に対する出力条件を帳票出力条件設定エリア204で設定する。
【0018】
(ステップ7)
操作者は「印刷」のソフトスイッチを入力する。健診クライアント2は自身よりプリンタ3へ印刷ジョブ8が送信される。親帳票が先頭に設定され、子帳票が次いで設定されている場合は、親帳票が出力された後に子帳票が設定された条件の下にプリンタ3に印刷出力される。
また、操作者は、印刷状態の確認用にその表示状態をモニタ21に表示するための「プレビュー」のソフトスイッチ、処理を中止するための「取消」のソフトスイッチを適宜選択することができる。
【0019】
(ステップ8)
操作者は、出力終了か否かを選択する。終了の選択は図5の「終了」のソフトスイッチを入力する。健診クライアント2は「終了」のソフトスイッチの入力に基づいて処理を終了する。出力終了でない場合、CPU26は、ステップ4に戻って、印刷出力済の帳票データを登録する。健診クライアント2は未出力の帳票データを検索できるようになる。
【0020】
また、ステップ3で説明したように、健診システムサーバ1は親帳票と子帳票、子帳票に設定された条件を記憶しているので、図7に示すような未出力項目や、図8に示すような胸部X線有所見リストなどを新たな検索条件とすることができる。
つまり、図7の場合は帳票単位ではなく健診者単位に帳票出力を行う場合に好適である。操作者がソート条件を設定し、健診クライアントが健診者単位で親帳票を出力後、子帳票の出力がある場合は、次健診者の親帳票を出力せずに子帳票の出力を行う。
【0021】
また、図8の場合は、検査事前準備資料の一括自動印刷に好適である。操作者は、親帳票に受診者一覧表を設定し、子帳票に各検査所見一覧表を設定し、子帳票の出力条件として、「過去に所見があった場合出力する」と設定する。これにより、受診者一覧表と同時に過去有所見一覧表の印刷が可能となる。
【0022】
本実施形態によれば、1回の操作で健診結果報告書と他の結果報告書を同時に出力できるため、報告書印刷時のユーザ手動操作量を軽減することができる。
また、前記印刷条件設定手段は、前記複数種類の帳票のうちの同一種類の帳票に同一の印刷条件を設定すれば、より一層のユーザ手動操作量を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の複数帳票一括自動印刷システムの構成例を説明する図。
【図2】図1の健診クライアントの構成例を示す図。
【図3】図1のシステムにて出力できる帳票名のデータベーステーブル例を示す図。
【図4】グループ化する親ならびに子帳票の名称と条件を設定する画面例を示す図。
【図5】帳票を出力する際の出力設定画面例を示す図。
【図6】健診クライアント2からプリンタ4へ送信される印刷ジョブの例を示す図。
【図7】帳票出力時のソート条件設定例を示す図。
【図8】結果報告書以外のグループ化設定例を示す図。
【図9】帳票グループ化から出力までの動作例を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0024】
1 健診システムサーバ、2 健診クライアント、21 モニタ、22 入力デバイス、23 健診データ参照部、24 健診データ登録部、25 健診データ出力部、26 CPU、200 グループ親帳票設定エリア、201 グループ子帳票設定エリア、202 グループ子帳票出力条件設定エリア、203 印刷対象帳票名選択エリア、204 帳票出力条件設定エリア、3 プリンタ、4 生理検査システム、5 検体検査システム、6 画像管理システム、7 帳票テーブル、8 印刷ジョブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷出力すべき健診データの複数種類の帳票のグループを設定する手段と、該設定されたグループに属する任意の帳票を選択する手段と、該選択された任意の帳票に対し印刷出力条件を設定する手段と、該設定された帳票のグループを印刷出力する指令があったときに前記設定された印刷条件に基づいて前記グループの帳票を印刷出力する手段と、を備えたことを特徴とする健診データ処理システム。
【請求項2】
前記印刷条件設定手段は、前記複数種類の帳票のうちの同一種類の帳票に同一の印刷条件を設定することを特徴とする請求項1に記載の健診データ処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−120038(P2006−120038A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309165(P2004−309165)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】