説明

備品模型、備品模写シート及び備品模写プレート

【課題】 購入しようとする備品が部屋に配置された状態、備品が部屋の雰囲気に合致するかどうか、あるいは搬入可能かどうかなどを正確かつ容易に判断することを可能にする手段を提供する。
【解決手段】 実物大の備品模型1は、建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品の外面形状に対応する形状を有する外形部2を備えている。ここで、外形部2は、それぞれ厚紙からなり面ファスナ6により相互の連結及び該連結の解除が可能な複数の薄板部材3〜5を互いに連結することによって形成されている。また、薄板部材3〜5の、連結時において外部に露出する表面には、備品の外観を呈するカラーの画像が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に備え付けられるべき家具、電気製品などの備品の外面形状に対応する形状を有する外形部ないしは輪郭部を備える一方、該外形部内が空洞となっている実物大の備品模型、並びに、該備品を正面、側面又は後面からみた状態における実物大の輪郭に対応する形状の広がり面を有する備品模写シート及び備品模写プレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、家具、電気製品等の備品ないしは調度品を購入しようとする場合は、まず、広告、カタログ等に記載されている備品の写真、寸法等に基づいて、希望する備品が、予定している場所に収まるかどうかや、部屋の雰囲気ないしは模様に合致するかどうかなどを判断することが多い。しかし、写真や寸法のみにより、この備品が部屋に配置された状態を正確に把握することは困難である。そこで、家具の平面図が所定の縮小率で記載されたカタログと、上記家具と同じ縮小率で部屋の外形枠が記載されているとともにその外形枠が所定の大きさの升目に分割されてなるシートとを備え、このシートを上記カタログに重ねて上記家具が占有するスペースを認識させるようにした、家具の占有スペース認識装置が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実公平6−7281号公報([請求項1]、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示されている家具の占有スペース認識装置店舗でも、備品が部屋に配置された状態、あるいは備品が部屋の雰囲気ないしは模様に合致するかどうかなどを正確に判断することは困難であるといった問題がある。
【0004】
また、店舗に出向き、実物を実際にみて購入すべき備品を選択する場合においても、希望する備品が、これを配置すべき場所に収まるかどうか、あるいは部屋の雰囲気ないしは模様に合致するかどうかはよく分からないといった問題がある。なお、とくに大型の備品、例えば大型の電気冷蔵庫あるいは洋服ダンスなどの場合、これを住居ないしは部屋に支障なく搬入することができるかどうかも判然としないことがある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、家具、電気製品等の備品を購入する際に、購入しようとする備品が部屋に配置された状態、備品が部屋の雰囲気ないしは模様に合致するかどうか、あるいは搬入可能かどうかなどを正確に判断することを可能にする手段を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様に係る備品模型は、(i)建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品(とくに大型の備品)の外面形状に対応する形状を有する外形部(すなわち輪郭部)を備える一方、該外形部内が空洞となっている実物大(すなわち原寸)の備品模型であって、(ii)外形部が、それぞれ紙(例えば、厚紙、ボール紙、段ボール等)又はプラスチックからなり相互の連結及び該連結の解除(すなわち解体)が可能な複数の薄板部材を互いに連結することにより形成され、(iii)薄板部材の、連結状態において外部に露出する表面に、備品の外観を呈する画像が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
この備品模型においては、薄板部材の相互の連結を、各薄板部材に取り付けられた面ファスナ(ないしはマジックテープ:商標登録)の係合(ないしは結合)により行うのが好ましい。ここで、薄板部材の一部又は全部を、所定の部位で折り曲げ及び該折り曲げの解除が可能なものとし、該薄板部材を、連結状態では、外形部に対応する形状に折り曲げるようにしてもよい。
【0008】
本発明の第2の態様に係る備品模型は、(i)建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品の外面形状に対応する形状を有する外形部を備える一方、該外形部内が空洞となっている実物大の備品模型であって、(ii)外形部が、紙又はプラスチックからなり所定の部位で折り曲げ及び該折り曲げの解除が可能な1つの薄板部材を、外形部に対応する形状に折り曲げて組み立てることにより形成され、(iii)薄板部材の、組み立て状態において外部に露出する表面に、備品の外観を呈する画像が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の第3の態様に係る備品模型は、(i)建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品の外面形状に対応する形状を有する外形部を備える一方、該外形部内が空洞となっている実物大の備品模型であって、(ii)外形部が、紙又はプラスチックからなる枠体(すなわちフレーム)と、該枠体に回転可能に取り付けられた紙又はプラスチックからなる軸部材(すなわちローラ)と、紙、布又はプラスチックからなり軸部材からの引き出し及び軸部材への巻き上げが可能な帯状部材とによって形成され、(iii)帯状部材の、軸部材からの引き出し状態において外部に露出する表面に、備品の外観を呈する画像が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る備品模写シートは、建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品を正面、側面又は後面(背面)からみた状態における実物大の輪郭に対応する(ないしは、該輪郭と同一形状の)広がり面を有する、容易に変形することができる厚さの紙、布又はプラスチックからなる備品模写シートであって、広がり面に、備品を正面、側面又は後面からみた状態における実物大の画像が形成されていることを特徴とするものである。この備品模写シートにおいては、該備品模写シートを巻き付けつけることができる円柱形の軸に一端が結合(固定)されて、巻物状ないしは掛け軸状となっているのが好ましい。
【0011】
本発明に係る備品模写プレートは、建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品を正面、側面又は後面からみた状態における実物大の輪郭と同一形状の広がり面を有する、自立可能な厚さの紙、木又はプラスチックからなる備品模写プレートであって、広がり面に、備品を正面、側面又は後面からみた状態における実物大の画像が形成されていることを特徴とするものである。この備品模写プレートにおいては、該備品模写プレートを自立させる足部(ないしは、折り曲げ部)が下端部に設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、家具、電気製品等の備品ないしは調度品を購入する際に、購入しようとする備品が部屋に配置された状態、備品が部屋の雰囲気ないしは模様に合致するかどうか、あるいは搬入可能かどうかなどを正確に判断することができる。したがって、購入者にとっては備品の選択が容易になるといった利点があり、また販売者にとっては備品の販売が促進されるといった利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態1を具体的に説明する。
図1に示すように、本発明に係る電気冷蔵庫の実物大の備品模型1は、該電気冷蔵庫の外面形状に対応する形状を有する外形部2(輪郭部)を備えている。この外形部2の内側は空洞となっている。
【0014】
図2に示すように、外形部2は、中央薄板部材3と上側薄板部材4と下側薄板部材5とを、それぞれ、所定の部位で折り曲げて所定の形状にし、互いに連結することにより形成されている。各薄板部材3〜5は、それぞれ、比較的厚い紙、例えば厚紙、ボール紙、段ボール等からなり、その厚さは、備品模型1の軽量化を図るため、外形部2が自重で変形しない範囲で可及的に薄くなるように設定されている。なお、備品模型1を何度も繰り返し使用する場合は、外形部2ないしは薄板部材3〜5を、耐久性のあるプラスチックで形成してもよい。
【0015】
各薄板部材3〜5の連結は、各薄板部材3〜5の適所に取り付けられた面ファスナ6同士を係合ないしは結合させることにより行われている。面ファスナ6同士は、軽く押しつけるだけで容易に係合ないしは結合させることができるので、各薄板部材3〜5の連結、すなわち外形部2の組み立ては、非常に容易に行うことができる。また、係合ないしは結合している面ファスナ6同士は、容易に引き離すことができるので、各薄板部材3〜5の連結の解除、すなわち外形部2の解体も、非常に容易に行うことができる。なお、各薄板部材3〜5の連結手段は、面ファスナ6に限定されるものではなく、連結及びその解除が容易であれば、どのようなものでもよい。例えば、ある薄板部材3〜5に設けられた出っ張り部(差し込み部)を、他の薄板部材3〜5に設けられたスリット部に差し込むことにより連結するようにしてもよい。
【0016】
そして、各薄板部材3〜5の、連結時には外部に露出する表面(以下、「外側表面」という。)には、電気冷蔵庫の外観を呈するカラー画像が形成されている。この画像の形成は、各薄板部材3〜5の表面に電気冷蔵庫の外観の画像を直接印刷ないしは描画し、あるいは電気冷蔵庫の外観の画像が印刷ないしは描画された薄紙を貼り付けることにより行うことができる。したがって、備品模型1は、その実物である電気冷蔵庫と、実質的に同様(ないしは同一)の外形(寸法)を有し、実質的に同様(ないしは同一)の外観を備えている。ただし、この備品模型1は、実物の電気冷蔵庫の外面に存在する小さい凹凸は備えていない。なお、必要があれば、各薄板部材3〜5に防水加工を施してもよい。
【0017】
この備品模型1において、各薄板部材3〜5を連結している面ファスナ6の係合を解除し(引き離し)、分離された各薄板部材3〜5を折り畳んでひとまとめにすれば、これらは平面状ないしは平板状のコンパクトな形態となり、また軽量であるので、容易に持ち運ぶことができる。
【0018】
この備品模型1は、例えば、以下のように利用することができる。電気製品販売業者は、電気冷蔵庫を購入しようとしている者(以下「購入希望者」という。)に、該購入希望者が購入しようとしている電気冷蔵庫に対応する備品模型1の各薄板部材3〜5を、折り畳んで平面状ないしは平板状にまとめた状態で提供(貸与)する。購入希望者は、この薄板部材3〜5を自宅に持ち帰り、自宅近傍又は自宅内で連結し、実物の電気冷蔵庫と実質的に同様の形状及び外観を備えた備品模型1に組み立てる。
【0019】
そして、購入希望者は、この備品模型1を、自宅ないしは台所(その他の部屋でもよい)に運び込んだり、台所に配置したりして、実物の電気冷蔵庫を、自宅ないしは台所に支障なく搬入することができるか、あるいはこの電気冷蔵庫が台所の雰囲気ないしは模様に合致するかを判断する。備品模型1は、実物の電気冷蔵庫と実質的に同様の外形及び外観を備えているので、購入希望者は、電気冷蔵庫が台所に配置された状態、電気冷蔵庫が台所の雰囲気ないしは模様に合致するかどうか、あるいは搬入可能かどうかなどを、正確かつ容易に判断することができる。この後、購入希望者は、備品模型1を解体し、各薄板部材3〜5をひとまとめにして電気製品販売店に返却する。なお、返却する必要がない場合は、各薄板部材3〜5は紙で形成されているので、普通の紙製品と同様に処分ないしは廃棄すればよい。
【0020】
また、この備品模型1ないしは各薄板部材3〜5は、紙製であるので、電気製品販売業者はこれを安価に製造ないしは入手することができる。また、この備品模型1を用いれば、購入希望者がその予想に反した商品を購入することがなくなり、商品の返品が減り、商品の販売が促進される。
【0021】
上記の実施の形態に係る備品模型1では、各薄板部材3〜5は、連結時には所定の形状に折り曲げられた状態となっている。しかし、複数の薄板部材の一部又は全部は、折り曲げることなく連結されるものであってもよい。また、上記の実施の形態に係る備品模型1では、各薄板部材3〜5は平板状である。しかし、複数の薄板部材の一部又は全部が曲面状(例えば、球面状、円筒状)であってもよい。
【0022】
前記の実施の形態に係る備品模型1では、外形部2が複数の薄板部材3〜5で構成されている。しかし、備品模型1の外形部2を、1つの薄板部材で構成してもよい。この場合は、この薄板部材を、備品模型の展開図の形状とし、所定の部位を折り曲げ、所定の部位を面ファスナ等で連結して組み立てればよい。
【0023】
前記の実施の形態では、家庭用の電気冷蔵庫の備品模型1を例にとって説明を行っている。しかし、本発明に係る備品模型1は、電気冷蔵庫に限られるものでなく、電気製品、家具等の種々の備品にも応用することができるものであるのはもちろんである。また、家庭用の備品に限られるものではなく、例えば職場で用いられる備品にも応用することができるのはいうまでもない。
【0024】
図3に示すように、本発明に係る備品模型1はテレビにも応用することができる。図3に示す例では、テレビの備品模型1とテレビ台の備品模型7とを組み合わせている。このように、本発明に係る複数の備品模型を組み合わせて用いてもよい。なお、テレビの備品模型1の場合、その前面の画像は、テレビに映像が表示されている状態のものであるのが好ましい。
【0025】
図4に示すように、本発明に係る備品模型1は洋服ダンスにも応用することができる。一般に、洋服ダンスはその寸法(とくに高さ)が非常に大きいので、住居ないしは部屋に支障なく搬入することができるかどうかの判断が困難なことがある。しかし、本発明に係る備品模型1を用いれば、この判断を正確かつ容易に行うことができる。
【0026】
図5に示すように、本発明に係る備品模型1は棚(本棚、陳列棚、食器棚、戸棚等)にも応用することができる。一般に、棚を購入しようとする場合、これに収納しようとしている本、陳列品、食器等が、各棚段間のスペースに入るかどうかの判断が困難なことがある。しかし、本発明に係る備品模型1を用いれば、実際に収納しようとしている本、陳列品、食器等を備品模型1の対応する部位の前に持ってくることにより、この判断を正確かつ容易に行うことができる。また、棚の画像に、典型的な形状(大きさ)の本、陳列品、食器等を描いておけば、実際に本、陳列品、食器等を備品模型1の前にもってこなくても、これらが各棚段間のスペースに入るかどうかの判断を行うことができる。
【0027】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を具体的に説明する。
図6に示すように、実施の形態2に係る電気冷蔵庫の備品模型10においては、外形部11は、フレーム12(枠体)と、ローラ13(軸部材)と、帯状部材14とで形成されている。
【0028】
フレーム12は、詳しくは図示していないが、厚紙からなる複数(12本)の円筒状のパイプと、互いに垂直な3つの方向に分岐して突出し、各突出部にそれぞれパイプを差し込むことができるようになっている紙製の複数(8個)の接続具とで構成されている。これらのパイプと接続具とを、図6に示す形態に接続する(パイプを接続具に差し込む)ことにより、フレーム12を容易に組み立てることができる。また、組み立てられたフレーム12は、パイプと接続具との接続を解除する(接続具からパイプを引き抜く)ことにより容易に解体することができる。
【0029】
そして、フレーム12の4つの上辺部(4本のパイプ)には、それぞれ、厚紙製の円筒状のローラ13(軸部材)が回転可能に取り付けられている。また、各ローラ13には、薄紙からなりローラ13からの引き出し(巻き出し)及びローラ13への巻き上げが可能な帯状部材14が巻き付けられている。つまり、ローラ13と帯状部材14とは、巻物状となっている。
【0030】
ここで、各帯状部材14の、ローラ13から引き出した状態において外部に露出する表面には、電気冷蔵庫の外観を呈するカラーの画像が形成されている。したがって、各帯状部材14を、それぞれ、その先端部がフレーム12の下辺部に達するまでローラ13から引き出して、面ファスナ等により下辺部に連結すれば、実物の電気冷蔵庫と、実質的に同様の外形及び外観を備えた備品模型10が得られる。ただし、備品模型10の上面(天井面)は開かれた状態(すなわち吹き抜け状態)にあるので、必要であれば、この部分に、電気冷蔵庫の上面の画像を伴った上蓋を載せてもよい。
【0031】
また、各帯状部材14をローラ13に巻き上げ、各パイプと接続具とを分離し、ローラ13をパイプから取り外した上で、これらをひとまとめにすれば、非常にコンパクトな形態となり、容易に持ち運ぶことができる。したがって、実施の形態2に係る備品模型10においても、基本的には、実施の形態1に係る備品模型1と同様の作用・効果を奏する。
【0032】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3を具体的に説明する。
図7に示すように、実施の形態3に係る備品模写シート16は、電気冷蔵庫を正面からみた状態における実物大の輪郭と同一形状の広がり面を有する、容易に変形することができる厚さの紙(例えば、ポスター用の紙)で形成されている。そして、表側の広がり面には、この電気冷蔵庫を正面からみた状態における実物大のカラー画像が形成されている。なお、カラー画像の形成手法は、実施の形態1の場合と同様である。
【0033】
この備品模写シート16は、例えば、以下のように利用することができる。電気製品販売業者は、電気冷蔵庫の購入希望者に、該購入希望者が購入しようとしている電気冷蔵庫に対応する備品模写シート16を、例えばまるめて輪ゴムでとめた状態で提供(贈与又は売却)する。購入希望者は、この備品模写シート16を自宅に持ち帰り、上端部(電気冷蔵庫の画像の上端部に対応する部分)を手でつかんだ状態で広げる。なお、備品模写シート16がまるまって広がらない場合は、下端部(電気冷蔵庫の画像の下端部に対応する部分)にやや重いクリップなどを取り付ければよい。そして、備品模写シート16を手にもって動き回り、実物の電気冷蔵庫を、自宅ないしは台所に支障なく搬入することができるか、あるいはこの電気冷蔵庫が台所の雰囲気ないしは模様に合致するかを判断する。
【0034】
備品模写シート16は、平面状ではあるが、実物の電気冷蔵庫の前面と実質的に同様の輪郭及び外観を備えているので、購入希望者は、電気冷蔵庫が台所に配置された状態、電気冷蔵庫が台所の雰囲気ないしは模様に合致するかどうか、あるいは搬入可能かどうかなどを、正確かつ容易に判断することができる。この後、購入希望者は、備品模写シート16を、普通の紙製品と同様に処分ないしは廃棄すればよい。なお、備品模写シート16を電気製品販売業者に返却してもよい。この備品模写シート16は、例えばポスターなどと同様の単なる1枚の紙であるので、電気製品販売業者はこれを極めて安価に製造ないしは入手することができる。
【0035】
図8に示す実施の形態3の変形例では、備品模写シート16の下端部は円柱形の軸17に結合(固定)され、該備品模写シートは軸17に巻き付けられるようになっている。この場合、非使用時には、該備品模写シート16を軸17に巻き付けて巻物状にしておき、使用時には広げて掛け軸状にして用いる。なお、備品模写シート16の上端部には、該備品模写シート16を手にもつための紐18が取り付けられている。なお、この実施の形態3では、電気冷蔵庫を例にとって説明を行っているが、実施の形態3の手法は、電気冷蔵庫以外の種々の備品にも適用することができるのはもちろんである。
【0036】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4を具体的に説明する。
図9に示すように、実施の形態4に係る備品模写プレート19は、電気冷蔵庫を正面からみた状態における実物大の輪郭と同一形状の広がり面を有する、自立可能な厚手の紙(例えば、段ボール)で形成されている。そして、表側の広がり面には、この電気冷蔵庫を正面からみた状態における実物大のカラー画像が形成されている。そして、備品模写プレート19の下端部には、該備品模写プレート19を折り曲げてなる足部20(折り曲げ部)が設けられている。ここで、足部20を床面に置けば、備品模写プレート19は自立する。なお、必要がなければ、足部20は設けなくてもよい。
【0037】
この備品模写プレート19は、例えば、以下のように利用することができる。電気製品販売業者は、電気冷蔵庫の購入希望者に、該購入希望者が購入しようとしている電気冷蔵庫に対応する備品模写プレート19を提供(貸与、贈与又は売却)する。購入希望者は、この備品模写プレート19を自宅に持ち帰り、備品模写プレート19を手にもって移動し、あるいは足部20を床面に置いて備品模写プレート19を自立させ、実物の電気冷蔵庫を、自宅ないしは台所に支障なく搬入することができるか、あるいはこの電気冷蔵庫が台所の雰囲気ないしは模様に合致するかを判断する。
【0038】
備品模写プレート19は、平面状ではあるが、実物の電気冷蔵庫の前面と実質的に同様の輪郭及び外観を備えているので、購入希望者は、電気冷蔵庫が台所に配置された状態、電気冷蔵庫が台所の雰囲気ないしは模様に合致するかどうか、あるいは搬入可能かどうかなどを、正確かつ容易に判断することができる。この後、購入希望者は、備品模写プレート19を、普通の紙製品と同様に処分ないしは廃棄すればよい。なお、備品模写プレート19を電気製品販売業者に返却してもよい。この備品模写プレート19は、単なる1枚の厚手の紙であるので、電気製品販売業者はこれを極めて安価に製造ないしは入手することができる。
【0039】
以上、本発明に係る備品模型、備品模写シート又は備品模写プレートによれば、家具、電気製品等の備品ないしは調度品を購入する際に、購入しようとする備品が部屋に配置された状態、備品が部屋の雰囲気ないしは模様に合致するかどうか、あるいは搬入可能かどうかなどを、正確かつ容易に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態1に係る備品模型(電気冷蔵庫)の正面図である。
【図2】図1に示す備品模型の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1の変形例に係る備品模型(テレビ)の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の変形例に係る備品模型(洋服ダンス)の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態1の変形例に係る備品模型(棚)の正面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る備品模型(電気冷蔵庫)の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る備品模写シート(電気冷蔵庫)の正面図である。
【図8】本発明の実施の形態3の変形例に係る備品模写シート(電気冷蔵庫)の斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る備品模写プレート(電気冷蔵庫)の斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 備品模型、2 外形部、3 中央薄板部材、4 上側薄板部材、5 下側薄板部材、6 面ファスナ、7 備品模型、10 備品模型、11 外形部、12 フレーム、13 ローラ、14 帯状部材、16 備品模写シート、17 軸、18 紐、19 備品模写プレート、20 足部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品の外面形状に対応する形状を有する外形部を備える一方、該外形部内が空洞となっている実物大の備品模型であって、
上記外形部が、それぞれ紙又はプラスチックからなり相互の連結及び該連結の解除が可能な複数の薄板部材を互いに連結することにより形成され、
上記薄板部材の、連結状態において外部に露出する表面に、上記備品の外観を呈する画像が形成されていることを特徴とする備品模型。
【請求項2】
上記薄板部材の相互の連結が、各薄板部材に取り付けられた面ファスナの係合によって行われることを特徴とする、請求項1に記載の備品模型。
【請求項3】
上記薄板部材の少なくとも一部のものは所定の部位で折り曲げ及び該折り曲げの解除が可能であり、該薄板部材は、連結状態においては、上記外形部に対応する形状に折り曲げられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の備品模型。
【請求項4】
建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品の外面形状に対応する形状を有する外形部を備える一方、該外形部内が空洞となっている実物大の備品模型であって、
上記外形部が、紙又はプラスチックからなり所定の部位で折り曲げ及び該折り曲げの解除が可能な1つの薄板部材を、該外形部に対応する形状に折り曲げて組み立てることにより形成され、
上記薄板部材の、組み立て状態において外部に露出する表面に、上記備品の外観を呈する画像が形成されていることを特徴とする備品模型。
【請求項5】
上記紙が、厚紙、ボール紙又は段ボールであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の備品模型。
【請求項6】
建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品の外面形状に対応する形状を有する外形部を備える一方、該外形部内が空洞となっている実物大の備品模型であって、
上記外形部が、紙又はプラスチックからなる枠体と、該枠体に回転可能に取り付けられた紙又はプラスチックからなる軸部材と、紙、布又はプラスチックからなり上記軸部材からの引き出し及び上記軸部材への巻き上げが可能な帯状部材とによって形成され、
上記帯状部材の、上記軸部材からの引き出し状態において外部に露出する表面に、上記備品の外観を呈する画像が形成されていることを特徴とする備品模型。
【請求項7】
建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品を正面、側面又は後面からみた状態における実物大の輪郭に対応する形状の広がり面を有する、容易に変形することができる厚さの紙、布又はプラスチックからなる備品模写シートであって、
上記広がり面に、上記備品を正面、側面又は後面からみた状態における実物大の画像が形成されていることを特徴とする備品模写シート。
【請求項8】
該備品模写シートを巻き付けつけることができる円柱形の軸に一端が結合されていることを特徴とする、請求項7に記載の備品模写シート。
【請求項9】
建物に備え付けられるべき家具、電気製品その他の備品を正面、側面又は後面からみた状態における実物大の輪郭に対応する形状の広がり面を有する、自立可能な厚さの紙、木又はプラスチックからなる備品模写プレートであって、
上記広がり面に、上記備品を正面、側面又は後面からみた状態における実物大の画像が形成されていることを特徴とする備品模写プレート。
【請求項10】
該備品模写プレートを自立させる足部が下端部に設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の備品模写プレート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−212323(P2006−212323A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30511(P2005−30511)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(592110071)株式会社山▲崎▼砂利商店 (6)
【Fターム(参考)】